説明

撮像装置

【課題】フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置を用いて平面的な被写体の撮像を行う場合に、撮像装置が被写体に対して正対していなくて斜めに傾いていても、明るさのムラが生じない画像を撮像することができる撮像装置。
【解決手段】画面内に中央部の明るさレベルを検出する中央領域、及び前記発光部に各々対応して明るさレベルを検出する複数の周辺領域を設け、所定の被写体に対して複数の前記発光部を同時に発光して撮像を行い画像を取得した後、前記中央領域及び前記周辺領域の明るさレベルを各々検出し、明るさレベルが低い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を延長させ、明るさレベルが高い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を短縮させるべく制御する制御手段を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
殆どのデジタルカメラにはフラッシュ発光を行う発光部が備えられているので、暗い室内でも容易に撮像が可能である。しかし、発光部を備えたデジタルカメラにおいては撮像レンズと発光部との距離が短いので、壁の近くに人物を配置して撮像したときには、壁に写った人物の影が人物の片方の側に黒い輪郭となり、見苦しい画像となる場合がある。
【0003】
このような場合の対策として、二つの発光部を備えたデジタルカメラ、即ち撮像装置が特許公報に開示されている。この公報によれば、二つの発光部を別々に発光させて撮像し、2枚の画像データの内より輝度の高いデータを優先して2枚の画像データを合成して1枚の画像を生成するものである。(特許文献1参照)。
【0004】
また、例えば歯の治療や歯の美容整形の際に、歯を撮像することがある。この場合は、数十センチの距離の接写となるので、従来の如き1個の発光部のみで発光させると、撮像レンズを中心にして発光部がある側と発光部がない側とで撮像した歯の明るさが異なるので、正確な診断ができない。従って、特に接写を行う場合には、発光部は少なくとも撮像レンズの左右に1個ずつ設けられていることが望ましい。
【特許文献1】特開平11−196325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の如く、特に接写を行う場合には、発光部を少なくとも撮像レンズの左右に1個ずつ設けて左右から同時に発光させることができる撮像装置が望ましい。
【0006】
このような撮像装置を用い、比較的平面な被写体を撮像する場合に、下記のような問題が生ずることがある。即ち、撮像場所等の制約によって撮像装置の撮像レンズを平面な被写体に正対させることができず、斜めから撮像することがある。また、カメラに不慣れな人は撮像場所等に制約がなくても斜めから撮像してしまうことがある。例えば、発光部が撮像レンズの左右に配置されている撮像装置を用い、斜めから撮像した場合には、右側の発光部と被写体との距離と、左側の発光部と被写体との距離とが異なってくる。通常は左右の発光部からの発光量が等しくなるように設定されているので、被写体に対して遠い側の発光部から発光したフラッシュ光が主として照射される被写体の撮像領域は露出不足になり、被写体に対して近い側の発光部から発光したフラッシュ光が主として照射される被写体の撮像領域は露出過度になって、撮像した画像が左右で明るさのムラになる。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置を用いて平面的な被写体の撮像を行う場合に、撮像装置が被写体に対して正対していなくて斜めに傾いていても、明るさのムラが生じない画像を撮像することができる撮像装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置において、画面内に中央部の明るさレベルを検出する中央領域、及び前記発光部に各々対応して明るさレベルを検出する複数の周辺領域を設け、所定の被写体に対して複数の前記発光部を同時に発光して撮像を行い画像を取得した後、前記中央領域及び前記周辺領域の明るさレベルを各々検出し、明るさレベルが低い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を延長させ、明るさレベルが高い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を短縮させるべく制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像装置は、フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置において、画面内の周辺に前記発光部に各々対応する複数の測距領域を有し、各測距領域毎に測距を行う測距手段と、前記測距手段が各々の前記測距領域にて測距した被写体距離に応じて適正露出となるように各発光部の発光時間を変化させるべく制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の撮像装置によれば、フラッシュ発光を行う複数の発光部を備え、平面的な被写体の撮像を行う場合に、撮像装置が被写体に対して正対していなくて斜めに傾いていても、フラッシュ光の補正を行うので、明るさのムラが生じない画像を撮像することができる。従って、特に接写を行うときに効果が大きく、例えば歯の治療や歯の美容整形の際に均一な明るさで歯を撮像することができ、正確な診断が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
先ず、本発明の撮像装置の一例を図1を参照して説明する。図1は撮像装置の外観図であり、図1(A)は撮像装置の上面図、図1(B)は撮像装置の正面図である。
【0012】
図1(B)に示す如く、撮像装置1の正面中央にはズームレンズである撮像レンズ11が配置されている。撮像レンズ11の右側にはフラッシュ発光を行う発光部12が配置され、撮像レンズ11の左側にもフラッシュ発光を行う発光部13が配置されている。
【0013】
図1(A)に示す如く、撮像装置1の上面には撮像装置1内部の電子回路の電源に対してオン・オフを行う電源釦14が配置され、その隣にはレリーズ釦15が配置されている。
【0014】
撮像装置1の背面には、通常撮像モード、動画撮像モード、再生モード、セットアップモード、プリントモード等を行うモードダイヤル16が配置され、その隣にはズームアップ及びズームダウンを行うズーム釦17が配置されている。また、不図示であるが、メニュー釦、4方向スイッチからなる選択釦、セット釦、LCDからなり撮像した画像を表示する表示部等が配置されている。各種のメニューについてもメニュー釦で前記表示部に表示させ、選択釦で選択した後、セット釦で確定する。また、撮像記録した画像を消去する消去釦も配置されている。
【0015】
撮像装置1の底面には、不図示であるが、三脚座、ACアダプタの接続端子、外部機器との接続のための接続端子等が配置されている。
【0016】
撮像装置1の側面には、不図示であるが、撮像装置1内部の電子回路の電源となる電池を収納する電池室の蓋、画像記録を行うメモリカードを収納するメモリカード室の蓋等が配置されている。
【0017】
次に、撮像装置1の主要構成部のブロック図を図2を参照して説明する。
【0018】
被写体の光像は撮像レンズ11に対応する撮像レンズ21により撮像素子であるCCD22に結像する。無論、CCDに代えてCMOSを用いてもよい。CCD22は赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の各色透過フィルタが画素単位で配置されたカラーエリアセンサであり、被写体の光像をR,G,Bの各色成分の画像信号に光電変換する。
【0019】
画像信号は不図示のCDS回路やAGC回路を経てA/D変換部23でデジタル信号に変換される。
【0020】
続いて、画像信号は画像処理部24で黒レベル補正やシューディング補正等の画像処理がされ、記録部25に記録される。また、画像信号はLCDからなる表示部26に視認可能な画像として表示される。
【0021】
CPU27は各回路を制御するマイクロコンピュータである。CPU27はAE・AF回路28(測距手段)を駆動し、撮像レンズ21に付随する絞りを被写体輝度に応じて設定するAE制御や、被写体の光像がCCD22に合焦するように撮像レンズ21を被写体距離に応じて移動させるAF制御を行う。
【0022】
また、CPU27にはRAMからなる記憶部29やスイッチS1,S2が接続されている。スイッチS1はレリーズボタン15を途中まで押下したときにオンになり、スイッチS2はレリーズボタン15を充分に押下したときにオンになる。
【0023】
更に、CPU27はストロボ制御回路31を制御し、ストロボ制御回路31はストロボ回路40を制御してフラッシュ発光を行う。
【0024】
ストロボ回路40は一つの昇圧回路41と二つの発光回路50,60とからなる。発光回路50,60はストロボ光(フラッシュ光)を発光するキセノン管51,61、キセノン管51,61の発光を開始させるトリガ回路52,62、キセノン管51,61の発光時間を制御するスイッチング素子であるIGBT53,63、ストロボ光を発光するための電荷を充電するメインコンデンサ54,64からなる。なお、トリガ回路52,62はトリガコイル、トリガコンデンサ、サイリスタ等からなる。
【0025】
また、発光回路50からのストロボ光は発光部12から発光し、発光回路60からのストロボ光は発光部13から発光するものとする。
【0026】
CPU27の指令よりストロボ制御回路31は昇圧回路41を作動させて電源電圧を高圧に昇圧させ、予めメインコンデンサ54,64やトリガコンデンサの充電を行っておく。撮像が開始されると、CPU27の指令よりストロボ制御回路31はIGBT53,63をオンにさせる。続いて、ストロボ制御回路31はトリガ回路52,62のサイリスタをオンにしてトリガコンデンサの放電によりトリガコイルの二次側に高圧を掛けると、キセノン管51,61はメインコンデンサ54,64の電荷により発光を開始する。キセノン管51,61の発光中にCPU27の指令よりストロボ制御回路31がIGBT53,63をオフにすると、キセノン管51,61の発光が停止する。
【0027】
なお、AE・AF回路28により測距した撮像距離に基づいて、CPU27はストロボ制御回路31にIGBT53,63をオフにするタイミングを制御する。即ち、撮像距離が短いならばIGBT53,63をオフにするタイミングを早くしてキセノン管51,61からの発光量を少なくし、撮像距離が長いならばIGBT53,63をオフにするタイミングを遅くしてキセノン管51,61からの発光量を多くして、撮像した画像を適正露出にする。
【0028】
図3に発光回路50のタイミングチャートを示す。
【0029】
発光部12から発光させる場合は、CPU27はストロボ回路制御回路31を作動させ、発光回路50のIGBT53をオンにする。続いて、トリガ回路52のサイリスタをオンにすることにより、キセノン管51は発光を開始する。撮像距離に応じた所定の時間が経過した後に、IGBT53をオフにすれば、キセノン管51の発光は停止する。
【0030】
発光部13から発光させるために発光回路60を作動させるときも同様である。
【0031】
ここで、通常の撮像時には図1に示すモードダイヤル16にて通常撮像モードを選択し、キセノン管51,61、即ち発光部12,13の双方を同時に発光させて撮像する。このように発光部12,13を同時に発光させる場合は、一つの発光部を発光させる場合と比較して、個々の発光量は1/2でよい。
【0032】
従って、被写体の後方に壁等があったときには、壁に写る影は和らげられる。また、接写時に、一つの発光部を発光させる場合には撮像画面における左右の明るさが異なってムラになるが、二つの発光部を発光させる場合は撮像画面における左右の明るさが均一になってムラになることがない。
【0033】
二つの発光部を同時に発光させる場合には上記の様な利点があるが、平面的な被写体を撮像する場合に、被写体に対して撮像装置が正対していなく、斜めから撮像したときには、右側の発光部と被写体との距離と、左側の発光部と被写体との距離とが異なってくる。通常は左右の発光部からの発光量が等しくなるように設定されているので、被写体に対して遠い側の発光部で撮像した領域は露出不足になり、被写体に対して近い側の発光部で撮像した領域は露出過度になって、撮像した画像が左右で明るさのムラになる。
【0034】
この問題を解決するために、本撮像装置は二つの発光部の発光量を自動的に調整して発光量が略等しくなるように補正する。
【0035】
以下に、二つの発光部の発光量を自動的に補正する2種の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態を図4のフローチャートを中心に説明する。
【0036】
撮像を行うときには、撮像モードに設定し、表示部26にて被写体の構図を決める(S101)。続いて、レリーズボタン15を途中まで押下し、1段目のスイッチS1がオンになったならば(S102のY)、これを検出したCPU27はAE・AF回路28を制御して測光と測距とを行わせ(S103)、また、ストロボ制御回路31を制御してキセノン管51,61を同時にプリ発光させる(S104)。即ち、発光部12,13からストロボ光を同時にプリ発光させる。プリ発光においては、メインコンデンサ54,64の電荷を全て発光させるのではなく、例えば本発光の1/30程度の発光量でよい。従って、適正露出にするためには全く光量不足であるが、後述するように明るさレベルの比較のためであるので、これで充分である。
【0037】
また、LED等の別の光源を設け、プリ発光時にこれを発光させてもよい。
【0038】
そして、プリ発光により取得した画像を記録部25に記録すると共に、CPU27は該画像における中央領域の明るさレベル、及び各発光部に各々対応する周辺領域の明るさレベルを各々検出し、比較する(S105)。
【0039】
具体的には、図5を参照して説明する。図5はプリ発光して撮像したときにCCD22に結像した画面の図である。
【0040】
撮像した画面5において、中央領域5a、周辺領域5b及び周辺領域を5cを設定する。中央領域5aは発光部12,13の双方からのストロボ光が同等に照射される画像の中央領域であり、周辺領域5bは主として発光部12からのストロボ光が照射される領域であり、周辺領域5cは主として発光部13からのストロボ光が照射される領域である。
【0041】
CPU27は、中央領域5a、周辺領域5b及び周辺領域5cの明るさレベルを抽出する。具体的には、各領域の全ての画素の明るさを0〜255の8ビットに分割し、明るさの平均値を算出する。そして、この値を記憶部29に記憶する。続いて、CPU27は記憶部29から各領域の明るさレベルを取り出し、周辺領域5b及び周辺領域5cの明るさレベルを中央領域5aの明るさレベルと各々比較する。
【0042】
なお、必ずしも画像の中央部の画素の明るさレベルを平均する必要はなく、明るさレベルを代表する値ならば中央値等であってもよい。
【0043】
例えば、図6に示す如く、平面的な被写体3に対して、被写体距離が発光部12の側が遠く、発光部13の側が近くなるように撮像装置1が傾いていたとする。図6において、撮像装置1と被写体3との間の斜線は実線が撮像レンズへの入射光路、破線は発光部12,13からのストロボ光の照射光路を示す。発光部13と被写体3との距離は近いので、ストロボ光は被写体3により強く照射され、CCD22に結像した画面5においては中央領域5aの明るさレベルより周辺領域5cの明るさレベルの方が高くなる。一方、発光部12と被写体3との距離は遠いので、ストロボ光は被写体3により弱く照射され、画面5においては中央領域5aの明るさレベルより周辺領域5bの明るさレベルの方が低くなる。
【0044】
なお、CCD22に結像した画面5においては被写体像が上下左右に逆像になるので、例えば右側にある被写体が画面5においては左側に結像する。
【0045】
このように、周辺領域5b及び周辺領域5cの明るさレベルと中央領域5aの明るさレベルとに差がある場合には(S106のY)、発光回路60におけるIGBT53,63のオン時間、即ちIGBT53,63がオフになるまでの時間を変化させる。
【0046】
上記の如く、CCD22に結像した画面5において、中央領域5aの明るさレベルより周辺領域5cの明るさレベルの方が高く周辺領域5bの明るさレベルの方が低くなったときには、CPU27は発光部12に対応する発光回路50からのストロボ光が強くなるようにIGBT53のオン時間を長くし、発光部13に対応する発光回路60からのストロボ光が弱くなるようにIGBT63のオン時間を短くするように制御する。
【0047】
なお、明るさレベルの差の値に対応するIGBT53,63のオン時間の変化量に関しては、予めテーブルとして記憶部29に記憶しておく。
【0048】
このようにIGBT53,63のオン時間を補正した後は(S107)、発光量の制御が終了した旨を表示部26に表示する(108)。
【0049】
続いて、レリーズボタン15を更に押下すれば、2段目のスイッチS2がオンになり(S109のY)、CPU27はストロボ制御回路31を制御し被写体距離に応じて適正露出になる光量でキセノン管51,61より発光させる本発光を行うが(S110)、上述の如くIGBT53,63のオン時間が補正されている。この状態で画像を記録部25に記録する(S111)。従って、被写体3が傾いていても画面5において画像の明るさレベルが均一に記録される。
【0050】
なお、周辺領域5b及び周辺領域5cの明るさレベルと中央領域5aの明るさレベルとに差がない場合には(S106のN)、IGBT53,63のオン時間の補正をせず、表示部26に表示することもなく、スイッチS2のオンより(S109のY)、通常の発光制御を行って(S110)、画像記録する(S111)。
【0051】
以上の実施の形態に関し、発光部12,13や発光回路50,60は2組であったが、場合によっては発光部を上下左右に設けると共に発光回路を4組設けるようにして、上下左右の被写体の傾きに対応できるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態を図7のフローチャートを中心に説明する。
【0052】
撮像を行うときには、撮像モードに設定し、表示部26にて被写体の構図を決める(S201)。続いて、レリーズボタン15を途中まで押下し、1段目のスイッチS1がオンになったならば(S202のY)、これを検出したCPU27はAE・AF回路28を制御して測光と測距とを行わせる(S203)。
【0053】
ここで、図8に示す如く、CCD22に結像した画面7においては、測距領域7aと測距領域7bが設定されており、これらの各領域で各々測距を行う。
【0054】
従って、例えば第1の実施の形態の図6に示した如く、平面的な被写体3に対して被写体距離が発光部12の側が遠く、発光部13の側が近くなるように撮像装置1が傾いていたならば、測距領域7aで測距した被写体距離は遠距離に、測距領域7bで測距した被写体距離は近距離に検出される。
【0055】
このように、測距領域7aと測距領域7bとの測距結果に差があるならば(S204のY)、検出した被写体距離に応じて適正露出になるようにIGBT53,63のオン時間の補正を行う(S205)。被写体距離に対応したIGBT53,63のオン時間は予め記憶部29にテーブルとして記憶しておき、CPU27はこれを呼び出してストロボ制御回路31を制御する。
【0056】
そして、発光量の制御が終了した旨を表示部26に表示する(206)。
【0057】
続いて、レリーズボタン15を更に押下すれば、2段目のスイッチS2がオンになり(S207のY)、CPU27はストロボ制御回路31を制御し補正したIGBT53,63のオン時間に基づいてキセノン管51,61より発光させて(S208)、撮像し、画像を記録部25に記録する(S209)。従って、被写体3が傾いていても画面5において画像の明るさレベルが均一に記録される。
【0058】
なお、測距領域5aと測距領域5bとの測距結果に差がない場合には(S204のN)、IGBT53,63のオン時間の補正をせず、表示部26に表示することもなく、スイッチS2のオンより(S207のY)、通常の発光制御を行って(S208)、画像記録する(S209)。
【0059】
以上の実施の形態に関し、測距領域7aと測距領域7b、発光部12,13及び発光回路50,60はそれぞれ2組であったが、場合によっては測距領域を左右上下に設けると共に発光部を上下左右に設けて発光回路を4組設けるようにして、上下左右の被写体の傾きに対応できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】撮像装置の外観図である。
【図2】撮像装置の主要構成部のブロック図
【図3】発光部の発光を示すタイミングチャートである。
【図4】第1の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図5】撮像した画面における中央領域と周辺領域の図である。
【図6】撮像装置を被写体に対して傾けて設置した状態の上面図である。
【図7】第2の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図8】撮像した画面における測距領域の図である。
【符号の説明】
【0061】
1 撮像装置
3 被写体
5,7 画面
5a 中央領域
5b,5c 周辺領域
7a,7b 測距領域
11,21 撮像レンズ
12,13 発光部
15 レリーズ釦
22 CCD
25 記録部
26 表示部
27 CPU
28 AE・AF回路
29 記憶部
31 ストロボ制御回路
40 ストロボ回路
41 昇圧回路
50,60 発光回路
51,61 キセノン管
52,62 トリガ回路
53,63 IGBT
54,64 メインコンデンサ
S1,S2 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置において、
画面内に中央部の明るさレベルを検出する中央領域、及び前記発光部に各々対応して明るさレベルを検出する複数の周辺領域を設け、
所定の被写体に対して複数の前記発光部を同時に発光して撮像を行い画像を取得した後、前記中央領域及び前記周辺領域の明るさレベルを各々検出し、明るさレベルが低い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を延長させ、明るさレベルが高い前記周辺領域に関しては前記中央領域の明るさレベルになるように当該発光部の発光時間を短縮させるべく制御する制御手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
所定の発光部から発光したフラッシュ光が主として照射される被写体を撮像する画面内の領域に、当該発光部に対応する前記周辺領域を設けたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、レリーズボタンの押下による1段目のスイッチのオンにより光量の少ないプリ発光を行って各発光部の発光時間を変化させ、レリーズボタンの押下による2段目のスイッチのオンにより被写体距離に応じて適正露出になるフラッシュ発光を行うべく制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
フラッシュ発光を行う複数の発光部を備えた撮像装置において、
画面内の周辺に前記発光部に各々対応する複数の測距領域を有し、各測距領域毎に測距を行う測距手段と、
前記測距手段が各々の前記測距領域にて測距した被写体距離に応じて適正露出となるように各発光部の発光時間を変化させるべく制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
所定の発光部から発光したフラッシュ光が主として照射される被写体を撮像する画面内の領域に、当該発光部に対応する前記測距領域を設けたことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記測距手段は、レリーズボタンの押下による1段目のスイッチのオンにより行った測距結果に基づいて各発光部の発光時間を変化させ、レリーズボタンの押下による2段目のスイッチのオンにより被写体距離に応じて適正露出になるフラッシュ発光を行うべく制御することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
スイッチング素子がオフになるまでの時間を変化させることにより、前記発光部の発光時間を変化させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
発光量の制御が終了したことを表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−298941(P2008−298941A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143074(P2007−143074)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】