説明

施設検索方法および施設検索装置

【課題】ユーザの所望に応じて検索結果を優先的に表示可能な施設検索方法を提供する。
【解決手段】電話番号検索手段102の検索において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、施設検索結果を検索結果表示手段103に出力する前に優先表示判定手段104に出力し、優先表示判定手段104は、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定し、検索結果表示手段103は、マーク・検索結果等発生部14を介して、優先表示判定手段104により判定された優先順位に応じて施設検索結果を表示部4に表示させる。検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定された場合、検索条件入力桁数判定手段105は、ユーザから操作部3を介して入力された番号(電話番号)の総桁数をカウントし、残桁数に応じてこの電話番号が国番号を含むか等を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号による施設検索方法および施設検索装置に関し、特に、グローバルな環境下で利用可能な電話番号による施設検索方法および施設検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用のナビゲーション装置では、そのコンテンツやユーザインタフェース等のソフトウェアが地図情報や道路法規、慣習・風俗の違い等により国や地域間で異なっていたため、このようなナビゲーション装置は仕向け地別に開発・製造されることが一般的であった。このため、ハードウェアである多くの電子部品や各種機構(機能)が共通するにもかかわらず、仕向け地別にそれぞれ個別にナビゲーション装置本体の開発・製造が必要となり、製造コストの増大に起因していた。
【0003】
このような事情に鑑みて、ソフトウェア開発が進歩した結果、近年では、グローバルな環境下で利用可能なグローバル対応ナビゲーション装置が実用化されつつある。このグローバル対応ナビゲーション装置では、共通のプラットホームを用い、最小限必要となる各国・各地域間の上述のような差異を吸収する差分データを別途格納することにより、仕向け地を問わないものとなっている。このようなグローバル対応ナビゲーション装置が普及することにより、装置全体としての製造コストの削減が期待される。
【0004】
また、グローバル対応ナビゲーション装置によれば、ヨーロッパ等の複数の国や地域を越えて生活圏が形成されている場合にも、国や地域あるいは言語に限定されることなくナビゲーション装置を利用することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0005】
記憶部のデータ容量が大きいハードディスクやDVD型のナビゲーション装置では、経路検索の対象となる施設の電話番号を保持しているものが多い。個人宅、飲食店や公共機関等の施設の電話番号はユニークな(固有の)識別情報であるため、ナビゲーション装置において施設検索を行う際に、電話番号を検索条件として施設検索を行うことができる。
【0006】
電話番号による施設検索としては、探している施設の電話番号が予め分かっているときには、施設名からの施設検索や住所からの施設検索よりも入力工数を大幅に少なくすることができ、ユーザの利便性を向上するものである。
【0007】
例えば、日本では、電話番号は、国際プレフィックス、国番号、地域番号(市外局番と市内局番)および加入者番号から構成されている。電話番号の施設検索方法としては、市内局番と加入者番号のみで、すなわち、後方一致により施設を詮索する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上述のような複数の国の施設データベースから電話番号による施設検索を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−346669号公報
【特許文献2】特開2003−240584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された施設検索方法では、複数の国や地域の施設データベースを大容量メディアに格納して、この施設データベースを利用して施設検索を行う場合、電話番号の部分一致(後方一致)により施設を検索すると、ヒットする施設数が多くなってしまい、かえって施設検索が困難になることが多く、ユーザの利便性を損ねてしまうという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に開示された施設検索方法では、グローバルで利用される電話番号による施設検索において、国番号の入力を必須としているが、この施設検索方法を利用する国や地域の国番号や地域番号をユーザが覚えておかなければならず、ユーザに負担を課すとともに、やはりユーザの利便性を損ねてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グローバルでの利用において利便性のよい電話番号による施設検索を行うことができるとともに、ユーザの所望に応じて検索結果を優先的に表示させることができる施設検索方法および施設検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様における施設検索方法は、施設名と、施設種類と、少なくとも国番号、地域番号および加入者番号から構成される施設の電話番号とを少なくとも含む施設情報が複数の国分格納されているデータベース(12、121、122)から、ユーザが入力した検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致するか否かを判定することにより、所望の施設を検索する車両用の施設検索方法であって、検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを判定する検索条件入力判定処理(101、ステップS4)と、検索条件入力結果と施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索する電話番号検索処理(102、ステップS5)と、電話番号検索処理によって得られた施設検索結果を一覧表示する検索結果表示処理(103、ステップS7)とを有し、(1)検索条件入力判定処理において検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、電話番号検索処理において検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、(2)検索条件入力判定処理において検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索処理において検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、(3)検索条件入力判定処理において検索条件入力結果が国番号および地域番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索処理において検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、(2)または(3)の電話番号検索処理において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定する優先表示判定処理(104、ステップS6)をさらに有し、検索結果表示処理において、優先表示判定処理で判定された優先順位に応じて施設検索結果を表示することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様における施設検索方法によれば、ユーザは、「電話番号がすべて分かっている場合」と「電話番号の一部(後方一致)が分かっている場合」のそれぞれに応じて、グローバル対応のナビゲーション装置(施設検索装置)において必ず電話番号による施設検索を実行することができる。また、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合、優先表示判定処理を実行することにより、仮に施設候補が増えるような状況であったとしても、ユーザが検索したかった施設が上位に表示されるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
本発明の施設検索方法では、好ましくは、検索条件入力判定処理において検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定された場合、入力された総桁数をカウントし、国番号以外の残桁数が当該国番号に該当する国で必要な地域番号と加入者番号の桁数の和の最小値以上かつ最大値以下のときには、検索条件入力結果の上位桁が国番号であると判定し、残桁数が最小値未満または最大値より大きい場合には、国番号ではなく地域番号および加入者番号が入力されたものと判定する検索条件入力桁数判定処理(105、ステップS202)をさらに有する。検索条件有力桁数判定処理により、上位桁が国番号と一致した場合に、残桁数がその国において有効と認められる地域番号+加入者番号の桁数範囲に含まれるか否かを判定しているので、国番号と地域番号との混同を排除することができ、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0014】
本発明の施設検索方法では、使用地域を予め設定する使用地域設定処理(106、ステップS311〜S317)をさらに有し、優先表示判定処理において、使用地域設定処理にて設定された使用地域に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けするのが好ましい。これにより、通常使用される地域では電話番号による施設検索の利便性を向上させることができ、また、旅行先等ではこの使用地域優先機能を停止させることにより、ユーザは使用地域における検索条件とは異なる検索結果を得ることができる。
【0015】
本発明の施設検索方法では、使用言語を予め設定する使用言語設定処理(107、ステップS411〜S414)をさらに有し、優先表示判定処理において、使用言語設定処理にて設定された使用言語の言語圏に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けしてもよい。通常、本発明の施設検索方法を実施する施設検索装置(ナビゲーション装置)では表示言語をユーザが設定することができ、その言語情報を保持しているため、この言語情報に基づいて、より簡単に所望の検索結果を上位に表示させることができる。
【0016】
また、本発明の施設検索方法では、検索対象の施設種類として優先する優先施設種類を予め設定する優先検索施設設定処理(108、ステップS511〜S514)をさらに有し、優先表示判定処理において、優先検索施設設定処理にて設定された施設種類に対応する施設を施設検索結果の上位に順位付けするのが好ましい。検索対象施設の施設種類を検索対象リストとして予め保持しておき、施設検索結果から検索対象リストに含まれる施設種類に対応する施設を優先して表示させることにより、多くの施設候補が施設検索結果に含まれる場合であっても、ユーザの所望する施設により近い施設を優先して表示させることができる。
【0017】
本発明の施設検索方法では、検索対象の施設種類としない不要施設種類を予め設定する施設検索除外設定処理(109、ステップS611〜S614)をさらに有し、優先表示判定処理において、施設検索除外設定処理にて設定された不要施設種類に対応する施設を表示不要と判定してもよい。施設検索結果に多くの施設が含まれるとユーザが所望する施設を見付けるのが困難となってしまうため、ユーザが不要と判断した施設種類に対応する施設を検索対象除外リストの施設として除外することにより、より容易に検索ノイズを抑制することができる。
【0018】
また、本発明の施設検索方法では、GPS情報または道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得する現在位置取得処理(110、ステップS702)と、現在位置取得処理にて取得された現在位置から施設検索結果の各施設までの施設到達距離を算出する施設到達距離算出処理(111、ステップS703)とをさらに有し、優先表示判定処理において、施設到達距離算出処理にて算出された施設到達距離が短い施設を施設検索結果の上位に順位付けするのが好ましい。これにより、旅行中や出張中のようにユーザの生活圏と異なる場所において電話番号による施設検索を行う際に、車両の使用地域や使用言語地域ではなく、車両の現在位置から近い施設を優先させて検索結果として表示させることができる。また、この場合、警察、救急、消防、道路サービス等の緊急ダイヤル用の電話番号が検索条件として入力されたとき、所定の範囲内に当該施設が存在しなかった場合には、現在位置取得処理にて取得された現在位置の周辺地域における代替機関を検索結果として提示する代替機関提示処理(112、ステップS808)をさらに有してもよい。特定の緊急ダイヤル番号が入力されたとき、その施設が一定の範囲内にない場合には、同一種類の代替施設を検索結果として表示してユーザ支援を行うことにより、ユーザの緊急性を早期に解決することができる。
【0019】
本発明の施設検索方法では、優先表示判定処理において施設検索結果の優先順位付けを行った後、表示される施設検索結果のうち、施設が所在する国名、地域名、施設種類の少なくとも一つのカテゴリを提示し、提示されたカテゴリ条件からユーザが選択したカテゴリを条件として、さらに絞り込み検索を行う絞り込み検索処理(113)をさらに有するのが好ましい。これにより、より速く絞り込み検索を行うことができ、ユーザの所望する施設をより速く見つけ出すことができる。
【0020】
また、本発明の施設検索方法では、施設検索結果が得られなかった場合またはユーザの指示があった場合には、検索条件入力結果の一部に、施設種類、検索対象国、検索対象地域、車両の現在位置、現在時刻、検索・探索履歴およびその頻度の少なくとも一つを追加して、再検索する再検索処理(114)をさらに有してもよい。例えば、電話番号の下位の桁グループに絞ってワイルドカード検索を行ったり、付加的な検索条件と組み合わせたりすることにより、ユーザが所望する施設の電話番号を推定することができ、電話番号が完全に一致しない場合であっても、適切な施設検索結果を表示させることができる。
【0021】
また、上記の課題を解決するために、本発明の別の態様における施設検索装置は、施設名と、施設種類と、少なくとも国番号、地域番号および加入者番号から構成される施設の電話番号とを少なくとも含む施設情報が複数の国分格納されているデータベース(12、121、122)から、ユーザが入力した検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致するか否かを判定することにより、所望の施設を検索する車両用の施設検索装置(1)であって、検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを判定する検索条件入力判定手段(101)と、検索条件入力結果と施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索する電話番号検索手段(102)と、電話番号検索手段(102)によって得られた施設検索結果を一覧表示する検索結果表示手段(103)とを備え、(1)検索条件入力判定手段(101)により検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、電話番号検索手段(102)は、検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、(2)検索条件入力判定手段(101)により検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段(102)は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、(3)検索条件入力判定手段(101)により検索条件入力結果が国番号および地域番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段(102)は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、(2)または(3)の電話番号検索手段(102)の検索において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定する優先表示判定手段(104)をさらに備え、検索結果表示手段(103)は、優先表示判定手段により判定された優先順位に応じて施設検索結果を表示することを特徴とする。
【0022】
なお、上記で括弧内に記した図面参照符号やステップ番号は、後述する実施形態における対応する構成要素や対応する処理の対応するステップを参考のために例示するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザは、「電話番号がすべて分かっている場合」と「電話番号の一部(後方一致)が分かっている場合」のそれぞれに応じて、施設検索装置において必ず電話番号による施設検索を実行することができる。また、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合、優先表示判定手段を備えることにより、仮に施設候補が増えるような状況であったとしても、ユーザが検索したかった施設が上位に表示されるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の施設検索方法および施設検索装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。まず、本発明が適用される施設検索装置の構成を説明する。なお、本発明の施設検索装置は車載ナビゲーション装置として具現化される。この装置構成は他の実施形態においても同様であるものとするが、各実施形態の動作に不要な機能(図2参照)はその実施形態の施設検索装置において備えていなくてもよい。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態における施設検索方法を実現する車載ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。本実施形態のナビゲーション装置1は、各種入力に基づいて自車の現在位置や目的地(目的施設)までの誘導経路を出力するものである。
【0027】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、内部にメモリ11を備える制御部10と、データ記憶部12と、地図描画部13と、マーク・検索結果等発生部14と、誘導経路描画部15と、画像合成部16と、音声出力部17とを含む。
【0028】
ナビゲーション装置1の制御部10には、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度および緯度を検出するGPSセンサ21と、車両の走行距離を測定する距離センサ22と、車両の進行方向を測定する角度センサ23とからそれぞれ検出データが入力される。これらの検出データは、メモリ11に一時的に保存され、地図画像の描画等に利用される。なお、本実施形態のナビゲーション装置1は、距離センサ22と角度センサ23により自立航法を可能としている。
【0029】
また、車両のユーザが操作部3を介して入力したデータも制御部10に入力される。操作部3は、操作キー、ジョイスティックおよびタッチパネル等を含む(図示せず)。操作部3の操作信号は、メモリ11に一時的に保存され、施設検索や経路決定等の処理に利用される。
【0030】
データ記憶部12は、HDD(ハードディスク装置)、EPROM、フラッシュメモリ等から構成され、例えば、CD−ROMやDVD−ROMから読み取られた地図などのナビゲーションデータを格納する。なお、本実施形態では、静的な記憶手段としてデータ記憶部12を用いている場合を示すが、ナビゲーション装置1は、DVD−ROM等の動的な記憶手段からナビゲーションデータを直接読み出すような方式であってもよい。
【0031】
ここで、図3に示すように、データ記憶部12は、地図情報データベース(図示せず)に加え、施設情報データベース(DB)121と、国情報データベース(DB)122とを含む。本実施形態のナビゲーション装置1では、これら施設情報DB121と国情報DB122とに基づいて、施設検索用クエリが予め設定されている。このように施設検索用クエリが予め設定・保存されていることにより、後述するメイン処理(図4参照)において電話番号による施設検索の検索スピードを高めることができる。
【0032】
地図描画部13は、データ記憶部12に格納されている地図データを読み出して地図画像を生成するものであり、マーク・検索結果等発生部14は、ナビゲーション装置1の動作状況やユーザの操作状況に応じて、各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク、施設マーク、ポインタ等の各種マークを発生させるものである。誘導経路描画部15は、所定の処理によって制御部10で探索された車両の誘導経路を地図描画部13により描画される地図データに対応して描画するものである。
【0033】
画像合成部16は、地図描画部13により描画された地図データ、マーク・検索結果等発生部14により生成されたマーク等および誘導経路描画部15により描画された誘導経路を地図画像として合成するものである。そして、このように合成された地図画像は、表示部4に出力され、ユーザに視認可能に表示される。表示部4は、現在位置を含む地図や探索された誘導経路に基づいて案内情報を表示するものである。なお、表示部4は液晶パネル等から構成される。
【0034】
ユーザを誘導している際には、制御部10からの信号に応じて音声出力部17を介して、音声データがスピーカ5に送出され、スピーカ5から音声による案内情報(音声ガイダンス)が出力される。
【0035】
本実施形態のナビゲーション装置1は、操作部3を介してユーザが入力した検索条件入力結果、すなわち、電話番号に基づいて、複数の国分の施設情報が格納されているデータベース(施設情報DB121)から該当する施設を検索するものである。電話番号は、少なくとも国番号、地域番号および加入者番号から構成されるが、後述するようにその一部(例えば、地域番号と加入者番号のみ)の入力であっても施設検索をすることができる。また、施設情報には、少なくとも施設名と、施設種類と、施設の電話番号とが含まれる。ナビゲーション装置1は、ユーザが入力した検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致するか否かを判定することにより、所望の施設を検索するものである。
【0036】
次に、図2を参照して制御部10の機能を説明する。図2は、図1に示す制御部の機能ブロック図である。図2に示すように、制御部10は、本発明の施設検索方法を実施するために、メモリ11に加えて、検索条件入力判定手段101と、電話番号検索手段102と、検索結果表示手段103と、優先表示判定手段104と、検索条件入力桁数判定手段105と、使用地域設定手段106と、使用言語設定手段107と、優先検索施設設定手段108と、施設検索除外設定手段109と、現在位置取得手段110と、施設到達距離算出手段111と、代替機関提示手段112と、絞り込み検索手段113と、再検索手段114とを備える。
【0037】
検索条件入力判定手段101は、ユーザにより入力された検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを判定する。そして、検索条件入力判定手段101は、判定結果を電話番号検索手段102に出力する。
【0038】
電話番号検索手段102は、検索条件入力判定手段101の判定結果に基づいて、検索条件入力結果と、データ記憶部12の施設情報DB121に格納されている施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索する。ここで、検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、検索された施設を検索結果表示手段103に出力する(条件(1))。また、検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、検索された施設を施設検索結果として検索結果表示手段103に出力する(条件(2))。さらに、検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号および地域番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、検索された施設を施設検索結果として検索結果表示手段103に出力する(条件(3))。
【0039】
検索結果表示手段103は、電話番号検索手段102によって得られた施設検索結果を表示部4に一覧表示させる。
【0040】
ここで、上記の電話番号検索手段102の検索において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、施設検索結果を検索結果表示手段103に出力する前に優先表示判定手段104に出力し、優先表示判定手段104は、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定し、検索結果表示手段103は、優先表示判定手段104により判定された優先順位に応じて施設検索結果を表示部4に表示させる。
【0041】
検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定された場合、検索条件入力桁数判定手段105は、ユーザから操作部3を介して入力された番号(電話番号)の総桁数をカウントする。そして、国番号以外の残桁数が当該国番号に該当する国で必要な地域番号と加入者番号の桁数の和の最小値以上かつ最大値以下のときには、検索条件入力桁数判定手段105は、検索条件入力結果の上位桁が国番号であると判定し、残桁数が最小値未満または最大値より大きい場合には、国番号ではなく地域番号および加入者番号が入力されたものと判定する。検索条件入力桁数判定手段105による判定結果は、検索条件入力判定手段101に戻され、検索条件入力判定手段101は、この判定結果に基づいてさらに上記判定を続ける。
【0042】
使用地域設定手段106は、ナビゲーション装置1の使用地域を予め設定するものである。この使用地域の設定は、工場出荷時に仕分け地に応じてデフォルトとして設定されるものであるが、ナビゲーション装置1のユーザにより適宜設定を変更することができるものである。使用地域設定手段106により使用地域が設定されると、その使用地域データはメモリ11に格納される。そして、優先表示判定手段104は、メモリ11から使用地域データを読み出して、使用地域設定手段106により設定された使用地域に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けするように構成されてもよい。
【0043】
使用言語設定手段107は、ナビゲーション装置1が使用される使用地域での使用言語(公用語)を予め設定するものである。この使用言語の設定は、工場出荷時に仕分け地に応じてデフォルトとして設定されるものであるが、ナビゲーション装置1のユーザにより適宜設定を変更することができるものである。使用言語設定手段107により使用言語が設定されると、その使用言語データはメモリ11に格納される。そして、優先表示判定手段104は、メモリ11から使用言語データを読み出して、使用言語設定手段107により設定された使用言語の言語圏に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けするように構成されてもよい。
【0044】
優先検索施設設定手段108は、ユーザの操作に応じて、検索対象の施設種類として優先する優先施設種類を予め設定するものである。優先検索施設設定手段108により優先施設種類が設定されると、その優先施設種類データはメモリ11に格納される。そして、優先表示判定手段104は、優先検索施設設定手段108により設定された施設種類に対応する施設を施設検索結果の上位に順位付けするように構成されてもよい。
【0045】
施設検索除外設定手段109は、ユーザの操作に応じて、検索対象の施設種類としない不要施設種類を予め設定するものである。施設検索除外設定手段109により不要施設種類が設定されると、その不要施設種類データはメモリ11に格納される。そして、優先表示判定手段104は、施設検索除外設定手段109により設定された不要施設種類に対応する施設を表示不要と判定するように構成されてもよい。
【0046】
ここで、施設検索結果のうち表示不要と判定された施設のデータは、施設検索結果から削除されてから検索結果表示手段103に出力されてもよく、そのまま検索結果表示手段103に出力されてもよい。表示不要のデータがそのまま出力された場合には、優先表示判定手段104は、表示不要と判定された施設を施設検索結果の下位に順位付けし、検索結果表示手段103は、当該施設を例えば淡いフォントで反転させたり、グレイアウトさせたりして表示部4に表示させてもよい。
【0047】
現在位置取得手段110は、GPSセンサ21から取得されたGPS情報または例えばVICS(登録商標)等により取得された道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得する。なお、現在位置取得手段110は、特定した現在位置の精度を増すために、距離センサ22からの移動距離情報や角度センサ23からの車両の方位情報を用いてもよい。
【0048】
施設到達距離算出手段111は、現在位置取得手段110により取得された車両の現在位置から施設検索結果の各施設までの施設到達距離をそれぞれ算出する。算出された各施設到達距離はメモリ11に出力される。そして、優先表示判定手段104は、施設到達距離算出手段111により算出された施設到達距離が短い施設を施設検索結果の上位に順位付けするように構成されてもよい。
【0049】
代替機関提示手段112は、警察、救急、消防、道路サービス等の緊急ダイヤル用の番号が検索条件として操作部3を介して入力されたとき、現在位置取得手段110により取得された車両の現在位置から所定の範囲内に当該施設が存在しなかった場合には、車両の現在位置の周辺地域における代替機関を検索結果として提示するものである。検索された代替機関データは、検索結果表示手段103に出力され、検索結果表示手段103は、該当する施設を示す地図データに加えて、あるいはその地図データに代えて代替機関に関する情報を表示部4に表示させる。
【0050】
絞り込み検索手段113は、優先表示判定手段104が上述のような施設検索結果の優先順位付けを行った後、表示される施設検索結果のうち、当該施設が所在する国名、地域名、施設種類の少なくとも一つのカテゴリを提示するものである。提示されたカテゴリは、検索結果表示手段103を介して表示部4に表示される。そして、ユーザが提示されたカテゴリ条件から所望の条件を選択すると、絞り込み検索手段113は、選択されたカテゴリを条件として施設検索結果に対してさらに絞り込み検索を行う。
【0051】
再検索手段114は、電話番号検索手段102により施設検索結果が得られなかった場合またはユーザから操作部3を介して指示があった場合には、検索条件入力結果の一部に、施設種類、検索対象国、検索対象地域、車両の現在位置、現在時刻、検索・探索履歴およびその頻度の少なくとも一つを追加(あるいは削減)して、施設の再検索を実行するものである。
【0052】
なお、優先表示判定手段104による優先表示の判定は、上述のように所定の条件(各手段による判定)に応じて数種類の方法で実行され得るが、本実施形態のナビゲーション装置1では、ユーザがどの方法により優先表示の判定を行うかを優先順基準として予め選択していてもよく、あるいは、デフォルトでいずれの方法を用いるべきかが設定されていてもよい。
【0053】
次に、本発明の第1実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を説明する。図4は、本発明の第1実施形態において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は他の実施形態でも同様に実行されるものであり、図4に示すようにユーザが操作部3のテンキーやタッチパネルを介して電話番号を入力することにより、本メイン処理の実行が開始される。
【0054】
まず、ユーザは、操作部3を介して所望する施設の電話番号を入力していく(ステップS1)。制御部10の検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が検索可能な桁数以上になったか否かを判断する(ステップS2)。そして、入力された電話番号が検索可能な桁数以上になるまでこのステップで待機する。
【0055】
入力された電話番号が検索可能な桁数以上になったと判断した場合には、制御部10は、例えば表示部4に表示されている「検索実行」キー(「検索」ボタン)を操作部3のタッチパネルによりアクティブにさせる。そして、ユーザによって「検索実行」キーが押下されるまでここで待機する。なお、従来の施設検索方法では、電話番号の桁数を予め設定し、その一定の桁数以上番号を入力すると「検索実行」キーがグレイアウトされていたが、本実施形態のナビゲーション装置1ではそのようなグレイアウトになることなく、検索操作が可能となっている。
【0056】
ユーザが電話番号の入力を終え、「検索実行」キーを押下すると(ステップS3)、制御部10の検索条件入力判定手段101は、後述する検索条件入力判定処理を実行し(ステップS4)、制御部10の電話番号検索手段102は、後述する電話番号検索処理を実行し(ステップS5)、制御部10の優先表示判定手段104は、後述する優先表示判定処理を実行し(ステップS6)、制御部10の検索結果表示手段103は、後述する検索結果表示処理を実行して(ステップS7)、このメイン処理を終了する。
【0057】
次に、図5のフローチャートを参照して、メイン処理のステップS4で実行される検索条件入力判定処理を説明する。図5は、図4のステップS4で実行される検索条件入力判定処理を示すフローチャートである。
【0058】
まず、検索条件入力判定手段101は、ユーザにより入力された電話番号に国際プレフィックスが含まれているか否かを判定する(ステップS101)。電話番号に国際プレフィックスが含まれていると判定された場合には、上記条件(1)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が全発呼番号であると判定し(ステップS103)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0059】
一方、電話番号に国際プレフィックスが含まれていないと判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、ユーザにより入力された電話番号に国内プレフィックスが含まれているか否かを判定する(ステップS102)。電話番号に国内プレフィックスが含まれていると判定された場合には、上記条件(2)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が現在位置を含む国内地域の地域外番号であると判定し(ステップS104)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0060】
また、電話番号に国内プレフィックスが含まれていないと判定された場合には、上記条件(3)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が現在位置を含む国内地域の地域内番号であると判定し(ステップS105)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0061】
次に、図6のフローチャートを参照して、メイン処理のステップS5で実行される電話番号検索処理を説明する。図6は、図4のステップS5で実行される電話番号検索処理を示すフローチャートである。
【0062】
まず、電話番号検索手段102は、ユーザにより入力された電話番号が検索可能最小桁数の範囲内であるか否かを判定する(ステップS111)。当該電話番号が検索可能最小桁数の範囲内ではないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力判定処理の判定結果に基づいて、この電話番号が全発呼番号であるか否かを判定する(ステップS112)。
【0063】
そして、この電話番号が全発呼番号であると判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号を全発呼番号であるとして、データ記憶部12の施設情報DB121内を検索し(ステップS115)、検索結果を保持して(ステップS119)、この電話番号検索処理を終了してメイン処理に戻る。
【0064】
一方、この電話番号が全発呼番号ではないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号が全識別番号であるか否かを判定する(ステップS113)。ここで、全識別番号とは、国番号+地域番号(国内プレフィックスを除く)+加入者番号に対応する電話番号である。この電話番号が全識別番号であると判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号を全識別番号であるとして、データ記憶部12の施設情報DB121内を検索し(ステップS116)、検索結果を保持して(ステップS119)、この電話番号検索処理を終了してメイン処理に戻る。
【0065】
一方、この電話番号が全識別番号ではないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、さらに、当該電話番号が国内地域外番号であるか否かを判定する(ステップS114)。この電話番号が国内地域外番号であると判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号を国内地域外番号であるとして、データ記憶部12の施設情報DB121内を検索し(ステップS117)、検索結果を保持して(ステップS119)、この電話番号検索処理を終了してメイン処理に戻る。
【0066】
また、この電話番号が国内地域外番号ではないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号を国内地域内番号であるとして、データ記憶部12の施設情報DB121内を検索し(ステップS118)、検索結果を保持して(ステップS119)、この電話番号検索処理を終了してメイン処理に戻る。
【0067】
これと同様に、ステップS111において当該電話番号が検索可能最小桁数の範囲内ではないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、当該電話番号を国内地域内番号であるとして、データ記憶部12の施設情報DB121内を検索し(ステップS118)、検索結果を保持して(ステップS119)、この電話番号検索処理を終了してメイン処理に戻る。
【0068】
次に、図7のフローチャートを参照して、メイン処理のステップS6で実行される優先表示判定処理を説明する。図7は、図4のステップS6で実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS121)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローは、そのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0070】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、優先表示判定手段104は、メモリ11に格納されている優先順位基準を読み込み(ステップS122)、読み込まれた優先順位基準に基づいて、検索結果リストをソートして(ステップS123)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。なお、優先順位基準については、第2実施形態以降の各実施形態において具体的に説明する。
【0071】
次に、図8のフローチャートを参照して、メイン処理のステップS7で実行される検索結果表示処理を説明する。図8は、図4のステップS7で実行される検索結果表示処理を示すフローチャートである。
【0072】
まず、検索結果表示手段103は、上述の電話番号検索処理のステップS119において保持された検索結果に候補となる施設が含まれているか否かを判定する(ステップS131)。検索結果に候補となる施設(施設候補)が含まれていると判定された場合には、検索結果表示手段103は、施設候補が1件のみ含まれるか否かを判定する(ステップS132)。
【0073】
施設候補が1件のみ含まれると判定された場合には、検索結果表示手段103は、当該検索結果施設を表示部4に表示させ(ステップS134)、この検索結果表示処理を終了してメイン処理に戻る。ここでは、検索結果表示手段103は、例えば、検索結果施設の詳細な情報に加えて、その検索結果施設の周辺地図を併せて表示部4に表示させてもよい。
【0074】
施設候補が1件のみ含まれるものではないと判定された場合には、施設候補が複数存在することになるが、検索結果表示手段103は、そのような複数の施設候補を検索結果として表示部4にリスト表示させ(ステップS133)、この検索結果表示処理を終了してメイン処理に戻る。
【0075】
一方、ステップS131において検索結果に候補となる施設が含まれていないと判定された場合には、検索結果表示手段103は、検索対象となる施設が存在しなかったことを示すエラーメッセージを表示部4に表示させ(ステップS135)、この検索結果表示処理を終了してメイン処理に戻る。なお、エラーメッセージとしては、例えば、「入力された電話番号の施設は検索できませんでした。」のようなメッセージであればよい。
【0076】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、検索条件入力判定手段101が検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを順次判定し、電話番号検索手段102が検索条件入力結果と施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索し、検索結果表示手段103が電話番号検索手段102によって得られた施設検索結果を表示部4に一覧表示させる構成において、(1)検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、(2)検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、(3)検索条件入力判定手段101により検索条件入力結果が国番号および地域番号(ここでは、地域外番号)を含まないと判定された場合には、電話番号検索手段102は、検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索するように構成した。これにより、ユーザは、「電話番号がすべて分かっている場合」と「電話番号の一部(後方一致)が分かっている場合」のそれぞれに応じて、グローバル対応ナビゲーション装置1において必ず電話番号による施設検索を実行することができる。
【0077】
また、上記(2)または(3)の電話番号検索手段102の検索条件において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、優先表示判定手段104が、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定し、検索結果表示手段103は、優先表示判定手段104により判定された優先順位に応じて施設検索結果を表示部4に表示させるように構成した。従来のナビゲーション装置では、グローバル対応ナビゲーションにおける電話番号による施設検索において、施設検索の対象となる国や地域の数が多い場合には膨大な施設候補を含む施設検索結果が表示され、ユーザが所望の施設を見出すには困難な場合もあった。しかしながら、本発明によれば、優先表示判定手段104を備えることにより、仮に施設候補が増えるような状況であったとしても、ユーザが検索したかった施設が上位に表示されるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0079】
本実施形態では、検索条件入力判定処理についてのみフローチャートを用いて説明する。図9は、本発明の第2実施形態において実行される検索条件入力判定処理を示すフローチャートである。
【0080】
まず、検索条件入力判定手段101は、ユーザにより入力された電話番号が検索可能な最小桁数の範囲内であるか否かを判定する(ステップS201)。この電話番号が検索可能な最小桁数の範囲内であると判定された場合には、上記条件(3)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が現在位置を含む国内地域の地域内番号であると判定し(ステップS212)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0081】
一方、この電話番号が検索可能な最小桁数の範囲内ではないと判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号の桁数が15桁以上であるか否かを判定する(ステップS202)。電話番号が15桁以上であると判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、この電話番号に国際プレフィックスが含まれているか否かを判定する(ステップS204)。
【0082】
そして、電話番号が15桁以上であるが、国際プレフィックスが含まれていないと判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、ユーザにより入力された番号が電話番号を意味するものではないと判定し(ステップS205)、電話番号として認識できないことを示すエラーメッセージを表示部4に表示させ(ステップS206)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理のステップS1に戻る。また、電話番号が15桁以上であり、国際プレフィックスが含まれると判定された場合には、上記条件(1)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が全発呼番号であると判定し(ステップS207)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0083】
一方、ステップS202において電話番号の桁数が15桁以上ではないと判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、当該電話番号に国番号が含まれているか否かを判定する(ステップS203)。そして、電話番号に国番号が含まれていると判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、当該電話番号から国番号を除いた残桁数が所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS208)。
【0084】
そして、この残桁数が所定の範囲内にあると判定された場合には、上記条件(1)に該当し、検索条件入力判定手段101は、当該電話番号が全識別番号であると判定し(ステップS209)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、この残桁数が所定の範囲内にはないと判定された場合には、上記条件(3)に該当し、検索条件入力判定手段101は、当該電話番号が現在位置を含む国内地域の地域内番号であると判定し(ステップS212)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0085】
ステップS203において当該電話番号に国番号が含まれていないと判定された場合には、検索条件入力判定手段101は、この電話番号に国内プレフィックスが含まれているか否かを判定する(ステップS210)。そして、電話番号に国内プレフィックスが含まれていると判定された場合には、上記条件(2)に該当し、検索条件入力判定手段101は、入力された電話番号が現在位置を含む国内地域の地域外番号であると判定し(ステップS211)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。また、電話番号に国内プレフィックスが含まれていないと判定された場合には、上記条件(3)に該当し、検索条件入力判定手段101は、当該電話番号が現在位置を含む国内地域の地域内番号であると判定し(ステップS212)、この検索条件入力判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0086】
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、検索条件入力判定手段101が検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定した場合、検索条件入力桁数判定手段105は、入力された総桁数をカウントし、国番号以外の残桁数が当該国番号に該当する国で必要な地域番号と加入者番号の桁数の和の最小値以上かつ最大値以下のときには、検索条件入力結果の上位桁が国番号であると判定し、残桁数が最小値未満または最大値より大きい場合には、国番号ではなく地域番号および加入者番号が入力されたものと判定することとした。グローバル対応ナビゲーション装置1においても、国内地域内番号で施設検索を実行することができればユーザの利便性は高まる。しかしながら、例えば、ユーザにより入力された電話番号の上位数桁のみでその電話番号が国番号を含むか、あるいは地域番号(地域外番号)から始まるのかを決定した場合には、国番号と地域番号とを混同する可能性がある。そのため、本発明では、検索条件入力桁数判定手段105が、上位桁が国番号と一致した場合に、残桁数がその国において有効と認められる地域番号+加入者番号の桁数範囲に含まれるか否かを判定しているため、上記のような国番号と地域番号との混同を排除することができ、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0087】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0088】
本実施形態では、優先表示判定処理およびその前処理としての使用地域設定処理についてフローチャートを用いて説明する。図10は、本発明の第3実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0089】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS301)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0090】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、優先表示判定手段104は、使用地域設定手段106により設定された使用地域設定を読み込み(ステップS302)、施設検索結果の各施設の「地域」を呼出し(ステップS303)、続いて施設検索結果の各施設を国別にソートする(ステップS304)。
【0091】
そして、優先表示判定手段104は、使用地域として設定されている国の国内に施設候補がないか否かを判定する(ステップS305)。そして、国内に施設候補がないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、国内に施設候補があると判定された場合には、優先表示判定手段104は、施設検索結果をさらに地域別にソートして(ステップS306)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0092】
次に、図11のフローチャートを参照して、使用地域設定処理を説明する。図11は、図10の優先表示判定処理の前に実行される使用地域設定処理を示すフローチャートである。この使用地域設定処理は、車両の購入時にユーザの住所等に基づいて予め実行されていてもよく、必要に応じてユーザにより適宜実行されてもよい。
【0093】
使用地域設定処理が開始されると、使用地域設定手段106は、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された国選択画面を表示部4に表示させる(ステップS311)。このとき、例えば、「使用する国をリストから選択しあるいは直接国名を入力してください。」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、この国選択画面に表示されている国を直接選択したり、文字を順次選択して国名を直接入力したりすることにより使用国を選択する(ステップS312)。そして、選択された使用国はメモリ11に保存される(ステップS313)。
【0094】
続いて、使用地域設定手段106は、選択された国に基づいて、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された地域選択画面を表示部4に表示させる(ステップS314)。このとき、例えば、「使用する地域をリストから選択しあるいは直接地域名を入力してください。」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、この地域選択画面に表示されている地域を直接選択したり、文字を順次選択して地域名を入力したりすることにより使用地域を選択する(ステップS315)。そして、選択された使用地域は、優先表示判定手段104による優先表示判定処理のためにメモリ11に設定されるとともに(ステップS316)、メモリ11に保存され(ステップS317)、この使用地域設定処理を終了する。
【0095】
なお、本実施形態の使用地域設定処理では、国選択・地域選択は、タッチパネル等にタッチして選択するか、直接入力することにより行われているが、本発明では、例えば、「郵便番号」やユーザの「自宅電話番号」を入力することにより国選択・地域選択が行われてもよい。
【0096】
図12は、本発明の第3実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。ここでは、使用地域設定処理において使用国を「フランス」および使用地域を「パリ」と設定している状態で、電話番号による施設検索を行うことにより得られた施設検索結果を一例として示す。
【0097】
まず、図6に示すような電話番号検索処理が実行され、ステップS119において図12(a)に示すような検索結果が保持される。ここでは、施設候補が複数あるため(ステップS301にて「Yes」)、使用地域設定である使用国「フランス」、使用地域「パリ」が読み出され(ステップS302)、国名が「フランス」の施設が上位にソートされ(ステップS304)、図12(b)に示すような検索結果(ここでは、使用国「フランス」を太枠で示す)が得られる。さらに、「フランス」国内に複数の施設候補が存在するため、地域が「パリ」の施設が上位にソートされ(ステップS306)、最終的に図12(c)に示すような施設検索結果(ここでは、使用地域「パリ」を太枠で示す)が得られ、このような施設検索結果が表示部4に表示される。
【0098】
以上説明したように、本発明の第3実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、使用地域設定手段106がナビゲーション装置1の使用地域を予め設定し、優先表示判定手段104は、使用地域設定手段106により設定された使用地域に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けすることとした。これにより、通常使用される地域では電話番号による施設検索の利便性を向上させることができ、また、旅行先等ではこの使用地域優先機能を停止させることにより、ユーザは使用地域における検索条件とは異なる検索結果を得ることができる。したがって、検索漏れを防ぐとともに、ユーザの満足度が十分に高い検索結果を提供することができる。
【0099】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0100】
本実施形態では、優先表示判定処理およびその前処理としての使用言語設定処理についてフローチャートを用いて説明する。図13は、本発明の第4実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0101】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS401)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0102】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、優先表示判定手段104は、使用言語設定手段107により設定された使用言語設定を読み込み(ステップS402)、施設検索結果の各施設の「言語」を呼出し(ステップS403)、続いて施設検索結果の各施設を言語別にソートする(ステップS404)。
【0103】
そして、優先表示判定手段104は、使用言語として設定されている言語を公用語としている国や地域の施設候補がないか否かを判定する(ステップS405)。そして、そのような施設候補がないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、公用語としている国や地域の施設候補があると判定された場合には、優先表示判定手段104は、施設検索結果をさらに国優先でソートして(ステップS406)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0104】
次に、図14のフローチャートを参照して、使用言語設定処理を説明する。図14は、図13の優先表示判定処理の前に実行される使用言語設定処理を示すフローチャートである。この使用地域設定処理は、車両の購入時にユーザの住所や国籍等に基づいて予め実行されていてもよく、必要に応じてユーザにより適宜実行されてもよい。
【0105】
使用言語設定処理が開始されると、使用言語設定手段107は、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された使用言語選択画面を表示部4に表示させる(ステップS411)。このとき、例えば、「使用する言語をリストから選択してください。」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、この使用言語選択画面に表示されている言語を直接選択したり、文字を順次選択して言語名を直接入力したりすることにより使用言語を選択する(ステップS412)。そして、選択された使用言語は、優先表示判定手段104による優先表示判定処理のためにメモリ11に設定されるとともに(ステップS413)、メモリ11に保存され(ステップS414)、この使用言語設定処理を終了する。
【0106】
図15は、本発明の第4実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。ここでは、使用言語設定処理において使用言語を「フランス語」と設定している状態で、電話番号による施設検索を行うことにより得られた施設検索結果を一例として示す。なお、データ記憶部12には、使用言語設定処理において設定された使用言語の言語圏が予め記憶されている。本実施形態のように使用言語が「フランス語」と設定されている場合には、フランス語圏として、フランスの他、ヨーロッパではスイスやベルギーの一部地域や、アフリカの一部地域、カナダの一部地域等が予めリストアップされる。
【0107】
まず、図6に示すような電話番号検索処理が実行され、ステップS119において図15(a)に示すような検索結果(ここでは、使用言語「フランス語(フランス語圏)」を太枠で示す)が保持される。ここでは、施設候補が複数あるため(ステップS401にて「Yes」)、使用言語設定である使用言語「フランス語」が読み出され(ステップS402)、施設検索結果の各施設の国・地域に対応する公用言語を読み出して(ステップS403)、「フランス語」を公用語の地域の施設が上位にソートされ(ステップS404)、図15(b)に示すような検索結果が得られる。「フランス語圏」のうち「フランス」を国優先として上位にソートするが(ステップS406)、ここでは既に「フランス」が上位にソートされているので、図15(b)の施設検索結果がそのまま表示部4に表示される。
【0108】
以上説明したように、本発明の第4実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、使用言語設定手段107がナビゲーション装置1の使用言語(表示部4に表示させる言語)を予め設定し、優先表示判定手段104は、使用言語設定手段107により設定された使用言語の言語圏に属する国番号および地域番号を含む施設を施設検索結果の上位に順位付けすることとした。国や地域によっては複数の公用語や公用語に準ずる言語(準公用語)が用いられている場合がある。このような地域で電話番号による施設検索を行う場合、第3実施形態のように国や地域を設定するよりも、使用される言語圏で施設検索結果の優先順位を決定した方がユーザにとって利便性がよい場合も多い。通常、ナビゲーション装置1では表示部4への表示言語をユーザが設定することができ、その言語情報をメモリ11やデータ記憶部12に保持しているため、この言語情報に基づいて、より簡単に所望の検索結果を上位に表示させることができる。
【0109】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0110】
本実施形態では、優先表示判定処理およびその前処理としての優先検索施設設定処理についてフローチャートを用いて説明する。図16は、本発明の第5実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0111】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS501)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0112】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、優先表示判定手段104は、優先検索施設設定手段108により設定された優先検索設定を読み込み(ステップS502)、施設検索結果の各施設の「施設種類」を呼出し(ステップS503)、続いて施設検索結果の各施設を優先施設種類別にソートして(ステップS504)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0113】
次に、図17のフローチャートを参照して、優先検索施設設定処理を説明する。図17は、図16の優先表示判定処理の前に実行される優先検索施設設定処理を示すフローチャートである。この優先検索施設設定処理は、電話番号による施設検索を行う前にユーザにより実行されればよい。
【0114】
優先検索施設設定処理が開始されると、優先検索施設設定手段108は、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された優先施設選択画面を表示部4に表示させる(ステップS511)。このとき、例えば、「優先的に検索する施設をリストから選択してください。」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、この優先施設選択画面に表示されている施設種類を直接選択したり、文字を順次選択して施設種類名を直接入力したりすることにより優先施設種類を選択する(ステップS512)。そして、選択された優先施設種類は、優先表示判定手段104による優先表示判定処理のためにメモリ11に設定されるとともに(ステップS513)、メモリ11に保存され(ステップS514)、この優先施設設定処理を終了する。
【0115】
図18は、本発明の第5実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。ここでは、優先検索施設設定処理において優先施設種類を「ガソリンスタンド」および「病院」と設定している状態で、電話番号による施設検索を行うことにより得られた施設検索結果を一例として示す。なお、データ記憶部12には、経路探索(ルート検索)の目的地としてユーザが設定し得る複数の施設種類名が格納されており、施設種類名毎に「優先的に検索」すべきか否かを決定できるものである。
【0116】
まず、図6に示すような電話番号検索処理が実行され、ステップS119において図18(a)に示すような検索結果(ここでは、施設種類名「ガソリンスタンド」および「病院」を太枠で示す)が保持される。ここでは、施設候補が複数あるため(ステップS501にて「Yes」)、優先検索設定である施設種類名「ガソリンスタンド」および「病院」が読み出され(ステップS502)、施設検索結果の各施設の施設種類を読み出して(ステップS503)、施設種類が「ガソリンスタンド」または「病院」である施設が上位にソートされ(ステップS504)、図18(b)に示すような検索結果が得られ、このような施設検索結果が表示部4に表示される。
【0117】
なお、本実施形態における優先検索施設設定処理では、施設種類、すなわち、いわゆる施設ジャンルのカテゴリを対象として優先施設を選択するものとして説明したが、本発明では、施設ジャンルのサブジャンルとなるサブカテゴリ、例えば、当該施設種類の銘柄やブランド等(施設種類が「ガソリンスタンド」の場合、各ガソリン卸メーカ等)を対象として優先施設を選択するように設定してもよい。
【0118】
以上説明したように、本発明の第5実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、優先検索施設設定手段108が検索対象の施設種類として優先する優先施設種類を予め設定し、優先表示判定手段104は、優先検索施設設定手段108により設定された施設種類に対応する施設を施設検索結果の上位に順位付けすることとした。検索対象施設の施設種類を検索対象リストとして予めメモリ11等に保持しておき、施設検索結果から検索対象リストに含まれる施設種類に対応する施設を優先して表示させることにより、多くの施設候補が施設検索結果に含まれる場合であっても、ユーザの所望する施設により近い施設を優先して表示させることができる。
【0119】
本実施形態では、検索優先リストは、「電話番号による施設検索」用のリストとして作成されるものであるが、例えば、ユーザにより登録された「よく利用する施設」の種類、施設検索結果全般における「検索履歴」等で検索頻度が上位の施設種類を上記の検索優先リストとして利用してもよい。
【0120】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0121】
本実施形態では、優先表示判定処理およびその前処理としての不要施設設定処理についてフローチャートを用いて説明する。図19は、本発明の第6実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0122】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS601)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0123】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、優先表示判定手段104は、施設検索除外設定手段109により設定された不要施設設定を読み込み(ステップS602)、施設検索結果の各施設の「施設種類」を呼出し(ステップS603)、続いて施設検索結果の各施設を不要施設によるソートが必要か否か、すなわち、不要施設が施設検索結果に含まれているか否かをチェックし(ステップS604)、不要施設の要否に基づいて施設検索結果をソートする(ステップS605)。そして、優先表示判定手段104は、施設検索結果のうち不要施設として下位にソートされた施設の表示を表示部4に表示させないようにして(ステップS606)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0124】
なお、優先表示判定手段104は、図19に示す優先表示判定処理を実行する代わりに、図16に示す優先表示判定処理において優先施設種類別にソートされた「優先検索施設」のリストを用いて、優先検索施設としてリストアップされていない施設種類の施設をすべて表示させないようにしてもよい。
【0125】
次に、図20のフローチャートを参照して、不要施設設定処理を説明する。図20は、図19の優先表示判定処理の前に実行される不要施設設定処理を示すフローチャートである。この不要施設設定処理は、電話番号による施設検索を行う前にユーザにより実行されればよい。
【0126】
不要施設設定処理が開始されると、施設検索除外設定手段109は、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された不要施設選択画面を表示部4に表示させる(ステップS611)。このとき、例えば、「検索する必要がない施設をリストから選択してください。」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、この不要施設選択画面に表示されている施設種類を直接選択したり、文字を順次選択して施設種類名を直接入力したりすることにより不要施設種類を選択する(ステップS612)。そして、選択された不要施設種類は、優先表示判定手段104による優先表示判定処理のためにメモリ11に設定されるとともに(ステップS613)、メモリ11に保存され(ステップS614)、この不要施設設定処理を終了する。
【0127】
図21は、本発明の第6実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。ここでは、不要施設設定処理において不要施設種類を「コンビニエンスストア」および「ファストフード」と設定している状態で、電話番号による施設検索を行うことにより得られた施設検索結果を一例として示す。なお、データ記憶部12には、経路探索(ルート検索)の目的地としてユーザが設定し得る複数の施設種類名が格納されているが、本実施形態では、施設種類名毎に「検索する必要がない施設種類」であるか否かを決定できるものである。
【0128】
まず、図6に示すような電話番号検索処理が実行され、ステップS119において図21(a)に示すような検索結果(ここでは、施設種類名「コンビニエンスストア」および「ファストフード」を太枠で示す)が保持される。ここでは、施設候補が複数あるため(ステップS601にて「Yes」)、不要検索設定である施設種類名「コンビニエンスストア」および「ファストフード」が読み出され(ステップS602)、施設検索結果の各施設の施設種類を読み出して(ステップS603)、施設種類が「コンビニエンスストア」または「ファストフード」である施設が下位にソートされ(ステップS605)、それらを施設検索結果から削除することにより(ステップS606)、最終的に図21(b)に示すような検索結果が得られ、このような施設検索結果が表示部4に表示される。
【0129】
なお、本実施形態における不要施設設定処理では、施設種類、すなわち、いわゆる施設ジャンルのカテゴリを対象として検索する必要のない施設(不要施設)を選択するものとして説明したが、本発明では、施設ジャンルのサブジャンルとなるサブカテゴリ、例えば、当該施設種類の銘柄やブランド等(施設種類が「ファストフード」の場合、例えば、「ハンバーガーショップ」等)を対象として不要施設を選択するように設定してもよい。
【0130】
以上説明したように、本発明の第6実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、施設検索除外設定手段109が検索対象の施設種類としない不要施設種類を予め設定し、優先表示判定手段104は、施設検索除外設定手段109により設定された不要施設種類に対応する施設を表示不要と判定することとした。グローバル対応のナビゲーション装置1では、通常、ユーザに入力された電話番号と一致する電話番号を有するすべての施設が施設検索結果として表示されることになるが、この施設検索結果の中にはユーザにとって明らかに不要な検索結果も含まれ得る。施設検索結果に多くの施設が含まれるとユーザが所望する施設を見付けるのが困難となってしまうため、ユーザが不要と判断した施設種類に対応する施設を検索対象除外リストの施設として除外することにより、より容易に検索ノイズを抑制することができる。
【0131】
第5実施形態の機能と併用して用いる場合、第5実施形態の「優先表示」と本実施形態の「検索除外」とでいずれの機能を優先させるべきかをユーザにより設定可能とすることにより、さらにバリエーションに富んだ施設検索結果を表示させることができる。
【0132】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0133】
本実施形態では、優先表示判定処理についてフローチャートを用いて説明する。図22は、本発明の第7実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0134】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS701)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0135】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、現在位置取得手段110は、GPSセンサ21から取得されたGPS情報または例えばVICS等により取得された道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得し(ステップS702)、施設到達距離算出手段111は、現在位置取得手段110により取得された車両の現在位置から施設検索結果の各施設までの施設到達距離をそれぞれ算出し(ステップS703)、優先表示判定手段104は、施設到達距離算出手段111により算出された施設到達距離に基づいて、施設検索結果の施設をソートし(ステップS704)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0136】
なお、ステップS703の施設到達距離の算出方法としては、詳細な説明を省略するが、既存の手法を用いればよく、例えば、2地点の経度・緯度から三角法により算出したり、予め測定された距離から求めたり、簡単な経路探索(ルート検索)を実行することにより移動距離として求めたりすればよい。
【0137】
図23は、本発明の第7実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。ここでは、車両の現在位置がフランスのパリ地域であり、例えばフランス国内を対象とした電話番号による施設検索を行うことにより得られた施設検索結果を一例として示す。
【0138】
まず、図6に示すような電話番号検索処理が実行され、ステップS119において図23(a)に示すような検索結果(本実施形態では、この時点で「施設名」、「施設種類」のみ)が保持される。ここでは、施設候補が複数あるため(ステップS701にて「Yes」)、車両の現在位置が取得され(ステップS702)、施設検索結果の各施設と車両の現在位置との距離(施設到達距離)がそれぞれ算出され(ステップS703)、最終的に図23(a)に示す検索結果が得られる。そして、施設到達距離に基づいて施設検索結果がソートされ(ステップS704)、最終的に図23(b)に示すような検索結果が得られ、このような施設検索結果が表示部4に表示される。
【0139】
以上説明したように、本発明の第7実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法によれば、上記第1実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、現在位置取得手段110がGPS情報または道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得し、施設到達距離算出手段111が現在位置取得手段110により取得された現在位置から施設検索結果の各施設までの施設到達距離を算出し、優先表示判定手段104は、施設到達距離算出手段111により算出された施設到達距離が短い施設を施設検索結果の上位に順位付けすることとした。これにより、旅行中や出張中のようにユーザの生活圏と異なる場所において電話番号による施設検索を行う際に、車両の使用地域や使用言語地域ではなく、車両の現在位置から近い施設を優先させて検索結果として表示させることができる。
【0140】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法を説明する。なお、本実施形態では、施設検索装置であるナビゲーション装置1の構成が第1実施形態から特に変更されていないため、ナビゲーション装置1の構成の詳細な説明を省略する。また、ナビゲーション装置1の動作においても、本実施形態におけるメイン処理(メインルーチン)は図4に示すメイン処理と同様の処理であり、サブルーチンも一部の処理が同様の処理となるため、特に変更となる処理についてフローチャートを用いて説明する。
【0141】
本実施形態では、優先表示判定処理およびそのサブルーチンとしての代替機関提示処理についてフローチャートを用いて説明する。図24は、本発明の第8実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【0142】
まず、優先表示判定手段104は、上記電話番号検索処理における検索結果である施設候補が複数存在するか否かを判定する(ステップS801)。施設候補が一つのみ、あるいは存在しないと判定された場合には、処理フローはステップS805に移行する。
【0143】
一方、施設候補が複数存在していると判定された場合には、現在位置取得手段110は、GPSセンサ21から取得されたGPS情報または例えばVICS等により取得された道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得し(ステップS802)、施設到達距離算出手段111は、現在位置取得手段110により取得された車両の現在位置から施設検索結果の各施設までの施設到達距離をそれぞれ算出し(ステップS803)、優先表示判定手段104は、施設到達距離算出手段111により算出された施設到達距離に基づいて、施設検索結果の施設をソートし(ステップS804)、処理フローはステップS805に移行する。
【0144】
次いで、優先表示判定手段104は、ユーザにより入力された電話番号が緊急用の電話番号であるか否かを判定する(ステップS805)。ここで、緊急用の電話番号とは、緊急性を要する施設(要緊急施設)の電話番号(緊急ダイヤル番号)を意味し、要緊急施設としては、例えば、警察、救急、消防、道路サービス等が含まれる。この電話番号が緊急用の電話番号ではないと判定された場合には、処理フローはそのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0145】
一方、この電話番号が緊急用の電話番号であると判定された場合には、優先表示判定手段104は、要緊急施設の利用範囲を読み出す(ステップS806)。ここでは、利用範囲とは、車両の現在位置から一定の距離の範囲を意味し、例えば、車での移動が5〜10分以内の距離範囲としてメモリ11またはデータ記憶部12に予め格納されている。
【0146】
次いで、優先表示判定手段104は、ステップS804で施設到達距離に応じてソートされた施設候補が上記利用範囲外にあるか否かを判定する(ステップS807)。施設候補が利用範囲内にあると判定された場合には、処理フローは、そのままこの優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0147】
一方、施設候補が利用範囲外にあると判定された場合には、代替機関提示手段112による以下のような代替機関提示手段を実行して(ステップS808)、この優先表示判定処理を終了してメイン処理に戻る。
【0148】
次に、図25のフローチャートを参照して、代替機関提示処理を説明する。図25は、図24のステップS808で実行される代替機関提示処理を示すフローチャートである。この代替機関提示処理は、優先表示判定処理においてユーザにより入力された電話番号が緊急用の電話番号であり、施設候補が所定の利用範囲内にない場合に実行される。
【0149】
まず、代替機関提示手段112は、施設候補が一つ以上あるか否かを判定する(ステップS811)。施設候補がないと判定された場合には、処理フローはステップS815に移行する。
【0150】
一方、施設候補が一つ以上あると判定された場合には、代替機関提示手段112は、メモリ11またはデータ記憶部12から読み出された代替機関利用確認画面を表示部4に表示させる(ステップS812)。このとき、例えば、「検索結果よりも近い代替施設が存在します。代替施設を利用しますか?」との音声ガイダンスに従って、ユーザは、代替機関を利用するか否かを選択する(ステップS813)。選択された代替機関利用情報はメモリ11に一時的に保存される。
【0151】
次いで、代替機関提示手段112は、ステップS813においてユーザにより選択され、メモリ11に一時的に保存された代替機関利用情報に基づいて、ユーザに代替機関を利用する意思があるか否かを判定する(ステップS814)。ユーザに代替機関を利用する意思がないと判定された場合には、処理フローはそのままこの代替機関提示処理を終了する。
【0152】
一方、ユーザに代替機関を利用する意思があると判定された場合には、代替機関提示手段112は、上記利用範囲内にある代替機関を検索し(ステップS815)、一つまたは複数の代替機関が検索されると、検索にヒットした代替機関をユーザに提示して、いずれの代替機関にするかをユーザに選択させる(ステップS816)。そして、ユーザの選択に応じて、代替機関提示手段112は、選択された代替機関を代替利用機関として決定し(ステップS817)、この代替機関提示処理を終了する。
【0153】
以上説明したように、本発明の第8実施形態に係る施設検索方法および施設検索装置によれば、上記第7実施形態に係る施設検索装置および施設検索方法の構成において、警察、救急、消防、道路サービス等の緊急ダイヤル用の番号が検索条件として入力されたとき、所定の範囲内に当該施設が存在しなかった場合には、代替機関提示手段112が現在位置取得手段110により取得された現在位置の周辺地域における代替機関を検索結果として提示することとした。特に、生活圏と異なる場所で緊急性を要する電話を掛けたい場合、その国によっては緊急ダイヤル番号が入力されたものと正しく把握されなかったり、緊急ダイヤル番号を検索条件として入力することが困難となったりする場合も考えられる。したがって、特定の緊急ダイヤル番号が入力されたとき、その施設が一定の範囲内にない場合には、同一種類の代替施設を検索結果として表示してユーザ支援を行うことにより、ユーザの緊急性を早期に解決することができる。
【0154】
以上、本発明の施設検索方法および施設検索装置の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書および図面に記載のない形状・構造・機能を有するものであっても、本発明の作用・効果を奏する以上、本発明の技術的思想の範囲内である。すなわち、施設検索装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物や処理が付加されていてもよい。
【0155】
上述のいずれかの実施形態における施設検索方法および施設検索装置では、優先表示判定手段104が施設検索結果の優先順位付けを行った後、表示部4に表示される施設検索結果のうち、施設が所在する国名、地域名、施設種類の少なくとも一つのカテゴリを提示し、提示されたカテゴリ条件からユーザが選択したカテゴリを条件として、さらに絞り込み検索を行う絞り込み検索手段がさらに設けられてもよい。これにより、より速く絞り込み検索を行うことができ、ユーザの所望する施設をより速く見つけ出すことができる。
【0156】
また、上述のいずれかの実施形態における施設検索方法および施設検索装置では、施設検索結果が得られなかった場合またはユーザの指示があった場合には、検索条件入力結果の一部に、施設種類、検索対象国、検索対象地域、車両の現在位置、現在時刻、検索・探索履歴およびその頻度の少なくとも一つを追加して、施設を再検索する再検索手段がさらに設けられてもよい。例えば、ユーザが電話番号の入力を一部間違っているような場合には当然のことながら所望の施設検索結果が得られないことになる。このような場合に、ナビゲーション装置から再入力を促しても、結局正しい電話番号を入力することができず、所望の検索を行うことができない場合も多い。このようなときに、例えば、電話番号の下位の桁グループに絞ってワイルドカード検索を行ったり、付加的な検索条件と組み合わせたりすることにより、ユーザが所望する施設の電話番号を推定することができ、電話番号が完全に一致しない場合であっても、適切な施設検索結果を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の一実施形態における施設検索方法を実現する車載ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御部の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における電話番号検索によるデータベースとクエリの構成例である。
【図4】本発明の第1実施形態において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS4で実行される検索条件入力判定処理を示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS5で実行される電話番号検索処理を示すフローチャートである。
【図7】図4のステップS6で実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図8】図4のステップS7で実行される検索結果表示処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態において実行される検索条件入力判定処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の優先表示判定処理の前に実行される使用地域設定処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。
【図13】本発明の第4実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図14】図13の優先表示判定処理の前に実行される使用言語設定処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。
【図16】本発明の第5実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図17】図16の優先表示判定処理の前に実行される優先検索施設設定処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第5実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。
【図19】本発明の第6実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図20】図19の優先表示判定処理の前に実行される不要施設設定処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第6実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。
【図22】本発明の第7実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第7実施形態における施設検索方法の検索の推移を示す説明図である。
【図24】本発明の第8実施形態において実行される優先表示判定処理を示すフローチャートである。
【図25】図24のステップS808で実行される代替機関提示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
1 (グローバル対応)ナビゲーション装置
3 操作部
4 表示部
5 スピーカ
10 制御部
101 検索条件入力判定手段
102 電話番号検索手段
103 検索結果表示手段
104 優先表示判定手段
105 検索条件入力桁数判定手段
106 使用地域設定手段
107 使用言語設定手段
108 優先検索施設設定手段
109 施設検索除外設定手段
110 現在位置取得手段
111 施設到達距離算出手段
112 代替機関提示手段
113 絞り込み検索手段
114 再検索手段
11 メモリ
12 データ記憶部
121 施設情報データベース(DB)
122 国情報データベース(DB)
13 地図描画部
14 マーク・検索結果等発生部
15 誘導経路描画部
16 画像合成部
17 音声出力部
21 GPSセンサ
22 距離センサ
23 角度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設名と、施設種類と、少なくとも国番号、地域番号および加入者番号から構成される施設の電話番号とを少なくとも含む施設情報が複数の国分格納されているデータベースから、ユーザが入力した検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致するか否かを判定することにより、所望の施設を検索する車両用の施設検索方法であって、
前記検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを判定する検索条件入力判定処理と、
前記検索条件入力結果と施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索する電話番号検索処理と、
前記電話番号検索処理によって得られた施設検索結果を一覧表示する検索結果表示処理とを有し、
(1)前記検索条件入力判定処理において前記検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、前記電話番号検索処理において前記検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、
(2)前記検索条件入力判定処理において前記検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、前記電話番号検索処理において前記検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、
(3)前記検索条件入力判定処理において前記検索条件入力結果が国番号および地域番号を含まないと判定された場合には、前記電話番号検索処理において前記検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、
前記(2)または(3)の前記電話番号検索処理において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、所定の条件に従って優先表示のための施設検索結果の優先順位を判定する優先表示判定処理をさらに有し、
前記検索結果表示処理において、前記優先表示判定処理で判定された優先順位に応じて前記施設検索結果を表示することを特徴とする施設検索方法。
【請求項2】
検索条件入力判定処理において前記検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定された場合、入力された総桁数をカウントし、国番号以外の残桁数が当該国番号に該当する国で必要な地域番号と加入者番号の桁数の和の最小値以上かつ最大値以下のときには、前記検索条件入力結果の上位桁が国番号であると判定し、前記残桁数が前記最小値未満または最大値より大きい場合には、国番号ではなく地域番号および加入者番号が入力されたものと判定する検索条件入力桁数判定処理をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の施設検索方法。
【請求項3】
使用地域を予め設定する使用地域設定処理をさらに有し、
前記優先表示判定処理において、前記使用地域設定処理にて設定された使用地域に属する国番号および地域番号を含む施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索方法。
【請求項4】
使用言語を予め設定する使用言語設定処理をさらに有し、
前記優先表示判定処理において、前記使用言語設定処理にて設定された使用言語の言語圏に属する国番号および地域番号を含む施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索方法。
【請求項5】
検索対象の施設種類として優先する優先施設種類を予め設定する優先検索施設設定処理をさらに有し、
前記優先表示判定処理において、前記優先検索施設設定処理にて設定された施設種類に対応する施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索方法。
【請求項6】
検索対象の施設種類としない不要施設種類を予め設定する施設検索除外設定処理をさらに有し、
前記優先表示判定処理において、前記施設検索除外設定処理にて設定された不要施設種類に対応する施設を表示不要と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索方法。
【請求項7】
GPS情報または道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得する現在位置取得処理と、
前記現在位置取得処理にて取得された現在位置から前記施設検索結果の各施設までの施設到達距離を算出する施設到達距離算出処理とをさらに有し、
前記優先表示判定処理において、前記施設到達距離算出処理にて算出された前記施設到達距離が短い施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索方法。
【請求項8】
警察、救急、消防、道路サービス等の緊急ダイヤル用の電話番号が検索条件として入力されたとき、所定の範囲内に当該施設が存在しなかった場合には、前記現在位置取得処理にて取得された現在位置の周辺地域における代替機関を検索結果として提示する代替機関提示処理をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の施設検索方法。
【請求項9】
前記優先表示判定処理において前記施設検索結果の優先順位付けを行った後、表示される施設検索結果のうち、施設が所在する国名、地域名、施設種類の少なくとも一つのカテゴリを提示し、提示されたカテゴリ条件からユーザが選択したカテゴリを条件として、さらに絞り込み検索を行う絞り込み検索処理をさらに有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の施設検索方法。
【請求項10】
前記施設検索結果が得られなかった場合またはユーザの指示があった場合には、前記検索条件入力結果の一部に、施設種類、検索対象国、検索対象地域、車両の現在位置、現在時刻、検索・探索履歴およびその頻度の少なくとも一つを追加して、再検索する再検索処理をさらに有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の施設検索方法。
【請求項11】
施設名と、施設種類と、少なくとも国番号、地域番号および加入者番号から構成される施設の電話番号とを少なくとも含む施設情報が複数の国分格納されているデータベースから、ユーザが入力した検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致するか否かを判定することにより、所望の施設を検索する車両用の施設検索装置であって、
前記検索条件入力結果に国番号、地域番号、加入者番号およびプレフィックス番号がそれぞれ含まれるか否かを判定する検索条件入力判定手段と、
前記検索条件入力結果と施設の電話番号の全部または一部とが一致する施設を検索する電話番号検索手段と、
前記電話番号検索手段によって得られた施設検索結果を一覧表示する検索結果表示手段とを備え、
(1)前記検索条件入力判定手段により前記検索条件入力結果が国番号、地域番号および加入者番号を含むと判定された場合には、前記電話番号検索手段は、前記検索条件入力結果と施設の電話番号とが一致する施設のみを検索し、
(2)前記検索条件入力判定手段により前記検索条件入力結果が国番号を含まないと判定された場合には、前記電話番号検索手段は、前記検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、
(3)前記検索条件入力判定手段により前記検索条件入力結果が国番号および地域番号を含まないと判定された場合には、前記電話番号検索手段は、前記検索条件入力結果と施設の電話番号から国番号および地域番号を除いた番号とが一致する施設を検索し、
前記(2)または(3)の前記電話番号検索手段の検索において、複数の施設を含む施設検索結果が得られた場合には、所定の条件に従って優先表示のための前記施設検索結果の優先順位を判定する優先表示判定手段をさらに備え、
前記検索結果表示手段は、前記優先表示判定手段により判定された優先順位に応じて前記施設検索結果を表示することを特徴とする施設検索装置。
【請求項12】
検索条件入力判定手段により前記検索条件入力結果の上位桁が国番号と一致すると判定された場合、入力された総桁数をカウントし、国番号以外の残桁数が当該国番号に該当する国で必要な地域番号と加入者番号の桁数の和の最小値以上かつ最大値以下のときには、前記検索条件入力結果の上位桁が国番号であると判定し、前記残桁数が前記最小値未満または最大値より大きい場合には、国番号ではなく地域番号および加入者番号が入力されたものと判定する検索条件入力桁数判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の施設検索装置。
【請求項13】
使用地域を予め設定する使用地域設定手段をさらに備え、
前記優先表示判定手段は、前記使用地域設定手段により設定された使用地域に属する国番号および地域番号を含む施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項11または12に記載の施設検索装置。
【請求項14】
使用言語を予め設定する使用言語設定手段をさらに備え、
前記優先表示判定手段は、前記使用言語設定手段により設定された使用言語の言語圏に属する国番号および地域番号を含む施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項11または12に記載の施設検索装置。
【請求項15】
検索対象の施設種類として優先する優先施設種類を予め設定する優先検索施設設定手段をさらに備え、
前記優先表示判定手段は、前記優先検索施設設定手段により設定された施設種類に対応する施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項11または12に記載の施設検索装置。
【請求項16】
検索対象の施設種類としない不要施設種類を予め設定する施設検索除外設定手段をさらに備え、
前記優先表示判定手段は、前記施設検索除外設定手段により設定された不要施設種類に対応する施設を表示不要と判定することを特徴とする請求項11または12に記載の施設検索装置。
【請求項17】
GPS情報または道路交通情報に基づいて車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記現在位置取得手段により取得された現在位置から前記施設検索結果の各施設までの施設到達距離を算出する施設到達距離算出手段とをさらに備え、
前記優先表示判定手段は、前記施設到達距離算出手段により算出された施設到達距離が短い施設を前記施設検索結果の上位に順位付けすることを特徴とする請求項11または12に記載の施設検索装置。
【請求項18】
警察、救急、消防、道路サービス等の緊急ダイヤル用の番号が検索条件として入力されたとき、所定の範囲内に当該施設が存在しなかった場合には、前記現在位置取得手段により取得された現在位置の周辺地域における代替機関を検索結果として提示する代替機関提示手段をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の施設検索装置。
【請求項19】
前記優先表示判定手段が前記施設検索結果の優先順位付けを行った後、表示される施設検索結果のうち、施設が所在する国名、地域名、施設種類の少なくとも一つのカテゴリを提示し、提示されたカテゴリ条件からユーザが選択したカテゴリを条件として、さらに絞り込み検索を行う絞り込み検索手段をさらに備えることを特徴とする請求項11ないし18のいずれかに記載の施設検索装置。
【請求項20】
前記施設検索結果が得られなかった場合またはユーザの指示があった場合には、前記検索条件入力結果の一部に、施設種類、検索対象国、検索対象地域、車両の現在位置、現在時刻、検索・探索履歴およびその頻度の少なくとも一つを追加して、再検索する再検索手段をさらに備えることを特徴とする請求項11ないし19のいずれかに記載の施設検索装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2010−108297(P2010−108297A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280292(P2008−280292)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】