説明

化合物半導体の成長方法及び装置

【課題】
ゲートリークの少ない高移動度高品質GaN系ヘテロ接合FETの実現を可能とする成長方法及び装置を提供する。
【解決手段】
本発明では、ニ次元電子が高速で走行することが可能であるようにノンドープGaN層についてはMOCVD法を用いて転位密度の低い高品質膜を作成し、さらにこのノンドープGaN層上に成長させるn型AlGa1−xN層についてはゲートリークを抑えるために表面平坦性に優れたn型AlGa1−xN層が得られるようにMBE法で成長させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物半導体の成長方法及び装置に冠するものであり、そして特にノンドープGaN単結晶層上にn型AlGa1−xN層(x=0.1〜1.0)をエピタキシャル成長させ、n型AlGa1−xN層/ノンドープGaN界面のGaN側に形成された二次元電子を界面に沿って高速で走行させる高出力・高周波デバイス用GaN系ヘテロ接合化合物半導体の成長方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
添付図面の図5には、一般的なGaN系ヘテロ接合FETを断面図で示す。41は基板であり、通常、基板41としてはサファイア(0001)或いはSiC(0001)が用いられる。また、42はノンドープGaN層であり、43はn型AlGa1−xN(x〜0.3)層である。ノンドープGaN層42については、残留キャリヤ濃度が1×1016/cm以下、膜厚は2〜4μm程度のものが用いられる。また、n型AlGa1−xN層43については、キャリヤ濃度は1018/cm程度、Al組成xは通常0.3程度、膜厚は20〜30nm程度のものが用いられる。44、45、46はそれぞれソース、ショットキー接合からなるゲート、ドレインである。
【0003】
このような構造をもつヘテロエピタキシャル膜においては、添付図面の図6のバンド図に示したように、n型AlGa1−xN層43中の電子は、ノンドープGaN層42中に落ち込み、GaN層42中においてはイオン化不純物散乱がないため、界面に沿って高速で走行することができる。
【0004】
このようなヘテロエピタキシャル膜の作成には、従来MOCVD法或いはMBE法が用いられていた。しかし、このような構造をもつ膜をMOCVD法で作成した場合には、ノンドープGaN層は欠陥密度の低い、平坦な表面をもつ高品質層が得られるものの、n型AlGa1−xN層については気相中におけるTMAlの熱分解のため、ゲートリークの発生しやすい荒れた表面をもつ膜になりやすいという欠点があった(非特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、MOCVD法は、高電子移動度をもつ高品質ノンドープGaN層の作成には適するが、ゲートリークの少ない平坦な表面をもつAlGa1−xN層の作成には適さなかった。一方、MBE法でAlGa1−xNヘテロエピタキシャル膜を作成した場合には、表面平坦性に優れたAlGa1−xN層が得られるものの、ノンドープGaN層は転位などの結晶欠陥が多く、高い電子移動度が得られないという欠点があった。
【非特許文献1】第65回応用物理学会学術講演会講演予稿集・第3分冊・P1253
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するもので、ゲートリークの少ない高移動度高品質GaN系ヘデロ接合FETの実現を司能とする成長方法及び装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を選成するために、本発明の第1の発明によれば、ノンドープGaN単結晶層上にn型AlGa1−xN層(x=0.1〜1.0)をエピタキシャル成長させ、n型AlGa1−xN層/ノンドープGaN界面のGaN側に形成された二次元電子を界面に沿って高速で走行させるヘテロ接合化合物半導体の成長方法において、
基板上にノンドープGaN層をエピタキシャル成長にさせるのにMOCVD法を用い、
ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層をエピタキシャル成長させるのにMBE法を用いること
を特徴としている。
【0008】
本発明の第1の発明による方法においては、基板上におけるMOCVD法によるノンドープGaN層のエピタキシャル成長と、ノンドープGaN層上におけるMBE法によるn型AlGa1−xN層をエピタキシャル成長とを真空状態を保ちながら連続して実施するように構成され得る。
【0009】
また、本発明の第1の発明による方法においては、基板上にMOCVD法を用いてノンドープGaN層をエピタキシャル成長させた後、ノンドープGaN層表面における不純物層又は酸化層の形成を防止する表面保護膜を形成し、その後真空装置内においてノンドープGaN層上に形成した表面保護膜を加熱により除去するように構成され得る。
【0010】
好ましくは、基板としてサファイア、SiC、GaN、GaAs、Si、AlNのいずれかの基板が用いられ得る。
【0011】
本発明の第2の発明によれば、ノンドープGaN単結晶層上にn型AlGa1−xN層(x=0.1〜1.0)をエピタキシャル成長させ、n型AlGa1−xN層/ノンドープGaN界面のGaN側に形成された二次元電子を界面に沿って高速で走行させるヘテロ接合化合物半導体の成長装置において、
トリメチルガリウム、アンモニア、水素をそれぞれ流量制御して供給するようにしたそれぞれの流量制御手段を備え、基板上にノンドープGaN層を形成するMOCVD装置と;
MOCVD装置にゲートバルブを介して連接して設けられ、ガリウム蒸発源、アルミニウム蒸発源及び窒素プラズマ源又はアンモニア源を備え、ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層を形成するMBE装置と;
を有することを特徴としている。
【0012】
MOCVD装置とMBE装置とは真空搬送部を介して連接され得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の発明による方法においては、基板上にノンドープGaN層をエピタキシャル成長させるのにMOCVD法を用い、ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層をエピタキシャル成長させるのにMBE法を用いており、従って、n型AlGa1−xN層をMBE法で成長させているため、表面平坦性に優れた膜が得られ、ゲートリークを抑えることができる。また、二次元電子はMOCVD法により成長させた低転位密度・高品質ノンドープGaN層中を走行するため、高い電子移動度が得られる。その結果、高品質GaN系へテロ接合化合物半導体の実現が可能となる。
【0014】
本発明の第2の発明による装置においては、トリメチルガリウム、アンモニア、水素をそれぞれ流量制御して供給するようにしたそれそれの流量制御手段を備え、基板上にノンドープGaN層を形成するMOCVD装置と、MOCVD装置にゲートバルブを介して連接して設けられ、ガリウム蒸発源、アルミニウム蒸発源及び窒素プラズマ源又はアンモニア源を備え、ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層を形成するMBE装置とを有しているので、装置を一体に構成することができ、その結果、基板上におけるMOCVD法によるノンドープGaN層のエピタキシャル成長と、ノンドープGaN層上におけるMBE法によるn型AlGa1−xN層のエピタキシャル成長とを実質的に真空状態を保ちながら連続して実施することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下添付図面の図1〜図4を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には本発明による化合物半導体の成膜装置の一実施形態の構成を概略的に示している。図1において、1はMOCVD装置のMOCVD室、2はMBE装置の蒸発源室、3はガリウム蒸発源、4はアルミニウム蒸発源、5は窒素プラズマ源、6はゲートバルブである。また、7、8、9はそれぞれMOCVD装置のトリメチルガリウム、アンモニア、水素のマスフローコントローラー、10〜13はバルブである。図示したように、MOCVD室1は、バルブ10及びトリメチルガリウムのマスフローコントローラー7を介して図示していないトリメチルガリウム供給源に接続され、またバルブ11及びアンモニアのマスフローコントローラー8を介して図示していないアンモニア供給源に接続され、さらにバルブ12及びマスフローコントローラー9を介して図示していない水素供給源に接続される。またバルブ13は図示していない適当な真空排気系に接続される。
【0016】
また、図1において、14、15、16はそれぞれガリウム蒸発源3、アルミニウム蒸発源4、窒素プラズマ源5のシャッターである。MOCVD室1内には、基板加熱用のヒーター17が設置された基板ホルダー18が蒸発源側に向けてセットされ、この基板ホルダー18上には成膜処理すべき基板19が装着される。
【0017】
MBE装置の蒸発室源2は1500リットル/秒のターボ分子ポンプ(図示していない)で排気され、MOCVD室1と蒸発源室2との間に設けられたゲートバルブ6を閉じた状態でMBE蒸発源室2の到達圧力は1×10−7Paであり、またゲートバルブ6を開けた状態では5×10−7Paである。まず、MOCVD室1においてゲートバルブ6を閉じた状態でバルブ12及び水素のマスフロ一コントローラー9の制御の下で水素ガスを20slm流しながらサファイア基板19を1200℃、10分加熱して表面の清浄化を行なった後、サファイア基板19を550℃にし、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ3×10−4(mol/min)、40slm、25slmとして10分間流し、低温バッファ層を300オングストローム成長させた。
【0018】
この後、サファイア基板19の温度を1050℃に上昇させ、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ5×10−4(mol/min)、20slm、20slmとして60分間流し、ノンドープGaN層を4μm成長させた。
【0019】
この後、サファイア基板19の温度を400℃に下げた。次に、バルブ10〜13を閉じ、さらにゲートバルブ6を開けて、サファイア基板19に、窒素ラジカル源5の出力を350W、窒素流量を5sccmとして窒素プラズマを照射すると共に、サファイア基板19の温度を800℃に上げ、それぞれ900℃、1100℃に保持されたガリウム蒸発源3及びアルミニウム蒸発源4のシャッター14、16を3分間開け、n型AlGa1−xN層(x〜0.25)を250オングストローム成長させた。
【0020】
以上のようにして得られたn型AlGa1−xN層の表面は図2(a)に示すように、平坦であり、二次元電子ガスの移動度も1450(cm/Vs)であった。
【0021】
一方、ノンドープGaN層、n型AlGa1−xN層を全てMOCVD法で作成した場合には、1420(cm/Vs)の二次元電子ガスの移動度が得られたものの、n型AlGa1−xN層の表面は図2(b)に示すようにゲートリークが発生しやすいと言われている凹部が多く見られた。
【0022】
なお、MOCVD法でノンドープGaN層を成長させた後、一旦大気中に取り出し、MBE装置に搬送してn型AlGa1−xN層を成長させた場合には、ノンドープGaN層表面の酸化に伴なって界面準位が形成きれるため、二次元電子ガスの移動度は60(cm/Vs)にとどまった。
【0023】
図3及び図4には、本発明による化合物半導体の成膜装置の別の実施形態の構成を概略的に示し、これらの各場合には、MOCVD装置とMBE装置は真空搬送部で連結されている。
【0024】
図3に示す実施形態において、21はMOCVD装置、22はMBE装置であり、これらの装置は真空試料搬送部23により互いに接続されている。MOCVD装置21と真空試料搬送部23との間にはゲートバルブ24が設けられ、また、MBE装置22と真空試料搬送部23との間にはゲートバルブ25が設けられている。
【0025】
真空試料搬送部23は、試料表面の酸化を極力抑えるために1×10−6Pa以下の圧力に保たれている。また、MOCVD装置21には、図示していないが、図1の実施形態の場合と同様に、MOCVD室にトリメチルガリウム、アンモニア、水素を供給するためバルブ及びマスフローコントローラーが設けられ、またMBE装置には、図示していないが、蒸発源室が設けられ、この蒸発源室にガリウム蒸発源、アルミニウム蒸発源、窒素プラズマ源が結合されている。
【0026】
図3に示す装置の動作においては、二次元電子の移動度の低下の原因となるノンドープGaN層上への吸着層或いは酸化層の形成を防ぐため、MOCVD法で成長させたノンドープGaN層を大気に曝すことなく、ノンドープGaN層上にMBE法によりn型AlGa1−xN層を成長させる方法が採られている。すなわち、まず、MOCVD室21において水素ガスを25slm流しながらサファイア基板を1200℃、10分加熱して表面の清浄化を行なった後、サファイア基板を550℃にし、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ3×10−4(mol/min)、40slm、25slmとして10分間流し、低温バッファ層を300オングストローム成長させた。
【0027】
この後、サファイア基板の温度を1050℃に上昇させ、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ5×10−4(mol/min)、20slm、20slmとして60分間流し、ノンドープGaN層を4μm成長させた。
【0028】
この後、サファイア基板の温度を室温に下げた。次に、サファイア基板上9に成長させたノンドープGaN層を真空試料搬送室23を通してMBE装置22に搬送した。搬送中の真空試料搬送室23の圧力は5×10−6Paであった。
【0029】
MBE装置22内において、窒素ラジカル源の出力を350W、窒素流量を5sccmとして窒素プラズマを照射しながら、サファイア基板の温度を800℃に上げ、それぞれ900℃、1100℃に保持されたガリウム蒸発源及びアルミニウム蒸発源のシャッターを3分間開け、n型AlGa1−xN層(x〜0.25)を250オングストローム成長させた。
【0030】
以上のようにして得られたn型AlGa1−xN層の表面は図2(a)に示すように、平坦であり、二次元電子ガスの移動度も1430(cm/Vs)であった。
【0031】
一方、ノンドープGaN層、n型AlGa1−xN層を全てMOCVD法で作成した場合には、1420(cm/Vs)の二次元電子ガスの移動度が得られたものの、n型AlGa1−xN層の表面は図2(b)に示すようにゲートリークが発生しやすいと言われている凹部が多く見られた。
【0032】
また、MOCVD法でノンドープGaN層を成長させた後、一旦大気中に取り出し、MBE装置22に搬送してn型AlGa1−xN層を成長させた場合には、ノンドープGaN層表面の酸化に伴なって界面準位が形成きれるため、二次元電子ガスの移動度は60(cm/Vs)にとどまった。
【0033】
図4に示す実施形態では、本発明による化合物半導体の成膜装置はマルチチャンバー型装置に組み込まれている。すなわち、図4において、31はMOCVD室、32はMBE室であり、これらの室31、32は、他の処理室33、34、35と共に共通の真空搬送部36の周囲に配列されている。MOCVD室31、MBE室32、及び他の処理室33、34、35はそれぞれゲートバルブ37を介して共通の真空搬送部36に接続されている。
【0034】
また、この場合にも図1の実施形態の場合と同様に、MOCVD室31には、図示していないが、トリメチルガリウム、アンモニア、水素を供給するためバルブ及びマスフローコントローラーが設けられ、また、MBE室32には、図示していないが、蒸発源室が設けられ、この蒸発源室にガリウム蒸発源、アルミニウム蒸発源、窒素プラズマ源が結合されている。
【0035】
MOCVD室31において、水素ガスを20slm流しながらサファイア基板を1200℃、10分加熱して表面の清浄化を行なった後、サファイア基板を550℃にし、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ3×10−4(mol/min)、40slm、25slmとして10分間流し、低温バッファ層を300オングストローム成長させた。
【0036】
この後、サファイア基板の温度を1050℃に上昇させ、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ5×10−4(mol/min)、20slm、20slmとして60分間流し、ノンドープGaN層を4μm成長させた。
【0037】
この後、サファイア基板の温度を500℃に下げ、トリメチルガリウム、アンモニア、水素の流量をそれぞれ3×10−4(mol/min)、20slm、20slmとし、表面保護用のInNを100オングストローム成長させた。
【0038】
次に、成長させた試料を大気中を搬送してMBE装置のMBE室32にセットし、MBE室32内において試料を700℃に1時間加熱することにより表面保護用のInNのみを蒸発させた。
【0039】
このようにして得られた清浄表面をもつノンドープGaN層に、窒素ラジカル源の出力を350W、窒素流量を5sccmとして窒素プラズマを照射すると共に、基板の温度を800℃に上げ、それぞれ900℃、1100℃に保持されたガリウム蒸発源及びアルミニウム蒸発源のシャッターを3分間開け、ノンドープGaN層上に、n型AlGa1−xN層(x〜0.25)を250オングストローム成長させた。
【0040】
以上のようにして得られたn型AlGa1−xN層の表面は図2(a)に示したものと同様に、平坦であり、二次元電子ガスの移動度も1410(cm/Vs)であった。
【0041】
一方、ノンドープGaN層、n型AlGa1−xN層を全てMOCVD法で作成した場合には、1420(cm/Vs)の二次元電子ガスの移動度が得られたものの、n型AlGa1−xN層の表面は図2(b)に示すようにゲートリークが発生しやすいと言われている凹部が多く見られた。
【0042】
しかし、MOCVD法でノンドープGaN層を成長させた後、一旦大気中に取り出し、別のMBE装置に搬送してn型AlGa1−xN層を成長させた場合には、ノンドープGaN層の酸化に伴なって界面準位が形成きれるため、二次元電子ガスの移動度は60(cm/Vs)であった。
【0043】
図示実施形態においては、ノンドープGaN層成長後にMOCVD装置内においてInN膜を形成し、MBE装置内においてInN膜を加熱除去したが、MOCVD装置に接続された成膜装置内において表面保護膜をノンドープGaN層上に形成し、大気中をMBE装置まで搬送し、MBE装置に接続された真空装置内においてノンドープGaN層上に形成された表面保護膜を加熱除去し、MBE装置に試料を搬送し、n型AlGa1−xN層を成長させても良い。
【0044】
また、図示実施形態においては、基板としてサファイアを用いたが、SiC、GaN、GaAs、Si、AlN等他の基板を用いても良い。また、MBE法でn型AlGa1−xN層を成長させる際の窒素源としては、窒素プラズマを用いたが、アンモニアを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】MOCVD、MBE複合装置として構成した本発明の一実施形態による化合物半導体成長装置の要部の構成を示す概略線図。
【図2】(a)図1の装置で作成したAlGaN膜層の表面を示す図。 (b)MOCVD法で作成したAlGaN膜層の表面のAFM写真に基づく図。
【図3】MOCVD装置とMBE装置を真空搬送部で連結して構成した本発明の別の実施形態による化合物半導体成長装置の構成を示す概略線図。
【図4】クラスター型装置として構成した本発明のさらに別の実施形態による化合物半導体成長装置の構成を示す概略線図。
【図5】一般的なGaN系FETの一例を示す概略断面図。
【図6】n型AlGaN/ノンドープGaNヘテロ接合におけるバンド構造を示す図。
【符号の説明】
【0046】
1:MOCVD装置のMOCVD室
2:MBE装置の蒸発源室
3:ガリウム蒸発源
4:アルミニウム蒸発源
5:窒素プラズマ源
6:ゲートバルブ
7:トリメチルガリウムのマスフローコントローラー
8:アンモニアのマスフローコントローラー
9:水素のマスフローコントロ一ラー
10:バルブ
11:バルブ
12:バルブ
13:バルブ
14:ガリウム蒸発源3のシャッター
15:アルミニウム蒸発源4のシャッター
16:窒素プラズマ源5のシャッター
17:基板加熱用のヒーター
18:基板ホルダー
19:基板
21:MOCVD装置
22:MBE装置
23:真空試料搬送部
24:ゲートバルブ
25:ゲートバルブ
31:MOCVD室
32:MBE室
36:共通の真空搬送部
37:ゲートバルブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンドープGaN単結晶層上にn型AlGa1−xN層(x=0.1〜1.0)をエピタキシャル成長させ、n型AlGa1−xN層/ノンドープGaN界面のGaN側に形成された二次元電子を界面に沿って高速で走行させるヘテロ接合化合物半導体の成長方法において、
基板上にノンドープGaN層をエピタキシャル成長にさせるのにMOCVD法を用い、
ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層をエピタキシャル成長させるのにMBE法を用いること
を特徴とする化合物半導体の成長方法。
【請求項2】
基板上におけるMOCVD法によるノンドープGaN層のエピタキシャル成長と、ノンドープGaN層上におけるMBE法によるn型AlGa1−xN層をエピタキシャル成長とを真空状態を保ちながら連続して実施することを特徴とする請求項1記載の化合物半導体の成長方法。
【請求項3】
基板上にMOCVD法を用いてノンドープGaN層をエピタキシャル成長させた後、ノンドープGaN層表面における不純物層又は1酸化層の形成を防止する表面保護膜を形成し、その後真空装置内においてノンドープGaN層上に形成した表面保護膜を加熱により除去することを特徴とする請求項1記載の化合物半導体の成長方法。
【請求項4】
基板としてサファイア、SiC、GaN、GaAs、Si、AlNのいずれかの基板が用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物半導体の成長方法。
【請求項5】
ノンドープGaN単結晶層上にn型AlGa1−xN層(x=0.1〜1.0)をエピタキシャル成長させ、n型AlGa1−xN層/ノンドープGaN界面のGaN側に形成された二次元電子を界面に沿って高速で走行させるヘテロ接合化合物半導体の成長装置において、
トリメチルガリウム、アンモニア、水素をそれぞれ流量制御して供給するようにしたそれぞれの流量制御手段を備え、基板上にノンドープGaN層を形成するMOCVD装置と;
MOCVD装置にゲートバルブを介して連接して設けられ、ガリウム蒸発源、アルミニウム蒸発源及び窒素プラズマ源又はアンモニア源を備え、ノンドープGaN層上にn型AlGa1−xN層を形成するMBE装置と;
を有することを特徴とする化合物半導体の成長装置。
【請求項6】
MOCVD装置とMBE装置とが真空搬送部を介して連接されていることを特徴とする請求項5記載の化合物半導体の成長装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−165069(P2006−165069A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350382(P2004−350382)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】