説明

床面検出システム、移動ロボット及び床面検出方法

【課題】正確に床検出を行うことが可能な床面検出システム、移動ロボットや床面検出方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる床面検出システムは、移動ロボット1に設けられている。まず、姿勢角センサ13の検出した姿勢角データに基づいて複数のセンサ角度候補を設定する。次に、複数のセンサ角度候補のそれぞれについて距離画像センサ12の検出した距離画像データに基づいて床検出を行う。そして、複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床面検出システムに関し、特に移動ロボットに取り付けられた床面検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行や移動動作を行う移動ロボットは、床面状態が変化する場所においても安定した歩行や移動動作を行うために、床面の状態を検出する床面検出システムを備える場合がある(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。特許文献1に記載された移動ロボットは、腰部に設けたセンサで床面を検知し、床面までの距離や床面形状の計測を常に安定的に行っている。また、特許文献2には、路面状況判別部と姿勢判別部により歩行路面状況と現在の姿勢とに基づいて歩容信号を生成して安定走行を行うロボットについて開示されている。さらに、特許文献3には、距離画像生成部により生成された距離画像に基づいて平面パラメータを検出し、これを用いて床面に載っている点を選択し、この点に基づき障害物を認識する技術が開示されている。また、特許文献4には、姿勢角速度の推定値と角速度センサによる姿勢角速度検出値との偏差に応じて決定した角速度センサのドリフト補正値により所定部位の姿勢角の推定値を求める技術が開示されている。
【0003】
移動ロボットにおいて、距離画像センサを用いて床面を検出するためには、床面から距離画像センサまでの高さと、距離画像センサの傾きに関する情報を取得する必要がある。ここで、移動ロボットは、移動中に姿勢角が変化するため、当該距離画像センサの傾きを得るために、姿勢角センサによって移動ロボットの姿勢角を測定している。そして、姿勢角センサによって測定されて得られた姿勢角データは、床面検出処理を実行する計算機に送信される。
【0004】
【特許文献1】特開2002−144278号公報
【特許文献2】特開2006−255798号公報
【特許文献3】特開2003−269937号公報
【特許文献4】再公表特許公報WO2003/090981
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、姿勢角センサによって測定して得られた姿勢角データは、床面検出処理を行う計算機に送信される際に、通信遅れが発生する。そのため、計算機において床面検出処理する際に、現在の姿勢角データよりも前の姿勢角データを用いる場合が発生し、床検出の失敗を生じさせる場合がある。
【0006】
この点について、図2を用いてさらに詳細に説明する。図2には、模式的に、床面100上の移動ロボット1の状態を示している。移動ロボット1は、ロボット本体10の下部に車輪11を備え、さらに、その上方に距離画像センサ12及び姿勢角センサ13を備えている。図2(a)に示す、現在よりもt[ms]前の状態においては、例えば、姿勢角センサ13が傾き角x[deg]を検出しているものとする。また、図2(b)に示す、現在の状態においては、移動ロボット1の傾き角が0であるため、距離画像センサ12の取り付け角度θに対して当該傾き角の0を加算することによって得られる距離画像センサ12の傾き角(θ+0)に基づき床検出処理を実行すべきである。しかしながら、上述のような通信遅れの発生によって、図2(a)に示す、現在よりもt[ms]前の状態において検出した傾き角xを姿勢角センサ13の取り付け角度θに対して加算することによって得られる距離画像センサ12の傾き角(θ+x)に基づき床検出処理を実行してしまうので、床検出に失敗する。図2の画像120は、床検出に失敗した結果を示すものであり、斜線領域が床検出できた領域である。
【0007】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、正確に床検出を行うことが可能な床面検出システム、移動ロボット及び床面検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる床面検出システムは、移動ロボットに設けられ、当該移動ロボットが移動する床面を検出する床面検出システムであって、前記床面までの距離に応じた距離画像データを生成する距離画像センサと、前記移動ロボットの姿勢角データを生成する姿勢角センサと、前記距離画像センサにより生成された距離画像データと、前記姿勢角センサにより生成された姿勢角データに基づいて、床面に対する前記距離画像センサの角度を求めるデータ処理部とを備え、前記データ処理部は、前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいて複数のセンサ角度候補を設定するセンサ角度候補設定手段と、前記複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像データに基づいて床検出を行う床検出手段と、前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択する候補選択手段とを有するものである。
【0009】
ここで、前記センサ角度候補設定手段は、前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいてセンサ基準角を設定するセンサ基準角設定手段と、前記センサ基準角設定手段により設定されたセンサ基準角より所定値だけ減算及び加算することによって複数のセンサ角度候補を算出するセンサ角度候補算出手段を有するものである。
【0010】
また、前記床検出手段は、センサ角度候補について床面までの理想距離を計算する理想距離計算手段と、前記理想距離計算手段により計算された理想距離と、前記距離画像センサにより生成された距離画像データにおける床面までの距離の差分を求め、差分が閾値以下である場合に床面が検出されたものと判定する床面判定手段を有することが望ましい。
【0011】
本発明にかかる移動ロボットは、自身が移動する床面を検出する移動ロボットであって、前記床面までの距離に応じた距離画像データを生成する距離画像センサと、前記移動ロボットの姿勢角データを生成する姿勢角センサと、前記距離画像センサにより生成された距離画像データと、前記姿勢角センサにより生成された姿勢角データに基づいて、床面に対する前記距離画像センサの角度を求めるデータ処理部とを備え、前記データ処理部は、前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいて複数のセンサ角度候補を設定するセンサ角度候補設定手段と、前記複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像データに基づいて床検出を行う床検出手段と、前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択する候補選択手段とを有するものである。
【0012】
ここで、前記センサ角度候補設定手段は、前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいてセンサ基準角を設定するセンサ基準角設定手段と、前記センサ基準角設定手段により設定されたセンサ基準角より所定値だけ減算及び加算することによって複数のセンサ角度候補を算出するセンサ角度候補算出手段を有するものである。
【0013】
また、前記床検出手段は、センサ角度候補について床面までの理想距離を計算する理想距離計算手段と、前記理想距離計算手段により計算された理想距離と、前記距離画像センサにより生成された距離画像データにおける床面までの距離の差分を求め、差分が閾値以下である場合に床面が検出されたものと判定する床面判定手段を有することが望ましい。
【0014】
さらに、前記候補選択手段によって選択されたセンサ角度候補に対応した距離画像データに基づいて歩容データを生成することが好ましい。
【0015】
ここで、移動ロボットとしては、同軸二輪式の移動ロボットであってもよく、二足歩行型の移動ロボットであってもよい。
【0016】
本発明にかかる床面検出方法は、移動ロボットが移動する床面を検出する床面検出方法であって、姿勢角データに基づいて、複数の距離画像センサに関するセンサ角度候補を設定するステップと、複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像センサにより生成された距離画像データに基づいて床検出を行うステップと、前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択するステップとを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、正確に床検出を行うことが可能な床面検出システム及び移動ロボットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態にかかる床面検出システムの概略構成について説明する。当該床面検出システムは、移動に伴って姿勢が変化する移動ロボット1に設けられている。本例に示す移動ロボット1は、自律移動式の同軸二輪型ロボットであるが、これに限らず、二足歩行型ロボット、四足歩行型ロボット等にも適用できる。さらに、人搭乗型ロボットに対しても適用可能である。当該移動ロボット1は、ロボット本体10に、図示しない駆動ユニットにより回転駆動される車輪11を備えている。移動ロボット1は、車輪11の回転軸を中心に前後方向に傾斜する。
【0019】
移動ロボット1のロボット本体10には、距離画像センサ12が設けられている。距離画像センサ12は、例えば、TOF(Time Of Flight)方式のセンサである。ここで、TOF方式には、位相TOF方式と、パルスTOF方式とがある。位相TOF方式では、強度変調された測定光線を測定対象に照射して、対象物からの反射光を検出して、光電子変換を行い、変換された光電子を複数の蓄積手段のいずれかに時間的にずらして蓄積するようにしている。この方式によれば、測定対象が遠くにあればあるほど、複数の蓄積手段のうち時間的に後のタイミングで蓄積するようにした蓄積手段に、より多くの光電子が蓄積されることになる。つまり、測定対象までの距離に応じて、複数の蓄積手段のそれぞれに蓄積される光電子数の相対的な比率や差分が決定される。この比率や差分を求めることによって測定対象までの距離を求めることができる。パルスTOF方式は、パルス状の測定光線を測定対象物に照射して、測定対象物からの反射光と測定光線との位相差から距離を求める方式であって、測定光線を2次元的に走査し、各点で距離を測定して三次元の形状を測定するものである。
【0020】
距離画像センサ12は、ロボット本体10に対して、移動ロボット1の前方の床面を検出するように、傾斜して設けられている。本例では、ロボット本体10が床面に対して垂直に位置した状態において、その垂直方向(つまり、鉛直方向)に対する角度を取り付け角θ(deg)として表す。
【0021】
移動ロボット1のロボット本体10には、姿勢角センサ13が設けられている。姿勢角センサ13は、ロボット本体10、すなわち移動ロボット1の傾斜角を測定するセンサであり、例えば、ロボット本体10の角速度を検知するジャイロセンサと、鉛直方向を検知するための加速度センサによって構成される。
【0022】
図3のブロック図に示されるように、距離画像センサ12によって測定され、生成された距離画像データと、姿勢角センサ13によって測定され、生成された姿勢角データは、データ処理部14に出力される。
【0023】
データ処理部14は、ROM、RAMに格納された制御プログラムや制御パラメータ、さらには距離画像センサ12より入力した距離画像データや姿勢角センサ13より入力した姿勢角データに基づいて、移動ロボット1の全体動作及び処理を実現するための制御を行うCPUを備えている。本例にかかるデータ処理部14は、距離画像センサ12より入力した距離画像データに加えて、姿勢角センサ13によって検出された姿勢角データに基づいて床面検出処理を実行する。
【0024】
続いて、本実施の形態にかかる床面検出システムにおける床面検出処理について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0025】
データ処理部14は、まず、姿勢角センサ13より姿勢角データを入力する。処理対象となる姿勢角データは、発明が解決しようとする課題の欄で詳述したように、姿勢角センサ13とデータ処理部14の間の通信遅れによって、t[ms]前のものである。データ処理部14は、入力した姿勢角データに基づき、センサ基準角を設定する(S101)。センサ基準角は、姿勢角データにより特定される姿勢角x[deg]に、距離画像センサ12の取り付け角θを加算した角度である。例えば、x=5、θ=20の場合に、センサ基準角は、x+θ=25[deg]である。
【0026】
次に、データ処理部14は、センサ基準角に基づいて、センサ角度候補を設定する(S102)。センサ角度候補は、センサ基準角を基準に、予め定められた複数の値だけ減算し、かつ加算することによって得られた角度である。好適には、センサ角度候補は、センサ基準角sからa,a,a・・・・aだけそれぞれ減算した値、センサ基準角s、センサ基準角sに対してa,a,a・・・・aだけそれぞれ加算した値である。即ち、s−a,・・・s−a,s−a,s−a,s,s+a,s+a,s+a・・・・s+a[deg]の2n+1個がセンサ角度候補となる。より具体的には、s−m,・・・s−3,s−2,s−1,s,s+1,s+2,s+3・・・・s+m[deg]である。この例では、1[deg]ずつ減算及び加算した値としたが、これに限らず、任意の値であってもよく、その値は固定でなくとも変動してもよい。例えば、センサ基準角の値に近い範囲では1[deg]ずつ減算及び加算し、遠い範囲では2[deg]ずつ減算及び加算するようにしてもよい。
【0027】
データ処理部14は、設定されたセンサ角度候補のうち、任意の角度候補Aについて床面までの理想距離を計算する(S103)。初期値としては、例えば、最も値が小さいセンサ角度候補s−a[deg]が選ばれる。床面までの理想距離は、選択された任意の角度候補Aに基づき、距離画像センサ12から床面までの距離を幾何学的に算出することによって求められる。また、床面までの理想距離は、距離画像センサ12によって取得される領域の全範囲に亘って、すなわち全ピクセルについて計算される。
【0028】
さらに、データ処理部14は、距離画像センサ12から距離画像データを入力し、距離画像データに含まれるピクセルiにおける床面までの距離と、ピクセルiと同じ位置における理想距離との差分を計算して求める(S104)。
データ処理部14は、ステップS104によって算出された差分値が、予め定められた閾値以下かどうかを判定する(S105)。データ処理部14は、当該差分値が閾値よりも大きいと判定した場合には、ステップS107に移行する。
【0029】
他方、データ処理部14は、当該差分値が閾値以下と判定した場合には、床面が検出されたものと判断し、床検出カウント数の値を1だけ増加させる(S106)。
【0030】
ステップS105において差分値が閾値よりも大きいと判定した場合及びステップS106において床検出カウント数の値を1だけ増加させる処理を行った場合に、データ処理部14は、距離画像データに含まれるすべてのピクセルについて走査を行い、計算を行ったかについて判定する(S107)。データ処理部14が未だすべてのピクセルについては計算を行っていないと判定した場合には、i=i+1として、次のピクセルについてステップS104の処理を実行する。
【0031】
他方、データ処理部14がすべてのピクセルについて走査を行い、計算を行ったと判定した場合には、さらに、すべてのセンサ角度候補について計算を行ったかどうかを判定する(S108)。データ処理部14は、未だすべてのセンサ角度候補について計算していないと判定した場合には、A=A+1として次のセンサ角度候補についてステップS103の処理を実行する。
【0032】
他方、データ処理部14がすべてのセンサ角度候補について計算を行ったと判定した場合には、床検出カウント数の多い、センサ角度候補を選択し、このセンサ角度候補に対応した距離画像データを床面形状データとして採用する(S109)。そして、データ処理部14は、採用された距離画像データに基づいて歩容データを生成する。移動ロボット1は、当該歩容データに基づいて走行或いは歩行動作を実行する。
【0033】
続いて、図5を用いて、床面検出処理の例について説明する。この例では、姿勢角センサ13によって検出された姿勢角x=5[deg]であり、距離画像センサ12の取り付け角θ=15[deg]である。従って、センサ基準角s=5+15=20[deg]である。このセンサ基準角sである20[deg]より1〜5[deg]だけ加算若しくは減算した値15〜25[deg]をセンサ角度候補とした。図5の左上及び右上にそれぞれ示す領域のうち斜線部分が、図4のステップS105において差分値が閾値以下と判定され、床面が検出されたものと判断されたピクセルに相当する領域を示している。
【0034】
図5に示されるように、センサ角度候補が20°の場合は、センサ角度候補が25°の場合に比べて、床面が検出された領域が広く、床検出カウント数も多い。そして、すべてのセンサ角度候補の中でも、20°の場合が最も床検出カウント数が多いため、この20°現在のセンサ傾き角度として判定する。
【0035】
なお、図4に示すフローチャートでは、ステップS104において距離画像データに含まれるピクセルiにおける床面までの距離と、ピクセルiと同じ位置における理想距離との差分を計算して求め、ステップS105においてその差分値を閾値と比較処理を行ったが、これに限らず、距離画像データに含まれるピクセルiにおける床面までの距離と、ピクセルiと同じ位置における理想距離を比較して、その比較結果に基づいて、実質的に両者の差分に応じた値を求めて、この値を閾値と比較するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明にかかる床面検出システムの概略構成図である。
【図2】本発明及び従来の床面検出システムの処理を説明するための説明図である。
【図3】本発明にかかる床面検出システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明にかかる床面検出システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる床面検出システムの処理結果例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ロボット
10 ロボット本体
11 車輪
12 距離画像センサ
13 姿勢角センサ
14 データ処理部
100 床面
120 処理結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットに設けられ、当該移動ロボットが移動する床面を検出する床面検出システムであって、
前記床面までの距離に応じた距離画像データを生成する距離画像センサと、
前記移動ロボットの姿勢角データを生成する姿勢角センサと、
前記距離画像センサにより生成された距離画像データと、前記姿勢角センサにより生成された姿勢角データに基づいて、床面に対する前記距離画像センサの角度を求めるデータ処理部とを備え、
前記データ処理部は、
前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいて複数のセンサ角度候補を設定するセンサ角度候補設定手段と、
前記複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像データに基づいて床検出を行う床検出手段と、
前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択する候補選択手段とを有する床面検出システム。
【請求項2】
前記センサ角度候補設定手段は、
前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいてセンサ基準角を設定するセンサ基準角設定手段と、
前記センサ基準角設定手段により設定されたセンサ基準角より所定値だけ減算及び加算することによって複数のセンサ角度候補を算出するセンサ角度候補算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の床面検出システム。
【請求項3】
前記床検出手段は、
センサ角度候補について床面までの理想距離を計算する理想距離計算手段と、
前記理想距離計算手段により計算された理想距離と、前記距離画像センサにより生成された距離画像データにおける床面までの距離の差分を求め、差分が閾値以下である場合に床面が検出されたものと判定する床面判定手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の床面検出システム。
【請求項4】
自身が移動する床面を検出する移動ロボットであって、
前記床面までの距離に応じた距離画像データを生成する距離画像センサと、
前記移動ロボットの姿勢角データを生成する姿勢角センサと、
前記距離画像センサにより生成された距離画像データと、前記姿勢角センサにより生成された姿勢角データに基づいて、床面に対する前記距離画像センサの角度を求めるデータ処理部とを備え、
前記データ処理部は、
前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいて複数のセンサ角度候補を設定するセンサ角度候補設定手段と、
前記複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像データに基づいて床検出を行う床検出手段と、
前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択する候補選択手段とを有する移動ロボット。
【請求項5】
前記センサ角度候補設定手段は、
前記姿勢角センサの検出した姿勢角データに基づいてセンサ基準角を設定するセンサ基準角設定手段と、
前記センサ基準角設定手段により設定されたセンサ基準角より所定値だけ減算及び加算することによって複数のセンサ角度候補を算出するセンサ角度候補算出手段を有することを特徴とする請求項4記載の移動ロボット。
【請求項6】
前記床検出手段は、
センサ角度候補について床面までの理想距離を計算する理想距離計算手段と、
前記理想距離計算手段により計算された理想距離と、前記距離画像センサにより生成された距離画像データにおける床面までの距離の差分を求め、差分が閾値以下である場合に床面が検出されたものと判定する床面判定手段を有することを特徴とする請求項4又は5記載の移動ロボット。
【請求項7】
前記候補選択手段によって選択されたセンサ角度候補に対応した距離画像データに基づいて歩容データを生成することを特徴とする請求項4〜6いずれかに記載の移動ロボット。
【請求項8】
同軸二輪式の移動ロボットであることを特徴とする請求項4〜7いずれかに記載の移動ロボット。
【請求項9】
二足歩行型の移動ロボットであることを特徴とする請求項4〜7いずれかに記載の移動ロボット。
【請求項10】
移動ロボットが移動する床面を検出する床面検出方法であって、
姿勢角データに基づいて、複数の距離画像センサに関するセンサ角度候補を設定するステップと、
複数のセンサ角度候補のそれぞれについて前記距離画像センサにより生成された距離画像データに基づいて床検出を行うステップと、
前記複数のセンサ角度候補のうち、最も多く床検出された候補を、当該床面に対する距離画像センサの角度として選択するステップとを備えた床面検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−168750(P2009−168750A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9670(P2008−9670)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】