半導体装置の製造方法
【課題】異方的にエッチングされた銅膜に、簡単で実用的にCuバリア膜を形成できる半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】Cuバリア膜100上に、銅膜101を形成する工程と、銅膜101上に、マスク材102を形成する工程と、マスク材102をマスクに用いて、銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方的にエッチングする工程と、マスク材102を除去した後、異方的にエッチングされた銅膜101上に、銅膜101に対して触媒作用があり、Cuバリア膜100には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜104を形成する工程と、を具備する。
【解決手段】Cuバリア膜100上に、銅膜101を形成する工程と、銅膜101上に、マスク材102を形成する工程と、マスク材102をマスクに用いて、銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方的にエッチングする工程と、マスク材102を除去した後、異方的にエッチングされた銅膜101上に、銅膜101に対して触媒作用があり、Cuバリア膜100には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜104を形成する工程と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体装置、中でも半導体集積回路装置の動作の高速化が進展している。動作の高速化は、配線材料の低抵抗化などにより実現される。このため、配線材料は、従来のアルミニウムに代わり、より低抵抗な銅が用いられるようになってきている。
【0003】
しかし、銅の加工には、既存のドライエッチング技術の転用が難しい。これは、エッチングの際に形成される銅の化合物は総じて蒸気圧が低く、蒸発し難いことに由来する。Arスパッタ法、ClガスRIE法などが試されたが、チャンバ内壁への銅の付着などの問題により実用化に至っていない。このため、銅を用いた配線は、もっぱらダマシン法を用いて形成される。ダマシン法は、あらかじめ配線パターンに応じた溝を層間絶縁膜に形成し、この溝を埋めるように銅薄膜を形成し、CMP法を用いて銅薄膜を化学的機械研磨し、溝の内部のみに銅を残す技術である。
【0004】
しかし、ダマシン法では、層間絶縁膜に溝を形成する。このため、溝の形成、溝の形成に用いたマスク材のアッシング、アッシング後の洗浄、といった層間絶縁膜の比誘電率を上昇させるような工程が入ってしまう。
【0005】
ところで、特許文献1には、銅の異方性ドライエッチング方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−27788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
銅は層間絶縁膜中へ拡散する。このため、銅膜を形成する前に、銅の拡散を抑制するCuバリア膜を形成しなくてはならない。ダマシン法では、層間絶縁膜に溝を形成した後、Cuバリア膜、銅膜の順で形成することで、Cuバリア膜を簡単で実用的に形成することができる。
【0008】
しかしながら、半導体装置の微細化に伴って溝も微細化している。このため、溝の中に、Cuバリア膜と銅膜とを形成することが困難になりつつある。
【0009】
また、特許文献1には、銅膜上にマスクを形成し、このマスクを介して、銅膜への異方性酸化と、有機酸ガスによる酸化銅のエッチングとを繰り返すことで、銅を異方性エッチングすることが記載されている。
【0010】
しかしながら、異方性エッチングされた銅膜の場合、どのようにしてCuバリア膜を形成するのかについては、特許文献1にも記載がないように、実用的なCuバリア膜の形成方法は現在のところ存在しない。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、異方的にエッチングされた銅膜に、実用的にCuバリア膜を形成できる半導体装置の製造方法を提供する。
【0012】
また、この発明は、異方的にエッチングされた銅膜間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法は、Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、前記銅膜上に、マスク材を形成する工程と、前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程と、を具備する。
【0014】
この発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、前記銅膜上に、互いに離隔して配置されたマスク材を形成する工程と、前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、絶縁物を、前記銅膜の上部でピンチオフするように堆積させ、前記異方的にエッチングされた銅膜間に空間を有する層間絶縁膜を形成する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、異方的にエッチングされた銅膜に、実用的にCuバリア膜を形成できる半導体装置の製造方法を提供できる。
【0016】
また、異方的にエッチングされた銅膜間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることが可能な半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1B】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1C】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1D】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1E】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1F】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2A】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2B】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2C】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図にわたり、共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0019】
(第1の実施形態)
図1A〜図1Fは、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
【0020】
図1Aに示すように、図示せぬ半導体ウエハ上に形成されているほぼ平坦なCuバリア膜100上に、銅(Cu)膜101を成膜する。Cuバリア膜100の一例は、SiCN膜である。Cuバリア膜100は、銅の拡散を抑制できる膜であれば良く、SiC膜などでも良い。成膜方法は、必要とする膜厚が得られる方法であり、緻密な銅膜を成膜できることが望ましい。そのような成膜方法としては、例えば、銅のPVD成膜と銅の電気めっきとを組み合わせる方法、PVD成膜とCVD成膜を組み合わせる方法などが考えられる。次いで、銅膜101上に、互いに離隔して配置された複数のマスク材102を形成する。マスク材102を形成する方法は、微細なパターンを形成できることから、フォトリソグラフィ法が望ましい。
【0021】
次に、図1Bに示すように、銅膜101を、マスク材102をエッチングのマスクに用いて、異方的にエッチングする。
【0022】
次に、図1Cに示すように、マスク材102を除去する。
【0023】
次に、図1Dに示すように、選択析出現象を利用する無電解めっき法を用いて、銅膜101上にめっき膜を形成する。本例では、めっき膜として、コバルトタングステン(CoW)膜104を形成する。銅膜101上には、触媒作用により析出が始まりめっき膜(CoW膜104)が成膜されるが、Cuバリア膜100上では触媒作用がないために成膜されない。CoW膜104はリン酸系の還元剤を用いればCoWP膜に、ジメチルアミンボラン(DMAB)を用いればCoWB膜となる。これらの膜は、エレクトロマイグレーション抑制のために、銅膜上に選択析出させる目的で開発されたものである。コバルト自体は、銅の拡散を抑制するバリア性は低いが、タングステンを高濃度に合金化することで、銅の拡散を抑制するCuバリア膜として使うことができる。
【0024】
次に、図1Eに示すように、Cuバリア膜100及びCoW膜104上に、層間絶縁膜105を形成する。層間絶縁膜105には、半導体集積回路装置を高速に動作させるために、Low−k膜と呼ばれる低誘電率膜が用いられることが望ましい。本明細書では、低誘電率膜を、比誘電率が二酸化シリコン比誘電率よりも低い膜と定義する。本例では、層間絶縁膜105の一例として、埋め込み性に優れた回転塗布法を用いて形成された膜、例えば、有機ポリマー系の低誘電率膜を用いた。
【0025】
次に、図1Fに示すように、CMP法を用いて、層間絶縁膜105を機械的化学研磨し、機械的化学研磨の終点は、CoW膜104、あるいは銅膜101が露出した時点で、CMP装置のモータに流れる電流の変化を検出することでできる。本例では、CoW膜104が露出した時点を、機械的化学研磨の終点とした。
【0026】
このような第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101上に、銅膜101に対して触媒作用があり、Cuバリア膜100には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を、一回のプロセスで形成する。本例ではめっき膜として、コバルトに少なくともタングステンを含有させた合金、例えば、CoW膜104を一回のプロセスで形成する。上述したように、コバルトに少なくともタングステンが含有された合金は、銅の拡散を抑制するCuバリア膜として使うことが可能である。
【0027】
従って、第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101に、簡単で実用的にCuバリア膜を形成できる、という利点を得ることができる。
【0028】
また、第1の実施形態によれば、ダマシン法では必要であった、層間絶縁膜105に対する内部配線のパターンに応じた溝の形成、溝の形成に用いたマスク材のアッシング、アッシング後の洗浄、といった層間絶縁膜105の比誘電率を上昇させるような工程がない。このため、層間絶縁膜105の、銅膜101の側面に接する部分にダメージ層が生じない。層間絶縁膜105にダメージ層が生じないことで、プロセス中に層間絶縁膜105の比誘電率が上昇することが抑制され、配線遅延の増大を防ぎ、半導体集積回路装置の動作の高速化に寄与する、という利点も得ることができる。
【0029】
さらに、銅膜101は、ほぼ平坦なCuバリア膜100上にメタライズされる。このため、第1の実施形態では、銅膜101を、ダマシン法のように、細い溝の中にメタライズする必要もないことから、さらなる半導体集積回路装置の微細化の進展に有利である、という利点も得ることができる。
【0030】
しかも、第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101の表面に、選択的に銅の拡散を抑制するめっき膜、本例ではCoW膜が形成される。このため、溝内にCuバリア膜を形成せずに済む。この点からも、半導体集積回路装置の微細化の進展に有利である。
【0031】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、より高速動作の半導体集積回路装置を目指して開発されつつあるエアギャップ構造を、より少ないプロセス数で実施することが可能な半導体装置の製造方法に関する。
【0032】
まず、図2Aに示すように、図1A〜図1Dを参照して説明した製造方法に従って、銅膜101上にコバルトタングステン(CoW)膜104を形成する。
【0033】
次に、図2Bに示すように、Cuバリア膜100及びCoW膜104上に、層間絶縁膜106を形成する。本例では、層間絶縁膜106の形成に、CVD法を用いる。また、本例においても、動作の高速化のために、層間絶縁膜106には、低誘電率膜が用いられることが望ましい。CVD法を用いて成膜できる低誘電率膜の一例は、SiOC膜である。
【0034】
CVD法は基本的にコンフォーマルな成膜法であるが、溝の底に比べて入り口では成膜レートが高い。このため、アスペクト比の高い溝では、溝の入り口でピンチオフして、絶縁物どうしがつながる。このように異方的にエッチングされた銅膜101上に、絶縁物を、銅膜101の上部でピンチオフするように堆積させることで、層間絶縁膜106の中に、空間107を形成することができる。つまり、エアギャップを形成することができる。空間107内においては、比誘電率は1である。このため、銅膜101間の実効誘電率を、さらに低下させることができる。
【0035】
次に、図2Cに示すように、第1の実施形態と同様に、CMP法を用いて、層間絶縁膜106を機械的化学研磨し、層間絶縁膜106の表面を後退させる。
【0036】
このような第2の実施形態によれば、エアギャップ構造を形成するにあたり、プロセス数を減らすことができる。
【0037】
具体的には、例えば、ダマシン法を用いた場合には、
(1)薄膜を形成する。
(2)上記薄膜に溝を形成する。
(3)上記溝に銅を埋め込む。
(4)上記薄膜を剥離する。
(5)CVD法を用いて層間絶縁膜を形成する。
これらのようなプロセスを経ないと、エアギャップ構造を得ることができなかった。
【0038】
対して、第2の実施形態によれば、銅膜101を直接にパターニングするので、上記(1)〜(4)のプロセスを省略することができる。
【0039】
即ち、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点が得られるとともに、異方的にエッチングされた銅膜101上に、絶縁物を、銅膜101の上部でピンチオフするように堆積させることで、空間107を有した層間絶縁膜106を、工程数を削減して形成することができる。
【0040】
従って、異方的にエッチングされた銅膜101間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることができ、半導体集積回路装置の製造にあたり、製造時間を短縮することができる、という利点を得ることができる。
【0041】
以上、この発明を実施形態に従って説明したが、この発明は上記実施形態に限られるものではなく様々な変形が可能である。
【0042】
例えば、銅膜101を異方的にエッチングする方法としては、以下の3つを挙げることができる。
【0043】
(I) マスク材102をマスクに用いて、有機酸ガス雰囲気中で酸素イオンを銅膜101に照射し、銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方性ドライエッチングする方法
(II) マスク材102をマスクに用いて、銅膜101をCuバリア膜100に達するまで異方性酸化して酸化銅を形成し、Cuバリア膜100に達するまで形成された酸化銅をドライ又はウェットエッチングする方法
(III) マスク材102をマスクに用いて、銅膜101の表面を異方性酸化する工程と、この表面に形成された酸化銅を、有機酸ガスを用いてドライエッチングする工程とを、Cuバリア膜100が露出するまで繰り返す方法
上記有機酸ガスによるドライエッチングに使用される有機酸ガスの例としては、カルボキシル基(−COOH)を有するカルボン酸を含むガスを挙げることができる。
【0044】
カルボン酸としては、式1で記述されるカルボン酸
R3−COOH …式1
(R3は水素、又は直鎖もしくは分枝鎖状のC1〜C20のアルキル基もしくはアルケニル基)を選ぶことができる。
【0045】
また、(2)の方法では、酸化銅のエッチングに、有機酸ガスによるドライエッチングの他、有機酸を含む水溶液、又は弗化水素酸を含む水溶液によるウェットエッチングを用いることもできる。
【0046】
有機酸を含む水溶液によるウェットエッチングに使用される水溶液の例としては、
カルボキシル基を含むクエン酸
カルボキシル基を含むアスコルビン酸
カルボキシル基を含むマロン酸
カルボキシル基を含むリンゴ酸
の少なくともいずれか1つを含む水溶液から選ぶことができる。
【0047】
なお、(I)、(II)の方法は(III)の方法に比較して、スループット良く銅膜101を異方性エッチングできる、という利点がある。なぜなら、(III)の方法は、Cuバリア膜100が露出するまで、半導体ウエハを酸化装置とドライエッチング装置との間で移動させ続けなければならない。
【0048】
これに対して、(I)の方法は、1つのチャンバ内で銅膜を異方性エッチングすることが可能である。
【0049】
また、(II)の方法は、1つのチャンバで銅膜を異方性酸化した後、半導体ウエハを、別のチャンバに移動させて酸化銅をエッチングするだけでよい。
【0050】
従って、(I)、(II)の方法は、(III)の方法に比較して、スループット良く銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方性エッチングすることができる。
【符号の説明】
【0051】
101…銅膜、102…マスク材、104…CoW膜(めっき膜)、105、106…層間絶縁膜、107…空間。
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体装置、中でも半導体集積回路装置の動作の高速化が進展している。動作の高速化は、配線材料の低抵抗化などにより実現される。このため、配線材料は、従来のアルミニウムに代わり、より低抵抗な銅が用いられるようになってきている。
【0003】
しかし、銅の加工には、既存のドライエッチング技術の転用が難しい。これは、エッチングの際に形成される銅の化合物は総じて蒸気圧が低く、蒸発し難いことに由来する。Arスパッタ法、ClガスRIE法などが試されたが、チャンバ内壁への銅の付着などの問題により実用化に至っていない。このため、銅を用いた配線は、もっぱらダマシン法を用いて形成される。ダマシン法は、あらかじめ配線パターンに応じた溝を層間絶縁膜に形成し、この溝を埋めるように銅薄膜を形成し、CMP法を用いて銅薄膜を化学的機械研磨し、溝の内部のみに銅を残す技術である。
【0004】
しかし、ダマシン法では、層間絶縁膜に溝を形成する。このため、溝の形成、溝の形成に用いたマスク材のアッシング、アッシング後の洗浄、といった層間絶縁膜の比誘電率を上昇させるような工程が入ってしまう。
【0005】
ところで、特許文献1には、銅の異方性ドライエッチング方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−27788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
銅は層間絶縁膜中へ拡散する。このため、銅膜を形成する前に、銅の拡散を抑制するCuバリア膜を形成しなくてはならない。ダマシン法では、層間絶縁膜に溝を形成した後、Cuバリア膜、銅膜の順で形成することで、Cuバリア膜を簡単で実用的に形成することができる。
【0008】
しかしながら、半導体装置の微細化に伴って溝も微細化している。このため、溝の中に、Cuバリア膜と銅膜とを形成することが困難になりつつある。
【0009】
また、特許文献1には、銅膜上にマスクを形成し、このマスクを介して、銅膜への異方性酸化と、有機酸ガスによる酸化銅のエッチングとを繰り返すことで、銅を異方性エッチングすることが記載されている。
【0010】
しかしながら、異方性エッチングされた銅膜の場合、どのようにしてCuバリア膜を形成するのかについては、特許文献1にも記載がないように、実用的なCuバリア膜の形成方法は現在のところ存在しない。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、異方的にエッチングされた銅膜に、実用的にCuバリア膜を形成できる半導体装置の製造方法を提供する。
【0012】
また、この発明は、異方的にエッチングされた銅膜間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法は、Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、前記銅膜上に、マスク材を形成する工程と、前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程と、を具備する。
【0014】
この発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、前記銅膜上に、互いに離隔して配置されたマスク材を形成する工程と、前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、絶縁物を、前記銅膜の上部でピンチオフするように堆積させ、前記異方的にエッチングされた銅膜間に空間を有する層間絶縁膜を形成する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、異方的にエッチングされた銅膜に、実用的にCuバリア膜を形成できる半導体装置の製造方法を提供できる。
【0016】
また、異方的にエッチングされた銅膜間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることが可能な半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1B】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1C】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1D】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1E】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図1F】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2A】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2B】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【図2C】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図にわたり、共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0019】
(第1の実施形態)
図1A〜図1Fは、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
【0020】
図1Aに示すように、図示せぬ半導体ウエハ上に形成されているほぼ平坦なCuバリア膜100上に、銅(Cu)膜101を成膜する。Cuバリア膜100の一例は、SiCN膜である。Cuバリア膜100は、銅の拡散を抑制できる膜であれば良く、SiC膜などでも良い。成膜方法は、必要とする膜厚が得られる方法であり、緻密な銅膜を成膜できることが望ましい。そのような成膜方法としては、例えば、銅のPVD成膜と銅の電気めっきとを組み合わせる方法、PVD成膜とCVD成膜を組み合わせる方法などが考えられる。次いで、銅膜101上に、互いに離隔して配置された複数のマスク材102を形成する。マスク材102を形成する方法は、微細なパターンを形成できることから、フォトリソグラフィ法が望ましい。
【0021】
次に、図1Bに示すように、銅膜101を、マスク材102をエッチングのマスクに用いて、異方的にエッチングする。
【0022】
次に、図1Cに示すように、マスク材102を除去する。
【0023】
次に、図1Dに示すように、選択析出現象を利用する無電解めっき法を用いて、銅膜101上にめっき膜を形成する。本例では、めっき膜として、コバルトタングステン(CoW)膜104を形成する。銅膜101上には、触媒作用により析出が始まりめっき膜(CoW膜104)が成膜されるが、Cuバリア膜100上では触媒作用がないために成膜されない。CoW膜104はリン酸系の還元剤を用いればCoWP膜に、ジメチルアミンボラン(DMAB)を用いればCoWB膜となる。これらの膜は、エレクトロマイグレーション抑制のために、銅膜上に選択析出させる目的で開発されたものである。コバルト自体は、銅の拡散を抑制するバリア性は低いが、タングステンを高濃度に合金化することで、銅の拡散を抑制するCuバリア膜として使うことができる。
【0024】
次に、図1Eに示すように、Cuバリア膜100及びCoW膜104上に、層間絶縁膜105を形成する。層間絶縁膜105には、半導体集積回路装置を高速に動作させるために、Low−k膜と呼ばれる低誘電率膜が用いられることが望ましい。本明細書では、低誘電率膜を、比誘電率が二酸化シリコン比誘電率よりも低い膜と定義する。本例では、層間絶縁膜105の一例として、埋め込み性に優れた回転塗布法を用いて形成された膜、例えば、有機ポリマー系の低誘電率膜を用いた。
【0025】
次に、図1Fに示すように、CMP法を用いて、層間絶縁膜105を機械的化学研磨し、機械的化学研磨の終点は、CoW膜104、あるいは銅膜101が露出した時点で、CMP装置のモータに流れる電流の変化を検出することでできる。本例では、CoW膜104が露出した時点を、機械的化学研磨の終点とした。
【0026】
このような第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101上に、銅膜101に対して触媒作用があり、Cuバリア膜100には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を、一回のプロセスで形成する。本例ではめっき膜として、コバルトに少なくともタングステンを含有させた合金、例えば、CoW膜104を一回のプロセスで形成する。上述したように、コバルトに少なくともタングステンが含有された合金は、銅の拡散を抑制するCuバリア膜として使うことが可能である。
【0027】
従って、第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101に、簡単で実用的にCuバリア膜を形成できる、という利点を得ることができる。
【0028】
また、第1の実施形態によれば、ダマシン法では必要であった、層間絶縁膜105に対する内部配線のパターンに応じた溝の形成、溝の形成に用いたマスク材のアッシング、アッシング後の洗浄、といった層間絶縁膜105の比誘電率を上昇させるような工程がない。このため、層間絶縁膜105の、銅膜101の側面に接する部分にダメージ層が生じない。層間絶縁膜105にダメージ層が生じないことで、プロセス中に層間絶縁膜105の比誘電率が上昇することが抑制され、配線遅延の増大を防ぎ、半導体集積回路装置の動作の高速化に寄与する、という利点も得ることができる。
【0029】
さらに、銅膜101は、ほぼ平坦なCuバリア膜100上にメタライズされる。このため、第1の実施形態では、銅膜101を、ダマシン法のように、細い溝の中にメタライズする必要もないことから、さらなる半導体集積回路装置の微細化の進展に有利である、という利点も得ることができる。
【0030】
しかも、第1の実施形態によれば、異方的にエッチングされた銅膜101の表面に、選択的に銅の拡散を抑制するめっき膜、本例ではCoW膜が形成される。このため、溝内にCuバリア膜を形成せずに済む。この点からも、半導体集積回路装置の微細化の進展に有利である。
【0031】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、より高速動作の半導体集積回路装置を目指して開発されつつあるエアギャップ構造を、より少ないプロセス数で実施することが可能な半導体装置の製造方法に関する。
【0032】
まず、図2Aに示すように、図1A〜図1Dを参照して説明した製造方法に従って、銅膜101上にコバルトタングステン(CoW)膜104を形成する。
【0033】
次に、図2Bに示すように、Cuバリア膜100及びCoW膜104上に、層間絶縁膜106を形成する。本例では、層間絶縁膜106の形成に、CVD法を用いる。また、本例においても、動作の高速化のために、層間絶縁膜106には、低誘電率膜が用いられることが望ましい。CVD法を用いて成膜できる低誘電率膜の一例は、SiOC膜である。
【0034】
CVD法は基本的にコンフォーマルな成膜法であるが、溝の底に比べて入り口では成膜レートが高い。このため、アスペクト比の高い溝では、溝の入り口でピンチオフして、絶縁物どうしがつながる。このように異方的にエッチングされた銅膜101上に、絶縁物を、銅膜101の上部でピンチオフするように堆積させることで、層間絶縁膜106の中に、空間107を形成することができる。つまり、エアギャップを形成することができる。空間107内においては、比誘電率は1である。このため、銅膜101間の実効誘電率を、さらに低下させることができる。
【0035】
次に、図2Cに示すように、第1の実施形態と同様に、CMP法を用いて、層間絶縁膜106を機械的化学研磨し、層間絶縁膜106の表面を後退させる。
【0036】
このような第2の実施形態によれば、エアギャップ構造を形成するにあたり、プロセス数を減らすことができる。
【0037】
具体的には、例えば、ダマシン法を用いた場合には、
(1)薄膜を形成する。
(2)上記薄膜に溝を形成する。
(3)上記溝に銅を埋め込む。
(4)上記薄膜を剥離する。
(5)CVD法を用いて層間絶縁膜を形成する。
これらのようなプロセスを経ないと、エアギャップ構造を得ることができなかった。
【0038】
対して、第2の実施形態によれば、銅膜101を直接にパターニングするので、上記(1)〜(4)のプロセスを省略することができる。
【0039】
即ち、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点が得られるとともに、異方的にエッチングされた銅膜101上に、絶縁物を、銅膜101の上部でピンチオフするように堆積させることで、空間107を有した層間絶縁膜106を、工程数を削減して形成することができる。
【0040】
従って、異方的にエッチングされた銅膜101間の実効的な誘電率を、工程数が増加すること無く低下させることができ、半導体集積回路装置の製造にあたり、製造時間を短縮することができる、という利点を得ることができる。
【0041】
以上、この発明を実施形態に従って説明したが、この発明は上記実施形態に限られるものではなく様々な変形が可能である。
【0042】
例えば、銅膜101を異方的にエッチングする方法としては、以下の3つを挙げることができる。
【0043】
(I) マスク材102をマスクに用いて、有機酸ガス雰囲気中で酸素イオンを銅膜101に照射し、銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方性ドライエッチングする方法
(II) マスク材102をマスクに用いて、銅膜101をCuバリア膜100に達するまで異方性酸化して酸化銅を形成し、Cuバリア膜100に達するまで形成された酸化銅をドライ又はウェットエッチングする方法
(III) マスク材102をマスクに用いて、銅膜101の表面を異方性酸化する工程と、この表面に形成された酸化銅を、有機酸ガスを用いてドライエッチングする工程とを、Cuバリア膜100が露出するまで繰り返す方法
上記有機酸ガスによるドライエッチングに使用される有機酸ガスの例としては、カルボキシル基(−COOH)を有するカルボン酸を含むガスを挙げることができる。
【0044】
カルボン酸としては、式1で記述されるカルボン酸
R3−COOH …式1
(R3は水素、又は直鎖もしくは分枝鎖状のC1〜C20のアルキル基もしくはアルケニル基)を選ぶことができる。
【0045】
また、(2)の方法では、酸化銅のエッチングに、有機酸ガスによるドライエッチングの他、有機酸を含む水溶液、又は弗化水素酸を含む水溶液によるウェットエッチングを用いることもできる。
【0046】
有機酸を含む水溶液によるウェットエッチングに使用される水溶液の例としては、
カルボキシル基を含むクエン酸
カルボキシル基を含むアスコルビン酸
カルボキシル基を含むマロン酸
カルボキシル基を含むリンゴ酸
の少なくともいずれか1つを含む水溶液から選ぶことができる。
【0047】
なお、(I)、(II)の方法は(III)の方法に比較して、スループット良く銅膜101を異方性エッチングできる、という利点がある。なぜなら、(III)の方法は、Cuバリア膜100が露出するまで、半導体ウエハを酸化装置とドライエッチング装置との間で移動させ続けなければならない。
【0048】
これに対して、(I)の方法は、1つのチャンバ内で銅膜を異方性エッチングすることが可能である。
【0049】
また、(II)の方法は、1つのチャンバで銅膜を異方性酸化した後、半導体ウエハを、別のチャンバに移動させて酸化銅をエッチングするだけでよい。
【0050】
従って、(I)、(II)の方法は、(III)の方法に比較して、スループット良く銅膜101をCuバリア膜100が露出するまで異方性エッチングすることができる。
【符号の説明】
【0051】
101…銅膜、102…マスク材、104…CoW膜(めっき膜)、105、106…層間絶縁膜、107…空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、
前記銅膜上に、マスク材を形成する工程と、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、
前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記めっき膜が形成された前記銅膜の周囲に、層間絶縁膜を形成する工程を、さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記層間絶縁膜が低誘電率絶縁膜を含み、前記低誘電率絶縁膜が、回転塗布法を用いて形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、
前記銅膜上に、互いに離隔して配置されたマスク材を形成する工程と、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、
前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、絶縁物を、前記銅膜の上部でピンチオフするように堆積させ、前記異方的にエッチングされた銅膜間に空間を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記マスク材を除去した後、前記層間絶縁膜を形成するまでの間に、
前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程を、さらに具備することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記めっき膜が、コバルトに少なくともタングステンを含有させた合金であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3及び請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記銅膜を異方的にエッチングする工程が、
前記マスク材をマスクに用いて、有機酸ガス雰囲気中で酸素イオンを前記銅膜に照射し、前記銅膜をCuバリア膜が露出するまで異方性エッチングする工程であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記銅膜を異方的にエッチングする工程が、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜に達するまで異方性酸化して酸化銅を形成し、前記Cuバリア膜に達するまで形成された前記酸化銅をエッチングする工程であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記酸化銅をエッチングする工程に、有機酸を含む水溶液、又は弗化水素酸を含む水溶液によるウェットエッチングを用いることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記有機酸を含む水溶液が、
カルボキシル基を含むクエン酸
カルボキシル基を含むアスコルビン酸
カルボキシル基を含むマロン酸
カルボキシル基を含むリンゴ酸
の少なくともいずれか1つを含む水溶液から選ばれることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記酸化銅をエッチングする工程に、有機酸ガスによるドライエッチングが用いられることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記有機酸ガスが、カルボキシル基を有するカルボン酸を含むガスであることを特徴とする請求項7又は請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記カルボン酸が、
R3−COOH …式1
(R3は水素、又は直鎖もしくは分枝鎖状のC1〜C20のアルキル基もしくはアルケニル基)
上記式1で記述されるカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、
前記銅膜上に、マスク材を形成する工程と、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、
前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記めっき膜が形成された前記銅膜の周囲に、層間絶縁膜を形成する工程を、さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記層間絶縁膜が低誘電率絶縁膜を含み、前記低誘電率絶縁膜が、回転塗布法を用いて形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
Cuバリア膜上に、銅膜を形成する工程と、
前記銅膜上に、互いに離隔して配置されたマスク材を形成する工程と、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜が露出するまで異方的にエッチングする工程と、
前記マスク材を除去した後、前記異方的にエッチングされた銅膜上に、絶縁物を、前記銅膜の上部でピンチオフするように堆積させ、前記異方的にエッチングされた銅膜間に空間を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記マスク材を除去した後、前記層間絶縁膜を形成するまでの間に、
前記異方的にエッチングされた銅膜上に、前記銅膜に対して触媒作用があり、前記Cuバリア膜には触媒作用がない選択析出現象を利用した無電解めっき法を用いて、銅の拡散を抑制する物質を含むめっき膜を形成する工程を、さらに具備することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記めっき膜が、コバルトに少なくともタングステンを含有させた合金であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3及び請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記銅膜を異方的にエッチングする工程が、
前記マスク材をマスクに用いて、有機酸ガス雰囲気中で酸素イオンを前記銅膜に照射し、前記銅膜をCuバリア膜が露出するまで異方性エッチングする工程であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記銅膜を異方的にエッチングする工程が、
前記マスク材をマスクに用いて、前記銅膜を前記Cuバリア膜に達するまで異方性酸化して酸化銅を形成し、前記Cuバリア膜に達するまで形成された前記酸化銅をエッチングする工程であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記酸化銅をエッチングする工程に、有機酸を含む水溶液、又は弗化水素酸を含む水溶液によるウェットエッチングを用いることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記有機酸を含む水溶液が、
カルボキシル基を含むクエン酸
カルボキシル基を含むアスコルビン酸
カルボキシル基を含むマロン酸
カルボキシル基を含むリンゴ酸
の少なくともいずれか1つを含む水溶液から選ばれることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記酸化銅をエッチングする工程に、有機酸ガスによるドライエッチングが用いられることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記有機酸ガスが、カルボキシル基を有するカルボン酸を含むガスであることを特徴とする請求項7又は請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記カルボン酸が、
R3−COOH …式1
(R3は水素、又は直鎖もしくは分枝鎖状のC1〜C20のアルキル基もしくはアルケニル基)
上記式1で記述されるカルボン酸から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【公開番号】特開2012−54306(P2012−54306A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193985(P2010−193985)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]