説明

印刷配線板及びその製造方法並びに半導体装置

【課題】
大容量の電荷蓄積を可能とし、製造の容易化、コストの低減、信頼性の向上を図るコンデンサ内蔵型の印刷配線板およびその製造方法の提供。
【解決手段】
印刷配線板10は、コア基板をなす金属板11の第一の面に形成され、誘電体膜12と、誘電体膜12の第一の面に形成された導電性高分子層13と、導電性高分子層13の第一に面に形成され銅めっきよりなる導電層14を備えたキャパシタ素子を内蔵し、金属板11の第一の面と反対側の第二の面に導電層14を備え、第一の面の導電層14の適切な箇所から印刷配線板の第一の面側の陰極電極25が引き出され、金属板11の第二の面の導電層14の適切な箇所から印刷配線板の第二の面の陽極電極26が引き出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷配線板及びその製造方法並びに半導体装置に関し、特に、固体電解コンデンサを内蔵した印刷配線板及びその製造方法並びに半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサを基板中に内蔵する従来の印刷配線板として、特許文献1(特許第2738590号公報)には、有機誘電体層の上下を導体層で挟みこみコンデンサとして作用させるコンデンサ積層体の構成が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載された構成では、静電容量は、たかだか数nF程度までが限界とされている。
【0003】
良く知られているように、コンデンサの静電容量Cを増大させるための手法として、
・電極の表面積を大きくする、
・電極間の距離を小さくする(電極間の誘電体層の厚さを薄くする)、
・誘電体層の比誘電率を大きくする、
という3つの手法がある。
【0004】
このうち、誘電体層の膜厚を1μm以下で形成することは、電気的絶縁性等、製品の信頼性、及び製造プロセスの点から、実際上、困難である。また、誘電体層の比誘電率を、飛躍的に増大させることも難しい。
【0005】
特許文献1にも記載されているように、金属第一の面を粗化することで、見かけ上、表面積を大きくしている。しかしながら、特許文献1に記載の手法では、対向した形での電極第一の面の、実際上の面積の増大とはならず、結果として、十分な性能は得られていない。
【0006】
一方、特許文献2(特開2001−320171号公報)には、アルミニウム基板の第一の面を覆って形成された酸化アルミニウムよるなるコンデンサ用誘電体層と、このコンデンサ用誘電体層の第一の面を覆って形成されたコンデンサ電極用めっき層とを備え、アルミニウム基板、コンデンサ用誘電体層、コンデンサ電極用めっき層により、多層配線基板内に、コンデンサを形成し、これにより、チップコンデンサを層間絶縁膜内に埋め込む必要をなくし、層間絶縁膜の膜厚を薄くし、多層配線基板全体の厚みも薄くすることを可能とした構成が開示されているが、粉体の焼成等によって形成される酸化アルミニウム膜では、要求される薄膜化に対応できるものでない。
【0007】
そこで、上記課題を解決するため、アルミニウム等のメタルコアを用いた印刷配線板に、コンデンサを内蔵し大容量の電荷蓄積を可能とした印刷配線板が提案されている(特許文献3参照)。図7に、特許文献3で提案された構成の一つを示す。図7に示すように、この従来のコンデンサは、アルミニウム板11の第一の面に形成された酸化アルミニウム12の周囲を導電性高分子層13で覆ったのち、陰極側の電極引き出し領域(ビア形成領域)に、導電性ペースト15を選択的に形成し、陽極側では、導電性高分子層13、酸化アルミニウム12を除去して、アルミニウム板の第一の面11を露出させる等の工程を要する。
【0008】
【特許文献1】特許第2738590号公報
【特許文献2】特開2001−320171号公報
【特許文献3】特開2004−31641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、上記特許文献3において提案されている印刷配線板の構造について、製造の容易化、コストの低減、デバイスの信頼性の向上を図るために、さらに鋭意研究した結果、いくつかの新規な知見を得た。
【0010】
本発明は、上記知見に基づき創案されたものであって、その目的は、大容量の電荷蓄積を可能とし、製造の容易化、コストの低減、信頼性の向上を図る印刷配線板、およびその製造方法並びに半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願明細書で開示される発明は、上記目的を達成するため、概略以下の通りとされる。
【0012】
本発明の1つの側面(アスペクト)に係る印刷配線板は、コア基板をなす金属板の第一の面に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜の第一の面に形成された導電性高分子層と、前記導電性高分子層の第一の面に形成された金属めっきよりなる導電層と、を有するキャパシタ素子と、前記キャパシタ素子を、前記キャパシタ素子の第一の面及び前記第一の面と反対側の第二の面の両側から挟む絶縁樹脂と、前記絶縁樹脂の第一の面側に設けられ、前記導電層と電気的に導通される第一の電極と、を備えている。
【0013】
本発明の他の側面(アスペクト)に係る印刷配線板は、コア基板をなす金属板の第一の面に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜の第一の面に形成された導電性高分子層と、前記導電性高分子層の第一の面に形成された導電性ペーストよりなる導電層と、を有するキャパシタ素子と、前記キャパシタ素子を、前記キャパシタ素子の第一の面及び前記第一の面と反対側の第二の面の両側から挟む絶縁樹脂と、前記絶縁樹脂の第一の面側に設けられ、前記導電層と電気的に導通される第一の電極と、を備えている。
【0014】
本発明において、前記金属板の第一の面と反対側の第二の面に形成された導電層と、前記絶縁樹脂の第二の面側に設けられ、前記金属板の第二の面に形成された導電層と電気的に導通される第二の電極を備えている。
【0015】
本発明において、前記第一の電極と前記第二の電極の少なくとも一方を、前記印刷配線板の第一の面と第二の面の両側に引き出してなる構成としてもよい。あるいは、本発明において、前記金属板の第一の面側の前記導電層からスルーホールを介して、前記第二の電極が設けられた面と同一面に引き出された第一の電極を備えた構成としてもよい。あるいは、前記金属板の第二の面側の前記導電層からスルーホールを介して、前記第一の電極が設けられた面と同一面に引き出された第二の電極を備えた構成としてもよい。
【0016】
本発明において、好ましくは、前記金属板がアルミニウムよりなり、前記誘電体膜が酸化アルミニウムよりなる。本発明において、前記金属板の第一の面が粗化されている。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記金属めっきは、銅めっきである。
【0018】
本発明において、前記導電性ペーストは、カーボンペーストと、該カーボンペーストの上に設けられた、銀ペースト、又は、銅ペースト、又は、銀/銅ペーストを含む。
【0019】
本発明において、前記導電性高分子層が、ポリピロール、ポリチオフェン、及び、ポリアニリンのうちの少なくとも一つの導電性高分子化合物よりなる。
【0020】
本発明の別の側面に係る印刷配線板の製造方法は、
コア基板をなす金属板の第一の面を酸化して誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の第一の面の全面に導電性高分子層を形成する工程と、
前記導電性高分子層の第一の面の全面に、金属めっきよりなる導電層を形成する工程と、を含む。本発明においては、前記導電性高分子層の第一の面の全面に、導電性ペーストを塗布するようにしてもよい。
【0021】
本発明においては、前記金属板の第一の面と反対側の第二の面に導電層を形成する工程と、
貫通スルーホールを設ける箇所を穴あけする工程と、
前記穴あけ工程により製造された組立体全体を、電気的に絶縁性の樹脂で封止する工程と、
前記絶縁性の樹脂を穴あけして、陰極電極形成領域、陽極電極形成領域にそれぞれビアを形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コア基板をなす金属板の第一の面を酸化してなる誘電体膜の第一の面の全面に導電性高分子層を形成し、前記導電性高分子層の第一の面の全面に導電層を形成する構成としたことにより、例えば図7に示した構成と比べて、特段に、製造を容易化し、コストの低減、デバイスの信頼性を向上させる印刷配線板が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態の構成を示す断面図である。図1を参照すると、印刷配線板10は、メタルコア基板をなす金属板11の第一の面に形成された誘電体膜12と、誘電体膜12の第一の面上に形成された導電性高分子層13と、導電性高分子層13の第一の面上に形成され銅めっきよりなる導電層14を備えたキャパシタ素子を内蔵している。金属板11の第一の面と反対側の第二の面にも導電層14を備えている。導電性高分子層13の第一の面に設けられた導電層14の適切な箇所から、印刷配線板10の第一の面側の陰極電極(電極パッド)25に引き出され、金属板11の第二の面の導電層14の適切な箇所から、適宜、印刷配線板10の第二の面側の陽極電極(電極パッド)26に引き出される。以下実施例に即して説明する。
【実施例】
【0024】
本発明の一実施例において、図1を参照すると、メタルコア基板をなす金属板11は、例えばアルミニウム板よりなり、箔状のアルミニウム板の第一の面に、例えばエッチング処理により、細かい凹凸がつけられている。アルミニウム板をコア基板としたことで、基板の厚みを薄くしながら、必要な強度を保つことができる。誘電体膜12は、アルミニウム板の第一の面に形成された酸化アルミニウムよりなり、一例として、数百pm(ピコメートル:1pm=10−12m)を下限とし、例えば数十nm(ナノメートル)を上限とする厚さで形成される。酸化アルミニウム層の薄膜は、スパッタリング法等の成膜法で行ってもよい。金属板11の表面を酸化処理することで形成してもよい。本実施例によれば、粗化処理により表面積が拡大されたアルミニウム板11に、比誘電率の高い酸化アルミニウム層12よりなる酸化皮膜が形成されており、コンデンサの厚み(電極間の距離)の縮減と、電極の表面積の拡大により、コンデンサの静電容量は増大している。そして、酸化アルミニウム層12の第一の面の全面に、導電性高分子層13の固体電解質層が形成されている。導電性高分子層13は、ピロールのポリマー層であるポリピロール等からなる。導電性高分子層13としては、ポリピロール以外に、ポリチオフェン、ポリアニリン等であってもよい。さらに、導電性高分子層13の第一の面の全面に、銅めっき層14が設けられている。図1に示した例では、絶縁膜18aをレーザ穴あけでブラインドビアを形成し、銅めっきで電極20を形成し、絶縁膜18aを、第一、第二の面の両側から絶縁膜18b、18cで挟み、さらに、絶縁膜18b、18cを、第一、第二の面の両側から絶縁膜18d、18eで挟んだ多層の印刷配線板とされている。電極パッド20は、電極23を介して陰極電極25として引き出されている。アルミニウム板12の裏面側の絶縁膜18aをレーザ穴あけ等によりブラインドビアを形成し銅めっきで電極22を形成し、電極パッド22は電極24を介して陽極電極26として引き出されている。
【0025】
図1において、貫通スルーホール17は、印刷配線板の第一の面から反対側の第二の面へ信号等を引き出すためのものであり、印刷配線板の用途に応じて、適宜設けられる。
【0026】
なお、図1において、導電性高分子層13の第一の面に銅めっきを設けるかわりに、導電性高分子層13の第一の面の全面に導電性ペーストを塗布する構成としてもよい。導電性ペーストは、例えば、導電性高分子層13の第一の面に塗布されるカーボンペーストと、その上に塗布される銀ペースト、又は、銀/銅ペースト、あるいは銅ペーストよりなる。
【0027】
次に、本実施例の製造方法の一例について図2乃至図4を参照して説明する。
【0028】
図2(A)を参照すると、第一の面が粗化されたアルミニウム板11の第一の面を酸化して酸化アルミニウム層12を形成する。その膜厚は、例えば数百pm〜数十nmの範囲とする。粗化処理により表面積が拡大されたアルミニウムに誘電体膜をなす酸化皮膜が形成されており容量が増大する。
【0029】
次に、図2(B)を参照すると、酸化アルミニウム層12の第一の面の全面に、導電性高分子層13であるポリピロール膜を形成する。その膜厚は、例えば10〜50μm程度としてもよい。
【0030】
次に、図2(C)を参照すると、導電性高分子層13第一の面の全面、及び、アルミニウム板11の第一の面と反対側の第二の面の全面に銅めっき層14を形成する。導電性高分子層13の第一の面に触媒付与を行い、無電解銅めっき等で銅を析出させる。銅めっき14は、例えば約5〜10数μm程度の厚さとする。アルミニウム板11の第二の面の銅めっき層14も同程度の厚さとされる。
【0031】
変形例として、導電性高分子層13第一の面には、銅めっきの変わりに、導電性ペーストを塗布してもよい。カーボンペーストと、銀/銅ペーストの2層を設けてもよい。カーボンペーストの膜厚は、例えば数μm、銀/銅ペーストの膜厚は、例えば約10μm程度とされる。
【0032】
次に、図3(A)を参照すると、図2(C)に示した状態の組立体の所定の部位に、ドリリング等で穴あけを行う。
【0033】
次に、図3(B)を参照すると、図3(A)に示した状態の組立体を両側から、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂18で挟み込む(封止する)。
【0034】
次に、図3(C)を参照すると、図3(B)に示した状態の組立体の絶縁樹脂18に貫通スルーホールを設け、さらに、陰極及び陽極のビア形成領域19、21をレーザ等で座ぐり加工する。
【0035】
次に、図4(A)を参照すると、図示されないめっきレジストを設け、スルーホール銅めっき、ビア形成領域19、21に銅めっきを施すことで、スルーホール17の銅めっき、ビア形成領域19、21の電極20、22等のパタンが形成される。なお、全面にめっき後、不要部を除去するようにしてもよい。
【0036】
次に、図4(B)を参照すると、図4(A)に示した状態の組立体の上下両側に、絶縁樹脂18b、18cを設け、陰極及び陽極のビア形成領域をレーザ等で穴あけ加工してブラインドビア23、24を形成する。
【0037】
つづいて、図4(B)に示した状態の組立体の上下両側に、絶縁樹脂18d、18eを設け、陰極及び陽極のビア形成領域をレーザ等で穴あけ加工してブラインドビア25、26を形成することで、図1の構成のコンデンサ内蔵型印刷配線板が製造される。
【0038】
図5は、本実施例の別の実施例の印刷配線板の構成を示す図である。図5を参照すると、本実施例では、アルミニウム板11の第二の面の銅めっき層14に接続された電極22のパタンを、貫通スルーホールを介して、印刷配線板10の第一の面と第二の面の両側に陽極電極26a、26bを引き出す構成としたものである。なお、陰極電極を印刷配線板10の第一の面と第二の面の両側に引き出す構成としてもよいことは勿論である。かかる構成により、この印刷配線板を搭載する回路基板の配線の引き回し等を容易化している。
【0039】
図6は、本発明の別の実施例の構成を示す図である。図6を参照すると、本発明の印刷配線板10を、インターポーザとして備えたCSP(Chip Size Package)やLSI等の半導体装置を、回路基板(マザーボード)130に実装した実装構造の断面構成が、模式的に示されている。インターポーザをなす印刷配線板10は、図1又は図5に示した構成とされている。LSI110のバンプは、フェースダウン方式で、印刷配線板10の第一の面に設けられた電極パッド(スルーホールのランド、ビアの電極パッド25等)と、例えばフリップチップボンディング方式ではんだ接合され、印刷配線板10の第二の面には、電極26等をなす半田バンプがグリッド状に設けられている。印刷配線板10とLSI110間は、例えばソルダーレジストあるいはモールド用樹脂等が充填され、フリップチップボール・グリッドアレイ(BGA)型のCSP半導体装置を構成している。印刷配線板10の陽極と陰極の電極26、25は、チップの電源ライン(VCCとGND)に接続され、印刷配線板10のスルーホール17のランドは、LSI110の信号端子(バンプ)111と接続される。このCSPのBGA(Ball Grid Array)電極112が、回路基板130と半田接合される。なお、印刷配線板10と回路基板130の間も樹脂等で封止してもよい。なお、印刷配線板10上に実装した半導体装置と、印刷配線板10との電気的接続はワイヤーボンディングで行い、その後、樹脂等で封止するようにしてもよい。
【0040】
この印刷配線板10に内蔵されるコンデンサの引き出し電極である電極25、26は、LSI110の端子に直近で接続される構成とされる。なお、本発明の印刷配線板をインターポーザ(パッケージ基板)として備えた半導体装置は、フリップチップボール・グリッドアレイ(BGA)型のCSP半導体装置にのみ限定されるものではないことは勿論である。
【0041】
図8は、本発明の別の実施例の構成を示す図である。なお、図8において、図1に示した要素と同一又は同等の要素には、同一の参照符号が付されており、同一要素の説明は適宜省略する。本実施例においては、陰極電極25と陽極電極26とが同一面に配設されている。より詳細には、図8を参照すると、導電層14側に設けられた陰極20は、樹脂18a上を水平方向に延在されスルーホール17の一端に至り、該スルーホール17を介して、反対側に導かれ、該スルーホール17の他端と接続して電極23(ビア)が設けられており、この電極23に接続して陰極電極25が、印刷配線板の下面側に設けられている。図1では、陰極電極25は印刷配線板の上面側に設けられていたが、本実施例では、陰極電極25は、導電層14側から、スルーホール17を介して、陽極電極26と同一面側(図8では下面側)に引き出されている。
【0042】
図9は、本発明のさらに別の実施例の構成を示す図である。本実施例においては、図8に示した実施例と同様に、陰極電極25と陽極電極26を同一面に配設しているが、図8に示した実施例と相違して、陽極22が、スルーホール17を介して反対側に導かれ、陰極電極25が設けられた面に陽極電極26が引き出されている。
【0043】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は、上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例の断面構成を示す図である。
【図2】(A)乃至(C)は本発明の一実施例の製造方法を工程順に示す図である。
【図3】(A)乃至(C)は、本発明の一実施例の製造方法を工程順に示す図である。
【図4】(A)乃至(C)は、本発明の一実施例の製造方法を工程順に示す図である。
【図5】本発明の他の実施例の断面構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の実装例を示す図である。
【図7】特許文献3の構成を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例の断面構成を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10 印刷配線板
11 金属板(アルミニウム板)
12 誘電体膜(酸化アルミニウム層)
13 導電性高分子層(ポリピロール)
14 導電層(銅めっき層)
15 導電性ペースト
16 銅めっき
17 貫通スルーホール
18、18a〜18e 絶縁樹脂
19 陰極ビア形成領域
20、23 陰極電極パッド(銅めっき)
21 陽極ビア形成領域
22、24 陽極電極パッド(銅めっき)
25 陰極電極
26 陽極電極
110 LSI
111、112 信号端子
130 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板をなす金属板の第一の面に形成された誘電体膜と、
前記誘電体膜の第一の面に形成された導電性高分子層と、
前記導電性高分子層の第一の面に形成された金属めっきよりなる導電層と、
を有するキャパシタ素子と、
前記キャパシタ素子を、前記キャパシタ素子の第一の面及び前記第一の面と反対側の第二の面の両側から挟む絶縁樹脂と、
前記絶縁樹脂の第一の面側に設けられ、前記導電層と電気的に導通される第一の電極と、
を備えている、ことを特徴とする印刷配線板。
【請求項2】
コア基板をなす金属板の第一の面に形成された誘電体膜と、
前記誘電体膜の第一の面に形成された導電性高分子層と、
前記導電性高分子層の第一の面に形成された導電性ペーストよりなる導電層と、
を有するキャパシタ素子と、
前記キャパシタ素子を、前記キャパシタ素子の第一の面及び前記第一の面と反対側の第二の面の両側から挟む絶縁樹脂と、
前記絶縁樹脂の第一の面側に設けられ、前記導電層と電気的に導通される第一の電極と、
を備えている、ことを特徴とする印刷配線板。
【請求項3】
前記金属板の第一の面と反対側の第二の面に形成された導電層と、
前記絶縁樹脂の第二の面側に設けられ、前記金属板の第二の面に形成された導電層と電気的に導通される第二の電極を備えている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷配線板。
【請求項4】
前記第一の電極と前記第二の電極の少なくとも一方を、前記印刷配線板の第一の面と第二の面の両側に引き出してなる、ことを特徴とする請求項3記載の印刷配線板。
【請求項5】
前記金属板の第一の面側の導電層から、スルーホールを介して、前記第二の電極が設けられた面と同一面に引き出された第一の電極を備えている、ことを特徴とするる請求項3記載の印刷配線板。
【請求項6】
前記金属板の第二の面側の導電層から、スルーホールを介して、前記第一の電極が設けられた面と同一面に引き出された第二の電極を備えている、ことを特徴とする請求項3記載の印刷配線板。
【請求項7】
前記金属板がアルミニウムよりなり、前記誘電体膜が酸化アルミニウムよりなる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷配線板。
【請求項8】
前記金属板の前記第一の面が粗化されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷配線板。
【請求項9】
前記金属めっきは、銅めっきである、ことを特徴とする請求項1記載の印刷配線板。
【請求項10】
前記導電性ペーストは、カーボンペーストと、前記カーボンペーストの上に設けられた、銀ペースト、銅ペースト、又は、銀/銅ペーストを含む、ことを特徴とする請求項2記載の印刷配線板。
【請求項11】
前記導電性高分子層が、ポリピロール、ポリチオフェン、及び、ポリアニリンのうちの少なくとも一つの導電性高分子化合物よりなる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷配線板。
【請求項12】
半導体チップと、
請求項1乃至11のいずれか一に記載の前記印刷配線板と、
を有し、
前記印刷配線板は、前記印刷配線板の第一の面から前記一の面と反対側の第二の面に貫通して設けられ、内壁へ導体が形成されているスルーホールを有する、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
半導体チップと、
請求項3乃至6のいずれか一に記載の前記印刷配線板と、
を有し、
前記印刷配線板の第一及び第二の電極は、前記半導体チップの電源ラインに接続される、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
コア基板をなす金属板の第一の面を酸化して誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の第一の面の全面に導電性高分子層を形成する工程と、
前記導電性高分子層の第一の面の全面に、金属めっきよりなる導電層を形成する工程と、
を含む、ことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
【請求項15】
コア基板をなす金属板の第一の面を酸化して誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜の第一の面の全面に導電性高分子層を形成する工程と、
前記導電性高分子層の第一の面の全面に、導電性ペーストよりなる導電層を形成する工程と、
を含む、ことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
【請求項16】
前記金属板の第一の面と反対側の第二の面に導電層を形成する工程と、
貫通スルーホールを設ける箇所を穴あけする工程と、
前記穴あけ工程により製造された組立体全体を、電気的に絶縁性の樹脂で封止する工程と、
前記絶縁性の樹脂を穴あけして、陰極電極形成領域、陽極電極形成領域にそれぞれビアを形成する工程と、
を含む、ことを特徴とする請求項14又は15記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁性の樹脂をさらに複数層重ねる場合には、前記陰極電極形成領域、陽極電極形成領域にそれぞれビアに電気的に接続する電極を形成し、陰極電極と陽極電極を、前記印刷配線板の第一の面と第二の面にそれぞれ引き出す工程を含む、ことを特徴とする請求項16記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項18】
前記陰極電極と陽極電極の少なくとも一方を、スルーホールを介して前記印刷配線板の第一の面と第二の面の両面に引き出す工程を含む、ことを特徴とする請求項16記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項19】
前記金属板の第一面側の導電層より、スルーホールを介して、前記陽極電極が設けられた面側に導き、前記陽極電極と同一面側に前記陰極電極を引き出す工程を含む、ことを特徴とする請求項16記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項20】
前記金属板の第二の面側の導電層より、スルーホールを介して、前記陰極電極が設けられた面に導き、前記陰極電極と同一面側に、前記陽極電極を引き出す工程を含む、ことを特徴とする請求項16記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項21】
前記金属板がアルミニウムよりなり、前記誘電体膜が酸化アルミニウムよりなることを特徴とする請求項14又は15記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項22】
前記金属めっきは、銅めっきである、ことを特徴とする請求項14記載の印刷配線板の製造方法。
【請求項23】
前記導電性ペーストは、カーボンペーストと、前記カーボンペーストの上に塗布される、銀ペースト、銅ペースト、又は、銀/銅ペーストを含む、ことを特徴とする請求項15記載の印刷配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−147607(P2006−147607A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331386(P2004−331386)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000236931)株式会社トッパンNECサーキットソリューションズ (54)
【Fターム(参考)】