説明

圧電発振器

【課題】周波数安定度に優れると共に電子雑音特性が良好であり、且つ回路を簡単に構成できる温度補償圧電発振器を提供すること。
【解決手段】温度補償圧電発振器(TCXO)において、補償電圧ΔVを求めるための温度Tを検出する温度検出部32として、外部に設定周波数fを出力する主発振部11と水晶基板2を共用する補助発振部21を用いると共に、水晶基板2上にはこれらの主発振部11及び補助発振部21の電極13、23を個別に設けて、主発振部11及び補助発振部21では夫々例えば基本波及びオーバートーンを利用するか、あるいは厚み滑り振動及び輪郭滑り振動を利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度補償された周波数信号を出力する圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電発振回路例えば水晶発振回路に用いられる圧電振動子である水晶振動子は、温度に応じて発振周波数が変化する周波数温度特性を持っている。この周波数温度特性は、水晶振動子を構成する水晶片の切断角度や厚さなどにより水晶振動子毎に異なっている。図6には、このような周波数温度特性について、例えばATカットの水晶片を用いた水晶振動子において得られる特性の一例を示している。この図6において、グラフの縦軸は、目標とする(発振させたい)設定周波数fと、温度Tにおいて実際に得られる周波数fと、の間における周波数偏差(Δf/f、Δf=f−f)を示しており、横軸は水晶振動子の温度Tを示している。Tは基準温度例えば29℃であり、この温度Tで設定周波数fが得られるように発振回路の制御電圧が設定される。ATカットの水晶片を用いて厚み滑り振動モードで発振させる場合には、周波数偏差Δf/fは、温度Tの3次関数である(1)式で近似される。
Δf/f=α(T−T)3+β(T−T)+γ・・・(1)
尚、この(1)式において、α、β、γは夫々水晶振動子毎に個別に求められる定数であり、これらの各定数(α、β、γ、T、f)は、恒温槽内に水晶振動子を設置して温度Tを種々変えて周波数fを測定し、温度T及び周波数fの測定結果の各々を上記(1)式に代入して得られる連立方程式を解くことによって求められる。
【0003】
従って、雰囲気温度に拘わらず周波数が安定する工夫が種々行われている。例えば温度補償水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Xtal Oscillator)は、制御電圧と出力周波数とがリニアな関係にあることから、温度センサー例えばサーミスタを発振器のパッケージ内に設けて、この温度センサーの温度検出値と基準温度とに基づいて補償電圧を求め、この補償電圧を基準電圧(基準温度Tで設定周波数fが得られる制御電圧)に加算するようにして温度補償を行っている。しかしながら、このTCXOでは、補償(調整)後の水晶振動子の周波数温度特性の安定度は、−20℃〜75℃の温度範囲において例えば±0.2ppm程度が限界だと言われており、それ以上の安定度の向上は困難である。
【0004】
一方、上記のTCXO以外に水晶振動子の周波数温度特性を補償する発振器としては、例えばD−TCXO(Digital−Temperature Compensated Xtal Oscillator)が知られている。このD−TCXOでは、デジタル制御によって制御電圧Vを調整しているので、上記のTCXOより周波数温度特性の安定度を改善できると考えられるが、TCXOよりも電子雑音が大きくなってしまう。
また、オーブン(恒温槽)を利用して水晶振動子の周波数温度特性をアナログ制御するOCXO(Oven Compensated Xtal Oscillator)も知られており、このOCXOではTCXOよりも周波数温度特性の安定性及び電子雑音特性が改善されるが、消費電力が大きく且つ高価になってしまう。
【0005】
更に、例えば一枚のSCカット水晶片の片面に形成された一対の電極に発生する厚み滑り振動モードの信号と厚みねじれ振動モードの信号とをフィルターで分離して、厚み滑り振動モードの信号を主振動(設定周波数f)として取り出すと共に、厚みねじれ振動モードの信号により温度を検出して、この温度に基づいてマイクロコンピュータを利用して水晶発振器の周波数温度特性(制御電圧)を制御するMCXO(Microcomputer Compensated Xtal Oscillator)も知られている。このMCXOでは、TCXOよりも周波数温度特性の安定性及び電子雑音特性を改善できるが、両モードの信号をフィルタで分離していることから、回路構成が複雑で消費電力が大きく、且つ高価となってしまう。
【0006】
特許文献1には、1枚の圧電振動板をスリットにより複数の振動領域に分割すると共に、これらの振動領域毎に一対の電極を配置して、これらの電極上に塗布した合成脂質膜に匂い物質を吸着させることによって複数の匂い物質を認識する匂い物質センサが記載されているが、上記の課題については検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−190916
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は周波数安定度に優れた圧電発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の圧電発振器は、
圧電基板に主振動領域を形成するための主電極を設けてなる圧電振動子と、前記主電極に接続された主発振回路と、を備え、設定周波数信号を出力するための主発振部と、
前記主発振部に用いられる圧電基板に前記主電極とは別個に、補助振動領域を形成するための補助電極を設けてなり、前記主発振回路の圧電振動子に対して圧電基板が共用化される圧電振動子と、前記補助電極に接続された補助発振回路と、を備え、温度センサーとして用いられる補助発振部と、
この補助発振部の発振出力の周波数を検出し、この周波数と前記補助発振部の周波数の温度特性とに基づいて、温度を推定する温度推定部と、
この温度推定部により推定された温度と前記主発振部の周波数の温度特性とに基づいて、前記設定周波数信号を得るための制御電圧を求めて前記主発振回路に供給する制御電圧供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記補助発振部で使用する振動波は、オーバートーンであることが好ましい。また、前記補助発振部の振動モードは、輪郭すべり振動であっても良い。
前記主発振部の振動モードは、厚みすべり振動であることが好ましく、更に前記主発振部で使用する振動波は、オーバートーンであることが好ましい。
前記補助発振部は、第1の補助振動領域を形成する第1の補助電極と、第2の補助振動領域を形成する第2の補助電極と、これら第1の補助電極及び第2の補助電極に夫々接続された第1の補助発振回路及び第2の補助発振回路と、これら第1の補助発振回路及び第2の補助発振回路の各発振周波数の差分または和を求めて補助発振部の発振出力を得る手段と、を備えていても良い。前記補助電極は、前記主電極よりも重量が大きいことが好ましい。
前記制御電圧供給部は、主発振部が基準温度において設定周波数を出力する制御電圧である基準電圧に対して、温度補償電圧を求め、前記基準電圧と温度補償電圧とを加算して制御電圧を求めることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、設定周波数を出力する主発振部とは別に、主発振部に用いられる圧電基板を共有すると共に主発振部の主電極とは別個の補助電極を当該圧電基板上に備えた補助発振部を設けて、この補助発振部を温度センサーとして用いて温度を検出し、この温度に基づいて制御電圧を補償するようにしている。そのため、主発振部の温度そのものを実質測定して温度補償していることから、周波数安定度に優れた温度補償圧電発振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のTCXOの一例を示す回路図である。
【図2】上記のTCXOの水晶振動子を示す平面図である。
【図3】上記のTCXOの水晶振動子を示す側面断面図である。
【図4】上記の水晶振動子がパッケージ内に収納された様子を示す模式図である。
【図5】上記のTCXOの概観を示す斜視図である。
【図6】上記のTCXOにおける周波数温度特性の一例を示す特性図である。
【図7】上記のTCXOにおける周波数/電圧特性を示す特性図である。
【図8】上記のTCXOにおける基本波と3次オーバートーンとの差異を示す特性図である。
【図9】上記のTCXOにおける水晶振動子の他の例を示す側面断面図である。
【図10】上記の周波数温度特性の一例を示す特性図である。
【図11】本発明において得られた周波数温度特性を示す特性図である。
【図12】上記のTCXOにて得られる温度/周波数特性を示す特性図である。
【図13】上記のTCXOの基本波及びオーバートーンにおいて得られる特性を概略的に示す特性図である。
【図14】上記の水晶振動子の他の例を示す平面図である。
【図15】上記の水晶振動子の他の例を示す平面図である。
【図16】上記のTCXOの他の例を示す回路図である。
【図17】厚み滑り振動と輪郭滑り振動についての特性を示した模式図である。
【図18】上記のTCXOの他の例を示す平面図である。
【図19】上記のTCXOの他の例を示す平面図である。
【図20】上記のTCXOの他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の温度補償圧電発振器である温度補償水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Xtal Oscillator)の第1の実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。先ず、TCXOの回路構成について図1に示すと、このTCXOは、外部に設定周波数fの信号を出力するための主発振部11と、温度補償用の信号を発振させるための補助発振部21と、補助発振部21から出力される温度補償用の信号に基づいて主発振部11に入力する制御電圧Vを算出するために、これらの主発振部11及び補助発振部21の間に設けられた制御電圧供給部31と、を備えている。この図1中5は、補助発振部21の制御電圧V10の入力端であり、この制御電圧V10は図示しない電圧供給部により入力端5に入力される。また、6は本実施の形態に係る水晶発振器の出力端である。
【0014】
主発振部11は、圧電振動子である水晶振動子1と、この水晶振動子1に接続された主発振回路12と、を備えている。水晶振動子1は、図2及び図3に示すように、例えばATカットの水晶基板(圧電基板)2の両面に例えばCu(銅)を下地側としたCu及びAu(金)の積層膜からなる励振電極3により構成されている。この励振電極3は、主発振回路12に接続される主電極13と、後述する補助発振回路22に接続される補助電極23と、を含んでいる。この例では、励振電極3は、水晶基板2の上下面において当該水晶基板2を介して相対向し、各々同じ形状となるように形成されている。水晶基板2における主電極13、13間の領域は、主発振部11の振動領域1aを構成し、補助電極23、23間の領域は、補助発振部21の振動領域1bを構成している。
【0015】
この例では主発振部11は、水晶基板2に発生する振動モードのうち厚み滑り振動を利用し、かつその振動波のうち基本波を利用して発振するように構成されている。主電極13は、上記の基本波が水晶基板2のZ軸方向の中央部にて電荷が大きくなることから、図2に示すように、当該中央部に矩形状に形成されている。
【0016】
図2中4は、上面側及び下面側の電極13、23の夫々から水晶基板2の端部領域に各々引き回された引き出し電極であり、これらの4本の引き出し電極4は、図示を省略するが、夫々例えば水晶振動子1の表面部や側面部を引き回されて、当該水晶振動子1の下面における端部領域において、図4(a)に示すように、導電性接着剤103を介して、パッケージ100内に引き回された図示しない導電路により上記の発振回路12(22)に電気的に接続される。そして、この水晶振動子1は、気密に封止されたパッケージ100内において、上記の導電性接着剤103により片持ちの状態で固定される。この図4(a)中102はパッケージ100内に形成された4つの内部電極、図4(b)中104はパッケージ100の下面に形成された外部電極であり、これら内部電極102及び外部電極104により、各々の引き出し電極4と発振回路12(22)とが接続される。尚、図3においては、この引き出し電極4の図示を省略している。また、図2において、各電極13、23、4にはハッチングを付している。上記の図2及び図3中の各軸は、水晶基板2の結晶軸方向を示したものである。
【0017】
上記のパッケージ100は、図5(a)、(b)に示すように、上記の主発振回路12、補助発振回路22及び制御電圧供給部31が収納された発振制御部101と共に基板110上に配置されて水晶発振器(TCXO)120をなすことになる。尚、図5中111は、基板110上の発振制御部101及びパッケージ100を上方側から気密に覆うように設けられたカバー体であり、同図(b)はこのカバー体111を取り外した状態を示している。
【0018】
上記の主発振部11の前段側(入力側)には、既述の制御電圧供給部31が接続されており、この制御電圧供給部31から可変容量素子であるバリキャップダイオード14を介して、主発振部11に制御電圧Vが印加されるように構成されている。この制御電圧供給部31は、(2)式に示すように、主発振部11の基準電圧Vから温度補償電圧ΔVを減算(ΔVの符号の取り方によっては加算とも言える)することにより、上記の制御電圧Vが生成されるように構成されている。
=V−ΔV ・・・(2)
【0019】
この基準電圧Vとは、基準温度T例えば29℃において、主発振部11から設定周波数fが出力される時の制御電圧である。また、温度補償電圧ΔVは、次のように表される。即ち、制御電圧Vと発振周波数fとが比例関係にあることから、ΔVは(3)式のように表され、(4)式が成り立つことから、ΔVは(5)式として表される。尚、Tは温度検出部(温度センサー)32において検出された温度、Δf=f−fである。
ΔV=V(Δf/f) ・・・(3)
Δf/f=α(T−T)3+β(T−T)+γ ・・・(4)
ΔV=V{α(T−T)3+β(T−T)+γ}・・ ・(5)
α、β及びγはこの主発振部11に固有の定数であり、例えば予め主発振部11(TCXO)を恒温槽内に設置して例えば基準電圧Vを入力すると共に、恒温槽内の温度Tを種々変えて周波数fを測定し、これらの温度T及び周波数fの測定結果を上記の(4)式に代入して得られる連立方程式を解くことにより求められる。
【0020】
補助発振部21は、主発振部11に用いられた水晶振動子1を共用し、水晶振動子1上の補助電極23に接続される補助発振回路22を備えている。5は入力端であり、この入力端5から可変容量素子であるバリキャップダイオード24を介して補助電極23、23間の領域である補助振動領域1bに制御電圧V10が印加される。補助発振回路22は水晶振動子1に発生する振動モードのうち厚み滑り振動を利用し、振動波としてオーバートーン例えば3次オーバートーンにより発振するように構成されている。3次オーバートーンでは、水晶基板2のZ軸方向において当該水晶基板2を3つの領域に区分した時の各々の3区分領域に電荷のピークが位置する。そこで、これらの3つの領域のうち、基本波の影響を抑えるために、中央領域をできるだけ避けて両端側に補助電極23、23を形成している。即ち、補助電極23、23は、水晶基板2のZ軸方向両端側に互いに平行にX軸方向に各々伸びるように配置されると共に、主電極13の反対側における端部同士が接続されている。
【0021】
この補助発振部21の後段側には、既述の制御電圧供給部31が接続されている。制御電圧供給部31は、補助発振部21から入力される周波数信号から周波数fを計測するための例えば周波数カウンターなどからなる周波数検出部33と、この周波数検出部33において計測した周波数fに基づいて温度Tを推定する温度推定部34と、温度推定部34において推定した温度Tに基づいて既述の補償電圧ΔVを演算するための補償電圧演算部35と、補償電圧演算部35にて演算された補償電圧ΔVを基準電圧Vから減算した制御電圧Vを主発振部11に出力するための加算部36と、を備えている。尚、補償電圧ΔVの符号を正、負のいずれに決めるかによって、加算部36における演算は、(V−ΔV)、(V+ΔV)のいずれかに決まってくるが、この実施の形態では先の(5)式で求めたΔVを補償電圧として取り扱っているので、(V−ΔV)として表現している。要は、周波数温度特性に応じて周波数fが設定周波数fから変動する分だけ、ΔVによりVを補償する演算を行えば良い。
温度推定部34には、補助発振部21の周波数温度特性(この例では3次関数)が記憶されており、この温度特性と補助発振部21の発振周波数fとに基づいて(fとTとは予め設定されている)、水晶振動子1の温度Tが求められる。また、補償電圧演算部35は、例えば主発振部11の温度特性である3次関数発生器を備え、既述の(5)式及び温度Tにより、補償電圧ΔVが求められる。
【0022】
次に、上述の実施の形態の作用について説明する。主発振部11において基準温度T例えば29℃で設定周波数fが出力される基準電圧Vから、後述する温度補償電圧ΔVを減算した電圧Vをバリキャップダイオード14を介して主発振回路12に供給する。これにより主発振回路12は、主発振領域1aにおける厚み滑り振動の基本波の周波数fで発振する。この時、水晶振動子1が例えば温度T(T>T)であり、制御電圧Vが基準電圧Vであるとした場合には、図6に示すように、この主発振部11にて発振する周波数fは、基準温度Tに対応する設定周波数fから温度特性曲線である3次曲線に沿って、温度Tに対応する周波数fにずれようとする。しかし、上記のように主発振部11に供給される制御電圧Vは、基準電圧Vを温度補償電圧ΔVにより補償した値となっているので、出力端6からは設定周波数fが出力されることになる。このような温度補償電圧ΔVは、次のようにして制御電圧供給部31において計算される。
【0023】
既述のように、主発振部11における発振周波数fは、図7に示すように、制御電圧Vに比例する。従って、制御電圧供給部31において、周波数fと設定周波数fとの差分であるΔfを補償するために、Δfに相当する補償電圧ΔVだけ制御電圧Vを高くするようにコントロールされる。補償電圧ΔVは、上記の(5)式の温度Tに温度Tを代入することにより求められる。温度Tは、従来では例えばサーミスタなどを用いて既述のパッケージ100の外部において検出されていたが、本実施の形態では、次のようにして補助発振部21の発振周波数fに基づいて算出される。即ち、入力端5に制御電圧V10を入力することにより、補助発振回路22が補助発振領域1bにおける厚み滑り振動の3次高調波の周波数fで発振する。周波数検出部33は、この発振周波数fを検出し、温度推定部34にて(6)式を用いて温度Tが推定される。
f=f10{1+α(T−T10)3+β(T−T10)+γ} ・・・(6)
【0024】
10は基準温度例えば29℃であり、f10は基準電圧V10を制御電圧として補助発振回路22に供給した時に得られる周波数である。α、β及びγは、予め恒温槽を用いて温度Tを種々変更し、その時の周波数fを測定することにより求められる。これらの各常数は様々な値の制御電圧Vにおいて異なるので、上記の入力端5に入力される制御電圧Vは、これらの常数を求めた時と同じ電圧例えばV10となる。このように、本実施の形態では、主発振部11の水晶振動子1の水晶基板2を共用する補助発振部21を温度検出部32として利用している。補償電圧演算部35は、こうして求められた温度T及び既述の(5)式に基づいて、補償電圧ΔVを算出する。これにより、主発振部11の発振周波数fがΔfだけ高くなろうとし、温度Tになっていることにより発振周波数fがΔfだけ低くなろうとする作用を打ち消すため、出力端6から出力される周波数fが設定周波数fに維持されることになる。
【0025】
ここで、基本波と3次オーバートーンとについて、発振周波数fの周波数温度特性について記載しておく。両者を比較すると、3次オーバートーンの方が基本波よりも3次関数における変化量が大きく、3次オーバートーンの3次関数から基本波の3次関数を差し引くと、つまり各温度におけるΔf/fの差分を求めると図8のように表される。
【0026】
基本波においては、電極13の質量が大きい程、周波数温度特性が右回りに回転し、温度変化に伴う周波数fの変化量が大きくなることが知られている。これに対し、本発明者は実験により更に次の知見を得た。即ち、3次オーバートーンについても、図9(a)から同図(b)、(c)に示すように同様に電極23の質量を大きくしていったところ、図10に模式的に示すように、周波数温度特性である3次関数は右回りに回転するが、3次オーバートーンの場合には、電極23の質量の増加分に対する右回転の程度が基本波の場合よりも大きいことが分かった。
即ち、基本波が26MHzの水晶振動子1を用いた時の3次オーバートーンの振動モードにおいては、電極23の膜厚が1000Å(100nm)の場合に得られる周波数温度特性に対して、電極23の膜厚が2000Å(200nm)の場合には、図11(a)に示すように、右回りに回転する。このような周波数温度特性について概略的にまとめると、図11(b)に示すように表される。
【0027】
従って、基本波よりも3次オーバートーンの発振を温度検出のために利用した方が温度検出感度が高いので、この実施の形態においては、主電極13よりも補助電極23の質量を大きくすることが好ましい。電極23の質量を大きくする手法としては、電極23の厚さ、面積の少なくとも一方を大きくすることや、電極23の材質を選定する例が挙げられる。また、基本波では、温度Tに対する周波数fの変化量がオーバートーンよりも小さいので、主発振部11においてこの基本波を利用することにより、温度Tが変化しても出力される周波数f(設定周波数f)の誤差が小さく抑えられ、従って周波数変化の小さい(安定した)TCXOが得られる。
【0028】
上述の実施の形態によれば、TCXOにおいて補償電圧ΔVを求めるための温度Tを検出する温度検出部32として、主発振部11と水晶基板2を共用する補助発振部21を用いているので、外部に対して設定周波数fが発振される主発振部11と極めて近い領域(補助発振部21)にて温度Tを測定できる。そのため、温度Tの測定誤差を極めて小さく抑えることができるので、例えば水晶振動子1とは別に当該水晶振動子1が収納されるパッケージ100に隣接させてサーミスタなどの温度検出部を設けていた従来のTCXOと比べて、周波数安定度に優れると共に電子雑音の小さいTCXOを得ることができる。また、水晶振動子1には主発振回路12に接続される主電極13とは別に補助発振回路22に接続される補助電極23を配置しているので、従来のMCXO(Microcomputer Compensated Xtal Oscillator)と比べて、フィルターが無用のため、TCXOを簡単な回路で構成できる。更に、上記の温度Tを求めるための補助発振回路22ではオーバートーンを利用しているので、既述のように基本波を用いる場合よりも温度Tの変化に対する感度(周波数fの変化)が向上し、従って周波数温度特性の極めて安定したTCXOを得ることができる。
このようなTCXOにおいて、実際に得られた周波数偏差Δf/fの曲線を図12に示すと、従来のTCXOにおいて±0.2ppm程度に補償されていた温度範囲(−20℃〜75℃)よりも広い−50℃〜120℃に亘って、±0.01ppm程度の極めて良好な周波数偏差Δf/fが得られることが分かった。
【0029】
次に、上記の第1の実施の形態の変形例について列挙する。
上記の第1の実施の形態では、補助発振部21にて使用する振動波として3次オーバートーンを利用したが、5次あるいは7次以上のオーバートーンを利用しても良い。即ち、図13に示すように、5次のオーバートーンでは3次オーバートーンよりも周波数温度特性における温度変化に対する周波数偏差の変化量が大きく、即ち周波数温度特性である3次曲線が時計回りに回転した状態となり、7次以上のオーバートーンでは5次のオーバートーンよりも更に前記変化量が大きくなる。従って、高次のオーバートーンを用いることにより一層高い感度で温度Tを検出することができる。このようにオーバートーンを用いる場合には、補助電極23は水晶基板2上においてこれらのオーバートーンにおける電荷が大きくなる位置に配置されることが好ましい。
【0030】
また、主発振部11において使用する振動波としては基本波に限られず、オーバートーン例えば3次オーバートーンを用いても良い。この場合には、水晶基板2における各電極13、23は図14に示すレイアウトで配置され、主電極13は既述の補助電極23と同様の形状となり、例えば補助電極23の開口部に当該主電極13の開口部が対向するように配置される。更に、主発振部11として、5次あるいは7次以上のオーバートーンを用いても良い。
【0031】
更にまた、主発振部11ではオーバートーンを用いると共に、補助発振部21では基本波を用いても良い。この場合であっても、主発振部11と水晶基板2を共用する補助発振部21にて温度Tを測定していることから、上記の例と同様の効果が得られる。この場合には、各電極13、23は、図2における各電極13、23を互いに入れ替えた配置となる。
尚、主発振部11及び補助電極23のいずれについても基本波を振動波として用いても良い。しかしながら、既述のようにオーバートーンを用いた発振部の温度特性は、電極の質量を大きくした時の右回転の程度が基本波の場合よりも大きいことから、温度検出用の補助発振部21としては、オーバートーンを用いることが好ましい。
【0032】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、互いに異なる振動波を取り出すための補助電極23を複数組設けて、各補助電極23の組により取り出される周波数fの間で和あるいは差を求め、このようにして演算された周波数fを温度検出信号として使用する形態である。この実施の形態の一例として、補助電極23を2組設け、一方の補助電極23(第1の補助電極23a)により発振する周波数f11と他方の補助電極23(第2の補助電極23b)により発振する周波数f12との差分を温度検出信号として使用する例を挙げることができる。図15には、このような例に用いられる水晶振動子1の電極13、23のレイアウトの例を示している。
【0033】
同図(a)は、2つの補助電極23a、23bのうち主電極13に隣接する一方の補助電極23aについては、基本波を用いるために主電極13と同様に水晶基板2におけるZ軸方向中央部に配置し、他方の補助電極23bについては、3次オーバートーンを用いるために既述の図2の補助電極23と同様に配置した例を示している。この場合、水晶基板2の上下面に形成された補助電極23a、23aの間の領域が第1の補助振動領域をなし、水晶基板2の上下面に形成された補助電極23b、23bの間の領域が第2の補助振動領域をなすことになる。
【0034】
また、同図(b)は、2つの補助電極23a、23bの双方を既述の図2に示すレイアウトで配置し、これら補助電極23a、23bの開口部を主電極13側に向けて配置した例を示しており、同図(c)はこの例において主電極13についても例えば3次オーバートーンを用いるために補助電極23と同様の形状に配置した例を示している。この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、主電極13、補助電極23a、23bの各々について、基本波、3次、5次及び7次以上のオーバートーンのうちいずれの振動波を用いても良い。その場合、各電極13、23a、23bはその振動波に適した形状や配置とすることが好ましい。
【0035】
次に、この第2の実施の形態における回路の一例を図16に示すと、この第2の実施の形態のTCXOは、上記の補助電極23a、23bの夫々に接続される第1の補助発振回路22a及び第2の補助発振回路22bを備えている。これらの補助発振回路22a、22bから出力される周波数信号の周波数f11、f12は、夫々制御電圧供給部31に設けられた第1の周波数検出部33a及び第2の周波数検出部33bにて検出され、その差分が加算部37において演算される。温度推定部34は、前記周波数fの差分(f11−f12)と温度Tとの関係データ及び検出された周波数fの差分に基づいて温度Tが推定されるように構成される。既述の図8は、基本波と3次オーバートーンとの差分周波数と温度との関係データを表すものであり、3次オーバートーンにおける周波数温度特性である3次曲線から基本波における周波数温度特性である3次曲線を差し引いたものである。このグラフから分かるように、演算された周波数偏差は、温度Tに対して概略比例関係にある。3次関数を用いる場合には、温度Tが基準温度Tから離れるにつれて周波数偏差が大きくなり、山(ピーク)部分を越えると小さくなっていく。これに対して上記のように差分を求めると、温度Tが基準温度Tから離れるにつれて、周波数偏差が概ねリニアな関係で大きくなっていくことから、広範囲な温度Tにおいて温度補償を行う場合には、つまり実際の製品においては、このような実施の形態が有利であると言える。
【0036】
温度推定部34は、例えば周波数の差分(f11−f12)と温度Tとの関係データを記憶するメモリと、加算部37において求めた周波数の差分(f11−f12)に対応する温度Tをメモリ内の関係データから読み出す手段とを備えた構成とすることができる。
このように周波数fの差分を求める有利点は、基本波とオーバートーンとの間のみならず、互いに次数の異なるオーバートーンを利用する場合にも得られる。尚、2つの補助発振回路22a、22bの各周波数信号の周波数差を求める手法としては、各周波数fが正弦波信号である場合、アナログ回路からなる混合器により両周波数信号を混合してその差分の周波数fを有する周波数信号を求め、この周波数信号の周波数fを周波数検出部33により検出するようにしても良い。
【0037】
また、補助発振回路22a、22bの各周波数信号の周波数差を求める代わりに、周波数fの和を求め、求めた周波数fに基づいて例えばメモリ内の関係データを参照して温度Tを求めるようにしても良い。尚、補助電極23を3組以上設けても良く、各組で得られた周波数信号同士を加算、減算するようにしてその演算値に基づいて温度Tを求めるようにしても良い。更にまた、主電極13についても互いに異なる振動波を取り出すための主電極13を複数組例えば3組設けるようにしても良い。また、図16の回路において、既述の図1と同じ部位については同符号を付してある。
【0038】
上記の各実施の形態では、水晶基板2としてATカット基板を用いたが、水晶基板2の切断方位は例えばSCカット、FCカット、ITカットなどであっても良いし、厚み滑り振動を用いる場合にはBTカットでも良い。また、水晶基板2に代えて例えばSC、FC、IFカットなどを用いても良い。
【0039】
[補助発振部が輪郭滑りモードである例]
上記の各実施の形態では、主発振部11及び補助発振部21において各々厚み滑り振動を利用したが、補助発振部21については輪郭滑り振動モード(面滑り振動モード)を利用しても良い。輪郭滑り振動では、周波数温度特性は図17に示すように、負の2次関数として近似される。図17に示す2次関数の右下がりの領域は、温度範囲として例えば−40℃〜+100℃の部分であり、発振器の仕様として要求される使用温度範囲をカバーしている。従って、輪郭滑り振動では、TCXOの使用温度範囲においては、厚み滑り振動に比べて温度Tに対する周波数fの変化分を大きく取ることができるので、補助発振部21の振動モードとして輪郭滑り振動を用いることによって、温度Tを高い感度で検出することができる。
【0040】
(第3の実施の形態)
このような形態の例としては、主発振部11の振動モードを厚み滑り振動、補助発振部21の振動モードを輪郭滑り振動とする例を挙げることができ、この場合の主電極13は水晶基板2の中央部に矩形状に形成されると共に、補助電極23のレイアウトとしては例えば図18に示すように、水晶基板2の角部の4箇所において当該角部に沿うように、概略L字型に各々配置されることになる。図18は水晶基板2の表面側における主電極13及び補助電極23のレイアウトを示しているが、水晶基板2の裏面側においても表面側と同様のレイアウトとで主電極13及び補助電極23が配置される。また、例えば4つの補助電極23の各々には共通の補助発振回路22が接続される。
【0041】
このような構成の発振器において、主発振部11で用いる振動波及び補助発振部21で用いる振動波の組み合わせとしては、主発振部11及び補助発振部21の振動モードとして厚み滑り振動を用いた先の実施の形態と同様に、種々の組み合わせを利用することができる。即ち、主発振部11及び補助発振部21では基本波あるいはオーバートーン(3次、5次、7次等)のいずれかを用いても良く、いずれも同じ振動波であっても良いし、互いに異なる振動波(例えば主発振部11では基本波を用い、補助発振部21では3次のオーバートーンを用いる)であっても良い。
【0042】
更にまた、既述の図15に示すように、補助電極23として複数組用いる例や、主電極13として複数組用いる例などであっても良い。この場合には、例えば2組の補助電極23から得られる周波数の差分や加算値を求め、これらに基づいて温度を求めても良い。2組の補助電極23を用いる例としては、図18に示す4つの補助電極23のうち水晶基板2の対角線方向に対向する2つの組毎に補助発振回路22a、22bを接続すると共に、これらの組から出力される周波数f11、f12の差分あるいは加算値を温度検出信号として使用する例が挙げられる。
このように第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、補助発振部21の振動モードを厚み滑り振動に代えて輪郭滑り振動を用いる例である。尚、主発振部11の振動モードを輪郭滑り振動、補助発振部21の振動モードを厚み滑り振動としても良い。
【0043】
輪郭滑り振動を用いる場合には、水晶基板2として、Z’軸及びX軸が夫々一辺及び他辺をなし、Y’軸が厚み方向である晶系32の回転Y板からなる矩形の厚み滑り振動片例えばATカットの水晶を用いたが、この水晶基板2に代えて、圧電振動片の中で晶系32に属する(点群32に属する)材料例えばGaPO(リン酸ガリウム)、ランガサイト系(LGS、LGN、LGT)などの回転Y板などであっても良い。
【0044】
(第4の実施の形態)
この実施の形態は、第3の実施の形態において、主発振部11の振動モードとして輪郭滑り振動を用いる例、即ち主発振部11及び補助発振部21のいずれについても輪郭滑り振動を用いる例である。このような形態の例としては、図19に示すように、水晶基板2上の4つの角部において対角線方向に互いに対向する2つの角部の組毎に、概略L字型に主電極13及び補助電極23を水晶基板2の上下面に各々配置する例が挙げられる。また、この場合において、図20に示すように、補助発振回路22を例えば2組設ける場合には、輪郭滑り振動と共に厚み滑り振動を併用しても良い。
【0045】
以上の例では、主発振部11及び補助発振部21の振動モードとして厚み滑り振動及び輪郭滑り振動の中から選ばれているが、この2つの振動モードに限らず、例えば平行電界励振モードを用いても良い。ここで、この明細書では基本波及びオーバートーンを振動波、厚み滑り振動及び輪郭滑り振動を振動モードとして用語を区別しているが、全部を振動モードとして取り扱うならば、主発振部11で用いる振動モードの周波数温度特性よりも補助発振部21で用いる振動モード(2つの補助発振回路22a、22bを用いて周波数差あるいは周波数加算値を求める場合を含む)の周波数温度特性の方が温度変化に対する周波数偏差の変化分が大きくなるように振動モードを選定すること(例えば主発振部11に厚み滑り振動の基本波、補助発振部21に厚み滑り振動のオーバートーンを割り当てる)が好ましい。
【0046】
また、上記の第2、第3及び第4の実施の形態において、第1の実施の形態と同様に主電極13よりも補助電極23の重量を大きくすることが好ましい。
更に、上記の各例においては、水晶基板2の上下両面に各電極13、23を同じレイアウト(位置、大きさ)として配置したが、上下面において互いに異なるレイアウトとしても良いし、上下の各電極13、23のうち接地される一方の電極13、23については他方の電極13、23において共有される共通電極としても良い。
【0047】
更にまた、上記の各例では、主発振部11に入力する制御電圧Vを算出するにあたり、主発振部11に基準電圧Vを入力した時の周波数温度特性((6)式の各定数)を予め求めておき、補償電圧演算部35ではこの特性に基づいて補償電圧ΔVを算出し、加算部36では基準電圧Vから補償電圧ΔVを減算したが、例えばこの基準電圧Vとは異なる制御電圧Vにおいて3次関数の各定数を求めておき、この特性に基づいて補償電圧ΔVを算出して制御電圧Vから補償電圧ΔVを減算して、設定周波数fが出力される制御電圧Vを求めても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 水晶振動子
2 水晶基板
11 主発振部
13 主電極
21 補助発振部
23 補助電極
31 制御電圧供給部
32 温度検出部
33 周波数検出部
34 温度推定部
35 補償電圧演算部
36 加算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板に主振動領域を形成するための主電極を設けてなる圧電振動子と、前記主電極に接続された主発振回路と、を備え、設定周波数信号を出力するための主発振部と、
前記主発振部に用いられる圧電基板に前記主電極とは別個に、補助振動領域を形成するための補助電極を設けてなり、前記主発振回路の圧電振動子に対して圧電基板が共用化される圧電振動子と、前記補助電極に接続された補助発振回路と、を備え、温度センサーとして用いられる補助発振部と、
この補助発振部の発振出力の周波数を検出し、この周波数と前記補助発振部の周波数の温度特性とに基づいて、温度を推定する温度推定部と、
この温度推定部により推定された温度と前記主発振部の周波数の温度特性とに基づいて、前記設定周波数信号を得るための制御電圧を求めて前記主発振回路に供給する制御電圧供給部と、を備えたことを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記補助発振部で使用する振動波は、オーバートーンであることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記補助発振部の振動モードは、輪郭すべり振動であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記主発振部の振動モードは、厚みすべり振動であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の圧電発振器。
【請求項5】
前記主発振部で使用する振動波は、オーバートーンであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の圧電発振器。
【請求項6】
前記補助発振部は、第1の補助振動領域を形成する第1の補助電極と、第2の補助振動領域を形成する第2の補助電極と、これら第1の補助電極及び第2の補助電極に夫々接続された第1の補助発振回路及び第2の補助発振回路と、これら第1の補助発振回路及び第2の補助発振回路の各発振周波数の差分または和を求めて補助発振部の発振出力を得る手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の圧電発振器。
【請求項7】
前記補助電極は、前記主電極よりも重量が大きいことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の圧電発振器。
【請求項8】
前記制御電圧供給部は、主発振部が基準温度において設定周波数を出力する制御電圧である基準電圧に対して、温度補償電圧を求め、前記基準電圧と温度補償電圧とを加算して制御電圧を求めることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−135342(P2011−135342A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293081(P2009−293081)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】