説明

可動物体の位置依存信号を測定するための測定システム、リソグラフィ装置および方法

【課題】測定精度が可動物体の動作によって引き起こされる妨害によって実質的にほとんど影響されない、位置信号を測定するように構成されたエンコーダ型高精度測定システムを提供する。
【解決手段】可動物体の位置信号を測定するように構成され、可動物体の上に取付け可能な少なくとも1つのセンサと、実質的に静止したフレームの上に取付け可能なセンサターゲット物体と、実質的に静止したフレームの上にセンサターゲット物体を取付けるように構成された取付けデバイスとを含む。さらに、実質的に静止したフレームに対するセンサターゲット物体の移動および/または変形を補償するように構成された補償デバイスを含む。補償デバイスは受動型または能動型制振デバイスおよび/またはフィードバック位置制御システムを含むことができる。補償デバイスは、可動物体の運動中にセンサターゲット物体の位置を固定する把持デバイスを含むこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、可動物体の位置依存信号を測定するための測定システム、リソグラフィ装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板の上に、通常は基板のターゲット部分の上に付ける機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用されることができる。こうした場合には、代替的にはマスクまたはレチクルと呼ばれるパターニングデバイスが、ICの個々の層の上に形成されるべき回路パターンを生成させるために使用されることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つまたはいくつかのダイの部分を含む)の上に転写されることができる。通常、パターンの転写は、基板の上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層の上への結像を介してなされる。一般に、1つの基板は連続的にパターニングされた隣接するターゲット部分のネットワークを含む。従来のリソグラフィ装置は、全体のパターンをターゲット部分の上に一度に露光することによって各ターゲット部分が照射されるいわゆるステッパと、放射ビームを通してパターンを所与の方向(「スキャン」方向)にスキャンしこれに同期して基板を「スキャン」方向と平行または逆平行にスキャンさせることによって各ターゲット部分が照射されるいわゆるスキャナとを含む。また、パターンを基板の上にインプリントすることによってこのパターンをパターニングデバイスから基板に転写させることも可能である。
【0003】
[0003] 既知のリソグラフィ装置では、基板ステージの位置を高い精度(例えば、ナノメートル精度)で決定するために測定システムが使用される。より高い処理能力およびより高い精度のための継続的な要求にもとづいて、リソグラフィ装置の中で使用される測定システムの精度、特に、通常6自由度で、基板ステージおよびレチクルステージの位置が測定される測定システムについての精度を向上させる必要性が存在する。
【0004】
[0004] 測定システムの既知の実施形態において、エンコーダ型測定システムが使用されている。こうしたエンコーダ型測定システムは、可動物体の上に取付けられた1つまたは複数のセンサと、少なくとも1つのセンサターゲット物体、例えば回折格子または格子を含むセンサターゲットプレートとを含むことができ、このセンサターゲット物体は、実質的に静止したフレーム、特にいわゆるメトロロジーフレーム(メトロフレーム)の上に取付けられている。センサターゲット物体は1次元的な多次元回折格子を含むことができる。通常、センサターゲット物体は、その上に2次元の直交する格子が配置されたプレートの形状である。しばしば、こうしたセンサターゲット物体は格子プレートと呼ばれる。
【0005】
[0005] 代替の実施形態において、1つまたは複数のセンサは実質的に静止したフレームの上に取付けられることができ、格子プレートまたは複数の格子プレートは可動物体の上に取付けられることができる。格子プレートは、1つまたは複数のセンサに対する格子プレートの位置の変化を決定するために使用される複数の格子線または他の格子マーキングを含む。
【0006】
[0006] 既知の測定システムは、格子プレートを実質的に静止したフレームの上のいくつかの取付け点に取付けるための取付けデバイスを含む。メトロフレームの温度変化および/または温度差がメトロフレームの形状の変化を引き起こすことがある。また、他の影響もメトロフレームの形状変化を引き起こすことがある。その結果、格子プレートの取付けデバイスの取付け点間の距離が変わることがあり、その結果として、メトロフレーム形状の変化は格子プレートの形状の変化をもたらすこともある。こうした変形は、測定システムの測定精度に対して負の影響を有する可能性がある。
【0007】
[0007] メトロフレームのこうした形状変化を補償するために、取付けデバイスは格子プレートをメトロフレームに結合させるいくつかのたわみ要素を含む。これらのたわみ要素は、取付け点の相対的な位置の可能な変化を補償するために少なくとも1自由度において可撓性を有する。
【0008】
[0008] 基板ステージに関するエンコーダ型測定システムの典型的な実施形態では、格子プレートは、リソグラフィ装置のレンズカラム(lens column)の中心軸の周りに描かれた仮想円の円周上に配置された3つのたわみ要素と共に取付けられる。これらのたわみ要素は、レンズカラムの中心軸に対するメトロフレームの半径方向の移動を格子プレートにこれらの移動を伝えることなく可能にする。通常、メトロフレームはレンズカラムの中心軸の周りに円対称に変形するように設計されているので、格子プレートはたわみ要素によってその位置に実質的にとどまるであろう。
【0009】
[0009] 既知の測定システムの欠点は、格子プレートの取付けデバイス、特にたわみ要素が格子プレートの取付けにある可撓性を導入したために、格子プレートが外部からの影響によって動かされまたは変形され得ることである。例えば、基板ステージの移動は格子プレートの移動または変形の原因になり得る圧力波を引き起こす可能性がある。こうした移動および/または変形は測定システムの性能に負の影響を有する。他の測定システムにおいても、類似の影響が生じる可能性があり測定システムの精度に負の影響を有する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[0010] 測定精度が妨害、特に可動物体の動作によって引き起こされる妨害によって実質的にほとんど影響されない、可動物体の位置依存信号を測定するように構成された好ましくはエンコーダ型高精度測定システムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011] 本発明の実施形態によると、可動物体の位置依存信号を測定するように構成されたエンコーダ型測定システムが提供され、この測定システムは、可動物体の上に取付け可能な少なくとも1つのセンサと、実質的に静止したフレームの上に取付け可能な回折格子または格子を含むセンサターゲット物体と、実質的に静止したフレームの上にセンサターゲット物体を取付けるように構成された取付けデバイスとを含み、この測定システムは、実質的に静止したフレームに対するセンサターゲット物体の移動および/または変形を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスをさらに含む。
【0012】
[0012] 位置依存信号は例えば可動物体の位置、速度または加速度信号であることができる。
【0013】
[0013] 本発明の実施形態によると、実質的に静止したフレームに対する可動物体の位置依存信号を測定するように構成された測定システムが提供され、この測定システムは、少なくとも1つのシステム部分とこのシステム部分を実質的に静止したフレームの上に取付けるように構成された取付けデバイスとを含み、この測定システムは、実質的に静止したフレームに対するシステム部分の移動および/または変形を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスをさらに含む。
【0014】
[0014] 本発明の実施形態によると、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングされた放射ビームを形成するために放射ビームに対してその断面内にパターンを付与することができるパターニングデバイスを支持するように構成されたパターニングデバイスサポートと、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分の上に投影するように構成された投影システムと、を含むリソグラフィ装置が提供され、このリソグラフィ装置は、実質的に静止したフレームに対するパターニングデバイスサポートまたは基板テーブルの位置依存信号を測定するための測定システムを含み、この測定システムは、少なくとも1つのシステム部分とこのシステム部分を実質的に静止したフレームの上に取付けるように構成された取付けデバイスとを含み、この測定システムは、実質的に静止したフレームに対するシステム部分の移動および/または変形を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスをさらに含む。
【0015】
[0015] 本発明の実施形態によると、可動物体の上に取付けられたセンサと実質的に静止したフレームの上に取付けられた回折格子または格子を含むセンサターゲット物体とを有するエンコーダ型測定システムを使用して、実質的に静止したフレームに対する可動物体の位置依存信号を測定するための方法が提供され、この方法は、実質的に静止したフレームに対する格子プレートの移動および/または変形を少なくとも部分的に補償することを含む。
【0016】
[0016] ここで、本発明の実施形態が、対応する参照記号は対応する部分を示す添付の概略図面を参照して例としてのみ説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[0023] 図1は本発明の1つの実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射または任意の他の適切な放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成されいくつかのパラメータに応じてパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1位置決めデバイスPMに連結されたサポート構造体またはパターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTと、を含む。また、この装置は、基板(例えば、レジストコートされたウェーハ)Wを保持するように構成されいくつかのパラメータに応じて基板を正確に位置決めするように構成された第2位置決めデバイスPWに連結された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTまたは「基板サポート」も含む。この装置は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つまたは複数のダイを含む)の上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折式投影レンズシステム)PSをさらに含む。
【0018】
[0024] 照明システムは、放射を誘導し、整形しまたは制御するために、屈折式、反射式、磁気的、電磁的、静電的または他のタイプの光学コンポーネント、あるいはこれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0019】
[0025] サポート構造体またはパターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを支持する、すなわちその重量を支える。サポート構造体は、パターニングデバイスの方向と、リソグラフィ装置の設計と、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かなどの他の条件とによって決まる方法でパターニングデバイスを保持する。サポート構造体は、パターニングデバイスを保持するために機械式、真空式、静電式または他のクランプ技法を使用することができる。サポート構造体は、例えば要求に応じて固定されるかまたは可動であることができるフレームまたはテーブルであることができる。サポート構造体は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。本明細書中の用語「レチクル」または「マスク」の任意の使用は、より一般的な用語「パターニングデバイス」と同義であると考えられることができる。
【0020】
[0026] 本明細書で使用される用語「パターニングデバイス」は、基板のターゲット部分の中にパターンを生成するように放射ビームにその断面内でパターンを付与するために使用されることができる任意のデバイスを参照するものと広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、例えばもしそのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合は、基板のターゲット部分の所望のパターンに厳密には対応しないことがあることに留意すべきである。一般に、放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分の中に形成されるデバイス内の特定の機能層に対応するであろう。
【0021】
[0027] パターニングデバイスは透過型または反射型であることができる。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィにおいてよく知られており、バイナリ、レベンソン型(Alternating)位相シフト、ハーフトーン型(Attenuated)位相シフトなどのマスクタイプ、ならびに、様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの例は、小さなミラーのマトリックス構成を使用しており、そのそれぞれは入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けられることができる。傾けられたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームの中にパターンを付与する
【0022】
[0028] 本明細書で使用される用語「投影システム」は、使用される放射の照射に適したあるいは液浸液の使用または真空の使用などの他の要因に適した、屈折式、反射式、反射屈折式、磁気的、電磁的、および静電的光学システムまたはそれらの任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを包含するものと広く解釈されるべきである。本明細書での用語「投影レンズ」の任意の使用は、より一般的な用語「投影システム」と同義であると考えられることができる。
【0023】
[0029] 本明細書に示されるように、本装置は(例えば、透過型マスクを使用した)透過型のものである。別法として、本装置は(例えば、上に参照したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用した、または反射型マスクを使用した)反射型のものであってもよい。
【0024】
[0030] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)あるいはそれ以上の基板テーブルまたは「基板サポート」(および/または2つ以上のマスクテーブルまたは「マスクサポート」)を有するタイプのものであることができる。こうした「マルチステージ」機構においては、追加のテーブルまたはサポートが並行して使用されることができ、あるいは、1つまたは複数のテーブルまたはサポートが露光のために使用される一方で予備工程が1つまたは複数のテーブルまたはサポートの上で遂行されることができる。
【0025】
[0031] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように基板の少なくとも一部が相対的に高屈折率を有する液体、例えば水よって覆われることができるタイプのものであることもできる。また、液浸液は、例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)と投影システムとの間のリソグラフィ装置の他の空間に与えられることもできる。液浸技法は投影システムの開口数を高めるために使用できる。本明細書で使用される用語「液浸」は、基板などの構造体が液体の中に浸漬されなければならないことを意味するのではなく、液体が露光中に投影システムと基板との間に配置されていることを意味するにすぎない。
【0026】
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザであるときには、放射源とリソグラフィ装置とは別々に独立した構成要素物であることができる。こうした場合には、放射源はリソグラフィ装置の部分を形成するものとは見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを用いて放射源SOからイルミネータILまで進められる。他の場合には、例えば放射源が水銀ランプである場合には、放射源はリソグラフィ装置の一体化された部分であることができる。放射源SOとイルミネータILとはビームデリバリシステムBDと共に、要求があった場合には放射システムと呼ばれることができる。
【0027】
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側半径範囲および/または内側半径範囲(通例、σ−outerおよびσ−innerとそれぞれ呼ばれる)が調整されることができる。加えて、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの様々な他の構成要素を含むことができる。イルミネータは、所望の均斉度と強度分布とをその断面内に有するように放射ビームを調整するために使用されることができる。
【0028】
[0034] 放射ビームBは、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTの上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAの上に入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを越えた後で、放射ビームBは、基板Wのターゲット部分Cの上にビームを集光させる投影システムPSの中を通過する。第2位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの光路の中に位置付けるように正確に移動されることができる。同様にして、第1位置決めデバイスPMおよび他の位置センサ(図1には明示的に示されない)が、例えばマスクライブラリからの機械的検索の後でまたはスキャン中に、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを放射ビームBの光路に対して正確に位置合わせするために使用されることができる。一般に、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTの移動は、第1位置決めデバイスPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現されることができる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の移動は、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを用いて実現されることができる。ステッパの場合には(スキャナとは対照的に)、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTは、ショートストロークアクチュエータだけに連結されることができまたは固定されることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAと基板Wとは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされることができる。図示された基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占有しているが、それらはターゲット部分の間の空間(これらはスクライブレーンアライメントマークとして知られる)に配置されることができる。同様に、マスクMAの上に2つ以上のダイが施される状況では、マスクアライメントマークはダイの間に配置されることができる。
【0029】
[0035] 図示された装置は以下のモードの少なくとも1つで使用されることができる。
【0030】
[0036] 1.ステップモードでは、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」、および基板テーブルWTまたは「基板サポート」は基本的に静止状態に維持されると同時に、放射ビームに付与された全体のパターンがターゲット部分Cの上に一度に(すなわち単一の静的露光で)投影される。次いで、基板テーブルWTまたは「基板サポート」は、異なるターゲット部分Cが露光されることができるようにXおよび/またはY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズが単一の静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズを限定する。
【0031】
[0037] 2.スキャンモードでは、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」、および基板テーブルWTまたは「基板サポート」が、同期してスキャンされると同時に、放射ビームに付与されたパターンはターゲット部分Cの上に投影される(すなわち、単一の動的露光)。サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」に対する基板テーブルWTまたは「基板サポート」の速度および方向は、投影システムPSの(逆)倍率および像反転特性によって決定される。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズが単一の動的露光におけるターゲット部分の幅(非スキャン方向における)を限定するのに対して、スキャン運動の長さがターゲット部分の高さ(スキャン方向における)を決定する。
【0032】
[0038] 3.他のモードでは、サポート構造体(例えばマスクテーブル)MTまたは「マスクサポート」は、プログラマブルパターニングデバイスを保持したまま基本的に静止状態に保たれ、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影されている間に基板テーブルWTまたは「基板サポート」は移動されまたはスキャンされる。一般に、このモードではパルス放射源が使用され、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTまたは「基板サポート」の各移動の後でまたはスキャン期間中の連続した放射パルスの間で、必要に応じて更新される。動作のこのモードは、上に参照したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に与えられることができる。
【0033】
[0039] また、上述されたモードの使用または全く異なるモードの使用の組合せ形態および/または変形形態も使用されることができる。
【0034】
[0040] 図2および図3は、参照番号1を用いて全体として示される本発明の実施形態による測定システムの側面図および底面図を示す。測定システム1は、いわゆるメトロロジーフレームまたはメトロフレーム3に対する基板2aを支持する基板ステージ2の位置を測定するように構成されている。メトロフレーム3は、これに対してレンズカラム4が取付けられる実質的に静止したフレームである。この点に関して、実質的に静止したフレームは、実質的に静止した位置に受動的または能動的に保持される任意のフレームであってよいことに注目されたい。既知のリソグラフィ装置のメトロフレーム3は、工場の床の振動などの任意の外的妨害を取り除くためにベースフレームの上に受動型または能動型エアーマウントを用いて取付けられる。このようにして、レンズカラムは実質的に静止した位置に保持される。基板ステージのスキャン運動の間、レンズカラムに対する基板ステージの位置を知ることが望まれる。したがって、メトロフレーム3に対する基板ステージの位置がそれを用いて決定されることができる位置測定システム1が提供される。
【0035】
[0041] 測定システム1は、センサターゲットプレートなどの回折格子または格子を含むセンサターゲット物体に対する基板ステージの位置の変化を決定するために使用される1つまたは複数のセンサ5を含む。図2および図3に示された実施形態におけるセンサターゲット物体は、2次元格子を含む格子プレート6である。格子プレート6は、格子プレート6に対する1つまたは複数のセンサ5の位置を決定するために使用される多数の格子線または格子スポットを含む。本出願の中で使用されるような格子プレートという用語は、測定システムの一部として格子または回折格子が備えられた任意のタイプのセンサターゲット物体を意味することができる。通常、こうした測定システムはエンコーダ型測定システムと呼ばれ、当技術分野で知られている。
【0036】
[0042] 格子プレート6はレンズカラム4のための中央孔を含み、3つのたわみ要素8を含む取付けデバイス7を用いてメトロフレーム3の上に取付けられる。たわみ要素8は、実質的に水平な面内で仮想円9の円周上に等しい角度で配置される。仮想円9の中心は、リソグラフィ装置のレンズカラム4の中心軸A−Aに実質的に対応する。メトロフレーム3は、温度または他の外的影響のために形状が変化することがある。知られたリソグラフィ装置において、メトロフレームの形状のこの変化は、レンズカラム4の中心軸に関して実質的に対称的である。たわみ要素8は、格子プレート6の実質的な形状変化を持ち込むことなくメトロフレーム3がレンズカラム4の中心軸に対して半径方向に変化できるように配置される。格子プレート6の形状または位置の相対的に小さな変化がそれでもまだ生じる可能性がある。たわみ要素8のメトロフレーム側の運動の方向が図3の双方向矢印で示される。メトロフレーム2の形状変化はレンズカラムの中心軸A−Aに対して実質的に対称的であるので、格子プレート6はその位置から移動されないであろう。
【0037】
[0043] しかし、基板ステージ2の移動中には、空気が基板ステージ2の作業空間内で変位させられる。その結果、圧力波が作業空間を通り抜けて伝搬されうる。これらの圧力波は、特に格子プレートの取付けデバイスは格子プレートの支持にいくらかの可撓性を導入しているために、格子プレート6を移動および/または変形させる可能性がある。しかし、より堅固な格子プレート6の取付けを使用したとしても、圧力波が格子プレート6を移動または変形させる可能性がある。
【0038】
[0044] 図2および図3の実施形態において、制振デバイス10がこれらの移動または変形を補償するために3つの位置に設けられる。これに関して、補償という用語は、制振デバイスを設けることによってまたはより一般的には本発明の補償デバイスによって格子プレートの移動および/または変形がかなりの範囲まで抑制されることを意味していることに注意されたい。制振デバイス10は、格子プレート6の上に設けられた例えばアルミニウムの要素12の変位に対して反対方向に向けられた力を引き起こす受動的な磁石11を含む受動型制振デバイスである。
【0039】
[0045] 代替の実施形態において、受動型制振デバイスは、格子プレート6の移動または変形に関して制振効果をもたらす任意のデバイスであることができる。
【0040】
[0046] 他の実施形態において、制振デバイスは、格子プレート6の位置を測定するための1つまたは複数のセンサと、メトロフレーム3に対する格子プレート6の任意の変位を制振するための1つまたは複数の作動デバイスとを含む能動型制振デバイスであることができる。
【0041】
[0047] 受動型または能動型制振デバイスは、格子プレート6の共振周波数において格子プレート3の変位、すなわち移動または変形に対する特に効率的な補償をもたらすが、またこの制振デバイスは他の周波数範囲においても適切な制振をもたらし得ることが知られている。
【0042】
[0048] 図2および図3の実施形態において、制振デバイス10は、格子プレート6の垂直方向、すなわち、格子プレートの主たる面に対して実質的に垂直方向の変位を制振するように構成される。類似の対策が、格子プレート6の他の方向の変位、例えば1つまたは複数の水平方向すなわち格子プレート6の主たる面に平行な方向または任意の他の所望の方向の変位に対して施されることができる。
【0043】
[0049] さらに、第1の実施形態では円形に配置された3つの制振装置10が設けられる。本発明による制振デバイスまたはより一般的には補償デバイスの数およびそれらの位置は、格子プレート6の移動および/または変形を補償するための任意適切な構成であることができる。
【0044】
[0050] 図4は本発明の実施形態による測定システムを示す。この実施形態では、メトロフレーム3に対する格子プレート6の位置を制御するためにフィードバック位置制御システム15が設けられる。フィードバック位置制御システム15は、1つまたは複数のセンサ16、コントローラ17および1つまたは複数のアクチュエータ18を含む。フィードバック制御システムは、格子プレート6をメトロフレーム3に対して実質的に同じ位置に維持するために設けられる。さらに、位置制御システム15は、当分野で知られている任意の制御システムに従って設計されることができる。
【0045】
[0051] フィードバック位置制御システム15は、図4の実施形態においては、図面で格子プレート6の主たる面に対して実質的に垂直な方向である格子プレート6の垂直方向の変位を抑制するために与えられる。また、位置制御システム15は、1つまたは複数の他の方向の変位を抑制するために与えられることもできる。
【0046】
[0052] 位置制御システムの備えは、低周波数範囲すなわち共振周波数範囲よりも低い周波数範囲の移動または変形の抑制に対して特に有用であることが知られている。しかし、また、フィードバック位置制御システムの備えは、格子プレート6の他の周波数範囲の変位を抑制する上でも有益であることができる。ある実施形態において、位置制御システムは、共振周波数範囲の制振ならびに低周波数範囲の位置制御の双方を施すように設計されることができる。
【0047】
[0053] 図5は本発明の実施形態による測定システムを示す。この実施形態においては、受動型制振デバイス20と、図4の実施形態のフィードバック位置制御システム15とが組み合わされる。受動型制振デバイス10と位置制御システム15との双方は、格子プレート6の主たる面に垂直な方向の格子プレート6の変位の抑制を施すために提供される。受動型制振デバイス20が共振周波数範囲における変位の抑制のために特に設けられる一方で、フィードバック位置制御システム15はより低い周波数範囲における変位の抑制のために特に設計される。
【0048】
[0054] 受動型制振デバイス20は、格子プレート上に設けられた第1制振要素21と、メトロフレーム3上に取付けられた第2制振要素22とを含む。この2つの制振要素21、22の間には、摩擦のない制振デバイスとして働く小さなエアーギャップが形成される。このエアーギャップは、例えば、約50〜150μmであることができ、好適には比較的大きな領域、例えば約200cmにわたって広がる。
【0049】
[0055] また、第1の実施形態の制振デバイス10などの他のタイプの制振デバイスまたは他の制振デバイスが設けられることもできる。また、制振は、第2の実施形態に関連して説明されたように位置制御システム15によって実施されることもできる。
【0050】
[0056] 制振デバイスおよび/または位置制御システムの類似の組合せが、1つまたは複数の他の方向についての制振/位置制御のために施されることができる。
【0051】
[0057] 図6は本発明の実施形態による測定システムを示す。この実施形態では、測定システムは、メトロフレームの上に取付けられ保持位置と自由位置との2つの位置の間で可動である把持デバイス25を含む。図6の左側に示された保持位置では、格子プレート6は少なくとも格子プレート6の主たる面に実質的に垂直な方向に固定される。図6の右側に示される自由位置では、把持デバイスは格子プレート6を保持せず、好適には把持デバイス25と格子プレート6との間に物理的接触が存在しない。
【0052】
[0058] 上に説明したように、たわみ要素8は格子プレート6に対するメトロフレームの移動を補償するために設けられる。この理由により、一般に、メトロフレーム3の相対的な移動は格子プレート6に伝達されるので格子プレート6を6自由度で固定する取付けデバイスを設けることは望ましくない。しかし、メトロフレームの移動は、特に温度変化または温度差によって引き起こされた場合は比較的ゆっくりしている。
【0053】
[0059] さらに、高い精度の測定システムが、基板ステージのスキャン運動中に、すなわち基板のスキャンまたは露光中に特に望まれている。図6の実施形態による把持デバイス25(または固定デバイス)は、これらのスキャン運動中の外的な妨害による格子プレートの移動または変形を実質的に抑制するために、基板ステージのスキャン運動中に格子プレート6を固定するために使用されることができる。スキャン運動の前および後では、把持デバイス25は、メトロフレーム3の任意の形状変化が2つのスキャン運動の間に補償されうるように自由位置に置かれることができる。このようにして、メトロフレーム3の内部の妨害と、例えば圧力波によって引き起こされる格子プレート3への外部の妨害との両方が補償されることができ、かくして、測定システムの精度が向上される。
【0054】
[0060] 本出願の中で使用された把持デバイスという用語は、ある時間期間中は格子プレート6を少なくとも1つの方向に実質的に固定することができ、他の時間期間中は格子プレート6を実質的に解放することができる任意のデバイスを表す。
【0055】
[0061] 図4の実施形態において、把持デバイス25は、少なくとも格子プレートの主たる面に実質的に垂直な方向に格子プレート6の位置を固定するための固定デバイスとして使用される。また、他の実施形態において、把持デバイス25は、より多くの方向または他の方向に格子プレートを固定するように設計されることもできる。ある実施形態において、格子プレートをその保持位置において6自由度で固定するように構成された1つまたは複数の把持デバイスが設けられる。
【0056】
[0062] 本発明の代替の実施形態において、測定システムは、実質的に同一の面内に配置された1つの大きな格子プレートの機能に取って代わる2つ以上の格子プレートを含むことができる。これらの格子プレートのそれぞれは、本出願の中で説明されたような補償デバイスと共に設けられることができる。
【0057】
[0063] 他の実施形態において、1つまたは複数のセンサが実質的に静止したフレームの上に配置されることができ、一方で格子プレートまたは複数の格子プレートが可動物体の上に配置される。こうした実施形態では、可動物体に対する格子プレートの移動および/または変形を補償するために補償デバイスが各格子プレートに対して設けられることができる。こうした移動/変形は、可動物体の運動による圧力波などの妨害によって引き起こされることがある。こうした他の実施形態は本発明の範囲の中に入るものと考えられる。
【0058】
[0064] 上述の中で、リソグラフィ装置のメトロフレームに対する格子プレートの移動および/または変形に関しての補償が説明されてきた。また、補償デバイスは、それぞれのシステム部分がその上に取付けられるフレームに対する測定システムの他のシステム部分の移動または変形に関しての補償ために使用されることもできる。こうした実施形態は本発明の範囲の中に入る。
【0059】
[0065] この明細書で、特定の参照がIC製造におけるリソグラフィ装置の使用についてなされているが、本明細書で説明されたリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁気ドメインメモリのための誘導および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他の用途も有することができることを理解されたい。当業者は、こうした代替用途の文脈においては本明細書内の用語「ウェーハ」または「ダイ」の任意の使用は、より一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」とそれぞれ同義であると考えられることができることを理解されよう。本明細書に参照された基板は、例えばトラック(通常、レジスト層を基板に付け露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツールおよび/またはインスペクションツールの中で露光の前または後に加工処理されることができる。適用可能な場合には、本明細書の開示は、こうしたおよび他の基板加工処理ツールに与えられることができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために2回以上処理されることができ、それによって、本明細書で使用されている基板という用語は、複数処理層をすでに含む基板も参照することができる。
【0060】
[0066] 特定の参照が、光学的リソグラフィの文脈の中で本発明の実施形態の使用について上記でなされてきたけれども、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなどの他の用途で使用されることができ、状況が許すかぎりでは光学的リソグラフィに限定されないことが理解されよう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィは、基板の上に形成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、レジストが電磁放射、熱、圧力またはそれらの組合せを与えられることによって硬化される基板に供給されるレジストの層の内部にプレスされることができる。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後でパターンをその中に残した状態でレジストから外される。
【0061】
[0067] 本明細書で使用される用語「放射」および「ビーム」は、紫外(UV)放射(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、または126nm、あるいはその付近の波長を有する)および極端紫外(EUV)放射(例えば5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含む全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0062】
[0068] 用語「レンズ」は、状況が許す場合は、屈折式、反射式、磁気的、電磁的および静電的光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントの任意の1つまたは組合せを意味することができる。
【0063】
[0069] 本発明の特定の実施形態が上記において説明されてきたが、本発明は、説明されたものとは別の方法で実施されることが可能であることが理解されよう。例えば、本発明は、上記で開示された方法を記述した1つまたは複数の機械読取可能な命令のシーケンスを含むコンピュータプログラム、またはその中に格納されたこうしたコンピュータプログラムを有するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形態をとることができる。
【0064】
[0070] 上記の説明は、例示のためであり限定するものはないことが意図されている。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく説明されてきた本発明に対する修正を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】[0017]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0018]リソグラフィ装置内の基板ステージの位置を測定するための、本発明の実施形態による測定システムの概略側面図である。
【図3】[0019]図2の実施形態の概略上面図である。
【図4】[0020]本発明の実施形態による測定システムの概略側面図である。
【図5】[0021]本発明の実施形態による測定システムの概略側面図である。
【図6】[0022]本発明の実施形態による測定システムの概略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動物体の位置依存信号を測定するように構成されたエンコーダ型測定システムであって、
前記可動物体の上に取付け可能な少なくとも1つのセンサと、
実質的に静止したフレームの上に取付け可能な回折格子または格子を含むセンサターゲット物体と、
前記実質的に静止したフレームの上に前記センサターゲット物体を取付けるように構成された取付けデバイスと、
前記実質的に静止したフレームに対する前記センサターゲット物体の移動、変形、またはその両方を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスと、
を備える、測定システム。
【請求項2】
前記補償デバイスは、前記センサターゲット物体の前記移動、変形、またはその両方を制振するように構成された制振デバイスを備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記制振デバイスは受動型制振デバイスである、請求項2に記載の測定システム。
【請求項4】
前記制振デバイスは能動型制振デバイスである、請求項2に記載の測定システム。
【請求項5】
前記補償デバイスはフィードバック位置制御システムを備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項6】
前記補償デバイスは、前記センサターゲット物体の実質的に共振周波数の範囲内で補償するように構成された制振デバイスと、前記共振周波数の範囲よりも実質的に低い周波数の範囲内で補償するように構成された位置制御システムとを備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項7】
前記補償デバイスは、前記センサターゲット物体を前記実質的に静止したフレームに対して少なくとも1つの自由度で固定するために、前記可動物体の高精度な動作期間中に前記センサターゲット物体を固定するように構成された固定デバイスを備える、請求項1に記載の測定システム。
【請求項8】
前記固定デバイスは前記センサターゲット物体を6自由度で固定することが可能である、請求項7に記載の測定システム。
【請求項9】
前記取付けデバイスは、それぞれが前記センサターゲット物体を前記実質的に静止したフレームに固定するための複数のたわみ要素を備え、少なくとも1つのたわみ要素は少なくとも1つの自由度において可撓性を有する、請求項1に記載の測定システム。
【請求項10】
前記センサターゲット物体は、回折格子または格子を備えたセンサターゲットプレートである請求項1に記載の測定システム。
【請求項11】
前記センサターゲットプレートは、回折格子プレートまたは格子プレートである、請求項10に記載の測定システム。
【請求項12】
前記補償デバイスは、前記センサターゲット物体の垂直方向の変位を補償するように構成された、請求項1に記載の測定システム。
【請求項13】
前記補償デバイスは、前記センサターゲット物体の水平方向の変位を補償するように構成された、請求項1に記載の測定システム。
【請求項14】
前記可動物体は、リソグラフィ装置の基板ステージまたはレチクルステージである、請求項1に記載の測定システム。
【請求項15】
前記位置依存信号は、前記可動物体の位置、速度、または加速度信号である、請求項1に記載の測定システム。
【請求項16】
実質的に静止したフレームに対する可動物体の位置依存信号を測定するように構成された測定システムであって、
少なくとも1つのシステム部分と、
実質的に静止したフレームの上に前記システム部分を取付けるように構成された取付けデバイスと、
前記実質的に静止したフレームに対する前記システム部分の移動、変形またはその両方を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスと、
を備える、測定システム。
【請求項17】
前記測定システムはエンコーダ型測定システムであり、前記少なくとも1つのシステム部分は格子または回折格子を含む、請求項16に記載の測定システム。
【請求項18】
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
パターニングされた放射ビームを形成するために前記放射ビームに対してその断面内にパターンを付与することができるパターニングデバイスを支持するように構成されたパターニングデバイスサポートと、
基板を保持するように構成された基板サポートと、
前記パターニングされた放射ビームを前記基板のターゲット部分の上に投影するように構成された投影システムと、
実質的に静止したフレームに対する前記サポートの1つの位置依存信号を測定するための測定システムと、
を備え、
前記測定システムは、
少なくとも1つのシステム部分および前記システム部分を実質的に静止したフレームの上に取付けるように構成された取付けデバイスと、
前記実質的に静止したフレームに対する前記システム部分の移動、変形またはその両方を少なくとも部分的に補償するように構成された補償デバイスと、
を含む、リソグラフィ装置。
【請求項19】
前記測定システムは前記サポートの1つの上に取付け可能な少なくとも1つのセンサを含むエンコーダ型測定システムであり、前記少なくとも1つのシステム部分は回折格子または格子を含む、請求項16に記載のリソグラフィ装置。
【請求項20】
可動物体の上に取付けられたセンサと、実質的に静止したフレームの上に取付けられた回折格子または格子を含むセンサターゲット物体と、を有するエンコーダ型測定システムを使用して、前記実質的に静止したフレームに対する前記可動物体の位置依存信号を測定するための方法であって、前記実質的に静止したフレームに対する前記センサターゲット物体の移動、変形またはその両方を少なくとも部分的に補償することを含む、方法。
【請求項21】
前記補償するステップは、前記センサターゲット物体の移動、変形またはその両方を制振することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記補償するステップは、前記センサターゲット物体のフィードバック位置制御を与えることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記補償するステップは、前記センサターゲット物体の移動、変形またはその両方を前記センサターゲット物体の実質的に共振周波数範囲内で制振すること、および、前記共振周波数の範囲よりも実質的に低い周波数範囲内でフィードバック位置制御を与えること、を含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−4737(P2009−4737A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−72789(P2008−72789)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】