説明

測定装置

【課題】内径の異なる種々の穴形状を精度良く測定できる測定装置を提供すること。
【解決手段】被測定領域の少なくとも一部の面の法線方向とは異なる方向から前記被測定領域に照明光を照射することで被測定領域に帯状の照明領域を形成する照明系と、前記照明系による照射方向と前記帯状の照明領域における長手方向等を含む面からはずれた位置から照明領域の散乱光を受光する受光系と、受光系の受光結果に基づいて被検面の形状を算出する演算部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部品等の穴形状の測定には内径測定装置が使用されている。この内径測定装置には、接触式測定装置と非接触式測定装置がある。接触式測定装置としては、例えば、ノギス、マイクロメータ等がある。接触式測定装置での測定の際、対象物にかかる圧力により測定に誤差が生じるという問題点があり、測定対象物に触れずに測定できる非接触式測定装置が研究、開発されている。
【0003】
このような非接触式測定装置として、穴内部に円盤状に広がるレーザ光を照射して、穴の内部に当たった位置をカメラで撮像して、その中心からの距離を算出するという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−285891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上記の測定装置は穴の内径が比較的小さいものを対象としているため、穴の内径が大きい部品の内径測定を精度良く行うことが考慮されていなかった。そこで、上記測定装置に代わり、種々の内径を有する穴を精度良く測定可能な新たな測定装置の提供が望まれている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、内径の異なる種々の穴形状を精度良く測定できる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、被測定領域の少なくとも一部の面の法線方向とは異なる方向から前記測定領域に照明光を照射することで該被測定領域に、帯状の照明領域を形成する照明系と、前記照明系による照明方向と前記帯状の照明領域における長手方向とを含む面からはずれた位置から前記照明領域の散乱光を受光する受光系と、前記受光系の受光結果に基づいて前記被検面の形状を算出する演算部と、を備える測定装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の態様に従えば、穴の内面を測定する測定装置であって、前記穴の外部から照明光を照明することで該穴の深さ方向に沿って帯状の照明領域を形成する照明系と、前記穴の内部に配置されることで前記照明領域の散乱光を受光する受光系と、前記受光系の受光結果に基づいて前記穴の内面の形状を算出する演算部と、を備える測定装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内径の異なる種々の穴形状を精度良く測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る測定装置の概略構成を示す図。
【図2】測定部の外観を示す斜視図。
【図3】光学プローブの照明系の構成図。
【図4】照明領域に対する撮像系の位置関係を示す図。
【図5】撮像系が受光した画像データの一例を示す図。
【図6】第2実施形態に係る測定装置の要部構成を示す図。
【図7】第1撮像部及び第2撮像部の各撮像素子が撮像する光強度分布を示す図。
【図8】第1撮像部及び第2撮像部の各撮像素子における光強度の差分を示すグラフ。
【図9】測定部の螺旋回転動作を説明するための図。
【図10】第3実施形態に係る測定装置の要部構成を示す図。
【図11】第1撮像部の撮像素子が撮像する光強度分布を示す図。
【図12】第4実施形態に係る測定装置の要部構成を示す図。
【図13】照明系の変形例に係る構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。Z軸方向は、例えば鉛直方向に設定され、X軸方向及びY軸方向は、例えば、水平方向に平行で互いに直交する方向に設定される。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る測定装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、測定装置100は、例えば、形状測定部10と、制御部19と、表示部110と有して構成される。
【0013】
形状測定部10は、載置台15上に載置された測定対象として載置台15上に載置される物体Mの穴Maの形状を測定する。制御部19は、この形状測定部10から出力される角度情報及び測定情報に基づいて被測定物体としての物体Mの穴Maに関する形状情報を算出する。表示部110は、制御部19により算出された形状情報を、例えば、3次元画像にして出力する。なお、被測定物体Mは、載置台15上に載置されていなくても測定可能である。
【0014】
形状測定部10は、移動機構部11と、測定部12と、基台13とを有して構成される。移動機構部11は、複数のアーム部11aを複数の関節部(接続部)11bで接続した多関節構造を有している。測定部12は、この移動機構部11の先端部(最も先端側に位置するアーム部11aの先端部)に対して取付部14を介して着脱可能に構成されている。取付部14は測定部12を回転可能に保持する回転機構を含む。基台13には、移動機構部11の基端部(最も基端側に位置するアーム部11aの基端部)が取り付けられている。
【0015】
関節部11bは、アーム部11a同士を繋ぎ、一方のアーム部11aに対して他方のアーム部11aを回転させる(揺動させる)ものや、基台13に対して基端側のアーム部11aを接地面に垂直方向の軸を中心に回転させるもの、若しくは、取付部14に取り付けられた測定部12を、先端側のアーム部11aに対して揺動させたり、回転させたりするものがある。
【0016】
関節部11bの回転軸の各々には、基台13や基端側に位置するアーム部11aに対して、この関節部11bに接続された先端側に位置するアーム部11a若しくは測定部12のなす角度を検出するためにこの回転軸の回転量を計測するエンコーダ(不図示)が取り付けられている。これらのエンコーダによる計測値(以下、「角度情報」と呼ぶ)は制御部19に出力されるようになっている。
【0017】
測定部12は光切断の三角測量法に基づく帯状の照明領域を用いて被検面の形状測定を行う光学プローブから構成されるものであって、アーム部11aに対して取付部14を介して回転することで載置台15上の物体Mに設けられた穴Maの内側の情報を測定可能となっている。なお、取付部14には、アーム部11aに対する回転軸の回転量を計測するエンコーダ(不図示)が取り付けられている。これらのエンコーダによる計測値(角度情報)は制御部19に出力されるようになっている。これにより制御部19は測定部12の回転動作を制御可能となっている。
【0018】
本実施形態においては、制御部19が複数の関節部11bを介して各アーム部11aがなす角度を種々に変化させることで載置台15上に保持された物体Mに対する測定部12の相対位置を制御可能となっている。これにより、測定装置100は測定部12を物体Mに対して所定の位置に配置することが可能とされ、物体Mの穴Maの内部に測定部12の一部を進退可能となっている。
【0019】
測定装置100は測定部12を用いて物体Mの穴Maの内側の情報を測定することができる。本実施形態において、穴Maの内側の情報とは、穴Maの内周面の少なくとも一部に関する形状、寸法、凹凸分布、及び表面粗さの少なくとも1つを含む。
【0020】
測定対象の物体Mは、穴Maの内側を測定時に、例えば穴Maの開口をZ方向側に向けるように載置台15上に保持される。本実施形態において、穴の深さ方向(延在方向)は、穴が物体を貫通している場合に、穴の内側に沿って穴の一方の開口と他方の開口とを結ぶ方向である。また、穴の深さ方向は、穴Maが物体Mを貫通していない場合に、穴の内側に沿って穴の開口と底部とを結ぶ方向である。本実施形態において、穴Maの開口をZ方向に向けて載置台15に保持されている物体Mの穴の深さ方向は、Z軸方向とほぼ平行であるとする。
【0021】
次に、測定部12の構成について説明する。図2は測定部12の外観を示す斜視図であり、図3は第1実施形態の測定部12の照明系の構成を示す図である。
図2に示すように測定部12は、本体部3と、穴Maの内周面に照明光Lを照明する照明系5と、該照明系5による照明領域を撮像する撮像系6と、光吸収部材7とを備える。照明系5は、図3に示すように光源20と、光源20から発せられた光Lを縦長の平行ビームとするコリメートレンズ21と、コリメートレンズ21を介した光をスリット光に成形するスリット(光束変換手段)22と、スリット22を介した光を穴Maの内周面に投影する投影レンズ23とを備える。照明系5の光源20は制御部19と電気的に接続されており、その駆動が制御部19により制御されるようになっている。
このような構成により、穴Maの内周面である被検面の測定領域内において、その少なくとも一部の領域での法線方向に対して異なる方向から被検面に照明光を照射することで被検面の第一方向に沿って帯状の照明領域を形成している。具体的には、測定領域において入射角が大きくなる照射方向で照明光を照射することで帯状の照明領域を形成する。特に、測定面が円筒面や円錐面など、方向によって曲率半径がかわるような曲面の場合は、曲率半径が大きい面内に入射面を設定し、入射角がなるべく大きくなるように照明系を配置することで、帯状の照明領域を形成している。なお、照射方向とは、照明光束の中心の光線の伝搬方向か、または照明光束を構成する各光線の伝搬方向について、平均したときの方向であってもよい。そして、照明系の被検面に最も近い光学部材から、前記照明系で照明される被検面までの距離が、前記第一方向の各位置で異なるように前記照明系が配置されている。したがって、穴Maの内周面の近傍に照明系5を近づけずとも、スリットパターン状の光束を照明することができる。
【0022】
測定部12は回転軸Cを中心として穴Maの内面に対して回転可能とされている。照明系5及び撮像系6の各々は、本体部3に固定されているため、照明系5が回転する場合であっても、照明系5及び撮像系6は各々の位置関係が変化することは無い。
【0023】
本実施形態の光源20は、半導体レーザー素子を含んで構成されている。光源20は、発光ダイオード(LED)等の固体光源、ハロゲンランプ等のランプ光源、ファイバー光源等の各種光源の1種又は2種以上を含んで構成されていてもよい。
【0024】
照明系5からの照明光Lは、穴Maの内面に沿って略平行に近い角度で入射されることで帯状の照明領域Aを穴Maの内面に形成する。ここで、穴Maの内部への照明系5からの光の入射角が小さ過ぎると、穴Maの内面に帯状の照明領域Aを形成することができなくなってしまう。そのため、光の入射角は被検面である穴Maに水平に近い大きな角度、例えば89°程度に設定するのが望ましい。なお、入射角は上記値に限定されることはない。照明系5は本体部3に取り付けられており、穴Maの内側の情報を測定する場合、撮像系6及び光吸収部材7のみが穴Maの中に挿入されるようになっている。なお、穴Maの内径が大きい場合、本体部8を穴Maの内部に挿入するようにしても構わない。
【0025】
また、上記スリット22は照明光Lの形を成形するスリット口22aを有する。スリット口22aは、穴Maの内面に照射された照明光Lによって生じる照明領域Aの短手方向における幅が穴Maの深さ方向(Z方向)の全域に亘って一様とするような開口形状となっている。照明光Lは、通常光源20から距離が離れるに従い、その幅が拡がる。これに対し、本実施形態においては、穴Maの深さ方向の手前側(光源20側)に対応するスリット口22aの開口幅を穴Maの深さ方向の奥側(光源20と反対側)に対応する開口幅よりも小さくするようにスリット口22aを形成している。このような構成に基づき、照明系5は穴Maの内面に略一様な幅の帯状の照明領域Aを生じさせることができる。
【0026】
撮像系6は、撮像素子8と、該撮像素子8の受光領域に照明光による像を結像させる光学部材9とを備える。本実施形態の撮像素子8は、二次元的に配列された複数の画素を有し、各画素に入射した光の光量を画素ごとに検出することができる。以下の説明において、撮像素子8の複数の画素が配列されている領域を受光領域という。撮像素子8は、例えば照明領域Aの長手方向及び短手方向に沿って複数の画素が配置された、例えばCCDセンサやCMOSセンサを含んで構成される。この撮像系6は、照明系5の照明方向と照明系5による帯状の照明領域Aの長手方向とを含む面からはずれた位置から、帯状の照明領域Aを観察している。好ましくは、照明系5の照明方向と照明系5による照明領域Aの長手方向を含む面に対して、光学部材9の光軸方向とのなす角度が90度未満であり、かつ光学部材9の光軸方向に対する、照明方向と帯状の照明領域Aの長手方向とを含む面の交点は、照明領域Aとなるように設定することが好ましい。
更には、撮像素子8は、照明領域Aの長手方向と同じ方向に並んだ画素数が、照明領域Aの短手方向に沿って配列された画素数よりも多くしていることがこの好ましい。
【0027】
光学部材9としては、例えば正立屈折率分布型レンズ(セルフォックレンズ:登録商標)アレイを使用するのが好ましい。セルフォックレンズアレイは屈折率分布によりレンズ作用を持たせた光学素子であって、その長さを制御することにより等倍正立像を形成することができる。セルフォックレンズアレイは穴Ma上に形成された照明領域Aの散乱光を撮像素子8の各画素に結像させることができる。セルフォックレンズアレイは小型であるため、光学部材9を含む撮像系6を小型化できる。
【0028】
制御部19は、撮像素子8が撮像した画像データが送信される演算処理部19aを含む。演算処理部19aは撮像素子8から送信される画像データに基づき、光切断法によって穴Maの内面の凹凸形状を算出するようになっている。また、制御部19は、測定装置100の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよく、コンピュータシステムを含んでいなくてもよい。制御部19は、制御部19へ信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。上記の入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置のうちの1種又は2種以上でもよい。制御部19は、形状測定時の処理に使用するデータ等を記録するためのハードディスクあるいはメモリを含んでいてもよい。制御部19は、測定装置100の外部の装置であってもよい。
【0029】
光吸収部材7は光源20から照射される光を吸収する特性を有している。光吸収部材7は、撮像系6における光源20と反対の端部に取り付けられており、撮像系6の下面よりも突出した状態とされている。穴Maが物体Mを貫通していない場合、光源20による穴Maの内側面での正反射成分が穴Maの底部分で再度反射されることでフレア光となってしまい、撮像系6(撮像素子8)の撮像結果の信頼性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態では、光吸収部材7が照明領域Aの正反射成分を吸収するため、穴Maの底部分による光の反射を防止することができる。
【0030】
一方、穴Maが物体Mを貫通している場合、光源20による穴Maの内側面での正反射成分は撮像系6の撮像に影響しない方向へ照射されるため、上記光吸収部材7を取り付けなくてもよいし、取り付けられていても構わない。光吸収部材7が取り付けられていれば、穴Maの外部に光源20から照射された正反射光(レーザ光)が漏れ出すのを防止できる。また、本実施形態においては光吸収部材7を着脱可能な構成としている。これにより測定対象となる穴Maが貫通穴か否かによって光吸収部材7を必要に応じて取り外すことができる。
【0031】
図4は照明領域Aに対する撮像系6の位置関係を示す図である。なお、図4においては、説明の便宜上、照明系5の光源20が照射する照明光Lの光入射面をXZ平面内に設定し、穴Maの照明領域Aが形成される面をYZ平面内に設定する。
【0032】
撮像系6は、図4に示すように照明光Lの光入射面(XZ平面)を含まない方向から照明領域Aに対して所定の角度θをなす位置から撮像するように本体部3に取り付けられている。これにより帯状の照明領域A内での穴Maの表面の凹凸情報(高さ情報)を良好に検出することができる。
【0033】
図5は撮像系6が受光した画像データの一例を示すものである。図5の横軸はZ軸方向(穴Maの深さ方向)における位置座標を示し、縦軸はZ座標に対応する位置での穴Maの凹凸の程度を示している。
【0034】
本実施形態では、制御部19の演算処理部19aが撮像素子8から送信される画像データに基づいて穴Maの凹凸の程度を算出する。撮像素子8は照明領域Aが照射する光の位置に対応する画素Gが輝度情報を取得する。演算処理部19aは、照明領域Aの短手方向(同図の縦軸方向)に配置された画素Gから取得された輝度情報に対して加重平均等の手法を用いて輝度重心を算出する。この輝度重心に対応した座標をプロットしたものを図5に示す。図5に示す各点(輝度重心)は基準位置からの穴Maの表面の凹凸状態を示すものである。すなわち、演算処理部19aは、図5に示す輝度重心のプロットから穴Maの内面における照明領域Aの長さ方向に沿った凹凸形状を算出するようになっている。
【0035】
測定装置100は、穴Maの内面の凹凸形状を測定する際、制御部19が複数の関節部11bを介して各アーム部11aがなす角度を種々に変化させつつ、測定部12の回転軸と穴Maの中心軸とを一致させるようにして該測定部12の先端を穴Maに挿入する。制御部19は照明系5の光源20を駆動し、スリット22を経て成形された照明光Lを投影レンズ23を介して穴Maの内周面に投影する。これにより、穴Maの内面には帯状の照明領域Aが生じる。
【0036】
撮像系6は、図4に示したように照明光Lの光入射面(XZ平面)を含まない方向から照明領域Aを撮像する。これにより、撮像素子8は、穴Maの凹凸状態により種々の形状に湾曲した照明領域Aの散乱光を確実に撮像することで穴Maの深さ方向の全域に亘って凹凸に起因した高さ情報を取得できる。
【0037】
制御部19は取付部14を介して測定部12を回転させることで照明領域Aの位置を穴Maの内面における周方向に360度に亘って移動させつつ、照明領域Aの画像を撮像系6で順次撮像する。これにより、測定部12は穴Maの深さごとの内径、すなわち穴Maの凹凸情報を全周に亘って測定することができる。
【0038】
本実施形態に係る測定装置100によれば、照明系5が穴Maの内面に該穴Maの深さ方向に沿う帯状の照明領域Aを形成し、穴Ma内に配置された撮像系6の撮像素子8が照明領域Aの散乱光を撮像するので、穴Maの内面の凹凸形状を精度良く測定できる
【0039】
また、測定装置100は例えば測定部12を回転させる際にアーム部11a及び関節部11bの駆動を制御することで穴Maの内面に対する測定部12の相対位置を変化させることが無いように穴Maの内面に沿って測定部12を回転させることができる。つまり、穴Maに測定部12を倣い動作をすることにより、測定装置100は、種々の内径を有する穴Maの内面形状を測定できる。すなわち、本実施形態によれば、少なくとも撮像系6を挿入可能とする内径よりも大きな穴Maについて凹凸形状を良好に測定できる汎用性の高い測定装置100を提供できる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0041】
図6は、第2実施形態に係る測定装置の要部構成を示す図である。図6は穴Maの深さ方向(Z方向)から視た場合の測定部112の構成を示すものである。なお、図6では図を見易くするため、本体部3、照明系5の図示を省略している。また、図6では説明を分かり易くするため、照明系5から照明光Lの光入射面をXZ平面に設定し、穴Maの照明領域Aが形成される面をYZ平面に設定する。
【0042】
図6に示すように、本実施形態に係る測定部112は、第1撮像部30及び第2撮像部31を有している。第1撮像部30及び第2撮像部31は不図示の本体部3に取り付けられている。第1撮像部30は、撮像素子32と照明領域Aの散乱光を撮像素子32に集光させるレンズアレイ33とを含む。レンズアレイ33は、第1の実施例で用いたセルフォックレンズアレイまたは後述のピンホールアレイと同じピッチで配列されたレンズアレイでもよい。第2撮像部31は、第1撮像部30と同様の構成からなり、撮像素子32と光学部材33とを備えるものである。各撮像素子32の受光面の近傍にはピンホールアレイPAが設けられている。ピンホールアレイPAは、各撮像素子32の各画素に対応するピッチでピンホールが複数形成されたものである。なお、本実施形態においては、上記第1実施形態と異なり、撮像素子32として穴Maの深さ方向にのみ画素が1列配置されたライン状CCDが用いられる。また、撮像素子32の画素が十分小さい場合には、画素の大きさをピンホールと見てピンホールアレイPAと撮像素子32とが一体になったものと考えてよい。
【0043】
図6に示すように、第1撮像部30は被検面である穴Maに設定した基準面(同図中、破線で示す面)よりも一方に(図6の+X方向に)ずれた第1の位置P1から照射される光(散乱光)にピントが合うように設定されている。ここで、基準面とは例えば穴Maの内径の平均値や、穴加工を行う際の目標値等に基づいて設定されるものである。また、第2撮像部31は被検面である穴Maに設定した基準面よりも他方に(図6の−X方向に)ずれた第2の位置P2から照射される光にピントが合うように設定されている。
【0044】
本実施形態では、例えば、後述する所定距離dの半分、すなわちd/2だけ基準面から+X方向にずれた位置を上記第1の位置P1とし、d/2だけ基準面から−X方向にずれた位置を上記第2の位置P2とした。
【0045】
第1撮像部30及び第2撮像部31は、各レンズアレイ33の各光軸がなす面が照明系5の光入射面を含む面に対して同一の例えば角度θをなし、かつ第1の位置及び第2の位置が所定距離dだけ離間するように配置されている。ここで、所定距離dは穴Maの設計寸法に対する加工時の交差の範囲内で設定される。すなわち、穴Maの内面は凹凸の大きさによって基準面と異なる位置に存在するが、常に所定距離dで規定される範囲内に位置することとなる。
【0046】
ここで、第1撮像部30及び第2撮像部31では、ピンホールアレイPAを介した非常に小さい光が各々の撮像素子32の撮像面上に入射する。ここで撮像素子32の撮像面上での光強度分布を考える。デフォーカス量をΔとしたとき、デフォーカスによる波面収差は下式(1)で表される。また、ピンホール径を十分に小さいものとした場合の光強度分布I(Δ)は、下式(2)で表される。
【0047】
【数1】

【0048】
【数2】

【0049】
ただし、NA(開口率)は第1撮像部30及び第2撮像部31のNAを表し、kは測定波長をλとしたとき、k=2π/λで表される。上記式(2)は下式(3)で近似することができる。式(3)において、Δが−d/2のときと、d/2のときの強度をそれぞれ求め、差分を取ったものを下式(4)に示す。
【0050】
【数3】

【0051】
【数4】

【0052】
式(4)が示す内容を、図7、図8を用いて説明する。図7は第1撮像部30及び第2撮像部31の各撮像素子32が撮像する光強度分布を示す図であり、各々のピントがずれる(X方向にデフォーカス)ことにより光強度Iの変化を示す図である。本実施形態においては、後述のように第1撮像部30及び第2撮像部31のデフォーカス範囲内で照明領域Aの散乱光を撮像し、各々の撮像素子32が撮像した光量の差分を利用して穴Maの凹凸形状を取得するものである。
【0053】
図7に示すように、ある点Pにおける第1撮像部30及び第2撮像部31の各撮像素子32における光強度の値は、それぞれ点E、点Fで表される。点Eでの値と点Fでの値の差を取る。それを−d/2から+d/2の範囲、即ち距離dの範囲内の各点で行い、グラフにしたものが図8である。図8において、2つのグラフの値が一致しているところ(点Q)は、差分が0(ゼロ)になる。そのため、図8において点Qでの値は0(ゼロ)となる。なお、点Qは図6に示した基準面に対応する。
【0054】
なお、図7の光強度分布を示す2つのグラフが離れすぎている(所定距離dが大きすぎる)と、式(4)の差分が求められなくなってしまう。そこで、距離dの範囲内においては、各々のグラフは強度Iの最大値を1としたとき、0.1以上の値(すなわち最大強度の10%以上の強度)を持つように設定している。
【0055】
本実施形態では、図8に示すグラフを予め算出しておき制御部19の演算処理部19a内の記憶部に記憶しておく。制御部19は第1撮像部30及び第2撮像部31から送信された画像から光強度(光量の差分)を算出し、この値から記憶部に記憶される図8のグラフに基づき、任意の測定点Pにおける凹凸の程度が基準面(図8における点Q)からどれだけ離れているか(即ち図8での点Qと点Pとの距離d1)を算出することができる。
【0056】
制御部19は穴Maの内面は上述のように常に所定距離dで規定される範囲に収まっている場合は、図8に示すグラフを用いることで穴Maの内面の凹凸形状を確実に算出することができる。すなわち、穴Maの凹凸が所定距離dの範囲でばらついても基準面からの距離を確実に算出することができる。したがって、測定部112は照明領域Aの散乱光を確実に撮像することで穴Maの深さ方向の全域に亘って凹凸に起因した高さ情報を取得できる。なお、穴Maの内面が所定距離dの範囲に収まらない場合は、第1および第2の撮像部30、31からの信号強度が前述の規定値を下回り、測定範囲外であることを知ることができる。部品検査などの用途では、測定範囲外になっている場合は規格外であることから不良品の検出には測定できない場合でも支障はない。
【0057】
なお、所定距離dは、測定部112における穴Maの測定可能精度を表すものであると換言できる。例えば測定部112が10μmの精度で穴Maの形状測定を行う場合、d=10μmを上記式(3)のΔに代入し、測定波長λ=0.627μmとして、式(3)が0.1となるようなNAを求める。すると、NA=0.023と算出される。したがって、測定部112は、NAが0.023以上に設計した第1撮像部30及び第2撮像部31を備えたものであれば、穴Maの内面の凹凸形状を10μmの精度で測定することができる。
【0058】
制御部19は取付部14を介して測定部112を回転させることで照明領域Aの位置を穴Maの内面における周方向に360度に亘って移動させつつ、照明領域Aの画像を撮像系30,31で順次撮像する。これにより、測定部112は穴Maの深さごとの内径、すなわち穴Maの凹凸情報を全周に亘って測定することができる。
【0059】
ところで、本実施形態では、第1撮像部30及び第2撮像部31の撮像素子32が画素ピッチに対応して形成されたピンホールごとに計測を行うので、穴Maの内面における測定点はピンホールのピッチと同等となるため、測定位置が離散的となってしまい、要求される測定点密度を満足できないおそれもある。
【0060】
これに対し、本実施形態では、穴Maの内面に沿って測定部112を回転させる際、図9に示すように測定部112を螺旋状に回転させるようにしている。なお、図9では測定部112の全体を穴Maの内部に挿入した状態を示している。このようにすれば、穴Maの深さ方向においてピンホールの位置を変化させつつ、撮像素子32が照明領域Aの散乱光を撮像することができる。よって、螺旋回転を行わない場合においてピンホール間に位置することで測定できなかった穴Maの内面の凹凸情報についても確実に取得することができる。したがって、穴Maの凹凸形状を精度良く測定することができる。なお、測定部112の回転数は穴Maの形状測定に要求される精度に応じて適宜設定される。測定部112は、例えばピンホールピッチ(画素ピッチ)分だけ穴Maの深さ方向に移動する間に1回転、或いは複数回転することができる。
【0061】
本実施形態によれば、第1撮像部30及び第2撮像部31が撮像する光量(差分)に基づいて穴Maの凹凸形状を算出することができる。また、演算処理部19aは画素が一列に配置された撮像素子32から送信される情報のみを処理すればよいため、演算処理を簡略化できる。
【0062】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態において、第2実施形態と同様の構成要素については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0063】
図10は、第3実施形態に係る測定装置の要部構成を示す図である。図10は穴Maの深さ方向から視た場合の測定部215の構成を示すものである。図10に示すように、本実施形態に係る測定装置は、第2実施形態と異なり、第1撮像部30のみを有している。すなわち、本実施形態は、第1撮像部30の撮像素子32が撮像した光量のみに基づいて穴Maの凹凸形状を算出するものである。なお、図10では図を見易くするため、本体部3、照明系5の図示を省略している。また、図10では説明を分かり易くするため、照明系5から照明光Lの光入射面をXZ平面に設定し、穴Maの照明領域Aが形成される面をYZ平面に設定する。
【0064】
第1撮像部30は、撮像素子32と照明領域の光を集光させるレンズアレイ33とを含み、撮像素子32の受光面の近傍にはピンホールアレイPAが設けられている。
【0065】
図10に示すように、第1撮像部30は第2実施形態において被検面である穴Maの凹凸形状の測定可能範囲精度を規定する第2実施形態で示した所定距離dで規定される領域よりも手前(+X方向)にずれた位置P3から照射される光(散乱光)にピントが合うように設定されている。
【0066】
図11は第1撮像部30の撮像素子32が撮像する光強度分布を示す図であり、ピントがずれる(デフォーカス)ことで光強度が変化する状態を示している。本実施形態においては、穴Maの内面(凹凸面)における散乱光が第1撮像部30の撮像素子32の画素上でピントが常に合わない状態とされるため、穴Maの凹凸面による照明領域Aの散乱光の強度は図11の太線で示されるグラフ上に必ず位置することとなる。従って、演算処理部19aは予めグラフ上の光強度の値と基準面からの位置を算出しておくことで、撮像素子32の画素が算出した光量(光強度)の値から凹凸の程度を算出することができる。
【0067】
このように本実施形態においては、第1撮像部30の撮像素子32で撮像した照明領域Aの散乱光の光量に基づいて穴Maの凸凹形状を算出することができる。穴Maの形状測定を行う際、制御部19は第1撮像部30側の撮像素子32に関する光強度のみを処理すればよいので、処理系の構成を大幅に簡略化できる。なお、本実施形態では測定部215が第1撮像部30のみを備えた場合を例に説明したが、第2撮像部31のみを備えたものであっても構わない。
【0068】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態において、第2実施形態と同様の構成要素については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0069】
図12は、第4実施形態に係る測定装置の概略構成を示す図である。図12は穴Maの深さ方向から視た場合の測定部315の構成を示すものである。図12に示すように、本実施形態に係る測定装置は、第1撮像部131及び第2撮像部132を有している。
【0070】
本実施形態に係る第1撮像部131及び第2撮像部132は、それぞれ撮像素子32を有しており、各々の撮像素子32に対して照明領域の光を集光させるレンズアレイ137を共通化したものである。各撮像素子32の受光面の近傍にはピンホールアレイPAが設けられている。すなわち、本実施形態は第2実施形態に係る測定部112において照明領域Aの散乱光を第1撮像部131及び第2撮像部132の各撮像素子32に集光させる光学系を共通にした点が異なっている。
【0071】
図12に示すように、第1撮像部131は被検面である穴Maに設定した基準面(同図中、破線で示される面)よりも一方(図12の+X方向に)にずれた第1の位置P1から照射される光(散乱光)にピントが合うように設定されている。また、第2撮像部132は被検面である穴Maに設定した基準面よりも他方(図12の−X方向に)にずれた第2の位置から照射される光にピントが合うように設定されている。
【0072】
光学系135はピンホールアレイPAのピッチに合わせて個々のレンズの光軸が形成されているレンズアレイ137と、照明領域の光を第1撮像部131側の撮像素子32及び第2撮像部132側の撮像素子32に向けて分岐する分岐手段としてのプリズム136とを含む。なお、光を分岐する分岐手段としては、ハーフミラー、ビームスプリッター等を用いても構わない。
【0073】
本実施形態ではレンズアレイ137を共通化することで撮像素子を穴Maに垂直に配置することができ、照明光学系5と同一の平面内に配置することができる。
【0074】
本実施形態においては、第2実施形態と同様、照明領域Aから照射される光を2つに分岐することで第1撮像部131及び第2撮像部132における各々の撮像素子32が撮像した画像の輝度の差分値に基づき、穴Maの内面における凹凸の程度を算出することができる。撮像素子32は上述のように穴Maの深さ方向に沿って複数の画素を有するため、測定部12は穴Maの深さ方向における全ての画素について基準点Qからの凹凸の程度を算出することができる。本実施形態の測定装置は、測定部315を穴Maの内面に沿って360度回転させることで穴Maの内面の全周に亘る凹凸形状を取得することができる。
【0075】
本実施形態によれば、第1撮像部131及び第2撮像部132における光学系135が共通化されるので、撮像部131、132の各々に光学系を別途設ける構成に比べて穴Ma内に挿入される部分の構成(第1撮像部131及び第2撮像部132)を小型化できる。
【0076】
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態あるいは変形例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態あるいは変形例で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記の実施形態あるいは変形例で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。
【0077】
例えば、上記実施形態では測定部12を物体Mに対して移動することで穴Maの内側の情報を測定する場合について説明したが、アクチュエータ等を含んで構成された駆動部を設けた載置台15を用いることで載置台15上の物体Mを測定部12に対して移動させることで穴Maの内面と測定部12とを相対移動させる構成であっても構わない。
【0078】
なお、本実施形態では穴Maの内径を測定する際、取付部14を介して測定部12を穴Maに対して直接回転させる場合について説明したが、例えば穴Maの深さ方向をZ軸方向に一致させるように物体Mを載置台15上に配置し、該載置台15の載置面を回転することで穴Ma自体を測定部12に対して回転させる構成であっても構わない。
【0079】
また、図13に示すように、照明系5としては、光源20と、シリンドリカルレンズ24とを備えたものを用いることができる。なお、光源20はシリンドリカルレンズ24のほぼ前側焦点位置に配置される。シリンドリカルレンズ24を介した光は、円筒面方向の光束が略平行となるため、母線方向には屈折作用がないことから穴Maの内側面上で帯状に照明されることなる。また、光源20の光を帯状に成形するためには、上記シリンドリカルレンズ24に代えてアナモルフィックプリズムを採用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
5…照明系、6…撮像系、7…光吸収部材、8…撮像素子、9…光学部材、A…照明領域、G…画素、L…照明光、M…物体、12,112,212,315…測定部、16…制御部、20…光源、22…スリット、30…第1撮像部、31…第2撮像部、32…撮像素子、33…光学部材、Ma…穴、P1…第1の位置、P2…第2の位置、100…測定装置、131…第1撮像部、132…第2撮像部、135…光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定領域の少なくとも一部の面の法線方向とは異なる方向から前記測定領域に照明光を照射することで該被測定領域に沿って帯状の照明領域を形成する照明系と、
前記照明系による照射方向と前記帯状の照明領域における長手方向とを含む面からはずれた位置から前記照明領域の散乱光を受光する受光系と、
前記受光系の受光結果に基づいて前記被検面の形状を算出する演算部と、を備える測定装置。
【請求項2】
穴の内面を測定する測定装置であって、
前記穴の外部から照明光を照明することで該穴の深さ方向に沿って帯状の照明領域を形成する照明系と、
前記穴の内部に配置されることで前記照明領域の散乱光を受光する受光系と、
前記受光系の受光結果に基づいて前記穴の内面の形状を算出する演算部と、を備える測定装置。
【請求項3】
前記受光系は、前記照明系における前記照明光の光入射面を含まない方向から前記散乱光を受光する請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記受光系が受光した像の形状に基づいて前記穴の内面の形状を算出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記受光系は、前記第一方向及び該第一方向に直交する第二方向に沿って配置される複数の画素を含む受光素子を有する請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記受光系が受光した光量に基づいて前記穴の内面の形状を算出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記受光系は、前記第一方向に沿って配置される複数の画素を含む受光素子を有する請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記受光系は、前記受光素子をそれぞれ有する第1撮像部及び第2撮像部を含み、
前記第1撮像部は照明領域に対して設定される基準面よりも一方側にずれた第1の位置から照射される前記散乱光にピントが合うように設定されるとともに、前記第2撮像部は前記基準面よりも他方側にずれた第2の位置から照射される前記散乱光にピントが合うように設定されており、
前記演算部は、前記第1撮像部及び前記第2撮像部の前記受光素子の各々が受光した光量の差分に基づいて形状を算出する請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
前記第1撮像部及び前記第2撮像部は、各々の光軸が前記照明光の入射面に対して同じ角度をなすように配置される請求項8に記載の測定装置。
【請求項10】
前記受光系は、前記受光素子を有する第1撮像部を含み、
前記第1撮像部は照明領域の散乱光に対して前記受光素子のピントが合わないように設定されており、
前記演算部は、前記受光素子が受光した光量に基づいて形状を算出する請求項7に記載の測定装置。
【請求項11】
前記第1撮像部及び前記第2撮像部は、各々の前記受光素子の受光面上に対して前記散乱光を集光させる共通の光学系を含む請求項8に記載の測定装置。
【請求項12】
前記受光系は、前記散乱光を受光する受光素子と、該受光素子の受光面上に前記散乱光を集光させる光学部材とを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記受光系の前記第一方向における前記照明系と反対側に前記照明光を吸収可能な光吸収部材が設けられる請求項1〜12のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記照明系は、光源と、該光源から照射される光を帯状に成形する光束可変手段と、を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項15】
前記照明系及び前記受光系を一体に保持する本体部と、該本体部を回転させることで前記照明領域を移動可能な回転機構を備える請求項1〜14のいずれか一項に記載の測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−15490(P2013−15490A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150088(P2011−150088)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】