説明

振動片、振動子、発振器及び電子機器

【課題】振動腕の根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制できる振動片、及びこの振動片を備えた振動子、発振器、電子機器の提供。
【解決手段】水晶振動片1は、基部10と、基部10からY軸方向に延びる振動腕11a,11b,11cと、を備え、振動腕11a,11b,11cは、平面視において、Y軸方向と直交するX軸方向に腕幅Wを有し、且つ、Y軸方向とX軸方向とで特定される平面(XY平面)に対向した振動腕11a,11b,11cの主面10a,10bに、Y軸方向及びX軸方向と直交するZ軸方向に振動腕11a,11b,11cを振動させる励振電極13a,13b,13c,14a,14b,14cが設けられ、振動腕11a,11b,11cは、X軸方向の腕幅Wが、振動腕11a,11b,11cの根元側から先端側に向かうに連れて、細くなっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動片、この振動片を備えた、振動子、発振器及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振動片としては、第1方向へ向けて配置された第1面を有し、第1方向と交差する第2方向に沿って配列された3個の腕部(以下、振動腕という)と、この振動腕の各々の第1面上に1個ずつ設けられた圧電体素子(励振電極)と、振動腕の一端を連結する基部と、を備えた音叉型振動子(以下、振動片という)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−5022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、振動片は、小型化の進展に伴う熱弾性損失(屈曲振動する振動片の圧縮部(温度が高くなる)と伸張部(温度が低くなる)との間で発生する熱伝導(温度平衡化現象)により生じる振動エネルギーの損失)の増大による、Q値(振動の状態を現す無次元数であって、この値が大きいほど振動が安定であることを意味する)の低下の抑制が課題となっている。
【0005】
上記特許文献1の振動片は、実施の形態において、振動腕が上記第1面と直交する方向に屈曲振動する振動形態(面外振動モード)であって、振動腕の腕厚を薄くすることによって屈曲振動時の曲げ応力を小さくして熱弾性損失を低減し、Q値の低下を抑制しようと企図しているものと考えられる。
【0006】
しかしながら、上記振動片は、各振動腕の平面形状及び各振動腕の長手方向に沿って厚さ方向に切断された断面形状が、共に矩形状となっている。
これにより、上記振動片は、屈曲振動の際に振動腕の根元部(基部との境界部分)で曲げ応力が最大になる。
この結果、上記振動片は、曲げ応力に伴って生じる熱エネルギーによって、根元部における熱弾性損失が大きくなるという問題がある。このことから、上記振動片は、Q値の低下の抑制に更なる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例にかかる振動片は、基部と、前記基部から第1方向に延びる振動腕と、を備え、前記振動腕は、平面視において、前記第1方向と直交する第2方向に腕幅を有し、且つ、前記第1方向と前記第2方向とで特定される前記振動腕の主面の少なくとも一方に、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記振動腕を振動させる励振部が設けられ、前記振動腕は、前記第2方向の前記腕幅が、前記振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて細くなっている部分を有することを特徴とする。
【0009】
これによれば、振動片は、振動腕の第2方向の腕幅が、振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて細くなっていることから、第3方向に振動(屈曲振動)する際の曲げ応力の分布が等応力分布に近くなる。
この結果、振動片は、振動腕の根元側における曲げ応力が緩和されて小さくなることから、根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制することができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕は、前記第3方向の腕厚が、前記根元側から前記先端側に向かうに連れて薄くなっている部分を有することが好ましい。
【0011】
これによれば、振動片は、振動腕の第3方向の腕厚が根元側から先端側に向かうに連れて薄くなっていることから、振動腕の根元側における曲げ応力が更に緩和されて小さくなる。
この結果、振動片は、根元側の熱弾性損失が更に低減され、Q値の低下を更に抑制することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕は、平面視において、前記基部側を底辺とする三角形状または台形状に形成されていることが好ましい。
【0013】
これによれば、振動片は、振動腕が平面視において、基部側を底辺とする三角形状または台形状に形成されていることから、例えば、階段状に細くなるような形状よりも振動腕における曲げ応力の分布が等応力分布に近づくことになる。
この結果、振動片は、振動腕の根元側における曲げ応力が更に緩和されて小さくなり、根元側の熱弾性損失が更に低減され、Q値の低下を更に抑制することができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕は、前記第1方向に沿って前記第3方向に切断された断面形状が、前記基部側を底辺とする三角形状または台形状であることが好ましい。
【0015】
これによれば、振動片は、振動腕の第1方向に沿って第3方向に切断された断面形状が、基部側を底辺とする三角形状または台形状であることから、例えば、階段状に薄くなるような形状よりも振動腕における曲げ応力の分布が等応力分布に近づくことになる。
この結果、振動片は、振動腕の根元側における曲げ応力が更に緩和されて小さくなり、根元側の熱弾性損失が更に低減され、Q値の低下を更に抑制することができる。
【0016】
[適用例5]本適用例にかかる振動片は、基部と、前記基部から第1方向に延びる振動腕と、を備え、前記振動腕は、平面視において、前記第1方向と直交する第2方向に腕幅を有し、且つ、前記第1方向と前記第2方向とで特定される前記振動腕の主面の少なくとも一方に、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記振動腕を振動させる励振部が設けられ、前記振動腕は、前記第3方向の前記腕厚が、前記振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて薄くなっている部分を有することを特徴とする。
【0017】
これによれば、振動片は、振動腕の第3方向の腕厚が、振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて細くなっていることから、第3方向に振動(屈曲振動)する際の曲げ応力の分布が等応力分布に近くなる。
この結果、振動片は、振動腕の根元側における曲げ応力が緩和されて小さくなることから、根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制することができる。
【0018】
[適用例6]上記適用例にかかる振動片において、前記励振部は、前記第2方向の幅が前記振動腕の前記根元側から前記先端側に向かうに連れて細くなっている部分を有することが好ましい。
【0019】
これによれば、振動片は、励振部の第2方向の幅が振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて細くなっていることから、振動腕を振動させる電界強度が根元側から先端側に向かうに連れて弱くなる。
この結果、振動片は、振動腕の振動に必要な電界を先端側に過剰に印加することなく、効率的に印加することができる。
【0020】
[適用例7]上記適用例にかかる振動片において、前記励振部は、前記主面側に設けられた第1電極と、前記第1電極に対向して設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された圧電体と、を備えたことが好ましい。
【0021】
これによれば、振動片は、励振部が第1電極と、第1電極に対向して設けられた第2電極と、両電極間に配置された圧電体と、を備えたことから、励振部自体の伸縮によって振動腕を振動させることができる。
従って、振動片は、基材(構成の基本となる材料)に必ずしも圧電材料を用いる必要がないことから、基材の選択肢が広がり、例えば、シリコンなどの半導体材料を基材として用いることができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例にかかる振動片において、前記振動腕を複数備え、隣り合う前記振動腕同士が、互いに逆方向に振動することが好ましい。
【0023】
これによれば、振動片は、振動腕を複数備え、隣り合う振動腕同士が、互いに逆方向に振動することから、力学的にバランスのとれた振動とすることができる。
このことから、振動片は、振動腕から基部への振動漏れが低減され、Q値を向上させることができる。
【0024】
[適用例9]本適用例にかかる振動子は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、前記振動片を収容したパッケージと、を備えたことを特徴とする。
【0025】
これによれば、振動子は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、振動片を収容したパッケージと、を備えたことから、上記適用例のいずれかに記載の効果を奏する振動子を提供することができる。
【0026】
[適用例10]本適用例にかかる発振器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、前記振動片を発振させる発振回路と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
これによれば、発振器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片と、振動片を発振させる発振回路と、を備えたことから、上記適用例のいずれかに記載の効果を奏する発振器を提供することができる。
【0028】
[適用例11]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片を備えたことを特徴とする。
【0029】
これによれば、電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の振動片を備えたことから、上記適用例のいずれかに記載の効果を奏する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。
【図2】図1(a)のB−B線での断面図及び各励振電極の配線図。
【図3】水晶振動片の振動腕に加わるモーメントについて説明するグラフ。
【図4】第1実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。
【図5】第2実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。
【図6】第2実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。
【図7】第3実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド(蓋体)側から俯瞰した平面図、(b)は(a)のC−C線での断面図。
【図8】第4実施形態の水晶発振器の概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド側から俯瞰した平面図、(b)は(a)のC−C線での断面図。
【図9】第5実施形態の携帯電話を示す模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0032】
(第1実施形態)
最初に、振動片の一例として、基材に水晶を用いた水晶振動片について説明する。
図1は、第1実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式図である。図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
図2は、図1(a)のB−B線での断面図及び各励振電極の配線図である。
【0033】
図1に示すように、水晶振動片1は、基部10と、基部10から第1方向としての水晶結晶軸のY軸方向に延びる3本の振動腕11a,11b,11cと、を備えている。
基部10は、振動腕11a,11b,11c側に振動腕11a,11b,11cと厚さが同じ連結部12を備えている。振動腕11a,11b,11cは、基部10の連結部12から延びている。
なお、図1(b)に示すように、連結部12を除いた基部10の厚さは、パッケージなどの外部部材に固定されることを想定して、所定の剛性(強度)を確保するために、振動腕11a,11b,11cの厚さ(腕厚)よりも厚く形成されている。
【0034】
振動腕11a,11b,11cは、平面視において、Y軸方向と直交する第2方向としての水晶結晶軸のX軸方向に腕幅Wを有し、且つ、Y軸方向とX軸方向とで特定される平面(XY平面)に対向した主面10a,10bの少なくとも一方に(ここでは主面10a,10bの両方に)、励振部としての励振電極13a,13b,13c,14a,14b,14cを有している。
【0035】
振動腕11a,11b,11cは、励振電極13a〜13c,14a〜14cによって、Y軸方向及びX軸方向と直交する第3方向としての水晶結晶軸のZ軸方向(図1(b)の矢印方向)に屈曲振動(面外振動:主面10aに沿わない方向の振動)する。
ここで、振動腕11a,11b,11cは、X軸方向の腕幅Wが、振動腕11a,11b,11cの根元側から先端側に向かうに連れて連続的に細くなっており、平面視において、基部10側を底辺とする(基部10(連結部12)との仮想の境界線を底辺とする)三角形状に形成されている。
なお、水晶振動片1の外形形状は、フォトリソグラフィー、ウエットエッチングなどの技術を用いて形成される。
【0036】
励振電極13a〜13c,14a〜14cは、X軸方向の電極幅W1が振動腕11a,11b,11cの根元側から先端側に向かうに連れて細くなるように形成されている。
主面10a側の励振電極13a,13b,13cは、主面10aに設けられた第1電極13a1,13b1,13c1と、第1電極13a1,13b1,13c1に対向するように設けられた第2電極13a2,13b2,13c2と、第1電極13a1,13b1,13c1と第2電極13a2,13b2,13c2との間に配置された圧電体15と、を備えた積層構造となっている。
同様に、主面10b側の励振電極14a,14b,14cは、主面10bに設けられた第1電極14a1,14b1,14c1と、第1電極14a1,14b1,14c1に対向するように設けられた第2電極14a2,14b2,14c2と、第1電極14a1,14b1,14c1と第2電極14a2,14b2,14c2との間に配置された圧電体15と、を備えた積層構造となっている。
各第1電極、各第2電極には、例えば、Cr、Auなどの比較的に導電性の高い金属の膜が用いられ、圧電体15には、ZnO、AlN、PZTなどの比較的に圧電性の高い圧電材料の膜が用いられている。
【0037】
ここで、水晶振動片1の動作について説明する。
図2に示すように、水晶振動片1の各励振電極は、各第1電極と各第2電極とが交差配線によって交流電源に接続され、駆動電圧としての交番電圧が印加されるようになっている。
【0038】
具体的には、主面10a側において、振動腕11aの第1電極13a1と、振動腕11bの第2電極13b2と、振動腕11cの第1電極13c1とが同電位になるように接続され、振動腕11aの第2電極13a2と、振動腕11bの第1電極13b1と、振動腕11cの第2電極13c2とが同電位になるように接続されている。
また、主面10b側において、振動腕11aの第1電極14a1と、振動腕11bの第2電極14b2と、振動腕11cの第1電極14c1とが同電位になるように接続され、振動腕11aの第2電極14a2と、振動腕11bの第1電極14b1と、振動腕11cの第2電極14c2とが同電位になるように接続されている。
【0039】
この状態で、各第1電極と各第2電極との間に交番電圧を印加すると、各第1電極と各第2電極との間に電界が発生し、逆圧電効果により、圧電体15に歪みが生じ、圧電体15がY軸方向に伸縮する。
水晶振動片1は、この圧電体15の伸縮が、主面10a側と主面10b側とで逆になる。具体的には、主面10a側が伸張したとき、主面10b側が収縮し、主面10a側が収縮したとき、主面10b側が伸張する。
さらに、水晶振動片1は、圧電体15の伸縮が、振動腕11a,11cと振動腕11bとの間でも逆になる。具体的には、振動腕11a,11cの主面10a側が伸張したとき、振動腕11bの主面10a側は収縮し、振動腕11a,11cの主面10a側が収縮したとき、振動腕11bの主面10a側は伸張する。
【0040】
このような圧電体15の伸縮によって、水晶振動片1は、交番電圧が一方の電位のときに振動腕11a,11b,11cが実線矢印の方向に屈曲し、交番電圧が他方の電位のときに振動腕11a,11b,11cが破線矢印の方向に屈曲する。
これを繰り返すことで、水晶振動片1は、各振動腕11a,11b,11cがZ軸方向に屈曲振動(面外振動)をすることになる。この際、隣り合う振動腕(ここでは、11aと11b、11bと11c)は、互いに逆方向に(逆相で)屈曲振動する。
【0041】
このときの水晶振動片1の振動腕11a,11b,11cに加わるモーメント(曲げ応力に比例する)について、図3を用いて説明する。
図3は、水晶振動片の振動腕に加わるモーメントについて説明するグラフである。グラフの実線は、本実施形態品を示し、破線は、振動腕の平面形状が矩形状の従来品を示す。図3の縦軸は、モーメント/(ρwh)を示し、横軸は、振動腕の根元部を0、先端部を1としたときのY軸方向における位置を示す。
【0042】
振動腕に加わるモーメントは、下記の数式で求められる。
数式(1)は、本実施形態品の場合の計算式であり、数式(2)は、振動腕の平面形状が矩形状の従来品の場合の計算式である。
なお、下記の数式で、ρ…密度、l…Y軸方向の長さ、w…X軸方向の腕幅、h…Z軸方向の腕厚、y…Y軸方向における位置(根元部を0、先端部を1とする)である。
【0043】
本実施形態品の場合、腕幅wは根元部から連続的に細くなり先端部で0になるので、各位置におけるモーメントは、
【0044】
【数1】

となる。
一方、従来品の場合、腕幅wは根元部から先端部まで同じなので、各位置におけるモーメントは、
【0045】
【数2】

となる。
なお、両者のモーメントは、ρ、l、根元部のw、hが同じで、振動腕の平面形状(三角形状、矩形状)のみ異なる条件で算出した。
【0046】
図3に示すように、上記算出結果によれば、本実施形態品は、従来品と比較して、根元側から先端側まで全域に亘って、曲げ応力に比例するモーメントが大幅に低下している。
また、本実施形態品は、従来品と比較して、折れ線の傾斜が緩やかであり、モーメントの各位置間における差が小さくなっていることが分かる。
【0047】
上述したように、第1実施形態の水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cのX軸方向の腕幅Wが、振動腕11a,11b,11cの根元側から先端側に向かうに連れて細くなっていることから、Z軸方向に屈曲振動する際の曲げ応力(モーメント)の分布が等応力分布に近くなる。
さらに、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cの平面形状が基部10側を底辺とした三角形状になっていることから、例えば、根元側から先端側に向かうに連れて階段状に細くなるような形状よりも、振動腕における曲げ応力の分布が等応力分布に近づくことになる。
この結果、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cの根元側における曲げ応力が緩和されて小さくなることから、根元側における主面10a側と主面10b側との温度差が小さくなることで、根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制することができる。
【0048】
また、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cにおけるZ軸方向の寸法(腕厚)が一様であることから、振動腕11a,11b,11cの平面形状が三角形状であっても、ウエットエッチングなどの技術を用いて従来と同様に容易に外形形状を形成することができる。
【0049】
また、水晶振動片1は、各励振電極のX軸方向の電極幅W1が振動腕11a,11b,11cの根元側から先端側に向かうに連れて細くなっていることから、振動腕11a,11b,11cを振動させる電界強度が、根元側から先端側に向かうに連れて弱くなる。
この結果、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cの振動に必要な電界を、振動腕11a,11b,11cの先端側に過剰に印加することなく、効率的に印加することができる。
【0050】
また、水晶振動片1は、各励振電極が各第1電極と、各第1電極に対向して設けられた各第2電極と、両電極間に配置された圧電体15と、を備えたことから、励振電極自体の伸縮によって振動腕11a,11b,11cを振動させることができる。
従って、水晶振動片1は、基材(構成の基本となる材料)に必ずしも圧電材料を用いる必要がないことから、基材の選択肢が広がり、例えば、シリコンなどの半導体材料を基材として用いることができる。
【0051】
また、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cを3本備え、隣り合う振動腕同士(11aと11b、11bと11c)が、互いに逆方向に屈曲振動することから、力学的にバランスのとれた屈曲振動とすることができる。
このことから、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cから基部10への振動漏れが低減され、Q値を向上させることができる。
【0052】
また、水晶振動片1は、連結部12を除いたZ軸方向における基部10の厚さが、Z軸方向における振動腕11a,11b,11cの厚さよりも厚いことから、基部10の質量の増加によって、基部10の質量と振動腕11a,11b,11cの質量との差が大きくなっている。
これにより、水晶振動片1は、振動腕11a,11b,11cの振動エネルギーが基部10へ伝わり難くなることから、基部10を介して外部部材へ漏れる振動エネルギーが、より減少することによって、Q値の低下をより抑制することができる。
【0053】
(変形例)
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
図4は、第1実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式図である。図4(a)は、平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。また、上記第1実施形態との共通部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0054】
図4に示すように、水晶振動片2は、振動腕111a,111b,111cの平面形状が第1実施形態の三角形状ではなく、基部10側を底辺とする(基部10(連結部12)との仮想の境界線を底辺とする)台形状に形成されている。
これにより、水晶振動片2は、上記第1実施形態で述べた効果に加えて、振動腕111a,111b,111cの先端部が鋭利でないことから、製造が容易となり第1実施形態と比較して、生産性を向上させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、振動片の他の例として、第1実施形態と同様に基材に水晶を用いた水晶振動片について説明する。
図5は、第2実施形態の水晶振動片の概略構成を示す模式図である。図5(a)は、平面図、図5(b)は、図5(a)のA−A線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。また、上記第1実施形態との共通部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0056】
図5に示すように、水晶振動片3は、振動腕211a,211b,211cのX軸方向の腕幅Wが、第1実施形態と同様に根元側から先端側に向かうに連れて連続的に細くなっており、平面視において、基部10側を底辺とする三角形状に形成されている。且つ、水晶振動片3は、振動腕211a,211b,211cのZ軸方向の腕厚Tが、根元側から先端側に向かうに連れて連続的に薄くなっている。
詳述すると、水晶振動片3は、振動腕211a,211b,211cのY軸方向に沿ってZ軸方向に切断された断面形状(図5(b)に示す形状)が、基部10側を底辺とする(基部10(連結部12)との仮想の境界線を底辺とする)三角形状となるように形成されている。
換言すれば、水晶振動片3は、振動腕211a,211b,211cが基部10側を底面とする(基部10(連結部12)との仮想の境界面を底面とする)四角錐状に形成されている。
【0057】
上述したように、第2実施形態の水晶振動片3は、X軸方向の腕幅Wに加えて、振動腕211a,211b,211cのZ軸方向の腕厚Tが根元側から先端側に向かうに連れて薄くなっており、Y軸方向に沿ってZ軸方向に切断された断面形状が、基部10側を底辺とする三角形状となるように形成されている。
この結果、水晶振動片3は、振動腕211a,211b,211cが基部10側を底面とする四角錐状に形成されていることから、振動腕211a,211b,211cの根元側における曲げ応力が更に緩和されて小さくなる。
したがって、水晶振動片3は、根元側の熱弾性損失が更に低減され、Q値の低下を更に抑制することができる。
【0058】
(変形例)
次に、上記第2実施形態の変形例について説明する。
図6は、第2実施形態の変形例の水晶振動片の概略構成を示す模式図である。図6(a)は、平面図、図6(b)は、図6(a)のA−A線での断面図である。なお、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。また、上記第2実施形態との共通部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0059】
図6に示すように、水晶振動片4は、振動腕311a,311b,311cの平面形状及びY軸方向に沿ってZ軸方向に切断された断面形状が、第2実施形態の三角形状ではなく、基部10側を底辺とする台形状に形成されている。
これにより、水晶振動片4は、上記第2実施形態で述べた効果に加えて、振動腕311a,311b,311cの先端部が鋭利でないことから、製造が容易となり第2実施形態と比較して、生産性を向上させることができる。
【0060】
(第3実施形態)
次に、上記各実施形態及び各変形例で述べた水晶振動片(振動片)を備えた振動子としての水晶振動子について説明する。
図7は、第3実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図7(a)は、リッド(蓋体)側から俯瞰した平面図であり、図7(b)は、図7(a)のC−C線での断面図である。なお、平面図では、リッドを省略してある。また、各配線は省略してある。
なお、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0061】
図7に示すように、水晶振動子5は、上記第1実施形態で述べた水晶振動片1と、水晶振動片1を収容したパッケージ20と、を備えている。
【0062】
パッケージ20は、平面形状が略矩形で凹部を有したパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部を覆う平面形状が略矩形で平板状のリッド22と、を有し、略直方体形状に形成されている。
パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラス、シリコンなどが用いられている。
リッド22には、パッケージベース21と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
【0063】
パッケージベース21には、内底面(凹部の内側の底面)23に、内部端子24,25が設けられている。
内部端子24,25は、水晶振動片1の基部10に設けられた接続電極18a,18bの近傍となる位置に略矩形状に形成されている。接続電極18a,18bは、図示しない配線により、水晶振動片1の各励振電極(13bなど)の第1電極(13b1など)及び第2電極(13b2など)に接続されている。
例えば、図2の配線において、交流電源の一方側の配線が接続電極18aに接続され、他方側の配線が接続電極18bに接続されている。
【0064】
パッケージベース21の外底面(内底面23の反対側の面、外側の底面)26には、電子機器などの外部部材に実装される際に用いられる一対の外部端子27,28が形成されている。
外部端子27,28は、図示しない内部配線によって内部端子24,25と接続されている。例えば、外部端子27は、内部端子24と接続され、外部端子28は、内部端子25と接続されている。
内部端子24,25及び外部端子27,28は、W(タングステン)などのメタライズ層にNi、Auなどの各被膜をメッキなどの方法により積層した金属膜からなる。
【0065】
水晶振動子5は、水晶振動片1の基部10の固定部分(連結部12より厚い部分)が、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系などの接着剤30を介して、パッケージベース21の内底面23に固定されている。
そして、水晶振動子5は、水晶振動片1の接続電極18a,18bが、Au、Alなどの金属ワイヤー31により内部端子24,25と接続されている。
水晶振動子5は、水晶振動片1がパッケージベース21の内部端子24,25と接続された状態で、パッケージベース21の凹部がリッド22により覆われ、パッケージベース21とリッド22とがシームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材29で接合されることにより、パッケージ20の内部が気密に封止されている。
なお、パッケージ20の内部は、減圧状態(真空度の高い状態)または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填された状態となっている。
【0066】
なお、パッケージは、平板状のパッケージベースと凹部を有するリッドなどから構成されていてもよい。また、パッケージは、パッケージベース及びリッドの両方に凹部を有していてもよい。
【0067】
水晶振動子5は、外部端子27,28、内部端子24,25、金属ワイヤー31、接続電極18a,18bを経由して励振電極(13bなど)に印加される駆動信号(交番電圧)によって、水晶振動片1の各振動腕(11bなど)が所定の周波数(例えば、約32kHz)で、厚さ方向(図7(b)の矢印方向)に発振(共振)する。
【0068】
上述したように、第3実施形態の水晶振動子5は、水晶振動片1を備えたことから、上記第1実施形態に記載された効果を奏する振動子(例えば、各振動腕(11bなど)の根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制することができる振動子)を提供することができる。
なお、水晶振動子5は、水晶振動片1に代えて他の水晶振動片(2など)を備えた場合においても、上記と同様の効果及び各水晶振動片の特有の効果を奏する振動子を提供することができる。
【0069】
(第4実施形態)
次に、上記各実施形態及び各変形例で述べた水晶振動片(振動片)を備えた発振器としての水晶発振器について説明する。
図8は、第4実施形態の水晶発振器の概略構成を示す模式図である。図8(a)は、リッド側から俯瞰した平面図であり、図8(b)は、図8(a)のC−C線での断面図である。なお、平面図では、リッド及び一部の構成要素を省略してある。また、各配線は省略してある。
なお、上記第1実施形態及び第3実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態及び第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0070】
図8に示すように、水晶発振器6は、上記第1実施形態で述べた水晶振動片1と、水晶振動片1を発振させる発振回路としてのICチップ40と、水晶振動片1及びICチップ40を収容したパッケージ20と、を備えている。
【0071】
パッケージベース21の内底面23には、内部接続端子23aが設けられている。
発振回路を内蔵するICチップ40は、パッケージベース21の内底面23に、図示しない接着剤などを用いて固定されている。
ICチップ40は、図示しない接続パッドが、Au、Alなどの金属ワイヤー41により内部接続端子23aと接続されている。
【0072】
内部接続端子23aは、W(タングステン)などのメタライズ層にNi、Auなどの各被膜をメッキなどにより積層した金属膜からなり、図示しない内部配線を経由して、パッケージ20の外部端子27,28、内部端子24,25などに接続されている。
なお、ICチップ40の接続パッドと内部接続端子23aとの接続には、金属ワイヤー41を用いたワイヤーボンディングによる接続方法以外に、ICチップ40を反転させてのフリップチップ実装による接続方法などを用いてもよい。
【0073】
水晶発振器6は、ICチップ40から内部接続端子23a、内部端子24,25、金属ワイヤー31、接続電極18a,18bを経由して励振電極(13bなど)に印加される駆動信号によって、水晶振動片1の各振動腕(11bなど)が所定の周波数(例えば、約32kHz)で発振(共振)する。
そして、水晶発振器6は、この発振に伴って生じる発振信号をICチップ40、内部接続端子23a、外部端子27,28などを経由して外部に出力する。
【0074】
上述したように、第4実施形態の水晶発振器6は、水晶振動片1を備えたことから、上記第1実施形態に記載された効果を奏する発振器(例えば、各振動腕(11bなど)の根元側の熱弾性損失が低減され、Q値の低下を抑制することができる発振器)を提供することができる。
なお、水晶発振器6は、水晶振動片1に代えて他の水晶振動片(2など)を備えた場合においても、上記と同様の効果及び各水晶振動片の特有の効果を奏する発振器を提供することができる。
また、水晶発振器6は、ICチップ40をパッケージ20に内蔵ではなく、外付けした構成のモジュール構造(例えば、1つの基板上に水晶振動子及びICチップが個別に搭載されている構造)としてもよい。
【0075】
(第5実施形態)
次に、上記各実施形態及び各変形例で述べた水晶振動片(振動片)を備えた電子機器としての携帯電話について説明する。
図9は、第5実施形態の携帯電話を示す模式斜視図である。
図9に示す携帯電話700は、上記第1実施形態で述べた水晶振動片1を、基準クロック発振源などとして備え、更に液晶表示装置701、複数の操作ボタン702、受話口703、及び送話口704を備えて構成されている。
【0076】
上述した水晶振動片(1など)は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピューター、テレビ、デジタルスチールカメラ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などの基準クロック発振源などとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記各実施形態及び各変形例で説明した効果を奏する電子機器を提供することができる。
【0077】
なお、上記各実施形態及び各変形例では、振動腕全体を平面視及び断面視の少なくとも一方において先細りさせる形態について説明したが、これに限定するものではなく、振動腕の先端部を根元側よりも幅広の形状(所謂ハンマーヘッドタイプ)にしたり、振動腕の先端部を根元側よりも厚くしたり(ハンマーヘッドタイプの変形版)、振動腕の途中部分を根元側よりも幅広の形状にしたり、振動腕の途中部分を根元側よりも厚くしたりしてもよい。
【0078】
なお、振動片の振動腕の平面形状及びY軸方向に沿ってZ軸方向に切断された断面形状は、三角形状または台形状に限定するものではなく、根元側から先端側に向かうに連れて段階的(例えば、階段状)に腕幅Wが細くなる(腕厚Tが薄くなる)形状であってもよい。また、上記平面形状及び断面形状は、直線ではなく曲線で形成されていてもよく、直線と曲線とが組み合わされて形成されていてもよい。
また、振動片の励振電極の平面形状は、矩形状であってもよい。また、振動片の励振電極は、一方の主面のみに設けられていてもよい。
【0079】
また、振動片の振動腕の数は、3本に限定するものではなく、1本または2本でもよく、n本(nは4以上の自然数)であってもよい。
なお、振動片の基部の厚さは、全域に亘って振動腕と同じ厚さにしてもよい。これによれば、振動片は、平板状となることから、製造が容易となる。
【0080】
なお、振動片の基材としての水晶には、水晶の原石などから所定の角度で切り出された、例えば、Zカット板、Xカット板などを用いることができる。なお、Zカット板を用いた場合には、その特性によってエッチング加工が容易となり、Xカット板を用いた場合には、その特性によって温度−周波数特性が良好となる。
【0081】
また、振動片の基材は、水晶に限定するものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、またはシリコンなどの半導体材料であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1,2,3,4…振動片としての水晶振動片、5…振動子としての水晶振動子、6…発振器としての水晶発振器、10…基部、10a,10b…主面、11a,11b,11c…振動腕、12…連結部(基部の一部)、13a,13b,13c,14a,14b,14c…励振電極、13a1,13b1,13c1,14a1,14b1,14c1…第1電極、13a2,13b2,13c2,14a2,14b2,14c2…第2電極、15…圧電体、18a,18b…接続電極、20…パッケージ、21…パッケージベース、22…リッド、23…内底面、23a…内部接続端子、24,25…内部端子、26…外底面、27,28…外部端子、29…接合部材、30…接着剤、31…金属ワイヤー、40…発振回路としてのICチップ、41…金属ワイヤー、111a,111b,111c,211a,211b,211c,311a,311b,311c…振動腕、700…携帯電話、701…液晶表示装置、702…操作ボタン、703…受話口、704…送話口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部から第1方向に延びる振動腕と、を備え、
前記振動腕は、平面視において、前記第1方向と直交する第2方向に腕幅を有し、且つ、前記第1方向と前記第2方向とで特定される前記振動腕の主面の少なくとも一方に、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記振動腕を振動させる励振部が設けられ、
前記振動腕は、前記第2方向の前記腕幅が、前記振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて細くなっている部分を有することを特徴とする振動片。
【請求項2】
請求項1に記載の振動片において、前記振動腕は、前記第3方向の腕厚が、前記根元側から前記先端側に向かうに連れて薄くなっている部分を有することを特徴とする振動片。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の振動片において、前記振動腕は、平面視において、前記基部側を底辺とする三角形状または台形状に形成されていることを特徴とする振動片。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の振動片において、前記振動腕は、前記第1方向に沿って前記第3方向に切断された断面形状が、前記基部側を底辺とする三角形状または台形状であることを特徴とする振動片。
【請求項5】
基部と、
前記基部から第1方向に延びる振動腕と、を備え、
前記振動腕は、平面視において、前記第1方向と直交する第2方向に腕幅を有し、且つ、前記第1方向と前記第2方向とで特定される前記振動腕の主面の少なくとも一方に、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記振動腕を振動させる励振部が設けられ、
前記振動腕は、前記第3方向の前記腕厚が、前記振動腕の根元側から先端側に向かうに連れて薄くなっている部分を有することを特徴とする振動片。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動片において、前記励振部は、前記第2方向の幅が前記振動腕の前記根元側から前記先端側に向かうに連れて細くなっている部分を有することを特徴とする振動片。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の振動片において、前記励振部は、前記主面側に設けられた第1電極と、
前記第1電極に対向して設けられた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置された圧電体と、
を備えたことを特徴とする振動片。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の振動片において、前記振動腕を複数備え、隣り合う前記振動腕同士が、互いに逆方向に振動することを特徴とする振動片。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を収容したパッケージと、
を備えたことを特徴とする振動子。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を発振させる発振回路と、
を備えたことを特徴とする発振器。
【請求項11】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の振動片を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−182610(P2012−182610A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43595(P2011−43595)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】