説明

大衆交通情報案内システム及びその方法

【課題】大衆交通情報案内システム及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明は、交通カード機能を備えている移動通信端末、すなわち、モバイル決済フォンをバスや地下鉄の駅などに設けられている課金端末に接触させる場合、そのモバイル決済フォンを介して、ユーザに関する大衆交通経路情報と現在の停留場情報とを組み合わせて、乗り換えのための最適な大衆交通情報を提供する。これにより、ユーザは、目的地まで利用可能な大衆交通手段に関する最短時間情報、最適運賃情報、最短距離情報などの各種の経路情報を受信可能になる。このように、本発明は、大衆交通の乗り換え時に、正確で且つ便利に利用可能な最適な大衆交通手段を提供することにより、ユーザをして複雑な大衆交通の乗り換えサービスを容易に利用可能にし、これは、大衆交通サービスの利用時の利便性の極大化につながる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大衆交通情報案内システム及びその方法に係り、特に、交通カード機能を有する端末を用いて、ユーザに目的地までの最適な大衆交通情報を提供することのできる大衆交通情報案内システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ナビゲーションシステムとしては、大別して、携帯用のものであって、個人が所持可能なPNS(Personal Navigation System)と、車両に取り付けられて各種の走行情報を提供するためのCNS(Car Navigation System)と、がある。中でも、車両用ナビゲーションシステムであるCNSは、移動体の進行方向、行きたい目的地までの距離、移動体の現在の移動速度、目的地までの最適な経路などを表示するなど、車両の運転者に対し走行に必要な各種の情報をリアルタイムに提供する。しかしながら、CNSは、車両に取り付けられるため、使用時に場所の制限を受ける。
【0003】
これに対し、PNSは、個人が所持している状態で各種の情報を受信することが可能であるので、種々の方法により使用可能である。ここで、ナビゲーション機能を有する端末(以下、ナビゲーション端末)は、ナビゲーションサーバと通信を行うために、それ自身に通信機能を含んだり、あるいは、携帯電話、PDAなどの移動通信端末のように機能したりする。このような従来型のナビゲーション端末は、ユーザが出発地と所望の目的地を入力すると、該当道路地図を画面にディスプレイすると共に、出発地から目的地までの最適な経路を設定してディスプレイする。しかしながら、このような端末を所持しているユーザが慣れていない目的地に大衆交通を用いて移動したい場合、従来は、大衆交通に関する乗り換え情報を提供するサービスがなかった。このため、ユーザが目的地まで移動するとき、途中で大衆交通を乗り換えなければならない場合、どの大衆交通を用いればよいかが判断し難く、その結果、目的地までの所要到着時間が延びてしまう可能性がある。さらに、どの大衆交通を選択するかによって大衆交通運賃が異なってくる可能性がある。これにより、従来では、ユーザは、どの大衆交通を用いれば効率的であるかが分からなかった。
【0004】
このように交通情報をリアルタイムに提供する運営システムまたは運営方法においては、ユーザがどこにいるにせよ、所望の交通情報の要求をどれほど正確で且つ便利にサービスシステムに伝達できるかということと、所望の交通情報をどれほど正確で且つ容易に獲得できるかということが、サービスの利用時の利便性を極大化させられる条件として求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来は、PNS端末を所持しているユーザが目的地に行きたい場合、目的地までの車両運行中心の経路案内情報しか受信できず、大衆交通乗換情報を受信可能な方法がなかった。これにより、ユーザが目的地まで移動するとき、途中で大衆交通手段に乗り換える必要が生じた場合は、最適な移動手段を選択することが煩雑であった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが大衆交通を用いて目的地まで移動する場合において、大衆交通の乗り換え時に、正確で且つ便利に利用可能である最適な大衆交通手段を提供することにより、ユーザによる大衆交通サービスの利用上の利便性を極大化させられる大衆交通情報案内システム及びその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を達成するために、本発明に係る大衆交通情報案内システムは、大衆交通情報の要請時に、目的地までの初期の大衆交通乗換情報を提供し、乗り換え時に、現在の交通情報及び乗り換え地点に関する情報を組み合わせて最適化した大衆交通情報を提供する大衆交通案内サーバと、大衆交通運賃を徴収し、乗下車時にユーザの乗下車情報を伝達する課金端末と、上記課金端末から受け取った乗下車情報を用いて、乗り換え地点に関する情報を上記大衆交通案内サーバに提供する課金サーバと、上記課金端末への接触により大衆交通運賃を決済し、乗り換え時ごとに上記大衆交通案内サーバからの最適化した大衆交通情報を出力する移動通信端末と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る大衆交通情報案内方法は、移動通信端末からの大衆交通サービスの要請に応じて、大衆交通案内サーバが、目的地までの初期の大衆交通乗換情報を提供するステップと、上記端末が、上記初期の大衆交通乗換情報に基づく該当大衆交通手段において乗下車イベントが発生したかどうかを判断するステップと、上記イベントが発生した場合、上記端末が、上記大衆交通案内サーバに現在の位置における最適な大衆交通乗換情報を要請するステップと、上記要請に応じて、上記端末が、現在の位置において乗車すべき最適な大衆交通乗換情報を受信して出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
モバイル決済フォンを所持しているユーザが、慣れていない目的地に大衆交通を用いて行きたい場合、バスや地下鉄の駅に設けられている課金端末にモバイル決済フォンを接触させるときに獲得可能な停留場情報と大衆交通案内サーバから受信する経路情報とを用いることにより、ユーザに最短時間、最低運賃、最短距離などに関する各種の大衆交通情報を提供してユーザの利便性を向上できるという利点がある。特に、本発明によれば、ユーザは、乗り換え時ごとに別途に自分の現在の位置を入力することなく、また、直接的に情報を検索することなく、モバイル決済フォンを用いて運賃決済を行うときに自動的に最適化した大衆交通情報を受信することが可能になることから、所望の大衆交通情報を正確で且つ容易に獲得可能であるという利点がある。さらに、本発明は、所望の大衆交通情報の要請をデータサービスまたは短文メッセージサービスを用いて行うことから、通信網の利用料金を節減できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明の好適な実施の形態を一層詳述する。なお、本発明を説明するに当たり、関連のある公知の技術あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする恐れがあると認められる場合、その詳細な説明を省略する。
【0011】
本発明は、大衆交通を用いるユーザに対し、乗り換え時にも最適な大衆交通情報を提供可能な機能を具現する。このために、本発明は、交通カード機能を備えている移動通信端末、すなわち、モバイル決済フォンをバスや地下鉄の駅などに設けられている課金端末に接触させる場合、そのモバイル決済フォンを介して、ユーザに関する大衆交通経路情報と現在の停留場情報とを組み合わせて、乗り換えのための最適な大衆交通情報を提供する。これにより、ユーザは、目的地まで利用可能な大衆交通手段に関する最短時間情報、最適運賃情報、最短距離情報などの各種の経路情報を受信可能になる。このように、本発明は、大衆交通の乗り換え時に、正確で且つ便利に利用可能な最適な大衆交通手段を提供することにより、ユーザをして複雑な大衆交通の乗り換えサービスを容易に利用可能にし、これは、大衆交通サービスの利用時の利便性の極大化につながる。
【0012】
以下、このような機能を有する大衆交通情報を提供する運営システムの構成要素及びその動作を説明する。図1は、本発明の実施の形態による大衆交通情報を提供する運営システムのブロック構成図である。
【0013】
図1を参照すると、本発明による運営システムは、大別して課金端末100と、移動通信端末110と、移動通信網120と、大衆交通案内サーバ150と、を備える。
【0014】
先ず、課金端末100は、大衆交通運賃を徴収するものであって、課金サーバ190とリアルタイムに連動する。具体的に、ユーザが課金端末100に決済手段であるモバイル決済フォン110を接触させると、直ちに大衆交通運賃が徴収されて課金サーバ190にその利用情報が伝達される。また、課金端末100は、大衆交通運賃を徴収すると共に、乗下車時にユーザの乗下車情報を課金サーバ190に伝達する。
【0015】
そして、移動通信端末110は、ユーザが常に携帯するPDA、携帯電話などのものであって、本発明により交通カード機能が実現されて大衆交通の利用に関する決済手段として用いられる。以下、このような交通カード機能を有する移動通信端末をモバイル決済フォンと称する。特に、モバイル決済フォン110は、ユーザが短文メッセージサービス(SMS:Short Message Service)またはデータサービスを用いて大衆交通案内サーバ150に接続する手段となる。これにより、ユーザは、出発地、目的地及び所望の経路サービスの種別などを設定し、これらを短文メッセージサービスまたはデータサービスを用いて大衆交通案内サーバ150に伝達する。
【0016】
これにより、大衆交通案内サーバ150は、ユーザから要請された大衆交通経路案内サービスに対応する情報をモバイル決済フォン110に伝達する。すなわち、モバイル決済フォン110は、ユーザが目的地まで行く最中に必要となる大衆交通情報だけではなく、大衆交通の乗り換え時に、乗り換え可能な最適な大衆交通情報を大衆交通案内サーバ150から受信する。
【0017】
具体的に、大衆交通案内サーバ150は、初期には大衆交通情報の要請時に、目的地までの大衆交通乗換情報を提供し、ユーザがこのような大衆交通乗換情報に基づいて大衆交通手段に乗り換えるとき、現在の交通情報及び乗り換え地点に関する情報を組み合わせて最適化した大衆交通情報をモバイル決済フォン110に提供する。これにより、モバイル決済フォン110は、受け取った最適な大衆交通情報を画面を介して文字表示するか、あるいは、スピーカを介して音声出力する。
【0018】
また、移動通信網120は、無線中継を行うための通常の基地局130などにより構成されても良い。このような移動通信網120は、本発明により、モバイル決済フォン110と大衆交通案内サーバ150との間において無線通信を行うことにより、データ中継を実行する。
【0019】
さらに、大衆交通案内サーバ150は移動通信網120と接続され、ユーザが目的地に着くまで、ユーザの大衆交通の乗下車地点、区間別の所要時間、乗り換え情報、交通状況情報などを管理するデータベース160を備える。例えば、このようなデータベース160は、具体的に、大衆交通停留場情報DB(データベース)170と、区間別のリアルタイム交通情報DB(データベース)180と、により構成され、ユーザに最適な大衆交通情報を提供するための情報を記憶している。
【0020】
さらに、課金サーバ190は、大衆交通案内サーバ150及び課金端末100と接続されて、大衆交通サービスを要請したユーザの乗下車位置情報、乗車距離、乗り換え記録などを管理し、このような情報を基にしてユーザに大衆交通運賃を請求する。特に、本発明による課金サーバ190は、大衆交通案内サーバ150と連動することにより、モバイル決済フォン110の現在の位置を容易に把握することができる。すなわち、課金サーバ190は、課金端末100から受け取った乗下車情報を用いて、乗り換え地点に関する情報を大衆交通案内サーバ150に提供することができる。
【0021】
以下、上述した運営システムの各構成要素の詳細を説明する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態による大衆交通案内サーバの内部概略ブロック構成図である。図2を参照すると、大衆交通案内サーバ150は、移動通信網120及び課金サーバ190と接続される。このような大衆交通案内サーバ150は、大別して移動通信網とのインタフェース210と、課金サーバとのインタフェース部220と、大衆交通停留場情報DB170と、区間別のリアルタイム交通情報DB180と、大衆交通経路情報生成部200と、を備える。
【0023】
これらの各構成要素においては、図3に示すようなデータを管理する。例えば、移動通信網とのインタフェース210は、移動通信網120との通信を可能にするTCP/IPを通じてデータを管理し、課金サーバとのインタフェース部220も、課金サーバ190との通信を可能にするTCP/IPを通じてデータを管理する。
【0024】
そして、大衆交通停留場情報DB170は、停留場のタイプ、停留場ID、路線番号、停留場の位置、以前の区間経路時間、以降の区間経路時間、周辺の乗り換え情報などの情報を記憶している。さらに、区間別のリアルタイム交通情報DB180は、随時変わる交通状況をリアルタイムに反映して、ユーザに最適な大衆交通情報を提供するように、現在の交通量情報、事故情報、工事情報、行事情報など交通状況に影響を及ぼしうる各種の交通状況情報を記憶している。詳しくは、上述したように、各種のDBは、ユーザが利用可能な大衆交通手段の種類を区別し、区別された各交通手段による停留場別の経由すべき路線番号及びその路線番号別の経由すべき停留場情報、停留場の名称、停留場間の予想移動所要時間、各大衆交通手段による路線番号別の配車時間、現在の位置を基準とした目的地への移動中における乗り換えに関する各種の乗り換え情報などの情報を、大衆交通経路情報生成部200からの入力保存及び情報検索の要請に応じて出力する。
【0025】
そして、大衆交通経路情報生成部200は、モバイル決済フォン110の現在の位置と最初に登録した目的地を用いて、最短時間情報、最低の運賃情報、最短距離、交通状況をリアルタイムに予測する経路アルゴリズムを通じて、最適な大衆交通経路情報を生成し、それをユーザに提供する。
【0026】
上述した大衆交通案内サーバ150において最適な大衆交通経路情報を生成するための各構成要素の動作過程を説明すると、下記の通りである。
【0027】
先ず、ユーザからの大衆交通案内サービスの要請は、移動通信網120を介して移動通信網とのインタフェース部210に伝達される。大衆交通案内サービスの要請には、出発地、目的地及び経路案内サービスの種別などに関する情報が含まれている。これにより、移動通信網とのインタフェース部210からの要請を受けた大衆交通経路情報生成部200は、各種のDB170、180を参照して最適な大衆交通経路情報を生成し、該当モバイル決済フォン110に伝送する。
【0028】
これにより、ユーザは、目的地まで大衆交通案内サーバ150から受け取った経路情報に基づいて大衆交通を用いる。これにより、ユーザが該当大衆交通に搭乗してモバイル決済フォン110を課金端末100に接触させると、モバイル決済フォン110は、短文メッセージサービスまたはデータサービスを用いて、乗下車イベントが発生した旨を報知する。
【0029】
乗下車イベントが発生すると、それが移動通信網120を介して大衆交通案内サーバ150の移動通信網とのインタフェース部210に伝達される(S10)。これにより、大衆交通案内サーバ150は、モバイル決済フォン110のユーザ情報、すなわち、加入者番号を基にして、課金サーバ190に対してモバイル決済フォン100の現在の位置、例えば、停留場情報などを提供することを要請する。次いで、このような情報の要請が課金サーバとのインタフェース部220に伝達されると(S20)、課金サーバとのインタフェース部220は、TCP/IPを用いて、課金サーバ190に対してモバイル決済フォン110の現在の位置と関連情報とを要請する(S30)。課金サーバ190は、このような要請に応じて、自分が管理しているモバイル決済フォン110に関する情報、例えば、停留場利用情報、乗り換え記録などを照会し、最終的に入力されたモバイル決済フォン110の停留場の位置を大衆交通案内サーバ150の課金サーバとのインタフェース部220に伝達する(S40)。これにより、課金サーバとのインタフェース部220は、移動通信網とのインタフェース部210を経由して(S50)大衆交通経路情報生成部200に課金サーバ190からの情報を提供する。
【0030】
これにより、大衆交通経路情報生成部200は、モバイル決済フォン100の現在の位置と、そのユーザが最初に入力した目的地、要請した経路サービス及び各種のDB170、180の情報とを組み合わせ(S70)、現時点における最適な大衆交通経路を計算する。このようにして計算された大衆交通経路情報は、移動通信網とのインタフェース部210に伝達され(S80)、これがさらにモバイル決済フォン110に伝達されるように移動通信網120に送られる(S90)。
【0031】
一方、モバイル決済フォン110において、大衆交通案内サーバ150から最適な大衆交通経路情報を受信するための各構成要素の動作過程を説明すると、下記の通りである。
【0032】
図4は、本発明の実施の形態による最適な大衆交通経路情報を受信するためのモバイル決済フォンの内部概略ブロック構成図である。
【0033】
図4を参照すると、本発明によるモバイル決済フォン110は、制御部300と、表示部310と、キー入力部320と、無線部340と、RFIDタグ330と、を備える。
【0034】
先ず、制御部300は、モバイル決済フォン110の全般的な制御を司り、本発明の実施の形態によりユーザがモバイル決済フォン110を課金端末100に接触させると、自分の固有タグIDをRFIDタグ330を介して課金端末100に伝送する。このとき、タグIDとは、それぞれのモバイル決済フォンごとに割り当てられる固有値を言うが、交通カードチップに関するIDを含んでも良い。このため、課金端末100は、このタグIDからモバイル決済フォン110を区別可能になる。また、制御部300は、大衆交通案内サーバ150からの大衆交通経路情報を、画面または音声にて報知するように、各構成要素を制御する。
【0035】
そして、表示部310は、制御部300の制御下で、キー入力部320からキー入力データに関する表示データを入力されてそれをディスプレイするか、あるいは、ユーザが所望の機能を設定あるいは駆動するときにその状態を視認させる。特に、表示部310上には、制御部300の制御下で、大衆交通案内サーバ150から受け取った最適な大衆交通経路情報を表示する。また、キー入力部320は、ユーザの入力に対応する大衆交通経路情報の要求信号を制御部300に出力する。このとき、キー入力部320は、キーパッドなどにより構成されてもよい。このキー入力部320は、初期の大衆交通案内サービスを要請するための情報入力手段であり、これを介して、ユーザは、初期の大衆交通サービスの利用時に出発地、目的地及び経路サービスの種別を入力することができる。
【0036】
そして、無線部340は、モバイル決済フォン110と大衆交通案内サーバ150との間の通信を司り、モバイル決済フォン110からの大衆交通案内サービスの要請を受信するか、あるいは、その要請に対応する結果を送信する。
【0037】
さらに、RFIDタグ330は、モバイル決済フォンごとに割り当てられる固有のタグIDを記憶しており、ユーザが自分のモバイル決済フォンを課金端末100に接触させると、有効な周波数を感知して、RDIDタグ内に記憶されている情報データを課金端末100のRFIDリード部に送る。このような機能を行うRFIDタグ330の構成の詳細は、図5に示してある。図5は、図4のRFIDタグの詳細ブロック構成図である。
【0038】
図5に示すように、RFIDタグ330は、タグIDをはじめとするユーザ関係の情報を記憶しているタグメモリ510と、所定の距離以内に有効周波数があるかどうかを感知して、課金端末100のRFIDリード部のアンテナからの周波数を受信するアンテナ(One-chip Antenna Coil)500と、各構成要素に電源を供給するパワー生成部520と、有効周波数の感知時にタグメモリ510内の情報をアンテナ500を介して送信するように制御する制御部530などを備える、各種の要求に対応するように製造された半導体チップ(ICチップ)により具現されている。
【0039】
一方、課金端末100は、図6に示すように構成される。ここで、課金端末100のRFIDリード部610は、RFIDタグ330からタグIDまたはユーザ関係の情報を読み取るためのRF(高周波)信号を発生し、そのRF信号によりRFIDタグ330から出力されるタグIDまたはユーザ関係の情報を受信して、課金端末制御部600に伝達する。そして、課金端末制御部600は、モバイル決済フォン110の接触が行われると、RFIDタグ330から受信した情報を用いて、現在のモバイル決済フォン110の番号、ユーザ関係の情報、停留場情報などを課金サーバ190に伝送して、それ自身で課金処理を行う。
【0040】
上述のように、モバイル決済フォン110及び課金端末100間にRFID技術を適用するに際し、RFIDタグは、RFIDリード部と対をなす必要がある。これにより、そのRFIDリード部を介してRFIDタグの情報を認識可能になる。このようなRFIDタグは、各モバイル決済フォンの各種のユーザ関係の情報を含んでいる。
【0041】
次いで、本発明の具体例を詳述するために、図7を参照する。図7は、本発明の実施の形態により大衆交通情報を提供する運営システムにおける各構成要素間の信号の流れを示す図である。
【0042】
先ず、モバイル決済フォン110は、ユーザから大衆交通案内の要請があれば、ステップ700において、短文メッセージサービスまたはデータサービスを用いて大衆交通案内サーバ150に接続し、大衆交通サービスの要請がある旨を報知する。大衆交通案内サーバ150への接続が行われると、ユーザは、出発地、目的地、経路サービスの種別などを入力することができる。
【0043】
これにより、大衆交通案内サーバ150は、ステップ705において、現在の交通状況を反映して、ユーザが目的地まで最適な条件で移動できるように大衆交通情報を生成する。すなわち、モバイル決済フォン110からの大衆交通サービスの要請に応じて、大衆交通案内サーバ150は、目的地までの初期の大衆交通乗換情報を提供する。このような方法により最適な大衆交通情報が生成されると、大衆交通案内サーバ150は、ステップ710において、大衆交通サービスの要請に関する応答メッセージをモバイル決済フォン110に伝達する。
【0044】
このように初期にモバイル決済フォン110に受信される大衆交通情報は、図8の通りである。図8を参照すると、ユーザが出発地と目的地を入力すると、どの停留場で乗下車すべきであるかに関する情報と、乗下車時ごとに該当停留場において利用可能な大衆交通手段に関する情報などをユーザに提供することができる。このとき、モバイル決済フォン110は、応答メッセージを大衆交通案内サーバ150との所定の伝送プロトコルを用いて受信するか、あるいは、短文メッセージサービスを用いて受信する。このために、モバイル決済フォン100は、短文メッセージの受信モジュール又はデータの送受信モジュールを備えることができる。
【0045】
これにより、ユーザは、初期に受信した最適な大衆交通情報に基づいて、目的地への移動を始める。先ず、ユーザは、最初に推奨された大衆交通手段に搭乗するとき、ステップ715のように、課金端末100にモバイル決済フォン110を接触させて運賃を決済する。ステップ715において交通カードの接触により行われる運営システムの各構成要素間の信号の流れは、後述する通りである。
【0046】
具体的に、課金端末100のRFIDリード部610は、ステップ720において、モバイル決済フォン110のRFIDタグ330から情報を受信するための有効周波数を信号の形でモバイル決済フォン110に与える。これにより、ステップ725において、モバイル決済フォン110のRFIDタグ330は、有効周波数を感知してタグIDを課金端末100に伝送する。このとき、モバイル決済フォン110は、タグIDに加えて、ユーザ関係の情報をも伝送することができる。これにより、課金端末100は、モバイル決済フォン110から受け取った情報を用いて、現在のモバイル決済フォン110の番号と現在の停留場情報などを組み合わせて、それ自身で課金処理を行い、ステップ730において、これより取得されたモバイル決済フォン110の搭乗情報を課金サーバ190に伝達する。
【0047】
一方、ユーザが大衆交通に乗下車するときに課金端末100にモバイル決済フォン110を接触させると、モバイル決済フォン110は、ステップ735において、ユーザにより乗下車イベントが発生したかどうかを判断することができる。このため、ユーザが現在の大衆交通手段から他の大衆交通手段に乗り換えようとして下車する場合、モバイル決済フォン110は、下車イベントが発生した旨を大衆交通案内サーバ150に報知する。このとき、モバイル決済フォン110は、ステップ740のように、乗下車イベントを発生すると共に、現在の状態で乗り換え可能な最適な大衆交通情報を大衆交通案内サーバ150に要請する。これにより、大衆交通案内サーバ150は、ステップ745において、乗り換え可能な乗り換え時点別に出発地、目的地、経路サービスの種別を更新して保存する。そして、大衆交通案内サーバ150は、ステップ750において、現在のモバイル決済フォン110の番号を基にして、課金サーバ190に対して現在の位置情報、例えば、停留場情報などを要請する。これにより、課金サーバ190は、課金端末100から受け取ったユーザの乗下車位置を管理するために、モバイル決済フォン110の現在の位置を把握し、ステップ755において、現在の位置応答メッセージを大衆交通案内サーバ150に与えることができる。
【0048】
これにより、大衆交通案内サーバ150は、ステップ760において、課金サーバ190から受け取ったモバイル決済フォン110の現在の位置と、各種のDB170、180に記憶されている情報とを組み合わせて、最適化した大衆交通情報を生成する。具体的に、大衆交通案内サーバ150は、大衆交通の乗下車地点、区間別の所要時間、乗り換え情報、交通状況情報などを管理するために、モバイル決済フォン110の現在の位置と最初に登録した目的地とを用いて、最短時間、最低運賃、最短距離などの有用な大衆交通情報を生成し、ステップ765において、モバイル決済フォン110に提供する。このとき、ユーザの使い勝手の良さのために、少なくとも1つ以上の大衆交通情報を提供する。例えば、ユーザが最短時間を優先する場合は、最短時間にて目的地まで到達可能な方法などをはじめとする各種の大衆交通情報を提供し、ユーザが最低運賃を優先する場合は、最低の運賃にて目的地まで到達可能な方法などをはじめとする各種の大衆交通情報を提供する。
【0049】
一方、モバイル決済フォン110は、ステップ770において、ユーザによるサービス終了の要請がなければ、ステップ715に戻った後、次回の大衆交通の利用による最適化した大衆交通情報を提供する。すなわち、モバイル決済フォン110による乗下車イベントの発生時ごとに上述した過程を繰り返すことにより、ユーザが大衆交通を用いて目的地に到達できるようにサポートする。次いで、ユーザが目的地に着くと、モバイル決済フォン110は、ステップ775において、大衆交通案内サーバ150にサービス終了の要請を行うことにより、サービスの終了を報知する。これにより、大衆交通案内サーバ150は、ステップ780において、サービスの終了を行い、ステップ785において、サービスの終了が完了した旨を報知するサービス終了応答メッセージをモバイル決済フォン110に送る。これにより、モバイル決済フォン110は、送られてきた応答メッセージを音声出力するか、あるいは、画面表示してユーザにサービスの終了を報知する。
【0050】
上述した大衆交通情報は、図9A及び図9Bに示すように、画面またはスピーカを介して出力することができる。ユーザには、具体的に、図9Aに示すように、最初に利用可能な大衆交通手段の路線番号を基にして、どれほど移動すべきであるかを提供し、該当大衆交通手段の路線番号を用いる場合、下車までの所要時間に関する情報と共に、これを用いる場合の運賃情報を提供する。一方、ユーザが図9Aにおける「詳細」メニューS900を選択する場合、ユーザは、図9Bに示すように、乗り換えに役立つ大衆交通情報の詳細を参照することができる。代案としては、「詳細」メニューS900を選択する場合、目的地までに利用可能な他の大衆交通情報を提供しても良い。
【0051】
さらに、上述したように、目的地までの移動中に乗り換えを実行したい場合は、現位置において乗車すべき大衆交通手段及びその路線番号、乗り換え位置、現位置から下車地点までの所要時間なども提供する。特に、本発明においては、大衆交通情報を提供するときに、区間別のリアルタイムな交通情報を反映することにより、目的地までの一層最適化した大衆交通情報をユーザに提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態による大衆交通情報を提供する運営システムのブロック構成図である。
【図2】本発明の実施の形態による大衆交通案内サーバの内部概略ブロック構成図である。
【図3】本発明の実施の形態による大衆交通案内サーバの各構成部別の管理データを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態による最適な大衆交通経路情報を受け取るためのモバイル決済フォンの内部概略ブロック構成図である。
【図5】図4におけるRFIDタグの詳細ブロック構成図である。
【図6】本発明の実施の形態による課金端末の内部概略ブロック構成図である。
【図7】本発明の実施の形態による大衆交通情報を提供する運営システムにおける各構成要素間の信号の流れを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態による初期の大衆交通情報が表示される画面の例示図である。
【図9A】本発明の実施の形態による乗り換え情報を含む大衆交通情報の内容を示す図である。
【図9B】本発明の実施の形態による乗り換え情報を含む大衆交通情報の内容を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
100 課金端末
110 移動通信端末(モバイル決済フォン)
120 移動通信網
130 基地局
150 大衆交通案内サーバ
160 データベース
170 大衆交通停留場情報DB(データベース)
180 区間別のリアルタイム交通情報DB(データベース)
190 課金サーバ
200 大衆交通経路情報生成部
210 移動通信網とのインタフェース
220 課金サーバとのインタフェース部
300 制御部
310 表示部
320 キー入力部
330 RFIDタグ
340 無線部
500 アンテナ(One-chip Antenna Coil)
510 タグメモリ
520 パワー生成部
530 制御部
600 課金端末制御部
610 RFIDリード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大衆交通情報案内システムであって、
大衆交通情報の要請時に、目的地までの初期の大衆交通乗換情報を提供し、乗り換え時に、現在の交通情報及び乗り換え地点に関する情報を組み合わせて最適化した大衆交通情報を提供する大衆交通案内サーバと、
大衆交通運賃を徴収し、乗下車時にユーザの乗下車情報を伝達する課金端末と、
前記課金端末から受け取った乗下車情報を用いて、乗り換え地点に関する情報を前記大衆交通案内サーバに提供する課金サーバと、
前記課金端末への接触により大衆交通運賃を決済し、乗り換え時ごとに前記大衆交通案内サーバからの最適化した大衆交通情報を出力する移動通信端末と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記最適化した大衆交通情報の出力は、
画面への文字出力及びスピーカを通じての音声出力のうちいずれかにより行われることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記課金サーバは、
前記乗下車情報から前記ユーザの現在の位置情報を把握して、乗り換え地点に関する情報を提供することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記乗下車情報は、
前記ユーザの乗下車位置情報、乗車距離及び乗り換え記録のうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記移動通信端末は、
初期の大衆交通案内サービスの要請のための情報入力手段としてのキー入力部と、
前記情報の入力が完了すると、前記大衆交通案内サーバと通信して前記最適化した大衆交通情報を受け取る無線部と、
前記大衆交通案内サーバからの最適化した大衆交通情報を表示する表示部と、
乗下車時に自分のタグIDを前記課金端末に伝達するRFIDタグと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記移動通信端末は、
前記初期の大衆交通案内サービスの要請時に、前記ユーザから出発地、目的地及び経路サービスの種別を前記キー入力部を介して入力され、前記入力された情報を前記無線部を介して前記大衆交通案内サーバに伝送することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記RFIDタグは、
タグID及びユーザ関係の情報を記憶しているタグメモリと、
所定の距離以内に有効周波数があるかどうかを感知するアンテナと、
前記有効周波数の感知時に前記タグメモリ内の情報を前記課金端末に送信するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記課金端末は、
前記移動通信端末のRFIDタグからタグID及びユーザ関係の情報のいずれか一方を読み取るためのRF信号を発生し、前記RF信号により前記RFIDタグから出力される情報を受信するRFIDリード部と、
前記RFIDリード部からの情報を用いて、前記ユーザの乗下車情報を前記課金サーバに伝送して課金処理を行う課金端末制御部と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記乗下車情報は、
前記移動通信端末の番号、ユーザ関係の情報及び前記乗下車時の停留場情報を含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記大衆交通案内サーバは、
前記ユーザが目的地に着くまでの乗下車地点、区間別の所要時間、乗り換え情報及び交通状況情報のうち少なくとも1つ以上の情報を管理するデータベースを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記データベースは、
停留場のタイプ、停留場ID、路線番号、停留場の位置、以前の区間経路時間、以降の区間経路時間及び周辺の乗り換え情報を記憶する大衆交通停留場情報データベースと、
随時変わる交通状況をリアルタイムに反映して前記ユーザに最適な大衆交通情報を提供するように、現在の交通量情報、事故情報、工事情報及び行事情報をはじめとして交通状況に影響を及ぼしうる各種の交通状況情報を記憶する区間別のリアルタイム交通情報データベースと、を備えることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記データベースは、
ユーザが利用可能な大衆交通手段の種別を区別し、区別された各交通手段による停留場別の経由すべき路線番号、前記路線番号別の経由すべき停留場情報、停留場の名称、停留場間の予想移動所要時間、各大衆交通手段による路線番号別の配車時間及び現在の位置を基準とした目的地への移動中における乗り換えに関する各種の乗り換え情報のうち少なくとも1つ以上の情報を記憶することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記課金サーバから受信した現在の位置と最初に登録した目的地を用いて最適な大衆交通経路情報を生成する大衆交通経路情報生成部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記最適化した大衆交通経路情報は、
現在の位置から目的地までの最短時間情報、最低運賃情報及び最短距離情報のうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
大衆交通情報案内方法であって、
移動通信端末からの大衆交通サービスの要請に応じて、大衆交通案内サーバが、目的地までの初期の大衆交通乗換情報を提供するステップと、
前記端末が、前記初期の大衆交通乗換情報に基づく該当大衆交通手段において乗下車イベントが発生したかどうかを判断するステップと、
前記イベントが発生した場合、前記端末が、前記大衆交通案内サーバに現在の位置における最適な大衆交通乗換情報を要請するステップと、
前記要請に応じて、前記端末が、現在の位置において乗車すべき最適な大衆交通乗換情報を受信して出力するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記乗下車イベントが発生したかどうかを判断するステップは、
前記端末が大衆交通運賃を決済するために課金端末と接触したかどうかを判断するステップであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記初期の大衆交通乗換情報を提供するステップは、
ユーザにより出発地及び目的地が入力されると、短文メッセージサービス及びデータサービスのいずれか一方を用いて前記大衆交通案内サーバに前記初期の大衆交通乗換情報を要請するステップと、
前記伝送に対応して現在の交通状況を反映し、前記目的地まで最適な条件で移動するように、初期の大衆交通乗換情報を生成するステップと、
前記生成された初期の大衆交通乗換情報を前記サービスを要請した端末に伝達するステップと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記接触が行われると、前記課金端末が、前記移動通信端末から、タグID及びユーザ関係の情報のいずれか一方を受信するステップと、
前記受信した情報を用いて搭乗情報を課金サーバに伝達するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記現在の位置における最適な大衆交通乗換情報の要請があれば、前記大衆交通案内サーバが出発地及び目的地を更新して記憶するステップと、
前記記憶後、前記課金サーバに前記移動通信端末の現在の位置を要請するステップと、
前記要請に対応する現在の位置を受信すると、現在の交通状況を反映して最適化した大衆交通情報を生成するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2006−234813(P2006−234813A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42591(P2006−42591)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】