説明

新規な金属ストリップ材料

フレキシブル金属ストリップ製品は、フェライトクロム鋼ストリップ材料(2)にイットリウムで安定化したジルコニアの絶縁層を被膜(3、6、8)として備え、この被膜上に導電性の層を含む第2被膜(7)を設け得る。前記被膜は、下地の鋼と熱膨張が実用上等しいため、フレキシブル太陽電池および固体薄膜電池の絶縁層として非常に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段ロール(roll-to-roll)プロセスにより金属酸化物被膜付き金属ストリップを製造する方法に関し、特に、薄膜装置の製造に適した被膜付き基板材料に関する。これは、請求項1により、絶縁性酸化物層を備えた金属ストリップを製造することにより達成される。
【背景技術】
【0002】
何種類かの材料が基板材料として用いられており、薄膜フレキシブル製品の製造のために更に開発が行なわれている。フレキシブル基板材料を用いると幾つかの利点がある。一つは、多段ロール製造プロセスが可能なことであり、バッチタイプのプロセスに比べてコスト効率の高い製造ができる。二つ目は、薄膜フレキシブル製品には技術的な利点が幾つかあり、例えば、折ったり巻いたりしてコンパクトにパッケージ化できるし、軽量製品の製造に用いることができるので、携帯性が必要な宇宙および軍事用途に適している。薄膜フレキシブル製品に汎用される材料としては、例えば、ポリアミドなどのプラスチックフォイルや、ステンレス鋼、チタン、銅、モリブデン、アルミニウム、ニッケルなどのストリップまたはフォイルで、所定の基準を満たしたものがある。基板材料は薄膜製品の製造における処理工程に耐えるために耐熱性が必要であり、該処理工程には腐食雰囲気中での高温の熱処理が含まれる。しかし、薄膜フレキシブル製品の製造に基板材料として用いる導電性金属ストリップ材料は全て、集積した直列接続を有するモジュールを製造する場合には、絶縁処理を施す必要がある。従来、優れた絶縁性酸化物である酸化アルミニウムや酸化シリコンのような酸化物を金属のストリップまたはフォイルに被覆していた。しかし、これらの酸化物は下地の金属基板との間で熱膨張に大きな差があった。そのため、絶縁性金属酸化物層の割れや剥離を回避するには、基板材料の熱膨張係数を絶縁性金属酸化物層の熱膨張係数にできるだけ近づけなくてはならない。
【0003】
熱膨張差(MTE:mismatch in thermal expansion)は次のように定義する。すなわち、(TECSS−TECOX)/TECSS、ここでTECSSは金属ストリップ基板の熱膨張係数であり、TECOXは金属酸化物層の熱膨張係数である。
【0004】
フェライトステンレス鋼とイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)は固体酸化物燃料電池の作製に汎用されているが、それは両者の熱膨張差が著しく小さいからである。しかし、固体酸化物燃料電池のYSZは薄膜の状態ではなく薄板の状態であり、電解質として用いられている。
【0005】
従来は下記の各方法が汎用されている。
【0006】
● 導電性の背面コンタクトを金属ストリップ上に直接堆積させる。
【0007】
● 酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁層を金属ストリップ上に堆積させる。
【0008】
どちらの方法にもそれぞれの欠点がある。導電性の背面コンタクトをフレキシブル金属ストリップ基板に直接堆積させると、集積した直列接続を有するモジュールの製造が制限される。更に、絶縁層としてしばしば用いられるAl、Si、SiOまたはSiOのような材料は、下地の金属ストリップとの熱膨張差が大きいため、移行の処理工程での加熱中に割れやピンホールが生ずる原因になる。表1に、何種類かの絶縁材料および鋼の熱膨張係数をまとめて示す。表1中の熱膨張係数の値を用いて、金属ストリップと絶縁被膜との熱膨張差(MTE)が計算できる。表2に、幾組かの鋼と絶縁材料との熱膨張差を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主たる目的は、酸化物層と金属ストリップとの熱膨張差が非常に小さく、Cu(In;Ga)Se(略称:CIGS)フレキシブル太陽電池や固体薄膜電池のような薄膜フレキシブル製品を製造する基板材料に適した、酸化ジルコニウム被覆金属ストリップ製品を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、廉価であって且つ多段ロール処理で製造可能な薄膜製品用フレキシブル基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記および他の目的は、請求項1の特徴部分による構成を備えた被膜付き金属ストリップ製品の創作により驚異的な形で達成された。更に望ましい実施形態は各従属請求項に記載したとおりである。
【0012】
すなわち、上記の目的および更なる利点は、酸化イットリウムなどの安定化剤として通常用いる適当な金属酸化物で安定化した連続かつ均一な絶縁性ジルコニア薄層を、基材として機能する金属ストリップ上に被覆する。ジルコニア層の組成を選定することにより、用いる金属ストリップ基板と熱膨張係数を合わせるようにする。ジルコニア層はピンホールが無くて滑らかで緻密であるべきで、そうでないと以降の処理時にピンホールが導通路となる。金属ストリップ基板からの絶縁を確実に行なうために、ジルコニアを多層に堆積させることができる。多層構造の利点は、酸化物絶縁層内のピンホールすなわち導通路が途中で止まることである。また、金属基板上に連続かつ均一で緻密なジルコニア層を堆積させることにより、例えば金属ストリップ上に陽極酸化層を形成する場合に比べて、ジルコニア層の絶縁性および厚さを容易に制御できる。その上、熱成長した酸化層に比べて、ジルコニア層は基板との密着性が高い。必要に応じて、ジルコニア層をストリップ材料の両面に堆積させれば、僅かの熱膨張差で熱処理中に生ずるカールを完全に防止できる。
【0013】
また、必要な場合には、ジルコニア層上に金属層を堆積させて、背面電気コンタクトとすることもできる。最終的な製品がCIGSフレキシブル薄膜太陽電池の場合、上記の金属層としてモリブデンを用いる。しかし、最終製品が薄膜電池の場合は、背面金属コンタクトはアルミニウムまたは銅であってよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔被覆を施す金属ストリップ〕
被覆を施す金属ストリップとしては、ジルコニア被膜との熱膨張差の小さい金属ストリップ材料、望ましくはステンレス鋼、最も望ましくはフェライトクロム鋼を用いる。このような鋼基板材料は、普通の冶金的な製鋼法により、クロム含有量を10wt%以上、適切には14wt%以上、最も望ましくは16〜25wt%にして製造する。鋼基板の例としては、クロム含有量16wt%のASTM430鋼、クロム含有量20wt%でアルミニウム含有量5.5wt%のサンドビック社0C404鋼がある。このフェライト鋼を熱間圧延して中間サイズとし、その後数工程で冷間圧延と冷間圧延パス間の再結晶処理とを行って、最終厚さで最大板幅1000mmにする。もう1つの重要なパラメータは金属ストリップの表面粗さであり、できる限り平滑とし、Ra値0.2μm未満が適切であり、望ましくは0.1μm未満である。この基板材料の表面を適切な方法で清浄化して圧延時の残留油分を全て除去する。フェライト鋼を用いるのは、熱膨張係数(TEC)が堆積するジルコニア被膜と非常に良く一致するからであり、この特性があれば他の鋼を用いてもよい。望ましくは、金属ストリップとジルコニア被膜との熱膨張差は1000℃までの温度範囲で±25%未満である。更に、フェライト鋼は、最終的な薄膜製品の使用環境に耐え得る優れた耐食性を備えている。金属ストリップの形状は、厚さが5〜300μm、望ましくは10〜100μmの範囲内にあるストリップまたはフォイルである。
【0015】
〔絶縁性のジルコニア層〕
絶縁ジルコニア層は、剥離や割れを生じないで薄膜製品のフレキシビリティを最大限に発揮させるために、金属ストリップとの密着性が必要である。そのためには、被覆処理前に金属ストリップを入念に前処理する。すなわち、まず適当な手段で残留油分を除去する清浄化を行う。油分が残留していると、被覆処理の効率にも、被膜の密着性と品質にも悪影響が生ずる。清浄化処理後に、インライン・イオンエッチング処理を施し、更に必要なら、金属ストリップとジルコニア層との間に介在させるための薄い接合層を堆積させることもできる。望ましくは、この接合膜はTi、Zr、NiまたはCrのような金属から実質的に成り、ジルコニア層と基板との密着を促進する。更に、ジルコニア層は優れた絶縁体でなくてはならず、それにより金属ストリップとモリブデン(またはAlまたはCr)の背面コンタクトとの導通を防止する。そのためには、緻密で平滑なジルコニア層を堆積させる必要があり、更に堆積を繰り返して多層構造にすることもできる。多層構造にする場合のジルコニア層の層数は10層以下でよく、望ましくは5層未満、最良なのは2層のみである。前述のように、多層構造にするとピンホールや導通路が中断されて金属酸化物層の全厚を貫通しないので、金属ストリップを確実に絶縁できる。個々のジルコニア層の厚さは10nm〜2μmでよく、望ましくは0.1〜5μmである。ジルコニア層の全体厚さは20μm以下でよく、望ましくは0.5〜5μmである。
【0016】
ジルコニア層の望ましい化学組成はY2O3で安定化されたZrO2であり、ジルコニア中のY2O3の含有量は0〜25wt%であってよく、望ましくは3〜20wt%、最も望ましくは5〜15wt%である。ただし、他の安定化用金属酸化物(化学量論組成でも非化学量論組成でもよい)を用いてもよい。例えば、酸化Alで安定化したジルコニアでもよい。
【0017】
〔背面コンタクト層の説明〕
必要な場合には、絶縁性ジルコニア層上に導電金属最上層を設けることができる。最終的な薄膜製品に応じて、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、白金などの種々の金属を堆積させることができる。この金属最上層は、緻密であって且つ下地の堆積済み酸化物層と密着していることが必要である。この金属層の厚さは0.01〜5.0μmとする。
【0018】
〔被覆方法の説明〕
均一で密着した連続層を形成できる方法であれば、種々の被覆方法を用いることができる。例えば、スプレー法、高速酸素燃料法(HVOF)、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、その他、Zr含有化合物の液体、ゲル、粉末をフェライト鋼の表面に被覆する公知の諸方法があり、望ましくはWO98/08986に開示されているような多段ロール電子ビーム蒸着(EB)プロセス中で行うPVD法がある。必要ならば、PVD処理をプラズマ活性して、更に良質の酸化物層を形成することもできる。また、微粒粉末の状態で被膜を形成することも可能である。表面にジルコニア層を形成する条件は個々のケースについて実験的に求める必要がある。被覆処理に影響を及ぼす要因は、フェライト鋼およびZr含有化合物の他に、温度、乾燥時間、加熱時間、組成、性質などがある。
【0019】
望ましくは、被覆処理を従来の多段ロールストリップ製造ラインに組み込んで行う。
【実施例】
【0020】
まず基板材料を、普通の冶金的な製鋼法により前述の化学組成で製造する。得られた基板材料を熱間圧延して中間サイズまで落とし、次いで冷間圧延と冷間圧延パス間の再結晶処理とを数工程で行って、最終厚さ0.005〜0.3mm、幅1000mm以下にする。基板材料の表面を適切な方法で清浄化することにより圧延時の残留油分を全て除去する。
【0021】
図1は、ジルコニア被覆したフレキシブルフェライト鋼1の典型的な断面であり、片方の表面に薄膜製造用のYSZを被覆してある。基板材料2はフレキシブルフェライト鋼ストリップであり、0〜1000℃の温度範囲においてジルコニア被膜との熱膨張差は±25%未満である。フェライト鋼ストリップの表面粗さはできる限り小さくする。フェライト鋼の厚さは5〜300μmの範囲内とし、望ましくは10〜100μmとし、良好なフレキシビリティーを確保する。
【0022】
フェライト鋼ストリップ2の表面上に、多段ロールプロセスにより絶縁性のイットリウム安定化ジルコニア層3が堆積している。イットリウム安定化ジルコニア層は緻密で平滑であると共に金属ストリップに良く密着していなくてはならない。良く密着しているとは、金属ストリップをその厚さと同じ半径で90°曲げたときに、被膜のフレーキング、スポーリングなどが発生しないことを意味する。
【0023】
片面にのみYSZを被覆した上記のフレキシブル金属基板の変更例として、金属ストリップの他方の面にもYSZを被覆した製品4を図2に示す。同図において、基板材料2の両面にYSZ3が被覆されていて、両側のYSZ層3は厚さが等しく、YSZの存在に起因する被膜付きストリップの熱変形が全体として解消される。
【0024】
もう1つの変更例として、図3に示したように、ストリップ製品5はフレキシブル金属ストリップ2にYSZの多層構造6を被覆して成る。多層構造6を構成する個々のジルコニア層の層数は10層以下でよく、5層未満が望ましく、2層のみが最良である。前述したように、多層ジルコニア構造は、ピンホールあるいは導通路があっても、金属酸化物層全体の厚さ方向について中断されるので、金属ストリップの良好な絶縁を確保できる。個々のジルコニア層の厚さは10nm〜2μmであってよく、望ましくは0.1〜1.5μmである。ジルコニア酸化物層全体の厚さは20μm以下であってよく、望ましくは1〜5μmである。
【0025】
薄膜製品を製造するための導電性背面コンタクトを形成するために、図4に示すように、YSZ8を被覆した絶縁性フェライト鋼ストリップ2の最上層に金属層7を堆積させる。最終的な薄膜製品に応じて、金属層7の材質は、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、白金などの種々の金属であってよく、望ましくはアルミニウム、モリブデン、銀および/または銅、またはモリブデンを主成分とする合金である。金属層7は、割れやスポーレーションを回避するために、緻密でジルコニア被膜に良く密着している必要がある。また、金属層7の厚さは0.1〜5μmとし、望ましくは0.2〜2μm、最も望ましくは約0.5μmである。
【0026】
多段ロール(roll-to-roll)電子ビーム(EB)蒸着プロセスを図5に示す。図示した製造ラインの最初の部分は、真空チャンバ10内にアンコイラー9が配置されており、次いでインラインイオンエッチングチャンバ11、その次に複数個のEB蒸着チャンバ12が連なっている。このEB蒸着チャンバの必要個数は、望みの多層構造酸化物層に応じて1から10まで変えられる。金属酸化物EB蒸着チャンバ12の全てにEB銃16と溶融金属用の坩堝17とが装備されている。その次のチャンバは最上部金属層のEB蒸着用の別個のチャンバ15であり、やはりEB銃16と溶融金属用の坩堝17とが装備されている。金属酸化物のみで被覆されたストリップを製造する場合には、最上金属層のための別個のEB蒸着チャンバの必要性は無くなる。このチャンバの次に、出口真空チャンバ18と、被覆済みストリップ材料用のリコイラー19とがあり、リコイラー19は出口真空チャンバ18内に配設されている。真空チャンバ10および18は、それぞれ入口真空ロック装置および出口真空ロック装置で置き換えてもよい。その場合には、アンコイラー9およびリコイラー19は外気中に配置される。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態の断面模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態の断面模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態の断面模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態の断面模式図である。
【図5】本発明の被膜付き金属ストリップ材料を製造するための製造ラインの模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼ストリップ材料を含む被膜付きストリップ製品であって、該ストリップ材料が、該鋼ストリップに直接接触したジルコニア絶縁層、または、該鋼ストリップに直接接触した実質的に金属の接合膜に直接接触しジルコニア絶縁層、のうちのいずれかを含む被膜(3、6、8)を備えていることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項2】
請求項1において、熱膨張差が下記式:
(TECSS−TECOX)/TECSS
ただし、TECSSは上記ストリップ材料の熱膨張係数であり、TECOXは上記ジルコニア被膜の熱膨張係数である、
により定義され、
上記被膜と上記ストリップ材料との熱膨張差は1000℃までの温度範囲において±25%未満であることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項3】
請求項1において、上記ストリップ材料は表面粗さがRa<0.2μmであることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項4】
請求項1において、上記ストリップ材料は厚さが5〜300μm、望ましくは10〜100μmであることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項5】
請求項1において、フェライトクロムストリップ鋼材料を上記金属ストリップ材料として用いたことを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項6】
請求項5において、上記フェライトクロムストリップ鋼材料はクロム 含有量が10wt%以上、適切には14wt%以上、望ましくは16〜25wt%であることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項7】
請求項1において、上記ストリップ材料は、上記金属ストリップ材料の片面に少なくとも一層のジルコニア層(3、6、8)を被覆されて成ることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項8】
請求項1において、上記少なくとも一層のジルコニア層は上記鋼ストリップに直接接触しているか、または、上記鋼ストリップに直接接触している金属接合膜に直接接触しており、該少なくとも一層のジルコニア層上に少なくとも一層の付加的なジルコニア層が堆積していることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項9】
請求項1において、上記少なくとも一層のジルコニア層が安定化ジルコニア、望ましくはイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)であり、Yの含有量が0〜25wt%、適切には3〜20wt%、望ましくは5〜15wt%であることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項10】
請求項1において、上記少なくとも一層のジルコニア層の厚さが0.1〜20μm、望ましくは0.5〜5μmであることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項11】
請求項1において、上記ジルコニア層と上記金属ストリップ材料との間に金属質接合膜が堆積されており、望ましくは該金属質接合膜はTi、Zr、NiまたはCrのような金属から成り、該ジルコニア層と上記基板との密着性を高めることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項において、上記絶縁性の安定化ジルコニア層上に導電金属層が堆積されており、該導電金属層は、望ましくはアルミニウム、モリブデン、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、白金のいずれか1種の金属から成り、更に望ましくはアルミニウム、モリブデン、銅、銀のいずれか1種の金属から成ることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項13】
請求項12において、上記最上金属層の厚さが0.01〜5μmであることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項14】
請求項1において、上記絶縁性の層が、HVOFやプラズマスプレー法のような種々のスプレー法、または、化学蒸着法(CVD)や物理蒸着法(PVD)のような蒸着法、浸漬法、ゾル・ゲル法によって、望ましくは多段ロール電子ビーム(EB)蒸着法によって、堆積されていることを特徴とする被膜付きストリップ製品。
【請求項15】
Cu(In;Ga)Se(略称:CIGS)フレキシブル太陽電池や固体薄膜電池のようなフレキシブル薄膜製品を製造するための基板材料において、請求項1から14までのいずれか1項に記載の被膜付き製品から実質的に成ることを特徴とする基板材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−523997(P2007−523997A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542540(P2006−542540)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001810
【国際公開番号】WO2005/054538
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】