説明

化学機械平坦化の後洗浄用の改良されたアルカリ化学製品

【課題】この開示は、半導体装置を製造する間に、半導体ウェハの化学機械平坦化(CMP)後のウェハの洗浄を扱う。
【解決手段】金属、特に銅、相互接続、を含むウェハの後CMP洗浄用アルカリ化学薬品が開示される。残留スラリーパーティクル、特に銅および他の金属パーティクルは十分に金属をエッチングしたり、表面に堆積物を放置したりまたは金属を酸化および腐食から保護する間、ウェハに対して十分な汚染物を被ったりせずにウェハ表面から除去される。また、少なくとも1つの強キレート剤は溶液中の金属イオンと錯体を形成するための存在し、誘電体から金属の除去を促進し、かつウェハ上への再堆積を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
背景技術
電子ウェハチップの製造は、半導体加工物が化学機械平坦化(CMP)の間または後に液体溶液で洗浄される工程を含む。“半導体加工物”は、組立てプロセスが完結されていないマイクロエレクトロニクスデバイス、典型的に内部または表面に活性領域を持つシリコンウェハである。活性領域の接続は、シリコン基板上に既に堆積された金属、典型的に銅およびタングステンの多層を用いて作られる。銅が相互接続材料として用いられると、ダマシンプロセスが用いられ、それによって銅は誘電体の中間層にエッチングされたラインに堆積され、それから過剰の銅は除去され、表面CMPプロセスを用いて平坦化され、洗浄工程に続く。洗浄プロセス(CMP後洗浄)の最終点は、CMP工程によって金属を十分にエッチングしない半導体加工物表面、表面の堆積残り、または半導体加工物への十分な汚染を被ることから放置された残留物を除去することである。さらに、化学作用のエッチング、電蝕または光導入腐食のような種々のメカニズムによる腐食から金属表面を保護することが望ましい。金属表面腐食は、金属凹部および金属ラインを細くすることをもたらす。アルカリスラリーの中性は、しばしば銅およびバリアCMPに有益であるので、研磨粒子が高い電荷を持ち、かつ十分に除去できるアルカリpH状況で効果的である洗浄液を有することが望ましい。アルカリ化学製品は、ブラシスクラバーまたはCMP後洗浄用メガソニック洗浄ユニットにおいてしばしば有益である。
【0002】
洗浄液は、洗浄プロセスの間に異なる機能をなす種々の化学薬品を含んでもよい。洗浄液は、“洗浄剤”を含まなければならない。“洗浄剤”は、前記半導体加工物の表面から残留CMPスラリー粒子、典型的に金属粒子、を除去する溶液の成分である。洗浄液は、“キレート剤”、“腐食阻止化合物”および/または“表面活性剤”をも含んでもよい。“キレート剤”は、洗浄液中の金属と錯体を形成することによって前記半導体加工物上に除去された金属の再堆積の妨げを助長する。“腐食阻止化合物”は、洗浄液の攻撃的性質、酸化、後洗浄腐食、化学的攻撃または光導入攻撃のようなメカニズムによる攻撃から金属表面を保護する洗浄液の成分である。“表面活性剤”は、湿潤性質に変更し、かつウォータマーク形成を妨げる洗浄液の成分である。
【0003】
U.S.P6,200,947、6,294,366および6,492,308は、洗浄液の化学作用に関して開示している。しかしながら、これらの引例は、以下に述べられる1つ以上の不利益さを被る。
【0004】
残留金属を除去し、かつ洗浄液にそれらを保持する洗浄化学能力はCMP後の洗浄液の重要な性質である。洗浄液中の残留金属と錯体を形成することができる化学薬品は、残留金属が除去された後に半導体加工物に再堆積されない理由から、効果的な洗浄剤である。残留金属と錯体を形成できない化学薬品を用いる洗浄液は、所望の洗浄課題において乏しくなる。したがって、キレート剤を含む洗浄液を有することが望ましい。
【0005】
いくつかの商業的に入手可能なアルカリ化学製品は、キレート剤を含まない理由で誘電体ラインから残留金属、特に銅、を除去することの望ましい作用において乏しい性能を有する。そのような化学製品は、2−メルカプトエタノールまたはチオグリセロールのようなメルカプトン基を含む脂肪族アルコール化合物および水酸化物のようなアルカリ化合物の溶液を典型的に含む。
【0006】
洗浄液に腐食阻止化合物を供することによって金属表面の腐食から半導体加工物を保護することが重要である。半導体加工物の金属表面、典型的に銅は、半導体ウェハの導体経路を形成する。半導体ウェハ上の非常に小さい寸法の形態のために、金属ラインは所望の電流を運びながら可能な限り薄くする。表面の腐食または金属の凹部は、ラインの細り(溶解)の原因になり、半導体装置の乏しい性能または欠陥をもたらす。洗浄液の腐食防止能力は、目的の溶液で既に洗浄された金属表面の静的エッチレートまたは金属表面の表面粗さ(RMSによる同定、二乗平均値)を測定することにより同定される。高静的エッチレートは、金属表面で起こる溶解を示す。高RMS値は、粒界で金属に攻撃によって生じる表面粗さを示す。効果的な腐食阻止化合物は、洗浄工程後に測定される低静的エッチレートおよびRMS値によって示される金属の腐食を減少する。
【0007】
腐食阻止化合物は、金属の表面を減少すること、金属表面に保護膜を供すること、または酸素を取り除くことのいずれかによって機能する。従来、入手可能ないくつかの洗浄液は、効果的な腐食阻止剤を供さず、従って高静的エッチレートおよび/または高RMS値を被る。
【0008】
商業的に入手可能ないくつかのアルカリ洗浄化学製品は、空気への曝露および/または金属の高静的エッチレートに効果的である。そのような化学製品は、TMAHのようなテトラアンモニウムハイドライド、没食子酸、アスコロビン酸のような酸素除去型の腐食阻止剤およびモノエタノールアミンのような有機アミンを典型的に含む。これらの化学製品は、腐食を防ぐために酸素除去剤に存在するので、空気への曝露は化学薬品の性能に有害である。また、保護表面膜の欠乏および金属に向ける化学製品の攻撃は、それから凹所ラインの原因になる高静的エッチレートの結果をもたらす。
【0009】
半導体表面を洗浄する上で別の一般的問題は、半導体装置の表面への汚染物堆積である。望ましくない成分の僅かな分子でさえ堆積するいくつかの洗浄液は、半導体装置の性能を顕著に影響する。リンス工程を必要とする洗浄液は、表面に汚染物を堆積する結果をもたらす。したがって、半導体表面にいかなる残留物を放置することがない洗浄化学製品を用いることが望ましい。
【0010】
単一工程で半導体表面を清浄にしかつ保護することが望ましい。ウェハ表面を平坦化するいくつかの化学製品は、洗浄工程に続いて水または阻止溶液を用いる追加的なリンス工程を含む。特に水を用いるリンスは、半導体加工物の表面に放置される堆積物をもたらし、従ってウェハを汚染する。第2工程の追加は、やはり製造プロセスを長くする事実のために不利益であり、より多くの化学薬品およびより多くの工程を扱う必要からプロセスを複雑にし、かつかなりの汚染源または別の品質制御問題を供する。半導体加工物表面を洗浄しかつ保護するプロセスは明らかに望ましい。
【0011】
洗浄液に表面湿潤剤を有することが望ましい。表面湿潤剤は、小滴を表面に纏い付けて表面の汚れを停止することを助長することによって半導体加工物の汚染を防ぐ。表面の汚れ(ウォーターマークとも称される)は光点欠陥を測定する度量衡具を飽和でき、従って半導体加工物の欠陥をマスキングする。
【0012】
前記理由から、金属を腐食から保護し、金属表面の酸化を防ぎ、パーティクルを十分意除去し、誘電体表面から金属を除去し、CMP工程前のpHに近づけ、かつ半導体表面を汚染しないアルカリ化学製品を提供することが望ましい。
【0013】
本発明の化学製品は、前記要求の全てを満たす溶液を供するために多重添加物の使用をなす。
【0014】
概要
この発明は、金属、特に銅を含む半導体基板の化学機械平坦化(CMP)後に用いられる洗浄化学製品に関する。アルカリ化学製品は、スラリー粒子およびウェハ表面からの有機残留物の除去のためのブラシスクラバーまたはメガソニック洗浄ユニットにしばしば有用である。本発明は、金属を腐食から保護し、金属表面の酸化を防ぎ、パーティクルを十分に除去し、誘電体表面から金属を除去し、CMP工程前のpHに近づけ、かつ半導体表面を汚染しないための要求を満足する半導体加工物を洗浄する洗浄液の組成物である。さらに、金属表面を洗浄、保護することは単一溶液で単一工程にて完結される。
【0015】
本発明の洗浄液は、アルカリCMPのpHに合致する性質のアルカリである。シリカ系CMPスラリーは、粒子が高負表面電荷を表すアルカリpH領域でしばしば安定化される。アルカリpH化学薬品を持つ洗浄は、粒子上の電荷および類似の帯電された表面からのそれら粒子の反発作用によって十分な粒子除去をもたらす。キレート剤は、溶液中で金属イオンと錯体を形成するために存在され、誘電体からの銅除去を促進しかつ前記ウェハ上への金属再堆積を防ぐ。洗浄液は、また、銅の酸化を防ぎ、かつ洗浄剤による金属表面の攻撃を最小化する腐食阻止剤を含む。追加的に、化学製品は銅の存在によって触媒作用を示し、さらに可能な限り腐食を最小化する酸素除去剤を含んでもよい。随意に、湿潤剤は湿潤特性を変更し、かつウォーターマーク形成を防ぐために添加することができる。
【0016】
洗浄液の好ましい形態は、洗浄剤、キレート剤および腐食阻止化合物を含む。
【0017】
本発明の洗浄剤は、残留金属を誘電体表面から清浄化するのみならず、半導体加工物からCMPスラリー粒子を除去することによって半導体加工物表面を十分に清浄化する。洗浄液の好ましい形態は、水酸化アンモニウムおよび/またはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを洗浄剤として含む。
【0018】
本発明の洗浄液の好ましい形態は、除去された金属と十分に錯体を形成し、かつ半導体加工物表面への除去された金属の再堆積を防ぐキレート剤を含む。好ましいキレート剤は、1つ以上のクエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サルチル酸または酒石酸を含む。
【0019】
洗浄液の好ましい形態は、半導体加工物の金属を腐食から保護する腐食阻止化合物を含む。腐食阻止化合物は、還元剤、膜形成剤および/または酸素除去剤であってもよい。半導体加工物の金属上に膜を形成することは、洗浄工程の間および後に酸化から、および化学作用、電撃および光導入攻撃から金属表面を保護する。攻撃から金属表面を保護し、表面を還元すること、または酸素を除去することによって、前記金属はその望ましい厚さおよび電気キャリアー容量を維持する。好ましい腐食阻止化合物は、1つ以上のアセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェー酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、タンニン酸、チオグリセロール、チオサルチル酸、トリアゾール、バニリン、バニリン酸である。
【0020】
本発明の洗浄液は、アルカリである。アルカリCMP後洗浄液は、いくつかのCMPプロセスがアルカリスラリーを使用する理由で望ましい。アルカリ洗浄液を用いることによって、処理装置のpHの揺れに関連する問題を回避できる。本発明の好ましい洗浄液は、半導体加工物を洗浄し、かつ同じ工程で腐食に対して金属表面を保護する。洗浄および腐食阻止は、単一工程で達成されるので、完全に分離の腐食阻止溶液を取り扱うことによって偶然の汚染の見込みを少なくする。さらに、貴重な処理時間は追加的阻止工程を加える必要がないことによって抑えられる。
【0021】
いくつかの好ましい洗浄液の形態は、表面湿潤剤としても提示される表面活性剤を含む。表面活性剤は、半導体加工物の汚染源または隠された欠陥になる表面への点(ウォーターマーク)を防ぐことを助長する。表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性または両性の界面活性剤であってもよい。
【0022】
本発明は、性質的にアルカリである半導体加工物を清浄にするための洗浄液である。洗浄液の組成は、洗浄剤、キレート剤および腐食阻止化合物を含む。好ましい洗浄剤は、水酸化アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)を含む。好ましいキレート剤は、クエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サルチル酸、酒石酸、およびこれらの混合物を含む。好ましい腐食阻止化合物は、アセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェー酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、タンニン酸、チオグリセロール、チオサルチル酸、トリアゾール、バニリン、バニリン酸およびこれらの混合物を含む。好ましい洗浄液は、1つ以上の腐食阻止剤の混合物を含んでもよい。
【0023】
いくつかの好ましい形態は、1つ以上のキレート剤および/または腐食阻止化合物の混合物を含む。例えば、ある好ましい洗浄液の腐食阻止剤はアセトアミドフェノールとアミノフェノールの混合物を含む。別の好ましい洗浄液の腐食阻止剤はアセトアミドフェノールとバニリンの混合物を含む。さらに別の好ましい洗浄液の腐食阻止剤はメトキシフェノールおよびバニリンを含む。
【0024】
1つの好ましい洗浄液の形態は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミンおよびアセトアミドフェノールとバニリンの混合物を含む。この形態の1つの好ましい混合物は、2.75wt%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、6wt%濃度のエチレンジアミン、0.75wt%濃度のアセトアミドフェノールおよび1wt%濃度のバニリンを含む。この形態にとって、脱イオン(DI)水で15X〜25X希釈が使用前に作られるべきである。別の好ましい洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.75wt%)、エチレンジアミン(8wt%)およびアセトアミドフェノール(0.5wt%)とメトキシフェノール(1.5wt%)の混合物を含む。さらに別の好ましい洗浄液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.75wt%)、エチレンジアミン(8wt%)およびメトキシフェノール(1.5wt%)とバニリン(0.5wt%)の混合物を含む。
【0025】
本発明の好ましい洗浄液の形態は、アルカリpHに対して中性を有する。より好ましくは約10〜約13のpHである。
【0026】
前記洗浄液は、濃縮形態、または水もしくは当業者により知られた他の希釈液で希釈されて供されてもよい。
【0027】
ある好ましい洗浄液の形態は、半導体表面の湿潤を促進するために表面活性剤を含む。好ましい形態は、限定されないが、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤またはこれらの混合物を含む。
【0028】
当業者は、過度の経験なしで従来の化学製品混合技術を用いて本発明の洗浄液を生成できる。
【0029】
実施例
本発明は、例示目的のためおよび本発明の範囲を制限するように解釈されるべきでない以下の実施例を参照してより詳細に説明する。
【0030】
実施例1:
本発明の化学製品は、商業的に入手可能なアルカリCMP後洗浄剤と比較される腐食を決定するために電気化学インピーダンス分光分析法(EIS)によって試験された。ブランケット式銅ウェハは、化学製品の希釈液に浸漬され、電気化学的セルに接続される。開回路電位は、各化学製品に曝されたウェハに対して安定した状態の条件を決定するために時間の関数として測定される。一度安定した状態の条件が見つけられると、AC電圧が各ウェハに供給され、各化学製品の腐食速度および抵抗値の情報を与える抵抗値および容量値が得られた。本発明の好ましい形態の腐食抵抗は、25,843Ω−cm2として測定された。商業的に入手可能な製品の腐食抵抗は、19,226Ω−cm2として測定された。これらの結果は、本発明が商業的に入手可能なアルカリCMP後洗浄液に比べた場合、より高い銅腐食抵抗を供することが明瞭に証明する。より高い銅腐食抵抗は、相互接続ラインからの銅消失を最小化するのみならず、銅ライン表面への酸化物および水酸化物のような低導電性種の形成を妨げる。
【0031】
実施例2:
第2検討において、パターンCu/low kおよびブランケット式銅ウェハは、前記銅ラインを攻撃する各化学薬品の攻撃性を決定するために本発明の化学製品のみならず商業的に入手可能なそれに曝される。十分な洗浄にとって、化学製品は誘電体からの除去を促進するために溶液中の銅錯体を形成するときに効果的であるべきであるが、銅ラインからの過度な物質の除去を防ぐために腐食阻止と均衡すべきである。この挙動を検討するために、パターン化された銅ウェハ片はアルカリ化学製品の希釈液に5分間曝され、それから原子間力顕微鏡(AFM)によって分析される。ウェハ上の銅領域は、それから化学製品による粗引き量を決定するために走査することができる。図1は、本発明の好ましい形態(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド+エチレンジアミン+アセトアミドフェノール+バイニリン)の1:20希釈に曝されたパターン化されたウェハ上の銅パッドの20×20μmAFM走査を示す。化学製品曝露に続くこの領域のRMS表面粗さは、初期値1.0nmに比べて1.6nmであり、前記化学製品が表面を僅かに粗引きし、かつ銅粒子に照準しているが銅を実質的に攻撃していないことを証明する。曝露の間溶液に溶解された銅のICPMS測定と結合される情報は本発明の化学製品を商業的に入手可能な製品と比較する方法を与える。
【0032】
パターン化されたウェハ上のCu/low kラインの領域は、アルカリCMP後洗浄の希釈液への曝露に続くAFMによってまた検討された。図2は、本発明の好ましい形態(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド+エチレンジアミン+アセトアミドフェノール+バイニリン)で洗浄されたウェハ上の交互の銅ラインの領域(明るい領域)およびlow k(暗い領域)の例である。図2の銅ラインは、洗浄液で実質的に窪みが作られていない。化学製品は、洗浄処理、有害なライン窪みをもたらす銅を攻撃せずにパーティクル、有機物および溶解された銅残留物を除去する間、銅ラインの健全性を保存することができる。
【0033】
本発明は、いくつかの好ましい見解を参照しながら考慮される詳細を述べたが、別の見解も可能である。例えば、組成物はCMP後洗浄と別の処理を実施してもよい。また、半導体加工物の洗浄は種々の洗浄液濃度、温度および条件で達成できる。さらに、本発明は限定されない銅、シリコンおよび誘電体膜を含む表面を有する種々の表面の洗浄に用いてもよい。したがって、後述される請求の範囲の精神および範囲はここに含まれる1つの好ましい見解の記述に限定されるべきではない。出願人の意図は、後述される請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に入る全ての変更、等価物、代替物をカバーする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の好ましい形態における曝露されたパターン化ウェハ上のCuパッドのイメージ図。
【図2】本発明の好ましい形態における曝露されたパターン化ウェハ上のCuおよびlow kラインのイメージ図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)洗浄剤、ここで洗浄剤は水酸化アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの群から選ばれる;
(b)キレート剤、ここでキレート剤はクエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サルチル酸、酒石酸、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる;および
(c)腐食阻止化合物、ここで腐食阻止化合物はアセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェー酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、タンニン酸、チオグリセロール、チオサルチル酸、トリアゾール、バニリン、バニリン酸およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、
を含む半導体加工物洗浄用組成物
【請求項2】
前記腐食阻止化合物は、アセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェー酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、タンニン酸、チオグリセロール、チオサルチル酸、トリアゾール、バニリンおよびバニリン酸からなる群から選ばれる少なくとも2つの化学薬品の混合物を含む請求項1記載の組成物。
【請求項3】
さらに希釈液を含む請求項1記載の組成物。
【請求項4】
さらに表面活性剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項4記載の組成物。
【請求項6】
pHは、約9から約13の間である請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記洗浄剤は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記キレート剤は、エチレンジアミンを含む請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記腐食阻止化合物は、アセトアミドフェノールを含む請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記腐食阻止化合物は、さらにバニリンを含む請求項9記載の組成物。
【請求項11】
さらに希釈液を含む請求項10記載の組成物。
【請求項12】
さらに表面活性剤を含む請求項10記載の組成物。
【請求項13】
前記表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項12記載の組成物。
【請求項14】
前記腐食阻止化合物は、さらにメトキシフェノールを含む請求項9記載の組成物。
【請求項15】
さらに希釈剤を含む請求項14記載の組成物。
【請求項16】
さらに表面活性剤を含む請求項14記載の組成物。
【請求項17】
前記表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項16記載の組成物。
【請求項18】
前記腐食阻止化合物は、メトキシフェノールを含む請求項8記載の組成物。
【請求項19】
前記腐食阻止化合物は、さらにバニリンを含む請求項18記載の組成物。
【請求項20】
さらに希釈液を含む請求項19記載の組成物。
【請求項21】
さらに表面活性剤を含む請求項19記載の組成物。
【請求項22】
前記表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項21記載の組成物。
【請求項23】
(a)半導体加工物を準備する工程、
(i)洗浄剤、ここで洗浄剤は水酸化アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの群から選ばれる;
(ii)キレート剤、ここでキレート剤はクエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サルチル酸、酒石酸、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる;および
(iii)腐食阻止化合物、ここで腐食阻止化合物はアセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェー酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、タンニン酸、チオグリセロール、チオサルチル酸、トリアゾール、バニリン、バニリン酸およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、
を含む洗浄液に前記半導体加工物を接触する工程
を含む半導体加工物を洗浄する方法。
【請求項24】
前記半導体加工物は、金属ライン、埋め込み材料および誘電体を含む請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記金属ラインは、銅を含む請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記埋め込み材料は、Ta,TaN,Ti,TiN,WおよびWNからなる群から選ばれる材料を含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記洗浄剤は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記キレート剤は、エチレンジアミンを含む請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記腐食阻止化合物は、アセトアミドフェノールを含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記腐食阻止化合物は、さらにメトキシフェノールを含む請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記腐食阻止化合物は、さらにバニリンを含む請求項29記載の方法。
【請求項32】
前記腐食阻止化合物は、さらにメトキシフェノールを含む請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記腐食阻止化合物は、さらにバニリンを含む請求項32記載の方法。
【請求項34】
さらに希釈剤を含む請求項23記載の方法。
【請求項35】
前記洗浄液は、さらに表面活性剤を含む請求項23記載の方法。
【請求項36】
前記表面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性の界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項35記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−525836(P2007−525836A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552706(P2006−552706)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000081
【国際公開番号】WO2005/085408
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】