説明

物品を仕分けする方法および機器

【解決手段】 複数の仕分け先に物品を仕分けする方法および機器が提供される。前記物品は、複数の個別制御される送達車両の1つに載せられる。前記送達車両は、前記仕分け先へ当該送達車両を案内(誘導)する軌道を進み、前記仕分け先は前記軌道に沿って位置する。前記送達車両は、適切な仕分け先に到着すると、当該仕分け先に前記物品を排出し、送達すべき別の物品を受け取るため戻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年1月12日付け出願済み米国仮特許出願第60/884,766号の優先権を主張するものであり、この参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
本発明は、郵便物、文書その他の物品の仕分けを自動化するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
文書および郵便物の仕分けを手作業で行うと、手間と時間がかかる。例えば、何千もの大きな組織では、組織外部から届けられ若しくは社内でやりとりされる郵便物および文書を、大勢の専任担当者が手作業で仕分けおよび配達している。また、例えば大企業では、毎日5,000通もの郵便物を受け取り、これを複数の部署および/または個人宛てに仕分けおよび配達する必要がある。このような大量の処理を行うには、郵便物を仕分けおよび配達する著しい数の専任従業員が必要である。それにもかかわらず、通常、上記のような量は、極めて高価な従来の自動仕分け機器にかかる経費を正当化するには不十分である。また、そのような組織への郵便物は、一般に著しく多様であるため、仕分け手続きの自動化をより困難、ひいては高価にしている。
【0004】
これまで、大きな組織の郵便仕分け室における上記の必要性に対処するため、仕分けを行う種々のシステムが開発されてきた。しかしながら、公知のシステムにはいくつか問題があり、その最も著しいものはコスト及びサイズである。そのため、数千の郵便物を毎日扱って中〜大規模サイズの組織のニーズを満たすことのできる小型で手ごろな価格の自動仕分けシステムが必要とされている。
【0005】
同様に、大きな組織の多くは、多数の物品を保管する多様な領域を有する。数百または数千もの領域から物品を仕分けし取り出すには、手作業の場合は著しい労力が必要であり、物品を自動的に取り扱う既知のシステムの場合は非常に高価であり、または当該システムの効率を損なう制限がある。そのため、種々の物品取り扱い用途において、自動的に物品を保管および/または取り出すことが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を踏まえ、本発明のシステムは、物品を仕分けする方法および機器を提供する。本システムには、容器など複数の保管場所と、その保管場所に物品を送達する複数の送達車両とが含まれる。軌道は、前記送達車両を前記保管場所へ案内(誘導)する。
【0007】
一実施形態では、仕分けすべき物品ごとに決定される情報に基づき、コントローラが前記送達車両の動作を制御する。また、前記軌道には、前記車両が連続した経路に沿って水平方向から垂直方向へと方向を変えて移動できるよう、複数の相互連結された垂直部分および水平部分を含めることができる。さらに、前記車両は、当該車両が水平な移動方向から垂直な移動方向へ方向転換する際、当該車両上の物品の配向(向き)が一定に保たれるよう駆動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の好適な実施例に関する上記の要約および下記の詳細な説明は、以下の添付の図面と併せて読むと最もよく理解される。
【図1】図1は、仕分け機器の斜視図である。
【図2】図2は、図1に例示した前記仕分け機器の平面図である。
【図3】図3は、図1に例示した前記仕分け機器を入力ステーションなしで示した部分斜視図である。
【図4】図4は、図3に例示した前記仕分け機器の右側面図である。
【図5】図5は、図3に例示した前記仕分け機器を排出容器なしで示した正面図である。
【図6】図6は、図1に例示した前記仕分け機器の積み入れステーションの部分断面図である。
【図7】図7は、図3に例示した前記機器の前記積み入れステーションの一部の拡大部分斜視図である。
【図8】図8は、図1に例示した前記機器の軌道の一部の拡大部分図で、開位置にあるゲートの細部を示したものである。
【図9】図9は、図1に例示した前記機器の軌道の一部の拡大部分図で、閉位置にあるゲートの細部を示したものである。
【図10】図10は、図1に例示した前記軌道の一部の拡大部分斜視図で、ゲートの細部を示したものである。
【図11】図11は、図1に例示した前記軌道の一部の拡大部分斜視図でゲートの細部を示したものであり、開位置にあるゲートは閉位置にあるゲートの奥に示している。
【図12】図12は、図1に例示した前記機器の送達車両の上面斜視図である。
【図13】図13は、図12に例示した前記送達車両の平面図である。
【図14】図14は、図12に例示した前記送達車両の右側面図である。
【図15】図15は、図12に例示した前記送達車両の正面図である。
【図16】図16は、図12に例示した前記送達車両の底面斜視図である。
【図17】図17は、図12に例示した前記送達車両の底面図である。
【図18】図18は、図12に例示した前記送達車両車輪の拡大図で、図1に例示した前記仕分け機器の前記軌道と関連して示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図1〜18を参照すると、文書または郵便物などの物品を仕分けする機器10が全体として10と指定されている。この機器10には、出力容器190など複数の仕分け先位置へ物品を送達するため、複数の送達車両または送達車200が含まれる。積み入れ(ローディング)ステーション310において、各送達車200は、入力ステーション50から物品を受け取り、これを適切な容器に送達する。
【0010】
前記送達車200は、軌道110に沿って前記仕分け先位置へ移動する前記軌道は、水平な上方レール135と、復路として作用する水平な下方レール140とを有する。互いに平行ないくつかの垂直軌道脚部130は、前記上方レールと前記下方復路(下方レール)との間に延在する。現在の例では、前記容器190は、これらの垂直軌道脚部130間で列状に配置されている。
【0011】
物品が1つ送達車に載せられると、この送達車は、2対の垂直軌道脚部に沿って上方へ移動したのち、2つの上方軌道(上方レール)135に沿って水平方向に移動する。この送達車200は、搬送中の物品用の容器を含む適切な列に到達するまで、前記上方レールに沿って移動する。前記軌道110には、前記垂直軌道脚部に沿って前記送達車200を方向付けるよう作動するゲート180が含まれており、これにより当該送達車は適切な容器で停止する。次いで当該送達車200は、前記容器に前記物品を排出する。
【0012】
前記物品の排出後、当該送達車200は、引き続き当該列を前記垂直脚部130に沿って前記下方レール140に達するまで下降する。ゲートは、この下方レールに沿って当該送達車を方向付けるよう作動し、当該送達車は、この下方レールに沿って前記積み入れステーション310へ戻って別の物品を受け取る。
【0013】
前記送達車200は、それぞれ半自律的な送達車両であり、前記軌道110に沿って自らを駆動するため、それぞれ搭載された電源及びモーターを有する。これらの送達車には、物品を積み入れ排出するための、搬送装置(コンベヤー)などの積み下ろし(ローディングまたはアンローディング)機構210も含まれる。
【0014】
本システム10には複数の送達車200が含まれるため、これらの送達車が互いに衝突しないよう、各々の位置付けが制御される。一実施形態において当該システム10は、中央コントローラ350を使用し、この中央コントローラ350は、各送達車200の位置を追跡し、前記軌道上の進行を制御する制御信号を各送達車に提供する。また、前記中央コントローラ350は、前記ゲート180など、前記軌道上の種々の要素の動作も制御する。
【0015】
入力ステーション
前記入力ステーション50では、郵便物を互いに分離し、前記積み入れステーション310へ順次搬送して、前記送達車200に載せられるようにする。また、この入力ステーションでは、各物品を適切な容器へ仕分けできるよう、各物品に関する情報が決定される。
【0016】
この入力ステーションには、手動的な構成、自動的な構成、または手動機能および自動機能の組み合わせを含む種々の構成を使用することができる。手動システムでは、作業者が各郵便物について情報を入力し、それに従って当該システムが当該郵便物を仕分けする。自動システムでは、前記入力システムに、各郵便物をスキャンしてそれに関する情報を検出する要素が含まれる。次いで当該システムは、スキャンで得られた情報に基づき、当該郵便物を仕分けする。
【0017】
例示的な手動構成では、前記入力システムに、搬送装置と、キーボードなどの入力装置と、モニターとを有した作業ステーションが含まれる。作業者が郵便物に記載された情報を読んで当該郵便物を搬送装置上に落とすと、当該搬送装置は、前記郵便物を前記積み入れステーション310に搬送する。前記搬送装置に沿って配置されたセンサーは、当該搬送装置が前記積み入れステーションへ向かって郵便物を移送する際、この郵便物を追跡する。投下された物品を受け取り追跡する搬送装置を有した作業ステーションの例は、2004年6月4日付け出願済み係属中米国特許出願第10/862,021号(2005年1月27日付け公開済み米国特許公開第US2005−0018214号A1)(参照により本明細書に組み込むものとする)に開示されている。その搬送装置は、作業者が落とした郵便物を受け取り、当該搬送装置上を搬送される郵便物を追跡する。
【0018】
例示的な自動構成では、システムに、高速ラインスキャン(線走査)カメラなどの撮像装置を有した画像処理ステーションが含まれる。この画像処理ステーションは、各郵便物をスキャン(走査)し、その宛先に関する情報を検出する。当該システムは、スキャンで得られた画像データを解析して宛先情報を決定したのち、宛先に関するタグを電子的に当該郵便物に付加し、当該郵便物を適宜仕分けする。搬送中の物品をスキャンする自動画像処理ステーションを有したシステムの例は、2001年7月13日付け出願済み米国特許出願第09/904,471号(2003年1月16日付け公開済み米国特許公開第US2003−0014376号A1)(参照により本明細書に組み込むものとする)に開示されている。
【0019】
図1および2は、そのような自動システムを例示したものである。その入力ステーションには、積み重ねた郵便物を受容する入力容器55が含まれる。この入力容器内のフィーダー60は、当該入力容器から搬送装置(コンベヤー)65へ郵便物を順次供給する。この搬送装置に沿って配置された画像処理ステーション70は、積み入れ(ローディング)ステーション310へ搬送中の郵便物をスキャンする。当該システム10は、得られた画像データを解析し、受取人の住所など当該郵便物の情報を読み取る。
【0020】
前記搬送装置65は、前記積み入れステーション310へ郵便物を搬送する。前記積み入れステーションにおいて、前記搬送装置65は、郵便物を送達車200に載せる。以下さらに説明するように、郵便物を載せた送達車は前記積み入れステーションを離れ、次いで別の送達車が当該積み入れステーションの位置に到着し、次の郵便物を受け取る。
【0021】
前記システムは、特定の場合に必要な郵便物情報を自動的に識別できないことがある。そのような郵便物を処理するため、当該システムには前記必要な情報を入力する作業者を含めることができ、これにより前記郵便物を仕分け可能にできる。例えば、前記システムには、入力装置と、モニターなどのディスプレイとを有した作業者ステーションを含めることができる。前記システムは、所定の時間内に住所を自動決定できない場合、郵便物のスキャン画像を前記モニターに表示することにより、前記作業ステーションの作業者が前記スキャン画像を見て前記入力装置で必要な情報を手入力できるようにする。
【0022】
上記の自動システムおよび手動システムに加え、当該システムは、一部の操作を手動で行い、他の操作を自動で行うハイブリッド構成すなわち半自動構成にすることができる。例えば、前記システムには、画像処理ステーションも有する手入力ステーションを含めることができる。このシステムでは多種多様な物品を扱えるため、各物品が適切に仕分けおよび分離されるよう、作業者が手作業で物品を入力することが望ましい可能性がある。前記画像処理ステーションは、次に物品をスキャンし、画像処理データを処理して、当該物品の住所情報を決定する。また、作業者ステーションには、上記のとおり、物品の住所を自動決定できない場合に情報を入力するための入力装置およびディスプレイを含めることができる。作業者は、当該システムが物品の情報を決定できないことを作業者に示した時点で、情報を入力する。あるいは、後述するように、物品情報を決定できない場合、前記送達車を緩衝領域(バッファ)へ送ることができる。そのような場合、情報が決定不能な物品を有した送達車は、必要な情報を決定できる物品の処理を当該システムが続行する間、緩衝領域にとどまる。作業者は、情報を手動でキー入力する必要のある物品が一定数に達するまで、引き続き手作業で物品を緩衝領域に置いていく。次いで作業者は、物品を落とす作業から物品情報を手動でキー入力する操作(ローカルビデオエンコーディング(local video encoding:LVE)と呼ばれる場合もある)に切り替える。作業者は、緩衝領域に含まれる物品の一部または全部が正常に符号化されるまで、キー入力を継続したのち、手作業で物品を落とす作業に戻ることができる。さらに別の代替態様では、入力装置およびディスプレイを有した別個の作業者ステーションを導入して1人の作業者が郵便物に関する入力を前記入力ステーションで行い、もう1人の作業者が住所を自動決定できない物品の情報を入力できるようにすることが望ましい可能性がある。
【0023】
以上からわかるように、前記入力ステーション50は、広範囲な選択肢とともに構成できる。それらの選択肢は上記の構成に限定されるものではなく、各物品を秤量する自動計量器、郵便物に選択的にラベルを貼付するラベラー(ラベル貼り機)、および郵便物またはラベルに情報を印刷するプリンタなど、付加的な特徴を含めることができる。
【0024】
また、以上の説明では、単一の入力ステーション50を有するものとしてシステムを記述したが、複数の入力ステーションを前記システム10に沿って組み込むことが望ましい場合も考えられる。複数の入力ステーションを使うと、物品の供給速度を上げることができる。また、前記入力ステーションは、異種の物品を処理するよう構成することができる。このようにすると、各入力ステーションを、特定のカテゴリーの物品を効率的に処理するよう構成できるようになる。例えば、郵便物などの文書を処理するよう前記システムを構成した場合、1つの入力ステーションは、標準的な封筒を処理するよう構成でき、別の入力ステーションは、比較的厚みのない平板な郵便物などより大きな郵便物を処理するよう構成できる。同様に、1つの入力ステーションは、郵便物をスキャンしてその受取人を自動的に決定することにより、郵便物を自動処理するよう構成することができる。また第2の入力ステーションは、受取人に関する情報を手作業でキー入力するなどにより、第1の入力ステーションで拒否された物品を処理するよう構成できる。
【0025】
仕分けステーション
図1〜6を参照すると、当該システムには、例えば物品(郵便物)を受容する容器190を配列した仕分けステーション100が含まれている。現在の例では、当該仕分けステーションには、複数列に配置されたいくつかの容器が含まれる。また、この仕分けステーション100には、前記送達車200を前記容器190へ案内(誘導)する軌道110も含まれる。
【0026】
この軌道110には、水平な上方レール135および水平な下方レール140が含まれる。互いに平行ないくつかの垂直軌道脚部130は、前記上方レールと前記下方復路(下方レール)との間に延在する。搬送中、前記送達車は、前記積み入れステーション310から前記上方レール135へと、一対の垂直脚部を上方へ移動する(後述するように、前記軌道には、前方軌道とそれに平行な対向軌道とが含まれるため、前記送達車は実際には2対のレール上を移動する)。次いで前記送達車は、前記上方レールに沿って、適切な容器を有した列に達するまで移動する。当該送達車は、次に2つの前部垂直支柱およびそれらに平行な2つの後部支柱に沿って、適切な容器に達するまで下方へ移動したのち、その容器に郵便物を排出する。次に、当該送達車は、水平な下方脚部(下方レール)140に達するまで、前記垂直脚部を引き続き下降する。当該送達車は、次いで前記下方レールに沿って移動し、前記積み入れステーションへ戻る。
【0027】
図2からわかるように、前記軌道110には前部軌道115および後部軌道120が含まれる。これら前部軌道115および後部軌道120は、協動して前記軌道上で前記送達車を案内(誘導)する互いに平行な軌道である。図13に示すように、各前記送達車には、4つの車輪220、すなわち2つの前輪および2つの後輪が含まれる。前記前輪220は前記前部軌道に乗り、前記後輪は前記後部軌道に乗る。前記軌道に関する説明では、前記前部軌道115および後部軌道120は、互いに同様に構成された対向軌道で、前記送達車の前後輪220を支持するものであることを理解すべきである。そのため、前部軌道または後部軌道の一部に関する説明は、対向しあうこれら前部軌道または後部軌道にも適用される。
【0028】
以下、図18を参照しながら、前記軌道の細部について詳しく説明していく。前記軌道110には、外壁152と、この外壁から離間されこの外壁に平行な内壁154とが含まれる。当該軌道は、前記内壁と前記外壁との間に延在する後壁160も有する。図18からわかるように、前記内壁152、前記外壁154、および前記後壁は、経路を形成する。前記送達車の車輪220は、この経路に乗る。
【0029】
図11を参照すると、当該軌道には、駆動面156および案内面158の双方が含まれる。前記駆動面は、その突出部により前記送達車と噛合し、当該送達車が前記軌道に沿って移動できるようにする。前記案内面158は、前記送達車を案内(誘導)し、当該送達車を前記駆動面156との動作可能な噛合状態に保つ。現在の例において、前記駆動面は一連の歯から形成されており、以下さらに説明するように前記送達車の車輪に噛合するラックを形成している。前記案内面158は、このラック156に隣接した略平坦な面である。このラック156は、当該軌道のほぼ半分にわたり延長しており、前記案内面158は、当該軌道の残りの半分にわたり延長している。図11および図18に示すように、当該ラック156は、当該軌道の前記内壁154上に形成されている。それに対向する外壁152は、前記内壁の前記案内面158に平行な略平坦な面である。
【0030】
上述したように、当該軌道には、前記水平な上方レール135と下方レール140との間に延在した複数の垂直脚部が含まれる。交差点170は、これら垂直脚部の1つが前記水平脚部の1つと交差する前記軌道の各部分で形成される。各交差点には、湾曲した内側の分岐部材172と、略直線状の外側の分岐部材176とが含まれる。図10は、右回りの交差点170cおよび左回りの交差点170dの双方を例示したもので、これらは互いに鏡像対称である。図10において、前記交差点170c、170dは、2つの垂直脚部130が水平な上方脚部(上方レール)135と交差している前記軌道の部分を例示している。前記垂直脚部と前記下方レールとの交差点には、上下逆向きである点を除き、同様な交差点が組み込まれている。具体的には、垂直脚部130cが前記下方レールと交差する点には交差点170dと同様に構成された交差点が組み込まれており、垂直脚部130dが前記下方レールと交差する点には交差点170cと同様に構成された交差点が組み込まれている。
【0031】
各交差点170には、滑らかで湾曲した内輪(インナーレース)と、平坦な外輪(アウターレース)とを有する枢動可能なゲート180が含まれ、後者は前記軌道の前記駆動面156の前記歯に対応した歯を有する。このゲート180は、第1の位置と第2の位置との間で枢動する。このゲート180は、前記第1の位置では閉じた状態になり、当該ゲートの直線状の外輪184が、当該交差点の直線状の外側の分岐部材176に位置合わせされる。また、このゲート180は、前記第1の位置では開いた状態になり、当該ゲートの湾曲した内輪182が、当該交差点の湾曲した分岐部材172に位置合わせされる。
【0032】
そのため、前記閉位置では、当該ゲートが下方へ枢動し、当該ゲートの前記外輪184が前記駆動面156に位置合わせされる。この位置では、当該ゲートが前記車が前記湾曲部を下降するのを妨げるため、当該送達車は引き続き当該交差点を直進する。これに対し、図10に例示したように開位置まで枢動すると、当該ゲートは、前記送達車が当該交差点を直進するのを妨げる。そして、当該ゲートの前記湾曲した内輪182が前記内側の分岐部材172の前記湾曲した表面と位置合わせされて、前記送達車は当該交差点を曲がる。すなわち、当該ゲートが閉じている場合、前記送達車は、当該交差点の位置に応じ前記上方レール(垂直レール)130または前記下方レール(水平レール)に沿って、当該交差点を直進する。当該ゲートが開いている場合、前記ゲートは、当該交差点の位置に応じて、垂直レールから水平レールへ、または水平レールから垂直レールへと前記送達車を方向付ける。
【0033】
図11からわかるように、前記ゲートの前記枢動点から見た遠端はフレア(末広がり)形状をしているため、当該ゲートが開いた際、前記湾曲した内輪の形状が前記内側の分岐部材の湾曲した外形に合うようになっている。その結果、当該ゲートは全体にL字状の構成を有する。当該ゲートのこのフレア形状の端部を受容するため、前記内側の分岐部材の前記駆動面156は、ノッチまたは凹部を有する。当該ゲートが閉じた状態の場合、このノッチは、当該ゲートの前記外輪184が、前記外側の分岐部材176の前記駆動面と平行に平坦に延在できるよう「逃げ」を創出する。さらに、図11に示した例では、当該ゲートが、前記軌道110の前記上方レール135に沿って配置されている。このゲートが閉じると、前記交差点170の前記内側の分岐部材の凹部により、当該ゲートは、前記上方レールの前記駆動面に整列するよう平坦に延在することができる。
【0034】
以上の説明では、前記ゲートにより、前記送達車の1つは、引き続き同じ方向(水平方向など)へ進み、または一方向(垂直方向など)へ曲がることができた。ただし、一部の応用では、当該システムに、前記垂直列と交差する水平レールを2つより多く含めることができる。そのような構成では、2つ以上の方向に送達車が曲がれるようにするため、異なるレールを含めることが望ましい可能性がある。例えば、送達車がある列を下降中の場合は、ゲートを使って、当該送達車が水平レールへと左折または右折し、あるいは前記垂直列上を直進するようにできる。また、上記のシステムでは前記送達車が前記仕分けステーション内を下降のみできたが、一部の応用では、送達車が上昇できるようにすることが望ましい可能性がある。前記仕分けステーション内を送達車が上昇することも可能な場合、前記ゲートは、前記仕分けステーション内を上昇する送達車に対応し、これを案内(誘導)するよう構成すべきである。
【0035】
前記ゲート180は、前記中央コントローラ350から受信される信号により制御される。具体的には、各ゲートは、開位置から閉位置へ、またはその逆に前記ゲートを動かすアクチュエータ186と接続される。このアクチュエータとしては、当該ゲートを動かすよう動作できる種々の制御可能な要素のいずれを使用してもよい。現在の例では、前記アクチュエータ186は、直線的に移動自在なピストンを有したソレノイドである。
【0036】
上記で前記仕分けステーション100は、複数の出力容器190を有するものとして説明している。ただし、このシステムに、単なる出力容器ではない種々の仕分け先を含めることができることは言うまでもない。例えば、特定の応用では、保管(収納)棚の領域といった保管領域へ物品を仕分けすることが望ましい可能性がある。あるいは、仕分け先は、他の場所へ物品を搬送する出力装置であってもよい。出力装置の一例によると、当該システムには、当該仕分けシステムから異なる物品取り扱い/処理システムへ向かって物品を搬送する1若しくはそれ以上の出力搬送装置を含めることができる。例えば、Aと指定された出力搬送装置は、Aと指定された処理センターへ物品を搬送することができる。そのため、処理センターAに送達すべき物品の場合、前記送達車は、出力搬送装置Aへと軌道上を移動することになる。当該送達車は、出力搬送装置Aに達すると停止し、当該物品を出力搬送装置Aに移載する。次に、出力搬送装置Aは、前記物品を処理センターAへ搬送する。さらに、出力搬送装置などの出力装置を複数含むよう当該システムを構成できることは言うまでもない。
【0037】
一部の実施形態では、前記出力容器に加えて、前記システムに複数の出力搬送装置を含めることができる。他の実施形態では、前記システムに搬送装置などの出力装置だけを複数含め、種々の出力装置へと物品を仕分けするよう当該システムを構成することができる。さらに、前記システムは、複数の保管場所から物品を取り出すよう構成することができる。そのような実施形態において、前記送達車は、容器などの保管場所へと物品を仕分けすることができる。次いで、その保管場所へ前記送達車の1つが移動し、そこから物品を取り出して、当該物品を前記出力装置の1つへ搬送するようにできる。
【0038】
前記送達車が前記保管場所から物品を取り出せる態様の1つは、前記保管場所で搬送装置を具備することにより実施する。このようにして、保管場所にある物品を、前記搬送装置で前記軌道へと搬送することができる。送達車が保管場所に到着すると、積み入れ列で物品が送達車に載せられる場合と同様な態様で、前記保管場所の前記搬送装置が物品を当該送達車に載せる。これを受け、当該システムは、複数の保管場所へ物品を仕分けしたのち前記物品を取り出して前記出力装置へ搬送するほか、複数の出力装置へと物品を仕分けすることができる。
【0039】
上記のとおり、当該システムは、様々な物品を複数の仕分け先へ仕分けするよう動作可能である。仕分け先タイプの1つは容器であり、第2のタイプは棚その他の物品保管位置(場所)であり、第3のタイプは異なる位置(場所)へ物品を搬送するため使用できる出力装置である。当該システムには、これらのタイプまたは他のタイプの仕分け先を、それぞれ1若しくはそれ以上含めることができる。
【0040】
送達車両
ここでは、図12〜17を参照し、前記送達車両200について詳しく説明していく。各送達車両は、車載電源を含む駆動システムを搭載した半自律的な送達車である。各送達車には、送達すべき物品の積み下ろし(ローディングおよびアンローディング)を行う機構が含まれる。
【0041】
前記送達車200には、物品を積み入れて前記容器の1つに排出する種々の機構のいずれを組み込んでもよい。また、この積み下ろし機構210は、特定用途に特にカスタマイズしたものであってよい。ただし、現在の例では、前記積み下ろし機構210はコンベヤーベルトである。具体的に図12を参照すると、当該積み下ろし機構には、前記送達車の頂面に沿って延在する複数の幅狭ベルト212が含まれる。これらのコンベヤーベルトは両面仕立てである。これらのベルトを第1の方向へ駆動すると、その上の物品は当該送達車の後端へ向かって動き、これらのベルトを第3の方向へ駆動すると、その上の物品は当該送達車の前端へ向かって動く。
【0042】
当該送達車の底面に取り付けられた搬送装置モーター255が、前記コンベヤーベルト212を駆動する。具体的には、前記コンベヤーベルト212は、当該送達車の前縁部で前方ローラー213の周囲に巻かれ、当該送達車の後縁部で後方ローラーの周囲に巻かれる。前記搬送装置モーター255は、前記前方ローラー213と連結されこれを駆動することにより、前記コンベヤーベルトを操作する。
【0043】
前記送達車には、4つの車輪220が含まれ、これらは当該送達車を前記軌道110に沿って搬送するため使用される。これらの車輪220は、前記車輪のうち2つが当該送達車の前縁部に沿って配置され、前記車輪のうち2つが当該送達車の後縁部に沿って配置さるよう、互いに平行で離間された2本の車軸215に取り付けられる。
【0044】
図18を参照すると、各車輪は、内側のアイドラーローラー224と、前記軌道の前記駆動面156と協動する外側のギア(歯車)222とを有する。前記アイドラーローラー224は、取り付け先の車軸に対して自由回転し、前記外側のギアは、取り付け先の車軸に対し固定されている。そのため、前記車軸を回転させると前記ギア222が回転するよう作用する。また、前記アイドラーローラーは、前記軌道の前記上壁(外壁)152と前記下壁(内壁)154との間の距離よりやや小さい直径を有するようサイズ調整されている。これにより、当該アイドラーローラーは前記軌道内で自由回転することができる一方、各車輪の前記ギア222が確実に持続して前記軌道の駆動面156(の歯)と動作可能に噛合するようにする。そのため、当該車両が水平方向に走行中の際、前記アイドラーローラーは当該送達車の重量を搬送し、前記ギア222は前記軌道の前記駆動面156と協動し前記軌道に沿って当該車両を推進する。
【0045】
当該送達車には、前記車輪220を駆動する車載モーター250が含まれる。より具体的にいうと、この駆動モーター(車載モーター)250は、前記車軸215を回転させるよう当該車軸に動作可能に接続されており、それにより当該車軸は、前記車輪の前記ギア222を回転させる。図16に示すように、前記駆動モーター250は、この駆動モーターが駆動する一対の駆動ベルト254を介して前記車軸215に相互連結されている。
【0046】
当該送達車の駆動システムは、前記軌道に沿って当該送達車を同期的に駆動するよう構成することができる。現在の例では、当該駆動システムは、各ギアが同期された態様で駆動されるよう構成されている。具体的にいうと、各ギア222は、前記車軸の1つの端部に、当該車軸に対する当該ギアの回転を実質的に妨げる態様で、連結されている。これにより、各車軸は、それに取り付けられた2つのギアを同期した態様で駆動する。また、この場合、双方の車軸は同期した態様で駆動されるため、4つのギアすべてが同期した態様で駆動される。前記車軸を同期的に駆動するため使用できる機構には様々なものがある。例えば、一対の駆動モーターを使って前記車軸を駆動でき、それら駆動モーターを同期させることができる。ただし現在の例では、単一の駆動モーター250を使って、双方の車軸を駆動している。各車軸には、タイミングプーリ226が含まれており、このタイミングプーリ226は、当該車軸に対し回転しないよう当該車軸に強固に連結されている。同様に、モーター軸には、タイミングプーリ228が連結されている。前記車軸の前記タイミングプーリ226を前記モーターに連結する前記駆動ベルト254は、前記駆動モーターの回転が前記車軸の回転に精確に伝わるようにするためのタイミングベルトである。単一のタイミングベルトを使っても双方の車軸を同期的に駆動できるが、現在の例では、図16に示したように、一対のタイミングプーリを前記モーター軸に連結し、各タイミングプーリを、それに対応した前記車軸の1つのタイミングプーリに連結している。
【0047】
前記駆動モーター250には、当該モーターの回転を検出することにより当該送達車が移動した距離を決定するよう動作可能なセンサーが含まれる。前記ギア222は前記車軸と強固に連結されており、当該車軸は前記駆動モーターと同期的に連結されているため、当該送達車が前方へ移動する距離は、前記駆動モーターの回転に対応した距離に相関するよう厳密に制御できる。そのため、決定された経路に沿って送達車が移動した距離は、当該送達車のモーター回転に対応した距離に依存する。
【0048】
前記駆動モーター250の回転を検出するため、前記モーターには、当該駆動モーターの回転量を検出するセンサー252が含まれている。現在の例では、当該センサー252はホールセンサーである。前記モーターの回転の一部は、tick(目盛り)と呼ばれるものに対応する。ホールセンサーが目盛り数を検出して前記中央プロセッサ350に信号を送信すると、当該中央プロセッサ350は、指定経路に関する既知の情報と、前記モーターについて前記センサーが検出した目盛り数とに基づき、前記指定経路に沿って前記送達車が移動した距離を決定する。
【0049】
前記送達車が前記軌道に沿って移動するに伴い、当該送達車に積まれた物品は、特に当該送達車の加速時および減速時、当該送達車から落ちる傾向がありうる。そのため現在の例では、前記送達車に、送達中、当該送達車上の要素を保持するためのリテーナー230を含めている。図12〜17に例示したように、このリテーナー230は、前記送達車の頂面に抗して物品を固定する留め具である。
【0050】
このリテーナーには、細長く枢動可能なアーム232が含まれる。バネなどの付勢要素が、当該リテーナー230の頂面に抗して前記アームを下方へ付勢する。当該リテーナー230には、さらに、タブ形態の操作子234が含まれる。このタブを押し下げると、クランプ部分が当該搬送装置の頂面から上昇して、当該送達車に物品を載せ、または当該送達車から物品を排出できるようになる。
【0051】
前記送達車200は、当該送達車の駆動に必要な電力を供給する前記レール上の接触子などの外部電源により供電できる。ただし現在の例では、前記送達車に、前記駆動モーター250および前記搬送装置モーター255の双方に必要な電力を供給する車載電源240が含まれる。また現在の例では、前記電源は充電式(充電可能)である。この電源には充電池(蓄電池)など公知の電源を含めることができるが、現在の例では、前記電源240は、1若しくはそれ以上のウルトラキャパシタで構成されている。ウルトラキャパシタは、極めてエネルギー密度の高いキャパシタ(コンデンサ)である。キャパシタは、電池に使用される化学的手段と対照的に、正電荷および負電荷を物理的に分離することにより、電気エネルギーを貯蔵する。ウルトラキャパシタは、化学的ではなく物理的で高度に可逆的な静電効果に依存する。ウルトラキャパシタは、再充電時、非常に高い電流に対応できる。大電流を使うと、ウルトラキャパシタは、数秒以下など非常に短時間で再充電できる。
【0052】
前記送達車には、前記電源240を再充電するための接触子が1若しくはそれ以上が含まれる。現在の例では、前記送達車に、ブラシが外方へ付勢されるようにしたバネ式の銅ブラシなど複数のブラシ245が含まれる。これらのブラシ245は、以下さらに説明するように、前記積み入れステーションに含まれる充電レールと協動して、前記電源を再充電する。
【0053】
各送達車には、当該送達車に積み入れ中の物品を検出する少なくとも1つの、好ましくは2つの積み入れ(ロード)センサーが含まれる。これらのセンサーにより、郵便物が確実かつ適切に当該送達車上に配置される。現在の例では、前記送達車に、前方積み入れ(ローディング)センサー260と、後方積み入れ(ローディング)センサー262とが含まれる。前記前方積み入れセンサーは、当該送達車に積み入れ中の物品の前縁を検出する。また、この前方積み入れセンサー260は、送達車上の物品がその長さ全体にわたり当該送達車に載っているか確認するため、当該物品の後縁も検出する。同様に、前記後方センサー262は、送達車上の郵便物の前縁を検出し、特定の場合には郵便物の後縁を検出することができる。前記積み入れセンサー260、262は、文書または郵便物の有無を検出する単純なI/Rセンサー(赤外センサー)であってよい。
【0054】
前記送達車は、各送達車の位置を追跡する前記中央コントローラ350から受信した信号に応答して動作するが、前記軌道上の指標(インジケータ)を読み取って自らの位置を確認するリーダー265を含んでもよい。例えば、各容器に一意のバーコードを割り当てることができ、前記前方リーダーが、物品の送達先である前記容器190周辺の前記軌道または他の領域をスキャンするようにできる。送達車が進むべき経路について前記中央プロセッサが有するデータと、前記駆動モーター250の回転に関するデータに基づく当該送達車の移動済み距離に関するデータとがあれば、当該送達車200が適切な容器場所に位置するかどうかを決定する上で十分なはずである。それでも、物品が適切な容器内に排出される前に、前記送達車の位置を再確認することが望ましい場合もある。その場合は、当該送達車が停車した位置にある容器に関する情報を前記スキャナがスキャンして読み取るよう動作可能である。スキャンされたデータにより当該容器が適切な容器であることが示されると、前記送達車は、それに載せられた物品を前記容器内に排出する。同様に、前記送達車は、その後縁部に隣接した指標を読み取る第2のリーダー266を有することができる。この第2のリーダー266は、前記軌道110の前方側の第1の容器範囲190と、当該軌道110の後方側の第2の容器範囲とを利用するよう、当該システムが設定されている場合に使用することができる。
【0055】
以上の説明において、前記送達車は、前記軌道の歯と相互作用することにより当該送達車を当該軌道上で案内(誘導)する駆動ギアを有する。また、以下動作に関する項でさらに説明するように、前記送達車の位置は、当該送達車が移動した距離に関する情報に基づいて制御できる。そのような応用では、前記送達車の駆動車輪を同期させることが望ましい。ただし、一部の応用では、それに代わる制御システムを使用してもよい。例えば、前記送達車の位置は、前記軌道に沿って配置されたセンサーからの信号、または前記軌道に沿って配置された指標(インジケータ)からの信号に基づいて制御できる。そのような場合、前記送達車は、上記と異なり、非同期的な駆動機構を使用するよう構成することができる。
【0056】
以下さらに説明するように、前記送達車には、さらに、前記中央プロセッサから受信された信号に応答して当該送達車の動作を制御するプロセッサが含まれる。また、前記送達車は、前記軌道上の移動中に、前記中央プロセッサと絶え間なく通信できるよう、無線送受信機を含む。あるいは、一部の応用では、前記軌道に沿って複数のセンサーまたは指標(インジケータ)を配置することが望ましい可能性がある。前記送達車には、前記センサーの信号および/または前記指標を検出するリーダーや、当該センサーまたは指標(インジケータ)に応答して当該車両の動作を制御する中央プロセッサを含めることができる。
【0057】
積み入れ列
ここでは、図6〜7を参照し、積み入れ列(ローディングカラム)300について詳しく説明していく。この積み入れ列300は、前記入力ステーション50の出力端部に隣接して形成される。この積み入れ列300は、前部の一対の垂直レール305a、305bとそれに対応する後方の垂直レールセットから形成される。前記積み入れステーション310は、この積み入れ列上に配置されている。前記積み入れステーション310は、前記入力ステーション50の前記搬送装置(コンベヤー)の排出端部に前記送達車200が位置合わせされる前記軌道上の位置にある。これにより、前記入力ステーションからの郵便物が、当該入力ステーションから前記送達車へ向かって搬送されている間、当該送達車に載せられるようにできる。
【0058】
前記中央プロセッサ350は前記送達車の位置を追跡するが、ホームセンサー312が前記積み入れステーション310に隣接して配置される。このホームセンサーが前記送達車を検出すると、前記軌道上の定位置に対する当該送達車の位置がわかり、前記中央プロセッサは、前記ホーム位置またはゼロ位置に対する当該送達車の位置をリセットする。
【0059】
図7を参照すると、前記垂直レール305a、305bに沿って一対の充電レールが設けられている。これらの充電レールは、電源に接続された導電性のストリップ(帯状体)である。前記送達車200の前記充電接触子(複数のブラシ)245は、この導電ストリップに係合して前記ウルトラキャパシタ240を再充電する。具体的には、前記ブラシ245の前記付勢要素が前記充電接触子へ向かって外方へ当該ブラシを付勢する。前記充電接触子245を通じて流れる電気は低電圧源からの大電流であり、これにより、前記ウルトラキャパシタは数秒以下で再充電を行える。また、前記ウルトラキャパシタが提供する電源は数分間しかもたないため、前記送達車は、前記積み入れ列を通過するたび再充電を行う。
【0060】
また、前記送達車がシャットダウン時に格納される場所に応じて、起動用充電レールを導入することが望ましい可能性もあり、その起動用充電レールは、上記の充電レールと同様なものであるが、前記復路レール上または前記積み入れ列に隣接した前記列中のレール上に設けられる。前記送達車が使用するウルトラキャパシタは、当該システムがシャットダウン状態にある間に放電することもありうる。その場合は、当該システムの起動時、前記送達車に電荷が残っておらず、当該送達車が前記ウルトラキャパシタの充填場所である前記積み入れ列まで移動することができなくなってしまう。そのため、当該システムには、前記送達車がシャットダウン状態で格納される際に接触するレール上に起動用充電レールを設けることができる。シャットダウン中、前記送達車が前記積み入れ列とそれに隣接した列に格納される場合、前記起動用充電レールは前記積み入れ列に隣接した列に設ける。あるいは、シャットダウン中、前記送達車が前記復路レール上および前記積み入れ列に格納される場合、前記起動充電レールは、前記復路レール上に設ける。これにより、当該システムの開始時には、前記起動用充電レールと、前記積み入れ列の前記充電レールとを通じて前記送達車に充電電流が供給される。
【0061】
前述のとおり、各送達車200には、当該送達車の送達中、車載物品の留め具となるリテーナー230が含まれる。このリテーナーは、前記積み入れステーションにおいて、前記送達車に物品を載せられるよう開いた状態になるべきである。そのため、図6に示したように、アクチュエータ316が前記積み入れ列に沿って配置される。このアクチュエータ316は、前記送達車が前記積み入れ列に搬送されてくる際、当該送達車へ向かって内方へ突出する。前記積み入れ列300内で送達車が上方へ搬送されるに伴い、前記留め具のアクチュエータ316は、当該留め具の操作子またはタブ236に接触する。前記アクチュエータ316と前記タブ236との相互作用により、前記リテーナーが開いて、物品を当該送達車に積み入れ可能になる。当該送達車が前記アクチュエータ316を通過し上方へ移動するに伴い、当該送達車の前記タブ236は、前記アクチュエータとの係合を解除することにより前記リテーナーをリリースして、当該車両の頂面に抗して郵便物を押さえつけ若しくは固定する。
【0062】
上記では、前記積み入れステーションを物品を前記送達車に載せる列として説明し、次いで前記送達車が水平な上方レール135へ向かって上昇すると説明した。ただし、一部の応用では、前記垂直列の頂部で若しくはその付近で物品が前記送達車に乗せられるよう、前記積み入れステーションを構成することが望ましい可能性がある。そのような応用において、前記送達車は物品を載せて上昇しなくともよくなるため、当該送達車の載荷は軽減される。前記搬送装置の頂部で前記送達車に物品を載せるには、当該システムに垂直方向の搬送装置を加えればよい。例えば、上方へ角度を付けた搬送装置は、前記列の頂部へと物品を上方搬送し、当該物品を前記送達車に積み入れることができる。あるいは、種々の搬送装置構成のうち1若しくはそれ以上を使って、前記積み入れ列の頂部へ物品を送達し、当該物品を前記送達車に載せることができる。
【0063】
動作
前記システム10は、次のように動作する。前記入力ステーション50で物品を処理し、当該物品の仕分け先を示す特徴を識別する。例えば、当該物品は、部署、私書箱番号、または受取人に基づき仕分けすべき郵便物である可能性がある。郵便物を部署別に仕分けする場合は、部署の指標となるもの(私書箱番号など)または受取人を識別するよう、前記物品を処理することができる。前記中央コントローラは、仕分け先の容器を識別するため各種データを相互に関連付けるデータベースを維持管理(メンテナンス)する。例えば、部署に基づき郵便物が仕分けされる場合、前記データベースは、受取人の名前を適切な部署と相互に関連付けることができる。他の実施形態では、物品が、商品コードを有した部品である場合があり、前記データベースは、その商品コードを仕分け先位置と相互に関連付けるものであってよい。
【0064】
前述のとおり、前記入力ステーションでは、自動的に、または手作業で物品を処理することができる。手作業(手動)モードでは、作業者が物品に関する情報を手入力したのち、当該物品を搬送装置(コンベヤー)に落とす。前記物品は、その仕分け情報に関するタグが当該システムにより電子的に付加され、前記搬送装置により前記積み入れステーションへ向かって搬送される。あるいは、前記入力システムが自動システムの場合、前記物品は自動的にスキャンされ、必要な仕分け特徴が識別される。例えば、前記入力ステーションは、バーコードスキャナなどのスキャナを使って物品に表示されたPOSTNET(Postal Numeric Encoding Techniqueの略称。米国で使用される、郵便番号その他の配達先情報をバーコード化したもの)コードを読み取ることができ、または高速ラインスキャン(線走査)カメラなどの画像処理装置をOCRエンジンと組み合わせて具備して物品に関する情報を読み取ることができる。
【0065】
送達車200は、物品を受け取る準備をするため、前記積み入れ列300の前記積み入れステーション310へ向かって前記軌道上を移動する。当該送達車が前記積み入れステーションに近づくに伴い、前記留め具230の前記操作子236が前記アクチュエータ316と係合すると、当該アクチュエータ316は、前記留め具を上方へ枢動させ、前記送達車が物品を受け取る準備を整える(図6の例示を参照)。前記送達車200が前記積み入れステーション310の位置に移動してくると、前記ホームセンサーが当該送達車の存在を検出し、前記送達車が前記積み入れステーションに位置していることを示す信号を前記中央プロセッサ350に送信する。以下では、仕分け中の物品が郵便物であるとして説明する。そのような物品は、当該システムの単なる例示的な適用対象であることは言うまでもない。上記のように、当該システムは、様々な物品取り扱い用途で様々な物品を仕分けするよう構成することができる。
【0066】
前記送達車が前記積み入れステーションに位置すると、前記入力ステーションが郵便物を当該送達車へと搬送する。郵便物が前記送達車200へ搬送されるに伴い、前記送達車上の前記積み入れ機構210が、前記郵便物を当該送達車に積み入れる。具体的にいうと、前記入力ステーションが前記郵便物を搬送し、前記送達車上の前記コンベヤーベルト212に接触させる。前記コンベヤーベルト212は、前記送達車の後方側へ向かって回転することにより、当該送達車上で前記郵便物を後方へ駆動する。
【0067】
このコンベヤーベルトの動作は、前記積み入れセンサー260、262により制御される。前記前方積み入れセンサーは、前記送達車に積み入れ中の郵便物の前縁を検出する。前記前方積み入れセンサー260が前記郵便物の後縁を検出すると、前記郵便物が当該送達車に載せられたことを当該送達車に搭載されたコントローラが決定し、前記搬送装置モーターを停止する。また、この車載コントローラは、前記後方センサー262から受信された信号に応答して前記搬送装置の動作を制御することもできる。具体的には、前記後方センサー262が前記郵便物の前縁を検出した場合、当該郵便物の前縁は、当該送達車の後縁部に隣接している状態にある。前記郵便物が前記送達車の後縁部から確実に張り出さないようにするため、前記コントローラは、前記後方センサーが前記郵便物の前縁を検出した時点で前記搬送装置を停止する。ただし、前記前方センサーが前記郵便物の後縁を検出する前に前記後方センサーが当該郵便物の前縁を検出した場合、前記コントローラは、当該郵便物に問題が生じた(当該郵便物が長すぎる、または2つの郵便物が重なり合って当該送達車に乗せられた)と決定する可能性がある。そのような場合は、前記送達車がエラーメッセージを前記中央コントローラに通信し、当該中央コントローラがエラーを宣言し、前記積み入れステーションの当該送達車に注意する必要がある旨の指標を作業者に提供する。あるいは、棄却品容器325を前記積み入れステーションの裏側に配置し、前記送達車上の郵便物が当該積み入れステーションでこの棄却品容器325に排出されるようにしてもよい。これにより、送達車への郵便物積み入れにエラーが生じたら当該郵便物が単に前記棄却品容器へ排出され、それに続く郵便物が当該送達車に載せられるようにできる。
【0068】
郵便物が載せられた前記送達車は、前記積み入れステーションを離れる。具体的にいうと、前記車載コントローラは、前記送達車に郵便物が適切に載せられたことを検出すると、前記駆動モーター250を始動させる信号を送信する。前記駆動モーター250が前記車軸を回転させると、当該車軸は、前記車輪220上の前記ギア222を回転させる。前記ギア222は前記積み入れ列の前記垂直レール305の前記駆動面156と噛合して、前記送達車を上方へ駆動する。具体的には、前記ギアおよび前記駆動面が噛合しあい、ラックピニオン機構として動作して、前記車輪の回転運動を前記軌道110上の直線運動に変換する。
【0069】
前記送達車が前記積み入れステーションを出て前記積み入れ列を上昇したのち、当該送達車が前記上方レール上の最初のゲートに達するまでは、当該送達車の行き先(目的位置)を決定しなくともよい。例えば、前記入力ステーションにおいて、郵便物を仕分けするための特徴をスキャンおよび決定する上で自動システムを使用する場合、その自動システムは、必要な特徴の決定に何らかの処理時間を要する可能性がある。前記郵便物を前記送達車上へ搬送したのち当該送達車を前記積み入れ列に沿って上方へ搬送する時間は、通常、当該郵便物に関する必要な特徴を決定する上で十分な時間となる。ただし、前記送達車が前記上方レールに達する時間までに必要な特徴が決定されない場合は、前記積み入れ列の横の列である第2の列に沿って下降するよう当該送達車を方向付けることができる。前記送達車は、前記下方レール140へと前記第2の列を下降したのち、前記積み入れ列に戻ってくる。前記送達車は、前記特徴が決定するまでの待ち時間を延ばすため、前記第2の列で停車してもよい。ただし、当該システムは、所定時間だけ待機したのち住所が決定不可能である旨を宣言でき、その場合、前記送達車は前記第2の列から前進して棄却品容器へ当該物品を排出できる。あるいは、エラーを宣言する代わり、前記特徴が決定されるまで、または所定の時間が経過して前記中央コントローラがエラーを宣言するまで、前記積み入れ列から前記第2の列へのループを前記送達車が回り続けるようにしてもよい。さらに、当該システムが郵便物の特徴を決定できない場合、前記棄却品容器を使用する代わり、前記第2の列に含まれる容器の1つを棄却品容器として使用することもできる。これにより、前記送達車は、問題のあった郵便物を前記積み入れステーションで前記棄却品容器325に排出する必要なく、前記積み入れステーションに到着し次第、郵便物を受け取る準備が整う。
【0070】
上記のように、当該システムには、必要に応じて郵便物の特徴解析処理時間に時間的猶予を与える緩衝領域の軌道として利用できるループが含まれる。第1の列および第2の列は、上記のように緩衝領域ループとして使用できるが、必要に応じて他の列も緩衝領域ループとして使用することができる。
【0071】
上記では、送達車が頂部のレールに達するまでの間に前記システムが郵便物の特徴を決定できない場合、当該送達車に緩衝領域(バッファ)を提供する工程について説明してきた。ただし、当該システムは郵便物の大半について前記送達車に緩衝領域を提供する必要なく前記特徴を識別できるはずである。以下では、前記送達車が前記上方レール135に達するまでに郵便物の特徴が決定されると仮定して、当該システムの動作を説明する。
【0072】
郵便物の特徴が決定されると、前記中央コントローラ350は、当該郵便物に適した容器190を決定する。その郵便物用の容器の位置に基づき、前記送達車用の経路が決定される。具体的には、前記中央コントローラが前記送達車用の経路を決定し、前記郵便物の送達先である容器に関する情報を前記送達車に通信する。次いで前記中央コントローラは、前記軌道上の前記ゲートを制御して、適切な列へと前記送達車を方向付ける。前記送達車が適切な列に達すると、当該送達車は、その列を適切な容器へ向かって下降する。前記送達車は、前記適切な容器190で停車し、そこで前記車載コントローラが前記搬送装置モーター255に適切な信号を送信して前記コンベヤーベルト212を駆動し、前記郵便物を前方へ駆動して前記容器内へ排出する。具体的にいうと、前記適切な容器190と、この適切な容器の真上にある容器の底縁との間隙に、前記送達車の頂部が位置合わせされる。
【0073】
上述のとおり、前記中央コントローラ350は、前記送達車200の位置に応答して前記ゲート180の動作と、郵便物を送達するため当該送達車が進むべき経路とを制御する。また後述するように、この中央コントローラは、前記軌道上の他送達車の位置に応答して前記ゲートを制御する。
【0074】
前記送達車200が前記上方レール135に沿って移動して列に近づくに伴い、前記垂直レール130への前記ゲートは、次のように制御される。前記送達車が前記列を通過し、次の列に向かう場合、前記ゲートは、図9に示すように前記閉位置へと動く。具体的には、前記列頂部の双方のゲートが閉じ、当該ゲートの前記外輪184が直線状の軌道に整列して、当該外輪が前記軌道110の前記駆動面156に位置合わせされるようにする。このように、前記ゲートは、前記駆動面156と協動して前記送達車が前記列を通過できるようにする直線状の駆動面を提供する。
【0075】
前記送達車が進入し下降すべき列にさしかかると、前記ゲートは、次のように制御される。図5を参照すると、前記容器を取り除いた状態で前記列を見ることができる。図5は当該機器10を正面から見たものであるため、この図では、送達車が前記上方レール上を右から左へ移動することになる。以下の説明において、前記送達車は、図5でCと指定された前記列内の容器へ搬送される。列Cには、2対の垂直脚部が含まれる。そのうち第1の対(ペア)の垂直脚部は、列C左側の前部および後部の垂直脚部130cであり、第2のペアは、列C右側の前部および後部の垂直脚部130dである。
【0076】
前記送達車が列Cを下降するようにするには、当該送達車左側の車輪が脚部130cを下降し、当該送達車右側の車輪が脚部130dを下降しなければならない。そのため、前記送達車が列Cに近づくに伴い、130d頂部のゲートは、前記左側の車輪が前記上方レールにとどまって前記右側の脚部130dを通過するよう、閉位置へと移動する。前記送達車の左側の車輪が前記右側の脚部130cを通過した後、前記右側脚部130d頂部の前記ゲート180は、前記右側の車輪が脚部130dを下降するよう、開位置へと移動する。具体的にいうと、前記左側の車輪が右側の脚部130dを通過した後、前記中央コントローラは、前記脚部130頂部の前記ソレノイド186を操作して、図8に示したように前記ゲートを開位置へ動かす(図8は当該機器の背面から見た図であるため、本図では前記ゲートが正面から見た配置と左右逆になっていることに注意)。この図において、前記ゲート180は、前記交差点170を通過する直線経路を遮っており、当該ゲートの前記湾曲した内輪182により、前記右側の車輪が垂直脚部130dを下降するよう方向付けている。同様に、前記左側の脚部130cの頂部の前記ゲート180は前記開位置へと移動して、前記左側の車輪が垂直脚部130cを下降するよう方向付ける。
【0077】
前記送達車が脚部130cおよび130dの底部の交差点に近づくに伴い、そこでの各ゲートは、上記と同様に、ただし左右逆に操作される。具体的には、前記送達車が脚部130cおよび130dの底部にある前記交差点170に近づくと、各交差点のゲート180は開位置に動いて、前記前方車輪すなわち先行車輪が前記下方レールへ進入するよう方向付ける。図5の視線方向で説明すると、前記送達車は、前記下方レールに達した後、左から右へ移動する。前記送達車がレール130cおよび130dの底部にある前記交差点を通過した後、前記右側の脚部130dの底部にある前記ゲートは、このゲートに当該送達車の左側の車輪が達する前に、閉位置へと移動する。これにより、当該送達車の左側の車輪は、脚部130dの底部にある交差点を前記底部レール140に沿って直進する。
【0078】
上記のように、前記中央コントローラ350は、前記送達車の位置に応答して前記ゲートの動作を制御し、より具体的には、前記左側の車輪および右側の車輪の位置に応答して前記ゲートの動作を制御する。これらゲートは、逐次的に作動されて、異なる対(ペア)の車輪が確実に適切な垂直脚部を下降するよう方向付ける。あるいは、前記送達車から受信される信号により、前記ゲートの動作を制御することもできる。具体的には、作動すべきゲートに前記送達車が近接していることを示す信号を前記中央コントローラに送信する送信機を、当該送達車に含めることができる。さらに、前記送達車が前記ゲートに近づく際スキャン可能な指標(インジケータ)を当該送達車に含めることができる。この指標(インジケータ)と、前記送達車の行き先(目的位置)とに基づき、前記ゲートは作動可能である。さらに、前記送達車には、当該送達車を適切に方向付けるようゲートを選択的にトリガーする(作動させる)機械的なアクチュエータを含めることができる。
【0079】
上記のように当該システムの利点の1つは、前記送達車が(前記上方レールまたは前記下方レールに沿った)水平移動から(前記列の1つを下降する)垂直移動へと移行しても、当該送達車の配向(向き)が実質的に変わらないことである。具体的にいうと、送達車の水平移動中、前記2つのギア付き前輪220は、前記前部軌道115の前記水平な上方レール135または下方レール140と協動し、前記2つのギア付き後輪220は、それに対応する前記後部軌道120の前記水平な上方レール135または下方レール140と協動する。前記送達車がゲートを通過し、列に進入するに伴い、前記2つのギア付き前輪は、前記前部軌道115の一対の垂直脚部130と噛合し、前記2つのギア付き後輪は、それに対応する前記後部軌道120の一対の垂直脚部と噛合する。
【0080】
前記送達車が、前記水平なレールから前記垂直な列に移動するに伴い、または垂直方向から水平方向へ移行するに伴い、前記軌道は、4つのギア付き車輪すべてが同じ高さに位置付けられるようにする。このため、前記送達車は、前記軌道上を移動する際、水平移動と垂直移動との間で移行しても傾斜することがない。また、前記送達車を単一の車軸で構成することが望ましい可能性もある。そのような構成において、前記送達車は、上記で前記送達車が略水平方向に配向されていたのとは対照的に、略垂直方向に配向される。この単一車軸構成では、前記送達車の重量により、当該送達車の配向(向き)が保たれる。ただし、単一車軸の送達車を使用する場合には、当該送達車の垂直配向を受容するよう、仕分け先位置の配向(向き)が再構成される可能性がある。同様に、前記積み入れステーションも、垂直配向の送達車に物品を積み入れるよう再構成される可能性がある。
【0081】
トラフィック制御
本システムは、複数の送達車200を含むため、それらの送達車が互いに衝突しあわないよう、異なる送達車の動作を制御する。以下の説明では、これをトラフィック制御と呼ぶ。
【0082】
このトラフィック制御には、種々の方法論を使用できる。例えば、このトラフィック制御は分散されたシステムであってよく、その場合、各送達車は周囲の送達車に対する自らの位置を監視し、前記車載コントローラは、適宜、当該送達車を制御する。そのようなシステムの一例では、各送達車に搭載された近接センサーを利用する。ある送達車の近接センサーが前方の事前定義された距離内に送達車を検出すると、後続車である当該送達車の前記車載コントローラは、当該送達車を制御して減速または停車させる。同様に、送達車が後方の事前定義された距離内に別の送達車を検出すると、先行車である当該送達車は、前方の事前定義された距離内にさらに別の送達車を検出しない限り、加速する。これにより、前記送達車は、前記近接センサーからのフィードバックに基づき、当該送達車の速度を独立して制御することができる。
【0083】
当該システムは、トラフィック制御に分散システムを使用する場合もあるが、現在の例では、集中システム(集中化システム)を使ってトラフィック制御を行う。具体的には、前記中央コントローラ350が各送達車200の位置を追跡し、各送達車の周囲の送達車に対する位置と、各送達車用の経路とに基づいて、各送達車にトラフィック制御信号を提供する。
【0084】
現在の例では、前記中央コントローラ350がトラフィックコントローラとして動作し、前記軌道110上を移動中の前記送達車と絶えず通信する。この中央コントローラは、送達車ごとに移動可能な距離を決定し、その情報を当該送達車に通信する。例えば、前記軌道上で送達車Bが送達車Aに後続しており、送達車Aが点Aに位置している場合、送達車Bは、点Aの直前の点までは送達車Aに衝突することなく安全に移動することができる。
【0085】
送達車Aが前記軌道上をさらに点Bまで前進すると、送達車Bは、点Bの直前の点まで、送達車Aに衝突することなく安全に移動できる。
【0086】
前記送達車は、前記中央コントローラと絶えず通信して当該送達車の位置を示す情報を提供することにより、前記中央コントローラが、前記軌道を前進する各送達車に関する安全な距離を絶え間なく更新できるようにする。
【0087】
以上の説明は、前記軌道上での種々の送達車の位置に基づいた、安全なゾーン(区画)の決定に限定されるが、安全なゾーンの決定は、トラフィックに影響を及ぼす他の要因に基づくこともできる。例えば、送達車について安全な距離を計算する場合、前記中央コントローラは、当該送達車と次のゲートとの間の距離とともに、当該送達車の仕分け先容器までの距離を考慮する。
【0088】
以上からわかるように、前記送達車と前記中央コントローラとの間の通信の頻度を増やすと、前記軌道上のトラフィックの流れの効率が増す。そのため現在の例では、前記トラフィック制御は、送達車が前記軌道上を1インチ移動するたびに送達車との通信が行われるよう設計されている。したがって、送達車が毎秒25インチ移動する場合、前記中央コントローラは、当該送達車と40msecごとに通信する。さらに、前記送達車は、最高50インチ/秒移動することが望ましい。そのため、前記送達車が前記中央コントローラと20msecごとに通信できるようにする通信を構成することが望ましい。
【0089】
また、安全な距離を計算するため使用した上記の変数については、各送達車の前方にある前記軌道のプロファイル(外形)に関する情報を使って、安全な距離が計算される。例えば、前記中央コントローラは、送達車の前方の経路が横方向の運動か、上り方向の運動(垂直上方への運動)か、または下り方向の運動(垂直下方への運動)かを決定する。
【0090】
トラフィック制御における問題の1つは、交差点170での合流に関するものである。この問題は、復路である前記レール140へと送達車が合流する必要がある場合に生じる。2台の送達車が衝突する程度近い距離で交差点に到着する予定である場合、それら送達車のうち一方を優先させて先に交差点を通過させ、他方を待機または減速させる必要がある。
【0091】
トラフィック合流を制御する第1の方法は、送達車が別の送達車と衝突せずに交差点を通過するだけの時間を当該送達車に設ける上で十分大きな次の(最も近い将来の)間隙を決定する工程に基づいたものである。すなわち、第1の送達車が交差点に近づいており、当該第1の送達車と第2の送達車との間の間隙が当該第1の送達車を通過させるには不十分であると決定された場合、当該第1の送達車は、自らが前記交差点を通過する上で十分大きな間隙が生じるまで、前記交差点で待機する。
【0092】
トラフィック合流を制御する第2の方法は、前記積み入れステーション310にあるホームセンサーにどの送達車が最も近いかを決定する工程に基づいている。前記ホームセンサーまでの距離が最短の送達車は、交差点で優先される。
【0093】
前記トラフィックコントローラが安全な距離を計算する際に考慮する別の要因は、隣接しあう列における送達車の位置に関する。現在の例では、前記隣接しあう列の大半が、共通の垂直レールを共有している。例えば図18では、最も左の列が垂直レール130aおよび130bを使用している。この最左列の横の列は、垂直レール130bおよび130cを使う。
【0094】
ただし現在の例では、前記列のいくつかが、隣接した列と独立した2つの垂直レールを有する場合がある。例えば、前記積み入れ列300は、それに隣接した列と共有されない2つの独立したレールを有する。したがって、送達車は、この積み入れ列の横の列における送達車の位置に配慮することなく、この積み入れ列を上昇することができる。さらに図5に示したように、前記積み入れ列の横の列も2つの独立した垂直レールを有するよう構成することが望ましい可能性がある。この態様の場合、送達車は、より自由に前記積み入れ列を上昇し、またそれに隣接した列を下降して、上記のように緩衝領域(バッファ)ループを提供することができる。
【0095】
以上のように、送達車が共通の垂直レールを共有する場合、前記トラフィックコントローラは、安全な距離の計算時に隣接しあう列内の送達車の位置を評価して、隣接しあう列における送達車の下降時に2つの送達車が絶対衝突しないようにする。
【0096】
以上では、前記仕分けステーション100の正面に設けられた容器の配列と関連付け、物品の仕分けについて説明したただし、図2および図4に例示したように、当該システムに含まれる容器の数は、当該仕分けステーションの背面にも容器の配列を取り付けることにより2倍に増やすことができる。この場合、前記送達車は、容器へ移動して当該送達車上の搬送装置(コンベヤー)を前方へ回転させ前記正面側の容器内へ物品を排出することにより、当該仕分けステーション正面側の容器に物品を送達することができる。あるいは、前記送達車は、容器へ移動して当該送達車上の搬送装置を後方へ回転させ前記背面側の容器内へ物品を排出することにより、当該仕分けステーション背面側の容器に物品を送達することができる。
【0097】
また、前記仕分けステーション100はモジュール式であり、単に当該仕分けステーションの左端部に追加部分を取り付けることにより、必要に応じて容易に拡張可能である。さらに上記では、容器配列が原則として2次元配列であり、前記送達車は単にX方向およびY方向移動するものと説明しているが、当該仕分けステーションは、付加的な軌道「コース」を加えて拡張できる。具体的にいうと、図2に例示した前記仕分けステーションに平行または垂直な別個の仕分けステーションを、前記仕分けステーションに連結することができる。これにより、前記送達車は、図2に例示した前記仕分けステーションの前記X方向およびY方向に対し、第3の次元で移動することになる。例えば、図2に例示した前記仕分けステーションに垂直に付加的な軌道部分を連結すると、この付加的な軌道が、前記積み入れ列とL字状の交差を形成するようにできる。そのような構成において、ゲートは、前記上方レール135へ、または後方の前記付加的な軌道へと、選択的に前記送達車を向かわせる。同様に、仕分けステーションに含まれる複数の平行な行を相互連結すると、前記送達車が、適切な行に達するまで乗り換えレールに沿って選択的に移動するようにできる。次いで前記送達車は、上記のように、適切な列に達するまで前記行を下降する。
【0098】
当業者であれば、本発明の要旨を変更しない範囲で上記実施形態を変更または修正できることが理解されるであろう。例えば、上記では、前記仕分けステーションの動作が前記中央コントローラで集中制御されるとして説明している。ただし、前記送達車が前記ゲートの動作を制御したほうが望ましい可能性がある。代替態様の1つによれば、前記送達車は、前記ゲートの操作子と協動する1若しくはそれ以上の機械的なアクチュエータを内蔵している。前記送達車に搭載されたこれらアクチュエータは、第1の位置と第2の位置との間で動作可能である。当該アクチュエータは、その第1の位置において、前記ゲート操作子に係合して当該ゲートを前記閉位置まで移動させる。また当該アクチュエータは、その第2の位置において、前記ゲートに係合して当該ゲートを前記開位置まで移動させる。あるいは、前記ゲートを前記開位置へ向かって付勢することにより、前記送達車のアクチュエータが前記第2の位置にある場合は、前記ゲート操作子に係合しないようにすることもできる。別の代替態様では、各送達車に、各ゲートと通信する機構が含まれる。接近してきた送達車を特定の経路へ方向付けるよう前記ゲートが枢動する必要がある場合、当該送達車は、当該ゲートが開いた状態にあるべきか、閉じた状態にあるべきかを示す信号を当該ゲートに送信する。この前記送達車からの信号に応答し、前記ゲートは適切な位置へと枢動する。
【0099】
さらに上記の説明では、前記システムにおいて、前記送達車と前記中央コントローラとの間で無線通信が使用されている。代替実施形態では、前記軌道上に通信線を設置でき、前記送達車は、配線接続された通信リンク経由で前記中央コントローラと通信することができる。さらに、前記システムは、受け取られた郵便物(受領郵便物)を仕分けする場合に有用であると説明した。しかし、当該システムを利用すると、これから発送する郵便物(発送郵便物)を仕分けおよび準備することもできる。例えば、当該システムは、郵便物の特徴を決定した後、何らかのマーキング(表示情報)を当該郵便物に印刷することができる。例えば、当該システムでは、郵便物の受取人住所を決定した後、当該郵便物の仕分け先容器を決定できる。前記郵便物が前記容器に搬送される際、その郵便物を仕分けする前に、プリンタが適切なPOSTNETバーコードを当該郵便物に印刷するようにできる。印刷機能を提供するには、当該システムに、前記軌道に沿って設けられたプリンタを含めればよい。前記送達車は、前記プリンタに近づくに伴い停車し、前記郵便物を少なくとも部分的に排出して前記プリンタへ向かって延出させる。次に、前記プリンタが適切なPOSTNETコードを前記郵便物に印刷する。次いで前記送達車は、前記搬送装置(コンベヤー)を逆転させて前記郵便物を再び完全に積み入れたのち、適切な容器へと移動する。同様に、当該システムには、物品に選択的にラベルを貼付する装置を含めることができる。マーキング(表示情報)を印刷する上記の例と同様、前記軌道上に前記ラベラー(ラベル貼り機)を配置することができる。前記送達車は、適切な容器へ向かう途中、前記ラベラーの位置で選択的に停車し、当該ラベラーへ向かって郵便物を少なくとも部分的に排出する。次いで当該ラベラーが前記郵便物にラベルを貼付すると、前記送達車上の前記搬送装置が逆転し、前記郵便物を当該送達車上に再び完全に載せる。
【0100】
発送郵便物に加え、受領郵便物を処理するよう構成されたシステムに、プリンタおよび/またはラベラーを組み込むことが望ましい可能性もある。例えば、受領郵便物を仕分けする場合は、仕分けコード、タイムスタンプ、または監査証跡情報など特定の情報を、処理中の当該受領郵便物の一部または全部に印刷することが望ましい可能性がある。一部の場合、そのような情報は、郵便物に直接印刷可能である。他の場合には、情報を印刷したラベルを郵便物に貼付することができる。
【0101】
当該システムには、プリンタおよびラベラーのほか、郵便物を秤量する計量器を含めることができる。この計量器は、前記積み入れ列などに沿って前記軌道上に配置できる。前記送達車は、物品を秤量する際、前記計量器に隣接して停車し、前記コンベヤーベルト212を駆動して当該送達車上の物品を当該計量器上に排出する。前記計量器には、当該計量器から前記送達車(またはそれに後続する送達車)へ物品を排出して載せる搬送装置(コンベヤー)または移載機構が含まれることが好ましい。前記計量器から前記送達車上に物品が載せられたら、当該送達車は、前記積み入れステーションに関連して上述したとおり、前記搬送装置を駆動して当該物品を積み入れる。
【0102】
従って、本発明は本明細書に説明した特定の実施形態に限定されず、添付の請求項に記載した本発明の要旨に含まれるすべての変更形態を含むよう意図されていると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書仕分けシステムであって、
複数の容器と、
前記容器に文書を送達する複数の送達車両と、
前記送達車両を前記容器へ案内(誘導)する軌道と、
前記車両に文書を積み入れるため、当該車両へ向かって前記文書を供給する入力ステーションと、
文書の送達先とすべき前記容器を識別し、当該容器へ向かって各車両を方向付ける、各車両と通信可能なコントローラと
を有する文書仕分けシステム。
【請求項2】
文書仕分けシステムであって、
複数の列で構成された容器配列と、
前記容器に文書を送達する複数の送達車両であって、
前記車両を駆動する電源と、
前記車両上へと文書を搬送し前記容器の1つに文書を排出する搬送装置(コンベヤー)と
を有する、前記容器に文書を送達する複数の送達車両と、
前記送達車両を前記容器へ案内(誘導)する軌道と、
前記車両に文書を積み入れるため当該車両へ向かって前記文書を供給する入力ステーションであって、各車両に単一の文書を供給する、入力ステーションと、
文書の送達先とすべき前記容器を識別し、前記文書が積み入れられる前記車両と通信して、前記文書の送達先とすべき当該容器へ向かって当該車両を方向付ける、各車両と通信可能なコントローラと
を有する文書仕分けシステム。
【請求項3】
請求項2記載の文書仕分けシステムにおいて、各車両は、当該車両に給電する充電式(充電可能な)要素を有するものである。
【請求項4】
請求項3記載の文書仕分けシステムにおいて、前記充電式要素は、前記車両が前記軌道上で搬送されるに伴い、再充電するものである。
【請求項5】
請求項2記載の文書仕分けシステムにおいて、前記軌道は、前記容器配列に沿って複数の互いに略平行なセグメントを有するものである。
【請求項6】
請求項5記載の文書仕分けシステムにおいて、前記軌道は、前記セグメントの1つへ車両を選択的に方向付けて前記容器に前記文書を送達するための、複数のゲートを有するものである。
【請求項7】
請求項2記載の文書仕分けシステムにおいて、前記容器配列は、前記軌道の互いに平行な第1のセグメントと第2のセグメントとの間に第1の容器列を有し、また前記第2のセグメントと、当該第2のセグメントに平行な前記軌道の第3のセグメントとの間に第2の容器列を有し、前記送達車両は一対の離間された駆動要素を有し、当該駆動要素は、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントに噛合して前記第1の容器列内の容器に文書を送達し、前記第2のセグメントおよび前記第3のセグメントに噛合して前記第2の容器列内の容器に文書を送達するものである。
【請求項8】
請求項2記載の文書仕分けシステムにおいて、前記搬送装置は、前記文書に係合するベルトを有するものである。
【請求項9】
請求項8記載の文書仕分けシステムにおいて、前記ベルトは、車両上に文書を積み入れるための第1の方向と、車両から前記文書を排出するための第2の方向とで動作可能である。
【請求項10】
請求項2記載の文書仕分けシステムにおいて、この文書仕分けシステムは、
文書をスキャン(走査)して情報を識別するスキャナを有し、前記車両は、前記スキャナにより識別された情報に応答して前記文書を送達するものである。
【請求項11】
文書を仕分けする方法であって、
複数の列で構成された容器配列を提供する工程と、
前記容器に文書を送達し各々電源を有する複数の送達車両を提供する工程と、
前記車両の1つへ向かって文書を供給する工程と、
前記車両上の搬送装置(コンベヤー)を使って、当該車両上の積み入れ位置へ前記文書を搬送する工程と、
前記文書の送達先とすべき前記容器を識別する工程と、
前記車両の電源を使って、前記識別された容器へ向かって軌道上で当該車両を駆動する工程と、
前記識別された容器内へ前記文書を排出するため、前記車両上の前記搬送装置を駆動する工程と
を有する方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、この方法は、
前記文書に関する情報を受信する中央コントローラを提供する工程と、
前記車両と通信して、前記文書の送達先とすべき前記容器へ向かって当該車両を方向付ける工程と
を有するものである。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、この方法は、
前記車両の前記電源を再充電する工程を有するものである。
【請求項14】
請求項11記載の方法において、この方法は、
前記車両が前記軌道に沿って搬送されている間に、前記電源を再充電する工程を有するものである。
【請求項15】
請求項11記載の方法において、この方法は、
複数の互いに平行な軌道セグメントの1つへ向かって、車両を選択的に方向付ける工程を有するものである。
【請求項16】
請求項11記載の方法において、前記搬送装置を駆動する工程は、前記文書に係合するベルトを回転させる工程を有するものである。
【請求項17】
請求項11記載の方法において、この方法は、
前記文書をスキャン(走査)して情報を識別し、当該スキャン情報に応答して前記文書を送達するため前記車両と通信する工程を有するものである。
【請求項18】
物品を仕分けする方法であって、
複数の仕分け先を提供する工程と、
前記仕分け先に物品を送達する複数の送達車両を提供する工程と、
前記車両の1つに物品を供給する工程と、
前記仕分け先の1つへ向かって軌道上で前記車両を搬送する工程と
を有する方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、この方法は、
前記車両が前記仕分け先に到着した後、当該仕分け先へ向かって前記物品を排出する工程を有するものである。
【請求項20】
複数の物品を仕分けする機器であって、
複数の仕分け先と、
前記仕分け先に物品を送達する複数の送達車両と、
前記送達車両の1つに物品を積み入れる積み入れステーションと
を有する機器。
【請求項21】
請求項20記載の機器において、この機器は、
前記送達車両を前記仕分け先へ案内(誘導)する軌道を有するものである。
【請求項22】
請求項21記載の機器において、前記仕分け先は、複数の仕分け先の列を有し、前記軌道は、前記列に沿って前記仕分け先の1つへ送達車両を案内(誘導)するよう構成されているものである。
【請求項23】
請求項21記載の機器において、前記軌道は、複数の水平なレールと、当該水平なレールのうち1若しくはそれ以上と交差して複数の交差点を形成する複数の垂直なレールとを有し、前記軌道は、前記交差点に隣接して配置された複数のゲートを有し、当該複数のゲートは、前記交差点において、垂直方向から水平方向へ、または水平方向から垂直方向へ連続した経路を提供するものである。
【請求項24】
請求項21記載の機器において、前記軌道は複数の歯を有し、前記送達車両は、前記歯と協動して前記軌道に沿って当該送達車両を駆動する複数の駆動要素を有するものである。
【請求項25】
請求項24記載の機器において、各送達車両は、前記駆動要素を駆動して前記軌道上で前記送達車両を駆動する車載モーターを有するものである。
【請求項26】
複数の物品を仕分けするソーター(仕分け装置)であって、
複数の物品を積み入れる入力ステーションと、
前記物品を受け取る複数の別個の仕分け先位置と、
前記物品を受け取って前記仕分け先位置に送達する複数の送達車両であって、各送達車両は物品を受け取るための受容領域を有し、当該受容領域は水平方向に対し角度を成す、複数の送達車両と、
前記入力ステーションから前記仕分け先位置へ前記送達車両を案内(誘導)する軌道システムであって、
前記送達車両を案内(誘導)する第1の部分と、
交差点において前記第1の部分と角度を成して交差した、前記送達車両を案内(誘導)する第2の部分と、
前記第1のセクションから前記第2のセクションへ前記車両が移動するに伴い、連続した経路を当該車両に提供するよう選択的に動作可能な複数のゲートと、
を有し、
前記仕分け先位置は、前記軌道システムの前記第2の部分に沿って配置される
軌道システムと、
適切な前記仕分け先位置へ前記送達車両を方向付けるコントローラであって、
各送達車両は、前記軌道システムと相互作用して当該車両を前記軌道に沿って駆動する駆動システムを有し、車両用の前記駆動システムは、当該車両が前記第1の部分から前記第2の部分へ移動するに伴い、前記軌道と相互作用して当該車両の前記受容領域の配向を保つよう構成されている
コントローラと
を有するソーター。
【請求項27】
請求項26記載のソーターにおいて、前記軌道システムは、複数の水平な行および垂直な列から成る後方軌道と、前記後方軌道の一部と実質的に平行な複数の水平な行および垂直な列から成る前方軌道とを有し、前記後方軌道は前記送達車両の後部を支持および案内(誘導)し、前記前方軌道は前記送達車両の前部を支持および案内(誘導)するものである。
【請求項28】
請求項26記載のソーターにおいて、前記軌道システムは、その行および列に沿って形成された一連の歯を有し、前記送達車両の前記駆動システムは、前記軌道システムの前記歯に噛合する歯を有したギア(歯車)を有するものである。
【請求項29】
請求項28記載のソーターにおいて、前記駆動システムの前記ギアと、軌道の垂直な列の前記歯との相互作用は、前記ギアの停止時、前記車両を垂直位置に保つ上で十分である。
【請求項30】
請求項29記載のソーターにおいて、前記駆動システムは、前記ギアを駆動するよう動作可能なモーターを有し、前記モーターを停止すると前記ギアが停止するものである。
【請求項31】
請求項26記載のソーターにおいて、前記送達車両は、前記軌道システムの前方側に沿って設けられた仕分け先位置へ向かって前方へ物品を排出するよう動作可能であり、前記送達車両は、前記軌道システムの後方側に沿って設けられた後方仕分け先位置へ向かって後方へ物品を排出するよう動作可能である。
【請求項32】
複数の物品を仕分けする物品取り扱いシステムであって、
物品を受容する複数の容器と、
前記容器に物品を送達する複数の送達車両であって、
各車両は、
前記車両を駆動する電源と、
前方または後方へ物品を排出して前記容器の1つの中へ物品を排出する排出装置(イジェクター)と
を有する、複数の送達車両と、
前記送達車両を前記容器へ案内(誘導)する軌道であって、複数の垂直な部分と交差する複数の水平な部分を有することにより、複数の相互連結された垂直な経路および水平な経路を提供する、軌道と、
1台の前記車両が1つの物品を送達する送達先となるべき前記容器を識別するよう動作可能で、前記物品上のマーキング(表示情報)に基づき前記容器を識別する、仕分け先モジュールと、
前記1台の車両が前記識別された容器に前記物品を送達する際、当該1台の車両の動作を制御するコントローラと
を有する物品取り扱いシステム。
【請求項33】
複数の物品を仕分けする物品取り扱いシステムであって、
前記物品を受け取る複数の仕分け先位置と、
前記物品を送達する複数の送達車両であって、各送達車両が、自らを駆動する車載モーターを有した、送達車両と、
水平方向から垂直方向へ連続した経路を提供する垂直な部分および水平な部分を有した、前記送達車両を案内(誘導)する軌道と
を有する物品取り扱いシステム。
【請求項34】
複数の仕分け先位置と案内システムとを有した物品取り扱いシステムとともに動作可能な送達車両であって、
前記仕分け先位置の1つに搬送すべき物品を受け取るプラットフォームと、
前記仕分け先位置の1つへ前記車両を駆動するモーターと、
前記仕分け先位置の1つへ前記車両を案内(誘導)する前記案内システムとともに協動可能な駆動システムであって、第1の移動方向から、それと角度を成した第2の移動方向へ前記車両が方向転換する際、水平方向に対する前記車両の配向を保つよう構成されている、駆動システムと
を有する送達車両。
【請求項35】
請求項34記載の送達車両において、前記駆動システムは、前記案内システムと相互作用して当該案内システムに沿って前記車両の位置を制御する複数の被駆動ギアを有するものである。
【請求項36】
請求項35記載の送達車両において、この送達車両は、
一対の同期駆動車軸を有し、前記ギアは、同期的に駆動されて前記案内システムに沿って前記車両を駆動するよう、当該車軸に固定されているものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−515570(P2010−515570A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545725(P2009−545725)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/051013
【国際公開番号】WO2008/089150
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509196718)オペックス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】