説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】徒に工程数を増加させることなく、強誘電体キャパシタにダメージを与えずに強誘電体キャパシタに対する開孔を層間絶縁膜及び水素拡散防止膜に形成し、しかも不要な残存物を除去する。
【解決手段】ドライエッチングにより、層間絶縁膜33に強誘電体キャパシタ構造30への第1のビア孔34a,35aを形成した後、ウェットエッチングにより、第1のビア孔34a,35aに整合するように、水素拡散防止膜28,27に強誘電体キャパシタ構造30の一部を露出させる第2のビア孔34b,35bを形成し、第1のビア孔34a,35aと第2のビア孔34b,35bとがそれぞれ連通してなるビア孔34A,35Aを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部電極と上部電極との間に強誘電体膜が挟持されてなる強誘電体キャパシタ構造を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、強誘電体の分極反転を利用して情報を強誘電体キャパシタ構造に保持する強誘電体メモリ(FeRAM)の開発が進められている。強誘電体メモリは、電源を断っても保持された情報が消失しない不揮発メモリであり、高集積度、高速駆動、高耐久性、及び低消費電力の実現が期待できることから特に注目されている。
【0003】
強誘電体キャパシタ構造を構成する強誘電体膜の材料としては、残留分極量が大きな、例えば10(μC/cm2)〜30(μC/cm2)程度のPZT(Pb(Zr,Ti)O3)膜、SBT(SrBi2Ta29)膜などのペロブスカイト結晶構造を有する強誘電体酸化物が主として用いられている。
【0004】
強誘電体キャパシタ構造では、シリコン酸化膜などの水との親和性の高い層間絶縁膜を介して外部から侵入した水分により、強誘電体からなるキャパシタ膜の特性が劣化することが知られている。即ち、先ず、外部から侵入した水分が層間絶縁膜やメタル配線成膜時の高温プロセス中で水素と酸素とに分解する。この水素がキャパシタ膜中に侵入すると、キャパシタ膜の酸素と反応してキャパシタ膜に酸素欠陥が形成され、結晶性が低下する。また、強誘電体キャパシタの長期間の使用によっても同様の現象が発生する。その結果、キャパシタ膜の残留分極量や誘電率が低下するなどの強誘電体キャパシタ構造の性能劣化が発生する。また、このような水素の浸入により、強誘電体キャパシタ構造に限らず、トランジスタ等の性能が劣化することもある。
【0005】
このFeRAMに特有の問題に対する対処法として、強誘電体キャパシタ構造を覆うように、アルミナ等の水素拡散防止膜を形成することが提案されている。この水素拡散防止膜により、キャパシタ膜への水素の浸入が防止され、FeRAMの高いキャパシタ特性を保持することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−174095号公報
【特許文献2】特開2002−26287号公報
【特許文献3】特開2002−151659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、FeRAMの強誘電体キャパシタを覆うように水素拡散防止膜を介して層間絶縁膜が形成された状態で、強誘電体キャパシタに対して配線接続のための開孔(ビア孔)を形成する場合には、強誘電体キャパシタの表面の位置を露出させるように、層間絶縁膜及び水素拡散防止膜をドライエッチングする(特許文献1〜3を参照)。しかしながらこの場合、ドライエッチング時のプラズマにより強誘電体キャパシタにダメージが及ぼされる。このダメージを回復するには、例えばO2雰囲気でのアニール処理等を行うことが必須であり、工程増が免れないという問題がある。
【0008】
更に、ドライエッチングに起因して、開孔内及び層間絶縁膜上にエッチング残渣やスカム等の不要な残存物が発生し、この残存物が強誘電体キャパシタの信頼性を低下させる一因となっている。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、徒に工程数を増加させることなく、強誘電体キャパシタにダメージを与えずに強誘電体キャパシタに対する開孔を層間絶縁膜及び水素拡散防止膜に形成し、しかも不要な残存物を除去することを可能として、信頼性の高い半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上方に、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造を形成する工程と、前記キャパシタ構造を覆うように水素拡散防止膜を形成する工程と、前記水素拡散防止膜を介して前記キャパシタ構造を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記キャパシタ構造の配線接続を行うため、前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように、前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に開孔を形成する工程とを含み、前記開孔を形成する工程では、 ドライエッチングにより、前記層間絶縁膜に第1の開孔を形成する第1の工程と、ウェットエッチングにより、前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に第2の開孔を形成する第2の工程とを実行することによって、前記第1の開孔と前記第2の開孔とが連通されてなる前記開孔を形成する。
【0011】
本発明の半導体装置は、半導体基板の上方に形成された、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造と、前記キャパシタ構造を覆うように形成されてなる水素拡散防止膜と、前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に形成された開孔を埋め込む導電材料とを含み、前記開孔は、ドライエッチングにより前記層間絶縁膜に形成された第1の開孔と、ウェットエッチングにより前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に形成された第2の開孔とが連通されてなるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、徒に工程数を増加させることなく、強誘電体キャパシタにダメージを与えずに強誘電体キャパシタに対する開孔を層間絶縁膜及び水素拡散防止膜に形成し、しかも不要な残存物を除去することを可能として、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
−本発明の基本骨子−
本発明者は、強誘電体キャパシタにドライエッチングのプラズマによるダメージを与えずに強誘電体キャパシタに対する開孔を層間絶縁膜及び水素拡散防止膜に形成すべく鋭意検討した結果、当該ダメージが特に水素拡散防止膜のドライエッチングに起因することを見出し、本発明に想到した。本発明では、水素拡散防止膜を介して強誘電体キャパシタを覆う層間絶縁膜(及びその他の膜)の開孔(第1の開孔)は従来と同様にドライエッチングにより形成し、水素拡散防止膜の開孔(第2の開孔)を第1の開孔と整合するようにウェットエッチングにより形成する。
【0014】
この場合、ドライエッチングによる第1の開孔の形成時には、開孔底部には水素拡散防止膜が存し、言わばこの水素拡散防止膜でドライエッチングのプラズマから強誘電体キャパシタが保護される。そのため、当該ドライエッチング時には、強誘電体キャパシタはダメージを受けない。そして、残る水素拡散防止膜を第1の開孔と整合するようにウェットエッチングし、第2の開孔を形成する。ここで、第1の開孔がレジストパターンの形状に倣った異方性形状に形成されるのに対して、第2の開孔は第1の開孔よりも若干大径の等方性形状に形成され、両者が連通して開孔が形成される。
【0015】
このウェットエッチングでは、ドライエッチングようなダメージを強誘電体キャパシタに及ぼすことなく、第2の開孔が第1の開孔により自己整合的に形成される。しかも、水素拡散防止膜への第2の開孔の形成と共に、第1の開孔の形成時におけるドライエッチングに起因して、第1の開孔内及び層間絶縁膜上に発生したエッチング残渣やスカム等の不要な残存物が、ウェットエッチングのエッチング液により除去される。
【0016】
このように、本発明では、強誘電体キャパシタを覆う水素拡散防止膜を形成して、キャパシタ特性の劣化を防止するも、強誘電体キャパシタに対する開孔形成後におけるドライエッチングに起因するダメージ回復処理が不要となる。しかも、当該ウェットエッチングにより、第2の開孔形成と同時に、ドライエッチングにより発生した不要な残存物を除去し、層間絶縁膜の表面及び開孔内を清浄化した状態で次工程を行うことができる。
【0017】
−本発明を適用した具体的な諸実施形態−
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。これらの実施形態では、本発明をキャパシタ膜に強誘電体膜を適用してなる強誘電体キャパシタ構造を備えたFeRAMに適用する場合について例示する。本実施形態では、説明の便宜上、FeRAMの構成をその製造方法と共に説明する。なお本発明は、キャパシタ膜に通常の誘電体膜を適用してなる半導体メモリにも適用可能である。
【0018】
本実施形態では、強誘電体キャパシタ構造の下部電極上及び上部電極上にそれぞれ導電プラグが形成されて導通がとられる構成の、いわゆるプレーナ型のFeRAMを例示する。
図1〜図6は、本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【0019】
先ず、図1(a)に示すように、シリコン半導体基板10上に選択トランジスタとして機能するMOSトランジスタ20を形成する。
詳細には、シリコン半導体基板10の表層に例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により素子分離構造11を形成し、素子活性領域を確定する。
次に、素子活性領域に不純物、ここではBを例えばドーズ量3.0×1013/cm2、加速エネルギー300keVの条件でイオン注入し、ウェル12を形成する。
【0020】
次に、素子活性領域に熱酸化等により膜厚3.0nm程度の薄いゲート絶縁膜13を形成し、ゲート絶縁膜13上にCVD法により膜厚180nm程度の多結晶シリコン膜及び膜厚29nm程度の例えばシリコン窒化膜を堆積し、シリコン窒化膜、多結晶シリコン膜、及びゲート絶縁膜13をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより電極形状に加工することにより、ゲート絶縁膜13上にゲート電極14をパターン形成する。このとき同時に、ゲート電極14上にはシリコン窒化膜からなるキャップ膜15がパターン形成される。
【0021】
次に、キャップ膜15をマスクとして素子活性領域に不純物、ここでは砒素(As)を例えばドーズ量5.0×1014/cm2、加速エネルギー10keVの条件でイオン注入し、いわゆるLDD領域16を形成する。
【0022】
次に、全面に例えばシリコン酸化膜をCVD法により堆積し、このシリコン酸化膜をいわゆるエッチバックすることにより、ゲート電極14及びキャップ膜15の側面のみにシリコン酸化膜を残してサイドウォール絶縁膜17を形成する。
【0023】
次に、キャップ膜15及びサイドウォール絶縁膜17をマスクとして素子活性領域に不純物、ここではリン(P)をLDD領域16よりも不純物濃度が高くなる条件でイオン注入し、LDD領域16と重畳されるソース/ドレイン領域18を形成して、MOSトランジスタ20を完成させる。
【0024】
続いて、図1(b)に示すように、MOSトランジスタ20の保護膜21及び層間絶縁膜22aを順次形成する。
詳細には、MOSトランジスタ20を覆うように、保護膜21及び層間絶縁膜22aを順次堆積する。ここで、保護膜21としては、シリコン酸化膜を材料とし、CVD法により膜厚20nm程度に堆積する。層間絶縁膜22aとしては、例えばプラズマSiO膜(膜厚20nm程度)、プラズマSiN膜(膜厚80nm程度)及びプラズマTEOS膜(膜厚1000nm程度)を順次成膜した積層構造を形成し、積層後、CMPにより膜厚が700nm程度となるまで研磨する。
【0025】
続いて、図1(c)に示すように、層間絶縁膜22b及び水素拡散防止膜23を順次形成する。なお、図1(c)以下の各図では、図示の便宜上、層間絶縁膜22aから上部の構成のみを示し、シリコン半導体基板10やMOSトランジスタ20等の図示を省略する。
【0026】
詳細には、先ず、層間絶縁膜22a上に例えばTEOSを用いたプラズマCVD法により、シリコン酸化膜を膜厚100nm程度に堆積し、層間絶縁膜22bを形成する。その後、層間絶縁膜22bをアニール処理する。このアニール処理の条件としては、N2ガスを20リットル/分の流量で供給しながら、例えば650℃で20分間〜45分間実行する。
【0027】
次に、層間絶縁膜22b上に、後述する強誘電体キャパシタ構造のキャパシタ特性の劣化を防止する(外部或いは上層の絶縁膜から発生する水分に起因して発生した水素の強誘電体膜への浸入を防止する)ための水素拡散防止膜23を形成する。水素拡散防止膜23としては、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料、ここではアルミナを材料として、スパッタ法又はCVD法(例えばMO−CVD法)により、膜厚20nm〜50nm程度に堆積する。ここで、MO−CVD法を採用することにより、より緻密なアルミナ膜を形成することができ、高い水素拡散防止効果を奏することが可能となる。その後、水素拡散防止膜23をアニール処理する。このアニール処理の条件としては、O2ガスを2リットル/分の流量で供給しながら、例えば650℃で30秒間〜120秒間実行する。
【0028】
続いて、図1(d)に示すように、下部電極層24、強誘電体膜25及び上部電極層26を順次形成する。
詳細には、先ず、スパッタ法により例えば膜厚が150nm〜200nm程度にPt膜を堆積し、下部電極層24を形成する。
【0029】
次に、RFスパッタ法により、下部電極層24上に強誘電体である例えばPbZr1-xTix3(PZT:0<x<1)からなる強誘電体膜25を膜厚100nm〜300nm程度に堆積する。そして、強誘電体膜25をアニール処理して当該強誘電体膜25を結晶化する。このアニール処理の条件としては、Ar/O2ガスをArが1.98リットル/分、O2が0.025リットル/分の流量で供給しながら、例えば550℃〜650℃で60秒間〜120秒間実行する。強誘電体膜25の材料としては、PZTの代わりに、Pb1-xLaxZr1-yTiy3(0<x<1,0<y<1)、SrBi2(TaxNb1-x29(0<x<1)、Bi4Ti212等を用いても良い。
【0030】
次に、強誘電体膜25上に上部電極層26を堆積形成する。
上部電極層26としては、先ず反応性スパッタ法により、例えば導電性酸化物であるIrO2膜26aを膜厚30nm〜70nm程度に形成する。その後、IrO2膜26aをアニール処理する。このアニール処理の条件としては、Ar/O2ガスをArが2.0リットル/分、O2が0.02リットル/分の流量で供給しながら、例えば650℃〜850℃で10秒間〜60秒間実行する。次に、IrO2膜26a上に、反応性スパッタ法によりIrO2膜26bを膜厚150nm〜300nm程度に形成する。そして、IrO2膜26b上に、当該IrO2膜26bのキャップ膜として機能する白金(Pt)、イリジウム(Ir)等の貴金属膜、ここではPt膜26cをスパッタ法により膜厚100nm程度に形成する。IrO2膜26a,26b及びPt膜26cから上部電極層26が構成される。なお、上部電極層26において、IrO2膜26a,26bの代わりにIr、Ru、RuO2、SrRuO3、その他の導電性酸化物やこれらの積層構造としても良い。また、Pt膜26cの形成を省略することも可能である。
【0031】
続いて、図2(a)に示すように、上部電極31をパターン形成する。
詳細には、上部電極層26をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより複数の電極形状に加工して、上部電極31をパターン形成する。
【0032】
続いて、図2(b)に示すように、強誘電体膜25を加工する。
詳細には、強誘電体膜25を上部電極31に整合させて、リソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工する。この強誘電体膜25のパターニングの後に、強誘電体膜25をアニール処理して当該強誘電体膜25の機能回復を図る。
【0033】
続いて、図2(c)に示すように、強誘電体膜25への水素・水の浸入を防止するための水素拡散防止膜27を形成する。
詳細には、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料、ここではアルミナを材料として、スパッタ法又はCVD法(例えばMO−CVD法)により、強誘電体膜25及び上部電極31を覆うように下部電極層24上に膜厚50nm程度に堆積し、水素拡散防止膜27を形成する。ここで、MO−CVD法を採用することにより、より緻密なアルミナ膜を形成することができ、高い水素拡散防止効果を奏することが可能となる。その後、水素拡散防止膜27をアニール処理する。
【0034】
続いて、図2(d)に示すように、水素拡散防止膜27と共に下部電極層24を加工し、強誘電体キャパシタ構造30を完成させる。
詳細には、水素拡散防止膜27及び下部電極層24を、加工された強誘電体膜25に整合させて下部電極層24が強誘電体膜25よりも大きいサイズに残るように、リソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工し、下部電極32をパターン形成する。これにより、下部電極32上に強誘電体膜25、上部電極31が順次積層され、強誘電体膜25を介して下部電極32と上部電極31とが容量結合する強誘電体キャパシタ構造30を完成させる。このとき同時に、上部電極31の上面から上部電極31及び強誘電体膜25の側面、下部電極層24の上面にかけて覆うように水素拡散防止膜27が残る。その後、水素拡散防止膜27をアニール処理する。
【0035】
続いて、図3(a)に示すように、水素拡散防止膜28を形成する。
詳細には、強誘電体キャパシタ構造30の全面を覆うように、強誘電体キャパシタ構造30のキャパシタ特性の劣化を防止する(外部或いは上層の絶縁膜から発生する水分に起因して発生した水素の強誘電体膜25への浸入を防止する)ための水素拡散防止膜28を形成する。水素拡散防止膜28としては、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料、ここではアルミナを材料として、スパッタ法又はCVD法(例えばMO−CVD法)により膜厚20nm〜50nm程度に堆積する。ここで、MO−CVD法を採用することにより、より緻密なアルミナ膜を形成することができ、高い水素拡散防止効果を奏することが可能となる。その後、水素拡散防止膜28をアニール処理する。
【0036】
続いて、図3(b)に示すように、層間絶縁膜33を成膜する。
詳細には、強誘電体キャパシタ構造30を水素拡散防止膜27,28を介して覆うように、層間絶縁膜33を形成する。ここで、層間絶縁膜33としては、例えばTEOSを用いたプラズマCVD法により、シリコン酸化膜を膜厚1500nm〜2500nm程度に堆積した後、CMPにより例えば膜厚が1000nm程度となるまで研磨して形成する。CMPの後に、層間絶縁膜33の脱水を目的として、例えばN2Oのプラズマアニール処理を施す。
【0037】
続いて、図3(c)に示すように、トランジスタ構造20のソース/ドレイン領域18と接続されるプラグ36を形成する。
詳細には、先ず、ソース/ドレイン領域18をエッチングストッパーとして、当該ソース/ドレイン領域18の表面の一部が露出するまで層間絶縁膜33、水素拡散防止膜28,27、層間絶縁膜22b,22a、及び保護膜21をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工し、例えば約0.3μm径のビア孔36aを形成する。
【0038】
次に、ビア孔36aの壁面を覆うように、スパッタ法により例えばTi膜及びTiN膜を膜厚20nm程度及びに膜厚50nm程度に順次堆積して、下地膜(グルー膜)36bを形成する。そして、CVD法によりグルー膜36bを介してビア孔36aを埋め込むように例えばW膜を形成する。その後、CMPにより層間絶縁膜33をストッパーとしてW膜及びグルー膜36bを研磨し、ビア孔36a内をグルー膜36bを介してWで埋め込むプラグ36を形成する。CMPの後に、例えばN2Oのプラズマアニール処理を施す。
【0039】
続いて、図4(a)に示すように、ハードマスク37及びレジストマスク38を形成した後、層間絶縁膜33に強誘電体キャパシタ構造30への第1のビア孔34a,35aを形成する。
【0040】
詳細には、先ず、CVD法により、層間絶縁膜33上にシリコン窒化膜を膜厚100nm程度に堆積し、ハードマスク37を形成する。次に、ハードマスク37上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより当該レジストを加工して、開口38a,38bを有するレジストマスク38を形成する。
【0041】
次に、レジストマスク38を用いてハードマスク37をドライエッチングし、ハードマスク37の開口38a,38bに整合する部位に開口37a,37bを形成する。
【0042】
そして、主にハードマスク37を用い、上部電極31上及び下部電極32上に整合した部位で水素拡散防止膜28をそれぞれエッチングストッパーとして、層間絶縁膜33をドライエッチングする。このドライエッチングでは、上部電極31上に整合した部位の水素拡散防止膜28の表面の一部が露出するまで層間絶縁膜33に施す加工と、下部電極32上に整合した部位の水素拡散防止膜28の表面の一部が露出するまで層間絶縁膜33に施す加工とが同時に実行され、それぞれの部位に例えば約0.5μm径の第1のビア孔34a,35aが同時形成される。このドライエッチングによる第1のビア孔34a,35aの形成時には、ビア孔34a,35aの底部には水素拡散防止膜28,27が存し、言わばこの水素拡散防止膜28,27でドライエッチングのプラズマから強誘電体キャパシタ30が保護される。そのため、当該ドライエッチング時には、強誘電体キャパシタ20はダメージを受けない。
【0043】
続いて、図4(b)に示すように、レジストマスク38及びハードマスク37を除去する。
詳細には、先ず、残存したレジストマスク38を灰化処理等により除去する。その後、全面異方性エッチング、いわゆるエッチバックにより、ハードマスク37を除去する。
【0044】
続いて、図4(c)に示すように、第1のビア孔34a,35aに整合するように、水素拡散防止膜28,27に強誘電体キャパシタ構造30の一部を露出させる第2のビア孔34b,35bを形成する。
【0045】
詳細には、ウェットエッチングにより、第1のビア孔34a,35aから露出する部位の水素拡散防止膜28,27を除去し、第1のビア孔34a,35aと整合する第2のビア孔34b,35bを形成する。このウェットエッチングでは、上部電極31の表面の一部が露出するまで水素拡散防止膜28,27に施す加工と、下部電極32の表面の一部が露出するまで水素拡散防止膜28,27に施す加工とが同時に実行され、それぞれの部位に第2のビア孔34b,35bが同時形成される。このとき、第1のビア孔34a,35aがレジストマスク38及びハードマスク37の形状に倣った異方性形状に形成されるのに対して、第2のビア孔34b,35bは第1のビア孔34a,35aよりも若干大径の等方性形状(第2のビア孔34b,35bの内壁側面が若干抉れる形状)に形成され、第1のビア孔34aと第2のビア孔34b、第1のビア孔35aと第2のビア孔35bがそれぞれ連通して、ビア孔34A,35Aが形成される。ここで、上部電極31の最上層には極めてウェットエッチングされ難い貴金属からなるPt膜26cが設けられているため、ウェットエッチングによる第2のビア孔34bの形成時において、上部電極31のエッチングが抑止される。
【0046】
このウェットエッチングでは、ドライエッチングようなダメージを強誘電体キャパシタ30に及ぼすことなく、第2のビア孔34b,35bが第1のビア孔34a,35aにより自己整合的に形成される。しかも、水素拡散防止膜28,27への第2のビア孔34b,35bの形成と共に、第1の第1のビア孔34a,35aの形成時におけるドライエッチングに起因して、第1のビア孔34a,35a内及び層間絶縁膜33上に発生したエッチング残渣やスカム等の不要な残存物が、ウェットエッチングのエッチング液により除去される。
【0047】
当該ウェットエッチングのエッチング液としては、フッ化アンモニウム、アミド、有機酸、有機酸塩類、及び水を含有する薬液(第1の薬液:一例として、米国Air Products and Chemicals, Inc.製の製品名ACT NE89(NEシリーズ))、又はフッ化アンモニウム、グリコールエーテル、アミド、及び水を含有する薬液(第2の薬液:一例として、米国EKC Technology K.K(DuPont Electronic Technologyグループ)製品名EKC 2xx又は6xx(2xx又は6xxシリーズ))を用いる。第1の薬液では、残存物の十分な除去効果を得るべく、フッ化アンモニウムの濃度を1.0%以上4.5%以下に調節することが望ましい。また、第2の薬液では、同様に残存物50の十分な除去効果を得るべく、フッ化アンモニウムの濃度を0.3%以上4.5%以下に調節することが好適である。ここでは、例えば第1の薬液を用い、フッ化アンモニウムの濃度を3.0%とする。
【0048】
当該ウェットエッチングを行う際には、図7に示すようなエッチング装置を用いる。
このエッチング装置は、半導体基板を吸着させるチャッキング機能と、半導体基板を回転させる回転機能(回転モータ)とを備えた基板ステージ101と、半導体基板の表面に薬液を吐出して供給する薬液ノズル102と、半導体基板の表面に純水(DIW)を吐出して供給するDIWノズル103と、基板ステージ101の収納部104とを備えて構成されている。
【0049】
ここで、収納部104は、薬液ノズル102又はDIWノズル103を半導体基板の表面近傍に設置するための開口104aと、薬液の回収通路104bと、DIWの排出通路104cとを有して構成されている。収納部104の上部構造104Aが下部構造104Bに対して上下に移動可能とされており、上部構造104Aの下部構造104Bに対する位置を調節することにより、薬液の回収通路104bが開閉される。薬液の回収通路104bが開放された状態では当該回収通路104bのみが機能し、回収通路104bが閉鎖された状態ではDIWの排出通路104cのみが機能する。
【0050】
当該ウェットエッチングでは、先ず薬液処理を行う。
詳細には、図7(a)に示すように、基板ステージ101に第1の配線45のパターン形成されたシリコン半導体基板10を吸着させて固定し、開口104aから薬液ノズル102を設置する。そして、基板ステージ101によりシリコン半導体基板10を回転させながら、薬液ノズル102からシリコン半導体基板10の表面に薬液、ここでは第1の薬液を吐出して供給する。薬液処理に供された第1の薬液は、シリコン半導体基板10の表面から回収通路104bを通って回収される。
【0051】
続いて、水洗処理を行う。
詳細には、図7(b)に示すように、開口104aからDIWノズル103を設置する。そして、基板ステージ101によりシリコン半導体基板10を回転させながら、DIWノズル103からシリコン半導体基板10の表面にDIWを吐出して供給し、当該表面を洗浄する。水洗処理に供されたDIWは、シリコン半導体基板10の表面から排出通路104cを通って外部へ排出される。
【0052】
続いて、乾燥処理を行う。
詳細には、図7(c)に示すように、基板ステージ101により水洗時よりも大きな回転数でシリコン半導体基板10を回転させてシリコン半導体基板10の表面に存するDIWを振り切り、当該表面を乾燥させる。乾燥処理により振り切られたDIWは、排出通路104cを通って外部へ排出される。
上記の薬液処理、水洗処理、及び乾燥処理の具体的条件の一例を、以下の表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
以上のようにウェットエッチングを行うことにより、図4(b)に示すように、第1のビア孔34a,35aと第2のビア孔34b,35bとがそれぞれ連通して、ビア孔34A,35Aが形成されるとともに、第1のビア孔34a,35a内及び層間絶縁膜33上に発生したエッチング残渣やスカム等の不要な残存物が実用上無視し得る程度まで完全に除去される。
【0055】
続いて、図5(a)に示すように、強誘電体キャパシタ構造30と接続されるプラグ34,35を形成する。
詳細には、ビア孔34A,35Aの内壁面を覆うように、スパッタ法により例えばTi膜及びTiN膜を膜厚20nm程度及びに膜厚50nm程度に順次堆積して、下地膜(グルー膜)29を形成する。そして、CVD法によりグルー膜29を介してビア孔34A,35Aを埋め込むように例えばW膜を形成する。その後、CMPにより層間絶縁膜33をストッパーとしてW膜及びグルー膜29を研磨し、ビア孔34A,35A内をグルー膜29を介してWで埋め込むプラグ34,35を形成する。CMPの後に、例えばN2Oのプラズマアニール処理を施す。
【0056】
続いて、図5(b)に示すように、プラグ34,35,36とそれぞれ接続される第1の配線45を形成する。
詳細には、先ず、層間絶縁膜33上の全面にスパッタ法等によりバリアメタル膜42、配線膜43及びバリアメタル膜44を堆積する。バリアメタル膜42としては、スパッタ法により例えばTiN膜を膜厚150nm程度に成膜する。配線膜43としては、例えばAl合金膜(ここではAl−Cu膜)を膜厚350nm程度に成膜する。バリアメタル膜44としては、スパッタ法により例えばTiN膜を膜厚150nm程度に成膜する。ここで、配線膜43の構造は、同一ルールのFeRAM以外のロジック部と同じ構造とされているため、配線の加工や信頼性上の問題はない。
【0057】
次に、反射防止膜として例えばSiON膜又は反射防止膜(不図示)を成膜した後、リソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより反射防止膜、バリアメタル膜44、配線膜43及びバリアメタル膜42を配線形状に加工し、プラグ34,35,36とそれぞれ接続される各第1の配線45をパターン形成する。なお、配線膜43としてAl合金膜を形成する代わりに、いわゆるダマシン法等を利用してCu膜(又はCu合金膜)を形成し、第1の配線45としてCu配線を形成しても良い。
【0058】
続いて、図6に示すように、第1の配線45と接続される第2の配線54を形成する。
詳細には、先ず、第1の配線45を覆うように層間絶縁膜46を形成する。層間絶縁膜46としては、シリコン酸化膜を膜厚700nm程度に成膜し、プラズマTEOS膜を形成して膜厚を全体で1100nm程度とした後に、CMPにより表面を研磨して、膜厚を750nm程度に形成する。
【0059】
次に、第1の配線45と接続されるプラグ47を形成する。
第1の配線45の表面の一部が露出するまで、層間絶縁膜46をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工して、例えば約0.25μm径のビア孔47aを形成する。次に、このビア孔47aの壁面を覆うように下地膜(グルー膜)48を形成した後、CVD法によりグルー膜48を介してビア孔47aを埋め込むようにW膜を形成する。そして、層間絶縁膜46をストッパーとして例えばW膜及びグルー膜48を研磨し、ビア孔47a内をグルー膜48を介してWで埋め込むプラグ47を形成する。
【0060】
次に、プラグ47とそれぞれ接続される第2の配線54を形成する。
先ず、全面にスパッタ法等によりバリアメタル膜51、配線膜52及びバリアメタル膜53を堆積する。バリアメタル膜51としては、スパッタ法により例えばTiN膜を膜厚150nm程度に成膜する。配線膜52としては、例えばAl合金膜(ここではAl−Cu膜)を膜厚350nm程度に成膜する。バリアメタル膜53としては、スパッタ法により例えばTiN膜を膜厚150nm程度に成膜する。ここで、配線膜52の構造は、同一ルールのFeRAM以外のロジック部と同じ構造とされているため、配線の加工や信頼性上の問題はない。
【0061】
次に、反射防止膜として例えばSiON膜又は反射防止膜(不図示)を成膜した後、リソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより反射防止膜、バリアメタル膜53、配線膜52及びバリアメタル膜51を配線形状に加工し、第2の配線54をパターン形成する。
【0062】
しかる後、層間絶縁膜や更なる上層配線の形成等の諸工程を経て、本実施形態によるプレーナ型のFeRAMを完成させる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、徒に工程数を増加させることなく、強誘電体キャパシタ30にダメージを与えずに強誘電体キャパシタ30に対するビア孔34A,35Aを層間絶縁膜33及び水素拡散防止膜28,27に形成し、しかも不要な残存物を除去することを可能として、信頼性の高いFeRAMを実現することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、いわゆるプレーナ型のFeRAMについて例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、強誘電体キャパシタ構造の下部電極下及び上部電極上にそれぞれ導電プラグが形成されて導通がとられる構成の、いわゆるスタック型のFeRAMにも適用可能である。この場合、強誘電体キャパシタ構造を水素拡散防止膜を介して覆う層間絶縁膜に上部電極の表面の一部を露出させるビア孔を形成する際に、層間絶縁膜をドライエッチングして第1のビア孔を形成した後、上述と同様に水素拡散防止膜をウェットエッチングして、第1のビア孔と連通する第2のビア孔を形成する。
【0065】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0066】
(付記1)半導体基板の上方に、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造を形成する工程と、
前記キャパシタ構造を覆うように水素拡散防止膜を形成する工程と、
前記水素拡散防止膜を介して前記キャパシタ構造を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記キャパシタ構造の配線接続を行うため、前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように、前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に開孔を形成する工程と
を含み、
前記開孔を形成する工程では、
ドライエッチングにより、前記層間絶縁膜に第1の開孔を形成する第1の工程と、
ウェットエッチングにより、前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に第2の開孔を形成する第2の工程と
を実行することによって、前記第1の開孔と前記第2の開孔とが連通されてなる前記開孔を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0067】
(付記2)前記水素拡散防止膜は、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料からなることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0068】
(付記3)前記キャパシタ構造は、前記下部電極上及び前記上部電極上でそれぞれ導通がとられるプレーナ型のものであることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【0069】
(付記4)前記開孔を形成するに際して、前記下部電極の表面の一部を露出させる前記開孔と、前記上部電極の表面の一部を露出させる前記開孔とを同一工程で形成することを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
【0070】
(付記5)前記上部電極は、最上層に貴金属膜を有してなることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0071】
(付記6)前記貴金属膜は、Pt又はIrからなることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
【0072】
(付記7)前記ウェットエッチングを、フッ化アンモニウム、アミド、有機酸、有機酸塩類、及び水を含有する薬液を用いて行うことを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0073】
(付記8)前記薬液において、フッ化アンモニウムの濃度が1.0%以上4.5%以下であることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【0074】
(付記9)前記ウェットエッチングを、フッ化アンモニウム、グリコールエーテル、アミド、及び水を含有する薬液を用いて行うことを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0075】
(付記10)前記薬液において、フッ化アンモニウムの濃度が0.03%以上4.5%以下であることを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
【0076】
(付記11)半導体基板の上方に形成された、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造と、
前記キャパシタ構造を覆うように形成されてなる水素拡散防止膜と、
前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に形成された開孔を埋め込む導電材料と
を含み、
前記開孔は、ドライエッチングにより前記層間絶縁膜に形成された第1の開孔と、ウェットエッチングにより前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に形成された第2の開孔とが連通されてなることを特徴とする半導体装置。
【0077】
(付記12)前記第2の開孔は、前記第1の開孔よりも大径に形成されていることを特徴とする付記11に記載の半導体装置。
【0078】
(付記13)前記水素拡散防止膜は、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料からなることを特徴とする付記11又は12に記載の半導体装置。
【0079】
(付記14)前記キャパシタ構造は、前記下部電極上及び前記上部電極上でそれぞれ導通がとられるプレーナ型のものであることを特徴とする付記11〜13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0080】
(付記15)前記上部電極は、最上層に貴金属膜を有してなることを特徴とする付記11〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0081】
(付記16)前記貴金属膜は、Pt又はIrからなることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図2】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図3】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図4】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図5】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図6】本実施形態によるプレーナ型のFeRAMの構成をその製造方法と共に工程順に示す概略断面図である。
【図7】本実施形態で用いるエッチング装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0083】
10 シリコン半導体基板
20 トランジスタ構造
23,27,28 水素拡散防止膜
30 強誘電体キャパシタ構造
33 層間絶縁膜
34a,34a 第1のビア孔
34b,34b 第2のビア孔
34A,34A ビア孔
34,35,36,47 プラグ
45 第1の配線
54 第2の配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上方に、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造を形成する工程と、
前記キャパシタ構造を覆うように水素拡散防止膜を形成する工程と、
前記水素拡散防止膜を介して前記キャパシタ構造を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記キャパシタ構造の配線接続を行うため、前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように、前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に開孔を形成する工程と
を含み、
前記開孔を形成する工程では、
ドライエッチングにより、前記層間絶縁膜に第1の開孔を形成する第1の工程と、
ウェットエッチングにより、前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に第2の開孔を形成する第2の工程と
を実行することによって、前記第1の開孔と前記第2の開孔とが連通されてなる前記開孔を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記水素拡散防止膜は、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記上部電極は、最上層に貴金属膜を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ウェットエッチングを、フッ化アンモニウム、アミド、有機酸、有機酸塩類、及び水を含有する薬液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記薬液において、フッ化アンモニウムの濃度が1.0%以上4.5%以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ウェットエッチングを、フッ化アンモニウム、グリコールエーテル、アミド、及び水を含有する薬液を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記薬液において、フッ化アンモニウムの濃度が0.03%以上4.5%以下であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体基板の上方に形成された、下部電極と上部電極とにより強誘電体からなるキャパシタ膜を挟持してなるキャパシタ構造と、
前記キャパシタ構造を覆うように形成されてなる水素拡散防止膜と、
前記キャパシタ構造の少なくとも一部を露出させるように前記層間絶縁膜及び前記水素拡散防止膜に形成された開孔を埋め込む導電材料と
を含み、
前記開孔は、ドライエッチングにより前記層間絶縁膜に形成された第1の開孔と、ウェットエッチングにより前記水素拡散防止膜の前記第1の開孔に整合した部位に形成された第2の開孔とが連通されてなることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
前記第2の開孔は、前記第1の開孔よりも大径に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記水素拡散防止膜は、Al23(アルミナ)、Al窒素酸化物、Ta酸化物、及びTi酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の材料からなることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−266306(P2007−266306A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89312(P2006−89312)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】