説明

癌の処置のためのRafキナーゼのインヒビターとしての、2,6−二置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン

ヒトまたは動物においてRafキナーゼ活性を阻害する、式(I−IV)


を有する新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物類、組成物および方法が提供される。上記新しい化合物類組成物類は単独で、またはRafキナーゼ介在性疾患、例えば癌などを処置するための少なくとも1種類の追加的因子と組合わせて使用される。上記置換基は請求項において定義される。本発明は、この種の処置を必要とするヒト被験体または動物被験体を治療する方法であって、上記式(I)−(VIII)の化合物の治療的有効量を単独で、またはその他の抗癌剤と組み合わせて前記被験体に投与することを含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物および薬学的に受容可能なその塩類、エステル類またはプロドラッグ類、上記新しい化合物類と薬学的に受容可能なキャリアとからなる組成物類、および癌の予防または処置のための上記新しい化合物類の単独使用または少なくとも1種類の追加的治療薬との組み合わせ使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Rafセリン/スレオニンキナーゼは、外的細胞刺激に応答する複雑な転写プログラムを制御するRas/マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナリングモジュールの必須コンポーネントである。Raf遺伝子は、ras癌遺伝子に結合することが知られている高度に保存されたセリン−スレオニン特異的プロテインキナーゼ類をコードする。それらは、受容体チロシンキナーゼ類、p21ras、Rafプロテインキナーゼ類、Mek1(ERKアクチベータまたはMAPKK)キナーゼ類およびERK(MAPK)キナーゼ類からなると考えられるシグナル形質導入経路の一部であり、これらは究極的には転写因子をリン酸化する。この経路において、Rafキナーゼ類はRasによって活性化され、二重特異性スレオニン/チロシンキナーゼであるマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼの2つのイソ型(Mek1およびMek2と呼ばれる)をリン酸化し、活性化する。Mekイソ型は両方ともマイトジェン活性化キナーゼ1および2(MAPK;細胞外リガンド調節キナーゼ1および2、またはErk1およびErk2とも呼ばれる)を活性化する。MAPKは転写因子を含む多くの基質をリン酸化し、このときMAPKの転写プログラムを作動させる。Ras/MAPK経路におけるRafキナーゼの関与は多くの細胞機能、例えば増殖、分化、生存、癌化トランスフォーメーションおよびアポトーシスなどに影響を与え、調節する。
【0003】
多くのシグナリング経路におけるRafの重要な役割および位置はともに、哺乳動物細胞における無調節、優性の抑制性Raf突然変異体を使用した研究並びに生化学的および遺伝的技術モデル生物を用いる研究から証明されている。多くの場合、細胞チロシンリン酸化を刺激する受容体類によるRafの活性化は、Rasの活性に依存し、RasがRafの上流で作用することを示唆する。活性化すると、Raf−1はMek1を活性化し、そのシグナルを下流のエフェクター、例えばMAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)などに伝達する(非特許文献1)。Rafセリン/スレオニンキナーゼ類は動物細胞の増殖に関連する主要なRasエフェクターであると考えられる(非特許文献2)。
【0004】
Rafキナーゼには、Rasと相互作用する能力、MAPKキナーゼ経路を活性化する能力、組織分布、および亜細胞性局在が異なる3種類の明白なイソ型、Raf−1(c−Raf)、A−Raf、およびB−Raf、がある(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。
【0005】
最近の研究は、皮膚母斑におけるB−Raf突然変異がメラノサイト新形成開始の決定的段階であることを示した(非特許文献6)。さらに最も最近の研究は、B−Rafのキナーゼドメインにおける活性化突然変異がメラノーマの約66%、結腸癌の12%および肝臓癌の14%に起きることを明らかにした(非特許文献7)(非特許文献8)(非特許文献9)。
【0006】
Rafキナーゼ・レベルにおけるRaf/MEK/ERK経路のインヒビタ類は、過剰発現または突然変異した受容体チロシンキナーゼ類、活性化細胞内チロシンキナーゼ類を有する腫瘍、異常発現したGrb2(Sos交換因子によるRasの刺激を可能にするアダプター蛋白)を有する腫瘍並びにRaf自体に活性化突然変異がある腫瘍に対する治療薬として有効である可能性がある。初期臨床試験において、B−Rafも阻害するRaf−1キナーゼインヒビタは癌治療における治療薬として有望であることが示された(非特許文献10;非特許文献11)。
【0007】
RNAアンチセンス技術を適用して細胞系のRaf発現を破壊すると、RasおよびRaf介在性腫瘍形成が両方とも抑制されることが示された(非特許文献12;非特許文献13)。
【0008】
数種のRafキナーゼインヒビタがin vitroおよび/またはin vivoアッセイにおいて腫瘍細胞増殖の抑制に効果をあらわすことが報告された(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7などを参照)。その他の特許および特許出願は、白血病の処置に(U.S.Patent.Nos.6,268,391,and 6,204,467,and published U.S.Patent Application Nos.20020137774;20020082192;20010016194;and20010006975などを参照)または乳癌の処置に(U.S.Patent.Nos.6,358,932,5,717,100,6,458,813,6,268,391,and 6,204,467,and published U.S.Patent Application No.20010014679などを参照)Rafキナーゼインヒビタを使用することを提案している。
【特許文献1】米国特許第6391636号明細書
【特許文献2】米国特許第6358932号明細書
【特許文献3】米国特許第6037136号明細書
【特許文献4】米国特許第5717100号明細書
【特許文献5】米国特許第6458813号明細書
【特許文献6】米国特許第6204467号明細書
【特許文献7】米国特許第6268391号明細書
【非特許文献1】Crewsら、Cell、1993年、74:215
【非特許文献2】Avruchら、、Trends Biochem.Sci.1994年、19:279
【非特許文献3】Mariasら、Biochem.J.2000年、351:289−305
【非特許文献4】Weberら、Oncogene、2000年、19:169−176
【非特許文献5】Prichardら、Mol.Cell.Biol.1995年、15:6430−6442
【非特許文献6】Pollockら、Nature Genetics、2002年、25:1−2
【非特許文献7】Daviesら、Nature、2002年、417:949−954
【非特許文献8】Yuenら、Cancer Research、2002年、62:6451−6455
【非特許文献9】Broseら、Cancer Research、2002年、62:6997−7000
【非特許文献10】Crump,Current Pharmaceutical Design、2002年、8:2243−2248,
【非特許文献11】Sebastienら、Current Pharmaceutical Design、2002年、8:2249−2253
【非特許文献12】Kolchら、Nature、1991年、349:416−428
【非特許文献13】Moniaら、Nature Medicine、1996年、2(6):668−675
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
式(I)で表される新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物であって:
【0010】
【化29】

上記式中、XおよびXは、XおよびXの少なくとも1つはNであるという条件で、NまたはCHから独立的に選択される;
YはO、S、CH、NR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−であり;
Zは
【0011】
【化30】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであり、AAは置換または非置換アミノ酸であり;
は置換または非置換アルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリールヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、複素環式アルキル、複素環式アルキルアルキル、複素環式アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルであり;
は置換または非置換アリールまたはヘテロアリールであり;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシル;またはRはRと一緒になって置換または非置換複素環式アルキルまたはヘテロアリール基を形成し;上記破線は単結合または二重結合を表し;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換アルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルである;
およびRは水素および置換または非置換アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルであり;またはRおよびRは一緒になって置換または非置換複素環またはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、複素環式アルキル、複素環式アルキルオキシ、複素環式アルキルアミノ、二複素環式アルキルアミノ、複素環式アルキルオキシアルキル、複素環式アルキルアミノアルキル、(アルキル)(複素環式アルキル)アミノアルキル、二複素環式アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである前記化合物;または
その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0012】
その他の実施形態において、式(II)で表される新しい置換キナゾリンまたはイソキノリン化合物であって:
【0013】
【化31】

上記式中、X、Y、Z、A、A、R、R3’およびRは上記のように定義される前記化合物;または
その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0014】
その他の実施形態において、式(III)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノリン化合物であって:
【0015】
【化32】

上記式中、X、Y、Z、A、A、R、R3’およびR4は上記のように定義される前記化合物;または
その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0016】
その他の実施形態において、式(IV)および(IVa)で表される新しいキナゾリンおよびキノキサリン化合物であって:
【0017】
【化33】

上記式中、Y、Z、A、A、R、R3’およびRは上記のように定義される前記化合物;
またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0018】
また別の実施形態において、式(V)で表される新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物であって:
【0019】
【化34】

上記式中、X、X、X、Z、A、R、R3’およびRは上記のように定義される化合物;
またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグ類が提供される。
【0020】
また別の実施形態において、式(VI)で表される新しい置換キナゾリンおよびイソキノリン化合物であって:
【0021】
【化35】

上記式中、X、Z、A、R、R3’およびRは上記のように定義される前記化合物;またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0022】
また別の実施形態において、式(VII)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノリン化合物であって:
【0023】
【化36】

上記式中、X、Z、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0024】
また別の実施形態において、式(VIII)および(VIIIa)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノキサリン化合物であって:
【0025】
【化37】

上記式中Z、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0026】
その他の局面において、本発明はRaf関連性疾患の治療を必要とするヒト被験体または動物被験体の前記Raf関連性疾患を治療する方法であって、前記対象の腫瘍増殖を減弱または阻止するのに十分な量の式(I)−(VIII)の化合物を前記対象に投与することを含む方法を提供する。
【0027】
また別の局面において、本発明はRaf関連性疾患の治療を必要とするヒト被験体または動物被験体の前記Raf関連性疾患を治療する方法であって、前記対象の腫瘍増殖を減弱また阻止するのに十分な式(I)−(VIII)の化合物を、少なくとも1種類の追加的癌治療薬と組み合わせて前記対象に投与することを含む方法を提供する。
【0028】
また別の局面において、本発明は式(I)−(VIII)の化合物の少なくとも1種類を癌治療に一般的に使用される1種類以上の癌治療薬と組み合わせて含む治療組成物を提供する。
【0029】
本発明の化合物は、癌腫(例えば肺、膵臓、甲状腺、膀胱または結腸の癌腫)、骨髄性疾患(例えば骨髄性白血病)および腺腫(例えば結腸絨毛腺腫)を含む癌の処置に有効である。
【0030】
本発明はさらに、本発明の詳細な説明の部に記載される組成物、使用法および製法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の一局面により、式(I)で表される新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩類、エステルまたはプロドラッグであって:
【0032】
【化38】

上記式中、XおよびXは、XおよびXの少なくとも1つがNであるという条件で、NまたはCHから独立的に選択され;
YはO、S、CH、NR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−;
Zは
【0033】
【化39】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであり、AAは置換または非置換アミノ酸であり;
は置換または非置換アルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリール−ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、複素環式アルキル、複素環式アルキルアルキル、複素環式アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキルまたはヘテロアリールアリールアルキルであり;
は置換または非置換アリールまたはヘテロアリール;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシルである;またはRはR2と一緒になって置換または非置換複素環式アルキルまたはヘテロアリール基を形成し;破線は単結合または二重結合をあらわす;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換アルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換アルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルであり;
およびRは水素および置換または非置換アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、複素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキル複素環、およびヘテロアリールアルキルであり;またはR6およびR7は一緒になって置換または非置換複素環またはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、複素環式アルキル、複素環式アルキルオキシ、複素環式アルキルアミノ、二複素環式アルキルアミノ、複素環式アルキルオキシアルキル、複素環式アルキルアミノアルキル、(アルキル)(複素環式アルキル)アミノアルキル、二複素環式アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである;または
その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0034】
その他の実施形態において、式(II)で表される新しい置換キナゾリンまたはイソキノリン化合物であって:
【0035】
【化40】

上記式中、X、Y、Z、A、A、R、R3’およびRは上記のように定義される前記化合物;またはそれらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0036】
その他の実施形態において、式(III)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノリン化合物であって:
【0037】
【化41】

上記式中、X、Y、Z、A、A、R,R3’およびRは上記のように定義される化合物;または
それらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0038】
その他の実施形態において、式(IV)および(IVa)で表される新しいキナゾリンおよびキノキサリン化合物であって:
【0039】
【化42】

上記式中、Y、Z、A、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;
またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0040】
また別の実施形態において、式(V)で表される新しい置換キナゾリン、キノキサリン、キノリンおよびイソキノリン化合物であって:
【0041】
【化43】

上記式中、X、X、X、Z、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;またはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグが提供される。
【0042】
また別の実施形態において、式(VI)で表される新しい置換キナゾリンおよびイソキノリン化合物であって:
【0043】
【化44】

上記式中、X、Z、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0044】
また別の実施形態において、式(VII)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノリン化合物であって:
【0045】
【化45】

上記式中、X、A、R、R、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;またはそれらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0046】
また別の実施形態において、式(VIII)および(VIIIa)で表される新しい置換キナゾリンおよびキノキサリン化合物であって:
【0047】
【化46】

上記式中Z、A、R、R3’およびRが上記のように定義される前記化合物;または
それらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩が提供される。
【0048】
また別の局面において、本発明は癌などのRaf関連性疾患に罹ったヒト被験体または動物被験体を治療する方法を提供する。例えば本発明はこの種の治療を必要とするヒト被験体または動物被験体を治療する方法であって、上記式(I)−(VIII)の化合物の治療的有効量を単独で、またはその他の抗癌剤と組み合わせて前記対象に投与することを含む方法を提供する。
【0049】
その他の局面において、本発明はRaf関連性疾患の治療を必要とするヒト被験体または動物被験体における前記疾患を治療する方法であって、前記対象における腫瘍増殖を弱めまたは阻止するのに有効な量の式(I)−(VIII)の化合物を前記対象に投与することを含む方法を提供する。
【0050】
また別の局面において、本発明はRaf関連性疾患の治療を必要とするヒト被験体または動物被験体においける前記疾患を治療する方法であって、前記対象における腫瘍増殖を弱めまたは阻止するのに有効な量の式(I)−(VIII)の化合物を少なくとも1種類の追加的癌治療薬と組み合わせて前記対象に投与することを含む方法を提供する。組み合わせ治療剤として使用される多数の適切な抗癌剤が本発明の方法に使用するために考慮される。実際本発明は、非制限的に、次のような多くの抗癌剤の投与を考慮する:アポトーシスを誘発する因子;ポリヌクレオチッド類(例えばリボザイム類);ポリペプチド類(酵素類など);薬剤類;生物学的模擬物質;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍性抗生物質;抗代謝産物剤;ホルモン;白金化合物類;抗癌剤、トキシンおよび/または放射性核種と結合したモノクローナル抗体;生物学的反応調節物質(例えばインターフェロン[例、IFN−aなど]およびインターロイキン[例、IL−2など]);養子免疫療法剤;造血性増殖因子;腫瘍細胞分化を誘発する因子(例:all−trans−レチノイン酸など);遺伝子治療試薬;アンチセンス治療試薬およびヌクレオチド類;腫瘍ワクチン;血管新生インヒビタなど。開示された式(I)−(VIII)の化合物と同時投与するのに適した化学療法化合物および抗癌治療のその他の多数の例が当業者には公知である。
【0051】
好ましい実施形態において、本発明の化合物と組み合わせて使用される抗癌剤は、アポトーシスを誘発または刺激する因子を含む。アポトーシスを誘発する因子は、非制限的に、放射線;キナーゼインヒビタ類(上皮増殖因子受容体[EGFR]キナーゼインヒビタ、血管内皮増殖因子受容体[VEGFR]キナーゼインヒビタ、線維芽細胞増殖因子受容体[FGFR]キナーゼインヒビタ、血小板由来増殖因子受容体[PGFR]Iキナーゼインヒビタ、およびBcr−Ab1キナーゼインヒビタ、例えばグリーヴェク(商標)[イマティニブメシレートまたはSTI−571]など);アンチセンス分子類;抗体類[例:ヘルセプチン(商標)抗−HERモノクローナル抗体およびリツキサン(商標)抗−CD20モノクローナル抗体];抗エストロゲン類[例:ラロキシフェンおよびタモキシフェン];抗アンドロゲン類[例:フルタミド、ビカルタミド、フィナステライド、アミノグルテタミド、ケトコナゾール、およびコルチコステロイド類];シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)インヒビタ類[例:セレコキシブ(商標)、メロキシカム、NS−398および非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)];および癌化学療法剤[例:イリノテカン(カンプトサル(商標))、CPT−11、フルダラビン(フルダラ(商標))、デカルバジン(DTIC(商標))、デキサメサゾン、ミトキサントロン、ミロタルグ(商標)、VP−16、シスプラチン、5−FU、ドキソルビシン、ドセタキセル(タキソター(商標)またはタキソール、デカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(商標)(ゲフィチニブ));細胞シグナリング分子類;セラミド類およびサイトカイン類;およびスタウロスプリンなどを含む。
【0052】
その他の局面において、本発明は、対象のヒトまたは動物に適切に投与できる薬学的に受容可能なキャリアと一緒になった式(I)−(VIII)で表される少なくとも1種類の化合物を、単独でまたはその他の抗癌剤と共に含む医薬組成物を提供する
その他の局面において、本発明は本明細書に記載される式(I)−(VIII)の化合物の製法を提供する。
【0053】
また別の局面において、本発明は酵素rafキナーゼのインヒビタである化合物を提供する。上記酵素はp21rasの下流エフェクターであるから、これらのインヒビタはrafキナーゼ経路の阻害が必要であるヒトまたは動物、例えばrafキナーゼ介在性腫瘍および/または癌細胞増殖の処置が必要であるヒトまたは動物に使用するための医薬組成物において有用である。特に、これらの化合物はヒトまたは動物、例えばネズミ、の癌の処置に有用である。なぜならばこれらの癌の進行は、ras蛋白シグナル・トランスダクション・カスケードに依存しており、そのためrafキナーゼ活性の阻害による上記カスケードの中断による処置に感受性を有するからである。よって、本発明の化合物は例えば癌腫(肺、膵臓、甲状腺、膀胱または結腸など、骨髄性疾患(骨髄性白血病など)または腺腫(結腸絨毛腺腫など)のような充実癌の処置に有用である。
【0054】
“Rafインヒビタ”とは本明細書では、以下に概略説明されるRaf/Mek濾過アッセイで測定して、Rafキナーゼ活性に関するIC50が多くとも約100μM、より一般的には多くとも約50μMである化合物を言う。本発明の化合物による阻害が証明されるRafキナーゼの好ましいイソ型にはA−Raf、B−Raf、およびC−Raf(Raf−1)がある。“IC50”とは、酵素(例えばRafキナーゼ)の活性を最大の半分にまで減らすインヒビタ濃度である。本発明の代表的化合物類はRafに対する阻害活性を示すことが発見された。本発明の化合物は、本明細書に記載されるRafキナーゼアッセイで測定して、Rafに関して多くとも約10μM、より好ましくは多くとも約5μM、さらにより好ましくは多くとも約1μM、そして最も好ましくは多くとも約200nMのIC50を示すのが好ましい。
【0055】
用語“アルキル”はヘテロ原子を含まないアルキル基を言う。したがってこの用語はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの直鎖アルキル基を含む。上記用語は直鎖アルキル基の分岐鎖異性体も含む。これらは非制限的に、例として下記に列挙するものを含む:−CH(CH、−CH(CH)(CHCH)、−CH(CHCH、−C(CH、−C(CHCH、−CHCH(CH、CHCH(CH)(CHCH)、CHCH(CHCH、−CHC(CH、−CHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CH、−CHCHCH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CHCH、−CHCHC(CH、−CHCHC(CHCH、−CH(CH)CHCH(CH、−CH(CH)CH(CH)CH(CH、−CH(CHCH)CH(CH)CH(CH)(CHCH)など。上記用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルのような環状アルキル基、および上に定義した直鎖および分岐鎖アルキル基で置換されたこの種の環も含む。したがって用語アルキル基は、第一級アルキル基、第二級アルキル基、第三級アルキル基を含む。好ましいアルキル基は炭素原子1ないし12個を有する直鎖および分岐鎖アルキル基および環状アルキル基を含む。
【0056】
ここに使用する“低級アルキル”は、炭素原子1ないし6個を有する置換または非置換の直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。代表的低級アルキル基には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどがある。低級アルキル基はハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロおよび/またはシアノ基などで置換されていてもよい。ハロ置換およびヒドロキシ置換低級アルキルの代表としてはクロロメチル、トリクロロメチル、クロロエチル、ヒドロキシエチルなどがある。その他の適切な置換低級アルキル部分は、例えばアラルキル、アミノアルキル、アミノアラルキル、カルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールカルボニルアミノアルキル、アラルキルカルボニルアミノアルキル、アミノアルコキシアルキルおよびアリールアミノアルキルを含む。
【0057】
本明細書に使用する“低級アルコキシ”はRO−を指す。ここでRは低級アルキルである。低級アルコキシ基の代表的例はメトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシなどを含む。
【0058】
本明細書に使用する用語“ハロゲン”または“ハロ”はクロロ、ブロモ、フルオロおよびヨード基を指す。“ハロアルキル”は1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を言う。用語“ハロ低級アルキル”は1つ以上のハロゲン原子で置換された低級アルキル基を指す。用語“ハロアルコキシ”は1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を指す。用語“ハロ低級アルコキシ”は1つ以上のハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基を言う。
【0059】
“アミノ”は本明細書では基−NHを指す。用語“アルキルアミノ”は本明細書では基−NRR’で表され、ここでRおよびR’は各々独立的に水素または低級アルキルから選択される。用語“アリールアミノ”は本明細書では基−NRR’で表され、Rはアリールであり、R’は水素、低級アルキルまたはアリールである。用語“アラルキルアミノ”は本明細書では基−NRR’で表され、ここでRは低級アラルキルで、R’は水素、低級アルキル、アリール、または低級アラルキルである。
【0060】
用語アミノ酸はD−またはL−立体化学を有するアルファおよびベータアミノ酸の両方を指し、非制限的に、20の一般的アミノ酸に見いだされるもの以外の側鎖を有する合成、非天然アミノ酸を含む。非天然アミノ酸は商業的に入手でき、またはUS5,488,131およびその参考文献によって製造することができる。アミノ酸はそれらのアミノ、カルボキシまたは側鎖基に修飾を含むようにさらに置換することができる。これらの修飾はペプチド合成に一般的に用いられる多数の保護基を含む。
【0061】
用語“アルコキシアルキル”は−alk−O−alkを指し、ここでalkはアルキルまたはアルケニルで、alkはアルキルまたはアルケニルである。用語“低級アルコキシアルキル”はalkが低級アルキルまたは低級アルケニル、alkが低級アルキルまたは低級アルケニルであるアルコキシアルキルを指す。用語“アリールオキシアルキル”は基−アルキル−O−アリールを指す。用語“アラルコキシアルキル”は基−アルキレニル−O−アラルキルであり、ここでアラルキルは低級アラルキルである。
【0062】
用語“アルコキシアルキルアミノ”は本明細書では基−NR−(アルコキシアルキル)であり、ここでRは一般的には水素、低級アラルキル、または低級アルキルである。本明細書では用語“アミノ低級アルコキシアルキル”は、アルコキシアルキルが低級アルコキシアルキルであるアミノアルコキシアルキルを言う。
【0063】
用語“アミノカルボニル”は本明細書では基−C(O)−NHを指す。“置換アミノカルボニル”は本明細書では基−C(O)−NRR’を指し、ここでRは低級アルキルで、R’は水素または低級アルキルである。用語“アリールアミノカルボニル”は本明細書では基−C(O)−NRR’を指し、ここでRはアリールで、R’は水素、低級アルキルまたはアリールである。“アラルキルアミノカルボニル”は本明細書では基−C(O)−NRR’を指し、ここでRは低級アラルキルで、R’は水素、低級アルキル、アリールまたは低級アラルキルである。
【0064】
“アミノスルホニル”は本明細書では基−S(O)−NHを言う。“置換アミノスルホニル”は本明細書では基−S(O)−NRR’であり、ここでRは低級アルキルでR’は水素または低級アルキルである。用語“アラルキルアミノスルホニルアリール”は本明細書では基−アリール−S(O)−NH−アラルキルであり、前記アラルキルは低級アラルキルである。
【0065】
“カルボニル”は二価基−C(O)−である。
【0066】
“カルボニルオキシ”は一般に基−C(O)−Oを指す。このような基はエステル、−C(O)−O−Rを含み、ここでRは低級アルキル、シクロアルキル、アリールまたは低級アラルキルである。用語“カルボニルオキシシクロアルキル”は本明細書では一般に“カルボニルオキシカルボシクロアルキル”および“カルボニルオキシヘテロシクロアルキル”の両方を指す。すなわちRはそれぞれカルボシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。用語“アリールカルボニルオキシ”は本明細書では基−C(O)−O−アリールを指し、ここでアリールは単環または多環式、炭素環式または複素環式アリールである。用語“アラルキルカルボニルオキシ”は本明細書では基−C(O)−O−アラルキルであり、前記アラルキルは低級アラルキルである。
【0067】
用語“スルホニル”は本明細書では基−SO−を指す。“アルキルスルホニル”は構造−SOR−を有する置換スルホニルであり、上記式中、Rはアルキルである。本発明の化合物に用いられるアルキルスルホニル基は一般的にはその主鎖構造に1ないし6個の炭素原子を有する低級アルキルスルホニル基である。したがって本発明に用いられる典型的アルキルスルホニルは例えばメチルスルホニル(すなわちRはメチル)、エチルスルホニル(すなわちRはエチル)、プロピルスルホニル(すなわちRはプロピル)などである。用語“アリールスルホニル”は本明細書では基−SO−アリールを指す。用語“アラルキルスルホニル”は本明細書では基−SO−アラルキルを指し、上記アラルキルは低級アラルキルである。用語“スルホンアミド”は本明細書では−SONHである。
【0068】
本明細書に使用される用語“カルボニルアミノ”は二価基−NH−C(O)−であり、上記アルボニルアミノ基のアミド窒素の水素原子は低級アルキル、アリール、または低級アラルキル基に置換されてもよい。このような基はカルバメートエステル(−NH−C(O)−O−R)およびアミド−NH−C(O)−O−Rのような部分を含む。上記式中、Rは直鎖または分岐鎖低級アルキル、シクロアルキル、またはアリールまたは低級アラルキルである。用語“低級アルキルカルボニルアミノ”は、Rがその主鎖に1ないし約6個の炭素原子を有する低級アルキルである、アルキルカルボニルアミノを言う。用語“アリールカルボニルアミノ”は基−NH−C(O)−Rであり、上記式中のRはアリールである。同様に、用語“アラルキルカルボニルアミノ”は、Rが低級アラルキルであるカルボニルアミノである。本明細書に用いられる用語“アミノカルボニル”は二価基−C(O)−NH−を指し、ここでカルボニルアミノ基のアミド窒素の水素原子は上記のように低級アルキル、アリールまたは低級アラルキル基に置換されてもよい。
【0069】
本明細書に使用される用語“グアニジノ”または“グアニジル”はグアニジン、HN−C(=NH)−NHから誘導される部分である。このような部分は形式二重結合を担う窒素原子(グアニジンの“2”−位置、例えばジアミノメチレンアミノ、(HN)C=NH−)に結合したものと、形式単結合を担ういずれかの窒素原子(グアニジンの“1”および/または“3”−位置、例えばHN−C(=NH)−NH−)に結合したものを含む。いずれの窒素原子に結合する水素原子も適切な置換基、例えば低級アルキル、アリールまたは低級アラルキルなどで置換できる。
【0070】
本明細書に使用される用語“アミジノ”は部分R−C(=N)−NR’−(基は“N”窒素にある)およびR(NR’)C=N−(基は“N”窒素にある)を言い、RおよびR’は水素、低級アルキル、アリールまたは低級アラルキルでよい。
【0071】
“シクロアルキル”は単環または多環式、複素環式または炭素環式アルキル置換基を指す。典型的シクロアルキル置換基は3ないし8個の主鎖(すなわち環)原子を有し、上記各主鎖原子は炭素またはヘテロ原子である。用語“複素環式アルキル”は本明細書では環構造に1ないし5、より一般的には1ないし4のヘテロ原子を有するシクロアルキル置換基を言う。本発明の化合物に使用される適切なヘテロ原子は窒素、酸素および硫黄である。代表的複素環式アルキル部分は、例えばモルホリノ、ピペラチニル、ピペラジニルなどを含む。炭素環式アルキル基は、全ての環原子が炭素であるシクロアルキル基である。シクロアルキル置換基に関して用いる場合、用語“多環式”は融合および非融合アルキル環状構造を指す。このような多環式構造の例としては3つ以上のアームによって結合した2つの橋頭原子を有する二環式化合物がある。二環式構造の一例はビシクロ[2.2.1]ヘプタンであり、この化合物では橋頭原子が、それぞれ2、2、および1個の炭素原子を有する3本のアームによって結合している。
【0072】
本明細書で使用される用語“置換複素環”または“複素環式基”または複素環は、窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子を含む任意の3−または4員環、または窒素、酸素または硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1ないし3個を含む5または6員環を言う;上記5員環は0ないし2つの二重結合を有し、上記6員環は0ないし3つの二重結合を有し;上記窒素および硫黄原子は任意に酸化されていてもよく;上記窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよく;任意の上記複素環がベンゼン環または別の5−または6−員複素環に上記のように独立的に融合している任意の二環基を含む。用語“複素環”は、窒素がヘテロ原子である環、並びに部分的および完全に飽和した環を含む。好ましい複素環は例えば:ジアゼピニル、ピリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾイル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、N−メチル ピペラジニル、アゼチジニル、N−メチルアゼチジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソアゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、フリル、チエニル、トリアゾリルおよびベンゾチエニルなどである。
【0073】
複素環部分は置換されていなくてもよく、ヒドロキシル、ハロ、オキソ(C=O)、アルキルイミノ(RN=、ここでRは低級アルキルまたは低級アルコキシ基である)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ポリアルコキシ、低級アルキル、シクロアルキル、またはハロアルキルから独立的に選択される種々の置換基で一置換または二置換されていてもよい。
【0074】
本明細書の開示により、複素環式基は有機化学および医化学の当業者には明らかなように種々の位置で結合できる。
【0075】
【化47】

上記構造中、Rは本明細書に説明されるようにHまたは複素環式置換基である。
【0076】
代表的複素環として、例えばイミダゾリル、ピリジル、ピペラジニル、アゼチジニル、チアゾリル、フラニル、トリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、インドリル、ナフトピリジニル、インダゾリルおよびキノリジニルなどがある。
【0077】
“アリール”は、3ないし14主鎖炭素またはヘテロ原子を有する任意に置換された単環および多環式基を言い、炭素環式アリール基および複素環式アリール基を両方とも含む。炭素環式アリール基は、芳香環の全ての環原子が炭素であるアリール基である。用語“ヘテロアリール”は本明細書では芳香環の環原子として1ないし4個のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であるアリール基を言う。アリール置換基に関連して用いられる用語“多環式アリール”は本明細書では少なくとも1つの環構造が芳香族である融合および非融合環構造を言い、例えばベンゾジオキソゾロ(これはフェニル基に融合した複素環構造を有する、すなわち
【0078】
【化48】

、ナフチルなどである。本発明の化合物において置換基として用いられる典型的アリール部分はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、インドリル、イミダゾリル、オキソジアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、プリニル、ナフチル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピリジル、およびベンゾイミダゾリルなどである。
【0079】
“アラルキル”はアリール基で置換されたアルキル基である。一般に、本発明の化合物に使用されるアラルキル基は、アラルキル基のアルキル部分に組み込まれた1ないし6個の炭素原子を有する。本発明の化合物に用いられる適切なアルキル基は例えばベンジル、ピコリルなどである。
【0080】
代表的ヘテロアリール基は例えば以下に示すものである。これらのヘテロアリール基は、本明細書の開示に関連した有機化学および医化学の当業者には明かなように、さらに置換されていてもよく、種々の位置で結合できる。
【0081】
【化49】

代表的ヘテロアリール基は例えばイミダゾリル、ピリジル、ピペラジニル、アゼチジニル、チアゾリル、チアゾリル ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ピラゾリルおよびピラジニルなどを含む。
【0082】
用語“ビアリール”は互いに縮合していない2つのアリール基が結合した基または置換基を言う。典型的ビアリール化合物は例えばフェニルベンゼン、ジフェニルジアゼン、4−メチルチオ−1−フェニルベンゼン、フェノキシベンゼン、(2−フェニルエチニル)ベンゼン、ジフェニルケトン、(4−フェニルブタ−1,3−ジイニル)ベンゼン、フェニルベンジルアミン、(フェニルメトキシ)ベンゼンなどを含む。好ましい任意に置換されたビアリール基としては次のものがある:2−(フェニルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]−アセタミド、1,4−ジフェニルベンゼン、N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]−2−[ベンジルアミノ]−アセタミド、2−アミノ−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]プロパンアミド、2−アミノ−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−(シクロプロピルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−(エチルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−[(2−メチル−プロピル)アミノ]−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、5−フェニル−2H−ベンゾ[d]1,3−ジオキソレン、2−クロロ−1−メトキシ−4−フェニルベンゼン、2−[(イミダゾリルメチル)アミノ]−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、4−フェニル−1−フェノキシベンゼン、N−(2−アミノエチル)[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]カルボキサミド、2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]アミノ}−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−{[(4−メチルフェニル)メチル]アミノ}−N−[4−(2−フェニルエチニル)−フェニル]アセタミド、4−フェニル−1−(トリフルオロメチル)ベンゼン、1−ブチル−4−フェニルベンゼン、2−(シクロヘキシルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−(エチルメチルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、2−(ブチルアミノ)−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]アセタミド、N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]−2−(4−ピリジルアミノ) アセタミド、N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]−2−(キヌクリジン−3−イルアミノ)アセタミド、N−[4−(2−フェニルエチニル)−フェニル]ピロリジン−2−イルカルボキサミド、2−アミノ−3−メチル−N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]ブタナミド、4−(4−フェニルブタ−1,3−ジイニル)フェニルアミン、2−(ジメチルアミノ)−N−[4−(4−フェニルブタ−1,3−ジイニル)フェニル]アセタミド、2−(エチルアミノ)−N−[4−(4−フェニルブタ−1,3−ジイニル)フェニル]アセタミド、4−エチル−1−フェニルベンゼン、1−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]エタン−1−オン、N−(1−カルバモイル−2−ヒドロキシプロピル)[4−(4−フェニルブタ−1,3−ジイニル)フェニル]カルボキサミド、N−[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]プロパナミド、4−メトキシフェニル フェニル ケトン、フェニル−N−ベンザミド、(tert−ブトキシ)−N−[(4−フェニルフェニル)メチル]カルボキサミド、2−(3−フェニルフェノキシ)エタンヒドロキサミン酸、3−フェニルフェニル プロパノエート、1−(4−エトキシフェニル)−4−メトキシベンゼン、および[4−(2−フェニルエチニル)フェニル]ピロール。
【0083】
用語“ヘテロアリールアリール”は、アリール基の1つがヘテロアリール基であるビアリール基を指すものである。典型的ヘテロアリールアリール基は例えば、2−フェニル−ピリジン、フェニルピロール、3−(2−フェニルエチニル)ピリジン、フェニルピラゾール、5−(2−フェニルエチニル)−1,3−ジヒドロピリミジン−2,4−ジオン、4−フェニル−1,2,3−チアジアゾール、2−(2−フェニルエチニル)ピラジン、2−フェニルチオフェン、フェニルイミダゾール、3−(2−ピペラジニルフェニル)フラン、3−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピロールなどを含む。好ましい任意に置換されたヘテロアリールアリール基には次のものが含まれる:5−(2−フェニルエチニル)ピリミジン−2−イルアミン、1−メトキシー4−(2−チエニル)ベンゼン、1−メトキシ−3−(2−チエニル)ベンゼン、5−メチル−2−フェニルピリジン、5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール、2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]フラン、3−フルオロ−5−(2−フリル)−2−メトキシ−1−プロプ−2−エニルベンゼン、(ヒドロキシイミノ)(5−フェニル(2−チエニル)メタン、5−[(4−メチルピペラジニル)メチル]−2−フェニルチオフェン、2−(4−エチルフェニル)チオフェン、4−メチルチオ−1−(2−チエニル)ベンゼン、2−(3−ニトロフェニル)チオフェン、(tert−ブトキシ)−N−[(5−フェニル(3−ピリジル))−メチル]カルボキサミド、ヒドロキシ−N−[(5−フェニル(3−ピリジル))メチル]アミド、2−(フェニルメチル−チオ)ピリジン、およびベンジルイミダゾール。
【0084】
用語“ヘテロアリールヘテロアリール”はアリール基の両方がヘテロアリール基であるビアリール基を言う。典型的ヘテロアリールヘテロアリール基は、例えば3−ピリジルイミダゾール、2−イミダゾリルピラジンなどである。好ましい任意に置換されたヘテロアリールヘテロアリール基には:2−(4−ピペラジニル−3−ピリジル)フラン、ジエチル(3−ピラジン−2−イル(4−ピリジル)アミン、およびジメチル{2−[2−(5−メチルピラジン−2−イル)エチニル](4−ピリジル)}アミンなどがある。
【0085】
“任意に置換された”または“置換された”は、水素が一価または二価基に置き換えられたことを言う。適切な置換基には、例えばヒドロキシル、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、イミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルアミノ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、低級アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、アリールなどがある。置換基のリストを紹介する場合、用語置換および非置換は、そのリストの各メンバーに適用されるものとする。例えば用語“置換および非置換アリール、ヘテロアリールまたはアルキル”および用語“置換および非置換アリール、ヘテロアリールおよびアルキル”は、各々置換された、または非置換であるアリール、ヘテロアリール、およびアルキル基を示すものとする。
【0086】
置換基自体が置換されてもよい。置換基上に置換される基はカルボキシル、ハロ;ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノカルボニル、−SR、チオアミド、−SOH、−SORまたはシクロアルキルでよい。ここでRは一般的には水素、ヒドロキシルまたは低級アルキルである。
【0087】
置換される置換基が直鎖基を含む場合、その置換は上記鎖内(例えば2−ヒドロキシプロピル、2−アミノブチル、など)または鎖端に(例えば2−ヒドロキシエチル、3−シアノプロピル、など)起こり得る。置換される置換基は、共有結合した炭素またはヘテロ原子の直鎖、分岐状または環状配列でよい。
【0088】
本明細書に使用される用語“カルボキシ保護基”は、カルボン酸機能を阻止または保護するために用いられる一般的に使用されるカルボン酸保護エステル基の1つでエステル化されたカルボニル基であって、上記化合物のその他の機能的部位を含む反応は遂行される上記カルボニル基を言う。その他に、カルボキシ保護基は固体支持体に結合することができ、それによって上記化合物は、加水分解法によって切り離されて対応遊離酸を放出するまで、カルボキシレートとしてその固体支持体に結合したままになることができる。代表的カルボキシ保護基は例えば低級アルキルエステル類、第二アミドなどである。
【0089】
本明細書に使用される用語“薬学的に受容可能な塩類”とは、式Iの化合物の無毒性酸またはアルカリ土類金属塩を言う。これらの塩類は式Iの化合物類の最終的分離および精製中にin situ生成するか、または別に塩基または酸性官能基をそれぞれ適切な有機または無機の酸または塩基と反応させるという方法で製造できる。代表的塩としては、非制限的に次のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマール酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、蓚酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオネート、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、琥珀酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩。また、塩基性窒素含有基を次のような因子で第四級化することもできる:例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物およびヨウ化物などの低級アルキルハリド類;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸塩のようなジアルキル硫酸塩、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハリド類、ベンジルおよびフェネチル臭化物のようなアラルキルハリド類など。その結果水または油溶性の、または分散性の生成物が得られる。
【0090】
薬学的に受容可能な酸付加塩を形成するために用いられる酸の例は、塩化水素酸、硫酸およびリン酸のような無機酸および蓚酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、琥珀酸およびクエン酸のような有機酸を含む。塩基付加塩は式(I)の化合物の最終的分離および精製中にin situで、または別個に、カルボン酸部分と、薬学的に受容可能な金属カチオンの水酸化物、カルボン酸塩または炭酸水素塩のような適切な塩基とを、またはアンモニアまたは有機第一、第二または第三アミンとを反応させることによって製造できる。薬学的に受容可能な塩は、非制限的に、アルカリおよびアルカリ土類金属、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩など、並びに無毒性アンモニウム、第四アンモニウム、およびアミンカチオン類、例えば非制限的にアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどがある。
【0091】
本明細書に使用する用語“薬学的に受容可能なエステル”とは、in vivoで加水分解するエステルを意味し、ヒト体内で容易に分解して親化合物またはその塩を残すものである。適切なエステル基は、例えば薬学的に受容可能な脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオン酸から誘導されるものであり、その際各カルキルまたはアルケニル部分が多くとも6個の炭素原子を有することが好ましい。個々のエステルの例としてホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレートおよびエチルスクシネートなどが挙げられる。
【0092】
本明細書に使用する用語“薬学的に受容可能なプロドラッグ類”は、健全な医学的判断の範囲内で、不当な毒性、刺激、アレルギー反応などを起こさずにヒトおよびより下等の動物の組織と接触して使用するのに適し、合理的な利益/リスク比を有し、それらの意図する使用において有効である本発明の化合物のプロドラッグ類並びに、可能ならば、本発明の化合物の両性イオン型を言う。用語“プロドラッグ”は、in vivoで例えば血液中の加水分解などによって容易に変形して上記式の親化合物を与える化合物類を言う。T−Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびEdward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に徹底的な議論がなされている。これらは両方とも参考として本明細書に組み込まれる。
【0093】
用語“癌”は、Rafキナーゼの阻害によって効果的に処置できる癌疾患、例えば癌腫(肺、膵臓、甲状腺、膀胱または結腸癌など)のような充実癌、骨髄性疾患(骨髄性白血病など)および腺腫(結腸絨毛腺腫など)を言う。
【0094】
本発明の例証的実施形態において、Aは例えばフェニル、フェニルアルキル、ピリジル、ピリミジニル、ピリジルアルキル、ピリミジニルアルキル、アルキルベンゾエート、チオフェン、チオフェン−2−カルボキシレート、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、テトラリニル、トリフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)チオフェニル、モルホリニル、N−ピペラジニル、N−モルホリニルアルキル、ピペラジニルアルキル、シクロヘキシルアルキル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、1−アセチル−2,3−ジヒドロインドリル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ピロリジニル、ピロリジン−イル、ピロリジン−1−イルアルキル、4−アミノ(イミノ)メチルフェニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、アダマンチル、ビシクロヘキシル、キヌクリジニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾリルフェニル、フェニルイミダゾリル、フタラミド、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフェノン、アニリニル、アニソリル、キノリニル、キノリノニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキルスルホニル、9H−フルオレン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−1−イルアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルアルキル、フラニル、N−メチルピペリジン−4−イル、ピロリジン−4−イルピリジニル、4−ジアゼパン−1−イル、ヒドロキシピロリジン−1−イル、ジアルキルアミノピロリジン−1−イル、および1,4’−ビピペリジン−1’−イルであり、これらはヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、および置換または非置換アミノ、イミノ、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、イミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルアミノ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、低級アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、カルボキシル低級アルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、アリールなどからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されてもよい。その他の実施形態において、Aは置換フェニル、例えば置換または非置換のヒドロキシフェニル、ヒドロキシアルキルフェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニル、トリアルキルフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、アルコキシアルキルフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロアルコキシフェニル、アルキルハロフェニル、アルコキシハロフェニル、アルキルチオフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、アセチルフェニル、スルファモイルフェニル、ビフェニル、アルコキシビフェニル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシフェニル、ジアルキルアミノフェニル、モルホリニルフェニル、ヘテロシクリルカルボニルフェニル、ヘテロシクリルフェニル、ヘテロシクリルアルキルフェニル、フラニルフェニル、(1,4’ビピペリジン−1’−イルカルボニル)フェニル、ピリミジン−5−イルフェニル、およびキノリジニルフェニルでよい。また別の実施形態において、A1はクロロフェニル、フルオロフェニル、ブロモフェニル、ヨードフェニル、ジクロロフェニル、ジフルオロフェニル、ジブロモフェニル、フルオロクロロフェニル、ブロモクロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、アルキルブロモフェニル、トリフルオロメチルブロモフェニル、アルキルクロロフェニル、トリフルオロメチルクロロフェニル、アルキルフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフルオロフェニルから選択される置換フェニルでもよい。
【0095】
本発明のその他の典型的実施形態において、Aは、例えば置換または非置換フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、インドリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、プリニル、ナフチル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピリジル、およびベンゾイミダゾリルなどの置換または非置換アリールまたはヘテロアリールであり、これらはヒドロキシル、ニトロ、シアノ、ハロおよび置換または非置換アミノ、イミノ、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、イミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、イミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルアミノ、低級アルコキシ、ハロ低級アルコキシ、低級アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、カルボキシル低級アルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキルカルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、アリールなどからなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換されてもよい。本発明のその他の代表的実施形態において、Aは置換または非置換のピリジルである。
【0096】
本発明の代表的実施形態において、本発明の化合物は、例えば4−{2−[(4−[(ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({4−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(メチルチオ)フェニル]−アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(4−モルホリン−4−イルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(6−クロロピリジン−3−イル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[6−(メチルオキシ)ピリジン−3−イル]アミノ}−キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−(フェニルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]−オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(シクロヘキシルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(フェニルメチル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(フェニルエチル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}−キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[2−ブロモ−4−(1−メチルエチル)フェニル]アミノ}−キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル[4−(2−メチルスルホニルキナゾリン−6−イルオキシ)(2−ピリジル)]カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({4−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(メチルチオ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}アミノ)−キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチルー4−({2−[(4−モルホリン−4−イル−フェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(6−クロロピリジン−3−イル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[6−(メチルオキシ)ピリジン−3−イル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[(2−(フェニルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(シクロヘキシルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチル−ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(フェニルメチル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(2−フェニルエチル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]アミノ}キナゾリン−6−イル)−オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[2−ブロモ−4−(1−メチルエチル)フェニル]−アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(イソキノリン−1−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2−エチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−フルオロ−2−メチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−(キノリン−2−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2,5−ジメチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[5−メチル−2−(メチルオキシ)フェニル]−アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−(ピリジン−2−イル−アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(2−モルホリン−4−イル−フェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[2−(メチルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−フルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−クロロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[3−クロロ−4−(メチルオキシ)−フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[3−(メチルチオ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−(ピリジン−3−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({3−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(1,1’−ビフェニル−3−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({3−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−エチニルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3,4−ジフルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3,4−ジメチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(メチルオキシ)−フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−エチルフェニル)−アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[4−(ブチルオキシ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[4−(1−メチルエチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−[(2−{[5−シクロヘキシル−2−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−({2−[(4−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)ピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルアミノ)−キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[
2−[(4−フルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2,3−ジフルオロフェニル)−アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−{[2−(9H−フルオレン−2−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(3−シクロヘキシルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−[(2−{[3−(1−メチルエチル)フェニル]アミノ}キナゾリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−2−ヒドロキシエチル]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−[3−(メチルオキシ)プロピル]ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−(2−ピペリジン−1−イルエチル)ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−(2−ピペリジン−1−イルエチル)ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]−キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−プロピルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブロムフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド、N−メチル−4−{[2−({3−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}アミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−クロロ−3−メチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、4−({2−[(4−ブチルフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イル}オキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド、(4−{2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ](6−キノリルオキシ)}−(2−ピリジル))−N−メチルカルボキサミド、およびN−メチル−4−[(2−{[3−(1−メチルエチル)フェニル]−アミノ}キノリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミドなど、および実施例に示すその他の代表的化合物類を含む。
【0097】
その他の局面において、本発明は式I−VIIIの化合物の製法およびこのような製法に有用な合成中間体に関係する。
【0098】
本発明の化合物類は不斉置換された炭素原子を含む。そのような不斉に置換された炭素原子は特定の不斉置換炭素原子の立体異性体の混合物または単一立体異性体を含有する本発明の化合物を生成する。その結果、本発明の化合物のラセミ化合物、ジアステレオマー混合物、並びに単一ジアステレオマーが本発明に含まれる。本明細書に使用される用語“S”および“R”配置は、the IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry,Pure Apple.Chem.45:13−30(1976)によって定義される。用語αおよびβは環状化合物の環の位置に使用される。基準面のα側は、好ましい置換基がより小さいナンバーの位置に横たわっている面である。基準面の反対側に横たわる置換基はβディスクリプタと呼ばれる。この使用法は環状立体親化合物に関する場合と異なる。後者では“α”は“面の下方”を意味し、絶対的配置を言う。本発明に使用する用語αおよびβ配置は、Chemical Abstracts Index Guide−Appendix IV(1987)paragraph 203によって定義される。
【0099】
本発明は、以下に詳細に記載するように、本発明の化合物の製法およびそのような製法に使用する合成中間体にも関係する。
【0100】
(合成法)
キナゾリンまたはキノリン コアを含む本発明の化合物は当業者には公知の多数の方法を用いて作られる。一方法において、本発明の化合物を、次に示す、スキームおよび以下の実施例1に記載の方法で得られる中間体2−クロロ−6−メトキシキナゾリン8から作ることができる。
【0101】
【化50】

このスキームにおいて、5−ヒドロキシ−2−ニトロベンズアルデヒド 1をDMF中でヨードメタンおよび炭酸カリウムと反応させ、5−メトキシー2−ニトロベンズアルデヒド 2を得る。メトキシベンズアルデヒドをp−トルエンスルホン酸一水和物(触媒量)と共にトルエン中で加熱し、ジオキサン誘導体3を得る。これに水素添加すると2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニルアミン 4が得られる。エトキシカルボキサミド 5に変換し、その後ホルミルカルボキサミド 6に変換した後、アンモニアで閉環することによって6−メトキシキナゾリン−2−オル 7が得られる。その後オキシ塩化リンとの反応により所望の2−クロロ−6−メトキシキナゾリン中間体 8が得られる。
【0102】
【化51】

上記スキームAの反応により本発明の代表的化合物類は次のようにして得られる;6−メトキシキナゾリン−2−オル 8と、4−ブロモアニリンのようなアリールアニリンとの反応によって、対応するアリールメトキシキナゾリン 9を生成し、これを加熱して対応するアルコール 10を得る。その後所望の置換基、例えば4−クロロ(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミドなどを上記アルコール基に付加し、この場合には4−{2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド 11である本発明の所望化合物が得られる。
【0103】
【化52】

上に示すまた別の反応スキームBにおいて、2−クロロ−6−メトキシキナゾリン 8をエタノール中でチオメトキシドナトリウムと反応させ、乾燥塩化メチレン、エタンチオールおよび塩化アルミニウムと反応させると2−メチルチオキナゾリン−6−オル 13が得られる。所望の置換基(この場合には4−クロロ(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド)をアルコール基に付加し、対応する置換メチルチオキナゾリン 14を得る。酢酸中で3−クロロペルオキシ安息香酸で処理すると対応するスルフリル 15が生成する。これを所望の置換基(この場合は2−ナルチルアニリン)に置き換えると、本発明の所望化合物、この場合はN−メチル−4−{[2−(ナフタレン−2−イルアミノ)−キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミドが得られる。
【0104】
同様にして本発明のキノリン化合物を次の反応スキームCのように合成できる:
【0105】
【化53】

反応スキームCに示すように、キノリン2,6−ジオールをPOClで塩素化し、2−クロロキノリン−6−オルを得る、これを所望のアミン置換基(この場合には4−ブロモ−3−メチルアニリン)と反応させ、アミン置換キノリノールを得る。ジメチルホルムアミド中の上記アルコールとカリウムビス(トリメチルシリル)アミドとの混合物を上記アルコール基において所望置換基(この場合はジメチルホルムアミド)と反応させると、所望生成物、この場合は(4−{2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ](6−キノリルオキシ)}(2−ピリジル))−N−メチルカルボキサミドが得られる。
【0106】
Y=OまたはSである本発明の化合物類は一般に以下の実施例1−92に示すように合成される。Y=Cを含む化合物類は以下のWO 03/031458に記載されるように合成される。Y=Nである化合物類は一般にヒドロキシ置換キノリニル、イソキノリニル、またはキナゾリニル化合物を無水トリフルオロメタンスルホン酸で処理し、その後Pd触媒条件下で適切なアリールまたはヘテロアリールで処理することによって作られる(Old,D.W;Wolfe,J.P.;Buchwald,S.L.J.Am.Chem.Soc.1998,120,9722−9723)。
【0107】
本発明の種々のその他の化合物類は、適切に官能化されたヘテロアリールまたはアリール酸(−A−COOH)をSchmidt/Curtius転位条件下でアジ化ナトリウムまたはジフェニルホスホリルアジドで処理し、対応するヘテロアリールイソシアネート(−A−N=C=O)中間体を形成することによって作ることができる。これらのイソシアネートは分離する必要はなく、公知の方法によって容易にアミン、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、尿素およびチオウレアに変換できる。
【0108】
本発明の化合物類はin vitroまたはin vivoで癌細胞の増殖を効果的に阻止する。これらの化合物は単独で、または薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と組合わせて使用できる。適切な薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤は、例えばプロセッシング剤および薬剤送達変更剤およびエンハンサー、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖類、二糖類、澱粉、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ポリビニルピロリジノン、低融点ワックス、イオン交換樹脂など、並びにこれらの任意の2種類以上の組み合わせなどである。その他の適切な薬学的に受容可能な賦形剤は“Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)に記載されている。これは参考として本明細書に組み込まれる。
【0109】
本発明の化合物類の有効量は、一般に、本明細書に記載される任意のアッセイによって、当業者に公知のその他のRafキナーゼ活性アッセイによって検出できる、または癌症状の抑制または軽減を見いだすことによって検出できるRaf活性阻害を起こすのに十分な任意量を含む。
【0110】
単回投与形を生成するためにキャリア材料と組み合わせる活性成分の量は処置すべきホストおよび特定の投与法によって変動する。しかし、任意の特定の患者のための特異的用量レベルは使用する特異的化合物の活性、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物組み合わせ、および治療の対象となる個々の疾患の重症度などの種々の要因に依存する。与えられた状態に対する治療的有効量は日常的実験によって容易に決めることができ、一般的臨床医の技術および判断の範囲内である。
【0111】
本発明の目的のための治療的有効量は、一般に、ホストに単回投与または分割投与される1日総用量である。例えば、1日に0.001ないし1000mg/kg体重、より好ましくは1日に1.0ないし30mg/kg体重である。用量単位の組成物は上記1日量を構成するような分割投与量を含むことができる。
【0112】
本発明の化合物は一般的、無毒性の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、および媒体を所望のように含む用量単位組成物として、経口、非経口、舌下投与によって、エアロゾル化または吸入スプレーによって、直腸内または局所的に投与される。局所投与は、経皮的パッチまたはイオン泳動デバイスのような経皮的投与の使用を含む。本明細書に使用する用語、“非経口的”は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入法を含む。
【0113】
注射用製剤、例えば滅菌注射用の水性または油性懸濁液は、当業者に公知の方法によって、適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して調製される。滅菌注射用製剤は、非経口的に受容可能な無毒の希釈剤または溶媒中の滅菌注射用製剤、例えば1,3−プロパンジオール溶液などでよい。使用できる上記受容可能な媒体および溶媒のなかには、水、リンゲル溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。その他に無菌の固定油が溶媒または懸濁媒体として一般的に用いられる。この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリド類を含む任意の低刺激性の固定油を使用してもよい。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射用製剤に使用できる。
【0114】
薬剤を直腸内投与するための座薬類は上記薬剤をココアバターおよびポリエチレングリコールのような適切な非刺激性賦形剤と混合することによって作ることができる。これらは常温では固体であるが直腸温度では液体となり、そのため直腸内で融解して上記薬剤を放出する。
【0115】
経口投与のための固体投与型にはカプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒がある。このような固体投与型においては、上記活性化合物をスクロース ラクトースまたは澱粉など、少なくとも1種類の不活性希釈剤と混合することができる。このような投与型は通常、不活性希釈剤以外の追加的物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑剤も含むことができる。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、投与型は緩衝剤も含むことができる。錠剤および丸薬は付加的に腸溶性コーティングを行うこともできる。
【0116】
経口投与のための液体投与型は、当業者が一般的に使用する不活性希釈剤、例えば水などを含む薬学的に受容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルである。このような組成物は湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、シクロデキストリン、および甘味料、香味料および芳香剤などのアジュバントも含むことができる。
【0117】
本発明の化合物類はリポソームの形で投与することもできる。当業者には公知のように、リポソームは一般にリン脂質またはその他の液体物質から誘導される。リポソームは水性媒体中に分散した単層または多層水和液体結晶によって作られる。リポソームを形成できる無毒性の、生理学的に受容可能であり、代謝される任意の液体が使用できる。本発明のリポソーム型組成物は本発明の化合物の他に、安定剤、保存料、賦形剤などを含むことができる。好ましい脂質は、天然および合成リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン類)である。リポソームの製法は当業者には公知である。例えばPrescott,Ed.,Methods in Cell Biology,Volume XIV,Academic Press,New York,N.W.,p.33 et seq.(1976)を参照。
【0118】
本発明の化合物類は単一の活性医薬製剤として投与できるが、その一方で癌の処置に使われる1種類以上のその他の製剤と組み合わせて使用することもできる。癌の処置のための本発明の化合物と組み合わせて使用できる代表的薬は例えばイリノテカム、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン カルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド類、イマチニブ(グリーベク)、アントラサイクリン類、リツキシマブ、トラスツズマブ、ダカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(ゲフィチニブ)、並びにその他の癌化学療法剤などである。
【0119】
本発明の化合物と組み合わせて使用される上記化合物は、参考として本明細書に組み込まれているPhysicians’Desk Reference(PDR)47th Edition(1993)に記載されている治療量、または当業者に公知であるような治療的使用量が用いられる。
【0120】
本発明の化合物類およびその他の抗癌剤は推奨最大臨床量か、それより少量が投与できる。本発明の組成物中の活性化合物の投与レベルは、投与経路、疾患の重症度および患者の反応に応じて所望の治療的反応が得られるように種々変えられる。組み合わせ投与の場合、その組み合わせは別々の組成物として投与してもよいし、両製剤を含む単一投与型として投与してもよい。組み合わせて投与する場合、上記治療薬は同時にまたは異なる時に与えられる別々の組成物として処方でき、またはこれらの治療薬を単一組成物として与えることもできる。
【0121】
タモキシフェンのような抗エストロゲン類は、細胞周期停止の誘導によって乳癌の増殖を阻止する。細胞周期停止には細胞周期インヒビタp27Kipの作用が必要である。最近、Ras−Raf−MAPキナーゼ経路の活性化によりp27Kipのリン酸化状態が変化し、細胞周期停止におけるその阻止作用が弱まり、それによって抗エストロゲン抵抗に役立つことが判明した(Donovan et al,J.Biol.Chem.276:40888,2001)。Donovanらの報告によると、MEKインヒビタによるMAPKシグナリングの阻害はホルモン不応性乳癌細胞系におけるp27のリン酸化状態を変え、それによってホルモン感受性を回復した。よって一局面において、式(I)−(V)の化合物を乳癌および前立腺癌などのホルモン依存性癌の処置に使用して、従来の抗癌剤でこれらの癌に通常見られるホルモン抵抗性を元に戻すことができる。
【0122】
慢性骨髄性白血病(CML)のような血液癌においては、染色体転座がBCR−AB1チロシンキナーゼの構造的活性化を起こす。これらの患者は小分子量チロシンキナーゼインヒビタであるグリーベクに反応する。これはAb1キナーゼ活性が阻害された結果である。しかし亢進期疾患の多くの患者は最初はグリーベクに反応するが、その後Ab1キナーゼドメインにおける抵抗供与突然変異により、再発する。 In vitro研究により、BCR−Av1がその効果を誘導するためにRaf−キナーゼ経路を使用することが証明された。さらに、同じ経路の1つ以上のキナーゼの阻害は、抵抗供与突然変異を付加的に防御する。よって本発明のもう一つの局面において、式(I)−(VIII)の化合物は、慢性骨髄性白血病(CML)のような血液癌の処置においてグリーベクなどの少なくとも1種類の追加的薬剤と組み合わせて使用され、少なくとも1種類の追加的薬剤に対する抵抗性を逆転または阻止する。
【0123】
本発明は下記の実施例を参照することによってより容易に理解される。下記の実施例は本発明を説明するためのものであって、制限するものではない。
【0124】
下記の実施例の化合物類に使用するための代表的側鎖は一般に下記の方法によって合成される:
【実施例】
【0125】
実施例1
(4−{2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミドの合成
【0126】
【化54】

化合物(4−{2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミドを次のように合成した:
工程1.5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド 2の合成
DMF中5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(1等量)をヨードメタン(1.1等量)および炭酸カリウム(1等量)と共に含む混合物を室温で16時間撹拌した。生成した混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機層をブラインで洗い、乾燥し、濃縮すると、5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒドが定量的に得られた。
MS:MH=182。
【0127】
工程2.2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシ−1−ニトロベンゼン 3の合成
トルエン中5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(1等量)、エチレングリコール(1.4等量)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(触媒量)の混合物をディーン−スターク装置で16時間還流加熱した。その後混合物を濃縮し、シリカプラグを通過させ、2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシ−1−ニトロベンゼンを85−90%収率で得た。
MS:MH=226。
【0128】
工程3.2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニルアミン 4の合成
酢酸エチル中2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシ−1−ニトロベンゼン(1等量)の溶液を酢酸ナトリウム(0.08等量)および酸化白金(0.06等量)で処理し、パル装置中で50psiで16時間水素添加した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮すると2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニルアミンが定量的に得られた。
MS:MH=196。
【0129】
工程4.N−(2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニル)エトキシカルボキサミド 5の合成
エチル クロロホルメート(1.2等量)をTHF中2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニルアミン(1等量)およびトリエチルアミン(1.2トリエチルアミン)に0℃で加えた。この反応は瞬時に完了した。混合物を濃縮し、酢酸エチルと水とに分配した。有機層をブラインで洗い、乾燥し、濃縮すると、N−(2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニル)エトキシカルボキサミドが黄色固体として定量的に得られた。
MS:MH=268。
【0130】
工程5.エトキシ−N−(2−ホルミル−4−メトキシフェニル)カルボキサミド 6の合成
N−(2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−4−メトキシフェニル)エトキシカルボキサミドをアセトンに溶解し、それに塩化水素酸を加えた。その混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空中で除去するとエトキシ−N−(2−ホルミル−4−メトキシフェニル)カルボキサミドが定量的に得られた。
MS:MH=224。
【0131】
工程6.6−メトキシキナゾリン−2−オル 7の合成
ドライアイス浴温度に冷やしたエタノールにアンモニアを1時間ぶくぶく通した。エトキシ−N−(2−ホルミル−4−メトキシフェニル)カルボキサミドを加え、生成した溶液をオートクレーブ中で130℃に16時間加熱した。褐色溶液を木炭で処理し、濾過し、濾液を濃縮した。黄色物質をクロマトグラフィーにかけると6−メトキシキナゾリン−2−オルが得られた。
MS:MH=177。
【0132】
工程7.2−クロロ−6−メトキシキナゾリン 8の合成
6−メトキシキナゾリン−2−オル(1等量)およびオキシ塩化リン(2−10等量)を2時間還流した。反応混合物を濃縮し、炭酸ナトリウムで中和し、炭酸ナトリウムはその後濾去した。濃縮物を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層をブラインで洗い、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%アセトン)にかけると、2−クロロ−6−メトキシキナゾリンがベージュ色の固体として90%収率で得られた。MS:MH=195。
【0133】
工程8.(4−ブロモフェニル)(6−メトキシキナゾリン−2−イル)アミン 9の合成
エタノール中2−クロロ−6−メトキシキナゾリン(1等量)および4−ブロモアニリン(2等量)を16時間80℃に加熱した。混合物を濃縮し、シリカプラグを通過させて(4−ブロモフェニル)(6−メトキシキナゾリン−2−イル)アミンを得た。
MS:MH=330。
【0134】
工程9.2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−オル 10の合成
HBr中(4−ブロモフェニル)(6−メトキシキナゾリン−2−イル)アミンを16時間100℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、分取クロマトグラフィー上で精製した。凍結乾燥により、2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−オルが得られた。
MS:MH=316。
【0135】
工程10.(4−{2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル))−N−メチルカルボキサミドの合成
2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−オル(1等量)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(4等量)を含む混合物をジメチルホルムアミド中で10分間室温で撹拌した。この混合物に(4−クロロ(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド(1等量)および炭酸カリウム(1.2等量)を加え、170℃で6分間マイクロ波処理した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水とに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗い、乾燥、濾過し、濃縮した。分取クロマトグラフィー上で精製すると4−{2−[(4−ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン−6−イルオキシ}−(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミドが70−75%収率で得られた。
MS:MH=450。
【0136】

実施例2−108
下表1に示される化合物類(実施例2−16)は、実施例1に記載した方法によって作られる。
【0137】
【表1−1】

【0138】
【表1−2】

実施例16
N−メチル−4−{[2−(ナフタレン−2−イルアミノ)キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミドの合成
【0139】
【化55】

工程1:N−メチル[4−(2−メチルチオキナゾリン−6−イルオキシ)(2−ピリジル)]カルボキサミド14の合成:
エタノール(0.5M)中2−クロロ−6−メトキシキナゾリン(1等量)およびナトリウムチオメトキシド(2等量)の混合物を3時間還流させた。反応物を室温にまで冷やし、蒸発した。混合物を酢酸エチルに取り、水およびブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を乾燥塩化メチレンで処理し、それに室温でエタンチオール(5等量)を加えた。塩化アルミニウム(5等量)を0℃で注意深く加えた。反応物を室温に温め、一晩激しく撹拌した。反応物を塩化メチレンで希釈し、飽和したロシェル塩溶液を加え、2層が分離するまで約3時間撹拌した。有機層を分離し、ロシェル塩溶液で洗い(2X)、その後水およびブラインで洗い、乾燥し、蒸発した。粗2−メチルチオキナゾリン−6−オル(1等量)をDMF(0.5M)に取り、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2等量)を加え、室温で10分間撹拌した。4−クロロ(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド(1.1等量)を加え、その後炭酸カリウム(1等量)を加え、85−90℃で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗い、乾燥し、蒸発した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル中ヘキサン4:1、その後酢酸エチル中ヘキサン2:1および1:1)にかけると、上記生成物が75−80%収率で得られた。
【0140】
工程2.N−メチル[4−(2−メチルスルホニルキナゾリン−6−イルオキシ)(2−ピリジル)]カルボキサミド 15の合成:
塩化メチレン中N−メチル[4−(2−メチルチオキナゾリン−6−イルオキシ)(2−ピリジル)]−カルボキサミド(0.5M)の溶液を酢酸(8−10%)で処理し、室温で5分間撹拌した。3−クロロペルオキシ安息香酸(2等量)および2時間後にさらに1等量を加え、室温で3時間撹拌した。反応物を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで非常に注意深く中和した。有機層を分離し、水およびブラインで洗うと上記生成物が得られる。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル1:1)にかけると上記生成物が定量的に得られた。
【0141】
工程3.N−メチル−4−{[2−(ナフタレン−2−イルアミノ)−キナゾリン−6−イル]オキシ}ピリジン−2−カルボキサミドの合成
N−メチル[4−(2−メチルスルホニルキナゾリン−6−イルオキシ)(2−ピリジル)]カルボキサミド 15(1等量)をアセトニトリル(1M)中2−ナフチルアニリン(2等量)で処理し、80−85℃に加熱した。混合物を蒸発し、分取クロマトグラフィー上で精製し、上記生成物を得た。
【0142】
下記の表2に示す実施例17−119の各々を実施例109に記載の方法によって合成した:
【0143】
【表2−1】

【0144】
【表2−2】

【0145】
【表2−3】

実施例38−90
その他の化合物
前記の一般的方法によって下記のその他の化合物を合成した:
【0146】
【表3−1】

【0147】
【表3−2】

【0148】
【表3−3】

【0149】
【表3−4】

【0150】
【表3−5】

【0151】
【表3−6】

【0152】
【表3−7】

実施例91
4−{2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ](6−キノリルオキシ)}−(2−ピリジル))−N−メチルカルボキサミドの合成
【0153】
【化56】

工程1.2−クロロキノリン−6−オルの合成
THF(0.25M)中キノリン2,6−ジオール(1等量)の溶液をPOCl(1.1等量)および1滴のDMFで処理した。反応混合物に砕いた氷を加え、EtOAcを加え、炭酸水素ナトリウム溶液で中和した。混合物を1N HClでpH6−7にし、酢酸エチル層を分離し、水およびブラインで洗い、表題の化合物を得た。
MS:MH=180.6
工程2.2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ]キノリン−6−オルの合成
エタノール(1M)中に2−クロロキノリン−6−オル(1等量)、4−ブロモ−3−メチルアニリン(2等量)およびジイソプロピルエチルアミン を含む混合物を一晩還流した。エタノール(1M)中に2−クロロキノリン−6−オル(1等量)、4−ブロモ−3−メチルアニリン(2等量)およびジイソプロピルエチルアミン を含む混合物を一晩還流した。生成混合物を濃縮し、シリカゲル上で精製すると所望生成物が得られた。エタノール(1M)中に2−クロロキノリン−6−オル(1等量)、4−ブロモ−3−メチルアニリン(2等量)およびジイソプロピルエチルアミンを含む混合物を一晩還流した。生成混合物を濃縮し、シリカゲル上で精製すると所望生成物が得られた。
MS:MH=329.1
工程3.(4−{2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ](6−キノリルオキシ)}(2−ピリジル))−N−メチルカルボキサミドの合成
2−[(4−ブロモ−3−メチルフェニル)アミノ]キノリン−6−オルおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2等量)の混合物をジメチルホルムアミド中で室温で30分間撹拌した。この混合物に(4−クロロ(2−ピリジル)−N−メチルカルボキサミド(1等量)および炭酸カリウム(1.2等量)を加え、170℃6分間マイクロ波処理した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を分離し、ブラインで洗い、乾燥し、濾過し、濃縮した。分取LC上で精製すると所望生成物が得られた。
MS:MH=463.3

実施例92
N−メチル−4−[(2−{[3−(1−メチルエチル)フェニル]アミノ}キノリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミドの合成
【0154】
【化57】

実施例91の方法により、N−メチル−4−[(2−{[3−(1−メチルエチル)−フェニル]アミノ}キノリン−6−イル)オキシ]ピリジン−2−カルボキサミドを合成した。
MS:MH=413.5

実施例93
4−[2−(3−tert−ブチル−フェニルアミノ)キノキサリン−6−イルオキシ]−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドの合成
【0155】
【化58】

1.(3−tert−ブチル−フェニル)−(6−メトキシ−キノキサリン−2−イル)−アミンの合成
エタノール中2−クロロ−6−メトキシキノキサリン(J.Chem.Soc.Perkin Trans 2001,978−984の記載のように合成)(1等量)、3−t−ブチルアニリン(2等量)を含む溶液を80℃に一晩加熱した。生成混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水との間に分配した。有機層をブラインで洗い、乾燥した。シリカゲル上で精製し、所望生成物を得た。
MS:MH=308.3
2.2−(3−tert−ブチル−フェニルアミノ)−キノキサリン−6−オルの合成
(3−tert−ブチル−フェニル)−(6−メトキシ−キノキサリン−2−イル)−アミンおよび臭化水素酸(48%)の混合物を140℃で6分間マイクロ波処理し、所望生成物を得た。混合物を炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、酢酸エチルに取った。有機層を水およびブラインで洗い、濃縮し、シリカゲル上で精製した
MS:MH=294.3
3.4−[2−(3−tert−ブチル−フェニルアミノ)−キノキサリン−6−イルオキシ]−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドの合成
2−(3−tert−ブチル−フェニルアミノ)−キノキサリン−6−オル(1等量)と、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(4等量)とを含む混合物をジメチルホルムアミド中で室温で30分間撹拌した。この混合物に4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド(1等量)および炭酸カリウム(1.2等量)を加え、170℃で6分間マイクロ波処理した。反応混合物をその後濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を分離し、ブラインで洗い、乾燥し、濾過し、濃縮した。分取LC上で精製すると所望生成物が得られた。
MS:MH=428.5

実施例94
Raf/Mek濾過アッセイ
緩衝液
アッセイ緩衝液:50mMトリス、pH7.5、15mM MgCl2、0.1mM EDTA、1mM DTT
洗浄緩衝液:25mM Hepes、pH7.4、50mM ピロリン酸ナトリウム、500mM NaCl
停止試薬:30mM EDTA
材料
Raf、活性: Upstate Biotech #14−352
Mek、不活性: Upstate Biotech #14−205
33P−ATP: NEN Perkin Elmer#NEG602h
96ウェルアッセイプレート:Falcon U−bottomポリプロピレンプレート#35−1190
フィルタ装置: Millipore #MAVM096OR
96ウェル濾過プレート: Millipore Immobilon 1#MAIP NOB
シンチレーション液: Wallac OptiPhase“SuperMix”#1200−439
アッセイ条件
Raf約120pM
Mek約60nM
33P−ATP100nM
反応時間45−60分、室温
アッセイプロトコル
RafおよびMekをアッセイ緩衝液(50mMトリス、pH7.5、15mM MgCl.0.1mM EDTAおよび1mM DTT)中2X最終濃度で合わせ、ポリプロピレンアッセイプレート(Falcon U−bottomポリプロピレン96ウェルアッセイプレート#35−1190)にウェルあたり15μlを分配した。バックグラウンドレベルを、Rafを含まず、MekおよびDMSOを含むウェルで測定した。
【0156】
Raf/Mek含有ウェルに、100%DMSOで10X希釈したrafキナーゼインヒビタ試験化合物3μlを加えた。rafキナーゼ活性反応は、アッセイ緩衝液で希釈した2.5X33P−ATPをウェルあたり12μl付加することによって開始された。45−60分後、停止試薬(30mM EDTA)70μlの添加によって反応を停止した。濾過プレートは70%エタノールで5分間あらかじめ濡らし、その後洗浄緩衝液で濾過することによってすすいだ。反応ウェルからのサンプル(90μl)を濾過プレートに移した。濾過プレートを乾燥し、シンチレーション液(Wallac OptiPhase“SuperMix”#1200−439)をウェルあたり100μl加えた。その後Wallac Microbeta1450リーダーを使用してCPMを測定した。
【0157】

実施例95
アッセイ2:ビオチニル化Rafスクリーン
In Vitro Rafスクリーン
Rafセリン/スレオニン キナーゼの種々のイソ型の活性は、ATP、Mek基質を用意し、リン酸部分のMEK残基への移行をアッセイすることによって測定できる。Rafの組換えイソ型はヒトRaf組換えバクロウィルス発現ベクターに感染したsf9昆虫細胞から精製することによって得られた。組換えキナーゼ不活性MEKをE.coliに発現させ、精製後にビオチンで標識化した。各アッセイにおいて、試験化合物はDMSOで逐次希釈し、その後反応緩衝液プラスATP(1μM)中のRaf(0.50nM)およびキナーゼ不活性ビオチン−MEK(50nM)と混合した。反応物をその後室温で2時間インキュベートし、0.5M EDTAの添加によって反応を停止した。停止した反応混合物をニュートラダビン塗布プレート(Pierce社)に移し、1時間インキュベートした。リン酸化生成物は、DELFIA時間分解蛍光装置(Wallac社)で、一次抗体としてウサギ抗−p−MEK(Cell Signaling)を使用し、二次抗体としてユーロピウム標識抗ウサギを使用して測定された。時間分解蛍光はWallac1232DELFIAフロロメータで読み取られた。各化合物の50%阻止濃度(IC50)はXL Fitデータ分析ソフトウエアを使用して非線型回帰によって計算した。
【0158】
実施例94または95の方法を使用すると、実施例1−93の化合物類は5μM未満のIC50でrafキナーゼ阻害活性を有することが判明した。
【0159】
本発明の好ましい実施形態を例示し、説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変更がなされ得ることは当然である。
【0160】
独占的な所有権または特権を主張する本発明の実施形態を次のように定義する:

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩であって:
【化1】

式中、XおよびXは、NまたはCHから独立的に選択され、ただし、XおよびXの少なくとも1つがNであり;
YはO、S、CH、NR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−であり;
Zは
【化2】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであって、AAは置換または非置換アミノ酸であり、破線は単結合または二重結合を表し;
は置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリール−ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキル、またはヘテロアリールアリールアルキルであり;
は置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシルであるか;またはRはRと一緒になって置換または非置換のヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成し;破線は単結合または二重結合を表し;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換アルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり;
およびRは水素、置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから独立的に選択されるか;またはRおよびRは一緒になって置換または非置換のヘテロシクロまたはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ジヘテロシクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)アミノアルキル、ジヘテロシクロアルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである、
化合物。
【請求項2】
がNである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がNである請求項1記載の化合物。
【請求項4】
およびXが両方ともNである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
YがOである請求項1記載の化合物。
【請求項6】
が、置換または非置換のフェニル、フェニルアルキル、ピリジル、ピリミジニル、ピリジルアルキル、ピリミジニルアルキル、アルキルベンゾエート、チオフェン、チオフェン−2−カルボキシレート、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、テトラリニル、トリフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)チオフェニル、モルホリニル、N−ピペラジニル、N−モルホリニルアルキル、ピペラジニルアルキル、シクロヘキシルアルキル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、1−アセチル−2,3−ジヒドロインドリル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ピロリジニル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−1−イルアルキル、4−アミノ(イミノ)メチルフェニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、アダマンチル、ビシクロヘキシル、キヌクリジニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾリルフェニル、フェニルイミダゾリル、フタラミド、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフェノン、アニリニル、アニソリル、キノリニル、キノリノニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキルスルホニル、9H−フルオレン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−1−イルアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルアルキル、フラニル、N−メチルピペリジン−4−イル、ピロリジン−4−イルピリジニル、4−ジアゼパン−1−イル、ヒドロキシピロリジン−1−イル、ジアルキルアミノピロリジン−1−イル、および1,4’−ビピペリジン−1’−イルからなる群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項7】
が置換または非置換のフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
が置換または非置換のヒドロキシフェニル、ヒドロキシアルキルフェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニル、トリアルキルフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、アルコキシアルキルフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロアルコキシフェニル、アルキルハロフェニル、アルコキシハロフェニル、アルキルチオフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、アセチルフェニル、スルファモイルフェニル、ビフェニル、アルコキシビフェニル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシフェニル、ジアルキルアミノフェニル、モルホリニルフェニル、ヘテロシクリルカルボニルフェニル、ヘテロシクリルフェニル、ヘテロシクリルアルキルフェニル、フラニルフラニル、(1,4’−ビピペリジン−1’−イルカルボニル)フェニル、ピリミジン−5−イルフェニル、およびキノリジニルフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項7記載の化合物。
【請求項9】
がクロロフェニル、フルオロフェニル、ブロモフェニル、ヨードフェニル、ジクロロフェニル、ジフルオロフェニル、ジブロモフェニル、フルオロクロロフェニル、ブロモクロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、アルキルブロモフェニル、トリフルオロメチルブロモフェニル、アルキルクロロフェニル、トリフルオロメチルクロロフェニル、アルキルフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフルオロフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項8記載の化合物。
【請求項10】
が置換または非置換ピリジルである請求項1記載の化合物。
【請求項11】
Zが
【化3】

であり、RがOである請求項1記載の化合物。
【請求項12】
Zが
【化4】

であり、RがNRであり、Rが水素であり、Rが水素および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルからなる群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項13】
Zが
【化5】

であり、RがRと一緒になって置換または非置換ヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成する請求項1記載の化合物。
【請求項14】
が低級アルコキシである請求項1記載の化合物。
【請求項15】
がメトキシである請求項15記載の化合物。
【請求項16】
が水素である請求項1記載の化合物。
【請求項17】
が低級アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項18】
がメチルである請求項17記載の化合物。
【請求項19】
式(V)で表される請求項1記載の化合物:
【化6】

またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩。
【請求項20】
Zが
【化7】

であり、RがOであり、RがNRであり、RがHであり、Rがメチルである請求項1記載の化合物。
【請求項21】
式(II)で表される化合物、またはそれらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩であって:
【化8】

式中、XはNまたはCHであり;
YはO、S、CH、NR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−であり;
Zは
【化9】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであって、AAは置換または非置換のアミノ酸であり、破線は単結合または二重結合を表し;
は置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリールヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキル、またはヘテロアリールアリールアルキルであり;
は置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシルであるか;またはRはRと一緒になって置換または非置換のヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成し;破線は単結合または二重結合を表し;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり;
およびRは水素、および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから独立的に選択されるか;またはRおよびRは一緒になって置換または非置換のヘテロシクロまたはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ジヘテロシクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)アミノアルキル、ジヘテロシクロアルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである、
化合物。
【請求項22】
がCHである請求項21記載の化合物。
【請求項23】
が水素である請求項21記載の化合物。
【請求項24】
がメチルである請求項21記載の化合物。
【請求項25】
が置換または非置換のフェニル、フェニルアルキル、ピリジル、ピリミジニル、ピリジルアルキル、ピリミジニルアルキル、アルキルベンゾエート、チオフェン、チオフェン−2−カルボキシレート、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、テトラリニル、トリフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)チオフェニル、モルホリニル、N−ピペラジニル、N−モルホリニルアルキル、ピペラジニルアルキル、シクロヘキシルアルキル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、1−アセチル−2,3−ジヒドロインドリル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ピロリジニル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−1−イルアルキル、4−アミノ(イミノ)メチルフェニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、アダマンチル、ビシクロヘキシル、キヌクリジニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾリルフェニル、フェニルイミダゾリル、フタラミド、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフェノン、アニリニル、アニソリル、キノリニル、キノリノニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキルスルホニル、9H−フルオレン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−1−イルアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルアルキル、フラニル、N−メチルピペリジン−4−イル、ピロリジン−4−イルピリジニル、4−ジアゼパン−1−イル、ヒドロキシピロリジン−1−イル、ジアルキルアミノピロリジン−1−イル、および1,4’−ビピペリジン−1’−イルからなる群から選択される請求項21記載の化合物。
【請求項26】
が置換または非置換のフェニルである請求項25記載の化合物。
【請求項27】
が置換または非置換のヒドロキシフェニル、ヒドロキシアルキルフェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニル、トリアルキルフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、アルコキシアルキルフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロアルコキシフェニル、アルキルハロフェニル、アルコキシハロフェニル、アルキルチオフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、アセチルフェニル、スルファモイルフェニル、ビフェニル、アルコキシビフェニル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシフェニル、ジアルキルアミノフェニル、モルホリニルフェニル、ヘテロシクリルカルボニルフェニル、ヘテロシクリルフェニル、ヘテロシクリルアルキルフェニル、フラニルフェニル、(1,4’−ビピペリジン−1’−イルカルボニル)フェニル、ピリミジン−5−イルフェニル、およびキノリジニルフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項25記載の化合物。
【請求項28】
が、クロロフェニル、フルオロフェニル、ブロモフェニル、ヨードフェニル、ジクロロフェニル、ジフルオロフェニル、ジブロモフェニル、フルオロクロロフェニル、ブロモクロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、アルキルブロモフェニル、トリフルオロメチルブロモフェニル、アルキルクロロフェニル、トリフルオロメチルクロロフェニル、アルキルフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフルオロフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項25記載の化合物。
【請求項29】
が置換または非置換のピリジルである請求項21記載の化合物。
【請求項30】
Zが
【化10】

であり、RがOであり、破線が単結合または二重結合をあらわす請求項21記載の化合物。
【請求項31】
Zが
【化11】

であり、RがNRであり、Rが水素であり、Rが水素および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから選択される請求項21記載の化合物。
【請求項32】
Zが
【化12】

であり、RがRと一緒になって置換または非置換ヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成する請求項21記載の化合物。
【請求項33】
が低級アルコキシである請求項21記載の化合物。
【請求項34】
がメトキシである請求項33記載の化合物。
【請求項35】
が水素である請求項21記載の化合物。
【請求項36】
が低級アルキルである請求項21記載の化合物。
【請求項37】
がメチルである請求項36記載の化合物。
【請求項38】
Zが
【化13】

であり、RがOであり、RがNRであり、RがHであり、Rがメチルである請求項21記載の化合物。
【請求項39】
式(VI)で表される請求項21記載の化合物:
【化14】

またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩。
【請求項40】
式(III)で表される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩であって:
【化15】

式中、XはNまたはCHであり;
YはO、S、CH、NR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−であり;
Zは
【化16】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであり、AAは置換または非置換アミノ酸であり、破線は単結合または二重結合を表し;
は置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリールヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキル、またはヘテロアリールアリールアルキルであり;
は置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシルであるか;またはRはRと一緒になって置換または非置換のヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成し;破線は単結合または二重結合を表し;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり;
およびRは水素、および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから独立的に選択されるか;またはRおよびRは一緒になって置換または非置換のヘテロシクロまたはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ジヘテロシクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)アミノアルキル、ジヘテロシクロアルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである、
化合物。
【請求項41】
がCHである請求項40記載の化合物。
【請求項42】
が水素である請求項40記載の化合物。
【請求項43】
がメチルである請求項40記載の化合物。
【請求項44】
が置換または非置換のフェニル、フェニルアルキル、ピリジル、ピリミジニル、ピリジルアルキル、ピリミジニルアルキル、アルキルベンゾエート、チオフェン、チオフェン−2−カルボキシレート、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、テトラリニル、トリフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)チオフェニル、モルホリニル、N−ピペラジニル、N−モルホリニルアルキル、ピペラジニルアルキル、シクロヘキシルアルキル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、1−アセチル−2,3−ジヒドロインドリル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ピロリジニル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−1−イルアルキル、4−アミノ(イミノ)メチルフェニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、アダマンチル、ビシクロヘキシル、キヌクリジニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾリルフェニル、フェニルイミダゾリル、フタラミド、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフェノン、アニリニル、アニソリル、キノリニル、キノリノニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキルスルホニル、9H−フルオレン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−1−イルアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルアルキル、フラニル、N−メチルピペリジン−4−イル、ピロリジン−4−イルピリジニル、4−ジアゼパン−1−イル、ヒドロキシピロリジン−1−イル、ジアルキルアミノピロリジン−1−イル、および1,4’−ビピペリジン−1’−イルからなる群から選択される請求項40記載の化合物。
【請求項45】
が置換または非置換のフェニルである請求項44記載の化合物。
【請求項46】
が置換または非置換のヒドロキシフェニル、ヒドロキシアルキルフェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニル、トリアルキルフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、アルコキシアルキルフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロアルコキシフェニル、アルキルハロフェニル、アルコキシハロフェニル、アルキルチオフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、アセチルフェニル、スルファモイルフェニル、ビフェニル、アルコキシビフェニル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシフェニル、ジアルキルアミノフェニル、モルホリニルフェニル、ヘテロシクリルカルボニルフェニル、ヘテロシクリルフェニル、ヘテロシクリルアルキルフェニル、フラニルフェニル、(1,4’−ビピペリジン−1’−イルカルボニル)フェニル、ピリミジン−5−イルフェニル、およびキノリジニルフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項44記載の化合物。
【請求項47】
が、クロロフェニル、フルオロフルオロ、ブロモフェニル、ヨードフェニル、ジクロロフェニル、ジフルオロフェニル、ジブロモフェニル、フルオロクロロフェニル、ブロモクロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、アルキルブロモフェニル、トリフルオロメチルブロモフェニル、アルキルクロロフェニル、トリフルオロメチルクロロフェニル、アルキルフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフルオロフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項44記載の化合物。
【請求項48】
が置換または非置換のピリジルである請求項40記載の化合物。
【請求項49】
Zが
【化17】

であり、RがOであり、破線は単結合または二重結合をあらわす請求項40記載の化合物。
【請求項50】
Zが
【化18】

であり、RがNRであり、Rが水素であり、Rが水素および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから選択される請求項40記載の化合物。
【請求項51】
Zが
【化19】

であり、RはRと一緒になって置換または非置換のヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成する請求項40記載の化合物。
【請求項52】
が低級アルコキシである請求項40記載の化合物。
【請求項53】
がメトキシである請求項52記載の化合物。
【請求項54】
が水素である請求項40記載の化合物。
【請求項55】
が低級アルキルである請求項40記載の化合物。
【請求項56】
がメチルである請求項55記載の化合物。
【請求項57】
Zが
【化20】

であり、RがOであり、RがNRであり、RがHであり、Rがメチルである請求項40記載の化合物。
【請求項58】
式(VII)で表される請求項40記載の化合物:
【化21】

またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩。
【請求項59】
式(IV)で表される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩であって:
【化22】

式中、YはO、S、CH、NHR、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−であり;
Zは
【化23】

、NR、NR(C=O)R、NR(C=S)R、またはNR−AAであり、AAは置換または非置換アミノ酸であり、破線は単結合または二重結合を表し;
は置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、多環式アリール、多環式アリールアルキル、ヘテロアリール、ビアリール、ヘテロアリールアリール、ヘテロアリールヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビアリールアルキル、またはヘテロアリールアリールアルキルであり;
は置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり;
はOまたはHであり、RはNRまたはヒドロキシルであるか;またはRはRと一緒になって置換または非置換のヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成し;破線は単結合または二重結合を表し;
およびR3’は水素、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシから独立的に選択され;
は水素、ヒドロキシルまたは置換もしくは非置換アルキルであり;
は水素、−C(=O)(R5a)−、または置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり、R5aは置換または非置換のアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルであり;
およびRは水素、および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルからなる群から独立的に選択されるか;またはRおよびRは一緒になって置換または非置換のヘテロシクロまたはヘテロアリールを形成し;
は置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、シクロアルキルオキシアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、ジシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(シクロアルキル)アミノアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルアミノ、ジヘテロシクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアミノアルキル、(アルキル)(ヘテロシクロアルキル)アミノアルキル、ジヘテロシクロアルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、(アルキル)(アリール)アミノアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、(アルキル)(ヘテロアリール)アミノアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアミノアルキル、ジヘテロアリールアミノアルキル、(アリール)(ヘテロアリール)アミノアルキルである、
化合物。
【請求項60】
が水素である請求項59記載の化合物。
【請求項61】
がメチルである請求項59記載の化合物。
【請求項62】
YがOである請求項59記載の化合物。
【請求項63】
が置換または非置換のフェニル、フェニルアルキル、ピリジル、ピリミジニル、ピリジルアルキル、ピリミジニルアルキル、アルキルベンゾエート、チオフェン、チオフェン−2−カルボキシレート、インデニル、2,3−ジヒドロインデニル、テトラリニル、トリフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)チオフェニル、モルホリニル、N−ピペラジニル、N−モルホリニルアルキル、ピペラジニルアルキル、シクロヘキシルアルキル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、1−アセチル−2,3−ジヒドロインドリル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ピロリジニル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−1−イルアルキル、4−アミノ(イミノ)メチルフェニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、アダマンチル、ビシクロヘキシル、キヌクリジニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾリルフェニル、フェニルイミダゾリル、フタラミド、ナフチル、ナフタレニル、ベンゾフェノン、アニリニル、アニソリル、キノリニル、キノリノニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキルスルホニル、9H−フルオレン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−1−イルアルキル、シクロプロピル、シクロプロピルアルキル、フラニル、N−メチルピペリジン−4−イル、ピロリジン−4−イルピリジニル、4−ジアゼパン−1−イル、ヒドロキシピロリジン−1−イル、ジアルキルアミノピロリジン−1−イル、および1,4’−ビピペリジン−1’−イルからなる群から選択される請求項59記載の化合物。
【請求項64】
が置換または非置換のフェニルである請求項63記載の化合物。
【請求項65】
が置換または非置換のヒドロキシフェニル、ヒドロキシアルキルフェニル、アルキルフェニル、ジアルキルフェニル、トリアルキルフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、アルコキシアルキルフェニル、ハロフェニル、ジハロフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロアルコキシフェニル、アルキルハロフェニル、アルコキシハロフェニル、アルキルチオフェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル、アセチルフェニル、スルファモイルフェニル、ビフェニル、アルコキシビフェニル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシフェニル、ジアルキルアミノフェニル、モルホリニルフェニル、ヘテロシクリルカルボニルフェニル、ヘテロシクリルフェニル、ヘテロシクリルアルキルフェニル、フラニルフェニル、(1,4’−ビピペリジン−1’−イルカルボニル)フェニル、ピリミジン−5−イルフェニル、およびキノリジニルフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項63記載の化合物。
【請求項66】
が、クロロフェニル、フルオロフェニル、ブロモフェニル、ヨードフェニル、ジクロロフェニル、ジフルオロフェニル、ジブロモフェニル、フルオロクロロフェニル、ブロモクロロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、アルキルブロモフェニル、トリフルオロメチルブロモフェニル、アルキルクロロフェニル、トリフルオロメチルクロロフェニル、アルキルフルオロフェニル、およびトリフルオロメチルフルオロフェニルからなる群から選択される置換フェニルである請求項63記載の化合物。
【請求項67】
が置換または非置換ピリジルである請求項59記載の化合物。
【請求項68】
Zが
【化24】

であり、RがOである請求項59記載の化合物。
【請求項69】
Zが
【化25】

であり、RがNRであり、Rが水素であり、Rが水素、および置換または非置換のアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミドアルキル、アシル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシアルキルヘテロシクロ、およびヘテロアリールアルキルから選択される請求項59記載の化合物。
【請求項70】
Zが
【化26】

であり、RがRと一緒になって置換または非置換ヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基を形成する請求項59記載の化合物。
【請求項71】
Zが
【化27】

であり、RがOであり、RがNRであり、RがHであり、そしてRがメチルである請求項59記載の化合物。
【請求項72】
が低級アルコキシである請求項59記載の化合物。
【請求項73】
がメトキシである請求項72記載の化合物。
【請求項74】
が水素である請求項59記載の化合物。
【請求項75】
が低級アルキルである請求項59記載の化合物。
【請求項76】
がメチルである請求項75記載の化合物。
【請求項77】
式(VIII)で表される請求項59記載の化合物:
【化28】

またはその立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩。
【請求項78】
ヒト被験体または動物被験体に投与した際にそれらのRaf活性を阻害するために効果的な量の請求項1、21、30、または59記載の化合物を、薬学的に受容可能なキャリアと共に含有する組成物。
【請求項79】
癌を処置するための少なくとも1種類の追加的因子をさらに含有する請求項78記載の組成物。
【請求項80】
癌を処置するための前記少なくとも1種類の追加的因子がイリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド類、イマチニブ、アントラサイクリン類、リツキシマブ、トラスツズマブ、ダカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(ゲフィチニブ)から選択される請求項79記載の組成物。
【請求項81】
ヒト被験体または動物被験体のRafキナーゼ活性を阻害する方法であって、前記ヒト被験体または動物被験体のRafキナーゼ活性を阻害するために効果的な量の請求項1、21、40または59記載の化合物を含有する組成物を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することを含む方法。
【請求項82】
ヒト被験体または動物被験体の癌疾患を処置する方法であって、前記ヒト被験体または動物被験体のRafキナーゼ活性を阻害するために効果的な量の請求項1、21、40または59記載の化合物を含有する組成物を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することを含む方法。
【請求項83】
前記癌を処置するための少なくとも1種類の追加的因子を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することをさらに含む請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記癌を処置するための前記少なくとも1種類の追加的因子がイリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド類、イマチニブ、アントラサイクリン類、リツキシマブ、トラスツズマブ、ダカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(ゲフィチニブ)から選択される請求項82記載の方法。
【請求項85】
ヒト被験体または動物被験体のホルモン依存性癌疾患を処置する方法であって、前記ヒト被験体または動物被験体のRafキナーゼ活性を阻害するために効果的な量の請求項1、21、40または59記載の化合物を含有する組成物を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することを含む方法。
【請求項86】
前記ホルモン依存性癌が乳癌または前立腺癌である請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記癌を処置するための少なくとも1種類の追加的因子を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することをさらに含む請求項85記載の方法。
【請求項88】
前記癌を処置するための少なくとも1種類の追加的因子がイリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド類、イマチニブ、アントラサイクリン類、リツキシマブ、トラスツズマブ、ダカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(ゲフィチニブ)から選択される請求項87記載の方法。
【請求項89】
ヒト被験体または動物被験体における血液癌疾患を処置する方法であって、前記ヒト被験体または動物被験体のRafキナーゼ活性を阻害するために効果的な量の請求項1、21、40、または59記載の化合物を含有する組成物を前記ヒト被験体または動物被験体に投与することを含む方法。
【請求項90】
前記ヒト被験体または動物被験体に、前記癌を処置するための少なくとも1種類の追加的因子を投与することをさらに含む請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記癌処置のための少なくとも1種類の追加的因子がイリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン類、テザシタビン、シクロホスファミド、ビンカアルカロイド類、イマチニブ、アントラサイクリン類、リツキシマブ、トラスツズマブ、ダカルバジン、アルデスロイキン、カペシタビン、およびイレッサ(ゲフィチニブ)から選択される請求項90記載の方法。
【請求項92】
癌処置に使用するための請求項1、21、40、または59記載の化合物。
【請求項93】
癌処置のための薬剤の製造における請求項1、21、40、または59記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−509059(P2007−509059A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535368(P2006−535368)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/034185
【国際公開番号】WO2005/037285
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(591076811)カイロン コーポレイション (265)
【Fターム(参考)】