説明

有機シラン化合物、その製法、それを含むSi含有膜形成材料、および成膜方法

【課題】新規なSi含有膜形成材料、殊にPECVD装置に適したアルキルシラン化合物を含んでなるSi含有膜形成材料を提供する。
【解決手段】少なくとも一つのシクロプロピル基がケイ素原子に直結した構造を有する有機シラン化合物(具体的例示:2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン)を含有するSi含有膜形成材料を用いてPECVD法によりSi含有膜を製造し、それを半導体デバイスの絶縁膜として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロジックULSIにおける多層配線技術に用いられる低誘電率層間絶縁膜の形成に有用なSi含有膜形成材料に関するものである。殊にプラズマ重合に適したSi含有膜形成材料、その製造方法及びその用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子産業の集積回路分野の製造技術において、高集積化かつ高速化の要求が高まっている。シリコンULSI、殊にロジックULSIにおいては、MOSFETの微細化による性能よりも、それらをつなぐ配線の性能が課題となっている。すなわち、多層配線化に伴う配線遅延の問題を解決する為に配線抵抗の低減と配線間および層間容量の低減が求められている。
【0003】
これらのことから、現在、集積回路の大部分に使用されているアルミニウム配線に変えて、より電気抵抗が低く、マイグレーション耐性のある銅配線の導入が必須となっており、スパッタリングまたは化学気相成長法(以下、CVDと略記)によるシード形成後、銅メッキを行うプロセスが実用化されつつある。
【0004】
低誘電率層間絶縁膜材料としては、さまざまな提案がある。従来技術としては、無機系では、二酸化珪素(SiO)、窒化珪素、燐珪酸ガラス、有機系では、ポリイミドが用いられてきたが、最近では、より均一な層間絶縁膜を得る目的で予めテトラエトキシシランモノマーを加水分解、すなわち、重縮合させてSiOを得、Spin on Glass(無機SOG)と呼ぶ塗布材として用いる提案や、有機アルコシキシランモノマーを重縮合させて得たポリシロキサンを有機SOGとして用いる提案がある。
【0005】
また、絶縁膜形成方法として絶縁膜ポリマー溶液をスピンコート法等で塗布、成膜を行う塗布型のものと主にプラズマ励起化学気相成長法(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置中でプラズマ重合させて成膜するCVD法の二つの方法がある。
【0006】
PECVD法の提案としては、例えば、特許文献1において、トリメチルシランと酸素とからPECVD法により酸化トリメチルシラン薄膜を形成する方法が、また、特許文献2では、メチル、エチル、n−プロピル等の直鎖状アルキル、ビニルフェニル等のアルキニル及びアリール基を有するアルコキシシランからPECVD法により、酸化アルキルシラン薄膜を形成する方法が提案されている。これら従来のPECVD法材料で形成された絶縁膜は、バリアメタル、配線材料である銅配線材料との密着性が良好な反面、膜の均一性が課題となったり、成膜速度、比誘電率が不十分な場合があった。
【0007】
環状シロキサンを用いたPECVDの提案としては、例えば、特許文献3において、テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた方法が、特許文献4では、テトラアルキルシクロテトラシロキサン、テトラアミノシクロテトラシロキサン、オクタアルキルシクロテトラシロキサン、オクタアミノシクロテトラシロキサンを用いた方法が提案されている。
【0008】
これらの方法では、原料化合物として環状シロキサンを用い、生成薄膜中にその環状構造を維持しつつ、生成薄膜中に空孔を形成させ、比誘電率を低下させることを意図している。しかしながら、本発明者の知見によれば、これらの置換環状シロキサンを用いPECVD成膜した場合、2.7未満の比誘電率を有する薄膜は得られない。これは、その環状シロキサン化合物原料は、プラズマ中で容易に環状構造が破壊され、鎖状構造となり、多孔化に寄与しないためと考えられる。
【0009】
また、特許文献5では、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサンの六員環状シロキサンの提案があり、特許文献6では、ビスベンゾシクロブテン置換ジシロキンサン化合物と八員環状シロキサンの1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロトリシロキサンをプラズマ雰囲気下で共重合させる提案がある。しかしながら、本発明者の知見によれば、これらの提案にあるビニル、メチルが置換した環状シロキサンを用いる方法では、2.5未満の比誘電率を有する薄膜は得られない。
【0010】
特許文献7および特許文献8では、多孔化剤を用いたPECVD法低誘電率薄膜の成膜方法が提案されている。前者では、トリエトキシシランとジエトキシメチルシランと多孔化剤のα−テルピネンをPECVD装置チャンバー内に供給し、PECVD成膜した後、400℃以上の温度でアニール処理し、薄膜中のα−テルピネン由来の成分を揮発させることで多孔化を行い、低誘電率化を行う方法を提案している。後者では、シクロ−1,3,5,7−テトラシリレン−2,6−ジオキシ−4,8−ジメチレンと多孔化剤のビニルフリルエーテルと酸化剤の亜酸化窒素をPECVD装置チャンバー内に供給し、PECVD成膜した後、400℃以上の温度でアニール処理し、薄膜中のビニルフリルエーテル由来の成分を揮発させることで多孔化を行い、低誘電率化を行う方法を提案している。これらの方法は、多孔化による低誘電率化は、期待できるものの、一度形成されてしまった薄膜中から後処理により、多孔化剤由来成分を薄膜外に除去することから、薄膜のマトリックスが破壊されたり、膜内部での組成が不均一となり、剛性やヤング率等の機械的強度が低下したり、形成された孔が連続した開放系の孔となり、膜中への金属成分の拡散を防げない等の問題を有している。
【0011】
一方、塗布型の提案としては、膜の均一性は良好であるものの、塗布、溶媒除去、熱処置の三工程が必要であり、CVD材料より経済的に不利であり、また、バリアメタル、配線材料である銅配線材料との密着性や、微細化している基板構造への塗布液の均一な塗布自体が課題となる場合が多い。
【0012】
また、塗布型材料においては、比誘電率が2.5以下、更には、2.0以下のUltra Low−k材を実現する為に多孔質材料とする方法が提案されている。有機系もしくは無機系材料のマトリックスに容易に熱分解する有機成分微粒子を分散させ、熱処理し多孔化する方法、珪素と酸素をガス中蒸発させて形成したSiO超微粒子を蒸着させ、SiO超微粒子薄膜を形成させる方法等がある。
【0013】
しかしながら、これら多孔質化の方法は、低誘電率化には有効であるものの、機械的強度が低下し、化学的機械的研磨(CMP)が困難となったり、水分の吸収による誘電率の上昇と配線腐食を引き起こす場合があった。
【0014】
従って、市場は、低誘電率、十分な機械的強度、バリアメタルとの密着性、銅拡散防止、耐プラズマアッシング性、耐吸湿性等の全て要求性能を満たすバランスの良い材料を更に求めており、これらの要求性能をある程度バランスよく満たす方法として、有機シラン系材料において、シランに対する有機置換基の炭素比率を上昇させることによって、有機ポリマーと無機ポリマーの中間的特徴を有する材料が提案されている。
【0015】
例えば、特許文献9では、アダマンチル基を有するシリコン化合物を酸性水溶液共存下、ゾル−ゲル法により加水分解重縮合した塗布溶液を用い、多孔質化せずに比誘電率が2.4以下の層間絶縁膜を得る方法を提案している。しかしながら、この材料は、塗布型の材料であり、依然、上述したような塗布型による成膜方法の課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−110670号公報
【特許文献2】特開平11−288931号公報
【特許文献3】特許2067801号公報
【特許文献4】特開平5−279856号公報
【特許文献5】国際公開第03/019645号パンフレット
【特許文献6】特開2004−47873号公報
【特許文献7】特開2005−19980号公報
【特許文献8】特開2001−298023号公報
【特許文献9】特開2000−302791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規なSi含有膜形成材料、殊にPECVD装置に適したアルキルシラン化合物を含んでなる、Si含有膜形成材料を提供すること、及びそれを用いた絶縁膜並びにこれらの絶縁膜を含んでなる半導体デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、少なくとも一つのシクロプロピル基がケイ素原子に直結した構造を有する有機シラン化合物が、絶縁膜、殊に半導体デバイス用の低誘電率層間絶縁膜の材料として好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0019】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
【0020】
(1)2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサン。
【0021】
(2)シクロプロピルメチルジメトキシシランを加水分解し分離精製することを特徴とする、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサンおよび/または2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの製造方法。
【0022】
(3)ジシクロプロピルジメトキシシランを加水分解し分離精製することを特徴とする、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサンおよび/または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサンの製造方法。
【0023】
(4)上述の(1)に記載の化合物を含有することを特徴とする、Si含有膜形成材料。
【0024】
(5)上述の(4)に記載のSi含有膜形成材料を用いることを特徴とする、Si含有膜の製造方法。
【0025】
(6)化学気相成長法により製造することを特徴とする、(5)に記載の製造方法。
【0026】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0027】
下記一般式(3)
【0028】
【化1】

(式中、R16〜R21は、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表す。R16〜R21は、互いに結合し、環状構造を形成してもよい。fは1または2、gは3以上6以下の整数を表す。)で表される有機シラン化合物を含有するものは、Si含有膜形成材料として使用できる。
【0029】
下記一般式(7)
【0030】
【化2】

(式中、R16〜R21は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。R16〜R21は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。R23は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。fは、1または2を表す。)で示される有機シラン化合物を加水分解させることにより、一般式(3)で示される有機シラン化合物を製造することができる。
【0031】
上記一般式(3)においてR16〜R21は、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれの構造を有してよい。また、それらが互いに結合して環状構造を形成してもよい。
【0032】
PECVD装置での安定的使用考慮した場合、有機シラン化合物の蒸気圧が低くなりすぎないとの点で炭素数1〜5の炭化水素基が特に好ましい。
【0033】
16〜R21の炭化水素基の例としては、特に限定されるものではないが、炭素数1〜10、好ましくは、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基を挙げることができる。R16〜R21は、同一であっても異なっても良い。
【0034】
16〜R21が互いに結合していない場合の炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、tert−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、トルイル基等を挙げることができる。
【0035】
16〜R21が互いに結合した場合の炭化水素基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを挙げることができる。
【0036】
またR16〜R20は水素原子であることも好ましい。
【0037】
fは1または2、gは3以上6以下の整数を表す。すなわち、
(I)f=1,g=3であるシクロプロピル基三置換シクロトリシロキサン類、
(J)f=2,g=3であるシクロプロピル基六置換シクロトリシロキサン類、
(K)f=2,g=4であるシクロプロピル基四置換シクロテトラシロキサン類、
(L)f=2,g=4であるシクロプロピル基八置換シクロテトラシロキサン類、
(M)f=1,g=5であるシクロプロピル基五置換シクロペンタシロキサン類、
(N)f=2,g=5であるシクロプロピル基十置換シクロペンタシロキサン類、
等であってもよく、またこれらの混合物であってもよい。
【0038】
一般式(3)で表される有機シラン化合物の具体例としては、
(I)2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリイソブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−sec−ブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−tert−ブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリシクロブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリイソペンチルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0039】
また、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリネオペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−1−メチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−2−メチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−2、3−ジメチルプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリヘキシルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−1−メチルペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−2−メチルペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−3−メチルペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−4−メチルペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−1,2−ジメチルブチルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0040】
また、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−1、3−ジメチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−2,3−ジメチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−2,2−ジメチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリ−3,3−ジメチルブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリシクロヘキシルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン等があげられる。
【0041】
また、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0042】
また、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0043】
また、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル等があげられる。
【0044】
また、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0045】
また、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメタリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6−トリメチリデンシクロトリシロキサン等があげられる。
【0046】
(J)2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ−2−メチル―シクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ−2−エチル―シクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ−2−プロピル―シクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ−1,2−ジメチル―シクロプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ2,3−ジメチル―シクロプロピルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0047】
(K)2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトライソブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラsec−ブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラtert−ブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラシクロブチルシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0048】
また、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトライソペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラネオペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ1−メチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ2−メチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ2、3−ジメチルプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラヘキシルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ1−メチルペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ2−メチルペンチルシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0049】
また、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ3−メチルペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ4−メチルペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ1、3−ジメチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ2、3−ジメチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ2、2−ジメチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラ3、3−ジメチルブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラシクロヘキシルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0050】
また、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0051】
また、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0052】
また、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0053】
また、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,2−メチル等があげられる。
【0054】
また、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0055】
また、2,4,6,8−テトラ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメタリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチリデンシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0056】
(L)2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−2−メチル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−2−エチル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−2−プロピル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−1,2−ジメチル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタ−2,3−ジメチル―シクロプロピルシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0057】
(M)2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラsec−ブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラtert−ブチルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0058】
また、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラシクロブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラネオペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ1−メチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ2−メチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ2、3−ジメチルプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラヘキシルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0059】
また、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ1−メチルペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ2−メチルペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ3−メチルペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ4−メチルペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ1、2−ジメチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ1、3−ジメチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ2、3−ジメチルブチルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0060】
また、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ2、2−ジメチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラ3、3−ジメチルブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラシクロヘキシルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタシクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0061】
また2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0062】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−2−メチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0063】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0064】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2−プロピル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0065】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0066】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−1,2−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラエチルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0067】
また、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトライソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメタリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタ−2,3−ジメチル―シクロプロピル−2,4,6,8,10−テトラメチリデンシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0068】
(N)2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカシクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−2−メチル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−2−エチル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−2−プロピル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−2,2−メチル、エチル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−1,2−ジメチル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10−デカ−2,3−ジメチル―シクロプロピルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0069】
中でも2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサンが特に好ましい。
【0070】
上記一般式(3)で表されるの有機シラン化合物の製造法は、特に限定されるものではないが、例えば、f=1、g=3であるシクロプロピル基三置換六員環シロキサンは、f=1である一般式(7)で表される有機シラン化合物を、水および酸の共存下、重縮合することにより、製造することができる。
【0071】
本製造法を採用することにより、副生成物の生成を抑制し、高収率に高純度の一般式(3)で示される有機シラン化合物が得られる。
【0072】
生成した一般式(3)で示される有機シラン化合物の精製法については、絶縁膜材料として使用するに有用な水分含有量50ppm未満、かつケイ素、炭素、酸素、および水素以外の元素の含有量を10ppb未満とする為には、ガラスフィルター、焼結多孔体等を用いた濾過、常圧もしくは減圧蒸留、またはシリカ、アルミナ、高分子ゲルを用いたカラム分離精製等の手段により除去すればよい。この際、必要に応じてこれらの手段を組み合せて使用してもよい。
【0073】
製造に際しては、当該有機金属化合物合成分野での方法に従う。すなわち、脱水および脱酸素された窒素またはアルゴン雰囲気下で行い、使用する溶媒および精製用のカラム充填剤等は、予め脱水操作を施しておくことが好ましい。また、金属残渣およびパーティクル等の不純物も除去しておくことが好ましい。
【0074】
本発明のSi含有膜形成材料を絶縁膜の材料として用いる場合には、特にケイ素、炭素、酸素、および水素以外の元素の含有量が10ppb未満であり、かつ含水量が50ppm未満のものが好ましい。
【0075】
本発明のSi含有膜形成材料を用いて、Si含有膜を製造することができる。このときの成膜方法は限定されるものではないが、CVDにより行うことが好ましく、特にPECVDにより行うことが好ましい。
【0076】
このときのPECVDの種類及び用いる装置は、特に限定されるものではないが、例えばこのPECVDは半導体製造分野、液晶ディスプレイ製造分野等の当該技術分野で一般的に用いられるものが使用される。
【0077】
PECVD装置において、本発明のSi含有膜形成材料を気化器により気化させて、成膜チャンバー内に導入し、高周波電源により、成膜チャンバー内の電極に印加し、プラズマを発生させ、成膜チャンバー内のシリコン基板等にPECVD薄膜を形成させることができる。この際、プラズマを発生させる目的でアルゴン、ヘリウム等のガス、酸素、亜酸化窒素等の酸化剤を導入しても良い。また、薄膜の多孔化の目的で、有機過酸化物もしくは、エポキシ化合物を同時に導入してもよい。PECVD装置によって本発明のSi含有膜形成材料を用いて成膜した場合、半導体デバイス用の低誘電率材料(Low−k材)として好適な薄膜を形成できる。
【0078】
PECVD装置のプラズマ発生方法については、特に限定されず、当該技術で使用されている誘導結合型プラズマ、容量結合型プラズマ、ECRプラズマ等を用いることができる。好ましくは、誘導結合型プラズマ、容量結合型プラズマである。また、プラズマ発生源としては、平行平板型、アンテナ型等の種々のものが使用でき、PECVD装置のチャンバーに供給する不活性ガスとしては、当該技術分野で使用されるヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオン、キセノン等が使用できる。
【0079】
このようにしてSi含有膜が得られるが、この膜は比誘電率が低く、条件次第では、2.0以下の比誘電率を有する膜が得られるため、低誘電率膜として使用することができる。また、この膜は環状シロキサン構造を有するものが好ましい。特に一般式(3)で表される化合物を用いて成膜した場合、膜中の環状シロキサン構造は、一般式(3)で示される化合物中の環状シロキサン構造が残存したものであってもよく、またプラズマにより新たに生成されたものであってもよい。その結果、環状シロキサン構造を有する膜は、主たる細孔径が1nm以下の多孔性の膜となり、さらにその孔が連続しておらず、膜中への金属の拡散が無く、かつ高い機械的物性と高い伝熱性を有することから、半導体デバイス用低誘電率材料(Low−k材)として殊に好適な薄膜となる。従って、一般式(3)で表される環状シロキサン化合物中の環状シロキサン構造を破壊しないようなPECVD条件で成膜することが好ましい。
【0080】
PECVD装置の一例として、図1に平行平板容量結合型PECVD装置を示す。図1に示す平行平板容量結合型PECVD装置1は、PECVD装置チャンバー内にシャワーヘッド上部電極と基板の温度制御が可能な下部電極、本発明のSi含有膜形成材料(以下プレカーサーと略す)をチャンバーに気化供給する気化器装置と高周波電源とマッチング回路から成るプラズマ発生装置、真空ポンプから成る排気系から成る。
【0081】
具体的には、このPECVD装置1は、PECVDチャンバー2、プレカーサーをチャンバー内に均一に供給する為のシャワーヘッドを有する上部電極3、Si基板等の薄膜形成用基板5を設置する為の温度制御装置8を有する下部電極4、プレカーサーを気化させるための気化装置9〜15、プラズマ発生源であるマッチング回路6とRF電源7、チャンバー内の未反応物及び副生物を排気する為の排気装置16から成る。17,18は、アースである。
【0082】
プラズマ発生源であるマッチング回路6とRF電源7は、上部電極3に接続され、放電によりプラズマを発生させる。RF電源7の規格については、特に限定されないが、当該技術分野で使用される電力が1W〜2000W、好ましくは10W〜1000W、周波数が50kHz〜2.5GHz、好ましくは100kHz〜100MHz、特に好ましくは200kHz〜50MHzのRF電源を用いることができる。
【0083】
基板温度は特に限定されるものでは無いが、−90〜1,000℃、好ましくは0℃〜500℃の範囲である。
【0084】
気化装置は、常温常圧で液体であるプレカーサー13を充填し、ディップ配管と上記不活性ガスにより加圧する配管15を備えている容器12、液体であるプレカーサー13の流量を制御する液体流量制御装置10、液体であるプレカーサー13を気化させる気化器9、上記不活性ガスを気化器経由でPECVD装置チャンバー内に供給する為の配管14とその流量を制御する気体流量制御装置11からなる。本気化装置は、気化器9からシャワーヘッドを備えた上部電極3に配管接続されている。
【0085】
また、PECVD装置の一例として、図2に誘導結合型リモートPECVD装置を示す。図2に示す誘導結合型リモートPECVD装置19は、PECVD装置チャンバー上部の石英の周りにコイル状に巻かれたプラズマ発生部、温度制御が可能な基板設置部、プレカーサーをチャンバーに気化供給する気化器装置と高周波電源とマッチング回路から成るプラズマ発生装置、真空ポンプから成る排気系から成る。
【0086】
具体的には、このPECVD装置19は、PECVDチャンバー20、プラズマ発生部であるコイル21と石英管22、Si基板等の薄膜形成用基板24を設置する為のヒーター部23と温度制御装置27、プレカーサーを気化させるための気化装置28〜35、プラズマ発生源であるマッチング回路25とRF電源26、チャンバー内の未反応物及び副生物を排気する為の排気装置36から成る。37は、アースである。
【0087】
プラズマ発生部である石英周りのコイルは、マッチング回路25に接続され、石英管中にRF電流によるアンテナ電流磁界で放電させ、プラズマを発生させる。RF電源26の規格については特に限定されないが、当該技術分野で使用される電力が1W〜2000W、好ましくは10W〜1000W、周波数が50kHz〜2.5GHz、好ましくは100kHz〜100MHz、特に好ましくは200kHz〜50MHzのRF電源を用いることができる。
【0088】
基板温度は特に限定されるものでは無いが、−90〜1,000℃、好ましくは0℃〜500℃の範囲である。
【0089】
気化装置は、常温常圧で液体であるプレカーサー33を充填し、ディップ配管と上記不活性ガスにより加圧する配管35を備えている容器32、液体であるプレカーサー33の流量を制御する液体流量制御装置29、液体であるプレカーサー33を気化させる気化器28、上記不活性ガスを気化器経由でPECVD装置チャンバー内に供給する為の配管34とその流量を制御する気体流量制御装置30と不活性ガスとガス化したプレカーサー33をチャンバー内に均一に供給する為のシャワーヘッド31から成る。
【0090】
プレカーサーは、上記で例示したPECVD装置等を用いてガス化され、必要に応じて不活性ガスと共にチャンバー内に供給され、PECVDにより成膜される。この際のチャンバー内の圧力は特に限定されるものではないが、0.1Pa〜10000Pa、好ましくは1Pa〜5000Paである。
【0091】
また、本発明により得られるSi含有膜を、更に熱処理、紫外線照射処理、又は電子線処理することすることにより、多孔化した、または機械的強度が向上した薄膜を得ることができる。これらを組み合わせた処理を行ってもよい。本処理で得られた薄膜は低誘電率絶縁材料として好適なものである。
【0092】
本発明によるSi含有膜は、いずれも低誘電率材料として好適なものであり、絶縁膜として半導体デバイスに用いることができる。特に多層配線を用いたULSIの製造に好適である。
【0093】
また本発明のSi含有膜形成材料として使用しうる2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサンは新規化合物である。
【発明の効果】
【0094】
本発明のSi含有膜形成材料を用いることにより、Si含有膜を得ることができ、それは半導体デバイス層間絶縁膜中の低誘電率材料として、低い誘電率且つ高い機械的強度を有するものである。特に本発明のSi含有膜形成材料を用いて、PECVDにより成膜することにより、従来法では困難であった多孔質材料の提供が可能となり、これは相間絶縁膜として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】平行平板容量結合型PECVD装置を示す図である。
【図2】誘導結合型リモートPECVD装置を示す図である。
【実施例】
【0096】
以下に実施例を示すが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0097】
参考例1
[シクロプロピル基がケイ素原子に直結した構造を有する有機シラン化合物の製造]
窒素気流下、滴下濾斗を備えた1lの反応器に金属マグネシウム29.17g(1.2mol)と乾燥したジエチルエーテル800mlとを仕込み、室温で攪拌しつつ、滴下濾斗より、ブロモシクロプロパン245.18g(1.2mol)とテトラメトキシシラン62.09g(0.4mol)の混合溶液を滴下し、更にジエチルエーテル還流条件下、24時間攪拌した。反応終了後、未反応の金属マグネシウム及び副生物のMgBr(OMe)を濾過により除去して、ジシクロプロピルジメトキシシランのジエチルエーテル溶液とした。ジエチルエーテルを留去し、蒸留により、目的物であるジシクロプロピルジメトキシシランを分離精製した。結果は、収率15%であった。単離したジシクロプロピルジメトキシシランをH−NMR、13C−NMR、GC−MSで分析した結果は以下の通りであり、高純度の目的物であることが示された。
[ジシクロプロピルジメトキシシランの物性値]
H−NMR(CDCl);−0.50〜−0.48ppm(m,2H,−CH−C−Si)、0.42〜0.46ppm(m,4H,−C−CH−Si)、0.56〜0.62ppm(m,4H,−C−CH−Si)、3.56(s,6H,CO−Si)
13C−NMR(CDCl);−9.28ppm(−CHH−Si)、0.21ppm(−−CH−Si)、0.84ppm(−−CH−Si)、50.90ppm(O−Si)
GC−MS;Mw=172、C16Si。
【0098】
実施例1
[シクロプロピル基がケイ素原子に直結した構造を有する環状有機シラン化合物の製造]
窒素気流下、20mlの反応器に水2.53g(0.14mol)と濃硫酸1.97g(0.02mol)を仕込み、室温で攪拌しつつ、シクロプロピルメチルジメトキシシラン2.94g(0.02mol)を滴下し、さらに室温で1時間、80℃で1時間反応した後、蒸留により目的物である2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン(収率15%)、および2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン(収率14%)を分離精製した。
[2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサンの物性値]
H−NMR(CDCl);−0.40〜−0.38ppm(m,3H,−CH−C−Si)、0.138ppm(s,9H,C−Si)、0.36−0.40ppm(m,6H,−C−CH−Si)、0.54−0.60ppm(m,6H,−C−CH−Si)
13C−NMR(CDCl);−4.17ppm(−Si)、−1.38ppm(−CHH−Si)、1.18(−−CH−Si)ppm
GC−MS;Mw=300、C1224Si
[2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの物性値]
H−NMR(CDCl);−0.48〜−0.40ppm(m,4H,−CH−C−Si)、0.02−0.10ppm(m,12H,C−Si)、2.80−0.38ppm(m,8H,−C−CH−Si)、0.48−0.54ppm(m,8H,−C−CH−Si)
13C−NMR(CDCl);−4.23ppm(−Si)、−1.34ppm(−CHH−Si)、1.21ppm(−−CH−Si)
GC−MS;Mw=400、C1632Si
【0099】
実施例2
[シクロプロピル基がケイ素原子に直結した構造を有する環状有機シラン化合物の製造]
窒素気流下、20mlの反応器に水1.46g(0.81mol)と濃硫酸1.14g(0.01mol)を仕込み、室温で攪拌しつつ、ジシクロプロピルジメトキシシラン2.00g(0.01mol)を0℃で滴下し、さらに80℃で1時間反応した後、抽出し、蒸留により目的物である2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン(収率9%)、および2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサン(収率4%)を分離精製した。
[2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサンの物性値]
H−NMR(CDCl);−0.42〜−0.36ppm(m,6H,−CH−C−Si)、0.44−0.48ppm(m,12H,−C−CH−Si)、0.54−0.60ppm(m,12H,−C−CH−Si)
13C−NMR(CDCl);−5.81ppm(−CHH−Si)、1.10ppm(−−CH−Si)
GC−MS;Mw=378、C1830Si
[2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサンの物性値]
1H−NMR(CDCl);−0.49〜−0.40ppm(m,8H,−CH−C−Si)、0.38−0.42ppm(m,16H,−C−CH−Si)、0.48−0.53ppm(m,16H,−C−CH−Si)
GC−MS;Mw=504、C2440Si
【0100】
参考例2
[有機シラン化合物を用いたPECVD成膜]
図1に示した平行平板容量結合型PECVD装置を用いて参考例1で合成したジシクロプロピルジメトキシシランをシリコン基板上に成膜した。成膜条件は、不活性ガスとしてアルゴンガスを10sccmで供給し、気化させたジシクロプロピルジメトキシシランをチャンバー内圧が10Paとなるように供給し続け、基板温度100℃、RF電源電力30W、RF電源周波数13.56MHzの条件で成膜した。結果は、成膜速度113nm/min.であった。
【0101】
実施例3 [一般式(3)で表される有機シラン化合物を用いたPECVD成膜]
参考例2においてジシクロプロピルジメトキシシランに変えて、実施例1で合成した2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサンとしたこと以外は、参考例2と同様にしてPECVD薄膜を得た。結果は、成膜速度52.0nm/min.であった。
【符号の説明】
【0102】
1.平行平板容量結合型PECVD装置
2.PECVDチャンバー
3.上部電極
4.下部電極
5.薄膜形成用基板
6.マッチング回路
7.RF電源
8.温度制御装置
9.気化器
10.液体流量制御装置
11.気体流量制御装置
12.容器
13.プレカーサー
14.配管
15.配管
16.排気装置
17.アース
18.アース
19.誘導結合型リモートPECVD装置
20.PECVDチャンバー
21.コイル
22.石英管
23.ヒーター部
24.薄膜形成用基板
25.マッチング回路
26.RF電源
27.温度制御装置
28.気化器
29.液体流量制御装置
30.気体流量制御装置
31.シャワーヘッド
32.容器
33.プレカーサー
34.配管
35.配管
36.排気装置
37.アース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサン。
【請求項2】
シクロプロピルメチルジメトキシシランを加水分解し分離精製することを特徴とする、2,4,6−トリシクロプロピル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサンおよび/または2,4,6,8−テトラシクロプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの製造方法。
【請求項3】
ジシクロプロピルジメトキシシランを加水分解し分離精製することを特徴とする、2,2,4,4,6,6−ヘキサシクロプロピルシクロトリシロキサンおよび/または2,2,4,4,6,6,8,8−オクタシクロプロピルシクロテトラシロキサンの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物を含有することを特徴とする、Si含有膜形成材料。
【請求項5】
請求項4に記載のSi含有膜形成材料を用いることを特徴とする、Si含有膜の製造方法。
【請求項6】
化学気相成長法により製造することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−116758(P2011−116758A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286296(P2010−286296)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【分割の表示】特願2006−82890(P2006−82890)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】