説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、カラーデジタル画素データに基づいてカラードット画像を高品質に画像形成する画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】デジタル複写装置1は、グレースケール画像処理部1310Gで、カラー多値画素データをグレースケール画素データに変換して、無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換し、所定画素ウィンドウ内の状態値配列状態に基づいて注目画素の特徴検出を行い、また、各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnで、入力多値画素データを3状態値に変換して特徴検出し、グレースケールで所定の特徴の検出された画素位置と同じ画素位置のカラー特徴検出結果と該グレースケール特徴検出結果に基づいて複数の参照ルックアップテーブルから参照対象の参照ルックアップテーブルを決定して該参照ルックアップテーブルのデータ値を出力用多値画素データとしてカラー画像形成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、レーザプリンタ、デジタル複写装置、ファクシミリ装置等のデジタル画像データに基づく電子写真方式等で形成するカラードット画像の画像品質の向上を図った画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタ、デジタル複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等の電子写真方式の画像形成装置は、その作像ユニットが、レーザダイオード等の光源からのビーム束を、コリメートレンズ等で整形してポリゴンミラー等により、副走査方向に回転されている感光体等の一様に帯電された被走査面上で主走査方向に偏向走査し、該被走査面上に静電潜像を形成する。作像ユニットは、該被走査面上に形成された潜像に現像プロセスによってトナーを載せて現像し、該トナー画像を記録媒体(用紙、シート状部材等、以下、単に、用紙という。)に転写して、該用紙上のトナー画像を定着させることで、出力画像を形成している。
【0003】
このように、電子写真方式の画像形成装置においては、その作像ユニットとして、入力画像のトナーを載せる部分(以下、適宜、トナー積載部分という。)に対応した位置にビーム束を照射して静電潜像を形成して、該静電潜像にトナーを供給して現像するネガ/ポジ(N/P)プロセスが一般的であるが、ビーム束が被走査面上に到達するときのビーム径や現像条件によって、トナー体積状態が異なり、入力される画像データが同じであっても、出力される画像が異なった状態となる。
【0004】
例えば、主走査1画素の縦ラインの画像出力を行う場合、1画素に相当する期間だけビーム照射を行っても、画像形成装置の機種、ロット、ひいては、画像形成装置の固体間によってビーム径や現像条件が異なることに起因して、形成される出力画像の縦ラインの太さが異なった結果となる。また、主走査1画素(縦)ラインと副走査1画素(横)ラインを同じ用紙に出力する場合においても、ビーム径や現像条件の違いによって、縦ラインと横ラインが異なった太さになることがある。特に、複写装置でコピーした用紙を再度原稿として使用するいわゆる孫コピーでは、上記現象が大きく現れる。
【0005】
このような線の太さが原稿画像と異なった結果となる現象は、黒やカラーのトナーの載った画像部ラインだけでなく、トナーの載らない用紙の地肌のラインについても同様に原稿画像と異なって、細くなったり、太くなったりすることがある。
【0006】
上記のような問題は、トナーとして、黒色のトナーを用いて白黒画像を形成する場合に限るものではなく、カラーのトナーを用いてカラー画像を形成する場合にも同様に発生する。カラー画像を形成する場合には、色毎にその被走査面において、対応する色の入力画像のトナーを載せる部分にビーム束を照射して、順次静電潜像を形成して、該静電潜像に対応する色のトナーを載せ、該各色のトナー画像を順次用紙に重ね合わせて転写して、カラーのトナー画像を用紙上に形成する。
【0007】
そして、従来、このような不具合を解決する従来技術としては、入力画像データの注目画素とその主走査方向に隣接する周辺画素の各多値画像データのパターンに基づいて1ドット幅の縦線を検出して、その縦線の印字ドットを小さくして縦線を細くして画像形成する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
そして、この従来技術においては、入力される多値2ビットのデータのパターンの判定処理をハード構成で行っており、この多値データが、2ビットの場合についてのみ、説明されていて、2ビット(4値)以上の場合については、説明が行われていない。
【0009】
【特許文献1】特開2001−063134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、縦線を細くして画像形成することを行っているため、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。すなわち、電子写真方式の画像形成プロセスによって出力される画像は、縦線が太くなるだけでなく、細くなる場合もあり、このような場合、上記従来技術では、縦線を太くすることができず、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。
【0011】
また、上記公報記載の従来技術にあっては、入力画像データが多値データであることについては示されているが、明細書には、2ビット(4値)についてのみ、その画像パターンについて判定するハード構成が示されている。したがって、この従来技術を、さらにビット数の多い画像データに対して適用すると、ハード構成が膨大な大きさとなり、複雑でコストが高くなるという問題が発生する。
【0012】
さらに、画像形成装置においては、縦ラインが単色ではなく、カラーの場合、色版に対応した数のレーザビームで画像を形成するが、色毎のビームまたは現像プロセスの特性により、たとえ色毎の位置ずれを補正しても、色毎に縦線が細くなったり、太ったりする場合がある。この場合、色版毎における太線化処理、細線化処理で調整する必要があるが、縦線の色と背景の色の組み合わせによっては、縦線のこのような特徴が見られない場合がある。例えば、背景が白地ではなく、有色(例えば、イエロー)で、縦線がオレンジ(マゼンタとイエローの配合)の場合、マゼンタの色版で、縦線が検出されても、イエローの色版では、縦線と背景にイエローが載っており、縦線の特徴を見いだすことができない。また、背景がマゼンタでシアンの縦線の場合、シアンの色版では縦線は検出されるが、マゼンタの色版では、逆に、白地の縦線の特徴が検出される。このように、カラー画像においては、チャネル(色版)間の画像特徴が異なるため、一律に細線化処理や太線化処理を行うと、色版の配合状態が変わり、色味が変化してしまうという問題が発生する。このようなカラー画像の場合における細線化処理や太線化処理に特有の問題を適切に解決する技術が要望されている。
【0013】
そこで、本発明は、カラーの入力多値画素データの情報量に関わらず、該カラーの入力多値画素データに対して縦線を太らせる太線化処理及び細らせる細線化処理を適切に施す画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成するために、カラーの多値画素データを、グレースケール画素データに変換して、該グレースケール画素データを少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換し、該変換したグレースケール画素データの注目画素を中心として所定数の隣接画素から構成される画素ウィンドウ内における該画素の状態値の配列状態に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行い、また、該カラー毎に該入力多値画素データを該無色閾値と該最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換し、該カラー毎に該画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列のうち上記グレースケール画素データについて検出された所定の特徴を有する状態値配列の中心画素を注目画素とする該状態値配列に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行って、該カラー毎に該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該カラー状態変換処理で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列に対応させて出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照ルックアップテーブルのうち、該グレースケールの特徴検出での特徴検出結果と該カラーの特徴検出での特徴検出結果に基づいて参照対象の参照ルックアップテーブルを決定し、該入力多値画素データのデータ値を該参照ルックアップテーブル決定処理ステップで決定された該参照ルックアップテーブルのデータ値に切り替えて該出力用多値画素データとして該カラー画像形成を行うことを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、前記参照ルックアップテーブルが、前記画像形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用のデータ値の登録されている細線化用参照ルックアップテーブル、該注目画素を太らせる太線化処理用のデータ値の登録されている太線化用参照ルックアップテーブル及び前記入力多値画素データの該注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとする処理無し用のデータ値の登録されている処理無し用参照ルックアップテーブルを有することを特徴としてもよい。
【0016】
さらに、本発明は、各色の前記参照ルックアップテーブルの決定において、前記グレースケール特徴検出で検出した特徴と該色のカラー特徴検出で検出した特徴が一致するとき、または、双方の特徴が所定の相補的な関係にあるときに、前記画像形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用の参照ルックアップテーブルまたは該注目画素を太らせる太線化処理用の参照ルックアップテーブルを選択することを特徴としてもよい。
【0017】
また、本発明は、各色の前記参照ルックアップテーブルが、前記グレースケール特徴検出及び前記カラー特徴検出の特徴検出結果に関わらず、前記入力多値画素データの注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとするスルー状態が設定可能であることを特徴としてもよい。
【0018】
さらに、本発明は、前記参照ルックアップテーブルが、前記画像形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理または該注目画素を太らせる太線化処理において、該注目画素を該細線化処理または該太線化処理に応じた画素データ値とするとともに、該注目画素に隣接する画素位置に付加する付加画素の画素データ値が登録されていることを特徴としてもよい。
【0019】
また、本発明は、前記画素ウィンドウが、主走査方向3画素、副走査方向1画素以上の画素からなる画素ウィンドウであることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カラーの入力多値画素データの情報量に関わらず、該カラーの入力多値画素データに対して縦線を太らせる太線化処理及び細らせる細線化処理を適切に施すことができ、画像品質を簡単かつ安価に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0022】
図1〜図23は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したデジタル複写装置1の正面概略構成図である。
【0023】
図1において、デジタル複写装置1は、給紙部100、プリンタ部200及びスキャナ部300が順次重ねられた構成となっており、スキャナ部300の上には、原稿自動搬送装置(以下、ADFという。)400が搭載されている。
【0024】
プリンタ部(カラー画像形成手段)200は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kからなる画像形成ユニット210、光書き込みユニット230、中間転写ユニット240、2次転写部250、レジストローラ対260、ベルト定着方式の定着ユニット270及び用紙反転ユニット280等を備えている。
【0025】
光書き込みユニット230は、後述するように、各色の画像データに基づいて変調させたレーザのビーム束を、各色のプロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kの感光体211Y、211C、211M、211Kの表面に照射して、該感光体211Y、211C、211M、211K上に各色の画像の静電潜像を形成する。
【0026】
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、ドラム状の感光体211Y、211C、211M、211K、帯電器212Y、212C、212M、212K、現像器213Y、213C、213M、213Kを備えているとともに、番号は付さないが、それぞれドラムクリーニング装置、除電器等を備えている。
【0027】
上記帯電器212Y、212C、212M、212Kは、交流電圧が印加される帯電ローラを感光体211Y、211C、211M、211Kに摺擦させることで、ドラム表面を一様に帯電させる。なお、帯電器212Y、212C、212M、212Kとしては、帯電ローラに代えて帯電ブラシ等の他の部材を接触させるものであってもよく、また、接触帯電方式のものに限るものではなく、非接触帯電方式のスコロトロンチャージャを用いてもよい。
【0028】
帯電処理の施された感光体211Y、211C、211M、211Kの表面には、光書き込みユニット230によってそれぞれ各色の画像データに基づいて変調及び偏向されたレーザのビーム束が照射され、感光体211Y、211C、211M、211Kのドラム表面に、それぞれ各色用の静電潜像が形成される。
【0029】
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、静電潜像の形成された各色の感光体211Y、211C、211M、211Kに現像器213Y、213C、213M、213Kからそれぞれ各色のトナーを供給して、該静電潜像を現像して、それぞれ各色のトナー画像を形成させる。
【0030】
そして、被走査面である感光体211Y、211C、211M、211Kは、例えば、アルミニウム等からなる素管に、感光性を発揮する有機感光材からなる感光層が被覆されたドラム状のものが用いられているが、ドラム状のものに限るものではなく、ベルト状のものであってもよい。
【0031】
プロセスカートリッジ210Y、210C、210M、210Kは、感光体211Y、211C、211M、211K上に形成したトナー画像を、後述の中間転写ベルト241に中間転写され、中間転写後の感光体211Y、211C、211M、211Kの表面に残留する転写残トナーを、ドラムクリーニング装置によってクリーニングする。
【0032】
ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体211Y、211C、211M、211Kは、回転に伴って、除電器(番号省略)によって除電され、帯電器によって一様に帯電されて、初期状態に戻って、再度画像形成に供される。
【0033】
上記中間転写ユニット240は、中間転写ベルト241が複数の張架ローラ(番号略)及び2次転写バックアップローラ242に張り渡されており、中間転写ベルト241を挟んで、各感光体211Y、211C、211M、211Kに対向する位置に、それぞれ中間転写バイアスローラ(番号略)が配設されている。
【0034】
中間転写ベルト241は、上記図3において、上述した張架ローラを含む10本のローラによってテンション張架されており、駆動制御されるベルト駆動モータ(図示略)によって駆動される少なくとも1つの張架ローラの回転によって図1に矢印で示す時計方向に無端回転移動される。すなわち、中間転写ベルト241は、4つの中間転写バイアスローラと張架ローラ及び2次転写バックアップローラ242に張り渡されており、それぞれの中間転写バイアスローラに図示しない電源から中間転写バイアスが印加されることで、各感光体211Y、211C、211M、211K上のトナー画像が順次多重(図1では、4色)のトナー画像が重ね合わされて転写されて、カラーのトナー画像が中間転写ベルト241上に転写される。中間転写ベルト241上に重ね合わせ転写されたカラートナー画像は、後述の2次転写ニップで転写紙(図示略)に2次転写され、該2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト241の表面に残留する転写残トナーは、図1の左側の張架ローラとの間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置(図板略)によってクリーニングされる。
【0035】
この中間転写ユニット240の下方には、2次転写部250が配設されており、2次転写部250は、紙搬送ベルト251が2本の張架ローラ252によって張架されている。紙搬送ベルト251は、少なくとも何れか一方の張架ローラ252の回転駆動に伴って、図1中反時計回りに無端回転移動され、2本の張架ローラ252のうち、図中右側に配設された一方の張架ローラ252は、中間転写ユニット240の2次転写バックアップローラ242との間に、中間転写ベルト241及び紙搬送ベルト251を挟み込んだ状態となっている。この挟み込みにより、中間転写ユニット240の中間転写ベルト241と、2次転写部250の紙搬送ベルト251とが接触する2次転写ニップが形成されている。
【0036】
そして、この2次転写バックアップローラ242側の張架ローラ252には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加され、この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ベルト241上のカラートナー画像を中間転写ベルト241側から2次転写バックアップローラ242側の張架ローラ252側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。レジストローラ対260によって中間転写ベルト241上のカラートナー画像に同期するように2次転写ニップに転写紙(記録媒体)が送り込まれ、この2次転写ニップに送り込まれた転写紙に、2次転写電界やニップ圧の影響を受けたカラートナー画像が2次転写される。なお、このように2次転写バックアップローラ242側の張架ローラ252に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
【0037】
上記2次転写ニップよりも中間転写ベルト241の移動方向上流側に、レジストローラ対260が配設されており、レジストローラ対260のローラ間には、後述する給紙部100からプリンタ部200内に転写紙(記録媒体)が搬送されてくる。一方、上記中間転写ユニット240において、中間転写ベルト241上に形成されたカラートナー画像は、中間転写ベルト241の無端回転移動に伴って2次転写ニップに進入する。レジストローラ対260は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を2次転写ニップでカラートナー画像に密着させるタイミングにタイミング調整して送り出し、2次転写ニップでは、中間転写ベルト17上のカラートナー画像がタイミング調整して送られてきた転写紙に密着して、転写紙上に2次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト251の無端回転移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト251上から定着ユニット270に送られる。なお、レジストローラ対260は、接地されていてもよいし、転写紙から受ける紙粉の除去のためにバイアスを印加してもよい。また、バイアスとしては、DCバイアスだけに限るものではなく、ACバイアスにDCバイアスを重畳したものでもよい。
【0038】
定着ユニット270は、定着ベルト271を加熱ローラ272と従動ローラ273によって張架しながら無端回転移動させ、この定着ベルト271を挟んで定着ニップを形成する加熱ローラ272には加圧ローラ274が押圧されている。定着ユニット270は、加熱ローラ272の内部に図示しない熱源を有しており、この熱源の発熱によって定着ベルト271を加熱して、加熱された定着ベルト271が、定着ニップに挟み込まれた転写紙を搬送しつつ、加熱して、カラートナー画像を転写紙に定着させる。
【0039】
上記給紙部100は、ペーパーバンク101内に多段に給紙カセット102が収納されており、各給紙カセット102には、それぞれ用紙サイズや紙種の異なる転写紙が複数枚収納可能である。各給紙カセット102には、該給紙カセット102内の転写紙を送り出す給紙ローラ103と給紙ローラ103で送り出された転写紙を1枚ずつ分離して送り出す分離ローラ104が配設されており、給紙部100には、それぞれの給紙カセット102から送り出された転写紙をプリンタ部200に搬送する給紙路105と搬送ローラ106が配設されている。給紙部100は、原稿読み取り動作の開始とほぼ同時に、給紙動作を開始して、給紙ローラ103の1つが選択回転され、ペーパーバンク101内の多段に収容されている給紙カセット102の1つから転写紙を送り出す。給紙部100は、送り出された転写紙を、分離ローラ104で1枚ずつ分離して給紙路105に進入させた後、搬送ローラ106によってプリンタ部200内の給紙路203に給紙する。
【0040】
また、デジタル複写装置1は、プリンタ部200の側面に、手差しトレイ204が設けられており、また、手差しトレイ204上の転写紙を1枚ずつ分離して送り出す給紙ローラ205と分離ローラ206が設けられている。
【0041】
そして、デジタル複写装置1は、手差しトレイ204が選択されると、給紙ローラ205を回転駆動させて、手差しトレイ204上の転写紙を送り出すとともに、分離ローラ206で1枚ずつ分離してプリンタ部200の手差し給紙路207に給紙する。
【0042】
デジタル複写装置1は、プリンタ部200内の給紙路203あるいは手差し給紙路207に給紙された転写紙を、レジストローラ対260、2次転写ニップを経由させて搬送して、カラートナー画像を2次転写させ、定着ユニット270でトナー画像を定着させた後、機外へと排出する。
【0043】
そして、定着ユニット270を通過した転写紙は、図1の排紙ローラ対201を経て機外へと排出されてスタック部209にスタックされるか、あるいは、定着ユニット270の下方に配設された用紙反転ユニット280に送られる。
【0044】
用紙反転ユニット280は、送り込まれてきた転写紙を上下反転された後、再度、中間転写ユニット240の中間転写ベルト241と2次転写部250の紙搬送ベルト251とが接触する2次転写ニップに搬送して、他面(裏面)にもカラートナー画像を2次転写させ、定着ユニット270を経由してから機外へと排出させる。なお、転写紙を定着ユニット270から排紙ローラ対201に送るのか、あるいは、用紙反転ユニット280に送るのかは、切換爪202による紙搬送路の切り換えによって行われる。
【0045】
スキャナ部300は、コンタクトガラス301、光源と第1ミラーを搭載する第1走行体302、第2ミラーと第3ミラーを搭載する第2走行体303、結像レンズ304及びCCD(Charge Coupled Device )305等を備えており、第1走行体302及び第2走行体303は、コンタクトガラス301の下方のデジタル複写装置1の本体筐体内に収納されて、副走査方向(図1の左右方向)に移動可能に配設されている。スキャナ部300は、第1走行体302と第2走行体303が副走査方向に移動しつつ、第1走行体302上の光源からコンタクトガラス301上にセットされた原稿に読み取り光を照射して、該読み取り光の原稿からの反射光を第1走行体302上の第1ミラーで第2走行体303上の第2ミラーに反射し、第2ミラーで入射光を第2走行体303上の第3ミラーに反射して、第3ミラーで、入遮光を結像レンズ304方向に反射する。結像レンズ304は、入射光をCCD305に集光させ、CCD305は、入射光を光電変換して、原稿の画像を読み取る。
【0046】
ADF400は、原稿台401、給紙ローラ402、分離ローラ403、搬送ローラ404、搬送ベルト405、排紙ローラ406及び排紙台407等を備えており、コンタクトガラス301を開閉可能にデジタル複写装置1の本体筐体に取り付けられている。
【0047】
ADF400は、開くことでコンタクトガラス301の上面を開放して、コンタクトガラス301上へのブック型原稿等の原稿のセットを可能とし、コンタクトガラス301上に原稿がセットされた状態で閉じられると、該原稿をコンタクトガラス301上に押しつける押さえ板としての機能を果たす。
【0048】
ADF400は、閉じられた状態で、原稿台401上にシート状の原稿がセットされ、読み取り開始が指示されると、給紙ローラ402で原稿台401上の原稿を送り出して、分離ローラ403で該送り出される原稿を1枚ずつ分離する。ADF400は、1枚ずつ分離されて送り出された原稿を搬送ローラ404で搬送ベルト405に搬送し、搬送ベルト405で、搬送されてきた原稿をコンタクトガラス301上の読み取り位置に搬送してセットする。ADF400は、コンタクトガラス301上の読み取り位置の原稿のスキャナ部300による読み取りが完了すると、該読み取りの完了した原稿を搬送ベルト405で排紙ローラ406へと搬送して、搬送ローラ406で、排紙台407上に排出する。
【0049】
そして、上記光書き込みユニット230は、図2に示すように、レーザのビーム束源としてのLD(Laser Diode:半導体レーザ)アレイ231、コリメートレンズ232、アパーチャ233、シリンドリカルレンズ234、ポリゴンミラー235、ポリゴンミラー235の面倒れを補正するWTL(バレルトロイダルレンズ:面倒れ補正用レンズ)236、折返しミラー237、防塵ガラス238及び同期検知センサ239等を備えており、LDアレイ231は、各発光源としての複数のLDから出射されたレーザビームを感光体211(感光体211は、感光体211Y、211C、211M、211Kを代表したものを示している。)に照射する。なお、光書き込みユニット230は、図2に示す光走査系を、各色YMCKに対応してそれぞれ備えており、各色用のLDアレイ231が、各色の画像データに基づいて変調されたレーザ束を対応する感光体211Y、211C、211M、211Kに照射する。なお、LDアレイ231は、複数の発光源としてのLDを、例えば、副走査方向に並んで配設されたものであってもよい。
【0050】
LDアレイ231から出射されたレーザビームは、コリメートレンズ232、アパーチャ233及びシリンドリカルレンズ234を通過して、所定形状のレーザビームに整形されて、ポリゴンミラー235に照射される。ポリゴンミラー235は、所定の高速回転速度で連続回転し、入射されるレーザビームを、折返しミラー237方向に反射(偏向)して、主走査方向(感光体ドラム19の軸方向)に繰り返し移動走査する。このポリゴンミラー235で反射されたレーザビームは、面倒れ補正用レンズ17で面倒れ補正が行なわれた後、折返しミラー237に入射され、折返しミラー237で角度を変えられて、感光体211の表面に所定ビーム径でスポット状に結像される。
【0051】
また、ポリゴンミラー235で反射された感光体211上に主走査される直前のレーザビームは、感光体211の表面に対する主走査書き込み領域外(所定主走査幅の外)の主走査始点側のレーザビームの走査上に設けられた同期検知センサ239に入射され、同期検知センサ239は、入射されるレーザビームを検知して、同期検知信号を生成して書き込み制御部1300に出力する。
【0052】
そして、デジタル複写装置1は、図3に示すように、回路ブロック構成されており、スキャナ部300のデータ処理を行う読み取り処理部1100と画像処理部1200及びプリンタ部200のデータ処理を行う書き込み制御部1300、メモリ1400と光源制御部1500等を備えており、さらに、デジタル複写装置1の全体を制御する制御部1600等を備えている。
【0053】
読み取り処理部1100は、CCD305の光電変換したアナログの画像データをサンプリング処理、A/D(アナログ/デジタル)変換処理及び一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正するシェーディング補正等の処理を施して、画像処理部1200に出力し、画像処理部1200は、画像の変倍処理、回転処理及びエッジ処理等の画質補正処理を施した後、多値画像データ(例えば、4ビットの16値)に変換して書き込み制御部1300に出力する。
【0054】
制御部1600は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit )等を備えており、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用しつつ、デジタル複写装置1の各部を制御して、デジタル複写装置1全体の動作を制御する。
【0055】
書き込み制御部1300は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が用いられており、プリンタ画像処理部1310、書き込みDMAC(Direct Memory Access Controller :DMAコントローラ)1320、読み出しDMAC1330、発光データ生成部1340及び画素クロック制御部1350等が機能構成されている。なお、ASIC構成としては、書き込み制御部1300だけでなく、読み取り処理部1100、画像処理部1200もASICで構成されていてもよく、この場合、それぞれが異なるASICで構成されていてもよいが、1つのASICで構成されていてもよく、1つのASICで読み取り処理部1100、画像処理部1200及び書き込み処理部1300が構成されていると、それぞれの機能の実行において、相互に他の機能部を利用したり、ハードウェア構成を利用したりすることができる。
【0056】
プリンタ画像処理部1310は、グレースケール画像処理部1310G、複数の色版(チャネル)の画像処理部1310Ca〜1310Cnを備えており、グレースケール画像処理部1310Gは、グレースケール変換部1311G、3状態変換部1312G及びイメージマトリクスエッジ判定部1313G等を備えている。各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnは、それぞれ3状態変換部1311Ca〜Cn、イメージマトリックス1312Ca〜Cn、ルックアップテーブル1313Ca〜Cn及び注目画素コード出力部1314Ca〜Cn等を備えている。画素クロック制御部1350は、書き込み制御部1300内での画像データの処理動作タイミングとなる画素クロックを生成して必要な各部に出力し、この画素クロックの周波数は、その周期が1画素の主走査周期と一致している。なお、3状態変換部1311Ca〜Cn、イメージマトリックス1312Ca〜Cn、ルックアップテーブル1313Ca〜Cn及び注目画素コード出力部1314Ca〜Cnは、光書き込み光源であるLDアレイ231の数分(版数分)だけ設けられているが、色版の数とチャネルの数は必ずしも一致している必要はなく、一つの色版の異なる副走査画像データを複数の光源(LDアレイ231)を用いてレーザビームを出射する場合や異なる色版の画像データを単一の光源(LDアレイ231)を用いてレーザビームを出射する場合等に応じて適宜設定することができる。
【0057】
画像処理部1200の出力する多値画像データ(入力多値画素データ)は、グレースケール画像処理部1310Gのグレースケール変換部1311G及び各チャネルの画像処理部1310Ca〜1310Cnの3状態変換部1311Ca〜Cnに入力される。
【0058】
グレースケール画像処理部1310Gのグレースケール変換部(グレースケール変換手段)1311Gは、入力される多値画像データをグレースケール化して3状態変換部1312Gに出力し、3状態変換部(グレースケール状態変換手段)1312Gは、制御部1600から設定される白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)に基づいて、入力される多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態値に振り分けてイメージマトリクスエッジ判定部1313Gに出力する。イメージマトリクスエッジ判定部(グレースケール特徴検出手段)1313Gは、注目画素と隣接画素のデータを把握して、注目画素がエッジ部分、孤立線等であるか等の画像の特徴を判別(特徴判別)し、特徴判別結果を各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnのイメージマトリクス1312Ca〜Cnに出力する。
【0059】
各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnの3状態変換部(カラー状態変換手段)1311Ca〜Cnは、制御部1600から設定される白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)に基づいて、入力される多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態値に振り分けてそれぞれのイメージマトリクス1312Ca〜Cnに出力する。すなわち、3状態変換部1311Ca〜Cnは、例えば、4ビット16値(0〜15)の濃度値を有する多値画像データを、2ビット4値のデータに変換する。3状態変換部1311Ca〜Cnは、入力される多値画像データが4ビット16値の場合、データ値が大きいほど、トナー積載量が多くなる画像データであり、例えば、トナー積載量が無い状態であるとする無色閾値(以下、説明を簡略化するために、白閾値という。)が「1」、トナー積載量が最大の状態であるとする最大色閾値(以下、説明を簡略化するために、黒閾値という。)が「14」であるとすると、入力される多値画像データが、「14」以上のデータ値のときには、その画素は、最大色画素(黒画素)と判断して、黒状態値(最大色状態値)に変換して、イメージマトリクス1312Ca〜Cnに出力し、入力される多値画像データが、「1」以下のデータ値のときには、その画素は、色無し画素(白画素)と判断して、白状態値(色無し状態値)に変換して、イメージマトリクス1312Ca〜Cnに出力する。また、3状態変換部1311Ca〜Cnは、入力される多値画像データが、「2」から「13」までの間のデータ値のときには、中間調であると判断して、中間調状態値に変換して、イメージマトリクス1312Ca〜Cnに出力する。なお、以下の説明では、色無し画素(トナー積載量のない画素)を、適宜、白画素、色無しを白といい、また、最大色画素(トナー積載量の多い画素)を、適宜、黒画素、最大色を黒色というが、特に限定しない限り、白画素は色無し画素を、白色は色無しを意味し、黒画素は最大色画素を、黒色は、最大色を意味する。
【0060】
各イメージマトリクス(カラー特徴検出手段、参照ルックアップテーブル決定手段)1312Ca〜Cnは、少なくとも、副走査方向において出力対象である注目画素を含む1画素、主走査方向において注目画素を中心として前後の隣接画素を含む3画素の主走査方向3画素以上で1ライン以上の画素ウィンドウ(マトリクス)を生成し、生成した画素ウィンドウに3状態変換部1311Ca〜Cnからの画素毎の状態値を配列して、エッジ部分または孤立線等の特徴判別を行う。イメージマトリクス1312Ca〜Cnは、この特徴判別を、図4に示すように、例えば、3画素×1ラインのマトリクスを用いて判別し、6つのエッジ特徴及び5つの非エッジ特徴(エッジ無し特徴)の合計11種類の特徴について行う。
【0061】
また、イメージマトリクス1312Ca〜Cnには、グレースケール画像処理部1310Gのイメージマトリクスエッジ判定部1313Gから特徴判定結果が入力され、イメージマトリクス1312Ca〜Cnは、同一画素に関するグレースケール画像の特徴判別結果と全チャネル画像処理部1310Ca〜Cnのイメージマトリクス1312Ca〜Cnの特徴判別結果に基づいて細線化・太線化を決定して、ルックアップテーブル1313Ca〜1313Cnの保持する参照ルックアップテーブルのうち、該細線化・太線化処理で用いる参照ルックアップテーブルを決定する。したがって、特徴判別は、全てのチャネルの同一画素に対して同時に行う必要がある。ところが、通常、各色の感光体211Y、211C、211M、211Kを並列に配置したタンデム型のデジタル複写装置1では、各感光体211Y、211C、211M、211K上に光書き込みユニット230によってそれぞれ各色の画像データに基づいてレーザビームを照射して静電潜像を形成して、該静電潜像をトナーで現像して形成したトナー画像を搬送される中間転写ベルト241上に順次重ね合わせて転写させてフルカラー画像を形成し、該中間転写ベルト241上のフルカラー画像を転写紙に転写するため、感光体211Y、211C、211M、211Kへのレーザビームによる書き込みにおいては、各色版で時間差があり、該時間差のある状態では、同時刻に同じ位置の画素を得ることができない。そこで、本実施例のデジタル複写装置1は、画像処理部1200からプリンタ画像処理部1310の各画像処理部1310G、1310Ca〜Cnに画素位置の揃っているカラー画像データを入力して画像処理し、画像処理部1310Ca〜Cnでの処理結果の画像データを書き込みDMAC1320によって一旦メモリ1400上に配置して、各版の書き込みタイミングに応じて遅延させたタイミングで、読み出しDMAC1330によってメモリ1400から読み出して光源制御部1500に転送する。
【0062】
そして、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnは、図9〜図23等に示すようなイメージマトリクスを使用して検出される特徴の種類の数(「先端黒」、「先端白」、「後端黒」、「後端白」、「孤立黒」、「孤立白」の6つ)とそのチャネルでは中間調、全白、全黒となってエッジ特徴が検出されなかったが別のチャネルでエッジ特徴が検出されて細線化・太線化処理の実行が決定されたときに使用するエッジ無し時の1つの合計7つの参照ルックアップテーブルを有しており、参照ルックアップテーブルは、例えば、図5に示すようなテーブルとなっている。ルックアップテーブル1313Ca〜Cnは、検出された特徴に応じて参照画素濃度に対して太線化処理または細線化処理による濃度変換を行うときの濃度変換値を設定するものであり、エッジ無しの場合には、均一の画像処理を行って所望の補正画像を得るための濃度変換値を設定するものである。また、デジタル複写装置1が縦線細線化・太線化処理機能の有効/無効を設定する有効/無効設定キーが操作表示部に設けられていて、該有効/無効設定キーで縦線細線化・太線化処理機能の無効が設定されているときには、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnの機能は無効であり、入力画素濃度値をそのまま出力する。さらに、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnは、スルーモードを有しており、スルーモードに設定されていると、入力画素濃度値をそのまま出力することとなる。例えば、太線化処理を実行する場合、白白黒(先端白)または黒白白(後端白)のの中間画素に濃度を与える方法としては、2通りの方法があるが、両側で太線化処理を行うと、太らせ過ぎになる場合があるため、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnは、片側、例えば、先端白用の参照ルックアップテーブルをスルー設定とし、後端白用の参照ルックアップテーブルに有効パラメータを設定することで、後端白に対してのみ太線化処理を行う。
【0063】
また、チャネル画像処理部1310Ca〜Cnは、細線化・太線化処理実行可否の決定を、グレースケールの特徴判別及び全チャネルの特徴判別を行った後、該特徴判別結果を集計して、後で詳細に説明するエッジ処理アルゴリズム(図6参照)に基づいて行う。
【0064】
このイメージマトリクス1312Ca〜Cnのウィンドウ生成方法は、既存の方法を用いることができ、例えば、3画素1ラインの画素ウィンドウの場合、3ライン分のフリップフロップを用意して、画素クロック制御部1350からの画素クロックに基づいて1画素ずつ遅延させた主走査方向3画素の状態値の配列された画素ウィンドウを生成する。そして、このイメージマトリクス1312Ca〜Cnは、上述のように、少なくとも、副走査方向1画素、主走査方向3画素のウィンドウを構築すればよいが、ウィンドウサイズは、副走査方向1画素、主走査方向3画素に限るものではなく、このサイズよりも大きくてもよく、この場合、読み取り処理部1100や画像処理部1200等で利用するマトリックス、例えば、エッジ強調処理用のマトリックスを併用してもよい。このような他の処理との間での処理機能の併用は、該他の処理部、例えば、画像処理部1200や読み取り処理部1100と書き込み制御部1300を1つのASICを用いて構築する場合に容易に併用することができる。
【0065】
イメージマトリクス1312Ca〜Cnは、画素ウィンドウにおける状態値の配列状態に基づいてルックアップテーブル1313Ca〜Cnの参照ルックアップテーブルを決定して、該決定した参照ルックアップテーブルのデータ値を注目画素コード出力部1314Ca〜Cnに出力させる。
【0066】
ルックアップテーブル1313Ca〜1313Cnは、例えば、図5に示すような参照画素濃度値と該濃度値の変換後の濃度を対応させた参照ルックアップテーブルを、エッジ無し1つを含む特徴種に対応した7つ備えている。
【0067】
各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnは、イメージマトリクス1312Ca〜Cnでエッジ処理アルゴリズム(図6参照)によって参照画素(先行画素または後行画素あるいは注目画素)の濃度を取得して、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnの7つの参照ルックアップテーブルうち1つを決定すると、該決定した参照ルックアップテーブルを参照して該参照画素濃度に対応する変換後の濃度値を出力画素値として注目画素コード出力部1314Ca〜Cnに出力する。
【0068】
注目画素コード出力部(出力データ生成手段)1314Ca〜Cnは、画像処理部1200からの入力画像データをルックアップテーブル1313Ca〜Cnの選択された参照ルックアップテーブルの画素値に切り替えて、出力用多値画像データとして決定して、該決定した多値画素データを書き込みDMAC1320に出力する。
【0069】
書き込みDMAC1320は、各チャネル画像処理部1310Ca〜Cnの注目画素コード出力部1314Ca〜Cnからの多値画素データをメモリ1400に転送して配置し、読み出しDMAC1330は、このメモリ1400に配置された多値画素データを各版の書き込みタイミングに応じて読み出して、発光データ生成部1340に転送する。
【0070】
発光データ生成部1340は、各チャネルに対応する発光データ生成部1340Ca〜Cnを備えており、各発光データ生成部1340Ca〜Cnは、読み出しDMAC1330から入力される対応する注目画素コード出力部1314Ca〜Cnからの多値画素データに基づいてLDアレイ231を点灯消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号を生成して、光源制御部1500に出力する。
【0071】
光源制御部1500は、チャネル分のチャネル光源制御部1500Ca〜Cnを備えており、対応するチャネルの発光データ生成部1340Ca〜1340Cnから光源点灯信号と光源発光量制御信号が入力されて、これらの信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。
【0072】
そして、デジタル複写装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ、すなわち、デジタル複写装置1の制御部1600のCPUが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成方法を実行する画像形成プログラムを制御部1600のROMやその他のメモリに読み込んで、書き込み制御部1300を構成するASICに導入することで、後述するカラーの縦ラインの線幅の制御を効率的にかつ適切に行う画像形成方法を実行するデジタル複写装置1として構築されている。この画像形成プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0073】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のデジタル複写装置1は、カラー画像の背景色と縦ラインの色の判別を適切に行って、線幅を適切に調整する画像形成処理を実行する。なお、説明を明確にするために、以下の説明では、チャネル数が前景のチャネルCaと背景のチャネルCbの2つの場合について説明するが、チャネル数は、2つに限るものではなく、2つ以上であってもよく、以下の説明は、チャネル数が2つよりも多い場合にも同様に適用することができる。
【0074】
すなわち、デジタル複写装置1は、スキャナ部300のCCD305が光電変換したアナログのカラー画像データを読み取り処理部1100に入力し、読み取り処理部1100が、サンプリング処理、A/D変換処理及びシェーディング補正処理等の処理を行って、画像処理部1200に渡す。スキャナ部30の画像処理部1200は、画像の変倍処理、回転処理及びエッジ処理等の画質補正処理を施した後、多値画像データ(例えば、4ビットの16値)に変換して、プリンタ部200の書き込み制御部1300に出力する。書き込み制御部1300は、発光データ生成部1340Ca〜Cnで、画像処理部1200からの多値画像データから各色(各版)のLDアレイ231を点灯/消灯制御する光源点灯信号及び光量制御する光源発光量制御信号をそれぞれ生成して、光源制御部1500の対応するチャネルの光源制御部1500Ca〜Cnに出力し、光源制御部1500Ca〜Cnが、書き込み制御部1300の発光データ生成部1340Ca〜Cnからの光源点灯信号と光源発光量制御信号に基づいて、LDアレイ231の点灯/消灯を制御するとともに、その発光光量を制御する。デジタル複写装置1は、プリンタ部200が、この色(版)毎に点灯制御されるLDアレイ231によって感光体211Y、211C、211M、211Kに静電潜像を形成して、現像、転写、定着の処理を行い、転写紙にカラートナー画像を形成する。
【0075】
ところが、上述のように、デジタル複写装置1の特性として、同じ入力多値画像データ(画素データ)であっても、転写紙に形成される縦ラインと横ラインの太さに差が生じて画像が劣化する。例えば、主走査方向1画素期間のLDアレイ231の点灯によってラインを形成する場合、1画素に相当する期間だけLDアレイ231を点灯させてビーム照射を行っても、ビーム径や現像条件によって、転写紙に形成されるトナー画像のラインの太さが、理想の1画素ラインの太さとは、異なった結果となる。さらに、上述のように、縦ラインが単色ではなく、カラーの場合、色版に対応した数のLDアレイ231からのレーザビームで画像を形成するが、色(版)毎のビームまたは現像プロセスの特性により、たとえ色毎の位置ずれを補正しても、色毎に縦線が細くなったり、太ったりする場合がある。この場合、版毎における太線化処理、細線化処理で調整する必要があるが、縦線の色と背景の色の組み合わせによっては、縦線のこのような特徴が見られない場合がある。このように、カラー画像においては、チャネル(版)間の画像特徴が異なるため、一律に細線化処理や太線化処理を行うと、色版の配合状態が変わり、色味が変化してしまうという問題が発生する。このようなカラー画像の場合における細線化処理や太線化処理に特有の問題を適切に解決する必要がある。
【0076】
そこで、本実施例のデジタル複写装置1は、図6に示すようなアルゴリズムによるエッジ処理を行って背景色と縦線の色とを考慮した特徴判定を行って、細線化処理、太線化処理、処理無しの制御を行う。すなわち、デジタル複写装置1は、多値画像データのグレースケールと各色(各チャネル)における注目画素と隣接画素の特徴(エッジ特徴とエッジ無し特徴)を検出して、グレースケールの特徴と各版の特徴に基づいてエッジ判定するエッジ判定処理を該エッジ判定結果に応じて、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnの参照ルックアップテーブルを決定して注目画素の出力画素濃度を決定するとともに、処理速度を向上させるとともに構成を簡単で小規模なものとするために、入力多値画像データを白画素、黒画素、中間調画素の3状態に変換し、該3状態の注目画素を少なくとも主走査方向3画素、副走査方向1画素のイメージマトリクス1312Ca〜Cnの画素ウィンドウにおける状態値の配列状態から画像状態を判別して、判別結果によって太線化処理または細線化処理あるいは「処理なし」を決定して、ルックアップテーブル1313Ca〜Cnの参照先の参照ルックアップテーブルを変更して、注目画素の画素値を決定して入力多値画像データを修正して、発光データ生成部1340で光源点灯信号及び光源発光量制御信号を生成する。なお、本実施例では、上述のように、2つのチャネルCa、Cb(チャネルCaが前景、チャネルCbが背景)を取り上げて説明するが、チャネル巣は、2つに限るものではない。
【0077】
すなわち、デジタル複写装置1は、図6に示すように、画像処理部1200から多値画像データが書き込み制御部1300のグレースケール画像処理部1310G及びチャネルCaとチャネルCbの画像処理部1310Ca、Cbに入力されると(ステップS101)、グレースケール画像処理部1310が、そのグレースケール変換部1311Gで画像処理部1200から入力される入力多値画像データをグレースケール化して3状態変換部1312Gに出力し(ステップS201)、3状態変換部1312Gは、制御部1600から設定される白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)に基づいて、グレースケール変換部1311gでグレースケール化された多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態値に振り分けてイメージマトリクスエッジ判定部1313Gに出力する。イメージマトリクスエッジ判定部1313Gは、3画素×1ラインの画素マトリクス内の注目画素と隣接画素のデータを把握して、該画素マトリクスの中心の注目画素がエッジ部分、孤立線等であるか等の画像の特徴を判別(特徴判別)し、特徴判別結果を各チャネル画像処理部1310Ca、Cbのイメージマトリクス1312Ca、Cbに出力する(ステップS202)。
【0078】
また、各チャネルの画像処理部1310Ca、Cbは、その3状態変換部1311Ca、Cbが、制御部1600から設定される白閾値(無色閾値)と黒閾値(最大色閾値)に基づいて、入力される多値画像データを、「白」、「黒」、「中間調」の3状態値に振り分けてそれぞれのイメージマトリクス1312Ca、Cbに出力する。イメージマトリクス1312Ca、Cbは、副走査方向1画素、主走査方向3画素の画素ウィンドウ(マトリクス)を生成し、生成した画素ウィンドウに3状態変換部1311Ca〜Cnからの画素毎の状態値を配列して、エッジ部分または孤立線等の特徴があるか否か判別を行う(ステップS301、S401)。イメージマトリクス1312Ca、Cbは、ステップS301、S401で、エッジ特徴があるときには、細線化・太線化処理の候補として次の判定に移行する。次の判定では、2つ以上のチャネル(いま、チャネルCaとチャネルCb)でそれぞれ検出された特徴がグレースケール画像のエッジ特徴と同一の特徴(正エッジ)または相補的な特徴(逆エッジ)であるかを判定する(ステップS302、S402)。ここで、相補的エッジ(逆エッジ)とは、白白黒(先端白)に対して黒黒白(後端黒)、白黒白(孤立黒)に対して黒白黒(孤立白)、白黒黒(先端黒)に対して黒白白(後端白)のように、お互いの特徴を反転したものを表す。実際の画像例としては、例えば、イエローの背景に、シアンの文字・線が配置されている場合に、イエローの版の上で、文字・線が載る部分が白抜きされ、逆に、シアンの版の上で、背景部分が白抜きされている状態が当てはまる。この特徴間の関係の組み合わせとしては、図7に示すような関係にあり、図7において、二重丸が同一エッジ(正エッジ)、1重丸が相補的エッジ(逆エッジ)、×が相関の無いエッジである。例えば、図7において、グレースケールが先端白エッジの場合、チャネルCaまたはチャネルCbが、先端白エッジであると同一エッジ(正エッジ)、後端黒エッジであると、相補的エッジ(逆エッジ)、先端黒、後端白、孤立白、孤立黒のエッジであると、相関の無いエッジとなる。
【0079】
ステップS302、S402で、1つ以上のチャネルCa、Cbでグレースケール画像と同一特徴(正エッジ)または相補的な関係にある特徴(逆エッジ)が検出されたときには、そのチャネルCa、Cbにおいて、イメージマトリクス1312Caまたは/及びイメージマトリクス1312Cbは、細線化・太線化処理(細太線処理)が無効(画像補正無し)に設定されているかチェックし(ステップS303、S403)、細線化・太線化処理が有効のときには、ルックアップテーブル1313Ca、Cbにおける対象エッジの参照ルックアップテーブル(LUT)がスルーであるかチェックする(ステップS304、S404)。ステップS304、S404で、グレースケール画像と同一特徴(正エッジ)または相補的な関係にある特徴(逆エッジ)の検出されたチャネルCa、Cbの参照ルックアップテーブル(LUT)がスルーでないときには、参照画素判定処理を行って、例えば、図8に示すような参照画素決定表を用いて、細線化・太線化処理として画素の濃度変換を行うための参照画素を決定し(ステップS305、S405)、例えば、図5に示したような対象エッジの参照ルックアップテーブル(LUT)を選択して注目画素の濃度変換を行って(ステップS306、S406)、該変換後の画素濃度を、上述のように、注目画素コード出力部1314Ca、Cbから最終的に光源制御部1500に出力する(ステップS307、S407)。
【0080】
この場合、前景と背景の2つのチャネルCa、Cbで正エッジが検出された場合には、2つのチャネルで同一の処理を行うので、チャネル間で均一な細線化・太線化処理を行うことができる。また、この場合、色版及び特徴毎にルックアップテーブル1313Ca、Cbを備えているので、色版によって細線化・太線化処理の程度の相異の違いを制御することができる。
【0081】
また、いずれかのチャネルCa、Cbで、逆エッジが検出された場合には、そのチャネルCa、Cbの細線化・太線化の設定に関わらず、正エッジ側に合わせた処理を行う。すなわち、正エッジが太線化処理を行う場合には、逆エッジは細線化処理を行い、太線化処理または細線化処理の度合いは、ルックアップテーブル1313Ca、Cbの濃度変換値により制御可能である。
【0082】
したがって、相互に相補的な特徴が検出された場合には、参照画素が同じで、相互に、背反する細線化処理と太線化処理に調整され、色味の変化を抑えた細線化・太線化処理を行うことができる。
【0083】
ステップS302、S402で、相補的な関係にない特徴(図7の相関のないエッジ)が検出されると、イメージマトリクス1312Ca、1312Cbは、縦横線で構成されないランダムな画像の一部として細線化・太線化処理(細太線処理)無しと判定する。このようにすることで、ランダム画像に対して不用意に縦線の細線化処理または太線化処理を行って、不自然な画像になることを防止することができる。
【0084】
そして、ステップS302、S402で、主エッジまたは逆エッジを検出しないとき、または、ステップS303、S403で、細線化・太線化処理が無効に設定されているとき、あるいは、ステップS304、S404で、対象エッジのルックアップテーブル1313Ca、Cbがスルー設定のときには、イメージマトリクス1312Ca、Cbは、入力される多値画像データの注目画素濃度値をそのまま出力画素値として出力して処理を終了する(ステップS308、S408)。
【0085】
以下、デジタル複写装置1は、入力多値画像の背景色と前景の縦ライン色に応じてカラー縦ラインが太ってしまう場合、細ってしまう場合について、特徴検出を適切に行って細線化・太線化処理を行う場合について、具体的に、順次説明する。なお、以下の説明においても、上述のように、チャネル数が2つの場合について説明するが、チャネル数は、2つに限るものではなく、2つ以上であってもよく、以下の説明は、チャネル数が2つよりも多い場合にも同様に適用することができる。
【0086】
<背景が白でカラー縦1ラインが太ってしまう場合の細線化処理>
まず、主副で解像度が同じであって、背景が白で前景のカラーの縦1ラインが主走査方向に太ってしまう場合に、1画素の縦ラインを細線化する細線化処理について、図9〜図11に基づいて説明する。いま、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」であり、3状態変換部1312G、1311Ca、1311Cbは、入力多値画素データが、「14」以上であれば、その画素を、黒画素と判定、「1」以下であると、その画素を白画素と判定、「2」〜「13」の間の画素を中間調と判断する。
そして、グレースケールの画像処理部1310Gでは、図9に示すような入力多値画像データを、グレースケール変換部1311Gでグレースケールに変換して、3状態変換部1312Gで3状態に状態変換を行い、イメージマトリクスエッジ判定部1313Gでマトリクス処理してエッジ判定を行うが、図9左上のマトリクスの濃度値(0、15、0)については、孤立黒と特徴判別する。また、チャネルCa、Cbの画像処理部1310Ca、Cbでは、図10(a)及び図11(a)に示すような入力多値画像データに対して、3状態変換部1311Ca、Cbで状態変換を行った状態値に対して、イメージマトリクス1312Ca、Cbでエッジ判定を行うが、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、グレースケールの孤立黒と同一画素位置の濃度値(0、15、0)を、孤立黒として正エッジとして検出するが、チャネルCbのイメージマトリクス1312Caにおいては、同一画素位置の濃度値(0、2、0)についてエッジ特徴が検出されず、エッジ無しと判定する。
【0087】
このようなグレースケール及びチャネルCa、Cbの3状態変換部1312G及び1311Ca、Cbで、入力多値画像データを特徴検出した特徴検出結果に基づいて、図6に示したアルゴリズムのエッジ処理を行うと、上述のように、チャネルCa及びチャネルCbの双方において細線化処理を行うことが決定され、その参照画素が決定される。そして、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、ルックアップテーブル1313Caの孤立黒に応じた参照ルックアップテーブルを選択し、参照画素である「15」を、該参照ルックアップテーブルを用いて、例えば、図10(b)に示すように、「11」に変換する。また、チャネルCbのイメージマトリクス1312Cbは、ルックアップテーブル1313Cbのエッジ無し専用の参照ルックアップテーブルを選択し、参照画素である「2」を、該参照ルックアップテーブルを用いて、例えば、図11(b)に示すように、「1」に変換する。また、チャネルCbの別の画素位置(図11(a)の中段右側)に、濃度値(0、13、0)があり、この画素位置については、図9及び図10(a)に示すように、グレースケールG及びチャネルCaで孤立黒として特徴検出される。この画素位置については、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、孤立黒の参照ルックアップテーブルを選択して、図10(b)に示すように、参照画素「15」を「11」に変換し、チャネルCbのイメージマトリクス1312Cbは、孤立黒の参照ルックアップテーブルを選択して、図11(b)に示すように、参照画素「13」を「10」に変換する。さらに、チャネルCaには、図10(a)に示すように、濃度値(15、0、0)の後端白と濃度値(0、0、15)の先端白という孤立黒以外の特徴を有する画素並びが存在するが、図10では、これらの特徴に対するルックアップテーブル1313Caは、スルー設定となっており、入力画素濃度値がそのまま出力される。
【0088】
したがって、細線化・太線化処理がオフとなって、図6に示したエッジ処理において、該当部分のマトリクスについては、エッジ無しと判定され、チャネルCbについても、細線化・太線化処理が抑制される。
【0089】
その結果、白黒白(○●○)となる孤立黒の中心の黒画素の濃度値が参照画素の濃度値に応じて小さな値に変換処理され、縦ラインを細くすることができる。
【0090】
<背景がカラーベタでカラー縦1ラインが太ってしまう場合の細線化処理>
次に、主副で解像度が同じであって、背景がカラーベタでカラーの縦1ラインが主走査方向に太ってしまう場合に、1画素の縦ラインを細線化する細線化処理について、図12〜図14に基づいて説明する。いま、上記同様に、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」である。
グレースケール画像処理部1310Gでは、3状態変換部1312Gが、入力多値画像データを、図12に示すように状態変換を行った場合、イメージマトリクスエッジ判定部1313Gが、図12の下から2列目の左端の3画素におけるマトリクスの濃度値(5、15、5)を、孤立黒と特徴判別する。また、チャネルCa、Cbの画像処理部1310Ca、Cbでは、3状態変換部1311Ca、Cbで状態変換を行った結果が、図13(a)及び図14(a)に示すような値であった場合、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、同一画素位置の濃度値(0、15、0)を、孤立黒として正エッジ検出するが、チャネルCbのイメージマトリクス1312Caにおいては、同一画素位置の入力多値画像データの濃度値(15、15、2)を後端黒と判定する。
ところが、図7に示したように、グレースケールの孤立黒に対してチャネルCa、Cbにおける後端黒は、正エッジでも逆エッジでもない相関の無いエッジとされているため、図6のエッジ処理において、細線化・太線化処理なしと判定され、この画素に関しては、図13(b)及び図14(b)に示すように、全てのチャネルCa、Cbにおいて、入力画素濃度値がそのまま出力画素値として出力される。すなわち、この画素部分については、縦横線ではないランダム画像の一部と判断して、不要な細線化・太線化処理を行うことを防止することができる。
また、図12から図14では、図12のグレースケールの左上3画素における濃度値(7、15、7)の孤立黒に対して、同一画素位置の画素が、チャネルCaでは、(0、15、0)の孤立黒、チャネルCbでは、(15、2、15)の孤立白となり、図7からグレースケールの孤立黒に対して、チャネルCaの孤立黒は正エッジ、チャネルCbの孤立白は、逆エッジとなる。したがって、参照画素に対して、チャネルCaでは、ルックアップテーブル1313Caの孤立黒の参照ルックアップテーブルを選択して、参照画素「15」を「11」に変換し、チャネルCbでは、ルックアップテーブル1313Cbの孤立白の参照ルックアップテーブルを選択して、参照画素「2」を「1」に変換して、出力画素として出力することができる。その結果、背景がカラーベタでカラー縦1画素のラインが太ってしまう場合に、適切に細線化処理を行うことができる。
【0091】
<背景が白でカラー縦1ラインが太ってしまう場合の細線化処理>
主副で解像度が同じであって、背景が白でカラーの縦1ラインが主走査方向に細ってしまう場合に、1画素の縦ラインを太線化する太線化処理について、図15〜図17に基づいて説明する。上記同様に、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」である。
【0092】
いま、グレースケールの画像処理部1310Gでは、図15の左上における入力多値画像データのグレースケールの濃度値(0、15、0)に対して、図16(a)のチャネルCaでは、同一の画素位置の画素濃度値(0、15、0)に対してイメージマトリクス1312Caで、孤立点と特徴判定する。ところが、この参照画素の濃度値「15」は、画素濃度が4bitであるので、最大値であり、これ以上太線化処理を行うことができない。さらに、同一画素位置における他のチャネル(チャネルCb)の濃度が低い孤立黒の太線化処理を有効にするために、ルックアップテーブル1313Caをスルーに設定することができない。このような場合、白白黒(先端白)または黒白白(後端白)と続くときの中心の白に濃度を与えることで、太線化処理を行うことができるが、本実施例では、図16(b)に示すように、先端白のルックアップテーブルをスルー設定、後端白のルックアップテーブルに有効な設定を行うことで、黒白白(後端白)の中心の白に濃度を与えて太線化処理を行う。したがって、チャネルCbの同一画素位置の画素濃度は、(0、2、0)であり、エッジ無しであるが、チャネルCaで孤立黒と判定されているので、図6に示したエッジ処理において、参照画素が太線化処理される。そして、チャネルCaの参照画素の濃度値「15」は、上述のように、最大値であるので変換後の値も変化しないが、チャネルCbでは、エッジ無し専用のルックアップテーブル1313Cbが選択され、図17(b)に示すように、例えば、濃度値「8」に変換される。
【0093】
また、図16(a)に示すチャネルCaの(15、0、0)の後端白画素については、参照画素を先行画素として、ルックアップテーブル1313Caの後端白に応じた参照ルックアップテーブルが選択され、図16(b)に示すように、画素濃度が、「0」から「4」に変換される。一方、チャネルCbの同一画素位置の画素は、画素濃度が(2、0、0)であり、エッジの特徴ではないが、チャネルCaが後端白であるので、細線化・太線化処理が有効になる。したがって、チャネルCbのイメージマトリクス1312Cbは、ルックアップテーブル1313Cbのエッジ無し用の参照ルックアップテーブルを選択して、図17(b)に示すように、参照画素である先行画素の濃度値「2」を、例えば、濃度値「8」に変換する処理を実施する。また、図17(a)に示すように、先行画素濃度値「13」に対する参照画素の変換後の濃度値として、濃度値「2」をルックアップテーブル1313Cbの参照ルックアップテーブルに設定することで、図17(b)に示すように、隣接画素に及ぶ太線化処理を実施することができる。
【0094】
このようにすると、カラーベタ背景におけるカラー縦1画素のラインが太ってしまう場合に、正確にカラー縦1画素を認識して、適切に細線化処理を行うことができる。
【0095】
<背景が白でカラー縦複数画素ラインが太ってしまう場合の細線化処理>
次に、主副で解像度が同じであって、背景が白でカラーの主走査方向2画素の縦ラインが主走査方向で太ってしまう場合に、2画素の縦ラインを細線化する細線化処理について、図18〜図20に基づいて説明する。いま、上記同様に、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」である。
グレースケール画像処理部1310Gでは、図18に示すような入力多値画像データを3状態変換部1312Gが状態変換を行った場合、イメージマトリクスエッジ判定部1313Gが、図18のマトリクスの濃度値(0、15、15)を、先端黒と特徴判別し、濃度値(15、15、0)を後端黒と判定する。また、チャネルCaの画像処理部1310Caでは、3状態変換部1311Caで状態変換を行った結果が、図19(a)に示すような値であった場合、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、同一画素位置の濃度値(0、15、15)を、先端黒、濃度値(15、15、0)を、後端黒として正エッジ検出し、図19(b)に示すように、連続する画素の濃度値を、例えば、(0、12、13)、(12、13、0)のように小さくして、細線化処理を行う。一方、チャネルCbの画像処理部1310Cbでは、3状態変換部1311Cbで状態変換を行った結果が、図20(a)に示すような値であった場合、イメージマトリクス1312Cbが、同一画素位置のマトリクスの濃度値(0、2、2)、濃度値(2、2、0)をエッジ無しと判定するが、図6のエッジ処理に従って、図20(b)に示すように、濃度値を、例えば、(0、1、1)、(1、1、0)のように小さくして、細線化処理を実行する。すなわち、複数画素からなる縦線の両側の濃度値を小さくして細線化を行っている。
【0096】
このようにすると、背景が白で、主走査方向のカラー複数画素からなる縦ラインが太ってしまう場合に、該主走査方向複数画素からなるカラー縦ラインを正確に認識して、適切に細線化処理を行うことができる。
【0097】
なお、複数の縦線が太ってしまう場合の細線化処理では、必ずしも縦線の両側を細らせる必要はなく、一方側を細らせてもよい。縦線の一方側を細らせる場合、先端白、先端黒の2つのルックアップテーブルが後端白、後端黒の2つのルックアップテーブルのいずれか一方をスルー設定とすることで処理することができる。
【0098】
<背景がカラーベタでカラー縦複数画素ラインが細ってしまう場合の細線化処理>
次に、主副で解像度が同じであって、背景がカラーベタでカラーの主走査方向2画素の縦ラインが主走査方向で細ってしまう場合に、2画素の縦ラインを太線化する太線化処理について、図21〜図23に基づいて説明する。いま、上記同様に、入力多値画素データが多値4ビットで、白閾値が「1」、黒閾値が「14」である。
グレースケール画像処理部1310Gでは、図21に示すような入力多値画像データを3状態変換部1312Gが状態変換を行った場合、イメージマトリクスエッジ判定部1313Gが、図21のマトリクスの濃度値(2、2、12)を、先端白、濃度値(10、5、5)を後端白、濃度値(15、10、5)を後端黒、濃度値(5、5、15)を先端白と判定する。また、チャネルCaの画像処理部1310Caでは、図22(a)に示すような入力多値画像データを3状態変換部1311Caで状態変換を行った場合、チャネルCaのイメージマトリクス1312Caは、上記グレースケールのエッジ判定と同一画素位置の濃度値(0、0、12)を、先端白(正エッジ)、濃度値(10、0、0)を、後端白(正エッジ)、濃度値(15、10、0)を後端黒、濃度値(0、0、15)を先端白と検出し、図22(b)に示すように、2画素を用いて太線化処理を行う。一方、チャネルCbの画像処理部1310Cbでは、図23(a)に示すような入力多値画像データを3状態変換部1311Cbで状態変換を行った場合、イメージマトリクス1312Cbが、上記グレースケールのエッジ判定と同一画素位置の濃度値(5、5、0)をエッジ無し、濃度値(0、10、10)を先端黒(逆エッジ)、濃度値(0、0、10)を後端白(逆エッジ)、濃度値(10、10、0)を後端黒(逆エッジ)と判定するが、図6のエッジ処理に従って、図23(b)に示すように、太線化処理を実行する。すなわち、複数画素からなる縦線の両側の濃度値を大きくして太線化を行っている。
【0099】
このようにすると、背景がカラーベタで、主走査方向のカラー複数画素からなる縦ラインが細ってしまう場合に、該主走査方向複数画素からなるカラー縦ラインを正確に認識して、適切に太線化処理を行うことができる。
【0100】
このように、本実施例のデジタル複写装置1は、カラーの多値画素データを、グレースケール画素データに変換して、該グレースケール画素データを少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換し、該変換したグレースケール画素データの注目画素を中心として所定数の隣接画素から構成される画素ウィンドウ内における該画素の状態値の配列状態に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行い、また、該カラー毎に該入力多値画素データを該無色閾値と該最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換し、該カラー毎に該画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列のうち上記グレースケール画素データについて検出された所定の特徴を有する状態値配列の中心画素を注目画素とする該状態値配列に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行って、該カラー毎に該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該カラー状態変換処理で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列に対応させて出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照ルックアップテーブルのうち、該グレースケールの特徴検出での特徴検出結果と該カラーの特徴検出での特徴検出結果に基づいて参照対象の参照ルックアップテーブルを決定し、該入力多値画素データのデータ値を該参照ルックアップテーブル決定処理ステップで決定された該参照ルックアップテーブルのデータ値に切り替えて該出力用多値画素データとして該カラー画像形成を行う。
【0101】
したがって、カラーの入力多値画素データの情報量に関わらず、該カラーの入力多値画素データに対して縦線を太らせる太線化処理及び細らせる細線化処理を適切に施すことができ、画像品質を簡単かつ安価に向上させることができる。
【0102】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、各チャネル画像処理1310Ca〜Cnのルックアップテーブル1313Ca〜Cnが、参照ルックアップテーブルとして、画像形成する注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用のデータ値の登録されている細線化用参照ルックアップテーブル、該注目画素を太らせる太線化処理用のデータ値の登録されている太線化用参照ルックアップテーブル及び入力多値画素データの該注目画素をそのまま出力用多値画素データとする処理無し用のデータ値の登録されている処理無し用参照ルックアップテーブルを有している。
【0103】
したがって、グレースケールの特徴検出の特徴検出結果と各カラーの特徴検出の特徴検出結果に基づいて参照ルックアップテーブルを適宜参照することで、簡単かつ適切に細線化処理、太線化処理及び無処理を行うことができ、画像品質をより一層簡単かつ安価に向上させることができる。
【0104】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、各色の参照ルックアップテーブルの決定において、グレースケール特徴検出で検出した特徴と該色のカラー特徴検出で検出した特徴が一致するとき、または、双方の特徴が所定の相補的な関係にあるときに、画像形成する注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用の参照ルックアップテーブルまたは該注目画素を太らせる太線化処理用の参照ルックアップテーブルを選択している。
【0105】
したがって、色版の配合状態を適切な状態で細線化・太線化処理を行うことができ、色味が適切な状態で細線化・太線化処理を行うことができる。
【0106】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、各色の参照ルックアップテーブルが、グレースケール特徴検出及びカラー特徴検出の特徴検出結果に関わらず、入力多値画素データの注目画素をそのまま出力用多値画素データとするスルー状態が設定可能となっている。
【0107】
したがって、太線化処理や細線化処理における太らせ過ぎや細らせ過ぎを適切に防止することができ、より一層適切な細線化・太線化処理を行うことができる。
【0108】
さらに、本実施例のデジタル複写装置1は、参照ルックアップテーブルが、細線化処理または太線化処理において、注目画素を細線化処理または太線化処理に応じた画素データ値とするとともに、該注目画素に隣接する画素位置に付加する付加画素の画素データ値が登録されている。
【0109】
したがって、入力画像データの画素値が最大濃度値であっても、適切に太線化することができるとともに、隣接する複数の画素を用いて自然な状態で太線化または細線化することができ、より一層適切な細線化・太線化処理を行うことができる。
【0110】
また、本実施例のデジタル複写装置1は、画素ウィンドウとして、主走査方向3画素、副走査方向1画素以上の画素からなる画素ウィンドウを用いている。
【0111】
したがって、簡単な構成で縦ラインを検出することができ、簡単かつ適切に細線化・太線化処理を行うことができる。
【0112】
なお、上記説明においては、チャネル毎に縦線のやせ特性や太り特性が異なる場合、特定のチャネルでは太らせ、別のチャネルでは無処理または細らせる処理を行う必要がある場合があり、このような場合、特定チャネルの処理をオフまたは独立して細線化・太線化設定にすることで、太線化処理、細線化処理をチャネル毎に制御する。
【0113】
このようにすると、簡単かつ適切に細線化・太線化処理を行うことができる。
【0114】
また、上記説明においては、ラインの線幅を処理するために、主走査3画素、副走査1画素のサイズのイメージマトリクス1312Ca〜Cnを用いているが、イメージマトリクス1312Ca〜Cnのサイズとしては、上記サイズに限るものではなく、また、イメージマトリクス1312Ca〜Cnは、デジタル複写装置1で用いている他のイメージ検出用のマトリクスと併用して用いてもよい。
【0115】
このようにすると、例えば、図18〜図23に示したような複数画素からなるラインについてもそのエッジを適切に識別して、参照ルックアップテーブルを決定して、ラインの細線化・太線化処理を適切に行うことができる。
【0116】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、カラー画像を形成する画素構成を補正する複写装置、複合装置、プリンタ装置等の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施例を適用したデジタル複写装置の正面概略構成図。
【図2】図1の光書き込みユニットの斜視図。
【図3】デジタル複写装置の要部回路ブロック構成図。
【図4】3画素×1ラインのマトリクスで抽出される特徴の一例を示す図。
【図5】ルックアップテーブルの一例を示す図。
【図6】エッジ処理を示すフローチャート。
【図7】特徴間の関係の組み合わせを示す図。
【図8】参照画素決定表の一例を示す図。
【図9】背景が白でカラー縦1ラインが太ってしまう場合の細線化処理におけるグレースケールの特徴判別の説明図。
【図10】背景が白でカラー縦1ラインが太ってしまう場合のチャネルCaでの細線化処理の説明図。
【図11】背景が白でカラー縦1ラインが太ってしまう場合のチャネルCbでの細線化処理の説明図。
【図12】背景がカラーベタでカラー縦1ラインが太ってしまう場合の細線化処理におけるグレースケールの特徴判別の説明図。
【図13】背景がカラーベタでカラー縦1ラインが太ってしまう場合のチャネルCaでの細線化処理の説明図。
【図14】背景がカラーベタでカラー縦1ラインが太ってしまう場合のチャネルCbでの細線化処理の説明図。
【図15】背景が白でカラー縦1ラインが細ってしまう場合の太線化処理におけるグレースケールの特徴判別の説明図。
【図16】背景が白でカラー縦1ラインが細ってしまう場合のチャネルCaでの太線化処理の説明図。
【図17】背景が白でカラー縦1ラインが細ってしまう場合のチャネルCbでの太線化処理の説明図。
【図18】背景が白でカラー縦複数画素ラインが太ってしまう場合の細線化処理におけるグレースケールの特徴判別の説明図。
【図19】背景が白でカラー縦複数画素ラインが太ってしまう場合のチャネルCaでの細線化処理の説明図。
【図20】背景が白でカラー縦複数画素ラインが太ってしまう場合のチャネルCbでの細線化処理の説明図。
【図21】背景がカラーベタでカラー縦複数画素ラインが細ってしまう場合の太線化処理におけるグレースケールの特徴判別の説明図。
【図22】背景がカラーベタでカラー縦複数画素ラインが細ってしまう場合のチャネルCaでの太線化処理の説明図。
【図23】背景がカラーベタでカラー縦複数画素ラインが細ってしまう場合のチャネルCbでの太線化処理の説明図。
【符号の説明】
【0119】
1 デジタル複写装置
100 給紙部
101 ペーパーバンク
102 給紙カセット
103 給紙ローラ
104 分離ローラ
105 給紙路
106 搬送ローラ
200 プリンタ部
201 排紙ローラ対
202 切換爪
203 給紙路
204 手差しトレイ
205 給紙ローラ
206 分離ローラ
207 手差し給紙路
209 スタック部
210 画像形成ユニット
210Y、210C、210M、210K プロセスカートリッジ
211Y、211C、211M、211K 感光体
212Y、212C、212M、212K 帯電器
213Y、213C、213M、213K 現像器
230 光書き込みユニット
231 LDアレイ
232 コリメートレンズ
233 アパーチャ
234 シリンドリカルレンズ
235 ポリゴンミラー
236 WTL
237 折返しミラー
238 防塵ガラス
239 同期検知センサ
240 中間転写ユニット
241 中間転写ベルト
242 2次転写バックアップローラ
250 2次転写部
251 紙搬送ベルト
252 張架ローラ
260 レジストローラ対
270 定着ユニット
271 定着ベルト
272 加熱ローラ
273 従動ローラ
280 用紙反転ユニット
300 スキャナ部
301 コンタクトガラス
302 第1走行体
303 第2走行体
304 結像レンズ
305 CCD
400 ADF
401 原稿台
402 給紙ローラ
403 分離ローラ
404 搬送ローラ
405 搬送ベルト
406 排紙ローラ
407 排紙台
1100 読み取り処理部
1200 画像処理部
1300 書き込み制御部
1310 プリンタ画像処理部
1310G グレースケール画像処理部
1310Ca〜Cn チャネル画像処理部
1311G グレースケール変換部
1311Ca〜Cn 3状態変換部
1312G 3状態変換部
1312Ca〜Cn イメージマトリクス
1313G イメージマトリクスエッジ判定部
1313Ca〜Cn ルックアップテーブル
1314Ca〜Cn 注目画素コード出力部
1320 書き込みDMAC
1330 読み出しDMAC
1340 発光データ生成部
1340Ca〜Cn チャネル発光データ生成部
1350 画素クロック制御部
1400 メモリ
1500 光源制御部
1600 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーの多値画素データに基づいて該カラーに応じた現像剤を用いてカラードット画像を形成するカラー画像形成手段と、入力多値画素データをグレースケール画素データに変換するグレースケール変換手段と、該グレースケール画素データを所定の無色閾値と所定の最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するグレースケール状態変換手段と、該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該グレースケール状態変換手段で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値の配列状態に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うグレースケール特徴検出手段と、該カラー毎に該入力多値画素データを該無色閾値と該最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するカラー状態変換手段と、該カラー毎に該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該カラー状態変換手段で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列に対応させて出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照ルックアップテーブルと、該カラー毎に該画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列のうち該グレースケール特徴検出手段で検出された所定の特徴を有する状態値配列と同一画素位置の状態配列の中心画素を注目画素として該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うカラー特徴検出手段と、該カラー毎に各注目画素について該グレースケール特徴検出手段の特徴検出結果と該カラー特徴検出手段の特徴検出結果に基づいて複数の該参照ルックアップテーブルから参照対象の参照ルックアップテーブルを決定する参照ルックアップテーブル決定手段と、該入力多値画素データのデータ値を該参照ルックアップテーブル決定手段が決定した該参照ルックアップテーブルのデータ値に切り替えて該出力用多値画素データとして該カラー画像形成手段に出力する出力データ生成手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記参照ルックアップテーブルは、前記画像形成手段の形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用のデータ値の登録されている細線化用参照ルックアップテーブル、該注目画素を太らせる太線化処理用のデータ値の登録されている太線化用参照ルックアップテーブル及び前記入力多値画素データの該注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとする処理無し用のデータ値の登録されている処理無し用参照ルックアップテーブルを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
各色の前記参照ルックアップテーブル決定手段は、前記グレースケール特徴検出手段の検出した特徴と該色の前記カラー特徴検出手段の検出した特徴が一致するとき、または、双方の特徴が所定の相補的な関係にあるときに、前記画像形成手段の形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用の参照ルックアップテーブルまたは該注目画素を太らせる太線化処理用の参照ルックアップテーブルを選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
各色の前記参照ルックアップテーブルは、前記グレースケール特徴検出手段及び前記カラー特徴検出手段の特徴検出結果に関わらず、前記入力多値画素データの注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとするスルー状態が設定可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記参照ルックアップテーブルは、前記画像形成手段の形成する前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理または該注目画素を太らせる太線化処理において、該注目画素を該細線化処理または該太線化処理に応じた画素データ値とするとともに、該注目画素に隣接する画素位置に付加する付加画素の画素データ値が登録されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記グレースケール状態変換手段及び前記カラー状態変換手段の前記無色閾値と前記最大色閾値または/及び前記参照ルックアップテーブルのデータ値が適宜設定可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画素ウィンドウは、主走査方向3画素、副走査方向1画素以上の画素からなる画素ウィンドウであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
カラーの多値画素データに基づいて該カラーに応じた現像剤を用いてカラードット画像を形成するカラー画像形成処理ステップと、入力される多値画素データをグレースケール画素データに変換するグレースケール変換処理ステップと、該グレースケール画素データを所定の無色閾値と所定の最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するグレースケール状態変換処理ステップと、該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該グレースケール状態変換処理ステップで変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値の配列状態に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うグレースケール特徴検出処理ステップと、該カラー毎に該入力多値画素データを該無色閾値と該最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するカラー状態変換処理ステップと、該カラー毎に該画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列のうち該グレースケール特徴検出処理ステップで検出された所定の特徴を有する状態値配列の中心画素を注目画素とする該状態値配列に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うカラー特徴検出処理ステップと、該カラー毎に該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該カラー状態変換処理ステップで変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列に対応させて出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照ルックアップテーブルのうち、該グレースケール特徴検出処理ステップでの特徴検出結果と該カラー特徴検出処理ステップでの特徴検出結果に基づいて参照対象の参照ルックアップテーブルを決定する参照ルックアップテーブル決定処理ステップと、該入力多値画素データのデータ値を該参照ルックアップテーブル決定処理ステップで決定された該参照ルックアップテーブルのデータ値に切り替えて該出力用多値画素データとして該カラー画像形成処理ステップに出力する出力データ生成処理ステップと、を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
前記画像形成方法は、前記参照ルックアップテーブルが、前記画像形成処理ステップで形成される前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用のデータ値の登録されている細線化用参照ルックアップテーブル、該注目画素を太らせる太線化処理用のデータ値の登録されている太線化用参照ルックアップテーブル及び前記入力多値画素データの該注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとする処理無し用のデータ値の登録されている処理無し用参照ルックアップテーブルを有することを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
【請求項10】
各色の前記参照ルックアップテーブル決定処理ステップは、前記グレースケール特徴検出処理ステップで検出された特徴と該色の前記カラー特徴検出処理ステップで検出された特徴が一致するとき、または、双方の特徴が所定の相補的な関係にあるときに、前記画像形成処理ステップで形成される前記注目画素のドット画像を主走査方向において細らせる細線化処理用の参照ルックアップテーブルまたは該注目画素を太らせる太線化処理用の参照ルックアップテーブルを選択することを特徴とする請求項8または請求項9記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記画像形成方法は、各色の前記参照ルックアップテーブルが、前記グレースケール特徴検出処理ステップ及び前記カラー特徴検出処理ステップでの特徴検出結果に関わらず、前記入力多値画素データの注目画素をそのまま前記出力用多値画素データとするスルー設定が参照ルックアップテーブル毎に設定可能であることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項12】
コンピュータに、カラーの多値画素データに基づいて該カラーに応じた現像剤を用いてカラードット画像を形成するカラー画像形成処理と、入力多値画素データをグレースケール画素データに変換するグレースケール変換処理と、該グレースケール画素データを所定の無色閾値と所定の最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するグレースケール状態変換処理と、該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該グレースケール状態変換処理で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値の配列状態に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うグレースケール特徴検出処理と、該カラー毎に該入力多値画素データを該無色閾値と該最大色閾値に基づいて少なくとも無色、最大色、中間調の3つの状態値に変換するカラー状態変換処理と、該カラー毎に該画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列のうち該グレースケール特徴検出処理で検出された所定の特徴を有する状態値配列の中心画素を注目画素とする該状態値配列に基づいて該注目画素のエッジ、孤立線等の特徴検出を行うカラー特徴検出処理と、該カラー毎に該入力多値画素データの注目画素及び該注目画素を中心として隣接する所定数の隣接画素の該カラー状態変換処理で変換された状態値が格納される画素ウィンドウ内における該画素の状態値配列に対応させて出力用多値画素データのデータ値の登録されている複数の参照ルックアップテーブルのうち、該グレースケール特徴検出処理での特徴検出結果と該カラー特徴検出処理での特徴検出結果に基づいて参照対象の参照ルックアップテーブルを決定する参照ルックアップテーブル決定処理と、該入力多値画素データのデータ値を該参照ルックアップテーブル決定処理で決定された該参照ルックアップテーブルのデータ値に切り替えて該出力用多値画素データとして該カラー画像形成処理に出力する出力データ生成処理と、を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の画像形成プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−60670(P2010−60670A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224211(P2008−224211)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】