説明

液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物

【課題】優れた形状及びラインエッジラフネスを有するパターンを得ることができる化学増幅型フォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】23℃における水への溶解度が0.1%以下である酸発生剤と、樹脂とを含有する液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の微細加工に用いられる液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物及び該組成物を用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学増幅型レジスト組成物としては、例えば、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、及びα−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンを、50:25:25のモル比で仕込み、重合させてなる樹脂と、トリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナートからなる酸発生剤と、2,6−ジイソプロピルアニリンからなるクエンチャーと溶剤とからなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−257078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の化学増幅型ポジ型レジスト組成物では、得られるパターンの形状及びラインエッジラフネスが必ずしも満足できるものではない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含有する。
【0006】
1. 23℃における水への溶解度が0.1%以下である酸発生剤と、樹脂とを含有する液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物。
【0007】
2. 酸発生剤が、式(A−1)で表される塩である1項記載の組成物。

[式(A−1)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数7〜36の(s+1)価の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
sは、1〜3の整数を表す。sが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
1+は、式(IXa−1)、式(IXb−1)又は式(IXc−1)で表されるカチオンを表す。

[式(IXc−1)中、Bは、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【0008】
3. 酸発生剤が、式(A−2)で表される塩である1項記載の組成物。

[式(A−2)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数3〜36の(t+1)価の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、水素原子、水酸基、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
tは、1〜3の整数を表す。tが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
2+は、式(IXa−2)、式(IXb−2)又は式(IXc−2)で表されるカチオンを表す。

[式(IXa−2)中、P〜Pは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P〜Pの炭素数の合計が3以上である。]

[式(IXb−2)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P及びPのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P及びPの炭素数の合計が2以上である。]

[式(IXc−2)中、P〜P17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜P17のうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【0009】
4. 前記Yが、アダマンタンに由来する基である2項記載の組成物。
【0010】
5. 前記Yが、アダマンタン又は2−アダマンタノンに由来する基である3項記載の組成物。
【0011】
6. 前記樹脂が、式(II)で表される構造単位を有する樹脂であることを特徴とする1項〜5項のいずれか記載の組成物。

[式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、−[CH−、又は−[CH−R−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。
は、2価の炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
は炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、グリシドキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基、該脂肪族炭化水素基、該アルコキシ基、該芳香族炭化水素基、該アラルキル基、該グリシドキシ基及び該アシル基に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。]
【0012】
7. 前記樹脂が、3種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂であることを特徴とする1項〜6項のいずれか記載の組成物。
【0013】
8. 前記樹脂が、4種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂であることを特徴とする1項〜6項のいずれか記載の組成物。
【0014】
9. 前記樹脂が、水酸基を側鎖に有する構造単位及びラクトン構造を側鎖に有する構造単位を有する樹脂であることを特徴とする1項〜8項のいずれか記載の組成物。
【0015】
10. 以下の工程を含むパターン形成方法。
(1)1項〜9項のいずれか記載の組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程
(4)露光後の組成物層を加熱する工程
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程
【発明の効果】
【0016】
本発明の液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物によれば、優れた形状及びラインエッジラフネスを有するパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物(以下、「レジスト組成物」という場合がある)は、23℃における水への溶解度が0.1%以下である酸発生剤と、樹脂とを含有する。
本願明細書中、「溶解度」とは、酸発生剤50mgを23℃の水5mLに加えて12時間放置した後、0.45μmのフィルタで濾過し、得られた濾液中に含まれる酸発生剤の濃度を、HPLCを用いて、内部標準法により分析して得られる数値をいう。
【0018】
酸発生剤として、好ましくは式(A−1)で表される塩が挙げられる。

[式(A−1)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数7〜36の(s+1)価の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
sは、1〜3の整数を表す。sが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
1+は、式(IXa−1)、式(IXb−1)又は式(IXc−1)で表されるカチオンを表す。

[式(IXc−1)中、Bは、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【0019】
及びQの炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロ−n−ペンチル基、ペルフルオロ−n−ヘキシル基などが挙げられる。
及びQは、フッ素原子であることが好ましい。
【0020】
は、*−CO−O−X11−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であることが好ましい。
【0021】
としては、下記の化合物に由来する(s+1)価の基が挙げられ、アダマンタンに由来する基が好ましい。

【0022】
炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
炭素数3〜30の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0023】
式(A−1)で表される酸発生剤のアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。
が、*−CO−O−であるアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0024】
が、*−CO−O−X11−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であるアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0025】
が、*−CO−O−又は*−CO−O−X11−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であり、芳香環を有するアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0026】
が、*−CO−O−CH−CO−O−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であるアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0027】

【0028】
が、*−CO−O−CH−CO−O−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であり、芳香環を有するアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0029】
が、*−CO−O−(CH−CO−O−(*は−CQ−との結合手を表し、nは、2〜12の整数を表す)であるアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0030】
が、*−CO−O−(CH−CO−O−(*は−CQ−との結合手を表し、nは、2〜12の整数を表す)であり、芳香環を有するアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。

【0031】
その他、下記のアニオンが挙げられる。

【0032】

【0033】
1+の有機カチオンとしては、下記式で表されるカチオン等が挙げられる。

【0034】
前記のアニオン及びカチオンは、任意に組合せることができる。
式(A−1)で表される酸発生剤は、単独でも複数種を同時に用いてもよい。式(A−1)で表される酸発生剤としては、好ましくは下記の塩が挙げられる。
【0035】

【0036】
[式(A−1−1)及び(A−1−2)中、Q、Q及びX11は上記と同じ意味を表す。
x1は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
x2は、水素原子又は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。]
【0037】
具体的には、下記の塩が挙げられる。
【0038】

【0039】
酸発生剤として、好ましくは式(A−2)で表される塩が挙げられる。

[式(A−2)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数3〜36の(t+1)価の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、水素原子、水酸基、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
tは、1〜3の整数を表す。tが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
2+は、式(IXa−2)、式(IXb−2)又は式(IXc−2)で表されるカチオンを表す。

[式(IXa−2)中、P〜Pは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P〜Pの炭素数の合計が3以上である。]

[式(IXb−2)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P及びPのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P及びPの炭素数の合計が2以上である。]

[式(IXc−2)中、P〜P17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜P17のうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【0040】
及びQとしては、Q及びQと同じものが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
【0041】
としては、Xと同じものが挙げられ、*−CO−O−X11−(*は−CQ−との結合手を表し、X11は、炭素数1〜6のアルキレン基を表す)であることが好ましい。
【0042】
としては、Yと同じものに加えて、さらにアダマンタノンに由来する基が挙げられ、アダマンタンに由来する基又はアダマンタノンに由来する基が好ましい。
【0043】
式(A−2)で表される酸発生剤のアニオンとしては、式(A−1)で表される酸発生剤のアニオンの欄で説明したアニオンに加えて、下記のアニオン等が挙げられる。
【0044】
式(A−2)で表される酸発生剤のアニオンとしては、例えば、以下の式(IA)、式(IB)、式(IC)及び式(ID)で表されるアニオンなどが挙げられる。
【0045】

【0046】
[式(IA)、式(IB)、式(IC)及び式(ID)中、Q、Q及びY、R及びtは、上記と同じ意味を表す。
13は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。]
【0047】
式(IA)中、Rが水酸基であるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0048】

【0049】

【0050】
式(IA)中、Yがラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0051】

【0052】
式(IA)中、Yがケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0053】

【0054】
式(IB)中、Rが水酸基であるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0055】

【0056】
式(IB)中、Yがラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0057】

【0058】
式(IB)中、Yがケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0059】

【0060】
式(IC)中、Rが水酸基であるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0061】

【0062】
式(IC)中、Yがラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0063】

【0064】
式(IC)中、Yがケトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0065】

【0066】
式(ID)中、Rが水酸基であるアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0067】

【0068】
式(ID)中、Yがラクトン構造を有するアニオンとしては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0069】

【0070】
カチオンについて説明する。
〜P17における炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基としては、上記と同じものが挙げられる。
【0071】
式(IXa−2)で表されるカチオンとしては、以下のカチオンが挙げられる。

【0072】
式(IXb−2)で表されるカチオンとしては、以下のカチオンが挙げられる。

【0073】
式(IXc−2)で表されるカチオンとしては、以下のカチオンが挙げられる。

【0074】

【0075】
前記のアニオン及びカチオンは、任意に組合せることができる。
式(A−2)で表される酸発生剤は、単独でも複数種を同時に用いてもよい。式(A−1)で表される酸発生剤としては、好ましくは下記の塩が挙げられる。
【0076】

【0077】
[式(A−2−1)〜式(A−2−5)中、P〜P、Q、Q及びX11は上記と同じ意味を表す。]
【0078】
具体的には、下記の塩が挙げられる。
【0079】

【0080】
酸発生剤の製造方法について、例えば、式(A−1)においてXが−CO−O−X11−である酸発生剤を挙げて説明する。式(1)で表される塩と、式(2)で表されるオニウム塩とを、例えば、アセトニトリル、水、メタノール等の不活性溶媒中にて、0〜150℃程度の温度範囲、好ましくは0〜100℃程度の温度範囲で、攪拌して反応させて、酸発生剤を塩として得る方法などが挙げられる。
式(2)で表されるオニウム塩の使用量は、通常、式(1)で表される塩1モルに対して、0.5〜2モル程度である。該塩は再結晶で取り出してもよいし、水洗して精製してもよい。
【0081】

【0082】
[式(1)中、Q、Q、X11、Y、R及びsは、上記と同じ意味を表す。
は、Li、Na、K又はAgを表す。
式(2)中、Z は上記と同じ意味を表す。
は、F、Cl、Br、I、BF、AsF、SbF、PF又はClOを表す。]
【0083】
前記の製造に用いられる式(1)で表される塩の製造方法としては、例えば、先ず、式(3)で表されるアルコールと、式(4)で表されるカルボン酸とをエステル化反応させて、式(1)で表される塩を得る方法などが挙げられる。
【0084】

【0085】
[式(3)及び式(4)中、Q、Q、X11、Y、R、s及びMは、上記と同じ意味を表す。]
【0086】
別法としては、例えば、式(3)で表されるアルコールと式(5)で表されるカルボン酸とをエステル化反応した後、MOHで加水分解して式(1)で表される塩を得る方法等も挙げられる。
【0087】

【0088】
[式(3)及び式(5)中、Q、Q、X11、Y、R及びsは、上記と同じ意味を表す。]
【0089】
前記エステル化反応は、通常、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒中にて、20〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。エステル化反応においては、通常、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸及び/又は硫酸等の無機酸を添加してもよい。
また、エステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施してもよい。
【0090】
エステル化反応における式(4)又は式(5)で表されるカルボン酸の使用量は、通常、式(3)で表されるアルコール1モルに対して、0.2〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒の使用量は、触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001〜5モル程度である。
【0091】
また、本発明レジスト組成物は、上述した酸発生剤とは異なるその他の酸発生剤を含有してもよい。その他の酸発生剤としては、公知の酸発生剤が挙げられる。
【0092】
本発明レジスト組成物は、樹脂(以下「樹脂(B)」という場合がある)を含み、該樹脂は、式(II)で表される構造単位を有する。
【0093】

【0094】
[式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、−[CH−、又は−[CH−R−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。
は、2価の炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
は炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、グリシドキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基、該脂肪族炭化水素基、該アルコキシ基、該芳香族炭化水素基、該アラルキル基、該グリシドキシ基及び該アシル基に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。]
【0095】
式(II)で表される構造単位としては、具体的には、例えば、イソボルニルエステル及び2−アルキル−2−アダマンチルエステル、1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルエステルのような飽和環状炭化水素基を含むエステルなどが挙げられる。
【0096】
これらの中で、式(IIa)又は式(IIb)で表される構造単位が好ましい。
【0097】

【0098】
[式(IIa)及び式(IIb)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の飽和環状炭化水素基を表す。
は、メチル基を表す。
nは、0〜14の整数を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜8の炭化水素基を表すか、RとRとが一緒になって炭素数3〜6の環を形成していてもよく、その場合には該環はヘテロ原子を含んでもよい。また、RとRとが一緒になってRが結合する炭素原子とRが結合する炭素原子との間の直接結合を表すか、Rが結合する炭素原子とRが結合する炭素原子との間で二重結合を形成してもよい。
mは、1〜3の整数を表す。
Z’’は、単結合又は、−[CH−を表し、−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。
は、式(I)におけるものと同じものを表す。
kは、1〜8の整数を表す。]
【0099】
式(IIa)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】
また、式(IIb)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0106】

【0107】

【0108】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル又はメタクリル酸1−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニル)メチル等を好ましく挙げることができる。
【0109】
式(II)で表される構造単位としては、水酸基(ただし、カルボキシル基の−OH基は除く)を側鎖に有する構造単位を複数種類含んでもよい。
【0110】
水酸基(ただし、カルボキシル基の−OH基は除く)を側鎖に有する構造単位としては、例えば、カルボン酸の各種エステル、具体的には、例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルに代表される環状アルキルエステル;ノルボルニルエステル、1−アダマンチルエステル、2−アダマンチルエステルのような多環式エステルの一部が水酸基に置換された構造等があげられる。
【0111】
これらの中で、式(III)で表される構造単位等を挙げることができる。
【0112】

【0113】
[式(III)中、R31は、水素原子又はメチル基を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子、メチル基又は水酸基を表す。
は、メチル基を表す。
n’は、0〜10の整数を表す。
Z’’は、式(IIa)におけるものと同じ意味を表す。]
【0114】
式(III)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0115】

【0116】

【0117】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸1−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチル、メタクリル酸1−(3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチル等を好ましく挙げることができる。
【0118】
式(II)で表される構造単位としては、例えば、ラクトン構造を側鎖に有する構造単位を複数種類含んでもよい。該構造単位を導く化合物としては、具体的には、例えば、β−ブチロラクトン構造を有する化合物、γ−ブチロラクトン構造を有する化合物、シクロアルキル骨格やノルボルナン骨格にラクトン構造が付加した化合物などがあげられる。
【0119】
これらの中で、例えば、式(IVa)、式(IVb)又は式(IVc)のいずれかで表される構造単位等を好ましく挙げることができる。
【0120】

【0121】
[式(IVa)〜式(IVc)中、R41は、水素原子又はメチル基を表す。
は、水素原子又はメチル基を表す。
lは、1〜5の整数を表す。lが2以上のとき、複数のRは、互いに同一でも異なってもよい。
10及びR11は、互いに独立に、カルボキシル基、シアノ基又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。
l’は、0〜3の整数を表す。l’が2以上のとき、複数のR10及びR11は、互いに同一でも異なってもよい。
Z’’は、式(IIa)におけるものと同じ意味を表す。]
【0122】
式(IVa)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0123】

【0124】
また、式(IVb)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0125】

【0126】

【0127】
また、式(IVc)で表される構造単位を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0128】

【0129】

【0130】
これらの中でも、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03.7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルから得られる樹脂等を好ましく挙げることができる。
【0131】
また、樹脂(B)として、例えば、式(II)で表される構造単位以外の構造単位を有してもよく、好ましくは3種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂であり、より好ましくは4種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂である。
式(II)で表される構造単位以外の構造単位としては、例えば、2−ノルボルネンから導かれる構造単位等が挙げられる。2−ノルボルネンは、重合の際に、例えば対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入してもよい。2−ノルボルネンから導かれる構造単位は、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成され、式(d)で表すことができる。また、無水マレイン酸及び無水イタコン酸から導かれる構造単位は、無水マレイン酸及び無水イタコン酸の二重結合が開いて形成され、それぞれ式(e)及び(f)で表すことができる。
【0132】

【0133】
ここで、式(d)中のR25及びR26は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシル基、シアノ基もしくは−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、R25及びR26が、−C(=O)OC(=O)−で表されるカルボン酸無水物残基を表す。
前記−COOUは、カルボキシル基がエステルとなったものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、2−オキソオキソラン−3−又は−4−イル基などを挙げることができる。ここで、脂肪族炭化水素基の置換基として、水酸基や炭素数4〜36の飽和環状炭化水素残基などが結合していてもよい。
25及びR26における脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基が結合した脂肪族炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
【0134】
式(d)で表されるノルボネン構造を導くモノマーの具体例としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
【0135】
なお、式(d)中の前記−COOUのUについて、カルボキシル基の酸素側に結合する炭素原子が4級炭素原子である飽和環状炭化水素基を含むエステルなどの酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。ノルボルネン構造と酸に不安定な基とを含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0136】
前記の構造単位は、任意に組合せることができる。
【0137】
本発明レジスト組成物において、式(I)におけるYと式(II)におけるYとが同じ骨格の基であることが好ましい。
【0138】
また、本発明レジスト組成物を製造するにあたっては、樹脂及び酸発生剤とともに、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけ好ましくはアミン又はアンモニウム塩を含有させることができる。塩基性化合物をクエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。
【0139】

【0140】

【0141】
式中、T、T及びTは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基の水素原子、該飽和環状炭化水素基の水素原子及び芳香族炭化水素基の水素原子は、水酸基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
【0142】
〜Tは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基の水素原子、該飽和環状炭化水素基の水素原子、該芳香族炭化水素基の水素原子及び該アルコキシ基の水素原子は、水酸基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
【0143】
は、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜10の飽和環状炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基の水素原子又は該飽和環状炭化水素基の水素原子は、水酸基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
【0144】
Aは、炭素数2〜6のアルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。
【0145】
このような化合物として、具体的には、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2’−ジピコリルアミン、3,3’−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンなどを挙げることができる。
【0146】
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
【0147】
より好ましいクエンチャーとしては、前記式(XII)で表される化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラヘキシルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラオクチルアンモニウムハイドロオキサイド、フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、3−トリフルオロメチル−フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。
【0148】
本発明の本発明レジスト組成物は、その全固形分量を基準に、通常、樹脂を80〜99質量%程度、酸発生剤を1〜30質量%程度の範囲で含有すればよい。
【0149】
また、本発明レジスト組成物がクエンチャーとして塩基性化合物を含有する場合、該塩基性化合物の含有量は、本発明レジスト組成物の全固形分量を基準に、通常、0.01〜5質量%程度の範囲である。
【0150】
本発明レジスト組成物は、通常、溶剤に前記の各成分を溶解した状態で提供される。前記の溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0151】
また、本発明レジスト組成物は、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0152】
また、本発明は、以下の工程を含むパターン形成方法を提供する。
【0153】
(1)1項〜6項のいずれか記載の組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程
(3)組成物層に液浸露光機を用いて露光する工程
(4)露光後の組成物層を加熱する工程
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程
【0154】
基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行われる。
次いで、溶剤の除去は、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を沸騰させることにより行われるか、又は減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。
得られた組成物層には、液浸露光機を用いて、露光される。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。
次いで、露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理が行われる。当該加熱温度としては、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。
次いで、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液で現像される。ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスされ、基板及びパターン上に残った水が除去されて、パターンが得られる。
本発明レジスト組成物は、ダブルイメージング用にも用いることができるので、本発明は工業的に有用である。
本発明の液浸露光用化学増幅型レジスト組成物は、優れたパターン形状を維持しつつ、優れたラインエッジラフネスを示すパターンを形成し得る組成物等を与える。また、液浸露光に加えて、ArFエキシマレーザーを光源とするドライ露光や、EUV露光などにも適用できる。
【実施例】
【0155】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例の中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
【0156】
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
【0157】
装置;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL−M 3本+ guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
【0158】
また、化合物の構造は、NMR(GX−270型又はEX−270型;日本電子(株)製)、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型又はLC/MSD TOF型)を用いて確認された。
【0159】
(酸発生剤AA1の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.4部を得た(無機塩含有、純度62.7%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)及びN,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し、2時間撹拌して混合物を調製した。
一方、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部及びN,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した。この溶液に、前記の混合物を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含む溶液をそのまま次の反応に用いた。得られたジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含むの溶液に、クロロホルム17.2部、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムクロライド0.5部及び水2.5部を添加した。15時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム6.5部で抽出することにより、有機層を回収した。前記の各有機層を合せた後、イオン交換水で洗浄し、その後、得られた有機層を濃縮し、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(AA1)0.15部を得た。
【0160】

【0161】
得られた(AA1)の溶解度を、次のようにして測定した。
(AA1)50mgを23℃の水5mLに加えて12時間放置した。その後、0.45μmのフィルタで濾過し、得られた濾液中に含まれる(AA1)の濃度を、HPLCを用いて、以下の条件で内部標準法により分析した。分析の際、内部標準物質としてフタル酸ジメチルを使用した。23℃における(AA1)の水への溶解度は、0.10%であった。
装置 :Shimadzu LC−20A
カラム :L−Column ODS(3mmΦ×150mm、3μm)
移動相 :A液0.1%トリフルオロ酢酸/水
B液0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル
移動相中のB液濃度:10%−(35分)−80%(5分)
流量 :0.5mL/分
温度 :40℃
検出波長:254nm
注入量 :10μL
【0162】
(酸発生剤AA2の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部を得た(無機塩含有、純度62.6%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.4部(純度35.6%)に、アセトニトリル16部及びイオン交換水16部を加えた。得られた混合物に、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムクロライド1.8部、アセトニトリル5部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた混合物をクロロホルム142部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮して、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA2)1.8部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA2)の水への溶解度は、0.10%であった。
【0163】

【0164】
(酸発生剤AA3の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた混合物を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部を得た(無機塩含有、純度62.6%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.4部(純度35.6%)に、アセトニトリル16部及びイオン交換水16部を加えた。得られた混合物に、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムクロライド2.0部、アセトニトリル5部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、クロロホルム142部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、これを撹拌した後、濾過することにより、白色固体としてトリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA3)1.2部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA3)の水への溶解度は、0.03%未満であった。
【0165】

【0166】
(酸発生剤AA4の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部を得た(無機塩含有、純度62.6%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.4部(純度35.6%)に、アセトニトリル16部及びイオン交換水16部を加えた。得られた混合物に、ジ(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウムヨーダイド2.5部、アセトニトリル5部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、クロロホルム142部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮し、ジ(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA4)1.3部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA4)の水への溶解度は、0.03%未満であった。
【0167】

【0168】
(酸発生剤AA5の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部及びイオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。得られた混合物を100℃で2.5時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩328.19部を得た(無機塩を除去していないため、含有量63.5%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩39.4部(含有量63.5%)、1−アダマンタンメタノール21.0部及びジクロロエタン200部の混合物に、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)24.0部を加え、7時間加熱還流した。得られた混合物を濃縮してジクロロエタンを留去し、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル250部を添加し、リパルプ後、濾過した。濾過残渣に、アセトニトリル250部を添加し、撹拌した後、濾過し、得られた濾液を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩32.8部を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩32.8部を、イオン交換水100部に溶解させた。得られた溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド28.3部及びメタノール140部溶液を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、クロロホルム200部で2回抽出することにより、有機層を回収した。2回の抽出により回収された有機層を合せて、該有機層が中性になるまでイオン交換水を用いた洗浄操作を繰り返し、その後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル300部を添加し、撹拌した後、濾過して白色析出物を回収し、これを減圧乾燥することにより白色結晶としてトリフェニルスルホニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA5)を39.7部得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA5)の水への溶解度は、0.07%であった。
【0169】

【0170】
(酸発生剤AA6の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル200部及びイオン交換水300部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液460部を滴下した。得られた今後物を100℃で2.5時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸175部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩328.19部を得た(無機塩を除去していないため、含有量63.5%)。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩39.4部(含有量63.5%)、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール22.5部及びトルエン250部の混合物に、ジフェニルアンモニウムトリフレート(DPAT)0.8部を加え、これを36時間加熱還流した。得られた混合物を、濃縮した後、アセトニトリルで抽出して有機層を回収し、該有機層を濾過した後、得られた濾液を濃縮した。濃縮物液にtert−ブチルメチルエーテル60部を添加し、リパルプ後、濾過し、得られた濾過残渣を乾燥することにより、白緑色固体としてジフルオロスルホ酢酸−3−トリル−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩41.8部を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩30.0部を、クロロホルム450部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド水溶液(純度14.2%)173.6部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、分液して有機層を回収し、該有機層を水洗する工程を繰り返した後、得られた有機層に活性炭8.0部を加えて攪拌した後、ろ過して有機層を回収し、該有機層を濃縮した。得られた濃縮物に酢酸エチルを加えた後、攪拌し、生成した白色固体を濾過して取り出し、これを乾燥することにより、トリフェニルスルホニウム(3−トリルアダマンチル)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA6)27.0部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA6)の水への溶解度は、0.03%であった。
【0171】

【0172】
(酸発生剤AA7の合成)
トリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート5部、1−メチルナフタレン11.55部及びモノクロロベンゼン50.0部の混合物に、室温でトリフルオロ酢酸0.37部を添加した後、これを130℃で9時間還流した。得られた混合物を濃縮した後、得られた濃縮液に、クロロホルム135部を仕込み、有機層を合せてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮し、トリフェニルスルホニウム(3−ナフチルアダマンチル)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(AA7)1.3部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA7)の水への溶解度は、0.05%であった。
【0173】

【0174】
(酸発生剤AA8の合成)
リチウムアルミニウムハイドライド10.4部、無水テトラヒドロフラン120部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、エチルジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩62.2部を無水THF900部に溶かした溶液を氷冷下で滴下し、23℃で5時間攪拌した。反応マスに酢酸エチル50.0部、6N塩酸50.00部を添加、攪拌後、分液を行った。有機層を濃縮後、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩を84.7g得た(純度60%)。
また、4−オキソ−1−アダマンタンカルボン酸4.5部、無水THF90部を添加し室温で30分間攪拌し溶解した。この溶液にカルボニルジイミダゾール3.77部、無水THF45部の混合溶液を室温で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応溶液を、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩7.87部(純度60%)、無水THF50部の混合中に、54℃〜60℃で30分間で滴下した。反応溶液を65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム 4−オキソ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート4.97部(収率59%)を得た。
次いで、ナトリウム 4−オキソ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート1.0部、クロロホルム20部を仕込み、23℃で30分間攪拌後、更にトリス(4−メチルフェニル)スルホニウムクロライド0.94部、クロロホルム8.6部及びイオン交換水2.5部を23℃で加えた。12時間室温で攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(AA8)0.95部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA8)の水への溶解度は、0.10%であった。
【0175】

【0176】
(酸発生剤AA9の合成)
3−ヒドロキシ−1−アダマンタンカルボン酸3.51部、無水THF75部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、カルボニルジイミダゾール2.89部、無水THF50部の混合溶液を23℃で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応液を、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩6.04部(純度60%)、無水THF50部の混合液中に54〜60℃で、25分間で滴下し、65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム 3−ヒドロキシ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート2.99部を得た。
ナトリウム 3−ヒドロキシ−1−アダマンチルカルボニルオキシメチルジフルオロメタンスルホナート1.0部、クロロホルム30部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムクロライド0.94部、クロロホルム8.6部及びイオン交換水2.5部を23℃で12時間攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(AA9)0.89部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA9)の水への溶解度は、0.10%であった。

【0177】
(酸発生剤AA10の合成)
5−ヒドロキシメチル−2−アダマンタノン エチレンケタール1.00部、ピリジン2.47部、無水塩化メチレン5部を添加し23℃で30分間攪拌した。次いで、氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.37部、塩化メチレン5部の溶解液を滴下し、3〜5℃で2時間攪拌した。反応溶液に塩化メチレン10部、イオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)分取することにより、5−トリフルオロメタンスルホニルメチル−2−アダマンタノン エチレンケタール1.19部を得た。
水素化ナトリウム0.2285部、無水ジメチルスルホキシド3部を添加し、60℃で30分間攪拌した。次いで、2,2−ジフルオロ−2−スルホエタノールのナトリウム塩0.62部を添加し、60℃で1時間攪拌した。更に、5−トリフルオロメタンスルホニルメチル−2−アダマンタノンエチレンケタール1.00部、無水ジメチルスルホキシド9部の溶解液を滴下し、60℃で5時間攪拌した。冷却後、反応マスをカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、ナトリウム スピロ{アダマンタン−4,4’−[1,3]ジオキソラン}−1−イル−メトキシメチルジフルオロメタンスルホナート0.28部を得た。
ナトリウム スピロ{アダマンタン−4,4’−[1,3]ジオキソラン}−1−イル−メトキシメチルジフルオロメタンスルホナート0.2部、クロロホルム10部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムクロライド0.22部、クロロホルム3.0部及びイオン交換水0.6部を23℃で36時間攪拌した後、分液を行った。有機層にイオン交換水10部を添加、分液水洗を行った。この操作を3回行った。その後、硫酸マグネシウム1部を添加、23℃で30分間攪拌後、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物(AA10)0.23部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(AA10)の水への溶解度は、0.09%であった。

【0178】
(酸発生剤A1の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水150部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.4部(無機塩含有、純度62.7%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)及びN,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し、2時間撹拌して混合物を調製した。
一方、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部及びN,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した。この溶液に、前記の混合物を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含む溶液をそのまま次の反応に用いた。得られたジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を含む溶液に、クロロホルム17.2部及び14.8%トリフェニルスルホニウムクロライド水溶液2.9部を添加した。15時間撹拌した後、分液して有機層を回収した。次いで、残った水層をクロロホルム6.5部で抽出することにより有機層を回収した。さらに残った水層に、前記の抽出操作を繰り返して行い、さらに有機層を回収した。前記の各有機層を合せた後、イオン交換水で洗浄し、その後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後、濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(A1)0.2部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(A1)の水への溶解度は、0.57%であった。
【0179】

【0180】
(酸発生剤A2の合成)
ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部及びイオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。得られた混合物を100℃で3時間還流し、冷却した後、これを濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩164.8部(無機塩含有、純度62.6%)を得た。得られたジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(純度62.6%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部及びエチルベンゼン100部の混合物に、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。得られた混合物を冷却した後、濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することにより、ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.5部を得た。H−NMRによる純度分析の結果、その純度は35.6%であった。得られたジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩5.4部(純度35.6%)に、アセトニトリル16部及びイオン交換水16部を加えた。得られた混合物に、トリフェニルスルホニウムクロライド1.7部、アセトニトリル5部及びイオン交換水5部を添加した。得られた混合物を15時間撹拌した後、濃縮し、得られた混合物をクロロホルム142部で抽出することにより有機層を回収した。回収された有機層をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を濃縮した。濃縮物をtert−ブチルメチルエーテル24部でリパルプすることにより、白色固体としてトリフェニルスルホニウム−4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(A2)1.7部を得た。前記と同様にして測定した23℃における(A2)の水への溶解度は、0.48%であった。
【0181】

【0182】
続いて、樹脂の合成例を以下に記載する。当該合成例に用いたモノマーは、下記の通りである。
【0183】

【0184】
〔樹脂B1の合成〕
モノマーA、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比35:15:20:30の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8100の共重合体を収率78%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B1とした。
【0185】

【0186】
〔樹脂B2の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比30:15:5:20:30の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8500の共重合体を収率73%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B2とした。
【0187】

【0188】
〔樹脂B3の合成〕
モノマーF、モノマーE、モノマーB、モノマーC及びモノマーIを、モル比35:5:15:30:5の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して1.2質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7600の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B3とした。
【0189】

【0190】
〔樹脂B4の合成〕
モノマーA、モノマーB及びモノマーDを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8000の共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B4とした。樹脂B4における無置換のアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は50モル%であり、水酸基で置換されたアダマンチル骨格を有するモノマーから導かれる構造単位の比率は25モル%である。
【0191】

【0192】
〔樹脂B5の合成〕
モノマーJ、モノマーK及びモノマーDを、モル比40:20:40の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、0.8mol%と2.4mol%との割合で添加し、これを67℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約10000の共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B5とした。
【0193】

【0194】
〔樹脂B6の合成〕
モノマーLを仕込み、次いで、モノマーLに対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、0.5mol%と1.5mol%との割合で添加し、これを65℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約12000の共重合体を収率57%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B6とした。
【0195】

【0196】
〔樹脂B7の合成〕
モノマーMを仕込み、次いで、モノマーMに対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、2mol%と6mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約5000の共重合体を収率58%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B7とした。
【0197】

【0198】
〔樹脂B8の合成〕
モノマーJ、モノマーK及びモノマーDを、モル比35:20:45の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを72℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7000の共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂B8とした。
【0199】

【0200】
実施例及び比較例
表1に示すように、以下の各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することにより、化学増幅型フォトレジスト組成物を調製した。
【0201】
<酸発生剤>
酸発生剤合成例参照AA1〜10、A1〜2
C1:ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホナート
(前記と同様の測定方法による23℃における(C1)の水への溶解度は、0.97%であった。)
<樹脂>
樹脂合成例参照B1〜8
【0202】
<クエンチャー>
Q1:2,6−ジイソプロピルアニリン
Q2:トリエタノールアミン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
【0203】
シリコンウェハーに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記の化学増幅型フォトレジスト組成物を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。組成物塗布後、得られたシリコンウェハーをダイレクトホットプレート上にて、95℃で60秒間プリベークした。このようにして化学増幅型フォトレジスト組成物の膜が形成されたシリコンウェハーに、ArFエキシマステッパー〔XT:1900Gi;ASML製、NA=1.35〕を用いて、露光量を段階的に変化させて、ラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、前記シリコンウェハーは、ホットプレート上にて95℃で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理された。次いで、得られたシリコンウェハーは、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像された。
有機反射防止膜を塗布した基板の上に形成された現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を表2に示した。なお、ここでいうダークフィールドパターンとは、外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られるパターンであり、露光現像後は、ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるものである。得られたパターン等について、以下の評価を行った。
【0204】
実効感度:70nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で示した。
形状評価:70nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光し、得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡(S−4100;日立製作所社製)で観察し、比較例2を基準(△で表記)とし、これよりもトップ形状が矩形に近いものであり良好なものを○、変化のないものを△、トップ形状がT字型に近いもの、丸いものであるか、パターン倒れが多く観察されるものを×として判断した。
ラインエッジラフネス評価(LER):リソグラフィプロセス後のレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、比較例2を基準(△で表記)とし、これよりも滑らかになっているものを○、変化のないものを△、滑らかでなくなっているものを×として判断した。
【0205】
〔表1〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例No. 樹脂 酸発生剤 クエンチャー PB/PEB
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 B1/10部 AA1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例2 B1/10部 AA2=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例3 B1/10部 AA3=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例4 B1/10部 AA4=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例5 B1/10部 AA5=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例6 B1/10部 AA6=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例7 B1/10部 AA7=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例8 B1/10部 AA1/A1=0.5/0.2部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例9 B1/10部 AA1/A1=0.2/0.5部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例10 B1/10部 AA2/A2=0.5/0.2部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例11 B1/10部 AA2/A2=0.2/0.5部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例12 B1/10部 AA2/A1=0.2/0.5部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例13 B1/10部 AA2/A1/A2=0.2/0.3/0.2部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例14 B1/10部 AA3/A1=0.5/0.2部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例15 B1/10部 AA3/A1=0.2/0.5部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例16 B1/10部 AA4/A1=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例17 B1/10部 AA5/A1=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例18 B1/10部 AA6/A1=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例19 B1/10部 AA6/AA4=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例20 B1/10部 AA6/A1=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例21 B1/10部 AA6/AA4=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例22 B2/10部 AA1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例23 B3/10部 AA1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例24 B4/10部 AA1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例25 B2/10部 AA8=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例26 B2/10部 AA9=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例27 B2/10部 AA10=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例28 B2/10部 AA8/AA2=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例29 B2/10部 AA9/AA1=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
実施例30 B2/10部 AA10/AA2=0.4/0.3部 Q1/0.065部 95℃/95℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 B1/10部 A1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
比較例2 B1/10部 A2=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
比較例3 B1/10部 C1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
比較例4 B1/10部 C1=0.35部 Q1/0.065部 95℃/95℃
比較例5 B4/10部 A1=0.7部 Q1/0.065部 95℃/95℃
比較例6 B5/10部 C1=0.5部 Q2/0.025部 95℃/95℃
比較例7 B5/B6=10/1部 C1=0.5部 Q2/0.025部 120℃/110℃
比較例8 B8/B6/B7=10/0.1/0.5部 C1=0.8部 Q3/0.12部 120℃/110℃
比較例9 B8/B6/B7=10/0.1/0.5部 C1=0.8部 Q3/0.12部 120℃/110℃
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比較例9は、更に、サリチル酸 0.132部を添加した組成である。
【0206】
〔表2〕
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例No. 実効感度 パターン パターンの
(mJ/cm) の形状 LER
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実施例1 28 ○ ○
実施例2 27 ○ ○
実施例3 37 △ ○
実施例4 35 ○ ○
実施例5 30 △ ○
実施例6 32 ○ ○
実施例7 32 ○ ○
実施例8 30 ○ ○
実施例9 33 ○ ○
実施例10 29 ○ ○
実施例11 32 ○ ○
実施例12 33 ○ ○
実施例13 33 ○ ○
実施例14 37 △ ○
実施例15 36 ○ ○
実施例16 35 ○ ○
実施例17 32 ○ ○
実施例18 33 ○ ○
実施例19 33 ○ ○
実施例20 33 ○ ○
実施例21 33 ○ ○
実施例22 29 ○ ○
実施例23 30 ○ ○
実施例24 24 ○ ○
実施例25 29 ○ ○
実施例26 31 ○ ○
実施例27 29 ○ ○
実施例28 28 ○ ○
実施例29 30 ○ ○
実施例30 29 ○ ○
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比較例1 35 × △
比較例2 34 △ △
比較例3 18 × ×
比較例4 32 × △
比較例5 22 × △
比較例6 26 × △
比較例7 28 × △
比較例8 29 × ×
比較例9 31 × ×
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【産業上の利用可能性】
【0207】
本発明の液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物によれば、優れた形状及びラインエッジラフネスを有するパターンを形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
23℃における水への溶解度が0.1%以下である酸発生剤と、樹脂とを含有する液浸露光用化学増幅型フォトレジスト組成物。
【請求項2】
酸発生剤が、式(A−1)で表される塩である請求項1記載の組成物。

[式(A−1)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数7〜36の(s+1)価の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
sは、1〜3の整数を表す。sが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
1+は、式(IXa−1)、式(IXb−1)又は式(IXc−1)で表されるカチオンを表す。

[式(IXc−1)中、Bは、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【請求項3】
酸発生剤が、式(A−2)で表される塩である請求項1記載の組成物。

[式(A−2)、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数3〜36の(t+1)価の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
は、水素原子、水酸基、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜30の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
tは、1〜3の整数を表す。tが2又は3のとき、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよい。
2+は、式(IXa−2)、式(IXb−2)又は式(IXc−2)で表されるカチオンを表す。

[式(IXa−2)中、P〜Pは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P〜Pの炭素数の合計が3以上である。]

[式(IXb−2)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P及びPのうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、P及びPの炭素数の合計が2以上である。]

[式(IXc−2)中、P〜P17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表し、P〜P17のうち少なくとも1つは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。
は、−S−又は−O−を表す。
は、0又は1の整数を表す。]]
【請求項4】
前記Yが、アダマンタンに由来する基である請求項2記載の組成物。
【請求項5】
前記Yが、アダマンタン又は2−アダマンタノンに由来する基である請求項3記載の組成物。
【請求項6】
前記樹脂が、式(II)で表される構造単位を有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の組成物。

[式(II)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、−[CH−、又は−[CH−R−を表し、該−[CH−に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。
は、2価の炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
は炭素数4〜36の飽和環状炭化水素基を表し、該飽和環状炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、グリシドキシ基又は炭素数2〜4のアシル基で置換されていてもよく、該飽和環状炭化水素基、該脂肪族炭化水素基、該アルコキシ基、該芳香族炭化水素基、該アラルキル基、該グリシドキシ基及び該アシル基に含まれる−CH−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。]
【請求項7】
前記樹脂が、3種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
【請求項8】
前記樹脂が、4種以上のモノマーから導かれる構造単位を含んでなる樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
【請求項9】
前記樹脂が、水酸基を側鎖に有する構造単位及びラクトン構造を側鎖に有する構造単位を有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかのいずれか記載の組成物。
【請求項10】
以下の工程を含むパターン形成方法。
(1)請求項1〜9のいずれか記載の組成物を基板上に塗布する工程
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程
(4)露光後の組成物層を加熱する工程
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程

【公開番号】特開2010−152341(P2010−152341A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262879(P2009−262879)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】