対象の数に合わせた最適制御システム、無線端末、制御機器
【課題】 室内の人数も加味して空調の制御を行う等、複数の対象の数に合わせた管理対象の最適な制御を行い得る最適制御システムを提供する。
【解決手段】 エリア1乃至nのそれぞれに配設した管理対象11乃至1nと、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末31乃至35と、エリア1乃至nのそれぞれに配設するとともに、端末信号を受信して受信した無線端末31乃至35の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末21乃至2nと、各受信信号を受信して処理し、各エリア1乃至n毎の無線端末31乃至35の数に基づく要素を少なくとも加味して各管理対象11乃至1nの所定の制御を行う管理サーバ51とを有する。
【解決手段】 エリア1乃至nのそれぞれに配設した管理対象11乃至1nと、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末31乃至35と、エリア1乃至nのそれぞれに配設するとともに、端末信号を受信して受信した無線端末31乃至35の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末21乃至2nと、各受信信号を受信して処理し、各エリア1乃至n毎の無線端末31乃至35の数に基づく要素を少なくとも加味して各管理対象11乃至1nの所定の制御を行う管理サーバ51とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は対象の数に合わせた最適制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク分散型ビル管理システムとして、エアコン等のビル内設備機器を有線又は無線で接続してこれらの設備機器を監視、制御する分散制御装置を有し、ビルから離れた場所にいても、ビル内設備機器の監視を可能としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−134120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の如き従来技術に係るネットワーク分散ビル管理システムにおいては、ビル内機器の監視、制御は行うことができるが、監視、制御対象の環境の如何にかかわらず画一的な制御を行うことしかできない。すなわち、監視、制御対象としてビル内の各部屋に分散配置してある空調装置を考える場合、部屋に居る人数を考慮した制御を行うことはできないので、大人数が居る部屋であれ、人が存在しない部屋であれ、例えば室温等に基づき、所定の画一な条件で画一的な制御を行うことしかできない。そこで、無駄に空調装置を稼動させる等、適切な制御を行うことが困難なシステムとなってしまっていた。
【0004】
一方、各部屋にカメラを設置し、このカメラを介して撮像した映像を確認しつつ前述の如き制御を行うようにすれば、より適切な制御が可能になると考えられるが、この場合には、画像を確認するという人間系の確認作業が発生するか、又はこの確認作業を自動的に行うようにするためには画像処理等、複雑な処理が必要となり、いずれにしてもコストの高騰を招来するという問題を発生する。
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑み、室内の人数も加味して空調の制御を行う等、複数の対象の数に合わせた管理対象の最適な制御を行い得る最適制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、前記各受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0007】
本態様によれば、各エリアに存在する検出対象の数を加味して各エリアに配設した管理対象を制御することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、各受信端末が送出した前記受信信号を受信して各受信信号を全て含む総括受信信号を送出する総括受信端末と、前記総括受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0009】
本態様によれば、統括受信端末により多段に情報を伝達することができるので、固定局である各受信端末と総括受信端末との間の通信が十分な高出力で行われるようにすれば良く、各無線端末は近傍に存在する各受信端末との通信ができれば良い。この結果、その分各無線端末の出力を小さくすることができ、携帯端末である各無線端末の小型化を図ることができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各受信端末は、前記各無線端末が送出する電波の強度を検出しこの強度が所定の閾値以上の場合に各無線端末が属する前記各検出対象の存在を認識するようにしたものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0011】
本態様によれば、各無線端末が送出する電波の強度に対する閾値を設定することで自由にエリアの大きさを設定することができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1乃至第3の態様の何れか一つに記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各無線端末は、それぞれが属する検出対象のID情報も併せて送出するものであり、前記管理サーバは前記ID情報を加味して前記各管理対象の制御を行うように構成したものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0013】
本態様によれば、各検出対象のID情報も加味したさらに最適な制御を行うことができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各エリアは各階のエレベータの昇降口の前の所定の空間で形成するとともに、前記各管理対象はエレベータ、前記各検出対象はVIPを含む人とし、前記管理サーバは前記各エリアに存在する人の数に応じてエレベータを優先的に差し向けるとともに、前記VIPの存在を検出した場合にはさらにその階に優先的にエレベータを差し向けるように各エレベータの運行を制御するようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0015】
本態様によれば、待機中の人の数を考慮した最適なエレベータの制御を行うことができる。ちなみに、従来は待機釦が押されているか否かのみに基づいて制御を行なっているので、込み具合を無視した制御となっており、効率的な人の搬送という観点からは改善が望まれていた。
【0016】
さらに、待機中の人の中にVIPが居る場合等には、VIPの搬送を優先させることもでき、さらに適切な運行制御を行うことができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、上記第1乃至第5の態様に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記管理サーバは時刻情報を取り込み、前記各管理対象に対して時刻に応じた固有の制御を必要に応じて行なうようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0018】
本態様によれば、例えば朝、昼、夜等、時刻の要素を加味した各管理対象の最適な制御が可能となる。
【0019】
本発明の第7の態様は、上記第1乃至第6の態様に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各無線端末には各検出対象の状態を表す情報を収集するセンサを付属させてあり、各センサが検出する前記状態を前記管理サーバによる前記各管理対象の制御に反映させるようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0020】
本態様によれば、例えば人の体温、脈拍等、検出対象の状態を反映した各管理対象の最適な制御を行うことができる。
【0021】
本発明の第8の態様は、受信端末によって受信したデータに基づいて管理対象を制御する制御手段を有する制御機器に対して、前記受信端末へ前記データを送信する無線端末であって、前記無線端末は、前記受信端末と無線通信を行う無線通信手段と、時間を計測するタイマと、生体情報を検出するセンサと、前記センサによって検出した生体情報と前記タイマの計測する時間に基づいて所定の演算を行う演算手段と、を有し、前記演算手段の演算結果データを前記データとして前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする無線端末である。
【0022】
本発明の第9の態様は、前記無線端末は更に個人情報を記憶するメモリを有し、前記メモリに記憶された個人情報と、前記演算結果データに基づいて所定の演算を行う第二の演算手段を有し、前記第二の演算手段によって演算された第二の演算結果データを更に前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする第8の態様に記載の無線端末である。
【0023】
本発明の第10の態様は、前記センサは、加速度センサであり、前記加速度センサにより加速度を検出し、検出した前記加速度に基づいて所定時間の動作量を演算する動作量演算手段を更に有し、前記動作量を前記受信端末へ送信することを特徴とする第8の態様または第9の態様に記載の無線端末である。
【0024】
本発明の第11の態様は、前記センサは、脈拍センサを更に有し、前記脈拍センサの出力に基づいて前記無線端末をユーザーが装着しているか否かを検出し、ユーザーが装着していない場合は前記第二の演算結果データは予め決められた値となることを特徴とする第9の態様に記載の無線端末である。
【0025】
本発明の第12の態様は、第8の態様から第11の態様のいずれか1の態様に記載の前記制御機器および前記無線端末において、前記無線端末から送信する前記データは、前記タイマで計測した時間に基づく時間データを有し、前記制御機器は前記演算結果のデータ及び前記時間データに基づき前記管理対象を制御することを特徴とする制御機器である。
【発明の効果】
【0026】
上記構成の本発明によれば、複数の各エリアに存在する検出対象の数を加味して各エリアに配設した管理対象を制御することができるので、例えば人の少ない場所にエレベータを向かわせる、人の居ない部屋の冷暖房を行ってしまう等、管理対象の無駄な運転を未然に防止し、最適な制御を実施することができる。この結果、効率の良いシステムの合理的な運用を実現し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態では所定の管理を行う独立した領域として複数のエリア1,2、・・・、nが予め設定してある。各エリア1乃至nには管理対象11,12、・・・、1nがそれぞれ配設してある。管理対象11乃至1nとしてはその駆動自体が制御される例えばエレベータ等、温度,湿度,圧力,水量,風力,照度,火力等の物理量が制御される例えばエアコン装置等、状態が制御されるスイッチ等、何らかの制御の対象となる物であれば特別な制限はない。
【0029】
無線端末31,32,33,34,35は、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが内蔵する各送信機を介して所定の端末信号S1,S2,S3,S4,S5を無線で送出する。
【0030】
ここで、検出対象とはその数を把握する対象となる人、物、動物の何れでも良い。検出対象が人の場合、無線端末31乃至35は、例えばウエアラブルウオッチ乃至IDカード等として検出の対象となる各人が身に着けておくものとし、検出対象が物、動物等の場合、無線端末31乃至35は例えばICタグ等の形で検出の対象となる物又は動物に付すものとする。本形態における検出対象は空間を自由に動き回るものであり、したがって無線端末31乃至35も検出対象とともに一体的に空間を移動する。
【0031】
また、前記端末信号S1乃至S5は各無線端末31乃至35にそれぞれ固有のものとする。これは、各無線端末31乃至35が内蔵する各送信機の発振周波数を各無線端末31乃至35に固有のものとすることや、前記端末信号S1乃至S5が各無線端末31乃至35に固有のコード情報を含むものとすることにより容易に実現し得る。
【0032】
受信端末21,22、・・・、2nは、各エリア1乃至1nのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した無線端末31乃至35の数を表す情報を少なくとも含む受信信号S11,S12,・・・,S1nを通信網(例えばインターネット)41を介して管理サーバ51に送出する。
【0033】
さらに詳言すると、この部分を抽出して図2(a)に示すように、各受信端末21乃至2nは、前記端末信号S1乃至S5を受信する受信機211と、この受信機211が受信した端末信号S1乃至S5を処理してその種類(数)を検出するとともにこの数を表す情報を少なくとも含む受信信号S11乃至S1nを出力する信号処理部212と、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに前記信号処理部212が出力する受信信号S11乃至S1nを通信網41に送出する送信機213とを有している。
【0034】
かくして、各エリア1乃至nに存在する無線端末31乃至33,35が送出する端末信号S1乃至S3,S5の種類を介して各エリア1乃至nにそれぞれ存在する検出対象(例えば人)の数の情報を管理サーバ51に伝送することができる。
【0035】
管理サーバ51は、各受信信号S11乃至S1nを、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに受信して処理し、各エリア1乃至n毎の無線端末31乃至35の数に基づく要素を少なくとも加味して制御信号C1,C2・・・,Cnにより各管理対象11乃至1nの所定の制御を行う。
【0036】
さらに詳言すると、図2(b)に示すように、本形態に係る管理サーバ51は、受信部511、数量検出部512、演算処理部513及び送信部514を有している。これらのうち、受信部511は、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに前記各受信信号S11乃至S1nを受信して記憶する。数量検出部512は、受信部511が記憶している各受信端末21乃至2nを特定するID情報及び各受信信号S11乃至S1nを処理して各エリア1乃至n毎の検出対象の数を検出する。演算処理部513は、数量検出部512が送出する数量情報を処理するとともに管理情報記憶手段53の記憶内容を参酌して各エリア1乃至nにおける検出対象の数に基づき予め定められている内容の制御を各管理対象11乃至1nに対して行なうための制御信号C1乃至Cnを形成する。送信部514は、各管理対象11乃至1nを特定するID情報とともに演算処理部513が形成した制御信号C1乃至Cnを各管理対象C1乃至Cnに対し通信網41を介して送出する。
【0037】
一方、管理情報記憶手段53は、各エリア1乃至n内の少なくとも検出対象の数に応じた適切な制御を管理サーバ51を通じて行うよう、予め制御内容を記憶しておくものである。例えば、各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の有無、各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の数、又は各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の数が所定数を超えたか否か等によって管理対象11乃至1nの制御の内容を変える。
【0038】
検出対象が人の場合は、各エリア1乃至nにそれぞれ存在する人数を把握する。図1には、エリア1に3人、エリア2に1人、エリアnが0人の場合を示している。また、無線端末34は、何れのエリア1乃至nにも属していないことを示している。すなわち、無線端末31乃至35は人等の自由に動き回る検出対象と一体的に移動するので、各エリア1乃至nに自由に出入りする。
【0039】
ここで、本形態における無線端末31乃至35と受信端末21乃至2nとの間の通信はブルーツース(Bluetooth)通信を利用して好適に実現し得る。また、エリア1乃至nの大きさは無線端末31乃至35が送出する端末信号S1乃至S5の電波強度乃至受信端末21乃至2nの受信感度に依存する。
【0040】
そこで、このことを積極的に利用して、受信端末21乃至2nの受信感度に閾値を設け、無線端末31乃至35が送出する電波の強度が前記閾値以上となった場合に受信端末21乃至2nがエリア1乃至n内に無線端末31乃至35が入っていると判断するように構成することもできる。具体的には、前記各受信端末21乃至2nの受信機211に電波強度検出センサを内蔵しておき、この電波強度検出センサが検出する電波強度が閾値以上となったときに前記電波強度検出センサが送出するスイッチング信号で受信端末21乃至2nによる端末信号S1乃至S5の受信が開始されるように構成する。
【0041】
また、無線端末31乃至35は、検出対象が例えば人の場合、各無線端末31乃至35を持っている人のID情報を併せて送出するように構成してもよく、このようにID情報も送出するように構成した場合には、受信端末21乃至2nは前記ID情報も受信信号S11乃至S1nに含めて管理サーバ51に送出する。
【0042】
さらに具体的には、この場合、各受信端末21乃至2nの信号処理部212に、前記ID情報をその所有者の情報と対応付けて記憶しておき、各端末信号S1乃至Snの処理の際に各端末信号S1乃至Snに含まれるID情報との突合せを行なうことにより信号処理部212が出力する受信信号S11乃至S1nに前記ID情報を含ませ、送信機213を介して管理サーバ51に送出する。
【0043】
この結果、管理サーバ51の前記演算処理部で管理情報記憶手段53に記憶された制御手順により管理サーバ51で検出対象のID情報を利用した各管理対象11乃至1nの制御を行うことができる。このことにより、例えばVIPの存在が検知された場合には、相応の適切な各管理対象11乃至1nの制御を行うことができる。
【0044】
時計手段52は管理サーバ51の前記演算処理部513に時刻情報を提供するものであり、これにより演算処理部513は管理情報記憶手段53を参酌して時刻情報を加味した管理対象の適切な制御を行う制御信号C1乃至Cnを形成する。例えば、同一内容の受信信号S11乃至S1nを受信した場合でも、朝、昼、夜等の時間帯で管理対象11乃至1nに対する制御内容を変更する等、柔軟な制御を行うことができる。
【0045】
かかる本形態によれば、各エリア1乃至nに存在する検出対象の数を加味して各エリア1乃至nに配設した管理対象11乃至1nを制御することができるので、例えば人の少ない場所にエレベータを向かわせる、人の居ない部屋の冷暖房を行ってしまう等、管理対象11乃至1nの無駄な運転を未然に防止し、最適な制御を実施することができる。
【0046】
ここで、管理対象11乃至1nが各階のエレベータ、検出対象である各人が無線端末31乃至35であるIDカードを身に付けている場合の具体的な実施例につき説明しておく。本実施例におけるエリア1乃至nはエレベータを待つ人が立っている各エレベータの前の所定の広さの空間である。
【0047】
本実施例によれば、管理情報記憶手段53に記憶している制御手順に基づき管理サーバ51で待っている人の数が最も多いエリア1に優先的にエレベータを差し向けるという、待機中の人の数を反映させた最適な制御が可能になる。この場合、エレベータは複数台が並列に運転されていることが望ましい。エリア1乃至nの待機中の人数によってはエレベータが通過する場合が発生するからである。
【0048】
このように、複数台のエレベータを並列に運転する場合、各列毎に本実施例に係る最適制御システムで制御するとともに、さらに各列の最適制御システム毎に制御情報を相互に交換しながら複数台のエレベータシステムの全体の運行制御を行うようにすることでさらに効率の良い制御を行うことができる。
【0049】
また、本実施例では、無線端末31乃至35はIDカードであり、これを身に着けている人の属性を表すID情報も含めることができるので、例えば待機中の人の中にVIPの存在が検知された場合には、この情報を基に管理サーバ51でVIPが待機する階に優先的にエレベータを差し向けるという優先制御を行うようにしても良い。
【0050】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態は各エリア61,62,63の受信端末21,22,23を統括する統括受信端末71を有するが、他の構成は、基本的に図1に示す第1の実施の形態と同様である。そこで、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
本形態に係るエリア61乃至63は例えば壁等で仕切られたビル内の各部屋等、閉じられた空間である。この場合、各エリア61乃至63に配設した受信端末21は各エリア61乃至63に存在する無線端末31,32,33,34からの端末信号S1,S2,S3,S4を受信するが、各受信端末21乃至23が送出する各受信信号S11,S12,S13は無線で総括受信端末61に集められ、この総括無線端末61から統括受信信号Sとして通信網41を介して管理サーバ51に伝送される。すなわち、統括受信端末61は前記端末信号S11乃至S13を受信する受信機と、この受信機が受信した端末信号S11乃至S13を各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに通信網41に送出する送信機とを有している。
【0052】
このように統括受信端末61を設けて多段に情報を伝達するように構成することで、固定局である受信端末21乃至23と総括受信端末61との間の通信が十分な高出力で行われるようにすれば良く、無線端末31乃至35は近傍に存在する受信端末21乃至23との通信ができれば良いので、その分無線端末31乃至35の出力は小さくすることができる。この結果、携帯端末である無線端末31乃至35の小型化を図ることができ、可搬性に優れたものとすることができる。
【0053】
センサ71はオプションとしての構成部品であるが、これを無線端末34に付属させることもできる。この場合には、センサ71の検出内容である検出対象の状態を管理サーバ51による管理対象11,12,13の制御に反映させる。例えば、無線端末34が検出対象である人に属する場合、その人の脈拍、体温等をセンサ71で検出することで、エアコンである管理対象12の制御に無線端末34が属する人の状態に合わせた最適な制御を行う。この場合、無線端末34と受信端末23との間では双方向通信によりセンサ71の情報の授受を行う。
【0054】
すなわち、図4に示すように、無線端末34はセンサ71が出力する所定のセンシング情報SSを端末信号S4に含めて内蔵する送信部341から無線送信し、受信端末23、統括受信端末61及び通信網41を介して管理サーバ51に送出する。管理サーバ51では、受信部511で前記センシング情報SSを分離して演算処理部513に供給する。演算処理部513では、センシング情報SSを分析するとともに管理情報記憶手段53の記憶内容を参照して管理対象1nの最適な制御内容を決定する。同時に、センサ71に対する制御信号CSも形成する。
【0055】
この場合の管理サーバ51の送信部514は管理対象13に対して制御信号C3を送出するとともにセンサ71に対する制御信号CSも送出する。かかる2種類の信号は、例えば周波数多重方式を採用することで受信側で必要な信号のみを分離・選択することができる。
【0056】
さらに、この場合の総括受信端末61及び受信端末23は、管理サーバ51が送出する制御信号CSの伝送系も形成している。すなわち、総括受信端末61には管理サーバ51が送出した制御信号CSを受信するとともにこれを無線送信する送受信部611を、受信端末23には総括受信端末61が送出した制御信号CSを受信するとともにこれを無線送信する送受信部231をそれぞれ備えている。また、無線端末34には受信端末34が送出した制御信号CSを受信してセンサ71に供給する受信部341を備えている。
【0057】
このことにより、演算処理部513が送出するセンサ71に対する制御信号CSも管理サーバ51、総括受信端末61、受信端末23、無線端末34を介してセンサ71に送出することができる。センサ71はこの制御信号CSにより要求されているセンシング情報を管理サーバ51側に送出する。このときのセンシング情報SSは、例えば、脈拍、体温等である。そこで、センシング対象の種類に応じた固有の制御信号CSを割り当てることで、所望のセンシング情報SSを選択的に管理サーバ51に送出することができる。
【0058】
なお、図では、無線端末34のみにセンサ71を付属させたが、勿論他の無線端末31乃至33に付属させることもできる。
【0059】
ここで、エリア61乃至63がビルの各部屋、管理対象11乃至13が各部屋の空調装置、検出対象が各部屋に居る人である場合の具体的な実施例につき説明しておく。
【0060】
本実施例によれば、管理情報記憶手段53に記憶している制御手順に基づき管理サーバ51で各エリア61乃至63に存在する人の数を把握してこの人数に合わせた最適な制御を行う。すなわち、人数が多いエリア61はこの人数に合わせて予め管理情報記憶手段53に記憶してある制御内容で最適な制御を行う。一方、エリア62は人が存在しないので、このエリア62に管理対象であるエアコン装置は駆動しない。また、エリア63の管理対象であるエアコン装置は、センサ71で検出される無線端末34が属する検出対象である人の状態に応じた最適な制御を行なう。
【0061】
上記実施の形態及び実施例では、検出対象が人である場合等、空間を移動するものとして説明したが、必ずしも移動する必要はない。要は、検出対象の数を反映した最適な制御が行われるような構成となっていれば良いので、例えば検出対象が商品であり、この商品を冷蔵庫に収納して販売している場合等、商品の数に応じた冷却を行うようにすることもできる。この場合には、商品の数の情報を利用してこの商品の管理等を併せて行なうこともできる。
【0062】
次に本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムについて説明する。
【0063】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する無線端末のブロック線図である。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する制御側システムのブロック線図である。無線端末149は、生体情報センサによって生体情報を取得し、その取得した生体情報をそのまま、あるいは生体情報を用いた演算をして、その演算結果を無線通信手段159によって受信端末160へ送信する無線端末である。加速センサ157は無線端末149の加速度を検出して値を制御部150へ出力する。無線端末149を装着している人の行動に伴って無線端末149が動くので、装着している人の行動をセンシングすることもできる。脈拍センサ158は無線端末149を装着している人の脈拍を検出して値を制御部150へ出力する。脈拍センサからの出力値があるか否かを判定することで、無線端末149を人が装着しているか否か判断ができる。これらのセンサは制御部150によって制御される。無線通信装置159は受信端末160などと無線通信を行い、データの送受信をする。無線端末149から受信端末160へ無線端末149で検出した値や演算結果の値などのデータを送信し、受信端末160はそのデータを管理制御装置165へ送信する。受信端末160から無線端末149へ無線端末149の制御指示データや設定値などのデータを送信し、無線端末149はそのデータに基づいて動作する。無線通信手段159は制御部150によって制御される。
【0064】
表示手段153は、液晶表示装置などの表示手段であり、制御部150によって制御され、制御部150によって指示されたデータを表示する。入力手段154はスイッチなどの入力手段であり、入力手段154は制御部150へユーザーの操作に基づく信号を出力する。タイマ155は時刻の計時や時間の測定を行い制御部150へ値を出力するタイマである。メモリ156は制御部150の動作のプログラム、演算に用いるデータ、演算結果であるデータ、などのデータを記憶する。制御部150は無線端末149の全体の制御を行う。制御部150はメモリ156に記憶しているプログラムに従って動作する。制御部150の一部として、動作量演算部151、カロリー演算部152を有する。動作量演算部151は、加速度センサ157からの加速度の値とタイマ155において計測した時間データに基づいて、動作量を演算する演算部である。カロリー演算部152は、加速度センサ157からの加速度の値と、予め記憶しているユーザーの身長、体重、性別、年齢などの個人情報とに基づいてユーザーの消費カロリーを演算する演算部である。
【0065】
無線端末149からの送信されるデータを受信端末160が受信する。受信端末160は無線通信手段162とネットワーク通信手段163と制御手段161を有し、これらを制御手段161で制御する。無線通信手段162によって無線端末149と通信してデータの送受信を行う。ネットワーク通信手段163はネットワーク164と接続し、他の機器とデータ通信を行う。制御手段161は受信端末160の全体の動作をつかさどり、記憶されているプログラムに従って動作する。無線端末149から送信されたデータは受信端末160とネットワーク164を経由して管理制御装置165へ送信される。管理制御装置165から無線端末149はネットワーク164、受信端末160を経由してデータが送信される。ネットワーク164はインターネットなどの通信ネットワークである。
【0066】
管理制御装置165は管理対象172を管理制御する装置である。ネットワーク通信手段166によってネットワーク164と接続し、他の機器との通信を行う。通信手段168は管理対象172の通信手段171と接続され、データ通信を行う。タイマ169は時刻の計時と時間の計測を行い制御手段167へ値を出力するタイマである。メモリ170はプログラムの記憶、さまざまなデータの記憶、演算などするときの一時的なワークエリアとして使用するメモリである。制御手段167は管理制御装置165の制御をメモリ170に記憶されたプログラムに従って制御する。また、制御手段167は、ネットワーク通信手段166、通信手段168、タイマ169、メモリ170の制御をする。また、管理制御装置165は受信端末160が受信したデータに基づいて演算を行い、その結果に基づいて管理対象172に対して制御を行う。
【0067】
管理対象172は、管理制御装置165の指示に基づいて動作する装置である。エアコン、エレベータ、照明装置、動力装置、表示装置、音響装置などの機器であり、特に限定されるものでない。ここでは例としてエアコンを使って説明する。管理機器178は、送風を行う送風機179、加熱冷却を行う加熱冷却機180、風向を変える風向可変機181からなり、それぞれの機器が制御手段173によって制御される。制御手段173は記憶手段177に記憶されているプログラムに従って管理対象172全体の動作をつかさどる。通信手段171は管理制御装置165の通信手段168と通信を行い、データの送受信を行う。表示手段175は液晶ディスプレイなどの表示装置であり、制御手段173の制御によって表示を制御される。タイマ175は時刻の計時、時間の計測を行い、時刻、時間の値を制御手段173へ出力する。入力手段176はボタンスイッチなのどの入力手段であり、ユーザーの操作に従って信号が制御手段173へ出力される。記憶手段177はプログラムの記憶、さまざまなデータの記憶、演算などするときの一時的なワークエリアとして使用する記憶手段である。
【0068】
次に本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの動作について説明する。各無線端末が一人一台の割合でユーザーに装着され、管理対象としてエアコンのある部屋にユーザーが居ると想定する。受信端末は複数の無線端末と接続し、データ通信が可能である。図7は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのブロック線図である。受信端末160、管理対象172、管理制御装置165は図6の符号が同じものと同様の受信端末、管理対象、管理制御装置である。第1の無線端末182、第2の無線端末183、第3の無線端末184、第4の無線端末185、第5の無線端末186、第6の無線端末187は図5で説明した無線端末149と同じもので、無線端末149が複数ある状態である。第1の無線端末182、第2の無線端末183、第3の無線端末184、第4の無線端末185、第5の無線端末186とは受信端末160とデータ通信可能で接続されている。点線は無線通信で接続されていることを示している。また、第6の無線端末187は受信端末160と接続できず、データ通信が行えない状態である。例えば、部屋を出て通信距離が遠くなり無線が届かない状態が考えられる。
【0069】
このとき、各無線端末は、加速度センサ157によってユーザーの動作に応じた加速度を検出し、脈拍センサ158によって脈拍を測定し、さらにタイマ155によって時間を測定する。また、無線通信手段159によって受信端末160と通信が可能か否か検出する。検出した加速度の値と時間の値とから単位時間当たりの動作量を動作量演算部151によって演算しその結果をメモリ156へ時系列に記憶する。例えば、動作量は、加速度センサで検出した値とタイマで計測した時間を用い、2度積分して移動距離を求め、その値を使うことができる。移動距離をユーザーの動作量として用いることができる。また、予めメモリ156へユーザーの個人情報として体重、性別、身長、年齢などの個人情報を記憶させて、演算した動作量とこれらの個人情報とからその人の消費カロリーを消費カロリー演算部152によって演算し、メモリ156へ記憶させる。その際、動作量と消費カロリーは相互に対応させて記憶させる。これら、演算、記憶の制御は制御部150によって制御する。消費カロリーを演算する際、脈拍センサ158によって何も検出されない場合はユーザーに装着されず放置されていると推定し、消費カロリーは0とする。
【0070】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある時刻における各無線端末の状態を表した図である。無線端末列188は各無線端末の固有番号をあらわしている。通信エリア内か列189は各無線端末が受信端末と通信できるときは「はい」、通信できないときは「いいえ」と表している。動作量列190は各無線端末のそのときの動作量をあらわしている。カロリー量列191は各無線端末のそのときのカロリー量をあらわしている。例えば、固有番号1の無線端末は、受信端末と通信可能で、そのときの動作量が100であり、ユーザーの消費化カロリー量が100kcalであることをあらわしている。また、固有番号4の無線端末は動作量が0なので基礎代謝分の消費カロリー量しかないことが分る。また、固有番号5の無線端末は消費カロリー量が0であり、これは、ユーザーが無線端末を外している状態である。
【0071】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある無線端末のある時間帯での状態を表した図である。横軸に経過時間、縦軸に動作量、無線通信が可能か否かをとった図である。動作量は線192を用いてグラフ上に表している。通信可能か否かは線193を用いてグラフ上に表している。時刻t0からt1の時間T1、時刻t1からt4の時間T2、時刻t4からt5の時間T3は等時間であり、予め決められた単位時間であり、例えば1分間などと所定の値を予め設定する。時刻t0から時刻t1までは無線通信が可能かつ動作量が常にある時間帯である。このとき単位時間当たりの動作量は線192を積分して値を求める。時間T2の時は、無線通信が時刻t2からt3の時に途絶えるが、例えば、部屋の外に出ている場合などである。無線端末内では、動作量を演算してもよい。時間T3の時は、動作量が0の時があるが、無線通信が途絶えることはない。
【0072】
本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの動作についてフローチャートを用いて説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの無線端末の動作のフローチャートである。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理制御装置がデータを受信したときの動作のフローチャートである。図12は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の動作のフローチャートである。図13は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の記憶手段に記憶する無線端末のデータをあらわす図である。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの設定値をあらわす図である。
【0073】
無線端末(182〜187)は、無線端末ごとに、加速度センサ157とタイマ155の計測結果を用いて、1秒ごとに動作量の演算を行い、タイマ155で計測した時刻データに基づいて時系列に、メモリ156へ時刻データと対応させて演算結果の動作量の値を記憶する(ステップ1)。さらに、その動作量と予めメモリ156へ記憶されている個人情報を用いて1秒ごとの消費カロリーを演算し、演算して求めた値をメモリ156へ使用した動作量の値に対応して記憶する(ステップ2)。メモリ156へ個人情報と時刻と動作量と消費カロリーを対応させて記憶する(ステップ3)。1分毎にデータをまとめる為に、タイマ155で1分間を計測し、1分間経過したか否かを判断し、1分経過してなければ、ステップ1に移行して、毎秒の集計を行い、1分経過したら、1分毎の集計をする処理へ移行する(ステップ4)。
【0074】
個人情報毎の過去1分間分の動作量、消費カロリーの値を加算して、1分間の動作量、消費カロリーの値として、時系列にメモリ156へ記憶する(ステップ5)。無線通信手段159によって、受信端末160と通信を行い、個人情報とその個人情報に対応した1分間の動作量、消費カロリーの値を受信端末160へ送信する(ステップ6)。このまま処理を停止する場合は終了(エンド)し、続ける場合は、ステップ1へ移行する。処理の停止は、予め決められた回数、時間、入力手段154からの入力により等によって判断される。このように、無線端末から受信端末へ無線端末が得たデータを送信する。
【0075】
次に、受信端末160は、各無線端末から送られてくる1分毎のデータを、ネットワーク通信手段163、ネットワーク164、ネットワーク通信手段166を介して、管理制御装置165と通信を行い、メモリ170へ受信したデータをデータ中にある時刻データを用いて時系列に個人情報毎に記憶する(ステップ8)。図13はメモリ170へ記憶するデータの構成を示している。無線端末列194は無線端末の固有番号である。ここでは、無線端末の固有番号と個人情報の固有番号とが1対1で対応している場合である。時刻列195は送られてきたデータの中から時刻のデータを抽出して記憶し、その時の動作量を動作量列196、消費カロリー量をカロリー量列197へ記憶する。例えば、無線端末1、あるいは個人情報固有番号1の10時10分における動作量は80、消費カロリー量は90kcalであることをしめしている。
【0076】
次に、管理制御装置165はメモリ170に記憶されている、動作量と消費カロリー量のデータを、毎分ごとに過去3分間のデータを積算する。つまり、受信可能な各無線端末全ての1分毎のタイミングで過去3分間の動作量と消費カロリー量のデータをメモリ170へ記憶する(ステップ9)。
【0077】
次に、毎分の過去3分間のデータの積算量に基づいて、管理対象173を制御するための演算を行う。予めメモリ170には管理対象172をどのように制御するかを決めるための設定データが記憶されている。図14はその設定データの構成を示す図である。動作量列198は動作量の範囲を記憶している。風量列199は動作量の範囲に対応した風量の設定値を記憶している。温度列200は動作量の範囲に対応した温度の設定値を記憶している。風向列201は動作量の範囲に対応した風向の設定値を記憶している。例えば、動作量が0から100の範囲の場合、風量の設定値は1段であり、温度の設定値はプラスマイナス0度つまり変化させないであり、風向の設定値は上向きの設定値が記憶されている。過去3分間の動作量の値と一致する動作範囲を求め、さらに、風量、温度、風向の値を求める(ステップ10)。
【0078】
管理制御装置165と管理対象172は通信手段168と通信手段171を用いて通信を行い、管理制御装置165は管理対象172に対して、求めた風量、温度、風向の値のデータを送信する。管理対象172の制御手段173は、受信したデータに基づいて、送風機179を受信した風量の値にする制御を行い、加熱冷却機180を受信した温度の値にする制御を行い、風向可変機181を受信した風向の値にする制御を行う(ステップ11)。
【0079】
また別の形態として、表示手段174で設定された新たなデータの表示を行う。また、管理制御装置165の機能を管理対象172内に取り込むことも可能である。通信手段171をネットワーク164に接続し、管理制御装置165で行う制御のプログラム、設定値等と同様のプログラム設定値等を記憶手段177に記憶させることで、同様の機能をさせることができる。
【0080】
また、受信端末を1つで説明してきたが、受信端末を複数持つことも可能である。その際、管理制御装置165は、どの受信端末とどの無線端末が接続されているかを検出して、受信端末ごとの制御を行うこともできる。
【0081】
さらに、受信端末が受信する無線端末かの電波の強弱を測定し、その測定値に基づいて、管理機器を制御することもできる。設定値として、電波の強弱を複数段階の範囲に分け、さらに、それに対応する風向、風量、温度の値を予め記憶する。例えば、電波の弱い人が半数以上いる場合は、風向を下向き、風量を3段、温度を更に−1度に設定し、制御を行う。そうすれば、大勢が遠い位置にいたとして、そこへ到達する風量を増加させるため風量を増加させたり、温度をさらに下げる制御ができる。
【0082】
また、動作量の変わりに、動作量と個人情報に基づいて演算した演算結果、例えば消費カロリー量、に基づいて管理対象を制御することができる。
【0083】
次に本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムについて説明する。本発明の第4の実施の形態は、複数の昇降機を最適制御するシステムである。図15と図16を用いて説明する。図15は本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象のブロック線図である。図16は本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの動作フローチャートである。
【0084】
第一の昇降機205と第二の昇降機206は昇降機である。第一の昇降機205と第二の昇降機206をまとめて管理機器204と呼ぶ。第一の昇降機205と第二の昇降機206は管理制御装置203によって制御される。管理制御装置203は第三の実施の形態に係る最適制御システムの受信端末160、管理制御装置165、管理対象172の機能を併せ持つ制御装置である。無線端末からデータを受信して、時系列に記憶する点も同様である。無線端末から受信し、記憶したデータの中から無線端末ごとに所定の時間、たとえば過去3分間、の動作量の合計を演算する(ステップ12)。各無線端末の動作量の合計とあらかじめ設定してある所定の値とを比較し、動作量が所定の値以下の場合、その端末を昇降機待ちであると判断し、所定の値を超える場合を昇降機待ちでないと判断する。無線端末と通信を行っている受信端末を管理制御装置203によって判断し、管理制御装置203は各受信端末が通信を行っている昇降機待ちと判断された無線端末数をカウントする(ステップ13)。管理制御装置203は無線端末数の一番多いと受信端末のある場所へ昇降機を優先して移動させる制御を行う(ステップ14)。
【0085】
ビルに居る人に無線端末を装着させ、ビルの各階のエレベーターホールに受信端末を設置し、エレベーターホール付近に居る人の数とその動作を検出する。動作量がある程度多く、長時間エレベータホール付近に滞在する人の場合、エレベータホールに何らかの用事によって滞在するがエレベータに乗る意図が無いと推測できる。長時間滞在し、動作量がある程度多い人はエレベータに乗る意図がないと判断するため、予めこの動作量の値を閾値として管理制御装置203に記憶させておく。このように、無線端末を持つ対象の動作量と時間を計測し無線により管理制御装置203へ計測したデータを送信し、管理制御装置203に予め記憶してある閾値となる所定の値と受信したデータに基づいて管理対象の制御を行うことで、管理対象の最適制御をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は分散配置された制御対象であるエアコン等の機器を、合理的に運用するシステムを製造、販売乃至使用する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。
【図2】図1の一部を抽出して詳細に示す図で、(a)は受信端末の部分を示すブロック線図、(b)は管理サーバの部分を示すブロック線図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。
【図4】図3のセンサに関連する信号乃至情報の伝送経路を示すブロック線図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する無線端末のブロック線図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する制御側システムのブロック線図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのブロック線図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある時刻における各無線端末の状態を表した図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある無線端末のある時間帯での状態を表した図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの無線端末の動作のフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理制御装置がデータを受信したときの動作のフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の動作のフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の記憶手段に記憶する無線端末のデータをあらわす図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの設定値をあらわす図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象のブロック線図である
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1乃至n、61乃至63 エリア
11乃至1n 管理対象
21乃至2n 受信端末
31乃至35 無線端末
51 管理サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は対象の数に合わせた最適制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク分散型ビル管理システムとして、エアコン等のビル内設備機器を有線又は無線で接続してこれらの設備機器を監視、制御する分散制御装置を有し、ビルから離れた場所にいても、ビル内設備機器の監視を可能としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−134120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の如き従来技術に係るネットワーク分散ビル管理システムにおいては、ビル内機器の監視、制御は行うことができるが、監視、制御対象の環境の如何にかかわらず画一的な制御を行うことしかできない。すなわち、監視、制御対象としてビル内の各部屋に分散配置してある空調装置を考える場合、部屋に居る人数を考慮した制御を行うことはできないので、大人数が居る部屋であれ、人が存在しない部屋であれ、例えば室温等に基づき、所定の画一な条件で画一的な制御を行うことしかできない。そこで、無駄に空調装置を稼動させる等、適切な制御を行うことが困難なシステムとなってしまっていた。
【0004】
一方、各部屋にカメラを設置し、このカメラを介して撮像した映像を確認しつつ前述の如き制御を行うようにすれば、より適切な制御が可能になると考えられるが、この場合には、画像を確認するという人間系の確認作業が発生するか、又はこの確認作業を自動的に行うようにするためには画像処理等、複雑な処理が必要となり、いずれにしてもコストの高騰を招来するという問題を発生する。
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑み、室内の人数も加味して空調の制御を行う等、複数の対象の数に合わせた管理対象の最適な制御を行い得る最適制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、前記各受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0007】
本態様によれば、各エリアに存在する検出対象の数を加味して各エリアに配設した管理対象を制御することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、各受信端末が送出した前記受信信号を受信して各受信信号を全て含む総括受信信号を送出する総括受信端末と、前記総括受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0009】
本態様によれば、統括受信端末により多段に情報を伝達することができるので、固定局である各受信端末と総括受信端末との間の通信が十分な高出力で行われるようにすれば良く、各無線端末は近傍に存在する各受信端末との通信ができれば良い。この結果、その分各無線端末の出力を小さくすることができ、携帯端末である各無線端末の小型化を図ることができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各受信端末は、前記各無線端末が送出する電波の強度を検出しこの強度が所定の閾値以上の場合に各無線端末が属する前記各検出対象の存在を認識するようにしたものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0011】
本態様によれば、各無線端末が送出する電波の強度に対する閾値を設定することで自由にエリアの大きさを設定することができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1乃至第3の態様の何れか一つに記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各無線端末は、それぞれが属する検出対象のID情報も併せて送出するものであり、前記管理サーバは前記ID情報を加味して前記各管理対象の制御を行うように構成したものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0013】
本態様によれば、各検出対象のID情報も加味したさらに最適な制御を行うことができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各エリアは各階のエレベータの昇降口の前の所定の空間で形成するとともに、前記各管理対象はエレベータ、前記各検出対象はVIPを含む人とし、前記管理サーバは前記各エリアに存在する人の数に応じてエレベータを優先的に差し向けるとともに、前記VIPの存在を検出した場合にはさらにその階に優先的にエレベータを差し向けるように各エレベータの運行を制御するようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0015】
本態様によれば、待機中の人の数を考慮した最適なエレベータの制御を行うことができる。ちなみに、従来は待機釦が押されているか否かのみに基づいて制御を行なっているので、込み具合を無視した制御となっており、効率的な人の搬送という観点からは改善が望まれていた。
【0016】
さらに、待機中の人の中にVIPが居る場合等には、VIPの搬送を優先させることもでき、さらに適切な運行制御を行うことができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、上記第1乃至第5の態様に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記管理サーバは時刻情報を取り込み、前記各管理対象に対して時刻に応じた固有の制御を必要に応じて行なうようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0018】
本態様によれば、例えば朝、昼、夜等、時刻の要素を加味した各管理対象の最適な制御が可能となる。
【0019】
本発明の第7の態様は、上記第1乃至第6の態様に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、前記各無線端末には各検出対象の状態を表す情報を収集するセンサを付属させてあり、各センサが検出する前記状態を前記管理サーバによる前記各管理対象の制御に反映させるようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システムである。
【0020】
本態様によれば、例えば人の体温、脈拍等、検出対象の状態を反映した各管理対象の最適な制御を行うことができる。
【0021】
本発明の第8の態様は、受信端末によって受信したデータに基づいて管理対象を制御する制御手段を有する制御機器に対して、前記受信端末へ前記データを送信する無線端末であって、前記無線端末は、前記受信端末と無線通信を行う無線通信手段と、時間を計測するタイマと、生体情報を検出するセンサと、前記センサによって検出した生体情報と前記タイマの計測する時間に基づいて所定の演算を行う演算手段と、を有し、前記演算手段の演算結果データを前記データとして前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする無線端末である。
【0022】
本発明の第9の態様は、前記無線端末は更に個人情報を記憶するメモリを有し、前記メモリに記憶された個人情報と、前記演算結果データに基づいて所定の演算を行う第二の演算手段を有し、前記第二の演算手段によって演算された第二の演算結果データを更に前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする第8の態様に記載の無線端末である。
【0023】
本発明の第10の態様は、前記センサは、加速度センサであり、前記加速度センサにより加速度を検出し、検出した前記加速度に基づいて所定時間の動作量を演算する動作量演算手段を更に有し、前記動作量を前記受信端末へ送信することを特徴とする第8の態様または第9の態様に記載の無線端末である。
【0024】
本発明の第11の態様は、前記センサは、脈拍センサを更に有し、前記脈拍センサの出力に基づいて前記無線端末をユーザーが装着しているか否かを検出し、ユーザーが装着していない場合は前記第二の演算結果データは予め決められた値となることを特徴とする第9の態様に記載の無線端末である。
【0025】
本発明の第12の態様は、第8の態様から第11の態様のいずれか1の態様に記載の前記制御機器および前記無線端末において、前記無線端末から送信する前記データは、前記タイマで計測した時間に基づく時間データを有し、前記制御機器は前記演算結果のデータ及び前記時間データに基づき前記管理対象を制御することを特徴とする制御機器である。
【発明の効果】
【0026】
上記構成の本発明によれば、複数の各エリアに存在する検出対象の数を加味して各エリアに配設した管理対象を制御することができるので、例えば人の少ない場所にエレベータを向かわせる、人の居ない部屋の冷暖房を行ってしまう等、管理対象の無駄な運転を未然に防止し、最適な制御を実施することができる。この結果、効率の良いシステムの合理的な運用を実現し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態では所定の管理を行う独立した領域として複数のエリア1,2、・・・、nが予め設定してある。各エリア1乃至nには管理対象11,12、・・・、1nがそれぞれ配設してある。管理対象11乃至1nとしてはその駆動自体が制御される例えばエレベータ等、温度,湿度,圧力,水量,風力,照度,火力等の物理量が制御される例えばエアコン装置等、状態が制御されるスイッチ等、何らかの制御の対象となる物であれば特別な制限はない。
【0029】
無線端末31,32,33,34,35は、複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが内蔵する各送信機を介して所定の端末信号S1,S2,S3,S4,S5を無線で送出する。
【0030】
ここで、検出対象とはその数を把握する対象となる人、物、動物の何れでも良い。検出対象が人の場合、無線端末31乃至35は、例えばウエアラブルウオッチ乃至IDカード等として検出の対象となる各人が身に着けておくものとし、検出対象が物、動物等の場合、無線端末31乃至35は例えばICタグ等の形で検出の対象となる物又は動物に付すものとする。本形態における検出対象は空間を自由に動き回るものであり、したがって無線端末31乃至35も検出対象とともに一体的に空間を移動する。
【0031】
また、前記端末信号S1乃至S5は各無線端末31乃至35にそれぞれ固有のものとする。これは、各無線端末31乃至35が内蔵する各送信機の発振周波数を各無線端末31乃至35に固有のものとすることや、前記端末信号S1乃至S5が各無線端末31乃至35に固有のコード情報を含むものとすることにより容易に実現し得る。
【0032】
受信端末21,22、・・・、2nは、各エリア1乃至1nのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した無線端末31乃至35の数を表す情報を少なくとも含む受信信号S11,S12,・・・,S1nを通信網(例えばインターネット)41を介して管理サーバ51に送出する。
【0033】
さらに詳言すると、この部分を抽出して図2(a)に示すように、各受信端末21乃至2nは、前記端末信号S1乃至S5を受信する受信機211と、この受信機211が受信した端末信号S1乃至S5を処理してその種類(数)を検出するとともにこの数を表す情報を少なくとも含む受信信号S11乃至S1nを出力する信号処理部212と、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに前記信号処理部212が出力する受信信号S11乃至S1nを通信網41に送出する送信機213とを有している。
【0034】
かくして、各エリア1乃至nに存在する無線端末31乃至33,35が送出する端末信号S1乃至S3,S5の種類を介して各エリア1乃至nにそれぞれ存在する検出対象(例えば人)の数の情報を管理サーバ51に伝送することができる。
【0035】
管理サーバ51は、各受信信号S11乃至S1nを、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに受信して処理し、各エリア1乃至n毎の無線端末31乃至35の数に基づく要素を少なくとも加味して制御信号C1,C2・・・,Cnにより各管理対象11乃至1nの所定の制御を行う。
【0036】
さらに詳言すると、図2(b)に示すように、本形態に係る管理サーバ51は、受信部511、数量検出部512、演算処理部513及び送信部514を有している。これらのうち、受信部511は、各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに前記各受信信号S11乃至S1nを受信して記憶する。数量検出部512は、受信部511が記憶している各受信端末21乃至2nを特定するID情報及び各受信信号S11乃至S1nを処理して各エリア1乃至n毎の検出対象の数を検出する。演算処理部513は、数量検出部512が送出する数量情報を処理するとともに管理情報記憶手段53の記憶内容を参酌して各エリア1乃至nにおける検出対象の数に基づき予め定められている内容の制御を各管理対象11乃至1nに対して行なうための制御信号C1乃至Cnを形成する。送信部514は、各管理対象11乃至1nを特定するID情報とともに演算処理部513が形成した制御信号C1乃至Cnを各管理対象C1乃至Cnに対し通信網41を介して送出する。
【0037】
一方、管理情報記憶手段53は、各エリア1乃至n内の少なくとも検出対象の数に応じた適切な制御を管理サーバ51を通じて行うよう、予め制御内容を記憶しておくものである。例えば、各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の有無、各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の数、又は各エリア1乃至nにおける無線端末31乃至35の数が所定数を超えたか否か等によって管理対象11乃至1nの制御の内容を変える。
【0038】
検出対象が人の場合は、各エリア1乃至nにそれぞれ存在する人数を把握する。図1には、エリア1に3人、エリア2に1人、エリアnが0人の場合を示している。また、無線端末34は、何れのエリア1乃至nにも属していないことを示している。すなわち、無線端末31乃至35は人等の自由に動き回る検出対象と一体的に移動するので、各エリア1乃至nに自由に出入りする。
【0039】
ここで、本形態における無線端末31乃至35と受信端末21乃至2nとの間の通信はブルーツース(Bluetooth)通信を利用して好適に実現し得る。また、エリア1乃至nの大きさは無線端末31乃至35が送出する端末信号S1乃至S5の電波強度乃至受信端末21乃至2nの受信感度に依存する。
【0040】
そこで、このことを積極的に利用して、受信端末21乃至2nの受信感度に閾値を設け、無線端末31乃至35が送出する電波の強度が前記閾値以上となった場合に受信端末21乃至2nがエリア1乃至n内に無線端末31乃至35が入っていると判断するように構成することもできる。具体的には、前記各受信端末21乃至2nの受信機211に電波強度検出センサを内蔵しておき、この電波強度検出センサが検出する電波強度が閾値以上となったときに前記電波強度検出センサが送出するスイッチング信号で受信端末21乃至2nによる端末信号S1乃至S5の受信が開始されるように構成する。
【0041】
また、無線端末31乃至35は、検出対象が例えば人の場合、各無線端末31乃至35を持っている人のID情報を併せて送出するように構成してもよく、このようにID情報も送出するように構成した場合には、受信端末21乃至2nは前記ID情報も受信信号S11乃至S1nに含めて管理サーバ51に送出する。
【0042】
さらに具体的には、この場合、各受信端末21乃至2nの信号処理部212に、前記ID情報をその所有者の情報と対応付けて記憶しておき、各端末信号S1乃至Snの処理の際に各端末信号S1乃至Snに含まれるID情報との突合せを行なうことにより信号処理部212が出力する受信信号S11乃至S1nに前記ID情報を含ませ、送信機213を介して管理サーバ51に送出する。
【0043】
この結果、管理サーバ51の前記演算処理部で管理情報記憶手段53に記憶された制御手順により管理サーバ51で検出対象のID情報を利用した各管理対象11乃至1nの制御を行うことができる。このことにより、例えばVIPの存在が検知された場合には、相応の適切な各管理対象11乃至1nの制御を行うことができる。
【0044】
時計手段52は管理サーバ51の前記演算処理部513に時刻情報を提供するものであり、これにより演算処理部513は管理情報記憶手段53を参酌して時刻情報を加味した管理対象の適切な制御を行う制御信号C1乃至Cnを形成する。例えば、同一内容の受信信号S11乃至S1nを受信した場合でも、朝、昼、夜等の時間帯で管理対象11乃至1nに対する制御内容を変更する等、柔軟な制御を行うことができる。
【0045】
かかる本形態によれば、各エリア1乃至nに存在する検出対象の数を加味して各エリア1乃至nに配設した管理対象11乃至1nを制御することができるので、例えば人の少ない場所にエレベータを向かわせる、人の居ない部屋の冷暖房を行ってしまう等、管理対象11乃至1nの無駄な運転を未然に防止し、最適な制御を実施することができる。
【0046】
ここで、管理対象11乃至1nが各階のエレベータ、検出対象である各人が無線端末31乃至35であるIDカードを身に付けている場合の具体的な実施例につき説明しておく。本実施例におけるエリア1乃至nはエレベータを待つ人が立っている各エレベータの前の所定の広さの空間である。
【0047】
本実施例によれば、管理情報記憶手段53に記憶している制御手順に基づき管理サーバ51で待っている人の数が最も多いエリア1に優先的にエレベータを差し向けるという、待機中の人の数を反映させた最適な制御が可能になる。この場合、エレベータは複数台が並列に運転されていることが望ましい。エリア1乃至nの待機中の人数によってはエレベータが通過する場合が発生するからである。
【0048】
このように、複数台のエレベータを並列に運転する場合、各列毎に本実施例に係る最適制御システムで制御するとともに、さらに各列の最適制御システム毎に制御情報を相互に交換しながら複数台のエレベータシステムの全体の運行制御を行うようにすることでさらに効率の良い制御を行うことができる。
【0049】
また、本実施例では、無線端末31乃至35はIDカードであり、これを身に着けている人の属性を表すID情報も含めることができるので、例えば待機中の人の中にVIPの存在が検知された場合には、この情報を基に管理サーバ51でVIPが待機する階に優先的にエレベータを差し向けるという優先制御を行うようにしても良い。
【0050】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。同図に示すように、本形態は各エリア61,62,63の受信端末21,22,23を統括する統括受信端末71を有するが、他の構成は、基本的に図1に示す第1の実施の形態と同様である。そこで、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
本形態に係るエリア61乃至63は例えば壁等で仕切られたビル内の各部屋等、閉じられた空間である。この場合、各エリア61乃至63に配設した受信端末21は各エリア61乃至63に存在する無線端末31,32,33,34からの端末信号S1,S2,S3,S4を受信するが、各受信端末21乃至23が送出する各受信信号S11,S12,S13は無線で総括受信端末61に集められ、この総括無線端末61から統括受信信号Sとして通信網41を介して管理サーバ51に伝送される。すなわち、統括受信端末61は前記端末信号S11乃至S13を受信する受信機と、この受信機が受信した端末信号S11乃至S13を各受信端末21乃至2nを特定するID情報とともに通信網41に送出する送信機とを有している。
【0052】
このように統括受信端末61を設けて多段に情報を伝達するように構成することで、固定局である受信端末21乃至23と総括受信端末61との間の通信が十分な高出力で行われるようにすれば良く、無線端末31乃至35は近傍に存在する受信端末21乃至23との通信ができれば良いので、その分無線端末31乃至35の出力は小さくすることができる。この結果、携帯端末である無線端末31乃至35の小型化を図ることができ、可搬性に優れたものとすることができる。
【0053】
センサ71はオプションとしての構成部品であるが、これを無線端末34に付属させることもできる。この場合には、センサ71の検出内容である検出対象の状態を管理サーバ51による管理対象11,12,13の制御に反映させる。例えば、無線端末34が検出対象である人に属する場合、その人の脈拍、体温等をセンサ71で検出することで、エアコンである管理対象12の制御に無線端末34が属する人の状態に合わせた最適な制御を行う。この場合、無線端末34と受信端末23との間では双方向通信によりセンサ71の情報の授受を行う。
【0054】
すなわち、図4に示すように、無線端末34はセンサ71が出力する所定のセンシング情報SSを端末信号S4に含めて内蔵する送信部341から無線送信し、受信端末23、統括受信端末61及び通信網41を介して管理サーバ51に送出する。管理サーバ51では、受信部511で前記センシング情報SSを分離して演算処理部513に供給する。演算処理部513では、センシング情報SSを分析するとともに管理情報記憶手段53の記憶内容を参照して管理対象1nの最適な制御内容を決定する。同時に、センサ71に対する制御信号CSも形成する。
【0055】
この場合の管理サーバ51の送信部514は管理対象13に対して制御信号C3を送出するとともにセンサ71に対する制御信号CSも送出する。かかる2種類の信号は、例えば周波数多重方式を採用することで受信側で必要な信号のみを分離・選択することができる。
【0056】
さらに、この場合の総括受信端末61及び受信端末23は、管理サーバ51が送出する制御信号CSの伝送系も形成している。すなわち、総括受信端末61には管理サーバ51が送出した制御信号CSを受信するとともにこれを無線送信する送受信部611を、受信端末23には総括受信端末61が送出した制御信号CSを受信するとともにこれを無線送信する送受信部231をそれぞれ備えている。また、無線端末34には受信端末34が送出した制御信号CSを受信してセンサ71に供給する受信部341を備えている。
【0057】
このことにより、演算処理部513が送出するセンサ71に対する制御信号CSも管理サーバ51、総括受信端末61、受信端末23、無線端末34を介してセンサ71に送出することができる。センサ71はこの制御信号CSにより要求されているセンシング情報を管理サーバ51側に送出する。このときのセンシング情報SSは、例えば、脈拍、体温等である。そこで、センシング対象の種類に応じた固有の制御信号CSを割り当てることで、所望のセンシング情報SSを選択的に管理サーバ51に送出することができる。
【0058】
なお、図では、無線端末34のみにセンサ71を付属させたが、勿論他の無線端末31乃至33に付属させることもできる。
【0059】
ここで、エリア61乃至63がビルの各部屋、管理対象11乃至13が各部屋の空調装置、検出対象が各部屋に居る人である場合の具体的な実施例につき説明しておく。
【0060】
本実施例によれば、管理情報記憶手段53に記憶している制御手順に基づき管理サーバ51で各エリア61乃至63に存在する人の数を把握してこの人数に合わせた最適な制御を行う。すなわち、人数が多いエリア61はこの人数に合わせて予め管理情報記憶手段53に記憶してある制御内容で最適な制御を行う。一方、エリア62は人が存在しないので、このエリア62に管理対象であるエアコン装置は駆動しない。また、エリア63の管理対象であるエアコン装置は、センサ71で検出される無線端末34が属する検出対象である人の状態に応じた最適な制御を行なう。
【0061】
上記実施の形態及び実施例では、検出対象が人である場合等、空間を移動するものとして説明したが、必ずしも移動する必要はない。要は、検出対象の数を反映した最適な制御が行われるような構成となっていれば良いので、例えば検出対象が商品であり、この商品を冷蔵庫に収納して販売している場合等、商品の数に応じた冷却を行うようにすることもできる。この場合には、商品の数の情報を利用してこの商品の管理等を併せて行なうこともできる。
【0062】
次に本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムについて説明する。
【0063】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する無線端末のブロック線図である。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する制御側システムのブロック線図である。無線端末149は、生体情報センサによって生体情報を取得し、その取得した生体情報をそのまま、あるいは生体情報を用いた演算をして、その演算結果を無線通信手段159によって受信端末160へ送信する無線端末である。加速センサ157は無線端末149の加速度を検出して値を制御部150へ出力する。無線端末149を装着している人の行動に伴って無線端末149が動くので、装着している人の行動をセンシングすることもできる。脈拍センサ158は無線端末149を装着している人の脈拍を検出して値を制御部150へ出力する。脈拍センサからの出力値があるか否かを判定することで、無線端末149を人が装着しているか否か判断ができる。これらのセンサは制御部150によって制御される。無線通信装置159は受信端末160などと無線通信を行い、データの送受信をする。無線端末149から受信端末160へ無線端末149で検出した値や演算結果の値などのデータを送信し、受信端末160はそのデータを管理制御装置165へ送信する。受信端末160から無線端末149へ無線端末149の制御指示データや設定値などのデータを送信し、無線端末149はそのデータに基づいて動作する。無線通信手段159は制御部150によって制御される。
【0064】
表示手段153は、液晶表示装置などの表示手段であり、制御部150によって制御され、制御部150によって指示されたデータを表示する。入力手段154はスイッチなどの入力手段であり、入力手段154は制御部150へユーザーの操作に基づく信号を出力する。タイマ155は時刻の計時や時間の測定を行い制御部150へ値を出力するタイマである。メモリ156は制御部150の動作のプログラム、演算に用いるデータ、演算結果であるデータ、などのデータを記憶する。制御部150は無線端末149の全体の制御を行う。制御部150はメモリ156に記憶しているプログラムに従って動作する。制御部150の一部として、動作量演算部151、カロリー演算部152を有する。動作量演算部151は、加速度センサ157からの加速度の値とタイマ155において計測した時間データに基づいて、動作量を演算する演算部である。カロリー演算部152は、加速度センサ157からの加速度の値と、予め記憶しているユーザーの身長、体重、性別、年齢などの個人情報とに基づいてユーザーの消費カロリーを演算する演算部である。
【0065】
無線端末149からの送信されるデータを受信端末160が受信する。受信端末160は無線通信手段162とネットワーク通信手段163と制御手段161を有し、これらを制御手段161で制御する。無線通信手段162によって無線端末149と通信してデータの送受信を行う。ネットワーク通信手段163はネットワーク164と接続し、他の機器とデータ通信を行う。制御手段161は受信端末160の全体の動作をつかさどり、記憶されているプログラムに従って動作する。無線端末149から送信されたデータは受信端末160とネットワーク164を経由して管理制御装置165へ送信される。管理制御装置165から無線端末149はネットワーク164、受信端末160を経由してデータが送信される。ネットワーク164はインターネットなどの通信ネットワークである。
【0066】
管理制御装置165は管理対象172を管理制御する装置である。ネットワーク通信手段166によってネットワーク164と接続し、他の機器との通信を行う。通信手段168は管理対象172の通信手段171と接続され、データ通信を行う。タイマ169は時刻の計時と時間の計測を行い制御手段167へ値を出力するタイマである。メモリ170はプログラムの記憶、さまざまなデータの記憶、演算などするときの一時的なワークエリアとして使用するメモリである。制御手段167は管理制御装置165の制御をメモリ170に記憶されたプログラムに従って制御する。また、制御手段167は、ネットワーク通信手段166、通信手段168、タイマ169、メモリ170の制御をする。また、管理制御装置165は受信端末160が受信したデータに基づいて演算を行い、その結果に基づいて管理対象172に対して制御を行う。
【0067】
管理対象172は、管理制御装置165の指示に基づいて動作する装置である。エアコン、エレベータ、照明装置、動力装置、表示装置、音響装置などの機器であり、特に限定されるものでない。ここでは例としてエアコンを使って説明する。管理機器178は、送風を行う送風機179、加熱冷却を行う加熱冷却機180、風向を変える風向可変機181からなり、それぞれの機器が制御手段173によって制御される。制御手段173は記憶手段177に記憶されているプログラムに従って管理対象172全体の動作をつかさどる。通信手段171は管理制御装置165の通信手段168と通信を行い、データの送受信を行う。表示手段175は液晶ディスプレイなどの表示装置であり、制御手段173の制御によって表示を制御される。タイマ175は時刻の計時、時間の計測を行い、時刻、時間の値を制御手段173へ出力する。入力手段176はボタンスイッチなのどの入力手段であり、ユーザーの操作に従って信号が制御手段173へ出力される。記憶手段177はプログラムの記憶、さまざまなデータの記憶、演算などするときの一時的なワークエリアとして使用する記憶手段である。
【0068】
次に本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの動作について説明する。各無線端末が一人一台の割合でユーザーに装着され、管理対象としてエアコンのある部屋にユーザーが居ると想定する。受信端末は複数の無線端末と接続し、データ通信が可能である。図7は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのブロック線図である。受信端末160、管理対象172、管理制御装置165は図6の符号が同じものと同様の受信端末、管理対象、管理制御装置である。第1の無線端末182、第2の無線端末183、第3の無線端末184、第4の無線端末185、第5の無線端末186、第6の無線端末187は図5で説明した無線端末149と同じもので、無線端末149が複数ある状態である。第1の無線端末182、第2の無線端末183、第3の無線端末184、第4の無線端末185、第5の無線端末186とは受信端末160とデータ通信可能で接続されている。点線は無線通信で接続されていることを示している。また、第6の無線端末187は受信端末160と接続できず、データ通信が行えない状態である。例えば、部屋を出て通信距離が遠くなり無線が届かない状態が考えられる。
【0069】
このとき、各無線端末は、加速度センサ157によってユーザーの動作に応じた加速度を検出し、脈拍センサ158によって脈拍を測定し、さらにタイマ155によって時間を測定する。また、無線通信手段159によって受信端末160と通信が可能か否か検出する。検出した加速度の値と時間の値とから単位時間当たりの動作量を動作量演算部151によって演算しその結果をメモリ156へ時系列に記憶する。例えば、動作量は、加速度センサで検出した値とタイマで計測した時間を用い、2度積分して移動距離を求め、その値を使うことができる。移動距離をユーザーの動作量として用いることができる。また、予めメモリ156へユーザーの個人情報として体重、性別、身長、年齢などの個人情報を記憶させて、演算した動作量とこれらの個人情報とからその人の消費カロリーを消費カロリー演算部152によって演算し、メモリ156へ記憶させる。その際、動作量と消費カロリーは相互に対応させて記憶させる。これら、演算、記憶の制御は制御部150によって制御する。消費カロリーを演算する際、脈拍センサ158によって何も検出されない場合はユーザーに装着されず放置されていると推定し、消費カロリーは0とする。
【0070】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある時刻における各無線端末の状態を表した図である。無線端末列188は各無線端末の固有番号をあらわしている。通信エリア内か列189は各無線端末が受信端末と通信できるときは「はい」、通信できないときは「いいえ」と表している。動作量列190は各無線端末のそのときの動作量をあらわしている。カロリー量列191は各無線端末のそのときのカロリー量をあらわしている。例えば、固有番号1の無線端末は、受信端末と通信可能で、そのときの動作量が100であり、ユーザーの消費化カロリー量が100kcalであることをあらわしている。また、固有番号4の無線端末は動作量が0なので基礎代謝分の消費カロリー量しかないことが分る。また、固有番号5の無線端末は消費カロリー量が0であり、これは、ユーザーが無線端末を外している状態である。
【0071】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある無線端末のある時間帯での状態を表した図である。横軸に経過時間、縦軸に動作量、無線通信が可能か否かをとった図である。動作量は線192を用いてグラフ上に表している。通信可能か否かは線193を用いてグラフ上に表している。時刻t0からt1の時間T1、時刻t1からt4の時間T2、時刻t4からt5の時間T3は等時間であり、予め決められた単位時間であり、例えば1分間などと所定の値を予め設定する。時刻t0から時刻t1までは無線通信が可能かつ動作量が常にある時間帯である。このとき単位時間当たりの動作量は線192を積分して値を求める。時間T2の時は、無線通信が時刻t2からt3の時に途絶えるが、例えば、部屋の外に出ている場合などである。無線端末内では、動作量を演算してもよい。時間T3の時は、動作量が0の時があるが、無線通信が途絶えることはない。
【0072】
本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの動作についてフローチャートを用いて説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの無線端末の動作のフローチャートである。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理制御装置がデータを受信したときの動作のフローチャートである。図12は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の動作のフローチャートである。図13は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の記憶手段に記憶する無線端末のデータをあらわす図である。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの設定値をあらわす図である。
【0073】
無線端末(182〜187)は、無線端末ごとに、加速度センサ157とタイマ155の計測結果を用いて、1秒ごとに動作量の演算を行い、タイマ155で計測した時刻データに基づいて時系列に、メモリ156へ時刻データと対応させて演算結果の動作量の値を記憶する(ステップ1)。さらに、その動作量と予めメモリ156へ記憶されている個人情報を用いて1秒ごとの消費カロリーを演算し、演算して求めた値をメモリ156へ使用した動作量の値に対応して記憶する(ステップ2)。メモリ156へ個人情報と時刻と動作量と消費カロリーを対応させて記憶する(ステップ3)。1分毎にデータをまとめる為に、タイマ155で1分間を計測し、1分間経過したか否かを判断し、1分経過してなければ、ステップ1に移行して、毎秒の集計を行い、1分経過したら、1分毎の集計をする処理へ移行する(ステップ4)。
【0074】
個人情報毎の過去1分間分の動作量、消費カロリーの値を加算して、1分間の動作量、消費カロリーの値として、時系列にメモリ156へ記憶する(ステップ5)。無線通信手段159によって、受信端末160と通信を行い、個人情報とその個人情報に対応した1分間の動作量、消費カロリーの値を受信端末160へ送信する(ステップ6)。このまま処理を停止する場合は終了(エンド)し、続ける場合は、ステップ1へ移行する。処理の停止は、予め決められた回数、時間、入力手段154からの入力により等によって判断される。このように、無線端末から受信端末へ無線端末が得たデータを送信する。
【0075】
次に、受信端末160は、各無線端末から送られてくる1分毎のデータを、ネットワーク通信手段163、ネットワーク164、ネットワーク通信手段166を介して、管理制御装置165と通信を行い、メモリ170へ受信したデータをデータ中にある時刻データを用いて時系列に個人情報毎に記憶する(ステップ8)。図13はメモリ170へ記憶するデータの構成を示している。無線端末列194は無線端末の固有番号である。ここでは、無線端末の固有番号と個人情報の固有番号とが1対1で対応している場合である。時刻列195は送られてきたデータの中から時刻のデータを抽出して記憶し、その時の動作量を動作量列196、消費カロリー量をカロリー量列197へ記憶する。例えば、無線端末1、あるいは個人情報固有番号1の10時10分における動作量は80、消費カロリー量は90kcalであることをしめしている。
【0076】
次に、管理制御装置165はメモリ170に記憶されている、動作量と消費カロリー量のデータを、毎分ごとに過去3分間のデータを積算する。つまり、受信可能な各無線端末全ての1分毎のタイミングで過去3分間の動作量と消費カロリー量のデータをメモリ170へ記憶する(ステップ9)。
【0077】
次に、毎分の過去3分間のデータの積算量に基づいて、管理対象173を制御するための演算を行う。予めメモリ170には管理対象172をどのように制御するかを決めるための設定データが記憶されている。図14はその設定データの構成を示す図である。動作量列198は動作量の範囲を記憶している。風量列199は動作量の範囲に対応した風量の設定値を記憶している。温度列200は動作量の範囲に対応した温度の設定値を記憶している。風向列201は動作量の範囲に対応した風向の設定値を記憶している。例えば、動作量が0から100の範囲の場合、風量の設定値は1段であり、温度の設定値はプラスマイナス0度つまり変化させないであり、風向の設定値は上向きの設定値が記憶されている。過去3分間の動作量の値と一致する動作範囲を求め、さらに、風量、温度、風向の値を求める(ステップ10)。
【0078】
管理制御装置165と管理対象172は通信手段168と通信手段171を用いて通信を行い、管理制御装置165は管理対象172に対して、求めた風量、温度、風向の値のデータを送信する。管理対象172の制御手段173は、受信したデータに基づいて、送風機179を受信した風量の値にする制御を行い、加熱冷却機180を受信した温度の値にする制御を行い、風向可変機181を受信した風向の値にする制御を行う(ステップ11)。
【0079】
また別の形態として、表示手段174で設定された新たなデータの表示を行う。また、管理制御装置165の機能を管理対象172内に取り込むことも可能である。通信手段171をネットワーク164に接続し、管理制御装置165で行う制御のプログラム、設定値等と同様のプログラム設定値等を記憶手段177に記憶させることで、同様の機能をさせることができる。
【0080】
また、受信端末を1つで説明してきたが、受信端末を複数持つことも可能である。その際、管理制御装置165は、どの受信端末とどの無線端末が接続されているかを検出して、受信端末ごとの制御を行うこともできる。
【0081】
さらに、受信端末が受信する無線端末かの電波の強弱を測定し、その測定値に基づいて、管理機器を制御することもできる。設定値として、電波の強弱を複数段階の範囲に分け、さらに、それに対応する風向、風量、温度の値を予め記憶する。例えば、電波の弱い人が半数以上いる場合は、風向を下向き、風量を3段、温度を更に−1度に設定し、制御を行う。そうすれば、大勢が遠い位置にいたとして、そこへ到達する風量を増加させるため風量を増加させたり、温度をさらに下げる制御ができる。
【0082】
また、動作量の変わりに、動作量と個人情報に基づいて演算した演算結果、例えば消費カロリー量、に基づいて管理対象を制御することができる。
【0083】
次に本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムについて説明する。本発明の第4の実施の形態は、複数の昇降機を最適制御するシステムである。図15と図16を用いて説明する。図15は本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象のブロック線図である。図16は本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの動作フローチャートである。
【0084】
第一の昇降機205と第二の昇降機206は昇降機である。第一の昇降機205と第二の昇降機206をまとめて管理機器204と呼ぶ。第一の昇降機205と第二の昇降機206は管理制御装置203によって制御される。管理制御装置203は第三の実施の形態に係る最適制御システムの受信端末160、管理制御装置165、管理対象172の機能を併せ持つ制御装置である。無線端末からデータを受信して、時系列に記憶する点も同様である。無線端末から受信し、記憶したデータの中から無線端末ごとに所定の時間、たとえば過去3分間、の動作量の合計を演算する(ステップ12)。各無線端末の動作量の合計とあらかじめ設定してある所定の値とを比較し、動作量が所定の値以下の場合、その端末を昇降機待ちであると判断し、所定の値を超える場合を昇降機待ちでないと判断する。無線端末と通信を行っている受信端末を管理制御装置203によって判断し、管理制御装置203は各受信端末が通信を行っている昇降機待ちと判断された無線端末数をカウントする(ステップ13)。管理制御装置203は無線端末数の一番多いと受信端末のある場所へ昇降機を優先して移動させる制御を行う(ステップ14)。
【0085】
ビルに居る人に無線端末を装着させ、ビルの各階のエレベーターホールに受信端末を設置し、エレベーターホール付近に居る人の数とその動作を検出する。動作量がある程度多く、長時間エレベータホール付近に滞在する人の場合、エレベータホールに何らかの用事によって滞在するがエレベータに乗る意図が無いと推測できる。長時間滞在し、動作量がある程度多い人はエレベータに乗る意図がないと判断するため、予めこの動作量の値を閾値として管理制御装置203に記憶させておく。このように、無線端末を持つ対象の動作量と時間を計測し無線により管理制御装置203へ計測したデータを送信し、管理制御装置203に予め記憶してある閾値となる所定の値と受信したデータに基づいて管理対象の制御を行うことで、管理対象の最適制御をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は分散配置された制御対象であるエアコン等の機器を、合理的に運用するシステムを製造、販売乃至使用する産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。
【図2】図1の一部を抽出して詳細に示す図で、(a)は受信端末の部分を示すブロック線図、(b)は管理サーバの部分を示すブロック線図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る対象の数に合わせた最適制御システムを示すブロック線図である。
【図4】図3のセンサに関連する信号乃至情報の伝送経路を示すブロック線図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する無線端末のブロック線図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムに対応する制御側システムのブロック線図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのブロック線図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある時刻における各無線端末の状態を表した図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムのある無線端末のある時間帯での状態を表した図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの無線端末の動作のフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理制御装置がデータを受信したときの動作のフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の動作のフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象の記憶手段に記憶する無線端末のデータをあらわす図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る最適制御システムの設定値をあらわす図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの管理対象のブロック線図である
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る最適制御システムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1乃至n、61乃至63 エリア
11乃至1n 管理対象
21乃至2n 受信端末
31乃至35 無線端末
51 管理サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、
複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、
前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、
前記各受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項2】
複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、
複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、
前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、
各受信端末が送出した前記受信信号を受信して各受信信号を全て含む総括受信信号を送出する総括受信端末と、
前記総括受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各受信端末は、前記各無線端末が送出する電波の強度を検出しこの強度が所定の閾値以上の場合に各無線端末が属する前記各検出対象の存在を認識するようにしたものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各無線端末は、それぞれが属する検出対象のID情報も併せて送出するものであり、前記管理サーバは前記ID情報を加味して前記各管理対象の制御を行うように構成したものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各エリアは各階のエレベータの昇降口の前の所定の空間で形成するとともに、前記各管理対象はエレベータ、前記各検出対象はVIPを含む人とし、前記管理サーバは前記各エリアに存在する人の数に応じてエレベータを優先的に差し向けるとともに、前記VIPの存在を検出した場合にはさらにその階に優先的にエレベータを差し向けるように各エレベータの運行を制御するようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記管理サーバは時刻情報を取り込み、前記各管理対象に対して時刻に応じた固有の制御を必要に応じて行なうようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各無線端末には各検出対象の状態を表す情報を収集するセンサを付属させてあり、
各センサが検出する前記状態を前記管理サーバによる前記各管理対象の制御に反映させるようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項8】
受信端末によって受信したデータに基づいて管理対象を制御する制御手段を有する制御機器に対して、前記受信端末へ前記データを送信する無線端末であって、
前記無線端末は、
前記受信端末と無線通信を行う無線通信手段と、
時間を計測するタイマと、
生体情報を検出するセンサと、
前記センサによって検出した生体情報と前記タイマの計測する時間に基づいて所定の演算を行う演算手段と、
を有し、
前記演算手段の演算結果データを前記データとして前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする無線端末。
【請求項9】
前記無線端末は更に個人情報を記憶するメモリを有し、
前記メモリに記憶された個人情報と、前記演算結果データに基づいて所定の演算を行う第二の演算手段を有し、前記第二の演算手段によって演算された第二の演算結果データを更に前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする請求項8に記載の無線端末。
【請求項10】
前記センサは、加速度センサであり、前記加速度センサにより加速度を検出し、検出した前記加速度に基づいて所定時間の動作量を演算する動作量演算手段を更に有し、前記動作量を前記受信端末へ送信することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線端末。
【請求項11】
前記センサは、脈拍センサを更に有し、前記脈拍センサの出力に基づいて前記無線端末をユーザーが装着しているか否かを検出し、ユーザーが装着していない場合は前記第二の演算結果データは予め決められた値となることを特徴とする請求項9に記載の無線端末。
【請求項12】
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の前記制御機器および前記無線端末において、
前記無線端末から送信する前記データは、前記タイマで計測した時間に基づく時間データを有し、
前記制御機器は前記演算結果のデータ及び前記時間データに基づき前記管理対象を制御することを特徴とする制御機器。
【請求項1】
複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、
複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、
前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、
前記各受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項2】
複数のエリアのそれぞれに配設した管理対象と、
複数の検出対象のそれぞれに一対一に対応させて帰属させるとともにそれぞれが所定の端末信号を無線で送出する無線端末と、
前記複数のエリアのそれぞれに配設するとともに、前記端末信号を受信して受信した前記無線端末の数を表す情報を少なくとも含む受信信号を送出する受信端末と、
各受信端末が送出した前記受信信号を受信して各受信信号を全て含む総括受信信号を送出する総括受信端末と、
前記総括受信信号を受信して処理し、前記各エリア毎の前記無線端末の数に基づく要素を少なくとも加味して前記各管理対象の所定の制御を行う管理サーバとを有することを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各受信端末は、前記各無線端末が送出する電波の強度を検出しこの強度が所定の閾値以上の場合に各無線端末が属する前記各検出対象の存在を認識するようにしたものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各無線端末は、それぞれが属する検出対象のID情報も併せて送出するものであり、前記管理サーバは前記ID情報を加味して前記各管理対象の制御を行うように構成したものであることを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載する対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各エリアは各階のエレベータの昇降口の前の所定の空間で形成するとともに、前記各管理対象はエレベータ、前記各検出対象はVIPを含む人とし、前記管理サーバは前記各エリアに存在する人の数に応じてエレベータを優先的に差し向けるとともに、前記VIPの存在を検出した場合にはさらにその階に優先的にエレベータを差し向けるように各エレベータの運行を制御するようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記管理サーバは時刻情報を取り込み、前記各管理対象に対して時刻に応じた固有の制御を必要に応じて行なうようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載する何れか一つの対象の数に合わせた最適制御システムにおいて、
前記各無線端末には各検出対象の状態を表す情報を収集するセンサを付属させてあり、
各センサが検出する前記状態を前記管理サーバによる前記各管理対象の制御に反映させるようにしたことを特徴とする対象の数に合わせた最適制御システム。
【請求項8】
受信端末によって受信したデータに基づいて管理対象を制御する制御手段を有する制御機器に対して、前記受信端末へ前記データを送信する無線端末であって、
前記無線端末は、
前記受信端末と無線通信を行う無線通信手段と、
時間を計測するタイマと、
生体情報を検出するセンサと、
前記センサによって検出した生体情報と前記タイマの計測する時間に基づいて所定の演算を行う演算手段と、
を有し、
前記演算手段の演算結果データを前記データとして前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする無線端末。
【請求項9】
前記無線端末は更に個人情報を記憶するメモリを有し、
前記メモリに記憶された個人情報と、前記演算結果データに基づいて所定の演算を行う第二の演算手段を有し、前記第二の演算手段によって演算された第二の演算結果データを更に前記無線通信手段によって前記受信端末に送信することを特徴とする請求項8に記載の無線端末。
【請求項10】
前記センサは、加速度センサであり、前記加速度センサにより加速度を検出し、検出した前記加速度に基づいて所定時間の動作量を演算する動作量演算手段を更に有し、前記動作量を前記受信端末へ送信することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線端末。
【請求項11】
前記センサは、脈拍センサを更に有し、前記脈拍センサの出力に基づいて前記無線端末をユーザーが装着しているか否かを検出し、ユーザーが装着していない場合は前記第二の演算結果データは予め決められた値となることを特徴とする請求項9に記載の無線端末。
【請求項12】
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の前記制御機器および前記無線端末において、
前記無線端末から送信する前記データは、前記タイマで計測した時間に基づく時間データを有し、
前記制御機器は前記演算結果のデータ及び前記時間データに基づき前記管理対象を制御することを特徴とする制御機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−274673(P2007−274673A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32029(P2007−32029)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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