画像形成装置
【課題】画像の位置ずれを低減すること。
【解決手段】媒体(S)が搬送される搬送路(SH1)と、搬送路(SH1)に設けられた画像記録位置(Q3)において媒体(S)に画像を記録する画像記録部(U1b)と、画像記録位置(Q3)の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する媒体(S)の姿勢を補正する媒体姿勢補正部材(Rr)と、媒体姿勢補正部材(Rr)の媒体搬送方向上流側に設けられ、媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材(SN1)と、姿勢検知部材(SN1)の検知結果に基づいて媒体姿勢補正部材(Rr)により補正された後の媒体(S)の姿勢と基準姿勢との差である残余量(S3,S3′)を演算する残余量演算手段(C9)と、残余量(S3,S3′)に基づいて媒体(S)に形成する画像を回転させる画像回転手段(C11)と、を備えた画像形成装置(U)。
【解決手段】媒体(S)が搬送される搬送路(SH1)と、搬送路(SH1)に設けられた画像記録位置(Q3)において媒体(S)に画像を記録する画像記録部(U1b)と、画像記録位置(Q3)の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する媒体(S)の姿勢を補正する媒体姿勢補正部材(Rr)と、媒体姿勢補正部材(Rr)の媒体搬送方向上流側に設けられ、媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材(SN1)と、姿勢検知部材(SN1)の検知結果に基づいて媒体姿勢補正部材(Rr)により補正された後の媒体(S)の姿勢と基準姿勢との差である残余量(S3,S3′)を演算する残余量演算手段(C9)と、残余量(S3,S3′)に基づいて媒体(S)に形成する画像を回転させる画像回転手段(C11)と、を備えた画像形成装置(U)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、媒体に記録される画像の位置ずれを補正する技術として、以下の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開平10−319674号公報には、感光体ドラム(9)等を有する、いわゆる、電子写真方式の画像形成装置が記載されており、転写紙(P)が転写位置に搬送される際に、搬送方向に対して直角方向に設けられた二つのずれ検出部(5)により転写紙(P)を検出して、転写紙(P)の傾きであるスキューを補正するためのスキュー補正手段(13)を備えたレジストローラ対(3)により、転写紙(P)を搬送すると共に、転写紙(P)の傾きを調節し、スキューや画像の位置ずれであるレジストずれを補正する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、スキュー補正やレジストずれ補正の際に、搬送される転写紙(P)のスキュー量(S)や、両面印刷の際に記録された測定パターン(19)を、レジストローラ対(3)下流側の検出部(5)により検出し、その検出結果に基づいて、レジストローラ対(3)の一方の軸端部を、モータ(17)の駆動により、搬送方向に沿って移動させ、転写紙(P)の感光体ドラム(9)の軸方向に対する傾きを調節している。
【0003】
特許文献2としての特開2000−335010号公報には、電子写真方式の画像形成装置において、転写紙(P)を画像形成部(50)に搬送するレジストローラ(185)の下流側に設けられた位置検知センサ(220)により検知された転写紙(P)の主走査方向の通過位置に応じて、感光体ドラム(51)に書き込む画像自体を主走査方向にシフトさせて、画像の位置ずれを補正する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−319674号公報(「0008」〜「0010」、「0013」〜「0018」、図1〜図5)
【特許文献2】特開2000−335010号公報(「0075」〜「0076」、「0096」〜「0101」、「0117」、図3〜図5、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像の位置ずれを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設けられた画像記録位置において、前記媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録位置の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する前記媒体の姿勢を補正する前記媒体姿勢補正部材と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である残余量を演算する残余量演算手段と、
前記残余量に基づいて、媒体に形成する画像を回転させる画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記姿勢検知部材による検知結果と、前記検知結果に対応する前記残余量と、の関係を特定する対応情報であって、媒体の種類毎に予め測定された前記対応情報を、記憶する対応情報記憶手段と、
前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類判別手段により判別された前記媒体の種類に応じた前記対応情報に基づいて、前記残余量を演算する前記残余量演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材による検知結果に、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である残余量を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶された前記対応情報を更新する対応情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材の位置を通過する前記媒体の媒体搬送方向後端部を検知して、前記媒体の姿勢を検知する後端部姿勢検知部材と、
前記後端部姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量を演算する後端検知残余量演算手段と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記後端検知残余量演算手段により演算された前記後端検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記後端部姿勢検知部材を兼ねた前記姿勢検知部材、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、画像を回転させない構成に比べて、画像の位置ずれを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体の種類に応じた対応情報に基づいて残余量を演算し、画像を回転させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側の第二の姿勢検知部材による姿勢補正後の媒体の姿勢の検知結果に基づいて、対応情報を更新することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、第二の姿勢検知部材の検知結果に基づいて、第一面に記録された画像と第二面に記録された画像の表裏の画像の位置ずれを、差分量に基づいて回転させない構成に比べて、低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、後端姿勢検知部材の検知結果に基づいて、第一面に記録された画像と第二面に記録された画像の表裏の画像の位置ずれを、差分量に基づいて回転させない構成に比べて、低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、姿勢検知部材と後端姿勢検知部材とを共通化でき、部品点数の上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、上面に透明な原稿台の一例であるプラテンガラスPGを有する複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に着脱自在に装着される自動原稿搬送装置U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例である原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙部の一例である原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0016】
前記複写機本体U1は、操作者が指示を入力する動作指示入力部UIと、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部U1aおよび画像記録部U1bと、前記画像読取部U1aまたは画像記録部U1bに設けられた画像処理部GSとを有している。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方に配置された原稿読取装置としての画像読取部U1aは、原稿読取り位置に配置された露光系位置検出部材の一例としての露光系レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
【0017】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は画像読取り位置の一例としてのホーム位置、すなわち、初期位置に停止している。
前記自動原稿搬送装置U2を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う自動原稿搬送動作の場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う原稿手動設置動作時の場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0018】
また、画像処理部GSは、前記画像読取部U1aの固体撮像素子CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換して画像記録部U1bの像書込光駆動信号出力装置DLに出力する。
前記像書込光駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じた像書込光駆動信号を画像書込装置の一例としての露光装置RSに出力する。
【0019】
前記露光装置RSの下方に配置された像保持体の一例としての感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPR表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRによりに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記露光装置RSの潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPR表面は回転移動して現像領域Q2、画像記録位置の一例としての転写領域Q3を順次通過する。
【0020】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像器Gは、トナーおよびキャリアを含む現像剤を現像剤保持体の一例としての現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する静電潜像を画像の一例としてのトナー像Tnに現像する。前記感光体ドラムPR表面のトナー像Tnは前記転写領域Q3に搬送される。
前記現像器Gで消費される現像剤を補給するための現像剤補給容器の一例としてのカートリッジKは、補給容器装着部材の一例としてのカートリッジ装着部材KSに着脱可能に装着される。前記カートリッジK内の現像剤は現像剤収容容器RTで攪拌されながら搬送され、前記現像剤収容容器RTに配置された現像剤搬送装置GHにより現像器Gに搬送される。
【0021】
前記転写領域Q3において前記感光体ドラムPRに対向して配置された転写搬送装置の一例としての転写ユニットTUは、媒体搬送部材の一例としての転写ベルトTBを有する。前記転写ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdおよび従動部材の一例としての従動ロールRfを有する媒体搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロールRd+Rfにより回転可能に支持されている。前記転写ベルトTBを挟んで前記感光体ドラムPRに対向して転写器の一例としての転写ロールTRが配置されている。また、前記駆動ロールRdに対向して媒体剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置され、剥離爪SCの転写ベルトTB回転方向下流側には、媒体搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。
転写ロールTRは、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnを媒体の一例としてのシートSに転写する部材であり、現像器Gで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記電源回路Eは制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。
【0022】
媒体収容部材の一例としての給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、搬送路の一例としてのシート供給路SH1により前記転写領域Q3に搬送される。すなわち、前記各給紙トレイTR1〜TR4のシートSは、所定の給紙時期に媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体分離部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、複数の媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、媒体姿勢補正部材の一例且つ媒体搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、姿勢が補正されると共に、前記感光体ドラムPR上のトナー像Tnが転写領域Q3に移動する時期、すなわち、タイミングに合わせて、転写前媒体案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から転写ユニットTUの転写ベルトTBに搬送される。転写ベルトTBは搬送されたシートSを前記転写領域Q3に搬送する。
前記感光体ドラムPR表面に現像されたトナー像Tnは、前記転写領域Q3において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体ドラムPR表面は、像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLpにより残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0024】
転写領域Q3において転写ロールTRによりトナー像Tnが転写された前記シートSは、転写領域Q3の下流側の剥離爪SCにより転写ベルトTB表面から剥離される。剥離されたシートSは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着器Fでトナー像Tnが加熱定着されてから弾性シート製の搬送路切換部材の一例としてのマイラゲートMGを通って排出路の一例としてのシート排出路SH2の正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送される。マイラゲートMGは弾性変形して、定着器Fを通過したシートSをシート排出路SH2に向かわせる。
【0025】
排紙トレイTRhに排出されるべきシートSは正逆回転可能な搬送ロールRbおよび複数の搬送ロールRaが配置されたシート排出路SH2を搬送される。シート排出路SH2の下流端部には搬送路切換部材の一例としての切替ゲートGT1が配置されている。切替ゲートGT1は、画像形成装置に図示しない後処理装置が接続されている場合には、搬送されてきたシートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhまたは図示しない後処理装置のいずれかに排出するように切替えられる。なお、後処理装置が装着されていない状態では、切替ゲートGT1は、シート排出路SH2の下流端部に搬送されたシートSを、排紙トレイTRhに排出するように切替えられており、前記シートSは媒体排出部材の一例としての排紙ロールRhによって排紙トレイTRhに排出される。
【0026】
前記正逆回転可能な搬送ロールRbは、シートSの両面に画像を記録する場合、第一面に画像が記録された第一面画像記録済シートSが搬送された際に、第一面画像記録済シートSの後端が搬送ロールRbを通過する直前に逆回転する。したがって、前記第一面画像記録済シートSは、シート排出路SH2側に戻され、いわゆるスイッチバックされる。前記マイラゲートMGは、前記搬送ロールRbによりスイッチバックして来たシートSを反転路の一例としてのシート反転路SH3に向かわせる。前記シート反転路SHは、前記シート供給路SH1のレジロールRrの媒体搬送方向上流側に接続されており、シート反転路SH3に搬送された第一面画像記録済シートSは表裏反転した状態で前記レジロールRrに再送される。そして、前記レジロールRrにより、画像が第一面に記録された際と同様にして、転写領域Q3に搬送され、第一面画像記録済シートSの第二面にもトナー像Tnが転写される。
【0027】
図2は実施例1のシート供給路の要部拡大図である。
図3は実施例1のシート供給路をシートが通過する際の説明図であり、図3Aは上方からみた説明図、図3Bはセンサにより検知されるシートの姿勢の説明図、図3Cはシートが検知領域を通過する際のセンサの検知信号の説明図である。
図2、図3において、実施例1の前記シート供給路SH1には、前記レジロールRrの媒体搬送方向上流側に、前記シートSの姿勢を検知する姿勢検知部材の一例としての第一センサSN1が配置されている。
実施例1の前記第一センサSN1は、シートSの搬送方向と直交する方向に距離L1の間隔をあけて並べて配置された前後一対の第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bを有している。
なお、実施例1では、前記第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bは、いわゆる光センサにより構成されており、第一検知領域Q11において、シートSの有無及び検知時期の差により、前記シートSの姿勢を検知する。
【0028】
また、前記シート供給路SH1には、前記レジロールRrの媒体搬送方向下流側で、前記転写領域Q3の媒体搬送方向上流側に、前記シートSの姿勢を検知する第二の姿勢検知部材の一例としての第二センサSN2が配置されている。
前記第二センサSN2も、第一センサSN1と同様に構成されており、シートSの搬送方向と直交する方向に距離L1の間隔をあけて並べて配置された前後一対の第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bを有し、第二検知領域Q12において、シートSの有無及び検知時期の差により、前記シートSの姿勢を検知する。
【0029】
シート供給路SH1において、シートSの媒体搬送方向前端部の一例としての前端縁Saが第一検知領域Q11を通過した後に、シートSの前端縁Saは、前記レジロールRrの一対の部材が対向して接触する姿勢補正領域Q13に到達する。
この際に、前記レジロールRrの駆動は一時的に停止され、シートSの前端縁SaはレジロールRrに突き当てられて、前記姿勢補正領域Q13において停止する一方で、媒体搬送方向上流側の駆動し続ける搬送ロールRaにより、前記シートSの後端側は姿勢補正領域Q13側に搬送され続ける。これにより、前記シートSは、後端側から押されて湾曲する、いわゆるループが形成されると共に、前端縁Saが姿勢補正領域Q13に沿うように、姿勢が補正される。すなわち、実施例1では、前記レジロールRrにより、感光体ドラムPRの主走査方向と前記シートSの前端縁Saとが平行になる姿勢である基準姿勢に向けて、前記シートSの姿勢が補正される。
【0030】
そして、予め設定された時期になると、前記レジロールRrは駆動を再開し、前記シートSは、前端縁Saが第二検知領域Q12を通過した後に、転写領域Q3に到達する。
なお、実施例1では、前記レジロールRrの軸方向と前記感光体ドラムPRの主走査方向とは、シートSの搬送方向に直行する方向に設定されており、前記姿勢補正領域Q13と前記転写領域Q3は平行になるように設定されている。
【0031】
(実施例1の制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う入出力信号調節部の一例としての入出力インターフェース、いわゆる、I/O、必要な処理を実行するためのプログラムおよびデータ等が記憶されたリードオンリーメモリ、いわゆる、ROM、必要なデータを一時的に記憶するためのランダムアクセスメモリ、いわゆる、RAM、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置、いわゆる、CPU、ならびにクロック発振器等を有する計算機の一例としてのコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0032】
(コントローラCに接続された信号出力要素)
前記コントローラCには、次の信号出力要素の出力信号が入力されている。
UI:動作指示入力部
動作指示入力部UIは、複写開始釦の一例としてのコピースタートキーUI1、数字釦の一例としてのテンキーUI2,複写枚数入力釦の一例としてのコピー枚数入力キーUI3、表示部UI4、媒体種類入力釦の一例としてのシート種類入力キーUI5、両面印刷設定釦の一例としての両面印刷設定キーUI6等を備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
SN1:第一センサ
第一センサSN1は、第一検知領域Q11において、第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bにより、シートSの有無を検知し、その検知信号をコントローラCに入力する。
SN2:第二センサ
第二センサSN2は、第二検知領域Q12において、第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bにより、シートSの有無を検知し、その検知信号をコントローラCに入力する。
【0033】
(コントローラCに接続された被制御要素)
コントローラCは、次の被制御要素D1,D2,E,DLの制御信号を出力している。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、図示しない駆動力伝達部材の一例としてのギヤを介して感光体ドラムPR、さばきロールRs、搬送ロールRa,Rb、現像器Gの現像ロールR0、定着装置Fの加熱ロールFh等を回転駆動する。
【0034】
D2:レジロール駆動回路
レジロール駆動回路D2は、レジロール駆動モータM2の動作を制御してレジロールRrを回転駆動する。
DL:像書込光駆動信号出力装置
像書込光駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じた像書込光駆動信号を前記露光装置RSに出力する。
【0035】
E:電源回路
前記電源回路Eは、現像用電源回路E1、帯電用電源回路E2、転写ロール用電源回路E3と加熱ロール用電源回路E4とを有している。
E1:現像用電源回路
現像用電源回路E1は現像器Gの現像ロールR0に現像電圧を印加する。
E2:帯電用電源回路
帯電用電源回路E2は帯電ロールCRに帯電電圧を印加する。
E3:転写ロール用電源回路
転写ロール用電源回路E3は転写ロールTRに転写電圧を印加する。
E4:加熱ロール用電源回路
加熱ロール用電源回路E4は定着装置Fの加熱ロールFhの加熱部材の一例としてのヒータに加熱用の電力を印加する。
【0036】
(コントローラCの機能)
コントローラCは、前記動作指示入力部UI、前記第一センサSN1,第二センサSN2の出力信号に応じて前記各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成動作制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、コピースタートキーUI1の入力に応じて、前記露光装置RS、帯電ロールCR、転写ロールTR、定着装置F等の動作を制御して、画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
【0037】
C2:メインモータ回転制御手段
主駆動源制御手段の一例としてのメインモータ回転制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を介してメインモータM1の回転を制御して、感光体ドラムPRや現像器Gの現像ロールR0、定着装置Fの加熱ロールFh等の駆動を制御する。
【0038】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、電源回路Eの作動を制御して、現像ロールR0や帯電ロールCR、転写ロールTR、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータ等への電圧、電流の供給を制御する。
C4:レジロール回転制御手段
媒体搬送時期調節部材制御手段の一例としてのレジロール回転制御手段C4は、前記レジロール駆動回路D2を介してレジロール用モータM2の回転を制御して、レジロールRrの駆動を制御する。
C5:シート種類判別手段
媒体種類判別手段の一例としてのシート種類判別手段C5は、画像形成動作の際に、搬送されて画像が記録されるシートSの種類を判別する。
実施例1のシート種類判別手段C5は、前記シート種類入力キーUI5による入力情報に応じて、前記シートSの種類として、厚紙や普通紙等の紙種、A4LEF、B4SEF等の媒体規格、媒体搬送方向を判別する。
C6:両面印刷判別手段
両面印刷判別手段C6は、前記両面印刷設定キーUI6による入力情報に応じて、両面印刷のジョブか否かを判別する。
【0039】
C7:スキュー量検知手段
姿勢検知手段の一例としてのスキュー量検知手段C7は、第一センサスキュー量検知手段C7Aと、第二センサスキュー量検知手段C7Bと、を有し、前記第一センサSN1、第二センサSN2による検知信号に基づいて、シートSの姿勢の一例としてのスキュー量S1,S2を検知する。
C7A:第一センサスキュー量検知手段
第一姿勢検知手段の一例としての第一センサスキュー量検知手段C7Aは、前記第一センサSN1の検知信号に基づいて、第一スキュー量S1を検知する。
実施例1の前記第一センサスキュー量検知手段C7Aは、第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bによるシートSの有無の検知時期の差により、第一スキュー量S1を検知する。
具体的には、図3B、図3Cにおいて、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aは、第一前側センサSN1a及び第一後側センサSN1bにより、シート無しの状態からシート有りの状態が検知された場合、第一前側センサSN1aの検知信号が切り替わった時期t1と、第一後側センサSN1bの検知信号が切り替わった時期t2と、搬送ロールRaに基づいて定まるシートSの搬送速度V1と、に基づいて、S1=V1×(t1−t2)/L1として、第一スキュー量S1を検知する。
【0040】
C7B:第二センサスキュー量検知手段
第二姿勢検知手段の一例としての第二センサスキュー量検知手段C7Bは、前記第二センサSN2の検知信号に基づいて、シートSの第二スキュー量S2を検知する。
実施例1の第二センサスキュー量検知手段C7Bは、前記第二センサSN2の第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bに基づいて、前記第一センサスキュー量検知手段C7Aと同様にして、第二スキュー量S2を検知する。
【0041】
図5は実施例1の対応情報の説明図である。
C8:対応情報記憶手段
対応情報記憶手段C8は、前記第一センサSN1による検知結果と、前記検知結果に対応する前記レジロールRrにより補正された後の前記シートSの姿勢と前記基準姿勢の差である残余量S3と、の関係を特定する対応情報であって、シートSの種類毎に予め測定された前記対応情報を記憶する。
実施例1では、前記基準姿勢はスキュー量0のシートSの姿勢に相当し、実施例1の対応情報記憶手段C8は、厚紙や普通紙等の紙種、A4LEF、B4SEF等の媒体規格、媒体搬送方向などのシートSの種類毎に、前記第一スキュー量S1に対応する、前記残余量S3の対応情報を記憶する。
具体的には、図5において、実施例1の対応情報記憶手段C8は、整数m,nが1以上の任意の整数を表す場合に、実験などにより予め測定された第一スキュー量S1と、残余量S3との関係を特定する係数である係数amn,bmnを記憶し、シートSの種類毎に、S3=amn×S1+bmnの一次関数を対応情報として記憶する。
【0042】
C9:残余量演算手段
残余量演算手段C9は、対応情報設定手段C9Aを有し、前記第一センサSN1による検知結果に基づいて、前記レジロールRrにより補正された後の前記残余量S3を演算する。
実施例1の残余量演算手段C9は、前記第一センサSN1による検知結果としての前記第一スキュー量S1に基づいて、後述する対応情報設定手段C9Aにより設定された対応情報の一次関数に基づいて、前記残余量S3を、S3=amn×S1+bmnにより演算する。
C9A:対応情報設定手段
対応情報設定手段C9Aは、前記シート種類判別手段C5により判別されたシートSの種類に基づいて、前記対応情報記憶手段C8に記憶された前記対応情報の中からシートSの種類に対応する係数amn,bmnの一次関数を読み出して、残余量S3の演算に使用する一次関数を設定する。
【0043】
C10:ズレ量演算手段
差分量演算手段の一例としてのズレ量演算手段C10は、前記残余量演算手段C9により演算された前記残余量S3と、前記第二センサSN2による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量S4と、の差分である差分量の一例としてのズレ量ΔSを演算する。
実施例1のズレ量演算手段C10は、両面印刷判別手段C6により両面印刷と判別された場合に、前記残余量S3と、前記第二センサSN2による検知結果としての前記第二スキュー量S2と前記基準姿勢との差である検知残余量S4と、の差分であるズレ量ΔSを演算する。
具体的には、実施例1では、前記基準姿勢がスキュー量0のシートSの姿勢として設定されており、検知残余量S4は第二スキュー量S2に等しく、S4=S2である。そして、前記ズレ量演算手段C10により、両面印刷の場合に、前記検知残余量S4と、残余量S3と、の差分であるズレ量ΔSがΔS=S3−S4として演算される。
【0044】
図6は実施例1の転写領域におけるシートと記録される画像の説明図であり、図6Aは基準姿勢のシートに主走査方向の直線部を有する画像が記録された場合の説明図、図6Bはスキューしたシートに残余量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図、図6Cは両面印刷の場合の説明図であり、スキューしたシートの第二面に残余量とズレ量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図である。
なお、図6以降において、本発明の作用の理解を容易にするために、第二スキュー量S2や残余量S3に基づく角度θ2,θ3等は比較的大きな角度で図示してあるが、実際には、第二スキュー量S2や残余量S3は、3mm/200mm程度以下の値であり、第二スキュー量S2や残余量S3に基づく角度θ2,θ3等は微小な角度である。
【0045】
C11:画像回転手段
画像回転手段C11は、第一面画像回転手段C11Aと、第二面画像回転手段C11Aとを有し、前記残余量S3、前記ズレ量ΔSに基づいて、シートSに形成する画像を回転させる。
C11A:第一面画像回転手段
第一面画像回転手段C11Aは、前記残余量S3に基づいて、シートSに形成する画像を回転させる。
実施例1の第一面画像回転手段C11Aは、例えば、感光体ドラムPRに主走査方向の直線部を有する潜像が形成され、図6Aに示すように、基準姿勢のシートSの幅方向に直線部1を有する画像2が記録される原稿画像の場合、基準姿勢に対して傾斜したシートS、いわゆる、スキューが残ったシートSに画像を記録する際に、前記残余量S3に基づく角度θ3分、前記原稿画像を回転させる。
これにより、感光体ドラムPRに回転した潜像が形成され、図6Bに示すように、スキューが残ったシートSに対して、スキューが残ったシートSの幅方向に沿った直線部1を有する画像2が記録される。
【0046】
C11B:第二面画像回転手段
第二面画像回転手段C11Bは、前記シート反転路SH3を通過して前記第一センサSN1の第一検知領域Q11に再送された前記シートSに対する、前記第一センサSN1の検知結果に基づいて演算された前記残余量S3′と、前記ズレ量ΔSと、に基づいて、シートSの第二面に形成する画像を回転させる。
実施例1の第二面画像回転手段C11Bは、例えば、図6Bに示すように第二センサSN2で検知されたスキュー量S2に対応する角度θ2だけスキューが残った状態で、残余量S3に基づく直線画像3がシートSの第一面に記録されている場合、第二面に画像が記録される際に、前記残余量S3′に基づく角度θ3′と、前記ズレ量ΔSに基づく角度Δθと、の合計分、感光体ドラムPRに形成される潜像を回転させる。
これにより、感光体ドラムPRに回転した潜像が形成され、図6Cに示すように、第二面に画像が記録される際に、スキューが残ったシートSに対して、主走査方向から角度(θ3′−Δθ)だけ回転した画像3が記録される。
【0047】
図7は実施例1の履歴対応情報の説明図であり、図7Aは第一スキュー量と検知残余量との対応図、図7Bは第一スキュー量を横軸に取り検知残余量を縦軸に取った散布図である。
C12:対応情報更新手段
対応情報更新手段C12は、スキュー量履歴情報記憶手段C12Aと、スキュー量履歴情報更新手段C12Bと、対応情報演算手段C12Cと、を有し、前記第一センサSN1による検知結果に、前記第二センサSN2による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量S4を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段C8に記憶された前記対応情報を更新する。
実施例1の対応情報更新手段C12は、後述する対応情報演算手段C12Cによる演算結果に基づいて、前記対応情報を更新する。
【0048】
C12A:スキュー量履歴情報記憶手段
残余量履歴情報記憶手段の一例としてのスキュー量履歴情報記憶手段C12Aは、前記第一センサSN1による検知結果としての第一スキュー量S1に、前記第二センサSN2による検知結果としての第二スキュー量S2と前記基準姿勢との差である検知残余量S4を対応させた履歴対応情報(S1;S4)を、シートSの種類毎に記憶する。
実施例1のスキュー量履歴情報記憶手段C12Aは、シートSの種類毎に、図7Aに示すように、レジロールRrにより姿勢が補正される前の第一スキュー量S1と、前記レジロールRrにより補正された後の検知残余量S4と、を対応させた予め設定された個数jの履歴対応情報(S1;S4)=(S11,S12,S13,…,S1j;S41,S42,S43,…,S4j)を記憶する。
なお、実施例1のスキュー量履歴情報記憶手段C12Aでは、初期値として、対応情報記憶手段C8に記憶された一次式を満たす複数の履歴対応情報(S1;S4)が、仮の情報、いわゆるダミーの履歴対応情報(S1;S4)が記憶されているが、第一スキュー量S1と、第一スキュー量S1に対応する検知残余量S4と、を予め測定して記憶させることも可能である。
【0049】
C12B:スキュー量履歴情報更新手段
残余量履歴情報更新手段の一例としてのスキュー量履歴情報更新手段C12Bは、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)を、シートSの種類毎に更新する。
実施例1のスキュー量履歴情報更新手段C12Bは、シートSに画像が記録される度に第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1と、第二センサSN2の検知結果に基づく検知残余量S4に基づいて、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶されたシートSの種類に対応する履歴対応情報(S1;S4)を、更新する。
なお、実施例1のスキュー量履歴情報更新手段C12Bでは、複数の履歴対応情報(S1;S4)のうち、最も古い履歴対応情報(S1;S4)を消去して、最新の履歴対応情報(S1;S4)を登録することにより、更新する。
【0050】
C12C:対応情報演算手段
対応情報演算手段C12Cは、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)に基づいて、対応情報記憶手段C8に記憶される対応情報を演算する。
実施例1の対応情報演算手段は、図7Bにおいて、最小二乗法により、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)について、S4=amn×S1+bmnを満たす係数amn,bmnを演算する。
したがって、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報の係数amn,bmnの一次関数は、応情報演算手段C12Cにより演算された係数amn,bmnの一次関数に更新される。
なお、実施例1では、スキュー量履歴情報記憶手段C12Aの履歴対応情報(S1;S4)が更新される度に、対応情報演算手段C12Cにより、係数amn,bmnが演算されるが、予め設定された時期、例えば、予め設定された画像記録枚数毎、例えば10万枚毎、電源投入時など、任意の時期に演算、更新させる構成にすることが可能である。
【0051】
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、本発明の実施例1の複写機Uの処理の流れを、流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例1の記録位置補正処理のフローチャートの説明)
図8は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートである。
図9は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートであり、図8の続きのフローチャートである。
図8、図9のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記複写機UのコントローラCに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図8、図9に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
【0052】
図8のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、設定されたシートSの種類を判別して、ST3に移る。
ST3において、シートSの種類に対応する対応情報を設定し、ST4に移る。
ST4において、第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に移り、ノー(N)の場合はST4を繰り返す。
ST5において、対応情報の一次関数に基づいて、スキュー量S1に対応する残余量S3を演算し、ST6に移る。
【0053】
ST6において、残余量S3に基づいて原稿画像を回転させ、ST7に移る。
ST7において、第二センサSN2の検知結果に基づく第二スキュー量S2が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST7を繰り返す。
ST8において、第一スキュー量S1と、第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、の対応履歴情報(S1;S4)を更新し、ST9に移る。
ST9において、対応履歴情報(S1;S4)に基づいて、対応情報の一次関数を演算し、ST10に移る。
ST10において、対応情報の一次関数を更新し、ST11に移る。
【0054】
図9のST11において、両面印刷か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST12において、残余量S3と、検知残余量S4と、に基づいて、ズレ量ΔSを演算し、ST13に移る。
ST13において、第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に移り、ノー(N)の場合はST13を繰り返す。
ST14において、対応情報の一次関数に基づいて、第一スキュー量S1に対応する残余量S3′を演算し、ST15に移る。
ST15において、残余量S3′、ズレ量ΔSに基づいて、原稿画像を回転させ、ST16に移る。
【0055】
ST16において、第二センサSN2の検知結果に基づく第二スキュー量S2が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に移り、ノー(N)の場合はST16を繰り返す。
ST17において、第一スキュー量S1と、第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、の対応履歴情報(S1;S4)を更新し、ST18に移る。
ST18において、対応履歴情報(S1;S4)に基づいて、対応情報の一次関数を演算し、ST19に移る。
ST19において、対応情報の一次関数を更新し、ST20に移る。
ST20において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図8のST1に戻り、ノー(N)の場合はST4に戻る。
【0056】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、画像形成動作の一例としてのジョブが実行されると、利用者の設定に応じた種類のシートSが給紙トレイTR1〜TR4から給紙される。前記シートSは、シート供給路SH1を搬送されて転写領域Q3において画像が記録され、排紙トレイTRhに排出される。また、両面印刷の場合には、前記シートSは、第一面に画像が記録された後に、シート反転路SH3を搬送され、表裏が反転した状態で転写領域Q3に再送される。そして、第一面と同様にして、シートSの第二面に画像が記録され、排紙トレイTRhに排出される。
【0057】
図10はシートの第一面に画像が記録された際の説明図であり、図10Aは実施例1のスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図、図10Bは画像が回転されない構成でスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図である。
実施例1の複写機Uでは、シート供給路SH1を搬送されるシートSは、レジロールRrにより姿勢が基準姿勢に向けて補正された後に、転写領域Q3において画像11が記録される。この際に、記録位置補正処理のST3〜ST5により、第一検知領域Q11において、シートSの前端縁Saに基づいて第一スキュー量S1が検知され、前記スキュー量S1に基づいて、転写領域Q3における補正しきれずに残ると予測されるスキュー量である残余量S3が演算される。そして、記録位置補正処理のST6により、前記残余量S3に対応する角度θ3だけ、原稿情報に基づいた画像が回転される。そして、回転された画像に基づいて、感光体ドラムPRに潜像が形成され、図10Aに示すように、転写領域Q3においてスキューが残ったシートSに画像11が記録される。
【0058】
ここで、従来のように、原稿情報に基づいた画像が回転されない構成では、前記レジロールRrにより姿勢が補正しきれずに、スキューが残ったシートSに対して、転写領域Q3において基準姿勢に対応する画像が記録され、図10Bに示すように、シートSに対して相対的に傾斜した画像12が記録される。
これに対し、実施例1では、前記レジロールRrにより補正しきれないシートSの姿勢を残余量S3として演算して、残余量S3に基づいて、原稿情報に基づいた画像を回転させて画像11を記録しており、図10Aに示すように、スキューが残ったシートSに対して相対的に傾斜が低減された画像11が記録され、画像が回転されない構成に比べて、画像の位置ずれが低減されている。
【0059】
また、画像を回転させる際に、従来のように、姿勢補正部材としてのレジロールRrよりも媒体搬送方向下流側に設けられた検知部材による補正後のシートSの検知結果や、実施例1の第二スキュー量S2などに基づいて画像を回転させる場合、姿勢を検知してから画像が記録されるまでの時間が、実施例1のように補正前のシートSの姿勢を検知してから画像の処理を行う場合に比べて、短くなる。
すなわち、シートSの姿勢を補正した後に、画像の回転処理や、潜像形成処理等が実行される構成では、感光体ドラムPR表面の画像が転写領域Q3に到達する時期に、シートSの到達する時期を合わせようとすると、シートSの転写領域Q3への到達時期を遅くする必要がある。したがって、レジロールRrから転写領域Q3までのシートSの搬送速度を低下させるか、レジロールRrから転写領域Q3までの搬送距離を長くする必要があり、単位時間当たりの印刷枚数である生産性が低下したり、複写機Uが大型化したりする。
【0060】
これに対し、実施例1では、レジロールRrにより姿勢が補正される前のシートSの姿勢に基づいて姿勢補正後の残余量S3を予測、推定して、画像を回転させており、姿勢が補正された後のシートSの姿勢に基づく構成に比べて、生産性の低下や、複写機Uの大型化が低減される共に、レジロールRrによる転写領域Q3におけるシートSの姿勢の補正精度の悪化も低減されている。
【0061】
図11は両面印刷の場合の説明図であり、図11Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録された場合の説明図、図11Bはスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図、図11Cはスキューが残ったシートの第二面に、残余量のみに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
両面印刷の場合、第一面に画像が記録されたシートSは、シート反転路SH3を反転されて、第一検知領域Q11に再送される。そして、第一面と同様にして第二面に画像が記録される。
この際に、実施例1の複写機Uでは、記録位置補正処理のST12により、第一面に画像が記録される際に検知される姿勢補正後のシートSの第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、第一面に画像を記録する際の残余量S3と、に基づいて、ズレ量ΔSが演算される。そして、第二面に画像が記録される際に、記録位置補正処理のST13〜ST15によって、第一面と同様にして演算された第二面の残余量S3′と、第二面に画像が記録される際に演算されるズレ量ΔSとに基づいて、図11Bに示すように画像13が記録される。
【0062】
ここで、残余量S3は、姿勢補正前の第一スキュー量S1から対応情報の一次関数に基づいて演算された値であり、シートSの個体差などによって、姿勢補正後の実際のスキュー量とは異なってしまう場合がある。
すなわち、第一面に画像が記録される際に、姿勢補正後の実際のスキュー量としての第二スキュー量S2に基づく角度θ2と、残余量S3に基づく角度θ3と、は異なる場合があり、スキューが残ったシートSに、残余量S3に基づいて回転された画像が記録されると、図11Aに示すように、シートSに対してズレ量ΔSに基づく角度Δθだけ傾斜して画像11が記録される場合がある。
【0063】
したがって、ズレ量ΔSの分傾斜した画像が第一面に記録されたシートSにおいて、その裏面である第二面に画像が記録される際に、第一面と同様に記録位置補正処理のST6のように処理されるだけでは、図11Cに示すようにシートSに対する画像14の傾斜は低減されるが、前記ズレ量ΔSの分、第一面の画像11とのズレが残ってしまう場合がある。
これに対し、実施例1では、第二面に画像が記録される際に、第二面に記録する際の残余量S3′と、ズレ量ΔSと、に基づいて画像を回転させて記録しており、シートSに対する画像13の傾斜が低減されると共に、残余量S3′のみに基づく場合に比べて、第一面と第二面の表裏のズレが低減されている。
【0064】
なお、実施例1の複写機Uでは、残余量S3,S3′を演算する際に、シートSの種類毎に設定された対応情報に基づいて、残余量S3,S3′は演算されており、シートSの種類に基づかない場合に比べて、演算される残余量S3,S3′と、姿勢補正後の第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4とのズレが低減されており、画像の記録位置のズレが低減されている。
また、実施例1の複写機Uでは、記録位置補正処理のST8〜ST10,ST17〜ST19により、姿勢補正前の第一スキュー量S1と姿勢補正後の第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4とに基づいて、第一スキュー量S1と残余量S3,S3′との対応情報が更新されている。
したがって、実施例1の複写機Uでは、経時的な変化により、レジロールRrによるシートSの補正能力が変化した場合でも、経時的な変化に対応した対応情報に基づく残余量S3,S3′により、画像が回転されており、対応情報が更新されない構成に比べて、経時的な変化に伴う画像の位置ずれが低減されている。
【実施例2】
【0065】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
実施例2では、シート供給路SH1において、シートSの前端縁SaがレジロールRrに到達して、シートSの姿勢が補正された後に、前記シートSの後端縁Sbが第一検知領域Q11を通過するように、第一検知領域Q11の位置が設定されている。
すなわち、実施例2の第一検知領域Q11において、後端部姿勢検知部材を兼ねた姿勢検知部材の一例としての第一センサSN1により、姿勢補正前のシートSの前端縁Saと、姿勢補正後のシートSの後端縁Sbと、の通過の有無が検知可能に構成されており、シートSの姿勢が検知可能に構成されている。
【0066】
(実施例2の制御部の説明)
図12は実施例2の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例2の制御部C″は、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aと、ズレ量演算手段C10と、第二面画像回転手段C11Bとに替えて、第一センサスキュー量検知手段C7A″と、ズレ量演算手段C10″と、第二面画像回転手段C11B″と、を有している。
また、実施例2の制御部C″には、後端検知対応情報記憶手段C8″と、後端部検知残余量演算手段C9″と、が追加されている。
【0067】
C7A″:第一センサスキュー量検知手段
実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7A″は、前記第一センサSN1の検知信号に基づいて、第一スキュー量S1と、後端第一スキュー量S1″と、を検知する。
すなわち、実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7A″では、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aと同様にシートSの前端縁Saの通過に基づいて第一スキュー量S1が検知されると共に、第一前側センサSN1a及び第一後側センサSN1bにより、シート有りの状態からシート無しの状態が検知された場合に、後端第一スキュー量S1″が検知される。
したがって、実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7″では、シート無しの状態からシート有りの状態に切り替わる検知信号に基づいて、前端縁Saに基づく第一スキュー量S1が検知され、シート有りの状態からシート無しの状態に切り替わる検知信号に基づいて、シートSの媒体搬送方向後端部の一例としての後端縁Sbに基づく後端第一スキュー量S1″が検知される。
【0068】
C8″:後端検知対応情報記憶手段
後端検知対応情報記憶手段C8″は、前記第一センサSN1によるシートSの検知結果と、前記レジロールRrにより補正された後の前記シートSの姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量S4″と、の関係を特定する後端検知対応情報であって、シートSの種類毎に予め測定された前記後端検知対応情報を記憶する。
実施例2の後端検知対応情報記憶手段C8″は、第一スキュー量S1と残余量S3との関係を特定する対応情報に替えて、前記第一センサSN1によるシートSの検知結果としての後端第一スキュー量S1″と後端検知残余量S4″の関係を特定する後端検知対応情報を記憶している点以外は、対応情報記憶手段C8と同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0069】
C9″:後端検知残余量演算手段
後端検知残余量演算手段C9″は、後端検知対応情報設定手段C9A″を有し、前記第一センサSN1による検知結果に基づいて、前記後端検知残余量S4″を演算する。
実施例2の後端検知残余量演算手段C9″は、後端検知対応情報設定手段C9A″により設定された後端検知対応情報と、前記第一センサSN1による後端の検知結果としての前記後端第一スキュー量S1″と、に基づいて、前記後端検知残余量S4″を演算する点以外は、前記残余量演算手段C9と同様なので、その詳細な説明は省略する。
【0070】
C10″:ズレ量演算手段
実施例2の差分量演算手段の一例としてのズレ量演算手段C10″は、前記残余量演算手段C9により演算された前記残余量S3と、前記後端検知残余量演算手段C9″により演算された前記後端検知残余量S4″と、の差分である差分量の一例としてのズレ量ΔS″を演算する。
実施例2のズレ量演算手段C10″は、両面印刷判別手段C6により両面印刷と判別された場合に、前記残余量S3と、前記後端検知残余量S4″と、の差分であるズレ量ΔS″を、ΔS″=S3−S4″として演算する。
【0071】
C11B″:第二面画像回転手段
実施例2の第二面画像回転手段C11B″は、前記シート反転路SH3を通過して前記第一センサSN1の第一検知領域Q11に再送された前記シートSに対する、前記第一センサSN1の検知結果に基づいて演算された前記残余量S3′と、前記ズレ量ΔS″と、に基づいて、シートSの第二面に形成する画像を回転させる。
実施例2の第二面画像回転手段C11B″は、実施例1のズレ量ΔSに替えて、ズレ量ΔS″に基づいて画像を回転させる以外は、実施例1の第二面画像回転手段C11Bと同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0072】
(実施例2のフローチャートの説明)
次に、本発明の実施例2の複写機Uの処理の流れを、流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例2の記録位置補正処理のフローチャートの説明)
図13は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
図14は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、図13の続きのフローチャートであって実施例1の図9に対応する図である。
実施例2のフローチャートでは、実施例1のST3,ST12,ST15に替えて、ST3″,ST12″,ST15″が実行される。また、実施例2のフローチャートでは、ST11とST12″の間に、ST21,ST22が実行される。
次に実施例2のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理の説明は省略し、ST3″,ST21,ST22,ST12″,ST15″ついてのみ説明する。
【0073】
図13のST3″において、次の(1),(2)の処理を実行しST4に移る。(1)シートSの種類に対応する対応情報を設定する。
(2)シートSの種類に対応する後端検知対応情報を設定する。
図14のST21において、第一センサSN1の検知結果に基づく後端第一スキュー量S1″が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、後端検知対応情報の一次関数に基づいて、後端第一スキュー量S1″に対応する後端検知残余量S4″を演算し、ST12″に移る。
ST12″において、残余量S3と、後端検知残余量S4″と、に基づいて、ズレ量ΔS″を演算し、ST13に移る。
ST15″において、残余量S3′、ズレ量ΔS″に基づいて、原稿画像を回転させ、ST16に移る。
【0074】
(実施例2の作用)
図15は実施例2の複写機において画像が記録される際の説明図であって、図15Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録される場合の説明図、図15Bは両面印刷の場合にスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
前記構成を備えた実施例2の複写機Uでは、残余量S3に基づいて画像が回転されて、図15Aに示すようにシートSの第一面に画像が記録され、両面印刷の場合に、残余量S3′と、実施例1のズレ量ΔSに替えたズレ量ΔS″と、に基づいて画像が回転されて、図15Bに示すように第二面に画像が記録され、実施例1と同様に、画像の位置ずれが低減されている。
なお、両面印刷の際に、実施例1では転写領域Q3のズレ量ΔSを、第一センサSN1、第二センサSN2に基づいて演算していたが、実施例2では転写領域Q3のズレ量ΔS″を第一センサSN1のみの検知結果に基づいて演算している。
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、単色現像の画像形成装置に限定されず、多色、いわゆるカラーの画像形成装置により構成することも可能である。
【0076】
(H02)前記各実施例において、第一スキュー量S1から残余量S3,S3′を演算したり、後端第一スキュー量S1″から後端検知残余量S4″を演算したりする際に、一次式としての対応情報や、一次式としての後端検知対応情報に基づいて演算する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第一スキュー量S1に対応する残余量S3,S3′の一覧表、いわゆる、ルックアップテーブルにより構成された対応情報や、後端第一スキュー量S1″に対応する後端検知残余量S4″が対応したルックアップテーブルにより構成された後端検知対応情報に基づいて演算する構成も可能である。
また、前記各実施例において、前記対応情報や後端検知対応情報は、一次式ではなく、測定結果に応じて多次式や任意の関数を採用することも可能である。
(H03)前記各実施例において、両面印刷の場合には、第二面に画像を記録する際に、残余量S3′とズレ量ΔS,ΔS″とに基づいて、画像を回転して記録し、表裏の画像の位置ずれを低減する構成が望ましいが、第一面と同様に、残余量S3′のみに基づいて画像を回転して記録する構成も可能である。
【0077】
(H04)前記各実施例において、第一センサSN1は、第一前側センサSN1aと第一後側センサSN1bとによる前後一対の光センサにより構成され、第二センサSN2は、第二前側センサSN2aと第二後側センサSN2bとによる前後一対の光センサにより構成されていたが、これに限定されず、例えば、線上に検知部が並んで配置された、いわゆる、ラインセンサにより、第一センサSN1、第二センサSN2を構成することも可能である。
(H05)前記各実施例において、姿勢補正部材の一例としてのレジロールRrに、シートSの前端が突き当てられてシートSの姿勢が補正される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、シートSの幅方向を揃えて姿勢を補正する姿勢補正部材の一例としてのサイドガイドによる構成も可能である。
(H06)前記各実施例において、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報は更新される構成、すなわち、学習機能がある構成が望ましいが、更新されない構成も可能である。なお、この場合、実施例2においては、第二センサSN2が省略可能である。
【0078】
(H07)前記実施例2において、後端検知対応情報記憶手段C8″に記憶された後端検知対応情報も、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報と同様に、更新される構成することも可能である。
(H08)前記実施例2において、後端検知残余量S4″は、後端第一スキュー量S1″に基づいて予測、演算される構成が望ましいが、後端第一スキュー量S1″を後端検知残余量S4″とみなす構成、すなわち、S1″=S4″として各処理を行う構成も可能である。
(H09)前記各実施例において、スキュー量S1,S1″,S2や、残余量S3,S3′、後端検知残余量S4,S4″は正接、いわゆるタンジェントによる構成を例示したが、これに限定されず、媒体の姿勢としての角度に基づく関数であれば、任意の関数を適用した構成が可能である。
【0079】
(H010)前記各実施例において、転写領域Q3の媒体搬送方向上流側に設置された第二センサSN2により、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成を例示したが、転写領域Q3の媒体搬送方向下流側に、第二センサSN2を設置して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成も可能である。
(H011)前記実施例2において、レジロールRrの媒体搬送方向上流側の第一センサSN1により、後端縁Sbを検知して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成が望ましいが、前記第一センサSN1とは別に、後端姿勢検知部材を設け、後端縁Sbを検知して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成も可能である。
(H012)前記各実施例において、レジロールRrの媒体搬送方向上流側の第一センサSN1により、姿勢補正前のシートSの前端縁Saに基づく姿勢を検知して、残余量S3,S3′が演算される構成を例示したが、姿勢補正前のシートSの後端縁Sbに基づいて、
姿勢を検知する構成も可能である。この場合、前記第一センサSN1は、実施例1等よりもさらに上流側であって、シートSの前端縁SaがレジロールRrに突入する前に、シートSの後端縁Sbを検知可能な位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は実施例1のシート供給路の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1のシート供給路をシートが通過する際の説明図であり、図3Aは上方からみた説明図、図3Bはセンサにより検知されるシートの姿勢の説明図、図3Cはシートが検知領域を通過する際のセンサの検知信号の説明図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図5】図5は実施例1の対応情報の説明図である。
【図6】図6は実施例1の転写領域におけるシートと記録される画像の説明図であり、図6Aは基準姿勢のシートに主走査方向の直線部を有する画像が記録された場合の説明図、図6Bはスキューしたシートに残余量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図、図6Cは両面印刷の場合の説明図であり、スキューしたシートの第二面に残余量とズレ量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図である。
【図7】図7は実施例1の履歴対応情報の説明図であり、図7Aは第一スキュー量と検知残余量との対応図、図7Bは第一スキュー量を横軸に取り検知残余量を縦軸に取った散布図である。
【図8】図8は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートである。
【図9】図9は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートであり、図8の続きのフローチャートである。
【図10】図10はシートの第一面に画像が記録された際の説明図であり、図10Aは実施例1のスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図、図10Bは画像が回転されない構成でスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図である。
【図11】図11は両面印刷の場合の説明図であり、図11Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録された場合の説明図、図11Bはスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図、図11Cはスキューが残ったシートの第二面に、残余量のみに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
【図12】図12は実施例2の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図13】図13は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
【図14】図14は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、図13の続きのフローチャートであって実施例1の図9に対応する図である。
【図15】図15は実施例2の複写機において画像が記録される際の説明図であって、図15Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録される場合の説明図、図15Bは両面印刷の場合にスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
【符号の説明】
【0081】
C5…媒体種類判別手段、
C8…対応情報記憶手段、
C9…残余量演算手段、
C9″…後端検知残余量演算手段、
C10,C10″…差分量演算手段、
C11…画像回転手段、
C12…対応情報更新手段、
Q3…画像記録位置、
Rr…媒体姿勢補正部材、
S…媒体、
Sb…媒体搬送方向後端部、
S3,S3′…残余量、
S4・・・検知残余量、
S4″…後端検知残余量、
SN1…姿勢検知部材、後端部姿勢検知部材、
SN2…第二の姿勢検知部材、
SH1…搬送路、
SH2…反転路、
U…画像形成装置、
U1b…画像記録部、
ΔS,ΔS″…差分量。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、媒体に記録される画像の位置ずれを補正する技術として、以下の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開平10−319674号公報には、感光体ドラム(9)等を有する、いわゆる、電子写真方式の画像形成装置が記載されており、転写紙(P)が転写位置に搬送される際に、搬送方向に対して直角方向に設けられた二つのずれ検出部(5)により転写紙(P)を検出して、転写紙(P)の傾きであるスキューを補正するためのスキュー補正手段(13)を備えたレジストローラ対(3)により、転写紙(P)を搬送すると共に、転写紙(P)の傾きを調節し、スキューや画像の位置ずれであるレジストずれを補正する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、スキュー補正やレジストずれ補正の際に、搬送される転写紙(P)のスキュー量(S)や、両面印刷の際に記録された測定パターン(19)を、レジストローラ対(3)下流側の検出部(5)により検出し、その検出結果に基づいて、レジストローラ対(3)の一方の軸端部を、モータ(17)の駆動により、搬送方向に沿って移動させ、転写紙(P)の感光体ドラム(9)の軸方向に対する傾きを調節している。
【0003】
特許文献2としての特開2000−335010号公報には、電子写真方式の画像形成装置において、転写紙(P)を画像形成部(50)に搬送するレジストローラ(185)の下流側に設けられた位置検知センサ(220)により検知された転写紙(P)の主走査方向の通過位置に応じて、感光体ドラム(51)に書き込む画像自体を主走査方向にシフトさせて、画像の位置ずれを補正する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−319674号公報(「0008」〜「0010」、「0013」〜「0018」、図1〜図5)
【特許文献2】特開2000−335010号公報(「0075」〜「0076」、「0096」〜「0101」、「0117」、図3〜図5、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像の位置ずれを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設けられた画像記録位置において、前記媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録位置の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する前記媒体の姿勢を補正する前記媒体姿勢補正部材と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である残余量を演算する残余量演算手段と、
前記残余量に基づいて、媒体に形成する画像を回転させる画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記姿勢検知部材による検知結果と、前記検知結果に対応する前記残余量と、の関係を特定する対応情報であって、媒体の種類毎に予め測定された前記対応情報を、記憶する対応情報記憶手段と、
前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類判別手段により判別された前記媒体の種類に応じた前記対応情報に基づいて、前記残余量を演算する前記残余量演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材による検知結果に、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である残余量を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶された前記対応情報を更新する対応情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材の位置を通過する前記媒体の媒体搬送方向後端部を検知して、前記媒体の姿勢を検知する後端部姿勢検知部材と、
前記後端部姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量を演算する後端検知残余量演算手段と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記後端検知残余量演算手段により演算された前記後端検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記後端部姿勢検知部材を兼ねた前記姿勢検知部材、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、画像を回転させない構成に比べて、画像の位置ずれを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体の種類に応じた対応情報に基づいて残余量を演算し、画像を回転させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側の第二の姿勢検知部材による姿勢補正後の媒体の姿勢の検知結果に基づいて、対応情報を更新することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、第二の姿勢検知部材の検知結果に基づいて、第一面に記録された画像と第二面に記録された画像の表裏の画像の位置ずれを、差分量に基づいて回転させない構成に比べて、低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、後端姿勢検知部材の検知結果に基づいて、第一面に記録された画像と第二面に記録された画像の表裏の画像の位置ずれを、差分量に基づいて回転させない構成に比べて、低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、姿勢検知部材と後端姿勢検知部材とを共通化でき、部品点数の上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、上面に透明な原稿台の一例であるプラテンガラスPGを有する複写機本体U1と、前記プラテンガラスPG上に着脱自在に装着される自動原稿搬送装置U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例である原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Giは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙部の一例である原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
【0016】
前記複写機本体U1は、操作者が指示を入力する動作指示入力部UIと、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部U1aおよび画像記録部U1bと、前記画像読取部U1aまたは画像記録部U1bに設けられた画像処理部GSとを有している。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方に配置された原稿読取装置としての画像読取部U1aは、原稿読取り位置に配置された露光系位置検出部材の一例としての露光系レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
【0017】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は画像読取り位置の一例としてのホーム位置、すなわち、初期位置に停止している。
前記自動原稿搬送装置U2を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う自動原稿搬送動作の場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う原稿手動設置動作時の場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0018】
また、画像処理部GSは、前記画像読取部U1aの固体撮像素子CCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換して画像記録部U1bの像書込光駆動信号出力装置DLに出力する。
前記像書込光駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じた像書込光駆動信号を画像書込装置の一例としての露光装置RSに出力する。
【0019】
前記露光装置RSの下方に配置された像保持体の一例としての感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPR表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRによりに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記露光装置RSの潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPR表面は回転移動して現像領域Q2、画像記録位置の一例としての転写領域Q3を順次通過する。
【0020】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像する現像器Gは、トナーおよびキャリアを含む現像剤を現像剤保持体の一例としての現像ロールR0により現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する静電潜像を画像の一例としてのトナー像Tnに現像する。前記感光体ドラムPR表面のトナー像Tnは前記転写領域Q3に搬送される。
前記現像器Gで消費される現像剤を補給するための現像剤補給容器の一例としてのカートリッジKは、補給容器装着部材の一例としてのカートリッジ装着部材KSに着脱可能に装着される。前記カートリッジK内の現像剤は現像剤収容容器RTで攪拌されながら搬送され、前記現像剤収容容器RTに配置された現像剤搬送装置GHにより現像器Gに搬送される。
【0021】
前記転写領域Q3において前記感光体ドラムPRに対向して配置された転写搬送装置の一例としての転写ユニットTUは、媒体搬送部材の一例としての転写ベルトTBを有する。前記転写ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdおよび従動部材の一例としての従動ロールRfを有する媒体搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロールRd+Rfにより回転可能に支持されている。前記転写ベルトTBを挟んで前記感光体ドラムPRに対向して転写器の一例としての転写ロールTRが配置されている。また、前記駆動ロールRdに対向して媒体剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置され、剥離爪SCの転写ベルトTB回転方向下流側には、媒体搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。
転写ロールTRは、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnを媒体の一例としてのシートSに転写する部材であり、現像器Gで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が電源回路Eから供給される。前記電源回路Eは制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。
【0022】
媒体収容部材の一例としての給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、搬送路の一例としてのシート供給路SH1により前記転写領域Q3に搬送される。すなわち、前記各給紙トレイTR1〜TR4のシートSは、所定の給紙時期に媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体分離部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、複数の媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、媒体姿勢補正部材の一例且つ媒体搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0023】
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、姿勢が補正されると共に、前記感光体ドラムPR上のトナー像Tnが転写領域Q3に移動する時期、すなわち、タイミングに合わせて、転写前媒体案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から転写ユニットTUの転写ベルトTBに搬送される。転写ベルトTBは搬送されたシートSを前記転写領域Q3に搬送する。
前記感光体ドラムPR表面に現像されたトナー像Tnは、前記転写領域Q3において、転写ロールTRによりシートSに転写される。転写後、感光体ドラムPR表面は、像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLpにより残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0024】
転写領域Q3において転写ロールTRによりトナー像Tnが転写された前記シートSは、転写領域Q3の下流側の剥離爪SCにより転写ベルトTB表面から剥離される。剥離されたシートSは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着器Fでトナー像Tnが加熱定着されてから弾性シート製の搬送路切換部材の一例としてのマイラゲートMGを通って排出路の一例としてのシート排出路SH2の正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送される。マイラゲートMGは弾性変形して、定着器Fを通過したシートSをシート排出路SH2に向かわせる。
【0025】
排紙トレイTRhに排出されるべきシートSは正逆回転可能な搬送ロールRbおよび複数の搬送ロールRaが配置されたシート排出路SH2を搬送される。シート排出路SH2の下流端部には搬送路切換部材の一例としての切替ゲートGT1が配置されている。切替ゲートGT1は、画像形成装置に図示しない後処理装置が接続されている場合には、搬送されてきたシートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhまたは図示しない後処理装置のいずれかに排出するように切替えられる。なお、後処理装置が装着されていない状態では、切替ゲートGT1は、シート排出路SH2の下流端部に搬送されたシートSを、排紙トレイTRhに排出するように切替えられており、前記シートSは媒体排出部材の一例としての排紙ロールRhによって排紙トレイTRhに排出される。
【0026】
前記正逆回転可能な搬送ロールRbは、シートSの両面に画像を記録する場合、第一面に画像が記録された第一面画像記録済シートSが搬送された際に、第一面画像記録済シートSの後端が搬送ロールRbを通過する直前に逆回転する。したがって、前記第一面画像記録済シートSは、シート排出路SH2側に戻され、いわゆるスイッチバックされる。前記マイラゲートMGは、前記搬送ロールRbによりスイッチバックして来たシートSを反転路の一例としてのシート反転路SH3に向かわせる。前記シート反転路SHは、前記シート供給路SH1のレジロールRrの媒体搬送方向上流側に接続されており、シート反転路SH3に搬送された第一面画像記録済シートSは表裏反転した状態で前記レジロールRrに再送される。そして、前記レジロールRrにより、画像が第一面に記録された際と同様にして、転写領域Q3に搬送され、第一面画像記録済シートSの第二面にもトナー像Tnが転写される。
【0027】
図2は実施例1のシート供給路の要部拡大図である。
図3は実施例1のシート供給路をシートが通過する際の説明図であり、図3Aは上方からみた説明図、図3Bはセンサにより検知されるシートの姿勢の説明図、図3Cはシートが検知領域を通過する際のセンサの検知信号の説明図である。
図2、図3において、実施例1の前記シート供給路SH1には、前記レジロールRrの媒体搬送方向上流側に、前記シートSの姿勢を検知する姿勢検知部材の一例としての第一センサSN1が配置されている。
実施例1の前記第一センサSN1は、シートSの搬送方向と直交する方向に距離L1の間隔をあけて並べて配置された前後一対の第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bを有している。
なお、実施例1では、前記第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bは、いわゆる光センサにより構成されており、第一検知領域Q11において、シートSの有無及び検知時期の差により、前記シートSの姿勢を検知する。
【0028】
また、前記シート供給路SH1には、前記レジロールRrの媒体搬送方向下流側で、前記転写領域Q3の媒体搬送方向上流側に、前記シートSの姿勢を検知する第二の姿勢検知部材の一例としての第二センサSN2が配置されている。
前記第二センサSN2も、第一センサSN1と同様に構成されており、シートSの搬送方向と直交する方向に距離L1の間隔をあけて並べて配置された前後一対の第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bを有し、第二検知領域Q12において、シートSの有無及び検知時期の差により、前記シートSの姿勢を検知する。
【0029】
シート供給路SH1において、シートSの媒体搬送方向前端部の一例としての前端縁Saが第一検知領域Q11を通過した後に、シートSの前端縁Saは、前記レジロールRrの一対の部材が対向して接触する姿勢補正領域Q13に到達する。
この際に、前記レジロールRrの駆動は一時的に停止され、シートSの前端縁SaはレジロールRrに突き当てられて、前記姿勢補正領域Q13において停止する一方で、媒体搬送方向上流側の駆動し続ける搬送ロールRaにより、前記シートSの後端側は姿勢補正領域Q13側に搬送され続ける。これにより、前記シートSは、後端側から押されて湾曲する、いわゆるループが形成されると共に、前端縁Saが姿勢補正領域Q13に沿うように、姿勢が補正される。すなわち、実施例1では、前記レジロールRrにより、感光体ドラムPRの主走査方向と前記シートSの前端縁Saとが平行になる姿勢である基準姿勢に向けて、前記シートSの姿勢が補正される。
【0030】
そして、予め設定された時期になると、前記レジロールRrは駆動を再開し、前記シートSは、前端縁Saが第二検知領域Q12を通過した後に、転写領域Q3に到達する。
なお、実施例1では、前記レジロールRrの軸方向と前記感光体ドラムPRの主走査方向とは、シートSの搬送方向に直行する方向に設定されており、前記姿勢補正領域Q13と前記転写領域Q3は平行になるように設定されている。
【0031】
(実施例1の制御部の説明)
図4は実施例1の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図である。
図4において、前記コントローラCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う入出力信号調節部の一例としての入出力インターフェース、いわゆる、I/O、必要な処理を実行するためのプログラムおよびデータ等が記憶されたリードオンリーメモリ、いわゆる、ROM、必要なデータを一時的に記憶するためのランダムアクセスメモリ、いわゆる、RAM、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行う中央演算処理装置、いわゆる、CPU、ならびにクロック発振器等を有する計算機の一例としてのコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0032】
(コントローラCに接続された信号出力要素)
前記コントローラCには、次の信号出力要素の出力信号が入力されている。
UI:動作指示入力部
動作指示入力部UIは、複写開始釦の一例としてのコピースタートキーUI1、数字釦の一例としてのテンキーUI2,複写枚数入力釦の一例としてのコピー枚数入力キーUI3、表示部UI4、媒体種類入力釦の一例としてのシート種類入力キーUI5、両面印刷設定釦の一例としての両面印刷設定キーUI6等を備えており、それらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラCに入力する。
SN1:第一センサ
第一センサSN1は、第一検知領域Q11において、第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bにより、シートSの有無を検知し、その検知信号をコントローラCに入力する。
SN2:第二センサ
第二センサSN2は、第二検知領域Q12において、第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bにより、シートSの有無を検知し、その検知信号をコントローラCに入力する。
【0033】
(コントローラCに接続された被制御要素)
コントローラCは、次の被制御要素D1,D2,E,DLの制御信号を出力している。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、図示しない駆動力伝達部材の一例としてのギヤを介して感光体ドラムPR、さばきロールRs、搬送ロールRa,Rb、現像器Gの現像ロールR0、定着装置Fの加熱ロールFh等を回転駆動する。
【0034】
D2:レジロール駆動回路
レジロール駆動回路D2は、レジロール駆動モータM2の動作を制御してレジロールRrを回転駆動する。
DL:像書込光駆動信号出力装置
像書込光駆動信号出力装置DLは、入力された画像データに応じた像書込光駆動信号を前記露光装置RSに出力する。
【0035】
E:電源回路
前記電源回路Eは、現像用電源回路E1、帯電用電源回路E2、転写ロール用電源回路E3と加熱ロール用電源回路E4とを有している。
E1:現像用電源回路
現像用電源回路E1は現像器Gの現像ロールR0に現像電圧を印加する。
E2:帯電用電源回路
帯電用電源回路E2は帯電ロールCRに帯電電圧を印加する。
E3:転写ロール用電源回路
転写ロール用電源回路E3は転写ロールTRに転写電圧を印加する。
E4:加熱ロール用電源回路
加熱ロール用電源回路E4は定着装置Fの加熱ロールFhの加熱部材の一例としてのヒータに加熱用の電力を印加する。
【0036】
(コントローラCの機能)
コントローラCは、前記動作指示入力部UI、前記第一センサSN1,第二センサSN2の出力信号に応じて前記各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成動作制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、コピースタートキーUI1の入力に応じて、前記露光装置RS、帯電ロールCR、転写ロールTR、定着装置F等の動作を制御して、画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
【0037】
C2:メインモータ回転制御手段
主駆動源制御手段の一例としてのメインモータ回転制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を介してメインモータM1の回転を制御して、感光体ドラムPRや現像器Gの現像ロールR0、定着装置Fの加熱ロールFh等の駆動を制御する。
【0038】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、電源回路Eの作動を制御して、現像ロールR0や帯電ロールCR、転写ロールTR、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータ等への電圧、電流の供給を制御する。
C4:レジロール回転制御手段
媒体搬送時期調節部材制御手段の一例としてのレジロール回転制御手段C4は、前記レジロール駆動回路D2を介してレジロール用モータM2の回転を制御して、レジロールRrの駆動を制御する。
C5:シート種類判別手段
媒体種類判別手段の一例としてのシート種類判別手段C5は、画像形成動作の際に、搬送されて画像が記録されるシートSの種類を判別する。
実施例1のシート種類判別手段C5は、前記シート種類入力キーUI5による入力情報に応じて、前記シートSの種類として、厚紙や普通紙等の紙種、A4LEF、B4SEF等の媒体規格、媒体搬送方向を判別する。
C6:両面印刷判別手段
両面印刷判別手段C6は、前記両面印刷設定キーUI6による入力情報に応じて、両面印刷のジョブか否かを判別する。
【0039】
C7:スキュー量検知手段
姿勢検知手段の一例としてのスキュー量検知手段C7は、第一センサスキュー量検知手段C7Aと、第二センサスキュー量検知手段C7Bと、を有し、前記第一センサSN1、第二センサSN2による検知信号に基づいて、シートSの姿勢の一例としてのスキュー量S1,S2を検知する。
C7A:第一センサスキュー量検知手段
第一姿勢検知手段の一例としての第一センサスキュー量検知手段C7Aは、前記第一センサSN1の検知信号に基づいて、第一スキュー量S1を検知する。
実施例1の前記第一センサスキュー量検知手段C7Aは、第一前側センサSN1a、第一後側センサSN1bによるシートSの有無の検知時期の差により、第一スキュー量S1を検知する。
具体的には、図3B、図3Cにおいて、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aは、第一前側センサSN1a及び第一後側センサSN1bにより、シート無しの状態からシート有りの状態が検知された場合、第一前側センサSN1aの検知信号が切り替わった時期t1と、第一後側センサSN1bの検知信号が切り替わった時期t2と、搬送ロールRaに基づいて定まるシートSの搬送速度V1と、に基づいて、S1=V1×(t1−t2)/L1として、第一スキュー量S1を検知する。
【0040】
C7B:第二センサスキュー量検知手段
第二姿勢検知手段の一例としての第二センサスキュー量検知手段C7Bは、前記第二センサSN2の検知信号に基づいて、シートSの第二スキュー量S2を検知する。
実施例1の第二センサスキュー量検知手段C7Bは、前記第二センサSN2の第二前側センサSN2a、第二後側センサSN2bに基づいて、前記第一センサスキュー量検知手段C7Aと同様にして、第二スキュー量S2を検知する。
【0041】
図5は実施例1の対応情報の説明図である。
C8:対応情報記憶手段
対応情報記憶手段C8は、前記第一センサSN1による検知結果と、前記検知結果に対応する前記レジロールRrにより補正された後の前記シートSの姿勢と前記基準姿勢の差である残余量S3と、の関係を特定する対応情報であって、シートSの種類毎に予め測定された前記対応情報を記憶する。
実施例1では、前記基準姿勢はスキュー量0のシートSの姿勢に相当し、実施例1の対応情報記憶手段C8は、厚紙や普通紙等の紙種、A4LEF、B4SEF等の媒体規格、媒体搬送方向などのシートSの種類毎に、前記第一スキュー量S1に対応する、前記残余量S3の対応情報を記憶する。
具体的には、図5において、実施例1の対応情報記憶手段C8は、整数m,nが1以上の任意の整数を表す場合に、実験などにより予め測定された第一スキュー量S1と、残余量S3との関係を特定する係数である係数amn,bmnを記憶し、シートSの種類毎に、S3=amn×S1+bmnの一次関数を対応情報として記憶する。
【0042】
C9:残余量演算手段
残余量演算手段C9は、対応情報設定手段C9Aを有し、前記第一センサSN1による検知結果に基づいて、前記レジロールRrにより補正された後の前記残余量S3を演算する。
実施例1の残余量演算手段C9は、前記第一センサSN1による検知結果としての前記第一スキュー量S1に基づいて、後述する対応情報設定手段C9Aにより設定された対応情報の一次関数に基づいて、前記残余量S3を、S3=amn×S1+bmnにより演算する。
C9A:対応情報設定手段
対応情報設定手段C9Aは、前記シート種類判別手段C5により判別されたシートSの種類に基づいて、前記対応情報記憶手段C8に記憶された前記対応情報の中からシートSの種類に対応する係数amn,bmnの一次関数を読み出して、残余量S3の演算に使用する一次関数を設定する。
【0043】
C10:ズレ量演算手段
差分量演算手段の一例としてのズレ量演算手段C10は、前記残余量演算手段C9により演算された前記残余量S3と、前記第二センサSN2による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量S4と、の差分である差分量の一例としてのズレ量ΔSを演算する。
実施例1のズレ量演算手段C10は、両面印刷判別手段C6により両面印刷と判別された場合に、前記残余量S3と、前記第二センサSN2による検知結果としての前記第二スキュー量S2と前記基準姿勢との差である検知残余量S4と、の差分であるズレ量ΔSを演算する。
具体的には、実施例1では、前記基準姿勢がスキュー量0のシートSの姿勢として設定されており、検知残余量S4は第二スキュー量S2に等しく、S4=S2である。そして、前記ズレ量演算手段C10により、両面印刷の場合に、前記検知残余量S4と、残余量S3と、の差分であるズレ量ΔSがΔS=S3−S4として演算される。
【0044】
図6は実施例1の転写領域におけるシートと記録される画像の説明図であり、図6Aは基準姿勢のシートに主走査方向の直線部を有する画像が記録された場合の説明図、図6Bはスキューしたシートに残余量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図、図6Cは両面印刷の場合の説明図であり、スキューしたシートの第二面に残余量とズレ量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図である。
なお、図6以降において、本発明の作用の理解を容易にするために、第二スキュー量S2や残余量S3に基づく角度θ2,θ3等は比較的大きな角度で図示してあるが、実際には、第二スキュー量S2や残余量S3は、3mm/200mm程度以下の値であり、第二スキュー量S2や残余量S3に基づく角度θ2,θ3等は微小な角度である。
【0045】
C11:画像回転手段
画像回転手段C11は、第一面画像回転手段C11Aと、第二面画像回転手段C11Aとを有し、前記残余量S3、前記ズレ量ΔSに基づいて、シートSに形成する画像を回転させる。
C11A:第一面画像回転手段
第一面画像回転手段C11Aは、前記残余量S3に基づいて、シートSに形成する画像を回転させる。
実施例1の第一面画像回転手段C11Aは、例えば、感光体ドラムPRに主走査方向の直線部を有する潜像が形成され、図6Aに示すように、基準姿勢のシートSの幅方向に直線部1を有する画像2が記録される原稿画像の場合、基準姿勢に対して傾斜したシートS、いわゆる、スキューが残ったシートSに画像を記録する際に、前記残余量S3に基づく角度θ3分、前記原稿画像を回転させる。
これにより、感光体ドラムPRに回転した潜像が形成され、図6Bに示すように、スキューが残ったシートSに対して、スキューが残ったシートSの幅方向に沿った直線部1を有する画像2が記録される。
【0046】
C11B:第二面画像回転手段
第二面画像回転手段C11Bは、前記シート反転路SH3を通過して前記第一センサSN1の第一検知領域Q11に再送された前記シートSに対する、前記第一センサSN1の検知結果に基づいて演算された前記残余量S3′と、前記ズレ量ΔSと、に基づいて、シートSの第二面に形成する画像を回転させる。
実施例1の第二面画像回転手段C11Bは、例えば、図6Bに示すように第二センサSN2で検知されたスキュー量S2に対応する角度θ2だけスキューが残った状態で、残余量S3に基づく直線画像3がシートSの第一面に記録されている場合、第二面に画像が記録される際に、前記残余量S3′に基づく角度θ3′と、前記ズレ量ΔSに基づく角度Δθと、の合計分、感光体ドラムPRに形成される潜像を回転させる。
これにより、感光体ドラムPRに回転した潜像が形成され、図6Cに示すように、第二面に画像が記録される際に、スキューが残ったシートSに対して、主走査方向から角度(θ3′−Δθ)だけ回転した画像3が記録される。
【0047】
図7は実施例1の履歴対応情報の説明図であり、図7Aは第一スキュー量と検知残余量との対応図、図7Bは第一スキュー量を横軸に取り検知残余量を縦軸に取った散布図である。
C12:対応情報更新手段
対応情報更新手段C12は、スキュー量履歴情報記憶手段C12Aと、スキュー量履歴情報更新手段C12Bと、対応情報演算手段C12Cと、を有し、前記第一センサSN1による検知結果に、前記第二センサSN2による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量S4を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段C8に記憶された前記対応情報を更新する。
実施例1の対応情報更新手段C12は、後述する対応情報演算手段C12Cによる演算結果に基づいて、前記対応情報を更新する。
【0048】
C12A:スキュー量履歴情報記憶手段
残余量履歴情報記憶手段の一例としてのスキュー量履歴情報記憶手段C12Aは、前記第一センサSN1による検知結果としての第一スキュー量S1に、前記第二センサSN2による検知結果としての第二スキュー量S2と前記基準姿勢との差である検知残余量S4を対応させた履歴対応情報(S1;S4)を、シートSの種類毎に記憶する。
実施例1のスキュー量履歴情報記憶手段C12Aは、シートSの種類毎に、図7Aに示すように、レジロールRrにより姿勢が補正される前の第一スキュー量S1と、前記レジロールRrにより補正された後の検知残余量S4と、を対応させた予め設定された個数jの履歴対応情報(S1;S4)=(S11,S12,S13,…,S1j;S41,S42,S43,…,S4j)を記憶する。
なお、実施例1のスキュー量履歴情報記憶手段C12Aでは、初期値として、対応情報記憶手段C8に記憶された一次式を満たす複数の履歴対応情報(S1;S4)が、仮の情報、いわゆるダミーの履歴対応情報(S1;S4)が記憶されているが、第一スキュー量S1と、第一スキュー量S1に対応する検知残余量S4と、を予め測定して記憶させることも可能である。
【0049】
C12B:スキュー量履歴情報更新手段
残余量履歴情報更新手段の一例としてのスキュー量履歴情報更新手段C12Bは、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)を、シートSの種類毎に更新する。
実施例1のスキュー量履歴情報更新手段C12Bは、シートSに画像が記録される度に第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1と、第二センサSN2の検知結果に基づく検知残余量S4に基づいて、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶されたシートSの種類に対応する履歴対応情報(S1;S4)を、更新する。
なお、実施例1のスキュー量履歴情報更新手段C12Bでは、複数の履歴対応情報(S1;S4)のうち、最も古い履歴対応情報(S1;S4)を消去して、最新の履歴対応情報(S1;S4)を登録することにより、更新する。
【0050】
C12C:対応情報演算手段
対応情報演算手段C12Cは、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)に基づいて、対応情報記憶手段C8に記憶される対応情報を演算する。
実施例1の対応情報演算手段は、図7Bにおいて、最小二乗法により、前記スキュー量履歴情報記憶手段C12Aに記憶された履歴対応情報(S1;S4)について、S4=amn×S1+bmnを満たす係数amn,bmnを演算する。
したがって、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報の係数amn,bmnの一次関数は、応情報演算手段C12Cにより演算された係数amn,bmnの一次関数に更新される。
なお、実施例1では、スキュー量履歴情報記憶手段C12Aの履歴対応情報(S1;S4)が更新される度に、対応情報演算手段C12Cにより、係数amn,bmnが演算されるが、予め設定された時期、例えば、予め設定された画像記録枚数毎、例えば10万枚毎、電源投入時など、任意の時期に演算、更新させる構成にすることが可能である。
【0051】
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、本発明の実施例1の複写機Uの処理の流れを、流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例1の記録位置補正処理のフローチャートの説明)
図8は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートである。
図9は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートであり、図8の続きのフローチャートである。
図8、図9のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記複写機UのコントローラCに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図8、図9に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
【0052】
図8のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、設定されたシートSの種類を判別して、ST3に移る。
ST3において、シートSの種類に対応する対応情報を設定し、ST4に移る。
ST4において、第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に移り、ノー(N)の場合はST4を繰り返す。
ST5において、対応情報の一次関数に基づいて、スキュー量S1に対応する残余量S3を演算し、ST6に移る。
【0053】
ST6において、残余量S3に基づいて原稿画像を回転させ、ST7に移る。
ST7において、第二センサSN2の検知結果に基づく第二スキュー量S2が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST7を繰り返す。
ST8において、第一スキュー量S1と、第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、の対応履歴情報(S1;S4)を更新し、ST9に移る。
ST9において、対応履歴情報(S1;S4)に基づいて、対応情報の一次関数を演算し、ST10に移る。
ST10において、対応情報の一次関数を更新し、ST11に移る。
【0054】
図9のST11において、両面印刷か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST12において、残余量S3と、検知残余量S4と、に基づいて、ズレ量ΔSを演算し、ST13に移る。
ST13において、第一センサSN1の検知結果に基づく第一スキュー量S1が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に移り、ノー(N)の場合はST13を繰り返す。
ST14において、対応情報の一次関数に基づいて、第一スキュー量S1に対応する残余量S3′を演算し、ST15に移る。
ST15において、残余量S3′、ズレ量ΔSに基づいて、原稿画像を回転させ、ST16に移る。
【0055】
ST16において、第二センサSN2の検知結果に基づく第二スキュー量S2が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に移り、ノー(N)の場合はST16を繰り返す。
ST17において、第一スキュー量S1と、第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、の対応履歴情報(S1;S4)を更新し、ST18に移る。
ST18において、対応履歴情報(S1;S4)に基づいて、対応情報の一次関数を演算し、ST19に移る。
ST19において、対応情報の一次関数を更新し、ST20に移る。
ST20において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図8のST1に戻り、ノー(N)の場合はST4に戻る。
【0056】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、画像形成動作の一例としてのジョブが実行されると、利用者の設定に応じた種類のシートSが給紙トレイTR1〜TR4から給紙される。前記シートSは、シート供給路SH1を搬送されて転写領域Q3において画像が記録され、排紙トレイTRhに排出される。また、両面印刷の場合には、前記シートSは、第一面に画像が記録された後に、シート反転路SH3を搬送され、表裏が反転した状態で転写領域Q3に再送される。そして、第一面と同様にして、シートSの第二面に画像が記録され、排紙トレイTRhに排出される。
【0057】
図10はシートの第一面に画像が記録された際の説明図であり、図10Aは実施例1のスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図、図10Bは画像が回転されない構成でスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図である。
実施例1の複写機Uでは、シート供給路SH1を搬送されるシートSは、レジロールRrにより姿勢が基準姿勢に向けて補正された後に、転写領域Q3において画像11が記録される。この際に、記録位置補正処理のST3〜ST5により、第一検知領域Q11において、シートSの前端縁Saに基づいて第一スキュー量S1が検知され、前記スキュー量S1に基づいて、転写領域Q3における補正しきれずに残ると予測されるスキュー量である残余量S3が演算される。そして、記録位置補正処理のST6により、前記残余量S3に対応する角度θ3だけ、原稿情報に基づいた画像が回転される。そして、回転された画像に基づいて、感光体ドラムPRに潜像が形成され、図10Aに示すように、転写領域Q3においてスキューが残ったシートSに画像11が記録される。
【0058】
ここで、従来のように、原稿情報に基づいた画像が回転されない構成では、前記レジロールRrにより姿勢が補正しきれずに、スキューが残ったシートSに対して、転写領域Q3において基準姿勢に対応する画像が記録され、図10Bに示すように、シートSに対して相対的に傾斜した画像12が記録される。
これに対し、実施例1では、前記レジロールRrにより補正しきれないシートSの姿勢を残余量S3として演算して、残余量S3に基づいて、原稿情報に基づいた画像を回転させて画像11を記録しており、図10Aに示すように、スキューが残ったシートSに対して相対的に傾斜が低減された画像11が記録され、画像が回転されない構成に比べて、画像の位置ずれが低減されている。
【0059】
また、画像を回転させる際に、従来のように、姿勢補正部材としてのレジロールRrよりも媒体搬送方向下流側に設けられた検知部材による補正後のシートSの検知結果や、実施例1の第二スキュー量S2などに基づいて画像を回転させる場合、姿勢を検知してから画像が記録されるまでの時間が、実施例1のように補正前のシートSの姿勢を検知してから画像の処理を行う場合に比べて、短くなる。
すなわち、シートSの姿勢を補正した後に、画像の回転処理や、潜像形成処理等が実行される構成では、感光体ドラムPR表面の画像が転写領域Q3に到達する時期に、シートSの到達する時期を合わせようとすると、シートSの転写領域Q3への到達時期を遅くする必要がある。したがって、レジロールRrから転写領域Q3までのシートSの搬送速度を低下させるか、レジロールRrから転写領域Q3までの搬送距離を長くする必要があり、単位時間当たりの印刷枚数である生産性が低下したり、複写機Uが大型化したりする。
【0060】
これに対し、実施例1では、レジロールRrにより姿勢が補正される前のシートSの姿勢に基づいて姿勢補正後の残余量S3を予測、推定して、画像を回転させており、姿勢が補正された後のシートSの姿勢に基づく構成に比べて、生産性の低下や、複写機Uの大型化が低減される共に、レジロールRrによる転写領域Q3におけるシートSの姿勢の補正精度の悪化も低減されている。
【0061】
図11は両面印刷の場合の説明図であり、図11Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録された場合の説明図、図11Bはスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図、図11Cはスキューが残ったシートの第二面に、残余量のみに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
両面印刷の場合、第一面に画像が記録されたシートSは、シート反転路SH3を反転されて、第一検知領域Q11に再送される。そして、第一面と同様にして第二面に画像が記録される。
この際に、実施例1の複写機Uでは、記録位置補正処理のST12により、第一面に画像が記録される際に検知される姿勢補正後のシートSの第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4と、第一面に画像を記録する際の残余量S3と、に基づいて、ズレ量ΔSが演算される。そして、第二面に画像が記録される際に、記録位置補正処理のST13〜ST15によって、第一面と同様にして演算された第二面の残余量S3′と、第二面に画像が記録される際に演算されるズレ量ΔSとに基づいて、図11Bに示すように画像13が記録される。
【0062】
ここで、残余量S3は、姿勢補正前の第一スキュー量S1から対応情報の一次関数に基づいて演算された値であり、シートSの個体差などによって、姿勢補正後の実際のスキュー量とは異なってしまう場合がある。
すなわち、第一面に画像が記録される際に、姿勢補正後の実際のスキュー量としての第二スキュー量S2に基づく角度θ2と、残余量S3に基づく角度θ3と、は異なる場合があり、スキューが残ったシートSに、残余量S3に基づいて回転された画像が記録されると、図11Aに示すように、シートSに対してズレ量ΔSに基づく角度Δθだけ傾斜して画像11が記録される場合がある。
【0063】
したがって、ズレ量ΔSの分傾斜した画像が第一面に記録されたシートSにおいて、その裏面である第二面に画像が記録される際に、第一面と同様に記録位置補正処理のST6のように処理されるだけでは、図11Cに示すようにシートSに対する画像14の傾斜は低減されるが、前記ズレ量ΔSの分、第一面の画像11とのズレが残ってしまう場合がある。
これに対し、実施例1では、第二面に画像が記録される際に、第二面に記録する際の残余量S3′と、ズレ量ΔSと、に基づいて画像を回転させて記録しており、シートSに対する画像13の傾斜が低減されると共に、残余量S3′のみに基づく場合に比べて、第一面と第二面の表裏のズレが低減されている。
【0064】
なお、実施例1の複写機Uでは、残余量S3,S3′を演算する際に、シートSの種類毎に設定された対応情報に基づいて、残余量S3,S3′は演算されており、シートSの種類に基づかない場合に比べて、演算される残余量S3,S3′と、姿勢補正後の第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4とのズレが低減されており、画像の記録位置のズレが低減されている。
また、実施例1の複写機Uでは、記録位置補正処理のST8〜ST10,ST17〜ST19により、姿勢補正前の第一スキュー量S1と姿勢補正後の第二スキュー量S2に基づく検知残余量S4とに基づいて、第一スキュー量S1と残余量S3,S3′との対応情報が更新されている。
したがって、実施例1の複写機Uでは、経時的な変化により、レジロールRrによるシートSの補正能力が変化した場合でも、経時的な変化に対応した対応情報に基づく残余量S3,S3′により、画像が回転されており、対応情報が更新されない構成に比べて、経時的な変化に伴う画像の位置ずれが低減されている。
【実施例2】
【0065】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
実施例2では、シート供給路SH1において、シートSの前端縁SaがレジロールRrに到達して、シートSの姿勢が補正された後に、前記シートSの後端縁Sbが第一検知領域Q11を通過するように、第一検知領域Q11の位置が設定されている。
すなわち、実施例2の第一検知領域Q11において、後端部姿勢検知部材を兼ねた姿勢検知部材の一例としての第一センサSN1により、姿勢補正前のシートSの前端縁Saと、姿勢補正後のシートSの後端縁Sbと、の通過の有無が検知可能に構成されており、シートSの姿勢が検知可能に構成されている。
【0066】
(実施例2の制御部の説明)
図12は実施例2の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図4に対応する図である。
実施例2の制御部C″は、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aと、ズレ量演算手段C10と、第二面画像回転手段C11Bとに替えて、第一センサスキュー量検知手段C7A″と、ズレ量演算手段C10″と、第二面画像回転手段C11B″と、を有している。
また、実施例2の制御部C″には、後端検知対応情報記憶手段C8″と、後端部検知残余量演算手段C9″と、が追加されている。
【0067】
C7A″:第一センサスキュー量検知手段
実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7A″は、前記第一センサSN1の検知信号に基づいて、第一スキュー量S1と、後端第一スキュー量S1″と、を検知する。
すなわち、実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7A″では、実施例1の第一センサスキュー量検知手段C7Aと同様にシートSの前端縁Saの通過に基づいて第一スキュー量S1が検知されると共に、第一前側センサSN1a及び第一後側センサSN1bにより、シート有りの状態からシート無しの状態が検知された場合に、後端第一スキュー量S1″が検知される。
したがって、実施例2の第一センサスキュー量検知手段C7″では、シート無しの状態からシート有りの状態に切り替わる検知信号に基づいて、前端縁Saに基づく第一スキュー量S1が検知され、シート有りの状態からシート無しの状態に切り替わる検知信号に基づいて、シートSの媒体搬送方向後端部の一例としての後端縁Sbに基づく後端第一スキュー量S1″が検知される。
【0068】
C8″:後端検知対応情報記憶手段
後端検知対応情報記憶手段C8″は、前記第一センサSN1によるシートSの検知結果と、前記レジロールRrにより補正された後の前記シートSの姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量S4″と、の関係を特定する後端検知対応情報であって、シートSの種類毎に予め測定された前記後端検知対応情報を記憶する。
実施例2の後端検知対応情報記憶手段C8″は、第一スキュー量S1と残余量S3との関係を特定する対応情報に替えて、前記第一センサSN1によるシートSの検知結果としての後端第一スキュー量S1″と後端検知残余量S4″の関係を特定する後端検知対応情報を記憶している点以外は、対応情報記憶手段C8と同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0069】
C9″:後端検知残余量演算手段
後端検知残余量演算手段C9″は、後端検知対応情報設定手段C9A″を有し、前記第一センサSN1による検知結果に基づいて、前記後端検知残余量S4″を演算する。
実施例2の後端検知残余量演算手段C9″は、後端検知対応情報設定手段C9A″により設定された後端検知対応情報と、前記第一センサSN1による後端の検知結果としての前記後端第一スキュー量S1″と、に基づいて、前記後端検知残余量S4″を演算する点以外は、前記残余量演算手段C9と同様なので、その詳細な説明は省略する。
【0070】
C10″:ズレ量演算手段
実施例2の差分量演算手段の一例としてのズレ量演算手段C10″は、前記残余量演算手段C9により演算された前記残余量S3と、前記後端検知残余量演算手段C9″により演算された前記後端検知残余量S4″と、の差分である差分量の一例としてのズレ量ΔS″を演算する。
実施例2のズレ量演算手段C10″は、両面印刷判別手段C6により両面印刷と判別された場合に、前記残余量S3と、前記後端検知残余量S4″と、の差分であるズレ量ΔS″を、ΔS″=S3−S4″として演算する。
【0071】
C11B″:第二面画像回転手段
実施例2の第二面画像回転手段C11B″は、前記シート反転路SH3を通過して前記第一センサSN1の第一検知領域Q11に再送された前記シートSに対する、前記第一センサSN1の検知結果に基づいて演算された前記残余量S3′と、前記ズレ量ΔS″と、に基づいて、シートSの第二面に形成する画像を回転させる。
実施例2の第二面画像回転手段C11B″は、実施例1のズレ量ΔSに替えて、ズレ量ΔS″に基づいて画像を回転させる以外は、実施例1の第二面画像回転手段C11Bと同様に構成されるので、その詳細な説明は省略する。
【0072】
(実施例2のフローチャートの説明)
次に、本発明の実施例2の複写機Uの処理の流れを、流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例2の記録位置補正処理のフローチャートの説明)
図13は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
図14は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、図13の続きのフローチャートであって実施例1の図9に対応する図である。
実施例2のフローチャートでは、実施例1のST3,ST12,ST15に替えて、ST3″,ST12″,ST15″が実行される。また、実施例2のフローチャートでは、ST11とST12″の間に、ST21,ST22が実行される。
次に実施例2のフローチャートの説明を行うが、実施例1と同様の処理の説明は省略し、ST3″,ST21,ST22,ST12″,ST15″ついてのみ説明する。
【0073】
図13のST3″において、次の(1),(2)の処理を実行しST4に移る。(1)シートSの種類に対応する対応情報を設定する。
(2)シートSの種類に対応する後端検知対応情報を設定する。
図14のST21において、第一センサSN1の検知結果に基づく後端第一スキュー量S1″が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、後端検知対応情報の一次関数に基づいて、後端第一スキュー量S1″に対応する後端検知残余量S4″を演算し、ST12″に移る。
ST12″において、残余量S3と、後端検知残余量S4″と、に基づいて、ズレ量ΔS″を演算し、ST13に移る。
ST15″において、残余量S3′、ズレ量ΔS″に基づいて、原稿画像を回転させ、ST16に移る。
【0074】
(実施例2の作用)
図15は実施例2の複写機において画像が記録される際の説明図であって、図15Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録される場合の説明図、図15Bは両面印刷の場合にスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
前記構成を備えた実施例2の複写機Uでは、残余量S3に基づいて画像が回転されて、図15Aに示すようにシートSの第一面に画像が記録され、両面印刷の場合に、残余量S3′と、実施例1のズレ量ΔSに替えたズレ量ΔS″と、に基づいて画像が回転されて、図15Bに示すように第二面に画像が記録され、実施例1と同様に、画像の位置ずれが低減されている。
なお、両面印刷の際に、実施例1では転写領域Q3のズレ量ΔSを、第一センサSN1、第二センサSN2に基づいて演算していたが、実施例2では転写領域Q3のズレ量ΔS″を第一センサSN1のみの検知結果に基づいて演算している。
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、単色現像の画像形成装置に限定されず、多色、いわゆるカラーの画像形成装置により構成することも可能である。
【0076】
(H02)前記各実施例において、第一スキュー量S1から残余量S3,S3′を演算したり、後端第一スキュー量S1″から後端検知残余量S4″を演算したりする際に、一次式としての対応情報や、一次式としての後端検知対応情報に基づいて演算する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第一スキュー量S1に対応する残余量S3,S3′の一覧表、いわゆる、ルックアップテーブルにより構成された対応情報や、後端第一スキュー量S1″に対応する後端検知残余量S4″が対応したルックアップテーブルにより構成された後端検知対応情報に基づいて演算する構成も可能である。
また、前記各実施例において、前記対応情報や後端検知対応情報は、一次式ではなく、測定結果に応じて多次式や任意の関数を採用することも可能である。
(H03)前記各実施例において、両面印刷の場合には、第二面に画像を記録する際に、残余量S3′とズレ量ΔS,ΔS″とに基づいて、画像を回転して記録し、表裏の画像の位置ずれを低減する構成が望ましいが、第一面と同様に、残余量S3′のみに基づいて画像を回転して記録する構成も可能である。
【0077】
(H04)前記各実施例において、第一センサSN1は、第一前側センサSN1aと第一後側センサSN1bとによる前後一対の光センサにより構成され、第二センサSN2は、第二前側センサSN2aと第二後側センサSN2bとによる前後一対の光センサにより構成されていたが、これに限定されず、例えば、線上に検知部が並んで配置された、いわゆる、ラインセンサにより、第一センサSN1、第二センサSN2を構成することも可能である。
(H05)前記各実施例において、姿勢補正部材の一例としてのレジロールRrに、シートSの前端が突き当てられてシートSの姿勢が補正される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、シートSの幅方向を揃えて姿勢を補正する姿勢補正部材の一例としてのサイドガイドによる構成も可能である。
(H06)前記各実施例において、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報は更新される構成、すなわち、学習機能がある構成が望ましいが、更新されない構成も可能である。なお、この場合、実施例2においては、第二センサSN2が省略可能である。
【0078】
(H07)前記実施例2において、後端検知対応情報記憶手段C8″に記憶された後端検知対応情報も、対応情報記憶手段C8に記憶された対応情報と同様に、更新される構成することも可能である。
(H08)前記実施例2において、後端検知残余量S4″は、後端第一スキュー量S1″に基づいて予測、演算される構成が望ましいが、後端第一スキュー量S1″を後端検知残余量S4″とみなす構成、すなわち、S1″=S4″として各処理を行う構成も可能である。
(H09)前記各実施例において、スキュー量S1,S1″,S2や、残余量S3,S3′、後端検知残余量S4,S4″は正接、いわゆるタンジェントによる構成を例示したが、これに限定されず、媒体の姿勢としての角度に基づく関数であれば、任意の関数を適用した構成が可能である。
【0079】
(H010)前記各実施例において、転写領域Q3の媒体搬送方向上流側に設置された第二センサSN2により、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成を例示したが、転写領域Q3の媒体搬送方向下流側に、第二センサSN2を設置して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成も可能である。
(H011)前記実施例2において、レジロールRrの媒体搬送方向上流側の第一センサSN1により、後端縁Sbを検知して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成が望ましいが、前記第一センサSN1とは別に、後端姿勢検知部材を設け、後端縁Sbを検知して、レジロールRrにより姿勢が補正された後のシートSの姿勢を検知する構成も可能である。
(H012)前記各実施例において、レジロールRrの媒体搬送方向上流側の第一センサSN1により、姿勢補正前のシートSの前端縁Saに基づく姿勢を検知して、残余量S3,S3′が演算される構成を例示したが、姿勢補正前のシートSの後端縁Sbに基づいて、
姿勢を検知する構成も可能である。この場合、前記第一センサSN1は、実施例1等よりもさらに上流側であって、シートSの前端縁SaがレジロールRrに突入する前に、シートSの後端縁Sbを検知可能な位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は実施例1のシート供給路の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1のシート供給路をシートが通過する際の説明図であり、図3Aは上方からみた説明図、図3Bはセンサにより検知されるシートの姿勢の説明図、図3Cはシートが検知領域を通過する際のセンサの検知信号の説明図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図である。
【図5】図5は実施例1の対応情報の説明図である。
【図6】図6は実施例1の転写領域におけるシートと記録される画像の説明図であり、図6Aは基準姿勢のシートに主走査方向の直線部を有する画像が記録された場合の説明図、図6Bはスキューしたシートに残余量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図、図6Cは両面印刷の場合の説明図であり、スキューしたシートの第二面に残余量とズレ量に基づき主走査方向の直線部を有する画像が回転されて記録された場合の説明図である。
【図7】図7は実施例1の履歴対応情報の説明図であり、図7Aは第一スキュー量と検知残余量との対応図、図7Bは第一スキュー量を横軸に取り検知残余量を縦軸に取った散布図である。
【図8】図8は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートである。
【図9】図9は本発明の実施例1の記録位置補正処理のフローチャートであり、図8の続きのフローチャートである。
【図10】図10はシートの第一面に画像が記録された際の説明図であり、図10Aは実施例1のスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図、図10Bは画像が回転されない構成でスキューしたシートに画像が記録された場合の説明図である。
【図11】図11は両面印刷の場合の説明図であり、図11Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録された場合の説明図、図11Bはスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図、図11Cはスキューが残ったシートの第二面に、残余量のみに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
【図12】図12は実施例2の画像形成装置のコントローラが備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図4に対応する図である。
【図13】図13は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、実施例1の図8に対応する図である。
【図14】図14は本発明の実施例2の記録位置補正処理のフローチャートであり、図13の続きのフローチャートであって実施例1の図9に対応する図である。
【図15】図15は実施例2の複写機において画像が記録される際の説明図であって、図15Aはスキューが残ったシートの第一面に画像が記録される場合の説明図、図15Bは両面印刷の場合にスキューが残ったシートの第二面に、残余量とズレ量とに基づいて回転された画像が記録された場合の説明図である。
【符号の説明】
【0081】
C5…媒体種類判別手段、
C8…対応情報記憶手段、
C9…残余量演算手段、
C9″…後端検知残余量演算手段、
C10,C10″…差分量演算手段、
C11…画像回転手段、
C12…対応情報更新手段、
Q3…画像記録位置、
Rr…媒体姿勢補正部材、
S…媒体、
Sb…媒体搬送方向後端部、
S3,S3′…残余量、
S4・・・検知残余量、
S4″…後端検知残余量、
SN1…姿勢検知部材、後端部姿勢検知部材、
SN2…第二の姿勢検知部材、
SH1…搬送路、
SH2…反転路、
U…画像形成装置、
U1b…画像記録部、
ΔS,ΔS″…差分量。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設けられた画像記録位置において、前記媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録位置の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する前記媒体の姿勢を補正する前記媒体姿勢補正部材と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である残余量を演算する残余量演算手段と、
前記残余量に基づいて、媒体に形成する画像を回転させる画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記姿勢検知部材による検知結果と、前記検知結果に対応する前記残余量と、の関係を特定する対応情報であって、媒体の種類毎に予め測定された前記対応情報を、記憶する対応情報記憶手段と、
前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類判別手段により判別された前記媒体の種類に応じた前記対応情報に基づいて、前記残余量を演算する前記残余量演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材による検知結果に、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である残余量を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶された前記対応情報を更新する対応情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材の位置を通過する前記媒体の媒体搬送方向後端部を検知して、前記媒体の姿勢を検知する後端部姿勢検知部材と、
前記後端部姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量を演算する後端検知残余量演算手段と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記後端検知残余量演算手段により演算された前記後端検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記後端部姿勢検知部材を兼ねた前記姿勢検知部材、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設けられた画像記録位置において、前記媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録位置の媒体搬送方向上流側に設けられ、予め設定された基準姿勢に向けて、通過する前記媒体の姿勢を補正する前記媒体姿勢補正部材と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の姿勢を検知する姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である残余量を演算する残余量演算手段と、
前記残余量に基づいて、媒体に形成する画像を回転させる画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記姿勢検知部材による検知結果と、前記検知結果に対応する前記残余量と、の関係を特定する対応情報であって、媒体の種類毎に予め測定された前記対応情報を、記憶する対応情報記憶手段と、
前記媒体の種類を判別する媒体種類判別手段と、
前記媒体種類判別手段により判別された前記媒体の種類に応じた前記対応情報に基づいて、前記残余量を演算する前記残余量演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記姿勢検知部材による検知結果に、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である残余量を対応させた対応情報に基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶された前記対応情報を更新する対応情報更新手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向下流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢を検知する第二の姿勢検知部材と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記第二の姿勢検知部材による検知結果と前記基準姿勢との差である検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送路の前記画像記録位置の媒体搬送方向下流側と、前記搬送路の前記姿勢検知部材の媒体搬送方向上流側との間を接続する反転路であって、第一面に画像記録済の媒体の表裏を反転して前記姿勢検知部材に再送する前記反転路と、
前記媒体姿勢補正部材の媒体搬送方向上流側に設けられ、前記媒体姿勢補正部材の位置を通過する前記媒体の媒体搬送方向後端部を検知して、前記媒体の姿勢を検知する後端部姿勢検知部材と、
前記後端部姿勢検知部材の検知結果に基づいて、前記媒体姿勢補正部材により補正された後の前記媒体の姿勢と前記基準姿勢との差である後端検知残余量を演算する後端検知残余量演算手段と、
前記残余量演算手段により演算された前記残余量と、前記後端検知残余量演算手段により演算された前記後端検知残余量と、の差分である差分量を演算する差分量演算手段と、
前記反転路を通過して前記姿勢検知部材の位置に再送された前記媒体に対する、前記姿勢検知部材の検知結果に基づいて演算された前記残余量と、前記差分量と、に基づいて、媒体の第二面に形成する画像を回転させる前記画像回転手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記後端部姿勢検知部材を兼ねた前記姿勢検知部材、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−139889(P2010−139889A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317603(P2008−317603)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]