説明

圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法

【課題】 一定のR1値を確保しながら更なる小型化を図ることができる音叉型の圧電振動片、該圧電振動片を製造する圧電振動片の製造方法を提供する。
【解決手段】 平行に配された一対の振動腕部8、9と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部10と、一対の振動腕部の両主面上に、振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さL形成された溝部17と、を有する圧電板11と、圧電板の外表面上に積層された下地金属層及び仕上金属層によって形成され、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部を振動させる電極膜と、を備え、該電極膜は、少なくとも振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層の一部或いは全部が除去されていること、を特徴とする圧電振動片2を提供すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音叉型の圧電振動片、該圧電振動片を有する圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られており、その1つとして、音叉型の圧電振動片を有するものがある。
【0003】
音叉型の圧電振動片は、平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、一対の振動腕部の外表面上に形成され、該一対の振動腕部を振動させる一対の励振電極と、該一対の励振電極にそれぞれ電気的に接続されたマウント電極と、を備えている。一対の励振電極は、マウント電極を介して所定の電圧が印加されたときに、一対の振動腕部を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。なお、一対の励振電極及びマウント電極は、下地金属層と仕上金属層とが積層されることで形成された電極膜である。
【0004】
ところで、近年、携帯電話機等に代表されるように、圧電振動子を内蔵する各種の電子機器の小型化が進んでいる。そのため、圧電振動子に関しても、更なる小型化が求められている。よって、圧電振動子を構成する圧電振動片に関しても、より一層の小型化が要求されている。ところで、圧電振動片を小型化した場合には、一般的に振動腕部の長さが短くなってしまうものであった。
ここで、音叉型の圧電振動片は、振動腕部が短くなると振動特性が悪化してしまう特徴がある。そのため、圧電振動片の小型化に伴って、R1値(直列共振抵抗値)が高くなってしまう不都合が生じてしまう。特に、このR1値は、実効抵抗値Reと比例関係にあるため、R1値が高くなってしまうと、圧電振動片を低電力で作動させることが難しいという不都合が生じてしまう。
【0005】
そこで、音叉型の圧電振動片を小型化するにあたって、R1値を低減させるために、一対の振動腕部の両主面上に、振動腕部の長手方向に沿って溝部を形成することが知られている(例えば、特許文献1)。ここで、溝部が形成された圧電振動片の断面図を図26に示す。図26に示すように、圧電振動片200は、両主面上にそれぞれ溝部201が形成された一対の振動腕部202を有している。この溝部201によって、一対の振動腕部202は、それぞれ断面H型になるように形成されている。そして、一対の振動腕部202の外表面には、極性の異なる一対の励振電極203、204が下地金属層205と仕上金属層206との積層によって形成されている。
【0006】
この圧電振動片200によれば、特に、振動腕部202に溝部201が形成されていることにより、一対の励振電極203、204が極力対向した位置関係となるため、溝部201が形成されていない場合と比較して、より効率良く電界が作用し易い。そのため、振動損失が低くなることで振動特性が改善され、R1値を極力低く抑えることができる。
このように、R1値の上昇を抑えながら圧電振動片の小型化を図るには、溝部を形成することが有効な手段である。
【0007】
なお、一対の励振電極203、204等の電極膜は、上述したように下地金属層205と仕上金属層206との2層で構成されるのが一般的である。通常、下地金属層205は、圧電振動片200の保護を図るため、クロムなどの硬度の高い金属で形成されている。また、仕上金属層206は、リード端子とのマウント性や導電性を高めるため、金などの軟らかく、電気抵抗値の低い金属で形成されている。このように、目的に応じて材料の異なる2種類の金属を下地金属層205及び仕上金属層206に用いるのが一般的である。
【特許文献1】国際公開第WO00/44092パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した圧電振動片には、以下の課題が残されている。
即ち、上述したように、圧電振動片の小型化に伴って上昇するR1値を抑えるためには、溝部を形成することが効果的ではあるが、小型化した振動腕部に溝部を形成するには加工上、どうしても限界がある。つまり、小型化を目指すほど、振動腕部自体も小さくなるので、溝部を形成することが非常に困難となってしまう。そのため、所望するR1値を確保できない場合があった。
このため、一定のR1値を確保するためには、圧電振動片のサイズをある程度の大きさにせざるを得なかった。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、一定のR1値を確保しながら更なる小型化を図ることができる音叉型の圧電振動片、該圧電振動片を製造する圧電振動片の製造方法を提供することである。
更に上記圧電振動片を有する圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る圧電振動片は、平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、前記一対の振動腕部の両主面上に、前記振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さ形成された溝部と、を有する圧電板と、前記圧電板の外表面上に積層された下地金属層及び仕上金属層によって形成され、所定の電圧が印加されたときに前記一対の振動腕部を振動させる電極膜と、を備え、該電極膜が、少なくとも前記振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、前記仕上金属層の一部或いは全部が除去されていること、を特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、圧電材料からなるウエハを利用して圧電振動片を一度に複数製造する方法であって、前記ウエハをフォトリソ技術によってエッチングして、平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、を有する圧電板を、前記ウエハに複数形成するように外形形状をパターニングする外形形成工程と、複数の前記圧電板の前記一対の振動腕部の両主面上に、前記振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さ溝部を形成する溝部形成工程と、複数の前記圧電板の外表面上に下地金属層及び仕上金属層を積層して、所定の電圧が印加されたときに前記一対の振動腕部を振動させる電極膜を形成する電極形成工程と、複数の前記圧電板を前記ウエハから切り離して小片化する切断工程と、を備え、前記電極形成工程の際に、少なくとも前記振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、前記仕上金属層の一部或いは全部を除去すること、を特徴とするものである。
【0012】
この発明に係る圧電振動片及び圧電振動片の製造方法においては、まず、水晶等の圧電材料からなるウエハをフォトリソ技術によりエッチングして、ウエハに複数の圧電板の外形状をパターニングする外形形成工程を行う。この際、圧電板が、平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、を有するように形成する。次いで、複数の圧電板の一対の振動腕部の両主面上に溝部を形成する溝部形成工程を行う。この際、振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さ溝部を形成する。次いで、複数の圧電板の外表面上に、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部を振動させる電極膜を形成する電極形成工程を行う。この際、下地金属層及び仕上金属層を積層して電極膜を形成する。続いて、複数の圧電板をウエハから切り離して小片化する切断工程を行う。これにより、1枚のウエハから、圧電板の外表面上に電極膜が形成された圧電振動片を一度に複数製造することができる。
【0013】
特に、電極形成工程を行う際に、圧電板の外表面全体に亘って下地金属層及び仕上金属層を積層するのではなく、少なくとも振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層の一部或いは全部を除去するように電極膜を形成する。これにより、振動腕部に形成される電極膜は、部分的或いは全面的に下地金属層だけの単層膜になる。よって、振動腕部に被膜する電極膜の膜厚を薄くすることができる。
【0014】
ところで、電極膜を形成する際、圧電板に膜応力が作用してしまう。すると圧電板は、この膜応力の影響により、歪みがたまって振動特性が変化してしまい、R1値が高くなる傾向があった。特に、膜厚が厚いほど、R1値も高くなる傾向があった。
しかしながら、上述したように、振動腕部に被膜される電極膜の膜厚を薄くすることができるので、R1値を従来のものに比べて低減させることができる。従って、溝部の加工とは別の方法でR1値の低減化を図ることができる。
【0015】
よって、一定のR1値を確保するために溝部加工の限界によって決められた圧電振動片のサイズを更に小型化したとしても、電極膜の膜厚調整でR1値の上昇を抑えることができる。その結果、一定のR1値を確保しながら更に小型化された圧電振動片を製造することができる。
【0016】
しかも、単に電極膜を部分的或いは全面的に下地金属層だけの単層にするだけであるので、複雑な形状や特別な手法によることなく簡単に行える。よって、コストをかけることもなく、効率よく製造することができる。
なお、振動腕部側を単層にするので、基部側の電極膜は、従来と同様に仕上金属層が残っている。そのため、マウント性や導電性は何ら変わりない。
【0017】
また、本発明に係る圧電振動片は、前記電極膜が、前記基端部から前記一定長さ以上離間した位置まで、前記仕上金属層の一部或いは全部除去されていること、を特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、前記電極形成工程の際に、前記基端部から前記一定長さ以上離間した位置まで、前記仕上金属層の一部或いは全部を除去すること、を特徴とするものである。
【0019】
この発明に係る圧電振動片及び圧電振動片の製造方法においては、電極形成工程の際に、基端部から一定長さ以上離間した位置まで、仕上金属層の一部或いは全部を除去する。即ち、振動腕部の溝部が形成されている領域に被膜される電極膜を部分的或いは全面的に下地金属層だけの単層にして膜厚を薄くする。
特に、溝部が形成されている領域は、形状が複雑であるので、単なる平面に電極膜を形成する場合に比べて膜厚が均一にならず、ムラが生じやすい。そのため、膜応力がかかりやすく、歪みがたまりやすい。
しかしながら、溝部が形成されている領域に亘って部分的或いは全面的に電極膜を単層にするので、圧電板に作用する膜応力及び歪みの負荷を減らすことができる。よってR1値をより効果的に低減することができ、より一層の小型化を図ることができる。
【0020】
また、本発明に係る圧電振動片は、前記電極膜が、前記圧電板の両主面及び前記溝部内において、前記仕上金属層を除去されていること、を特徴とするものである。
【0021】
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、前記電極形成工程の際に、前記圧電板の両主面及び前記溝部内において、前記仕上金属層を除去すること、を特徴とするものである。
【0022】
この発明に係る圧電振動片及び圧電振動片の製造方法においては、電極形成工程の際に、圧電板の両主面及び溝部内において、仕上金属層を除去する。即ち、溝部内が全て下地金属層だけの単層となると共に、少なくとも溝部が形成されている領域に亘って、振動腕部の両面上が全て下地金属層だけの単層となるように電極膜を形成する。
特に、膜厚が不均一になりやすい溝部内を下地金属層だけの単層にするので、より効果的にR1値を低減することができる。
【0023】
また、本発明に係る圧電振動片は、前記下地金属層が、クロムで形成され、前記仕上金属層が、金で形成されること、を特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、前記電極形成工程の際、前記下地金属層を、クロムを用いて形成し、前記仕上金属層を、金を用いて形成すること、を特徴とするものである。
【0025】
この発明に係る圧電振動片及び圧電振動片の製造方法においては、電極形成工程の際、下地金属層を、クロムを用いて形成し、仕上金属層を、金を用いて形成する。
クロムは、硬度が高いため、下地金属層として用いることで圧電振動片自体を保護することができる。また、金は、軟らかい上に電気抵抗値が低いため、仕上金属層として用いることで、圧電振動片をマウントする際のマウント性や導電性を高めることができる。
即ち、下地金属層及び仕上金属層にそれぞれクロム及び金を用いることにより、圧電振動片を保護すると共に、電気導通性を安定に確保することができる。これにより、圧電振動片の高品質化を図ることができる。
【0026】
また、本発明に係る圧電振動子は、上記本発明の圧電振動片を有することを特徴とするものである。
【0027】
この発明に係る圧電振動子においては、上述した圧電振動片を備えているので、圧電振動子を小型化しながらも、一定のR1値を確保することが可能であり、高品質化を図ることができる。
【0028】
また、本発明に係る発振器は、上記本発明の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されているものである。
【0029】
また、本発明に係る電子機器は、上記本発明の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明に係る電波時計は、上記本発明の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0031】
この発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上述した圧電振動子を備えているので、圧電振動子と同様に小型化及び高品質化を図ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る圧電振動片によれば、一定のR1値を確保しながら更に小型化された音叉型の圧電振動片とすることができる。
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法によれば、上述した圧電振動片を効率良く製造することができ、低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計によれば、上述した圧電振動子を備えているので、高品質化及び小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1から図21を参照して説明する。なお、本実施形態では、圧電振動子1として、シリンダパッケージタイプの圧電振動子を例に挙げて説明する。
本実施形態の圧電振動子1は、図1から図6に示すように、圧電振動片2と、該圧電振動片2を内部に収納するケース3と、圧電振動片2をケース3内に密閉させる気密端子であるプラグ4と、を備えている。
【0034】
圧電振動片2は、図2から図6に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。なお、図5において、後述する電極膜18及び重り金属膜21の図示は省略している。
この圧電振動片2は、図2及び図3に示すように、平行に配置された一対の振動腕部8、9と、該一対の振動腕部8、9の基端側を一体的に固定する基部10と、を有する圧電板11と、一対の振動腕部8、9の外表面上に形成されて一対の振動腕部8、9を振動させる第1の励振電極12と第2の励振電極13とからなる励振電極14と、第1の励振電極12及び第2の励振電極13に電気的に接続されたマウント電極15、16とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片2は、一対の振動腕部8、9の両主面上に、振動腕部8、9の基端部から先端部に向かって一定長さL形成された溝部17を備えている。この溝部17は、振動腕部8、9の基端部から略中間付近まで形成されている。なお、一対の振動腕部8、9の腕幅は共通であり、それぞれWとする。また、基部10において一対の振動腕部8、9の基端部と連結されている部分を股部10aとする。
【0035】
第1の励振電極12と第2の励振電極13とからなる励振電極14は、一対の振動腕部8、9を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部8、9の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、図2に示すように、第1の励振電極12が、一方の振動腕部8の溝部17上と、他方の振動腕部9の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極13が、一方の振動腕部8の両側面上と他方の振動腕部9の溝部17上とに主に形成されている。
【0036】
また、第1の励振電極12及び第2の励振電極13は、図2及び図3に示すように、基部10の両主面上において、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極15、16に電気的に接続されている。そして圧電振動片2は、このマウント電極15、16を介して電圧が印加されるようになっている。
即ち、励振電極14、マウント電極15、16及び引き出し電極19、20は、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部8、9を振動させる電極膜18として機能している。
【0037】
電極膜18は、図4に示すように、下地金属層18aと仕上金属層18bとで2層に積層された状態で形成されている。本実施形態では、下地金属層18aにクロム、仕上金属層18bに金を用いるが、これに限られるものでない。例えば、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の他の導電性膜の被膜により形成されても構わない。
【0038】
また、電極膜18は、図5に示すように、少なくとも振動腕部8、9の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層18bの一部或いは全部が除去されている。より詳しくは、振動腕部8、9の基端部より先端部側では、基端部から一定長さL以上離間した位置まで(図5に示す領域RA)、図6に示すように、仕上金属層18bの全部が除去されている。更に、振動腕部8、9の基端部より基部10側には、基端部から基部10に向かって振動腕部8、9の腕幅Wの2倍離間した位置に至るまで(図5に示す領域RB)、仕上金属層18bの全部が除去されている。
即ち、電極膜18は、振動腕部8、9の溝部17が形成されている領域を含む領域RA及び領域RBで、溝部17内を含めて全面的に下地金属層18aだけの単層膜になる。なお、以下では、領域RA及び領域RBを合わせた領域を単層領域Rとして説明する。
【0039】
また、一対の振動腕部8、9の先端には、図2及び図3に示すように、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部8、9の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
【0040】
ケース3は、図1に示すように、有底円筒状に形成されており、圧電振動片2を内部に収納した状態でプラグ4の後述するステム30の外周に対して圧入されて、嵌合固定されている。なお、このケース3の圧入は、真空雰囲気下で行われており、ケース3内の圧電振動片2を囲む空間が真空に保たれた状態となっている。
【0041】
プラグ4は、ケース3を密閉させるステム30と、該ステム30を貫通するように平行配置され、ステム30を間に挟んで一端側が圧電振動片2をマウント(機械的に接合及び電気的に接続)するインナーリード31aとされ、他端側が外部に電気的に接続されるアウターリード31bとされた2本のリード端子31と、ステム30の内側に充填されてステム30とリード端子31とを固定させる絶縁性の充填材32とを有している。
ステム30は、金属材料で環状に形成されたものである。また、充填材32の材料としては、例えば、ホウ珪酸ガラスである。また、リード端子31の表面及びステム30の外周には、それぞれ同材料の図示しないメッキが施されている。
【0042】
2本のリード端子31は、ケース3内に突出している部分がインナーリード31aとなり、ケース3外に突出している部分がアウターリード31bとなっている。そして、インナーリード31aとマウント電極15、16とが、導電性のバンプEを介してマウントされている。即ち、バンプEを介してインナーリード31aとマウント電極15、16とが機械的に接合されていると同時に、電気的に接続されている。その結果、圧電振動片2は、2本のリード端子31にマウントされた状態となっている。
【0043】
なお、上述した2本のリード端子31は、一端側(アウターリード31b側)が外部に電気的に接続され、他端側(インナーリード31a側)が圧電振動片2に対してマウントされる外部接続端子として機能する。
【0044】
ここで、プラグ4を構成する主要部品の寸法及び材質の一例について述べる。
リード端子31の直径は例えば約0.12mmであり、リード端子31の母材の材質としては、コバール(FeNiCo合金)が慣用されている。また、リード端子31の外表面及びステム30の外周に被膜させるメッキの材質としては、下地膜としてはCuが用いられ、仕上膜としては、耐熱ハンダメッキ(錫と鉛の合金で、その重量比が1:9)や、銀(Ag)や錫銅合金(SnCu)や金錫合金(AuSn)等が用いられる。
また、ステム30の外周に被膜された金属膜(メッキ層)を介在させながらケース3の内周に真空中で冷間圧接させることにより、ケース3の内部を真空状態で気密封止できるようになっている。
【0045】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、2本のリード端子31のアウターリード31bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、インナーリード31a、バンプE、マウント電極15、16及び引き出し電極19、20を介して、第1の励振電極12及び第2の励振電極13からなる励振電極14に電流を流すことができ、一対の振動腕部8、9を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部8、9の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0046】
次に、上述した圧電振動子1を一度に複数製造する製造方法について、図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。
具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハSとする(S10)。
【0047】
次に、研磨後のウエハSをフォトリソ技術によりエッチングして、複数の圧電振動片2の外形形状をパターニングする外形形成工程を行う(S20)。この工程について、具体的に説明する。
始めに、ポリッシングが終了したウエハSを準備した後、図9に示すようにウエハSの両面にエッチング保護膜40をそれぞれ成膜する(S21)。このエッチング保護膜40としては、例えば、クロム(Cr)を数μm成膜する。次いで、エッチング保護膜40上に図示しないフォトレジスト膜を、フォトリソ技術によってパターニングする。この際、圧電振動片2の周囲を囲むようにパターニングする。そして、このフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜40を選択的に除去する。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜を除去する。これにより、図10及び図11に示すように、エッチング保護膜40を上述した形状にパターニングすることができる(S22)。つまり、圧電振動片2の外形形状、即ち、一対の振動腕部8、9及び基部10の外形形状に沿ってパターニングすることができる。またこの際、複数の圧電振動片2の数だけパターニングを行う。なお、図11から図16は、図10に示す切断線C−C線に沿った断面を示す図である。
【0048】
次いで、パターニングされたエッチング保護膜40をマスクとして、ウエハSの両面をそれぞれエッチング加工する(S23)。これにより、図12に示すように、エッチング保護膜40でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片2の外形形状を形作ることができる。この時点で、外形形成工程が終了する。なお、圧電振動片2は、後に行う切断工程を行うまで、図示しない連結部を介してウエハSに連結された状態となっている。
【0049】
次に、本実施形態では、電極形成工程を行う前に一対の振動腕部8、9に溝部17を形成する溝部形成工程を行う(S30)。この工程について、具体的に説明する。
まず、図13に示すように、エッチング保護膜40上にフォトレジスト膜41をスプレー塗布等により成膜する(S31)。そして、このフォトレジスト膜41を、フォトリソ技術によってパターニングする。この際、図14に示すように、溝部17の領域を空けた状態で圧電振動片2の外形形状に沿ってパターニングする(S32)。そして、パターニングされたフォトレジスト膜41をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜40を選択的に除去する。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜41を除去する。これにより、図15に示すように、既にパターニングされたエッチング保護膜40を、溝部17の領域を空けた状態でさらにパターニングすることができる(S33)。
【0050】
次いで、この再度パターニングされたエッチング保護膜40をマスクとして、ウエハSをエッチング加工(S34)した後、マスクとしていたエッチング保護膜40を除去する(S35)。これにより、図16に示すように、一対の振動腕部8、9に溝部17を形成することができる。この時点で、溝部形成工程が終了する。
【0051】
次に、複数の圧電板11の外表面上に下地金属層18a及び仕上金属層18bを積層して、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部8、9を振動させる電極膜18(励振電極14、引き出し電極19、20及びマウント電極15、16)を形成する電極形成工程を行う(S40)。
【0052】
始めに、図17に示すように、電極膜18を形成する位置に下地金属層18a及び仕上金属層18bを、蒸着やスパッタリング等により成膜する(S41)。なお、図17〜図21は、圧電板11の一方の振動腕部8のみを示している。
【0053】
次に、図18に示すように、スプレーコート等によりフォトレジスト膜41を成膜した後、フォトリソ技術でパターニングする(S42)。この際、電極膜18を残しておきたい部分が、フォトレジスト膜41によって被膜されるようにパターニングする。そして、残ったフォトレジスト膜41をマスクとして、図19に示すように、電極膜18をエッチング加工するエッチング工程を行う(S43)。これにより、下地金属層18a及び仕上金属層18bが積層された電極膜18が形成される。
【0054】
ここで続いて、単層領域Rに存在する電極膜18の仕上金属層18bの除去を行う。具体的には、仕上金属層18bを除去するために、図20に示すように、フォトリソ技術を用いて、フォトレジスト膜41をパターニングする(S44)。この際、仕上金属層18bを残しておきたい部分及び圧電板11が露出している部分をパターニングする。そして、図21に示すように、そのフォトレジスト膜41をマスクとしてエッチングする(S45)。これにより、単層領域Rに存在する電極膜18において、仕上金属層18bを除去することができる。
以上の工程を実施することで、電極形成工程が終了する。
【0055】
また、上記電極形成工程が終了した後、一対の振動腕部8、9の先端に周波数調整用の粗調膜21a及び微調膜21bからなる重り金属膜21(例えば、銀や金等)を被膜させる(S51)。そして、水晶ウエハに形成された全ての振動腕部に対して、共振周波数を粗く調整する粗調工程を行う。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザー光を照射して、一対の振動腕部8、9の先端にかかる重量を軽減させることで、周波数を粗く調整する工程である。
【0056】
次いで、ウエハSと圧電振動片2とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片2をウエハSから切り離して小片化する切断工程を行う(S52)。これにより、ウエハSから、電極膜18(励振電極14、引き出し電極19、20及びマウント電極15、16)が形成された圧電振動片2を一度に複数製造することができる。
【0057】
次いで、圧電振動片2をマウントする前に、共振周波数の粗調を行う(S53)。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては後に行う。これについては、後に説明する。
【0058】
次に、プラグ4を作製する気密端子作製工程を行う(S60)。具体的には、まず、ステム作製工程によりステム30を作製する(S61)。即ち、鉄ニッケルコバルト合金や鉄ニッケル合金等の導電性を有する板部材をランス加工した後、複数回の深絞り加工を行って有底の筒部材を形成する。そして、筒部材の底面に開口を形成すると共に、外形抜きを行って筒部材を板部材から切り離すことで、ステム30を作製する。
次いで、ステム30内に、リード端子31及び充填材32をそれぞれセットするセット工程を行う(S62)。まず、作製したステム30を、図示しない専用の治具にセットした後、予めリング状に焼結された充填材32をステム30の内部にセットすると共に、充填材32を貫通するようにリード端子31をセットする。
【0059】
上記セット工程により、ステム30とリード端子31と充填材32とを組み合わせた後、治具を加熱炉内に入れて1000℃前後の温度雰囲気で充填材32の焼成を行う(S63)。これにより、充填材32とリード端子31との間、充填材32とステム30との間が完全に封着されて、気密に耐えられる構造となる。そして、治具から取り出すことで、プラグ4を得ることができる。この時点で、気密端子作製工程が終了する。
【0060】
次に、リード端子31の外表面及びステム30の外周に同一材料の金属膜を湿式メッキ法で被膜させるメッキ工程を行う(S71)。そのための前処理として、リード端子31の外表面及びステム30の外周を洗浄すると共に、アルカリ溶液で脱脂した後、塩酸及び硫酸の溶液にて酸洗浄を行う。この前処理が終了した後、リード端子31の外表面及びステム30の外周面に下地膜を形成する。例えば、Cuメッキ或いはNiメッキを略2μmμm〜5μmの膜厚で被膜させる。続いて、下地膜上に仕上膜を形成する。例えば錫や銀等の単一材料の他、耐熱メッキや、錫銅合金、錫ビス膜合金、錫アンチモン合金等を、略8μm〜15μmの膜厚で被膜させる。
このように、下地膜及び仕上膜からなる金属膜を被膜させることで、インナーリード31aと圧電振動片2との接続を可能にすることができる。また、圧電振動片2の接続だけでなく、ステム30の外周に被膜された金属膜が柔らかく弾性変形する特性を有しているので、ステム30とケース3との冷間圧接を可能にすることができ、気密接合を行うことができる。
【0061】
続いて、金属膜の安定化を図るため、真空雰囲気の炉中でアニーリングを行う(S72)。例えば、170℃の温度で1時間の加熱を行う。これにより、下地膜の材料と仕上膜の材料との界面に形成される金属間化合物の組成を調整して、ウイスカの発生を抑制することができる。このアニーリングが終了した時点でマウント工程を行うことができる。なお、金属膜を被膜する際に、湿式メッキ法で行った場合を例にしたが、この場合に限られず、例えば、蒸着法や化学気相法等で行っても構わない。
【0062】
なお、本実施形態では、アニーリングが終了した後、次に行うマウント工程のためにインナーリード31aの先端に、金等の導電性のバンプEを形成する(S73)。そして、圧電振動片2のマウント電極15、16をインナーリード31aに接合するマウント工程を行う(S74)。具体的には、バンプEを加熱しながら、該バンプEを間に挟んだ状態でインナーリード31aと圧電振動片2とを所定の圧力で重ね合わせる。これにより、バンプEを介してインナーリード31aとマウント電極15、16とを接続することができる。その結果、圧電振動片2をマウントすることができる。即ち、圧電振動片2は、リード端子31に機械的に支持されると共に、電気的に接続された状態となる。
なお、バンプ接続する際に、加熱・加圧を行ってマウントしたが、超音波を利用してバンプ接続を行っても構わない。
【0063】
次に、封止工程を行う前に、上述したマウントによる歪みをなくすために、所定の温度でベーキングを行う(S75)。続いて、圧電振動片2の周波数調整(微調)を行う(S76)。この周波数調整について、具体的に説明すると、全体を真空チャンバーに入れた状態で、アウターリード31b間に電圧を印加して圧電振動片2を振動させる。そして、周波数を計測しながら、レーザにより重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させることで、周波数の調整を行う。なお、周波数計測を行うには、アウターリード31bに図示しないプローブの先端を押し付けることで、計測を正確に行うことができる。この周波数調整を行うことで、予め決められた周波数の範囲内に圧電振動片2の周波数を調整することができる。
【0064】
なお、上記微調及び先に行った粗調の際に、レーザの照射により重り金属膜21を蒸発させることで、周波数調整を行ったが、レーザではなくアルゴンイオンを利用しても構わない。この場合には、アルゴンイオンの照射によりスパッタリングを行い、重り金属膜21を除去することで周波数調整を行う。
【0065】
最後に、マウントされた圧電振動片2を内部に収納するようにケース3をステム30に圧入し、圧電振動片2を気密封止するケース圧入工程を行う(S77)。具体的に説明すると、真空中で所定の荷重を加えながらケース3をプラグ4のステム30の外周に圧入する。すると、ステム30の外周に形成された金属膜が弾性変形するので、冷間圧接により気密封止することができる。これにより、ケース3内に圧電振動片2を密閉して真空封止することができる。
なお、この工程を行う前に、圧電振動片2、ケース3及びプラグ4を十分に加熱して、表面吸着水分等を脱離させておくことが好ましい。
【0066】
そして、ケース3の固定が終了した後、スクリーニングを行う(S78)。このスクリーニングは、周波数や共振抵抗値の安定化を図ると共に、ケース3を圧入した嵌合部に圧縮応力に起因する金属ウイスカが発生してしまうことを抑制するために行うものである。
スクリーニング終了後、内部の電気特性検査を行う(S79)。即ち、圧電振動片2の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。この結果、図1に示す圧電振動子1を製造することができる。
【0067】
特に、電極形成工程を行う際に、圧電板11の外表面全体に亘って下地金属層18a及び仕上金属層18bを積層するのではなく、少なくとも振動腕部8、9の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層18bの全部を除去するように電極膜18を形成する。これにより、振動腕部8、9に形成される電極膜18は、部分的に下地金属層18aだけの単層膜になる。よって、振動腕部8、9に被膜する電極膜18の膜厚を薄くすることができる。
【0068】
ところで、電極膜18を形成する際、圧電板11に膜応力が作用してしまう。すると圧電板11は、この膜応力の影響により、歪みがたまって振動特性が変化してしまい、R1値が高くなる傾向があった。特に、膜厚が厚いほど、R1値も高くなる傾向があった。
しかしながら、上述したように、振動腕部8、9に被膜される電極膜18の膜厚を薄くすることができるので、R1値を従来のものに比べて低減させることができる。従って、溝部17の加工とは別の方法でR1値の低減化を図ることができる。
【0069】
よって、一定のR1値を確保するために溝部加工の限界によって決められた圧電振動片2のサイズを更に小型化したとしても、電極膜18の膜厚調整でR1値の上昇を抑えることができる。その結果、一定のR1値を確保しながら更に小型化された圧電振動片2を製造することができる。
【0070】
加えて、電極形成工程の際に、基端部から一定長さL以上離間した位置まで、仕上金属層18bの全部を除去する。即ち、振動腕部8、9の溝部17が形成されている領域に被膜される電極膜18を全面的に下地金属層18aだけの単層にして膜厚を薄くする。
特に、溝部17が形成されている領域は、形状が複雑であるので、単なる平面に電極膜18を形成する場合に比べて膜厚が均一にならず、ムラが生じやすい。そのため、膜応力がかかりやすく、歪みがたまりやすい。
しかしながら、溝部17が形成されている領域に亘って全面的に電極膜18を単層にするので、圧電板11に作用する膜応力及び歪みの負荷を減らすことができる。よってR1値をより効果的に低減することができ、より一層の小型化を図ることができる。
【0071】
加えて、電極形成工程の際に、圧電板11の両主面及び溝部17内において、仕上金属層18bを除去する。即ち、溝部17内が全て下地金属層18aだけの単層となると共に、少なくとも溝部17が形成されている領域に亘って、振動腕部8、9の両面上が全て下地金属層18aだけの単層となるように電極膜18を形成する。
特に、膜厚が不均一になりやすい溝部17内を下地金属層18aだけの単層にするので、より効果的にR1値を低減することができる。
【0072】
加えて、電極形成工程の際に、基端部から基部10に向かって振動腕部8、9の腕幅Wの2倍離間した位置に至る領域で、仕上金属層18bを全部除去する。即ち、少なくとも股部10aが下地金属層18aだけの単層になるように電極膜18を形成する。
特に、股部10aは、溝部17と同様に形状が複雑であるので、単なる平面に電極膜18を形成する場合に比べて膜厚が均一にならず、ムラが生じやすい。そのため、膜応力がかかりやすく、歪みがたまりやすい。
しかしながら、少なくとも股部の電極膜18を全面的に単層にするので、圧電板11に作用する膜応力及び歪みの負荷を減らすことができる。よってR1値をより効果的に低減することができ、より一層の小型化を図ることができる。
【0073】
また、単に電極膜18を部分的に下地金属層18aだけの単層にするだけであるので、複雑な形状や特別な手法によることなく簡単に行える。よって、コストをかけることもなく、効率よく製造することができる。
なお、振動腕部8、9側及び股部10a近傍を単層にするので、マウント電極15、16は、従来と同様に仕上金属層18bが残っている。そのため、マウント性や導電性は何ら変わりない。
【0074】
また、電極形成工程の際、下地金属層18aを、クロムを用いて形成し、仕上金属層18bを、金を用いて形成する。
クロムは、硬度が高いため、下地金属層18aとして用いることで圧電振動片2自体を保護することができる。また、金は、軟らかい上に電気抵抗値が低いため、仕上金属層18bとして用いることで、圧電振動片2をリード端子31とのマウント性や導電性を高めることができる。
即ち、下地金属層18a及び仕上金属層18bにそれぞれクロム及び金を用いることにより、圧電振動片2を保護すると共に、電気導通性を安定に確保することができる。これにより、圧電振動片2の高品質化を図ることが可能になる。
【0075】
また、本実施形態の圧電振動子1においては、上述した圧電振動片2を備えているので、圧電振動子1を小型化しながらも、一定のR1値を確保することが可能であり、高品質化を図ることができる。
【0076】
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図22を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図22に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上記集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0077】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動子1内の圧電振動片2が振動する。この振動は、圧電振動片2が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0078】
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、発振器100自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0079】
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図23を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0080】
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図23に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0081】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0082】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片2が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0083】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0084】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0085】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0086】
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0087】
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0088】
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図24を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図24に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0089】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0090】
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0091】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0092】
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、電波時計自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記実施形態では、圧電振動子の一例として、シリンダパッケージタイプの圧電振動子1を例に挙げて説明したが、この圧電振動子1に限定されるものではない。例えば、セラミックパッケージタイプの圧電振動子や、シリンダパッケージタイプの圧電振動子1を、さらにモールド樹脂部で固めて表面実装型振動子としても構わない。
【0094】
また、上記実施形態では、単層領域Rで、仕上金属層18bの全部が除去され、下地金属層18aが単層で電極膜18を形成していたが、これに限らない。つまり、電極膜18は、少なくとも振動腕部8、9の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層18bの一部或いは全部が除去されていれば構わない。例えば、領域RAのみで、仕上金属層18bの全部が除去されていても構わない。また、領域RAで、仕上金属層18bの一部のみが除去されていても構わない。
【0095】
また、上記実施形態では、電極形成工程の際に、単層領域Rで仕上金属層18bが除去されているように電極膜18を形成するために、電極膜18全体に仕上金属層18bを成膜した後に、単層領域Rで該金属層18bを除去したが、これに限らない。つまり、単層領域Rで仕上金属層18bが結果的に除去されていれば構わない。例えば、下地金属層18aを成膜した後、単層領域Rをマスキングして仕上金属層18bを成膜することで、単層領域Rで仕上金属層18bが除去されているように形成しても構わない。
【実施例】
【0096】
次に、本発明に係る圧電振動片及び従来の圧電振動片にそれぞれ所定の電圧を印加して振動させ、R1値を得た結果を以下に示す。
【0097】
本発明に係る圧電振動片としては、以下に示す条件を満たすものを用いた。即ち、振動腕部の溝部が形成されている領域の両主面及び溝部内において、仕上金属層が除去されているように形成された圧電振動片を用いた。
そして、上記した電極膜の構成以外の点において条件を合わせた状態で、従来の圧電振動片と本発明に係る圧電振動片とを用いた。具体的に、電極膜の材料及び厚さについては、両者とも、下地金属層は、材料がクロムで、厚みが600Åのものを用いた。そして、仕上金属層は、材料が金で、厚みが1500Åのものを用いた。
上記条件を満たす従来の圧電振動片と本発明に係る圧電振動片とを、それぞれ振動腕部の腕幅の異なる4種類(90μm、100μm、110μm、130μm)ずつ用意した。そして、それぞれに所定の電圧を印加し、R1値の比較を行った。
【0098】
比較の結果を図25のグラフに示す。図25のグラフは、横軸が振動腕部の腕幅(μm)、縦軸がR1値(kΩ)を意味し、各腕幅の振動腕部を有した従来の圧電振動片のR1値(凡例:Cr+Au)及び本発明に係る圧電振動片(凡例:Cr)のR1値をそれぞれプロットしたグラフである。
この結果によれば、いずれの腕幅の圧電振動片を比較した場合であっても、本発明に係る圧電振動片のR1値は、従来の圧電振動片のR1値より10%程度低いことが確認できた。従って、膜厚の調整だけでR1値が低くなるということが確認できた。つまり、溝部加工とは別の手段でR1値を低減させられることが実際に確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る一実施形態の圧電振動子のケースの中身を見た図であって、圧電振動片を平面視した状態の図である。
【図2】図1に示す圧電振動片を上面から見た図である。
【図3】図1に示す圧電振動片を下面から見た図である。
【図4】図2に示す圧電振動片の断面矢視A−A図である。
【図5】図1に示す圧電振動片の斜視図である。
【図6】図5に示す圧電振動片の断面矢視B−B図である。
【図7】図1に示す圧電振動子を製造する際のフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートの続きである。
【図9】図1に示す圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ウエハの両面にエッチング保護膜を形成した状態を示す図である。
【図10】図9に示す状態から、エッチング保護膜を圧電振動片の圧電板の外形形状にパターニングした状態を示す図である。
【図11】図10に示す断面矢視C−C図である。
【図12】図11に示す状態から、エッチング保護膜をマスクとしてウエハをエッチング加工した状態を示す図である。
【図13】図12に示す状態から、フォトレジスト膜をパターニングした状態を示す図である。
【図14】図13に示す状態から、フォトリソ技術を用いてフォトレジスト膜の一部を除去した状態を示す図である。
【図15】図14に示す状態から、フォトレジスト膜をマスクとしてウエハをエッチング加工した状態を示す図である。
【図16】図15に示す状態から、エッチング保護膜をマスクとしてウエハをエッチング加工した状態を示す図である。
【図17】図16に示す振動腕部の一つを拡大した図であって、図16に示す状態から、下地金属層及び仕上金属層を被膜した状態を示す図である。
【図18】図17に示す状態から、フォトレジスト膜をパターニングした後、フォトリソ技術を用いてフォトレジスト膜の一部を除去した状態を示す図である。
【図19】図18に示す状態から、フォトレジスト膜をマスクとしてウエハをエッチング加工した状態を示す図である。
【図20】図19に示す状態から、フォトレジスト膜をパターニングした後、フォトリソ技術を用いてフォトレジスト膜の一部を除去した状態を示す図である。
【図21】図20に示す状態から、フォトレジスト膜をマスクとして仕上金属層をエッチング加工して除去した状態を示す図である。
【図22】本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。
【図23】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。
【図24】本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【図25】本発明に係る圧電振動片を用いた実施例の結果を示す図である。
【図26】従来の圧電振動片における、一対の振動腕部の断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 圧電振動子
2 圧電振動片
8 振動腕部
9 振動腕部
10 基部
11 圧電板
17 溝部
18 電極膜
18a 下地金属層
18b 仕上金属層
100 発振器
101 発振器の集積回路
110 携帯情報機器(電子機器)
113 電子機器の計時部
130 電波時計
131 電波時計のフィルタ部
S ウエハ
L 一定長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、前記一対の振動腕部の両主面上に、前記振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さ形成された溝部と、を有する圧電板と、
前記圧電板の外表面上に積層された下地金属層及び仕上金属層によって形成され、所定の電圧が印加されたときに前記一対の振動腕部を振動させる電極膜と、を備え、
該電極膜は、少なくとも前記振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、前記仕上金属層の一部或いは全部が除去されていること、
を特徴とする圧電振動片。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動片において、
前記電極膜は、前記基端部から前記一定長さ以上離間した位置まで、前記仕上金属層の一部或いは全部が除去されていること、
を特徴とする圧電振動片。
【請求項3】
請求項2に記載の圧電振動片において、
前記電極膜は、前記圧電板の両主面及び前記溝部内において、前記仕上金属層が除去されていること、
を特徴とする圧電振動片。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動片において、
前記下地金属層は、クロムで形成され、
前記仕上金属層は、金で形成されること、
を特徴とする圧電振動片。
【請求項5】
圧電材料からなるウエハを利用して圧電振動片を一度に複数製造する方法であって、
前記ウエハをフォトリソ技術によってエッチングして、平行に配された一対の振動腕部と、該一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、を有する圧電板を、前記ウエハに複数形成するように外形形状をパターニングする外形形成工程と、
複数の前記圧電板の前記一対の振動腕部の両主面上に、前記振動腕部の基端部から先端部に向かって一定長さ溝部を形成する溝部形成工程と、
複数の前記圧電板の外表面上に下地金属層及び仕上金属層を積層して、所定の電圧が印加されたときに前記一対の振動腕部を振動させる電極膜を形成する電極形成工程と、
複数の前記圧電板を前記ウエハから切り離して小片化する切断工程と、を備え、
前記電極形成工程の際に、少なくとも前記振動腕部の基端部から先端部に至る領域で、前記仕上金属層の一部或いは全部を除去すること、
を特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記電極形成工程の際に、前記基端部から前記一定長さ以上離間した位置まで、前記仕上金属層の一部或いは全部を除去すること、
を特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記電極形成工程の際に、前記圧電板の両主面及び前記溝部内において、前記仕上金属層を除去すること、
を特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記電極形成工程の際、前記下地金属層を、クロムを用いて形成し、前記仕上金属層を、金を用いて形成すること、
を特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動片を有することを特徴とする圧電振動子。
【請求項10】
請求項9に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項11】
請求項9に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項9に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−182555(P2009−182555A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18555(P2008−18555)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】