説明

現像方法、画像形成方法、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】 トナーの帯電立上げ性に対して余裕度の高い新規キャリアを回収トナーと混合することにより、回収トナーをキャリア上に静電的に保持し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ現像剤劣化の進行を抑制することにより、経時において高品位の画像を維持する。
【解決手段】 感光体ドラム100上の残留トナーを、磁気ブラシを形成する回収スリーブ621で回収した後、ブレード部材631で回収し、その後、回収スリーブ621で回収した回収トナーTaと、ブレード部材631で回収した回収トナーTbとを仕切り板633を介して分離して搬送し、回収トナーTaおよび新規キャリアCをリサイクル経路701を経由させて現像器300内に搬送して再利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像方法、画像形成方法、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関し、さらに詳しくは複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置が具備する現像装置を使用した現像方法、画像形成方法、現像装置、画像形成装置、現像装置および画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置のうちでも複写機、レーザプリンタにおいては、高画質を求められると同時に、高耐久性、高安定性も望まれている。つまり、環境変動による画質の変化が少なく、また常に安定した画像を経時において提供していかなければならない。従来より、非磁性トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)を現像剤担持体としての現像スリーブ上に保持し、内包される磁極によって磁気ブラシを形成させ、潜像担持体としての感光体と対向する位置で現像スリーブに現像バイアスを印加することにより現像を行う二成分現像方式が広く知られている。
この二成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く用いられている。この方式において、現像剤は現像スリーブの回転に伴い、現像領域に搬送される。現像剤が現像領域に搬送されるに従い、現像剤中の多数の磁性キャリアが現像極の磁力線に沿いながら、トナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。
【0003】
これら二成分現像装置、特にカラー画像形成装置においては、トナー分散性を向上するために、シリカや酸化チタンがトナー表面に添加されている。これら添加剤はメカ的ストレスや熱ストレスに弱く、現像器での攪拌時に、トナー内部に埋没したり、表面から離脱したりする現象が発生する。その結果、現像剤(トナーおよびキャリアを含む)の流動性等の特性値が変化し、経時において汲み上げ量(ドクタを通過して、現像領域に搬送される単位面積あたりの現像剤の重量)が低下するという現象が発生している。経時における粒状性等の安定性向上の点からは、このような現象が発生しないことが望ましく、早急な解決が望まれている。
【0004】
一方、地球環境の保護および省資源化を図るという見地から、転写残トナーとして消費されるトナーを再利用し、トナー消費効率を上昇させるトナーリサイクルに係る技術が提案され実施されている(例えば、特許文献1〜3参照)。そこで、高耐久性、高安定性という観点から消費トナーを含めた現像剤リサイクルシステムを考えることが必要となってきている。
【0005】
トナーリサイクルシステムに係る従来技術においては、単純にクリーニング部材で回収した転写残トナーを現像部に戻すものが公知である。これらの技術は、特にモノクロ現像装置に採用されているものであるが、回収トナーの帯電安定性(帯電立上げ性)低下のため、経時において、トナー飛散、地肌汚れの問題を発生した。そのため、特に、高画質が要求されるカラー画像形成装置において、採用されることは殆ど無かった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−125447号公報
【特許文献2】特開2002−14588号公報
【特許文献3】特開2001−194908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開2001−125447号公報(特許文献1)記載の技術では、回収トナーを取り出すマグネットと電極を設ける構成で回収トナーから正規帯電トナーを分離する手法を用いている。
しかしながら、特許文献1記載の技術では、回収したトナーをトナーのみで搬送するため、搬送経路中で回収トナーが凝集したり、経路途中でトナーの極性が変化することが考えられる。また、経時でのキャリア劣化を考慮していないため、リサイクルトナーにより、地肌汚れを発生させる可能性がある。そのため、この技術では、前記問題点からカラー画像形成装置においてトナーリサイクルを行うことは難しいものとなっている。
【0008】
特開2002−14588号公報(特許文献2)記載の技術では、現像器内の現像剤を直接クリーニング機構に搬送する機構を設け、その現像剤と回収トナーとを混合する機構を設けている。
しかしながら、特許文献2記載の技術では、初期的にはリサイクル可能であると考えられるが、キャリアの劣化に対して考慮されていないため、経時においてトナー飛散、地肌汚れが発生するという問題点がある。また剥がれ落ちたトナー添加剤や紙紛等の不純物を排出する機構や精製機構を有していないため、現像剤の安定化が図れないという問題点もある。
【0009】
また、特開2001−194908号公報(特許文献3)記載の技術では、現像剤排出機構を有し、トナーリサイクルを行う構成となっているが、リサイクル経路において、回収トナーが単独で搬送されるため、前記した特許文献1記載の技術と同様に、リサイクル搬送経路中で回収トナーが凝集したり、経路途中でトナーの極性が変化することが考えられる。また劣化したキャリアと回収トナーとが混合された場合、回収トナーを静電的にキャリアに拘束できる可能性が大きく低下するため、現像装置そのものが不安定になると言わざるをえない。
【0010】
そこで、本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、トナーの帯電立上げ性に対して余裕度の高い新規キャリアを回収トナーと混合することにより、回収トナーをキャリア上に静電的に保持し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ現像剤劣化の進行を抑制することにより、経時において高品位の画像を維持することができる現像方法、画像形成方法、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供すること主な目的としている。
【0011】
請求項毎の目的を挙げれば、次のとおりである。
請求項1および9記載の発明では、像担持体上の残留トナーを磁気ブラシ形成手段で形成された磁気ブラシのキャリア上に静電的に保持して回収し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ、摺擦回収手段で回収した回収トナーを磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと分離して搬送することにより、現像剤劣化の進行を抑制し、経時において、高品位の画像を維持することにある。
請求項2および10記載の発明では、磁気ブラシ形成手段で選択的に回収した回収トナーを現像手段に搬送することにより、トナーの信頼性を向上することにある。
【0012】
請求項3および11記載の発明では、劣化が進行した回収トナーを現像手段外に放出し、廃トナー収納手段に搬送することで、トナーの安定性を向上することにある。
請求項4および12記載の発明では、回収トナーを新規現像剤に確実に取りこむことにより、地肌汚れの発生を抑制することにある。
請求項5および13記載の発明では、残留トナーの回収効率を向上することにある。
請求項6および14記載の発明では、現像領域通過時の電気的ストレスを軽減することにより、現像剤劣化を抑制することにある。
【0013】
請求項7および15記載の発明では、像担持体上の残留トナーを磁気ブラシ形成手段で形成された磁気ブラシのキャリア上に静電的に保持して回収し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ、摺擦回収手段で回収した回収トナーを磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと分離して搬送することにより、現像剤劣化の進行を抑制し、経時において、高品位の画像を維持することが可能な画像形成方法、画像形成装置を提供することにある。
【0014】
請求項8および16記載の発明では、特に、カラー画像形成装置を使用する画像形成方法、カラー画像形成装置において、請求項7、15記載の発明の目的を達成することにある。
請求項17記載の発明では、プロセスカートリッジなど、比較的寿命設定が短いものに対して、コストアップなくトナーリサイクルを達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、各請求項毎の発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明では、像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体が、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持し、該二成分現像剤を前記像担持体との間に形成される現像領域に搬送し、前記像担持体の表面上に形成される潜像を前記現像剤担持体から供給されるトナーで現像する現像手段を使用する現像方法であって、転写工程後に、前記像担持体上に残留した残留トナーを回収するトナー回収機構と、該回収トナーを前記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを有する現像装置を使用する現像方法において、前記像担持体上の残留トナーを、前記トナー回収機構に配設され磁極を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段と摺擦回収手段とで回収した後、前記磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーとを分離して搬送することを特徴とする。
ここで、「現像装置」とは、通常用いられている用語の現像装置よりも広い用語概念を意味していて、従来のクリーニング装置までをも含む、いわば「現像剤リサイクル装置」とも呼ぶべき広い技術用語である(請求項9等でも同様である)。
「像担持体上の残留トナーを、前記トナー回収機構に配設され磁極を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段と摺擦回収手段とで回収した後、」とは、「先ず、磁気ブラシ形成手段により像担持体上の残留トナーを回収した後、摺擦回収手段によって像担持体上の残留トナーを回収し、その後、」を含むことを意味する。
【0016】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の現像方法において、前記磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーを、前記トナーリサイクル機構に配設された現像剤回収経路を経由させて前記現像手段に搬送して再利用することを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の現像方法において、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを収納し廃棄するための廃トナー収納手段に搬送することを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3の何れか一つに記載の現像方法において、前記磁気ブラシが、新規に補給された新規現像剤および磁性キャリアで構成されていることを特徴とする。
ここで、「新規現像剤」とは、現像に未使用の磁性キャリアを含む現像剤を意味する(請求項12も同様)。
【0017】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4の何れか一つに記載の現像方法において、前記磁気ブラシ形成手段は、回転自在であり、該磁気ブラシ形成手段の回転方向が、前記像担持体の回転方向に対して逆方向であることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の何れか一つに記載の現像方法において、現像バイアスとして、DCバイアスを用いることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明では、表面に潜像を形成する像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体に対向して配置され、トナーを保持する磁性キャリアとトナーとを収納し、前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されるトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置を使用する画像形成方法において、前記画像形成方法は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の現像方法を使用することを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の画像形成方法において、前記画像形成方法は、少なくとも2色のトナーを用いて現像可能な複数の現像装置を有するカラー画像形成装置を使用することを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、像担持体に対向して配置され、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持して該二成分現像剤を前記像担持体との間に形成される現像領域に搬送する、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、前記像担持体の表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像手段と、転写工程後に、前記像担持体上に残留した残留トナーを回収するトナー回収機構と、該回収トナーを前記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを有する現像装置において、前記トナー回収機構は、前記像担持体上の残留トナーを回収するための、磁極を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段と、前記像担持体上の残留トナーを摺擦して回収するための摺擦回収手段と、前記磁気ブラシ形成手段と前記摺擦回収手段とで回収した各回収トナーを分離する分離手段と、前記分離手段により分離された各回収トナーをそれぞれ搬送する回収トナー搬送手段とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の現像装置において、前記トナーリサイクル機構は、前記磁気ブラシ形成手段で回収し前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを通す現像剤回収経路と、前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを前記現像剤回収経路を経由させて前記現像手段に搬送する現像剤搬送手段とを有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の現像装置において、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを廃棄すべく集める廃トナー収集機構を有し、前記廃トナー収集機構は、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを通す廃トナー回収経路と、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを収納し廃棄するための廃トナー収納手段と、前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを前記廃トナー回収経路を経由させて前記廃トナー収納手段に搬送する廃トナー搬送手段とを具備することを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の発明は、請求項9ないし11の何れか一つに記載の現像装置において、新規の磁性キャリアあるいは新規現像剤を前記磁気ブラシ形成手段に補給する新規現像剤補給機構を有し、前記磁気ブラシが、前記新規現像剤補給機構により補給された新規現像剤および磁性キャリアで構成されていることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項9ないし12の何れか一つに記載の現像装置において、前記磁気ブラシ形成手段は、回転自在であり、該磁気ブラシ形成手段の回転方向が、前記像担持体の回転方向に対して逆方向であることを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項9ないし13の何れか一つに記載の現像装置において、現像バイアスとして、DCバイアスを用いることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、表面に潜像を形成する像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体に対向して配置され、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを収納し、前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されるトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段とを具備する画像形成装置において、前記画像形成装置は、請求項9ないし14の何れか一つに記載の現像装置を有することを特徴とする。
【0023】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、少なくとも2色のトナーを用いて現像可能な複数の現像装置を有するカラー画像形成装置であることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、帯電手段、現像手段およびクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段、または像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記プロセスカ−トリッジは、請求項9ないし14の何れか一つに記載の現像装置、請求項15記載の画像形成装置または請求項16記載のカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、前記課題を解決して新規な現像方法、画像形成方法、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば次のとおりである。
【0025】
本発明によれば、像担持体上の残留トナーを磁気ブラシ形成手段で形成された磁気ブラシのキャリア上に静電的に保持して回収し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うことができるとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ、摺擦回収手段で回収した回収トナーを磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと分離して搬送することにより、現像剤劣化の進行を抑制し、経時において、高品位の画像を維持することができる(請求項1、9)。
【0026】
本発明によれば、磁気ブラシ形成手段で選択的に回収した回収トナーを現像手段に搬送することにより、トナーの信頼性を向上できる(請求項2、10)。
本発明によれば、劣化が進行した回収トナーを現像手段外に放出し、廃トナー収納手段に搬送することで、トナーの安定性を向上することができる(請求項3、11)。
本発明によれば、回収トナーを新規現像剤に確実に取りこむことにより、地肌汚れの発生を抑制することができる(請求項4、12)。
本発明によれば、残留トナーの回収効率を向上することができる(請求項5、13)。
【0027】
本発明によれば、現像領域通過時の電気的ストレスを軽減することにより、現像剤劣化を抑制することができる(請求項6、14)。
本発明によれば、像担持体上の残留トナーを磁気ブラシ形成手段で形成された磁気ブラシのキャリア上に静電的に保持して回収し、地肌汚れ、粒状性低下などの異常画像の発生を抑制しながら、トナーリサイクルを行うとともに、効率的にトナーに帯電を与え、かつ、摺擦回収手段で回収した回収トナーを磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと分離して搬送することにより、現像剤劣化の進行を抑制し、経時において、高品位の画像を維持することが可能な画像形成方法、画像形成装置を提供することができる(請求項7、15)。
【0028】
請求項8および16本発明によれば、特に、カラー画像形成装置を使用する画像形成方法、カラー画像形成装置において、請求項7、15記載の発明の効果を顕著に奏する。
本発明によれば、プロセスカートリッジなど、比較的寿命設定が短いものに対して、コストアップなくトナーリサイクルを達成することができる(請求項17)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を含む実施形態を説明する。実施形態、変形例および実施例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、実施形態、変形例および実施例等のそれと区別するものとする。
【0030】
(第1の実施形態)
図1〜図4に、本発明の第1の実施形態に係る広義の現像装置周りを示す。第1の実施形態の広義の現像装置は、後述する図8に示すフルカラー画像形成装置に用いられる他、単色の画像形成装置やプロセスカートリッジにも用いられる。
【0031】
図1において、符号100は、像担持体としてのドラム状の感光体(以下、「感光体ドラム」という)を、符号200は、広義の現像装置としての現像剤リサイクル装置を、符号300は、後述する手段により感光体ドラム100上に形成された静電潜像を顕像化(可視像化)すべく現像する現像手段としての狭義の現像装置(以下、「現像器」と言い替える)を、符号600は、トナー回収装置としてのトナー回収部を、符号Gは二成分現像剤をそれぞれ示す。
【0032】
感光体ドラム100は、光導電性を有し表面に静電潜像を形成する周知の感光体であり、例えば周知の有機感光体からなる。感光体ドラム100は、図1中矢印で示す時計回りに図示しない駆動手段としての駆動モータにより回転駆動される。像担持体は、感光体ドラム100に限らず、例えばベルト状の感光体であっても良い。
【0033】
感光体ドラム100の周りには、図1中矢印で示す回転方向(時計回り)の順に、図1のほぼ真上に配置された図示しない帯電装置、図示しない露光装置からの露光、前記現像器300、図示しない転写装置、クリーニング装置の一部を兼ね備えた前記トナー回収部600が配置されていて、これらによって画像形成部が構成されている。前記帯電装置、前記露光装置、前記転写装置の一例としては、後述する図8に示す例えば4色の何れか1つのトナーで現像・画像形成を行う画像形成部を挙げることができる。
【0034】
現像器300は、感光体ドラム100に対向して配置され、トナーTとトナーTを保持する磁性キャリアC(以下、単に「キャリアC」という)とを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」というときがある)を担持し、該現像剤を感光体ドラム100との間に形成される現像領域に搬送し、内部に磁石(図示せず)を有する現像剤担持体としての現像スリーブ302を備え、感光体ドラム100の表面上に形成される静電潜像を現像スリーブ302から供給されるトナーTで現像する機能・構成を具備している。
現像スリーブ302の軸の両端部は、これを内蔵する現像器ハウジング301の紙面の手前側および奥側に形成された図示しないハウジング側壁に、図1中矢印で示す回転方向(反時計回り)に回転自在に支持されていて、図示しない駆動手段によって同方向に回転駆動される。
【0035】
現像器300は、前記現像スリーブ302の他に、図1および図2に示すように、前記図示しないハウジング側壁により図1中矢印で示す回転方向(反時計回り)に回転自在に支持された第1攪拌軸305aに固着された第1搬送スクリュー305と、前記図示しないハウジング側壁により図1中矢印で示す回転方向(時計回り)に回転自在に支持された第2攪拌軸304aに固着された第2搬送スクリュー304と、第1搬送スクリュー305から移動され現像スリーブ302の外周面上に担持された現像剤Gを所定の層厚に規制する現像剤層厚規制手段・部材としてのドクターブレード303等とから主に構成されている。
【0036】
現像器ハウジング301には、第1搬送スクリュー305と第2搬送スクリュー304とを仕切る仕切り壁301aが一体的に形成されている。図1において、符号310は、現像スリーブ302の外周上方を覆うトナー補給部ハウジングを示す。ドクターブレード303の基端部は、現像器ハウジング301の内壁に図示しない締結手段によって締結・固定されている。
【0037】
トナー回収部600は、図1〜図3に示すように、上下2段構成となっており、後述する転写工程後に、感光体ドラム100上に残留した残留トナーを回収するトナー回収機構(トナー回収手段)を有している。このトナー回収機構を有するトナー回収部600は、感光体ドラム100の回転方向上流側に配設され感光体ドラム100上の残留トナーTa(図4参照)を回収するための、固定磁極691を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段としての回収スリーブ621と、回収スリーブ621上の磁気ブラシに担持された回収用現像剤(現像剤GまたはキャリアC)の層厚を規制する回収用現像剤層厚規制手段としての回収用現像剤層厚規制部材651と、感光体ドラム100の回転方向下流側に配設され回収スリーブ621によって回収できなかった感光体ドラム100上の残留トナーTb(図4参照)を摺擦して回収するための摺擦回収手段としてのブレード部材631と、回収スリーブ621とブレード部材631とで回収した各回収トナーTa,Tbを分離する分離手段としての仕切り板633と、仕切り板633により分離された各回収トナーTa,Tbをそれぞれ搬送する回収トナー搬送手段としての搬送スクリュー641,632等とから主に構成されている。
図4に示すように、残留トナーTaは比較的帯電能力を有するトナーを、残留トナーTbは比較的帯電能力の無い劣化したトナーを表している。
【0038】
回収スリーブ621は、円筒状をなし、アルミニウム(Al)などの非磁性材料で形成されている。回収スリーブ621の外周表面は、V溝加工あるいはサンドブラスト処理を施すことが考えられるが、回収スリーブ621上の磁気ブラシ搬送性を考慮してV溝タイプを採用した。回収スリーブ621は、固定磁極691を内包されており、その表面に新規現像剤GおよびキャリアCを担持する。回収スリーブ621は、図示を省略した軸と一体的に形成されており、前記軸を介して、回収スリーブ621および搬送スクリュー641,632等を内蔵する回収部ハウジング610の紙面の手前側および奥側に形成された図示しないハウジング側壁に、図中矢印で示す回転方向(時計回り)に回転自在に支持されていて、図示しない駆動手段によって同方向に回転駆動される。
回収スリーブ621およびブレード部材631は、感光体ドラム100の軸線方向に沿って同感光体ドラム100の長さ方向の現像領域に少なくとも至るべく延在するように形成されている。
【0039】
ブレード部材631は、クリーニング手段としてのクリーニングブレードを兼ねており、例えばナイロン(ポリアミド樹脂)等で形成されている。ブレード部材631は、その基端部が回収部ハウジング610の上部右端壁に垂下するように取り付け・固定されている。仕切り板633の図において右端部は、各トナー回収機構により回収されたトナーが漏れて混合することがないように、感光体ドラム100の表面に近接するように右斜め上方に曲げられている。
摺擦回収手段は、上記ブレード部材631に限らず、例えばナイロン、アクリル、またはポリエステル繊維等で形成された周知のファーブラシを用いても良い。
【0040】
搬送スクリュー641は、前記図示しないハウジング側壁により回転自在に支持された軸641に固着されて形成されていて、後述するリサイクル経路701に回収トナーTaおよび新規キャリアCを搬送する方向に図示しない駆動手段により回転駆動される。
同様に、搬送スクリュー632は、前記図示しないハウジング側壁によりに回転自在に支持された軸632aに固着されて形成されていて、後述する廃トナー回収経路を経由して廃トナーボトル(図示せず)に劣化した回収トナーTbを搬送・排出する方向に図示しない駆動手段により回転駆動される。
【0041】
現像剤リサイクル装置200は、現像器300および前記トナー回収機構を有するトナー回収部600の他に、新規トナーを現像器300内の現像スリーブ302に逐次補給する新規トナー補給機構(新規トナー補給手段)と、新規キャリアあるいは新規現像剤(新規トナーを混合して新規現像剤となることもある)をトナー回収部600内の回収スリーブ621に逐次補給する新規現像剤補給機構(新規現像剤補給手段)と、現像器300中の余剰現像剤を現像器300外に排出する余剰現像剤排出機構(余剰現像剤排出手段)と、トナー回収部600の回収スリーブ621により回収された回収トナーTa等を現像器300内に戻すトナーリサイクル機構(トナーリサイクル手段)と、トナー回収部600のブレード部材631により回収された回収トナーTbを廃棄すべく集める廃トナー収集機構(廃トナー収集手段)とを具備している。
【0042】
ここで、特許請求の範囲を含め本明細書に記載の「新規現像剤」とは、課題を解決するための手段の欄にも記載したとおり、現像に未使用のキャリアを含む現像剤を意味する。
【0043】
前記新規トナー補給機構は、サプライとしての新規トナーTを収納したトナーボトル361の供給口に接続され新規トナーTを現像器300に直接的に補給する補給経路363を有して構成されている。トナーTは、例えばポリエステルを主材とし顔料あるいは(本実施形態例では例えばカラー現像装置なのでイエロー、マゼンタ、シアン、カーボンブラックの少なくとも2色)の着色剤、荷電制御剤、シリカ、酸化チタン等を表面に添加したものからなる。
【0044】
前記新規現像剤補給機構は、サプライとしての新規キャリアCを収納したキャリアボトル360の供給口に接続され新規キャリアCあるいは新規現像剤を現像器300に直接的に補給するフレキシブルチューブ362からなる補給経路と、フレキシブルチューブ362に新規キャリアCあるいは新規現像剤を送り込み圧送する粉体ポンプの一種である図示しないモーノポンプとを有して構成されている。なお、モーノポンプに代えて、スパイラルコイルの回転により搬送する方式でも良い。キャリアCは、例えばフェライトをコアとしてその周りに絶縁性樹脂をコーティングしたものからなる。
【0045】
前記余剰現像剤排出機構は、第1搬送スクリュー305と、第1搬送スクリュー305の下流部に配設され砂模様の矢印で示す現像剤排出経路329と、図2において下側に示す第1搬送スクリュー305の下流端部近傍に配設された仕切り部材330とから主に構成されている。
【0046】
前記トナーリサイクル機構は、回収スリーブ621で回収し搬送スクリュー641により搬送されてきた回収トナーTaおよび新規キャリアC(または回収トナーTaが無い場合は新規キャリアまたは新規現像剤)を通す現像剤回収経路としてのリサイクル経路701と、搬送スクリュー641により搬送されてきた回収トナーTaおよび新規キャリアC(または回収トナーTaが無い場合は新規キャリアまたは新規現像剤)をリサイクル経路701を経由させて現像器300に搬送する現像剤搬送手段としてのスパイラルコイル702とから主に構成されている。なお、リサイクル経路701中の現像剤の搬送方法については、スパイラルコイルに代えて、モーノポンプあるいはエアーを用いた搬送方法を用いても良い。
【0047】
前記廃トナー収集機構は、トナー回収部600のブレード部材631で回収した回収トナーTbを通す廃トナー回収経路(本実施形態では図示せず、例えば図8に示す廃トナー回収経路11Bk参照)と、ブレード部材631で回収した回収トナーTbを収納し廃棄するための廃トナー収納手段としての廃トナーボトル(本実施形態では図示せず、例えば図8に示す廃トナーボトル10参照)と、廃トナー搬送手段としての搬送スクリュー632とから主に構成されている。
【0048】
現像剤リサイクル装置200の動作について、細部の構成を補足しながら説明する。
新規トナーTおよび新規キャリアCは、トナーボトル361の供給口に設けられた図示しない開閉弁、キャリアボトル360の供給口に設けられた図示しない開閉弁を介してそれぞれ排出され、フレキシブルチューブ362を経由してトナー回収部600へ移動する。トナーボトル361の供給口は、トナー回収部600に通じるフレキシブルチューブ362の他に、現像器300に通じる補給経路363にも接続されていて、必要に応じて新規トナーTを現像器300に直接補給する。また、フレキシブルチューブ362中の新規トナーTおよび新規キャリアCは図示しないモーノポンプの回転により、トナー回収部600に搬送される。その後、トナー回収部600における後述する特徴的な動作を経て、リサイクル経路701を通じて、再び現像器300に搬送される。搬送された現像剤は、現像器300内で分散、混合され現像に再使用される。
【0049】
現像剤Gは、図1中砂状模様で示されており、非磁性のトナーTと磁性のキャリアCとからなる。図1および図2に示すように、現像剤Gは、第1攪拌軸305aに固着された第1搬送スクリュー305と、第2攪拌軸304aに固着された第2搬送スクリュー304との間で図2中黒太矢印で示す矢印の方向に循環している。リサイクル経路701は、第2搬送スクリュー304の現像剤搬送方向の上流側端部において、現像器300と接続されており、ここで残留トナー、すなわち回収トナーTaおよび新規キャリアCを含む現像剤G、あるいは回収トナーTaが無い場合は新規キャリアCまたは新規現像剤Gが現像器300に戻される。
【0050】
図2に示すように、リサイクル経路701の上流部には、現像剤の濃度を検知を検知する現像剤濃度検知手段としてのトナー濃度センサ350が配置されており、現像剤の濃度検知が可能となっている。トナー濃度センサ350としては、透磁率センサまたは光反射型センサが用いられる。トナー濃度センサ350の出力値は、図示しない制御手段としての制御装置内のCPUに送信されてフィードバック制御される。すなわち、トナー濃度センサ350で検知された出力値情報と出力画像面積率、現像器300内に配置されたトナー濃度センサ351の出力値とにより補給トナー量は決定され、補給経路363を通じて、トナー補給口340に新規トナーTが補給される。現像器300内のトナー濃度検知手段としては、透磁率センサ351を用いている。
なお、現像器300内のトナー濃度検知手段としては、透磁率センサ351に限らず、光の反射光強度を測定する光反射型フォトセンサを用いても良い。
【0051】
第1搬送スクリュー305の下流部においては、第2搬送スクリュー304に移送される経路328と現像剤排出経路329が設けてある。第1搬送スクリュー305端部における現像剤排出法は、オーバーフロー方式を採用している。すなわち、図2において下側に示す第1搬送スクリュー305の端部近傍には、仕切り部材330が所定の高さで設置されている。リサイクル経路701を通じて現像剤Gが補給されるにしたがって現像剤量が増加し、現像剤Gの液面が所定高さの仕切り部材330を超える量となったとき、現像剤Gは現像器300の外部に排出される。したがって、初期的には現像剤量が多くないため、全ての現像剤Gは第2搬送スクリュー304側に移送され、第1搬送スクリュー305端部の現像剤排出経路329に現像剤Gは移送されない。
【0052】
別の排出方法としては、第2攪拌軸304aおよび第2搬送スクリュー304の側面に切り欠きを入れた側面排出法や、第1搬送スクリュー305端部で磁場を与えて現像器300内の現像剤Gを吸着させ排出する方法等も考えられる。しかしながら、現像剤中に蓄積される紙粉や、劣化トナー、遊離したトナー外添剤を取り去るという効果を得るにはオーバーフロー方式が最も適している。
【0053】
現像剤Gは現像スリーブ302の図示しない汲み上げ磁極により、現像器300を構成している現像ユニット内の第1搬送スクリュー305から現像スリーブ302に移動する。その後、現像剤Gは現像スリーブ302の図1中矢印方向(反時計回り)への回転に伴い、搬送極の磁場と現像スリーブ302表面の摩擦力とによりドクターブレード303近傍まで搬送される。ドクターブレード303近傍まで搬送された現像剤Gは、ドクター上流部320において一旦滞留し、ドクターブレード303の先端であるドクターエッジ部303aと現像スリーブ302外周面とのギャップGdで層厚を規制された後、現像領域に搬送される。
【0054】
現像領域には、所定の現像バイアスが印加されており、感光体ドラム100上に形成された静電潜像にトナーTを付勢する方向に現像電界が形成されるため、トナーTは感光体ドラム100上に現像される。また、現像領域を通過した現像剤Gは、現像スリーブ302上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ302から離れ、第1搬送スクリュー305に戻るという工程が繰り返される。現像工程終了後、感光体ドラム100に現像されたトナーは図示しない転写装置にて、すなわち単色の画像形成装置においては転写装置(図示せず)を構成する図示しない転写ローラを介して転写紙に、カラー画像形成装置においては図示しない搬送転写ベルトを介して転写紙(例えば図8の搬送転写ベルト5参照)に、または中間転写体としての図示しない中間転写ベルト(図示せず)に転写される。この際、感光体ドラム100に残留した残留トナーは、トナー回収部600により回収され、この装置内において、新規現像剤または新規キャリアCと混合され二成分現像剤となる。トナー回収部600による感光体ドラム100上の残留トナー回収動作の詳細は、後述する。
【0055】
新規現像剤の補給は、フレキシブルチューブ362を介して、図2に示すようにトナー回収部600の最上流に位置する現像剤補給口341から行われる。補給された現像剤Gは回収スリーブ621上で後で詳述する磁気ブラシを形成し、搬送スクリュー641の回転に伴い、リサイクル経路701側に搬送される。
【0056】
すなわち、固定磁極691を内包した回収スリーブ621は、その表面に新規現像剤GおよびキャリアCを担持する。回収スリーブ621に担持された新規現像剤GおよびキャリアCは、内包された固定磁極691の磁場により磁気ブラシを形成する。その後、回収スリーブ621の図3における矢印方向(時計回り)の回転に伴い、回収用現像剤層厚規制部材651により、回収スリーブ621上の磁気ブラシ307の層厚が制御された後、図4に示すように固定磁極691で穂立ちし、回収スリーブ621のさらなる回転に伴い搬送されて感光体ドラム100の表面を摺擦する。これにより、感光体ドラム100上の残留トナーTaを静電的、物理的にキャリアCに付着させ残留トナーTaを回収する。残留トナーTaを回収した磁気ブラシ307は、さらに搬送され図示しない現像剤離れ位置で回収スリーブ621から離れて、搬送スクリュー641に移行し、搬送スクリュー641の回転によってリサイクル経路701を通じて現像器300に移送され現像に再使用される。
【0057】
次いで、回収スリーブ621の磁気ブラシ307で回収できずに通過した感光体ドラム100上の残留トナーTb(以下、「回収トナーTb」というときがある)
は、ブレード部材631による機械的な摺擦によって感光体ドラム100上から完全に回収される。ブレード部材631で回収された回収トナーTbは、重力の作用により仕切り板633上に落下して、回収スリーブ621の磁気ブラシ307で回収された回収トナーTaおよび逐次補給される新規現像剤と分離される。
その後、搬送スクリュー632の回転に伴い、廃トナーボトル(例えば図8参照)に貯留される。ここで回収される回収トナーTbは、比較的劣化が進行しているものが多い。そのため、新規キャリアとの混合によっても電荷付与が困難でり、このトナーTbをリサイクルすると、特に環境変動によりトナー飛散、地肌汚れが発生する可能性が高いためリサイクルは行っていない。
【0058】
回収部602では、感光体ドラム100回転方向の上流側のトナー回収部においてトナーの劣化検知を行っており、その上流部で回収可能なトナーTaは現像での再使用によっても画像上の不具合を発生させることはない。
上述の構成による特有の動作を行うことにより、感光体ドラム100から回収された残留トナーTa(以下、「回収トナーTa」というときがある)は、トナーを帯電させる能力が高い新規現像剤とのみ混合することができる。そのため、回収トナーTaはキャリアC上に確実に保持され、現像器300内でトナー飛散や地肌汚れを発生させることがなく、カラー現像装置におけるトナーリサイクルが可能となった。
【0059】
また、現像器300内の現像剤Gは、経時で、徐々にその特性値を変化させる。特性値変化の要因は、キャリアコート層の膜削れ、キャリア表面へのトナースペント、キャリア表面へのトナー外添剤スペントが代表的である。これらはキャリアCの帯電能力(以下、「CA」という)を低下させる。一度低下したCAは、経時で回復することはなく、次第に地肌汚れ、トナー飛散を引き起こす。そのため、CA低下率により現像剤の寿命が設定されていた。一方、本発明のように、新規キャリアを補給し、劣化現像剤を排出することによりキャリアのCAを一定に維持することが可能となり、トナー飛散、地肌汚れ等の異常画像を発生させることなく、経時において安定した画像出力を行うことが可能となった。
【0060】
本実施形態において、新規現像剤またはキャリアは、図1において、フレキシブルチューブ362を経由して、現像剤補給口341から回収スリーブ621上の磁気ブラシに直接補給しているが、下部の搬送スクリュー641に補給後、回収スリーブ621で捕獲するようにしても良い。さらに、回収スリーブ621は、図示しないバイアス印加機構により、所定の電圧が印加されている。バイアスの波形としては、ACバイアスを重畳したDCバイアスが最も適している。この効果により、残留トナー回収効率はさらに向上する。
【0061】
回収スリーブ621の回転方向であるが、感光体ドラム100の回転方向に対して、順方向回転、逆方向回転のどちらでも残留トナーTaの回収は可能であるが、本実施形態では感光体ドラム100の回転方向に対し逆方向に回転させた。この構成では、回収スリーブ621上の磁気ブラシ307と感光体ドラム100が逆方向に回転するため、磁気ブラシ307の当接回数が増加し、クリーニング効率が向上する結果が得られた。
【0062】
(変形例1)
図5を参照して、トナー回収部の別の構成に係る変形例1について説明する。
変形例1は、図1〜図4に示した第1の実施形態と比較して、トナー回収部600に代えたトナー回収部600Aを有することのみ相違する。トナー回収部600Aは、第1の実施形態のトナー回収部600と比較して、回収用現像剤層厚規制部材651の配置を変えたことのみ相違する。
図5に示すように、変形例1では、回収用現像剤層厚規制部材651の前で新規現像剤を滞留させて磁気ブラシを形成し、感光体ドラム100を摺擦し、残留トナーTaを回収するものである。
【0063】
(変形例2)
図6を参照して、トナー回収部の別の構成に係る変形例2について説明する。
変形例2は、図1〜図4に示した第1の実施形態と比較して、トナー回収部600に代えたトナー回収部600Bを有することのみ相違する。トナー回収部600Bは、第1の実施形態のトナー回収部600と比較して、回収部ハウジング610に一体的に形成された仕切り壁610aを有する点、および搬送スクリュー641とは別の搬送スクリュー642を配設した点が主に相違する。
図5に示すように、変形例1では、搬送スクリュー641とは別の搬送スクリュー642を設け、現像剤G(新規キャリアC、回収トナーTa)が各搬送スクリュー641、642間を循環させる方式である。
さらに、画像面積率の極端に低い画像を連続出力する場合、残留トナーが殆ど発生しない。このような場合は、回収スリーブ621は感光体ドラム100に対して接離可能な構成としても良い。
【0064】
(第2の実施形態)
図7を参照して、プロセスカートリッジについて説明する。
図7において、符号600Cは、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジを示す。プロセスカ−トリッジ600Cは、図6に示したトナー回収部600Bを有する画像形成装置における現像装置と比較して、画像形成装置本体に対して着脱自在に一体的に構成した点、プロセスカ−トリッジ600C内の現像剤貯蔵部643に、予め現像剤またはキャリアを満たした点が主に相違する。
【0065】
プロセスカ−トリッジ600Cは、経時により、搬送スクリュー641近傍の残留トナーの濃度が増加すると、搬送スクリュー641が回転し、リサイクル経路701を通じて、回収トナーTaを含む現像剤Gが現像器300に搬送される。同時に、現像剤貯蔵部643内の搬送スクリュー642が回転し、搬送スクリュー641側に新規現像剤が搬送される。このような構成はプロセスカートリッジ600C等の寿命が比較的短く設定されたものにおいて、常に安定した画像を得ることに効果的である。また、このような構成をとることにより、新規現像剤補給機構を別に設けなくても良いため、コスト上昇を抑えることができる。
【0066】
プロセスカートリッジとしては、図7に示した例に限らず、例えば図1に示した全体で構成されるプロセスカートリッジ、すなわち感光体ドラム100および現像剤リサイクル装置200(現像器300、トナー回収部600等)が一体化されたプロセスカートリッジであって、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成したものでも良い。
【0067】
また、図1に示した感光体ドラム100および現像剤リサイクル装置200(現像器300、トナー回収部600等)が一体化されたプロセスカートリッジから、現像剤Gの供給手段、すなわちトナーボトル361、キャリアボトル361、フレキシブルチューブ362および補給経路363を除去した図7に示すプロセスカートリッジであって、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成したものでも良い。他には、トナー回収部600,600A,600Bにおいて、仕切り板633を境界としてブレード部材631の配置部と回収スリーブ621の配置部とを別体に構成して、画像形成装置本体に対して着脱自在、かつ、個々に交換可能に構成したプロセスカートリッジでも良い。
【0068】
第1および第2の実施形態ならびに後述する第3の実施形態、変形例1および2等における今回の一連の評価に関しては、いわゆるDCバイアスを用いて現像を行った。現像バイアスとしてDCバイアスを用いた場合でも、経時において均一感が高く粒状性の良い画像を得ることが可能となった。従来の構成の場合、経時でキャリアとトナーの付着力の変化が大きかった。そのため、初期的にトナーとキャリアの物理的付着力が小さい時には、ざらつき感の小さい画像を得ることが可能であったが、経時において、物理的付着力が増加すると急激にざらつき感が増す傾向があった。本発明の第1および第2の実施形態、変形例1および2等における構成を用いた現像装置において逐次現像剤の補給、排出を行い現像剤を安定させ、さらに現像バイアスとしてDCバイアスを採用することにより、現像領域においてキャリアに与える電気的ストレスを低減し、常にザラツキのない高品位の画像を得ることが可能となった。
【0069】
(第3の実施形態)
図8に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の概略的な全体構成を示す。同図に示した画像形成装置は、第1の実施形態に係る現像剤リサイクル装置200(現像装置)を用いた画像形成装置の一例であり、4色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色毎に感光体、現像器および現像剤リサイクル装置を持ち、各色のトナー像を転写紙に順次転写することにより、フルカラー画像を形成するタンデム方式のフルカラー画像形成装置50である。
【0070】
図8において、符号26は、フルカラー画像形成装置50の装置本体を示す。フルカラー画像形成装置50の装置本体26内には、像担持体としての4個の感光体1Y、1M、1C、1Bkが左斜め上方向に図において右から左へとこの順に並んで配設されている。各感光体1Y、1M、1C、1Bkには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色の画像を形成するための画像形成部22Y、22M、22C、22Bkが配置されている。これらの画像形成部22Y、22M、22C、22Bkによりフルカラー画像を形成する。各色の画像形成部22Y、22M、22C、22Bkは、それぞれ同じ構成および動作を行うようになっているため、最右方部に配置されたイエロー(Y)の画像形成部22Yについてのみ説明し、他の画像形成部22M、22C、22Bkについては同じ部分に同一のアラビア数字を付すとともにその色を表す英字を添えることで説明を省略する。
【0071】
画像形成部22Yは、ドラム状の感光体1Y(以下、「感光体ドラム1Y」という)と、この感光体ドラム1Yの周りに配設されイエロー(Y)画像を繰り返し形成するための帯電手段としての帯電装置2Y、図示を省略した露光手段としての露光装置から照射される露光4Y、現像手段としての狭義の現像装置(以下、「現像器」と言い替える)3Y、クリーニング手段としてのクリーニング装置を兼ねるトナー回収装置6Y(以下、「トナー回収部6Y」と言い替える)および現像剤回収経路としてのリサイクル経路7Y等から構成されている。
【0072】
なお、トナー回収部6Yの細部構成は、図1および図3に示したものと基本的に同じであるが、図8では回収スリーブ621、ブレード部材631および搬送スクリュー632のみを簡略的に図示しているとともに、現像剤Gの表示およびその供給手段、すなわちトナーボトル361、キャリアボトル361、フレキシブルチューブ362および補給経路363等の図示を省略していることを付記しておく。
【0073】
感光体ドラム1Yは、装置本体26の図示しない筐体側板に図1において時計回りに回転自在に支持されている。前記露光装置は、画像信号に応じてレーザ光を生成照射する図示しないレーザダイオード(LD)、このLDから照射されたレーザ光を走査するポリゴンミラー(図示せず)等からなるレーザ光走査光学系(図示せず)を有していて、露光4Yがなされる。
各画像形成部22Y、22M、22C、22Bkの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの配置位置の図8において下方には、シート状記録媒体である転写材の一例としての転写紙Pを吸着し搬送する搬送転写ベルト5が対向して張設されている。搬送転写ベルト5は、駆動ローラ15と従動ローラ17との間に掛け渡されて図中矢印方向(反時計回り)に走行搬送するようになっている。搬送転写ベルト5は、転写紙Pを静電吸着・担持し搬送する機能を有する。
【0074】
各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkに対向する図1において下方には、搬送転写ベルト5を挟んで接触転写手段としての転写ローラを備えた転写装置8Y、8M、8C、8Bkが配設されている。各転写装置8Y、8M、8C、8Bkは、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成された各色のトナー像を搬送転写ベルト5により静電吸着されて搬送される転写紙P上に電界の作用で転写する周知の機能を有する。転写紙Pは、装置本体26の下部に配設された給紙部19−1〜19−3の何れか一つの給紙部が選択されることにより、所定のタイミングをとって搬送転写ベルト5上に送り出される。
【0075】
給紙部19−1〜19−3は、転写紙Pを積載収納しているサイズのみ異なり、同様の構成を有しているため、給紙部19−1を代表して説明する。給紙部19−1は、転写紙Pを積載収納する給紙カセット21と、この給紙カセット21の上方に配設され最上位の転写紙Pを1枚ずつ給送する給紙コロ20と、この給紙コロ20により給送された転写紙Pを所定のタイミングで送り出す一対のレジストローラ18等とから主に構成されている。給紙コロ20とレジストローラ対18との間の転写材搬送路には、図示しない転写材ガイド板および搬送コロ対が配設されている。
【0076】
転写材搬送路の下流側である図8において装置本体26の左方部には、搬送転写ベルト5上から転写紙Pを分離するための図示しない分離装置が搬送転写ベルト5を介して駆動ローラ15に対向して設けられる。該分離装置の左側には転写紙Pに転写された各色のトナー像を溶融加圧定着するための定着ローラおよび加圧ローラを具備する定着装置9が、さらに定着装置9の上方には排紙ガイド板(図示せず)を介して一対の排紙ローラ24が、この排紙ローラ対24の右方下部にはトナー画像の形成された転写紙Pを排出するための排紙トレイ(図示せず)を備えた排紙部23が配設されている。
【0077】
次に、フルカラー画像形成時の動作を説明する。
図示しない操作パネルのキー操作等によりフルカラー画像形成の信号が送信されると、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各画像形成部22Y、22M、22C、22Bkが所定のタイミングでそれぞれ作動して、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に各色のトナー像が形成される。これを画像形成部22Yで例示すると、感光体ドラム1Yが図1中時計回り方向に回転するとともに、その外表面が帯電装置2Yにより一様に帯電され、次いで露光装置3Yの前記LDから画像信号に応じてレーザ光が照射され、ポリゴンミラー5により走査されつつ感光体ドラム1Y上に露光・結像されて、静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム1Yが現像装置3Yに対向すると、現像器3Y内の現像剤担持体である現像ローラとも呼ばれる現像スリーブ302(図1参照)により現像器3Y内の現像剤が感光体ドラム1Yと対向する現像ニップ領域へ搬送されることで、現像剤中のトナーが感光体ドラム1Yの表面に形成された静電潜像に供給・付着されて現像され、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)の顕像化されたトナー像が形成される。
他色の画像形成部7M、7C、7Bkでも、画像形成部22Yと同様にしてトナー像が形成される。
【0078】
一方、給紙カセット21にセットされた転写紙Pは、給紙コロ20により取り出され、転写材搬送路に沿ってレジストローラ対18に送られた後、レジストローラ対18により転写紙Pの先端が感光体ドラム1Y上に形成された一色目のイエロー(Y)のトナー像にタイミングを合わせて感光体ドラム1Yの転写部の転写領域に送られる。
一色目のイエロー(Y)のトナー像転写位置において、転写装置8Yにより形成される電界の作用で、イエロー(Y)のトナー像が転写紙Pに転写され、その転写が行なわれると同時に、転写紙Pは搬送転写ベルト5に静電吸着されて搬送転写ベルト5により搬送される。このようにしてイエロー(Y)のトナー像が転写された転写紙Pは、各色毎に順に設けられた転写装置8M、8C、8Bkと各感光体ドラム1M、1C、1Bkとの間の転写位置に順次搬送され、各感光体ドラム1M、1C、1Bk上に形成されたシアン(C)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、ブラック(Bk)のトナー像が転写紙P上に順次転写される。こうして全ての色のトナー像が転写紙P上に転写されることでフルカラーのトナー像が転写紙P上に形成される。
【0079】
フルカラーのトナー像が形成された転写紙Pは、分離装置10により搬送転写ベルト5から分離された後、定着装置9へ送り込まれ、定着装置9によりフルカラーのトナー像が溶融加圧定着されてフルカラー画像が完成し、排紙部23の排紙ローラ対24を介して排紙トレイ(図示せず)上に排出される。
【0080】
一方、トナー回収部6Yは、転写紙8に転写し切れずに感光体ドラム1Y表面に残った残留トナーTa(図4参照)を、図1に示した回収スリーブ621により除去・回収し、回収トナーTaおよびキャリアCとともにリサイクル経路7Yを通じて現像器3Y内に搬送する。回収スリーブ621通過後に感光ドラム1Y上に残留した残留トナーTb(図4参照)や紙粉等はクリーニングブレードを兼ねる図1に示したブレード部材631により除去・回収され、廃トナー回収経路11Yを通じて廃トナーボトル10に貯留される。トナー回収部6Yを通過した感光体ドラム1Yの表面は、その後、帯電装置2Yにより表面を一様に帯電され、次の画像形成工程を繰返す。これと同様の特有の動作が、残りの各画像形成部22M,22C,22Bkにおける現像剤リサイクル装置でも同様に行われる。
【0081】
フルカラー画像形成装置50に限らず、少なくとも2色のトナーを用いて現像可能な複数の狭義の現像装置(現像器)を有するカラー画像形成装置に本発明を適用した場合でも、上述した内容に準じて同様の作用・効果を奏することができることはいうまでもない。
【実施例】
【0082】
図8に示したフルカラー画像形成装置50と基本的な構成が同様となるように、株式会社リコー製の「イマジオNEO380(登録商標名)」を試験用に改造した実施例と、比較例として改造しない元のままの「イマジオNEO380(登録商標名)」とを用いて、本発明の条件と通常現像条件との比較を行うために、ランニング試験を行った。現像バイアスとしては、ともにDCバイアスを使用し、両条件ともに、現像後のベタ部トナー付着量を0.5(mg/cm)となるように調整した。ここで、感光体ドラム1Y〜1Bkの直径はΦ30mm、現像スリーブ302の直径はΦ18mm、現像ギャップGp(図1参照):0.3mmで評価を行った。
【0083】
評価項目としては、キャリアのCA(キャリア帯電能力)の変化を測定した。なお、評価画像としては、印字率20%のチャートを用いた。図9において、横軸に感光体ドラム1Y〜1Bkの回転時間(h)を、縦軸にキャリア帯電能力:CA(−μc/g:マイナス・マイクロクーロン/グラム)をそれぞれ取って、定性的傾向を比較評価した。
【0084】
図9に示すように、本発明の実施例の条件では、キャリアのCA低下は小さいが、比較例では、CAの低下が大きい。また比較条件ではリサイクルトナーの混入により、機内トナー飛散、地肌汚れが発生した。しかしながら、本実施例構成によるものでは、トナー飛散、地肌汚れの発生はなかった。また、粒状性についても追加評価を行ったが、本実施例の構成ユニットではリサイクルトナー混入時においても、粒状性は良好であった。
【0085】
第1〜第3の実施形態、変形例1および2等は、これに限らず、リサイクル経路701,7Y〜7Bkや廃トナー回収経路11Y〜11Bkは紙面の手前側に配設した例であったが、第2の実施形態等で説明したプロセスカートリッジの着脱性やレイアウトを考慮して、紙面の奥側に配設しても良いことはいうまでもない。
【0086】
上述したとおり、第1〜第3の実施形態、変形例1および2等において、課題を解決するための手段欄に記載した請求項1〜8に係る現像方法および画像形成方法を使用していたと言える。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態、変形例、実施例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した各実施形態や各変形例あるいは実施例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施形態を示す画像形成装置における現像装置、現像剤リサイクル装置周りの要部の一部断面正面図である。
【図2】図1の現像剤リサイクル装置周りの要部の一部断面平面図である。
【図3】図1の現像剤リサイクル装置におけるトナー回収部周りの一部断面正面図である。
【図4】図3のトナー回収部の動作を示す要部の拡大正面図である。
【図5】変形例1のトナー回収部周りの要部の一部断面正面図である。
【図6】変形例2のトナー回収部周りの要部の一部断面正面図である。
【図7】第2の実施形態を示すプロセスカートリッジ例の一部断面正面図である。
【図8】第3の実施形態を示すフルカラー画像形成装置の簡略的な全体構成図である。
【図9】キャリア帯電能力について、実施例と比較例とを比較評価したグラフである。
【符号の説明】
【0088】
1Y,1M,1C,1Bk,100 感光体ドラム(像担持体)
2Y,2M,2C,2Bk 帯電装置(帯電手段)
3Y,3M,3C,3Bk,300 現像器(現像手段としての狭義の現像装置)
6Y,6M,6C,6Bk,600,600A,600B トナー回収部(トナー回収機構を構成する)
8Y,8M,8C,8Bk 転写ローラ(転写手段を構成する)
10 廃トナーボトル(廃トナー収納手段)
11Y,11M,11C,11Bk 廃トナー回収経路
50 フルカラー画像形成装置
200 現像剤リサイクル装置(広義の現像装置)
600C プロセスカートリッジ
621 回収スリーブ(磁気ブラシ形成手段)
632,641 搬送スクリュー(回収トナー搬送手段)
633 仕切り板(分離手段)
691 固定磁極
631 ブレード部材(摺擦回収手段)
701 リサイクル経路(現像剤回収経路)
702 スパイラルコイル(現像剤搬送手段)
C キャリア
G 現像剤
P 転写紙(シート状記録媒体の一例)
T トナー
Ta,Tb 残留トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体が、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持し、該二成分現像剤を前記像担持体との間に形成される現像領域に搬送し、前記像担持体の表面上に形成される潜像を前記現像剤担持体から供給されるトナーで現像する現像手段を使用する現像方法であって、転写工程後に、前記像担持体上に残留した残留トナーを回収するトナー回収機構と、該回収トナーを前記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを有する現像装置を使用する現像方法において、
前記像担持体上の残留トナーを、前記トナー回収機構に配設され磁極を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段と摺擦回収手段とで回収した後、前記磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーと、前記摺擦回収手段で回収した回収トナーとを分離して搬送することを特徴とする現像方法。
【請求項2】
請求項1記載の現像方法において、
前記磁気ブラシ形成手段で回収した回収トナーを、前記トナーリサイクル機構に配設された現像剤回収経路を経由させて前記現像手段に搬送して再利用することを特徴とする現像方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の現像方法において、
前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを収納し廃棄するための廃トナー収納手段に搬送することを特徴とする現像方法。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一つに記載の現像方法において、
前記磁気ブラシが、新規に補給された新規現像剤および磁性キャリアで構成されていることを特徴とする現像方法。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の現像方法において、
前記磁気ブラシ形成手段は、回転自在であり、該磁気ブラシ形成手段の回転方向が、前記像担持体の回転方向に対して逆方向であることを特徴とする現像方法。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の現像方法において、
現像バイアスとして、DCバイアスを用いることを特徴とする現像方法。
【請求項7】
表面に潜像を形成する像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体に対向して配置され、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを収納し、前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されるトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置を使用する画像形成方法において、
前記画像形成方法は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の現像方法を使用することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成方法において、
前記画像形成方法は、少なくとも2色のトナーを用いて現像可能な複数の現像装置を有するカラー画像形成装置を使用することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
像担持体に対向して配置され、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持して該二成分現像剤を前記像担持体との間に形成される現像領域に搬送する、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、前記像担持体の表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像手段と、転写工程後に、前記像担持体上に残留した残留トナーを回収するトナー回収機構と、該回収トナーを前記現像手段に戻すトナーリサイクル機構とを有する現像装置において、
前記トナー回収機構は、
前記像担持体上の残留トナーを回収するための、磁極を内包し磁気ブラシを形成する磁気ブラシ形成手段と、
前記像担持体上の残留トナーを摺擦して回収するための摺擦回収手段と、
前記磁気ブラシ形成手段と前記摺擦回収手段とで回収した各回収トナーを分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された各回収トナーをそれぞれ搬送する回収トナー搬送手段とを有することを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項9記載の現像装置において、
前記トナーリサイクル機構は、
前記磁気ブラシ形成手段で回収し前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを通す現像剤回収経路と、
前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを前記現像剤回収経路を経由させて前記現像手段に搬送する現像剤搬送手段とを有することを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項9または10記載の現像装置において、
前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを廃棄すべく集める廃トナー収集機構を有し、
前記廃トナー収集機構は、
前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを通す廃トナー回収経路と、
前記摺擦回収手段で回収した回収トナーを収納し廃棄するための廃トナー収納手段と、
前記回収トナー搬送手段により搬送されてきた回収トナーを前記廃トナー回収経路を経由させて前記廃トナー収納手段に搬送する廃トナー搬送手段とを具備することを特徴とする現像装置。
【請求項12】
請求項9ないし11の何れか一つに記載の現像装置において、
新規の磁性キャリアあるいは新規現像剤を前記磁気ブラシ形成手段に補給する新規現像剤補給機構を有し、
前記磁気ブラシが、前記新規現像剤補給機構により補給された新規現像剤および磁性キャリアで構成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項13】
請求項9ないし12の何れか一つに記載の現像装置において、
前記磁気ブラシ形成手段は、回転自在であり、該磁気ブラシ形成手段の回転方向が、前記像担持体の回転方向に対して逆方向であることを特徴とする現像装置。
【請求項14】
請求項9ないし13の何れか一つに記載の現像装置において、
現像バイアスとして、DCバイアスを用いることを特徴とする現像装置。
【請求項15】
表面に潜像を形成する像担持体と、該像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体に対向して配置され、トナーとトナーを保持する磁性キャリアとを収納し、前記像担持体の表面にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されるトナー像をシート状記録媒体に転写する転写手段とを具備する画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項9ないし14の何れか一つに記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、少なくとも2色のトナーを用いて現像可能な複数の現像装置を有するカラー画像形成装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
帯電手段、現像手段およびクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段、または像担持体と、帯電手段、現像手段およびクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、
前記プロセスカ−トリッジは、請求項9ないし14の何れか一つに記載の現像装置、請求項15記載の画像形成装置または請求項16記載のカラー画像形成装置に用いられることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−3729(P2006−3729A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181311(P2004−181311)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】