説明

湾曲した板状体の検査装置及び検査方法

【課題】本発明は、湾曲した板状体の検査装置及び検査方法に関し、湾曲した板状体の全面を略均一に検査して、その欠陥検出を正確に行うことにある。
【解決手段】複数の曲率を有する湾曲した板状体へ向けて光を照射する光源と、光源と板状体との間に配設され、該光源から板状体へ向けて照射された光を透過・遮断するための所定の明暗パターンが形成されたパターン形成部材と、板状体を反射した光源からの光を受光する受光センサと、を設け、受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて板状体を検査する装置において、パターン形成部材に形成された所定の明暗パターンを、受光センサでの受光パターンの間隔周期が該受光センサの分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内になるように、板状体の曲率に合わせて粗密にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の曲率を有する湾曲した板状体の検査装置及び検査方法に係り、特に、例えば車両用ガラス板などの湾曲した板状体に製造段階で形成された欠陥を検出してその良否を検査する検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス板の表面形状を検査する装置及び方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この検査装置は、光をガラス板へ向けて照射する二次元的な面光源と、ガラス板を透過し或いはガラス板から反射された光を受光する受光センサと、を備えている。この技術においては、面光源から周期的な明暗パターンを有する光がガラス板に照射されると共に、そのガラス板を透過し或いは反射した光が受光センサに受光される。そして、その受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて、ガラス板に形成された欠陥が検出される。
【特許文献1】特開平11−148813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した特許文献1記載の技術において、検査対象は、平面状に形成されたガラス板である。このため、その検査対象を検査するうえでは受光センサとしてのカメラを唯一つ設けることとすれば十分であり、面光源から照射されてガラス板を透過し或いは反射した光が受光された受光センサでの受光パターンが、ガラス板の全面に対して略均一となるので、その不規則さが目立つことはない。
【0004】
しかし、ガラス板には、自動車用ガラス板など、中央部があまり湾曲しない一方で端部が大きな曲率で湾曲したものがある。上記した特許文献1記載の技術において、面光源から照射される光の明暗パターンは、予め均一な周期性を有している。このため、複数の曲率を有する湾曲したガラス板が検査対象となった場合を想定すると、かかる特許文献1記載の技術では、受光センサでの受光パターンの不規則さが大きく目立つおそれがある。具体的には、その受光パターンの明暗が、曲率の相対的に小さな部位については疎になる一方、曲率の相対的に大きな部位については密になるおそれがある。
【0005】
ここで、ガラス板に形成された欠陥をより細かく小さいものまで検出するうえでは、受光パターンの明暗の間隔を小さくすることが望ましい。しかし、受光センサには、受光量を検知できる最小の距離単位である分解能が存在する。この場合、その受光面全体に映る受光パターンの明暗の間隔(具体的には、その明暗の周期の1/2)がその分解能と略一致し或いはそれ以下になると、分解能ごとの各受光面におけるセンサ出力が明確に明を示すもの或いは暗を示すものとならずその中間値を示し易いものとなり、明暗の正確な差が現われ難いものとなる。一方、受光パターンの明暗の間隔がその分解能に対して極めて大きくなると、仮にガラス板に欠陥があっても、その欠陥に起因する受光面での明又は暗が周囲の正常な明又は暗に埋没して、その差がはっきりと現われなくなる。
【0006】
従って、上記した特許文献1記載の技術では、複数の曲率を有する湾曲したガラス板を検査対象として検査するのに、部分的に明暗の正確な差が現われなくなり或いは欠陥に起因する受光面での明暗の差が出現しないおそれがあり、ガラス板の欠陥検出を正確に行うことができない可能性がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、複数の曲率を有する板状体の全面を精度よく略均一に検査することで、その欠陥検出を正確に行うことが可能な検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、複数の曲率を有する湾曲した板状体へ向けて光を照射する光源と、前記光源と前記板状体との間に配設され、該光源から該板状体へ向けて照射された光を透過・遮断するための所定の明暗パターンが形成されたパターン形成部材と、前記板状体を反射した前記光源からの光を受光する受光センサと、を備え、前記受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて前記板状体を検査する装置であって、前記所定の明暗パターンは、前記透過光の照射により対応する部位の板状体の曲率に合わせて粗密にされている湾曲した板状体の検査装置により達成される。
【0009】
また、上記の目的は、光源から複数の曲率を有する湾曲した板状体へ向けて光を照射し、前記光源と前記板状体との間に配設されて所定の明暗パターンが形成されたパターン形成部材により前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させ、受光センサにより前記板状体を反射した前記光源からの光を受光させ、前記受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて前記板状体を検査させる方法であって、前記透過光の照射により対応する部位の板状体の曲率に合わせて粗密にされた前記所定の明暗パターンが形成された前記パターン形成部材により、前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させる湾曲した板状体の検査方法により達成される。
【0010】
これらの態様の発明において、パターン形成部材には、複数の曲率を有する板状体の曲率に合わせた粗密を有する所定の明暗パターンが形成されている。かかる構成においては、光源から照射された光を粗密のあるパターン形成部材が透過し・遮断するので、受光センサ側から見て、湾曲した板状体の面全体において規則正しい明暗パターンを形成することが可能となり、受光センサでの受光パターンを略均一にすることが可能となる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を略均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【0011】
ところで、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記所定の明暗パターンは、前記受光センサでの受光パターンの間隔周期が該受光センサの分解能に対してパターンの明暗の正確な差が現れ、かつ、欠陥に起因する受光面での暗が周囲の正常な明又は暗に埋没することなくその差がはっきりと現れる範囲内になるように、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされていることとしてもよい。
【0012】
また、上記した湾曲した板状体の検査方法において、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされた前記所定の明暗パターンが形成された前記パターン形成部材により、前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させることで、前記受光センサでの受光パターンの間隔周期を該受光センサの分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内にすることとしてもよい。
【0013】
これらの態様の発明において、パターン形成部材に形成された所定の明暗パターンは、受光センサでの受光パターンの間隔周期が該受光センサの分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内になるように、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされている。この場合、光源から照射されてパターン形状部材を通過し湾曲した板状体を反射した光の受光センサでの受光パターンは、板状体の全面に対して所定の範囲内で略均一になる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を略均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【0014】
また、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記所定の明暗パターンは、前記受光センサでの受光パターンが均一化されるように、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされていることとしてもよい。
【0015】
この態様の発明において、受光センサでの受光パターンは、板状体の全面に対して略均一になる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を略均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【0016】
また、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記所定の明暗パターンは、前記板状体の曲率の相対的に小さい部位に対しては密にされていると共に、該曲率の相対的に大きい部位に対しては粗にされていることとしてもよい。
【0017】
この態様の発明において、受光センサ側から見て、湾曲した板状体の面全体に規則性の高い明暗パターンを形成することが可能となり、板状体の曲率の相対的に大きい部位に対する受光パターンを、曲率の相対的に小さい部位に対する受光パターンと同等の大きさや太さ,間隔にして、略均一にすることができる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【0018】
また、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記光源は、前記板状体の曲率に合わせて湾曲した面光源であり、前記受光センサは、前記透過光の照射により対応する部位の板状体の曲率に合わせて複数設けられたカメラであることとしてもよい。
【0019】
この態様の発明において、板状体と面光源との距離が板状体の全面に対してできるだけ一定にされると共に、板状体の全面が複数のカメラで撮影されることが可能となるので、受光センサでの受光パターンを、各カメラそれぞれの撮像画像内で略均一にすることができ、また、複数のカメラの各撮像画像間でも略均一にすることができる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を略均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【0020】
尚、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記所定の明暗パターンは、ストライプ模様又は複数の線が並んだ曲線模様であることとしてもよい。
【0021】
この態様の発明において、受光センサでのストライプ模様又は曲線模様の各線の間隔を略均一にすることができる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を均一に検査することができる。
【0022】
この場合、前記ストライプ模様又は前記曲線模様は、前記板状体の曲率の変化する方向と同方向に並んだ複数の線からなることとしてもよい。
【0023】
この態様の発明において、板状体の曲率の変化する方向について、受光センサでの受光パターンを略均一にすることができる。従って、本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を略均一に検査することができる。
【0024】
更に、上記した湾曲した板状体の検査装置において、前記板状体は、曲率の変化する方向と直交する方向に搬送されることとしてもよい。
【0025】
この態様の発明においては、複数の曲率を有する湾曲した板状体を搬送しつつその全面を略均一に検査することができる。
【0026】
尚、上記した発明において、「複数の曲率」とは、板状体が一方向において複数の曲率を有することを意味し、また、曲率ゼロとの組み合わせを含む概念である。
【0027】
また、「略均一」とは、板状体の面全体に規則性の高いパターンを形成することを指す。規則性が高い状態においては、板状体の面内の異なる位置に同一の品質欠陥が存在した場合、本発明の実施に際して用いられる受光センサの分解能に対応し、面内の位置に依存せず検出させうる程度に等しいことを指すものとする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、複数の曲率を有する湾曲した板状体の全面を精度よく検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例である湾曲した板状体の検査装置10を斜め上方から見た際の斜視図を示す。また、図2は、本実施例の検査装置10を側方から見た際の側面図を示す。本実施例の検査装置10は、成形工程で湾曲するように成形された板状体12をベルトコンベア上に載置して搬送しながら検査する検査工程に設けられており、ベルトコンベアにより搬送されている板状体12の表面や内部に形成される傷や泡などの欠陥を検出する装置である。
【0031】
検査装置10による検査対象となる板状体12は、ケイ酸塩などを主成分とする無機ガラスを用いた強化ガラスや合わせガラスなどの自動車用ガラス板や建物用ガラス板などがもっとも好適である。また、例えばポリカーボネート類やポリスチレン類などのいわゆる有機透明樹脂材、アクリル樹脂などの有機ガラスにより構成される板状体にも好適に適用することができ、更に、以下に示す所定の反射率を持つ板状体であれば透明でない板状体であっても検査可能である。以下、板状体12をガラス板12とする。検査装置10による検査対象である板状体12は、所定の板厚を有している。
【0032】
ガラス板12の反射率は、表裏合わせて4%以上或いは表面のみで2%以上であり、好ましくは、表裏合わせて8%以上或いは表面のみで5%以上であり、さらに好ましくは、表裏合わせての反射率が10%以上であり或いは表面のみの反射率が8%以上であれば本発明によりそのガラス板12を好適に検査することができ、100%が最適である。
【0033】
ガラス板12は、平面板から成形工程で曲げ成形された湾曲形状からなり、第1方向において曲率が変化する湾曲面すなわち複数の曲率を有している。ガラス板12の湾曲面は、第1方向に向けて順に、曲率の相対的に小さな或いはほとんど平らな浅曲げ部12aと、曲率の相対的に大きな深曲げ部12bと、からなる。尚、ガラス板12の湾曲面は、更に、深曲げ部12bを挟んで浅曲げ部12aとは反対側にその浅曲げ部12aと同程度の曲率からなる浅曲げ部12cを有することとしてもよい。また、ガラス板12は、上記した第1方向と直交する第2方向において曲率のあまり変化しない一定曲率又は断面直線に成形されている。
【0034】
ガラス板12は、成形工程で曲げ成形された後、検査工程のベルトコンベア14上にそのガラス板12の曲率の変化する第1方向がベルトコンベア14の幅方向になりかつ曲率のあまり変化しない或いは断面が直線となる第2方向が搬送方向になるように載置されて、そのベルトコンベア14により搬送方向に搬送される。
【0035】
検査装置10は、光を照射する光源16と、光源16とベルトコンベア14(より詳細にはそのベルトコンベア上に載置されたガラス板12)との間に配設されたパターン形成部材18と、ベルトコンベア14上のガラス板12を反射した光源16からの光を受光する受光センサ20と、を備えている。
【0036】
光源16は、ベルトコンベア14の所定搬送位置においてそのベルトコンベア14を覆うようにその上方に設置固定された、主にガラス板12の搬送方向X及びその搬送方向Xに直交する方向Yに広がる面光源である。光源16は、ガラス板12の搬送方向Xにかけてそのガラス板の幅方向端部で下方(図1の−z方向)へ向けて湾曲しており、ガラス板12に向けて光を照射する。光源16とベルトコンベア14上に載置されるガラス板12との距離はその全面について、ガラス板12の表面での照射光による照度が所定照度の範囲内になるように設定される。このとき、光源16とガラス板12との距離は、光源16の光量、ガラス板12の曲率、後述のカメラ22の解像度により適宜設定可能であるが、好ましくは100mm〜1000mm、更に好ましくは200mm〜600mmとなるように設定される。
【0037】
パターン形成部材18は、主にガラス板12の搬送方向X及びその搬送方向Xに直交する方向Yに広がりを持って形成される。パターン形成部材18は、所定の明暗パターンを有し、光源16から照射された光を透過・遮断する機能を有している。パターン形成部材18は、上記した光源16の下面にその表面に沿って設置固定されており、ガラス板12の搬送方向Xにかけてそのガラス板の幅方向端部で下方へ向けて湾曲している。
【0038】
パターン形成部材18の明暗パターンは、明の線条と暗の線条とが搬送方向Xに直交する方向Yにおいて交互に現れるストライプ模様であり、その明や暗の延びる直線が搬送方向Xを向くように、すなわち、明の直線と暗の直線とがベルトコンベア14の幅方向(すなわちガラス板12の曲率の変化する第1方向)と同方向に並ぶように設けられている。
【0039】
パターン形成部材18は、光源16やガラス板12の曲率に合わせて曲げることができると可撓性材料であれば公知のものを使用可能であるが、透明機体にフィルムを転写したり、無機ガラスや透明樹脂に直接パターンを印刷したりして用いることができる。
【0040】
受光センサ20は、ベルトコンベア14上のガラス板12を撮影するカメラ22を有している。カメラ22は、ベルトコンベア14上のガラス板12の異なる曲率ごとに対応してガラス板12全体を俯瞰できるように少なくとも二つ設けられており、例えば搬送されるガラス板12が第1方向に順に浅曲げ部12aと深曲げ部12bとを有するときは、それらの浅曲げ部12aと深曲げ部12bとにそれぞれ対応して2つ設けられる。各カメラ22は、ベルトコンベア14上のガラス板12を挟んで光源16やパターン形成部材18と同じ側に配置されている。以下、適宜、ガラス板12の浅曲げ部12aに対応するカメラ22をカメラ22aと、ガラス板12の深曲げ部12bに対応するカメラ22をカメラ22bと、それぞれ称す。
【0041】
各カメラ22はそれぞれ、ガラス板12の搬送方向Xに直交する方向Yに広がる撮影可能領域を有する一次元(ライン)カメラであり、互いに同等の撮影能力を有するカメラである。カメラ22は、受光量を検知できる最小の距離単位である所定の分解能を有している。尚、各カメラ22の撮影可能領域は、カメラ22aとカメラ22bとで互い補完しあうように設定される。このとき、それぞれの撮影可能領域を境界線で完全に分けてもよいが、ガラス板12の寸法や搬送に伴う誤差を考慮してオーバーラップさせてもよく、検査精度の許容する範囲で撮影可能領域の間に隙間を設けてもよい。
【0042】
各カメラ22はそれぞれ、対応するベルトコンベア14上のガラス板12の曲率部位の中心に向けて、その対応の曲率部位全体が撮像画像に映るように指向された光軸を有している。このため、カメラ22によれば、対応するガラス板12の浅曲げ部12a又は深曲げ部12bが撮影された撮像画像を得ることが可能となる。各カメラ22はそれぞれ、上記の浅曲げ部12aや深曲げ部12bにそれぞれ一つずつ対応した撮像画像を撮影することができ、ベルトコンベア14上のガラス板12の表面及び/又は裏面で反射した光源16からの光を受光することにより搬送方向Xに直交する方向Yにおいて明暗が交互に形成された受光パターンを得ることが可能となる。
【0043】
検査装置10は、コンピュータを主体に構成された演算部24を備えている。演算部24は、受光センサ20の各カメラ22に電気的に接続されている。各カメラ22の撮像画像は、演算部24に供給される。演算部24は、各カメラ22から供給される撮像画像それぞれをガラス板12の搬送方向Xに直交する方向Yについて走査してそれらの受光パターンのエッジ検出をそれぞれ行い、各エッジ検出の結果に基づいてガラス板12の欠陥を検出してその検査を行う。
【0044】
上記した検査装置10において、複数の曲率を有するように曲げ成形された検査対象のガラス板12がベルトコンベア14上に載置されて搬送されてくると、光源16からそのガラス板12に光がパターン形成部材18を透過して照射される。光源16からの光がガラス板12に照射されると、受光センサ20の各カメラ22から見てそれぞれ、ガラス板12の表面にパターン形成部材18の明暗パターンに応じた明暗パターンが現れる。すなわち、受光センサ20の各カメラ22には、光源16から照射された光のうちパターン形成部材18を通過しガラス板12を反射して入射される光が受光され、直交方向Yにおいて明と暗が交互となる受光パターンが形成される。
【0045】
尚、ガラス板12を反射した光の各カメラ22での受光パターンは、そのガラス板12の搬送に伴ってそのガラス板12表面上をその搬送方向X下流側から上流側へ向かうように移動するが、その受光パターンの明暗は搬送方向Xに延びた線であるので、その受光パターンの明暗の位置がガラス板12表面上を直交方向Y(横方向)に移動することはほとんどない。
【0046】
ここでは、ガラス板12を搬送する装置としてベルトコンベア14を用いて説明を行ったが、搬送装置はこれに限定されず、空圧搬送、ロボット搬送などの公知の搬送装置を適用することも可能である。また、搬送装置の大きさは、自動車用ガラスの製造に用いる場合、一般的なサイド及びリア用ガラスが搬送可能な幅以上とする必要があり、少なくとも1200mm、望ましくは1400mm以上であることが好ましい。また、ガラス板12の搬送スピードは、カメラ22の撮影時間や製造ラインのタクトを考慮して適宜設定されるが、撮影時間で2秒以上とすることが好ましい。例えば、ガラス板12の搬送タクトで5秒以上、搬送スピードに換算して200〜500mm/secが生産性と検査時間の確保を両立するうえで好適である。
【0047】
各カメラ22は、光源16からの光により明暗パターンが形成されるガラス板12を対応部位ごとに撮影し、その撮像可能領域において入射される光とその影とによってコントラストが形成された撮像画像を取得する。そして、演算部24は、各カメラ22の撮像画像それぞれを処理してベルトコンベア14上のガラス板12を検査する。
【0048】
ガラス板12に表面や内部に形成される泡や表面に付いた傷などの欠陥が形成されていないときは、そのガラス板12を反射した光が通常どおりカメラ22に受光されることで、その受光パターンが、通常どおり正規の直線からなる明と暗とが直交方向Yにおいて交互に現れたものとなる。一方、ガラス板12に上記の欠陥が形成されているときは、そのガラス板12を反射した光がその欠陥に応じてカメラ22に受光されることとなって、その受光パターンとして、正規の線条からなる明と暗とが直交方向Yにおいて交互に現れるべきものとは異なるその欠陥に応じた規則的なパターンから外れた明暗が現れる。演算部24は、カメラ22の撮像画像から得られる明暗の受光パターンが正規の直線からなるものであるか否かに基づいてガラス板12の検査を行う。
【0049】
従って、本実施例の検査装置10によれば、ベルトコンベア14上を搬送されるガラス板12の表面に光源16からパターン形成部材18を介して光を照射し、受光センサ20のカメラ22により明暗パターンの形成されるガラス板12を撮影し、そして、そのガラス板12に反射された光源16からの光によるカメラ22の受光パターンに基づいてそのガラス板12に形成された泡や傷などの欠陥有無を判定してその検査を行うことができる。
【0050】
ところで、検査対象のガラス板12が仮に平面状に形成されているものであるときは、そのガラス板12を検査するうえで、パターン形成部材18の明暗パターンを均等に形成しかつ受光センサ20のカメラ22を唯一つベルトコンベア14上を搬送されるガラス板12の真上或いは斜め上方に設けることとすれば十分である。この場合、受光センサ20であるカメラ22が、光源16からパターン形成部材18を介して照射されてガラス板12を反射した光を受光すると、その受光パターンはそのガラス板12の全面において略等間隔で並んだ明暗からなるものとなる。このため、平面状のガラス板12が検査対象であるときは、そのガラス板12の検査をその全面を略同じ間隔からなる受光パターンを利用して行うことができるので、受光パターンに大きな間隔と小さな間隔とが混在した不均一な間隔でガラス板12の欠陥検出が行われるのを防止することができる。
【0051】
しかし、本実施例の如く検査対象のガラス板12が平面状に形成されることなく複数の曲率からなる湾曲面を有するものであるときは、受光センサ20のカメラ22を唯一つそのガラス板12の真上や斜め上方に設けるだけでは、カメラ22での受光パターンの明暗の間隔がそのガラス板12の全面において大きく変化する或いはカメラ22の撮像可能領域にガラス板12の一部の面が含まれないものとなり、その結果として、その湾曲したガラス板12の全面を均一に検査することができない不都合が生ずる。
【0052】
そこで、本実施例の検査装置10は、検査対象が複数の曲率を有する湾曲したガラス板12であるときにそのガラス板12の全面を略均一に検査する点に特徴を有している。図3は、パターン形成部材18の明暗パターンがその面上に均等に形成された場合における各カメラ22での受光パターンを説明するための図を示す。図4は、本実施例の如くパターン形成部材18の明暗パターンがその面上に粗密を有するように不均一に形成された場合における各カメラ22での受光パターンを説明するための図を示す。また、図5は、本実施例におけるカメラ22での受光パターンとその分解能との関係を表した図を示す。尚、図5には、検査における欠陥の受光パターンとして、直線状に示したスクラッチ状欠陥と円形状に示した泡欠陥とを模式的に示した。
【0053】
本実施例の検査装置10において、ベルトコンベア14上のガラス板12を反射した光源16からの光を受光する受光センサ20は、複数のカメラ22を有している。このため、ガラス板12は湾曲面の曲率ごとに別々のカメラ22を用いて撮影されることとなるので、ガラス板12の表面上に形成された明暗パターンをそれぞれ別個に得ることができる。従って、ガラス板12の曲率が大きい部位も小さい部位もそれぞれ対応のカメラ22にて撮影されることとなる。
【0054】
ガラス板12の浅曲げ部12aに対応したカメラ22aはガラス板12の略平らな部分を撮影するので、そのカメラ22aに光軸に対して大きな角度を伴って光が入射されることはない。このため、パターン形成部材18の明暗パターンが同じような間隔(すなわち予め定められた周期)で形成されていても、カメラ22aによる撮像画像内では、受光パターンの明暗の間隔が大きく変化することはない。
【0055】
一方、ガラス板12の深曲げ部12bに対応したカメラ22bはガラス板12の湾曲面を撮影するので、そのカメラ22bに光軸に対して大きな角度を伴って光が入射されることとなり、その撮影領域がカメラ22aの撮影領域よりも広範囲になる。このため、パターン形成部材18の明暗パターンが仮にその面内ですべて同じ間隔で形成されていると、カメラ22bでの受光パターンの明暗の間隔が、他のカメラ22aでの受光パターンのものと比較して小さくなること(密になること)が起こる(図3参照)。
【0056】
しかし、受光センサ20であるカメラ22には、受光量を検知できる最小の距離単位である分解能が存在するので、その受光パターンの明暗の間隔が密になり過ぎて、その間隔がその分解能と略一致し或いはそれ以下になると、分解能ごとの各受光面(各画素)におけるセンサ出力が明確に明を示すもの或いは暗を示すものとならずその中間値を示し易いものとなり、明暗の正確な差が現われ難いものとなる。一方、受光パターンの明暗の間隔がその分解能に対して極めて大きく設定されていると、仮にガラス板に欠陥があっても、その欠陥に起因する受光面での明又は暗が周囲の正常な明又は暗に埋没して、その差がはっきりと現われなくなる。
【0057】
従って、パターン形成部材18の明暗パターンが仮にその面内ですべて同じ間隔で形成されているものとすると、複数の曲率を有する湾曲したガラス板12の全面を略均一に検査することができない不都合が生じ、ガラス板12の欠陥検出を正確に行うことができなくなる。
【0058】
これに対して、本実施例の検査装置10において、パターン形成部材18に形成される明暗パターンは、受光センサ20の受光パターンすなわちカメラ22a,22bによる撮像画像での受光パターンでのストライプ状の明暗の間隔周期がそのカメラ22の分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内になるように(受光パターンでの明暗の各幅がそのカメラ22の分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内になるように)、すなわち、その受光パターンができるだけ均一化されるように、ガラス板12の直交方向Yの曲率に合わせて粗密にされている(図4及び図5参照)。
【0059】
尚、上記した所定の下限複数倍は、分解能ごとの各受光面(各画素)におけるセンサ出力が明確に明を示すもの或いは暗を示すものとなって、明暗の正確な差が現れる受光パターンの明暗の間隔周期等の下限値であり、明暗明または暗明暗のセットが出力可能な3倍以上とすることができる。また、3倍を基準に6倍、9倍として予め設定することができる。また同様に、上記した所定の上限複数倍は、ガラス板に所定の大きさの欠陥があるときに、その欠陥に起因する受光面での明又は暗が周囲の正常な明又は暗に埋没することなくその差がはっきりと現れる受光パターンの明暗の間隔周期等の上限値であり、パターンの20倍以下が好ましく、さらに好ましくは10倍以下で予め設定されている。
【0060】
そして具体的には、パターン形成部材18の明暗パターンは、上記した範囲内の受光パターンが実現されるように、ガラス板12の曲率の相対的に小さい浅曲げ部12aに対しては明暗の間隔を相対的に小さくすることで密にされると共に、ガラス板12の曲率の相対的に大きい深曲げ部12bに対しては明暗の間隔を相対的に大きくすることで疎にされる。
【0061】
かかる構成においては、光源16から照射された光を粗密のあるパターン形成部材18が透過し・遮断するので、受光センサ20の各カメラ22から見て、複数の曲率を有する湾曲したガラス板12の面全体に、明暗の間隔周期がそのカメラ22の分解能に対して所定の下限複数倍と所定の上限複数倍との間の範囲内になるように規則正しい略均一の明暗パターンが形成される。この点、受光センサ20での受光パターンは、ある程度の範囲内でカメラ22aとカメラ22bとについて同等の大きさや太さ,間隔になって略均一になり、その明暗の間隔は略同じになる(図4参照)。
【0062】
従って、本実施例の検査装置10によれば、複数の曲率を有する湾曲したガラス板12が検査対象であっても、その湾曲したガラス板12の全面を略均一に検査することができ、これにより、その欠陥検出を正確に行うことが可能となっている。
【0063】
また、本実施例においては、検査対象であるガラス板12を検査するうえで、光源16とガラス板12との間に、そのガラス板12の表面に搬送方向Xに延びた明の直線と暗の直線とがその搬送方向Xに直交する方向Yにおいて交互に現われるストライプ模様を形成するパターン形成部材18を設けると共に、ガラス板12の搬送方向Xに直交する方向Yに広がる撮影可能領域を有するカメラ22を用いる。このカメラ22は、ガラス板12が相対的に移動しながら撮影を行うため撮影可能領域が直交方向Yに広がる一次元(ライン)カメラである。従って、本実施例のカメラ22によれば、搬送方向Xにも広がる面を撮影するカメラと比較して、その直交方向Yにおける分解能を高める(最小距離単位を小さくする)ことが可能であると共に、光源16の搬送方向Xにおける長さをあまり長くする必要はなく、その面積を小さくすることが可能であるので、検査装置10のコンパクト化をその性能を維持しつつ実現することが可能となっている。
【0064】
更に、本実施例においては、検査対象であるガラス板12をベルトコンベア14上に載置して搬送しながら上記の検査が行われる。このため、本実施例によれば、複数の曲率を有するガラス板12を搬送しながらその全面を略均一に検査することが可能となっている。
【0065】
尚、上記の実施例においては、パターン形成部材18に形成する明暗パターンを、明の直線と暗の直線とが交互に現れるストライプ模様としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、明の曲線と暗の曲線とが交互に現れる曲線模様とすることとしてもよい。この場合、パターン形成部材18の明暗パターンは、明の線と暗の線とがベルトコンベア14の幅方向(すなわちガラス板12の曲率の大きく変化する第1方向(搬送方向Xに直交する方向Y)と同方向に並ぶように設けられる。
【0066】
また、上記の実施例においては、検査対象である湾曲したガラス板12を上に凸となるようにベルトコンベア14上に載置することとし、光源16、パターン形成部材18、及び受光センサ20をそのベルトコンベア14上のガラス板12の上面側に配置することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、湾曲したガラス板12を下に凸となるようにベルトコンベア14上に載置すると共に、光源16、パターン形成部材18、及び受光センサ20をそのベルトコンベア14上のガラス板12の下面側に配置することとしてもよい。
【0067】
また、上記の実施例においては、検査対象であるガラス板12をベルトコンベア14により搬送することとし、ガラス板12の検査をそのガラス板12を搬送しながらすなわちガラス板12と検査装置10とを相対移動させながら行うものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス板12の検査をそのガラス板12を固定してすなわちガラス板12と検査装置10との相対移動を禁止して行うものとしてもよい。この場合、ガラス板12とカメラ22とは相対移動しないため、カメラ22はラインカメラではなく、面方向に撮影領域が広がる二次元カメラを用いることは言うまでもない。また、ガラス板12の相対移動方向又はそれに直交する方向のいずれの方向にについて走査して受光パターンを形成し演算しても良い。
【0068】
また、上記の実施例においては、光源16として面光源を用いかつ受光センサ20として2つのカメラ22を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、検査対象であるガラス板12の曲率に応じて3つ以上のカメラ22を用いることとしてもよいし、また、光源16として点光源を用いかつ受光センサ20として搬送方向Xに直交する方向Yに延在するラインセンサを用いた構成に適用することとしてもよい。
【0069】
更に、上記の実施例においては、検査装置10の検査対象としてガラス板12を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、光源16の光を反射する板状体であれば他のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施例である湾曲した板状体の検査装置の構成図である。
【図2】本実施例の検査装置の側面図である。
【図3】パターン形成部材の明暗パターンがその面上に均等に形成された場合における各カメラでの受光パターンを説明するための図である。
【図4】本実施例の如くパターン形成部材の明暗パターンがその面上に粗密を有するように不均一に形成された場合における各カメラでの受光パターンを説明するための図である。
【図5】本実施例におけるカメラでの受光パターンと分解能との関係を表した図である。
【符号の説明】
【0071】
10 検査装置
12 板状体(ガラス板)
16 光源
18 パターン形成部材
20 受光センサ
22 カメラ
24 演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の曲率を有する湾曲した板状体へ向けて光を照射する光源と、前記光源と前記板状体との間に配設され、該光源から該板状体へ向けて照射された光を透過・遮断するための所定の明暗パターンが形成されたパターン形成部材と、前記板状体を反射した前記光源からの光を受光する受光センサと、を備え、前記受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて前記板状体を検査する装置であって、
前記所定の明暗パターンは、前記透過光の照射により対応する部位の板状体の曲率に合わせて粗密にされていることを特徴とする湾曲した板状体の検査装置。
【請求項2】
前記所定の明暗パターンは、前記受光センサでの受光パターンの間隔周期が該受光センサの分解能に対してパターンの明暗の正確な差が現れ、かつ、欠陥に起因する受光面での暗が周囲の正常な明又は暗に埋没することなくその差がはっきりと現れる範囲内になるように、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされていることを特徴とする請求項1記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項3】
前記所定の明暗パターンは、前記受光センサでの受光パターンが均一化されるように、前記板状体の曲率に合わせて粗密にされていることを特徴とする請求項1又は2記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項4】
前記所定の明暗パターンは、前記板状体の曲率の相対的に小さい部位である浅曲げ部に対しては密にされていると共に、該曲率の相対的に大きい部位である深曲げ部に対しては粗にされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項5】
前記光源は、前記板状体の曲率に合わせて湾曲した面光源であり、
前記受光センサは、前記板状体の曲率に合わせて複数設けられたカメラであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項6】
前記所定の明暗パターンは、ストライプ模様又は複数の線が並んだ曲線模様であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項7】
前記ストライプ模様又は前記曲線模様は、前記板状体の曲率の変化する方向と同方向に並んだ複数の線からなることを特徴とする請求項6記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項8】
前記板状体は、曲率の変化する方向と直交する方向に搬送されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の湾曲した板状体の検査装置。
【請求項9】
光源から複数の曲率を有する湾曲した板状体へ向けて光を照射し、
前記光源と前記板状体との間に配設されて所定の明暗パターンが形成されたパターン形成部材により
前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させ、受光センサにより前記板状体を反射した前記光源からの光を受光させ、
前記受光センサに受光された光の受光パターンに基づいて前記板状体を検査させる方法であって、
前記透過光の照射により対応する部位の前記板状体の曲率に合わせて粗密にされた前記所定の明暗パターンが形成された前記パターン形成部材により、
前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させることを特徴とする湾曲した板状体の検査方法。
【請求項10】
前記板状体の曲率に合わせて粗密にされた前記所定の明暗パターンが形成された前記パターン形成部材により、前記光源から前記板状体へ向けて照射された光を透過・遮断させることで、前記受光センサでの受光パターンの間隔周期を該受光センサの分解能に対して所定の下限複数倍から所定の上限複数倍までの範囲内にしたことを特徴とする請求項9記載の湾曲した板状体の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−229227(P2009−229227A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74468(P2008−74468)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】