説明

感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜及びマイクロレンズ、並びにそれらの製造方法

【課題】放射線に対し高い感度を有し、密着性、高耐熱性、解像度、高透過率、高信頼性の層間絶縁膜を形成でき、またマイクロレンズの形成に用いる場合にあっては高い透過率と良好なメルト形状を有するマイクロレンズを形成でき、保存安定性に優れた感放射線性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)共重合体、(B)1,2−キノンジアジド化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)共重合体が、(a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、並びに(a2)エポキシ基含有不飽和化合物を含む単量体を、下記式(1)で表される化合物の存在下で重合する工程を経て製造された共重合体を含む感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【化1】



〔式(1)において、ZおよびZ2 は相互に独立に炭素数4〜18のアルキル基または置換されていてもよいベンジル基を示す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜及びマイクロレンズ、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す。)型液晶表示素子や磁気ヘッド素子、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品には、一般に層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。層間絶縁膜を形成する材料としては、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なくしかも十分な平坦性を有するものが好ましいことから、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(特開2001−354822号公報、特開2001−343743号公報参照)。
【0003】
上記電子部品のうち、例えばTFT型液晶表示素子は、層間絶縁膜の上に透明電極膜を形成し、さらにその上に液晶配向膜を形成する工程を経て製造される。従って、層間絶縁膜は、透明電極膜の形成工程において高温条件に曝されたり、電極のパターン形成に使用されるレジストの剥離液に曝されることとなるため、十分な耐熱性及び耐溶剤性が必要となる。
【0004】
また近年、TFT型液晶表示素子は、大画面化、高輝度化、高精細化、高速応答化、薄型化等の動向にある。そのため、TFT型液晶表示素子に用いられる層間絶縁膜形成用組成物は高感度である必要があり、また、形成される層間絶縁膜は、従来以上に、低誘電率、高透過率等の高性能が要求されている。
【0005】
一方、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又はそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
【0006】
マイクロレンズ又はマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等が知られている。前記レンズパターンの形成には、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(特開平6−18702号公報、特開平6−136239号公報参照)。
【0007】
ところで、上記のようなマイクロレンズ又はマイクロレンズアレイが形成された素子はその後、配線形成部分であるボンディングパッド上の各種絶縁膜を除去するために、平坦化膜及びエッチング用レジスト膜を塗布し、所望のマスクを用いて露光、現像してボンディングパッド部分のエッチングレジストを除去し、次いで、エッチングにより平坦化膜や各種絶縁膜を除去してボンディングパッド部分を露出させる工程に供される。そのためマイクロレンズ又はマイクロレンズアレイには、平坦化膜及びエッチングレジストの塗膜形成工程並びにエッチング工程において、耐溶剤性や耐熱性が必要となる。
【0008】
このようなマイクロレンズを形成するために用いられる感放射線性樹脂組成物は、高感度であることが必要である。また、それから形成されるマイクロレンズは所望の曲率半径を有するものであり、高耐熱性であることや、高透過率、高信頼性を有すること等が要求される。
【0009】
このように、層間絶縁膜やマイクロレンズを感放射線性樹脂組成物から形成するにあたって、その組成物は、放射線に対して高感度であることが必要である。また、現像工程において現像時間が所定時間より過剰となった場合でも、パターンの剥がれが生じずに良好な密着性を示すパターン状薄膜を容易に形成可能であることが要求される。そして、その組成物から形成される層間絶縁膜には、高耐熱性、高耐溶剤性、低誘電率、高透過率、高信頼性等が要求される。一方、マイクロレンズを形成する場合には、マイクロレンズとして良好なメルト形状(所望の曲率半径)、高耐熱性、高耐溶剤性、高透過率が要求される。
【0010】
上記課題を克服するために、特許文献5及び6では、感放射線性樹脂組成物中のの共重合体成分の分子量分布制御に着目し、テトラエチルチウラムジスルフィドやビス(ピラゾール−1−イル−チオカルボニル)ジスルフィド等のジスルフィド化合物を分子量制御剤として用いて重合された共重合体について開示されている。しかしながら、これらのジスルフィド化合物は、合成後保管中に分解による経時変化を起こし易いため、非常に取り扱い難いという問題があった。

【特許文献1】特開2001−354822号公報
【特許文献2】特開2001−343743号公報
【特許文献3】特開平6−18702号公報
【特許文献4】特開平6−136239号公報
【特許文献5】国際公開第07/029871号パンフレット
【特許文献6】特開2007−126647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来技術におけるこれらの不都合に鑑みてなされたものであって、その第一の目的は、放射線に対する高い感度を有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、高耐熱性、解像度、高透過率、高信頼性の層間絶縁膜を形成でき、またマイクロレンズの形成に用いる場合にあっては高い透過率と良好なメルト形状を有するマイクロレンズを形成しうる保存安定性に優れた感放射線性樹脂組成物を提供することである。
【0012】
本発明の第二の目的は、上記感放射線性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜及びマイクロレンズを形成する方法、並びに、その方法により形成された層間絶縁膜及びマイクロレンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の目的は、
(A)共重合体、(B)1,2−キノンジアジド化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)共重合体が、(a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、並びに(a2)エポキシ基含有不飽和化合物を含む単量体を、下記式(1)で表される化合物の存在下で重合する工程を経て製造された共重合体を含む感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【0014】
【化1】


〔式(1)において、ZおよびZ2 は相互に独立に炭素数4〜18のアルキル基または置換されていてもよいベンジル基を示す。〕
【0015】
当該感放射性樹脂組成物は、上記(A)共重合体及び(B)の特定成分を含むことによって、高い感放射線感度を有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる。
【0016】
上記(A)共重合体は、式(1)で表される化合物でリビングラジカル重合する工程を経て製造された共重合体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1,000〜15,000であり、かつMwとGPCにより測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.8以下の共重合体を含む樹脂組成物によって、高い感放射線感度等の良好な性能が発揮される。
【0017】
本発明の第二の目的は、上記の感放射線性樹脂組成物を層間絶縁膜又はマイクロレンズの形成のために用いることによって達成される。また、本発明の第三の目的は、以下の工程を含む層間絶縁膜又はマイクロレンズを形成する方法、及び、このような方法によって形成された層間絶縁膜又はマイクロレンズによって達成される。
(1)この感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程。
【0018】
上記方法によって形成された層間絶縁膜及びマイクロレンズは所望の諸特性を全て満足する。すなわち、本方法によって形成された層間絶縁膜は、高耐熱性、解像度、高透過率、高信頼性を有し、また、本方法によって形成されたマイクロレンズは、高い透過率と良好なメルト形状を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、高い感放射線感度を有する。また、当該組成物から形成された本発明の層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、優れた耐熱性、並びに高透過率と高信頼性を有する。従って、当該層間絶縁膜は電子部品のために好適に使用できる。また、当該組成物から形成された本発明のマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、優れた耐熱性、並びに低い耐熱変色性、耐溶剤性と良好なメルト形状を有する。従って、当該マイクロレンズは固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物に含まれる各成分及びその他の任意成分について詳細に説明する。
【0021】
I.(A)共重合体
本発明における(A)共重合体としては、当該成分を含む感放射線性樹脂組成物の現像処理工程において用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を有することが必要である。前記式(1)(以下、「分子量制御剤」という。)で表される化合物の存在下で重合する工程を経て製造された共重合体(以下、「共重合体[A]」という)である。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、(a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、及びこれと共重合可能な他の不飽和化合物の共重合体が好ましく、(a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、並びに(a2)エポキシ基含有不飽和化合物を含む不飽和化合物の共重合体がさらに好ましい。共重合体[A]は、溶媒中で重合開始剤の存在下、化合物(a1)及び化合物(a2)を含む不飽和化合物をラジカル重合することによって製造することができる。また、共重合体[A]の製造においては、化合物(a1)及び化合物(a2)と共に、化合物(a3)として上記(a1)及び(a2)以外の不飽和化合物をラジカル重合してもよい。共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、化合物(a1)及び(a2)(及び任意に化合物(a3))から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜25重量%含有している。共重合体[A]における化合物(a1)から誘導される構成単位が5〜40重量%の時、感放射線感度、現像性および感放射線性樹脂組成物の保存安定性等の諸特性がより高いレベルでバランスされた感放射線性樹脂組成物が得られる。
【0022】
化合物(a1)は、ラジカル重合性を有する不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物である。化合物(a1)の具体例としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多環式化合物及びその無水物などを挙げることができる。
【0023】
これらの具体例は、モノカルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など;ジカルボン酸として、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸など;ジカルボン酸の無水物として、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物など;多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステルとして、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕など;両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとして、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなど;カルボキシル基を有する多環式化合物及びその無水物として、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどがそれぞれ挙げられる。
【0024】
これらの化合物(a1)の中でも、モノカルボン酸、ジカルボン酸の無水物が好ましく使用される。特に、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性及び入手の容易性から好ましく使用される。これらの化合物(a1)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0025】
共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、化合物(a1)及び(a2)(及び任意に化合物(a3))から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは30〜80重量%含有している。共重合体[A]における化合物(a2)から誘導される構成単位が10〜80重量%の時、得られる層間絶縁膜やマイクロレンズの耐熱性、表面硬度及び剥離液耐性が良好である。
【0026】
化合物(a2)はラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物(オキセタニル基含有不飽和化合物を含む)である。エポキシ基含有不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテルなどが挙げられる。
【0027】
これらのエポキシ基含有不飽和化合物の中でも、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル、3,4−エポキシシクロへキシルメタクリレートなどが、共重合反応性、及び、得られる層間絶縁膜又はマイクロレンズの耐熱性と表面硬度を高める点から好ましく用いられる。
【0028】
オキセタニル基含有不飽和化合物の具体例としては、3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のアクリル酸エステル;
【0029】
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、33−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。これらの化合物(a2)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0030】
化合物(a3)は、上記の化合物(a1)及び化合物(a2)以外であって、ラジカル重合性を有する不飽和化合物であれば特に制限されるものではない。化合物(a3)の例としては、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、水酸基を有するメタアクリル酸エステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、下記式(1)で表される骨格をもつ不飽和化合物、下記式(2)で表されるフェノール性水酸基含有不飽和化合物、及びその他の不飽和化合物を挙げることができる。
【0031】
【化2】

【0032】
(式(1)中、R7は水素原子又はメチル基であり、nは1以上の整数である。)
【0033】
【化3】

【0034】
(式(2)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2〜R6は同一もしくは異なり、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Bは単結合、−COO−、又は−CONH−であり、mは0〜3の整数である、但し、R2〜R6の少なくとも1つはヒドロキシル基である。)
【0035】
化合物(a3)の具体例としては、メタクリル酸鎖状アルキルエステルとして、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなど;メタクリル酸環状アルキルエステルとして、シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなど;水酸基を有するメタアクリル酸エステルとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルグリコサイド、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートなど;アクリル酸環状アルキルエステルとして、シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなど;メタクリル酸アリールエステルとして、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど;
【0036】
アクリル酸アリールエステルとして、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど;不飽和ジカルボン酸ジエステルとして、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなど;ビシクロ不飽和化合物として、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなど;
【0037】
マレイミド化合物として、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミドなど;不飽和芳香族化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなど;共役ジエンとして、1,3−ブタジエン、イソプレンなど;テトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物として、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オンなど;フラン骨格を含有する不飽和化合物として、2−メチル−5−(3−フリル)−1−ペンテン−3−オン、フルフリル(メタ)アクリレート、1−フラン−2−ブチル−3−エン−2−オンなど;
【0038】
テトラヒドロピラン骨格を含有する不飽和化合物として、(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オンなど;ピラン骨格を含有する不飽和化合物として、4−(1,4−ジオキサ−5−オキソ−6−ヘプテニル)−6−メチル−2−ピロンなど;上記式(1)で表される骨格を含有する不飽和化合物として、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0039】
また、フェノール骨格を含有する不飽和化合物として、上記式(2)で表わされる化合物から、Bとmの定義により下記式(3)〜(7)で表わされる化合物などが挙げられる。
【0040】
【化4】

【0041】
(式(3)中、nは1から3の整数であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の定義は上記式(2)における定義と同じである。)
【0042】
【化5】

【0043】
(式(4)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の定義は上記式(2)における定義と同じである。)
【0044】
【化6】

【0045】
(式(5)中、nは1から3の整数であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の定義は上記式(2)における定義と同じである。)
【0046】
【化7】

【0047】
(式(6)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の定義は上記式(2)における定義と同じである。)
【0048】
【化8】

【0049】
(式(7)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の定義は上記式(2)における定義と同じである。)
【0050】
その他の不飽和化合物の例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニルをそれぞれ挙げることができる。
【0051】
これらの化合物(a3)の例の中でも、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、マレイミド化合物、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、上記式(1)で表される骨格をもつ不飽和化合物、上記式(2)で表されるフェノール性水酸基含有不飽和化合物が好ましく用いられる。これらの中でも特に、スチレン、t−ブチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン、4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレンが、共重合反応性及びアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。これらの化合物(a3)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0052】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、化合物(a1)及び(a2)(及び任意に化合物(a3))から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは0〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%含有してもよい。この構成単位の量が60重量%以下の場合は、共重合体の分子量の制御が容易となり、現像性、感放射線感度等がより高いレベルでバランスされた感放射線性樹脂組成物が得られる。
【0053】
共重合体[A]の各構成成分の好ましい具体例としては、メタクリル酸/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート/2−メチルシクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル/N−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)メタクリルアミド、メタクリル酸/テトラヒドロフルフリルメタクリレート/メタクリル酸グリシジル/N−シクロヘキシルマレイミド/ラウリルメタクリレート/α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/(3−エチルオキセタン−3−イル)メタクリレート/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレートが挙げられる。
【0054】
次に、共重合体[A]を製造する重合方法について説明する。
共重合体[A]を構成する重合性不飽和化合物を、溶媒中、分子量制御剤の存在下で、ラジカル重合開始剤を使用して重合することにより実施することができ、それにより、分子量および分子量分布が制御された共重合体[A]を得ることができる。
【0055】
本発明に用いられる分子量制御剤は、ビス(アルキルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィドまたはビス(ベンジルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィド構造を有するものであり、この分子量制御剤を用いて製造された共重合体は良好な感放射線性樹脂組成物としての保存安定性、感放射線感度等を発現するのに有効である。また、本発明で用いる分子量制御剤は、経時的に安定であり、共重合体[A]を安定的に合成することができ、その結果樹脂組成物の品質を向上させることができる。
【0056】
分子量制御剤を示す式(1)において、ZおよびZの炭素数4〜18のアルキル基としては、例えば、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘプチル基、n−ヘキシル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、t−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基うち、n−ヘキシル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が好ましく、特に、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等好ましい。
また、ZおよびZにおいて、ベンジル基及び置換されてもよいベンジル基としては、例えば、o−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o−シアノベンジル基、p−シアノベンジル基、o−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基等を挙げることができる。これら置換のうち、特に、ベンジル基が好ましい。
前記重合において、分子量制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
また、前記重合に際しては、他の分子量制御剤、例えばα−メチルスチレンダイマー、t−ドデシルメルカプタン等、の1種以上を、分子量制御剤と併用することもできる。
【0058】
また、分子量制御剤の存在下における重合性不飽和化合物の重合は、重合体鎖の成長末端に活性ラジカルが形成されるリビングラジカル重合の形態をとる場合がある。
【0059】
前記重合がリビングラジカル重合の形態をとる場合、重合性不飽和化合物がカルボキシル基等の活性ラジカルを失活させるおそれがある官能基を有する化合物を含有する場合、成長末端が失活しないようにするため必要に応じて、該官能基を、例えばエステル化などにより保護して重合したのち、脱保護することにより、共重合体[A]を得ることもできる。
【0060】
前記ラジカル重合開始剤としては、使用される重合性不飽和化合物の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4―シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;等を挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤のうち、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0061】
前記重合において、ラジカル重合開始剤の使用量は、重合性不飽和化合物100重量部に対して、通常、0.1〜50質量部、好ましくは0.1〜20質量部である。
【0062】
また、分子量制御剤の使用量は、重合性不飽和化合物100質量部に対して、通常、0.1〜25質量部、好ましくは0.2〜16質量部、特に好ましくは0.4〜8質量部である。この場合、分子量制御剤の使用量が0.1〜25質量部の時、分子量および分子量分布の制御効果が特に得られる。
【0063】
また、他の分子量制御剤の使用割合は、全分子量制御剤に対して、通常、200質量部以下、好ましくは40質量部以下である。この場合、他の分子量制御剤の使用割合が200質量部を超えると、本発明の所期の効果が損なわれるおそれがある。また、溶媒の使用量は、重合性不飽和化合物100質量部に対して、通常、50〜1,000質量部、好ましくは100〜500質量部である。また、重合温度は、通常、0〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、重合時間は、通常、10分〜20時間、好ましくは30分〜6時間である。
【0064】
このようなMwおよびMw/Mnを有する共重合体[A]を使用することによって、放射線に対する高い感度を有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、ベーク時に昇華物の発生が少なく、高透過率、高信頼性の層間絶縁膜を形成でき、またマイクロレンズの形成に用いる場合にあっては高い透過率と良好なメルト形状を有するマイクロレンズを形成しうる保存安定性に優れた感放射線性樹脂組成物を提供することである。
【0065】
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒の中でも、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましい。これらの溶媒の中でも特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチルが好ましい。
【0066】
II.[B]成分
本発明で用いられる[B]成分は、放射線の照射によりカルボン酸を発生する1,2−キノンジアジド化合物である。1,2−キノンジアジド化合物として、フェノール性化合物又はアルコール性化合物(以下、「母核」という。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの縮合物を用いることができる。
【0067】
[B]成分の母核の例としては、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核を挙げることができる。
【0068】
これらの母核の具体例としては、トリヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等;テトラヒドロキシベンゾフェノンとして、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等;ペンタヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等;ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとして、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとして、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン等;
【0069】
また、上で例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
【0070】
これらの母核の中でも特に、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
【0071】
一方、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドを挙げることができる。この中でも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドを使用することが好ましい。
【0072】
母核と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30〜85モル%、より好ましくは50〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は公知の方法によって実施することができる。このような縮合反応によって得られた化合物として、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
【0073】
[B]成分の1,2−キノンジアジド化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。[B]成分の使用割合は、[A]成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部である。[B]成分の使用割合が、[A]成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して5〜100質量部の時、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差が大きくなり、良好なパターニングが可能となる。また得られる層間絶縁膜又はマイクロレンズの耐熱性及び耐溶剤性が良好となる。
【0074】
III.その他の成分
本発明による感放射線性樹脂組成物は、上記[A]及び[B]成分を含有するが、[C]感熱性酸生成化合物、[D]少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、[E]共重合体[A]以外のエポキシ樹脂、[F]界面活性剤、あるいは[G]接着助剤を含有することができる。
【0075】
上記[C]感熱性酸生成化合物は、耐熱性や硬度を向上させるために用いることができる(以下、「C成分」ということがある。)。その具体例としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。
上記スルホニウム塩の具体例としては、アルキルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ジベンジルスルホニウム塩、置換ベンジルスルホニウム塩などを挙げることができる。
これらの具体例としては、アルキルスルホニウム塩として、例えば4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなど;
ベンジルスルホニウム塩として、例えばベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなど;
ジベンジルスルホニウム塩として、例えばジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどをそれぞれ挙げることができる。
上記ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムテトラフルオロボレートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
これらのうち、スルホニウム塩およびベンゾチアゾニウム塩が好ましく用いられ、特に4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましく用いられる。
【0076】
これらの市販品としては、サンエイドSI−L85、同SI−L110、同SI−L145、同SI−L150、同SI−L160(三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
[C]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは5質量部以下である。この使用量が20質量部以下の場合、塗膜形成工程において析出物が析出せず、良好硬度を有した塗膜を形成することができる。
【0077】
上記[D]成分である少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(以下、「D成分」ということがある。)としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレートまたは3官能以上の(メタ)アクリレートを好適に挙げることができる。
【0078】
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えばカルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−101、同M−111、同M−114(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0079】
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0080】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、その市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0081】
これらのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、そのうちでもトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物が特に好ましい。
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。[D]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
【0082】
本発明の感放射線性樹脂組成物の[D]成分の使用量が50重量以下の場合、得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性および表面硬度、感放射線感度等を向上させることができる。
【0083】
上記[E]成分である共重合体[A]以外のエポキシ樹脂(以下、「E成分」ということがある。)としては、相溶性に影響がないかぎり限定されるものではない。好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレートを(共)重合した樹脂等を挙げることができる。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が特に好ましい。
【0084】
[E]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは30重量部以下である。[E]成分の使用割合が30重量部以下の時、得られる保護膜または絶縁膜の耐熱性および表面硬度等をさらに向上させることができる。
なお、共重合体[A]も「エポキシ樹脂」といい得るが、アルカリ可溶性を有する点で[E]成分とは異なる。[E]成分はアルカリ不溶性である。
【0085】
本発明の感放射線性樹脂組成物には、さらに塗布性を向上するため界面活性剤を使用することができる(以下、「[F]成分」ということがある。)。ここで使用できる[F]成分としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
【0086】
フッ素系界面活性剤の具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン等の他、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル;フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール;パーフルオロアルキルアルコキシレート;フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。これらの市販品としては、BM−1000、BM−1100(以上、BM Chemie社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−170C、FC−171、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)などが挙げられる。
【0087】
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えばDC3PA、DC7PA、FS−1265、SF−8428、SH11PA、SH21PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、SH−190、SH−193、SZ−6032(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0088】
これらの界面活性剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの[F]成分は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1から10重量部、より好ましくは0.15〜5重量部で用いられる。[F]成分の使用量が0.1から10重量部の場合、基板上に塗膜を形成する際、塗膜の膜あれ発生を低減させることができる。
【0089】
本発明の感放射線性樹脂組成物においてでは、また、基体との接着性を向上させるため接着助剤(以下、[G]成分とも言う)を使用することもできる。このような[G]成分としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用され、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このような[G]成分は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは1から20重量部、より好ましくは3から15重量部の量で用いられる。接着助剤の量が1から20重量部の場合は、得られるパターンの基板に対する密着性が良好となる。
【0090】
IV.感放射線性樹脂組成物
本発明による感放射線性樹脂組成物は、上記[A]及び[B]成分と、所望により任意成分である[C]〜[G]成分とを均一に混合することによって調製される。感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解され、溶液状態で用いられる。感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、[A]、[B]成分、及び任意成分である[C]〜[G]成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。このような溶媒としては、[A]成分のアルカリ可溶性樹脂を製造するために使用できる溶媒の例示として上で列挙したものと同様のものを挙げることができる。
【0091】
このような溶媒として、各成分の溶解性、各成分との反応性、塗膜形成のしやすさ等の点から、アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステル及びジエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのうち、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルが特に好ましく使用できる。
【0092】
膜厚の面内均一性を高めるため、これらの溶媒と共に高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒の具体例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
【0093】
感放射性樹脂組成物の溶媒として通常の溶媒と高沸点溶媒とを併用する場合、高沸点溶媒の使用量は、溶媒全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下とすることができる。高沸点溶媒の使用量が50重量%以下の場合、塗膜の膜厚均一性、感度及び残膜率が良好となる。
【0094】
感放射線性樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、溶液中に占める溶媒以外の成分(すなわち、上記[A]及び[B]成分、並びに任意成分である[C]〜[G]成分の合計量)の割合は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて任意に設定することができる。このような溶媒以外の成分の割合は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。このようにして調製された組成物溶液は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0095】
V.層間絶縁膜、マイクロレンズの形成
次に、本発明による感放射線性樹脂組成物を用いて、層間絶縁膜、マイクロレンズを形成する方法について述べる。本発明の層間絶縁膜又はマイクロレンズの形成方法は、以下の工程を以下に記載順で含む:
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程。
【0096】
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程
本工程においては、本発明の感放射線性樹脂組成物から形成された溶液を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶剤を除去して、感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。 使用できる基板の種類としては、例えばガラス基板、シリコンウエハー及びこれらの表面に各種金属が形成された基板を挙げることができる。
【0097】
組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適当の方法を採用することができる。特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの適切な条件は、各成分の種類、使用割合等によって異なる。例えば、60〜110℃で30秒間〜15分間程度プレベークを行うことができる。プレベーク後の塗膜の膜厚は、例えば、層間絶縁膜を形成する場合にあっては約3〜6μm、マイクロレンズを形成する場合にあっては約0.5〜3μmが好ましい。
【0098】
(2)工程(1)の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
本工程においては、所定のパターンを有するマスクを介して、工程(1)で形成された塗膜に放射線を照射する。このとき用いられる放射線の例としては、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線等が挙げられる。紫外線の例としてはg線(波長436nm)、i線(波長365nm)等が挙げられる。遠紫外線の例としてはKrFエキシマレーザー等が挙げられる。これらの放射線の中でも、紫外線が好ましく、g線及び/又はi線を含む放射線が特に好ましい。露光量は、層間絶縁膜を形成する場合にあっては50〜1,500J/m、マイクロレンズを形成する場合にあっては50〜2,000J/mとすることが好ましい。
【0099】
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程
本工程においては、工程(2)で放射線を照射された塗膜に対し、現像液を用いて現像処理して放射線の照射部分を除去することによりパターニングを行う。現像処理に用いられる現像液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドン等のアルカリ(塩基性化合物)の水溶液を挙げることができる。また、このようなアルカリの水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、又は、本発明による組成物を溶解する各種有機溶媒を現像液として使用することもできる。さらに、現像方法としては、例えば液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の方法を適宜行うことができる。現像時間は、用いる組成物の組成によって異なるが、例えば30〜120秒間とすることができる。
【0100】
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
本工程においては、工程(3)で現像された塗膜を加熱し乾燥させる。すなわち、(3)の現像工程後に、パターニングされた薄膜に対して、好ましくは流水洗浄などによるリンス処理を行い、さらに、好ましくは高圧水銀灯などによる放射線の全面照射(後露光工程)を行うことにより、当該薄膜中に残存する1,2−キノンジアジト化合物を分解処理する。その後、この薄膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱処理(ポストベーク処理)することにより、当該薄膜の硬化処理を行う。上記の後露光工程における露光量は、好ましくは2,000〜5,000J/m程度である。また、この硬化処理における加熱温度は、例えば120〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には30〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。
【0101】
上記のようにして形成された層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性及び耐熱性に優れ、高い透過率及び低い誘電率を有するものである。従って、当該層間絶縁膜は電子部品のために好適に使用できる。また、上記のようにして形成されたマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性及び耐熱性に優れ、かつ高い透過率及び良好なメルト形状を有するものである。従って、当該マイクロレンズは、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。なお、本発明のマイクロレンズの形状は、図1(a)に示したように、半凸レンズ形状となる。
【0102】
実施例
以下に合成例及び実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの合成例及び実施例に限定されるものではない。
【0103】
合成例1 共重合体[A−1]の合成
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部、およびビス(ベンジルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィド(分子量制御剤)3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−1]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0重量%であった。
【0104】
合成例2 共重合体[A−2]の合成
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部、およびビス(n−オクチルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィド(分子量制御剤)3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−2]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0重量%であった。
【0105】
合成例2 共重合体[A−3]の合成
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部、およびビス(n−ドデシルメルカプト−チオカルボニル)ジスルフィド(分子量制御剤)3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−3]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9000、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.0重量%であった。
【0106】
比較合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[a−1]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[a−1]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は27000、分子量分布(Mw/Mn)は3.4であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0重量%であった。
【0107】
比較合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部及びα−メチルスチレンダイマー5重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[a−2]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[a−2]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8500、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0重量%であった。
【0108】
比較合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部、およびテトラエチルチウラムジスルフィド(分子量制御剤)3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[a−3]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[a−3]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.7重量%であった。
【0109】
比較合成例4
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、スチレン2重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート2重量部、ビニルベンジル2,3−エポキシプロピルエーテル20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、2,3,4,5−テトラヒドロフルフリルメタクリラート29重量部、およびビス(ピラゾール-1-イル-チオカルボニル)ジスルフィド(分子量制御剤)3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[a−4]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[a−4]のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.7重量%であった。
【0110】
実施例1
[感放射線性樹脂組成物の調製]
〔A〕成分として、合成例1で得た共重合体(A−1)の溶液を共重合体(A−1)として100重量部(固形分)、〔B〕成分として、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル30重量部、その他の成分として、〔C〕成分として、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)(メチル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート1重量部、〔G〕成分としてγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5重量部を混合し、固形分濃度が30重量%になるようにプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液(S−1)を調製した。
【0111】
保存安定性の評価
組成物溶液(S−1)を40℃のオーブン中で1週間加熱して、加熱前後における粘度変化率により評価した。このとき、粘度変化率が5%未満である場合に保存安定性が良好、5%以上の場合に保存安定性が不良といえる。評価結果を表1に示す。
【0112】
層間絶縁膜としての評価
(1)感度の評価
シリコン基板上に、スピンナーを用いて上記で調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介してキャノン(株)製、PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で露光時間を変化させて露光を行った後、濃度0.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、90秒間液盛り法で現像した。超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥してシリコン基板上にパターンを形成した。このとき、3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のスペース・パターンが完全に溶解するために必要な露光量を調べた。この値を感度として評価したところ、550J/mであった。この値が600J/m以下の場合に感度が良好であるといえる。
【0113】
(2)解像度の評価
組成物溶液(S−1)をガラス基板上にスピンナーを用いて塗布したのち、プレベーク温度を80、90、100℃と変化させ、それぞれの温度における塗膜を形成した。ホットプレート上での静置時間は、それぞれ3分間であった。
次いで、得られたそれぞれの温度における塗膜に所定パターンのフォトマスクを介して、波長365nmにおける強度が100 W/m2 の紫外線を15秒間露光した。その後、0.5重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により25℃で1分間現像したのち、純水で1分間洗浄することにより、不要な部分を除去して、パターンを形成した。
次いで、形成されたパターンに、波長365nmにおける強度が100W/m2 の紫外線を30秒間後露光したのち、220℃のオーブン中で60分間加熱して硬化させることにより、膜厚3μmのパターン状薄膜を得た。
それぞれの温度で得られたパターン状薄膜について、抜きパターン(5μm×5μmホール)が解像できている場合を○、解像できていない時を×として評価した。評価結果を表1に示す。
【0114】
(3)耐熱寸法安定性の評価
プレベーク温度80℃にて形成したパターン状薄膜を、220℃のオーブン中で60分加熱して、加熱前後での膜厚変化率を測定して評価した。このとき、膜厚変化率が5%以内の場合に耐熱寸法安定性が良好、5%を超える場合に耐熱寸法安定性が不良といえる。評価結果を表1に示す。
【0115】
(4)透明性の評価
プレベーク温度80℃にて形成したパターン状薄膜の波長400nmにおける透過率を、分光光度計(150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製))を用いて測定して評価した。このとき、93%未満の場合に透明性が不良といえる。評価結果を表1に示す。
【0116】
(5)密着性の評価
プレベーク温度80℃にて形成したパターン状薄膜の基板に対する密着性を、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)後の碁盤目剥離試験により評価した。このときの碁盤目100個中で残った碁盤目の数を表1に示す。碁盤目が100の時、密着性は良好と言える。
【0117】
(6)電圧保持率の評価
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO膜が形成され、さらにITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、スピンナーを用いて上記で調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃のクリーンオーブン内で10分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。次いで、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nmおよび436nmの各波長を含む放射線を2,000J/mの露光量で露光した。さらに230℃で30分間ポストベークを行い、硬化膜を形成した。
次いで、この硬化膜を有する基板と、表面にITO電極を所定形状に蒸着しただけのソーダガラス基板とを対向させ、液晶注入口を残して4辺を0.8mmのガラスビーズを混合したシール剤を用いて貼り合わせ、メルク社製液晶MLC6608(商品名)を注入した後に液晶注入口を封止することにより、液晶セルを作製した。
この液晶セルを60℃の恒温層に入れて、東陽テクニカ製液晶電圧保持率測定システムVHR−1A型(商品名)により、印加電圧を5.5Vの方形波とし、測定周波数を60Hzとして液晶セルの電圧保持率を測定したところ、電圧保持率は98%であった。結果を表1に示す。
なお、ここで電圧保持率とは、下記式(2)で求められる値である。
【0118】
電圧保持率(%)=(16.7ミリ秒後の液晶セル電位差)/(0ミリ秒で印加した電圧)×100 (2)
液晶セルの電圧保持率の値が低いほど、液晶パネル形成時に「焼き付き」と呼ばれる不具合を起こす可能性が高くなる。電圧保持率の値が高くなるほど、液晶パネルの信頼性が高くなると言える。
【0119】
マイクロレンズとしての評価
(7)マイクロレンズの形成
組成物溶液(S−1)を6インチシリコン基板に、乾燥後の膜厚が2.5μmになるようにスピンナーを用いて塗布したのち、70℃のホットプレート上で3分間プレベークして、塗膜を形成した。
次いで、得られた塗膜に所定パターンのフォトマスクを介して、波長436nmにおける強度が100W/m の紫外線を露光量を変えて露光した。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により25℃で1分間現像したのち、純水で1分間洗浄することにより、不要な部分を除去して、パターン状薄膜を得た。
次いで、得られたパターン状薄膜に、波長436nmにおける強度が100W/m2 の紫外線を30秒間後露光したのち、160℃のオーブン中で60分間加熱し、さらに230℃のオーブン中で10分間加熱して硬化させるとともに、パターンをメルトフローさせて、マイクロレンズを形成した。
【0120】
(8)感度の評価
得られたマイクロレンズについて、ライン線幅0.8μmのライン・アンド・スペ−ス パタ−ン(10対1)のスペース線幅(0.08μm)を解像できる最低露光量により評価した。この値が800J/m 以下の場合に感度が良好と言える。評価結果を表2に示す。
【0121】
(9)耐熱変色性の評価
シリコン基板に代えてガラス基板を用いた以外は、前記「マイクロレンズの形成」と同様にしてパターン状薄膜を得た。
次いで、パターン状薄膜を有するガラス基板を、250℃のオーブン中で1時間加熱し、加熱前後での波長400nmにおける透過率の変化率により評価した。このとき、透過率の変化率が5%未満である場合に耐熱変色性が良好、5%を超える場合に耐熱変色性が不良といえる。評価結果を表2に示す。
【0122】
(10)密着性の評価
前記「マイクロレンズの形成」と同様にしてパターン状薄膜を得た。
次いで、パターン状薄膜を有するシリコン基板について、パターン状薄膜の基板に対する密着性を、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)後の碁盤目剥離試験により評価した。このときの碁盤目100個中で残った碁盤目の数を表2に示す。碁盤目が100の時、密着性は良好と言える。
【0123】
(11)耐溶剤性の評価
シリコン基板に代えてガラス基板を用いた以外は、前記「マイクロレンズの形成」と同様にしてパターン状薄膜を得た。
次いで、パターン状薄膜を有するガラス基板を、50℃のイソプロパノール中に10分間浸漬し、浸漬前後での膜厚変化率を測定して評価した。このとき、膜厚変化率が5%以下の場合に耐溶剤性が良好、5%を超える場合や薄膜が溶解して膜厚が低下した場合に耐溶剤性が不良といえる。評価結果を表2に示す。
【0124】
実施例2
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(A−2)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0125】
実施例3
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(A−3)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0126】
比較実施例1
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(a−1)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0127】
比較実施例2
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(a−2)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0128】
比較実施例3
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(a−3)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0129】
比較実施例4
共重合体(A−1)の溶液の代わりに共重合体(a−4)の溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製して評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0130】
表1及び2に示された結果から、本発明に従った一般式(1)の分子量制御剤を用いて重合された共重合体を含む感放射線性樹脂組成物によれば、良好な感放射線感度、解像度、透明性、耐熱寸法性、密着性及び電圧保持率を有し、特に感放射線感度が格段に優れた層間絶縁膜が得られることが分かった。また、当該組成物によれば、それらの優れた物性に加えて、良好な感放射線感度を有するマイクロレンズを形成しうることが分かった。
【0131】
【表1】

【0132】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)共重合体、(B)1,2−キノンジアジド化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)共重合体が、(a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、並びに(a2)エポキシ基含有不飽和化合物を含む単量体を、下記式(1)で表される化合物の存在下で重合する工程を経て製造された共重合体を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
【化1】



〔式(1)において、ZおよびZ2 は相互に独立に炭素数4〜18のアルキル基または置換されていてもよいベンジル基を示す。〕
【請求項2】
請求項1に記載の(A)共重合体が、リビングラジカル重合する工程を経て製造された共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の(A)共重合体が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1,000〜15,000であり、かつMwとGPCにより測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.8以下の共重合体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項4】
層間絶縁膜形成用である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項5】
(1)請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を含む層間絶縁膜を形成する方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法によって形成された層間絶縁膜。
【請求項7】
マイクロレンズ形成用である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項8】
(1)請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を含むマイクロレンズを形成する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法によって形成されたマイクロレンズ

【公開番号】特開2010−134311(P2010−134311A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311789(P2008−311789)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】