説明

基板ホルダおよびクリッピング装置

【課題】本発明の目的は、微粒子による汚染を減少させることのできる基板ホルダを提供することである。
【解決手段】本発明は、基板支持体と、第1の位置においては支持体上に配置された基板と係合し、別の位置においては基板から離れて配置されるように構成された可動クリッピング手段と、クリッピング手段を第2の位置から第1の位置へ動かすための位置決め手段とを備えた基板ホルダに関する。基板が支持体上に配置されていないときにクリッピング手段と支持体との接触を防止するために、弾性停止要素が使用され、この弾性停止要素は、クリッピング手段の運動を制限する。さらに本発明は、これらの基板ホルダおよびクリッピング装置を使用したクリッピング装置およびイオン注入装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を取り外し可能に基板ホルダ上に保持するための基板ホルダおよびクリッピング装置に関する。基板ホルダおよび/またはクリッピング装置は、例えば、イオン注入装置に使用される。
【背景技術】
【0002】
イオン注入装置、例えば、Applied Materials社のQuantum Implanterは、半導体基板内にイオンを注入するのに使用される。例えば、水素イオンおよび/またはヘリウムイオンが、半導体オンインシュレータ(SOI)基板を製造するのに使用されるいわゆるSmart Cut(商標)プロセスにおいて、直径が200mmまたは300mmのシリコンウェーハ内に注入される。
【0003】
図1は、そのような注入装置を概略的に示す。装置は、複数のアーム3を伴う注入ホイール1を備え、それぞれのアーム3は、それらの外端に、処理されるべき基板が配置される基板支持体5を有する。基板は、基板支持体5の見えない面上に配置されるため、図1においては見えない。ホイール1は、このホイール1の垂直面に存在する軸線7を中心に、約850rpmの速度で回転することができる。注入ホイール1は、イオン注入装置のチャンバ9内に配置され、このイオン注入装置は、さらに、基板内に注入するのに使用される、例えば水素イオンおよび/またはヘリウムイオンなどのイオンビームを放射するように構成されたイオンビーム発生器11を備える。ホイール1は、軸線7を中心に回転するように構成されるだけでなく、方向13に直線的に平行移動することができ、それによって、基板支持体5の中の1つに配置された基板の表面全体に注入することができる。
【0004】
回転中、および、平行移動中、基板を基板支持体5上に固定するために、基板支持体5は、基板ホルダ5の背面を示す図2に示されるように、ホイール1の外縁上に存在する基板支持体5のエッジ領域に固定保持手段15を備える。回転中、基板支持体5上に配置された基板は、遠心力によって固定保持手段15に押しつけられ、それによって、適切な位置に確実に保持される。さらに、基板支持体5上に基板を保持するために、ホイール1が、例えば、ホイールに装填し、またはホイールから取り出すために減速して静止したとき、さらなるクリッピング手段17および19が固定保持手段15の反対側に設けられる。Quantum Implanterにおいては、クリッピング手段17および19は、ホイール1が減速し、静止したときには基板支持体5上の基板と係合するが、ホイール1が高速で回転しているときには、基板から遠ざかるように構成される。これは、ばねおよびカウンターウェイトを使用することによって達成され、これらのばねおよびカウンターウェイトは、遠心力が存在しないか、または所定のしきい値よりも小さい場合には、ばねによって加えられる力がクリッピング手段17および19を基板の方に戻して基板をホルダ5上に保持するように、回転中には、カウンターウェイトに作用する遠心力がばねの弾性力に逆らい、それによって、クリッピング手段17および19が基板から遠ざかるように、構成および配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
予め定められた剥離領域を形成するために、イオンが半導体基板内に注入され、それに続いて、予め定められた剥離領域によって規定される層を転写するために、半導体基板が第2の基板に貼り合わせられるSmart Cut(商標)プロセスにおいては、注入ステップの品質は重要である。しかしながら、注入装置から取り出される基板の微粒子による汚染は、頻発するよく知られた問題であり、洗浄作業を必要とするために、ツールのアップタイムを減少させる。注入装置においては、いくつかの汚染発生源が特定されている。とりわけ、汚染は、ホイール1上へ基板を装填する装填機構、イオンビームの生成、および、ホイール1の回転に起因して発生する可能性がある。最終的な製品品質を保証するために生産サイクルが中断されなければならず、そして、注入装置を洗浄するために、注入チャンバ9が定期的に開けられなければならない。ツールが点検のために開けられなければならないときにはいつでも、注入装置の信頼性保証試験が実行されなければならず、この信頼性保証試験は製造ラインのダウンタイムを増加させ、それにより、全体的な製造コストが増加する。
【0006】
これに鑑みて、本発明の目的は、微粒子による汚染を減少させることのできる解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の基板ホルダによって達成される。本発明による基板ホルダは、基板支持体と、第1の位置においては基板支持体上の基板と係合し、第2の位置においては基板から離れて配置されるように構成された可動クリッピング手段と、クリッピング手段を第2の位置から第1の位置へ動かすための位置決め手段、特に弾性位置決め手段と、第2の位置および第1の位置によって規定される方向において基板支持体に近づく方向へのクリッピング手段の運動を制限する停止手段、特に弾性停止要素と、を備え、それによって、基板が基板支持体上に存在しない場合でさえも、クリッピング手段は基板支持体から離れて配置された状態に維持される。
【0008】
停止手段を提供することによって、注入装置において知られている粒子汚染を減少させることができる。基板が支持体上に存在しない場合ですらも、停止手段、特に弾性要素は、クリッピング手段と基板支持体との接触が発生しないことを保証する。これとは対照的に、従来技術においては、ホイールが減速すると、クリッピング手段と空の基板支持体との間で接触が発生し、これが粒子を生成していた。実際には、クリッピング手段の基板ホルダに近づく方向への運動は、ばねによって確保され、基板ホルダ自身によってしか制限されない。
【0009】
好ましくは、可動クリッピング手段、位置決め手段、および、停止手段は、1つのモジュラーユニットを形成する。モジュラーユニットを準備することによって、位置決め手段と組み合わせた従来技術による既存のクリッピング手段を容易に交換することができ、それによって、現場ですでに使用されている機械は、大きなダウンタイムを伴うことなくグレードアップすることができる。
【0010】
より好ましくは、モジュラーユニットは、モジュラーユニットを基板支持体に接続するための接続板を備えてもよい。これにより、すでに使用されているツールがさらに容易にグレードアップできる。
【0011】
好ましい実施形態によれば、基板支持体は金属板を備え、同様にクリッピング手段も金属である。基板支持体は、この基板支持体がヒートシンクの役割をなすように金属であるべきであり、また、クリッピング手段は、同様に、基板を基板支持体上にクリッピングするときに十分な強度を提供するために、金属からなる。一方において、金属のクリッピングピンは十分な耐熱性を可能にし、それによって、イオンビームの影響下において、クリッピング手段は、自身の形状を維持する。他方において、さらなる信頼性保証プロセスが不要になる。
【0012】
好ましくは、弾性停止要素は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)であってもよい。PVDFおよびPEEKは、柔軟性、軽量性、および、薬品、熱、炎に対する良好な耐性を提供するために、PVDFおよびPEEKの寿命は、イオン注入装置の過酷な環境において使用するに足るほどに十分に長い。PVDFは、PEEKよりも経済的である。
【0013】
好ましい実施形態によれば、基板ホルダは、クリッピング手段、特に回転力/遠心力に基づいて、第1の位置から第2の位置へ動かすためのカウンター位置決め手段を備えてもよい。したがって、注入中、クリッピング手段は基板から遠ざけられ、それによって、クリッピング手段に近いことによって発生するシェーディング効果などを防止できるので、基板の表面全体に注入することができる。
【0014】
本発明の目的は、また、請求項7に記載のクリッピング装置によって達成され、このクリッピング装置は、上述した実施形態およびそれらの変形に基づいた基板ホルダ上の基板を取り外し可能に保持するのに適している。このクリッピング装置は、可動クリッピング手段と、クリッピング手段を動かすための、特に直線的に動かすための位置決め手段と、位置決め手段によって少なくとも一方向に強いられるクリッピング手段の位置決め運動の範囲を制限するための停止手段、特に弾性停止要素とを備える。この装置によれば、基板ホルダ上にその後に配置される基板の表面を汚染する粒子を形成する可能性のある可動クリッピング手段と基板ホルダとの望ましくない接触を防止することができ、または、少なくとも減少させることができる。
【0015】
好ましくは、弾性停止要素は、ポリフッ化ビニリデンであってもよく、このポリフッ化ビニリデンは、柔軟性、軽量性、および、薬品、熱、炎に対する良好な耐性を提供するために、このポリフッ化ビニリデンの寿命は、イオン注入装置の過酷な環境において使用するに足るほどに十分に長い。
【0016】
有利には、弾性停止要素が固定される。弾性停止要素をクリッピング装置の静止した部品上に有することによって、クリッピング装置の設計は簡素化され、動く部品の重量を最小限に維持することができる。
【0017】
さらなる好ましい実施形態によれば、クリッピング手段は、停止要素係合板が停止手段に接触し、それによって、クリッピング手段の運動を停止させるように構成および配置されたピン領域および停止要素係合板を備えてもよい。これによって、単一加工物によって両方の機能を達成することができ、そのために、クリッピング装置の設計をさらに簡素化することができる。
【0018】
好ましくは、停止要素係合板は、この停止要素係合板が弾性停止要素を少なくとも部分的にマスクするように構成および配置されてもよい。これにより弾性停止要素をイオンビームから保護することができる。
【0019】
本発明は、また、上述したような基板ホルダおよびクリッピング装置を備えたイオン注入装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この分野において知られているイオン注入装置の注入ホイールを概略的に示す図である。
【図2】この分野において知られているイオン注入装置で使用される基板ホルダの背面図である。
【図3】本発明による基板ホルダおよびクリッピング装置の一部分を概略的に示す底面図であり、対応するクリッピング手段は、第1の位置に存在している。
【図4】クリッピング手段が第2の位置にあるときの基板ホルダおよびクリッピング装置を概略的に示す底面図である。
【図5】ホルダ上に基板が存在しているときの本発明による基板ホルダおよびクリッピング装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
図3(a)は、本発明による基板ホルダ21の底面側の部分図を概略的に示す。図面においては、基板は、基板ホルダ上に配置されていない。図1に示されるようなイオン注入装置および図2に示されるような基板ホルダに関してすでに使用された符号を備えた以下で説明される特徴については、繰り返して詳細には説明しないが、すでになされたそれらの説明は、参照によって含められる。
【0023】
本発明による基板ホルダ21は、例えばステンレス鋼(inox)からなる、典型的には円形の金属板である基板支持体5を備え、それによって、基板支持体5はヒートシンクの役割をなし、さらに、基板ホルダ21は、クリッピング装置23を備える。クリッピング装置23は、基板ホルダ5に対して、図2に示される従来技術のクリッピング装置17および19と同じ位置に配置される。
【0024】
クリッピング装置23は、ピン領域25および保護板27を備えた可動クリッピング手段を備える。ピン領域25および保護板27は、この実施形態においては、単一加工物からなる。さらに、カウンター位置決め手段を表すカウンター本体(counter body)31が、ピン領域25および保護板27と一体的に形成される。この加工物は、回転軸線を規定するピボット29に取り付けられ、加工物は一方のアームを形成し、ピン領域および保護板27は、他方のアームを形成する。
【0025】
回転軸線を実現するピボット29は接続板33に接続され、この接続板33は、ボルト37を用いて、クリッピング装置23を基板ホルダ21の取り付け領域35に接続する役割をなす。弾性位置決め手段の役割をなし、ピン領域25を接続板33に連結するばね39の弾性力は、他の力が存在しない場合には、エッジ41の近くの定められた位置に存在するピン領域25を、基板支持体5のエッジ領域に存在する円弧状のクリアランス43内に、かつ、基板支持体5に接触することなく、正確に保持する。
【0026】
ピン領域25とエッジ41とが接触しないことを保証するために、停止手段の役割をなす弾性停止要素45が、接続板33に取り付けられる。この実施形態においては、停止要素45は、立方形の形状を有し、また、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)からなる。停止要素45は、この実施形態においては、保護板27が弾性停止要素45の表面47上に静止するとき、ばね39によって強いられるクリッピング手段(ピン領域25および保護板27)の運動を効果的に制限する。この意味において、保護板27は、停止要素係合板の役割をなす。
【0027】
保護板27が表面47に接触するときに微粒子が生成されるのを防止するために、PVDFのような弾性材料が停止要素45に使用される。PVDFは、柔軟性、軽量性、および、薬品、熱、炎に対する良好な耐性を提供する。保護板27が停止要素45に当接するのを可能にするのであればいかなる形状も本発明の機能を満たすので、本発明は、停止要素45が立方形の形状であることに限定されることはない。
【0028】
保護板27は、イオン注入中に、その下にある停止要素45がイオンビームに暴露されるのを防止する。
【0029】
図3(b)は、図3(a)に示される状態に対応する基板ホルダ21の平面図である。この平面図は、固定保持手段15とアーム要素3とを備えた基板支持体5を示す。2つのクリッピング装置23のピン領域25を上部から見ることができる。本発明によれば、弾性停止要素45は、停止要素係合板27と協働して、基板支持体5上に配置される基板が存在しない場合にピン領域25と基板支持体5とが接触しないことを保証する。
【0030】
この図面においては、弾性停止要素45は見えない。実際には、上述したように、この弾性停止要素45は、停止要素係合板の役割もなす保護板27によって、イオンビームから保護される。
【0031】
図3(c)は、同じ状態を側断面図で示す。矢印の方向に作用するばね39の弾性力によって、ピン領域25およびカウンター本体31は、ピボット29を中心に回転し、停止要素係合板27は、停止要素45上において静止し、カウンター本体31は、接続板33から離れて配置される。その結果として、基板ホルダ5のエッジのクリアランス43とピン25とは接触しない。
【0032】
この実施形態においては、クリッピング領域25と、保護板27と、ばね39と組み合わせたピボット29によって形成される位置決め手段と、カウンター本体31と、停止要素45とを伴うクリッピング装置23は、すべて接続板33に取り付けられ、それによって、モジュラーユニットを形成する。
【0033】
本発明の変形によれば、保護板27と停止要素45とを接触させてピン領域25の運動を制限する代わりに、停止要素45’が、カウンター本体がばね39の力によって停止要素45’に当接するように配置されてもよい。これは、図3(c)に点線で概略的に示されている。
【0034】
図4(a)は、同様に、基板ホルダ21の部分図を示すが、この時点においては、ピン領域25は、基板ホルダ5のエッジ43からさらに遠く離れた第2の位置にある。この状態は、ホイール1が、高速で、例えば、約850rpmで回転しているときに達成され、それによって、カウンター位置決め手段の役割をなすカウンター本体31に作用する回転力(rotational force)は、弾性位置決め手段39の弾性力に逆らってピボット29を中心にした回転を引き起こし、それによって、ピン25を、図3(a)に示されるような基板支持体5のエッジ43に近い位置から遠ざかるように動かす。実際には、回転力のために、カウンター本体は、回転面に近づく方向へ動かされる。この実施形態においては、さらにまた、弾性力に逆らった運動は制限され、それによって、カウンター本体31と接続板33との間のあらゆる金属同士の接触を妨げる。図4(a)に示される構成においては、高速においては、カウンター本体31は、回転平面に配置される。停止要素係合板27(保護板27)は、停止要素45とはもはや接触していない。
【0035】
対応する平面図が、図4(b)に示される。図4(b)は、固定保持手段15を備えた基板ホルダ5、アーム領域3、および、現時点において図3(b)に示されるものよりも基板支持体5のエッジ41からより遠くへ動かされた可動クリッピング手段25を示す。
【0036】
図4(c)は、同じ状態を側断面図で示す。この第2の位置においては、停止要素係合板27は、停止要素45とはもはや接触していない。
【0037】
ところで、基板を基板ホルダ5上に搭載または装填するときには、クリップアクチュエータが、図4(a)〜図4(c)に示されるのと実質的に同じ位置へカウンター本体31を押しやり、基板支持体のエッジ41からクリッピングピン25を引き離し、ホイールが静止しているときに、取り出しまたは装填を容易にする。
【0038】
図5は、ホイール1が静止しているときに基板51が基板ホルダ5上に配置された状態を概略的に側断面図として示す。基板ホルダ5のエッジ41におけるクリアランス領域43において、基板51は、基板支持体5のエッジ41を越えて横方向に延びる。ばね39の弾性力(矢印を参照)のために、ピン領域25は、基板51のエッジ53に接触した状態で保持され、基板51を固定保持手段15に実際に押しつけることによって、基板51を基板ホルダ5上にクランプする。したがって、このとき、ピン領域25は、基板51のエッジ55に接触しており、これは、ばね39が停止要素係合板27を停止要素45の表面47に押しつけるのを妨げる。したがって、基板係合位置においては、ピン領域25は、図3(c)に示される位置と図4(c)に示される位置との間の中間位置に存在する。
【0039】
例えば図1に示されるようなイオン注入装置に使用されてもよい本発明による新しいクリッピング装置23を備えた本発明の基板ホルダ21によれば、ピン領域25は、ホイール1に含まれる基板ホルダ5の中の1つに配置される基板が存在しないとき、常に基板支持体5とは接触しないことが保証される。そうすることによって、従来技術において基板の近傍における金属同士の接触によって発生する粒子の生成を防止することができ、または、少なくとも減少させることができる。
【0040】
モジュラーユニットを準備することによって、すでに使用されている停止要素41を有していないクリッピング装置は、機械の設計を変更することを必要とせずに取り替えることができる。
【符号の説明】
【0041】
1…注入ホイール、3…アーム、5…基板支持体、7…軸線、9…チャンバ、11…イオンビーム発生器、13…平行移動方向、15…固定保持手段、17…クリッピング装置、19…クリッピング装置、21…基板ホルダ、23…クリッピング装置、25…ピン領域、27…保護板、29…ピボット、31…カウンター本体、33…接続板、35…取り付け領域、37…ボルト、39…ばね、41…エッジ、43…クリアランス、45…弾性停止要素、45’…弾性停止要素、47…表面、53…エッジ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体(5)と、
第1の位置において前記基板支持体(5)上の基板(51)と係合し、第2の位置において前記基板から離れて配置されるように構成された可動クリッピング手段(25)と、
前記クリッピング手段(25)を前記第2の位置から前記第1の位置へ動かすための位置決め手段(39)、特に弾性位置決め手段と、
前記第2の位置および前記第1の位置によって規定される方向において前記基板支持体に近づく方向への前記クリッピング手段(25)の運動を制限し、それによって、前記基板支持体(5)上に前記基板が存在しない場合でも、前記クリッピング手段(25)が前記基板支持体(5)から離れて配置された状態に維持される、停止手段、特に弾性停止要素(45)と、
を備えた基板ホルダ。
【請求項2】
前記可動クリッピング手段(25)、前記位置決め手段(39)、および、前記停止手段(41)が、1つのモジュラーユニットを形成する請求項1に記載の基板ホルダ。
【請求項3】
前記モジュラーユニットが、前記モジュラーユニットを前記基板支持体(5)に接続するための接続板(33)を備えた請求項2に記載の基板ホルダ。
【請求項4】
前記基板支持体(5)が金属板を備え、同様に、前記クリッピング手段(25)が金属である請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板ホルダ。
【請求項5】
前記弾性停止要素(45)が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板ホルダ。
【請求項6】
前記クリッピング手段(25)を、特に回転力に基づいて、前記第1の位置から前記第2の位置に動かすためのカウンター位置決め手段(31)をさらに備えた請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板ホルダ。
【請求項7】
可動クリッピング手段(25)と、
前記クリッピング手段を動かすための、特に直線的に動かすための位置決め手段(39)と、
前記位置決め手段(39)によって少なくとも一方向に強いられる前記クリッピング手段(25)の位置決め運動の範囲を制限するための停止手段、特に弾性停止要素(45)と、
を備えた、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板ホルダ上の前記基板を取り外し可能に保持するためのクリッピング装置。
【請求項8】
前記弾性停止要素(45)が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)からなる請求項7に記載のクリッピング装置。
【請求項9】
前記弾性停止要素(45)が固定されている請求項7または8に記載のクリッピング装置。
【請求項10】
前記クリッピング手段が、停止要素係合板(27)が前記停止手段(41)に接触し、それによって、前記クリッピング手段(25)の運動を停止させるように構成および配置されたピン領域(25)および前記停止要素係合板(27)を備えた請求項7または8に記載のクリッピング装置。
【請求項11】
前記停止要素係合板(27)が、前記弾性停止要素(45)を少なくとも部分的にマスクするように構成および配置された請求項10に記載のクリッピング装置。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板ホルダおよび請求項7〜11のいずれか一項に記載のクリッピング装置を備えたイオン注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−103447(P2011−103447A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−199199(P2010−199199)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(598054968)エス. オー. アイ. テック シリコン オン インシュレーター テクノロジーズ (101)
【Fターム(参考)】