説明

多結晶シリコン・ゲート上のサリサイドの抵抗を改善するための方法およびデバイス

【課題】幅の狭いポリサイドゲートにおけるシリサイドの抵抗が改善されたゲート電極構造の製造方法を提供する。
【解決手段】リセスが形成されたシリコン酸化膜からなる厚い内部スペーサ、およびシリコン窒化膜からなる厚い外部スペーサを有する多結晶シリコンゲートを形成する。多結晶シリコン上にチタンをデポジションし、アニールによりチタンシリサイド層260を形成する。チタンシリサイド層は多結晶シリコンより幅広く形成され、シリコン酸化膜からなる厚い内部スペーサによって制約を受けず、応力を受けない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、半導体デバイスの分野に関する。より詳細には、本発明は、ゲート電極上の抵抗を改善するための方法およびデバイスに関する。具体的には、本発明は、多結晶シリコン・ゲート上のサリサイドの抵抗を改善するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
トランジスタは、半導体回路において電流の流れを制御するために一般的に使用されている。例えば、トランジスタをスイッチング機構として使用して、あるしきい値電圧に達したときに回路内のソースとドレイン領域との間に電流を流すことができる。一般にトランジスタは、加えられた電圧に基づいてトランジスタ内に電流を流し、または電流が流れないようにするゲート電極を含む。
【0003】
図1aは、基板110上に形成された従来のゲート電極100の断面を示し、その下に在る構造は示していない。これらの図は単なる例示であり、理解し易いように単純化されていることに留意されたい。薄い絶縁層120が基板110上に形成されて、基板110と、ゲート電極100の導電性部分との間の障壁としての役目を果たしている。絶縁層120の一例は、二酸化ケイ素(SiO2)などの酸化物層でよい。絶縁層120上にはゲート層130が形成されている。ゲート層130の一例は、多結晶シリコン層でよい。ゲート層130上には導電層160が形成されている。導電層160の一例は、チタンサリサイド(TiSi2)などのポリサイド層でよい。導電層160からゲート層130にしきい値電圧を加えると、電流はゲート層130内を流れることになる。ゲート層130の両側にはしばしば絶縁性スペーサ140および150が形成されて、ゲート層130と、半導体のその周囲の構造との間に電流が流れないようにされている。
【0004】
半導体回路設計では、回路内のいくつかのトランジスタに効率的に電流を提供するため、ゲート電極は半導体基板上に長い連続ライン状に設計されることが多い。現在のところ、半導体トランジスタ性能の改善はデバイスのスケーリングにより実現されており、ゲート層幅を0.20μmから0.15μmまたはそれ以下(0.15μm未満)に狭めている。ゲート層幅の寸法が減少するので、その上方に形成されている導電層の線幅も狭くなる。
【0005】
ゲート層幅が0.20μmよりも狭くなると、現行のプロセス技法では、抵抗が急激に増大した導電性ラインが生成される。抵抗が高くなるにつれて半導体回路の速度が低下するので、これは半導体の効率に有害である。さらに、欠陥のある導電性ラインの形成が原因となって歩留りが低下し、製造における生産高が減少する。これらの問題は、チタンサリサイド(TiSi2)が多結晶シリコン・ゲートの導電層として形成される現行の製作プロセスにおいて、特に注目されてきた。
【0006】
図1bは、基板110上に形成された従来のゲート電極100の断面を示し、その下に在る構造は示されていない。ゲート電極100の一例は、多結晶シリコン・ゲート電極でよい。基板110上には絶縁層120が形成されている。絶縁層120の一例は酸化物でよい。絶縁層120上には導電性ゲート層130が形成されている。ゲート層130の一例は多結晶シリコン層である。ゲート層130上には導電層160が形成されている。導電層160の一例はチタンサリサイドなどのポリサイドでよい。ゲート層130および導電層160に隣接して絶縁性スペーサ140および150が形成されており、ゲート層100と周囲の構造との間に電流が流れないようになっている。
【0007】
導電層160の形成中、下に在るゲート層130からの成分が導電層160を形成するのに使用される反応物層に拡散することが多い。例えば、下に在るゲート層130のシリコン成分が導電層160へ外へ向けて拡散することがある。この外方拡散により、導電層160はゲート層130よりも幅が広くなる。ゲート層100の幅が0.20μmよりも狭くなると、導電層160がスペーサ140の側壁で囲まれ、応力を受けるようになる。このため、導電層160の抵抗が増大する。導電層の抵抗の増大は、半導体回路の品質に直接影響を与える。回路は非効率的になり、回路故障またはデバイス故障が生じる可能性がある。
【0008】
ゲート・ライン幅が0.20μmよりも狭くなることによる別の結果とは、歩留りが減少することである。これは、導電層が形成されないことが原因である。これは、そのような小さい寸法で利用可能な反応領域、または核化部位が減少したからである。ゲート層の寸法が減少すると、処理中にその上に導電層を形成することができる核化部位が減少する。現行のプロセス技法を使用すると、十分な核化部位が設けられない場合、導電層はしばしば形成されなくなる。このため生産高が減少し、半導体製造に直接影響を及ぼす。
【0009】
上述の問題に基づき、多結晶シリコン・ゲート幅が0.20μmよりも狭い場合のポリサイドの抵抗を改善する方法および/またはデバイスを有することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0010】
(発明の簡単な概要)
本発明は、ゲート電極幅が0.20μmより狭い場合のポリサイドの抵抗を改善する方法およびデバイスを提供する。本発明はいくつかの実施態様を提供し、その一実施態様について以下に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1(a)】応力を受けていない導電層を示す、従来技術における従来のゲート電極の断面図である。
【図1(b)】応力を受けている導電層を示す、従来技術における従来のゲート電極の断面図である。
【図2(a)】基板上の薄い絶縁層上に形成されたゲート層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(b)】ゲート層と基板上に形成された厚い第1のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(c)】厚い第1のスペーサ層上に形成された厚い第2のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(d)】厚い第2のスペーサ層をエッチングして形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(e)】厚い第1のスペーサ層をエッチングしてリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(f)】厚い第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された反応物層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(g)】反応物層とゲート層をアニールして形成された導電層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図2(h)】導電層およびリセス形成された厚い内部スペーサおよびリセス形成されていない厚い外部スペーサを有するゲート電極の形成を示す断面図である。
【図3(a)】基板上の薄い絶縁層上に形成されたゲート層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(b)】ゲート層と基板上に形成された薄い第1のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(c)】薄い第1のスペーサ層上に形成された厚い第2のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(d)】厚い第2のスペーサ層をエッチングして形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(e)】厚い第2のスペーサ層を2回目のエッチングを施してリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(f)】薄い第1のスペーサ層をエッチングしてリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(g)】薄い第1のスペーサ層と厚い第2のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された反応物層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(h)】反応物層とゲート層をアニールして形成された導電層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図3(i)】導電層およびリセス形成された薄い内部スペーサおよびリセス形成された厚い外部スペーサを有するゲート電極の形成を示す断面図である。
【図4(a)】シリコン基板上の薄い絶縁層上に形成されたゲート層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(b)】ゲート層と基板上に形成された薄い第1のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(c)】薄い第1のスペーサ層上に形成された厚い第2のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(d)】厚い第2のスペーサ層に1回目のエッチングを行って形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(e)】厚い第2のスペーサ層に2回目のエッチングを行って部分的にリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(f)】厚い第2のスペーサ層を部分的にリセス形成した後、薄い第1のスペーサ層をエッチングして形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(g)】薄い第1のスペーサ層と厚い第2のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された反応物層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(h)】反応物層とゲート層をアニールして形成された導電層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図4(i)】導電層およびリセス形成されていない薄い内部スペーサおよび部分的にリセス形成されている外部スペーサを有するゲート電極の形成を示す断面図である。
【図5(a)】基板上の薄い絶縁層上に形成されたゲート層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(b)】ゲート層と基板上に形成された薄い第1のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(c)】薄い第1のスペーサ層上に形成された薄い第2のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(d)】薄い第2のスペーサ層にエッチングを行って形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(e)】薄い第2のスペーサ層をエッチングした後、薄い第1のスペーサ層をエッチングして形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(f)】薄い第1のスペーサ層と薄い第2のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された薄い第3のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(g)】薄い第3のスペーサ層上に形成された厚い第4のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(h)】厚い第4のスペーサ層に1回目のエッチングを行って形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(i)】厚い第4のスペーサ層に2回目のエッチングを施してリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(j)】薄い第3のスペーサ層をエッチングしてリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(k)】薄い第1、第2、第3のスペーサ層と厚い第4のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された反応物層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(l)】反応物層とゲート層をアニールして形成された導電層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図5(m)】導電層および2つのスペーサ・スタックを有するゲート電極の形成を示す断面図である。最外部のスペーサ・スタックは、リセス形成された薄い内部スペーサとリセス形成された厚い外部スペーサを有する。内部スペーサ・スタックは、リセス形成されていない薄い内部スペーサとリセス形成されていない薄い外部スペーサを有する。
【図6(a)】基板上の薄い絶縁層上に形成されたゲート層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(b)】ゲート層と基板上に形成された薄い第1のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(c)】薄い第1のスペーサ層上に形成された薄い第2のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(d)】薄い第2のスペーサ層にエッチングを行って形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(e)】薄い第2のスペーサ層をエッチングした後、薄い第1のスペーサ層をエッチングして形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(f)】薄い第1のスペーサ層と薄い第2のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された薄い第3のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(g)】薄い第3のスペーサ層上に形成された厚い第4のスペーサ層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(h)】厚い第4のスペーサ層に1回目のエッチングを行って形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(i)】厚い第4のスペーサ層に2回目のエッチングを施してリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(j)】薄い第3のスペーサ層をエッチングしてリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(k)】薄い第1のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された薄い保護層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(l)】薄い第2のスペーサ層をエッチングしてリセスを形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(m)】薄い保護層を除去し、薄い第1のスペーサ層に2回目のエッチング行ってリセス形成されたスペーサ構造を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(n)】薄い第1、第2、第3のスペーサ層と厚い第4のスペーサ層とゲート層と基板上に形成された反応物層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(o)】反応物層とゲート層をアニールして形成された導電層を示す、本発明のゲート電極の断面図である。
【図6(p)】導電層および2つのスペーサ・スタックを有するゲート電極の形成を示す断面図である。最外部のスペーサ・スタックは、リセス形成された薄い内部スペーサとリセス形成された厚い外部スペーサを有する。内部スペーサ・スタックは、リセス形成された薄い内部スペーサとリセス形成された薄い外部スペーサを有する。
【0012】
本発明の一実施態様では、薄い絶縁層を含むゲート電極が形成される。ゲート層は薄い絶縁層上に形成される。ゲート層上には導電層が形成される。ゲート層の両側に隣接して、厚い第1のスペーサが形成される。厚い第1のスペーサに隣接して、厚い第2のスペーサが形成される。厚い第1のスペーサはリセス形成されて、ゲート層と厚い第2のスペーサとの間に開放スペースが作られる。
【0013】
本発明をより完全に理解するため、下記の本発明の詳細な説明の中で添付図面を参照する。
【0014】
(発明詳細な説明)
本発明は、幅が0.20μm未満のゲート電極上のポリサイドの抵抗を改善する方法およびデバイスを提供する。本発明のいくつかの実施形態に関する以下の記述では、本発明の完全な理解をもたらすために、非常に数多くの詳細が述べられている。本発明はそのような具体的な詳細なしで実施できることが、当業者に理解されよう。その他の例では、本発明の対象を不明瞭にしないため、周知の構造および技法については詳細に述べていない。本発明の構造は、様々な技法によって形成できることが、当業者に理解されよう。
【0015】
次に図面を参照すると、本発明の一実施形態が図2a〜hに示されている。図2aは、基板200上の薄い絶縁層210上に形成されたゲート層220を例示する。一実施形態では、ゲート層220は多結晶シリコンでよい。一実施形態では、ゲート層220の幅が0.20μm未満である。これらの構造は、当技術分野で周知の従来のデポジッションおよびエッチング技法を使用して形成される。
【0016】
図2bでは、ゲート層220および基板200上に、厚い第1のスペーサ層230をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第1のスペーサ層230は酸化物でよい。一実施形態では、厚い第1のスペーサ層230は、約200〜600Åの範囲の厚さ、例えば300Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。厚い第1のスペーサ層230は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0017】
図2cでは、厚い第1のスペーサ層230上に、厚い第2のスペーサ層240をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層240は窒化物でよい。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層240を、約300〜2000Åの範囲の厚さ、例えば800Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。厚い第2のスペーサ層240は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0018】
厚い第2のスペーサ層240をエッチングして、図2dに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは、窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0019】
厚い第1のスペーサ層230をエッチングしてリセスを形成して、図2eに示すスペーサ構造を形成する。このリセス形成によって、厚い第2のスペーサ層240とゲート層220の間に開放スペースが作り出される。一実施形態では、厚い第1のスペーサ層230を、ゲート層220の表面よりも約60nm深くエッチングする。一実施形態では、エッチングによって、厚い第2のスペーサ層240とゲート層220の間に約200〜600Å、例えば300Åのスペースを形成する。一実施形態では、このエッチングは、酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはウェット・エッチングである。このときゲート層220の側壁は露出され、より大きい接触(反応)表面積を作り出していることに留意されたい。
【0020】
図2fでは、反応物層250が、例えばスパッタや電子ビーム蒸着、化学気相成長、プラズマ成長によってデポジッションされている。一実施形態では、反応物層250はチタンなどの金属でよい。しかし、コバルトやニッケル、タンタル、白金などのその他の金属を使用することもできる。次いで反応物層250およびゲート層220をアニールして、図2gに示す導電層260を形成する。一実施形態では、形成された導電層260はポリサイド層でよく、これはポリシリサイド層と呼ぶこともできる。シリサイドは自己整合しまたは非自己整合するものでよく、シリサイドが自己整合する場合にはサリサイドと呼ぶことができることに留意されたい。一実施形態では、ポリサイドはチタンサリサイド(TiSi2)でよい。その他のポリサイドは、コバルトサリサイド(CoSi2)、ニッケルサリサイド(NiSi)、タンタルサリサイド(TaSi)、または白金サリサイド(PtSi)でよい。自己整合するシリサイド以外のポリサイドも形成できることが当業者には理解できるであろう。一実施形態では、アニールは、窒素雰囲気中で急速熱アニール・プロセスを使用して行うことができる。一実施形態では、追加のアニールを行って導電層260の抵抗を低下させることができる。このとき導電層260は、ゲート層220のエッジを超えて延びることができ、厚い第1のスペーサ層230によって制約を受けずかつ応力を受けないことに留意されたい。
【0021】
反応物層250の未反応部分をエッチングにより除去し、図2hに示す導電層260を残す。一実施形態では、このエッチングは未反応のチタンを除去するがチタンサリサイドは除去しない等方性エッチングである。
【0022】
本発明の別の実施形態を図3a〜iに示す。図3aは、基板300上の薄い絶縁層310上に形成されたゲート層320を示す。一実施形態では、ゲート層320は多結晶シリコンでよい。一実施形態では、ゲート層320の幅が0.20μm未満である。これらの構造は、当技術分野で周知の従来のデポジッションおよびエッチング技法を使用して形成される。
【0023】
図3bでは、ゲート層320および基板300上に、薄い第1のスペーサ層330をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層330は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層330を、約50〜300Åの範囲の厚さ、例えば100Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第1のスペーサ層330は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0024】
図3cでは、薄い第1のスペーサ層330上に、厚い第2のスペーサ層340をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層340は窒化物でよい。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層340を、約300〜2000Åの範囲の厚さ、例えば800Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。厚い第2のスペーサ層340は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0025】
厚い第2のスペーサ層340に1回目のエッチングを行って、図3dに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0026】
次いで厚い第2のスペーサ層340を2回目のエッチングを施してリセスを形成して、図3eに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層340は、ゲート層320の表面レベルよりも約60nm深くエッチングされる。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ウェット・エッチングまたはドライ・エッチングである。
【0027】
次いで薄い第1のスペーサ層330をエッチングによりリセスを形成して、図3fに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、またはケミカル・バス・エッチングである。このときゲート層320の側壁が露出され、より大きい接触(反応)表面積を作り出していることにさらに留意されたい。
【0028】
図3gでは、反応物層350が、例えばスパッタや電子ビーム蒸着、化学気相成長、プラズマ成長によってデポジッションされている。一実施形態では、反応物層350はチタンなどの金属でよい。しかし、コバルトやニッケル、タンタル、白金などのその他の金属を使用することもできる。
【0029】
次いで反応物層350およびゲート層320をアニールして、図3hに示す導電層360を形成する。一実施形態では、形成された導電層360はポリサイドでよく、これはポリシリサイド層と呼ぶこともできる。シリサイドは自己整合しまたは非自己整合するものでよく、シリサイドが自己整合する場合にはサリサイドと呼ぶことができることに留意されたい。一実施形態では、ポリサイドはチタンサリサイド(TiSi2)でよい。その他のポリサイドは、コバルトサリサイド(CoSi2)、ニッケルサリサイド(NiSi)、タンタルサリサイド(TaSi)、または白金サリサイド(PtSi)でよい。自己整合するシリサイド以外のポリサイドも形成できることが当業者には理解できるであろう。一実施形態では、アニールは、窒素雰囲気中で急速熱アニール・プロセスを使用して行うことができる。一実施形態では、追加のアニールを行って導電層360の抵抗を低下させることができる。このとき導電層360は、ゲート層320のエッジを超えて延びでることができ、制約を受けずかつ応力を受けないことに留意されたい。
【0030】
反応物層350の未反応部分をエッチングにより除去し、図3iに示す導電層360を残す。一実施形態では、このエッチングは未反応のチタンを除去するがチタンサリサイドは除去しない等方性エッチングである。
【0031】
本発明の別の実施形態を図4a〜iに示す。図4aは、シリコン基板400上の薄い絶縁層410上に形成されたゲート層420を示す。一実施形態では、ゲート層420は多結晶シリコンでよい。一実施形態では、ゲート層420の幅が0.20μm未満である。これらの構造は、当技術分野で周知の従来のデポジッションおよびエッチング技法を使用して形成される。
【0032】
図4bでは、ゲート層420および基板400上に、薄い第1のスペーサ層430をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層430は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層430を、約50〜300Åの範囲の厚さ、例えば100Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第1のスペーサ層430は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0033】
図4cでは、薄い第1のスペーサ層430上に、厚い第2のスペーサ層440をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層440は窒化物でよい。一実施形態では、厚い第2のスペーサ層440を、約300〜2000Åの範囲の厚さ、例えば800Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させることができる。厚い第2のスペーサ層440は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0034】
厚い第2のスペーサ層440に1回目のエッチングを行って、図4dに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0035】
次いで厚い第2のスペーサ層440を2回目のエッチングによって部分的にリセスを形成して、図4eに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、部分的なリセスの形成によって、薄い第1のスペーサ層430に隣接する薄い第2のスペーサ壁470が作られる。一実施形態では、この薄い第2のスペーサ壁470の幅は約50〜200Åの範囲、例えば100Åでよく、ゲート層420の表面レベルよりも約60nm深く入り込めばよい。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0036】
厚い第2のスペーサ層440を部分的にリセス形成した後、薄い第1のスペーサ層430をエッチングして、図4fに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、またはケミカル・バス・エッチングである。
【0037】
図4gでは、反応物層450が、例えばスパッタや電子ビーム蒸着、化学気相成長、プラズマ成長によってデポジッションされている。一実施形態では、反応物層450はチタンなどの金属でよい。しかし、コバルトやニッケル、タンタル、白金などのその他の金属を使用することもできる。
【0038】
次いで反応物層450およびゲート層420をアニールして、図4hに示す導電層460を形成する。一実施形態では、導電層460はポリサイドでよく、これはポリシリサイド層と呼ぶこともできる。シリサイドは自己整合しまたは非自己整合するものでよく、シリサイドが自己整合する場合にはサリサイドと呼ぶことができることに留意されたい。一実施形態では、ポリサイドはチタンサリサイド(TiSi2)でよい。その他のポリサイドは、コバルトサリサイド(CoSi2)、ニッケルサリサイド(NiSi)、タンタルサリサイド(TaSi)、または白金サリサイド(PtSi)でよい。自己整合するシリサイド以外のポリサイドも形成できることが当業者には理解できるであろう。一実施形態では、アニールは、窒素雰囲気中で急速熱アニール・プロセスを使用して行うことができる。一実施形態では、追加のアニールを行って導電層460の抵抗を低下させることができる。このとき導電層460は、ゲート層420のエッジを越えて伸び出すことができるが、これは、薄い第1のスペーサ層430と薄い第2のスペーサ壁470から形成された薄いスペーサ壁の柔軟性に起因するものであることに留意されたい。
【0039】
反応物層450の未反応部分をエッチングにより除去し、図4iに示す導電層460を残す。一実施形態では、このエッチングは未反応のチタンを除去するがチタンサリサイドは除去しない等方性エッチングである。
【0040】
本発明の別の実施形態を図5a〜mに示す。図5aは、基板500上の薄い絶縁層510上に形成されたゲート層520を示す。一実施形態では、ゲート層520は多結晶シリコンでよい。一実施形態では、多結晶シリコン・ゲート層520の幅が0.20μm未満である。これらの構造は、当技術分野で周知の従来のデポジッションおよびエッチング技法を使用して形成される。
【0041】
図5bでは、ゲート層520および基板500上に、薄い第1のスペーサ層530をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層530は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層530を、約50〜150Åの範囲の厚さ、例えば50Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第1のスペーサ層530は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0042】
図5cでは、薄い第1のスペーサ層530上に、薄い第2のスペーサ層540をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第2のスペーサ層540は窒化物でよい。一実施形態では、薄い第2のスペーサ層540を、約50〜150Åの範囲の厚さ、例えば50Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させることができる。薄い第2のスペーサ層540は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0043】
薄い第2のスペーサ層540に1回目のエッチングを行って、図5dに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0044】
薄い第2のスペーサ層540をエッチングした後、薄い第1のスペーサ層530をエッチングして図5eに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはウェット・エッチングである。プロセスの流れのこの時点で、この構造へのドーパントの注入を追加して回路性能を高めることができることに、さらに留意されたい。
【0045】
図5fでは、薄い第3のスペーサ層550をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第3のスペーサ層550は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第3のスペーサ層550を、約50〜300Åの範囲の厚さ、例えば100Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第3のスペーサ層550は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0046】
図5gでは、薄い第3のスペーサ層550上に、厚い第4のスペーサ層560をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層560は窒化物でよい。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層560を、約300〜2000Åの範囲の厚さ、例えば800Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。厚い第4のスペーサ層560は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0047】
厚い第4のスペーサ層560に1回目のエッチングを行って、図5hに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0048】
次いで厚い第4のスペーサ層560を2回目のエッチングを施してリセスを形成して、図5iに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層560は、ゲート層520の表面レベルよりも約60nm深くエッチングされる。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ウェット・エッチングまたはドライ・エッチングである。
【0049】
次いで薄い第3のスペーサ層550をエッチングしてリセスを形成して、図5jに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、またはケミカル・バス・エッチングである。
【0050】
図5kでは、反応物層570が、例えばスパッタや電子ビーム蒸着、化学気相成長、プラズマ成長によってデポジッションされている。一実施形態では、反応物層570はチタンなどの金属でよい。しかし、コバルトやニッケル、タンタル、白金などのその他の金属を使用することもできる。
【0051】
次いで反応物層570およびゲート層520をアニールして、図5lに示す導電層580を形成する。一実施形態では、導電層580はポリサイドでよく、これはポリシリサイド層と呼ぶこともできる。シリサイドは自己整合しまたは非自己整合するものでよく、シリサイドが自己整合する場合にはサリサイドと呼ぶことができることに留意されたい。一実施形態では、ポリサイドはチタンサリサイド(TiSi2)でよい。その他のポリサイドは、コバルトサリサイド(CoSi2)、ニッケルサリサイド(NiSi)、タンタルサリサイド(TaSi)、または白金サリサイド(PtSi)でよい。自己整合するシリサイド以外のポリサイドも形成できることが、当業者には理解できるであろう。一実施形態では、アニールは、窒素雰囲気中で急速熱アニール・プロセスを使用して行うことができる。一実施形態では、追加のアニールを行って導電層580の抵抗を低下させることができる。このとき導電層580は、ゲート層520のエッジを越えて伸び出すことができるが、これは、薄い第1のスペーサ層530と薄い第2のスペーサ層540から形成された薄いスペーサ壁の柔軟性に起因するものであることに留意されたい。
【0052】
未反応の反応物層570をエッチングにより除去し、図5mに示す導電層580を残す。一実施形態では、このエッチングは未反応のチタンを除去するがチタンサリサイドは除去しない等方性エッチングである。
【0053】
本発明の別の実施形態を図6a〜pに示す。図6aは、基板600上の薄い絶縁層610上に形成されたゲート層620を示す。一実施形態では、ゲート層620は多結晶シリコンでよい。一実施形態では、ゲート層620の幅が0.20μm未満である。これらの構造は、当技術分野で周知の従来のデポジッションおよびエッチング技法を使用して形成される。
【0054】
図6bでは、ゲート層620および基板600上に、薄い第1のスペーサ層630をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層630は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層630を、約50〜150Åの範囲の厚さ、例えば50Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第1のスペーサ層630は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0055】
図6cでは、薄い第1のスペーサ層630上に、薄い第2のスペーサ層640をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第2のスペーサ層640は窒化物でよい。一実施形態では、薄い第2のスペーサ層640を、約50〜150Åの範囲の厚さ、例えば50Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させることができる。薄い第2のスペーサ層640は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0056】
薄い第2のスペーサ層640に1回目のエッチングを行って、図6dに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0057】
薄い第2のスペーサ層640をエッチングした後、薄い第1のスペーサ層630をエッチングして図6eに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を侵食するが窒化物は侵食しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、またはケミカル・バス・エッチングである。プロセスの流れのこの時点で、この構造へのドーパントの注入を追加して回路性能を高めることができることに、さらに留意されたい。
【0058】
図6fでは、薄い第3のスペーサ層650をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、薄い第3のスペーサ層650は酸化物でよい。一実施形態では、薄い第3のスペーサ層650を、約50〜300Åの範囲の厚さ、例えば100Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。薄い第3のスペーサ層650は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0059】
図6gでは、薄い第3のスペーサ層650上に、厚い第4のスペーサ層660をデポジッションさせまたは成長させている。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層660は窒化物でよい。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層660を、約300〜2000Åの範囲の厚さ、例えば800Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。厚い第4のスペーサ層660は、当技術分野で周知であり本明細書に詳細に記述されていないデポジッション技法を使用して、デポジッションさせまたは成長させることができることに留意されたい。
【0060】
厚い第4のスペーサ層660に1回目のエッチングを行って、図6hに示す構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0061】
次いで厚い第4のスペーサ層660を2回目のエッチングでリセスを形成して、図6iに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、厚い第4のスペーサ層660は、ゲート層620の表面レベルよりも約60nm深くエッチングされる。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが酸化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ウェット・エッチングまたはドライ・エッチングである。
【0062】
次いで薄い第3のスペーサ層650をエッチングしてリセスを形成して、図6jに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはウェット・エッチングである。
【0063】
この時点でもさらにエッチングを行うが、基板600は露出したままである。したがって、基板600を除去する可能性のある化学的性質を持つエッチングを引き続き利用する場合、基板600は保護される必要がある。したがって、保護層、例えば酸化物層を設けることができる。保護層を設ける場合について、後に続く図と共に記述する。あるいは、続けて行われるエッチングの化学的性質が基板600を除去しないものである場合、このプロセスは、保護層の用意および除去を必要とすることなく継続することができる。
【0064】
図6kでは、基板600上に薄い保護層670をデポジッションしまたは成長させている。一実施形態では、薄い保護層670は酸化物でよい。一実施形態では、薄い保護層670を、約50〜300Åの範囲の厚さ、例えば50Åの厚さにデポジッションさせまたは成長させる。一実施形態では、薄い保護層670は、酸素雰囲気中でシリコン基板600をアニールすることによって酸化物成長させることができる。
【0065】
薄い第2のスペーサ層640をエッチングしてリセスを形成して、図6lに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、このエッチングは窒化物を除去するが窒化物は除去しない異方性(指向性)エッチングである。異方性エッチングの例は、ドライ・エッチングまたはプラズマ・エッチングである。
【0066】
薄い保護層670を除去し、薄い第1のスペーサ層630を2回目のエッチングによってリセスを形成して、図6mに示すスペーサ構造を形成する。一実施形態では、薄い第1のスペーサ層630は、ゲート層620の表面レベルよりも約60nm深くリセスが形成される。一実施形態では、このエッチングは酸化物を除去するが窒化物は除去しない等方性(多方向性)エッチングである。等方性エッチングの例は、ウェット・エッチング、ドライ・エッチング、またはケミカル・バス・エッチングである。このときゲート層620の側壁は露出しており、より大きい接触(反応)表面積を作り出すことに留意されたい。
【0067】
図6nでは、反応物層680が、例えばスパッタや電子ビーム蒸着、化学気相成長、プラズマ成長によってデポジッションされている。一実施形態では、反応物層680はチタンなどの金属でよい。しかし、コバルトやニッケル、タンタル、白金などのその他の金属を使用することもできる。
【0068】
次いで反応物層680およびゲート層620をアニールして、図60に示す導電層690を形成する。一実施形態では、導電層690はポリサイドでよく、これはポリシリサイド層と呼ぶこともできる。シリサイドは自己整合しまたは非自己整合するものでよく、シリサイドが自己整合する場合にはサリサイドと呼ぶことができることに留意されたい。一実施形態では、ポリサイドはチタンサリサイド(TiSi2)でよい。その他のポリサイドは、コバルトサリサイド(CoSi2)、ニッケルサリサイド(NiSi)、タンタルサリサイド(TaSi)、または白金サリサイド(PtSi)でよい。自己整合するシリサイド以外のポリサイドも形成できることが、当業者には理解できるであろう。一実施形態では、アニールは、窒素雰囲気中で急速熱アニール・プロセスを使用して行うことができる。一実施形態では、追加のアニールを行って導電層690の抵抗を低下させることができる。このとき導電層690は、ゲート層620のエッジを越えて伸び出すことができ、制約も応力も受けないことに留意されたい。
【0069】
未反応の反応物層680をエッチングにより除去し、図6pに示す導電層690を残す。一実施形態では、このエッチングは未反応のチタンを除去するがチタンサリサイドは除去しない等方性エッチングである。
【0070】
この明細書全体を通して等方性エッチングおよび異方性エッチングについて述べてきた。本発明は、これらのエッチング・プロセスを交互に使用して行うことができるが、そのようにエッチング・プロセスを交互に行うことによって別の複雑な問題が生じる可能性があることに留意されたい。上記の明らかにされたプロセス・ステップは、本発明を実施するのに好ましい手法である。
【0071】
さらに、この明細書全体を通し、エッチング・プロセスが窒化物層のみ、または酸化物層のみ除去すると述べてきたが、そのようなエッチング・プロセスは、窒化物または酸化物を選択的に除去することに留意されたい。換言すれば、窒化物を除去するエッチングは、窒化物を、酸化物よりも速い速度で除去することになり、したがってより多くの窒化物が除去されて酸化物はほとんど除去されず、一方、酸化物を除去するエッチングは、酸化物を、窒化物よりも速い速度で除去することになり、したがってより多くの酸化物が除去されて窒化物はほとんど除去されない。
【0072】
本発明の方法およびデバイスの上述の実施形態によれば、多結晶シリコンのゲート幅が0.20μmよりも狭い場合、改善されたポリサイド抵抗がもたらされる。前に述べたように、ポリサイド、チタンサリサイドなどの導電層は、形成中に拡張してよい。以前のゲート電極構造は、この拡張を制約するスペーサ構造を有していた。このため、応力が加えられて抵抗が増大した導電層になった。本発明のいくつかの実施形態は、形成された導電層にかかる応力を減少させ、それによって抵抗を改善するものである。いくつかの実施形態ではスペーサがリセス形成され、導電層の拡張の際に加えられる制約が取り払われる。その他の実施形態では、スペーサが部分的にリセス形成され、曲がることによって応力が消失する薄いスペーサ壁が提供される。その他の実施形態では、リセス形成され、部分的にリセス形成された二重のスペーサ・スタックも、導電層に加えられた応力を消失させまたは除去する。本発明のいくつかの実施形態によってこのように応力が減少することで、抵抗が改善される。また、いくつかの実施形態では、ゲート層の側壁を露出させて表面積をより大きくすることができる。これは、核化部位を増加させることによって、導電層を形成する際の助けをする。導電層の形成を助けることによって、歩留りが増加する。
【0073】
前述の明細書では、本発明について、その特定の例示的な実施形態を参照しながら述べてきた。しかし、上記の特許請求の範囲で述べる本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更を加えることができることが明らかであろう。したがって、明細書および図面は限定的な意味を持つものではなく、例示的なものとみなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置されるゲート層と、
前記ゲート層の両側に隣接して配置される薄い第1のスペーサと、
前記薄い第1のスペーサに隣接して配置される厚い第2のスペーサと、
前記ゲート層上に配置される導電層とを含むゲート電極であって、
前記薄い第1のスペーサと前記厚い第2のスペーサは、それらの全体の高さに沿って相互に平行である側壁を有し、
前記ゲート層と前記薄い第1のスペーサと前記厚い第2のスペーサは、ほぼ同じ高さを有し、
前記導電層は、前記薄い第1のスペーサ上を横方向に延在するが、前記ゲート層の側壁と前記厚い第2のスペーサ上には延在しない、前記ゲート電極。
【請求項2】
ゲート層は、多結晶シリコンである請求項1に記載のゲート電極。
【請求項3】
導電層は、ポリサイドである請求項2に記載のゲート電極。
【請求項4】
ポリサイドは、チタンサリサイド(TiSi2)である請求項3に記載のゲート電極。
【請求項5】
薄い第1のスペーサは、酸化物である請求項1に記載のゲート電極。
【請求項6】
厚い第2のスペーサは、窒化物である請求項1に記載のゲート電極。
【請求項7】
薄い第1のスペーサは、少なくとも厚い第2のスペーサと同じ高さである請求項1に記載のゲート電極。
【請求項8】
厚い第2のスペーサは、少なくとも薄い第1のスペーサの2倍の厚さである請求項1に記載のゲート電極。
【請求項9】
厚い第2のスペーサは、300から2000オングストロームの厚さである請求項8に記載のゲート電極。
【請求項10】
厚い第2のスペーサは、少なくとも800オングストロームの厚さである請求項9に記載のゲート電極。
【請求項11】
基板上に配置される絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されるゲート層と、
前記ゲート層の両側に隣接して配置される薄い第1のスペーサと、
前記薄い第1のスペーサの両側に隣接して配置される薄い第2のスペーサと、
前記薄い第2のスペーサの両側に隣接して配置される薄い第3のスペーサと、
前記薄い第3のスペーサの両側に隣接して配置される厚い第4のスペーサと、
前記ゲート層に配置される導電層と、を含むゲート電極であって、
前記ゲート層は、その高さに沿って均一な幅であり、
前記導電層少なくとも一部は、前記ゲート層より幅が広い、前記ゲート電極。
【請求項12】
導電層は、ゲート層と接触しているより狭いベース部によって規定される不均一な断面と、より幅の広い上面部とを有する請求項11に記載のゲート電極。
【請求項13】
薄い第1のスペーサと薄い第2のスペーサは、導電層のより幅の広い上面部を収容するように変形する請求項12に記載のゲート電極。
【請求項14】
ゲート層より幅の広い導電層の部分は、少なくとも薄い第1のスペーサ上に位置する請求項12に記載のゲート電極。
【請求項15】
絶縁層は、酸化物である請求項11に記載のゲート電極。
【請求項16】
ゲート層は、多結晶シリコンである請求項15に記載のゲート電極。
【請求項17】
導電層は、ポリサイドである請求項16に記載のゲート電極。
【請求項18】
薄い第1のスペーサは、酸化物である請求項17に記載のゲート電極。
【請求項19】
薄い第2のスペーサは、窒化物である請求項18に記載のゲート電極。
【請求項20】
薄い第3のスペーサは、酸化物である請求項19に記載のゲート電極。
【請求項21】
厚い第4のスペーサは、窒化物である請求項20に記載のゲート電極。
【請求項22】
基板上に配置される絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されるゲート層と、
前記ゲート層上に配置される導電層と、
前記ゲート層の両側に隣接して配置される厚い第1のスペーサと、
前記厚い第1のスペーサに隣接して配置される厚い第2のスペーサと、を含むゲート電極であって、
前記導電層は、コバルトを含むポリサイドであり、かつ、前記ゲート層のエッジを超えて延びることができ、
前記厚い第1のスペーサは、前記導電層と前記厚い第2のスペーサとの間に開放スペースを作るようにリセス形成される、前記ゲート電極。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図2(e)】
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【図2(f)】
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【図2(g)】
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【図2(h)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図3(d)】
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【図3(e)】
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【図3(f)】
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【図3(g)】
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【図3(h)】
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【図3(i)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図4(d)】
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【図4(e)】
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【図4(f)】
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【図4(g)】
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【図4(h)】
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【図4(i)】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図5(e)】
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【図5(f)】
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【図5(g)】
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【図5(h)】
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【図5(i)】
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【図5(j)】
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【図5(k)】
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【図5(l)】
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【図5(m)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図6(e)】
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【図6(f)】
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【図6(g)】
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【図6(h)】
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【図6(i)】
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【図6(j)】
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【図6(k)】
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【図6(l)】
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【図6(m)】
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【図6(n)】
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【図6(o)】
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【図6(p)】
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【公開番号】特開2011−61222(P2011−61222A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239690(P2010−239690)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【分割の表示】特願2000−583085(P2000−583085)の分割
【原出願日】平成11年11月4日(1999.11.4)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】