説明

梱包方法および梱包装置

【課題】基板を正確かつ迅速に高密度で梱包することができる梱包方法を提供する。
【解決手段】梱包方法は、基板50に吸着可能な吸着部25を有し基板を吸着保持可能な搬送装置20を用い、鉛直方向に沿って延びる収納領域65へ、基板を収納する方法である。梱包方法は、基板の少なくとも一側領域に吸着部を吸着させ、基板を吸着保持する工程と、基板の反りを評価する工程と、鉛直方向に沿った上面視において基板が収納領域内へ位置するように、収納領域の上方へ基板を位置決めする工程と、基板を前記収納領域へ搬送する工程と、を備える。基板の反りは、一側領域の吸着部によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして基板が保持されている状態で、評価される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を所定の収納領域へ収納することによって基板を梱包する梱包方法および梱包装置に係り、とりわけ、基板を正確かつ迅速に高密度で梱包することができる梱包方法および梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、基板(板状の部材)を搬送して収納位置に収納(梱包)する方法および装置が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された方法および装置において、基板(ウエハ)は、その板面が水平方向に沿うようにして搬送され、収納箱(ウエハキャリア)内の所定の収納位置に収納されるようになっている。また、特許文献1に開示された方法および装置においては、基板の搬送中に、水平姿勢に維持された基板の撓み量を測定するとともに、測定された撓み量に応じて基板の鉛直方向位置を収納領域に対して調整するようになっている。これにより、基板と収納箱との衝突を防止することができる。
【特許文献1】特開平11−251401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、昨今、種々の技術分野で用いられる基板について、大型化が進んでいる。とりわけ、フラットパネルディスプレイに用いられる基板類、例えばプラズマディスプレイパネルの背面板等においては、大型化が急速に進んでいる。
【0005】
特許文献1に開示された方法および装置を用いて大型化された基板を取り扱う場合、基板の撓み量が全体的に大きくなってしまう。また、搬送中に基板が振動してしまい、基板の撓み量を正確に測定することができなくなる。
【0006】
基板の撓み量が大きくなると、基板を収納する際に、収納領域の壁面に基板を衝突させて基板を破損させやすくなり、さらには、収納領域に基板を収納することができなくなる。また、撓み量の測定が正確でない場合にも、良品の基板を撓み量が大きすぎる不良品として廃棄することになってしまったり、基板を収納する際に、収納領域の壁面に基板を衝突させて基板を破損させてしまったりする虞がある。その一方で、基板の撓み量を正確に測定するため、基板の振動が十分に減衰した後に基板の撓み量を測定すると、一枚の基板を梱包するのに要する時間が極めて長くなってしまう。
【0007】
このような不具合を解消するためには、基板が収納されるべき収納領域の間口を広げなればならない。この場合、基板が低密度に梱包(収納)されることになり、基板を梱包した梱包体が嵩張ってしまうという別の不具合が生じてしまう。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板を正確かつ迅速に高密度で梱包することができる梱包方法および梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による梱包方法は、基板に吸着可能な吸着部を有し前記基板を吸着保持可能な搬送装置を用い、鉛直方向に沿って延びる収納領域へ、前記基板を収納する梱包方法にであって、前記基板の一方の面のうちの少なくとも前記基板の一側の縁部近傍の一側領域に前記吸着部を吸着させ、前記基板を吸着保持する工程と、前記基板が、前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして、前記搬送装置によって保持されている状態で、前記基板の反りを評価する工程と、鉛直方向に沿った上面視において前記吸着部に吸着された基板が前記収納領域内へ位置するように、反りの評価結果に基づき、前記収納領域の上方へ前記基板を位置決めする工程と、前記吸着部を鉛直方向に沿って下向きに移動させ、前記基板を前記収納領域へ搬送する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明による梱包方法の前記基板を吸着保持する工程において、各々が長手方向を有する複数の吸着片であって前記長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片を含む吸着部を、前記吸着片の長手方向が前記基板の一側から前記一側とは反対の側となる前記基板の他側へ向けて延びるようにして、前記基板に吸着させ、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態において、前記吸着片の長手方向は鉛直方向に沿っているようにしてもよい。
【0011】
また、本発明による梱包方法の前記基板の反りを評価する工程において、前記基板は静止しているようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明による梱包方法の前記基板の反りを評価する工程において、評価される反りは、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の垂直方向に沿った曲がりと、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の水平方向に沿った曲がりと、の少なくともいずれか一方であるようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明による梱包方法の前記基板の反りを評価する工程において、前記一側とは鉛直方向に沿った反対側となる前記基板の他側の縁部または縁部近傍の前記吸着部に対する相対位置を測定することにより、前記基板の反りを評価するようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明による梱包方法の前記基板を前記収納領域の上方へ位置決めする工程において、水平方向に沿った移動、水平方向と平行な軸を中心とした回転、および、鉛直方向と平行な軸を中心とした回転のうちの少なくとも一つを前記基板に対して行うことにより、鉛直方向に沿った上面視において、前記基板が前記収納領域内に位置するようにしてもよい。
【0015】
さらに、本発明による梱包方法の前記基板の反りを評価する工程において、前記収納領域の大きさを考慮して前記基板の反りが大きすぎるか否かが判断され、反りが大きすぎると判断されなかった基板のみが前記収納領域に搬送されるようにしてもよい。
【0016】
さらに、本発明による梱包方法が、並列配置された複数の収納領域を含む収納箱を水平方向に移動させて、当該収納箱に含まれる収納領域のうちの次に基板を収納されるべき収納領域を所定の位置に配置する工程を、さらに備えるようにしてもよい。
【0017】
さらに、本発明による梱包方法において、前記基板は、板状部材と、板状部材の片側の面上に形成されたリブと、を有するプラズマディスプレイパネルの背面板であり、前記基板の一方の面は、前記板状部材の前記片側の面とは反対側の他方の面であるようにしてもよい。
【0018】
本発明による梱包装置は、鉛直方向に沿って延びる収納領域へ基板を収納する梱包装置であって、前記基板の一方の面のうちの少なくとも前記基板の一側の縁部近傍の一側領域に吸着可能な吸着部を有し、前記基板を吸着保持して搬送可能な搬送装置と、前記基板の前記一側領域のうちの前記吸着部によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして前記搬送装置によって吸着保持された状態における前記基板の反りを、検出するための検出手段と、前記搬送装置および前記検出手段に接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、鉛直方向に沿った上面視において前記吸着部に吸着された基板が前記収納領域内へ位置するように、前記検出手段の検出結果に基づき、前記収納領域の上方へ前記基板を位置決めし、その後、前記吸着部を鉛直方向に沿って下向きに移動させ、前記基板を前記収納領域へ搬送するように前記搬送装置を制御することを特徴とする。
【0019】
本発明による梱包装置において、前記吸着部は、各々が長手方向を有する複数の吸着片であって、前記長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片を含み、前記吸着部は、前記吸着片の長手方向が前記基板の一側から前記一側とは反対の側となる前記基板の他側へ向けて延びるようにして、前記基板に吸着するように構成され、前記検出手段によって前記基板の反りを検出する際に、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして前記搬送装置によって吸着保持された状態で、前記吸着片の長手方向は鉛直方向に沿うように構成されていてもよい。
【0020】
また、本発明による梱包装置において、前記検出手段によって前記基板の反りを検出する際に、前記搬送手段が前記基板を静止させるよう、前記制御装置は前記搬送装置を制御してもよい。
【0021】
さらに、本発明による梱包装置において、前記検出手段は、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の垂直方向に沿った曲がりと、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の水平方向に沿った曲がりと、の少なくともいずれか一方の検出をするように構成されていてもよい。
【0022】
さらに、本発明による梱包装置において、前記検出手段は、前記一側とは鉛直方向に沿った反対側となる前記基板の他側の縁部または縁部近傍の位置を検出する検出センサを有するようにしてもよい。
【0023】
さらに、本発明による梱包装置において、前記搬送装置が、前記基板を前記収納領域の上方へ位置決めする際に、水平方向に沿った移動、水平方向と平行な軸を中心とした回転、および、鉛直方向と平行な軸を中心とした回転のうちの少なくとも一つを前記基板に対して行い、鉛直方向に沿った上面視において前記基板が前記収納領域内に位置するよう、前記制御装置は前記搬送装置を制御してもよい。
【0024】
さらに、本発明による梱包装置において、前記制御装置は、前記収納領域の大きさを考慮して前記基板の反りが大きすぎるか否かを判断し、反りが大きすぎると判断されなかった基板のみが前記収納領域に搬送されるように前記搬送装置を制御してもよい。
【0025】
さらに、本発明による梱包装置が、並列配置された複数の収納領域を含む収納箱を水平方向に移動させて、当該収納箱に含まれる収納領域のうちの次に基板を収納されるべき収納領域を所定の位置に配置する移送手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0026】
さらに、本発明による梱包装置において、前記基板は、板状部材と、板状部材の片側の面上に形成されたリブと、を有するプラズマディスプレイパネルの背面板であり、前記基板の一方の面は、前記板状部材の前記片側の面とは反対側の他方の面であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、基板を正確かつ迅速に高密度で梱包することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさ便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0029】
以下の本実施の形態においては、プラズマディスプレイパネル(以下において「PDP」とも呼ぶ)の背面板を収納箱(梱包箱)の各収納領域に収納して梱包する例について説明する。ただし、PDPの背面板への適用に限られず、PDPの背面板以外の基板を梱包する場合についても本発明を適用することができる。なお、PDPの背面板については、種々の先行文献、例えば特開平10−321148号公報に記載されており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0030】
図1乃至図9は本発明による梱包方法および検査装置の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は梱包装置の概略構成を示す斜視図であり、図2乃至図5は基板の変形量を測定する方法を説明する図であり、図6および図7は基板を位置決めする方法を説明するための斜視図であり、図8は基板を収納する状態を示す図であり、図9は収納領域を有する収納箱を示す斜視図である。
【0031】
図1乃至図9に示すように、梱包装置10は、基板50に吸着可能な吸着部25を有し、当該基板50を吸着保持して搬送可能な搬送装置20と、基板50の吸着部25によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして搬送装置20によって吸着保持された状態で、基板50の反りを検出するための検出手段15と、搬送装置20および検出手段15に接続された制御装置30(図1以外では図示を省略)と、を備えている。この梱包装置10は、収納箱60の各収納領域に基板50を収納して梱包するようになっている。
【0032】
上述したように、基板50は、PDP用背面板であり、通常、ガラス基板を含む板状部材と、板状部材の片方の面上に形成されたリブと、を有している。通常、PDPを含む表示装置(典型的には、プラズマテレビ)の画像表示領域が四角形形状であることにともなって、基板50も四角形形状(長方形形状)となっている。なお、上述したように、プラズマディスプレイパネル用背面板の詳細については、例えば特開平10−321148号公報を参照されたい。
【0033】
図1に示すように、搬送装置20は、基部21と、基部21の端部にその一端を連結された第1アーム22と、第1アーム22の他端にその一端を連結された第2アーム23と、をさらに有している。第2アーム23の他端には、吸着部25が連結されている。第1アーム22は、鉛直方向と平行な軸18aを中心として基部21に対して回動(回転)可能となっている。また、第1アーム22は、水平方向と平行な軸18bを中心として基部21に対して揺動(回動)可能となっている。第2アーム23は、水平方向と平行な軸18cを中心として第1アーム22に対して揺動(回動)可能となっている。吸着部25は、水平方向と平行な軸18dを中心として第2アーム23に対して揺動(回動)可能となっている。また、吸着部25は、第2アーム23に対する揺動軸18dに直交する軸18eを中心として回動(回転)可能となっている。
【0034】
本実施の形態において、図1に示すように、吸着部25は、二つの吸着片26,27(第1吸着部材26および第2吸着部材27)を含んでいる。各吸着片26,27は、細長状に延び、長手方向を有している。二つの吸着片26,27は、互いの長手方向が平行となるよう、長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列されている。図3に示すように、各吸着片26,27は、両端がふさがれた四角筒状に形成されており、各吸着片26,27の内部は、吸引機構29に連通している。また、各吸着片26,27の基板50と対面するようになる面には、多数の吸着孔26,27aが形成されている。多数の吸着孔26,27aは、各吸着片26,27の長手方向に沿って規則的(図示する例では等間隔)に配列されている。
【0035】
吸着部25は、基板50の一方の面50aに吸着するようになっている。上述したように、PDP用背面板である基板50は、通常、板状部材と、板状部材の片側の面から突出するリブと、を有している。そして、吸着部25は、板状部材の片側の面とは反対側の、リブが形成されていない平坦面(基板50の一方の面)50aに吸着するようになる。
【0036】
また、図3によく示されているように、長手方向に延びる吸着片26,27は、基板50の一方の面50aに吸着した際、基板50の板面に沿って、基板50の一側の縁部50bから、一側とは反対側の他側へ向けて延びる。したがって、吸着部25は、基板50の一方の面50aのうちの少なくとも基板50の一側の縁部50b近傍の一側領域51に吸着するようになる。本実施の形態においては、図3に示すように、吸着部25の吸着片26,27は、基板の一側縁部50bから一側縁部50bに対向する他側縁部50cへ向けて基板50上を延び、一側縁部50bと他側縁部50cとを結ぶ方向において、一側縁部50bと他側縁部50cとの間の広い範囲の領域に吸着するようになる。
【0037】
吸着部25は、基板50へ吸着することによって、基板50の曲がりやねじれ等の反り変形を矯正する機能を発揮するようになる。したがって、図3に示すように、吸引機構29の能力が許す限りにおいて、吸着部25が一側縁部50bから他側縁部50cへ向けて基板50上を延びる長さLは、一側縁部50bと他側縁部50cとを結ぶ方向における基板50の全長Laに対し、大きく設定されていることが好ましい。
【0038】
以上のような搬送装置20は制御装置30に接続されており、搬送装置20の動作は制御装置30によって制御されるようになっている。
【0039】
次に、検出手段15について説明する。上述したように、検出手段15は、基板50の吸着部25によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして搬送装置20によって吸着保持された状態で、基板50の反りを検出するために用いられる。ここで、「反り」とは、基板50の平板状からの曲がりやねじれ等の変形を指す。したがって、「反り」には、例えば、四角形形状からなる基板のいずれかの縁部と平行な方向を中心とした基板の板面の曲がり等が含まれる。
【0040】
図1に示すように、検出手段15は、搬送装置20の基部21に保持された検出センサ16と、検出センサ16に接続されたコントローラ17(図1以外では図示を省略)と、を有している。検出センサ16は、搬送装置20の基部21に対して固定されている。コントローラ17は、検出センサ16からの検出信号を受けて、この信号を処理する。そして、コントローラによって処理された処理データに基づき、基板50の反りが特定されるようになる。図1に示すように、コントローラ17は制御装置30に接続され、コントローラ17によって導出された処理データは制御装置30に送信されるようになっている。
【0041】
図2に示すように、本実施の形態において、検出手段15は、搬送装置20が基板50を静止させた状態で、当該基板50について反りを検出する。そして、搬送装置20が検査されるべき基板50を所定の位置に静止状態に保持することにより、検出手段15の検出センサ16は、基板50の板面上の所定位置に対面するようになる。具体的には、図3乃至図5に示すように、検出センサ16は、基板50の他側縁部50c、および、他側縁部50c近傍の他側領域52内の一部分に対面するようになる。
【0042】
ところで、検出センサ16に対面する位置へ配置された基板50は、一側縁部50bと他側縁部50cとを結ぶ方向が鉛直方向に沿うように、搬送装置20によって保持される。すなわち、基板50の反りを評価する際、搬送装置20の吸着片26,27の長手方向は、鉛直方向の沿うようになる。なお、このとき、基板50の一側縁部50bが鉛直方向上方に位置し、基板50の他側縁部50cが鉛直方向下方に位置するようにして、基板50は位置決めされる。
【0043】
本実施の形態において、検出手段15は、検出センサ16と対面する他側縁部50cまたは他側領域52の、吸着部25に対する相対位置を検出することができるように構成されている。図示する例において、検出センサ16は、基板50の他側縁部50cに沿って延びている。そして、検出センサ16は、当該検出センサ16の位置を基準として、基板50の他側縁部50cまたは他側領域52の位置(さらには輪郭)を検出することができるように構成されている。このような検出センサ16は、市販されているレーザ型や超音波型の変位センサによって構成され得る。
【0044】
ところで、上述したように、基板50は、梱包装置10によって、収納箱(梱包箱)60の収納領域65内へ収納されて梱包される。ここで、収納箱60について説明しておく。図9に示すように、収納箱60は、箱本体61と、箱本体61内に配置された仕切部材62と、を有している。箱本体61は、一面が開放された直方体の輪郭を有している。仕切部材62は、箱本体61の対向する一対の側面のそれぞれから異なる側面へ向けて延び出ている。そして、互いに向かい合う一対の仕切部材62によって、箱本体61内の空間が区分けされ、箱本体61内に複数の収納領域65が画定されている。
【0045】
すなわち、収納箱60は、基板50を収納すべき収納領域65を複数含んでおり、複数枚の基板50を同時に収納可能に構成されている。本実施の形態において、基板50は、その板面が互いに向かい合うようにして、並べて収納箱60内に収納されるようになっている。そして、収納領域65に基板50が収納されると、仕切部材62は、基板50の板面のうちの水平方向における両縁部の領域に対面するようになる。
【0046】
また、本実施の形態において、箱本体61と仕切部材62とが一体的に構成されている。このような箱本体61および仕切部材62は、例えば、緩衝作用を有する材料(一例として、発砲スチロール)から構成され得る。
【0047】
図1に示すように、梱包時の配置において、また、その後の通常の取り扱いにおいて、収納箱60は、各収納領域65が鉛直方向に延びるようにして、配置される。したがって、収納箱60内に梱包された基板50は、その板面が略垂直方向に延びるようにして、縦置き収納される。つまり、各仕切部材62は鉛直方向に沿って延びるようになっている。
【0048】
次に、以上のような構成からなる梱包装置10を用いて基板50を梱包する方法の一実施の形態について説明する。
【0049】
図1乃至図8に示すように、本実施の形態において、梱包方法は、基板50を搬送装置20によって吸着保持する工程と、吸着保持した基板50について反りを評価する工程と、反りの評価結果に基づいて収納領域65の鉛直方向上方に基板50を位置決めする工程と、基板50を鉛直方向下向きに搬送して収納領域65に収納する工程と、を備えている。以下、各工程について詳述していく。
【0050】
まず、搬送装置20によって基板50を保持する工程について詳述する。図1に示すように、梱包対象となる基板(PDP用背面板)50が、搬送装置20の近傍に配置された搬送ライン75上を流れてくる。制御装置30からの制御信号に基づき、搬送装置の20の吸着部25が基板50の一方の面50aへ対面する位置へ移動する。そして、吸引機構29が動作し、吸着部25が基板50の一方の面に吸着する。
【0051】
上述したように、吸着部25は、各々が長手方向を有する複数の吸着片26,27であって長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片26,27を含んでいる。そして、吸着部25が基板50へ吸着した際、各吸着片26,27は、基板50の一方の面50a上を、基板50の一側から一側とは反対の側となる基板50の他側へ向けて延びるようになる。したがって、吸着部25は、基板50の一方の面50aのうちの少なくとも一側縁部50b近傍の一側領域51に吸着する。また、図3に示すように、吸着片26,27は、基板50の一側縁部50bから他側縁部50cまでの長さの大部分を占める長さを有している。このような吸着片26,27が基板50に吸着することにより、基板50の板面に沿った領域のうちの、少なくとも吸着部25によって吸着された部分に生じていた反りが、矯正されるようになる。
【0052】
このようにして、吸着部25が基板50に吸着した後、搬送装置20は基板50を搬送ライン75から持ち上げ、基板50を吸着保持するようになる。
【0053】
次に、吸着保持した基板50について反りを評価する工程について説明する。搬送装置20によって吸着保持された基板50は、検出手段15を用いて反りの大きさを評価される。本実施の形態において、基板50の反りは、検出手段15の検出センサ16に対面する位置(反り評価位置)へ保持され、静止した状態で、評価されるようになる。さらに詳細には、基板50の反りは、基板50のうちの吸着部25によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして保持されている状態で、評価される。したがって、基板50の反りが評価される際、基板50を吸着保持する吸着部25の吸着片26,27は、その長手方向が鉛直方向に沿うようにして、配置されている。とりわけ、本実施の形態においては、図3および図4に示すように、基板50の一側領域51が鉛直方向上方に位置し、基板50の他側領域52が鉛直方向下方に位置するようにして、基板50が保持される。
【0054】
このように基板50の板面が略鉛直方向に沿う姿勢で基板50を保持する場合、基板50の自重によって、基板50の搬送にともなった基板50の振動を短時間で減衰させ、所定の位置において基板50を短時間で静止させることができる。また、この点からすると、基板50が搬送ライン75から反り検査位置へ搬送される際にも、その板面が略鉛直方向に沿う姿勢で基板50を搬送することが好ましい。この場合、基板50の自重によって、搬送にともなって生じる基板50の振動の発生自体を大幅に抑制することができるからである。
【0055】
次に、検出手段15の検出センサ16に対面する位置(反り評価位置)に静止した状態で保持された基板50に対し、検出手段15を用いて反りの大きさが評価される。具体的には、図4および図5に点線矢印で示すように、検査手段15の検出センサ16から、基板50の対面する部分に向けて信号波が送信される。この信号波は、基板50において反射し、再び検出センサ16によって受信される。検出手段15のコントローラ17は、検出センサ16によって受信された信号波を解析し、基板50の他側縁部50cまたは基板50の他側領域52の検出センサ16に対する相対位置を特定する。
【0056】
ここで、基板50の反りを測定する際、基板50に吸着した吸着部25は一定の位置に配置される。つまり、基板50の反りを測定する際、基板50に吸着する吸着部25と検出センサとの相対位置は、常に、一定となる。したがって、コントローラ17は、基板50の他側縁部50cまたは基板50の他側領域52の吸着部25に対する相対位置を特定することができる。この結果、図4に示すように、基板50の吸着部25によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、基板50の垂直方向に沿った曲がりの大きさCvを測定することが可能となる。
【0057】
また、図5に示すように、検出センサ16は、基板50の他側縁部50cに沿って延びている。したがって、他側縁部50cに沿った各位置において、基板50の位置を特定していくことができる。この結果、図5に示すように、基板50の吸着部25によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、基板50の他側縁部50cまたは他側領域52での水平方向に沿った基板50の曲がりの大きさChを測定することが可能となる。なお、図5には、鉛直方向に沿った基板50の一側縁部50bの射影が示されている。
【0058】
次に、反りの評価結果に基づいて収納領域65の鉛直方向上方に基板50を位置決めする工程について説明する。図6に示すように、反りの大きさを評価された基板50は、まず、搬送装置20によって、当該基板50が収納されるべき収納領域65の上方へ移動される。その後、基板50は、当該収納領域65の鉛直方向上方において、当該収納領域65に対して位置決めされる。具体的には、図7に示すように、鉛直方向に沿った上面視において吸着部25に吸着された基板50が収納領域65内に入り込むように、制御装置30は、反りの測定結果に基づき、搬送装置20の吸着部25を移動させる。
【0059】
なお、鉛直方向に沿った上面視における収納領域65内において、吸着部25に吸着された基板50は種々の方法で位置決めされ得る。例えば、図6に示すように、基板50は、収納領域65の上方において、水平方向に沿って移動させられ(矢印A)、あるいは、水平方向と平行な軸を中心として回転させられ(矢印B)、あるいは、鉛直方向と平行な軸を中心として回転させられ(矢印C)、あるいは、これらの動作の組み合わせにより、収納領域65の上方で位置決めされる。
【0060】
ところで、上述した反りを評価する工程において、収納領域65の大きさを考慮して基板50の反りの大きさが大きすぎるか否かが判断されている。そして、基板50の反りの大きさが大きすぎて、上面視において当該基板50が一つの収納領域65に入りきらない場合には、当該基板50は本工程(基板50を位置決めする工程)に持ち込まれない。すなわち、制御装置30は、位置決めすることにより上面視において一つの収納領域65に入り得ると判断された基板50のみが、収納箱60の収納領域の上方に搬送されてくるように、搬送装置20を制御する。
【0061】
次に、基板50を鉛直方向下向きに搬送して収納領域65に収納する工程について説明する。上述したように、基板50は、上面視において収納領域65内に入り込むように、収納領域65の鉛直方向上方で位置決めされている。したがって、位置決めされた基板50を収納箱60に対してそのまま鉛直方向下向きに相対移動させると、収納領域65を画定する仕切部材62に基板50を衝突させることなく、基板50を収納領域65内に搬送することができる。
【0062】
なお、図7および図8に示すように、基板50の一方の面の吸着した吸着部25は、一対の仕切部材62の間を移動するようになっている。すなわち、収納領域65を画定する壁面のうちの、基板50に吸着した吸着部25の移動経路に相当する部分が、排除されている。このような実施の形態によれば、搬送装置20の構成に応じて、基板50の形状に応じた大きさよりも収納領域65を大きく設計しておく必要がない。したがって、収納領域65を狭く設定し、基板50を高密度で梱包することが可能となる。これにより、梱包に必要とされるスペースを小型化することができ、梱包された基板50の保管や輸送等の取り扱いを低コスト化することができる。
【0063】
以上のようにして、梱包装置10を用いて一枚の基板50を鉛直方向に延びる収納領域65に収納して梱包することができる。そして、同様の方法により、次に梱包されるべき基板50を梱包装置10により収納領域65に梱包していくことができる。
【0064】
以上のような本実施の形態によれば、基板50を吸着保持する搬送装置20の基板50に吸着した吸着部25を鉛直方向に沿って下向きに移動させ、基板50を収納箱60の収納領域65内へ搬送するようになっている。つまり、基板50の板面が略鉛直方向に沿うようにして基板50を鉛直方向下方に移動させ、鉛直方向に沿って延びる仕切部材62によって画定された収納領域65へ基板50を収納するようになっている。したがって、基板50を収納領域65へ収納する際に、基板50の自重によって基板50の反りを自動的に矯正することができるようになる。また本実施の形態においては、基板50を収納領域65内へ収納する前に基板50の反りを評価し、評価結果に応じて、鉛直方向に沿った上面視における収納領域65に対する基板50の相対位置を適切に位置決めするようになっている。これらのことから、鉛直方向に沿った上面視における収納領域65の面積を小さくし、収納領域65の省スペース化を図ることができる。
【0065】
また、搬送装置20に吸着保持されて搬送される基板50は、その板面が略鉛直方向に沿う姿勢をとっている。したがって、基板50の自重によって、基板50の振動は大幅に抑制されるようになる。このように基板50の振動が大幅に抑制されるので、基板50を収納領域65内に収納する際に、収納領域65を画定する要素(本実施の形態においては、仕切部材62)へ基板50が衝突し、基板50を破損させてしまうことを大幅に抑制することができる。これにより、基板50の歩留まりを向上させることができるとともに、通常繰り返して利用される収納箱60の寿命を延ばすことが可能となる。また、基板50が静止した状態で基板50の反りを評価することが可能となり、基板50の反りを正確に評価することができる。したがって、収納領域65を画定する要素へ基板50が衝突してしまうことをさらに抑制することができる。また、基板50が収納領域65に収納され得るか否かを正確に判断することができ、これにより、基板50の歩留まりを向上させることができる。
【0066】
以上のことから、本実施の形態によれば、基板50を正確かつ迅速に高密度で梱包することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、各々が長手方向を有する複数の吸着片26,27であって長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片26,27を含む吸着部25を、吸着片26,27の長手方向が基板50の一側から他側へ向けて延びるようにして、基板50に吸着させている。また、基板50の反りを評価する際に、基板50に吸着した吸着片26,27は、その長手方向が鉛直方向に沿うようにして、配置されている。このような本実施の形態によれば、吸着部25が基板50の反りを矯正する機能を有するようになる。また、基板50へ振動が発生することを抑制することもできる。この結果、鉛直方向に沿った上面視における収納領域65の面積をさらに小さくし、収納領域65のさらなる省スペース化を図ることができる。
【0068】
さらに、本実施の形態によれば、基板50の反りを評価する際に、収納領域65の大きさを考慮して基板50の反りが大きすぎるか否かが判断される。そして、反りが大きすぎると判断されなかった基板50のみが収納領域65に搬送されるようになる。一方、反りが大きすぎると判断された基板50は、例えば、廃棄される。このような本実施の形態によれば、反りが大きすぎる基板50は、収納領域65に収納されることがない。したがって、収納領域65の大きさを適切な大きさに設定し、収納され得る基板50の割合を高く維持すること、および、基板50を近接配置して高密度に梱包すること、の両立を図ることができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
【0070】
例えば、図6に二点鎖線で示すように、梱包装置10が、並列配置された複数の収納領域65を含む収納箱60を水平方向に移動させる移送手段40を、さらに備えるようにしてもよい。このような梱包装置10を用いた場合、収納箱60の一つの収納領域65に基板50が収納されると、次に収納されるべき基板50の搬送、反り評価または位置決めと並行して、収納箱60に含まれる収納領域65のうちの次に基板50を収納されるべき収納領域65が上面視において一定の位置に位置するよう、移送手段40が収納箱60を水平移動させることができる。このような例によれば、搬送装置20の構成および制御を簡単化することができる。なお、このような移送手段40としては、図6に二点差線で示すように収納箱60を直線状に搬送する装置(例えば、いわゆるコンベア)を用いることができる。あるいは、収納箱60を下方から支持した状態で回転可能なターンテーブルを有し、収納箱60を曲線状に搬送する装置を、移送手段として用いることもできる。
【0071】
また、上述した実施の形態において、基板50が静止した状態で基板50の反りが評価されるようになっている例を示したが、これに限られず、基板50の搬送中に基板50の反りを評価するようにしてもよい。
【0072】
さらに、上述した実施の形態において、検出手段15が、基板50の他側縁部50cまたは他側領域52に対向する位置に配置された検出センサ16を有する例を示した。この例において、検出センサ16は、基板50の他側縁部50cまたは他側領域52の吸着部25に対する相対位置を検出するセンサとして機能する。しかしながら、基板50の反りを評価可能な検出手段15の構成は、上述の実施の形態で説明した構成に限られず、既知の種々の構成を採用することができる。例えば、図3に二点鎖線で示すように、検出センサ16が、基板50の一側縁部以外の縁部に対面する位置に配置されるようにしてもよいし、または、上述した検出センサ16が、鉛直方向に沿って走査するようにしてもよい。これらの例によれば、基板50の反りをより詳細に把握することができるようになる。また、基板50の四隅に対面する位置のみに検出センサ16を配置するようにしてもよい。さらに、検出センサ16として変位センサが用いられる例を示したが、これに限られず、他の種類のセンサが検出センサ16として用いられてもよい。
【0073】
さらに、上述した実施の形態において、吸着部25が並列配置された二つの細長状の吸着片26,27を有する例を示したが、これに限られず、吸着部25が異なる構成を有していていもよい。例えば、吸着部25が一つの吸着片のみを有していてもよいし、三つ以上の吸着片を有していてもよい。さらに、吸着部25が、細長状以外の形状を有した吸着片を有するようにしてもよい。
【0074】
さらに、上述した実施の形態において、搬送装置20が、基部21と、第1アーム22と、第2アーム23と、吸着部25と、を有するように構成された例を示した。しかしながら、このような構成は単なる例示であって、種々の既知な搬送装置を用いることが可能である。
【0075】
さらに、上述した実施の形態において、検出手段15が、検出センサ16と、検出センサ16の検出信号を処理するコントローラ17と、を有するように構成された例を示した。しかしながら、このような構成は単なる例示であって、適宜変更することが可能である。例えば、コントローラ17が制御装置30に組み込まれ、制御装置30の一部分をなすようにしてもよい。
【0076】
さらに、上述した実施の形態において、主に図9を参照しながら収納箱60の一例を説明したが、これに限られず、種々の構成を有した収納箱の鉛直方向の延びる収納領域65内に基板50を収納するようにしてもよい。例えば、上述した実施の形態において、収納箱60の箱本体61と仕切部材62とが一体的に構成されている例を示したが、これに限られず、箱本体61と仕切部材62とが別体として別の材料から構成されていてもよい。また、収納箱60が、例えば木や段ボール紙からなる枠材をさらに有し、枠材内に箱本体61が収容されているようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明による梱包装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に対応する斜視図であって、基板の反りを評価する際の状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示された状態における基板の平面図であって、吸着部による基板の吸着方法および検出手段による基板の反りの評価方法を説明するための図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図であって、吸着部による基板の吸着方法および検出手段による基板の反りの評価方法を説明するための図である。
【図5】図5は、図3のV−V線に沿った断面図であって、検出手段による基板の反りの評価方法を説明するための図である。
【図6】図6は、図1に対応する斜視図であって、基板の位置決め方法を説明するための図である。
【図7】図7は、鉛直方向に沿った上面視において、基板の位置決め方法を説明するための上面図である。
【図8】図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図であって、基板を収納領域へ収納する方法を説明するための図である。
【図9】図9は、並列配置された複数の収納領域を有する収納箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
10 梱包装置
15 検出手段
16 検出センサ
17 コントローラ
20 搬送装置
25 吸着部
26,27 吸着片
30 制御装置
40 移送手段
50 基板
50a 一方の面
50b 一側縁部
50c 他側縁部
51 一側領域
52 他側領域
60 収納箱
65 収納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に吸着可能な吸着部を有し前記基板を吸着保持可能な搬送装置を用い、鉛直方向に沿って延びる収納領域へ、前記基板を収納する梱包方法において、
前記基板の一方の面のうちの少なくとも前記基板の一側の縁部近傍の一側領域に前記吸着部を吸着させ、前記基板を吸着保持する工程と、
前記基板が、前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして、前記搬送装置によって保持されている状態で、前記基板の反りを評価する工程と、
鉛直方向に沿った上面視において前記吸着部に吸着された基板が前記収納領域内へ位置するように、反りの評価結果に基づき、前記収納領域の上方へ前記基板を位置決めする工程と、
前記吸着部を鉛直方向に沿って下向きに移動させ、前記基板を前記収納領域へ搬送する工程と、を備える
ことを特徴とする梱包方法。
【請求項2】
前記基板を吸着保持する工程において、各々が長手方向を有する複数の吸着片であって前記長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片を含む吸着部を、前記吸着片の長手方向が前記基板の一側から前記一側とは反対の側となる前記基板の他側へ向けて延びるようにして、前記基板に吸着させ、
前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態において、前記吸着片の長手方向は鉛直方向に沿っている
ことを特徴とする請求項1に記載の梱包方法。
【請求項3】
前記基板の反りを評価する工程において、前記基板は静止している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の梱包方法。
【請求項4】
前記基板の反りを評価する工程において、評価される反りは、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の垂直方向に沿った曲がりと、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の水平方向に沿った曲がりと、の少なくともいずれか一方である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項5】
前記基板の反りを評価する工程において、前記一側とは鉛直方向に沿った反対側となる前記基板の他側の縁部または縁部近傍の前記吸着部に対する相対位置を測定することにより、前記基板の反りを評価する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項6】
前記基板を前記収納領域の上方へ位置決めする工程において、水平方向に沿った移動、水平方向と平行な軸を中心とした回転、および、鉛直方向と平行な軸を中心とした回転のうちの少なくとも一つを前記基板に対して行うことにより、鉛直方向に沿った上面視において、前記基板が前記収納領域内に位置するようにする
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項7】
前記基板の反りを評価する工程において、前記収納領域の大きさを考慮して前記基板の反りが大きすぎるか否かが判断され、
反りが大きすぎると判断されなかった基板のみが前記収納領域に搬送されるようになる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項8】
並列配置された複数の収納領域を含む収納箱を水平方向に移動させて、当該収納箱に含まれる収納領域のうちの次に基板を収納されるべき収納領域を所定の位置に配置する工程を、さらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項9】
前記基板は、板状部材と、板状部材の片側の面上に形成されたリブと、を有するプラズマディスプレイパネルの背面板であり、
前記基板の一方の面は、前記板状部材の前記片側の面とは反対側の他方の面である
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の梱包方法。
【請求項10】
鉛直方向に沿って延びる収納領域へ基板を収納する梱包装置であって、
前記基板の一方の面のうちの少なくとも前記基板の一側の縁部近傍の一側領域に吸着可能な吸着部を有し、前記基板を吸着保持して搬送可能な搬送装置と、
前記基板の前記一側領域のうちの前記吸着部によって吸着された部分が鉛直方向に沿うようにして前記搬送装置によって吸着保持された状態における前記基板の反りを、検出するための検出手段と、
前記搬送装置および前記検出手段に接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
鉛直方向に沿った上面視において前記吸着部に吸着された基板が前記収納領域内へ位置するように、前記検出手段の検出結果に基づき、前記収納領域の上方へ前記基板を位置決めし、
その後、前記吸着部を鉛直方向に沿って下向きに移動させ、前記基板を前記収納領域へ搬送する
ように前記搬送装置を制御する
ことを特徴とする梱包装置。
【請求項11】
前記吸着部は、各々が長手方向を有する複数の吸着片であって、前記長手方向に直交する方向に間隔を空けて配列された複数の吸着片を含み、
前記吸着部は、前記吸着片の長手方向が前記基板の一側から前記一側とは反対の側となる前記基板の他側へ向けて延びるようにして、前記基板に吸着するように構成され、
前記検出手段によって前記基板の反りを検出する際に、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして前記搬送装置によって吸着保持された状態で、前記吸着片の長手方向は鉛直方向に沿うように構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の梱包装置。
【請求項12】
前記検出手段によって前記基板の反りを検出する際に、前記搬送手段が前記基板を静止させるよう、前記制御装置は前記搬送装置を制御する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の梱包装置。
【請求項13】
前記検出手段は、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の垂直方向に沿った曲がりと、前記基板が前記一側領域の前記吸着部によって吸着された部分において鉛直方向に沿うようにして保持されている状態における、前記基板の水平方向に沿った曲がりと、の少なくともいずれか一方の検出をするように構成されている
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項14】
前記検出手段は、前記一側とは鉛直方向に沿った反対側となる前記基板の他側の縁部または縁部近傍の位置を検出する検出センサを有する
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項15】
前記搬送装置が、前記基板を前記収納領域の上方へ位置決めする際に、水平方向に沿った移動、水平方向と平行な軸を中心とした回転、および、鉛直方向と平行な軸を中心とした回転のうちの少なくとも一つを前記基板に対して行い、鉛直方向に沿った上面視において前記基板が前記収納領域内に位置するよう、前記制御装置は前記搬送装置を制御する
ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項16】
前記制御装置は、前記収納領域の大きさを考慮して前記基板の反りが大きすぎるか否かを判断し、反りが大きすぎると判断されなかった基板のみが前記収納領域に搬送されるように前記搬送装置を制御する
ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項17】
並列配置された複数の収納領域を含む収納箱を水平方向に移動させて、当該収納箱に含まれる収納領域のうちの次に基板を収納されるべき収納領域を所定の位置に配置する移送手段を、さらに備える
ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載の梱包装置。
【請求項18】
前記基板は、板状部材と、板状部材の片側の面上に形成されたリブと、を有するプラズマディスプレイパネルの背面板であり、
前記基板の一方の面は、前記板状部材の前記片側の面とは反対側の他方の面である
ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか一項に記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−200247(P2009−200247A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40275(P2008−40275)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501280677)ディー・エー・ピー・テクノロジー株式会社 (19)
【Fターム(参考)】