説明

液晶表示装置の駆動方法

【課題】フィールドシーケンシャル駆動により3D画像を表示する際に、低消費電力化を図るための具体的な駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて視認されるものであり、バックライト部から照射される光は、左目用画像及び右目用画像を構成する複数の色毎の画像信号に応じて、連続して照射される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の駆動方法に関する。または液晶表示装置に関する。または、当該液晶表示装置を具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで、普及が進んでいる。今後は、より付加価値の高い製品が求められており開発が進められている。近年では、より臨場感のある画像を再現するため、擬似的に立体視を体験可能な液晶表示装置の開発が進められている。
【0003】
一方で、地球環境への関心の高まりもあり、低消費電力型の液晶表示装置の開発が注目されている。そこで、フィールドシーケンシャル駆動法(以下、フィールドシーケンシャル駆動)と呼ばれる駆動方法の研究が進められている。フィールドシーケンシャル駆動では、赤(以下Rと略記することもある)、緑(以下Gと略記することもある)、青(以下Bと略記することもある)のバックライトを所定の期間内で切り替えて、R、G、Bの光を表示パネルに供給する。そのため、各画素にカラーフィルタを設ける必要がなく、バックライトからの透過する光の利用効率を高めることができる。また、1つの画素でR、G、Bを表現することができるため、高精細化が容易であるといった利点がある。
【0004】
特許文献1には、フィールドシーケンシャル駆動により左目に映す左画像及び右目に映す右画像を交互に高速で表示させ、頭の中で擬似的に立体の像に結合させる構成について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−259395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示すように、フィールドシーケンシャル駆動により画像の表示をして3D(3次元、または立体視)画像を表示するためには、バックライトの光源の点灯、消灯を頻繁に繰り返す必要がある。これは、画像信号の入力時にバックライトが点灯すると、各画素に画像信号を書き込む途中の表示が視認されてしまうといった不具合が生じる。そのため、この表示の不具合が起こるのを避けるために画像信号の書き込み時には逐次バックライトの消灯が必要である。しかしながら、バックライトからの複数の色に対応した光を切り替えて、なおかつ点灯、消灯を繰り返す構成では、各色に対応した光源を切り替えて駆動するための駆動回路の動作を伴うため、消費電力の増加が生じる。
【0007】
そこで本発明の一態様は、フィールドシーケンシャル駆動により3D画像を表示する際に、低消費電力化を図るための具体的な駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、複数の色のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射される液晶表示装置の駆動方法である。
【0009】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、複数の色のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、左目用画像及び右目用画像の切り替え時において、切替手段つき眼鏡によって左目及び右目へのバックライト部からの光を遮断する液晶表示装置の駆動方法である。
【0010】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、及び青の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、赤、緑、及び青のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射される液晶表示装置の駆動方法である。
【0011】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、及び青に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、赤、緑、及び青のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、左目用画像及び右目用画像の切り替え時において、切替手段つき眼鏡によって左目及び右目へのバックライト部からの光を遮断する液晶表示装置の駆動方法である。
【0012】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、青、及び白の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、赤、緑、青、及び白のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射される液晶表示装置の駆動方法である。
【0013】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、左目用画像及び右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、青、及び白の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目または右目において混色させて表示されるものであり、バックライト部から照射される光は、赤、緑、青、及び白のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、左目用画像及び右目用画像の切り替え時において、切替手段つき眼鏡によって左目及び右目へのバックライト部からの光を遮断する液晶表示装置の駆動方法である。
【0014】
本発明の一態様は、バックライト部から照射される光が、シアン、マゼンタ、イエローの各色を含む液晶表示装置の駆動方法でもよい。
【0015】
本発明の一態様は、バックライト部から照射される光が、発光ダイオードから照射される光である液晶表示装置の駆動方法でもよい。
【0016】
本発明の一態様は、液晶表示装置の複数の画素が、液晶素子及び液晶素子を制御するためのトランジスタを有し、液晶素子はブルー相を示す液晶材料を有する液晶表示装置の駆動方法でもよい。
【0017】
本発明の一態様は、トランジスタの半導体層が、酸化物半導体を用いて構成される液晶表示装置の駆動方法でもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、フィールドシーケンシャル駆動により3D画像を表示する際に、低消費電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一形態について説明するための外観図。
【図2】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図3】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図4】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図5】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図6】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図7】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図8】本発明の一形態におけるタイミングチャート図。
【図9】本発明の一形態を説明するための図。
【図10】本発明の一形態における断面図。
【図11】本発明の一形態における上面図。
【図12】本発明の一形態における断面図。
【図13】本発明の一形態における上面図。
【図14】本発明の一形態における断面図。
【図15】本発明の一形態における断面図。
【図16】本発明の一形態における電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0021】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0022】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0023】
(実施の形態1)
液晶表示装置の駆動方法について説明するため、まずは、3D(3次元、または立体視)画像が表示可能な液晶表示装置の構成について説明する。
【0024】
本実施の形態における液晶表示装置の駆動方法では、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、左目用画像及び右目用画像の表示に同期して、前述の左目用画像または右目用画像が選択的に視認者の左目または右目において視認されるようにするための切替手段つき眼鏡(以下、眼鏡と略記する)と、により立体画像を視認できる。
【0025】
具体的に説明するため図1(A)では、液晶表示装置101と、眼鏡102がケーブル103で接続されている外観図を示している。眼鏡102は、左目用パネル104Aと右目用パネル104Bに設けられているシャッターが交互に開閉する。シャッターの開閉に同期して、左目用画像と右目用画像とが交互に液晶表示装置101に表示されることによって、視認者が液晶表示装置101の画像を3Dとして認識することができる。
【0026】
眼鏡102の左目用パネル104Aと右目用パネル104Bに設けられるシャッターは、液晶材料を電極で挟持した液晶素子を用いて構成すればよい。液晶材料は、強誘電性液晶またはブルー相の液晶相を有する液晶材料等を用いて構成すればよい。なおシャッターを開くことによって、バックライト部からの光が液晶表示装置101の画像に応じて視認者の左目または右目に導かれることとなる。またシャッターを閉じることによって、視認者の左目または右目へのバックライト部からの光を遮断することとなる。
【0027】
図1(A)では、液晶表示装置101と眼鏡102との電気的な接続手段としてケーブル103を示したが、無線信号によって、液晶表示装置101と眼鏡102との間の信号の同期を図る構成としてもよい。また無線信号によって液晶表示装置101と眼鏡102との間の信号の同期を図る構成では、眼鏡102には蓄電手段としてリチウムイオン電池等の二次電池を具備する構成とすればよい。
【0028】
液晶表示装置101と眼鏡102の主要な構成についてのブロック図を図1(B)に示す。
【0029】
図1(B)に示す液晶表示装置101は、表示制御回路115、表示部111、タイミング発生器116、ソース線駆動回路113、バックライト部114、及びゲート線駆動回路112を有する。
【0030】
表示制御回路115は、キーボード、リモコン等の外部操作手段117による操作に応じて、2D(二次元、平面視)画像または3D画像を表示するための信号を切り替えて出力するための回路である。具体的に3D画像を表示する場合であれば表示制御回路115は、バックライト部114、ソース線駆動回路113、及びゲート線駆動回路112にフィールドシーケンシャル駆動による左目用画像及び右目用画像の表示を行うための信号(例えば、スタートパルス、クロック信号、左目用画像及び右目用画像の画像信号、バックライトの制御信号)を供給する。
【0031】
なおフィールドシーケンシャル駆動による左目用画像及び右目用画像の表示がされる場合、視認者の左目及び右目には、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで混色させて、カラーの表示を視認させるものとなる。なおバックライト部から照射される光を、発光ダイオードから照射される光とすることにより、光源の小型化、低消費電力化、及び長寿命化を図ることができる。その際バックライト部には、RGB等の各色に対応した光源となる発光ダイオードを設ける。
【0032】
なお、表示制御回路115には、左目用画像及び右目用画像の画像信号と、眼鏡102の左目用パネル104Aと右目用パネル104Bとの同期を取るための信号がタイミング発生器116より供給される。なおタイミング発生器116からは、左目用画像と左目用パネル104Aのシャッターとを同期させるための信号、右目用画像と右目用パネル104Bのシャッターとを同期させるための信号が、眼鏡102に供給される。すなわち左目用画像の同期信号119Aを表示制御回路115に供給すると共に、左目用パネル104Aのシャッターを開ける同期信号118Aを左目用パネル104Aに入力する。また、右目用画像の同期信号119Bを表示制御回路115に供給すると共に、右目用パネル104Bのシャッターを開ける同期信号118Bを右目用パネル104Bに入力する。
【0033】
次いで図2に図1で示した各構成のタイミングチャートについて示し、本実施の形態における液晶表示装置の駆動方法について説明する。
【0034】
図2には、左目用画像と右目用画像とが1つずつ表示されて立体視可能な表示を行うための期間である立体画像表示期間200におけるタイミングチャートを示している。異なる立体画像表示期間200が複数連続することで、視認者は動画の立体画像を視認することができる。立体画像表示期間200は、赤(R)のバックライトにより表示を行うためのR点灯期間201、緑(G)のバックライトにより表示を行うためのG点灯期間202、及び青(B)のバックライトにより表示を行うためのB点灯期間203を有する。R点灯期間201は、左目用R点灯期間211及び右目用R点灯期間212を有する。G点灯期間202は、左目用G点灯期間221及び右目用G点灯期間222を有する。B点灯期間203は、左目用B点灯期間231及び右目用B点灯期間232を有する。
【0035】
左目用R点灯期間211では、左目用R書き込み期間LRにおいて、ゲート信号線(走査線)の1行目より最終行目まで順次画像信号の書き込み動作241を行い、左目用R書き込み期間LRの後に、Rのバックライトが点灯するようバックライト部を制御する期間を設ける。さらに左目用R点灯期間211では、左目用画像が視認者の左目において視認されるようにするために眼鏡に設けられた左目用パネルのシャッターを開く期間とし、右目用画像が視認者の右目において視認されるようにするために眼鏡に設けられた右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0036】
次いで、右目用R点灯期間212では、右目用R書き込み期間RRにおいて、ゲート信号線(走査線)の1行目より最終行目まで順次画像信号の書き込み動作242を行い、右目用R書き込み期間RRの後に、Rのバックライトが点灯するようバックライト部を制御する期間を設ける。さらに右目用R点灯期間212では、右目用画像が視認者の右目において視認されるようにするために眼鏡に設けられた右目用パネルのシャッターを開く期間とし、左目用画像が視認者の左目において視認されるようにするために眼鏡に設けられた左目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0037】
次いで、左目用G点灯期間221では、左目用R点灯期間211と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びGのバックライトが点灯する制御を行う。そして左目用パネルのシャッターを開き、且つ右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。次いで、右目用G点灯期間222では、右目用R点灯期間212と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びGのバックライトが点灯する制御を行う。そして右目用パネルのシャッターを開き、且つ左目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0038】
次いで、左目用B点灯期間231では、左目用R点灯期間211と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして左目用パネルのシャッターを開き、且つ右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。次いで、右目用B点灯期間232では、右目用R点灯期間212と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして右目用パネルのシャッターを開き、且つ左目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0039】
なお、本明細書の説明において、シャッターを開くまたはシャッターを閉じるとは、左目用パネル及び右目用パネルの液晶素子に印加する電圧を制御することに相当する。そこでシャッターを開くことを、タイミングチャートについて示す図面では「ON」と表記し、シャッターを閉じることを図面では「OFF」と表記することにする。
【0040】
フィールドシーケンシャル駆動では、上述した特許文献1に記載のように、RGBのバックライトの点灯を繰り返すことで左目用画像または右目用画像を視認者に視認させる構成となる。そのため、左目用画像と右目用画像とを交互に連続して表示することで立体画像を視認する構成では、左目用画像及び右目用画像におけるそれぞれのバックライトのR点灯、G点灯、及びB点灯を高速に切り替えて点灯を行うことが必要となり消費電力の増加が懸念されるものとなる。
【0041】
一方、本実施の形態の図2に示すタイミングチャートでは、R点灯期間201、G点灯期間202、及びB点灯期間203の各期間において左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間が連続して設けられる構成としている。R点灯、G点灯、及びB点灯の点灯をそれぞれ、左目用画像及び右目用画像で連続して行う構成とするため、バックライトの点灯をR点灯からG点灯、G点灯からB点灯といった具合に切り替える動作の回数を低減することができる。そのため、バックライトの点灯の切替に要する消費電力を低減することができる。特に液晶表示装置が大型化し、バックライト部の光源の数が大きくなるほど、本実施の形態の構成は好適である。
【0042】
なお図2に示すタイミングチャートでは、R点灯期間201、G点灯期間202、及びB点灯期間203において、左目用の点灯期間と右目用の点灯期間とが連続する期間の画像信号の書き込み動作時、すなわち右目用R書き込み期間RRには、バックライトを消灯させる構成について示している。これは、バックライトが点灯していることにより各画素への書き込み動作が視認されてしまうことを防ぐための構成である。なお本実施の形態の構成では、眼鏡における左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターの開閉を切り替える構成とすることで、前述の左目用の点灯期間と右目用の点灯期間とが連続する期間の画像信号の書き込み動作時、すなわち右目用R書き込み期間RRにバックライトを消灯せずに点灯したままの構成とすることができる。R点灯期間201、G点灯期間202、及びB点灯期間203で、バックライトを継続して点灯させる構成とすることで、RGBのバックライトの点灯を繰り返す構成と比べて消費電力の低下を図ることができ、図2に示すタイミングチャートの構成よりも低消費電力化できる。
【0043】
なおフィールドシーケンシャル駆動による画像表示の場合は、立体画像表示期間200におけるRGBの各点灯期間を短くすることで「色割れ」による表示の不具合を目立たなくすることが好ましい。そのため点灯期間が短くなるよう液晶表示装置の各画素に設けられるトランジスタとしては、液晶表示装置の大型化を鑑みれば、酸化物半導体を半導体層に用いるトランジスタが好適である。酸化物半導体を半導体層に用いるトランジスタは、非晶質シリコンを半導体層に用いたトランジスタと比べ、高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能であり、且つレーザ照射等の処理を経ることなく作製でき、大面積基板へのトランジスタの形成を可能にすることができるため、好適である。更に、液晶表示装置に設けられる液晶素子の液晶材料も、高速駆動に応答しうる液晶材料とすることが好適である。例えば、液晶材料として、強誘電性液晶、ブルー相の液晶相を示す液晶材料、またはセルギャップを狭めたネマチック相の液晶相を示す液晶材料を用いることが好適である。
【0044】
なお図2では、バックライトの光源としてRGBの3色を用いて説明しているが、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)等の色を用いる構成としてもよい。図2の構成に加えて、RGBの他の色として、RGBを同時に点灯させることにより得られる白色(以下、Wと略記することもある)を用いる構成について、図5に示し説明する。
【0045】
図5に示すタイミングチャートにおいて、図2の構成と異なる点は、立体画像表示期間200においてW点灯期間204を設けた点にある。W点灯期間204は、左目用W点灯期間251及び右目用W点灯期間252を有する。図5に示すタイミングチャートにおいてB点灯期間203に続く左目用W点灯期間251では、左目用R点灯期間211と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びR、G、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして左目用パネルのシャッターを開き、且つ右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。次いで、右目用W点灯期間252では、右目用R点灯期間212と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びR、G、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして右目用パネルのシャッターを開き、且つ左目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0046】
図5に示すタイミングチャートのように、RGBに加え白色に対応した色を追加する構成とすることで、フィールドシーケンシャル駆動で画像を表示する際に生じる「色割れ」による表示の不具合を目立たなくすることができる。そのため、フィールドシーケンシャル駆動における色割れの低減を図ることができる。
【0047】
図5で説明したRGBを同時に点灯させることにより得られる白色を用いる構成の他に、単独で白色光を得ることのできる光源を用いる構成について、図6に示し説明する。
【0048】
図6に示すタイミングチャートにおいて、図5の構成と異なる点は、B点灯期間203に続くW点灯期間204において、RGBの光源の他に別途設けたWの光源を点灯する制御を行う点にある。図6に示す構成のように、RGBの光源の他に別途設けたWの光源を左目用W点灯期間251及び右目用W点灯期間252に点灯させることにより、RGBを同時に点灯させる構成に比べ、点灯させる光源の数を削減する構成とすることができるため、低消費電力化を図ることができる。
【0049】
図3に、図2とは異なるタイミングチャートについて示す。
【0050】
図3には、図2と同様に、立体画像表示期間200におけるタイミングチャートを示している。立体画像表示期間200は、図2と同様に、R点灯期間201、G点灯期間202、及びB点灯期間203を有する。R点灯期間201は、図2と同様に、左目用R点灯期間211及び右目用R点灯期間212を有する。G点灯期間202は、図2と同様に、左目用G点灯期間221及び右目用G点灯期間222を有する。B点灯期間203は、図2と同様に、左目用B点灯期間231及び右目用B点灯期間232を有する。
【0051】
左目用R点灯期間211では、まず左目用R書き込み期間LRにおいて、ゲート信号線(走査線)の1行目より最終行目まで順次画像信号の書き込み動作241を行い、Rのバックライトが消灯するようバックライト部を制御する期間となる。さらに左目用R書き込み期間LRは、左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。書き込み動作241が最終行目まで行われた後に、Rのバックライトを点灯させ、さらに左目用パネルのシャッターを開く期間とし、右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0052】
なお図3の構成では、左目用R書き込み期間LRの画像信号の書き込み動作の際、左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じた状態としている。そのため、左目用R書き込み期間LRの画像信号の書き込み動作の際、Rのバックライトが点灯するようバックライト部を制御する構成でも良い。
【0053】
次いで、右目用R点灯期間212では、右目用R書き込み期間RRにおいて、ゲート信号線(走査線)の1行目より最終行目まで順次画像信号の書き込み動作242を行い、Rのバックライトが点灯するようバックライト部を制御する期間とする。さらに右目用R書き込み期間RRは、左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。書き込み動作242が最終行目まで行われた後に、Rのバックライトを点灯させ、さらに右目用パネルのシャッターを開く期間とし、左目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。
【0054】
なお図3の構成では、右目用R書き込み期間RRの画像信号の書き込み動作の際、左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じた状態としている。そのため、右目用R書き込み期間RRの画像信号の書き込み動作の際、Rのバックライトが点灯するようバックライト部を制御する構成とすることができる。即ち図3のタイミングチャートの構成では、図2に示したタイミングチャートの構成と比べて、R点灯期間201でのRのバックライトの点灯または消灯の切替回数を低減することができる。そのため、バックライトの点灯の切替に要する消費電力を低減することができる。特に液晶表示装置が大型化し、バックライト部の光源の数が大きくなるほど、本実施の形態の構成は好適である。
【0055】
次いで、左目用G点灯期間221では、左目用R点灯期間211と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びGのバックライトが点灯する制御を行う。そして画像信号の書き込み動作時には左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じ、書き込み動作が完了した後に左目用パネルのシャッターを開き且つ右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。次いで、右目用G点灯期間222では、右目用R点灯期間212と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びGのバックライトが点灯する制御を行う。そして画像信号の書き込み動作時には左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じ、書き込み動作が完了した後に右目用パネルのシャッターを開き且つ左目用パネルのシャッターを閉じる期間を設ける。
【0056】
次いで、左目用B点灯期間231では、左目用R点灯期間211と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして画像信号の書き込み動作時には左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じ、書き込み動作が完了した後に左目用パネルのシャッターを開き且つ右目用パネルのシャッターを閉じる期間とする。次いで、右目用B点灯期間232では、右目用R点灯期間212と同様にして、画像信号の書き込み動作、及びBのバックライトが点灯する制御を行う。そして画像信号の書き込み動作時には左目用パネルのシャッター及び右目用パネルのシャッターを閉じ、書き込み動作が完了した後に右目用パネルのシャッターを開き且つ左目用パネルのシャッターを閉じる期間を設ける。
【0057】
なお、図3に示す構成においても図5と同様にRGBの他の色として、RGBを同時に点灯させることにより得られる白色を用いる構成とすることができる。具体的なタイミングチャートについて図7に示す。図7に示すタイミングチャートのように、RGBに加え白色に対応した色を追加する構成とすることで、図3の構成による効果に加えて、フィールドシーケンシャル駆動で画像を表示する際に生じる「色割れによる表示の不具合を目立たなくすることができる。そのため、フィールドシーケンシャル駆動における色割れの低減を図ることができる。
【0058】
図7で説明したRGBを同時に点灯させることにより得られる白色を用いる構成の他に、単独で白色光を得ることのできる光源を用いる構成について、図8に示し説明する。図8に示す構成のように、RGBの光源の他に別途設けたWの光源を左目用W点灯期間251及び右目用W点灯期間252に点灯させることにより、RGBを同時に点灯させる構成に比べ、点灯させる光源の数を削減する構成とすることができるため、低消費電力化を図ることができる。
【0059】
次いで、図4には、上記図2及び図3に示すタイミングチャートにより立体画像表示期間200での画像が視認者の左目及び右目にどのように視認されるかについて説明する図を示している。
【0060】
図4に示すように図2及び図3に示すタイミングチャートでは、立体画像表示期間200に、Rのバックライト点灯による画像、Gのバックライト点灯による画像、Bのバックライト点灯による画像が混色されて視認される画像(図4中、左目用画像)が視認者の左目で視認され、且つRのバックライト点灯による画像、Gのバックライト点灯による画像、Bのバックライト点灯による画像が混色されて視認される画像(図4中、右目用画像)が視認者の右目で視認されることとなる。
【0061】
図4中において、左目用画像は、左目用R書き込み期間LRで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでRの点灯期間(図4中、R_L)、次いで右目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、次いで左目用G書き込み期間LGで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでGの点灯期間(図4中、G_L)、次いで右目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、次いで左目用B書き込み期間LBで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでBの点灯期間(図4中、B_L)、次いで右目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、に表示され、視認者の左目に視認されるものとなる。すなわち、バックライトから照射される複数の色(RGB)に対応した光を所定の期間内で切り替えることで左目において混色させて視認されるものとなる。
【0062】
一方図4中において、右目用画像は、左目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、次いで右目用R書き込み期間RRで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでRの点灯期間(図4中、R_L)、次いで左目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、右目用G書き込み期間RGで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでGの点灯期間(図4中、G_L)、次いで左目用画像の表示で視認されない期間(図4中、BLANK)、次いで右目用B書き込み期間RBで視認されない期間(図4中、BLANK)、次いでBの点灯期間(図4中、B_L)、に表示され、視認者の右目に視認されるものとなる。すなわち、バックライトから照射される複数の色(RGB)に対応した光を所定の期間内で切り替えることで右目において混色させて視認されるものとなる。
【0063】
上記図4に示すように立体画像表示期間200の間に、Rのバックライト点灯による画像、Gのバックライト点灯による画像、Bのバックライト点灯による画像が視認者の左目及び右目において視認されることとなる。図4からもわかるように、図2及び図3に示すタイミングチャートは、バックライトからの複数の色(RGB)に対応した光を照射する期間を設け混色させて視認されることで画像の表示を行う一方、バックライトからの複数の色(RGB)に対応した光を照射する期間の間に表示が視認されない期間(図4中のBLANK)を設けている。そのため本実施の形態の駆動方法の構成において、視認者には黒色の画像が随時挿入されて視認されることとなり、動画表示時の残像、ぼやけ、色割れなどが抑制され、動画の表示性能を向上させることができる。
【0064】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0065】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に用いることのできるバックライト部(バックライト、バックライトユニット)の構成の例について図9を用いて説明する。
【0066】
図9(A)は、エッジライト方式と呼ばれるバックライト部5201と、表示パネル5207とを有している液晶表示装置の一例を示す。エッジライト式とは、バックライト部の端部に光源を配置し、その光源の光を発光面全体から放射する方式である。
【0067】
バックライト部5201は、拡散板5202(拡散シートともいう)、導光板5203、反射板5204、ランプリフレクタ5205及び光源5206によって構成される。なおバックライト部5201は他にも輝度向上フィルム等を設ける構成としてもよい。
【0068】
光源5206は必要に応じて異なる複数の色(RGB)で発光する機能を有している。例えば、光源5206としてはカラーフィルタを設けた冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)、発光ダイオード、又はEL素子などが用いられる。
【0069】
図9(B)は、エッジライト式のバックライト部の詳細な構成を示す図である。なお、拡散板、導光板及び反射板などはその説明を省略する。
【0070】
図9(B)に示すバックライト部5201は、光源としてRGBの各色に対応した発光ダイオード(LED)5223R、5223G、5223Bを用いた構成である。RGBの各色に対応した発光ダイオード(LED)5223R、5223G、5223Bは所定の間隔に配置される。そして、RGBの各色に対応した発光ダイオード(LED)5223R、5223G、5223Bからの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ5222が設けられている。光源としてRGBの各色に対応した発光ダイオード(LED)の他に白色の発光ダイオードを設ける構成としてもよい。
【0071】
図9(C)は、直下型と呼ばれるバックライト部と、液晶パネルとを有する液晶表示装置の一例を示す。直下式とは、発光面の直下に光源を配置することで、その光源の光を発光面全体から放射する方式である。
【0072】
バックライト部5290は、拡散板5291、遮光部5292、ランプリフレクタ5293、RGBの各色に対応した発光ダイオード(LED)5294R、5294G、5294B及び液晶パネル5295によって構成される。
【0073】
なお、直下型と呼ばれるバックライト部において、光源となる発光ダイオード(LED)の代わりに発光素子であるEL素子を用いることによりバックライト部の薄型化をはかることができる。
【0074】
なお図9(A)乃至(C)で説明するバックライト部は、輝度を調整する構成としてもよい。例えば、液晶表示装置の周りの照度に応じて輝度を調整する構成としてもよいし、表示される画像信号に応じて輝度を調整する構成としてもよい。
【0075】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの例を示す。本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの構造は特に限定されず、例えばゲート電極が、ゲート絶縁層を介して、酸化物半導体層の上側に配置されるトップゲート構造、又はゲート電極が、ゲート絶縁層を介して、酸化物半導体層の下側に配置されるボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用いることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。なお、図10(A)乃至(D)にトランジスタの断面構造の一例を以下に示す。図10(A)乃至(D)に示すトランジスタは、半導体層として酸化物半導体を用いるものである。酸化物半導体を用いることのメリットは、トランジスタのオン状態にいて高い電界効果移動度(最大値で5cm/Vsec以上、好ましくは最大値で10cm/Vsec〜150cm/Vsec)と、トランジスタのオフ状態において低い単位チャネル幅あたりのオフ電流(例えば単位チャネル幅あたりのオフ電流が1aA/μm未満、さらに好ましくは10zA/μm未満、且つ、85℃にて100zA/μm未満)が得られることである。
【0077】
図10(A)に示すトランジスタ410は、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0078】
トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ410を覆い、酸化物半導体層403に積層する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている。
【0079】
図10(B)に示すトランジスタ420は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型トランジスタともいう。
【0080】
トランジスタ420は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403、酸化物半導体層403のチャネル形成領域を覆うチャネル保護層として機能する絶縁層427、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ420を覆い、保護絶縁層409が形成されている。
【0081】
図10(C)に示すトランジスタ430はボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b、及び酸化物半導体層403を含む。また、トランジスタ430を覆い、酸化物半導体層403に接する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている。
【0082】
トランジスタ430においては、ゲート絶縁層402は基板400及びゲート電極層401上に接して設けられ、ゲート絶縁層402上にソース電極層405a、ドレイン電極層405bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層402、及びソース電極層405a、ドレイン電極層405b上に酸化物半導体層403が設けられている。
【0083】
図10(D)に示すトランジスタ440は、トップゲート構造のトランジスタの一つである。トランジスタ440は、絶縁表面を有する基板400上に、絶縁層437、酸化物半導体層403、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b、ゲート絶縁層402、及びゲート電極層401を含み、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bにそれぞれ配線層436a、配線層436bが接して設けられ電気的に接続している。
【0084】
本実施の形態では、上述のとおり、半導体層として酸化物半導体層403を用いる。酸化物半導体層403に用いる酸化物半導体としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半導体や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体、In−Ga−O系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含んでもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物膜、という意味であり、その組成比はとくに問わない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよい。
【0085】
また、酸化物半導体層403は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Zn、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
【0086】
酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって画素において、画像信号等の電気信号を保持するための容量素子を小さく設計することができる。よって、画素の開口率の向上を図ることができるため、その分の低消費電力化を図るといった効果を奏する。
【0087】
また、酸化物半導体層403を用いたトランジスタ410、420、430、440は、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。「色割れ」は、フレーム周波数を上げることにより低減することがわかっている。よって、液晶表示装置の画素部に上記トランジスタを用い、フレーム周波数を上げることで、「色割れ」を抑制することができ、高画質な画像を提供することができる。また、上記トランジスタは、同一基板上に駆動回路部または画素部に作り分けて作製することができるため、液晶表示装置の部品点数を削減することができる。
【0088】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。
【0089】
ボトムゲート構造のトランジスタ410、420、430において、下地膜となる絶縁膜を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0090】
ゲート電極層401の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0091】
ゲート絶縁層402は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。例えば、第1のゲート絶縁層としてプラズマCVD法により膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiN(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シリコン層(SiO(x>0))を積層して、合計膜厚200nmのゲート絶縁層とする。
【0092】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wからから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。
【0093】
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに接続する配線層436a、配線層436bのような導電膜も、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bと同様な材料を用いることができる。
【0094】
また、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b(これと同じ層で形成される配線層を含む)となる導電膜としては導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0095】
酸化物半導体層の上方に設けられる絶縁膜407、427、下方に設けられる絶縁膜437は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0096】
また、酸化物半導体層の上方に設けられる保護絶縁層409は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0097】
また、保護絶縁層409上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0098】
このようなトランジスタを用いた液晶表示装置の画素の一例を図11と図12に示す。図11は画素の平面図を示し、当該図中に示すA−B切断線に対応する断面図を図12に示す。なお、図11はトランジスタ410が形成された基板400の平面図を示すものであり、図12はトランジスタ410が設けられた基板400側の構成に加え、対向基板416や液晶層414が設けられている構成を示す。以下の説明では図11と図12の両方を参照して説明する。
【0099】
トランジスタ410の構成は図10(A)と同様であり、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、酸化物半導体層403を有している。画素を構成する場合、ゲート電極層401は一方向に延在するように形成されている。酸化物半導体層403はゲート絶縁層402を介してゲート電極層401と重畳するように設けられている。ソース電極層405aとドレイン電極層405bは酸化物半導体層403の上層側に設けられている(なお、ここではソース電極層405aとドレイン電極層405bという呼び方は、トランジスタ410に接続される電極として区別するために便宜的に用いている)。ソース電極層405aはゲート電極層401と交差する方向に延在している。保護絶縁層409上には第1の画素電極411が設けられ、コンタクトホール412によってドレイン電極層405bと接続されている。第1の画素電極411は酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズなどの透明電極材料で形成されている。
【0100】
また、ゲート電極層401と同じ層で形成される共通配線層417、共通電極層418が形成され、第2の画素電極419が設けられる。なお図11及び図12では特に図示していないが、画素には必要に応じて保持容量を形成すればよい。
【0101】
第1の画素電極411及び第2の画素電極419は、櫛歯状に設け、電極間に生じる電界に応じて、液晶の配向を制御することができる。このような構成は、IPS(In−Plane Switching)方式において適用される。IPS方式とは、液晶パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。IPS方式は、基板に水平方向に電極を配置し、液晶分子が水平方向を向く方式である。
【0102】
基板400と対向基板416の間には液晶層414が設けられている。また、液晶層414と接するように配向膜413が設けられている。配向膜413は光配向法又はラビング法による配向処理が施されている。液晶層414には、ブルー相の液晶相を有する液晶材料などを用いることができる。
【0103】
酸化物半導体層403がゲート絶縁層402を介してゲート電極層401と重畳するように設けられたトランジスタ410と、トランジスタ410のソース側又はドレイン側に接続された液晶を駆動する第1の画素電極411と、第1の画素電極411と対に設けられた第2の画素電極419と、液晶層414とで一つのユニットが形成される。このユニットを一又は複数用いて画素(ピクセル)を形成することができ、これをマトリクス状に配置することにより画像等を表示する表示パネルを構成することができる。
【0104】
なお、図11及び図12で説明したIPS方式の他に、セルギャップを小さくしたTN(Twisted Nematic)方式などを適用することもできる。TN方式の液晶表示装置の画素の一例を図13と図14に示す。図13は画素の平面図を示し、当該図中に示すA−B切断線に対応する断面図を図14に示す。なお、図13はトランジスタ610が形成された基板600の平面図を示すものであり、図14はトランジスタ610が設けられた基板600側の構成に加え、対向基板616や液晶層614が設けられている構成を示す。以下の説明では図13と図14の両方を参照して説明する。
【0105】
トランジスタ610の構成は図10(A)と同様であり、ゲート電極層601、ゲート絶縁層602、酸化物半導体層603を有している。画素を構成する場合、ゲート電極層601は一方向に延在するように形成されている。酸化物半導体層603はゲート絶縁層602を介してゲート電極層601と重畳するように設けられている。ソース電極層605aとドレイン電極層605bは酸化物半導体層603の上層側に設けられている(なお、ここではソース電極層605aとドレイン電極層605bという呼び方は、トランジスタ610に接続される電極として区別するために便宜的に用いている)。ソース電極層605aはゲート電極層601と交差する方向に延在している。絶縁膜607上の保護絶縁層609の上には画素電極611が設けられ、コンタクトホール612によってドレイン電極層605bと接続されている。画素電極611は酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズなどの透明電極材料で形成されている。
【0106】
また、保持容量619は適宜設ければ良く、これを設ける場合には、ゲート電極層601と同じ層で形成される容量配線層617、容量電極層618によって形成する。容量配線層617と容量電極層618の間には、誘電体としてゲート絶縁層602が延在しており、これにより保持容量619が形成される。
【0107】
画素電極611は対向基板616側の対向電極615と対をなして液晶の配向を制御することができる。このような構成は、TN(Twisted Nematic)方式において適用される。TN方式とは、液晶パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。
【0108】
対向基板616側には対向電極615が設けられている。基板600と対向基板616の間には液晶層614が設けられている。また、液晶層614と接するように配向膜613が設けられている。配向膜613は光配向法又はラビング法による配向処理が施されている。液晶層614には、ネマチック相の液晶相を有する液晶材料などを用いることができる。
【0109】
酸化物半導体層603がゲート絶縁層602を介してゲート電極層601と重畳するように設けられたトランジスタ610と、トランジスタ610のソース側又はドレイン側に接続された液晶を駆動する画素電極611と、画素電極611と対向するように設けられた対向電極615と、画素電極611と対向電極615との間に設けられた液晶層614とで一つのユニットが形成される。このユニットを一又は複数用いて画素(ピクセル)を形成することができ、これをマトリクス状に配置することにより画像等を表示する表示パネルを構成することができる。
【0110】
このように、本実施の形態において、電界効果移動度が高く、オフ電流値が低い酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることにより、低消費電力の液晶表示装置を提供することができる。
【0111】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0112】
(実施の形態4)
本実施の形態は、酸化物半導体層を含むトランジスタ、及び作製方法の一例を図15を用いて詳細に説明する。上記実施の形態と同一部分又は同様な機能を有する部分、繰り返しの説明は省略する。また同じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0113】
図15(A)乃至(E)にトランジスタの断面構造の一例を示す。図15(A)乃至(E)に示すトランジスタ510は、図10(A)に示すトランジスタ410と同様なボトムゲート構造の逆スタガ型トランジスタである。
【0114】
以下、図15(A)乃至(E)を用い、基板505上にトランジスタ510を作製する工程を説明する。
【0115】
まず、絶縁表面を有する基板505上に導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によりゲート電極層511を形成する。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0116】
絶縁表面を有する基板505は、実施の形態4に示した基板400と同様な基板を用いることができる。本実施の形態では基板505としてガラス基板を用いる。
【0117】
下地膜となる絶縁膜を基板505とゲート電極層511との間に設けてもよい。下地膜は、基板505からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0118】
また、ゲート電極層511の材料は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
【0119】
次いで、ゲート電極層511上にゲート絶縁層507を形成する。ゲート絶縁層507は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。
【0120】
本実施の形態の酸化物半導体は、不純物を除去され、I型化又は実質的にI型化された酸化物半導体を用いる。このような高純度化された酸化物半導体は界面準位、界面電荷に対して極めて敏感であるため、酸化物半導体層とゲート絶縁層との界面は重要である。そのため高純度化された酸化物半導体に接するゲート絶縁層は、高品質化が要求される。
【0121】
例えば、μ波(例えば周波数2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVDは、緻密で絶縁耐圧の高い高品質な絶縁層を形成できるので好ましい。高純度化された酸化物半導体と高品質ゲート絶縁層とが密接することにより、界面準位を低減して界面特性を良好なものとすることができるからである。
【0122】
もちろん、ゲート絶縁層として良質な絶縁層を形成できるものであれば、スパッタリング法やプラズマCVD法など他の成膜方法を適用することができる。また、成膜後の熱処理によってゲート絶縁層の膜質、酸化物半導体との界面特性が改質される絶縁層であっても良い。いずれにしても、ゲート絶縁層としての膜質が良好であることは勿論のこと、酸化物半導体との界面準位密度を低減し、良好な界面を形成できるものであれば良い。
【0123】
また、ゲート絶縁層507、酸化物半導体膜530に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体膜530の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート電極層511が形成された基板505、又はゲート絶縁層507までが形成された基板505を予備加熱し、基板505に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。またこの予備加熱は、絶縁層516の成膜前に、ソース電極層515a及びドレイン電極層515bまで形成した基板505にも同様に行ってもよい。
【0124】
次いで、ゲート絶縁層507上に、膜厚2nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下の酸化物半導体膜530を形成する(図15(A)参照。)。
【0125】
なお、酸化物半導体膜530をスパッタリング法により成膜する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層507の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタとは、ターゲット側に電圧を印加せずに、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0126】
酸化物半導体膜530に用いる酸化物半導体は、実施の形態3に示した酸化物半導体を用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含んでもよい。本実施の形態では、酸化物半導体膜530をIn−Ga−Zn−O系酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法により成膜する。この段階での断面図が図15(A)に相当する。また、酸化物半導体膜530は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタ法により形成することができる。
【0127】
酸化物半導体膜530をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば、組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]の酸化物ターゲットを用い、In−Ga−Zn−O膜を成膜する。また、このターゲットの材料及び組成に限定されず、例えば、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比]の酸化物ターゲットを用いてもよい。
【0128】
また、酸化物ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%である。充填率の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜とすることができる。
【0129】
酸化物半導体膜530を成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0130】
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持し、基板温度を100℃以上600℃以下好ましくは200℃以上400℃以下とする。基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板505上に酸化物半導体膜530を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0131】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素(酸素流量比率100%)雰囲気下の条件が適用される。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ごみともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。
【0132】
次いで、酸化物半導体膜530を第2のフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半導体層に加工する。また、島状の酸化物半導体層を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0133】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体膜530の加工時に同時に行うことができる。
【0134】
なお、ここでの酸化物半導体膜530のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜530のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0135】
次いで、酸化物半導体層に第1の加熱処理を行う。この第1の加熱処理によって酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行うことができる。第1の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下、または400℃以上基板の歪み点未満とする。ここでは、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水素の再混入を防ぎ、酸化物半導体層531を得る(図15(B)参照。)。
【0136】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0137】
例えば、第1の加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を移動させて入れ、数分間加熱した後、基板を移動させて高温に加熱した不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
【0138】
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0139】
また、第1の加熱処理で酸化物半導体層を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度のNOガス、又は超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)を導入してもよい。酸素ガスまたはNOガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する酸素ガスまたはNOガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガスまたはNOガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又はNOガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導体層を高純度化及び電気的にI型(真性)化する。
【0140】
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物半導体膜530に行うこともできる。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱装置から基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
【0141】
なお、第1の加熱処理は、上記以外にも、酸化物半導体層成膜後であれば、酸化物半導体層上にソース電極層及びドレイン電極層を積層させた後、あるいは、ソース電極層及びドレイン電極層上に絶縁層を形成した後、のいずれで行っても良い。
【0142】
また、ゲート絶縁層507にコンタクトホールを形成する場合、その工程は酸化物半導体膜530に第1の加熱処理を行う前でも行った後でもよい。
【0143】
また、酸化物半導体層を2回に分けて成膜し、2回に分けて加熱処理を行うことで、下地部材の材料が、酸化物、窒化物、金属など材料を問わず、膜厚の厚い結晶領域(単結晶領域)、即ち、膜表面に垂直にc軸配向した結晶領域を有する酸化物半導体層を形成してもよい。例えば、3nm以上15nm以下の第1の酸化物半導体膜を成膜し、窒素、酸素、希ガス、または乾燥空気の雰囲気下で450℃以上850℃以下、好ましくは550℃以上750℃以下の第1の加熱処理を行い、表面を含む領域に結晶領域(板状結晶を含む)を有する第1の酸化物半導体膜を形成する。そして、第1の酸化物半導体膜よりも厚い第2の酸化物半導体膜を形成し、450℃以上850℃以下、好ましくは600℃以上700℃以下の第2の加熱処理を行い、第1の酸化物半導体膜を結晶成長の種として、上方に結晶成長させ、第2の酸化物半導体膜の全体を結晶化させ、結果として膜厚の厚い結晶領域を有する酸化物半導体層を形成してもよい。
【0144】
次いで、ゲート絶縁層507、及び酸化物半導体層531上に、ソース電極層及びドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。ソース電極層、及びドレイン電極層に用いる導電膜としては、実施の形態3に示したソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる材料を用いることができる。
【0145】
第3のフォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってソース電極層515a、ドレイン電極層515bを形成した後、レジストマスクを除去する(図15(C)参照。)。
【0146】
第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光には、紫外線やKrFレーザ光やArFレーザ光を用いるとよい。酸化物半導体層531上で隣り合うソース電極層の下端部とドレイン電極層の下端部との間隔幅によって後に形成されるトランジスタのチャネル長Lが決定される。なお、チャネル長L=25nm未満の露光を行う場合には、数nm〜数10nmと極めて波長が短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いて第3のフォトリソグラフィ工程でのレジストマスク形成時の露光を行うとよい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成されるトランジスタのチャネル長Lを10nm以上1000nm以下とすることも可能であり、回路の動作速度を高速化できる。
【0147】
また、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスク数及び工程数を削減するため、透過した光が複数の強度となる露光マスクである多階調マスクによって形成されたレジストマスクを用いてエッチング工程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジストマスクは複数の膜厚を有する形状となり、エッチングを行うことでさらに形状を変形することができるため、異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることができる。よって、一枚の多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに対応するレジストマスクを形成することができる。よって露光マスク数を削減することができ、対応するフォトリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が可能となる。
【0148】
なお、導電膜のエッチングの際に、酸化物半導体層531がエッチングされ、分断することのないようエッチング条件を最適化することが望まれる。しかしながら、導電膜のみをエッチングし、酸化物半導体層531を全くエッチングしないという条件を得ることは難しく、導電膜のエッチングの際に酸化物半導体層531は一部のみがエッチングされ、溝部(凹部)を有する酸化物半導体層となることもある。
【0149】
本実施の形態では、導電膜としてTi膜を用い、酸化物半導体層531にはIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いたので、エッチャントとしてアンモニア過水(アンモニア、水、過酸化水素水の混合液)を用いる。
【0150】
次いで、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理を行い、露出している酸化物半導体層の表面に付着した吸着水などを除去してもよい。プラズマ処理を行った場合、大気に触れることなく、酸化物半導体層の一部に接する保護絶縁膜となる絶縁層516を形成する。
【0151】
絶縁層516は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、スパッタ法など、絶縁層516に水、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。絶縁層516に水素が含まれると、その水素の酸化物半導体層への侵入、又は水素による酸化物半導体層中の酸素の引き抜き、が生じ酸化物半導体層のバックチャネルが低抵抗化(N型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、絶縁層516はできるだけ水素を含まない膜になるように、成膜方法に水素を用いないことが重要である。
【0152】
本実施の形態では、絶縁層516として膜厚200nmの酸化シリコン膜をスパッタリング法を用いて成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態では100℃とする。酸化シリコン膜のスパッタ法による成膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下において行うことができる。また、ターゲットとして酸化シリコンターゲットまたはシリコンターゲットを用いることができる。例えば、シリコンターゲットを用いて、酸素を含む雰囲気下でスパッタ法により酸化シリコン膜を形成することができる。酸化物半導体層に接して形成する絶縁層516は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。
【0153】
酸化物半導体膜530の成膜時と同様に、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ(クライオポンプなど)を用いることが好ましい。クライオポンプを用いて排気した成膜室で成膜した絶縁層516に含まれる不純物の濃度を低減できる。また、絶縁層516の成膜室内の残留水分を除去するための排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。
【0154】
絶縁層516を成膜する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0155】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行う。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層の一部(チャネル形成領域)が絶縁層516と接した状態で加熱される。
【0156】
以上の工程を経ることによって、酸化物半導体膜に対して第1の加熱処理を行って水素、水分、水酸基又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物半導体層より意図的に排除し、かつ不純物の排除工程によって同時に減少してしまう酸化物半導体を構成する主成分材料の一つである酸素を第2の加熱処理によって供給することができる。よって、酸化物半導体層は高純度化及び電気的にI型(真性)化する。なお高純度化された酸化物半導体膜中の水素濃度は5×1019atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望ましくは5×1017atoms/cm以下となる。なお、上述の酸化物半導体膜中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)で測定されるものである。
【0157】
以上の工程でトランジスタ510が形成される(図15(D)参照。)。
【0158】
また、絶縁層516に欠陥を多く含む酸化シリコン層を用いると、酸化シリコン層形成後の加熱処理によって酸化物半導体層中に含まれる水素、水分、水酸基又は水素化物などの不純物を絶縁層516に拡散させ、酸化物半導体層中に含まれる該不純物をより低減させる効果を奏する。
【0159】
絶縁層516上にさらに保護絶縁層506を形成してもよい。例えば、RFスパッタ法を用いて窒化シリコン膜を形成する。RFスパッタ法は、量産性がよいため、保護絶縁層の成膜方法として好ましい。保護絶縁層は、水分などの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜などを用いる。本実施の形態では、保護絶縁層506を、窒化シリコン膜を用いて形成する(図15(E)参照。)。
【0160】
本実施の形態では、保護絶縁層506として、絶縁層516まで形成された基板505を100℃〜400℃の温度に加熱し、水素及び水分が除去された高純度窒素を含むスパッタガスを導入しシリコン半導体のターゲットを用いて窒化シリコン膜を成膜する。この場合においても、絶縁層516と同様に、処理室内の残留水分を除去しつつ保護絶縁層506を成膜することが好ましい。
【0161】
保護絶縁層の形成後、さらに大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理は一定の加熱温度を保持して加熱してもよいし、室温から、100℃以上200℃以下の加熱温度への昇温と、加熱温度から室温までの降温を複数回くりかえして行ってもよい。
【0162】
このように、本実施の形態を用いて作製した酸化物半導体層を含むトランジスタは、高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。「色割れ」は、フレーム周波数を上げることにより低減することがわかっている。よって、液晶表示装置の画素部に上記トランジスタを用い、フレーム周波数を上げることで、「色割れ」を抑制することができ、高画質な画像を提供することができる。また、高純度化された酸化物半導体層は、レーザ照射等の処理を経ることなく作製でき、大面積基板へのトランジスタの形成を可能にすることができるため、好適である。
【0163】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0164】
(実施の形態5)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0165】
図16(A)は、電子書籍の一例を示している。図16(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0166】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図16(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図16(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0167】
また、図16(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図16(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0168】
図16(B)は、液晶表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0169】
なお、図16(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0170】
図16(C)は、液晶表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図16(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、画像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示した液晶表示装置を適用することができる。
【0171】
図16(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される画像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0172】
図16(D)は、液晶表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図16(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0173】
図16(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0174】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0175】
101 液晶表示装置
102 眼鏡
103 ケーブル
104A 左目用パネル
104B 右目用パネル
111 表示部
112 ゲート線駆動回路
113 ソース線駆動回路
114 バックライト部
115 表示制御回路
116 タイミング発生器
117 外部操作手段
118A 同期信号
118B 同期信号
119A 同期信号
119B 同期信号
200 立体画像表示期間
201 R点灯期間
202 G点灯期間
203 B点灯期間
204 W点灯期間
211 左目用R点灯期間
212 右目用R点灯期間
221 左目用G点灯期間
222 右目用G点灯期間
231 左目用B点灯期間
232 右目用B点灯期間
241 書き込み動作
242 書き込み動作
251 左目用W点灯期間
252 右目用W点灯期間
400 基板
401 ゲート電極層
402 ゲート絶縁層
403 酸化物半導体層
405a ソース電極層
405b ドレイン電極層
407 絶縁膜
409 保護絶縁層
410 トランジスタ
411 第1の画素電極
412 コンタクトホール
413 配向膜
414 液晶層
416 対向基板
417 共通配線層
418 共通電極層
419 第2の画素電極
420 トランジスタ
427 絶縁層
430 トランジスタ
436a 配線層
436b 配線層
437 絶縁層
440 トランジスタ
505 基板
506 保護絶縁層
507 ゲート絶縁層
510 トランジスタ
511 ゲート電極層
515a ソース電極層
515b ドレイン電極層
516 絶縁層
530 酸化物半導体膜
531 酸化物半導体層
600 基板
601 ゲート電極層
602 ゲート絶縁層
603 酸化物半導体層
605a ソース電極層
605b ドレイン電極層
609 保護絶縁層
610 トランジスタ
611 画素電極
612 コンタクトホール
613 配向膜
614 液晶層
615 対向電極
616 対向基板
617 容量配線層
618 容量電極層
619 保持容量
1700 筐体
1701 筐体
1702 表示部
1703 表示部
1704 蝶番
1705 電源入力端子
1706 操作キー
1707 スピーカ
1711 筐体
1712 表示部
1721 筐体
1722 表示部
1723 スタンド
1731 筐体
1732 表示部
1733 操作ボタン
1734 外部接続ポート
1735 スピーカ
1736 マイク
1737 操作ボタン
5201 バックライト部
5202 拡散板
5203 導光板
5204 反射板
5205 ランプリフレクタ
5206 光源
5207 表示パネル
5222 ランプリフレクタ
5223R 発光ダイオード(LED)
5223G 発光ダイオード(LED)
5223B 発光ダイオード(LED)
5290 バックライト部
5291 拡散板
5292 遮光部
5293 ランプリフレクタ
5294R 発光ダイオード(LED)
5294G 発光ダイオード(LED)
5294B 発光ダイオード(LED)
5295 液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記前記複数の色のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射されることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項2】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される複数の色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記前記複数の色のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、
前記左目用画像及び前記右目用画像の切り替え時において、前記切替手段つき眼鏡によって前記左目及び前記右目への前記バックライト部からの光を遮断することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項3】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、及び青の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記赤、前記緑、及び前記青のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射されることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項4】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、及び青に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記赤、前記緑、及び前記青のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、
前記左目用画像及び前記右目用画像の切り替え時において、前記切替手段つき眼鏡によって前記左目及び前記右目への前記バックライト部からの光を遮断することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、青、及び白の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記赤、前記緑、前記青、及び前記白のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射されることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項6】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示する液晶表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できる液晶表示装置の駆動方法において、
前記左目用画像及び前記右目用画像は、バックライト部から照射される赤、緑、青、及び白の各色に対応した光を所定の期間内で切り替えることで前記左目または右目において混色させて視認されるものであり、
前記バックライト部から照射される光は、前記赤、前記緑、前記青、及び前記白のいずれか一に対応する左目用の点灯期間及び右目用の点灯期間で連続して照射され、
前記左目用画像及び前記右目用画像の切り替え時において、前記切替手段つき眼鏡によって前記左目及び前記右目への前記バックライト部からの光を遮断することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか一において、前記バックライト部から照射される光は、シアン、マゼンタ、イエローの各色を含むことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、前記バックライト部から照射される光は、発光ダイオードから照射される光であることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一において、前記液晶表示装置の複数の画素は、液晶素子及び前記液晶素子を制御するためのトランジスタを有し、
前記液晶素子はブルー相を示す液晶材料を有することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項10】
請求項9において、前記トランジスタの半導体層は、酸化物半導体を用いて構成されることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−227476(P2011−227476A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63449(P2011−63449)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】