説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】トランジスタの特性が設計特性から離れることを抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】この半導体装置は、チャネル形成領域180上に位置するゲート絶縁膜130及びゲート電極140と、トランジスタのソース及びドレインとして機能する2つの第2導電型高濃度不純物層170と、第2導電型高濃度不純物層170それぞれの周囲に設けられ、第2導電型高濃度不純物層170を深さ方向及びチャネル長方向に拡張し、第2導電型高濃度不純物層170より低濃度である2つの第2導電型低濃度不純物層160と、第2導電型低濃度不純物層160より下に位置し、素子分離膜120の下方を介してチャネル形成領域180の下方から素子分離膜120の外側まで延伸し、半導体層100より高濃度の第1導電型埋込層190を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタの特性が設計特性から離れることを抑制できる半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高耐圧MOSトランジスタの一例として、特許文献1に記載のトランジスタがある。このトランジスタは、図7の断面図に記載するように、第1導電型の半導体層300に形成されており、ゲート絶縁膜330、ゲート電極340、並びにソース及びドレインとなる第2導電型の高濃度不純物層370及び低濃度不純物層360を有している。ゲート絶縁膜330及びゲート電極340は、チャネル形成領域380の上に位置している。低濃度不純物層360は、高濃度不純物層370を深さ方向及びチャネル長方向に拡張するように形成されている。高濃度不純物層370は、ゲート電極340をマスクとして自己整合的に不純物イオンを注入することにより形成されている。
【特許文献1】特開2002−289847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トランジスタが形成された半導体層には、チャネル形成領域の下方に位置する領域から素子形成領域の外側に向かって基板電流が流れることがある。基板電流が流れると、チャネル形成領域の下方に位置する半導体層の電位が変動し、これによって、ソース、半導体層、及びドレインがバイポーラトランジスタとして動作することがある。このようなバイポーラトランジスタの動作が生じると、トランジスタの特性が設計特性から離れてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、第1導電型の半導体層に形成された素子分離膜と、
前記素子分離膜によって区画された素子形成領域と、
前記素子形成領域に設けられたチャネル形成領域と、
前記チャネル形成領域上に位置するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、
前記素子形成領域に形成され、トランジスタのソース及びドレインとして機能する少なくとも2つ以上の第2導電型高濃度不純物層と、
前記素子形成領域に形成され、前記第2導電型高濃度不純物層それぞれの周囲に設けられ、前記第2導電型高濃度不純物層を深さ方向及びチャネル長方向に拡張し、前記第2導電型高濃度不純物層より低濃度である第2導電型低濃度不純物層と、
前記第2導電型低濃度不純物層より下に位置し、前記素子分離膜の下方を介して前記チャネル形成領域の下方から前記素子分離膜の外側まで延伸し、前記半導体層より高濃度の第1導電型埋込層と、
を備える半導体装置が提供される。
【0005】
本発明によれば、第1導電型の半導体層に素子分離膜を形成して、素子形成領域を区画する工程と、
前記素子形成領域に、少なくとも2つ以上の第2導電型低濃度不純物層を形成する工程と、
前記半導体層に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型埋込層を形成する工程と、
前記素子形成領域にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、
前記第2導電型低濃度不純物層それぞれに、トランジスタのソース及びドレインとして機能する第2導電型高濃度不純物層を形成する工程と、
を備え、
前記第2導電型低濃度不純物層は、前記第2導電型高濃度不純物層を深さ方向及びチャネル長方向に拡張しており、
前記第1導電型埋込層は、前記第2導電型低濃度不純物層より下に位置し、前記素子分離膜の下方を介して前記ゲート絶縁膜の下方から前記素子分離膜の外側まで延伸している半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、基板電流は第1導電型埋込層を介して素子形成領域の外側に流れるため、基板電流によってチャネル形成領域の下方に位置する半導体層の電位が高くなることを抑制できる。この結果、2つの第2導電型低濃度不純物層及びこれらの間に位置する半導体層がバイポーラトランジスタとして動作することを抑制できる。従って、トランジスタの特性が設計特性から離れることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0008】
図1は、第1の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、半導体層100、半導体層100に形成された素子分離膜120、素子形成領域110、チャネル形成領域180、ゲート絶縁膜130、ゲート電極140、少なくとも2つ以上の第2導電型高濃度不純物層170、少なくとも2つ以上の第2導電型低濃度不純物層160、及び第1導電型埋込層190を備える。半導体層100は第1導電型である。素子形成領域110は、素子分離膜120によって区画されている。チャネル形成領域180は、素子形成領域110に設けられている。ゲート絶縁膜130はチャネル形成領域180上に位置している。ゲート電極140は、ゲート絶縁膜130上に位置している。
【0009】
第2導電型高濃度不純物層170は、素子形成領域110に形成されており、トランジスタのソース及びドレインとして機能する。第2導電型低濃度不純物層160は、素子形成領域110に形成され、第2導電型高濃度不純物層170それぞれの周囲に設けられている。第2導電型低濃度不純物層160は、第2導電型高濃度不純物層170を深さ方向及びチャネル長方向に拡張するように形成されており、第2導電型高濃度不純物層170より低濃度である。
【0010】
第1導電型埋込層190は、半導体層100に形成され、第2導電型低濃度不純物層160の下方から素子分離膜120の外側まで延伸している。第1導電型埋込層190は、半導体層100より不純物が高濃度である。
【0011】
この半導体装置において、基板電流は第1導電型埋込層190を介してチャネル形成領域180の下方から素子形成領域110の外部に流れる。上記したように、第1導電型埋込層190の不純物濃度は、半導体層100より高濃度である。このため、基板電流が素子形成領域110の外側に流れるときの抵抗が低くなり、基板電流によってチャネル形成領域180の下方に位置する半導体層100の電位が高くなることを抑制できる。この結果、2つの第2導電型低濃度不純物層160及びこれらの間に位置する半導体層100がバイポーラトランジスタとして動作することを抑制できる。従って、トランジスタの特性が設計特性から離れることを抑制できる。
【0012】
半導体層100は、例えばシリコン基板などの半導体基板であるが、SOI(Silicon On Insulator)基板の半導体層であってもよい。
【0013】
半導体層100の表層には、第1導電型高濃度不純物層200が形成されている。第1導電型高濃度不純物層200は、素子形成領域110の外部に位置しており、半導体層100より第1導電型の不純物が高濃度である。第1導電型高濃度不純物層200には、基板電位を与えるコンタクト(図示せず)が接続している。第1導電型埋込層190は、チャネル形成領域180の下方から第1導電型高濃度不純物層200の下方まで延伸している。基板電流は、第1導電型埋込層190を介して第1導電型高濃度不純物層200に流れる。
【0014】
図1に示すトランジスタは高耐圧トランジスタであり、ゲート絶縁膜130は、例えばシリコン酸化膜である。この場合、ゲート絶縁膜130の厚さは、例えば10nm以上70nm以下である。またゲート電極140の側壁にはサイドウォール150が形成されている。
【0015】
また本実施形態においてゲート電極140は、チャネル長方向の幅がチャネル長より長く、2つの側面140aそれぞれが、互いに異なる第2導電型低濃度不純物層160の上方に位置している。このように、第2導電型低濃度不純物層160の一部をゲート電極140の下方に位置させることができるため、トランジスタを小型化することができる。ゲート電極140と第2導電型低濃度不純物層160が重なっている領域の幅は、例えば0.2μm以上1.2μm以下である。
【0016】
なお、ゲート電極140の側面140aがドレインとなる第2導電型低濃度不純物層160の上方に位置すると、この側面140aの下端に電界集中が生じ、その結果、基板電流が増大しやすくなる。しかし、本実施形態によれば、基板電流が増大しても、上記したように2つの第2導電型低濃度不純物層160及びこれらの間に位置する半導体層100がバイポーラトランジスタとして動作することを抑制できる。従って、トランジスタの特性が設計特性から変動することを抑制できる。
【0017】
第2導電型低濃度不純物層160と通常の半導体層100の境界線は、例えば活性化している第2導電型の不純物濃度が活性化している第1導電型の不純物濃度より高くなる線として定義することができる。第1導電型埋込層190と通常の半導体層100の境界線は、例えば活性化している第1導電型の不純物濃度が1×1014/cm3として定義することができる。
【0018】
本図に示す例において第1導電型埋込層190と第2導電型低濃度不純物層160の距離Lは、例えば0μm以上0.2μm以下であるのが好ましい。距離Lが近くなるほど、チャネル形成領域180に形成される空乏層がチャネル長方向に広がりにくくなるため、2つの第2導電型低濃度不純物層160の間でパンチスルーが生じることを抑制できる。
【0019】
図2は、図1のA−A´断面における第1導電型及び第2導電型の不純物濃度それぞれの深さ方向の分布を示す図である。A−A´断面には、トランジスタの閾値電圧(Vth)調整用の第1導電型不純物(点線)、第2導電型低濃度不純物層160を形成するための第2導電型不純物(一点鎖線)、及び第1導電型埋込層190を形成するための第1導電型不純物(実線)がイオン注入されている。そして、点線と一点鎖線が交差する部分が、第2導電型低濃度不純物層160と半導体層100の境界である。この境界の深さは、例えば0.3μm以上1μm以下である。また、点線と実線が交差する部分が、第1導電型埋込層190と半導体層100の境界である。この境界における不純物濃度は、例えば1×1014/cm3以上、好ましくは1×1015/cm3以上、さらに好ましくは1×1016/cm3以上である

【0020】
また、第1導電型埋込層190の不純物濃度の深さ方向のピーク位置は、素子分離膜120の下端を0として半導体層100の表面方向を正方向としたときに、好ましくは−0.5μm以上0.5μm以下の位置、さらに好ましくは−0.3μm以上0.3μm以下の位置にある。このようにすると、図1に示したトランジスタが素子分離膜120を介して複数並んで形成されているときに、隣り合うトランジスタの間で電流のリークが生じることを、第1導電型埋込層190によって抑制できる。
【0021】
なお、ピーク位置の深さは、例えば1μm以上2μm以下であり、ピーク位置における第1導電型の不純物濃度は、例えば1×1017/cm以上である。
【0022】
図3の各図は、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。まず図3(a)に示すように、半導体層100に素子分離膜120を形成する。素子分離膜120は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成されるが、LOCOS酸化法により形成されてもよい。ついで、マスクパターン(図示せず)を形成し、このマスクパターンをマスクとして第2導電型の不純物イオンを注入する。その後、マスクパターンを除去し、半導体層100を熱処理する。これにより、第2導電型低濃度不純物層160が形成される。
【0023】
ついで図3(b)に示すように、素子分離膜120を用いて自己整合的に第1導電型の不純物イオンを注入する。このとき、イオン注入エネルギーを異ならせて複数回イオンを注入する。これにより、チャネル形成領域180及び第1導電型埋込層190が形成される。この工程において、例えば第1導電型埋込層190を先に形成した後、チャネル形成領域180を形成してもよい。
【0024】
次いで図3(c)に示すように、ゲート絶縁膜130及びゲート電極140を形成する。ゲート絶縁膜130は、例えば熱酸化法により形成される。
【0025】
その後、サイドウォール150を形成する。次いで、自己整合的に第2導電型の不純物イオンを注入することにより、第2導電型低濃度不純物層160に第2導電型高濃度不純物層170を形成する。第2導電型高濃度不純物層170の端部は、サイドウォール150に重なっている。これにより、図1に示した半導体装置が形成される。
【0026】
以上、本実施形態によれば、トランジスタの下方には第1導電型埋込層190が形成されている。第1導電型埋込層190は、例えば素子形成領域110の下方及びその周囲に形成されており、チャネル形成領域180の下方から外部に延伸している。このため、基板電流が素子形成領域110の外側に流れるときの抵抗が低くなり、基板電流によってチャネル形成領域180の下方に位置する半導体層100の電位が高くなることを抑制できる。この結果、2つの第2導電型低濃度不純物層160及びこれらの間に位置する半導体層100がバイポーラトランジスタとして動作することを抑制できる。従って、トランジスタの特性が設計特性から変動することを抑制できる。
【0027】
また、ゲート電極140の2つの側面140aそれぞれが、互いに異なる第2導電型低濃度不純物層160の上方に位置している。この場合、トランジスタを小型化することができるが、基板電流が増大しやすくなる。しかし、上記したように、第1導電型埋込層190を形成したため、この構造を有していても、2つの第2導電型低濃度不純物層160及びこれらの間に位置する半導体層100がバイポーラトランジスタとして動作することを抑制できる。
【0028】
図4は、第2の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、第2導電型低濃度不純物層160の底面と第1導電型埋込層190の上面が接している点を除いて、第1の実施形態に示した半導体装置と同様の構成である。本実施形態にかかる半導体装置の製造方法も、第1の実施形態に示した方法と同様である。
【0029】
図5の各図は、図4のA−A´断面における第1導電型及び第2導電型の不純物濃度の深さ方向の分布を示す図であり、第1の実施形態における図2に相当する図である。
【0030】
図5(a)に示す例において、A−A´断面には、チャネル形成領域180における閾値電圧(Vth)調整用の第1導電型不純物(点線)、第2導電型低濃度不純物層160を形成するための第2導電型不純物(一点鎖線)、及び第1導電型埋込層190を形成するための第1導電型不純物(実線)がイオン注入されている。本図に示す例では、図2に示した例と比較して、実線と一点鎖線が交差する部分が高濃度であり、かつ浅い。このため、第1導電型埋込層190と第2導電型低濃度不純物層160が接している。
【0031】
図5(b)に示す例では、第1導電型埋込層190を形成するための第1導電型不純物(実線)が、第1のエネルギーと、第1のエネルギーより低い第2のエネルギーの2回に分けてイオン注入されている点を除いて、図5(a)に示した例と同様である。第2のエネルギーによるイオン注入は、2つの第2導電型低濃度不純物層160の間でパンチスルーが生じることを抑制することを目的にしており、その注入量は、第1のエネルギーによるイオン注入量より少ない。
【0032】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1導電型埋込層190と半導体層100の表面を近づけることができる。このため、チャネル形成領域180において空乏層がさらにチャネル長方向に広がりにくくして、2つの第2導電型低濃度不純物層160の間でパンチスルーが生じることをさらに抑制できる。この結果、2つの第2導電型低濃度不純物層160の距離を短くして、トランジスタをさらに小型化することができる。
【0033】
図6は、第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。この半導体装置の製造方法は、サイドウォール150を形成するまでは、第1の実施形態に示した半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
【0034】
サイドウォール150を形成したのち、マスクパターン20を形成する。ついで、マスクパターン20及び素子分離膜120をマスクとして第2導電型の不純物イオンを注入する。これにより、第2導電型高濃度不純物層170が形成される。第2導電型高濃度不純物層170は、サイドウォール150と重なっていない。第2導電型高濃度不純物層170とゲート電極140の間隔Sは、例えば0.2μm以上1μm以下である。
【0035】
その後、図6(b)に示すように、マスクパターン20を除去する。
【0036】
本実施形態で製造される半導体装置によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2導電型高濃度不純物層170とサイドウォール150及びゲート電極140の距離を確保することができるため、トランジスタの耐圧を高くすることができる。
【0037】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば上記した各実施形態において、第2導電型高濃度不純物層170及び第2導電型低濃度不純物層160のレイアウトは各図に示した例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−A´断面における第1導電型及び第2導電型の不純物濃度それぞれの深さ方向の分布を示す図である。
【図3】各図は本実施形態にかかる半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。
【図5】各図は図4のA−A´断面における第1導電型及び第2導電型の不純物濃度の深さ方向の分布を示す図である。
【図6】第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】特許文献1に記載のトランジスタの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
100 半導体層
110 素子形成領域
120 素子分離膜
130 ゲート絶縁膜
140 ゲート電極
140a 側面
150 サイドウォール
160 第2導電型低濃度不純物層
170 第2導電型高濃度不純物層
180 チャネル形成領域
190 第1導電型埋込層
20 マスクパターン
200 第1導電型高濃度不純物層
300 半導体層
330 ゲート絶縁膜
340 ゲート電極
360 低濃度不純物層
370 高濃度不純物層
380 チャネル形成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体層に形成された素子分離膜と、
前記素子分離膜によって区画された素子形成領域と、
前記素子形成領域に設けられたチャネル形成領域と、
前記チャネル形成領域上に位置するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極と、
前記素子形成領域に形成され、トランジスタのソース及びドレインとして機能する少なくとも2つ以上の第2導電型高濃度不純物層と、
前記素子形成領域に形成され、前記第2導電型高濃度不純物層それぞれの周囲に設けられ、前記第2導電型高濃度不純物層を深さ方向及びチャネル長方向に拡張し、前記第2導電型高濃度不純物層より低濃度である第2導電型低濃度不純物層と、
前記第2導電型低濃度不純物層より下に位置し、前記素子分離膜の下方を介して前記チャネル形成領域の下方から前記素子分離膜の外側まで延伸し、前記半導体層より高濃度の第1導電型埋込層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極は、チャネル長方向の幅がチャネル長より長く、2つの側面が前記2つの第2導電型低濃度不純物層それぞれの上方に位置している半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、前記ゲート電極と前記第2導電型低濃度不純物層が重なっている領域の幅は、0.2μm以上1.2μm以下である半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記半導体層に形成され、前記素子形成領域の外部に位置し、前記半導体層より高濃度の第1導電型高濃度不純物層を備え、
前記第1導電型埋込層は、前記チャネル形成領域の下方から前記第1導電型高濃度不純物層の下方まで延伸している半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜の厚さが10nm以上70nm以下である半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記第1導電型高濃度不純物層と他の領域の境界における前記第1導電型高濃度不純物層の不純物濃度は、1×1014/cm3以上である半導体装置。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置において、
前記第1導電型高濃度不純物層と他の領域の境界における前記第1導電型高濃度不純物層の不純物濃度は、1×1016/cm3以上である半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記第2導電型低濃度不純物層と前記第1導電型埋込層の距離は0.2μm以下である半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記半導体層の深さ方向において、
前記第1導電型埋込層の不純物濃度のピーク位置は、前記素子分離膜の下端を0として前記半導体層の表面方向を正方向としたときに、−0.5μm以上0.5μm以下の位置にある半導体装置。
【請求項10】
第1導電型の半導体層に素子分離膜を形成して、素子形成領域を区画する工程と、
前記素子形成領域に、少なくとも2つ以上の第2導電型低濃度不純物層を形成する工程と、
前記半導体層に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型埋込層を形成する工程と、
前記素子形成領域にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成する工程と、
前記第2導電型低濃度不純物層それぞれに、トランジスタのソース及びドレインとして機能する第2導電型高濃度不純物層を形成する工程と、
を備え、
前記第2導電型低濃度不純物層は、前記第2導電型高濃度不純物層を深さ方向及びチャネル長方向に拡張しており、
前記第1導電型埋込層は、前記第2導電型低濃度不純物層より下に位置し、前記素子分離膜の下方を介して前記ゲート絶縁膜の下方から前記素子分離膜の外側まで延伸している半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−238936(P2009−238936A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81620(P2008−81620)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】