説明

半導体装置およびその駆動方法

電流入力型画素において、信号電流の書き込み動作を素早く行う半導体装置を提供する。信号電流を入力する前に、大きな電流を流して、プリチャージ動作を行う。その後、信号電流を入力して、設定動作を行う。設定動作の前に、プリチャージ動作を行っているため、素早く所定の電位に達することが出来る。その所定の電位は、設定動作が完了したときの電位と概ね等しい。そのため、素早く設定動作を行うことができ、信号電流の書き込み動作を素早く行うことが出来る。なお、トランジスタを2つ用いることによって、プリチャージ動作の時には、ゲート幅Wを大きくし、あるいは、ゲート長Lを小さくする。設定動作のときには、ゲート幅Wを小さくし、あるいは、ゲート長Lを大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は負荷に供給する電流をトランジスタで制御する機能を設けた半導体装置に係り、特に電流によって輝度が変化する電流駆動型発光素子で形成された画素や、その信号線駆動回路を含む半導体装置に関する。
【背景技術】
近年、画素を発光ダイオード(LED)などの発光素子で形成した、いわゆる自発光型の表示装置が注目を浴びている。このような自発光型の表示装置に用いられる発光素子としては、有機発光ダイオード(OLED(Organic Light Emitting Diode)、有機EL素子、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子などとも言う)が注目を集めており、有機ELディスプレイなどに用いられるようになってきている。
OLEDなどの発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べて画素の視認性が高く、バックライトが不要で応答速度が速い等の利点がある。また発光素子の輝度は、そこを流れる電流値によって制御される。
このような自発光型の発光素子を用いた表示装置では、その駆動方式として単純マトリックス方式とアクティブマトリックス方式とが知られている。前者は構造は簡単であるが、大型かつ高輝度のディスプレイの実現が難しい等の問題があり、近年は発光素子に流れる電流を画素回路内部に設けた薄膜トランジスタ(TFT)によって制御するアクティブマトリックス方式の開発が盛んに行われている。
このようなアクティブマトリックス方式の表示装置の場合、駆動TFTの電流特性のバラツキにより発光素子に流れる電流が変化し輝度がばらついてしまうという問題があった。
つまり、このようなアクティブマトリックス方式の表示装置の場合、画素回路には発光素子に流れる電流を駆動する駆動TFTが用いられており、これらの駆動TFTの特性がばらつくことにより発光素子に流れる電流が変化し、輝度がばらついてしまうという問題があった。そこで画素回路内の駆動TFTの特性がばらついても発光素子に流れる電流は変化せず、輝度のバラツキを抑えるための種々の回路が提案されている。
(特許文献1)特許出願公表番号2002−517806号公報
(特許文献2)国際公開第01/06484号パンフレット
(特許文献3)特許出願公表番号2002−514320号公報
(特許文献4)国際公開第02/39420号パンフレット
特許文献1乃至4は、いずれもアクティブマトリックス型表示装置の構成を開示したもので、特許文献1乃至3には、画素回路内に配置された駆動TFTの特性のバラツキによって発光素子に流れる電流が変化しないような回路構成が開示されている。この構成は、電流書き込み型画素、もしくは電流入力型画素などと呼ばれている。また特許文献4には、ソースドライバ回路内のTFTのバラツキによる信号電流の変化を抑制するための回路構成が開示されている。
図6に、特許文献1に開示されている従来のアクティブマトリックス型表示装置の第1の構成例を示す。図6の画素は、ソース信号線601、第1〜第3のゲート信号線602〜604、電流供給線605、TFT606〜609、保持容量610、EL素子611、信号電流入力用電流源612を有する。
TFT606のゲート電極は、第1のゲート信号線602に接続され、第1の電極はソース信号線601に接続され、第2の電極は、TFT607の第1の電極、TFT608の第1の電極、およびTFT609の第1の電極に接続されている。TFT607のゲート電極は、第2のゲート信号線603に接続され、第2の電極はTFT608のゲート電極に接続されている。TFT608の第2の電極は、電流供給線605に接続されている。TFT609のゲート電極は、第3のゲート信号線604に接続され、第2の電極はEL素子611の陽極に接続されている。保持容量610はTFT608のゲート電極と電流供給線605との間に接続され、TFT608のゲート・ソース間電圧を保持する。電流供給線605およびEL素子611の陰極には、それぞれ所定の電位が入力され、互いに電位差を有する。
図7を用いて、信号電流の書き込みから発光までの動作について説明する。図中、各部を示す図番は、図6に準ずる。図7(A)〜(C)は、電流の流れを模式的に示している。図7(D)は、信号電流の書き込み時における各経路を流れる電流の関係を示しており、図7(E)は、同じく信号電流の書き込み時に、保持容量610に蓄積される電圧、つまりTFT608のゲート・ソース間電圧について示している。
まず、第1のゲート信号線602および第2のゲート信号線603にパルスが入力され、TFT606、607がONする。このとき、ソース信号線を流れる電流、すなわち信号電流をIdataとする。
ソース信号線には、電流Idataが流れているので、図7(A)に示すように、画素内では、電流の経路はI1とI2とに分かれて流れる。これらの関係を図7(D)に示している。なお、Idata=I1+I2であることは言うまでもない。
TFT606がONした瞬間には、まだ保持容量610には電荷が保持されていないため、TFT608はOFFしている。よって、I2=0となり、Idata=I1となる。すなわちこの間は、保持容量610における電荷の蓄積による電流のみが流れている。
その後、徐々に保持容量610に電荷が蓄積され、両電極間に電位差が生じ始める(図7(E))。両電極の電位差がVthとなると(図7(E)A点)、TFT608がONして、I2が生ずる。先に述べたように、Idata=I1+I2であるので、I1は次第に減少するが、依然電流は流れており、さらに保持容量には電荷の蓄積が行われる。
保持容量610においては、その両電極の電位差、つまりTFT608のゲート・ソース間電圧が所望の電圧、つまりTFT608がIdataの電流を流すことが出来るだけの電圧(VGS)になるまで電荷の蓄積が続く。やがて電荷の蓄積が終了する(図7(E)B点)と、電流I1は流れなくなり、さらにTFT608はそのときのVGSに見合った電流が流れ、Idata=I2となる(図7(B))。こうして、定常状態に達する。以上で信号の書き込み動作が完了する。最後に第1のゲート信号線602および第2のゲート信号線603の選択が終了し、TFT606、607がOFFする。
続いて、発光動作に移る。第3のゲート信号線604にパルスが入力され、TFT609がONする。保持容量610には、先ほど書き込んだVGSが保持されているため、TFT608はONしており、電流供給線605から、Idataの電流が流れる。これによりEL素子611が発光する。このとき、TFT608が飽和領域において動作するようにしておけば、TFT608のソース・ドレイン間電圧が変化したとしても、Idataは変わりなく流れることが出来る。
このように、設定した電流を出力する動作を、出力動作と呼ぶことにする。以上に一例を示した、電流書き込み型画素のメリットとして、TFT608の特性等にばらつきがあった場合であっても、保持容量610には、電流Idataを流すのに必要なゲート・ソース間電圧が保持されるため、所望の電流を正確にEL素子に供給することが出来、よってTFTの特性ばらつきに起因した輝度ばらつきを抑えることが可能になる点がある。
以上の例は、画素回路内での駆動TFTのバラツキによる電流の変化を補正するための技術に関するものであるが、ソースドライバ回路内においても同一の問題が発生する。特許文献4には、ソースドライバ回路内でのTFTの製造上のバラツキによる信号電流の変化を防止するための回路構成が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電流駆動回路やこれを用いた表示装置においては、信号電流とTFTを駆動するための電流あるいは信号電流と発光時に発光素子に流れる電流とが等しいか、あるいは比例関係を保つように構成されている。
従って、発光素子を駆動するための駆動TFTの駆動電流が小さい場合や、発光素子で暗い階調の表示を行おうとする場合、信号電流もそれに比例して小さくなってしまう。よって、信号電流を駆動TFTや発光素子に供給するために用いられる配線の寄生容量は極めて大きいため、信号電流が小さいと配線の寄生容量を充電する時定数が大きくなり、信号書き込み速度が遅くなってしまうという問題点がある。つまり、トランジスタに電流を供給して、該トランジスタが該電流を流すのに必要な電圧をゲート端子に生成させる速度が、遅くなってしまうことが問題となっている。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、信号電流が小さな場合であっても信号の書き込み速度や素子駆動速度を向上させることのできる電流駆動回路及びこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、設定動作を素早く完了させるために、トランジスタのゲート端子の電位が事前に所定の電位になるようにし、その後、設定動作を行う。所定の電位は、設定動作が完了したとき(定常状態になったとき)の電位と概ね等しい。そのため、すばやく設定動作を行うことが出来る。なお、本発明においていう設定動作とは、トランジスタに電流を供給して、前記トランジスタが前記電流を流すのに必要な電圧をゲート端子に生成させる動作のことである。
また、設定動作を素早く完了させるために、トランジスタのゲート端子の電位が事前に所定の電位になるようにする動作をプリチャージ動作と呼び、そのような機能を有する回路をプリチャージ手段と呼ぶことにする。
本発明は、負荷に第1の電流を供給するトランジスタを有する半導体装置であって、該トランジスタのゲート端子の電位を、該トランジスタに第2の電流を流すことによって所定の電位にするプリチャージ手段を有することを特徴とする半導体装置である。
つまり、該トランジスタに設定動作を行う場合、電流値が小さいと、なかなか定常状態に達せず、電流の書き込み動作が完了しない。そこで、設定動作を行う前に、プリチャージ動作を行う。プリチャージ動作を行うことにより、設定動作を行ったときに定常状態になったときの電位と、概ね等しい状態になっている。つまり、該トランジスタのゲート端子の電位が、プリチャージ動作を行うことによって、すばやく充電される。そのため、プリチャージ動作の後、設定動作を行うと、より早く完了させることが出来るようになる。
なお、該プリチャージ動作は、設定動作の時よりも大きな電流を流すことにより行う。そのため、該トランジスタのゲート端子の電位はすばやく充電される。
また、本発明は、表示素子と、該表示素子に電流を供給するトランジスタと、該トランジスタのゲート端子の電位を所定の電位にするプリチャージ手段と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0002】
前記信号線駆動回路は、信号線に電流を供給するトランジスタと前記トランジスタのゲート端子の電位を所定の電位にするプリチャージ手段とを有することを特徴とする半導体装置また、本発明は、信号線と、該信号線に電流を供給するトランジスタと、該トランジスタのゲート端子の電位を所定の電位にするプリチャージ手段と、を有する信号線駆動回路を備えたことを特徴とする半導体装置であるが提供される。
【0002】
また、本発明は、負荷に電流を供給するトランジスタに第1の電流を供給して、該トランジスタが該第1の電流を流すのに必要な電圧をゲート端子に生成させた後、該トランジスタに第2の電流を供給して、該トランジスタが該第2の電流を流すのに必要な電圧をゲート端子に生成させるステップを有することを特徴とする半導体装置である。
また、本発明は、負荷に電流を供給するトランジスタのゲート端子の電位に対し、該トランジスタが定常状態となる所定の電位になるようにした後、該トランジスタに電流を供給して、該トランジスタが該電流を流すのに必要な電圧をゲート端子に生成させるステップを有することを特徴とする半導体装置である。
また、本発明は、上記構成によって、該第1の電流が、該第2の電流よりも大きいことを特徴とする半導体装置である。
なお、本発明において適用可能なトランジスタの種類に限定はない。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)でもよい。TFTのなかでも、半導体層が非晶質(アモルファス)のものでもよいし、多結晶(ポリクリスタル)でも、単結晶のものでもよい。その他のトランジスタとして、単結晶基板において作られたトランジスタでもよいし、SOI基板において作られたトランジスタでもよいし、ガラス基板上に形成されたトランジスタでもよいし、プラスチック基板上に形成されたトランジスタでもよいし、どのような基板の上に形成されたトランジスタでもよい。その他にも、有機物やカーボンナノチューブで形成されたトランジスタでもよい。また、MOS型トランジスタでもよいし、バイポーラ型トランジスタでもよい。
なお、本発明において、接続されているとは、電気的に接続されていることと同義である。したがって、間に、別の素子やスイッチなどが配置されていてもよい。
【発明の効果】
本発明では、設定動作の前に、プリチャージ動作が行われる。そのため、電流値が小さくても、すばやく、設定動作を行うことが出来る。そのため、出力動作において、正確な電流を出力することが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図2は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図3は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図4は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図5は、本発明の電流源回路の電流と電圧の時間変化を説明する図である。
図6は、従来の画素の構成を説明する図である。
図7は、従来の画素の動作を説明する図である。
図8は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図9は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図10は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図11は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図12は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図13は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図14は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図15は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図16は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図17は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図18は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図19は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図20は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図21は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図22は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図23は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図24は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図25は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図26は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図27は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図28は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図29は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図30は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図31は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図32は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図33は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図34は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図35は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図36は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図37は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図38は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図39は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図40は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図41は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図42は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図43は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図44は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図45は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図46は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図47は、本発明の画素の構成を説明する図である。
図48は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図49は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図50は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図51は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図52は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図53は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図54は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図55は、本発明の電流源回路のある動作での接続状況を説明する図である。
図56は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図57は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図58は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図59は、本発明の電流源回路の動作を説明する図である。
図60は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図61は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図62は、本発明の電流源回路の構成を説明する図である。
図63は、本発明の表示装置の構成を示す図である。
図64は、本発明の表示装置の構成を示す図。
図65は、本発明の信号線駆動回路の構成の一部を説明する図。
図66は、本発明の信号線駆動回路の構成の一部を説明する図。
図67は、本発明の信号線駆動回路の構成の一部を説明する図。
図68は、本発明の画素の構成を説明する図。
図69は、本発明の画素の構成を説明する図。
図70は、本発明の画素の構成を説明する図。
図71は、本発明の画素の構成を説明する図。
図72は、本発明の画素の構成を説明する図。
図73は、本発明の画素の構成を説明する図。
図74は、本発明の画素の構成を説明する図。
図75は、本発明の画素の構成を説明する図。
図76は、本発明が適用される電子機器の図。
図77は、本発明の画素の構成を説明する図。
図78は、本発明の画素の構成を説明する図。
図79は、本発明の画素構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明は、EL素子などのような発光素子を有する画素だけでなく、電流源を有する様々なアナログ回路に適用することが出来る。そこでまず、本実施の形態では、本発明の基本原理について述べる。
まず、図1に、本発明の基本原理に基づく電流源回路の構成について示す。常に電流源(または、その一部)として動作する電流源トランジスタ101と、回路の状態に応じて、動作が異なる切り替えトランジスタ102とがあり、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102と配線110とは、直列に接続されている。電流源トランジスタ101のゲート端子には、容量素子104の一方の端子が接続されている。容量素子104の他方の端子は、配線111に接続されている。そのため、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位を保持することが出来る。また、電流源トランジスタ101のゲート端子とドレイン端子とは、スイッチ105を介して接続されており、スイッチ105のオンオフによって、容量素子104の電荷の保持を制御できる。電流源トランジスタ101と配線112とは、基本電流源108とスイッチ106を介して接続されている。また、それと並列に、電流源トランジスタ101と配線116とは、第2基本電流源115とスイッチ114を介して接続されている。同様に、それらと並列に、電流源トランジスタ101と配線113とは、負荷109とスイッチ107を介して接続されている。
また、切り替えトランジスタ102には、状態によって、電流源(または、その一部)として動作する場合と、ソース・ドレイン間で電流が流れないように動作する場合(または、スイッチとして動作する場合)とで、切り替えを行うことが出来る手段が接続されている。ここで、切り替えトランジスタ102が、電流源(の一部)として動作する場合を、電流源動作と呼ぶことにする。また、切り替えトランジスタ102が、そのソース・ドレイン間で電流が流れないような状態で動作する場合(または、スイッチとして動作する場合)、または、ソース・ドレイン間の電圧が小さい状態で動作する場合を、短絡動作と呼ぶことにする。
切り替えトランジスタ102に関して、電流源動作や短絡動作を実現するために、様々な構成を用いることが出来る。
そこで、本実施の形態では、一例として、図1に構成を示す。図1では、切り替えトランジスタ102のソース端子とドレイン端子とを、スイッチ103を介して、接続できるようにしている。そして、切り替えトランジスタ102のゲート端子は、電流源トランジスタ101のゲート端子と接続されている。スイッチ103を用いて、切り替えトランジスタ102の動作を、電流源動作か短絡動作かに切り替えることが出来る。
また、図1のような構成の回路を用いると、プリチャージ動作を行うことが出来る。そのため、プリチャージ動作を行った後、設定動作を行うと、すばやく、定常状態にすることが出来る。つまり、すばやく、設定動作を完了させることが出来る。
そこで、図1の動作について述べる。まず、図2に示すように、スイッチ103、105、114をオンにし、スイッチ107、106をオフにする。すると、切り替えトランジスタ102のソース端子とドレイン端子とは、概ね同じ電位となる。つまり、切り替えトランジスタ102のソース・ドレイン間では、ほとんど電流が流れず、スイッチ103の方に電流が流れるようになる。そのため、第2基本電流源115に流れる電流Ib2が、容量素子104や電流源トランジスタ101に流れる。そして、電流源トランジスタ101のソース・ドレイン間に流れる電流と、第2基本電流源115に流れる電流Ib2とが等しくなると、容量素子104には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのときのゲート端子の電位が、容量素子104に蓄積される。つまり、電流源トランジスタ101のソース・ドレイン間に電流Ib2を流すのに必要な電圧が、ゲート端子に加わるようになる。以上の動作は、プリチャージ動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ102は、短絡動作を行っていることになる。
次に、図3に示すように、スイッチ105、106をオンにし、スイッチ103、107、114をオフにする。すると、スイッチ103はオフになっているので、切り替えトランジスタ102のソース・ドレイン間に電流が流れることになる。そのため、基本電流源108に流れる電流Ib1が、容量素子104や電流源トランジスタ101や切り替えトランジスタ102に流れる。このとき、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とは、ゲート端子が互いに接続されている。したがって、それらが一体となって、マルチゲートのトランジスタとして動作することになる。そのマルチゲートのトランジスタのゲート長Lは、電流源トランジスタ101のLよりも大きくなる。一般に、トランジスタのゲート長Lが大きくなると、そこを流れる電流は小さくなる。
そして、そのマルチゲートのトランジスタのソース・ドレイン間に流れる電流と、基本電流源108に流れる電流Ib1とが等しくなると、容量素子104には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのときのゲート端子の電位が、容量素子104に蓄積される。つまり、マルチゲートのトランジスタ(電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102)のソース・ドレイン間に電流Ib1を流すのに必要な電圧が、ゲート端子に加わるようになる。以上の動作は、設定動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ102は、電流源動作を行っていることになる。
なお、このとき、基本電流源108に流れる電流Ib1、第2基本電流源115に流れる電流Ib2、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102のトランジスタサイズ(ゲート幅Wやゲート長Lなど)を適切に設定することにより、容量素子104に蓄積される電荷、つまり、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位が、プリチャージ動作の時と設定動作の時とで、概ね等しい電圧になるようにしておく。
すると、基本電流源108に流れる電流Ib1よりも、第2基本電流源115に流れる電流Ib2の方が、電流値が大きい場合、プリチャージ動作において、すばやく、容量素子104を充電し、定常状態にすることが可能となる。そして、その後、設定動作において、たとえ、基本電流源108に流れる電流Ib1が小さくても、すばやく、定常状態にすることが出来る。なぜなら、プリチャージ動作によって、容量素子104は、概ね充電されているからである。
次に、図4に示すように、スイッチ103、105、106、114をオフにし、スイッチ107をオンにする。すると、負荷109の方に電流が流れる。以上の動作は、出力動作に相当する。
このように、スイッチ103のオンオフを制御することにより、プリチャージ動作において流れる電流を大きくすることができるため、すばやく、定常状態にすることが出来る。つまり、電流が流れる配線に寄生している負荷(配線抵抗や交差容量など)による影響を少なくし、すばやく、定常状態にすることが出来る。その時、既に、設定動作のときの定常状態と、概ね近い状態になっている。そのため、プリチャージ動作のあと、設定動作において、素早く定常状態にすることができる。
したがって、例えば、負荷109がEL素子で有る場合、EL素子を低階調で発光させたい場合の信号書き込み時、つまり、設定動作において電流値が小さい時にも、すばやく信号を書き込むことが出来る。
そこで次に、以上の動作のときの電流と電圧の変化を、図5に示す。図5は、図7(D)(E)と同様に、横軸が時間であり、縦軸が電流(I)および電圧(V)である。グラフ501は、保持容量104などを流れる電流Iの大きさを表しており、グラフ502は、電流源トランジスタ101を流れる電流Iの大きさを表している。そして、時刻T1bまでは、図2のように動作しており、プリチャージ動作を行っている。そして、時刻T1bから時刻T2bまでは、図3のように動作しており、設定動作を行っている。
図5では、プリチャージ動作を行っているときには、時刻T2aにおいて、定常状態になっている。また、設定動作を行っているときには、時刻T2bにおいて、定常状態になっている。したがって、時刻T2aのときにおける、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位が、時刻T2bのときの電位と概ね等しくなるように、各々のトランジスタのサイズ(ゲート幅W、ゲート長L)が設計されていれば、すばやく設定動作を行うことが出来る。
そこで、プリチャージ動作の時と設定動作の時とで、容量素子104に蓄積される電圧、つまり、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位が、概ね等しい電圧になるための条件について述べる。まず、電流源トランジスタ101のゲート幅をWa、ゲート長をLaとし、切り替えトランジスタ102のゲート幅をWb、ゲート長をLbとする。なお、ここでは、簡単のため、Wa=Wbであるとする。そして、設定動作の時に流れる電流(図3の場合は、基本電流源108に流れる電流Ib1)をA倍すると、プリチャージ動作の時に流れる電流(図2の場合は、第2基本電流源115に流れる電流Ib2)の大きさと等しいとする。
一般に、トランジスタのソース・ドレイン間に流れる電流は、チャネル幅Wとチャネル長Lの比率:W/Lに比例する。そのため、プリチャージ動作の時のゲート幅とゲート長の比率:Wa/Laと、設定動作の時のゲート幅とゲート長の比率:Wa/(La+Lb)との関係を考える。すると、基本電流源108に流れる電流Ib1をA倍すると、第2基本電流源115に流れる電流Ib2の大きさと等しくなるので、Wa/(La+Lb)をA倍すれば、Wa/Laになるように、各々の値を設定すればよいことになる。そのようにすれば、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の電流特性が概ね同じであれば、時刻T2aのときにおける、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位は、時刻T2bのときの電位と、概ね等しくなる。
図5では、時刻T2aのときにおける、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位が、時刻T2bのときとは、差があるように記載されているが、これは、説明を分かりやすくするために、記載したにすぎない。よって、図5には、限定されない。
なお、プリチャージ動作の時には、図2では、スイッチ103、105、114をオンにし、スイッチ107、106をオフにして、第2基本電流源115の電流が流れて、基本電流源108の電流が流れないようになっているが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、スイッチ103、105、114、106をオンにし、スイッチ107をオフにして、第2基本電流源115と基本電流源108の電流が流れるようにしてもよい。
また、プリチャージ動作の時に流れる電流と、設定動作の時に流れる電流とで、大きさを変えるために、図1では、第2基本電流源115と基本電流源108という、2つの電流源や、2つのスイッチを用いて、各々の電流を流すかどうかを制御していたが、これに限定されない。例えば、図9に示すように、基本電流源108のみを用いて、制御してもよい。あるいは、スイッチ106を配置せずに、電流の大きさを制御してもよい。図9の構成における動作を、図10〜図12に示す。ただしこの場合、プリチャージ動作の時(図10)と、設定動作の時(図11)とでは、基本電流源108に流れる電流の大きさは、その動作に応じた値となり、通常は異なった値となっている。
なお、負荷109は、何でもよい。抵抗などのような素子でも、トランジスタでも、EL素子でも、そのほかの発光素子でも、トランジスタと容量とスイッチなどで構成された電流源回路でもよい。信号線でも、信号線とそれに接続された画素でもよい。その画素には、EL素子やFEDで用いる素子など、どのような表示素子を含んでいてもよい。
なお、容量素子104は、電流源トランジスタ101や切り替えトランジスタ102などのゲート容量によって、代用することが出来る。その場合は、容量素子104を省略できる。
なお、配線110と配線111とは、高電位側電源Vddが供給されているが、これに限定されない。各々の配線の電位が同じでもよいし、異なっていても良い。配線111は、容量素子104の電荷を保存できるようになっていればよい。また、配線110または配線111は、常に同じ電位のまま保たれている必要はない。設定動作と出力動作とで、電位が異なっていても、正常に動作する場合は、問題ない。
なお、配線112、配線113、配線116は、低電位側電源Vssが供給されているが、これに限定されない。各々の配線の電位が同じでもよいし、異なっていても良い。また、配線112、配線113、配線116は、常に同じ電位のまま保たれている必要はない。設定動作と出力動作とで、電位が異なっていても、正常に動作する場合は、問題ない。
なお、容量素子104は、電流源トランジスタ101のゲート端子と配線111とに接続されているが、これに限定されない。最も望ましいのは、電流源トランジスタ101のゲート端子とソース端子に接続されていることが望ましい。なぜなら、トランジスタの動作は、ゲート・ソース間電圧によって決定されるため、ゲート端子とソース端子の間で、電圧を保持していると、他の影響(配線抵抗などによる電圧降下などの影響)を受けにくいからである。もし、容量素子104が電流源トランジスタ101のゲート端子と別の配線との間に配置されていたら、その別の配線における電圧降下量によって、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位が変ってしまう可能性がある。
なお、電流源動作の時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とは、マルチゲートのトランジスタとして動作するため、これらのトランジスタは同極性(同じ導電型を有する)とすることが望ましい。
なお、電流源動作の時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とは、マルチゲートのトランジスタとして動作するが、各々のトランジスタのゲート幅Wは、同じであってもよいし、異なっていても良い。同様に、ゲート長Lも、同じであってもよいし、異なっていても良い。ただし、ゲート幅Wは、通常のマルチゲートのトランジスタと同じだと考えてもよいため、同じ大きさであることが望ましい。ゲート長Lは、切り替えトランジスタ102の方を大きくすれば、設定動作の時や出力動作の時に流れる電流が、より小さくなる。よって、その状況に合わせて、設計すればよい。
なお、103、105、106、107、114などのようなスイッチは、電気的スイッチでも機械的なスイッチでも何でも良い。電流の流れを制御できるものなら、何でも良い。トランジスタでもよいし、ダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。よって、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、そのトランジスタは、単なるスイッチとして動作するため、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ない方が望ましい場合、オフ電流が少ない方の極性のトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を設けているもの等がある。また、スイッチとして動作させるトランジスタのソース端子の電位が、低電位側電源(Vss、Vgnd、0Vなど)に近い状態で動作する場合はnチャネル型を、反対に、ソース端子の電位が、高電位側電源(Vddなど)に近い状態で動作する場合はpチャネル型を用いることが望ましい。なぜなら、ゲート・ソース間電圧の絶対値を大きくできるため、スイッチとして、動作しやすいからである。なお、nチャネル型とpチャネル型の両方を用いて、CMOS型のスイッチにしてもよい。
なお、本発明の回路として、図1などに示したが、構成はこれに限定されない。スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、電流源トランジスタ101の数や配置、切り替えトランジスタ102の数や配置、各配線の電位、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。また、各々の変更を組み合わせることにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
例えば、103、105、106、107、114などのようなスイッチは、対象とする電流のオンオフを制御できるなら、どこに配置しても良い。具体的には、スイッチ107は、負荷109に流れる電流を制御するため、それと直列に配置されていれば良い。同様に、スイッチ106、114は、基本電流源108や第2基本電流源115に流れる電流を制御するため、それらと直列に配置されていれば良い。また、スイッチ103は、切り替えトランジスタ102に流れる電流を制御するため、それと並列に配置されていれば良い。スイッチ105は、容量素子104の電荷を制御できるように配置されていればよい。
そこで、スイッチ105の配置を変更した場合の例を、図13に示す。つまり、プリチャージ動作の時には、図14のように接続され、第2基本電流源115から流れる電流Ib2が電流源トランジスタ101に流れ、切り替えトランジスタ102は短絡動作をしていればよい。なお、基本電流源108は、接続されていてもよい。そのため、図14では、配線を点線で示した。次に、設定動作の時には、図15のように接続され、切り替えトランジスタ102は電流源動作をしており、切り替えトランジスタ102と電流源トランジスタ101に流れる電流は、基本電流源108の方に流れる、というようになっていればよい。そして、出力動作の時には、図16に示すように接続され、切り替えトランジスタ102と電流源トランジスタ101のゲート電位は保持容量104によって保持され、切り替えトランジスタ102と電流源トランジスタ101に流れる電流は、負荷109の方に流れる、というようになっていればよい。以上のような接続状況になっていれば、103、105、106、107、114などのようなスイッチは、どこに配置してもよい。
次に、スイッチ103の接続を変更した場合の例を図17に示す。スイッチ103は、配線1702に接続される。配線1702の電位はVddでもよいし、別の値でもよい。また、図17の場合、スイッチ1701を追加してもよいし、追加しなくてもよい。スイッチ1701は、切り替えトランジスタ102のソース端子側に配置しても良いし、ドレイン端子側に配置しても良い。スイッチ1701は、スイッチ103と逆の状態でオンオフすればよい。
このように、スイッチの配置を変更することにより、さまざまな回路を構成できる。
次に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の配置を入れ替えた場合について、図18に示す。図1では、配線110、切り替えトランジスタ102、電流源トランジスタ101の順に配置されていたが、図18では、配線110、電流源トランジスタ101、切り替えトランジスタ102の順に配置されている。
ここで、図1の回路と、図18の回路の違いについて考える。図1では、切り替えトランジスタ102が短絡動作のとき、切り替えトランジスタ102のゲート端子とソース端子(ドレイン端子)の間に、電位差が生じる。したがって、切り替えトランジスタ102のゲート容量には、電荷が保存される。そして、電流源動作の時にも、ゲート容量に電荷が保存されたままになる。よって、短絡動作(プリチャージ動作)の時と、電流源動作(設定動作)の時とで、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位は、ほとんど変化しない。
一方、図18では、切り替えトランジスタ102が短絡動作のとき、切り替えトランジスタ102のゲート端子とソース端子(ドレイン端子)の間に、電位差がほとんど生じない。したがって、切り替えトランジスタ102のゲート容量には、電荷が保存されない。そして、電流源動作の時には、スイッチ103がオフになるため、ゲート容量に電荷がたまり、切り替えトランジスタ102が電流源の一部として動作する。このときの電荷は、容量素子104や電流源トランジスタ101のゲート容量に蓄積されていたものである。その電荷が、切り替えトランジスタ102のゲート部に移動することになる。よって、短絡動作(プリチャージ動作)の時と、電流源動作(設定動作)の時とで、電流源トランジスタ101のゲート端子の電位は、移動した電荷分だけ、変化する。その結果、設定動作の時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102のゲート・ソース間電圧の絶対値は小さくなる。
以上のことを踏まえた上で、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の配置をどのようにするかは、状況によって設計すればよい。つまり、例えば、プリチャージ動作から設定動作に切り替わる時に、マルチゲートのトランジスタ(電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102)のゲート・ソース間電圧の絶対値が小さい方が望ましい場合などに、図18の構成を適用すればよい。
その一例としては、設定動作の時に基本電流源108に流れる電流の大きさが小さい場合が挙げられる。なぜなら、図18の場合は、定常状態になるまでの時間を短くすることが可能な場合があるからである。つまり、設定動作の時に基本電流源108に流れる電流の大きさが小さい場合、容量素子104に電荷を充電するのではなく、容量素子104の電荷を、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102に流すことによって、放電させなければならない場合があるからである。その場合、設定動作の時に基本電流源108に流れる電流の大きさが小さいため、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102のゲート・ソース間電圧の絶対値は、小さい。そのため、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102は、電流が流れにくくなっている。その結果、容量素子104の電荷を放電させ、定常状態になるまでに、多くの時間が必要となってしまう。そこで、図18の場合は、プリチャージ動作から設定動作に切り替わる時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とで、マルチゲートのトランジスタとして動作するとき、そのゲート・ソース間電圧の絶対値が小さくなるため、容量素子104の電荷を放電させるのではなく、容量素子104に電荷を充電して、ゲート・ソース間電圧の絶対値が大きくなって、定常状態に達することが出来る。
なお、図1では、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102は、1つづつ配置されていたが、どちらか、あるいは、両方とも、複数個を配置してもよい。また、その並べ方も、任意に選択してもよい。
なお、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102は、図1では、どちらもPチャネル型であるが、これに限定されない。図1の回路に関して、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の極性(導電型)を変更して、回路の接続構造を変更ない場合の例を、図19に示す。図1と図19を比較すると分かるように、配線112、113、110、111、116の電位を、配線1912、1913、1910、1911、1916のように変更し、基本電流源108、第2基本電流源115の電流の向きを変更すれば、容易に変更できる。電流源トランジスタ1901、切り替えトランジスタ1902、スイッチ1903、1905、1906、1907、基本電流源1908、負荷1909などの接続構造は、変更されていない。
また、電流の向きを変更せずに、回路の接続構造を変更することにより、図1の回路に関して、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の極性(導電型)を変更した場合の例を図20に示す。
常に電流源(または、その一部)として動作する電流源トランジスタ2001と、状態によって、動作が異なる切り替えトランジスタ2002とがあり、電流源トランジスタ2001と切り替えトランジスタ2002と配線110とは、直列に接続されている。電流源トランジスタ2001のゲート端子には、容量素子2004の一方の端子が接続されている。容量素子2004の他方の端子2006は、切り替えトランジスタ2002(電流源トランジスタ2001)のソース端子に接続されている。そのため、電流源トランジスタ2001のゲート・ソース間電圧を保持することが出来る。また、電流源トランジスタ2001のゲート端子とドレイン端子とは、スイッチ2005を介して接続されており、スイッチ2005のオンオフによって、容量素子2004の電荷の保持を制御できる。
そこで、図20の動作について述べる。ただし、図1の動作と同様であるため、簡単に説明する。まず、スイッチ2003、2005、114をオンにし、スイッチ107、106をオフにする。そして、定常状態になると、容量素子2004には、電流が流れなくなる。そしてそのとき、電流源トランジスタ2001のゲート・ソース間電圧が容量素子2004に蓄積される。つまり、電流源トランジスタ2001のソース・ドレイン間に電流Ib2を流すのに必要な電圧が、ゲート・ソース間に加わるようになる。以上の動作は、プリチャージ動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ2002は、短絡動作を行っていることになる。
次に、スイッチ2005、106をオンにし、スイッチ2003、107、114をオフにする。すると、電流源トランジスタ2001と切り替えトランジスタ2002は、マルチゲートのトランジスタとして動作することになる。そして、定常状態になると、容量素子2004には、電流が流れなくなる。そしてそのとき、マルチゲートのトランジスタのゲート・ソース間電圧が容量素子2004に蓄積される。つまり、マルチゲートのトランジスタのソース・ドレイン間に電流Ib1を流すのに必要な電圧が、ゲート・ソース間に加わるようになる。以上の動作は、設定動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ2002は、電流源動作を行っていることになる。
次に、スイッチ107をオンにし、スイッチ2003、2005、106、114をオフにする。すると、負荷109の方に電流が流れる。以上の動作は、出力動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ2002は、電流源動作を行っていることになる。
なお、容量素子2004の端子2006の電位は、設定動作の時と、出力動作の時とで、異なる場合が多い。しかし、容量素子2004の両端の電圧(電位差)は変化しないため、トランジスタのゲート・ソース間電圧も変化せず、負荷109には、所望の電流が流れる。
なお、この場合も、プリチャージ動作の時には、図21のように接続され、設定動作の時には、図22のように接続され、出力動作の時には、図23のように接続される、というようになっていれば、スイッチは、どこに配置してもよいことは、もちろんである。
なお、図20には、図1に対応させた回路を示したが、図18のような順序でトランジスタを配置してもよい。その場合は、短絡動作のとき、切り替えトランジスタ2002のゲート容量に、電荷が蓄積されない、という特徴がある。
なお、図1の場合、図2のようにプリチャージ動作を行い、その後、図3のように設定動作を行っているが、これに限定されない。
例えば、図2のようなプリチャージ動作を、複数回行っても良い。例として、図2の場合よりも、もう1回プリチャージ動作が多い場合について、図24に示す。図24では、電流源として動作するトランジスタ2402が追加されている。まず、スイッチ2403、2414、103をオンにして、スイッチ114をオフにした状態で、1回目のプリチャージ動作を行う。その後、スイッチ2403、2414をオフにし、スイッチ114をオンにして、2回目のプリチャージ動作を行う。つまり、図2のプリチャージ動作に相当する。なお、1回目のプリチャージ動作の時に流れた電流の方が、2回目のときよりも、大きいとする。このように、当初は、大きな電流値でプリチャージを行うことにより、すばやく、定常状態にすることが出来る。
あるいは、別のプリチャージ動作を組み合わせてもよい。
例えば、図25に示すような構成にして、図2のようなプリチャージ動作の前に、別のプリチャージを行っても良い。図25では、端子1802から、スイッチ1801を介して、電圧を供給する。その電位は、プリチャージ動作や設定動作において、定常状態になった時の電位と、概ね等しい値にしておく。つまり、図26に示すように、スイッチ1801をオンにして、端子1802の電位を供給する。これにより、すばやく、プリチャージできる。その後、図27のように、スイッチ1801をオフにして、プリチャージ動作を行う。これは、図2でのプリチャージ動作に相当する。なお、電圧を供給してプリチャージを行う技術は、同じ出願人による特願2002−348673に出願されている。そこには、さまざまなプリチャージ技術が開示されており、その内容を本発明と組み合わせることが出来る。
なお、プリチャージ動作において用いられるトランジスタと、設定動作において用いられるトランジスタとは、出来るだけ、特性がそろっていることが望ましい。例えば、図1の場合、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とは、電流特性がそろっていることが望ましい。よって、前記トランジスタを作成する過程において、できるだけ、電流特性が揃うように工夫することが望ましい。例えば、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とは、出来るだけ、近接して配置することが望ましい。例えば、レーザーを照射してトランジスタの半導体層を結晶化させる場合には、同じショットが両トランジスタに照射されることが望ましい。その結果、電流特性を概ね等しくすることが出来る。その結果、プリチャージ動作によって、適切な状態にすることが出来る。そのため、素早く設定動作を行うことが出来る。
このように、図1の回路だけでなく、スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、電流源トランジスタの数や配置、基本電流源の数や配置、切り替えトランジスタの数や配置、各配線の電位、別のプリチャージ方法との組み合わせの有無、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて、本発明を構成することができ、各々の変更を組み合わせることにより、さらに様々な回路を用いて本発明を構成することが出来る。
(実施の形態2)
実施の形態1では、切り替えトランジスタ102に関して、電流源動作や短絡動作を実現するために、図1で示す構成について説明した。そこで、本実施の形態では、実施の形態1とは異なる構成で、電流源動作や短絡動作を実現する構成の一例を示す。
なお、以下の説明において、実施の形態1と重複する部分については説明は省略する。
まず、図28に、切り替えトランジスタ102に関して、電流源動作や短絡動作を実現した第2の構成について示す。
図28で示す電流源回路は、切り替えトランジスタ102のゲート端子の電圧を制御して、切り替えトランジスタ102に多くの電流を流すことができるようにしている。具体的には、スイッチ2801を用いることにより、切り替えトランジスタ102のゲート・ソース間電圧の絶対値を大きくする。その結果、ある値の電流が流れる場合、切り替えトランジスタ102のソース・ドレイン間電圧が小さくてすむようになる。つまり、切り替えトランジスタ102は、スイッチとして動作するようになる。
図28では、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102は、ゲート端子が互いに接続されていないため、スイッチ2802を用いることにより、接続されるようにする。その結果、マルチゲートのトランジスタとして動作できるようにしている。
次に図28に示す電流源回路の動作について述べる。まず、図29に示すように、スイッチ2801、105、114をオンにし、スイッチ106、107、2802をオフにする。すると、切り替えトランジスタ102のゲート端子は、配線2803に接続される。配線2803には、低電位側電源(Vss)が供給されているため、切り替えトランジスタ102のゲート・ソース間電圧の絶対値は、非常に大きくなる。よって、切り替えトランジスタ102は、非常に大きな電流駆動能力をもつことになるので、切り替えトランジスタ102のソース端子とドレイン端子とは、概ね同じ電位となる。そのため、第2基本電流源115に流れる電流Ib2が、容量素子104や電流源トランジスタ101に流れ、電流源トランジスタ101のソース端子は、配線110と概ね同じ電位になる。そして、電流源トランジスタ101のソース・ドレイン間に流れる電流と、第2基本電流源115に流れる電流Ib2とが等しくなると、容量素子104には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのとき、のゲート端子の電位が、容量素子104に蓄積される。つまり、電流源トランジスタ101のソース・ドレイン間に電流Ib2を流すのに必要な電圧が、ゲート端子に加わるようになる。以上の動作は、プリチャージ動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ102は、スイッチとして動作し、短絡動作を行っていることになる。
次に、図30に示すように、スイッチ2801、107、114をオフにし、スイッチ105、106、2802をオンにする。すると、切り替えトランジスタ102のゲート端子と電流源トランジスタ101のゲート端子は、互いに接続される。よって、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102は、マルチゲートのトランジスタとして動作することになる。したがって、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102を1つのトランジスタであると考えると、そのトランジスタのゲート長Lは、電流源トランジスタ101のLよりも大きくなる。そして、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とによるマルチゲートのトランジスタのソース・ドレイン間に流れる電流と、基本電流源106に流れる電流Ib1とが等しくなると、容量素子104には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのとき、のゲート端子の電位が、容量素子104に蓄積される。以上の動作は、設定動作に相当する。そしてその時、切り替えトランジスタ102は、電流源動作を行っていることになる。次に、図31に示すように、スイッチ2801、105、106、114をオフにし、スイッチ107、2802をオンにする。一方、容量素子104には、設定動作において蓄積した電荷が保存されており、それが、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102のゲート端子に、加わることになる。以上のことから、負荷109の方に、Ib1の大きさの電流が流れることになる。以上の動作は、出力動作に相当する。
なお、配線2803の電位は、Vssに限定されない。切り替えトランジスタ102が十分にオン状態になるような値であればよい。
なお、本実施の形態では図28に示す電流源回路について示したが、本発明の構成はこれに限定されず、その要旨を変更しない範囲であれば様々な変形が可能である。例えば、実施の形態1と同様に、スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、電流源トランジスタ101の数や配置、基本電流源の数や配置、切り替えトランジスタの数や配置、各配線の電位、別のプリチャージ方法との組み合わせの有無、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。また、各々の変更を組み合わせることにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
例えば、プリチャージ動作の時には、図32のように接続され、設定動作の時には、図33のように接続され、出力動作の時には、図34のように接続される、というようになっていれば、各スイッチは、どこに配置してもよい。
また、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の配置を入れ替えた場合について、図35に示す。図35では、配線110、電流源トランジスタ101、切り替えトランジスタ102の順に配置されている。
また、電流の向きを変更せずに、回路の接続構造を変更することにより、図28の回路に関して、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102の極性(導電型)を変更した場合の例を図36に示す。
常に電流源(または、その一部)として動作する電流源トランジスタ4101と、状態によって、動作が異なる切り替えトランジスタ4102とがあり、電流源トランジスタ4101と切り替えトランジスタ4102と配線110とは、直列に接続されている。電流源トランジスタ4101のゲート端子には、容量素子4104の一方の端子が接続されている。容量素子4104の他方の端子4106は、切り替えトランジスタ4102(電流源トランジスタ4101)のソース端子に接続されている。そのため、電流源トランジスタ4101のゲート・ソース間電圧を保持することが出来る。また、電流源トランジスタ4101のゲート端子とドレイン端子とは、スイッチ4105を介して接続されており、スイッチ4105のオンオフによって、容量素子4104の電荷の保持を制御できる。
なお、この場合も、プリチャージ動作の時、設定動作の時、出力動作の時には、各々の動作を正常に行えるようになっていれば、スイッチは、どこに配置してもよい。
なお、配線3603には、Vddよりも高いVdd2が供給されている。これに限定されないが、切り替えトランジスタ4102が短絡動作の時に、より電流駆動能力が大きくなるようにするため、出来るだけ高い電位を供給するほうがよい。
このように、図28の回路だけでなく、スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、電流源トランジスタの数や配置、基本電流源の数や配置、切り替えトランジスタの数や配置、各配線の電位、別のプリチャージとの組み合わせの有無、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて、本発明を構成することができ、各々の変更を組み合わせることにより、さらに様々な回路を用いて本発明を構成することが出来る。
本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1で説明した内容の一部を変更したものに相当する。したがって、実施の形態1で説明した内容は、本実施の形態にも適用できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、トランジスタを並列に接続させ、各トランジスタに流れる電流の合計値を変化させて、プリチャージ動作や設定動作を行う場合について、その構成例を示す。
なお、以下の説明において、実施の形態1、2と重複する部分については説明は省略する。
まず、図37を用いて、トランジスタを並列に接続して、プリチャージ動作や設定動作を行う場合の構成例について説明する。
少なくとも設定動作の時には、電流が流れる状態にして動作させる設定トランジスタ3702と、プリチャージ動作の時には、電流が流れる状態にして動作させるチャージトランジスタ3701とがあり、設定トランジスタ3702とチャージトランジスタ3701とは、並列に接続されている。設定トランジスタ3702のゲート端子には、容量素子3704の一方の端子が接続されている。また、チャージトランジスタ3701のゲート端子にも、容量素子3704の一方の端子が接続されている。容量素子3704の他方の端子は、配線3708に接続されている。そのため、設定トランジスタ3702のゲート端子の電位を保持することが出来る。また、端子3710と設定トランジスタ3702のドレイン端子とは、スイッチ3703を介して接続されている。また、端子3710とチャージトランジスタ3701のドレイン端子とは、スイッチ3706を介して接続されている。また、端子3710と設定トランジスタ3702のゲート端子とは、スイッチ3705を介して接続されており、スイッチ3705のオンオフによって、容量素子3704の電荷の保持を制御できる。また、端子3710と配線112とは、基本電流源108とスイッチ106を介して接続されている。また、それと並列に、端子3710と配線116とは、第2基本電流源115とスイッチ114を介して接続されている。同様に、それらと並列に、端子3710と配線113とは、負荷109とスイッチ107を介して接続されている。
図37のような構成の回路を用いると、プリチャージ動作を行うことが出来る。そのため、プリチャージ動作を行った後、設定動作を行うと、すばやく、定常状態にすることが出来る。
そこで、図37の動作について述べる。まず、図38に示すように、スイッチ3706、3705、114をオンにし、スイッチ107、106、3703をオフにする。すると、設定トランジスタ3702のソース・ドレイン間では、電流が流れない。そのため、第2基本電流源115に流れる電流Ib2が、容量素子3704やチャージトランジスタ3701に流れる。そして、チャージトランジスタ3701のソース・ドレイン間に流れる電流と、第2基本電流源115に流れる電流Ib2とが等しくなると、容量素子3704には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのときのゲート端子の電位が、容量素子3704に蓄積される。つまり、チャージトランジスタ3701のソース・ドレイン間に電流Ib2を流すのに必要な電圧が、ゲート端子に加わるようになる。以上の動作は、プリチャージ動作に相当する。
次に、図39に示すように、スイッチ3705、3703、106をオンにし、スイッチ3706、107、114をオフにする。すると、スイッチ3706はオフになっているので、チャージトランジスタ3701のソース・ドレイン間には、電流が流れなくなる。そのため、基本電流源108に流れる電流Ib1が、容量素子3704や設定トランジスタ3702に流れる。
そして、設定トランジスタ3702のソース・ドレイン間に流れる電流と、基本電流源108に流れる電流Ib1とが等しくなると、容量素子3704には、電流が流れなくなる。つまり、定常状態になる。そしてそのとき、のゲート端子の電位が、容量素子3704に蓄積される。つまり、設定トランジスタ3702のソース・ドレイン間に電流Ib1を流すのに必要な電圧が、ゲート端子に加わるようになる。以上の動作は、設定動作に相当する。
なお、このとき、基本電流源108に流れる電流Ib1、第2基本電流源115に流れる電流Ib2、設定トランジスタ3702とチャージトランジスタ3701のトランジスタサイズ(ゲート幅Wやゲート長Lなど)を適切に設定することにより、容量素子3704に蓄積される電荷、つまり、設定トランジスタ3702(またはチャージトランジスタ3701)のゲート端子の電位が、プリチャージ動作の時と設定動作の時とで、概ね等しい電圧になるようにしておく。すると、基本電流源108に流れる電流Ib1よりも、第2基本電流源115に流れる電流Ib2の方が、電流値が大きい場合、プリチャージ動作において、すばやく、容量素子3704を充電し、定常状態にすることが可能となる。そして、その後、設定動作において、たとえ、基本電流源108に流れる電流Ib1が小さくても、すばやく、定常状態にすることが出来る。なぜなら、プリチャージ動作によって、容量素子104は、概ね充電されているからである。
次に、図40に示すように、スイッチ3705、3706、106、114をオフにし、スイッチ107、3703をオンにする。すると、負荷109の方に電流が流れる。以上の動作は、出力動作に相当する。
このように、スイッチ3703、3706のオンオフを制御することにより、プリチャージ動作において流れる電流を大きくすることができるため、すばやく、定常状態にすることが出来る。つまり、電流が流れる配線に寄生している負荷(配線抵抗や交差容量など)による影響を少なくし、すばやく、定常状態にすることが出来る。その時、既に、設定動作のときの定常状態と、概ね近い状態になっている。そのため、プリチャージ動作のあと、設定動作において、素早く定常状態にすることができる。
したがって、例えば、負荷109がEL素子で有る場合、EL素子を低階調で発光させたい場合の信号書き込み時にも、すばやく信号を書き込むことが出来る。
そこで、プリチャージ動作の時と設定動作の時とで、容量素子3704に蓄積される電圧が、概ね等しい電圧になるための条件について述べる。まず、チャージトランジスタ3701のゲート幅をWa、ゲート長をLaとし、設定トランジスタ3702のゲート幅をWb、ゲート長をLbとする。そして、設定動作の時に流れる電流(図3の場合は、基本電流源108に流れる電流Ib1)をA倍すると、プリチャージ動作の時に流れる電流(図2の場合は、第2基本電流源115に流れる電流Ib2)の大きさと等しいとする。
一般に、トランジスタのソース・ドレイン間に流れる電流は、チャネル幅Wとチャネル長Lの比率W/Lに比例する。そのため、プリチャージ動作の時のゲート幅とゲート長の比率:Wa/Laと、設定動作の時のゲート幅とゲート長の比率:Wb/Lbとの関係を考える。基本電流源108に流れる電流Ib1をA倍すると、第2基本電流源115に流れる電流Ib2の大きさと等しくなるので、Wb/LbをA倍すれば、Wa/Laになるように、各々の値を設定すればよいことになる。そのようにすれば、チャージトランジスタ3701と設定トランジスタ3702の電流特性が概ね同じであれば、図5において、時刻T2aのときにおける、容量素子3704の電圧(チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702のゲート端子の電位)は、時刻T2bのときの電位と、概ね等しくなる。
なお、容量素子3704は、チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702などのゲート容量によって、代用することが出来る。その場合は、容量素子3704を省略できる。なお、プリチャージ動作の時には、図38では、スイッチ3706、3705、114をオンにし、スイッチ107、106、3703をオフにして、設定トランジスタ3702に電流が流れないようになっているが、これに限定されない。例えば、図41に示すように、スイッチ3706、3705、3703、114をオンにし、スイッチ107、106をオフにして、設定トランジスタ3702に電流が流れるようにしてもよい。
なお、プリチャージ動作の時には、図38や図41では、スイッチ114をオンにし、スイッチ107、106をオフにして、第2基本電流源115の電流が流れて、基本電流源108の電流が流れないようになっているが、これに限定されない。例えば、スイッチ114、106をオンにし、スイッチ107をオフにして、第2基本電流源115と基本電流源108の電流が流れるようにしてもよい。
なお、配線3707と配線3708と配線3709とは、高電位側電源Vddが供給されているが、これに限定されない。各々の配線の電位が同じでもよいし、異なっていても良い。配線3708は、容量素子3704の電荷を保存できるようになっていればよい。また、配線3707または配線3709または配線3708は、常に同じ電位のまま保たれている必要はない。設定動作と出力動作とで、電位が異なっていても、正常に動作する場合は、問題ない。
なお、容量素子3704は、チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702のゲート端子と配線3708とに接続されているが、これに限定されない。最も望ましいのは、設定トランジスタ3702のゲート端子とソース端子に接続されていることが望ましい。なぜなら、トランジスタの動作は、ゲート・ソース間電圧によって決定されるため、ゲート端子とソース端子の間で、電圧を保持していると、他の影響(配線抵抗などによる電圧降下などの影響)を受けにくいからである。もし、容量素子104がチャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702のゲート端子と別の配線との間に配置されていた場合、その別の配線における電圧降下量によって、チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702のゲート端子の電位が変ってしまう可能性がある。
なお、チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702とは、プリチャージ動作と設定動作とで、概ね等しいゲート電位にする必要があるため、これらのトランジスタは同極性(同じ導電型を有する)とすることが望ましい。
なお、チャージトランジスタ3701や設定トランジスタ3702のゲート幅Wは、同じであってもよいし、異なっていても良い。同様に、ゲート長Lも、同じであってもよいし、異なっていても良い。ゲート長Lは、設定トランジスタ3702の方を大きくすれば、設定動作の時や出力動作の時に流れる電流が、より小さくなる。また、飽和領域においてソース・ドレイン間電圧が変わっても電流値が変わりにくくなる。つまり、キンク効果の影響を小さくできる。同様に、ゲート幅Wは、設定トランジスタ3702の方を小さくすれば、設定動作の時や出力動作の時に流れる電流が、より小さくなる。よって、その状況に合わせて、設計すればよい。
なお、本実施の形態では、図37などに示したが、本発明の構成はこれに限定されず、その要旨を変更しない範囲であれば様々な変形が可能である。例えば、実施の形態1、2と同様に、スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、チャージトランジスタ3701の数や配置、設定トランジスタ3702の数や配置、各配線の電位、別のプリチャージ方法との組み合わせの有無、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。また、各々の変更を組み合わせることにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
例えば、プリチャージ動作の時には、図42のように接続され、設定動作の時には、図43のように接続され、出力動作の時には、図44のように接続される、というようになっていれば、各スイッチは、どこに配置してもよい。なお、図42〜44において、点線の部分などは、接続されていても、されていなくても、どちらでもよい。したがって、図45に示すように、チャージトランジスタ3701と設定トランジスタ3702のゲート端子を、スイッチを介して接続するようにしてもよい。あるいは、図46に示すように接続してもよい。ただし、図46の場合、容量素子3704に電流を流すために、プリチャージ動作の時にも、スイッチ3703をオンにして、設定トランジスタ3702に電流を流すことが出来るようにして動作させる必要がある。あるいは、図47のように接続されていてもよい。図48〜50に動作を示す。図48は、プリチャージ動作の場合を示している。なお、スイッチ3703、106がいずれか一つ、または、両方とも、オンしていてもよい。図49は、設定動作の場合を示している。そして、図50は、出力動作の場合を示している。これまで、出力動作では、スイッチ3703はオン状態にあったが、図47の構成の場合は、負荷109は、スイッチ3703を介さずに、設定トランジスタ3702と接続されている。したがって、出力動作では、スイッチ3703はオフ状態にする必要がある。
また、図37の回路に関して、電流の向きを変更して、回路の接続構造を変更せず、チャージトランジスタ3701と設定トランジスタ3702の極性(導電型)を変更した場合の例を図51に示す。
また、図37の回路に関して、電流の向きを変更せずに、回路の接続構造を変更することにより、チャージトランジスタ3701と設定トランジスタ3702の極性(導電型)を変更した場合の例を図52に示す。図52の回路の動作の説明は、同様であるため、省略する。
なお、この場合も、プリチャージ動作の時、設定動作の時、出力動作の時には、各々の動作を正常に行えるようになっていれば、あるいは、図53〜55に示すように接続されていれば、スイッチは、どこに配置してもよい。
このように、図37の回路だけでなく、様々な回路を用いて、本実施の形態を構成することが出来る。
なお、図37の場合、図38のようにプリチャージ動作を行い、その後、図39のように設定動作を行っているが、これに限定されない。
例えば、図38のようなプリチャージ動作を、複数回行っても良い。例として、図38の場合よりも、もう1回プリチャージ動作が多い場合について、図60に示す。図60では、電流源として動作するトランジスタ6001が追加されている。まず、スイッチ6006、2414、3706をオンにして、スイッチ114をオフにした状態で、1回目のプリチャージ動作を行う。その後、スイッチ6006、2414をオフにし、スイッチ114をオンにして、2回目のプリチャージ動作を行う。つまり、図38のプリチャージ動作に相当する。なお、1回目のプリチャージ動作の時に流れた電流の方が、2回目のときよりも、大きいとする。このように、当初は、大きな電流値でプリチャージを行うことにより、すばやく、定常状態にすることが出来る。
あるいは、別のプリチャージ動作を組み合わせてもよい。
なお、プリチャージ動作において用いられるトランジスタと、設定動作において用いられるトランジスタとは、出来るだけ、特性がそろっていることが望ましい。例えば、図37の場合、設定トランジスタ3702とチャージトランジスタ3701とは、電流特性がそろっていることが望ましい。よって、該トランジスタを作成する過程において、できるだけ、電流特性が揃うように工夫することが望ましい。例えば、設定トランジスタ3702とチャージトランジスタ3701とは、出来るだけ、近接して配置することが望ましい。例えば、レーザーを照射してトランジスタの半導体層を結晶化させる場合には、同じショットが両トランジスタに照射されることが望ましい。その結果、電流特性を概ね等しくすることが出来る。その結果、プリチャージ動作によって、適切な状態にすることが出来る。そのため、素早く設定動作を行うことが出来る。
本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1、2で説明した内容の一部を変更したものに相当する。したがって、実施の形態1、2で説明した内容は、本実施の形態にも適用できる。また、実施の形態1、2で説明した内容と、本実施の形態で説明した内容とを、組み合わせることも可能である。
そこで、図1の回路と、図37の回路とを、組み合わせた場合の構成を図56に示す。図56では、図37の回路に、切り替えトランジスタ102やスイッチ103を追加した構成になっている。このときの動作を、簡単に、図57〜図59に示す。プリチャージ動作の時には、図57に示すように、切り替えトランジスタ102は短絡動作を行い、チャージトランジスタ3701にも電流が流れている。そして、設定動作の時には、図58に示すように、切り替えトランジスタ102は電流源動作を行う。そして、出力動作の時には、図59に示すように、動作させる。
なお、図56の構成に対しても、実施の形態1〜3で説明した内容は適用できることは、もちろんである。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1〜3で説明した回路を、一部変更した場合について述べる。
ここでは、簡単のため、図1の回路を一部変更した場合について述べる。よって、実施の形態1と同様の内容が多いため、そのような部分については、説明は省略する。ただし、実施の形態1〜3で説明した様々な回路にも、適用することが出来る。
まず、図1の構成を一部変更したものを、図61に示す。異なるのは、図1のスイッチ107が、図61のマルチトランジスタ6101に変更されている点である。マルチトランジスタ6101は、電流源トランジスタ101や切り替えトランジスタ102と同じ極性(導電型)のトランジスタである。そして、マルチトランジスタ6101のゲート端子は、電流源トランジスタ101のゲート端子と接続されている。マルチトランジスタ6101は、状況によって、動作が切り替わる。つまり、設定動作の時には、スイッチとして動作し、出力動作の時には、電流源トランジスタ101や切り替えトランジスタ102とともに、マルチゲートのトランジスタの一部として、電流源として動作する。つまり、マルチトランジスタ6101のゲートとドレインとがスイッチ105によって短絡されている場合、マルチトランジスタ6101はオフ状態となる。
図61の回路の動作については、図1と同様であるため、説明を省略する。
なお、出力動作の時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とマルチトランジスタ6101とは、マルチゲートのトランジスタとして動作するため、これらのトランジスタは同極性(同じ導電型を有する)とすることが望ましい。
なお、出力動作の時に、電流源トランジスタ101と切り替えトランジスタ102とマルチトランジスタ6101とは、マルチゲートのトランジスタとして動作するが、各々のトランジスタのゲート幅Wは、同じであってもよいし、異なっていても良い。同様に、ゲート長Lも、同じであってもよいし、異なっていても良い。ただし、ゲート幅Wは、通常のマルチゲートのトランジスタと同じだと考えてもよいため、同じ大きさであることが望ましい。ゲート長Lは、切り替えトランジスタ102やマルチトランジスタ6101の方を大きくすれば、負荷109に流れる電流が、より小さくなる。また、飽和領域においてソース・ドレイン間電圧が変わっても電流値が変わりにくくなる。つまり、キンク効果の影響を小さくできる。よって、その状況に合わせて、設計すればよい。
次に、図37の回路を一部変更した場合について、図62に示す。ここでも異なるのは、図37のスイッチ107が、図62のマルチトランジスタ6201に変更されている点である。
図62の回路の動作については、図37と同様であるため、説明を省略する。
なお、出力動作の時に、設定トランジスタ3702とマルチトランジスタ6201とは、マルチゲートのトランジスタとして動作するため、これらのトランジスタは同極性(同じ導電型を有する)とすることが望ましい。
このように、本実施の形態では、図61、62に示す電流源回路についてに示したが、構成はこれに限定されず、その要旨を変更しない範囲であれば様々な変形が可能である。例えば、スイッチの配置や数、各トランジスタの極性、電流源トランジスタの数や配置、基本電流源の数や配置、切り替えトランジスタの数や配置、マルチトランジスタの数や配置、設定トランジスタの数や配置、チャージトランジスタの数や配置、各配線の電位、別のプリチャージとの組み合わせの有無、電流の流れる向きなどを変更することにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。また、各々の変更を組み合わせることにより、様々な回路を用いて構成することが出来る。
なお、本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1〜3で説明した内容の一部を変更したものに相当する。したがって、本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1〜3にも適用できる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、表示装置、および、信号線駆動回路などの構成とその動作について、説明する。信号線駆動回路の一部や画素に、本発明の回路を適用することができる。
表示装置は、図63に示すように、画素配列(Pixels)6301、ゲート線駆動回路(Gate Driver)6302、信号線駆動回路6310を有している。ゲート線駆動回路6302は、画素配列6301に選択信号を順次出力する。信号線駆動回路6310は、画素配列6301にビデオ信号を順次出力する。画素配列6301では、ビデオ信号に従って、光の状態を制御することにより、画像を表示する。信号線駆動回路6310から画素配列6301へ入力するビデオ信号は、電流である場合が多い。つまり、各画素に配置された表示素子や表示素子を制御する素子は、信号線駆動回路6310から入力されるビデオ信号(電流)によって、状態を変化させる。画素に配置する表示素子の例としては、EL素子やFED(フィールドエミッションディスプレイ)で用いる素子などがあげられる。
なお、ゲート線駆動回路6302や信号線駆動回路6310は、複数配置されていてもよい。
信号線駆動回路6310は、構成を複数の部分に分けられる。大まかには、一例として、シフトレジスタ6303、第1ラッチ回路(LAT1)6304、第2ラッチ回路(LAT2)6305、デジタル・アナログ変換回路6306に分けられる。デジタル・アナログ変換回路6306には、電圧を電流に変換する機能も有しており、ガンマ補正を行う機能も有していてもよい。つまり、デジタル・アナログ変換回路6306には、画素に電流(ビデオ信号)を出力する回路、すなわち、電流源回路を有しており、そこに本発明を適用することが出来る。
また、画素は、EL素子などの表示素子を有している。その表示素子に電流(ビデオ信号)を出力する回路、すなわち、電流源回路を有しており、そこにも、本発明を適用することが出来る。
そこで、信号線駆動回路6310の動作を簡単に説明する。シフトレジスタ6303は、フリップフロップ回路(FF)等を複数列用いて構成され、クロック信号(S−CLK)、スタートパルス(SP)、クロック反転信号(S−CLKb)が入力される、これらの信号のタイミングに従って、順次サンプリングパルスが出力される。
シフトレジスタ6303より出力されたサンプリングパルスは、第1ラッチ回路(LAT1)6304に入力される。第1ラッチ回路(LAT1)6304には、ビデオ信号線6308より、ビデオ信号が入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各列でビデオ信号を保持していく。なお、デジタル・アナログ変換回路6306を配置している場合は、ビデオ信号はデジタル値である。また、この段階でのビデオ信号は、電圧であることが多い。
ただし、第1ラッチ回路6304や第2ラッチ回路6305が、アナログ値を保存できる回路である場合は、デジタル・アナログ変換回路6306は省略できる場合が多い。その場合、ビデオ信号は、電流であることも多い。また、画素配列6301に出力するデータが2値、つまり、デジタル値である場合は、デジタル・アナログ変換回路6306は省略できる場合が多い。
第1ラッチ回路(LAT1)6304において、最終列までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、ラッチ制御線6309よりラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1ラッチ回路(LAT1)6304に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2ラッチ回路(LAT2)6305に転送される。その後、第2ラッチ回路(LAT2)6305に保持されたビデオ信号は、1行分が同時に、デジタル・アナログ変換回路6306へと入力される。そして、デジタル・アナログ変換回路6306から出力される信号は、画素配列6301へ入力される。
第2ラッチ回路(LAT2)6305に保持されたビデオ信号がデジタル・アナログ変換回路6306に入力され、そして、画素6301に入力されている間、シフトレジスタ6303においては再びサンプリングパルスが出力される。つまり、同時に2つの動作が行われる。これにより、線順次駆動が可能となる。以後、この動作を繰り返す。
なお、デジタル・アナログ変換回路6306が有している電流源回路が、設定動作と出力動作とを行うような回路である場合、その電流源回路に、電流を流す回路が必要となる。そのような場合、リファレンス用電流源回路6314が配置されている。
なお、信号線駆動回路やその一部は、画素配列6301と同一基板上に存在せず、例えば、外付けのICチップを用いて構成されることもある。
そのICチップをCOG(Chip On Glass)で接続してガラス基板上に配置してもよい。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。
なお、信号線駆動回路などの構成は、図63に限定されない。
例えば、第1ラッチ回路6304や第2ラッチ回路6305が、アナログ値を保存できる回路である場合、図64に示すように、リファレンス用電流源回路6314から第1ラッチ回路(LAT1)6304に、ビデオ信号(アナログ電流)が入力されることもある。また、図64において、第2ラッチ回路6305が存在しない場合もある。そのような場合は、第1ラッチ回路6304に、より多くの電流源回路が配置されている場合が多い。これにより、第2ラッチ回路6305がなくても、設定動作や出力動作などを同時に行うことができる。例えば、電流源回路を2つ以上配置して、それらを切り替えて用いればよい。つまり、一方の電流源回路に対して設定動作を行い、同時に他方の電流源回路で出力動作を行う。そして、それを任意の周期ごとに切り替える。これにより、設定動作や出力動作などを同時に行うことができる。その結果、第2ラッチ回路4105を省くことが可能となる。このような回路の構成や動作については、国際公開第03/038796号パンフレット、国際公開第03/038797号パンフレット、に記載されており、その内容を本発明に適用することが出来る。
(実施の形態6)
次に、実施の形態5において説明した信号線駆動回路6310の具体的な構成について、説明する。
まず、信号線駆動回路に本発明を適用した場合の例を図65に示す。図65は、図19(または、図1)のように、トランジスタを直列に接続した場合の例を示している。配線6507には、電流源回路が複数個接続されている。図65では簡単のため、電流源回路6501のみが接続されている図を示している。電流源回路6501は、配線6502、6503、6504、6505によって、プリチャージ動作、設定動作、出力動作を切り替えている。基本電流源1908や第2基本電流源1915などから構成される基本電流源回路6507から、プリチャージ動作や設定動作の時に電流が入力される。そして、出力動作のときに、電流源回路6501から負荷1909の方に電流を出力する。
なお、リファレンス用電流源回路6314における電流源は、図65における基本電流源回路6507に相当する。そして、図65における負荷1909は、スイッチや、信号線や信号線に接続された画素や別の電流源回路に相当する。
また、信号線駆動回路に本発明を適用した場合の例として、図51(または、図37)のように、トランジスタを並列に接続した場合の例を図66に示す。電流源回路6601は、配線6502、6503、6603、6604、6605によって、プリチャージ動作、設定動作、出力動作を切り替えている。
なお、図65や図66では、電流源回路が1つしか記載されていないが、電流源回路を並列に複数個配置して、切り替えて動作させることにより、設定動作などを行いながら、同時に出力動作を行うことができる。
なお、電流源回路に対して設定動作を行う場合、そのタイミングを制御する必要がある。その場合、設定動作を制御するために、専用の駆動回路(シフトレジスタなど)を配置してもよい。あるいは、LAT1回路を制御するためのシフトレジスタから出力される信号を用いて、電流源回路への設定動作を制御してもよい。つまり、一つのシフトレジスタで、LAT1回路と電流源回路とを両方制御するようにしてもよい。その場合は、LAT1回路を制御するためのシフトレジスタから出力される信号を直接、電流源回路に入力してもよいし、LAT1回路への制御と電流源回路への制御を切り分けるため、その切り分けを制御する回路を介して、電流源回路を制御してもよい。あるいは、LAT2回路から出力される信号を用いて、電流源回路への設定動作を制御してもよい。LAT2回路から出力される信号は、通常、ビデオ信号であるため、ビデオ信号として使用する場合と電流源回路を制御する場合とを切り分けるため、その切り替えを制御する回路を介して、電流源回路を制御すればよい。このように、設定動作や出力動作を制御するための回路構成や、回路の動作等については、国際公開第03/038793号パンフレット、国際公開第03/038794号パンフレット、国際公開第03/038795号パンフレット、に記載されており、その内容を本発明に適用することが出来る。
さらに、負荷1909(例えば、スイッチや信号線や信号線に接続された画素など)にアナログ電流を出力する場合は、デジタル・アナログ変換を行う必要があるので、電流源回路を複数配置した図67に示すような構成となる。なお、図67では、簡単のため、3ビットの場合について説明する。すなわち、基本電流源回路6507A、6507B、6507Cがあり、設定動作の時の電流の大きさは、Ic、2×Ic、4×Icというようになっている。そして、電流源回路6501A、6501B、6501Cが各々接続されている。なお、電流源回路6501A、6501B、6501Cは、図65に示す電流源回路6501でもよいし、図66に示す電流源回路6601でもよい。したがって、出力動作の時には、電流源回路6501A、6501B、6501Cは、Ic、2×Ic、4×Icの大きさの電流を出力することになる。そして、各電流源回路と直列に、スイッチ6701A、6701B、6701Cが接続されている。このスイッチは、第2ラッチ回路(LAT2)6305から出力されるビデオ信号によって制御される。そして、各電流源回路とスイッチから出力される電流の合計が、負荷1909、すなわち、信号線などに出力される。以上のように動作させることにより、画素などにビデオ信号としてアナログ電流を出力している。
なお、図67では、簡単のため、3ビットの場合について説明したが、これに限定されない。同様に構成すれば、ビット数を容易に変更して構成することが出来る。また、図65、図66の場合と同様、電流源をさらに並列に配置することにより、設定動作などと出力動作とを同時に行うことができる。
次に、図64の場合について、説明する。リファレンス用電流源回路6314における電流源は、図65、図66における基本電流源回路6507に相当する。第1ラッチ回路(LAT1)6304に配置されている電流源回路は、図65、図66における電流源回路6501、6601に相当する。そして、図65、図66における負荷1909は、第2ラッチ回路(LAT2)6305に配置されている電流源回路に相当する。この場合は、リファレンス用電流源回路6314における電流源からは、ビデオ信号が電流で出力される。なお、その電流は、デジタル値の場合も、アナログ値の場合もある。
なお、第2ラッチ回路(LAT2)6305が配置されていない場合は、図65、図66における負荷1909は、画素や信号線に相当することになる。
また、第1ラッチ回路6304に配置されている電流源回路が、図65、図66における基本電流源回路6507に相当し、第2ラッチ回路6305に配置されている電流源回路が、図65、図66における電流源回路6501、6601に相当し、画素や信号線が図65、図66における負荷1909に相当すると考えることもできる。
またさらに、図63、64に示したリファレンス用電流源回路6314に対して、適用してもよい。つまり、リファレンス用電流源回路6314が図65、図66における電流源回路6501、6601に相当し、第1ラッチ回路6304に配置されている電流源回路が図65、図66における負荷1909に相当し、さらに別の電流源(リファレンス用電流源回路6314に電流を供給する回路)が、図65、図66における基本電流源回路6507に相当すると考えることもできる。
また、画素の中に配置されている発光素子が図65、図66における負荷1909に相当し、画素の中に配置されている電流源回路が図65、図66における電流源回路6501、6601に相当し、信号線駆動回路6310における、画素に電流を出力する電流源回路が、図65、図66における基本電流源回路6507に相当すると考えることもできる。なお、画素の中に配置されている電流源回路から発光素子に電流が供給されて、発光素子が発光する。
このように、様々な部分に、本発明を適用することが出来る。
なお、各ビットに対応したデジタルビデオ信号(電流値)を第1ラッチ回路6304に入力してもよい。なお、その後、各ビットに対応したデジタルビデオ信号電流を足し合わせることによって、デジタル値からアナログ値に変換することができる。その場合、桁数の小さなビットの信号を入力する場合に、本発明を適用することは、より好適である。なぜなら、桁数の小さなビットの信号の場合、信号の電流値が小さくなってしまう。そこで、本発明を適用すれば、信号の電流値を大きくすることができる。そのため、信号の書き込み速度が向上する。
なお、図65において、電流源回路6501の構成として、図19(図1)の構成を用いたが、これに限定されない。同様に、図66において、電流源回路6601の構成として、図51(図37)の構成を用いたが、これに限定されない。本発明における様々な構成を用いることが出来る。
このように、信号線駆動回路に本発明を適用することにより、信号線駆動回路に入力される電流値が小さくても、すばやく設定動作を行うことが出来る。もし、設定動作が十分できない場合は、信号線に正しい電流を出力することが出来ない。その場合は、画素は、正確な表示を行うことができない。よって、本発明を適用することにより、画質不良を防止することが出来る。
なお、本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1〜5で説明した内容を利用したものに相当する。したがって、実施の形態1〜5で説明した内容は、本実施の形態にも適用できる。
(実施の形態7)
実施の形態6では、信号線駆動回路6310の具体的な構成について、説明した。そこで、本実施の形態では、画素配列6301に配列状に配置されている画素に適用した場合の具体的な構成について説明する。
まず、図1で示した構成を画素に適用した場合について、図68に示す。図1における負荷109は、図68におけるEL素子6802に相当する。図68における基本電流源108、第2基本電流源115は、図63の場合は、デジタル・アナログ変換回路6306に配置されている電流源回路に相当し、図64の場合は、第2ラッチ回路6305に配置されている電流源回路に相当する。図64の場合で第2ラッチ回路6305が無い場合は、第1ラッチ回路6304に配置されている電流源回路に相当する。なお、実際には、配線6807には画素が複数個接続されている。図68では、簡単のため、画素が1つだけ接続されている場合の図を示してる。
ゲート線6803〜6806を用いて、各スイッチ(図68ではトランジスタ)のオンオフを制御する。ゲート線6803を制御して選択トランジスタ6801をオンオフして、信号線6807から信号が入力される。なお、詳しい動作については、図1と同様であるので、省略する。
また、図37で示した構成を画素に適用した場合について、図69に示す。ゲート線6903〜6907を用いて、各スイッチ(図69ではトランジスタ)のオンオフを制御する。ゲート線6903を制御して選択トランジスタ6901をオンオフして、信号線6807から信号が入力される。なお、詳しい動作については、図37と同様であるので、省略する。
また、図45で示した構成を画素に適用した場合について、図77に示す。ゲート線7703〜7707を用いて、各スイッチ(図77ではトランジスタ)のオンオフを制御する。ゲート線7007を制御して選択トランジスタ7701をオンオフして、信号線6807から信号が入力される。なお、詳しい動作については、図45と同様であるので、省略する。
また、図77の構成に対して、配線の接続関係を変更した場合を図78に示す。図77では、トランジスタ3701は、トランジスタ3706と選択トランジスタ7701とを介して、信号線6807に接続されていた。一方、図78では、トランジスタ3701は、トランジスタ3706を介して、信号線6807に接続されている。
なお、図78では、信号線6807に1つの画素が接続されている図を示している。ここで、トランジスタ3701とトランジスタ3706とで構成される回路7812と、それ以外で構成される回路7811とを考える。図78では、回路7812は、各画素に配置されている。しかしながら、回路7812は、各画素に配置されている必要はない。つまり、回路7812を複数の画素で共有してもよい。そして、回路7811で1つ分の画素を構成してもよい。その場合の例を図79に示す。配線6807には、回路7811で構成される画素7811A、7811B、7811C、7811Dが接続されている。そして、回路7812で構成させる回路7812A、7812Bが接続されている。このように、配線6807に、少なくとも1つ分の回路7812が接続されていれば、回路7811で構成される画素が複数個接続されていてもよい。なお、図79では簡単のため、回路7811で構成される画素が4つ、回路7812で構成される回路が2つ接続されているが、これに限定されない。各々、任意の数だけ設ければよい。
このように、回路7812で構成される回路を画素間で共有することにより、回路7812を各画素に配置する必要がないため、各画素おけるトランジスタの数を減らすことが出来る。その結果、開口率が向上したり、製造上の歩留まりが向上したりすることが可能となる。
なお、回路7812は、回路7812Aや回路7812Bのように、画素配列の外側(周囲)に配置することが望ましい。なぜなら、画素配列では、画素が周期的に配置されているため、画素配列の中に回路7812を置くことは適切ではないためである。よって、回路7812Aのように、画素配列と電流源(基本電流源108や第2基本電流源115など)の間に接続したり、回路7812Bのように、配線6807の先に接続したりすることが望ましい。なお、回路7812Bのように、配線6807の先に接続すると、配線6807全体にわたって電流が流れることになるので、より好適である。
なお、図79のように、回路7812を共有化することは、画素部分に限定されない。信号線駆動回路などにも適用することは可能である。
また、図47で示した構成を画素に適用した場合について、図70に示す。ゲート線7003〜7006を用いて、各スイッチ(図70ではトランジスタ)のオンオフを制御する。ゲート線7003〜7005を制御して各トランジスタをオンオフして、信号線6807から信号が入力される。なお、詳しい動作については、図47と同様であるので、省略する。
なお、図68、図69、図77及び図78では、1本の信号線6807に複数の画素が接続されているため、ある特定の画素を選択するために、専用のスイッチ(選択トランジスタ)6801、6901、7701、7801が必要となってくる。一方、図70の場合は、そのようなスイッチを省略しても、トランジスタ3703、3705、3706を制御することにより、正常に動作させることが出来る。
なお、画素に適用する構成として、図68〜図70で示した構成に限定されない。実施の形態1〜6で説明した様々な構成を用いて、画素を構成することが出来る。
例えば、図68〜図70、図77及び図78におけるトランジスタの極性(導電型)は、これに限定されない。特に、スイッチとして動作させる場合は、接続関係を変更せずに、トランジスタの極性(導電型)を変更することが出来る。
また、図68〜図70、図77及び図78において、電源線6808から配線113の方に向かって電流が流れているが、これに限定されない。電源線6808と配線113の電位を制御することにより、配線113から電源線6808の方に向かって電流が流れてもよい。ただし、その場合は、EL素子6802の向きを反対にする必要がある。なぜなら、通常は、EL素子6802は、陽極から陰極の方に電流が流れるためである。
なお、EL素子は、陽極側から光が出ても、陰極側から光が出ても、どちらでも良い。
なお、図68〜図70、図77及び図78において、ゲート線6803〜6806、ゲート線6903〜6907、ゲート線7003〜7006、ゲート線7703〜7707、ゲート線7803〜7807や電源線6808を用いて、各トランジスタと接続しているが、これに限定されない。
例えば、スイッチとして動作するトランジスタの極性と動作を調整することにより、各々のゲート線を共有させることが出来る。例えば、図68の回路に対して、各トランジスタの極性を調整することにより、図71のように、ゲート線の数を削減することが可能である。同様に、図70の回路に対して、図72のように、ゲート線の数を削減することが可能である。
また、図68〜図70、図77及び図78において、容量素子104、3704は、電源線6808に接続されているが、別の配線、例えば、別の画素のゲート線などに接続してもよい。
また、図68〜図70、図77及び図78において、電源線6808が配置されているが、それを削除し、別の画素のゲート線などで代用してもよい。
このように、画素は、様々な構成を用いることが出来る。
なお、これらの画素を用いて画像を表示する場合、様々な手法を用いて、階調を表現することが出来る。
例えば、信号線6807から画素へ、アナログのビデオ信号(アナログ電流)を入力し、そのビデオ信号に応じた電流を表示素子に流して、階調を表現できる。
あるいは、信号線6807から画素へ、デジタルのビデオ信号(デジタル電流)を入力し、そのビデオ信号に応じた電流を表示素子に流して、2階調を表現できる。ただしこの場合、時間階調方式や面積階調方式などを組み合わせて、多階調化を図ることが多い。
なお、例えば、時間階調方式を適用するときなどに、強制的に発光しないようにする場合は、表示素子に電流が流れないようにすればよい。よって、例えば、トランジスタ107がオフ状態になるようにすればよい。あるいは、容量素子104、3704の電荷の状態を制御することにより、結果として、表示素子に電流が流れないようにしてもよい。それを実現するため、スイッチなどを追加してもよい。
なお、図71、72のように、ゲート線の数を削減したいときには、強制的に発光しないようにするため、トランジスタ107を制御する場合は、トランジスタ107は、専用のゲート線で制御することが望ましい。また、容量素子104、3704の電荷の状態を制御する場合は、容量素子104、3704の電荷の状態を変化させることが可能なトランジスタを、専用のゲート線で制御することが望ましい。
なお、ここでは特に時間階調方式について詳細な説明は省略するが、特願2001−5426号、特願2000−86968号等に記載されている方法によれば良い。
また、信号線から画素へ、デジタルのビデオ信号(デジタル電圧)を入力し、そのビデオ信号に応じて、電流を表示素子に流すかどうかを制御して、2階調を表現するような画素構成にしてもよい。よって、この場合も、時間階調方式や面積階調方式などを組み合わせて、多階調化を図ることが多い。図73に、概略図を示す。ゲート線7306を制御して、スイッチ7304をオンオフして、信号線7305より、電圧を容量素子7303に入力する。そして、その値によって、電流源回路7301と直列に配置されているスイッチ7302を制御して、EL素子6802に電流を流すかどうかを決定する。そして、電流源回路7301に対して、本発明を適用できる。つまり、基本電流源108、第2基本電流源115から電流源回路7301の方に電流を流して、プリチャージ動作、設定動作を行い、電流源回路7301から負荷であるEL素子6802の方に電流を流す。
また、別の電流源から基本電流源108や第2基本電流源115に電流を流して、プリチャージ動作や設定動作を行い、基本電流源108や第2基本電流源115から負荷である電流源回路7301の方に電流を流してもよい。
そこで、電流源回路7301として、図1に示す回路を画素に適用した例を図74に、図47に示す回路を画素に適用した例を図75に示す。
なお、図74や図75で示した回路について、詳細な説明は省略するが、国際公開第03/027997号パンフレット、特願2002−143882号、特願2002−143885号、特願2002−143886号、特願2002−143887号、特願2002−143888号、等に記載されている構成や方法を適用すればよい。
なお、構成は、図74や図75に示した回路に限定されない。本発明で説明した様々な構成を適用することが出来る。
このように、画素に本発明を適用することにより、画素に入力される電流値が小さくても、すばやく設定動作を行うことが出来る。もし、設定動作が十分できない場合は、正しく画像を表示することが出来ない。よって、本発明を適用することにより、画質不良を防止することが出来る。
なお、本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1〜6で説明した内容を利用したものに相当する。したがって、実施の形態1〜6で説明した内容は、本実施の形態にも適用できる。
(実施の形態8)
本発明を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図76に示す。
図76(A)は発光装置であり、筐体13001、支持台13002、表示部13003、スピーカー部13004、ビデオ入力端子13005等を含む。本発明は表示部13003を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(A)に示す発光装置が完成される。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、発光装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図76(B)はデジタルスチルカメラであり、本体13101、表示部13102、受像部13103、操作キー13104、外部接続ポート13105、シャッター13106等を含む。本発明は、表示部13102を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(B)に示すデジタルスチルカメラが完成される。
図76(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体13201、筐体13202、表示部13203、キーボード13204、外部接続ポート13205、ポインティングマウス13206等を含む。本発明は、表示部13203を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(C)に示すノート型パーソナルコンピュータが完成される。
図76(D)はモバイルコンピュータであり、本体13301、表示部13302、スイッチ13303、操作キー13304、赤外線ポート13305等を含む。本発明は、表示部13302を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(D)に示すモバイルコンピュータが完成される。
図76(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体13401、筐体13402、表示部A13403、表示部B13404、記録媒体(DVD等)読み込み部13405、操作キー13406、スピーカー部13407等を含む。表示部A13403は主として画像情報を表示し、表示部B13404は主として文字情報を表示するが、本発明は、表示部A、B134034、13404を構成する電気回路に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。また本発明により、図76(E)に示すDVD再生装置が完成される。
図76(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体13501、表示部13502、アーム部13503を含む。本発明は、表示部13502を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(F)に示すゴーグル型ディスプレイが完成される。
図76(G)はビデオカメラであり、本体13601、表示部13602、筐体13603、外部接続ポート13604、リモコン受信部13605、受像部13606、バッテリー13607、音声入力部13608、操作キー13609等を含む。本発明は、表示部13602を構成する電気回路に用いることができる。また本発明により、図76(G)に示すビデオカメラが完成される。
図76(H)は携帯電話であり、本体13701、筐体13702、表示部13703、音声入力部13704、音声出力部13705、操作キー13706、外部接続ポート13707、アンテナ13708等を含む。本発明は、表示部13703を構成する電気回路に用いることができる。なお、表示部13703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。また本発明により、図76(H)に示す携帯電話が完成される。
なお、将来的に発光材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。発光材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また本実施の形態の電子機器は、実施の形態1〜6に示したいずれの構成の半導体装置を用いても良い。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】

【図46】

【図47】

【図48】

【図49】

【図50】

【図51】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】

【図57】

【図58】

【図59】

【図60】

【図61】

【図62】

【図63】

【図64】

【図65】

【図66】

【図67】

【図68】

【図69】

【図70】

【図71】

【図72】

【図73】

【図74】

【図75】

【図76】

【図77】

【図78】

【図79】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷と、
前記負荷に第1の電流を供給するトランジスタと、
前記トランジスタのゲート端子の電位を、前記トランジスタに第2の電流を流すことによって所定の電位にする手段と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
表示素子と、
前記表示素子に第1の電流を供給するトランジスタと、
前記トランジスタのゲート端子の電位を、前記トランジスタに第2の電流を流すことによって所定の電位にする手段と、
を有する半導体装置。
【請求項3】
信号線と、
前記信号線に第1の電流を供給するトランジスタと、
前記トランジスタのゲート端子の電位を、前記トランジスタに第2の電流を流すことによって所定の電位にする手段と、
を有する半導体装置。
【請求項4】
負荷と、
前記負荷に第1の電流を供給するトランジスタと、
前記トランジスタのゲート端子の電位を、前記トランジスタに第2の電流を流すことによって所定の第1の電位にする手段と、
前記トランジスタの前記ゲート端子の電位を、前記トランジスタに第3の電流を流すことによって所定の第2の電位にする手段と、
を有する半導体装置。
【請求項5】
請求項4において、前記負荷は表示素子である半導体装置。
【請求項6】
請求項4において、前記負荷は信号線である半導体装置。
【請求項7】
第一のスイッチと直列に接続された負荷と、
第二のスイッチと直列に接続された定電流源と、
前記負荷と電気的に接続された第一の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続された第一のトランジスタと、
前記第一のトランジスタと電気的に接続された第二のトランジスタと、
前記第二のトランジスタと電気的に接続された第二の電源線と、
前記第一、第二のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された第三の電源線と、を有する半導体装置で、
前記第一のトランジスタのゲート電極と、前記第一のトランジスタのソース又はドレイン電極は第三のスイッチを通して電気的に接続されており、
前記第二のトランジスタのソース電極およびドレイン電極は第四のスイッチを通して電気的に接続されている半導体装置。
【請求項8】
請求項7において、前記負荷は表示素子である半導体装置。
【請求項9】
請求項7において、前記負荷は信号線である半導体装置。
【請求項10】
請求項7において、さらに、前記第一、第二のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された保持容量を有する半導体装置。
【請求項11】
請求項7において、さらに、前記第一のトランジスタと電気的に接続され、第五のスイッチと直列に接続された第二の定電流源を有する半導体装置。
【請求項12】
請求項7において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三の電源線の電位よりも高い半導体装置。
【請求項13】
請求項7において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三の電源線の電位よりも低い半導体装置。
【請求項14】
請求項7において、前記第一、第二のトランジスタの、チャネル領域の幅は等しい半導体装置。
【請求項15】
請求項7において、前記第一のトランジスタの、チャネル領域の長さは前記第二のチャネル領域の長さより短い半導体装置。
【請求項16】
請求項7において、前記第一乃至四のスイッチはトランジスタ、ダイオード、CMOS回路および論理回路のうちいずれかを含む半導体装置。
【請求項17】
第一のスイッチと直列に接続された負荷と、
第二のスイッチと直列に接続された定電流源と、
前記負荷と電気的に接続された第一の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続された第一のトランジスタと、
前記第一のトランジスタと電気的に接続された第二のトランジスタと、
前記第二のトランジスタと電気的に接続された第二の電源線と、
前記第一、第二のトランジスタのゲート電極と第四のスイッチを通して電気的に接続された第三の電源線と、を有する半導体装置で、
前記第一のトランジスタのゲート電極と、前記第一のトランジスタのソース又はドレイン電極は第三のスイッチを通して電気的に接続されており、
前記第二のトランジスタのゲート電極は、前記第一のトランジスタのゲート電極と第五のスイッチを通して電気的に接続されている半導体装置。
【請求項18】
請求項17において、前記負荷は表示素子である半導体装置。
【請求項19】
請求項17において、前記負荷は信号線である半導体装置。
【請求項20】
請求項17において、さらに、前記第一のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された保持容量を有する半導体装置。
【請求項21】
請求項17において、さらに、前記第一のトランジスタと電気的に接続され、第六のスイッチと直列に接続された第二の定電流源を有する半導体装置。
【請求項22】
請求項17において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三の電源線の電位よりも高い半導体装置。
【請求項23】
請求項17において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三の電源線の電位よりも低い半導体装置。
【請求項24】
請求項17において、前記第一、第二のトランジスタの、チャネル領域の幅は等しい半導体装置。
【請求項25】
請求項17において、前記第一のトランジスタの、チャネル領域の長さは前記第二のチャネル領域の長さより短い半導体装置。
【請求項26】
請求項17において、前記第一乃至五のスイッチはトランジスタ、ダイオード、CMOS回路および論理回路のうちいずれかを含む半導体装置。
【請求項27】
第一のスイッチと直列に接続された負荷と、
第二のスイッチと直列に接続された定電流源と、
前記負荷と電気的に接続された第一の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続され、第三のスイッチと直列に接続された第一のトランジスタと、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続され、第四のスイッチと直列に接続された第二のトランジスタと、
前記第一のトランジスタと電気的に接続された第二の電源線と、
前記第二のトランジスタと電気的に接続された第三の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに第五のスイッチを通して電気的に接続され、前記第一、第二トランジスタのゲート電極に電気的に接続された第四の電源線と、を有する半導体装置。
【請求項28】
請求項27において、前記負荷は表示素子である半導体装置。
【請求項29】
請求項27において、前記負荷は信号線である半導体装置。
【請求項30】
請求項27において、さらに、前記第一、第二のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された保持容量を有する半導体装置。
【請求項31】
請求項27において、さらに、前記第一、第二のトランジスタと電気的に接続され、第六のスイッチと直列に接続された第二の定電流源を有する半導体装置。
【請求項32】
請求項27において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三、第四の電源線の電位よりも高い半導体装置。
【請求項33】
請求項27において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三、第四の電源線の電位よりも低い半導体装置。
【請求項34】
請求項27において、前記第一、第二のトランジスタの、チャネル領域の幅は等しい半導体装置。
【請求項35】
請求項27において、前記第一のトランジスタの、チャネル領域の長さは前記第二のチャネル領域の長さより短い半導体装置。
【請求項36】
請求項27において、前記第一乃至五のスイッチはトランジスタ、ダイオード、CMOS回路および論理回路のうちいずれかを含む半導体装置。
【請求項37】
第一のスイッチと直列に接続された負荷と、
第二のスイッチと直列に接続された定電流源と、
前記負荷と電気的に接続された第一の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続され、第三のスイッチと直列に接続された第一のトランジスタと、
前記負荷と前記定電流源とに電気的に接続され、第四のスイッチと直列に接続された第二のトランジスタと、
前記第一のトランジスタと電気的に接続された第二の電源線と、
前記第二のトランジスタと電気的に接続された第三の電源線と、
前記負荷と前記定電流源とに第五のスイッチを通して電気的に接続され、前記第一のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された第四の電源線と、を有する半導体装置で、
前記第二のトランジスタのゲート電極とソース又はドレイン電極は電気的に接続されている半導体装置。
【請求項38】
請求項37において、前記負荷は表示素子である半導体装置。
【請求項39】
請求項37において、前記負荷は信号線である半導体装置。
【請求項40】
請求項37において、さらに、前記第一のトランジスタのゲート電極と電気的に接続された保持容量を有する半導体装置。
【請求項41】
請求項37において、さらに、前記第一、第二のトランジスタと電気的に接続され、第六のスイッチと直列に接続された第二の定電流源を有する半導体装置。
【請求項42】
請求項37において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三、第四の電源線の電位よりも高い半導体装置。
【請求項43】
請求項37において、前記第一の電源線の電位が前記第二、第三、第四の電源線の電位よりも低い半導体装置。
【請求項44】
請求項37において、前記第一、第二のトランジスタの、チャネル領域の幅は等しい半導体装置。
【請求項45】
請求項37において、前記第一のトランジスタの、チャネル領域の長さは前記第二のチャネル領域の長さより短い半導体装置。
【請求項46】
請求項37において、前記第一乃至五のスイッチはトランジスタ、ダイオード、CMOS回路および論理回路のうちいずれかを含む半導体装置。
【請求項47】
負荷に電流を供給するトランジスタに第1の電流を供給し、
前記トランジスタが前記第1の電流を流すのに必要な第1の電圧を前記トランジスタのゲート端子に生成させ、
前記第1の電圧を生成した後、前記トランジスタに第2の電流を供給し、
前記トランジスタが前記第2の電流を流すのに必要な第2の電圧を前記トランジスタのゲート端子に生成させる
ステップを有する半導体装置の駆動方法。
【請求項48】
請求項47において、前記第1の電流が、前記第2の電流よりも大きいことを特徴とする半導体装置の駆動方法。
【請求項49】
負荷に電流を供給するトランジスタに第1の電流を供給し、
前記トランジスタが前記第1の電流を流すのに必要な第1の電圧を前記トランジスタのゲート端子に生成させ、
前記第1の電圧を生成した後、前記トランジスタに第2の電流を供給し、
前記トランジスタが前記第2の電流を流すのに必要な第2の電圧を前記トランジスタのゲート端子に生成させ、
前記第2の電圧を生成した後、前記トランジスタに第3の電流を供給し、
前記トランジスタが前記第3の電流を流すのに必要な電圧を前記トランジスタのゲート端子に生成させる
ステップを有する半導体装置の駆動方法。
【請求項50】
請求項49において、前記第1、第2の電流が、前記第3の電流よりも大きいことを特徴とする半導体装置の駆動方法。

【国際公開番号】WO2004/077671
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564049(P2004−564049)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002081
【国際出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】