説明

携帯端末装置

【課題】 移動することがある目的地に対しても、道路だけでなく電車などの交通機関を用いた経路を検索して表示することができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】 位置解析部14は、GPS機能を用いて自装置の位置を検出し、さらに目的地となる相手の通信端末30の位置を表す位置情報を、その通信端末30から端末通信部12によって取得する。データ処理部17は、位置解析部14で検出された自装置の位置から、位置解析部14で取得された相手の通信端末30の位置までの経路を、交通データサーバ20から取得された地図情報、すなわち交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報が示す地図上の経路から検索し、さらに検索した経路を、データベース23から取得した地図情報が示す地図に重畳して表示部13に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能を有する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な機能が搭載された携帯端末装置が普及してきている。その機能の一つがGPS(Global Positioning System)機能である。GPSの普及率は、年々増加してきており、2007年4月までには、第3世代のすべての携帯端末装置にGPS機能が搭載されると予想される。GPSを利用した機能には、
(1)現在位置を把握する機能
(2)目的地までの最端ルートを検出する機能
(3)目的地までの音声案内機能
などの機能がある。従来の携帯端末装置に搭載されるGPSの機能では、目的地の位置が固定であり、人物のなどの位置を目的地とする場合のように位置が移動することがある目的地に対して対応することができない。
【0003】
目的地の位置が固定でなく移動する人物などの位置を目的地とすることができる従来の技術として、ナビゲーション装置がある。このナビゲーション装置は、自動車に適用されるものであり、自装置の位置をGPSによって特定するとともに、対象人物の携帯端末の電話番号を管理サーバに送り、管理サーバからその携帯端末の最寄りの通信基地局の位置を受信する。さらにその通信基地局の位置を地図上に示し、その位置に至る経路を表示する(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−174525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、自動車に適用されるナビゲーション装置であり、一般道および高速道路を使用する経路しかナビゲーションすることができないという問題点がある。さらに、対象人物の位置は、通信基地局の位置で示されるので、相手の位置を正確に特定することができない。
【0006】
本発明の目的は、移動することがある目的地に対しても、道路だけでなく電車などの交通機関を用いた経路を検索して表示することができる携帯端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、通信端末装置を識別するための識別情報を入力する入力手段と、
入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
自装置の位置を検出する検出手段と、
交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報を取得する地図情報取得手段と、
検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの候補経路であって、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関を用いる候補経路を含む候補経路の中から、予め定める検索条件を満たす経路を検索する検索手段と、
検索手段によって検索された経路を、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示する表示手段とを含むことを特徴とする携帯端末装置である。
【0008】
本発明に従えば、入力手段によって、通信端末装置を識別するための識別情報が入力され、位置情報取得手段によって、入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を表す位置情報が取得され、検出手段によって、自装置の位置が検出され、地図情報取得手段によって、交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報が取得される。
【0009】
さらに、検索手段によって、検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの候補経路であって、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関を用いる候補経路を含む候補経路の中から、予め定める検索条件を満たす経路が検索され、表示手段によって、検索手段によって検索された経路が、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示される。
【0010】
このように、自装置の位置から位置情報取得手段によって取得される位置情報が示す位置つまり移動する相手の通信端末装置の位置までの経路を、交通機関を用いる候補経路を含む候補経路の中から検索するので、移動することがある目的地たとえば通信端末装置の位置が示す目的地に対しても、道路だけでなく電車などの交通機関を用いる経路を検索して表示することができる。
【0011】
また本発明は、交通機関を指定する交通機関指定手段をさらに含み、
前記検索手段は、経路を検索する際、交通機関指定手段によって指定された交通機関を用いる経路を優先して検索することを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、交通機関指定手段によって交通機関が指定され、検索手段が経路を検索する際、交通機関指定手段によって指定された交通機関を用いる経路を優先して検索するので、指定された交通機関たとえば電車、バス、飛行機、船、および徒歩を用いる経路を優先して検索し表示することができる。
【0013】
また本発明は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置が、携帯端末装置であるか固定端末装置であるかを判定する判定手段をさらに含み、
判定手段によって通信端末装置が携帯端末装置であると判定されると、予め定める時間が経過する度に、前記検出手段は、自装置の位置を新たに検出し、前記位置情報取得手段は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を表す位置情報を新たに取得し、前記検索手段は、検出手段によって新たに検出された位置から位置情報取得手段によって新たに取得された位置情報が示す位置までの経路を新たに検索し、さらに前記表示手段は、検索手段によって新たに検索された経路を、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、判定手段によって相手の通信端末装置が携帯端末装置であるか固定端末装置であるかが判定され、相手の通信端末装置が携帯端末装置であると判定されると、予め定める時間が経過する度に、検出手段によって自装置の位置が新たに検出され、位置情報取得手段によって相手の通信端末装置の位置を表す位置情報が新たに取得され、新たに検出された位置から新たに取得された位置情報が示す位置までの経路が検索手段によって新たに検索され、さらに新たに検索された経路が表示手段によって地図に重畳して表示されるので、相手の通信端末装置の種類によって、相手の通信端末装置の位置を更新するかしないかが切換えられ、相手の通信端末装置が携帯端末装置の場合、定期的に相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができる。
【0015】
また本発明は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置の更新を指示する更新指示手段と、
その通信端末装置の位置の更新を、予め定める時間が経過する度に行うか、更新指示手段によって指示されたときに行うかを選択する選択手段とをさらに含み、
選択手段によって、更新指示手段によって指示されたときに行うことが選択されてから、予め定める時間が経過する度に更新を行うことが選択されるまでは、更新指示手段によって指示される度に、前記検出手段は、自装置の位置を新たに検出し、前記位置情報取得手段は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を新たに取得し、前記検索手段は、検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの経路を新たに検索し、さらに前記表示手段は、検索手段によって新たに検索された経路を、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、選択手段によって、その通信端末装置の位置の更新を、予め定める時間が経過する度に行うか、相手の通信端末装置の位置の更新を指示する更新指示手段によって指示されたときに行うかが選択され、選択手段によって、更新指示手段によって指示されたときに行うことが選択されてから、予め定める時間が経過する度に更新を行うことが選択されるまでは、更新指示手段によって指示される度に、検出手段によって自装置の位置が新たに検出され、位置情報取得手段によって相手の通信端末装置の位置が新たに取得され、新たに検出された位置から新たに取得された位置情報が示す位置までの経路が、検索手段によって検索され、さらに新たに検索された経路が、表示手段によって地図に重畳して表示されるので、更新指示手段によって指示されたときのみ、移動する相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができる。
【0017】
また本発明は、前記地図情報取得手段は、地図情報を取得する際、その地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関の時刻情報をさらに取得し、
前記予め定める検索条件は、地図情報取得手段によって取得された時刻情報が示す時刻表に基づいて算出される移動時間が最短時間になる経路であるという条件であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、地図情報取得手段によって、地図情報を取得する際、その地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関の時刻情報が取得され、予め定める検索条件は、地図情報取得手段によって取得された時刻情報が示す時刻表に基づいて算出される移動時間が最短時間になる経路であるという条件であるので、交通機関を用いる最短の移動時間の経路を検索することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、移動することがある目的地たとえば通信端末装置の位置が示す目的地に対しても、道路だけでなく電車などの交通機関を用いる経路を検索して表示することができるので、ユーザは、人間などの移動する相手の位置まで、交通機関を利用する経路で移動することができる。
【0020】
また本発明によれば、指定された交通機関たとえば電車、バス、飛行機、船、および徒歩を用いる経路を優先して検索し表示することができるので、ユーザは、人間などの移動する相手の位置まで、ユーザが望む交通機関を利用する経路で移動することができる。
【0021】
また本発明によれば、相手の通信端末装置の種類によって、相手の通信端末装置の位置を更新するかしないかが切換えられ、相手の通信端末装置が携帯端末装置の場合、定期的に相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができるので、相手が固定端末装置の場合は、相手の通信端末装置の位置を無駄に更新することなく、相手が携帯端末装置の場合は、相手が移動したために利用すべき交通機関を変更する必要が生じた場合、すぐに対応することができる。
【0022】
また本発明によれば、更新指示手段によって指示されたときのみ、移動する相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができるので、ユーザが望まないタイミングでの経路の更新を抑止することができる。
【0023】
また本発明によれば、交通機関を用いる最短の移動時間の経路を検索することができるので、ユーザは、最短時間で移動することができる交通機関を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の実施の一形態である携帯端末10を含むナビゲーションシステム1の構成を示す。ナビゲーションシステム1は、携帯端末10、交通データサーバ20、および通信端末30を含む。
【0025】
携帯端末装置である携帯端末10は、端末制御部11、端末通信部12、表示部13、位置解析部14、番号解析部15、経路選択部16、データ処理部17、および機能選択部18を含む。端末制御部11は、端末通信部12、表示部13、位置解析部14、番号解析部15、経路選択部16、データ処理部17、および機能選択部18を制御し、それぞれの構成要素間と情報の送受信を行う。
【0026】
端末通信部12は、通信端末30と図示しない基地局を介して、および交通データサーバ20と無線通信を行うための通信回路である。表示部13は、たとえば液晶ディスプレイなどの表示装置によって構成され、ナビゲーションルートつまり目的地までの経路を示す地図を表示する。位置解析部14は、図示しないGPS(Global Positioning
System)機能を用いて自装置の位置を検出し、さらに目的地となる相手の通信端末装置たとえば通信端末30の位置を表す位置情報を、その通信端末30から端末通信部12によって取得する。番号解析部15は、通信端末30を識別するための識別情報たとえば電話番号に基づいて、その通信端末30が移動端末装置つまり携帯端末装置であるのか固定端末装置であるのかを解析する。以下、移動端末装置を移動端末、携帯端末装置を携帯端末、および固定端末装置を固定端末という。
【0027】
経路選択部16は、優先すべき交通機関を選択する。データ処理部17は、位置解析部14で検出された自装置の位置から相手の通信端末30の位置までの経路を、番号解析部15で解析された解析結果つまり携帯端末であるのか固定端末であるのかを基に、および経路選択部16によって選択された優先すべき交通機関を基に、交通データサーバ20から取得される地図情報、すなわち交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報が示す地図上の経路から検索する。機能選択部18は、目的地の更新を自動で行うか手動で行うかを選択する。
【0028】
交通データサーバ20は、後述するデータベースを有し、データベースに記憶する情報を携帯端末10あるいは通信端末30に提供する。交通データサーバ20は、サーバ制御部21、サーバ通信部22、およびデータベース23を含む。サーバ制御部21は、サーバ通信部22およびデータベース23を制御する。サーバ通信部22は、携帯端末10と無線通信、および通信端末30と無線通信あるいは有線通信を行うための通信回路である。データベース23は、電車、バス、飛行機、および船などの交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報、およびこれらの交通機関の時刻表を表す時刻表情報を含む情報を記憶するデータベースである。
【0029】
通信端末30は、目的地となる位置を示す相手の通信端末装置であり、たとえば携帯端末あるいは固定端末である。通信端末30が携帯端末である場合は、携帯端末10と同様に、GPSによって自装置の位置を検出することができる。通信端末30が固定端末である場合は、携帯端末10と同様GPSによって自装置の位置を検出してもよいが、設置される場所が固定されているので、GPSを用いずに自装置の位置を予めメモリなどに設定しておくようにしてもよい。通信端末30は、図示しない基地局を介して携帯端末10と無線通信することができ、自装置の位置を示す位置情報を携帯端末10へ送信することができる。
【0030】
図2は、図1に示した携帯端末10が実行する通信端末30の種類の判定処理を示すフローチャートである。携帯端末10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを含み、このCPUは、半導体メモリなどの記憶装置であるメモリに記憶されるナビゲーションプログラムを実行することによって、このフローチャートを処理する。ナビゲーション機能は、ナビゲーションプログラムが実行されることによって実現される機能であり、端末制御部11、位置解析部14、番号解析部15、経路選択部16、データ処理部17、および機能選択部18を含む。携帯端末10の図示しない操作ボタンによって、ナビゲーション機能が選択されると、ステップS1に移る。
【0031】
ステップS1では、電話番号を入力させる。すなわち目的地とする相手の通信端末30の電話番号の入力要求を表示部13に表示し、ユーザに携帯端末10の図示しない操作ボタンによって電話番号を入力させる。ステップS2では、入力された電話番号を解析する。すなわち番号解析部15がステップS1で入力された電話番号が、携帯端末電話番号つまり携帯電話あるいはPHSなどの移動端末の電話番号であるか、固定端末電話番号つまり家庭あるいは事務所などに設置される固定電話あるいは公衆電話などの固定端末の電話番号であるかを解析する。
【0032】
ステップS3では、ステップS2での解析結果が、固定電話などの固定端末の電話番号であるか否かを判定する。固定端末電話番号である場合、ステップS4へ進み、固定端末電話番号でない場合、ステップS5へ進む。ステップS4では、第1ナビゲーションを起動して、すなわち目的地の更新を行わないナビゲーションを起動して、終了する。ステップS5では、第2ナビゲーションを起動して、すなわち目的地の更新を行うナビゲーションを起動して、終了する。ステップS4で起動された第1ナビゲーションおよびステップS5で起動された第2ナビゲーションともに、図3に示す優先経路選択処理を実行する。
【0033】
図3は、図1に示した携帯端末10が実行する優先経路選択処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、目的地までの経路を検索する際に優先される経路つまり優先すべき移動手段を選択するための処理を示す。図2に示した処理が終了すると、ステップT1へ移る。
【0034】
ステップT1では、使用者の位置情報を取得する。すなわち、位置解析部14によって、図示しないGPS機能を用いて自携帯端末10の位置を検出する。ステップT2では、対象人物の位置情報を取得する。すなわち相手の通信端末30の位置を示す位置情報を、端末通信部12を介して相手の通信端末30から取得する。ステップT3では、優先経路を選択し、選択された優先経路によって分岐する。優先経路の選択つまり優先して利用する移動手段の選択は、経路選択部16が、電車、バス、飛行機、および船などの交通機関ならびに徒歩(以下徒歩を含めて交通機関という)の中から、携帯端末10の図示しない操作ボタンの指示によって予めメモリに設定されている優先経路に関する情報に基づいて選択する。
【0035】
優先経路として電車が選択されると、ステップT4へ進み、優先経路としてバスが選択されると、ステップT5へ進み、優先経路として徒歩が選択されると、ステップT6へ進み、優先経路としてその他の移動手段が選択されると、ステップT7へ進む。ステップT4では、第3ナビゲーションを起動して、すなわち経路を検索する際に電車による経路を優先して検索するナビゲーションを起動して、終了する。ステップT5では、第4ナビゲーションを起動して、すなわち経路を検索する際にバスによる経路を優先して検索するナビゲーションを起動して、終了する。ステップT6では、第5ナビゲーションを起動して、すなわち経路を検索する際に徒歩による経路を優先して検索するナビゲーションを起動して、終了する。ステップT7では、第6ナビゲーションを起動して、すなわち経路を検索する際にその他の移動手段による経路を優先して検索するナビゲーションを起動して、終了する。
【0036】
ステップT4で起動された第3ナビゲーション、ステップT5で起動された第4ナビゲーション、ステップT6で起動された第4ナビゲーション、およびステップT7で起動された第6ナビゲーションともに、図4に示す目的地更新処理を実行する。
【0037】
図4は、図1に示した携帯端末10が実行する目的地更新処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、目的地までの経路の検索および目的地の更新による経路の再検索の処理を示す。図3に示した処理が終了すると、ステップU1へ移る。
【0038】
ステップU1では、目的地を自動更新にするか否かを判定する。すなわち機能選択部18は、自動更新にするか手動更新にするかを、携帯端末10の図示しない操作ボタンの指示によって予めメモリに設定されている目的地更新に関する情報に基づいて判定する。自動更新の場合、ステップU2へ進み、自動更新でない場合つまり手動更新の場合、ステップU8へ進む。第1ナビゲーションの場合は、目的地を自動更新にするか否かを判断せずに、ステップU8へ進む。
【0039】
ステップU2では、目的地を更新するための更新時間を設定する。更新時間は、携帯端末10の図示しない操作ボタンによって予めメモリに設定されている時間をタイマに設定する。タイマは、RTC(Real Time Clock)でもよいし、CPUによって処理されるソフトタイマであってもよい。ステップU3では、データベースを参照する。すなわち、端末通信部12を介して、交通データサーバ20のデータベース23から地図情報および時刻表情報を取得する。
【0040】
ステップU4では、最短経路を算出する。すなわちデータ処理部17は、データベース23から取得した地図情報が示す地図の経路のうち、図3に示したステップT3で選択された優先経路つまり優先すべき移動手段を含む経路の中から、図3に示したステップT1で取得した自携帯端末10の位置から図3に示したステップT2で取得した相手の通信端末30の位置までの経路を検索する。その際、データベース23から取得した時刻表情報に基づいて移動時間を算出し、算出した移動時間が最短の経路を検索し、さらに検索した経路を、データベース23から取得した地図情報が示す地図に重畳して、表示部13に表示する。図3に示したステップT3で選択された優先経路は、第3ナビゲーションの場合は電車であり、第4ナビゲーションの場合はバスであり、第5ナビゲーションの場合は徒歩であり、第6ナビゲーションの場合はその他の移動手段である。
【0041】
ステップU5では、目的地付近に到着したか否かを判定する。目的地付近に到着した場合は、終了し、目的地付近に到着していない場合は、ステップU6へ進む。ステップU6では、更新要求があったか否かを判定する。更新要求があった場合は、ステップU3へ戻り、更新要求がなかった場合は、ステップU7へ進む。ステップU7では、ステップU2で設定された更新時間が経過したか否かをタイマによって判断する。更新時間が経過した場合は、ステップU3へ戻り、更新要求がなかった場合は、ステップU7へ戻る。
【0042】
ステップU8では、データベースを参照する。すなわち、端末通信部12を介して、交通データサーバ20のデータベース23から地図情報および時刻表情報を取得する。ステップU9では、最短経路を算出する。すなわちデータ処理部17は、データベース23から取得した地図情報が示す地図の経路のうち、図3に示したステップT3で選択された優先経路を含む経路の中から、図3に示したステップT1で取得した自携帯端末10の位置から図3に示したステップT2で取得した相手の通信端末30の位置までの経路を検索する。その際、データベース23から取得した時刻表情報に基づいて移動時間を算出し、算出した移動時間が最短の経路を検索し、さらに検索した経路を、データベース23から取得した地図情報が示す地図に重畳して、表示部13に表示する。図3に示したステップT3で選択された優先経路は、第3ナビゲーションの場合は電車であり、第4ナビゲーションの場合はバスであり、第5ナビゲーションの場合は徒歩であり、第6ナビゲーションの場合はその他の移動手段である。
【0043】
ステップU10では、目的地付近に到着したか否かを判定する。目的地付近に到着した場合は、終了し、目的地付近に到着していない場合は、ステップU11へ進む。ステップU11では、自動更新に切換えるか否かを判定する。自動更新に切換えるか否かの指示は、たとえば携帯端末10の図示しない操作ボタンによって指示される。自動更新に切換える場合、ステップU2へ進み、自動更新に切換えない場合、ステップU12へ進む。第1ナビゲーションの場合は、自動更新に切換えるか否かを判断せずに、ステップU12へ進む。ステップU12では、目的地更新か否かを判定する。すなわち、たとえば携帯端末10の図示しない操作ボタンによって目的地の更新要求があったか否かを判定する。更新要求があった場合は、ステップU8へ戻り、更新要求がなかった場合は、ステップU10へ戻る。
【0044】
上述した実施の形態では、優先すべき交通機関、および目的地を自動更新にするか手動更新にするかを、携帯端末10の操作ボタンによって予めメモリに記憶された情報に基づいて処理したが、優先すべき交通機関、または目的地を自動更新にするか手動更新にするかの入力要求を表示部13に表示して、携帯端末10の操作ボタンによって入力される情報に基づいて処理してもよい。
【0045】
このように、入力手段たとえば携帯端末10の操作ボタンによって、通信端末装置たとえば通信端末30を識別するための識別情報たとえば電話番号が入力され、位置情報取得手段たとえば端末通信部12および位置解析部14によって、入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置つまり相手の通信端末30の位置を表す位置情報が取得され、検出手段たとえば位置解析部14によって、自装置の位置つまり自携帯端末10の位置が検出され、地図情報取得手段たとえば端末通信部12によって、交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報が取得される。
【0046】
さらに、検索手段たとえばデータ処理部17によって、検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの候補経路であって、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関を用いる候補経路を含む候補経路の中から、予め定める検索条件を満たす経路が検索され、表示手段たとえば表示部13によって、検索手段によって検索された経路が地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示される。
【0047】
すなわち、自装置たとえば自携帯端末10の位置から、位置情報取得手段たとえば端末通信部12および位置解析部14によって取得される位置情報が示す位置つまり移動する相手の通信端末装置たとえば通信端末30の位置までの経路を、交通機関を用いる候補経路を含む候補経路から検索するので、移動することがある目的地たとえば通信端末装置の位置が示す目的地に対しても、道路だけでなく電車などの交通機関を用いる経路を検索して表示することができる。したがって、ユーザは、人間などの移動する相手の位置まで、交通機関を利用する経路で移動することができる。
【0048】
さらに、交通機関指定手段たとえば携帯端末10の操作ボタンによって交通機関が指定され、検索手段たとえばデータ処理部17が経路を検索する際、交通機関指定手段によって指定された交通機関たとえば電車、バス、飛行機、船、および徒歩を用いる経路を優先して検索するので、指定された交通機関を用いる経路を優先して検索し表示することができる。したがって、ユーザは、人間などの移動する相手の位置まで、ユーザが望む交通機関を利用する経路で移動することができる。
【0049】
さらにまた、判定手段たとえば番号解析部15によって相手の通信端末装置が携帯端末装置であるか固定端末装置であるかが判定され、相手の通信端末装置が携帯端末装置であると判定されると、予め定める時間が経過する度に、検出手段たとえば位置解析部14によって、自装置の位置が新たに検出され、位置情報取得手段たとえば端末通信部12および位置解析部14によって、相手の通信端末装置の位置を表す位置情報が新たに取得され、新たに検出された位置から新たに取得された位置情報が示す位置までの経路が、検索手段たとえばデータ処理部17によって新たに検索され、さらに新たに検索された経路が、表示手段たとえば表示部13によって地図に重畳して表示されるので、相手の通信端末装置の種類によって、相手の通信端末装置の位置を更新するかしないかが切換えられ、相手の通信端末装置が携帯端末装置の場合、定期的に相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができる。したがって、相手が固定端末装置の場合は、相手の通信端末装置の位置を無駄に更新することなく、相手が携帯端末装置の場合は、相手が移動したために利用すべき交通機関を変更する必要が生じた場合、すぐに対応することができる。
【0050】
さらに、選択手段たとえば携帯端末10の操作ボタンによって、その通信端末装置の位置の更新を、予め定める時間が経過する度に行うか、相手の通信端末装置の位置の更新を指示する更新指示手段たとえば携帯端末10の操作ボタンによって指示されたときに行うかが選択され、選択手段によって、更新指示手段によって指示されたときに行うことが選択されてから、予め定める時間が経過する度に更新を行うことが選択されるまでは、更新指示手段によって指示される度に、検出手段たとえば位置解析部14によって自装置の位置が新たに検出され、位置情報取得手段たとえば端末通信部12および位置解析部14によって相手の通信端末装置の位置が新たに取得され、新たに検出された位置から新たに取得された位置情報が示す位置までの経路が、検索手段たとえばデータ処理部17によって新たに検索され、さらに新たに検索された経路が、表示手段たとえば表示部13によって地図に重畳して表示されるので、更新指示手段によって指示されたときのみ、移動する相手の通信端末装置の位置を更新し、新たな経路を検索して表示することができる。したがって、ユーザが望まないタイミングでの経路の更新を抑止することができる。
【0051】
さらにまた、地図情報取得手段たとえば端末通信部12および位置解析部14によって、地図情報を取得する際、その地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関の時刻情報が取得され、予め定める検索条件すなわち経路を検索する際の条件は、地図情報取得手段によって取得された時刻情報が示す時刻表に基づいて算出される移動時間が、最短時間になる経路であるという条件であるので、交通機関を用いる最短の移動時間の経路を検索することができる。したがって、ユーザは、最短時間で移動することができる交通機関を利用することができる。
【0052】
このように、本発明は、対象人物つまり相手の通信端末装置の種類たとえば移動端末か固定端末かによって、対象人物の位置取得の頻度を変更するので、不必要に相手の位置情報を取得する必要をなくすことができ、リルート機能主体でなく道案内機能主体になり案内しやすくなる。優先経路を選択すること、あるいは相手の位置の更新を自動手動どちらでも選択することができるので、ユーザが望む経路を導き出し、ストレスのかかりにくい案内を行うことが可能になる。ユーザは、電話番号を入力するだけで、ナビゲーションの検索方法あるいは更新の切り替えなどを気にする必要がない。さらに、相手の通信端末装置でGPS機能などによって検出される位置を表す位置情報を、その通信端末装置から取得するので、相手の位置を正確に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の一形態である携帯端末10を含むナビゲーションシステム1の構成を示す。
【図2】図1に示した携帯端末10が実行する通信端末30の種類の判定処理を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した携帯端末10が実行する優先経路選択処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した携帯端末10が実行する目的地更新処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 ナビゲーションシステム
10 携帯端末
11 端末制御部
12 端末通信部
13 表示部
14 位置解析部
15 番号解析部
16 経路選択部
17 データ処理部
18 機能選択部
20 交通データサーバ
21 サーバ制御部
22 サーバ通信部
23 データベース
30 通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末装置を識別するための識別情報を入力する入力手段と、
入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
自装置の位置を検出する検出手段と、
交通機関の路線が記載された地図を表す地図情報を取得する地図情報取得手段と、
検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの候補経路であって、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関を用いる候補経路を含む候補経路の中から、予め定める検索条件を満たす経路を検索する検索手段と、
検索手段によって検索された経路を、地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示する表示手段とを含むことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
交通機関を指定する交通機関指定手段をさらに含み、
前記検索手段は、経路を検索する際、交通機関指定手段によって指定された交通機関を用いる経路を優先して検索することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置が、携帯端末装置であるか固定端末装置であるかを判定する判定手段をさらに含み、
判定手段によって通信端末装置が携帯端末装置であると判定されると、予め定める時間が経過する度に、前記検出手段は、自装置の位置を新たに検出し、前記位置情報取得手段は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を表す位置情報を新たに取得し、前記検索手段は、検出手段によって新たに検出された位置から位置情報取得手段によって新たに取得された位置情報が示す位置までの経路を新たに検索し、さらに前記表示手段は、検索手段によって新たに検索された経路を、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置の更新を指示する更新指示手段と、
その通信端末装置の位置の更新を、予め定める時間が経過する度に行うか、更新指示手段によって指示されたときに行うかを選択する選択手段とをさらに含み、
選択手段によって、更新指示手段によって指示されたときに行うことが選択されてから、予め定める時間が経過する度に更新を行うことが選択されるまでは、更新指示手段によって指示される度に、前記検出手段は、自装置の位置を新たに検出し、前記位置情報取得手段は、前記入力手段によって入力された識別情報が示す通信端末装置の位置を新たに取得し、前記検索手段は、検出手段によって検出された位置から位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置までの経路を新たに検索し、さらに前記表示手段は、検索手段によって新たに検索された経路を、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報が示す地図に重畳して表示することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記地図情報取得手段は、地図情報を取得する際、その地図情報が示す地図に記載された路線の交通機関の時刻情報をさらに取得し、
前記予め定める検索条件は、地図情報取得手段によって取得された時刻情報が示す時刻表に基づいて算出される移動時間が最短時間になる経路であるという条件であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−218637(P2007−218637A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37116(P2006−37116)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】