微細形状加工方法及びマイクロチップ
【課題】マイクロチップ等の微細加工のコスト削減を進展させることを可能とする。
【解決手段】基材3の表面に微細流路5を加工する微細形状加工方法において、基材3の表面に金属の薄膜7を形成する(a)薄膜形成工程と、薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する(b)放電加工工程と、薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチングして薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細流路5を基板3の表面に形成する(c)エッチング工程と、エッチング後に金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有するマイクロチップ1を得る(d)除去工程とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】基材3の表面に微細流路5を加工する微細形状加工方法において、基材3の表面に金属の薄膜7を形成する(a)薄膜形成工程と、薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する(b)放電加工工程と、薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチングして薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細流路5を基板3の表面に形成する(c)エッチング工程と、エッチング後に金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有するマイクロチップ1を得る(d)除去工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検物質の分析に利用されるマイクロチップの流路形成などに供される微細形状加工方法及びマイクロチップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロチャネルと称される微細流路を形成したマイクロチップを用いて被検物質を分析する分析方法が提案されている。この分析方法では、数μm〜数百μmの微細流路をシリコンやガラス基板上等に作製し、この流路を利用した小型チップ上に試料の採取・前処理・分離・検出等の化学分析に必要な機能を集積化したシステムとしている。
【0003】
このような微細流路を備えたマイクロチップには、装置の小型化、試薬や廃液量の低減、前処理を含めた測定の自動化、分析時間の短縮、コストや人手の削減等、多くの利点があり、医療や薬品の分野で広く使用されるようになっている。
【0004】
このマイクロチップの加工は、従来、マイクロ工具(ドリル,エンドミル,砥石等)による機械的な加工が用いられていた。しかし、機械加工の場合は工具の磨耗や基板のクラックの発生等の問題があるため、慎重に加工を行わなければならず、加工が煩雑であり、コスト削減に限界があった。
【0005】
一方、LSI等の製作に用いられているフォト・リソグラフィを応用してマイクロチップを加工することも行われている。この方法は、基板上に作製するパターンを備えた原版を作り、これを基板表面に蒸着した皮膜に焼付け、現像してエッチングをするというものである。
【0006】
このフォト・リソグラフィを応用した場合には、機械加工の問題は生じないが、原版を必要とするため、工程が多く、この場合もコスト削減に限界があった。
【特許文献1】特開2002−1102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、マイクロチップ等の加工のコスト削減に限界があった点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させるため、基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程とを備えたことを微細形状加工方法の最も主要な特徴とする。
【0009】
また、前記微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたことをマイクロチップの最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程とを備えた微細形状加工方法としたため、機械加工のように工具の磨耗や基板のクラックの発生等を考慮する必要がなく、フォト・リソグラフィを応用した場合のように、原版を必要とせず、マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させることができる。
【0011】
また、前記微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたマイクロチップとした。
【0012】
このため、被検物質の分析に利用されるマイクロチップを容易且つ安価に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させるという目的を、金属薄膜、放電加工、及びエッチングにより実現した。
【実施例1】
【0014】
図1は、マイクロチップの概略を示す平面図、図2は、微細形状加工方法を示す工程図である。
【0015】
図1のように、マイクロチップ1には、基板3上に微細形状としての微細流路5が形成されている。基板3の材質には、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミック等を用いることができ、本実施例では石英ガラスが用いられている。なお、基板3は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミック等による積層構造にすることもできる。
【0016】
このマイクロチップ1は、図2の微細形状加工方法により加工される。
【0017】
図2の微細形状加工方法は、(a)薄膜形成工程、(b)放電加工工程、(c)エッチング工程、(d)除去工程により実現される。
【0018】
(a)薄膜形成工程
この工程では、基材である基板3の表面に金属の薄膜7を形成する。金属は、例えばアルミニウムが用いられ、薄膜7は、蒸着により0.15〜0.20μmの厚さに形成されている。但し、薄膜7の厚みは、0.15〜0.20μm以外の範囲に設定することもできる。金属は、アルミニウム以外を用いることもできる。薄膜7は、蒸着以外に、無電界メッキにより形成することもできる。
【0019】
(b)放電加工工程
この工程では、前記薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する。微細形状パターン9は、種々形成することができる。本実施例では、マイクロチップ1の微細流路5に対応させて形成している。描かれるパターンは蒸着した薄膜7の厚さ、電極と基板3表面とのクリアランス、放電に用いる電圧・電流を制御することによってその大きさ(放電痕幅)を調整することが可能であり、ミクロンオーダーからそれ以下の幅をもったパターンを容易に描くことが可能である。
【0020】
(c)エッチング工程
前記薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチング液によりエッチングして前記薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細形状として微細流路5を前記基板3の表面に形成する。
【0021】
(d)除去工程
前記エッチング後に前記金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有する加工品としてマイクロチップ1を得る。
[放電加工装置]
図3は、放電加工装置の概略を示す斜視図である。
【0022】
この放電加工装置は、図示しないXYテーブルと放電部11と図示しないXY制御部と電源部と放電制御部とからなっている。XYテーブルは、金属の薄膜7を備えた基板3を支持してXY制御部によるXYモータの制御によりXY軸方向へ駆動制御される。この駆動は、例えばNC制御により行われ、基板3は、予め記憶されたパターンによりXY軸方向へ移動する。放電部11は、銅タングステンの電極11aと薄膜7との間の放電により微細形状パターン9を形成する。電源部は薄膜7と電極11a間に放電電圧をかける部分で、電圧及び電流値は電源部によって制御され、また放電時間はファンクションジェネレータなどの放電制御部によって制御される。
【0023】
この放電加工装置では、電極11aを傾け且つ回転させて行っているが、電極11aを垂直にセットし、回転させずに放電加工することもできる。
[加工条件]
図4は、微細形状加工方法の加工条件を示す図表である。
【0024】
図4のように、電極材質:銅タングステン、電極太さ:φ0.1mm、基板材質:石英ガラス、薄膜材質:アルミニウム、薄膜厚さ:0.15μm、放電方法:気中放電、放電電圧:15v、電極角度:20°、電極の送り:3mm/s自動、電極回転数:90rpm、エッチング液:石英ガラス専用エッチング剤フロストゲルタイプを選定した。
【0025】
本願発明者等は、この加工条件決定に際し、種々の確認を実験により行った。
[放電電圧]
図5は、放電実験の条件を示す図表である。
【0026】
本願発明者等は、図5の条件により放電実験を行い、放電電圧の大きさによって微細形状パターン9の溝幅(放電痕幅)を制御することができることを確認した。
【0027】
一般の放電加工は、液中で行われることが多く、切りくずの処理や電極の消耗等において課題がある。一方、切りくずの処理や電極の消耗等の面で、液中に代わって気中で放電加工することが行われるようになっており、本実施例では装置が単純であることや切りくずの処理等で有利であることから図5のように気中放電加工を採用した。
【0028】
また、図5の電極角度:0°とは、図3に示した電極11aが加工対象である基板3の表面に直行していることを示し、この角度の設定とその効果については後述する。さらに、この実験では送りを手動で行っているが、これについても以下で説明する。
【0029】
図6は、放電電圧と得られた放電痕の幅との関係を示す図表である。同図によると放電電圧の上昇に伴って放電痕幅が大きくなる傾向があることがわかる。したがって、より小さな放電痕幅を得るためには電圧値を小さくすればよく、微細なパターンを得るためには大きな放電電圧を必要としない。
[放電電極の寸法]
図7は、放電電極の寸法(太さ)が放電痕幅に及ぼす影響を検討するために行った放電実験の条件を示す図表である。図7に示した条件以外は図5の図表と同じである。
【0030】
図7に示すように電極の直径がφ4.0mmの場合は放電電圧を15V、φ0.1mmの場合は10Vとした。また,電極の角度はφ0.1mmの電極を用いたとき0°とし、φ4.0mmの電極を用いたとき傾けて行っている。この実験では傾けた角度は任意の値である。
【0031】
図8は、電極の直径と放電痕幅との関係の結果を示すグラフである。
【0032】
図8を見ると、電極角度を0°とした場合の放電痕幅は大きくばらついている。これは電極11aが太い場合は電極11aのどの位置で放電するのかを制御することができないため、放電する箇所によって幅が大きく異なったためであると考えられる。これに対して電極11aを傾けると、電極11a先端で、基板3と最も近い箇所で放電が起こると考えられるため、放電痕幅が小さくなる。また直径0.1mmで得た放電痕幅に比べると4.0mmで傾けた方が小さな放電痕幅が得られている。このため,電極の寸法(太さ)には関係なく,これを適宜傾けることにより小さな放電痕幅を容易に得られることがわかる。
[電極と基板とのクリアランス]
図9は、電極と基板とのクリアランスが放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行う放電実験の条件を示す図表である。これまでの実験とは異なって一定のクリアランスを設定して放電実験を行った。図9に示した実験条件以外は、図5の図表と同じである。
【0033】
図10は、クリアランス(放電間隔)と放電痕幅との関係を示すグラフである。
【0034】
図10のように、クリアランスが大きくなると放電痕幅も大きくなり、またばらつく傾向があることがわかる。したがって、小さな放電痕幅を得るためにはクリアランスを小さくした方が良いことがわかる。
[電極の送り速度]
図11は、電極の送り速度が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。図11に示した条件以外は図5の図表と同じである。
【0035】
図12は、送り速度と放電痕幅との関係を示すグラフである。図12のように、送り速度を大きくすると放電痕幅は減少する傾向にあり、送り速度が3mm/s以上ではほぼ変わらないことがわかる。但し、本実験では放電が連続的ではなく不連続に起きているため、送り速度を5mm/s以上にすると放電痕が連続せずに、金属薄膜(アルミニウム)が除去できない箇所が現れた。このことより、連続した溝を得るためにはそれに適した送り速度があることがわかり、図12の場合では3mm/s程度の送り速度が適当であることが予想される。
[電極の回転]
【0036】
以上の実験により電極11aを傾けることにより、放電痕幅は電極11aの寸法には影響されないことがわかった。反面、このまま加工を続けると電極11aは局所的に磨耗することがわかった。そこで、加工中に電極11aを回転させることによって局所的な電極11aの磨耗を裂けられるのではないかと考え、図13に示す図表の条件で加工を行った。図13は、電極の回転が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。図13に示した条件以外は図5の図表と同じである
電極11aの回転ありと回転なしの条件で放電加工した後の電極の先端について確認したところ、回転ありの場合は電極の磨耗が連続的であり、回転なしの場合は局所的な磨耗が発生していることがわかった。このことより一様で小さな放電痕幅を得るためには電極11aを回転しながら放電を行うと有利であることがわかった。
【0037】
以上の結果、基板3の表面に10〜30μm程度の幅を持った微細溝(流路)を製作できることを確認した。
[実施例の効果]
本発明の実施例では、基材3の表面に微細流路5を加工する微細形状加工方法において、前記基材3の表面に金属の薄膜7を形成する(a)薄膜形成工程と、前記薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する(b)放電加工工程と、前記薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチングして前記薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細流路5を前記基板3の表面に形成する(c)エッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有するマイクロチップ1を得る(d)除去工程とを備えた。
【0038】
このため、機械加工のように工具の磨耗や基板3のクラックの発生等を考慮する必要がなく、フォト・リソグラフィを応用した場合のように、原版を必要とせず、コスト削減を進展させることができる。
【0039】
前記基材は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミックで形成された基板3である。
【0040】
このため、既存の基板材料に微細流路5を簡単に形成することができる。
【0041】
前記薄膜形成工程(a)は、前記金属の薄膜7を0.15〜0.20μmの厚さとする。
【0042】
このため、放電加工により微細形状パターン9を確実に形成することができる。
【0043】
前記薄膜形成工程(a)は、前記薄膜7を蒸着により形成する。
【0044】
このため、薄膜7を容易且つ確実に形成することができる。
【0045】
前記薄膜形成工程(a)は、前記薄膜7をアルミニウムで形成する。
【0046】
このため、薄膜7を簡単に形成することができる。
【0047】
前記放電加工工程(b)は、前記基材3をXYテーブルのNC駆動制御によりXY軸方向へ設定された送り速度で移動させながら放電部11により放電加工を行う。
【0048】
このため、薄膜7を形成した基板3をXYテーブル上に載せ、これをNC駆動して放電加工により微細形状パターン9を形成することができ、フォト・リソグラフィのような原版を必要としないため安価である。
【0049】
前記放電加工工程(b)は、前記放電部11の放電電圧、放電電極11aと薄膜7との間のクリアランス、放電電極11aと薄膜7との間の送り速度の制御により前記微細形状パターン9の放電痕幅を決定する。
【0050】
このため、微細形状パターン9を正確に形成することができる。
【0051】
前記放電加工工程(b)は、電極を傾けて行う。
【0052】
このため、電極11aの寸法の影響を受けること無く微細形状パターン9の放電痕幅を決定することができる。
【0053】
前記放電加工工程(b)は、電極を回転させて行う。
【0054】
このため、電極11aの局所的な磨耗を避けることができ、これによって安定した放電加工を行うことができる。
【0055】
前記加工品は、前記微細形状を微細流路5としたマイクロチップ1である。
【0056】
このため、被検物質の分析に利用されるマイクロチップ1を容易且つ安価に得ることができる。
[その他]
本発明の微細形状加工方法は、被検物質の分析に利用されるマイクロチップ1以外の微細加工にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】マイクロチップの概略を示す平面図である(実施例1)。
【図2】微細形状加工方法を示す工程図である(実施例1)。
【図3】放電加工装置の概略を示す斜視図である(実施例1)。
【図4】微細形状加工方法の加工条件を示す図表である(実施例1)。
【図5】放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図6】放電電圧と得られた放電痕の幅との関係を示す図表である(実施例1)。
【図7】放電電極の寸法(太さ)が放電痕幅に及ぼす影響を検討するために行った放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図8】電極の直径と放電痕幅との関係の結果を示すグラフである(実施例1)。
【図9】電極と基板とのクリアランスが放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行う放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図10】クリアランス(放電間隔)と放電痕幅との関係を示すグラフである(実施例1)。
【図11】電極の送り速度が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図12】送り速度と放電痕幅との関係を示すグラフである。(実施例1)
【図13】電極の回転が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。(実施例1)
【符号の説明】
【0058】
1 マイクロチップ(加工品)
3 基板
5 微細流路
7 薄膜
9 微細形状パターン
11 放電部
11a 電極
(a) 薄膜形成工程
(b) 放電加工工程
(c) エッチング工程
(d) 除去工程
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検物質の分析に利用されるマイクロチップの流路形成などに供される微細形状加工方法及びマイクロチップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロチャネルと称される微細流路を形成したマイクロチップを用いて被検物質を分析する分析方法が提案されている。この分析方法では、数μm〜数百μmの微細流路をシリコンやガラス基板上等に作製し、この流路を利用した小型チップ上に試料の採取・前処理・分離・検出等の化学分析に必要な機能を集積化したシステムとしている。
【0003】
このような微細流路を備えたマイクロチップには、装置の小型化、試薬や廃液量の低減、前処理を含めた測定の自動化、分析時間の短縮、コストや人手の削減等、多くの利点があり、医療や薬品の分野で広く使用されるようになっている。
【0004】
このマイクロチップの加工は、従来、マイクロ工具(ドリル,エンドミル,砥石等)による機械的な加工が用いられていた。しかし、機械加工の場合は工具の磨耗や基板のクラックの発生等の問題があるため、慎重に加工を行わなければならず、加工が煩雑であり、コスト削減に限界があった。
【0005】
一方、LSI等の製作に用いられているフォト・リソグラフィを応用してマイクロチップを加工することも行われている。この方法は、基板上に作製するパターンを備えた原版を作り、これを基板表面に蒸着した皮膜に焼付け、現像してエッチングをするというものである。
【0006】
このフォト・リソグラフィを応用した場合には、機械加工の問題は生じないが、原版を必要とするため、工程が多く、この場合もコスト削減に限界があった。
【特許文献1】特開2002−1102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、マイクロチップ等の加工のコスト削減に限界があった点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させるため、基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程とを備えたことを微細形状加工方法の最も主要な特徴とする。
【0009】
また、前記微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたことをマイクロチップの最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程とを備えた微細形状加工方法としたため、機械加工のように工具の磨耗や基板のクラックの発生等を考慮する必要がなく、フォト・リソグラフィを応用した場合のように、原版を必要とせず、マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させることができる。
【0011】
また、前記微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたマイクロチップとした。
【0012】
このため、被検物質の分析に利用されるマイクロチップを容易且つ安価に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
マイクロチップ等の加工のコスト削減を進展させるという目的を、金属薄膜、放電加工、及びエッチングにより実現した。
【実施例1】
【0014】
図1は、マイクロチップの概略を示す平面図、図2は、微細形状加工方法を示す工程図である。
【0015】
図1のように、マイクロチップ1には、基板3上に微細形状としての微細流路5が形成されている。基板3の材質には、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミック等を用いることができ、本実施例では石英ガラスが用いられている。なお、基板3は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミック等による積層構造にすることもできる。
【0016】
このマイクロチップ1は、図2の微細形状加工方法により加工される。
【0017】
図2の微細形状加工方法は、(a)薄膜形成工程、(b)放電加工工程、(c)エッチング工程、(d)除去工程により実現される。
【0018】
(a)薄膜形成工程
この工程では、基材である基板3の表面に金属の薄膜7を形成する。金属は、例えばアルミニウムが用いられ、薄膜7は、蒸着により0.15〜0.20μmの厚さに形成されている。但し、薄膜7の厚みは、0.15〜0.20μm以外の範囲に設定することもできる。金属は、アルミニウム以外を用いることもできる。薄膜7は、蒸着以外に、無電界メッキにより形成することもできる。
【0019】
(b)放電加工工程
この工程では、前記薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する。微細形状パターン9は、種々形成することができる。本実施例では、マイクロチップ1の微細流路5に対応させて形成している。描かれるパターンは蒸着した薄膜7の厚さ、電極と基板3表面とのクリアランス、放電に用いる電圧・電流を制御することによってその大きさ(放電痕幅)を調整することが可能であり、ミクロンオーダーからそれ以下の幅をもったパターンを容易に描くことが可能である。
【0020】
(c)エッチング工程
前記薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチング液によりエッチングして前記薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細形状として微細流路5を前記基板3の表面に形成する。
【0021】
(d)除去工程
前記エッチング後に前記金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有する加工品としてマイクロチップ1を得る。
[放電加工装置]
図3は、放電加工装置の概略を示す斜視図である。
【0022】
この放電加工装置は、図示しないXYテーブルと放電部11と図示しないXY制御部と電源部と放電制御部とからなっている。XYテーブルは、金属の薄膜7を備えた基板3を支持してXY制御部によるXYモータの制御によりXY軸方向へ駆動制御される。この駆動は、例えばNC制御により行われ、基板3は、予め記憶されたパターンによりXY軸方向へ移動する。放電部11は、銅タングステンの電極11aと薄膜7との間の放電により微細形状パターン9を形成する。電源部は薄膜7と電極11a間に放電電圧をかける部分で、電圧及び電流値は電源部によって制御され、また放電時間はファンクションジェネレータなどの放電制御部によって制御される。
【0023】
この放電加工装置では、電極11aを傾け且つ回転させて行っているが、電極11aを垂直にセットし、回転させずに放電加工することもできる。
[加工条件]
図4は、微細形状加工方法の加工条件を示す図表である。
【0024】
図4のように、電極材質:銅タングステン、電極太さ:φ0.1mm、基板材質:石英ガラス、薄膜材質:アルミニウム、薄膜厚さ:0.15μm、放電方法:気中放電、放電電圧:15v、電極角度:20°、電極の送り:3mm/s自動、電極回転数:90rpm、エッチング液:石英ガラス専用エッチング剤フロストゲルタイプを選定した。
【0025】
本願発明者等は、この加工条件決定に際し、種々の確認を実験により行った。
[放電電圧]
図5は、放電実験の条件を示す図表である。
【0026】
本願発明者等は、図5の条件により放電実験を行い、放電電圧の大きさによって微細形状パターン9の溝幅(放電痕幅)を制御することができることを確認した。
【0027】
一般の放電加工は、液中で行われることが多く、切りくずの処理や電極の消耗等において課題がある。一方、切りくずの処理や電極の消耗等の面で、液中に代わって気中で放電加工することが行われるようになっており、本実施例では装置が単純であることや切りくずの処理等で有利であることから図5のように気中放電加工を採用した。
【0028】
また、図5の電極角度:0°とは、図3に示した電極11aが加工対象である基板3の表面に直行していることを示し、この角度の設定とその効果については後述する。さらに、この実験では送りを手動で行っているが、これについても以下で説明する。
【0029】
図6は、放電電圧と得られた放電痕の幅との関係を示す図表である。同図によると放電電圧の上昇に伴って放電痕幅が大きくなる傾向があることがわかる。したがって、より小さな放電痕幅を得るためには電圧値を小さくすればよく、微細なパターンを得るためには大きな放電電圧を必要としない。
[放電電極の寸法]
図7は、放電電極の寸法(太さ)が放電痕幅に及ぼす影響を検討するために行った放電実験の条件を示す図表である。図7に示した条件以外は図5の図表と同じである。
【0030】
図7に示すように電極の直径がφ4.0mmの場合は放電電圧を15V、φ0.1mmの場合は10Vとした。また,電極の角度はφ0.1mmの電極を用いたとき0°とし、φ4.0mmの電極を用いたとき傾けて行っている。この実験では傾けた角度は任意の値である。
【0031】
図8は、電極の直径と放電痕幅との関係の結果を示すグラフである。
【0032】
図8を見ると、電極角度を0°とした場合の放電痕幅は大きくばらついている。これは電極11aが太い場合は電極11aのどの位置で放電するのかを制御することができないため、放電する箇所によって幅が大きく異なったためであると考えられる。これに対して電極11aを傾けると、電極11a先端で、基板3と最も近い箇所で放電が起こると考えられるため、放電痕幅が小さくなる。また直径0.1mmで得た放電痕幅に比べると4.0mmで傾けた方が小さな放電痕幅が得られている。このため,電極の寸法(太さ)には関係なく,これを適宜傾けることにより小さな放電痕幅を容易に得られることがわかる。
[電極と基板とのクリアランス]
図9は、電極と基板とのクリアランスが放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行う放電実験の条件を示す図表である。これまでの実験とは異なって一定のクリアランスを設定して放電実験を行った。図9に示した実験条件以外は、図5の図表と同じである。
【0033】
図10は、クリアランス(放電間隔)と放電痕幅との関係を示すグラフである。
【0034】
図10のように、クリアランスが大きくなると放電痕幅も大きくなり、またばらつく傾向があることがわかる。したがって、小さな放電痕幅を得るためにはクリアランスを小さくした方が良いことがわかる。
[電極の送り速度]
図11は、電極の送り速度が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。図11に示した条件以外は図5の図表と同じである。
【0035】
図12は、送り速度と放電痕幅との関係を示すグラフである。図12のように、送り速度を大きくすると放電痕幅は減少する傾向にあり、送り速度が3mm/s以上ではほぼ変わらないことがわかる。但し、本実験では放電が連続的ではなく不連続に起きているため、送り速度を5mm/s以上にすると放電痕が連続せずに、金属薄膜(アルミニウム)が除去できない箇所が現れた。このことより、連続した溝を得るためにはそれに適した送り速度があることがわかり、図12の場合では3mm/s程度の送り速度が適当であることが予想される。
[電極の回転]
【0036】
以上の実験により電極11aを傾けることにより、放電痕幅は電極11aの寸法には影響されないことがわかった。反面、このまま加工を続けると電極11aは局所的に磨耗することがわかった。そこで、加工中に電極11aを回転させることによって局所的な電極11aの磨耗を裂けられるのではないかと考え、図13に示す図表の条件で加工を行った。図13は、電極の回転が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。図13に示した条件以外は図5の図表と同じである
電極11aの回転ありと回転なしの条件で放電加工した後の電極の先端について確認したところ、回転ありの場合は電極の磨耗が連続的であり、回転なしの場合は局所的な磨耗が発生していることがわかった。このことより一様で小さな放電痕幅を得るためには電極11aを回転しながら放電を行うと有利であることがわかった。
【0037】
以上の結果、基板3の表面に10〜30μm程度の幅を持った微細溝(流路)を製作できることを確認した。
[実施例の効果]
本発明の実施例では、基材3の表面に微細流路5を加工する微細形状加工方法において、前記基材3の表面に金属の薄膜7を形成する(a)薄膜形成工程と、前記薄膜7に放電加工により微細形状パターン9を貫通形成する(b)放電加工工程と、前記薄膜7に微細形状パターン9を備えた基板3をエッチングして前記薄膜7の微細形状パターン9に対応する微細流路5を前記基板3の表面に形成する(c)エッチング工程と、前記エッチング後に前記金属の薄膜7を除去して表面に微細流路5を有するマイクロチップ1を得る(d)除去工程とを備えた。
【0038】
このため、機械加工のように工具の磨耗や基板3のクラックの発生等を考慮する必要がなく、フォト・リソグラフィを応用した場合のように、原版を必要とせず、コスト削減を進展させることができる。
【0039】
前記基材は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミックで形成された基板3である。
【0040】
このため、既存の基板材料に微細流路5を簡単に形成することができる。
【0041】
前記薄膜形成工程(a)は、前記金属の薄膜7を0.15〜0.20μmの厚さとする。
【0042】
このため、放電加工により微細形状パターン9を確実に形成することができる。
【0043】
前記薄膜形成工程(a)は、前記薄膜7を蒸着により形成する。
【0044】
このため、薄膜7を容易且つ確実に形成することができる。
【0045】
前記薄膜形成工程(a)は、前記薄膜7をアルミニウムで形成する。
【0046】
このため、薄膜7を簡単に形成することができる。
【0047】
前記放電加工工程(b)は、前記基材3をXYテーブルのNC駆動制御によりXY軸方向へ設定された送り速度で移動させながら放電部11により放電加工を行う。
【0048】
このため、薄膜7を形成した基板3をXYテーブル上に載せ、これをNC駆動して放電加工により微細形状パターン9を形成することができ、フォト・リソグラフィのような原版を必要としないため安価である。
【0049】
前記放電加工工程(b)は、前記放電部11の放電電圧、放電電極11aと薄膜7との間のクリアランス、放電電極11aと薄膜7との間の送り速度の制御により前記微細形状パターン9の放電痕幅を決定する。
【0050】
このため、微細形状パターン9を正確に形成することができる。
【0051】
前記放電加工工程(b)は、電極を傾けて行う。
【0052】
このため、電極11aの寸法の影響を受けること無く微細形状パターン9の放電痕幅を決定することができる。
【0053】
前記放電加工工程(b)は、電極を回転させて行う。
【0054】
このため、電極11aの局所的な磨耗を避けることができ、これによって安定した放電加工を行うことができる。
【0055】
前記加工品は、前記微細形状を微細流路5としたマイクロチップ1である。
【0056】
このため、被検物質の分析に利用されるマイクロチップ1を容易且つ安価に得ることができる。
[その他]
本発明の微細形状加工方法は、被検物質の分析に利用されるマイクロチップ1以外の微細加工にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】マイクロチップの概略を示す平面図である(実施例1)。
【図2】微細形状加工方法を示す工程図である(実施例1)。
【図3】放電加工装置の概略を示す斜視図である(実施例1)。
【図4】微細形状加工方法の加工条件を示す図表である(実施例1)。
【図5】放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図6】放電電圧と得られた放電痕の幅との関係を示す図表である(実施例1)。
【図7】放電電極の寸法(太さ)が放電痕幅に及ぼす影響を検討するために行った放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図8】電極の直径と放電痕幅との関係の結果を示すグラフである(実施例1)。
【図9】電極と基板とのクリアランスが放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行う放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図10】クリアランス(放電間隔)と放電痕幅との関係を示すグラフである(実施例1)。
【図11】電極の送り速度が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である(実施例1)。
【図12】送り速度と放電痕幅との関係を示すグラフである。(実施例1)
【図13】電極の回転が放電痕幅に及ぼす影響を調べるため行った放電実験の条件を示す図表である。(実施例1)
【符号の説明】
【0058】
1 マイクロチップ(加工品)
3 基板
5 微細流路
7 薄膜
9 微細形状パターン
11 放電部
11a 電極
(a) 薄膜形成工程
(b) 放電加工工程
(c) エッチング工程
(d) 除去工程
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、
前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、
前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、
前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程と、
を備えたことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項2】
請求項1記載の微細形状加工方法であって、
前記基材は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミックで形成された基板である、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記金属の薄膜を0.15〜0.20μmの厚さとする、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記薄膜を蒸着により形成する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記薄膜をアルミニウムで形成する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、前記基材をXYテーブルの駆動制御によりXY軸方向へ設定された送り速度で移動させながら放電部により放電加工を行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項7】
請求項6記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、前記放電部の放電電圧、放電電極と薄膜とのクリアランス、放電電極と薄膜との間の送り速度の制御により前記微細形状パターンの放電痕幅を決定する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、電極を傾けて行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項9】
請求項8記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、電極を回転させて行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記加工品は、前記微細形状を微細流路としたマイクロチップである、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたことを特徴とするマイクロチップ。
【請求項1】
基材の表面に微細形状を加工する微細形状加工方法において、
前記基材の表面に金属の薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記薄膜に放電加工により微細形状パターンを貫通形成する放電加工工程と、
前記薄膜に微細形状パターンを備えた基板をエッチングして前記薄膜の微細形状パターンに対応する微細形状を前記基板の表面に形成するエッチング工程と、
前記エッチング後に前記金属の薄膜を除去して表面に微細形状を有する加工品を得る除去工程と、
を備えたことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項2】
請求項1記載の微細形状加工方法であって、
前記基材は、ガラス、シリコン、プラスチック、又はセラミックで形成された基板である、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記金属の薄膜を0.15〜0.20μmの厚さとする、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記薄膜を蒸着により形成する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記薄膜形成工程は、前記薄膜をアルミニウムで形成する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、前記基材をXYテーブルの駆動制御によりXY軸方向へ設定された送り速度で移動させながら放電部により放電加工を行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項7】
請求項6記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、前記放電部の放電電圧、放電電極と薄膜とのクリアランス、放電電極と薄膜との間の送り速度の制御により前記微細形状パターンの放電痕幅を決定する、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、電極を傾けて行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項9】
請求項8記載の微細形状加工方法であって、
前記放電加工工程は、電極を回転させて行う、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の微細形状加工方法であって、
前記加工品は、前記微細形状を微細流路としたマイクロチップである、
ことを特徴とする微細形状加工方法。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の微細形状加工方法により表面に微細流路が加工されたことを特徴とするマイクロチップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−233812(P2009−233812A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84728(P2008−84728)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
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