説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び立体内視鏡装置

【課題】画像を参照する参照者の疲労感や緊張感を緩和させる。
【解決手段】内視鏡による広角側撮影画像(2D画像)、立体視用画像(3D画像)およびナビゲーション用の画像(全体画像)を取得し、2D画像の一部に3D画像を表示させ(ステップ100〜108)、3D画像への術者の視線滞留時間が所定時間T0以上で、3D画像表示領域を徐々に広げ(ステップ110〜114)、術者の2D画像と3D画像間の視線移動が所定頻度h1以上で3D画像表示領域を徐々に狭くする(ステップ116〜134)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び立体内視鏡装置に係り、特に内視鏡により対象物を観察するときの画像として立体画像を生成して提供する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び立体内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡を用いて施術することが行われており、その内視鏡による観察画像を表示するシステムが知られている。このシステムでは、施術を円滑に進行させるために、表示する画像として、内視鏡による観察画像に併せて、予め対象物の周辺を含む部位の断層画像を再構築して得た参照用の3次元画像を提供するものもある。また、この3次元画像には、異なる2以上の視点から撮影された画像を用いて立体視用の画像を生成して提供するものもある。
【0003】
例えば、仮想的な3次元画像を再構築して得たバーチャル画像、及び被検体像の観察画像を選択して表示することにより、操作性の良い被検体観察システムが提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1の被検体観察システムでは、予め対象物周辺についてCT(Computed Tomography)装置等により断層画像を得て再構築することで参照用の3次元画像(バーチャル画像)を得る。このバーチャル画像を確認用として参照しながら、術者は、内視鏡による対象物の観察画像を目視しつつ施術する。このとき、術者の意図するバーチャル画像を参照可能とするために、リモコンや音等の指示により、画像を切り替えることを可能としている。
【0004】
また、独立して動作可能な複数の湾曲部を有する内視鏡と、各湾曲部の湾曲形状を観察部位に応じて立体視可能に制御する制御手段とを具備することで、生体の体腔内の処置部位を観察・処置に適した立体視可能な内視鏡装置が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の内視鏡装置では、術者の視線を検出して、術者の視線に応じて、立体視用の画像を生成するための2眼立体カメラの各々の視野を変更することで、内視鏡自体を動かすことなく立体画像の視野を変更することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−357789号公報
【特許文献2】特開平6−105806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、術者の意図するバーチャル画像等を参照可能とするために、リモコンや音等の指示により、術者等が画像切替を指示しなければならず、内視鏡操作と参照画像の両方を同時に観察しつつ施術を進めることは、疲労感や緊張感が多かった。すなわち、内視鏡による観察は挿入部分近傍の狭い範囲しか確認できないので、内視鏡を対象物(例えば患部)付近にまで到達させるために、内視鏡操作を実際の操作状況と内視鏡の挿入部分近傍画像の両方を見ながら、内視鏡を意図する位置まで進める必要があり、術者にとって、内視鏡操作(バーチャル画像)と被検体像の観察画像(または対象物の画像)の両方を同時に観察することは、疲労感や緊張感が多かった。このうえ、操作中に画像を切り替え指示することは、さらに疲労感や緊張感を増大させる。
【0007】
また、特許文献2の技術では、術者の視線に応じて、各カメラの視野を変更することで、内視鏡自体を動かさずに立体画像の視野を変更できるものの、対象物近傍の狭い範囲での確認についてである。内視鏡で対象物(例えば患部の)状況を立体視できることは術者にとって助けになるものの、内視鏡で立体視しょうとすると対象物近傍の狭い範囲しか確認できないため、内視鏡を対象物付近にまで到達させるためには、内視鏡操作を実際の操作状況を参照することが必要になる。従って、内視鏡操作を実際の操作状況と内視鏡の挿入部分近傍画像の両方を見ながら、内視鏡を意図する位置まで進める必要があり、術者にとって、内視鏡操作(直視)と患部画像の両方を同時に観察するときの疲労感や緊張感が解消されるものではない。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮してなされたもので、画像を参照する参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び立体内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明の画像処理装置は、内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得する取得手段と、前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力する画像出力手段と、表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する変更手段と、を備える。
【0010】
本発明の画像処理装置によれば、取得手段が、内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から参照画像を取得する。これと共に、取得手段は、内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得する。画像出力手段は、これら参照画像と、基準画像と、立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力する。画像出力されて表示される画像は、参照者により目視される。この表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を、検出手段によって検出する。この経時変動は、画像に対する参照者の視線の時系列的な方向変化についての量、差分量、速度、加速度、及び方向変化の回数や履歴等の目視状態を含んでいる。従って、検出手段では、画像に対する参照者の視線の経時変動である目視状態が検出される。
【0011】
変更手段は、検出手段の検出結果に基づいて、視線の経時変動に関係する参照画像、基準画像及び立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する。検出手段により検出された画像に対する参照者の視線の経時変動である目視状態から、例えば、参照画像、基準画像及び立体画像に対する参照者の注目画像や複数画像を関係して参照した関係画像を把握することができる。このため、検出手段の検出結果に応じた参照画像、基準画像及び立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更することにより、参照者の注目画像や関係画像の大きさを変更できる。
【0012】
このように、画像に対する参照者の視線の経時変動を検出した検出結果に基づいて、視線の経時変動に関係する参照画像、基準画像及び立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更することによって、煩わしい操作等を実行することなく、画像を提示でき、これを参照する参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0013】
[2] 前記画像処理装置において、前記基準画像は、広角撮影された広角画像であることを特徴とする。内視鏡による観察は挿入部分近傍の狭い範囲しか確認できない。このため、より広範囲の画像で確認するために、基準画像として取得する内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを、広角撮影された広角画像とする。これにより、複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうちから画角が相違する画像を得ることができ、参照者の疲労感や緊張感をより緩和させることが可能な画像を提供できる。
【0014】
[3] 前記画像処理装置において、前記検出手段は、前記参照者の視線の経時変動として、画像に対する視線滞留時間及び画像間の視線移動頻度の少なくとも一方を検出することを特徴とする。参照者は、その時点で注目する画像(注目画像)については凝視したり注意深く時間をかけて参照したりする。また、参照者が全体を把握したときや周辺部位を気遣うとき等には、複数画像を関係して参照する(関係画像)。例えば、この注目画像を特定するためには、視線滞留時間を検出することで視線の滞留先にある画像を注目画像として把握することが可能となる。また、関係画像を特定するためには、画像間の視線移動頻度を検出することで視線方向にある複数画像間の関係を把握できる。つまり画像を一定時間内に、ある画像から他の画像へ視線が移動した回数を把握することができる。また、視線滞留時間及び画像間の視線移動頻度の両方を検出することで、ある画像を一定時間内に目視した回数や画像を目視した時間、ある画像から他の画像へ視線が移動した回数と画像を目視した時間を把握できる。これによって、参照者が参照する画像、または複数画像の目視状態を把握でき、参照者の疲労感や緊張感をより緩和させることが可能な画像を提供できる。
【0015】
[4] 前記画像処理装置において、前記検出手段は、対象物から内視鏡までの距離をさらに検出することを特徴とする。内視鏡による観察は挿入部分近傍の狭い範囲しか確認できないので、内視鏡を対象物(例えば患部)付近に到達したときに、例えば、対象物(例えば患部の)を立体視する等のように画像を参照したい等、参照者の注目画像が変化する場合がある。そこで、対象物から内視鏡までの距離をさらに検出して画像の大きさを変更することにより、参照者の疲労感や緊張感をより緩和させることが可能な画像を提供できる。対象物から内視鏡までの距離検出は、例えば対象物および内視鏡の位置を検出して計算すればよい。対象物の位置は、予め参照画像にマーキングしておきこれを検出してもよく、参照画像にマーキングしてから検出するようにしてもよい。また、内視鏡の位置は、対象物内における内視鏡の位置を検知する検知部を備えて検出するようにしてもよく、画像処理により位置検出するようにしてもよい。
【0016】
[5] 前記画像処理装置において、前記変更手段は、前記立体画像の表示領域の大きさを変更することを特徴とする。施術中の参照者は、注目しつつ参照する画像は、対象物を目視に近く提供されている立体画像であろう。そこで、視線の経時変動に基づき立体画像の表示領域の大きさを変更することによって、参照者が目視を望む画像を視線の経時変動に基づく大きさで優先的に提供できる。
【0017】
[6] 前記画像処理装置において、前記変更手段は、前記視線の経時変動に関係する画像の表示領域を徐々に拡大または縮小することを特徴とすることを特徴とする。参照画像、基準画像及び立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する場合、変更前後で大きさが急峻に切り替わるようにすることが効果的な場合もあるが、その切り替わりに違和感を感じさせる場合もある。そこで、表示領域を徐々に拡大または縮小することことにより、大きさの変更について違和感を感じさせることがない。
【0018】
[7] 前記画像処理装置において、前記変更手段は、前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の何れかの画像の表示領域内に、他の画像が重畳表示されるように表示領域の大きさを変更することを特徴とする。複数画像を参照する場合、1画像の大きさの拡大縮小により他の画像の大きさが逆方向に変化する場合、例えば参照者が第1に目視を望む画像の大きさの大小により他の画像の大きさが連動する。この場合、参照者が他の画像の参照もしつつ施術している場合、違和感を感じさせてしまう。ある画像内に他の画像を重畳させて表示するようにすることで、ある画像の全体としての大きさは変動せずに、他の画像を効果的に提供できる。
【0019】
[8] 前記画像処理装置において、前記変更手段は、前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像を予め定めた有効表示領域に表示するときに、各画像の表示領域に関する表示配分を定めて各画像の表示領域の大きさを変更することを特徴とする。ディスプレイ等の表示装置は、その表示について有効表示領域を定めて画像を表示する場合がある。この有効表示領域に、参照画像、基準画像及び立体画像を表示させるためには、各画像の表示領域に関する表示配分を定める必要がある。このように表示配分を定めて画像を表示させる場合には、表示配分の比率や表示配分内の大きさを変更することで各画像の表示領域の大きさを変更すればよい。
【0020】
[9] 前記画像処理装置に、観察する対象物内における内視鏡の位置情報を受け付ける受付手段をさらに備え、前記画像出力手段は、前記受け付けた位置情報による内視鏡の位置を少なくとも含む画像を出力することを特徴とする。なお、内視鏡の位置を把握するためには、観察中に位置検出することが好ましい。そこで、観察する対象物内における内視鏡の位置情報を受付手段により受け付けることで、内視鏡の位置を把握でき、受け付けた内視鏡の位置を画像に表示させることで、参照者は内視鏡の位置を容易に把握することができる。なお、内視鏡の位置は、観察中の内視鏡の先端位置を検出することが好ましい。また、内視鏡の位置を画像に表示させる場合、予め定めた対象物内における特定部位(例えば患部の位置)を含む画像を同時に出力することで、内視鏡と対象物の特定部位の関係を容易に把握することもできる。
【0021】
[10]前記画像処理装置では、前記取得手段は、前記基準画像と視差画像とに基づいて立体画像を生成する生成手段により得られる立体画像を取得することを特徴とする。このように、立体画像を生成する生成手段により得られる立体画像を取得することにより、立体画像を生成するための処理についての処理負荷を軽減することができる。
【0022】
[11]本発明の画像処理方法は、内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得し、前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力し、表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出し、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する。
【0023】
[12]本発明の画像処理プログラムは、内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得する取得ステップと、前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力する画像出力ステップと、表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出する検出ステップと、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する変更ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0024】
[13]本発明の立体内視鏡装置は、前記画像処理装置と、複数の視点から各々同期して撮影する複数の撮影装置を備えた内視鏡と、対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段と、参照画像と、基準画像と、立体画像とを表示する表示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、画像に対する参照者の視線の経時変動を検出した検出結果に基づいて、視線の経時変動に関係する参照画像、基準画像及び立体画像の何れかの画像の表示領域の大きさを変更することによって、煩わしい操作等を実行することなく、画像を提示でき、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る立体内視鏡装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る立体内視鏡装置の内視鏡の先端部分の概略構成である。
【図3】本実施形態に係る立体内視鏡装置の電装装置の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る立体内視鏡装置の電装装置の表示領域設定部の概念構成を示す機能ブロック図である。
【図5】表示領域設定部による表示領域の設定例を示すイメージ図である。
【図6】第1実施形態における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態におけるモニタの有効表示領域内に表示される表示画像と表示領域の説明図であり、(A)は2D画像と全体画像、(B)は2D画像への一部表示の3D画像、(C)は表示領域変更された3D画像を示す。
【図8】第2実施形態における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態におけるモニタの有効表示領域内に表示される表示画像と表示領域の説明図であり、(A)は2D画像と全体画像、(B)は2D画像への一部表示の3D画像、(C)は表示領域変更された3D画像を示す。
【図10】第3実施形態における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態におけるモニタの有効表示領域内に表示される表示画像と表示領域の説明図であり、(A)は2D画像と全体画像、(B)は2D画像への一部表示の3D画像、(C)は3D画像に重畳した2D画像、(D)は表示領域変更された2D画像を示す。
【図12】第4実施形態における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態におけるモニタの有効表示領域内に表示される表示画像と表示領域の説明図であり、(A)は2D画像と全体画像、(B)は2D画像への一部表示の3D画像、(C)は3D画像に重畳した2D画像、(D)は表示領域変更された3D画像を示す。
【図14】第5実施形態における画像処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図15】第5実施形態におけるモニタの有効表示領域内に表示される表示画像と表示領域の説明図であり、(A)は2D画像と全体画像、(B)は2D画像への一部表示の3D画像、(C)は3D画像に重畳した2D画像、(D)は全体画像をさらに重畳した3D画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明の画像処理装置を立体内視鏡装置に適用した場合について説明する。
【0028】
〔第1実施形態〕
第1実施形態は、立体内視鏡装置において、表示される画像を参照する参照者(例えば、術者)の視線の方向を検出して、画像間(例えば広角画角の撮影光学系により得る広角画像と、内視鏡を対象物(例えば被検体)の目的部位(例えば患部)へ導くためのナビゲーション画像等の全体画像との間)の視線移動頻度や、各画像の視線滞留時間を求めて、これに基づき広角画像または立体視用画像(内視鏡により撮影された画像より得る立体画像)の表示領域を変更するものである。
【0029】
図1は、第1実施形態に係る立体内視鏡装置1の概略構成図である。図1に示すように、立体内視鏡装置1は、内視鏡2、電源ボタン3、電装装置4及び画像表示のためのモニタ7を備えている。また、立体内視鏡装置1には、各種操作ボタン8およびフレキシブルディスクやCDROM、DVDディスク等の記録メディア29にアクセスしてデータ等の書き込み及び読み込みする装置の制御を行う表示制御部26を備えている。
【0030】
図2は、内視鏡2の先端部分2Aの概略構成である。図2に示すように、内視鏡2は、2つの撮影部21A、21Bが配設されている。また、内視鏡2は、図示しない光源装置からの光を対象物へ照明するための照明部43、及び内視鏡2の位置検出のための位置センサ42を備えている。照明部43には、照明光を伝達する図示しないライトガイドが挿通配設される。なお、本実施の形態では、撮影部21Aと撮影部21Bとについて、撮影光学系の画角を相違するものを用いている。撮影部21Aは広角画像を得るための広角画角の撮影光学系であり、撮影部21Bは標準画像を得るための標準画角の撮影光学系である。撮影部21A、21Bは、被写体を見込む輻輳角を持って、予め定められた基線長となるように配置されている。なお、撮影部21A、21Bは、画角が相違するため、上記基線長及び輻輳角で被写体を撮影するときに、撮影部21A、21Bにより撮影された画像の大きさが一致するように、撮影部21Aによる撮影画像からトリミングした一部画像を用いて立体画像を生成することができる(詳細後述)。
【0031】
図3は、本実施形態の立体内視鏡装置1に係る電装装置4の内部構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、電装装置4は、2つの撮影部21A、21Bからの撮影信号を受け取るインタフェース部(I/F部)40、撮影制御部22、画像処理部23、圧縮/伸長処理部24、フレームメモリ25、メディア制御部26、内部メモリ27、表示制御部28、及びCPU35を備えている。CPU35は、各種操作ボタン8からの入力を受け付けると共に、各種プログラムを実行する。
【0032】
撮影制御部22は、図示しない露出処理部を含み、露出処理部は撮影部21A、21Bにより撮影した撮影画像にについて周知の手法により最適な露出値(例えば、絞り値とシャッタ速度)とを決定し、撮影部21A、21Bに出力する。なお、撮影制御部22は、撮影範囲についてスルー画像を、所定時間間隔(例えば1/30秒間隔)にて順次取得させる指示を撮影部21A、21Bに対して行うことができる。
【0033】
画像処理部23は、撮影部21A、21Bが取得した左画像及び右画像のデジタルの画像データに対して、ホワイトバランスを調整する処理、階調補正、シャープネス補正、及び色補正等の画像処理を施す。
【0034】
圧縮/伸長処理部24は、画像処理部23によって処理が施された左画像及び右画像を表す画像データに対して、例えば、JPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、立体視用の画像ファイルを生成する。ここで、撮影部21A、21Bは、画角が相違するため、基線長及び輻輳角で被写体を撮影するときに、各撮影画像による立体画像を生成するための大きさが一致するように、撮影部21Aによる撮影画像(広角画像)からトリミングした一部画像と、撮影部21Bによる撮影画像(標準画像)を用いて立体視用の画像ファイルを生成する。このために利用される各種情報は内部メモリ27に記憶される。なお、立体視用の画像ファイルには、左画像及び右画像の画像データを含み、Exifフォーマット等に基づいて、基線長、輻輳角、及び撮影日時等の付帯情報、並びに視点位置を表す視点情報を格納するようにしてもよい。
【0035】
フレームメモリ25は、撮影部21A、21Bが取得した左画像及び右画像を表す画像データに対して、前述の画像処理部23が行う処理を含む各種処理を行う際に使用する作業用メモリである。
【0036】
メディア制御部26は、記録メディア29にアクセスして画像ファイル等の書き込み及び読み込みの制御を行う。
【0037】
内部メモリ27は、電装装置4において用いられる各種定数、及びCPU35が実行するプログラム等を記憶する。
【0038】
表示制御部28は、撮影時にフレームメモリ25に格納された左画像及び右画像から生成された立体視用画像をモニタ7に表示させたり、後述するナビゲーション画像を表示させたり、撮影部21Aによる撮影画像(広角画像)をそのまま表示させたりする。
【0039】
また、インタフェース部40には、位置センサ42と方向センサ44からの検出信号が入力されるように位置センサ42と方向センサ44が接続されている。位置センサ42は、患者等の対象物内における内視鏡2の先端部分2Aの位置を検出する。この位置検出により、全体画像メモリ32に記憶された全体画像内に内視鏡2の先端部分2Aを描画することができる。方向センサ44は、画像を参照する参照者(例えば、術者)の視線の方向を検出するものである。方向センサ44の一例には、参照者の眼球を少なくとも含む顔部分を撮影して、その眼球の移動を検知することにより参照者の視線の方向を検出する装置が挙げられる。また他例としては、参照者にメガネ等の補助具を装着してもらい、その補助具に眼球の移動を検知するセンサを設けて、眼球の移動を検知することにより参照者の視線の方向を検出する装置が挙げられる。
【0040】
電装装置4は、全体画像メモリ32を備えている。この全体画像メモリ32は、内視鏡を対象物の目的部位へ導くためのナビゲーション画像や目的部位周辺を確認するための参照画像としてモニタの表示画面に表示可能とする全体画像に関する画像データを記憶するものである。全体画像に関する画像データの一例は、断層像から構築した画像データがある。例えば、まずX線CT(Computed Tomography)装置等により被検体の断層像を撮像することで、患者等の対象物内の3次元領域の画像データを得る。このCT装置は、X線照射・検出を連続的に回転させつつ対象物を体軸方向に連続送りすることにより、対象物の3次元領域について螺旋状の連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan )を行い、3次元領域の連続するスライスの断層像から、3次元な仮想的な全体画像を生成する。電装装置4は、位置センサ42の検出信号による内視鏡2の先端位置に連動して全体画像を読み取って表示させたり、予め定めた対処物の特定位置(患部)周辺の全体画像を読み取って表示させたりする。
【0041】
また、電装装置4は、3次元処理部30、及びナビゲーション画像処理部33を備える。
【0042】
3次元処理部30は、左画像及び右画像をモニタ7の一部または全部に立体視表示を行うために、左画像及び右画像に3次元処理を行って立体視用画像を生成する。
【0043】
ナビゲーション画像処理部33は、立体内視鏡装置1における立体視用画像を含む画像表示を適切なものとするために、各画像の表示領域を設定したりその大きさを変更したりする(詳細は後述)。
【0044】
ナビゲーション画像処理部33は、頻度演算部51,時間演算部52,距離演算部53を含む目視状態演算部50と、表示領域設定部54とを備えている。頻度演算部51は、方向センサ44の検出値から画像を参照する参照者の視線について、画像間の視線移動頻度や任意の画像から他の画像に視線が切り替わる頻度を求めるためのものである。時間演算部52は、方向センサ44の検出値から画像を参照する参照者の視線について、視線の滞留時間を計測するものである。視線の滞留に対しては、視線方向について予め滞留していると判別する微小立体角を設定してもよい。距離演算部53は、位置センサ42の検出値と、予め定めた対象物の位置(例えば患部)の位置とから、内視鏡2の先端部分2Aと予め定めた対象物の位置(例えば患部)との距離を演算するものである。
【0045】
なお、目視状態演算部50は、これら頻度演算部51,時間演算部52,距離演算部53に限定されるものではなく、画像を参照する参照者の視線の経時変動を求めるものを含めばよく、経時変動としては、画像に対する参照者の視線の時系列的な方向変化についての量、差分量、速度、加速度、及び方向変化の回数や履歴等の目視状態を含んでもよい。また、目視状態演算部50、または頻度演算部51,時間演算部52および距離演算部53の少なくとも1つについて、ハードウェア装置で構成してもよく、上述のハードウェア資源を用いたプログラム実行によるソフトウェアで構成してもよい。
【0046】
図4は、表示領域設定部54の概念構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、表示領域設定部54は、2つの撮影部21Aからの撮影画像(広角画像、図4では、2D画像)の表示領域を担当する表示領域設定部55A、撮影部21A、21Bにより生成された立体視用画像(立体画像、図4では、3D画像)の表示領域を担当する表示領域設定部55B,全体画像メモリ32から読み取ったナビゲーションのための画像(全体画像、図4では、全体画像)の表示領域を担当する表示領域設定部55C、及び設定部55Zから構成されている。表示領域設定部54は、目視状態演算部50により決定された目視状態の状態値が入力されると、広角画像、立体視用画像、ナビゲーションのための画像(図4の2D画像、3D画像、全体画像)の各々の位置及び大きさを定める。
【0047】
図5は、表示領域設定部54による表示領域の設定例を示すイメージ図である。図5に示すように、表示領域設定部54は、有効表示領域60内に、撮影部21Aからの撮影画像(広角画像、図4では、2D画像)の表示領域62、撮影部21A、21Bにより生成された立体視用画像(立体画像、図4では、3D画像)の表示領域64、全体画像メモリ32から読み取ったナビゲーションのための画像(全体画像、図4では、全体画像)の表示領域66が、各画像の表示のため画像中心位置72,74,76を中心として配置されるように設定する。詳細を後述するように、画像中心位置72、74,76において各々設定された大きさの表示領域62、64,66の大きさや位置が変更される。
【0048】
図5の例では、有効表示領域60内に、広角画像(2D画像)の表示領域62、立体視用画像(3D画像)の表示領域64、ナビゲーションのための画像(全体画像)の表示領域66が、配置される場合を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、分断線61を境界として、表示領域62及び表示領域64を含む第1有効表示領域60Aと、表示領域66を含む第2有効表示領域60Bとからなる有効表示領域60としてもよい。この場合、第1有効表示領域60Aと第2有効表示領域60Bとを各々別モニタに表示させてもよい。このときには、表示を同期させることが好ましい。
【0049】
なお、本実施形態では、立体視用の画像表示についての詳述を省略するが、周知の手法によって、容易に立体視用の画像表示は可能である。一例としては、立体視用として視差を有する左眼用画像及び右眼用画像を生成しておき、立体視用の画像表示をするときに、画像表示に同期して、左眼用画像表示のときに左眼のみ目視可能としかつ右眼用画像表示のときに右眼のみ目視可能とするように、画像提示すればよい。この場合、図3に点線出示すように、メガネ等の補助具に、左眼と右眼とを切り替える表示選択装置46を設けて、立体視用の画像表示に同期して切り替えればよい。
【0050】
また、立体視用の画像表示については、モニタ7に同様の装置を設けても良い。例えば、モニタ7に、左眼用画像及び右眼用画像に同期して、左眼用画像では参照者の左眼への指向性を有して画像表示しかつ右眼への指向性を有して画像表示する指向性表示制御装置を設けて、立体視用の左右の画像表示に同期して切り替え表示すればよい。
【0051】
次に、図6を参照して、第1実施形態の立体内視鏡装置1における画像処理ルーチンについて説明する。
【0052】
ステップ100では、内視鏡2が挿入されると撮影部21A、21Bによる撮影が開始され、広角で撮影された撮影部21Aからの広角側撮影画像(以下、2D画像という)及び標準画角で撮影された撮影部21Bからの撮影画像(以下、標準画像という)を取得し、かつ全体画像メモリ32から全体画像を取得する。なお、この全体画像は、予め設定した患部154付近の全体画像でもよく、位置センサ42で検出した位置を含む全体画像でもよい。このステップ100では、撮影部21A、21Bの各画像から生成された立体視用画像(以下、3D画像という。)を取得してもよい。この場合、上述のように撮影部21A、21Bは画角が相違するため、2D画像である撮影部21Aによる撮影画像からトリミングした画像が右画像として画像生成されると共に、標準画像である撮影部21Bによる撮影画像を左画像として、これらの右画像と左画像を用いて立体視用の画像ファイルが生成される。この画像ファイルを立体視用画像(3D画像)として取得する。
【0053】
次のステップ102では、2D画像及び全体画像をモニタ7に表示させる画像表示信号を出力する。ここでは、予め定めた画像の有効表示領域(モニタ7の表示領域)について2D画像及び全体画像を初期値により配分する。一例としては、図7(A)に示すように、モニタ7の有効表示領域60内に表示される表示画像140は、2D画像142と全体画像146との大きさを初期値(均等配分)に設定し、表示させる。なお、図7(A)は、左側の表示領域62に2D画像142が表示され、右側の全体画像の表示領域66内に全体画像146が表示され、その全体画像146中に、参照者(術者)が注目すべき対象物の部位(患部)154と、患部154から予め定めた所定距離X0を示す境界線150と、内視鏡2の先端部位152とが表示されたものを示している。
【0054】
次のステップ104では全体画像中における内視鏡2と患部154との距離Xを求めて、距離Xが所定距離X0以内のときステップ106で肯定され、ステップ108へ進み、画像表示領域の変更処理へと移行する。一方、距離Xが所定距離X0を超えるときにはステップ106で否定され、ステップ102へ戻る。ステップ104の距離Xの計算は、目視状態演算部50の距離演算部53により実行される。
【0055】
次に、ステップ108では、2D画像142の一部に3D画像148を表示させる。具体的には、図7(B)に示すように、表示領域62の一部に表示領域64を設けて、3D画像148を表示させる。この例では、表示領域62の表示領域の大きさに対して、上部に2D画像の表示領域62、下部に3D画像の表示領域64を設定した場合を示している。また、3D画像148内には、方向センサ44により参照者(術者)の視点156を求め、その視点156が表示された場合を示している。なお、表示領域の設定は、分割でもよく、重畳でもよい。すなわち、2D画像142の表示領域62に対して表示領域を図7(B)に示すように上下に配分し、各表示領域内に画像を拡大縮小して表示させる。または、2D画像142の62に対して表示領域の大きさを図7(B)に示すように上下に配分し、各表示領域に見合う大きさの画像をトリミングして表示させるようにしてもよい。画像の拡大縮小と、トリミングは組み合わせも可能である。
【0056】
このように、全体画像中における内視鏡2と患部154との距離Xを求めて、距離Xが所定距離X0以内のときに、2D画像142の一部に3D画像148を表示させることで、患部154に内視鏡2が近づいたとき、参照者(術者)に対して3D画像148を提供できる。このため、患部154に至るまでに画像を参照する参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0057】
次に、ステップ110では、表示画像140について、3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tを計算し、視線滞留時間Tが所定時間T0以上になるとステップ112で肯定され、ステップ114において3D画像148の表示領域64を徐々に広げる。具体的には、図7(B)及び図7(C)に示すように、領域高さがs1であった3D画像148から領域高さがs2へ3D画像148の大きさを変更する。この領域高さをs1からs2へ変更するときには、一定量づつ増加させることにより徐々に3D画像148の表示領域64を広げる。ステップ110の時間Tの計算は、目視状態演算部50の時間演算部52により実行される。
【0058】
次に、ステップ116では、方向センサ44による参照者(術者)の視線の方向(視点156)を求め、その経時変化として、所定時間内における2D画像142と3D画像148の画像間における視線移動頻度Haを求める。このステップ116の視線移動頻度Haの計算は、目視状態演算部50の頻度演算部51により実行される。求めたHaが所定頻度h1以上になるとステップ118で肯定され、ステップ120において3D画像148の表示領域64を徐々に狭くして、ステップ122へ進む。一方、ステップ118で否定されると、ステップ132において3D画像148の表示領域64の大きさを変更することなく、ステップ122へ進む。
【0059】
ステップ122では、現在の3D画像148を表示している表示領域64の面積を求めることで3D画像領域Rを求め、画像領域Rが所定領域r0以上になるとステップ124で肯定され、操作ボタン8により終了指示がなされた場合は(ステップ126で肯定)本ルーチンを終了する。終了指示がなされていない場合は(ステップ126で否定)、ステップ110へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。一方、画像領域Rが所定領域r0未満の場合、ステップ124で否定され、ステップ102へ戻り、上記処理を繰り返す。
【0060】
一方、ステップ110における3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tが所定時間T0未満の場合には、ステップ112で否定され、ステップ128へ進む。ステップ128では、方向センサ44による参照者(術者)の視線の方向(視点156)を求め、その経時変化として、所定時間内における2D画像142と全体画像146の画像間における視線移動頻度Hbを求める。このステップ128の視線移動頻度Hbの計算は、目視状態演算部50の頻度演算部51により実行される。求めた視線移動頻度Hbが所定頻度h2以上になるとステップ130で肯定され、ステップ132へ進む。一方、ステップ130で否定されると、ステップ134において、3D画像148の表示領域64を徐々に狭くして、ステップ122へ進む。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の立体内視鏡装置よれば、3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tが所定時間T0以上になると3D画像148の表示領域64を徐々に広げている。また、参照者(術者)の視線方向(視点156)の経時変化として、所定時間内における2D画像142と3D画像148の画像間における視線移動頻度Haと、2D画像142と全体画像146の画像間における視線移動頻度Hbから、3D画像148の表示領域64を拡大縮小している。このように参照者の画像に対する注目の度合いに応じて、3D画像148を注視する参照者(術者)に対して拡大縮小して画像を提供することによって、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0062】
なお、本実施形態では、画像間における視線移動頻度に応じて表示領域を拡大縮小する場合を説明したが、視線移動頻度と視線滞留時間とを組み合わせても良い。例えば、視線移動頻度と視線滞留時間とを予め定めた係数を付与して乗じた計算値を用いても良い。この組み合わせにより、各々の画像に対する注目の度合いを数値化できる。この数値化した画像について、3D画像の注目順位を基準として拡大縮小に用いても良い。
【0063】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の立体内視鏡装置の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0064】
第2実施形態は、第1実施形態の立体内視鏡装置において、内視鏡の位置をさらに検出し、その結果を考慮して、視線の方向による画像間の視線移動頻度や、各画像の視線滞留時間から広角画像または立体視用画像(内視鏡により撮影された画像より得る立体画像)の表示領域を変更するものである。
【0065】
図8を参照して、第2の実施の形態の電装装置おける画像処理ルーチンについて説明する。なお、第1実施形態の画像処理ルーチンと同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を説明する。また、図8は、図6と相違する追加部分を示した。
【0066】
ステップ100〜108において、広角側撮影画像(2D画像)、全体画像、立体視用画像(3D画像)を取得し、全体画像中における内視鏡2と患部154とが接近すると(距離Xが所定距離X0以内)、2D画像142の一部に3D画像148を表示させる(図9(A)、及び図9(B)参照)。次のステップ110では、表示画像140について、3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tを計算し、視線滞留時間Tが所定時間T0以上になるとステップ112で肯定され、ステップ202へ進み、否定されるとステップ128へ進む。
【0067】
ステップ202では、全体画像中における内視鏡2と患部154との距離Yを求めて、距離Yが所定距離Y0以内のときステップ204で肯定され、ステップ114へ進み、3D画像148の表示領域64を徐々に広げる画像表示領域の変更処理へと移行する。具体的には、図9(B)及び図9(C)に示すように、領域高さがs1であった3D画像148から領域高さがs3へ3D画像148の大きさを変更する。この領域高さをs1からs3へ変更するときには、一定量づつ増加させることにより徐々に3D画像148の表示領域64を広げる。ステップ110の時間Tの計算は、目視状態演算部50の時間演算部52により実行される。一方、距離Yが所定距離Y0を超えるときにはステップ204で否定され、ステップ110へ戻る。ステップ202の距離Yの計算は、目視状態演算部50の距離演算部53により実行される。
【0068】
以下、第1実施形態と同様に処理する。
【0069】
以上説明したように、第2実施形態の立体内視鏡装置によれば、内視鏡の位置を検出してその結果を考慮するので、視線の方向による画像間の視線移動頻度検出や、各画像の視線滞留時間検出による過剰な表示領域変更を抑制することができる。これによって、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。また、内視鏡位置の検出結果を考慮するので、視線移動頻度や視線滞留時間の検出のみによる異常信号等を排除可能なフィルタ効果も期待できる。
【0070】
なお、第2実施形態では、位置センサ42と全体画像とを用いて、全体画像中における内視鏡2と患部154との距離Yを求めているが、これに限定されるものではなく、直接内視鏡2と患部154との距離を検出してもよい。また、距離Yについて所定距離Y0を規定しているが、距離の値に限定されるものではなく、距離Y0が所定範囲であってもよい。
【0071】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態の立体内視鏡装置の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0072】
第3実施形態は、第1実施形態の立体内視鏡装置において、広角画像または立体視用画像の表示領域を変更するにあたって、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像を重ねて表示(重畳表示)させるものである。
【0073】
図10を参照して、第3の実施の形態の電装装置おける画像処理ルーチンについて説明する。なお、第1実施形態の画像処理ルーチンと同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
ステップ100〜108において、広角側撮影画像(2D画像)、全体画像、立体視用画像(3D画像)を取得し、全体画像中における内視鏡2と患部154とが接近すると(距離Xが所定距離X0以内)、2D画像142の一部に3D画像148を表示させる(図11(A)、及び図11(B)参照)。次のステップ110では、表示画像140について、3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tを計算し、視線滞留時間Tが所定時間T0以上になるとステップ302で肯定され、ステップ304へ進み、否定されるとステップ108へ戻る。
【0075】
ステップ304では、3D画像148の表示上に2D画像142の一部を重畳表示させる。すなわち、最初に表示させた2D画像142の表示領域62の大きさで、3D画像148の表示領域64を確保し、その表示領域64上の一部に2D画像142の表示領域62を設ける。具体的には、図11(C)に示すように、2D画像142の表示領域62と3D画像148の表示領域64から表示配分される領域全てを3D画像148の表示領域64に設定する。そして、その3D画像148の表示領域64内に2D画像142の表示領域62を設定する。従って、参照者が目視している視点156の周辺について3D画像148が拡大されつつ2D画像142の表示も同時に行われることになる。なお、2D画像142の表示領域62に表示する画像は、2D画像142の表示領域62に対して2D画像142を拡大縮小して表示させてもよく、2D画像142の表示領域62に見合う大きさの画像をトリミングして表示させてもよい。画像の拡大縮小と、トリミングは組み合わせも可能である。
【0076】
次に、ステップ306では、方向センサ44による参照者(術者)の視線の方向(視点156)を求め、その経時変化として、所定時間内における3D画像148と全体画像146の画像間における視線移動頻度Hcを求める。このステップ306の視線移動頻度Hcの計算は、目視状態演算部50の頻度演算部51により実行される。求めた視線移動頻度Hcが所定頻度h3以上になるとステップ308で肯定され、ステップ310へ進む。一方、ステップ308で否定されると、ステップ312において3D画像148の表示領域64の大きさを変更せずに維持する指示をしてステップ314へ進む。
【0077】
ステップ310では、前記ステップ304で重畳表示した2D画像142の表示領域62の大きさを大きくする。すなわち、2D画像142の表示領域62を徐々に広げる。具体的には、図11(C)及び図11(D)に示すように、領域幅w1であった2D画像142から領域幅w2へ2D画像142の大きさ(表示領域62)を変更する。この領域幅w1から領域幅w2へ変更するときには、一定量づつ増加させることにより徐々に2D画像142の表示領域62を広げる。
【0078】
次に、ステップ314では、現在の3D画像148を表示している表示領域64の面積(3D画像領域Rt)と、2D画像142を表示している表示領域62の面積(2D画像領域Rs)を求め、それらの画像領域(表示領域)の比率P(Rs/Rt)を計算する。画像領域の比率Pが所定領域p0未満の場合、ステップ316で否定されてステップ110へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。一方、画像領域の比率Pが所定領域p0以上になるとステップ316で肯定され、ステップ318において3D画像148の表示領域64の大きさを変更せずに維持する指示をしてステップ320へ進む。ステップ320では操作ボタン8により終了指示がなされた場合(ステップ320で肯定)本ルーチンを終了し、終了指示がなされていない場合は(ステップ320で否定)、ステップ306へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。
【0079】
以上説明したように、第3実施形態の立体内視鏡装置によれば、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像を重ねて表示(重畳表示)させることにより、画像間の視線移動回数の減少を期待でき、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0080】
なお、第3実施形態は、2D画像142の一部に3D画像148を表示させてから、その3D画像を重畳表示させているが、2D画像142の一部に3D画像を表示させるときに、重畳表示させてもよい。また、上記第1実施形態、第2実施形態における他の処理の一部または複数を組合せて実施してもよい。
【0081】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態の立体内視鏡装置の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0082】
第4実施形態は、広角画像または立体視用画像の表示領域を変更するにあたって、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像を重ねて表示(重畳表示)させてさらに立体視用画像の表示領域を拡大縮小するものである。
【0083】
図12を参照して、第4実施形態の電装装置おける画像処理ルーチンについて説明する。なお、上記実施形態の画像処理ルーチンと同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
ステップ100〜108において、広角側撮影画像(2D画像)、全体画像、立体視用画像(3D画像)を取得し、全体画像中における内視鏡2と患部154とが接近すると(距離Xが所定距離X0以内)、2D画像142の一部に3D画像148を表示させる(図13(A)、及び図13(B)参照)。次に、表示画像140について、3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tが所定時間T0以上になると(ステップ110,ステップ302で肯定)、全体画像中における内視鏡2と患部154の距離を求める(ステップ202)。全体画像中における内視鏡2と患部154が接近すると(距離Yが所定距離Y0以内)、3D画像148の表示上に2D画像142の一部を重畳表示させる(ステップ304、図13(C)参照)。
【0085】
次に、方向センサ44による参照者(術者)の視線の方向(視点156)を求め、その経時変化として、所定時間内における3D画像148と全体画像146の画像間における視線移動頻度Hcを求める(ステップ306)。求めた視線移動頻度Hcが所定頻度h3以上になると(ステップ402で肯定)、ステップ108へ戻り、否定されると、ステップ404へ進む。
【0086】
ステップ404では、前記ステップ304で表示した3D画像148の表示領域64の大きさを大きくする。すなわち、3D画像148の表示領域64を徐々に全体画像146側に広げる。具体的には、図13(C)及び図13(D)に示すように、3D画像148の表示領域64と全体画像146の表示領域66との境界Bdを領域幅方向に距離Lだけ移動する。すなわち、最初に表示させた2D画像142の表示領域62の大きさで確保した3D画像148の表示領域64を、全体画像146の表示領域66側に向かって境界Bdを移動させることにより3D画像148の表示領域64を拡大する。この領域拡大にあたっては、全体画像146の表示領域66側に向かう3D画像148を追加する形態をとることが好ましい。このようにすることによって、参照者が目視している視点156の周辺について視点156を変更させることなく、3D画像148を拡大できる。なお、境界Bdを領域幅方向に移動するときには、一定量づつ増加させることにより徐々に3D画像148の表示領域64を広げることが、参照者の疲労感や緊張感を抑制する上で好ましい。
【0087】
次に、ステップ406では、現在の3D画像148を表示している表示領域64の面積を求めることで3D画像領域Rを求め、画像領域Rが所定領域r1未満の場合には、ステップ408で否定され、ステップ306へ戻り、上記処理を繰り返す。一方、画像領域Rが所定領域r1以上になるとステップ408で肯定され、ステップ410進む。ステップ410では、現在の3D画像148を表示している表示領域64の面積が所定領域r1以上のため、拡大することなく所定領域r1を維持させたり、ステップ404で広げた表示領域64の大きさを戻したりする。
【0088】
これらのステップ408と410の処理は、全体画像146の表示領域66を最小限度確保するためには必要である。一方、所定領域r1の値を有効領域である表示画面の大きさに設定すれば、表示画像140としてモニタ7の表示領域全てに3D画像148を表示させることも可能である。
次に、操作ボタン8により終了指示がなされた場合は(ステップ412で肯定)本ルーチンを終了する。終了指示がなされていない場合は(ステップ412で否定)、ステップ306へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。
【0089】
以上説明したように、第4実施形態の立体内視鏡装置によれば、参照者が注目する患部に近づくと、3D画像の表示を徐々に広げているので、狭い立体視用画像の表示領域比べて、視認範囲を広げることがき、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0090】
なお、第4の実施の形態は、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像を重ねて表示(重畳表示)させてさらに立体視用画像の表示領域を拡大縮小する部分について詳細に説明したが、上記第1実施形態〜第3実施形態における他の処理の一部または複数を組合せて実施してもよい。
【0091】
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態の立体内視鏡装置の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0092】
第5実施形態は、広角画像または立体視用画像の表示領域を変更するにあたって、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像及び全体画像を重ねて表示(重畳表示)させるものである。
【0093】
図14を参照して、第5実施形態の電装装置おける画像処理ルーチンについて説明する。なお、上記実施形態の画像処理ルーチンと同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
ステップ100〜108において、広角側撮影画像(2D画像)、全体画像、立体視用画像(3D画像)を取得し、全体画像中における内視鏡2と患部154とが接近すると(距離Xが所定距離X0以内)、2D画像142の一部に3D画像148を表示させる(図13(A)、及び図13(B)参照)。次に、ステップ110〜304において、表示画像140における3D画像148への参照者(術者)の視線滞留時間Tが所定時間T0を超えて、全体画像中における内視鏡2と患部154が接近すると(距離Yが所定距離Y0以内)、3D画像148の表示上に2D画像142の一部を重畳表示させる(図15(C)参照)。
【0095】
次に、方向センサ44による参照者(術者)の視線の方向(視点156)を求め、その経時変化として、所定時間内における3D画像148と全体画像146の画像間における視線移動頻度Hcを求める(ステップ306)。求めた視線移動頻度Hcが所定頻度h3以上になると(ステップ502で肯定)、ステップ108へ戻り、否定されると、ステップ504へ進む。
【0096】
ステップ504では、前記ステップ304で表示した3D画像148の表示領域64内に全体画像146の一部を重畳表示させる。すなわち、3D画像148の表示領域64内に所定の大きさの全体画像146の表示領域66を設定する。具体的には、図15(C)及び図15(D)に示すように、3D画像148の表示領域64と全体画像146の表示領域66から表示配分される領域全てを3D画像148の表示領域64に設定する。そして、その3D画像148の表示領域64内に2D画像142の表示領域62及び全体画像146の表示領域64を設定する。従って、参照者が目視している視点156の周辺について3D画像148が拡大されつつ2D画像142と全体画像146の表示も同時に行われることになる。なお、全体画像146の表示領域66に表示する画像は、全体画像146の表示領域66に対して全体画像146を拡大縮小して表示させてもよく、全体画像146の表示領域66に見合う大きさの画像をトリミングして表示させてもよい。画像の拡大縮小と、トリミングは組み合わせも可能である。
【0097】
次に、操作ボタン8により終了指示がなされた場合は(ステップ506で肯定)本ルーチンを終了する。終了指示がなされていない場合は(ステップ506で否定)、ステップ306へ戻り、上記処理を繰り返し実行する。
【0098】
以上説明したように、第5実施形態の立体内視鏡装置によれば、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像及び全体画像を重ねて表示(重畳表示)させることにより、参照者に対して、立体視用画像をより広範囲に提供することができる。これによって、参照者、例えば術者は詳細に3次元画像を参照することができ、施術の精度向上を図ることが容易となる。また、狭い立体視用画像の表示領域比べて、視認範囲を広げることがき、参照者の疲労感や緊張感を緩和させることができる。
【0099】
なお、第5の実施の形態は、立体視用画像の表示領域内の一部に広角画像及び全体画像を重ねて表示(重畳表示)させる部分について詳細に説明したが、上記第1実施形態〜第4実施形態における他の処理の一部または複数を組合せて実施してもよい。
【0100】
なお、上記第1〜第5の実施の形態では、内視鏡により広角の撮影画像(広角画像)からトリミングした一部画像と、標準画角の撮影画像(標準画像)を用いて立体視用の画像ファイルを生成した場合について説明したが、双方共に、標準画角の撮影画像(標準画像)であってもよい。また、2つの撮影部により撮影画像を得た場合を説明したが、3つ以上の撮影部から2つの撮影部を選択して用いても良い。
【0101】
また、上記第1〜第5の実施の形態では、電装装置4に全体画像メモリ32を備えた場合を説明したが、全体画像メモリ32を独立した記憶装置としてこの記憶装置から読み取るようにしても良い。
【0102】
また、上記第1〜第5の実施の形態の画像処理ルーチンをプログラム化して、そのプログラムをCPUにより実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…立体内視鏡装置
2…内視鏡
4…電装装置
7…モニタ
21A…撮影部
21B…撮影部
30…3次元処理部
32…全体画像メモリ
33…ナビゲーション画像処理部
35…CPU
40…インタフェース部
42…位置センサ
44…方向センサ
50…目視状態演算部
140…表示画像
142…2D画像
146…全体画像
148…3D画像
154…患部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得する取得手段と、
前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力する画像出力手段と、
表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する変更手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記基準画像は、広角撮影された広角画像であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記参照者の視線の経時変動として、画像に対する視線滞留時間及び画像間の視線移動頻度の少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、対象物から内視鏡までの距離をさらに検出することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記立体画像の表示領域の大きさを変更することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記視線の経時変動に関係する画像の表示領域を徐々に拡大または縮小することを特徴とすることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記変更手段は、前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の何れかの画像の表示領域内に、他の画像が重畳表示されるように表示領域の大きさを変更することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像を予め定めた有効表示領域に表示するときに、各画像の表示領域に関する表示配分を定めて各画像の表示領域の大きさを変更することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
観察する対象物内における内視鏡の位置情報を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記画像出力手段は、前記受け付けた位置情報による内視鏡の位置を少なくとも含む画像を出力する
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記基準画像と視差画像とに基づいて立体画像を生成する生成手段により得られる立体画像を取得することを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得し、
前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力し、
表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出し、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する
画像処理方法。
【請求項12】
内視鏡により観察する対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段から前記参照画像を取得すると共に、前記内視鏡による複数の視点から各々同期して撮影された複数の画像のうち何れか1つを基準画像として取得しかつ、該基準画像と異なる画像を視差画像として該基準画像と視差画像とから得られる立体画像を取得する取得ステップと、
前記参照画像と、前記基準画像と、前記立体画像とが同期されて表示手段に表示されるように画像出力する画像出力ステップと、
表示された少なくとも1つの画像に対する参照者の視線の経時変動を検出する検出ステップと、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記視線の経時変動に関係する前記参照画像、前記基準画像及び前記立体画像の少なくとも1つの画像の表示領域の大きさを変更する変更ステップと、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項13】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の画像処理装置と、
複数の視点から各々同期して撮影する複数の撮影装置を備えた内視鏡と、
対象物に関係する参照画像を予め記憶した記憶手段と、
参照画像と、基準画像と、立体画像とを表示する表示手段と、
を備えた立体内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−206425(P2011−206425A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79409(P2010−79409)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】