画像処理装置及び検査装置
【課題】ウェーハなどの半導体検査装置において、テンプレートマッチングが失敗したとき、なぜ失敗したかが判る情報を提供する。
【解決手段】パターンマッチングのためのテンプレートと呼ぶ予め定められた第一の画像と、そのテンプレートより大きい第二の画像(即ち、被検体の画像)の中からオペレータが、テンプレートと同じ大きさの第三の画像1803領域を選択し、第一の画像と第三の画像とのテンプレートマッチングをテンプレートを半透明表示しながら行い、その類似度差分情報を表示する。
【解決手段】パターンマッチングのためのテンプレートと呼ぶ予め定められた第一の画像と、そのテンプレートより大きい第二の画像(即ち、被検体の画像)の中からオペレータが、テンプレートと同じ大きさの第三の画像1803領域を選択し、第一の画像と第三の画像とのテンプレートマッチングをテンプレートを半透明表示しながら行い、その類似度差分情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理装置等の検査装置、及びその検査装置に組み込まれる画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体検査装置では、例えば半導体ウエハ上に形成された回路パターン上の決められた検査位置でパターン幅の測長やエッチング不良等の検査を行う。この時、予め登録したパターン画像(テンプレート画像)を用いたパターンマッチングを利用して、検査装置の視野を検査位置に位置合わせする。すなわち、最初に検査位置の近くの特徴的なパターンをテンプレート画像を用いたパターンマッチングによって探索し、そこから既知の方向に既知の距離だけ離れた位置を検査位置とする(例えば、特開平11−204621号公報参照)。
【0003】
特開平11−85907号公報には、形状不良を画像上で目視により容易に検出できるようにするため、処理対象画像とパターン画像との差分のデータを表示する画像処理装置が記載されている。この装置は、処理対象画像の各領域とパターン画像とのパターンマッチングを行って、パターンマッチング結果に応じて所定の処理対象画像領域を抜き出し、抜き出した処理対象画像領域の画像とパターン画像との間の類似度差分を演算し、演算した類似度差分のデータを表示部に表示するものである。
【特許文献1】特開平11−204621号公報
【特許文献1】特開平11−85907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体検査装置では、テンプレート画像を用いたパターンマッチングによるパターン探索が正常に行われず、その結果、半導体ウエハ上に形成された回路パターン上の決められた検査位置に視野移動することができず、所望の検査を行うことができないことがある。このような場合、テンプレート画像を用いたパターンマッチングが失敗した原因が分かると、スループットを向上して高精度な検査を行う上で有用である。
【0005】
しかし、特開平11−85907号公報に記載された方法では、パターンマッチングが最も高いと判断された処理対象画像領域の画像データとパターン画像との類似度差分を表示するため、パターンマッチングが失敗したときに、なぜ失敗したかについての情報がほとんど得られない。
【0006】
本発明の目的は、パターンマッチングが失敗したとき、なぜ失敗したかに関する情報をオペレータに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による画像処理装置は、パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、テンプレート画像と被検体の画像を表示する表示手段と、被検体の画像の中からテンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、領域特定手段により特定された被検体の画像の領域とテンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を表示手段に表示する演算手段とを有する。
【0008】
領域特定手段は、表示手段に表示された被検体の画像上で所望の領域を指定する入力手段を有するものとすることができる。また、テンプレートマッチング手段を有し、入力手段によって指定された被検体の画像上の領域に対してテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行って領域を特定するようにしてもよい。
【0009】
領域特定手段は、テンプレート画像を用いて被検体の画像に対して複数のマッチング候補を出力するテンプレートマッチングを行うテンプレートマッチング手段と、テンプレートマッチング手段により出力された複数のマッチング候補の中から所望のマッチング候補を指定する入力手段とを有するものであってもよい。領域特定手段は、表示手段にテンプレート画像を半透明にして表示する手段と、半透明に表示されたテンプレート画像を被検体の画像上で移動させる入力手段とを有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、パターンマッチングが失敗した原因について、詳細な情報を取得することができる。また、これにより、パターンマッチングが失敗した画像に対して、より適切なマッチングアルゴリズムを検討することが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による画像処理システムの装置構成例を示す模式図である。この装置は、被検体の画像を取得するためのイメージセンサ101と画像処理装置102から構成されている。イメージセンサ101は、図示しない検査対象物を撮像し、電気信号に変換する。画像処理装置102は、典型的にはパーソナルコンピュータと画像処理ソフトウェアから構成される。イメージセンサ101で撮像された画像は、図示しない画像キャプチャーボードを介して、画像処理装置102に伝送され、そこで処理される。
【0012】
次に、本発明の前提となるテンプレートマッチングについて説明する。テンプレートマッチングは、テンプレートと呼ぶ画像をテンプレートより大きい画像の中から探索する処理である。図1の構成の画像処理システムを用いたテンプレートマッチングの処理手順例について、図2を用いて説明する。
【0013】
まず、テンプレートのための画像を入力する(S11)。この画像としては、イメージセンサ101から入力してもよいし、図示しないデータベースから入力しても、パーソナルコンピュータ上のソフトウェアを用いて作成してもよい。次に、入力した画像からテンプレートとしての領域を指定し、テンプレートとして登録する(S12)。続いて、テンプレートマッチングのためのパラメータを設定し(S13)、テンプレートマッチングを行う画像(被サーチ画像)をイメージセンサ101から入力してテンプレートマッチングを行う(S14)。最後に、テンプレートマッチングの結果、すなわち、被サーチ画像におけるテンプレートと類似した位置の座標を表示する(S15)。ここで、テンプレートマッチングのためのパラメータとは、テンプレートマッチングの条件を与えるものであり、例えば前処理で用いるフィルタ処理の種類、探索対象領域、内部処理における画像のサンプリングレートなどがある。
【0014】
図3、図4は、テンプレートマッチングの処理過程を表す表示画面例の図である。図3
は、表示装置の画面301に、テンプレート304と被サーチ画像302が表示されている状態を示している。図2の処理手順に従ってテンプレートマッチングを実施した後の画面が、図4である。図4の画面では、テンプレート304に類似したパターンとしてパターン305を検出し、その座標情報として矩形領域306及びテキスト情報307を表示している。
【0015】
テンプレートマッチングの結果がオペレータにとって不本意な場合、例えば、図4ではパターン305を検出しているが、実際に検出したいパターンが303であった場合、テンプレートマッチングでなぜパターン303を検出しなかったかを分析するための一方法として、図5に手順を示す処理を行う。なお、図4ではテンプレートに対応したパターン305を表示しているが、画面の表示がパターン305と特定の相対位置関係にある検査点の場合、上記検査点の座標情報、上記相対位置関係情報からパターン305を計算し、表示するツールを用意しても良い。図6は、図5の処理を実行するための装置構成例を示す図である。図6に示す装置構成例は、テンプレートを格納する第一の記憶手段601、被サーチ画像を格納する第二の記憶手段602、被サーチ画像の中からオペレータが検出したいパターン領域を特定するための領域特定手段603、領域特定手段603で特定した被サーチ画像の領域とテンプレートとの差情報を計算する差情報計算手段604、計算された差情報を表示する表示手段605、パラメータを記憶する第三の記憶手段606からなる。第一の記憶手段601、第二の記憶手段602及び第三の記憶手段606は、画像処理装置102を構成するパーソナルコンピュータのメモリにより実現することができ、領域特定手段603はパーソナルコンピュータの備えるマウスやキーボード等の入力手段、あるいはそれらの入力手段と画像処理手段とを組み合わせて実現することができる。また、差情報計算手段604は、画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0016】
図5に戻り、まず、上記のテンプレートマッチングで用いたテンプレート情報を入力手段を用いて入力し(S21)、第一の記憶手段601に格納する。ここで、テンプレート情報とは、上記のテンプレートマッチングを行うためのテンプレートに関連した十分な情報とする。次に、テンプレートマッチングが不本意な結果となった被サーチ画像を入力手段を用いて入力し(S22)、第二の記憶手段602に格納する。また、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのパラメータを第三の記憶手段606に設定する(S23)。ここで、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのパラメータを設定する理由は、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのテンプレートマッチング処理を再現するためである。パラメータの例としては、前述の前処理で用いるフィルタ処理の種類、探索対象領域、内部処理における画像のサンプリングレート等がある。パラメータは、テンプレートマッチングを実行したときの実行手順ファイル(レシピ)から入力しても良い。上記ステップ21,22,23は順序を変えても良い。
【0017】
そして、被サーチ画像の中からテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域を領域特定手段603を用いて選択する(S24)。領域特定手段603による操作は、被サーチ画像を表示手段605に表示し、マウスなどの入力装置で指定した領域を被サーチ画像と重ね合わせて表示させることにより直接領域指定しても良いが、画素単位もしくはサブ画素単位で位置ずれなしに指定するのは困難であるため、図7から図9に示す方法を用いて指定しても良い。
【0018】
図7は、図5のステップ24を実行する方法の一例を示す図である。この方法は、図2のステップ14におけるテンプレートマッチングと同一のアルゴリズムであるが、類似候補として単一候補でなく複数候補を出力する処理を行い(S31)、テンプレートと類似した領域を複数個出力した後、出力された領域の中から適当なものを選択する(S32)という方法である。複数候補を表示した例を図10に示す。図10では、テンプレートマッチング処理結果の候補として、矩形領域1003及びその類似度1005と矩形領域1004及びその類似度1006を表示している。複数候補を出力する方法としては、テンプレートマッチング処理中に類似度の高い候補を複数求めておき、類似度の降順に指定された数の候補を出力する方法、類似度が指定された特定の値以上の候補を全て出力する方法、それらを併用した方法などがある。
【0019】
図7の方法を実現する領域特定手段の構成例を図11に示す。図11の破線部分1100が領域特定手段に対応する。領域特定手段1100では、第一の記憶手段601に格納されているテンプレートと第二の記憶手段602に格納されている被サーチ画像を第三の記憶手段606に格納されているパラメータに基づき複数候補を出力するマッチング手段1103でパターンマッチング処理を行い、処理結果の候補を被サーチ画像に重ね合わせる演算手段1104を用いて被サーチ画像上に描画した画像を表示手段605に表示する。また、複数候補情報をファイル出力する出力手段1102により複数候補情報をファイル出力する。表示手段605に表示された複数候補のうち所望のものを入力手段1101を用いて指定する。図示した領域特定手段1100を構成する要素のうち、入力手段1101はマウスやキーボード等によって実現することができ、残りの手段は画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0020】
図8は、図5のステップ24を実行する方法の他の例を示す図である。この方法は、テンプレートに最も近いとオペレータが判断する被サーチ画像の中の領域を含む範囲を指定し(S41)、その範囲の中のみテンプレートマッチングを行い(S42)、対象領域を確定する(S43,S44)という方法である。所望のパターンが選択されない場合は、対象範囲等の条件やパラメータを変更し(S45)、テンプレートマッチングを再度実行する(S42)。
【0021】
対象範囲を指定した直後の表示画面の例を図12に、テンプレートマッチング実行後の表示画面の例を図13にそれぞれ示す。図12の破線で示した矩形1206が指定した対象領域、図13の1303が検索した領域、1305が類似度である。
【0022】
図8の処理を行う領域特定手段の構成例を図14に示す。図14の破線部分1400が領域特定手段に対応する。領域特定手段1400では、第一の記憶手段601に格納されているテンプレートと第二の記憶手段602に格納されている被サーチ画像を、第三の記憶手段606に格納されているパラメータと対象範囲入力手段1401により入力したマッチング対象範囲に基づきマッチング手段1403でパターンマッチング処理を行い、処理結果の候補を被サーチ画像に重ね合わせる演算手段1404を用いて被サーチ画像上に描画した画像を表示手段605に表示する。また、出力手段1402により候補情報をファイル出力する。図示した領域特定手段1400を構成する要素のうち、対象範囲入力手段1401はマウスやキーボード等によって実現することができ、残りの手段は画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0023】
なお、テンプレートマッチングを行う範囲の指定では、図15に示すように、テンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域付近又はテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域の内側の範囲を指定する(1506)ことにより、その領域付近又は領域の内側の範囲を含むより広い範囲の中のみテンプレートマッチングを行い、対象領域を確定してもよい。
【0024】
図9は、図5のステップ24を実行する方法の他の例を示す図である。この方法は、テンプレートを半透明にし、ドラッグしながら被サーチ画像の中でテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域と重ねることにより、対象領域を特定する方法である。まず、テンプレートを半透明にして表示し(S51)、被サーチ画面を表示する(S52)。次に、半透明のテンプレートを画面上でドラッグして被サーチ画面上の目標位置に重ね合わせ(S53)、重ね合わさった領域を選択する(S54)。図16に、ディスプレイ画面上での操作状況を示す。301がディスプレイ画面であり、オペレータは半透明にしたテンプレート1604を被サーチ画像302の対象領域303に重ねるため移動している。なお、305は類似パターンである。半透明のテンプレートを重ねることによって領域を特定した後、特定した領域の近傍領域のみテンプレートマッチングを行うことで対象領域を再特定してもよい。
【0025】
その他の対象領域座標の与え方としては、被サーチ画像の基準点座標から対象領域の始点までの相対座標と領域のサイズ、被サーチ画像の基準点座標から対象領域の始点及び終点までの相対座標、テンプレートと相対位置関係を持つ座標(代表点)の被サーチ画像における基準点からの相対座標を入力する方法などが挙げられる。テンプレートと相対位置関係を持つ座標(代表点)の被サーチ画像における基準点からの相対座標を入力する方法において、例えば実際の検査点がテンプレートとの相対座標で与えられた場合、実際の検査点を入力手段によって指し示すことにより対象領域を特定することができる。
【0026】
図5に戻り、被サーチ画像の中からテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域を選択できたら、差情報計算手段604を用いてその領域の画像とテンプレートとの差情報を求める(S25)。差情報の計算方法としてはいろいろなものが考えられるが、テンプレートマッチングとしての差を直接表すものが望ましい。例えば、テンプレートマッチングで特定のフィルター処理を行った後に下式(1)に示す正規化相関で類似度を求めている場合は、テンプレートマッチングで実施したものと同一のフィルター処理を行った画像に対して下式(2)又は下式(3)に示す計算式で差分画像を求める。差分画像だけでなく、テンプレートマッチングとしての類似度を計算して、表示しても良い。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
1画素未満のサブ画素単位で位置合わせして差分画像を求める場合は、一方もしくは双方の画像をサブ画素単位で位置合わせできるよう、補間画像を作成する。補間画像の作成方法の例を図17に示す。サブ画素位置ずれした画素1701の値として、元画素の値を画素1701に含まれる面積1702,1703,1704,1705に応じて重み付け加算したものとする。
【0031】
上述のように求めた差情報をディスプレイ画面に表示する(S26)。表示方法を図18及び図19に示す。
【0032】
図18は、被サーチ画像302上の、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域に差情報計算手段604で計算された差分画像1803を表示手段605に表示したものである。図18では、差分画像1803は差の絶対値を濃淡で表しているが、このほかに、正と負を色分けする方法、正と負を時間を分けて表示する方法、特定のしきい値で2値化する方法、そのしきい値を動的に変化させる方法などがある。
【0033】
また、差分画像だけでなく、テンプレート又は被サーチ画像の元画像や前処理を行った画像を手動もしくは自動で置き換えるようにしても良い。テンプレートマッチングでの類似度を表示しても良い。
【0034】
図19は、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域とテンプレートとの差分情報1903のほかに、テンプレートマッチングで最も類似した領域として検出された領域とテンプレートとの差分情報1904を表示したものである。差分画像の表示方法やその他の情報の表示については、図18の説明と同様である。
【0035】
図19では、差分画像を被サーチ画像の当該領域に重ねて表示しているが、領域が重なることもあるので、別のところに並べて表示しても良い。また、同じ領域に表示し、自動又は手動で置き換わるようにしても良い。さらに、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域とテンプレートとの差分情報1903と、テンプレートマッチングで最も類似した領域として検出された領域とテンプレートとの差分情報1904の差分情報を表示しても良い。
【0036】
オペレータは、これらの情報を目視もしくは差分画像同士の差分を計算させることなどによりテンプレートマッチングの失敗原因を分析する。例えば、図19の例の場合、差分画像1903は形状の僅かな違いによる差分が大きいのに対して、差分画像1904は形状の違いが少ないため類似性が高いと評価されたと推定でき、テンプレートマッチングを形状の違いに対してロバストにするなどの変更を行うことができる。
【0037】
図20は、本発明の他の実施例の説明図であり、電子顕微鏡を用いた半導体検査装置の模式図である。この半導体検査装置は、電子顕微鏡2001と画像処理装置102からなる。電子顕微鏡2001は、試料台2003上の対象物を撮像し、電気信号に変換する。電子顕微鏡2001で撮像された画像は、図示しない画像キャプチャーボードを介して、画像処理装置102に伝送される。画像処理装置102は、観察したい試料の位置を合わせたり、欠陥や異物を検出する。
【0038】
上記半導体検査装置でテンプレートマッチングを行う基本的な手順は図2と同じであり、テンプレートマッチングを行った結果がオペレータにとって不本意な場合の処理も上述のものと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による画像処理システムの装置構成例を示す模式図。
【図2】テンプレートマッチングの処理手順の一例を示す図。
【図3】テンプレートマッチングの処理を表す表示画面例の図。
【図4】テンプレートマッチングの処理を表す表示画面例の図。
【図5】本発明の一実施例を表すフローチャート。
【図6】図5の処理を実行するための装置構成例を示す図。
【図7】対象領域選択方法の一例を示すフローチャート。
【図8】対象領域選択方法の他の例を示すフローチャート。
【図9】対象領域選択方法の他の例を示すフローチャート。
【図10】図7の処理を表す表示画面例の図。
【図11】領域特定手段の一例を表す構成図。
【図12】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図13】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図14】領域特定手段の一例を表す構成図。
【図15】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図16】図9の処理を説明する表示画面例の図。
【図17】補間画像の一計算方法を表す説明図。
【図18】差情報表示方法の一例を示す表示画面の図。
【図19】差情報表示方法の一例を示す表示画面の図。
【図20】電子顕微鏡を用いた半導体検査装置の模式図。
【符号の説明】
【0040】
101…イメージセンサ、301…画面、302…被サーチ画像、303…検出したいパターン、304…テンプレート、305…テンプレートマッチングで検出されたパターン、2001…電子顕微鏡、102…画像処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理装置等の検査装置、及びその検査装置に組み込まれる画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体検査装置では、例えば半導体ウエハ上に形成された回路パターン上の決められた検査位置でパターン幅の測長やエッチング不良等の検査を行う。この時、予め登録したパターン画像(テンプレート画像)を用いたパターンマッチングを利用して、検査装置の視野を検査位置に位置合わせする。すなわち、最初に検査位置の近くの特徴的なパターンをテンプレート画像を用いたパターンマッチングによって探索し、そこから既知の方向に既知の距離だけ離れた位置を検査位置とする(例えば、特開平11−204621号公報参照)。
【0003】
特開平11−85907号公報には、形状不良を画像上で目視により容易に検出できるようにするため、処理対象画像とパターン画像との差分のデータを表示する画像処理装置が記載されている。この装置は、処理対象画像の各領域とパターン画像とのパターンマッチングを行って、パターンマッチング結果に応じて所定の処理対象画像領域を抜き出し、抜き出した処理対象画像領域の画像とパターン画像との間の類似度差分を演算し、演算した類似度差分のデータを表示部に表示するものである。
【特許文献1】特開平11−204621号公報
【特許文献1】特開平11−85907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体検査装置では、テンプレート画像を用いたパターンマッチングによるパターン探索が正常に行われず、その結果、半導体ウエハ上に形成された回路パターン上の決められた検査位置に視野移動することができず、所望の検査を行うことができないことがある。このような場合、テンプレート画像を用いたパターンマッチングが失敗した原因が分かると、スループットを向上して高精度な検査を行う上で有用である。
【0005】
しかし、特開平11−85907号公報に記載された方法では、パターンマッチングが最も高いと判断された処理対象画像領域の画像データとパターン画像との類似度差分を表示するため、パターンマッチングが失敗したときに、なぜ失敗したかについての情報がほとんど得られない。
【0006】
本発明の目的は、パターンマッチングが失敗したとき、なぜ失敗したかに関する情報をオペレータに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による画像処理装置は、パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、テンプレート画像と被検体の画像を表示する表示手段と、被検体の画像の中からテンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、領域特定手段により特定された被検体の画像の領域とテンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を表示手段に表示する演算手段とを有する。
【0008】
領域特定手段は、表示手段に表示された被検体の画像上で所望の領域を指定する入力手段を有するものとすることができる。また、テンプレートマッチング手段を有し、入力手段によって指定された被検体の画像上の領域に対してテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行って領域を特定するようにしてもよい。
【0009】
領域特定手段は、テンプレート画像を用いて被検体の画像に対して複数のマッチング候補を出力するテンプレートマッチングを行うテンプレートマッチング手段と、テンプレートマッチング手段により出力された複数のマッチング候補の中から所望のマッチング候補を指定する入力手段とを有するものであってもよい。領域特定手段は、表示手段にテンプレート画像を半透明にして表示する手段と、半透明に表示されたテンプレート画像を被検体の画像上で移動させる入力手段とを有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、パターンマッチングが失敗した原因について、詳細な情報を取得することができる。また、これにより、パターンマッチングが失敗した画像に対して、より適切なマッチングアルゴリズムを検討することが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による画像処理システムの装置構成例を示す模式図である。この装置は、被検体の画像を取得するためのイメージセンサ101と画像処理装置102から構成されている。イメージセンサ101は、図示しない検査対象物を撮像し、電気信号に変換する。画像処理装置102は、典型的にはパーソナルコンピュータと画像処理ソフトウェアから構成される。イメージセンサ101で撮像された画像は、図示しない画像キャプチャーボードを介して、画像処理装置102に伝送され、そこで処理される。
【0012】
次に、本発明の前提となるテンプレートマッチングについて説明する。テンプレートマッチングは、テンプレートと呼ぶ画像をテンプレートより大きい画像の中から探索する処理である。図1の構成の画像処理システムを用いたテンプレートマッチングの処理手順例について、図2を用いて説明する。
【0013】
まず、テンプレートのための画像を入力する(S11)。この画像としては、イメージセンサ101から入力してもよいし、図示しないデータベースから入力しても、パーソナルコンピュータ上のソフトウェアを用いて作成してもよい。次に、入力した画像からテンプレートとしての領域を指定し、テンプレートとして登録する(S12)。続いて、テンプレートマッチングのためのパラメータを設定し(S13)、テンプレートマッチングを行う画像(被サーチ画像)をイメージセンサ101から入力してテンプレートマッチングを行う(S14)。最後に、テンプレートマッチングの結果、すなわち、被サーチ画像におけるテンプレートと類似した位置の座標を表示する(S15)。ここで、テンプレートマッチングのためのパラメータとは、テンプレートマッチングの条件を与えるものであり、例えば前処理で用いるフィルタ処理の種類、探索対象領域、内部処理における画像のサンプリングレートなどがある。
【0014】
図3、図4は、テンプレートマッチングの処理過程を表す表示画面例の図である。図3
は、表示装置の画面301に、テンプレート304と被サーチ画像302が表示されている状態を示している。図2の処理手順に従ってテンプレートマッチングを実施した後の画面が、図4である。図4の画面では、テンプレート304に類似したパターンとしてパターン305を検出し、その座標情報として矩形領域306及びテキスト情報307を表示している。
【0015】
テンプレートマッチングの結果がオペレータにとって不本意な場合、例えば、図4ではパターン305を検出しているが、実際に検出したいパターンが303であった場合、テンプレートマッチングでなぜパターン303を検出しなかったかを分析するための一方法として、図5に手順を示す処理を行う。なお、図4ではテンプレートに対応したパターン305を表示しているが、画面の表示がパターン305と特定の相対位置関係にある検査点の場合、上記検査点の座標情報、上記相対位置関係情報からパターン305を計算し、表示するツールを用意しても良い。図6は、図5の処理を実行するための装置構成例を示す図である。図6に示す装置構成例は、テンプレートを格納する第一の記憶手段601、被サーチ画像を格納する第二の記憶手段602、被サーチ画像の中からオペレータが検出したいパターン領域を特定するための領域特定手段603、領域特定手段603で特定した被サーチ画像の領域とテンプレートとの差情報を計算する差情報計算手段604、計算された差情報を表示する表示手段605、パラメータを記憶する第三の記憶手段606からなる。第一の記憶手段601、第二の記憶手段602及び第三の記憶手段606は、画像処理装置102を構成するパーソナルコンピュータのメモリにより実現することができ、領域特定手段603はパーソナルコンピュータの備えるマウスやキーボード等の入力手段、あるいはそれらの入力手段と画像処理手段とを組み合わせて実現することができる。また、差情報計算手段604は、画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0016】
図5に戻り、まず、上記のテンプレートマッチングで用いたテンプレート情報を入力手段を用いて入力し(S21)、第一の記憶手段601に格納する。ここで、テンプレート情報とは、上記のテンプレートマッチングを行うためのテンプレートに関連した十分な情報とする。次に、テンプレートマッチングが不本意な結果となった被サーチ画像を入力手段を用いて入力し(S22)、第二の記憶手段602に格納する。また、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのパラメータを第三の記憶手段606に設定する(S23)。ここで、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのパラメータを設定する理由は、テンプレートマッチングが不本意な結果となったときのテンプレートマッチング処理を再現するためである。パラメータの例としては、前述の前処理で用いるフィルタ処理の種類、探索対象領域、内部処理における画像のサンプリングレート等がある。パラメータは、テンプレートマッチングを実行したときの実行手順ファイル(レシピ)から入力しても良い。上記ステップ21,22,23は順序を変えても良い。
【0017】
そして、被サーチ画像の中からテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域を領域特定手段603を用いて選択する(S24)。領域特定手段603による操作は、被サーチ画像を表示手段605に表示し、マウスなどの入力装置で指定した領域を被サーチ画像と重ね合わせて表示させることにより直接領域指定しても良いが、画素単位もしくはサブ画素単位で位置ずれなしに指定するのは困難であるため、図7から図9に示す方法を用いて指定しても良い。
【0018】
図7は、図5のステップ24を実行する方法の一例を示す図である。この方法は、図2のステップ14におけるテンプレートマッチングと同一のアルゴリズムであるが、類似候補として単一候補でなく複数候補を出力する処理を行い(S31)、テンプレートと類似した領域を複数個出力した後、出力された領域の中から適当なものを選択する(S32)という方法である。複数候補を表示した例を図10に示す。図10では、テンプレートマッチング処理結果の候補として、矩形領域1003及びその類似度1005と矩形領域1004及びその類似度1006を表示している。複数候補を出力する方法としては、テンプレートマッチング処理中に類似度の高い候補を複数求めておき、類似度の降順に指定された数の候補を出力する方法、類似度が指定された特定の値以上の候補を全て出力する方法、それらを併用した方法などがある。
【0019】
図7の方法を実現する領域特定手段の構成例を図11に示す。図11の破線部分1100が領域特定手段に対応する。領域特定手段1100では、第一の記憶手段601に格納されているテンプレートと第二の記憶手段602に格納されている被サーチ画像を第三の記憶手段606に格納されているパラメータに基づき複数候補を出力するマッチング手段1103でパターンマッチング処理を行い、処理結果の候補を被サーチ画像に重ね合わせる演算手段1104を用いて被サーチ画像上に描画した画像を表示手段605に表示する。また、複数候補情報をファイル出力する出力手段1102により複数候補情報をファイル出力する。表示手段605に表示された複数候補のうち所望のものを入力手段1101を用いて指定する。図示した領域特定手段1100を構成する要素のうち、入力手段1101はマウスやキーボード等によって実現することができ、残りの手段は画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0020】
図8は、図5のステップ24を実行する方法の他の例を示す図である。この方法は、テンプレートに最も近いとオペレータが判断する被サーチ画像の中の領域を含む範囲を指定し(S41)、その範囲の中のみテンプレートマッチングを行い(S42)、対象領域を確定する(S43,S44)という方法である。所望のパターンが選択されない場合は、対象範囲等の条件やパラメータを変更し(S45)、テンプレートマッチングを再度実行する(S42)。
【0021】
対象範囲を指定した直後の表示画面の例を図12に、テンプレートマッチング実行後の表示画面の例を図13にそれぞれ示す。図12の破線で示した矩形1206が指定した対象領域、図13の1303が検索した領域、1305が類似度である。
【0022】
図8の処理を行う領域特定手段の構成例を図14に示す。図14の破線部分1400が領域特定手段に対応する。領域特定手段1400では、第一の記憶手段601に格納されているテンプレートと第二の記憶手段602に格納されている被サーチ画像を、第三の記憶手段606に格納されているパラメータと対象範囲入力手段1401により入力したマッチング対象範囲に基づきマッチング手段1403でパターンマッチング処理を行い、処理結果の候補を被サーチ画像に重ね合わせる演算手段1404を用いて被サーチ画像上に描画した画像を表示手段605に表示する。また、出力手段1402により候補情報をファイル出力する。図示した領域特定手段1400を構成する要素のうち、対象範囲入力手段1401はマウスやキーボード等によって実現することができ、残りの手段は画像処理装置102に組み込まれた画像処理ソフトウェアによって実現することができる。
【0023】
なお、テンプレートマッチングを行う範囲の指定では、図15に示すように、テンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域付近又はテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域の内側の範囲を指定する(1506)ことにより、その領域付近又は領域の内側の範囲を含むより広い範囲の中のみテンプレートマッチングを行い、対象領域を確定してもよい。
【0024】
図9は、図5のステップ24を実行する方法の他の例を示す図である。この方法は、テンプレートを半透明にし、ドラッグしながら被サーチ画像の中でテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域と重ねることにより、対象領域を特定する方法である。まず、テンプレートを半透明にして表示し(S51)、被サーチ画面を表示する(S52)。次に、半透明のテンプレートを画面上でドラッグして被サーチ画面上の目標位置に重ね合わせ(S53)、重ね合わさった領域を選択する(S54)。図16に、ディスプレイ画面上での操作状況を示す。301がディスプレイ画面であり、オペレータは半透明にしたテンプレート1604を被サーチ画像302の対象領域303に重ねるため移動している。なお、305は類似パターンである。半透明のテンプレートを重ねることによって領域を特定した後、特定した領域の近傍領域のみテンプレートマッチングを行うことで対象領域を再特定してもよい。
【0025】
その他の対象領域座標の与え方としては、被サーチ画像の基準点座標から対象領域の始点までの相対座標と領域のサイズ、被サーチ画像の基準点座標から対象領域の始点及び終点までの相対座標、テンプレートと相対位置関係を持つ座標(代表点)の被サーチ画像における基準点からの相対座標を入力する方法などが挙げられる。テンプレートと相対位置関係を持つ座標(代表点)の被サーチ画像における基準点からの相対座標を入力する方法において、例えば実際の検査点がテンプレートとの相対座標で与えられた場合、実際の検査点を入力手段によって指し示すことにより対象領域を特定することができる。
【0026】
図5に戻り、被サーチ画像の中からテンプレートに最も近いとオペレータが判断する領域を選択できたら、差情報計算手段604を用いてその領域の画像とテンプレートとの差情報を求める(S25)。差情報の計算方法としてはいろいろなものが考えられるが、テンプレートマッチングとしての差を直接表すものが望ましい。例えば、テンプレートマッチングで特定のフィルター処理を行った後に下式(1)に示す正規化相関で類似度を求めている場合は、テンプレートマッチングで実施したものと同一のフィルター処理を行った画像に対して下式(2)又は下式(3)に示す計算式で差分画像を求める。差分画像だけでなく、テンプレートマッチングとしての類似度を計算して、表示しても良い。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
1画素未満のサブ画素単位で位置合わせして差分画像を求める場合は、一方もしくは双方の画像をサブ画素単位で位置合わせできるよう、補間画像を作成する。補間画像の作成方法の例を図17に示す。サブ画素位置ずれした画素1701の値として、元画素の値を画素1701に含まれる面積1702,1703,1704,1705に応じて重み付け加算したものとする。
【0031】
上述のように求めた差情報をディスプレイ画面に表示する(S26)。表示方法を図18及び図19に示す。
【0032】
図18は、被サーチ画像302上の、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域に差情報計算手段604で計算された差分画像1803を表示手段605に表示したものである。図18では、差分画像1803は差の絶対値を濃淡で表しているが、このほかに、正と負を色分けする方法、正と負を時間を分けて表示する方法、特定のしきい値で2値化する方法、そのしきい値を動的に変化させる方法などがある。
【0033】
また、差分画像だけでなく、テンプレート又は被サーチ画像の元画像や前処理を行った画像を手動もしくは自動で置き換えるようにしても良い。テンプレートマッチングでの類似度を表示しても良い。
【0034】
図19は、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域とテンプレートとの差分情報1903のほかに、テンプレートマッチングで最も類似した領域として検出された領域とテンプレートとの差分情報1904を表示したものである。差分画像の表示方法やその他の情報の表示については、図18の説明と同様である。
【0035】
図19では、差分画像を被サーチ画像の当該領域に重ねて表示しているが、領域が重なることもあるので、別のところに並べて表示しても良い。また、同じ領域に表示し、自動又は手動で置き換わるようにしても良い。さらに、オペレータが最もテンプレートに近いと判断した領域とテンプレートとの差分情報1903と、テンプレートマッチングで最も類似した領域として検出された領域とテンプレートとの差分情報1904の差分情報を表示しても良い。
【0036】
オペレータは、これらの情報を目視もしくは差分画像同士の差分を計算させることなどによりテンプレートマッチングの失敗原因を分析する。例えば、図19の例の場合、差分画像1903は形状の僅かな違いによる差分が大きいのに対して、差分画像1904は形状の違いが少ないため類似性が高いと評価されたと推定でき、テンプレートマッチングを形状の違いに対してロバストにするなどの変更を行うことができる。
【0037】
図20は、本発明の他の実施例の説明図であり、電子顕微鏡を用いた半導体検査装置の模式図である。この半導体検査装置は、電子顕微鏡2001と画像処理装置102からなる。電子顕微鏡2001は、試料台2003上の対象物を撮像し、電気信号に変換する。電子顕微鏡2001で撮像された画像は、図示しない画像キャプチャーボードを介して、画像処理装置102に伝送される。画像処理装置102は、観察したい試料の位置を合わせたり、欠陥や異物を検出する。
【0038】
上記半導体検査装置でテンプレートマッチングを行う基本的な手順は図2と同じであり、テンプレートマッチングを行った結果がオペレータにとって不本意な場合の処理も上述のものと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による画像処理システムの装置構成例を示す模式図。
【図2】テンプレートマッチングの処理手順の一例を示す図。
【図3】テンプレートマッチングの処理を表す表示画面例の図。
【図4】テンプレートマッチングの処理を表す表示画面例の図。
【図5】本発明の一実施例を表すフローチャート。
【図6】図5の処理を実行するための装置構成例を示す図。
【図7】対象領域選択方法の一例を示すフローチャート。
【図8】対象領域選択方法の他の例を示すフローチャート。
【図9】対象領域選択方法の他の例を示すフローチャート。
【図10】図7の処理を表す表示画面例の図。
【図11】領域特定手段の一例を表す構成図。
【図12】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図13】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図14】領域特定手段の一例を表す構成図。
【図15】図8の処理を表す表示画面例の図。
【図16】図9の処理を説明する表示画面例の図。
【図17】補間画像の一計算方法を表す説明図。
【図18】差情報表示方法の一例を示す表示画面の図。
【図19】差情報表示方法の一例を示す表示画面の図。
【図20】電子顕微鏡を用いた半導体検査装置の模式図。
【符号の説明】
【0040】
101…イメージセンサ、301…画面、302…被サーチ画像、303…検出したいパターン、304…テンプレート、305…テンプレートマッチングで検出されたパターン、2001…電子顕微鏡、102…画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、
被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、
前記テンプレート画像と前記被検体の画像を表示する表示手段と、
前記被検体の画像の中から前記テンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段により特定された前記被検体の画像の領域と前記テンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を前記表示手段に表示する演算手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記表示手段に表示された前記被検体の画像上で所望の領域を指定する入力手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、テンプレートマッチング手段を有し、前記入力手段によって指定された前記被検体の画像上の領域に対して前記テンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行って領域を特定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記テンプレート画像を用いて前記被検体の画像に対して複数のマッチング候補を出力するテンプレートマッチングを行うテンプレートマッチング手段と、前記テンプレートマッチング手段により出力された複数のマッチング候補の中から所望のマッチング候補を指定する入力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記表示手段に前記テンプレート画像を半透明にして表示する手段と、前記半透明に表示されたテンプレート画像を前記被検体の画像上で移動させる入力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像処理装置において、前記表示手段に、前記被検体の画像に対するテンプレートマッチングにより前記テンプレート画像と最も類似した領域として検出された領域と前記テンプレート画像との差情報も表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、
被検体の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、
前記テンプレート画像と前記被検体の画像を表示する表示手段と、
前記被検体の画像の中から前記テンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段により特定された前記被検体の画像の領域と前記テンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を前記表示手段に表示する演算手段とを有することを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項7記載の検査装置において、前記画像取得手段は電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡であることを特徴とする検査装置。
【請求項1】
パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、
被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、
前記テンプレート画像と前記被検体の画像を表示する表示手段と、
前記被検体の画像の中から前記テンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段により特定された前記被検体の画像の領域と前記テンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を前記表示手段に表示する演算手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記表示手段に表示された前記被検体の画像上で所望の領域を指定する入力手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、テンプレートマッチング手段を有し、前記入力手段によって指定された前記被検体の画像上の領域に対して前記テンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行って領域を特定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記テンプレート画像を用いて前記被検体の画像に対して複数のマッチング候補を出力するテンプレートマッチングを行うテンプレートマッチング手段と、前記テンプレートマッチング手段により出力された複数のマッチング候補の中から所望のマッチング候補を指定する入力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像処理装置において、前記領域特定手段は、前記表示手段に前記テンプレート画像を半透明にして表示する手段と、前記半透明に表示されたテンプレート画像を前記被検体の画像上で移動させる入力手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像処理装置において、前記表示手段に、前記被検体の画像に対するテンプレートマッチングにより前記テンプレート画像と最も類似した領域として検出された領域と前記テンプレート画像との差情報も表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
パターンマッチングのためのテンプレート画像を格納する第一の記憶手段と、
被検体の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した被検体の画像を格納する第二の記憶手段と、
前記テンプレート画像と前記被検体の画像を表示する表示手段と、
前記被検体の画像の中から前記テンプレート画像との差情報を計算すべき領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段により特定された前記被検体の画像の領域と前記テンプレート画像との差情報を演算し、演算結果を前記表示手段に表示する演算手段とを有することを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項7記載の検査装置において、前記画像取得手段は電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡であることを特徴とする検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−47930(P2007−47930A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229800(P2005−229800)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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