消耗品カートリッジ及びそれを用いた画像形成装置
【課題】使用者と画像形成装置が、その消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能な消耗品カートリッジを提供するものである。
【解決手段】本発明の消耗品カートリッジは、画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリ650と、該IDタグメモリ650上に設けられ、画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部120と、からなるIDタグメモリシール100が所定箇所に添着されることを特徴とする。
【解決手段】本発明の消耗品カートリッジは、画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリ650と、該IDタグメモリ650上に設けられ、画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部120と、からなるIDタグメモリシール100が所定箇所に添着されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に画像形成装置などにおける着脱可能な消耗品カートリッジに関連し、ユーザーが消耗品カートリッジを画像形成装置などに装着するときにおいて、当該消耗品カートリッジが、画像形成装置製造者が提供する消耗品カートリッジであるのか、それ以外の業者が提供する消耗品カートリッジであるのかを識別しやすい消耗品カートリッジに関するものである。また、本発明は、前記それ以外の業者が提供する消耗品カートリッジが装着されると、その旨をユーザーに報知することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、電子写真プリンタ、電子写真ファクシミリ、電子写真複合機、インクジェットプリンタ、インクジェット複合機などの画像形成装置においては、トナーまたはインクなどの消耗品が充填されたカートリッジが着脱自在に設けられ、トナーまたはインクがなくなると、消耗品カートリッジごと新しいものと交換して、前記のような画像形成装置に消耗品を供給することが行われる。
【0003】
ところで、近年では、画像形成装置の製造者以外の第三者(サードパーティ、サードベンダー)が、この画像形成装置に装填可能な消耗品カートリッジを製造及び販売するケースがある。このような製造者以外が提供するものの中には、画像形成装置の画像プロセスに適合しないものもあるために、製造者以外が提供する消耗品カートリッジを検出して、所定の警告を出力等することが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2003−195698号公報)には、着脱自在なプロセスユニットを有する画像形成部と、原稿を読み取るスキャナとを備えた画像形成装置において、前記スキャナでプロセスユニットに付属したシート上の画像を読み取り、読み取られた画像データからプロセスユニットが純正品か否かを判別する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2003−195698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、サードパーティによるカートリッジの中には、画像形成装置の製造業者以外の業者(以下、「カートリッジ再生業者」などとも言う)が、使用済みの消耗品カートリッジに、独自仕様のトナーやインクなどをリフィルして提供するカートリッジなどがある。このようなカートリッジ再生業者によってリフィルされた消耗品カートリッジ(以下、「リフィル品」などとも言う)は、画像形成装置の製造業者が提供するものと特に外見的に判別がしにくいというケースがあり、問題となっていた。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、プロセスユニットに付属したシート上の画像を読み取り、読み取られた画像データからプロセスユニットが純正品か否かを判別する構成であるので、リフィルされた消耗品カートリッジに対しては、画像形成装置の製造業者が提供する純正品のカートリッジである、との判断が下されてしまう、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明の消耗品カートリッジは、画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを電気的に示すIDタ
グメモリと、該IDタグメモリ表面に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の消耗品カートリッジは、前記標識部は画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジ取り外し要求が画像形成装置で確認されると移動可能に構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動して移動可能に構成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部はスライド可能なプレートであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は巻き取り可能なフィルムであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジに消耗品を充填する際に使用する消耗品充填口を封止するキャップ部上に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、該IDタグメモリ表面に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、該IDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部と、消耗品カートリッジの取り外し要求がなされたか否か判断する取り外し要求判断部と、取り外し要求がなされていると判断されるとIDタグメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、前記取り外し要求判断部で消耗品カートリッジの取り外し要求がなされた判断されると該タグメモリリーダライタ部で該IDタグメモリに記憶される情報を書き換えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、該IDタグメモリ上に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、該IDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部と、消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動してIDタグメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の消耗品カートリッジによれば、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、このIDタグメモリ上に設けられるロゴ標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が、消耗品カートリッジの1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリ識別部の状態を確認することにより使用者は、その消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、画像形成装置側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。また、メモリ識別部が画像形成装置のメモリリーダ部で読み取りが不可となるように移動可能に構成されているので、その使
用後のカートリッジにトナーが再充填されて製造されたリフィル品のメモリは読み取り不可となり、リフィル品の消耗品カートリッジが純正品のカートリッジと判断されるおそれを排除できる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置によれば、前記消耗品カートリッジを装着されたとき、IDタグメモリ識別部のIDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部が設けられているので、その消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるような場合には、ユーザーに対してワーニング表示を行うことが可能となる。そして、このようなワーニングを行うことによって、画像形成装置の製造者は、消耗品カートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーに消耗品カートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しつつ、画像形成装置がプリンタである場合を例にとり説明する。図1は、本発明を適用した画像形成装置であるプリンタの構成図(ブロック図)である。図1に示すプリンタ2が本発明を適用した画像形成装置であり、ホストコンピュータ1(ホスト装置)からの印刷要求等に基づいて、所定の印刷媒体に対して画像の形成を行なう装置である。かかるプリンタ2は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック4色のトナーカートリッジ611(現像ユニット)を装着できる構成となっており、上記印刷要求に従ってトナーを使い分け異なる色のトナー画像を順次重ねて、画像形成を行うものである。なお、図中の符号番号には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを特に示す場合には、Y、C、M、Bのサフィックスを用いることがある。また、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに共通の構成を示す場合には、Y、C、M、Bのサフィックスを省略することがある。
【0020】
図1に示すホストコンピュータ1は、プリンタ2の通信用I/F41を介してプリンタ2に対して印刷要求を行なうホスト装置であり、ユーザー操作等に基づいて画像データと制御コマンドを含む印刷データをプリンタ2に送信する。なお、ホストコンピュータ1は、所謂パーソナルコンピュータなどで構成することができる。また、図1においては、プリンタ2は、ホストコンピュータ1と接続されているが、複数のホスト装置とネットワークを介して接続される構成としてもよく、そのために通信用I/F41には、100BASE−TX/10BASE−TマルチプロトコルEthernet(登録商標)インターフェイスやHI−SPEED USB(USB 2.0)インターフェイス等の周知の規格のインターフェイス手段を用い得る。ホストコンピュータ1内のプリンタドライバ3は、ホストコンピュータ1内のアプリケーション(図示せず)などからのデータを受け取って、プリンタ2に送信する上記印刷データを生成する部分である。
【0021】
図1に示すように、プリンタ2は、コントローラ部4、エンジン制御部5、エンジン6、及び操作部7などで構成される。コントローラ部4は、前記ホストコンピュータ1から送信される印刷データを受信し、当該データに含まれる制御コマンドを解釈すると共に、当該データに含まれる画像データに対して所定の処理を施してエンジン6側へ提供するデータを生成する。図示していないが、コントローラ部4には、CPUや画像メモリなどが備えられており、当該画像メモリには上記生成したデータなどが格納される。また、コントローラ部4は、上記画像メモリに所定量のデータが生成された時点で、エンジン制御部5に対して現像を開始する旨の情報を送信する。
【0022】
次に、エンジン制御部5は、図1に示されるように、CPU51、ROM52、RAM53、ログ記録用メモリ54、及びタグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御部58、ロゴ標識制御部59等で構成される。CPU51は、エンジン6の各部を制御する部分である。さらにCPU51は、タグメモリリーダライタ部55を介して、トナ
ーカートリッジ611に設けられた履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650から情報を読み取り、その情報に基づき処理・判断を実行するものである。また、タグメモリリーダライタ部55は、履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650に必要に応じた情報の書き込み、或いはワンタイムの書き込みなどを行い得るように構成される。本実施形態では、履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650は、RFIDを用いた非接触方式の通信によるタグメモリの読み書きを想定しているが、本発明はこのような非接触方式通信に限定されるわけではなく、端子等による接触方式のものを用いても構わない。
【0023】
IDタグメモリ650は、少なくとも、トナーカートリッジ611がプリンタ2の製造者が供給することを電気的に示すものである。
【0024】
履歴タグメモリ612はトナーカートリッジ611のトナー残量や装着トナーカートリッジのプロフィールなどの情報の管理を専用に行うものである。
【0025】
ログ記録用メモリ54は、履歴タグメモリ612に記憶される上記のような管理情報に基づいて、プリンタ2にどのようなトナーカートリッジ611が装着されてきたかに係る情報をプリンタ2本体側に記録する周知の不揮発性メモリである。
【0026】
IDタグメモリ650は、履歴タグメモリ612とは別の構成として設けられ、画像形成装置の製造業者の固有のIDなどが書き込まれているRFIDなどのメモリである。
【0027】
前記ROM52は、プリンタ2を制御するための各種プログラムを記憶し、また、前記RAM53は、プリンタ2に関する各種情報を一時的に記憶する。また、タグメモリリーダライタ部55は、前記CPU51とトナーカートリッジ側の履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650とのインターフェイスであり、CPU51がトナーカートリッジ側メモリ612に書き込まれた前記情報を読み出して前記ログ記録用メモリ54に書き込む際などに用いられる。
【0028】
カートリッジロック制御部58は、装着されているトナーカートリッジ611のロック機構を制御するものであり、ロゴ標識制御部59は、後述する係合爪の上昇下降の制御を行うものである。
【0029】
図2は、本実施形態のプリンタ2のエンジン6部分の機構を中心に示した構成図(要部断面図)である。
【0030】
感光体ドラム621は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸に対して回転可能であり、矢印で示されるように時計方向に回転する。帯電ユニット622は、感光体ドラム621を帯電し、露光ユニット623は内蔵するレーザやLEDアレイなどの光源からのビームを帯電された感光体ドラム621に照射して静電気による潜像を形成する。露光ユニット623のビーム照射は、ホストコンピュータ1から入力される画像情報に基づいて変調された駆動信号により制御される。
【0031】
現像装置61は、現像剤であるトナーを収容するブラックトナーカートリッジ611B、マゼンタトナーカートリッジ611M、シアントナーカートリッジ611C、イエロートナーカートリッジ611Yが着脱可能に装着される装着部614B〜614Yを有し、中心軸613に対して回転可能な現像ロータリーである。現像装置61を回転させて必要なトナーカートリッジ611B〜611Yを感光体ドラム621に近接させ、現像剤を潜像が形成された感光体ドラム621に供給することで、潜像が現像剤による像に現像される。
【0032】
現像装置61に装着されたトナーカートリッジ611B〜611Yの状態をプリンタ2が認識できるように、各トナーカートリッジ611には、現像剤(トナー)の色情報や残量情報等を記憶する記憶媒体、例えば非接触型不揮発性メモリである履歴タグメモリ612B〜612Yが設けられている。
【0033】
そして、電源が立ち上がった後や、トナーカートリッジ611が現像装置61に装着された後に、その履歴タグメモリ612の情報がプリンタ2によって読み出される。また、現像後にトナーカートリッジ611の履歴タグメモリの残量情報が更新される。このトナーカートリッジ側メモリ612には、そのトナーカートリッジ611に収容されているトナーのトナータイプに関する情報等その他種々の情報が含まれていてもよい。また、エンジン制御部5の履歴タグメモリリーダライタ部55と履歴タグメモリ612B〜612Yとは非接触、即ち無線で相互に通信する方式としてもよいし、タグメモリリーダライタ部55と履歴タグメモリ612B〜612Yとの間は有線で相互に通信する方式をとってもよい。
【0034】
トナーカートリッジ611には、上記のような履歴タグメモリ612B〜612Yとは別のタグメモリとして、IDタグメモリ650B〜650Yが設けられる。これらのIDタグメモリ650B〜650Yは、トナーカートリッジ611が、カートリッジ再生業者によるリフィル品ではなく、プリンタ2の製造業者が提供するものであることを示す情報が記憶されるものであり、当該製造業者の固有IDなどの情報が書き込まれている。また、このIDタグメモリ650B〜650Yは、トナーカートリッジ611使用後には、当該固有ID情報を消去するような構成とすることもできる。なお、このような当該固有ID情報を消去するような構成とする場合には、IDタグメモリ650としてはワンタイムのみの書き込みを行い得るようなものとすることが好ましい。
【0035】
また、IDタグメモリ650の読み書きには、製造者のみが知り得る特殊なプロトコルや暗号を用いてもよい。
【0036】
一次転写ユニット626は、感光体621に形成されたトナー像を中間転写体627に転写する。中間転写体627は、例えばPETフィルムの表面にアルミ蒸着層を形成しその表面に半導電塗料を形成したエンドレスのベルトであり、感光体ドラム621と同じ周速度で回転駆動される。給紙カートリッジ92から供給された紙などの印刷媒体は給紙ローラ94を経て、二次転写ユニット628、そして定着ユニット629へと搬送される。そして、二次転写ユニット628が、中間転写体627に形成されたトナー像を給紙カートリッジ92から供給された印刷媒体に転写し、定着ユニット629が、印刷媒体上に転写されたトナー像を媒体に溶着させて永久像とし、その印刷媒体はプリンタ2外に排出される。
【0037】
クリーニングユニット624は、一次転写ユニット626と帯電ユニット622との間に設けられ、感光体ドラム621の表面に当接されるクリーニングブレード625を有し、一次転写された後に感光体ドラム621上に残存する現像剤(トナー)がクリーニングブレード625により除去される。
【0038】
図1に示す操作部7(操作手段)は、ユーザーがプリンタ2を操作するための部分であり、操作表示パネル71や操作ボタン等から成る。操作表示パネル71上には、タッチパネル等のデバイスが設けられており、ユーザーは操作表示パネル71上に表示されるUI(ユーザーインターフェイス)を参照しながら、直接、操作表示パネル71に触れることによってプリンタ2の操作ができるようになっている。当該操作部7では、プリンタ2における印刷条件の設定など各種の設定行為が可能である。また、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外しを行うときなどなは、この操作表示パネル71から指示を行
う構成とする。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリについてより詳しく説明する。図3は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリシールの構造を斜視的に示す図である。
【0040】
図3において、100はIDタグメモリシール、110はベースフィルム、111はアンテナ部、112、113は電極部、120はホログラム部、121はロゴ標識部、650はRFIDチップ(IDタグメモリ本体)をそれぞれ示している。
【0041】
IDタグメモリシール100のベースフィルム110表面(図に示される面)には、蒸着された銅をエッチングによって形成したアンテナ部111が設けられる。アンテナ部111の一端は、ベースフィルム110表面側でアルミプレートの電極部112と導通している。また、このアンテナ部111のもう一端側はスルーホールを介してベースフィルム110裏面を通り、さらにスルーホールを介してアルミプレートの電極部113と導通している。アルミプレートの電極部112、113は、RFIDチップ(IDタグメモリ)650と振動溶着でボンディングされる。
【0042】
以上のように構成されるベースフィルム110部の表面は、ロゴ標識部120などのフィルムが一体不可分に接着剤などにより添着されている。ロゴ標識部120には、プリンタ2の製造者である企業のロゴ標識121が印刷されており、プリンタ2のユーザーにアピールすることが可能な視覚的表示を形成している。なお、このロゴ標識部120にはホログラムシールなどを用いることもできる。
【0043】
なお、ロゴ標識部120がベースフィルム110部に添着されたIDタグメモリシール100は、特許請求の範囲においては「タグメモリ部」として表現されている。
【0044】
ベースフィルム110裏面には、IDタグメモリシール100を添着可能とするための接着剤の層が設けられる。このベースフィルム110裏面に形成される接着剤層によって、IDタグメモリシール100はトナーカートリッジ611に添着される。
【0045】
次にトナーカートリッジの構成について説明する。図4は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図4(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図4(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0046】
図4において、653はロック爪係合凹部、654はロゴ標識用プレート、655はプレート垂直片部、656は標識用開口部、657はプレート収納部をそれぞれ示している。
【0047】
図4に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0048】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、これと連通するようにして、プレート収納部657の空洞部が設けられる。このプレート収納部657内には、ロゴ標識用プレート654が図面の左右方向に移動可能に収容されている。
【0049】
ロゴ標識用プレート654にはIDタグメモリシール100が添着される表面領域と、これに垂直に構成される突片であるプレート垂直片部655が形成されている。このプレート垂直片部655を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用プレート654に添着され
ているIDタグメモリシール100は、標識用開口部656からプレート収納部657に移動し、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。
【0050】
次に、以上のように構成されるトナーカートリッジ611のプリンタ2への装着について説明する。図5は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。図5(A)はトナーカートリッジが装着位置にセットされる直前の様子を、図5(B)はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を、図5(C)はトナーカートリッジ交換時の取り外しの様子を示している。図5において、トナーカートリッジ611の装着はトナーカートリッジ611を右から左に押し込むように行うものとし、取り外しの時はトナーカートリッジ611を左から右に引き出すように行うものとする。
【0051】
図5において、580はカートリッジロック制御機構部、581はロック爪移動機構、582はロック爪、590はロゴ標識制御機構部、591は係合爪移動機構、592は係合爪をそれぞれ示している。
【0052】
タグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御機構部580、ロゴ標識制御機構部590はいずれもプリンタ2側の構成であり、カートリッジロック制御機構部580はカートリッジロック制御部58によって、また、ロゴ標識制御機構部590はロゴ標識制御部59によって制御される。また、タグメモリリーダライタ部55は図5においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0053】
カートリッジロック制御機構部580は、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581によって構成され、ロゴ標識制御機構部590は、プレート垂直片部655と係合可能な係合爪592と、この係合爪592を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどの係合爪移動機構591によって構成されている。
【0054】
ロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。同じように、係合爪592は係合爪移動機構591によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。
【0055】
図5(A)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされる直前の様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって上昇ポジションとなるように設定されており、これらの設定によりユーザーはトナーカートリッジ611をなんら抵抗無くプリンタ2のカートリッジ装着位置にセットすることができる。
【0056】
図5(B)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされている様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって下降ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって下降ポジションとなるように設定されている。ロック爪582はロック爪係合凹部653に嵌入されているので、トナーカートリッジ611はプリンタ2のカートリッジ装着位置から引き出すことができないようになっている。また、図5(B)の状態では、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100の上面に位置しているタグメモリリーダライタ部55が、IDタグメモリ650読み書きを行うことができるようになっている。
【0057】
図5(C)はトナーカートリッジ611交換時の取り外しの様子を示している。すなわち、トナーカートリッジ611が装着位置から取り外された直後の様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって下降ポジションとなるように設定されている。これらの設定により、ロック爪582はロック爪係合凹部653から外れているので、ユーザーはトナーカートリッジ611を取り外すことができる。そして、プレート垂直片部655は係合爪592に係合しているので、ロゴ標識用プレート654を図面左方向に移動させ、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100を、標識用開口部656からプレート収納部657に移動させて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121をユーザーから視覚不能とすることができる。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、タグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。また、標識用開口部657の内面にアルミの層を設けIDタグメモリ650をシールドすることによって、タグメモリリーダライタ部55がIDタグメモリ650を認識できないようにしてもよい。
【0058】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0059】
次に、トナーカートリッジ611装着時及び取り外し時における制御について説明する。図6は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【0060】
ステップS001で、トナーカートリッジ611の装着時処理が開始されると、次に
ステップS002に進み、不図示のトナーカートリッジ611の装着完了を検知するセンサによってトナーカートリッジ611の装着を認識する。すると、ステップS003において、ロック爪移動機構581によってロック爪582を下降ポジションに移動させる。また、ステップS004において、係合爪移動機構591によって係合爪592を下降ポジションに移動させる。
【0061】
ステップS005では、タグメモリリーダライタ部55でロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100に書き込まれている情報の読み込みを行う。
【0062】
ステップS006では、IDタグメモリシール100に書き込まれている情報が製造者の固有ID情報であるかを判定する。
【0063】
ステップS006における判定結果がYESであるときにはステップS008に進み、装着時処理を終了し、判定結果がNOであるときには、ステップS007に進み、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。なお、判定結果がNOの場合には、IDタグメモリ650を読み取り不可である場合も含まれる。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジが純正品でないことを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0064】
次に、トナーカートリッジ611取り外し時における制御について説明する。図7は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【0065】
図7において、ステップS100で、トナーカートリッジ611の取り外し時処理が開始されると、次にステップS101に進み、操作表示パネル711におけるユーザーからの入力が参照される。
【0066】
ステップS102では操作表示パネル711で、ユーザーがカートリッジ取り外し要求を入力したか否かが判定される。
【0067】
ステップS102の判定結果がYESであるときにはステップS103に進み、判定結果がNOであるときにはステップS107に進み処理を終了する。
【0068】
ステップS103では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が判定される。トナーカートリッジ611の取り外しの目的も、ユーザーが操作表示パネル711から入力するものとする。ステップS103では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が取り替え(交換)のためか、否かが判定される。取り外しの目的が取り替え(交換)以外というケースは、取り外したトナーカートリッジ611を他の同型式のプリンタ2で用いる場合がある。
【0069】
ステップS103における判定の結果がYESであるときにはステップS106に進み、ステップS103における判定の結果がNOであるときにはステップS104に進む。
【0070】
ステップS106では、IDタグメモリシール100におけるIDタグメモリ650の固有ID情報の書き換え処理を行う。この書き換え処理は、例えば、固有ID情報を無効化するなどの処理がある。要は、再度IDタグメモリ650を読みとっとき、トナーカートリッジ611が既に使用済みである旨の情報となるようにすればよい。可能であれば、この書き換え処理はワンタイムの書き換え処理であることが望ましい。ステップS106に続いては、ステップS105へと進む。
【0071】
ステップS104では、係合爪移動機構591が係合爪592を上昇ポジションに移動させる。また、ステップS105では、ロック爪移動機構581がロック爪582を上昇ポジションに移動させる。
【0072】
ステップS107では、トナーカートリッジ611の取り外し時処理を終了する。
【0073】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、IDタグメモリ650がタグメモリリーダライタ部55で読み取り不可となるように移動されるので、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0074】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図8(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図8(B)はA−A’断面の一部を示している。また、図9は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのIDタグメモリシール100の移動機構を示す図である。
【0075】
図8及び図9において、653はロック爪係合凹部、656は標識用開口部、660はロゴ標識用フィルム、661は巻き取りロール、662は送り出しロール、663はラック連動レバー、664はピニオン部材、665はラック部材をそれぞれ示している。
【0076】
図8に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0077】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、この標識用開口部656の双方側にはロゴ標識用フィルム660を送り出す送り出しロール662と、送り出されたロゴ標識用フィルム660を巻き取る巻き取りロール661が配されている。
【0078】
ロゴ標識用フィルム660にはIDタグメモリシール100が添着される領域があり、図8に示すように標識用開口部656からロゴ標識用フィルム660上のIDタグメモリシール100を認識できるようになっている。
【0079】
次に本実施形態におけるIDタグメモリシール100の移動機構について説明する。本実施形態においても、先の実施形態と同様に、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581から構成されるカートリッジロック制御機構部580を有する。
【0080】
また、本実施形態においては、ラック連動レバー663(先の実施形態では、プレート垂直片部655)と係合可能な係合爪592と、この係合爪592を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどの係合爪移動機構591から構成されるロゴ標識制御機構部590を有している。
【0081】
巻き取りロール661とピニオン部材664とは共通の軸によって共に回転するようになっており、ラック部材665はこのピニオン部材664と噛合するようになっている。以上のような構成によって、係合爪592によってラック連動レバー663を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用フィルム660に添着されているIDタグメモリシール100は、巻き取りロール661に巻き取られるようにして移動し、標識用開口部656から外れて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、不図示のタグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。また、ロゴ標識用フィルム660にはアルミ層が設けられており、ロゴ標識121が標識用フィルムのアルミ層で完全に遮蔽されるように巻き取られるようにしておくことが、好ましい。これにより、確実にIDタグメモリ650がタグメモリリーダライタ部55によって読み取り不可となる。
【0082】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用フィルム660上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0083】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図10は本発明
の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図10(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図10(B)はA−A’断面の一部を示している。また、図11は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジをプリンタに装着した状態を示す図である。
【0084】
図10及び図11において、670はロゴ標識用プレート、671は第1リブ、672は第2リブ、673は脱落プレート収容部、595はロゴ標識制御機構部、596はプランジャ、597は打突部をそれぞれ示している。
【0085】
図10に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0086】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、この標識用開口部656の中央部には、樹脂製のロゴ標識用プレート670が設けられており、このロゴ標識用プレート670は、両側の第1リブ671及び第2リブ672によって標識用開口部656の周縁部と一体的に結合されている。ここで第1リブ671が前記周縁部と結合する強度は、第2リブ672が前記周縁部と結合する強度より強く設定さている。すなわち、第2リブ672の方が脆い作りとなっている。
【0087】
ロゴ標識用プレート670にはIDタグメモリシール100が添着される領域があり、図10に示すように標識用開口部656からロゴ標識用フィルム660上のIDタグメモリシール100を認識できるようになっている。
【0088】
図11はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を示しており、図11において、タグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御機構部580、ロゴ標識制御機構部595はいずれもプリンタ2側の構成であり、ロック爪移動機構581はカートリッジロック制御部58によって制御される。また、ロゴ標識制御機構部590はロゴ標識制御部59によって制御される。また、タグメモリリーダライタ部55は図5においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0089】
カートリッジロック制御機構部580は、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581によって構成されている。このカートリッジロック制御機構部580は、先の実施形態と同様のものである。ロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。
【0090】
また、ロゴ標識制御機構部595は、カートリッジ装着位置でロゴ標識用プレート670を打突する打突部597と、この打突部597に打突する駆動力を与えるプランジャ596とから構成されている。図11では、ロゴ標識用プレート670がこの打突部597に打突され、第2リブ672が破壊された状態を示している。
【0091】
以上のように構成される本発明の他の実施形態のトナーカートリッジ611装着時及び取り外し時における制御について説明する。図12は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【0092】
ステップS201で、トナーカートリッジ611の装着時処理が開始されると、次に
ステップS202に進み、不図示のトナーカートリッジ611の装着完了を検知するセンサによってトナーカートリッジ611の装着を認識する。すると、ステップS203において、ロック爪移動機構581によってロック爪582を下降ポジションに移動させる。
【0093】
ステップS204では、タグメモリリーダライタ部55でロゴ標識用プレート670に添着されているIDタグメモリシール100に書き込まれている情報の読み込みを行う。
【0094】
ステップS205では、IDタグメモリシール100に書き込まれている情報が製造者の固有ID情報であるかを判定する。
ステップS205における判定結果がYESであるときにはステップS207に進み、 装着時処理を終了し、判定結果がNOであるときには、ステップS206に進み、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。このトナーカートリッジの使用に伴い故障が発生した場合、修理は有償となることもありますのでご注意下さい。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0095】
次に、トナーカートリッジ611取り外し時における制御について説明する。図13は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【0096】
図13において、ステップS300で、トナーカートリッジ611の取り外し時処理が開始されると、次にステップS301に進み、操作表示パネル711におけるユーザーからの入力が参照される。
【0097】
ステップS302では操作表示パネル711で、ユーザーがカートリッジ取り外し要求を入力したか否かが判定される。
【0098】
ステップS302の判定結果がYESであるときにはステップS303に進み、判定結果がNOであるときにはステップS307に進み処理を終了する。
【0099】
ステップS303では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が判定される。トナーカートリッジ611の取り外しの目的も、ユーザーが操作表示パネル711から入力するものとする。ステップS303では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が取り替え(交換)のためか、否かが判定される。取り外しの目的が取り替え(交換)以外というケースは、取り外したトナーカートリッジ611を他の同型式のプリンタ2で用いる場合がある。
【0100】
ステップS303における判定の結果がYESであるときにはステップS305に進み、ステップS303における判定の結果がNOであるときにはステップS304に進む。
【0101】
ステップS305では、IDタグメモリシール100におけるIDタグメモリ650の固有ID情報の書き換え処理を行う。この書き換え処理は、例えば、固有ID情報を無効化するなどの処理がある。要は、再度IDタグメモリ650を読みとっとき、トナーカートリッジ611が既に使用済みである旨の情報となるようにすればよい。可能であれば、この書き換え処理はワンタイムの書き換え処理であることが望ましい。
【0102】
次のステップS306では、プランジャ596を動作させて、打突部597に駆動力を与え、ロゴ標識用プレート670の第2リブ672を破壊する。
【0103】
ステップS304では、ロック爪移動機構581がロック爪582を上昇ポジションに
移動させる。ステップS307では、トナーカートリッジ611の取り外し時処理を終了する。
【0104】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート670上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0105】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図14は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図14(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図14(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0106】
本実施形態に係るトナーカートリッジ及びプリンタの構成は、最初に説明したトナーカートリッジ及びプリンタの構成を単純化して、コストを抑えるようにしたものである。最初の実施形態のものは、カートリッジロック制御機構や、係合爪移動機構などのロック爪や係合爪の上下動のためのアクチュエータを用いるものであったが、本実施形態では、カートリッジロック制御機構を省略し、係合爪移動機構も電動のアクチュエータを用いずに、弾性力を用いたものとする。
【0107】
図14において、654はロゴ標識用プレート、655はプレート垂直片部、656は標識用開口部、657はプレート収納部をそれぞれ示している。
【0108】
トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、これと連通するようにして、プレート収納部657の空洞部が設けられる。このプレート収納部657内には、ロゴ標識用プレート654が図面の左右方向に移動可能に収容されている。
【0109】
ロゴ標識用プレート654にはIDタグメモリシール100が添着される表面領域と、これに垂直に構成される突片であるプレート垂直片部655が形成されている。このプレート垂直片部655を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、標識用開口部656からプレート収納部657に移動し、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。
【0110】
次に、以上のように構成されるトナーカートリッジ611のプリンタ2への装着について説明する。図15は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。図15(A)はトナーカートリッジが装着位置にセットされる直前の様子を、図15(B)はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を、図15(C)はトナーカートリッジ交換時の取り外しの様子を示している。図15において、トナーカートリッジ611の装着はトナーカートリッジ611を右から左に押し込むように行うものとし、取り外しの時はトナーカートリッジ611を左から右に引き出すように行うものとする。
【0111】
図15において、595はロゴ標識制御機構部、596は弾性部材、597は係合爪をそれぞれ示している。
【0112】
タグメモリリーダライタ部55、ロゴ標識制御機構部595はいずれもプリンタ2側の構成である。本実施形態では、トナーカートリッジをロックする機構が省略されているの
で、プリンタ2におけるカートリッジロック制御部58を省略することができる。
【0113】
また、ロゴ標識制御機構部595は弾性部材596によって動作させるので、プリンタ2のロゴ標識制御部59を省略可能である。また、タグメモリリーダライタ部55は図15においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0114】
ロゴ標識制御機構部595は、プレート垂直片部655と係合可能な係合爪597と、この係合爪597に上下に弾性力を付与する弾性部材596から構成されている。
【0115】
図15(A)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされる直前の様子を示しているが、このままユーザーが左にトナーカートリッジを押し込む際には、係合爪597は弾性部材596の作用によって、プレート垂直片部655を乗り越えるようにして上下動する。これによりユーザーはトナーカートリッジ611を、適度なクリック感を得つつ、プリンタ2のカートリッジ装着位置にセットすることができる。
【0116】
図15(B)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされている様子を示しているが、このとき、係合爪597はプレート垂直片部655に図示するように係合するようになっている。また、図15(B)の状態では、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100の上面に位置しているタグメモリリーダライタ部55が、IDタグメモリ650読み書きを行うことができるようになっている。
【0117】
図15(C)はトナーカートリッジ611交換時の取り外しの様子を示している。すなわち、トナーカートリッジ611が装着位置から離れた直後の様子を示しているが、このとき、係合爪597は図示するようにプレート垂直片部655と係合状態を維持しているので、ロゴ標識用プレート654を図面左方向に移動させ、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100を、標識用開口部656からプレート収納部657に移動させて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121をユーザーから視覚不能とすることができる。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、タグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。また、標識用開口部657の内面にアルミの層を設けることによって、タグメモリリーダライタ部55がIDタグメモリ650を認識できないようにしてもよい。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。
【0118】
なお、本実施形態は、ユーザーのトナーカートリッジ611終了意志の有無に関わらず、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外すと、必ずIDタグメモリ650が移動されるように構成されるものであるが、使用終了意志の有無に関わらず、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外すと、必ずIDタグメモリ650が移動される構成は、図8及び図9に示したロゴ標識用フィルムを巻き取る巻き取りロールを用いた実施形態によっても構成することができる。
【0119】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654やロゴ標識用フィルム660上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0120】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図16は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図16(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図16(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0121】
本実施形態に係るトナーカートリッジ及びプリンタの構成が、これまでに説明したトナーカートリッジ及びプリンタの構成と大きく異なる点は、IDタグメモリシール100が添着される位置である。これまで説明した実施形態では、トナーカートリッジに所定の可動部分を設けておき、この可動部分にトナーカートリッジを添着していたが、本実施形態では、トナーカートリッジの再生のためのプロセスの中で移動せざるを得ない箇所にIDタグメモリシール100を添着するように構成している。
【0122】
図16において、680はトナー封入口、681はキャップ部をそれぞれ示しており、図16に示すように、本実施形態では、トナーをトナーカートリッジ611に封入するためのトナー封入口680を塞ぐキャップ部681を覆うようにしてIDタグメモリシール100を添着する。
【0123】
図17は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図であり、図18は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジにおけるトナー再充填の様子を示す図である。
【0124】
本実施形態においても、プリンタ2側の構成であるタグメモリリーダライタ部55は、図17に示すように、キャップ部681に添着されるIDタグメモリシール100のIDタグメモリ650を読み書きできる位置に設ける。これによって、タグメモリリーダライタ部55によってIDタグメモリシール100を読み取ったとき、プリンタ2の製造業者の固有のIDなどを認識することができなかった場合には、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。このトナーカートリッジの使用に伴い故障が発生した場合、修理は有償となることもありますのでご注意下さい。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0125】
また、本実施形態のように構成されたトナーカートリッジ611に、トナーを封入してこれを再生させようとする場合には、図18に示すように、キャップ部681に添着されているIDタグメモリシール100を剥がして、トナー封入口680を出現させるようにしなければならない。すなわち、本実施形態でも、IDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0126】
なお、以上においては、プリンタの消耗品としてトナーカートリッジの場合について説明したが、本発明は画像形成装置のための記録材が充填される消耗品カートリッジ全般について適用し得るものであり、例えば、インクジェット方式のプリンタ及びその消耗品であるインクカートリッジの場合でも本発明の考え方を適用し得るものである。
【0127】
また、以上の説明においては、画像形成装置としてプリンタの例について説明したが、本発明は、画像形成装置とその画像形成にて必要となる消耗品との関係に適用し得るもの
であるので、本発明は、その他の画像形成装置である電子写真方式の複写機、電子写真方式のファクシミリ、電子写真方式の複合機、インクジェット方式のプリンタ、インクジェット方式のファクシミリ、インクジェット方式の複合機などの画像形成装置にも適用し得るものである。
【0128】
また、IDタグメモリ650として、RFIDチップを用いた例について説明したが、このIDタグメモリ650は、トナーカートリッジ611が画像形成装置(プリンタ2)の製造者が供給するものであることを電気的に示すような機能を備えていればよい。したがって、IDタグメモリ650を所定の抵抗値を持つ抵抗としておき、これに導通させて、プリンタ2側で所定の抵抗値が検出できるか否かで、トナーカートリッジがプリンタ2の製造者が供給するものであるか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0129】
また、以上、種々の実施形態についてそれぞれを説明したが、本発明は、それぞれの実施形態の構成要素の任意の組み合わせからなる実施形態も含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明を適用した画像形成装置であるプリンタの構成図(ブロック図)である。
【図2】本実施形態のプリンタ2のエンジン6部分の機構を中心に示した構成図(要部断面図)である。
【図3】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリシールの構造を斜視的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのIDタグメモリシール100の移動機構を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジをプリンタに装着した状態を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジにおけるトナー再充填の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0131】
1・・・ ホストコンピュータ(ホスト装置)、2・・・プリンタ、3・・・プリンタドライバ、4・・・コントローラ部、41・・・通信用i/F、5・・・エンジン制御部、
6・・・ エンジン、7・・・操作部(操作手段)、71・・・操作表示パネル、51 ・・・CPU、52・・・ ROM、 53・・・RAM、54・・・ログ記録用メモリ、 55・・・タグメモリリーダライタ部、58・・・カートリッジロック制御部、58・・・カートリッジロック制御部、59・・・ロゴ標識制御部、61・・・現像装置(現像手段)、62・・・その他のエンジン内ユニット、 611 ・・・トナーカートリッジ(現像ユニット)、612・・・履歴タグメモリ、7・・・操作部、71・・・、操作表示パネル、92・・・給紙カートリッジ、94・・・給紙ローラ、95・・・カーソル、100・・・IDタグメモリシール、110・・・ベースフィルム、111・・・アンテナ部、112、113・・・電極部、120・・・ロゴ標識部、121・・・ロゴ標識、580・・・カートリッジロック制御機構部、581・・・ロック爪移動機構、582・・・ロック爪、590・・・ロゴ標識制御機構部、591・・・係合爪移動機構、592・・・係合爪、595・・・ロゴ標識制御機構部、596・・・弾性部材、597・・・係合爪、650・・・RFIDチップ(IDタグメモリ)、653・・・ロック爪係合凹部、654・・・ロゴ標識用プレート、655・・・プレート垂直片部、656・・・標識用開口部、657・・・プレート収納部、660・・・ロゴ標識用フィルム、661・・・巻き取りロール、662・・・送り出しロール、663・・・ラック連動レバー、664・・・ピニオン部材、665・・・ラック部材、680・・・トナー封入口、681・・・キャップ部、683・・・開口部、685・・・梃状部材、686・・・封口腕部、687・・・押上腕部、688・・・支点部
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に画像形成装置などにおける着脱可能な消耗品カートリッジに関連し、ユーザーが消耗品カートリッジを画像形成装置などに装着するときにおいて、当該消耗品カートリッジが、画像形成装置製造者が提供する消耗品カートリッジであるのか、それ以外の業者が提供する消耗品カートリッジであるのかを識別しやすい消耗品カートリッジに関するものである。また、本発明は、前記それ以外の業者が提供する消耗品カートリッジが装着されると、その旨をユーザーに報知することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、電子写真プリンタ、電子写真ファクシミリ、電子写真複合機、インクジェットプリンタ、インクジェット複合機などの画像形成装置においては、トナーまたはインクなどの消耗品が充填されたカートリッジが着脱自在に設けられ、トナーまたはインクがなくなると、消耗品カートリッジごと新しいものと交換して、前記のような画像形成装置に消耗品を供給することが行われる。
【0003】
ところで、近年では、画像形成装置の製造者以外の第三者(サードパーティ、サードベンダー)が、この画像形成装置に装填可能な消耗品カートリッジを製造及び販売するケースがある。このような製造者以外が提供するものの中には、画像形成装置の画像プロセスに適合しないものもあるために、製造者以外が提供する消耗品カートリッジを検出して、所定の警告を出力等することが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2003−195698号公報)には、着脱自在なプロセスユニットを有する画像形成部と、原稿を読み取るスキャナとを備えた画像形成装置において、前記スキャナでプロセスユニットに付属したシート上の画像を読み取り、読み取られた画像データからプロセスユニットが純正品か否かを判別する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2003−195698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、サードパーティによるカートリッジの中には、画像形成装置の製造業者以外の業者(以下、「カートリッジ再生業者」などとも言う)が、使用済みの消耗品カートリッジに、独自仕様のトナーやインクなどをリフィルして提供するカートリッジなどがある。このようなカートリッジ再生業者によってリフィルされた消耗品カートリッジ(以下、「リフィル品」などとも言う)は、画像形成装置の製造業者が提供するものと特に外見的に判別がしにくいというケースがあり、問題となっていた。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、プロセスユニットに付属したシート上の画像を読み取り、読み取られた画像データからプロセスユニットが純正品か否かを判別する構成であるので、リフィルされた消耗品カートリッジに対しては、画像形成装置の製造業者が提供する純正品のカートリッジである、との判断が下されてしまう、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するために、本発明の消耗品カートリッジは、画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを電気的に示すIDタ
グメモリと、該IDタグメモリ表面に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の消耗品カートリッジは、前記標識部は画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジ取り外し要求が画像形成装置で確認されると移動可能に構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動して移動可能に構成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部はスライド可能なプレートであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は巻き取り可能なフィルムであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の消耗品カートリッジは、IDタグメモリ識別部は消耗品カートリッジに消耗品を充填する際に使用する消耗品充填口を封止するキャップ部上に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、該IDタグメモリ表面に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、該IDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部と、消耗品カートリッジの取り外し要求がなされたか否か判断する取り外し要求判断部と、取り外し要求がなされていると判断されるとIDタグメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、前記取り外し要求判断部で消耗品カートリッジの取り外し要求がなされた判断されると該タグメモリリーダライタ部で該IDタグメモリに記憶される情報を書き換えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、該IDタグメモリ上に設けられる標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、該IDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部と、消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動してIDタグメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の消耗品カートリッジによれば、画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すIDタグメモリと、このIDタグメモリ上に設けられるロゴ標識部と、からなるIDタグメモリ識別部が、消耗品カートリッジの1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリ識別部の状態を確認することにより使用者は、その消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、画像形成装置側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。また、メモリ識別部が画像形成装置のメモリリーダ部で読み取りが不可となるように移動可能に構成されているので、その使
用後のカートリッジにトナーが再充填されて製造されたリフィル品のメモリは読み取り不可となり、リフィル品の消耗品カートリッジが純正品のカートリッジと判断されるおそれを排除できる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置によれば、前記消耗品カートリッジを装着されたとき、IDタグメモリ識別部のIDタグメモリに記憶される情報の読み書きを行うタグメモリリーダライタ部が設けられているので、その消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるような場合には、ユーザーに対してワーニング表示を行うことが可能となる。そして、このようなワーニングを行うことによって、画像形成装置の製造者は、消耗品カートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーに消耗品カートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しつつ、画像形成装置がプリンタである場合を例にとり説明する。図1は、本発明を適用した画像形成装置であるプリンタの構成図(ブロック図)である。図1に示すプリンタ2が本発明を適用した画像形成装置であり、ホストコンピュータ1(ホスト装置)からの印刷要求等に基づいて、所定の印刷媒体に対して画像の形成を行なう装置である。かかるプリンタ2は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック4色のトナーカートリッジ611(現像ユニット)を装着できる構成となっており、上記印刷要求に従ってトナーを使い分け異なる色のトナー画像を順次重ねて、画像形成を行うものである。なお、図中の符号番号には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを特に示す場合には、Y、C、M、Bのサフィックスを用いることがある。また、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに共通の構成を示す場合には、Y、C、M、Bのサフィックスを省略することがある。
【0020】
図1に示すホストコンピュータ1は、プリンタ2の通信用I/F41を介してプリンタ2に対して印刷要求を行なうホスト装置であり、ユーザー操作等に基づいて画像データと制御コマンドを含む印刷データをプリンタ2に送信する。なお、ホストコンピュータ1は、所謂パーソナルコンピュータなどで構成することができる。また、図1においては、プリンタ2は、ホストコンピュータ1と接続されているが、複数のホスト装置とネットワークを介して接続される構成としてもよく、そのために通信用I/F41には、100BASE−TX/10BASE−TマルチプロトコルEthernet(登録商標)インターフェイスやHI−SPEED USB(USB 2.0)インターフェイス等の周知の規格のインターフェイス手段を用い得る。ホストコンピュータ1内のプリンタドライバ3は、ホストコンピュータ1内のアプリケーション(図示せず)などからのデータを受け取って、プリンタ2に送信する上記印刷データを生成する部分である。
【0021】
図1に示すように、プリンタ2は、コントローラ部4、エンジン制御部5、エンジン6、及び操作部7などで構成される。コントローラ部4は、前記ホストコンピュータ1から送信される印刷データを受信し、当該データに含まれる制御コマンドを解釈すると共に、当該データに含まれる画像データに対して所定の処理を施してエンジン6側へ提供するデータを生成する。図示していないが、コントローラ部4には、CPUや画像メモリなどが備えられており、当該画像メモリには上記生成したデータなどが格納される。また、コントローラ部4は、上記画像メモリに所定量のデータが生成された時点で、エンジン制御部5に対して現像を開始する旨の情報を送信する。
【0022】
次に、エンジン制御部5は、図1に示されるように、CPU51、ROM52、RAM53、ログ記録用メモリ54、及びタグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御部58、ロゴ標識制御部59等で構成される。CPU51は、エンジン6の各部を制御する部分である。さらにCPU51は、タグメモリリーダライタ部55を介して、トナ
ーカートリッジ611に設けられた履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650から情報を読み取り、その情報に基づき処理・判断を実行するものである。また、タグメモリリーダライタ部55は、履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650に必要に応じた情報の書き込み、或いはワンタイムの書き込みなどを行い得るように構成される。本実施形態では、履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650は、RFIDを用いた非接触方式の通信によるタグメモリの読み書きを想定しているが、本発明はこのような非接触方式通信に限定されるわけではなく、端子等による接触方式のものを用いても構わない。
【0023】
IDタグメモリ650は、少なくとも、トナーカートリッジ611がプリンタ2の製造者が供給することを電気的に示すものである。
【0024】
履歴タグメモリ612はトナーカートリッジ611のトナー残量や装着トナーカートリッジのプロフィールなどの情報の管理を専用に行うものである。
【0025】
ログ記録用メモリ54は、履歴タグメモリ612に記憶される上記のような管理情報に基づいて、プリンタ2にどのようなトナーカートリッジ611が装着されてきたかに係る情報をプリンタ2本体側に記録する周知の不揮発性メモリである。
【0026】
IDタグメモリ650は、履歴タグメモリ612とは別の構成として設けられ、画像形成装置の製造業者の固有のIDなどが書き込まれているRFIDなどのメモリである。
【0027】
前記ROM52は、プリンタ2を制御するための各種プログラムを記憶し、また、前記RAM53は、プリンタ2に関する各種情報を一時的に記憶する。また、タグメモリリーダライタ部55は、前記CPU51とトナーカートリッジ側の履歴タグメモリ612、IDタグメモリ650とのインターフェイスであり、CPU51がトナーカートリッジ側メモリ612に書き込まれた前記情報を読み出して前記ログ記録用メモリ54に書き込む際などに用いられる。
【0028】
カートリッジロック制御部58は、装着されているトナーカートリッジ611のロック機構を制御するものであり、ロゴ標識制御部59は、後述する係合爪の上昇下降の制御を行うものである。
【0029】
図2は、本実施形態のプリンタ2のエンジン6部分の機構を中心に示した構成図(要部断面図)である。
【0030】
感光体ドラム621は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸に対して回転可能であり、矢印で示されるように時計方向に回転する。帯電ユニット622は、感光体ドラム621を帯電し、露光ユニット623は内蔵するレーザやLEDアレイなどの光源からのビームを帯電された感光体ドラム621に照射して静電気による潜像を形成する。露光ユニット623のビーム照射は、ホストコンピュータ1から入力される画像情報に基づいて変調された駆動信号により制御される。
【0031】
現像装置61は、現像剤であるトナーを収容するブラックトナーカートリッジ611B、マゼンタトナーカートリッジ611M、シアントナーカートリッジ611C、イエロートナーカートリッジ611Yが着脱可能に装着される装着部614B〜614Yを有し、中心軸613に対して回転可能な現像ロータリーである。現像装置61を回転させて必要なトナーカートリッジ611B〜611Yを感光体ドラム621に近接させ、現像剤を潜像が形成された感光体ドラム621に供給することで、潜像が現像剤による像に現像される。
【0032】
現像装置61に装着されたトナーカートリッジ611B〜611Yの状態をプリンタ2が認識できるように、各トナーカートリッジ611には、現像剤(トナー)の色情報や残量情報等を記憶する記憶媒体、例えば非接触型不揮発性メモリである履歴タグメモリ612B〜612Yが設けられている。
【0033】
そして、電源が立ち上がった後や、トナーカートリッジ611が現像装置61に装着された後に、その履歴タグメモリ612の情報がプリンタ2によって読み出される。また、現像後にトナーカートリッジ611の履歴タグメモリの残量情報が更新される。このトナーカートリッジ側メモリ612には、そのトナーカートリッジ611に収容されているトナーのトナータイプに関する情報等その他種々の情報が含まれていてもよい。また、エンジン制御部5の履歴タグメモリリーダライタ部55と履歴タグメモリ612B〜612Yとは非接触、即ち無線で相互に通信する方式としてもよいし、タグメモリリーダライタ部55と履歴タグメモリ612B〜612Yとの間は有線で相互に通信する方式をとってもよい。
【0034】
トナーカートリッジ611には、上記のような履歴タグメモリ612B〜612Yとは別のタグメモリとして、IDタグメモリ650B〜650Yが設けられる。これらのIDタグメモリ650B〜650Yは、トナーカートリッジ611が、カートリッジ再生業者によるリフィル品ではなく、プリンタ2の製造業者が提供するものであることを示す情報が記憶されるものであり、当該製造業者の固有IDなどの情報が書き込まれている。また、このIDタグメモリ650B〜650Yは、トナーカートリッジ611使用後には、当該固有ID情報を消去するような構成とすることもできる。なお、このような当該固有ID情報を消去するような構成とする場合には、IDタグメモリ650としてはワンタイムのみの書き込みを行い得るようなものとすることが好ましい。
【0035】
また、IDタグメモリ650の読み書きには、製造者のみが知り得る特殊なプロトコルや暗号を用いてもよい。
【0036】
一次転写ユニット626は、感光体621に形成されたトナー像を中間転写体627に転写する。中間転写体627は、例えばPETフィルムの表面にアルミ蒸着層を形成しその表面に半導電塗料を形成したエンドレスのベルトであり、感光体ドラム621と同じ周速度で回転駆動される。給紙カートリッジ92から供給された紙などの印刷媒体は給紙ローラ94を経て、二次転写ユニット628、そして定着ユニット629へと搬送される。そして、二次転写ユニット628が、中間転写体627に形成されたトナー像を給紙カートリッジ92から供給された印刷媒体に転写し、定着ユニット629が、印刷媒体上に転写されたトナー像を媒体に溶着させて永久像とし、その印刷媒体はプリンタ2外に排出される。
【0037】
クリーニングユニット624は、一次転写ユニット626と帯電ユニット622との間に設けられ、感光体ドラム621の表面に当接されるクリーニングブレード625を有し、一次転写された後に感光体ドラム621上に残存する現像剤(トナー)がクリーニングブレード625により除去される。
【0038】
図1に示す操作部7(操作手段)は、ユーザーがプリンタ2を操作するための部分であり、操作表示パネル71や操作ボタン等から成る。操作表示パネル71上には、タッチパネル等のデバイスが設けられており、ユーザーは操作表示パネル71上に表示されるUI(ユーザーインターフェイス)を参照しながら、直接、操作表示パネル71に触れることによってプリンタ2の操作ができるようになっている。当該操作部7では、プリンタ2における印刷条件の設定など各種の設定行為が可能である。また、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外しを行うときなどなは、この操作表示パネル71から指示を行
う構成とする。
【0039】
次に、本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリについてより詳しく説明する。図3は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリシールの構造を斜視的に示す図である。
【0040】
図3において、100はIDタグメモリシール、110はベースフィルム、111はアンテナ部、112、113は電極部、120はホログラム部、121はロゴ標識部、650はRFIDチップ(IDタグメモリ本体)をそれぞれ示している。
【0041】
IDタグメモリシール100のベースフィルム110表面(図に示される面)には、蒸着された銅をエッチングによって形成したアンテナ部111が設けられる。アンテナ部111の一端は、ベースフィルム110表面側でアルミプレートの電極部112と導通している。また、このアンテナ部111のもう一端側はスルーホールを介してベースフィルム110裏面を通り、さらにスルーホールを介してアルミプレートの電極部113と導通している。アルミプレートの電極部112、113は、RFIDチップ(IDタグメモリ)650と振動溶着でボンディングされる。
【0042】
以上のように構成されるベースフィルム110部の表面は、ロゴ標識部120などのフィルムが一体不可分に接着剤などにより添着されている。ロゴ標識部120には、プリンタ2の製造者である企業のロゴ標識121が印刷されており、プリンタ2のユーザーにアピールすることが可能な視覚的表示を形成している。なお、このロゴ標識部120にはホログラムシールなどを用いることもできる。
【0043】
なお、ロゴ標識部120がベースフィルム110部に添着されたIDタグメモリシール100は、特許請求の範囲においては「タグメモリ部」として表現されている。
【0044】
ベースフィルム110裏面には、IDタグメモリシール100を添着可能とするための接着剤の層が設けられる。このベースフィルム110裏面に形成される接着剤層によって、IDタグメモリシール100はトナーカートリッジ611に添着される。
【0045】
次にトナーカートリッジの構成について説明する。図4は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図4(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図4(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0046】
図4において、653はロック爪係合凹部、654はロゴ標識用プレート、655はプレート垂直片部、656は標識用開口部、657はプレート収納部をそれぞれ示している。
【0047】
図4に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0048】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、これと連通するようにして、プレート収納部657の空洞部が設けられる。このプレート収納部657内には、ロゴ標識用プレート654が図面の左右方向に移動可能に収容されている。
【0049】
ロゴ標識用プレート654にはIDタグメモリシール100が添着される表面領域と、これに垂直に構成される突片であるプレート垂直片部655が形成されている。このプレート垂直片部655を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用プレート654に添着され
ているIDタグメモリシール100は、標識用開口部656からプレート収納部657に移動し、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。
【0050】
次に、以上のように構成されるトナーカートリッジ611のプリンタ2への装着について説明する。図5は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。図5(A)はトナーカートリッジが装着位置にセットされる直前の様子を、図5(B)はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を、図5(C)はトナーカートリッジ交換時の取り外しの様子を示している。図5において、トナーカートリッジ611の装着はトナーカートリッジ611を右から左に押し込むように行うものとし、取り外しの時はトナーカートリッジ611を左から右に引き出すように行うものとする。
【0051】
図5において、580はカートリッジロック制御機構部、581はロック爪移動機構、582はロック爪、590はロゴ標識制御機構部、591は係合爪移動機構、592は係合爪をそれぞれ示している。
【0052】
タグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御機構部580、ロゴ標識制御機構部590はいずれもプリンタ2側の構成であり、カートリッジロック制御機構部580はカートリッジロック制御部58によって、また、ロゴ標識制御機構部590はロゴ標識制御部59によって制御される。また、タグメモリリーダライタ部55は図5においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0053】
カートリッジロック制御機構部580は、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581によって構成され、ロゴ標識制御機構部590は、プレート垂直片部655と係合可能な係合爪592と、この係合爪592を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどの係合爪移動機構591によって構成されている。
【0054】
ロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。同じように、係合爪592は係合爪移動機構591によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。
【0055】
図5(A)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされる直前の様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって上昇ポジションとなるように設定されており、これらの設定によりユーザーはトナーカートリッジ611をなんら抵抗無くプリンタ2のカートリッジ装着位置にセットすることができる。
【0056】
図5(B)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされている様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって下降ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって下降ポジションとなるように設定されている。ロック爪582はロック爪係合凹部653に嵌入されているので、トナーカートリッジ611はプリンタ2のカートリッジ装着位置から引き出すことができないようになっている。また、図5(B)の状態では、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100の上面に位置しているタグメモリリーダライタ部55が、IDタグメモリ650読み書きを行うことができるようになっている。
【0057】
図5(C)はトナーカートリッジ611交換時の取り外しの様子を示している。すなわち、トナーカートリッジ611が装着位置から取り外された直後の様子を示しているが、このときロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションとなるように、また係合爪592は係合爪移動機構591によって下降ポジションとなるように設定されている。これらの設定により、ロック爪582はロック爪係合凹部653から外れているので、ユーザーはトナーカートリッジ611を取り外すことができる。そして、プレート垂直片部655は係合爪592に係合しているので、ロゴ標識用プレート654を図面左方向に移動させ、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100を、標識用開口部656からプレート収納部657に移動させて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121をユーザーから視覚不能とすることができる。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、タグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。また、標識用開口部657の内面にアルミの層を設けIDタグメモリ650をシールドすることによって、タグメモリリーダライタ部55がIDタグメモリ650を認識できないようにしてもよい。
【0058】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0059】
次に、トナーカートリッジ611装着時及び取り外し時における制御について説明する。図6は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【0060】
ステップS001で、トナーカートリッジ611の装着時処理が開始されると、次に
ステップS002に進み、不図示のトナーカートリッジ611の装着完了を検知するセンサによってトナーカートリッジ611の装着を認識する。すると、ステップS003において、ロック爪移動機構581によってロック爪582を下降ポジションに移動させる。また、ステップS004において、係合爪移動機構591によって係合爪592を下降ポジションに移動させる。
【0061】
ステップS005では、タグメモリリーダライタ部55でロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100に書き込まれている情報の読み込みを行う。
【0062】
ステップS006では、IDタグメモリシール100に書き込まれている情報が製造者の固有ID情報であるかを判定する。
【0063】
ステップS006における判定結果がYESであるときにはステップS008に進み、装着時処理を終了し、判定結果がNOであるときには、ステップS007に進み、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。なお、判定結果がNOの場合には、IDタグメモリ650を読み取り不可である場合も含まれる。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジが純正品でないことを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0064】
次に、トナーカートリッジ611取り外し時における制御について説明する。図7は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【0065】
図7において、ステップS100で、トナーカートリッジ611の取り外し時処理が開始されると、次にステップS101に進み、操作表示パネル711におけるユーザーからの入力が参照される。
【0066】
ステップS102では操作表示パネル711で、ユーザーがカートリッジ取り外し要求を入力したか否かが判定される。
【0067】
ステップS102の判定結果がYESであるときにはステップS103に進み、判定結果がNOであるときにはステップS107に進み処理を終了する。
【0068】
ステップS103では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が判定される。トナーカートリッジ611の取り外しの目的も、ユーザーが操作表示パネル711から入力するものとする。ステップS103では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が取り替え(交換)のためか、否かが判定される。取り外しの目的が取り替え(交換)以外というケースは、取り外したトナーカートリッジ611を他の同型式のプリンタ2で用いる場合がある。
【0069】
ステップS103における判定の結果がYESであるときにはステップS106に進み、ステップS103における判定の結果がNOであるときにはステップS104に進む。
【0070】
ステップS106では、IDタグメモリシール100におけるIDタグメモリ650の固有ID情報の書き換え処理を行う。この書き換え処理は、例えば、固有ID情報を無効化するなどの処理がある。要は、再度IDタグメモリ650を読みとっとき、トナーカートリッジ611が既に使用済みである旨の情報となるようにすればよい。可能であれば、この書き換え処理はワンタイムの書き換え処理であることが望ましい。ステップS106に続いては、ステップS105へと進む。
【0071】
ステップS104では、係合爪移動機構591が係合爪592を上昇ポジションに移動させる。また、ステップS105では、ロック爪移動機構581がロック爪582を上昇ポジションに移動させる。
【0072】
ステップS107では、トナーカートリッジ611の取り外し時処理を終了する。
【0073】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、IDタグメモリ650がタグメモリリーダライタ部55で読み取り不可となるように移動されるので、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0074】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図8(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図8(B)はA−A’断面の一部を示している。また、図9は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのIDタグメモリシール100の移動機構を示す図である。
【0075】
図8及び図9において、653はロック爪係合凹部、656は標識用開口部、660はロゴ標識用フィルム、661は巻き取りロール、662は送り出しロール、663はラック連動レバー、664はピニオン部材、665はラック部材をそれぞれ示している。
【0076】
図8に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0077】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、この標識用開口部656の双方側にはロゴ標識用フィルム660を送り出す送り出しロール662と、送り出されたロゴ標識用フィルム660を巻き取る巻き取りロール661が配されている。
【0078】
ロゴ標識用フィルム660にはIDタグメモリシール100が添着される領域があり、図8に示すように標識用開口部656からロゴ標識用フィルム660上のIDタグメモリシール100を認識できるようになっている。
【0079】
次に本実施形態におけるIDタグメモリシール100の移動機構について説明する。本実施形態においても、先の実施形態と同様に、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581から構成されるカートリッジロック制御機構部580を有する。
【0080】
また、本実施形態においては、ラック連動レバー663(先の実施形態では、プレート垂直片部655)と係合可能な係合爪592と、この係合爪592を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどの係合爪移動機構591から構成されるロゴ標識制御機構部590を有している。
【0081】
巻き取りロール661とピニオン部材664とは共通の軸によって共に回転するようになっており、ラック部材665はこのピニオン部材664と噛合するようになっている。以上のような構成によって、係合爪592によってラック連動レバー663を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用フィルム660に添着されているIDタグメモリシール100は、巻き取りロール661に巻き取られるようにして移動し、標識用開口部656から外れて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、不図示のタグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。また、ロゴ標識用フィルム660にはアルミ層が設けられており、ロゴ標識121が標識用フィルムのアルミ層で完全に遮蔽されるように巻き取られるようにしておくことが、好ましい。これにより、確実にIDタグメモリ650がタグメモリリーダライタ部55によって読み取り不可となる。
【0082】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用フィルム660上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0083】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図10は本発明
の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図10(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図10(B)はA−A’断面の一部を示している。また、図11は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジをプリンタに装着した状態を示す図である。
【0084】
図10及び図11において、670はロゴ標識用プレート、671は第1リブ、672は第2リブ、673は脱落プレート収容部、595はロゴ標識制御機構部、596はプランジャ、597は打突部をそれぞれ示している。
【0085】
図10に示すようにトナーカートリッジ611の表面部には、カートリッジロック制御部58によって制御されるロック爪が係合するロック爪係合凹部653が設けられる。
【0086】
また、トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、この標識用開口部656の中央部には、樹脂製のロゴ標識用プレート670が設けられており、このロゴ標識用プレート670は、両側の第1リブ671及び第2リブ672によって標識用開口部656の周縁部と一体的に結合されている。ここで第1リブ671が前記周縁部と結合する強度は、第2リブ672が前記周縁部と結合する強度より強く設定さている。すなわち、第2リブ672の方が脆い作りとなっている。
【0087】
ロゴ標識用プレート670にはIDタグメモリシール100が添着される領域があり、図10に示すように標識用開口部656からロゴ標識用フィルム660上のIDタグメモリシール100を認識できるようになっている。
【0088】
図11はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を示しており、図11において、タグメモリリーダライタ部55、カートリッジロック制御機構部580、ロゴ標識制御機構部595はいずれもプリンタ2側の構成であり、ロック爪移動機構581はカートリッジロック制御部58によって制御される。また、ロゴ標識制御機構部590はロゴ標識制御部59によって制御される。また、タグメモリリーダライタ部55は図5においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0089】
カートリッジロック制御機構部580は、ロック爪係合凹部653に嵌入可能なロック爪582と、このロック爪582を上下動させる移動機構であるアクチュエータなどのロック爪移動機構581によって構成されている。このカートリッジロック制御機構部580は、先の実施形態と同様のものである。ロック爪582はロック爪移動機構581によって上昇ポジションと下降ポジションの2通りをとることができるようになっている。
【0090】
また、ロゴ標識制御機構部595は、カートリッジ装着位置でロゴ標識用プレート670を打突する打突部597と、この打突部597に打突する駆動力を与えるプランジャ596とから構成されている。図11では、ロゴ標識用プレート670がこの打突部597に打突され、第2リブ672が破壊された状態を示している。
【0091】
以上のように構成される本発明の他の実施形態のトナーカートリッジ611装着時及び取り外し時における制御について説明する。図12は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【0092】
ステップS201で、トナーカートリッジ611の装着時処理が開始されると、次に
ステップS202に進み、不図示のトナーカートリッジ611の装着完了を検知するセンサによってトナーカートリッジ611の装着を認識する。すると、ステップS203において、ロック爪移動機構581によってロック爪582を下降ポジションに移動させる。
【0093】
ステップS204では、タグメモリリーダライタ部55でロゴ標識用プレート670に添着されているIDタグメモリシール100に書き込まれている情報の読み込みを行う。
【0094】
ステップS205では、IDタグメモリシール100に書き込まれている情報が製造者の固有ID情報であるかを判定する。
ステップS205における判定結果がYESであるときにはステップS207に進み、 装着時処理を終了し、判定結果がNOであるときには、ステップS206に進み、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。このトナーカートリッジの使用に伴い故障が発生した場合、修理は有償となることもありますのでご注意下さい。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0095】
次に、トナーカートリッジ611取り外し時における制御について説明する。図13は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【0096】
図13において、ステップS300で、トナーカートリッジ611の取り外し時処理が開始されると、次にステップS301に進み、操作表示パネル711におけるユーザーからの入力が参照される。
【0097】
ステップS302では操作表示パネル711で、ユーザーがカートリッジ取り外し要求を入力したか否かが判定される。
【0098】
ステップS302の判定結果がYESであるときにはステップS303に進み、判定結果がNOであるときにはステップS307に進み処理を終了する。
【0099】
ステップS303では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が判定される。トナーカートリッジ611の取り外しの目的も、ユーザーが操作表示パネル711から入力するものとする。ステップS303では、トナーカートリッジ611の取り外しの目的が取り替え(交換)のためか、否かが判定される。取り外しの目的が取り替え(交換)以外というケースは、取り外したトナーカートリッジ611を他の同型式のプリンタ2で用いる場合がある。
【0100】
ステップS303における判定の結果がYESであるときにはステップS305に進み、ステップS303における判定の結果がNOであるときにはステップS304に進む。
【0101】
ステップS305では、IDタグメモリシール100におけるIDタグメモリ650の固有ID情報の書き換え処理を行う。この書き換え処理は、例えば、固有ID情報を無効化するなどの処理がある。要は、再度IDタグメモリ650を読みとっとき、トナーカートリッジ611が既に使用済みである旨の情報となるようにすればよい。可能であれば、この書き換え処理はワンタイムの書き換え処理であることが望ましい。
【0102】
次のステップS306では、プランジャ596を動作させて、打突部597に駆動力を与え、ロゴ標識用プレート670の第2リブ672を破壊する。
【0103】
ステップS304では、ロック爪移動機構581がロック爪582を上昇ポジションに
移動させる。ステップS307では、トナーカートリッジ611の取り外し時処理を終了する。
【0104】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート670上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0105】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図14は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図14(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図14(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0106】
本実施形態に係るトナーカートリッジ及びプリンタの構成は、最初に説明したトナーカートリッジ及びプリンタの構成を単純化して、コストを抑えるようにしたものである。最初の実施形態のものは、カートリッジロック制御機構や、係合爪移動機構などのロック爪や係合爪の上下動のためのアクチュエータを用いるものであったが、本実施形態では、カートリッジロック制御機構を省略し、係合爪移動機構も電動のアクチュエータを用いずに、弾性力を用いたものとする。
【0107】
図14において、654はロゴ標識用プレート、655はプレート垂直片部、656は標識用開口部、657はプレート収納部をそれぞれ示している。
【0108】
トナーカートリッジ611の表面部には、標識用開口部656が設けられており、これと連通するようにして、プレート収納部657の空洞部が設けられる。このプレート収納部657内には、ロゴ標識用プレート654が図面の左右方向に移動可能に収容されている。
【0109】
ロゴ標識用プレート654にはIDタグメモリシール100が添着される表面領域と、これに垂直に構成される突片であるプレート垂直片部655が形成されている。このプレート垂直片部655を図面左方向に移動させると、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100は、標識用開口部656からプレート収納部657に移動し、IDタグメモリシール100のロゴ標識121がユーザーから視覚不能となるように構成されている。
【0110】
次に、以上のように構成されるトナーカートリッジ611のプリンタ2への装着について説明する。図15は本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。図15(A)はトナーカートリッジが装着位置にセットされる直前の様子を、図15(B)はトナーカートリッジが装着位置にセットされている様子を、図15(C)はトナーカートリッジ交換時の取り外しの様子を示している。図15において、トナーカートリッジ611の装着はトナーカートリッジ611を右から左に押し込むように行うものとし、取り外しの時はトナーカートリッジ611を左から右に引き出すように行うものとする。
【0111】
図15において、595はロゴ標識制御機構部、596は弾性部材、597は係合爪をそれぞれ示している。
【0112】
タグメモリリーダライタ部55、ロゴ標識制御機構部595はいずれもプリンタ2側の構成である。本実施形態では、トナーカートリッジをロックする機構が省略されているの
で、プリンタ2におけるカートリッジロック制御部58を省略することができる。
【0113】
また、ロゴ標識制御機構部595は弾性部材596によって動作させるので、プリンタ2のロゴ標識制御部59を省略可能である。また、タグメモリリーダライタ部55は図15においては、IDタグメモリ650の読み書き部のみを示しており、ここでは履歴タグメモリ612の読み書き部については図示していない。
【0114】
ロゴ標識制御機構部595は、プレート垂直片部655と係合可能な係合爪597と、この係合爪597に上下に弾性力を付与する弾性部材596から構成されている。
【0115】
図15(A)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされる直前の様子を示しているが、このままユーザーが左にトナーカートリッジを押し込む際には、係合爪597は弾性部材596の作用によって、プレート垂直片部655を乗り越えるようにして上下動する。これによりユーザーはトナーカートリッジ611を、適度なクリック感を得つつ、プリンタ2のカートリッジ装着位置にセットすることができる。
【0116】
図15(B)はトナーカートリッジ611が装着位置にセットされている様子を示しているが、このとき、係合爪597はプレート垂直片部655に図示するように係合するようになっている。また、図15(B)の状態では、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100の上面に位置しているタグメモリリーダライタ部55が、IDタグメモリ650読み書きを行うことができるようになっている。
【0117】
図15(C)はトナーカートリッジ611交換時の取り外しの様子を示している。すなわち、トナーカートリッジ611が装着位置から離れた直後の様子を示しているが、このとき、係合爪597は図示するようにプレート垂直片部655と係合状態を維持しているので、ロゴ標識用プレート654を図面左方向に移動させ、ロゴ標識用プレート654に添着されているIDタグメモリシール100を、標識用開口部656からプレート収納部657に移動させて、IDタグメモリシール100のロゴ標識121をユーザーから視覚不能とすることができる。また、このような移動によって、IDタグメモリシール100のIDタグメモリ650は、タグメモリリーダライタ部55の読み取り位置からもはずれることとなる。また、標識用開口部657の内面にアルミの層を設けることによって、タグメモリリーダライタ部55がIDタグメモリ650を認識できないようにしてもよい。これによって、このトナーカートリッジ611を再び、プリンタ2に装着しても電気的に、IDタグメモリ650を認識することができなくなる。
【0118】
なお、本実施形態は、ユーザーのトナーカートリッジ611終了意志の有無に関わらず、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外すと、必ずIDタグメモリ650が移動されるように構成されるものであるが、使用終了意志の有無に関わらず、トナーカートリッジ611をプリンタ2から取り外すと、必ずIDタグメモリ650が移動される構成は、図8及び図9に示したロゴ標識用フィルムを巻き取る巻き取りロールを用いた実施形態によっても構成することができる。
【0119】
以上のような構成によれば、ロゴ標識用プレート654やロゴ標識用フィルム660上に添着されているIDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0120】
次に他の実施形態に係るトナーカートリッジの構成について説明する。図16は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。図16(A)はトナーカートリッジの上面図を、また図16(B)はA−A’断面の一部を示している。
【0121】
本実施形態に係るトナーカートリッジ及びプリンタの構成が、これまでに説明したトナーカートリッジ及びプリンタの構成と大きく異なる点は、IDタグメモリシール100が添着される位置である。これまで説明した実施形態では、トナーカートリッジに所定の可動部分を設けておき、この可動部分にトナーカートリッジを添着していたが、本実施形態では、トナーカートリッジの再生のためのプロセスの中で移動せざるを得ない箇所にIDタグメモリシール100を添着するように構成している。
【0122】
図16において、680はトナー封入口、681はキャップ部をそれぞれ示しており、図16に示すように、本実施形態では、トナーをトナーカートリッジ611に封入するためのトナー封入口680を塞ぐキャップ部681を覆うようにしてIDタグメモリシール100を添着する。
【0123】
図17は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図であり、図18は本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジにおけるトナー再充填の様子を示す図である。
【0124】
本実施形態においても、プリンタ2側の構成であるタグメモリリーダライタ部55は、図17に示すように、キャップ部681に添着されるIDタグメモリシール100のIDタグメモリ650を読み書きできる位置に設ける。これによって、タグメモリリーダライタ部55によってIDタグメモリシール100を読み取ったとき、プリンタ2の製造業者の固有のIDなどを認識することができなかった場合には、操作表示パネル711を用いてユーザーにワーニング表示する。このときのワーニング表示の内容は、例えば「検出されたトナーカートリッジは、製造者が供給するトナーカートリッジではない可能性があります。このトナーカートリッジの使用に伴い故障が発生した場合、修理は有償となることもありますのでご注意下さい。」などの文言とする。このようなワーニングを行うことによって、プリンタ2の製造者は、トナーカートリッジがリフィル品などであり、リフィル品使用に伴うリスクを承知してもらった上で、ユーザーにトナーカートリッジを利用してもらうことが可能となる。
【0125】
また、本実施形態のように構成されたトナーカートリッジ611に、トナーを封入してこれを再生させようとする場合には、図18に示すように、キャップ部681に添着されているIDタグメモリシール100を剥がして、トナー封入口680を出現させるようにしなければならない。すなわち、本実施形態でも、IDタグメモリシール100は、トナーカートリッジ611の1回目の使用後には必ず移動される構成となっているので、IDタグメモリシール100の状態を確認することにより使用者は、そのトナーカートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを一目瞭然に判別することが可能となると共に、プリンタ2側でも電気的に消耗品カートリッジが再充填されたリフィル品であるか否かを判別することができるようになる。
【0126】
なお、以上においては、プリンタの消耗品としてトナーカートリッジの場合について説明したが、本発明は画像形成装置のための記録材が充填される消耗品カートリッジ全般について適用し得るものであり、例えば、インクジェット方式のプリンタ及びその消耗品であるインクカートリッジの場合でも本発明の考え方を適用し得るものである。
【0127】
また、以上の説明においては、画像形成装置としてプリンタの例について説明したが、本発明は、画像形成装置とその画像形成にて必要となる消耗品との関係に適用し得るもの
であるので、本発明は、その他の画像形成装置である電子写真方式の複写機、電子写真方式のファクシミリ、電子写真方式の複合機、インクジェット方式のプリンタ、インクジェット方式のファクシミリ、インクジェット方式の複合機などの画像形成装置にも適用し得るものである。
【0128】
また、IDタグメモリ650として、RFIDチップを用いた例について説明したが、このIDタグメモリ650は、トナーカートリッジ611が画像形成装置(プリンタ2)の製造者が供給するものであることを電気的に示すような機能を備えていればよい。したがって、IDタグメモリ650を所定の抵抗値を持つ抵抗としておき、これに導通させて、プリンタ2側で所定の抵抗値が検出できるか否かで、トナーカートリッジがプリンタ2の製造者が供給するものであるか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0129】
また、以上、種々の実施形態についてそれぞれを説明したが、本発明は、それぞれの実施形態の構成要素の任意の組み合わせからなる実施形態も含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明を適用した画像形成装置であるプリンタの構成図(ブロック図)である。
【図2】本実施形態のプリンタ2のエンジン6部分の機構を中心に示した構成図(要部断面図)である。
【図3】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジに用いるIDタグメモリシールの構造を斜視的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのIDタグメモリシール100の移動機構を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジをプリンタに装着した状態を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの装着時処理のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジの取り外し時処理のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジを示す図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジのプリンタ装着時の様子を示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るトナーカートリッジにおけるトナー再充填の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0131】
1・・・ ホストコンピュータ(ホスト装置)、2・・・プリンタ、3・・・プリンタドライバ、4・・・コントローラ部、41・・・通信用i/F、5・・・エンジン制御部、
6・・・ エンジン、7・・・操作部(操作手段)、71・・・操作表示パネル、51 ・・・CPU、52・・・ ROM、 53・・・RAM、54・・・ログ記録用メモリ、 55・・・タグメモリリーダライタ部、58・・・カートリッジロック制御部、58・・・カートリッジロック制御部、59・・・ロゴ標識制御部、61・・・現像装置(現像手段)、62・・・その他のエンジン内ユニット、 611 ・・・トナーカートリッジ(現像ユニット)、612・・・履歴タグメモリ、7・・・操作部、71・・・、操作表示パネル、92・・・給紙カートリッジ、94・・・給紙ローラ、95・・・カーソル、100・・・IDタグメモリシール、110・・・ベースフィルム、111・・・アンテナ部、112、113・・・電極部、120・・・ロゴ標識部、121・・・ロゴ標識、580・・・カートリッジロック制御機構部、581・・・ロック爪移動機構、582・・・ロック爪、590・・・ロゴ標識制御機構部、591・・・係合爪移動機構、592・・・係合爪、595・・・ロゴ標識制御機構部、596・・・弾性部材、597・・・係合爪、650・・・RFIDチップ(IDタグメモリ)、653・・・ロック爪係合凹部、654・・・ロゴ標識用プレート、655・・・プレート垂直片部、656・・・標識用開口部、657・・・プレート収納部、660・・・ロゴ標識用フィルム、661・・・巻き取りロール、662・・・送り出しロール、663・・・ラック連動レバー、664・・・ピニオン部材、665・・・ラック部材、680・・・トナー封入口、681・・・キャップ部、683・・・開口部、685・・・梃状部材、686・・・封口腕部、687・・・押上腕部、688・・・支点部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、
画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを電気的に示すメモリと、該メモリ表面に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられ、
前記メモリ識別部は消耗品カートリッジ取り外し要求が画像形成装置で確認されると前記所定箇所から、画像形成装置のメモリリーダ部で読み取りが不可となるように移動可能に構成されていることを特徴とする消耗品カートリッジ。
【請求項2】
前記標識部は画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部であることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項3】
前記メモリ識別部は消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動して移動可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項4】
メモリ識別部はスライド可能なプレートであることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項5】
メモリ識別部は巻き取り可能なフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項6】
メモリ識別部は消耗品カートリッジに消耗品を充填する際に使用する消耗品充填口を封止するキャップ部上に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項7】
画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すメモリと、該メモリ表面に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、
該メモリに記憶される情報の読み書きを行うメモリリーダライタ部と、
消耗品カートリッジの取り外し要求がなされたか否か判断する取り外し要求判断部と、
取り外し要求がなされていると判断されるとメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記取り外し要求判断部で消耗品カートリッジの取り外し要求がなされた判断されると該タグメモリリーダライタ部で該メモリに記憶される情報を書き換えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すメモリと、該メモリ上に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、
該メモリに記憶される情報の読み書きを行うメモリリーダライタ部と、
消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動してメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置の画像形成プロセスに用いる消耗品を画像形成装置に供給する消耗品カートリッジであって、
画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを電気的に示すメモリと、該メモリ表面に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられ、
前記メモリ識別部は消耗品カートリッジ取り外し要求が画像形成装置で確認されると前記所定箇所から、画像形成装置のメモリリーダ部で読み取りが不可となるように移動可能に構成されていることを特徴とする消耗品カートリッジ。
【請求項2】
前記標識部は画像形成装置の製造者が供給する消耗品カートリッジであることを使用者に視覚的に認識させるロゴ標識部であることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項3】
前記メモリ識別部は消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動して移動可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項4】
メモリ識別部はスライド可能なプレートであることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項5】
メモリ識別部は巻き取り可能なフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項6】
メモリ識別部は消耗品カートリッジに消耗品を充填する際に使用する消耗品充填口を封止するキャップ部上に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項7】
画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すメモリと、該メモリ表面に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、
該メモリに記憶される情報の読み書きを行うメモリリーダライタ部と、
消耗品カートリッジの取り外し要求がなされたか否か判断する取り外し要求判断部と、
取り外し要求がなされていると判断されるとメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記取り外し要求判断部で消耗品カートリッジの取り外し要求がなされた判断されると該タグメモリリーダライタ部で該メモリに記憶される情報を書き換えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置の製造者が供給することを電気的に示すメモリと、該メモリ上に設けられる標識部と、からなるメモリ識別部が所定箇所に設けられた消耗品カートリッジを装着する画像形成装置であって、
該メモリに記憶される情報の読み書きを行うメモリリーダライタ部と、
消耗品カートリッジが画像形成装置から取り外される動作に連動してメモリ識別部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−98624(P2009−98624A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191665(P2008−191665)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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