説明

温度制御のための流体ゾーンを備えるワークピース支持体

ワークピース支持体は、ワークピースを受容および保持するためのワークピース受容面を規定する。ワークピース支持体は、複数の流体ゾーンを含む。例えばガスなどのような流体が、ワークピース支持体の上のワークピースとコンタクトするための流体ゾーンに供給される。流体は、所定の位置におけるワークピースの温度を制御するために、熱伝導性特性を有するよう選択することができる。本発明によれば、前記流体ゾーンの少なくともいくつかは、前記ワークピース受容面にて異なる方位位置を有する。このようにしてワークピースの温度を、放射方向だけではなく角度方向においても調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
種々異なる種類のワークピースを加工処理するために、種々異なる種類の加工処理室を使用することができる。ワークピースは、例えばガラス板、フィルム、リボン、ソーラーパネル、鏡、液晶ディスプレイ、半導体ウェハ等を含むことができる。例えば集積回路チップの製造中に半導体ウェハを加工処理するために、多くの異なる種類の加工処理室を使用することができる。加工処理室は、ウェハをアニール処理するため、すなわち化学気相成長、物理気相成長、プラズマおよび化学エッチング、熱処理、表面工学等の処理を実行するために使用することができる。この種の加工処理室は、通常、加工処理室内にワークピースを保持するためのワークピース支持体を含む。
【0002】
多くの加工処理において、加工処理中のワークピースの温度を制御することが望ましい。加工処理は、例えばワークピースの温度が均一であり、かつ所期のレートで所期の最高温度および最低温度に増減される場合に最適化することができる。
【0003】
従来、ワークピース支持体は、ワークピースを加熱および冷却するため、またはワークピースの温度を制御するために使用されてきた。米国特許第5609720号、米国特許5761023号、および特開平1−251735号(特願昭S63−78975(1988))は、全て参照によって本願発明に組み込まれるが、これらの文献においては、種々異なる圧力における熱伝導性ガスが充填された環状のチャネルを規定する上面を有するワークピース支持体が開示されており、このガスはワークピース温度を制御するためにワークピースの底面とコンタクトしている。例えば米国特許第5761023号は、表面に多数の圧力ゾーンが設けられたワークピース支持体を開示している。2つのゾーンを異なるガス圧力にできるように、これら2つの異なるゾーン間にはシール領域が設けられている。より大きな熱移動が望まれるワークピース領域に対応するゾーンにはより高い圧力が供給される。このようにして、ワークピースが加工処理にさらされている間にワークピースの温度を制御することができるが、ここでこの加工処理がワークピースの温度に影響を与え得る。
【0004】
温度の不均一性および支持体上に保持されたワークピースを制御できるワークピース支持体を設計するために多くの試みがなされてきたが、種々の欠点および障害が依然として残っている。従って、加工処理室内のワークピースの温度を制御することができるワークピース支持体をさらに改善する必要性が存在する。
【0005】
概して、本発明は、ワークピース加工処理室においてワークピースを保持するためのワークピース支持体、加工処理室におけるワークピースの温度を制御するための方法、およびワークピース加工処理システムに関する。本発明によれば、ワークピース支持体は、該ワークピース支持体とワークピースとの間にガスなどのような流体を供給する複数の流体ゾーンを含み、このゾーン内においてワークピースの温度を制御する。本発明によれば、少なくともいくつかのゾーンは軸対称ではない。このようにして、例えば加工処理によって引き起こされた不均一な熱流束のせいで温度不規則性が発生し得る、ワークピースの方位方向に沿った種々異なる位置において、ワークピースの温度を制御することができる。
【0006】
例えば1つの実施形態においては、本発明は、ワークピース受容面を規定するワークピース支持体を含むワークピース支持体に関する。ワークピース受容面は、半導体ウェハなどのようなワークピースを受容および保持するためものものである。しかしながら、本発明によるワークピース支持体の上には、あらゆる適当なワークピースを保持できることを理解すべきである。ワークピース支持体は、複数の流体ゾーンに仕切られたワークピース受容面を含む。各流体ゾーンは、1つの流体ゾーンとこれに対応するワークピースの面部分との間において予圧された流体を包有するために、対応する流体供給部と連絡している。流体が各流体ゾーンに供給されると、各流体ゾーンは予圧された状態になる。これらの流体ゾーンはそれぞれ隔てられており、各ゾーンが他のゾーンとは独立して予圧されるように構成されている。さらに、少なくともいくつかのゾーンは、ワークピース受容面にて異なる方位位置(azimuthal position)を有する。このような構成によれば、各方位ゾーンにおける温度を独立に調整することができ、不均一な方位方向の加工処理の影響を修正することによって、ワークピースの面にわたる温度プロフィールを所期のように制御することが可能となる。
【0007】
例えば1つの実施形態においては、ワークピース受容面は、周縁帯を含む外周縁を含むことができる。周縁帯は、異なる方位位置を有する流体ゾーンに分割することができる。例えば、周縁帯は、約2個から12個のゾーン、例えば約3個から12個のゾーンに分割することができる。1つの実施形態においては、ワークピース支持体はさらに、ワークピース受容面の中央に配置された流体ゾーンを含むことができる。この中央に配置された流体ゾーンは、円形または多角形の形状を有することができ、前記周縁帯によって取り囲こむことができる。
【0008】
異なる方位位置を有する流体ゾーンは全て、実質的に同じ形状および面積を有することができる。例えば周縁帯に沿って配置される場合には、この周縁帯を等分に分割することができる。しかしながら別の実施形態においては、異なる方位位置を有する流体ゾーンが、それぞれ異なるサイズおよび形状を有することも可能である。
【0009】
上に述べたように、流体ゾーンは独立的に操作することができる。例えば1つの実施形態においては、これらの流体ゾーンは、ワークピース支持体の上に配置されたワークピースとともに封止を形成する隆起部によって隔てられている。1つの実施形態においては、ワークピース支持体は、ワークピースとともに静電引力を形成する静電チャックを含むことができる。この実施形態においては、ワークピース支持体は、例えば、適当な誘電性材料に埋め込まれた少なくとも1つの金属製電極を含むことができる。各電極は誘電性材料の中に封入されており、ワークピース支持体はこの封入された電極に電圧を印加するためのDC電源と連絡することができる。
【0010】
本発明に従って製造されたワークピース支持体は、あらゆる適当な加工処理室と共に使用することができる。例えば1つの実施形態においては、ワークピース支持体を、加工処理室にプラズマを供給するためのプラズマ源と接続された加工処理室に配置することができる。プラズマ源は例えば加工処理室内にてワークピースにプラズマ化学気相成長を導くために使用することができる。しかしながらワークピース支持体は、例えばアニール処理、イオンエッチング、プラズマエッチング等のような別の種々異なる加工処理が実施される加工処理室において使用できることを理解すべきである。
【0011】
ワークピース支持体の温度をより良好に制御するために、加工処理室は、ワークピース支持体の上に配置されたワークピースの温度を測定する1つ以上の温度測定装置を含むことができる。加工処理室はさらに、温度測定装置と接続されたコントローラと、各流体ゾーンのための流体供給部とを含むことができる。コントローラはあらゆる適当なプログラマブルロジックユニットまたはマイクロプロセッサとすることができ、温度測定装置から受信した情報に基づいて各流体ゾーンにおける圧力を制御するように構成することができる。
【0012】
1つの実施形態においては、あらゆる適当なプログラマブルロジックユニットまたはマイクロプロセッサとすることができるコントローラを、モデルベース制御から受信した情報に基づいて各流体ゾーンにおける圧力を制御するように構成することができる。ここで各ゾーンへのエネルギ束は、このモデルベース制御アルゴリズムによって予測される。
【0013】
1つの実施形態においては、加工処理室は複数の温度測定装置を含むことができる。例えば温度測定装置は、各流体ゾーンの位置に対応するワークピース位置においてワークピースの温度をモニタリングすることができる。温度測定装置は例えばパイロメータを含むことができる。
【0014】
各流体ゾーンに供給される流体は特定の用途に応じて変更することができる。例えば、ワークピースと非反応性の流体を選択することができる。例えば1つの実施形態においては、ヘリウムなどのような非反応性ガスを各流体ゾーンに供給することができる。ガスがワークピースに及ぼす圧力の量もまた所期の結果に応じて変更することができる。概して、ワークピースに対するガス圧力が増加するにつれ、コンタクトされる特定のエリアにおけるワークピースの温度を調整するガスの調整能力が増加する。一般的にガス圧力は、約1トルから約800トル(133kPa)とすることができる。本発明は、ワークピース支持体および加工処理室に関する他に、ワークピースの温度を制御するための方法にも関する。方法は、例えば、加工処理室の中にあるワークピース支持体にワークピースを配置するステップを含む。ワークピースがワークピース支持体に配置されると、ワークピースは加工処理室にてエネルギ源にさらされ、ワークピースの温度の増加を引き起こす。エネルギ源は、例えばプラズマ源、熱エネルギ源等を含むことができる。加熱中にワークピースの温度を制御するために、ワークピースとワークピース支持体のワークピース受容面との間にある独立的に予圧された流体ゾーンに流体が供給される。各流体ゾーンは、ワークピースの対応部分の温度に影響を及ぼす。本発明によれば、複数の流体ゾーンのうち少なくともいくつかはワークピース受容面にて異なる方位位置に位置している。本発明の他の特徴および側面については以下で詳細に論じる。
【0015】
添付図面への参照を含め、明細書の以下の部分では、最良の実施形態を含めて本発明を完全かつ当業者にとって実施可能な程度により詳しく開示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に従って製造されたワークピース加工処理システムの1つの実施形態の断面図である。
【図2】図2は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の1つの実施形態の断面図である。
【図3】図3は、本発明に従って製造されたワークピース支持体のためのワークピース受容面の、1つの実施形態の断面図である。
【図4】図4は、本発明に従って使用することができる流体供給システムの1つの実施形態の線図である。
【図5】図5(a)および5(b)は、図2に図示されたワークピース支持体の断面図であり、図5(b)にはワークピース受容面の上に載置されたウェハが図示されている。
【図6】図6は、本発明のワークピース支持体に組み込むことができる双極電極の1つの実施形態の平面図である。
【図7】図7は、本発明に従って製造されたワークピース支持体に組み込むことができる流体冷却チャネルの斜視図である。
【図8】図8は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の別の実施形態の断面図である。
【図9】図9は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の別の実施形態の平面図である。
【図10】図10は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の別の実施形態の平面図である。
【図11】図11は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の別の実施形態の平面図である。
【図12】図12は、本発明に従って製造されたワークピース支持体の別の実施形態の平面図である。
【0017】
本明細書および図面において参照記号を繰り返して使用しているのは、本発明の同一または類似の特徴ないし要素を表すためである。
【0018】
当業者には、以下に示す考察は実施形態の説明のためにのみ為されるものであり、本発明のより広範な側面を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0019】
本発明は概して、ワークピースが加工処理室で加工処理されている間にワークピースを保持するだけではなくワークピースの温度を制御することも可能なワークピース支持体に関するものである。ワークピースの温度は、ワークピースと、ワークピース支持体の上面との間に形成される複数の流体ゾーンによって制御される。所期の熱伝導率特性を有するガスなどの流体がこの流体ゾーンの中に供給され、該流体ゾーンは、流体ゾーンに対向するワークピース面とガスとの間において熱移動を生じさせる。各流体ゾーンにて圧力を制御することによって、熱移動の量を変化させることができる。このようにして、ある特定の位置におけるワークピースの温度を調整することができる。
【0020】
本発明によれば、複数の流体ゾーンのうち少なくともいくつかは、ワークピースに関して互いに異なる方位位置に配置されている。従来、ワークピース支持体は、熱移動を制御するために複数の圧力ゾーンを含むよう提案されてきた。しかしながらこの圧力ゾーンは環状形を有していたので、軸対称に温度を若干制御することしか出来なかった。しかしながら本発明者は、ワークピースは軸対称には殆ど加熱も冷却もされないことを発見した。それよりもワークピースの温度は、加工処理されている間は典型的には放射状および方位角方向に変化するのである。温度の不均一性は、多数の要因によって起こり得る。種々異なる方位位置におけるワークピースの温度は、例えばワークピースの加熱のされ方、およびワークピースの冷却のされ方によって変化し得る。さらには、ワークピースとワークピース支持体とのコンタクトの仕方によっても、ワークピース温度は、ワークピース面に亘って不均一に変化し得る。従って本発明のワークピース支持体は、ワークピースにおける温度制御を放射方向と角度方向の両方において提供するよう設計されている。
【0021】
例えば図1を参照すると、本発明に従って製造されたワークピース加工処理システムの1つの実施形態が図示されている。図1に図示された実施形態においては、システムは加工処理室9を含む。加工処理室9は、ワークピース加工処理ステーション13を含む。加工処理ステーション13は、本発明に従って製造されたワークピース支持体12を含む。図1に図示された加工処理室は、半導体ウェハ等のような1つのワークピースを加工処理するために1つの加工処理ステーション13を含む。しかしながら、別の実施形態において、加工処理室9が1つ以上の加工処理ステーションを含んでいてもよいことを理解すべきである。
【0022】
図示されているように、加工処理ステーション13は加工処理領域14を含む。図1に図示された実施形態においては、加工処理領域14は隔離弁17と連絡している。隔離弁17は、ワークピースを交換できるように開閉する。隔離弁17は、加工処理室の壁10を封止している。
【0023】
図示された実施形態においては、ワークピース支持体12は静電チャックの機能を含む。静電チャックは静電力を生成するように構成されており、この静電力が、ワークピースをワークピース支持体の上面の上に保持する。より詳細には、静電チャックは、該静電チャックとワークピースとの間に、1つ、すなわち単極性の直流高圧、または2つ、すなわち双極性の直流高圧を印加することによって機能する。以下に詳細に説明するように、ワークピース支持体12は、静電チャック機能を可能にする誘電性材料の最上層を含むことができる。
【0024】
1つの実施形態においては、1つの、すなわち単極性のDC電圧が誘電体の上面に正の電荷を引き起こし、これによりワークピースにおいて負の電荷が誘引される。この電荷関係は、ワークピース支持体の上面とワークピースとの間に実質的に均一なクーロン引力を生成する。
【0025】
しかしながら本発明の教示および原理は、静電チャックを必ずしも含まない別のワークピース支持体にも適用できるということを理解すべきである。別の実施形態においては、2つの、すなわち双極性のDC電圧が、誘電体層の1つの側に正と負の電荷を引き起こす。これらの電荷は、ワークピース支持体の上面とワークピースとの間にクーロン引力を生成する。
【0026】
加工処理ステーション13は、ワークピースをワークピース支持体12の上にて受容するように構成されている。半導体ウェハなどのようなワークピースが加工処理室の中に装填されると、このワークピースは、該ワークピースが所期の物理的および/または化学的変化を受けるようにエネルギ源にさらされる。
【0027】
ワークピースを加工処理するために使用できるエネルギ源は、例えば、イオン源、反応性化学物質源、熱源、プラズマ源、またはこれらの組み合わせを含むことができる。ワークピースにエネルギを供給するために使用される熱源は、例えばプラズマアークランプ、タングステンハロゲンランプ、マイクロウェーブ、誘導体、抵抗ヒータ、またはこれらの組み合わせなどのような光エネルギ源を含む。
【0028】
図1に図示した実施形態においては、加工処理室10は、ワークピースにプラズマを供給するためのプラズマ源を含んでいる。プラズマは、1つ以上の誘導コイル40によって供給される。誘導コイル40は、RFインピーダンス整合装置(図示しない)と連絡しており、かつRF電源(図示しない)と連絡している。
【0029】
図2を参照すると、ワークピース支持体12の別の断面図が図示されている。図示されているように、ワークピース支持体12は、誘電部分20によって規定されたワークピース受容面18を含む。誘電部分20はベース部の表面に配置されており、該ベース部は、この実施形態においては第2ベース部分15の上に配置された第1ベース部分22を含む。ベース部分22および15は、あらゆる適当な金属製またはセラミック製材料から製造される。例えば1つの実施形態においては、ベース部分22および15はアルミニウムから製造することができる。ワークピース支持体12は、ワークピース支持体受け台57に取り付けられている。この受け台の目的は、ワークピース支持体のための頑強な機械的支持を提供することと、加工処理室9からの熱的および電気的な絶縁の両方を提供することである。
【0030】
1つの実施形態においては、ベース部分22および15を液体冷却することができる。これに関してワークピース支持体12は、複数の熱制御流体チャネル24を規定することができる。例えば図7を参照すると、ベース部の1つの実施形態が示されており、熱制御流体チャネル24が図示されている。図2に図示されるように、熱制御流体チャネル24は、一次熱制御流入管26と連絡している。水などのような熱制御流体が、熱制御流体チャネル24における循環のために一次熱制御流入管26の中に供給される。図示してはいないが、ワークピース支持体はさらに熱制御流出管を含むことができる。例えば熱制御流体が、熱制御流体チャネル24を通って流れた後にこの熱制御流出管の中に流れ込むことができる。1つの実施形態においては、熱制御流体を、熱制御流出管から熱交換器を通って流して、熱制御流体チャネルにて再循環させることができる。
【0031】
上に述べたように誘電部分20はベース部分22の表面に配置されており、ワークピース受容面18を規定している。誘電部分20は、セラミック材料のようなあらゆる適当な誘電性材料から製造することができる。誘電部分は、誘電性材料からなる多数の層を含むか、または1つの層を含むことができる。
【0032】
例えば図2に図示される1つの実施形態においては、誘電部分20は、より厚い第2誘電層30の表面に配置された第1誘電層28を含む。第1誘電層28は例えば約0.4mmから約1mmの厚さを有することができ、一方、第2誘電層30は約2mmから約5mmの厚さを有することができる。
【0033】
1つの実施形態においては、静電チャックを形成するために、図6に図示するような双極電極アレイ32を第1誘電層28と第2誘電層30の間に配置することができる。電極アレイ32は、図2に図示するように、DC電源34と連絡するように配置することができる。2つの異なるDC電圧を1つのDC電源によって供給することができるか、または2つの独立した電源によって供給することができる。DC電源34は、ワークピース受容面18と該受容面に保持されたワークピースとの間における静電引力を生成するための電界を形成するのに必要な電圧を供給する。DC電源によって生成される電圧の量は、静電引力の量を調整するために使用することができる。さらに、ワークピースをワークピース支持体から除去する必要がある場合には、電圧が生成されないようにDC電源をオフするか、または開始電位とは逆の極性の電圧を生成することができる。DC電圧は典型的には500ボルトから2000ボルトまで変化する。
【0034】
図2に図示されるように、ワークピース支持体12はさらにRF導管36と連絡することができる。RF導管36はインピーダンス整合装置(図示しない)と連絡しており、該インピーダンス整合装置は、ワークピースにRFバイアス電力を供給するためのRF電源38と連絡している。
【0035】
択一的実施形態においては、RF電源は、RF導管36と連絡しているRFインピーダンス整合装置(図示しない)を介してワークピース支持体12と連結することができる。この実施形態においては、加工処理ステーション13に供給される付加的なRF電力はない。
【0036】
択一的実施形態においては、RF電源は、ワークピース支持体12と連結されない。
【0037】
ワークピースの加工処理中、RF電源は、ワークピースの前面との所期の化学反応のためにプラズマ中のイオンおよび電子を生成する。他方で、RFバイアス電力は、イオンがワークピースの上面にぶつかる際に有するエネルギの独立的な制御を提供する。RF電源およびDC電源は両方とも、あらゆる適当な技術を使用して接地させることができる。例えば1つの実施形態においては、RF電源もDC電源も、加工処理室と連絡している電極に接地させることができる。
【0038】
図示された実施形態においては、加工処理室は、ワークピースを加工処理するために必要なプラズマを生成および維持するために、誘導性結合されたRF電力を使用する。RFバイアス電力は、電磁チャックとしても機能するワークピース支持体12によってプラズマと容量性結合されている。
【0039】
ワークピース受容面18にてワークピースを着脱するために、ワークピース支持体12はあらゆる適当な取り付け装置を含むことができる。例えば1つの実施形態においては、ワークピース支持体は複数のリフトピンを含むことができる。これらのリフトピンは、ワークピースをワークピース受容面の上に適当に位置づけ、ワークピース受容面の上のワークピースを昇降および下降するために使用される。これに関してワークピース支持体12は、図2に図示されるように、リフトピンアセンブリのための複数のピンチャネル41を含むことができる。例えば1つの実施形態においては、ワークピース支持体12は、3つのピンを収容するために3つのピンチャネルを含むことができる。
【0040】
本発明によれば、ワークピース支持体12はさらに、ワークピース受容面18の上に形成された複数の流体ゾーンを含む。これらの流体ゾーンは、ワークピース支持体の上に配置されるワークピースのために温度調節が可能となるよう意図されている。これらの流体ゾーンは、個々の圧力において流体をゾーンの中に供給するために流体供給部と連絡している。ゾーンに供給される流体は、適当な熱伝導特性を有するあらゆる流体とすることができる。例えば1つの実施形態においては、流体はヘリウムまたは水素のようなガスを含むことができる。本発明によれば、複数の流体ゾーンのうちの少なくともいくつかは、ワークピース受容面上にて異なる方位位置に配置されている。一括して、流体ゾーンは、ワークピースの温度制御を放射方向だけではなく方位方向へも可能にするために意図されている。
【0041】
例えば図3および図5を参照すると、本発明に従って製造されたワークピース支持体の1つの実施形態が図示されている。例えば図3を参照すると、ワークピース支持体12のワークピース受容面18は中央の流体ゾーン42を規定しており、該中央の流体ゾーンは、この実施形態では3つの周縁の流体ゾーン44,46,48によって取り囲まれている。これらの流体ゾーンは隆起部56によって隔てられている。隆起部56は、ワークピース受容面18の上に配置されたワークピースの裏面とともに封止を形成するよう意図されている。隆起部56は、ワークピース受容面を形成するために使用される材料と同じ誘電性材料から製造することができるか、または異なる材料から製造することができる。隆起部56の上面は、ワークピース受容面18を形成している。
【0042】
図5(a)および5(b)を参照すると、図3に図示されたワークピース支持体13の断面図が図示されている。図5(b)に図示された実施形態においては、半導体ウェハなどのようなワークピース60がワークピース受容面18の上に配置されている様子が図示されており、一方で図5(a)ではこのワークピース60が除去されている。上に述べたように、隆起部56は、ワークピース60とともに封止を形成している。このようにして、別個の独立した複数の流体ゾーンが形成される。図面においては、中央の流体ゾーン42が、周縁の流体ゾーン44および46とともに図示されている。
【0043】
ワークピース60がワークピース受容面18とコンタクトした際にも平坦な面のままであることを保証するために、中央の流体ゾーン42もまた複数の支持柱41を含むことができる。これらの支持柱は、ワークピース60を支持するために中央のゾーンにわたって分布している。これらの支持柱41は隆起部56の高さと同じ高さを有する。支持柱41の表面は、典型的には、ワークピース60の裏面とコンタクトする小さな円形のコンタクトエリアを有する。支持柱41の上面は、ワークピース受容面18の付加的な構成部分である。
【0044】
流体をゾーンに流すために、中央の流体ゾーン42は、図2の断面図にも図示されている流体供給部62と連絡している。図5(a)および図5(b)に図示されるように、流体ゾーン44は流体供給部64と連絡しており、その一方で流体ゾーン46は流体供給部66と連絡している。以下により詳細に説明するように、各ゾーンにおける圧力は他のゾーンとは独立して制御することができる。
【0045】
加工処理中に、ヘリウムガスや水素ガス等のような熱伝導性流体が、選択された圧力において各ゾーンに供給される。このようにして流体ゾーンは、ワークピース60の裏面に対して予圧された状態になる。熱伝導性流体は、流体の混合物と同様に1つの流体も含むことができる。流体の圧力が増加することにより、流体とワークピースの間に生じる熱伝導の量も増加する。例えばガスを流体ゾーンに供給する場合、ゾーン内部のガス圧力は約1トルから約800トルまで変化し得る。図3に図示されているように、この図示された実施形態においては、ワークピース支持体は、複数の周縁のゾーンによって包囲された比較的大きな中央に位置する流体ゾーンを含む。例えばいくつかの用途では、ワークピース領域の中央部分において、2つの電力入力の空間分布および冷却度は通常は平坦である。従っていくつかの用途においては、適当な温度制御のためにただ1つの中央の流体ゾーンだけを必要とすることができる。
【0046】
しかしながら、ワークピースの周縁領域において著しい冷却および温度の不均一性が生じることがある。本発明の発明者は、温度の不均一性は、特定の放射位置においてだけではなく、異なる方位位置または角度位置(at different azimuthal or angular positions)においても存在し得ることを発見した。従って本発明によれば、ワークピース支持体12は、異なる方位位置に配置された複数の独立した流体ゾーンを含む。例えば、図3に図示された実施形態においては、周縁の流体ゾーンは、周縁帯にわたって配置される。そしてこの周縁帯は、周縁の流体ゾーン44,46,48に細分される。複数の周縁の流体ゾーンにおける流体圧力を相互に関連して変化させることにより、不均一なエネルギ入力によって引き起こされる方位方向の温度不均一性、および不均一な温度分布を考慮し、修正することができる。図3に図示された実施形態においては、周縁帯は、実質的に同じ形状および同じ面積を有する3つの流体ゾーンに分割されている。しかしながら周縁帯を、より多くまたはより少ない流体ゾーンに分割し得ることを理解すべきである。例えば、図3に図示されたような周縁帯は、約2〜12個、または12個以上の流体ゾーンに分割することができる。さらには、周縁の流体ゾーンは必ずしも同じ面積および形状を有する必要はない。流体ゾーンのサイズおよび形状はどちらも変更することができ、特別な用途に適合させることが可能である。例えば1つの実施形態においては、すべての周縁の流体ゾーンが異なる形状およびサイズを有するということも可能である。さらに別の実施形態においては、複数の周縁ゾーンのうちのいくつかが同じサイズを有し、その一方で他の周縁ゾーンは異なるサイズを有するということも可能である。
【0047】
例えば図8〜12を参照すると、ワークピース支持体のワークピース受容面の様々な別の実施形態が図示されている。同様の要素を示すために、同じ参照符号が使用されている。例えば図8は、図3に図示されたワークピース受容面18と同様のワークピース受容面を図示している。図8の実施形態においては、ワークピース受容面18は、3つの周縁の流体ゾーンの代わりに6つの周縁の流体ゾーン44,46,48,50,52,54を含む。図示されているように、これらの流体ゾーンはそれぞれ隆起部56によって隔てられている。
【0048】
他方、図9および10は、矩形の形状を有するワークピース支持体12のワークピース受容面18を図示している。図9および10に図示されるようなワークピース受容面18は、例えば矩形のワークピースまたは基板を加工処理するために使用することができる。図9および図10の両方において、各ワークピース受容面18は、周縁の流体ゾーン44,45,48,50によって包囲された中央の流体ゾーン42を含む。図9においては、周縁のゾーンは全て矩形の形状を有しており、全てほぼ同じ面積を有している。
【0049】
他方で図10においては、周縁の流体ゾーン44,46,48,50は種々異なるサイズを有している。より詳細には、周縁ゾーン46および50は周縁ゾーン44および48よりも大きい。周縁ゾーンは対角の隆起部56によって互いに隔てられている。
【0050】
図11および12を参照すると、ワークピース支持体12のワークピース受容面18のさらに別の実施形態が示されている。図11および12に図示された実施形態においては、中央の流体ゾーン42は多角形のような形状を有している。
【0051】
より詳細には、中央の流体ゾーン42は六角形の形状である。
【0052】
図12においては、中央の流体ゾーン42は、周縁のゾーン44,46,48,50,52,54によって包囲されている。これら全ての周縁の流体ゾーンは概して同じ形状および面積を有している。他方で図11においては、中央の流体ゾーンは複数の周縁の流体ゾーンによって包囲されているが、これらの周縁の流体ゾーンのうちの1つが他のゾーンよりも大きいサイズを有している。図示されているように、中央の流体ゾーン42は、周縁のゾーン44,46,48,50,52によって包囲されている。周縁の流体ゾーン44は、概して他の流体ゾーンの2倍のサイズである。各流体ゾーンに流体が供給されるやり方は、流体ゾーンの数、および、ゾーンに供給されている個々の流体に依存し得る。例示のためだけに図4を参照すると、流体供給システムの1つの実施形態が図示されている。図示されているように、このシステムは流体流入部70を含み、該流体流入部70は、流体貯蔵庫(図示しない)と連絡するよう配置することができる。例えば流体ゾーンにガスが供給される場合、流体流入部を、予圧されたガス源と連絡するように配置することができる。
【0053】
図示されるように、流体流入部70は、空気弁のようなバルブ装置72と連絡している。バルブ72から、流体流入部70は、第1流体ライン74と第2流体ライン76とに分かれる。第1流体ライン74は、流量計78、制御弁79、および圧力センサ80を含む。圧力センサ80から、流体ラインは、図3に図示されるような中央の流体ゾーン42に流体を供給するための流体供給部62へと流れ込む。
【0054】
同じようにして第2流体ライン76も、流量計82、制御弁83、および圧力センサ84を含む。圧力センサ84から、流体ラインは、例えば周縁ゾーンのうちの1つに流体を供給するための流体供給部64へと流れ込む。理解できるように、流体供給システムは、ワークピース支持体のワークピース受容面に収容される異なる流体ゾーンの数に基づいてさらなる流体ラインを含むことができる。
【0055】
図4に図示されるように、流体供給部はさらにコントローラ96を含むことができる。ここで使用される「コントローラ」という用語は、1つのコントローラを備えるシステムを含有するか、または、各要素のために多数のコントローラを含むシステムを含有するよう意図されている。例えばコントローラ96は、1つ以上のマイクロプロセッサまたは1つ以上のプログラマブルロジックユニットのような、1つ以上の電子装置を含むことができる。コントローラ96は、流量計78および82と、制御弁79および83と、圧力センサ80および84と連絡するように配置することができる。
【0056】
1つの実施形態においては、加工処理中に、コントローラ96に所定の圧力設定値をプログラミングすることができるか、または、コントローラ96を、様々なパラメータに基づいて圧力設定値を計算するよう構成することができる。それからコントローラ96は、可変オリフィス制御弁79および83を制御して、圧力センサ80および84によって示されるガス圧力が実質的に圧力設定値と等しくなるようにすることができる。図4に図示されるように1つの実施形態においては、流体供給システムは、固定オリフィス90および92を含むことができ、これらのオリフィスはそれぞれ流体ライン74および76と連絡している。固定オリフィス90および92は、下流において流体ライン94とも連絡している。いくつかの実施形態において、特に流体ゾーンがワークピースとともに加工処理室内における流体密封を形成する場合には、コントローラ96によって設定された圧力設定値を満たすために、バルブ83および79を介して少量の流体が流れることが望ましいだろう。従って圧力制御を簡単にするために、1つの実施形態において、流体供給システムは、固定オリフィス90および92を含むことができる。
【0057】
図4に図示した実施形態においては、流体供給システムは、2つの別個の領域のために独立した制御回路を含んでいる。より詳細には、流量計78、制御弁79、および圧力センサ80を、中央の流体ゾーン42内のガス圧力を制御するために使用することができる。他方で、制御弁83、流量計82、および圧力センサ84を、ワークピース受容面の周縁ゾーンのうちの1つにおける圧力を制御するために使用することができる。1つの実施形態においては、ワークピース受容面18上のそれぞれの流体ゾーンは、各流体ゾーンにおける個々の制御のために、独立した別個の流量計、制御弁、および圧力センサと連絡することができる。各流体ゾーンのために必要な制御量は、種々の要因および特定の用途に依存し得る。
【0058】
流体が流体供給システムから流体ゾーンに流入する方法、およびゾーン内に再分配される方法は静電チャックの別の特定の要素の位置および特性に依存し得るが、本発明にとって重要なことではない。
【0059】
1つの実施形態においては、図1に図示されるようなワークピース加工処理システムは、該加工処理室内のワークピース温度をセンシングおよびモニタリングするように構成された1つ以上の温度測定装置を含むことができる。概して、あらゆる適当な温度測定装置を使用することができる。使用され得る温度測定装置は、例えばパイロメータ、熱電対、サーミスタ、光ファイバー温度センサ等を含むことができる。
【0060】
1つの実施形態においては、ウェハ加工処理システムは、多数の位置においてワークピースの温度を測定するように構成された複数の温度測定装置を含むことができる。この実施形態においては、例えば、ワークピースに接触することなくワークピースの温度を測定するパイロメータを使用することができる。パイロメータは、例えば、流体ゾーンが配置されている各位置におけるワークピースの温度を測定することができる。
【0061】
温度測定装置は、図4に図示されるようなコントローラと連絡するように配置することができる。コントローラ96は、温度測定装置から取り出される情報に基づいて各流体ゾーンにおける圧力を制御するように構成することができる。このような方法によって、ワークピースの温度を、温度測定装置によってセンシングされた温度に基づいて方位位置において調節することができる。
【0062】
コントローラ96は、例えば開ループ制御方式、閉ループ制御方式、またはモデルベース方式にて作動することができる。例えば、開ループ制御システムにおいては、典型的なワークピースがまず加工処理室において加工処理される。加工処理中に、ワークピースの温度を多数の位置においてモニタリングすることができる。温度測定装置から取り出される情報に基づいて、コントーラを、同様のワークピースを加工処理するために各流体ゾーンに対する圧力を制御するようにプログラミングすることができる。
【0063】
択一的に閉ループ制御装置において、コントローラを、各ワークピースの加工処理中に実時間の温度測定値に基づいて流体ゾーンの圧力を制御するよう構成することもできる。
【0064】
流体ゾーンは、種々異なる理由に基づいて、ワークピースの温度を制御するために使用することができる。例えば1つの実施形態においては、流体ゾーンを、加工処理室内にてワークピースをより均一に加熱するために使用することができる。しかしながら別の実施形態においては、流体ゾーンを、ワークピースを不均一に加熱するために使用することもできる。例えば加工処理のなかには、均一な温度プロフィールよりも、ワークピースの面にわたる特定の温度プロフィールを有することが望まれるものもある。
【0065】
図1に図示した実施形態においては、上述したように、ワークピース加工処理システムが、種々異なる加工処理を実行するためのプラズマ源を含む。例えば図示されるように、加工処理室は、該加工処理室に反応物を導入するための開口部11を含む。あらゆる適当な反応物配送システムを、加工処理室に組み込むことができる。例えば1つの実施形態においては、開口部11の中にシャワーヘッドを配置することができる。
【0066】
反応物配送システムに加えて、加工処理室を、必要に応じてガスのような流体を加工処理室の外へポンピングするためのポンプ装置と連絡させることもできる。さらに、ポンプ装置は、加工処理室内において真空状態またはほぼ真空状態を作り出すことができる。例えば加工処理室は、500トルより小さい圧力、例えば5トルより小さい圧力、とりわけ0.005トルより小さい圧力において加工処理を実行するために特に良好に適している。
【0067】
しかしながら本発明のワークピース支持体は、種々異なる別の種類の加工処理室において使用可能であることを理解すべきである。例えば本発明の教示は、化学気相成長法、エッチング、アニーリング等を実行するための加工処理室にも同様に適用可能である。
【0068】
当業者は、上に述べた変更および変形、ならびに、その他の変更および変形も、別添の特許請求の範囲においてより詳細に開示されている本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに実施し得る。加えて、様々な実施形態の側面は全体的にも部分的にも相互に交換してよいことを理解すべきである。さらには、当業者であれば、以上の説明は例示のためにのみなされたものであり、別添の特許請求の範囲に記載された本発明を限定するよう意図されたものではないことを理解するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工処理室にてワークピースを保持するためのワークピース支持体において、
該ワークピース支持体は、ワークピースを受容および保持するためのワークピース受容面を規定しており、
前記ワークピース受容面上に複数の仕切られた流体ゾーンを有しており、
各流体ゾーンは、前記ワークピース受容面と該ワークピース受容面に配置されたワークピースとの間に流体圧力を生成するための流体供給部と連絡しており、
それぞれ隔てられている各流体ゾーンに流体が供給されると、各流体ゾーンは予圧された状態になり、
前記流体ゾーンの少なくともいくつかは、前記ワークピース受容面にて異なる方位位置を有する、
ことを特徴とするワークピース支持体。
【請求項2】
前記ワークピース受容面は、周縁を有し、該周縁に近接した外周縁を含み、
該外周縁は、異なる方位位置を有する複数の流体ゾーンに分割される周縁帯を含む、
ことを特徴とする請求項1記載のワークピース支持体。
【請求項3】
前記周縁帯に、少なくとも2つに仕切られた流体ゾーンが配置されている、
ことを特徴とする請求項2記載のワークピース支持体。
【請求項4】
前記周縁帯は、約3個から約12個のゾーンに分割されている、
ことを特徴とする請求項2記載のワークピース支持体。
【請求項5】
ワークピース支持体はさらに、前記ワークピース受容面の中央に配置された流体ゾーンを含む、
ことを特徴とする請求項2記載のワークピース支持体。
【請求項6】
ワークピース支持体は、静電チャックを含む、
ことを特徴とする請求項1記載のワークピース支持体。
【請求項7】
異なる方位位置を有する流体ゾーンは、全て実質的に同じ形状および面積を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のワークピース支持体。
【請求項8】
前記周縁帯は、複数の流体ゾーンに等分に分割されている、
ことを特徴とする請求項2記載のワークピース支持体。
【請求項9】
請求項1記載のワークピース支持体を含む加工処理室。
【請求項10】
加工処理室は、エネルギ源または反応物源と連絡している加工処理領域を有する、
ことを特徴とする請求項9記載の加工処理室。
【請求項11】
加工処理室はさらに、前記ワークピース支持体に配置されたワークピースの温度を測定するための少なくとも1つの温度測定装置と、該温度測定装置と連絡しているコントローラと、流体供給部とを含み、
前記コントローラは、前記温度測定装置から受信した情報に基づいて前記流体ゾーンに供給される流体の量を制御するように構成されている、
ことを特徴とする請求項9記載の加工処理室。
【請求項12】
前記流体ゾーンは、隆起部によって隔てられており、
該隆起部は、前記ワークピース支持体に配置されたワークピースとともに封止を形成する、
ことを特徴とする請求項1記載のワークピース支持体。
【請求項13】
前記ワークピース支持体は、誘電性材料で被覆された金属製またはセラミック製のベース部を含み、
前記ワークピース支持体はさらに、前記誘電性材料の中に配置された1つ以上の電極、および、埋め込まれた各電極に異なる電圧を印加するためのDC電源を含む、
ことを特徴とする請求項6記載のワークピース支持体。
【請求項14】
加工処理室にてワークピースの温度を制御するための方法において、
加工処理室の中にあるワークピース支持体にワークピースを配置し、
ただし該ワークピースは、前記ワークピース支持体のワークピース受容面に配置され、
前記加工処理室にて、前記ワークピースを、ワークピースの温度の増加を引き起こすエネルギ源に当て、
前記ワークピースと前記ワークピース受容面との間にある予圧された複数の流体ゾーンに流体を流す、
ただし各流体ゾーンは、前記ワークピースの対応部分の温度に影響を与えるものであり、前記流体ゾーンの少なくともいくつかは、前記ワークピース受容面にて異なる方位位置を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ワークピースは基板を含み、
該基板の上にて電気的に能動の装置または機能が形成され、
前記エネルギ源は、プラズマ源、熱エネルギ源、イオン源、反応性化学物質源またはこれらの組み合わせを含み、
前記ワークピースは、静電引力によって前記ワークピース支持体に保持される、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記流体ゾーン内の圧力は、約1トルから800トルまで変化する、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
予圧された前記流体ゾーンは、異なる方位位置を有する流体ゾーンによって取り囲まれた中央の流体ゾーンを含む、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記ワークピースは外周縁を有し、
異なる方位位置を有する前記流体ゾーンは、前記ワークピースの外周縁に近接した周縁帯に沿って配置されている、
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記周縁帯は、約2個から約12個のゾーンに分割されている、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
予圧された流体ゾーンに供給される流体は、ヘリウム、水素、およびこれらの混合物を含む、
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項21】
ワークピース加工処理システムにおいて、
・ワークピースを加工処理するための加工処理室、
・該加工処理室と連絡されたエネルギ源、
・前記加工処理室内に包有されたワークピース支持体、
ただし該ワークピース支持体は、ワークピースを受容および保持するためのワークピース受容面を規定しており、
・前記ワークピース受容面の上で仕切られた複数の流体ゾーン、
ただし各流体ゾーンは、前記ワークピース受容面と該ワークピース受容面の上に配置されたワークピースとの間で流体圧力を生成するための流体供給部と連絡しており、
ここで、前記流体ゾーンの少なくともいくつかは、前記ワークピース受容面の上にて異なる方位位置を有しており、
・前記流体供給部と連絡されたコントローラとを含む、
ただし該コントローラは、前記流体ゾーンにおける圧力を制御するよう構成されている、
ことを特徴とするワークピース加工処理システム。
【請求項22】
ワークピース加工処理システムはさらに、加工処理室内に包有されたワークピースの温度を検出するための複数の温度測定装置を含み、
ワークピース加工処理システムは、各流体ゾーンに対して相応する温度測定装置を含む、
ことを特徴とする請求項21記載のワークピース加工処理システム。
【請求項23】
前記温度測定装置は、パイロメータ、熱電対、サーミスタ、光ファイバー温度センサ、またはこれらの組み合わせを含み、
各温度測定装置は、コントローラと連絡しており、
該コントローラは、前記温度測定装置から受信した情報に基づいて前記流体ゾーンにおける圧力を制御するよう構成されている、
ことを特徴とする請求項22記載のワークピース加工処理システム。
【請求項24】
前記ワークピース受容面は、周縁を有し、該周縁に近接した外周縁を含み、
該外周縁は、異なる方位位置を有する複数の流体ゾーンに分割される周縁帯を含む、
ことを特徴とする請求項21記載のワークピース加工処理システム。
【請求項25】
ワークピース加工処理システムはさらに、前記ワークピース受容面の中央に配置された流体ゾーンを含み、
前記ワークピース支持体は、静電チャックを含み、
前記加工処理領域と連絡された前記エネルギ源は、プラズマ源、熱エネルギ源、イオン源、反応性化学物質源、またはこれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項24記載のワークピース加工処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−503877(P2011−503877A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533172(P2010−533172)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/081923
【国際公開番号】WO2009/061670
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(502278714)マットソン テクノロジー インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
【Fターム(参考)】