説明

歩行者ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置

【課題】 歩行停止中に生じる携帯端末装置の現在位置測位誤差に基づく位置の表示の揺らぎを防止するようにした歩行者ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 ナビゲーションシステム10は携帯端末装置20と経路探索サーバ30から構成されている。携帯端末装置20は、表示手段26と、現在位置取得手段23と、GPS測位手段231と、歩行検出手段232と、歩行停止時制御手段25と、を備え、経路探索サーバ30から配信される案内経路データと地図データとに基づいて、表示手段26に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する。歩行検出手段232が歩行停止を検出した場合、表示手段26に表示される現在位置マークの表示位置を、歩行停止時制御手段25が特定の位置に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS測位手段を有する携帯端末装置と経路探索サーバとを備えて構成され、経路探索サーバによって出発地から目的地までの最適な案内経路を探索し、携帯端末装置の表示手段に、地図上に現在位置と案内経路とを表示して経路案内するナビゲーションシステム、経路探索サーバ、携帯端末装置に関するものである。本発明は、特に、前記のような携帯端末装置と経路探索サーバとからなる歩行者用ナビゲーションシステムにおいて、歩行停止中に生じる現在位置測位誤差に基づく表示位置の揺らぎを防止するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。
このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、経路探索サーバに自動車や徒歩経路の探索のための道路ネットワークデータに加えて、交通機関の路線や運行時刻データを交通ネットワークデータとして蓄積している。
このような歩行者用のナビゲーションシステムは、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
また、航空機、列車、電車、バスなどの交通手段を用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索システムも知られている。このような経路探索システムは一般的には、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて経路探索を行う。
すなわち、各交通機関の路線データや運行時刻データをデータベース化した交通ネットワークデータを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示する。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0005】
上記のような各種ナビゲーションシステムにおいて探索された最適経路のデータには、案内経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、GPS受信機などのGPS測位手段を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置に基づいて、現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図上に、案内経路と、現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0006】
GPS受信機を用いて測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理や地図上の最も近い道路上に補正するマップマッチング処理が行われる。
また、案内経路データには交差点などのガイダンスポイントが設定され、そのガイダンスポイントにおけるガイダンスとして音声ガイド(例えば、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージ)のデータが付加されている場合は、スピーカを介して音声メッセージを再生出力してユーザをガイドする。
【0007】
このようなナビゲーションシステム、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2000−258184号公報)に「交通ネットワーク経路探索方法および装置」として開示されている。
この経路探索ナビゲーションシステムは、出発地点から目的地点までの経路を、地点をノード、地点間をリンクとして道路ネットワーク、交通ネットワークのデータとして表現し、コンピュータを用いてラベル確定法により最短コスト条件下で徒歩区間、交通機関利用区間を探索するものである。
【0008】
また、GPS測位手段を有する携帯電話などの携帯端末装置と経路探索サーバとを備えた通信型のナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献2(国際公開第WO2004/092679号パンフレット)に「歩行者ナビゲーション装置、歩行者ナビゲーションシステム、歩行者ナビゲーション方法およびプログラム」として開示されている。
【0009】
歩行者用のナビゲーションシステムにおける端末装置として携帯電話を用いる場合、GPSを用いた測位手段は地下やトンネル内では使用できないため、携帯電話に、3軸加速度センサや地磁気センサなどを使用した自律航法による測位手段を備え、これらを併用する必要がある。
【0010】
GPS等を使用せずに、装置の移動距離を検出する技術として、下記の特許文献3(特許第3359781号明細書)記載の従来技術が公知である。
上記特許文献3には、3次元(3軸)加速度センサ(8010〜8030)により検出したX,Y,Z軸方向の加速度を2回積分して得た変位(移動距離)と、GPSやPHSとの交信により取得しておいた絶対座標と、に基づいて、現在位置を検出する技術が記載されている。
【0011】
また、GPS等を使用せずに装置の移動距離や移動方向を検出する技術として、下記の特許文献4(特開平2−216011号公報)記載の従来技術が公知である。
上記特許文献4には、歩数カウント回路部によりカウントした歩数と、地磁気センサ回路部により検出した進行方向と、歩幅と、に基づいて移動方向及び移動距離を演算する技術が記載されている。
【0012】
【特許文献1】特開2000−258184号公報(図1)
【特許文献2】国際公開第WO2004/092679号パンフレット
【特許文献3】特許第3359781号明細書
【特許文献4】特開平2−216011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、前述したように、GPSを利用した測位手段における測位結果には誤差が伴うことは良く知られており、測位誤差を修正するためにマップマッチング処理やルートマッチング処理が行われている。このような修正処理は、端末装置が搭載された自動車や携帯端末を持った人が移動中(歩行中)においては有効に利用できるが、歩行者用ナビゲーションシステムにおいて、歩行停止中には、種々課題が生ずる。
【0014】
先に説明したようにナビゲーションシステムにおいては、GPS受信機を用いて測位した現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。GPS受信機による測位処理の間隔はシステムによって異なるが、例えば、5秒間隔で行われ、測位される毎に表示画面上の現在位置が変化する。
【0015】
歩行者が交差点などで歩行を止めて停止状態にある時には、本来その現在位置は交差点の付近のある歩道位置に固定されている筈である。しかしながら、GPSを用いた測位結果に含まれる誤差が測位毎に一定ではないため、歩行停止中に一定の間隔で測位される現在位置にはばらつき(位置の揺らぎ)が生ずるという課題が生じる。歩行停止中にもかかわらず表示装置に表示される現在位置が一定間隔でばらつくと、携帯端末装置やシステムの不具合であるとユーザに誤解される恐れがあり、このような不具合を解消することが必要になる。
【0016】
上記特許文献1〜特許文献4に開示されたナビゲーションシステムにはいずれも歩行停止中の現在位置測位誤差による表示位置のばらつきに対する課題の認識やその解消方法について言及されているものはなく、上記のような課題を解決することができないという問題点があった。
【0017】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、GPS受信機による測位手段を有する携帯端末装置に、加速度センサ等からなる自律航法手段を備え、自律航法手段により歩行停止を検出するようになし、歩行停止中にはGPSによる測位を停止し、あるいは、所定のGPS測位のサンプリング間隔を長くし、または、現在位置の表示を停止し、あるいは、表示更新間隔を長くすることにより、上記問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、歩行停止中に生じる携帯端末装置の現在位置測位誤差に基づく位置の表示の揺らぎを防止するようにした歩行者ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
表示手段と現在位置取得手段とを有し、経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路データと地図データとに基づいて、前記表示手段に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する携帯端末装置と、経路探索のためのネットワークデータを蓄積したデータベースを有し、経路探索条件に従った案内経路を探索し携帯端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えた歩行者ナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯端末装置は、GPS測位手段と、歩行検出手段と、歩行停止時制御手段と、を備え、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記歩行停止時制御手段が特定の位置に固定することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記GPS測位手段を停止、あるいは、測位間隔を歩行中よりも長くし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、当該歩行停止検出時に現在位置取得手段が取得している現在位置に固定することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記表示手段の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を歩行中よりも長くして、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、特定の位置に固定することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記現在位置取得手段が取得した測位結果から得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、歩行停止を検出してから、所定の時間前記現在位置取得手段により現在位置を取得し、その結果得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項にかかる発明において、前記歩行検出手段は2軸以上の加速度センサにより構成したことを特徴とする。
【0025】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項にかかる発明において、前記歩行検出手段が歩行停止を検出してから所定の遅延時間が経過してから前記歩行停止時制御手段の処理に移行することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項にかかる発明において、前記経路探索条件を経路探索サーバに送信しナビゲーションが開始されてから前記現在位置取得手段が現在位置を初回に取得する時は、前記歩行検出手段の歩行状態検出のいかんにかかわらず、前記現在位置取得手段による現在位置取得を行うことを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項にかかる発明において、前記携帯端末装置は、更に、方位検出手段を備え、前記方位検出手段が前記携帯端末装置の向いている方向が変化したことを検出した時には、前記表示手段の表示を更新することを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項10にかかる発明は、
経路探索のためのネットワークデータを蓄積したデータベースを有し、経路探索条件に従った案内経路を探索し携帯端末装置に配信する経路探索サーバと、ネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、表示手段と現在位置取得手段とを有し、経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路データと地図データとに基づいて、前記表示手段に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、GPS測位手段と、歩行検出手段と、歩行停止時制御手段と、を備え、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記歩行停止時制御手段が特定の位置に固定することを特徴とする。
【0029】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記GPS測位手段を停止、あるいは、測位間隔を歩行中よりも長くし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、当該歩行停止検出時に現在位置取得手段が取得している現在位置に固定することを特徴とする。
【0030】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記表示手段の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を歩行中よりも長くして、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、特定の位置に固定することを特徴とする。
【0031】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記現在位置取得手段が取得した測位結果から得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする。
【0032】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項13にかかる発明において、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、歩行停止を検出してから、所定の時間前記現在位置取得手段により現在位置を取得し、その結果得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項10ないし請求項14の何れか1項にかかる発明において、前記歩行検出手段は2軸以上の加速度センサにより構成したことを特徴とする。
【0034】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項10ないし請求項14の何れか1項にかかる発明において、前記歩行検出手段が歩行停止を検出してから所定の遅延時間が経過してから前記歩行停止時制御手段の処理に移行することを特徴とする。
【0035】
本願の請求項17にかかる発明は、請求項10ないし請求項14の何れか1項にかかる発明において、前記経路探索条件を経路探索サーバに送信しナビゲーションが開始されてから前記現在位置取得手段が現在位置を初回に取得する時は、前記歩行検出手段の歩行状態検出のいかんにかかわらず、前記現在位置取得手段による現在位置取得を行うことを特徴とする。
【0036】
本願の請求項18にかかる発明は、請求項10ないし請求項14の何れか1項にかかる発明において、前記携帯端末装置は、更に、方位検出手段を備え、前記方位検出手段が前記携帯端末装置の向いている方向が変化したことを検出した時には、前記表示手段の表示を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
請求項1にかかる発明においては、表示手段と現在位置取得手段とを有し、経路探索条件を経路探索サーバに送信し、経路探索サーバから配信される案内経路データと地図データとに基づいて、前記表示手段に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する携帯端末装置を有する歩行者ナビゲーションシステムにおいて、歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、歩行停止時制御手段が特定の位置に固定する。
従って、歩行停止時にGPS測位誤差のばらつきにより表示手段に表示される現在位置の揺らぎを防止でき地図表示が見やすくなる。また歩行履歴も、立ち止まった位置周辺のGPS測位誤差によるデータを取得することがなくなるので、実際の歩行経路に近いデータを得ることができるようになる。
【0038】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる歩行者ナビゲーションシステムにおいて、現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、歩行停止時制御手段は、GPS測位手段を停止、あるいは、測位間隔を歩行中よりも長くし、表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、当該歩行停止検出時に現在位置取得手段が取得している現在位置に固定する。
従って、歩行停止時にGPS測位誤差のばらつきにより表示手段に表示される現在位置の揺らぎを防止でき地図表示が見やすくなる。また、歩行履歴も、立ち止まった位置周辺のGPS測位誤差によるデータを取得することがなくなるので、実際の歩行経路に近いデータを得ることが出来る。更に、GPSの測位回数を減らすことによって消費電力を減らすことができるようになる。
【0039】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる歩行者ナビゲーションシステムにおいて、現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、歩行停止時制御手段は、表示手段の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を歩行中よりも長くして、表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を特定の位置に固定する。
従って、歩行停止時にGPS測位誤差のばらつきにより表示手段に表示される現在位置の揺らぎを防止でき地図表示が見やすくなる。また、GPSによる測位は所定の周期で行っており、GPS衛星の捕捉を継続しているので、衛星軌道データを常に最新に維持することができ、GPS衛星を見失ってしまうことがなくなる。
【0040】
また、請求項4、請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかる歩行者ナビゲーションシステムにおいて、歩行停止時制御手段は、現在位置取得手段が取得した測位結果から得られる位置の重心を現在位置とし、表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を前記重心の位置に固定する。
従って、歩行停止時にGPS測位誤差のばらつきにより表示手段に表示される現在位置の揺らぎを防止でき地図表示が見やすくなる。また、GPSによる測位は所定の周期で行っており、GPS衛星の捕捉を継続しているので、衛星軌道データを常に最新に維持することができ、GPS衛星を見失ってしまうことがなくなる。
【0041】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項1ないし請求項5の何れかの歩行者ナビゲーションシステムにおいて、歩行検出手段は2軸以上の加速度センサにより構成した。従って、歩行状態と歩行停止状態を容易に検出することができるようになる。
【0042】
また、請求項7にかかる発明おいては、請求項1ないし請求項5の何れかの歩行者ナビゲーションシステムにおいて、歩行検出手段が歩行停止を検出してから所定の遅延時間が経過してから前記歩行停止時制御手段の処理に移行する。A−GPSのように位置情報サーバとの通信を行ってから現在地が確定することがあったり、地図のダウンロードとちょうど重なるようなタイミングでは、それらの処理の後に前記歩行停止時制御手段の処理が実行されるように遅延時間を設定すると好都合である。
従って、歩行停止が検出された際の現在位置取得を確実に行うことができ、表示手段にその現在位置を表示することができるようになる。
【0043】
また、請求項8にかかる発明おいては、請求項1ないし請求項5の何れかの歩行者ナビゲーションシステムにおいて、経路探索条件を経路探索サーバに送信しナビゲーションが開始されてから現在位置取得手段が現在位置を初回に取得する時は、歩行検出手段の歩行状態検出のいかんにかかわらず、現在位置取得手段による現在位置取得を行う。従って、ナビゲーションを開始した直後にも現在位置を取得して地図データの配信を受けることができ、歩行していなくても地図表示と現在位置表示を行うことができるようになる。
【0044】
また、請求項9にかかる発明おいては、請求項1ないし請求項5の何れかの歩行者ナビゲーションシステムにおいて、携帯端末装置は、更に、方位検出手段を備え、方位検出手段が携帯端末装置の向いている方向が変化したことを検出した時には、表示手段の表示を更新する。さらに電子コンパスなどの方位検出手段を搭載した携帯端末装置で、ヘディングアップ表示を行うものは、歩行が停止していても、端末の向きが変化した場合には地図の回転を行う必要があり、これに対応することができるようになる。
【0045】
また、請求項10ないし請求項18にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項9にかかる発明の歩行者ナビゲーションシステムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施例においては、携帯電話を端末装置として使用する通信型の歩行者ナビゲーションシステムを例に説明するが、端末装置としてPDAなどの携帯電子装置であってもよく、また、経路探索サーバは、歩行者に対するナビゲーション機能の他に自動車用のナビゲーション機能をあわせ持つサーバであってもよい。
【実施例1】
【0047】
図1は、本発明の実施例にかかる歩行者ナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。歩行者ナビゲーションシステム10は、携帯電話を端末として用いる携帯端末装置20と、ネットワーク12を介して接続される経路探索サーバ30とを備えて構成されている。携帯端末装置20は移動手段(徒歩あるいは自動者など)や現在位置または所望の出発地と目的地を経路探索条件として設定して経路探索サーバに経路探索要求を送信する。
【0048】
携帯端末20は、図1に示されるように、制御手段21、通信手段22、GPS受信機などからなるGPS測位手段231と3軸加速度センサなどからなる歩行検出手段232、現在位置取得手段23、歩行停止時制御手段25、経路探索要求編集手段24、液晶表示ユニットなどからなる表示手段26、配信データ記憶手段27、操作・入力手段28を備えて構成されている。
【0049】
制御手段21は、図示してはいないがRAM、ROMを有するマイクロプロセッサ(CPU)を備えて構成され、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。操作・入力手段28は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなる操作・入力手段ためのものであり、出力手段である表示手段26に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段26は操作・入力手段28の一部としても機能する。通信手段22は、ネットワーク12を介して経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースである。
【0050】
GPS測位手段231はGPS衛星信号を受信し、携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位し、現在位置取得手段23に送出する。歩行検出手段232は3軸の加速度センサからなり、携帯端末装置20を持ったユーザが歩行状態にあるか、歩行停止状態にあるかを検出する。また、歩行検出手段232は、更に地磁気センサなどを備えることにより自律航法によって携帯端末装置20の現在位置を測位することができ、GPS測位手段231による測位ができない場合にこれに代わって現在位置を測位し、現在位置取得手段23に現在位置の情報を送ることができる。
【0051】
先に述べたように、GPSを用いた測位結果に含まれる誤差が測位毎に一定ではないため、歩行停止中に一定の間隔で測位される現在位置にはばらつき(位置の揺らぎ)が生ずる。歩行停止中にもかかわらず表示装置に表示される現在位置が一定間隔でばらつくと、携帯端末装置やシステムの不具合であるとユーザに誤解される恐れがある。
【0052】
歩行検出手段232の3軸加速度センサにより、歩行停止状態を判別する方法については後述するが、歩行停止検出手段232により歩行停止状態が検出されるとこの検出出力は歩行停止時制御手段25に送出され、後に詳細に説明する制御を行い、表示手段26に表示される現在位置を一定の位置に固定する。例えば、GPS測位手段231の現在位置測位を歩行状態が検出されるまで停止する。このように制御すると、表示手段26に表示される携帯端末装置20の現在位置を一定の位置に固定することができ、上記の問題点を解決することができる。
【0053】
ユーザが経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、操作・入力手段28を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段26に表示して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や徒歩と交通機関併用、自動車など)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行う。出発地として現在位置を選択すると現在位置取得手段23が取得している現在位置が出発地として使用される。
【0054】
経路探索要求編集手段24は、入力された経路探索条件を経路探索サーバ30に送信するデータに編集し、通信手段22を介して経路探索サーバ30に送信する。経路探索サーバ30から配信された案内経路、地図、ガイダンスデータなどの配信データは配信データ記憶手段27に一時記憶される。これらの配信データは必要に応じて配信データ記憶手段27から読み出され、表示手段26に表示される。表示に際しては、現在位置取得手段23が取得している現在位置が地図上に案内経路などとともに現在位置マークとして重ね合わせて表示される。
【0055】
次に、歩行検出手段232において、携帯端末装置20が歩行状態にあるか、歩行停止状態にあるかを判別する方法について説明する。図2は、実施例の携帯端末装置20を携帯したユーザが歩行中に携帯電話で計測された加速度データの一例の説明図であり、縦軸に加速度の値、横軸に時間をとった説明図である。図3は、図2の加速度データのスペクトル解析結果を示すグラフであり、縦軸にスペクトル強度、横軸にスペクトル値をとったグラフである。
【0056】
図2、図3において、前記構成を備えた実施例の歩行者ナビゲーションシステム10では、携帯端末装置20を携帯したユーザが歩行すると、歩行検出手段232を構成する3軸の加速度センサにより、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に周期的な加速度が検出される。前記加速度センサで検出された周期的な加速度のデータは、ローパスフィルタLPF(図示せず)を通過する際に32Hzより大きな周波数の加速度データが遮断され、64Hzのサンプリング周波数でサンプリングされる(図2参照)。
【0057】
そして、前記3軸方向の加速度の大きさである総合加速度(図2参照)の0.5秒間分を高速フーリエ変換(FFT、図示せず)でスペクトル解析すると、図3に示すように、2Hz、3Hzにおいてスペクトル強度が強いという解析結果が得られる。このような解析結果が得られた場合、ユーザが歩行したものと判別され、携帯端末装置20は歩行を検知する。それ以外の場合、ユーザが歩行を停止したものと判別され、携帯端末装置20は歩行停止を検知する。
【0058】
歩行検出手段232は、加速度センサであって、望ましくは3軸の加速度センサであるが、2軸の加速度センサであっても歩行の検出は可能である。歩行の振動は2Hz付近に顕著なスペクトルのピークを持つので、8〜64Hz程度の比較的ゆっくりしたサンプリングでも、高速フーリエ変換によって検出が可能である。また、携帯端末装置20がどのような角度で保持されていても、歩行による2Hzの振動スペクトルは各方向に出ているので検出可能である。2軸の加速度センサでも十分実用に耐え得る。
また、GPS測位手段231を構成するGPS受信機は、Autonomous(オートノーマス)、 MS−Based、 A-GPS いずれの方式でも良い。A−GPSの場合は、後述のように立ち止まると測位を停止することもできるので、経路探索サーバ30との間の通信のトラフィック軽減効果もある。
【0059】
図4、図5は、携帯端末装置20の表示手段26に表示された地図、案内経路、現在位置マークの表示画面の一例を示す図である。図4、図5において、メニューボタン113を操作すると、メニュー画面に戻ることができ、ズームインボタン111を操作すると地図表示を拡大し、ズームアウトボタン112を操作すると地図表示を縮小することができる。
【0060】
表示手段26の表示は、図4に示すように、案内経路(図中の矢印)をD1、D2と歩行し、現在位置Pに人型の現在位置のマークが表示されている。更に歩行が継続し、図5に示すように交差点Cを右折するために現在位置Pで信号待ちにより歩行を停止することがある。待ち時間の長い信号になると1分30秒程度待つこともある。このとき、現在位置の取得結果はGPS測位手段231の測位誤差によって測定ごとに揺らいでいることは既に述べた。
【0061】
図5は、交差点Cにさしかかった直後の画面表示である。経路に沿った○印は歩行履歴(各時点での現在位置のマーク)である。図5においては、交差点Cで信号待ちをした為に、GPS測位手段231で測位した現在位置の揺らぎが歩行履歴として残り、かつ地図も最新の測位結果を中心とした位置に動いている。すなわち、交差点Cで立ち止まっているにもかかわらず、地図が不規則に動き、見難いものとなっている。測位結果を経路マッチングやマップマッチングしても、その中で動くことには変わりが無いので、やはり地図の視認性は良くない。交差点Cで立ち止まっている期間は、地図を落ち着いて見るには格好の期間なので、歩行停止時制御手段25により以下のように測位あるいは表示を制御し、現在位置表示を改善する。
【0062】
すなわち、本実施例においては、歩行検出手段232が歩行停止を検出すると、歩行停止時制御手段25が、表示手段26に表示される現在位置を示すマークを表示する表示位置を特定の位置に固定する制御を行う。
【0063】
制御方法(1)
具体的には、本実施例においては、歩行検出手段232が歩行状態を検出していない時、逆にいえば、歩行停止状態を検出した時は、歩行停止時制御手段25が現在位置取得手段23の測位位置取得を停止すなわちGPS測位手段231の測位を停止、あるいは、現在位置取得手段23の測位位置取得間隔すなわちサンプリング間隔を長くして、表示手段26に表示される現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【0064】
すなわち、この制御方法においては、歩行検出手段232が歩行を検出している期間は、GPS測位手段231により繰り返し測位を行う。その結果、現在位置が更新され、地図も現在位置が中心になるようにスクロール表示される。
歩行検出手段232が歩行を検出しなくなると、GPS測位手段231の測位を停止する。あるいは測位間隔を延ばす。たとえばMS−Basedで約5秒の周期で測位していたものを、15〜30秒周期にする。あるいは、歩行を検出しなくなったら、あと1周期だけ測位して、そのあと測位を停止するというような歩行停止時制御を行う。
【0065】
このように制御することによって、歩行中以外は、地図の揺らぎがなくなるので、地図表示が見やすくなる。また歩行履歴も、立ち止まった位置周辺のGPS誤差によるデータを取得することがなくなるので、実際の歩行経路に近いデータを得ることができる。更にまた、GPSの測位回数を減らすことによって消費電力を減らすことができるようになる。省電力の観点からはこの制御方法が好ましい。特に、携帯端末装置20として携帯電話が使用される場合には、電池消費を抑制でき好都合である。
【0066】
図6は、上記の歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。ステップS10の処理において、GPS測位手段231が携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位し、ステップS11の処理において現在位置取得手段23に現在位置のデータを送る。この現在位置のデータに基づいて、ステップS12の処理において表示手段26に地図、案内経路とともに現在位置を示すマークが表示される。
【0067】
ステップS13の処理において、歩行検出手段232が携帯端末装置20を持つユーザが歩行状態にあるか、歩行停止状態にあるかが検出される。歩行状態(歩行中)であればステップS10の処理に戻り、一定の周期でGPS測位を継続する。一方、歩行停止状態であれば、ステップS14の処理に進み、歩行停止時制御手段25が現在位置取得手段23の測位位置取得を停止またはGPS測位手段231の測位を停止、あるいは、現在位置取得手段23の測位位置取得間隔すなわちGPS測位手段231の測位間隔(サンプリング間隔)を歩行中よりも長くして、表示手段26に表示される現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【0068】
一方、経路探索サーバ30は携帯端末装置20から送信された経路探索条件に基づいて、道路ネットワークデータや交通ネットワークデータを用いて現在位置または所望の出発地から目的地までの最適経路を探索し、この経路を案内経路として現在位置を含む地図データとともに携帯端末装置20に配信する。経路探索サーバ30から配信された地図データ、案内経路のデータは携帯端末装置20の表示手段に表示される。表示に際して携帯端末装置20において測位した現在位置が地図、案内経路に重ね合わされて現在位置のマークが表示される。
【0069】
経路探索サーバ30は、制御手段31、通信手段32、経路探索手段33、道路ネットワークデータ34、交通ネットワークデータ35、配信データ編集手段36を備えて構成されている。道路ネットワークデータ34と、交通ネットワークデータ35は経路探索のためのデータであり、後述するような構成のデータを蓄積したデータベースである。
【0070】
制御手段31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段32は、ネットワーク12を介して携帯端末装置と通信するためのインターフェースである。配信データ編集手段36は、経路探索の結果を携帯端末装置20に配信するためのデータに編集するためのものである。経路探索手段33は、携帯端末装置20から送信された経路探索条件に基づいて道路ネットワークデータ34や交通ネットワークデータ35を参照して出発地から目的地までの最適経路を探索する。
【0071】
歩行者あるいは自動車による経路を探索するための道路ネットワークは、以下のように構成されている。例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータと構成される。
【0072】
すなわち、図7において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0073】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0074】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0075】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図8に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図8において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図8では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0076】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図8に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0077】
図8に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0078】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
例えば、図8において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【実施例2】
【0079】
次に、本発明の実施例2にかかる歩行停止時の現在位置表示の制御方法について説明する。なお、実施例2にかかる歩行者ナビゲーションシステム10の構成は、図1に示す構成と同様の構成である。
【0080】
制御方法(2)
本実施例2においては、歩行検出手段232が歩行停止状態を検出した時、現在位置取得手段23がGPS測位手段231からの測位結果を取得していても、歩行停止時制御手段25が表示手段26の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を長くして、現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【0081】
すなわち、この制御方法においては、GPS測位手段231の測位は所定の周期で行っていても、歩行を検出しなくなったら表示の更新に利用しない。この制御方法では衛星の捕捉を継続しているので、衛星軌道データを常に最新に維持することが出来る。上記(1)の制御方式で長時間GPS測位手段231の測位を停止してしまうと衛星を見失ってしまう場合もある。特にAutonomousでは、測位の再開に時間がかかるので本制御方法が好ましい。
【0082】
なお、さらに電子コンパスなどの方位検出手段を搭載した携帯端末装置20で、ヘディングアップ表示(携帯端末装置20が向いている方向に合わせて地図の表示方向を回転させる表示)を行う携帯端末装置20においては、歩行が停止していても、携帯端末装置20の向きが変化した場合には地図の回転を行う制御が併用される。この場合、歩行停止であるか否かにかかわらず、携帯端末装置20の向きが変化したら、地図表示の更新を行い、地図を回転して表示する。
【0083】
図9は、上記の歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。ステップS20の処理において、GPS測位手段231が携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位し、ステップS21の処理において現在位置取得手段23に現在位置のデータを送る。この現在位置のデータに基づいて、ステップS22の処理において表示手段26に地図、案内経路とともに現在位置を示すマークが表示される。
【0084】
ステップS23の処理において、歩行検出手段232が携帯端末装置20を持つユーザが歩行状態にあるか、歩行停止状態にあるかが検出される。歩行状態(歩行中)であればステップS20の処理に戻り、一定の周期でGPS測位を継続する。一方、歩行停止状態であれば、ステップS24の処理に進み、現在位置取得手段23がGPS測位手段231からの測位結果を取得していても、歩行停止時制御手段25が表示手段26の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を長くして、現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【実施例3】
【0085】
次に、本発明の実施例3にかかる歩行停止時の現在位置表示の制御方法について説明する。なお、実施例3にかかる歩行者ナビゲーションシステム10の構成は、図1に示す構成と同様の構成である。
【0086】
制御方法(3)
本実施例3においては、歩行検出手段232が歩行停止状態を検出した時、現在位置取得手段23が歩行停止中に取得する複数回の測位結果から得られる位置の中心(例えば、図5における〇印で示される各測位位置座標の加算平均でよい)を算出する。中心点の算出方法は上記に限らず各測位点を結んで構成される図形の中心点であってもよく、本発明においてはこれらの方法で算出した中心点を「重心」と定義する。表示手段26にはこの重心を現在位置として現在位置マークPを表示する。あるいは、歩行検出手段232が歩行を検出しなくなってから一定時間の間だけ現在位置取得手段23が取得する測位位置を使用し、その複数の測位位置の重心を、表示手段26に表示する。このように制御して現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【0087】
すなわち、この制御方法においては、歩行検出手段232が歩行停止状態を検出したら、一定の時間、通常のサンプリング周期で現在位置測位を続けて測位点各測位点を記憶しておき、一定時間経過後それまでの測位位置の重心を算出した上でその重心位置を現在位置として表示手段26に表示する。このような制御方法によれば、上記(2)の場合と同様に、衛星の捕捉を継続しているので、衛星軌道データを常に最新に維持することが出来る。
【0088】
図10は、上記の歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。ステップS30の処理において、GPS測位手段231が携帯端末装置20の現在位置(緯度・経度)を測位し、ステップS31の処理において現在位置取得手段23に現在位置のデータを送る。この現在位置のデータに基づいて、ステップS32の処理において表示手段26に地図、案内経路とともに現在位置を示すマークが表示される。
【0089】
ステップS33の処理において、歩行検出手段232が携帯端末装置20を持つユーザが歩行状態にあるか、歩行停止状態にあるかが検出される。歩行状態(歩行中)であればステップS30の処理に戻り、一定の周期でGPS測位を継続する。一方、歩行停止状態であれば、ステップS34の処理に進み、歩行停止時制御手段25は現在位置取得手段23がGPS測位手段231から取得した測位位置を一時記憶する。
【0090】
ステップS35の処理において、所定の一定時間が経過したかを判別し、一定時間経過していなければ、ステップS34の処理に戻ってGPS測位を継続し、得られた測位結果(現在位置)を一時記憶する。一定時間経過していたらステップS36の処理において歩行停止時制御手段25は、一時記憶していた複数の測位位置(現在位置)データから重心を算出する。そして、算出した重心を現在位置としてステップS37の処理において、表示手段26に表示する。このように制御して現在位置マークPの表示位置を特定の位置に固定して揺らぎを抑制する。
【0091】
なお、図10のフローチャートの手順においては、歩行停止が検出されてから一定の時間内に測位される現在位置データを記憶しておき、一定時間経過したらそれらの現在位置データの重心を算出するようにしたが、一定の時間経過する間に、現在位置が測位される都度それまでに測位された現在位置データから重心を算出するようにすることもできる。このような手順を取れば、現在位置のマークが徐々に位置を変化しながら表示されて現在位置の揺らぎを抑えることが出来る。
【0092】
このように、歩行が検出されなくなってから、測位データが得られる都度重心位置を算出して現在位置とすれば、現在位置のマークが徐々に位置を変化しながら表示されて現在位置の揺らぎを抑えることが出来る。一定の時間とは、例えば、長くても5秒間隔程度でよく、GPS測位間隔はそれより短いため、歩行停止から3回目のGPS測位くらいからは現在位置マークの表示位置の揺らぎが抑制される。
実際には一定時間とは、GPS測位1サイクル程度でよいので、歩行停止を検出してから速やかに重心位置への切り替えが行われるので違和感もない。
【0093】
また、上記各実施例においては、歩行停止を検出すると、歩行停止時制御に移行する構成としたが、歩行停止検出後一定の遅延時間を持たせて歩行停止時制御に移行するように構成することもできる。例えば、GPS測位手段がA−GPSのように位置情報サーバとの通信を行ってから現在地が確定することがあったり、地図のダウンロードとちょうど重なるようなタイミングでは、それらの処理の後に前記歩行停止時制御手段の処理が実行されるように一定の遅延時間があった方がよい。
このように構成すれば、歩行停止が検出された際の現在位置取得を確実に行うことができ、表示手段にその現在位置を表示することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
歩行経路において、歩行が検出されない場合にエスカレータなどの移動手段がある。しかし、エスカレータなどは殆ど屋内に設置されているので、もともとGPSが機能しない場所であるから本システムへの影響は無い。
また本システムを応用すれば、歩行者用ナビゲーションを他の乗り物用途のナビゲーションに使用することが出来なくなる。たとえば自転車や自動車では徒歩スペクトルが検出されないので、事実上ナビゲーションが不能になり、歩行者用ナビゲーションは使用禁止状態になる。自転車や、自動車で携帯電話を端末とする携帯端末装置20を用いて歩行者用ナビゲーションをそのまま使うことは適切ではないので、その対策になる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施例にかかる歩行者ナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末装置を携帯したユーザが歩行中に携帯端末装置で計測された加速度データの一例の説明図であり、縦軸に加速度の値、横軸に時間をとった説明図である。
【図3】図2の加速度データのスペクトル解析結果を示すグラフであり、縦軸にスペクトル強度、横軸にスペクトル値をとったグラフである。
【図4】携帯端末装置の表示手段に表示された地図、案内経路、現在位置マークの表示画面の一例を示す図である。
【図5】携帯端末装置の表示手段に表示された地図、案内経路、現在位置マークの表示画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図8】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例3にかかる歩行停止時制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10・・・・歩行者ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・携帯端末装置
21・・・・制御手段
22・・・・通信手段
23・・・・現在位置取得手段
231・・・GPS測位手段
232・・・歩行検出手段
24・・・・経路探索要求編集手段
25・・・・歩行停止時制御手段
26・・・・表示手段
27・・・・配信データ記憶手段
28・・・・操作・入力手段
30・・・・経路探索サーバ
31・・・・制御手段
32・・・・通信手段
33・・・・経路探索手段
34・・・・道路ネットワークデータ
35・・・・交通ネットワークデータ
36・・・・配信データ編集手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と現在位置取得手段とを有し、経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路データと地図データとに基づいて、前記表示手段に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する携帯端末装置と、経路探索のためのネットワークデータを蓄積したデータベースを有し、経路探索条件に従った案内経路を探索し携帯端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えた歩行者ナビゲーションシステムにおいて、
前記携帯端末装置は、GPS測位手段と、歩行検出手段と、歩行停止時制御手段と、を備え、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記歩行停止時制御手段が特定の位置に固定することを特徴とする歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記GPS測位手段を停止、あるいは、測位間隔を歩行中よりも長くし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、当該歩行停止検出時に現在位置取得手段が取得している現在位置に固定することを特徴とする請求項1に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記表示手段の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を歩行中よりも長くして、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、特定の位置に固定することを特徴とする請求項1に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記現在位置取得手段が取得した測位結果から得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする請求項1に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、歩行停止を検出してから、所定の時間前記現在位置取得手段により現在位置を取得し、その結果得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする請求項4に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記歩行検出手段は2軸以上の加速度センサにより構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記歩行検出手段が歩行停止を検出してから所定の遅延時間が経過してから前記歩行停止時制御手段の処理に移行することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記経路探索条件を経路探索サーバに送信しナビゲーションが開始されてから前記現在位置取得手段が現在位置を初回に取得する時は、前記歩行検出手段の歩行状態検出のいかんにかかわらず、前記現在位置取得手段による現在位置取得を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記携帯端末装置は、更に、方位検出手段を備え、前記方位検出手段が前記携帯端末装置の向いている方向が変化したことを検出した時には、前記表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の歩行者ナビゲーションシステム。
【請求項10】
経路探索のためのネットワークデータを蓄積したデータベースを有し、経路探索条件に従った案内経路を探索し携帯端末装置に配信する経路探索サーバと、ネットワークを介して接続される携帯端末装置であって、表示手段と現在位置取得手段とを有し、経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路データと地図データとに基づいて、前記表示手段に該案内経路と、現在位置を含む地図と、現在位置を示す現在位置マークとを表示する携帯端末装置において、
前記携帯端末装置は、GPS測位手段と、歩行検出手段と、歩行停止時制御手段と、を備え、
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記歩行停止時制御手段が特定の位置に固定することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記GPS測位手段を停止、あるいは、測位間隔を歩行中よりも長くし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、当該歩行停止検出時に現在位置取得手段が取得している現在位置に固定することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末装置。
【請求項12】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記表示手段の表示の更新を停止、あるいは再表示間隔を歩行中よりも長くして、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、特定の位置に固定することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末装置。
【請求項13】
前記現在位置取得手段はGPS測位手段から現在位置を取得し、前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、前記現在位置取得手段が取得した測位結果から得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末装置。
【請求項14】
前記歩行検出手段が歩行停止を検出した場合、前記歩行停止時制御手段は、歩行停止を検出してから、所定の時間前記現在位置取得手段により現在位置を取得し、その結果得られる位置の重心を現在位置とし、前記表示手段に表示される現在位置マークの表示位置を、前記重心の位置に固定することを特徴とする請求項13に記載の携帯端末装置。
【請求項15】
前記歩行検出手段は2軸以上の加速度センサにより構成したことを特徴とする請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項16】
前記歩行検出手段が歩行停止を検出してから所定の遅延時間が経過してから前記歩行停止時制御手段の処理に移行することを特徴とする請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項17】
前記経路探索条件を経路探索サーバに送信しナビゲーションが開始されてから前記現在位置取得手段が現在位置を初回に取得する時は、前記歩行検出手段の歩行状態検出のいかんにかかわらず、前記現在位置取得手段による現在位置取得を行うことを特徴とする請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項18】
前記携帯端末装置は、更に、方位検出手段を備え、前記方位検出手段が前記携帯端末装置の向いている方向が変化したことを検出した時には、前記表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−24700(P2007−24700A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207994(P2005−207994)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】