説明

基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録した記録媒体

【課題】基板のリンス処理時に、基板が熱変形したり、処理液とリンス液とが反応したりするのを防止して、リンス液の飛散を防止すること。
【解決手段】本発明では、基板の表面を処理液で液処理した後に処理液よりも低温のリンス液でリンス処理する基板液処理において、液処理とリンス処理との間に基板の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことにした。中間処理は、処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度の中間処理液を基板に供給することにした。また、中間処理液を基板の裏面のみに供給することにした。また、処理液及びリンス液の供給を停止した状態で基板を回転させることにした。また、液処理時に処理液として反応熱の生成を伴う化学反応を行う複数種類の薬液の混合液を基板に供給するとともに、中間処理時にいずれかの薬液の供給を停止することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録した記録媒体に関するものであり、特に、基板の表面を処理液で液処理した後にリンス液でリンス処理する基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体部品やフラットディスプレイなどを製造する場合には、半導体ウエハや液晶基板などの基板を洗浄液やエッチング液などの処理液で液処理した後にリンス液でリンス処理するために基板液処理装置を用いている。
【0003】
この基板液処理装置は、筺体の内部に基板処理室を設け、基板処理室の内部に基板を水平に回転保持するための基板保持手段と、基板に処理液を供給して基板の液処理を行うための処理液供給手段と、基板にリンス液を供給して基板のリンス処理を行うためのリンス液供給手段とを設けた構成となっている。
【0004】
そして、基板液処理装置では、基板保持手段で水平に回転保持した基板の表面(主面:回路形成面)に向けて処理液供給手段から処理液を供給して液処理し、その後続けて、基板保持手段で水平に回転保持した基板の表面に向けてリンス液供給手段からリンス液を供給してリンス処理するようにしている。
【0005】
この基板液処理装置では、たとえば、特許文献1に開示されているように、処理液として硫酸と過酸化水素水とを混合して反応熱の生成を伴う化学反応をさせた100℃以上のSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)を用いて基板の表面からレジストを除去する液処理を行うとともに、リンス液として常温の純水を用いて液処理後のリンス処理を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−278509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記従来の基板液処理装置では、高温の処理液で液処理した直後に処理液よりも低温のリンス液でリンス処理しているために、液処理時とリンス処理時で基板の温度差が大きく、基板が熱変形してしまい基板が歪み、それにより、基板保持手段で基板を良好に保持できなくなるとともに、基板の表面から処理液が周囲に飛散して基板処理室の内部を汚損してしまうおそれがあった。
【0008】
また、上記従来の基板液処理装置では、リンス処理開始直後においては液処理で高温となっている基板にリンス液を供給することになるために、処理液やリンス液の種類によっては残留する処理液とリンス液とが高温雰囲気下で急激な化学反応を起こし、反応生成物が霧状に飛散して基板処理室の内部を汚損してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明では、基板の表面を処理液で液処理した後にリンス液でリンス処理する基板液処理装置において、前記基板を保持するための基板保持手段と、前記基板の表面に前記処理液を供給して前記基板の液処理を行うための処理液供給手段と、前記基板の表面に前記処理液よりも低温のリンス液を供給して前記基板のリンス処理を行うためのリンス液供給手段と、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする制御手段とを有することにした。
【0010】
また、前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を基板に供給することにした。
【0011】
また、前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することにした。
【0012】
また、前記処理液供給手段は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給する構成とし、前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段を用いて前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にすることにした。
【0013】
また、前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段及びリンス液供給手段から前記基板の表面への前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板保持手段で前記基板を回転させることにした。
【0014】
また、前記処理液供給手段は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給する構成とし、前記リンス液供給手段は、前記基板の表面に前記リンス液を供給し、前記基板の裏面に加熱されたリンス液を供給する構成とし、前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段を用いて前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にし、その後、前記リンス液供給手段を用いて第2の薬液の液温未満かつ前記基板の表面に供給するリンス液よりも高い温度に加熱されたリンス液を前記基板の裏面に供給することにした。
【0015】
また、前記第1の薬液は、過酸化水素水であり、前記第2の薬液は、硫酸であり、前記リンス液は、純水であることにした。
【0016】
また、本発明では、基板を保持するための基板保持手段と、前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給管と、前記処理液供給管に第1の開閉弁を介して第1の薬液を供給する第1の薬液供給管と、前記処理液供給管に第2の開閉弁を介して第2の薬液を供給する第2の薬液供給管と、前記基板の表面にリンス液供給用開閉弁を介して前記処理液よりも低温のリンス液を供給するリンス液供給管と、前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁と前記リンス液供給用開閉弁を制御するための制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁を開き、前記第1の薬液と前記第2の薬液とを混合させた処理液を前記基板に供給し、その後、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開き、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする前記第2の薬液を前記基板に供給し、その後、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁を閉じ、前記リンス液供給用開閉弁を開き、前記基板に前記処理液よりも低温のリンス液を供給するように制御することにした。
【0017】
また、本発明では、基板の表面を処理液で液処理し、その後、前記基板の表面を前記処理液よりも低温のリンス液でリンス処理する基板液処理方法において、前記液処理と前記リンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことにした。
【0018】
また、前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板に供給することにした。
【0019】
また、前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することにした。
【0020】
また、前記中間処理は、前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板を回転させ、前記基板の表面の前記処理液を除去することにした。
【0021】
また、前記液処理は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給し、前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にすることにした。
【0022】
また、前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給することにした。
【0023】
また、前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給し、前記リンス処理は、前記基板の表面に前記第2の中間処理液の液温と同じ温度のリンス液を供給した後に、前記第2の中間処理液の液温より低い温度のリンス液を供給することにした。
【0024】
また、前記処理液は、硫酸と過酸化水素水との混合液であり、前記第1の中間処理液は、加熱された硫酸であり、前記第2の中間処理液は、純水であり、前記リンス液は、純水であることにした。
【0025】
また、本発明では、基板の表面を処理液で液処理し、その後、前記基板の表面を前記処理液よりも低温のリンス液でリンス処理する基板液処理プログラムを記録した記録媒体において、前記液処理と前記リンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことにした。
【0026】
また、前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板に供給することにした。
【0027】
また、前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することにした。
【0028】
また、前記中間処理は、前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板を回転させることにした。
【0029】
また、前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給することにした。
【発明の効果】
【0030】
そして、本発明では、液処理とリンス処理との間に、基板の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことにしているために、基板の温度変化が小さくなり、基板の熱変形を防止することができ、これにより、基板を基板保持手段で良好に保持することができるとともに、基板の変形に伴う処理液の飛散を防止して基板処理室の内部の汚損を防止することができる。
【0031】
また、本発明では、リンス処理開始直後の基板の温度を従来よりも低減させることができるので、処理液やリンス液の種類によって化学反応を起こすような場合であっても、処理液とリンス液との急激な化学反応の発生を抑制することができ、これにより、化学反応に伴う反応生成物の飛散を防止して基板処理室の内部の汚損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】基板液処理装置を示す平面図。
【図2】基板処理室を示す模式図。
【図3】同動作説明図(基板受取工程)。
【図4】同動作説明図(液処理工程)。
【図5】同動作説明図(第1の中間処理工程)。
【図6】同動作説明図(振切処理工程)。
【図7】同動作説明図(第2の中間処理工程)。
【図8】同動作説明図(高温のリンス処理工程)。
【図9】同動作説明図(低温のリンス処理工程)。
【図10】同動作説明図(乾燥処理工程及び基板受渡工程)。
【図11】同工程図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明に係る基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1に示すように、基板液処理装置1は、前端部に基板2(ここでは、半導体ウエハ。)を複数枚(たとえば、25枚。)まとめてキャリア3で搬入及び搬出するための基板搬入出台4を形成するとともに、基板搬入出台4の後部にキャリア3に収容された基板2を1枚ずつ搬送するための基板搬送ユニット5を形成し、基板搬送ユニット5の後部に基板2の洗浄やレジスト除去などの各種の処理を行うための基板処理ユニット6を形成している。
【0035】
基板搬入出台4は、4個のキャリア3を基板搬送ユニット5の前壁7に密着させた状態で左右に間隔をあけて載置できるように構成している。
【0036】
基板搬送ユニット5は、前側に搬送装置8を収容した搬送室9を形成するとともに、後側に2個の基板受渡台10,11を上下に収容した基板受渡室12を形成している。
【0037】
また、基板搬送ユニット5は、搬送室9と基板受渡室12とを受渡口13を介して連通連結している。
【0038】
そして、基板搬送ユニット5は、搬送装置8を用いて基板搬入出台4に載置されたいずれか1個のキャリア3と上下いずれかの基板受渡台10,11との間で基板2を1枚ずつ搬送するようにしている。
【0039】
基板処理ユニット6は、中央部上側に前後に伸延する第1の基板搬送室14を形成し、第1の基板搬送室14の左側に第1〜第4の基板処理室15〜18を前後に並べて形成するとともに、第1の基板搬送室14の右側に第5〜第8の基板処理室20〜23を前後に並べて形成している。
【0040】
また、基板処理ユニット6は、中央部下側に第1の基板搬送室14と同様に前後に伸延する第2の基板搬送室25を形成し、第2の基板搬送室25の左側に第9〜第12の基板処理室26〜29を前後に並べて形成するとともに、第2の基板搬送室25の右側に第13〜第16の基板処理室31〜34を前後に並べて形成している。
【0041】
ここで、第1の基板搬送室14は、内部に前後方向に移動可能に構成した第1の基板搬送装置36を収容するとともに、基板受渡室12の上側の基板受渡台10に第1の基板搬入出口37を介して連通している。また、第2の基板搬送室25は、内部に前後方向に移動可能に構成した第2の基板搬送装置38を収容するとともに、基板受渡室12の下側の基板受渡台11に第2の基板搬入出口39を介して連通している。
【0042】
このように、基板処理ユニット6は、第1〜第4の基板処理室15〜18及び第5〜第8の基板処理室20〜23を前後に並べて配設するとともに、前後に並べた第1〜第4の基板処理室15〜18及び第5〜第8の基板処理室20〜23の側方に前後に伸延する第1の基板搬送室14を配設して、第1段目を形成し、また、第9〜第12の基板処理室26〜29及び第13〜第16の基板処理室31〜34を前後に並べて配設するとともに、前後に並べた第9〜第12の基板処理室26〜29及び第13〜第16の基板処理室31〜34の側方に前後に伸延する第2の基板搬送室25を配設して、第2段目を形成し、全体で上下に2段構成となっている。
【0043】
そして、基板処理ユニット6は、第1又は第2の基板搬送装置36,38を用いて基板搬送ユニット5の基板受渡室12と各基板処理室15〜18,20〜23,26〜29,31〜34との間で基板2を1枚ずつ水平に保持した状態で搬送するとともに、各基板処理室15〜18,20〜23,26〜29,31〜34で基板2を1枚ずつ処理するようにしている。
【0044】
各基板処理室15〜18,20〜23,26〜29,31〜34は、同様の構成をしており、第1の基板処理室15の構成について以下に説明する。
【0045】
基板処理室15は、図2に示すように、内部に基板2を保持するための基板保持手段40と、基板2に処理液を供給して基板2の液処理を行うための処理液供給手段41と、基板2にリンス液を供給して基板2のリンス処理を行うためのリンス液供給手段42を収容している。
【0046】
基板保持手段40は、上下に伸延する中空円筒状の回転軸43の上端部に円板状のターンテーブル44を水平に取付け、ターンテーブル44の上面外周部にウエハチャック45を円周方向に間隔をあけて取付けるとともに、ターンテーブル44の外方に処理後の処理液やリンス液をそれぞれ回収する上下3段の回収口46,47,48を有するとともに図示しない排液管に接続されたカップ49を配置している。
【0047】
この基板保持手段40は、回転軸43に回転昇降機構50を接続し、回転昇降機構50によって回転軸43を回転及び昇降させるようにし、それに伴って、ウエハチャック45で水平に保持した基板2を回転及び昇降させるようにしている。ここで、回転昇降機構50は、制御手段51に接続しており、制御手段51によって駆動制御されている。
【0048】
処理液供給手段41は、上下に伸延する支持軸52の上端部にアーム53を水平に取付け、アーム53の先端部に処理液供給ノズル54を吐出口を下方に向けて取付けている。
【0049】
この処理液供給手段41は、支持軸52に回転機構55を接続し、回転機構55によって支持軸52を回転させるようにし、それに伴って、処理液供給ノズル54を基板2の外周部外方の退避位置から基板2の中心部上方の供給位置まで基板2の上方を移動させるようにしている。ここで、回転機構55は、制御手段51に接続しており、制御手段51によって駆動制御されている。
【0050】
また、処理液供給手段41は、処理液として硫酸(第1の薬液)と過酸化水素水(第2の薬液)とを混合して反応熱の生成を伴う化学反応をさせたSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)を用いており、硫酸を供給するための硫酸供給源56に第1の薬液供給管78を介して混合器60に接続するとともに、第1の薬液供給管78にヒーター57、流量調整弁58、第1の開閉弁59を順に介設する一方、過酸化水素水を供給するための過酸化水素水供給源61に第2の薬液供給管79を介して混合器60に接続するとともに、第2の薬液供給管79に流量調整弁62、開閉弁63を順に介設し、そして、混合器60を処理液供給管80を介して処理液供給ノズル54に接続している。ここで、ヒーター57、流量調整弁58,62、第1の開閉弁59,63は、制御手段51に接続しており、制御手段51によって制御されている。
【0051】
リンス液供給手段42は、上下に伸延する支持軸64の上端部にアーム65を水平に取付け、アーム65の先端部に基板2の表面(上面)に向けてリンス液を供給するための表面側リンス液供給ノズル66を吐出口を下方に向けて取付けている。
【0052】
このリンス液供給手段42は、支持軸64に回転機構67を接続し、回転機構67によって支持軸64を回転させるようにし、それに伴って、表面側リンス液供給ノズル66を基板2の外周部外方の退避位置から基板2の中心部上方の供給位置まで基板2の上方を移動させるようにしている。ここで、回転機構67は、制御手段51に接続しており、制御手段51によって駆動制御されている。
【0053】
また、リンス液供給手段42は、基板保持手段40の回転軸43の中空部に基板2の裏面(下面)に向けてリンス液を供給するための裏面側リンス液供給ノズル68を吐出口を上方に向けて取付けている。
【0054】
さらに、リンス液供給手段42は、リンス液として純水を用いており、純水を供給するための純水供給源69にヒーター70を接続し、ヒーター70に流路切換弁83を介して二股状の分岐管71を接続し、分岐管71の一方側に表面側リンス液供給ノズル66をリンス液供給管81を介して接続するとともに、リンス液供給管81に流量調整弁72、リンス液供給用開閉弁73を順に介設する一方、分岐管71の他方側に裏面側リンス液供給ノズル68をリンス液供給管82を介して接続するとともに、リンス液供給管82に流量調整弁74、リンス液供給用開閉弁75を順に介設している。また、流路切換弁83に常温の純水を供給するための純水供給源84を接続している。ここで、ヒーター70、流量調整弁72,74、リンス液供給用開閉弁73,75、流路切換弁83は、制御手段51に接続しており、制御手段51によって制御されている。
【0055】
上記基板液処理装置1では、基板処理室15に処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度の中間処理液を基板2に供給して、基板の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うための中間処理手段76を設けている。
【0056】
この中間処理手段76は、上記処理液供給手段41やリンス液供給手段42とは別個の構成として単独で形成することもできるが、上記基板液処理装置1では、中間処理手段76を上記処理液供給手段41とリンス液供給手段42と兼用させた構成としている。
【0057】
基板液処理装置1は、以上に説明したように構成しており、制御手段51(コンピュータ)で読み取り可能な記録媒体77に記録した基板液処理プログラムにしたがって各基板処理室15〜18,20〜23,26〜29,31〜34で基板2を処理するようにしている。なお、記録媒体77は、基板液処理プログラム等の各種プログラムを記録できる媒体であればよく、ROMやRAMなどの半導体メモリ型の記録媒体であってもハードディスクやCD−ROMなどのディスク型の記録媒体であってもよい。
【0058】
上記基板処理装置1では、基板液処理プログラムによって図11に示す工程に従って以下に説明するようにして基板2の処理を行うようにしている。なお、以下の説明では、代表して基板処理室15での基板2の処理について説明するが、他の基板処理室16〜18,20〜23,26〜29,31〜34でも同様の処理を行う。
【0059】
まず、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板搬送装置36から基板2を受取る基板受取工程を実行する。
【0060】
この基板受取工程において制御手段51は、図3に示すように、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を所定位置まで上昇させ、基板搬送装置36から基板処理室15に搬送された1枚の基板2をウエハチャック45で水平に保持した状態で受取り、その後、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44をカップ49の最下段の回収口48と基板2の外周端縁とが対向する位置まで降下させる。このときに、基板液処理プログラムでは、処理液供給手段41の処理液供給ノズル54とリンス液供給手段42の表面側リンス液供給ノズル66とをターンテーブル44の外周外方の退避位置に退避させておく。
【0061】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2の表面を処理液で処理する液処理工程を実行する。
【0062】
この液処理工程において制御手段51は、図4に示すように、回転機構55によって処理液供給手段41の支持軸52を回動させて処理液供給ノズル54を基板2の中心部上方の供給位置に移動させるとともに、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を回転させることで基板2を回転させ、処理液供給手段41のヒーター57を駆動するとともに第1及び第2の開閉弁59,63を開放状態として流量調整弁58,62で調整した流量の硫酸(第1の薬液)と過酸化水素水(第2の薬液)とを混合器60で混合し、生成された混合液(SPM)を処理液として処理液供給ノズル54から基板2の表面中心部に向けて所定時間吐出させる。このときに、基板液処理プログラムでは、ヒーター57によって硫酸を130℃に加熱し、混合器60で常温の過酸化水素水と化学反応させることで反応熱を生成させて、処理液(SPM)が170℃になるようにしている。
【0063】
この液処理工程によって、基板2の表面のレジストが処理液によって剥離され、処理液とともに剥離されたレジストが回転する基板2の遠心力によって主にカップ49の最下段の回収口48に回収される。
【0064】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、液処理工程と後述するリンス処理工程との間において第1の中間処理工程、振切処理工程、第2の中間処理工程とからなる中間処理工程を実行する。まず、基板液処理プログラムは、処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を基板2の表面に供給する第1の中間処理工程を実行する。
【0065】
この第1の中間処理工程において制御手段51は、図5に示すように、処理液供給手段41の硫酸側の第1の開閉弁を開放状態としたまま過酸化水素水側の第2の開閉弁63だけを閉塞状態としてヒーター57で130℃に加熱した硫酸だけを処理液供給ノズル54から基板2の表面中心部に向けて所定時間吐出させる。このときは、過酸化水素水が供給されないために、過酸化水素水と硫酸との化学反応が生じず、基板2の表面には、処理液(SPM)の液温(170℃)未満で、かつ、後述する第2の中間処理液(純水)の液温(80℃)以上(及び、リンス液(純水)の液温(80℃)以上)の温度(130℃)の第1の中間処理液(硫酸)が供給されることになる。
【0066】
この第1の中間処理工程によって、第1の中間処理液が回転する基板2の遠心力によって成分が一部共通する処理液と同様に主にカップ49の最下段の回収口48に回収される。
【0067】
この第1の中間処理工程を行うことで、基板2の温度を液処理工程における温度から後述するリンス処理工程における温度へと急激に下降させるのではなく、その中間の温度に徐々に下降させることができる。その結果、基板2の急激な温度変化に伴う熱変形を防止することができ、これにより、基板2を基板保持手段40のウエハチャック45で良好に保持することができるとともに、基板2の変形に伴う処理液の飛散を防止して基板処理室15の内部の汚損を防止することができる。
【0068】
特に、上記基板液処理装置1では、処理液供給手段41が、処理液として反応熱の生成を伴う化学反応を行う過酸化水素水と硫酸といった2種類の薬液の混合液(SPM)を基板2に供給する構成となっており、中間処理手段76が、中間処理時に一方の薬液(過酸化水素水)の供給を停止するようにしているために、装置構成を簡単なものとすることができるとともに、迅速に処理液よりも低温の第1の中間処理液を基板2に供給することができる。
【0069】
なお、基板液処理プログラムでは、ヒーター57で第1の中間処理液(硫酸)を130℃に加熱するようにしているが、これに限られず、ヒーター57の設定温度を徐々に低減させ、或いは、ヒーター57の駆動を停止させ、徐々に温度が低下する第1の中間処理液(硫酸)を基板2の表面に供給するようにしてもよい。
【0070】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2を回転させることで基板2の表面から第1の中間処理液を振切って除去する振切処理工程を実行する。
【0071】
この振切処理工程において、制御手段51は、図6に示すように、処理液供給手段41の回転機構55によって支持軸52を回動させて処理液供給ノズル54をターンテーブル44の外周外方の退避位置に退避させる一方、リンス液供給手段42の回転機構67によって支持軸64を回動させて表面側リンス液供給ノズル66を基板2の中心部上方の供給位置に移動させる。同時に、制御手段51は、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を液処理工程及び第1の中間処理工程よりも高速で回転させることで基板2を所定時間回転させる。
【0072】
この振切処理工程によって、基板2の表面に残留する第1の中間処理液が回転する基板2の遠心力によって主にカップ49の最下段の回収口48に回収され、基板2の表面から第1の中間処理液が除去される。
【0073】
この振切処理工程を行うことで、基板2の表面からリンス液と化学反応を起こすおそれのある第1の中間処理液を除去させることができるとともに、処理液供給ノズル54と表面側リンス液供給ノズル66とを交換する時間を有効に利用して、基板2の温度を徐々に低下させることができる。なお、この振切処理工程は、基板2の温度を徐々に低下させることができるので、基板2の液処理とリンス処理との間に基板2の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする中間処理として機能している。
【0074】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、第1の中間処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を基板2の裏面に供給する第2の中間処理工程を実行する。
【0075】
この第2の中間処理工程において制御手段51は、図7に示すように、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44をカップ49の中段の回収口47と基板2の外周端縁とが対向する位置まで上昇させるとともに、ターンテーブル44を振切処理工程よりもさらに高速で回転させることで基板2を回転させる。また、制御手段51は、流路切換弁83を純水供給源69側に切換えた状態でリンス液供給手段42のヒーター70を駆動するとともにリンス液供給用開閉弁75だけを開放状態として流量調整弁74で調整した流量の第2の中間処理液(純水)を裏面側リンス液供給ノズル68から基板2の裏面中心部に向けて所定時間吐出させる。このときに、制御手段51は、ヒーター70によって第2の中間処理液(純水)が80℃になるようにしている。これにより、基板2の裏面には、第1の中間処理液(硫酸)の液温(130℃)未満で、かつ、後述するリンス液(純水)の液温(80℃)以上の温度(80℃)の第2の中間処理液(純水)が供給されることになる。
【0076】
この第2の中間処理工程によって、第2の中間処理液が回転する基板2の遠心力によって主にカップ49の中段の回収口47に回収される。
【0077】
この第2の中間処理工程を行うことで、基板2の裏面から基板2の温度を後述するリンス処理工程における温度近傍へ短時間で下降させることができる。特に、基板2の裏面に第2の中間処理液を供給しているために、基板2の表面に第1の中間処理液が残留していたとしてもリンス液との急激な化学反応の発生を抑制することができ、これにより、化学反応に伴う反応生成物の飛散を防止して基板処理室15の内部の汚損を防止することができる。
【0078】
なお、制御手段51は、ヒーター70で第2の中間処理液(純水)を80℃に加熱するようにしているが、これに限られず、ヒーター70の設定温度を徐々に低減させ、或いは、ヒーター70の駆動を停止させ、徐々に温度が低下する第2の中間処理液(純水)を基板2の裏面に供給するようにしてもよい。
【0079】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2をリンス液で処理するリンス処理工程を実行する。このリンス処理工程は、高温のリンス処理工程とそれよりも低温(常温)のリンス処理工程とで構成している。まず、基板液処理プログラムは、基板2の表裏両面を高温のリンス液で処理する高温のリンス処理工程を実行する。
【0080】
この高温のリンス処理工程において制御手段51は、図8に示すように、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を第2の中間処理工程よりも低速(液処理工程と等速)で回転させることで基板2を回転させる。また、制御手段51は、流路切換弁83を純水供給源69側に切換えた状態のままでリンス液供給手段42のリンス液供給用開閉弁73も開放状態として流量調整弁72,74で調整した流量のリンス液(純水)を表面側リンス液供給ノズル66及び裏面側リンス液供給ノズル68から基板2の表裏両面中心部に向けて所定時間吐出させる。このときに、制御手段51は、ヒーター70によってリンス液(純水)が第2の中間処理液と同じ温度の80℃になるようにしている。これにより、基板2の表裏両面には、80℃のリンス液(純水)が供給されることになる。
【0081】
この高温のリンス処理工程によって、リンス液が回転する基板2の遠心力によって成分が共通する第2の中間処理液と同様に主にカップ49の中段の回収口47に回収される。
【0082】
この高温のリンス処理工程を行うことで、基板2の表面の温度を降下させることができ、その後の常温のリンス処理工程において基板2が急激に温度変化して基板2が変形してしまうのを防止することができる。
【0083】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2の表裏両面を常温(高温のリンス処理工程におけるリンス液よりも低温)のリンス液で処理する低温のリンス処理工程を実行する。
【0084】
この常温のリンス処理工程において制御手段51は、図9に示すように、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を高温のリンス処理工程よりもさらに高速(第2の中間処理工程と等速)で回転させることで基板2を回転させるとともに、流路切換弁83を純水供給源84側に切換えた状態で流量調整弁72,74で調整した流量のリンス液(純水)を表面側リンス液供給ノズル66及び裏面側リンス液供給ノズル68から基板2の表裏両面中心部に向けて所定時間吐出させる。これにより、基板2の表裏両面には、80℃よりも低い常温のリンス液(純水)が供給されることになる。
【0085】
この常温のリンス処理工程によっても、リンス液が回転する基板2の遠心力によって成分が共通する第2の中間処理液と同様に主にカップ49の中段の回収口47に回収される。
【0086】
次に、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2を乾燥処理する乾燥処理工程を実行する。
【0087】
この乾燥処理工程において制御手段51は、図10に示すように、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44をカップ49の最上段の回収口46と基板2の外周端縁とが対向する位置まで上昇させるとともに、ターンテーブル44を低温のリンス処理工程と等速で回転させることで基板2を所定時間回転させる。
【0088】
この乾燥処理工程によって、基板2の表面に残留するリンス液が回転する基板2の遠心力によって主にカップ49の最上段の回収口46に回収される。
【0089】
まず、基板液処理プログラムは、図11に示すように、基板2を基板搬送装置36へ受渡す基板受渡工程を実行する。
【0090】
この基板受渡工程において制御手段51は、回転昇降機構50によって基板保持手段40のターンテーブル44を徐々に減速させて停止させるとともに、ターンテーブル44を所定位置まで上昇させ、基板2を基板搬送装置36に受渡す。このときに、制御手段51は、リンス液供給手段42の表面側リンス液供給ノズル66を処理液供給手段41の処理液供給ノズル54と同様にターンテーブル44の外周外方の退避位置に退避させておく。
【0091】
以上に説明したように、上記基板液処理装置1では、基板2の液処理とリンス処理との間に、基板の表面2の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことで、基板2の温度変化が小さくなり、基板2の熱変形を防止することができ、これにより、基板2を基板保持手段40で良好に保持することができるとともに、基板2の変形に伴う処理液の飛散を防止して基板処理室15の内部の汚損を防止することができる。
【0092】
また、上記基板液処理装置1では、リンス処理開始直後の基板2の温度を従来よりも低減させることができるので、処理液やリンス液の種類によって化学反応を起こすような場合であっても、処理液とリンス液との急激な化学反応の発生を防止することができ、これにより、化学反応に伴う反応生成物の飛散を防止して基板処理室15の内部の汚損を防止することができる。
【0093】
なお、上記基板液処理装置1では、基板2の液処理とリンス処理との間の中間処理として第1の中間処理工程と振切処理工程と第2の中間処理工程とを実行するようにしているが、基板2の液処理とリンス処理との間で基板2の表面の温度を徐々に下降させることができればよく、液処理時とリンス処理時の基板の温度差に応じて、第1の中間処理工程のみ、振切処理工程のみ、第2の中間処理工程のみを実行するようにしても効果はある。また、たとえば第1の中間処理工程と第2の中間処理工程との組み合わせのように、これらの処理を適宜組み合わせて実行するようにしても効果はある。
【符号の説明】
【0094】
1 基板液処理装置 2 基板
3 キャリア 4 基板搬入出台
5 基板搬送ユニット 6 基板処理ユニット
7 前壁 8 搬送装置
9 搬送室 10,11 基板受渡台
12 基板受渡室 13 受渡口
14,25 基板搬送室 15〜18,20〜23,26〜29,31〜34 基板処理室
36,38 基板搬送装置 37,39 基板搬入出口
40 基板保持手段 41 処理液供給手段
42 リンス液供給手段 43 回転軸
44 ターンテーブル 45 ウエハチャック
46,47,48 回収口 49 カップ
50 回転昇降機構 51 制御手段
52 支持軸 53 アーム
54 処理液供給ノズル 55 回転機構
56 硫酸供給源 57 ヒーター
58 流量調整弁 59 第1の開閉弁
60 混合器 61 過酸化水素水供給源
62 流量調整弁 63 第2の開閉弁
64 支持軸 65 アーム
66 表面側リンス液供給ノズル 67 回転機構
68 裏面側リンス液供給ノズル 69 純水供給源
70 ヒーター 71 分岐管
72 流量調整弁 73 開閉弁
74 流量調整弁 75 開閉弁
76 中間処理手段 77 記録媒体
78 第1の薬液供給管 79 第2の薬液供給管
80 洗浄液供給管 81,82 リンス液供給管
83 流路切換弁 84 純水供給源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面を処理液で液処理した後にリンス液でリンス処理する基板液処理装置において、
前記基板を保持するための基板保持手段と、
前記基板の表面に前記処理液を供給して前記基板の液処理を行うための処理液供給手段と、
前記基板の表面に前記処理液よりも低温のリンス液を供給して前記基板のリンス処理を行うためのリンス液供給手段と、
前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする制御手段と、
を有することを特徴とする基板液処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を基板に供給することを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項4】
前記処理液供給手段は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給する構成とし、
前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段を用いて前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にすることを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段及びリンス液供給手段から前記基板の表面への前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板保持手段で前記基板を回転させることを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項6】
前記処理液供給手段は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給する構成とし、
前記リンス液供給手段は、前記基板の表面に前記リンス液を供給し、前記基板の裏面に加熱されたリンス液を供給する構成とし、
前記制御手段は、前記基板の表面に対する液処理とリンス処理との間に、前記処理液供給手段を用いて前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にし、その後、前記リンス液供給手段を用いて第2の薬液の液温未満かつ前記基板の表面に供給するリンス液よりも高い温度に加熱されたリンス液を前記基板の裏面に供給することを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項7】
前記第1の薬液は、過酸化水素水であり、
前記第2の薬液は、硫酸であり、
前記リンス液は、純水である
ことを特徴とする請求項4又は請求項6に記載の基板液処理装置。
【請求項8】
基板を保持するための基板保持手段と、
前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給管と、
前記処理液供給管に第1の開閉弁を介して第1の薬液を供給する第1の薬液供給管と、
前記処理液供給管に第2の開閉弁を介して第2の薬液を供給する第2の薬液供給管と、
前記基板の表面にリンス液供給用開閉弁を介して前記処理液よりも低温のリンス液を供給するリンス液供給管と、
前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁と前記リンス液供給用開閉弁を制御するための制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁を開き、前記第1の薬液と前記第2の薬液とを混合させた処理液を前記基板に供給し、その後、前記第1の開閉弁を閉じ、前記第2の開閉弁を開き、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にする前記第2の薬液を前記基板に供給し、その後、前記第1の開閉弁及び前記第2の開閉弁を閉じ、前記リンス液供給用開閉弁を開き、前記基板に前記処理液よりも低温のリンス液を供給するように制御することを特徴とする基板液処理装置。
【請求項9】
基板の表面を処理液で液処理し、その後、前記基板の表面を前記処理液よりも低温のリンス液でリンス処理する基板液処理方法において、
前記液処理と前記リンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことを特徴とする基板液処理方法。
【請求項10】
前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板に供給することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項11】
前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項12】
前記中間処理は、前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板を回転させ、前記基板の表面の前記処理液を除去することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項13】
前記液処理は、反応熱の生成を伴う化学反応を行う少なくとも第1の薬液と加熱された第2の薬液との混合液を前記処理液として前記基板に供給し、
前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記第1の薬液の供給を停止し、前記第2の薬液を供給することにより前記基板の表面の温度を処理液の液温未満かつリンス液の液温より高い温度にすることを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項14】
前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項15】
前記中間処理は、前記基板の表面に対する前記液処理と前記リンス処理との間に、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給し、
前記リンス処理は、前記基板の表面に前記第2の中間処理液の液温と同じ温度のリンス液を供給した後に、前記第2の中間処理液の液温より低い温度のリンス液を供給することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項16】
前記処理液は、硫酸と過酸化水素水との混合液であり、
前記第1の中間処理液は、加熱された硫酸であり、
前記第2の中間処理液は、純水であり、
前記リンス液は、純水であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の基板液処理方法。
【請求項17】
基板の表面を処理液で液処理し、その後、前記基板の表面を前記処理液よりも低温のリンス液でリンス処理する基板液処理プログラムを記録した記録媒体において、
前記液処理と前記リンス処理との間に、前記基板の表面の温度を前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度にする中間処理を行うことを特徴とする基板液処理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項18】
前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板に供給することを特徴とする請求項17に記載の基板液処理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項19】
前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の中間処理液を前記基板の裏面のみに供給することを特徴とする請求項17に記載の基板液処理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項20】
前記中間処理は、前記処理液及び前記リンス液の供給を停止した状態で前記基板を回転させることを特徴とする請求項17に記載の基板液処理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項21】
前記中間処理は、前記処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第1の中間処理液を前記基板の表面に供給し、その後、前記第1の中間処理液の液温未満かつ前記リンス液の液温より高い温度の第2の中間処理液を前記基板の裏面に供給することを特徴とする請求項17に記載の基板液処理プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−4539(P2012−4539A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65807(P2011−65807)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】