説明

研磨工具、研磨装置および研磨加工方法

【課題】装置の大型化を伴わずに異なる種類の研磨加工を実現可能な研磨工具、研磨装置および研磨加工方法を提供すること。
【解決手段】研磨工具43の研磨面は、第1の研磨パッド45によって形成され、ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、第2の研磨パッド46によって形成され、中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成される。そして、中央研磨面と外周研磨面とが段差を形成して外周研磨面が中央研磨面から突出しており、研磨工具43は、全体として内側が窪んだ断面視凹型形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等のワークを研磨加工する研磨工具、研磨装置および研磨加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハは、近年の各種電子機器の小型化・薄型化に伴い、より一層の薄化が求められている。このため、半導体ウェーハの厚さが例えば100μm以下と薄くなった場合、チップ化した後の強度の維持が問題になっている。そこで、研削処理を行った後に加工面を研磨加工することで、研削処理による機械的ダメージを除去する技術が用いられており、研削と研磨の両方の加工を行える加工装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−252853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体ウェーハを研磨加工する際、高い研磨品質を達成するため、例えばまず粗研磨を行い、この粗研磨の後に仕上げ研磨を行う等、種類の異なる研磨加工を組み合わせて行う場合がある。しかしながら、このような種類の異なる研磨加工を1つの装置で実現しようとすると、その種類毎に個別の機構を設ける必要があるため、装置が大型化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みて為されたものであり、装置の大型化を伴わずに異なる種類の研磨加工を実現可能な研磨工具、研磨装置および研磨加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる研磨工具は、研磨面を有し、該研磨面によって研磨対象のワークの被研磨面を研磨加工する研磨工具であって、前記研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出していることを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる研磨工具は、上記発明において、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが異なる研磨部材で形成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる研磨装置は、ワークを保持する保持面を有する保持手段と、研磨面を有し、前記保持手段の保持面に保持された前記ワークの被研磨面を研磨加工する研磨工具および該研磨工具を回転可能に支持するスピンドルを有する研磨手段と、前記研磨工具の研磨面と前記保持手段の保持面とを互いに平行な面内で相対的に移動させる平行移動手段と、前記研磨工具の研磨面と前記保持手段の保持面とを該保持手段の保持面の直交方向に相対的に移動させる直交移動手段と、を備え、前記研磨工具の研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる研磨装置は、上記発明において、少なくとも前記外周研磨面を洗浄する研磨面洗浄手段と、前記ワークの被研磨面を洗浄する被研磨面洗浄手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる研磨加工方法は、研磨面を有する研磨工具を用い、前記研磨面によって研磨対象のワークの被研磨面を研磨加工する研磨加工方法であって、前記研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出しており、前記被研磨面を露出させた状態で前記ワークを保持する保持工程と、前記ワークの被研磨面に前記中央研磨面を接触させて前記ワークの被研磨面を研磨加工する第1の研磨工程と、前記ワークの被研磨面に前記外周研磨面を接触させて前記ワークの被研磨面を研磨加工する第2の研磨工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる研磨加工方法は、上記発明において、前記第1の研磨工程の後、前記第2の研磨工程の前に少なくとも前記外周研磨面および前記ワークの被研磨面を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ワークの被研磨面を研磨加工する研磨工具の研磨面を、ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成することができる。そして、中央研磨面と外周研磨面とが段差を形成して外周研磨面が中央研磨面から突出するように研磨工具の研磨面を構成することができる。これによれば、中央研磨面と外周研磨面とを個別に用い、ワークの被研磨面に対して中央研磨面による研磨加工と外周研磨面による研磨加工とが行える。したがって、装置の大型化を伴わずに異なる種類の研磨加工が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、ワークの表面側の構成例を示す斜視図である。
【図2】図2は、研磨装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】図3は、研磨装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は、研磨工具およびチャックテーブルの構成を説明する側面図である。
【図5】図5は、研磨工具の構成を説明する斜視図である。
【図6】図6は、粗研磨工程を説明する説明図である。
【図7】図7は、研磨面洗浄工程を説明する説明図である。
【図8】図8は、被研磨面洗浄工程を説明する説明図である。
【図9】図9は、仕上げ研磨工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態である研磨工具、研磨装置および研磨加工方法について図面を参照して説明する。
【0015】
まず、本実施の形態の研磨装置が研磨対象とするワークについて説明する。図1は、研磨装置が研磨対象とするワーク1の表面側の構成例を示す斜視図である。図1に示すように、ワーク1は、略円板形状を有し、例えば表面に複数のデバイス2が格子状に形成されたものである。また、図1に示すワーク1には、結晶方位を示すノッチ3が形成されている。研磨装置は、このワーク1の表面を被保持面として保持した状態で裏面を被研磨面として研磨加工する。なお、図1中には図示していないが、被保持面となるワーク1の表面に、このワーク1の表面を保護するための保護テープを貼着しておくのが望ましい。
【0016】
ここで、ワーク1の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シリコンウェーハやGaAs等の半導体ウェーハ、セラミック、ガラス、サファイア(Al23)系の無機材料基板、板状金属や樹脂等の延性材料、さらには、ミクロンオーダーからサブミクロンオーダーの平坦度(TTV:total thickness variation:ワークの被研磨面を基準面として厚み方向に測定した高さの被研磨面全面における最大値と最小値の差)が要求される各種加工材料が挙げられる。
【0017】
つぎに、本実施の形態の研磨装置について説明する。図2は、本実施の形態の研磨装置10の構成例を示す斜視図であり、図3は、研磨装置10の一部を拡大して示す斜視図である。また、図4は、研磨装置10を構成する研磨工具43および保持手段としてのチャックテーブル32の構成を説明する側面図であり、研磨工具43の周辺および後述するワーク研磨加工域E2に位置するチャックテーブル32の側面を示している。そして、図5は、研磨工具43の構成を説明する斜視図であり、その研磨面側を上にして示している。
【0018】
本実施の形態の研磨装置10は、研磨工具43を用いてワーク1の被研磨面を研磨加工するものであり、図2に示すように、装置ハウジング20を備える。装置ハウジング20は、細長く延在する直方体形状の主部21と、この主部21の後端部(図3において右上端)に設けられ、実質上鉛直上方に延びる直立壁22とを有する。
【0019】
主部21の上面には、チャックテーブル機構30が配設されている。チャックテーブル機構30は、支持基台31とこの支持基台31上に配設された円板形状のチャックテーブル32とを具備している。
【0020】
支持基台31は、主部21上の矢印A1で示す前後方向(直立壁22の前面に垂直な方向)に延在する平行移動手段としてのテーブル水平移動機構211によって、チャックテーブル32を水平移動自在に支持する。これによって、チャックテーブル32は、図2中に一点鎖線で示すテーブル水平移動機構211上のワーク搬入出域E1と、図2中に二点鎖線で示すように研磨加工ユニット40下方の研磨工具43と対向するテーブル水平移動機構211上の位置であるワーク研磨加工域E2との間で移動される。なお、ここでは、テーブル水平移動機構211によってチャックテーブル32を水平移動させる構成としたが、研磨工具43の研磨面とチャックテーブル32(詳細には、後述する吸引保持部321によって形成される保持面)とが互いに並行な面内で相対的に移動される構成であれば別の構成でもよい。例えば、チャックテーブル32を移動させずに研磨工具43側を水平移動させる構成としてもよいし、チャックテーブル32および研磨工具43の双方を水平面内で逆方向に移動させて研磨工具43の研磨面とチャックテーブル32の保持面とを相対移動させることとしてもよい。
【0021】
さらに、支持基台31は、不図示のテーブル回転機構により、支持基台31に対して実質上鉛直に延びる回転中心軸線を中心としてチャックテーブル32を回転自在に支持する。
【0022】
チャックテーブル32は、図4に示すように、上面が保持面を形成する吸引保持部321を備え、ワーク1は、被研磨面(裏面)を上にして被研磨面が露出するように吸引保持部321上に載置される。吸引保持部321は、例えば多孔質セラミッックス等の多孔性材料から構成されており、不図示の吸引機構によって上面に載置されたワーク1(詳細には被保持面であるワーク1の表面)を吸引保持する。
【0023】
図2に戻り、装置ハウジング20の直立壁22の前面には、鉛直方向(上下方向)に延びる一対の案内レール221,221が設けられており、研磨手段としての研磨加工ユニット40が昇降移動自在に装着されている。
【0024】
研磨加工ユニット40は、移動基台41とこの移動基台41に装着されたスピンドルユニット42とを具備している。移動基台41の後面には、鉛直方向に沿うように一対の係合部(不図示)が設けられており、この一対の係合部が直立壁22の一対の案内レール221,221と摺動自在に係合して研磨加工ユニット40の昇降移動を可能にしている。この研磨加工ユニット40の昇降移動は、直交移動手段としての加工ユニット送り機構50によって実現される。
【0025】
加工ユニット送り機構50は、直立壁22の前側に配設され実質上鉛直に延びる雄ねじロッド51を具備しており、この雄ねじロッド51は、その上端部および下端部が直立壁22に取り付けられた軸受部材52,53によって回転自在に支持されている。上側の軸受部材52には雄ねじロッド51を回転駆動するための駆動源としてのパルスモータ54が配設されており、このパルスモータ54の出力軸が雄ねじロッド51に伝動連結されている。そして、移動基台41の後面には、その幅方向中央部から後方に延びる貫通雌ねじ孔(不図示)が形成されており、この貫通雌ねじ孔に雄ねじロッド51が螺合している。したがって、パルスモータ54が正転すると、案内レール221,221に沿って移動基台41すなわち研磨加工ユニット40が下降(前進)し、パルスモータ54が逆転すると、案内レール221,221に沿って移動基台41すなわち研磨加工ユニット40が上昇(後退)する。なお、ここでは、加工ユニット送り機構50によって研磨加工ユニット40を鉛直方向に昇降移動させる構成としたが、加工ユニット送り機構50(詳細には、この加工ユニット送り機構50において下端部に装着される研磨工具43の研磨面)とチャックテーブル32の保持面とがこのチャックテーブル32の保持面の直交方向に相対的に移動される構成であれば別の構成でもよい。例えば、加工ユニット送り機構50を移動させずにチャックテーブル32側を昇降移動させる構成としてもよいし、加工ユニット送り機構50およびチャックテーブル32の双方を鉛直方向に沿って逆方向に昇降移動させて研磨工具43の研磨面とチャックテーブル32の保持面とを相対移動させることとしてもよい。
【0026】
一方、移動基台41の前面には、前方に突出した支持部413が設けられ、この支持部413にスピンドルユニット42が取り付けられている。スピンドルユニット42は、支持部413に装着されたスピンドルハウジング421と、このスピンドルハウジング421に回転自在に配設されたスピンドルとしての回転スピンドル422と、この回転スピンドル422を回転駆動するための駆動源としてのサーボモータ423とを具備している。回転スピンドル422の下端部はスピンドルハウジング421の下端を越えて下方に突出しており、その下端において平面視円板形状の工具装着部材424が設けられている。この工具装着部材424の下面に、研磨工具43がその研磨面側を下に向けて装着される。この構成により、サーボモータ423の回転によって研磨工具43の研磨面が水平面内で回転する。
【0027】
研磨工具43は、円板形状のホイール基台431と、このホイール基台431に例えば接着剤等で貼り付けられて研磨面を形成する研磨パッド44とから構成されている。研磨パッド44は、図5に示すように、円板形状の第1の研磨パッド45と、この第1の研磨パッド45の外周部に配設されたリング形状の第2の研磨パッド46とを備え、研磨パッド44は、内側において露出した第1の研磨パッド45の表面(図5中の上面)を中央研磨面とし、外側の第2の研磨パッド46の表面(図5中の上面)を外周研磨面とした研磨工具43の研磨面を形成している。そして、図4に示すように、第1の研磨パッド45によって形成される中央研磨面と第2の研磨パッド46によって形成される外周研磨面とが段差を形成して外周研磨面が中央研磨面から突出しており、研磨工具43は、全体として内側が窪んだ断面視凹型形状を有する。
【0028】
第1の研磨パッド45は、例えば粗研磨用であり、ポリウレタン発泡体等が用いられる。この第1の研磨パッド45の表面中央には、後述するように研磨加工ユニット40の上端部と連結されるスラリー供給路61を介し、スラリー供給源60と連通するスラリー供給口451が形成されている。そして、第1の研磨パッド45の表面には、その全域に広がるようにスラリー供給口451と連通する溝452が格子状に形成されている。この構成によって、スラリー供給源60から供給された遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)がスラリー供給口451に導かれ、溝452に沿って中央研磨面の全域に供給される。一方、第2の研磨パッド46は、例えば仕上げ研磨用であり、スウェード等の研磨布が用いられる。なお、第1の研磨パッド45および第2の研磨パッド46の材質は一例であって、適宜選択できる。
【0029】
このように構成される研磨工具43は、第1の研磨パッド45によって形成される中央研磨面が研磨対象とするワーク1の直径以上となる大きさを有している。そして、研磨工具43は、図4に示すように、中央研磨面と外周研磨面とで構成される研磨面側がワーク研磨加工域E2に位置したチャックテーブル32上のワーク1の被研磨面(裏面)と対向するように工具装着部材424に装着される。なお、本構成の研磨工具43は、第1の研磨パッド45から第2の研磨パッド46のみを取り外すことが可能である。したがって、第1の研磨パッド45に対して第2の研磨パッド46の磨耗が激しい場合には、この第2の研磨パッド46のみを取り外して交換が可能である。
【0030】
図2に戻り、研磨装置10は、装置内の適所に配設されたスラリー供給源60を備え、スラリー供給路61を介して研磨加工ユニット40の上端部と連結されている。このスラリー供給源60は、スラリーを貯留する。スラリーは、例えば水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア(NH3OH)等のアルカリ薬液水溶液に、酸化ケイ素(SiO2)や酸化セリウム(CeO2)、アルミナ(Al23)等の砥粒を研磨剤として懸濁させたものである。
【0031】
また、装置ハウジング20の主部21上において、テーブル水平移動機構211のワーク研磨加工域E2の近傍位置に薬液供給機構70と研磨面洗浄手段としての外周研磨面洗浄機構81とが隣接配置されている。
【0032】
薬液供給機構70は、図3に示すように、薬液供給ノズル71の他、薬液供給源や薬液供給源からの薬液を薬液供給ノズル71に導くパイプ等を含む。薬液としては、例えば水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア(NH3OH)等のアルカリ薬液水溶液、界面活性剤等が用いられる。この薬液供給機構70は、図4に示すように、薬液供給ノズル71からの薬液を後述する仕上げ研磨位置に位置した研磨工具43の外周研磨面に向けて供給可能な構成となっている。
【0033】
外周研磨面洗浄機構81は、図3に示すように、外周研磨面洗浄ノズル811の他、洗浄液供給源やエアー供給源、洗浄液供給源からの洗浄液およびエアー供給源からのエアーを各々外周研磨面洗浄ノズル811に導くパイプ等を含む。外周研磨面洗浄ノズル811は、例えば液体と気体とを混合し気液混合ミストとして噴射する二流体洗浄ノズルで構成され、純水等の洗浄液をミスト状にして噴射する。なお、この外周研磨面洗浄機構81は、薬液供給機構70と同様の要領で、外周研磨面洗浄ノズル811からの洗浄液を後述する研磨面洗浄位置に位置した研磨工具43の外周研磨面に向けて供給可能な構成となっている。
【0034】
さらに、主部21上には、図2に示すように、テーブル水平移動機構211を挟んで薬液供給機構70および外周研磨面洗浄機構81の反対側に、中央研磨面洗浄機構82と被研磨面洗浄手段としての被研磨面洗浄機構83とが隣接配置されている。
【0035】
中央研磨面洗浄機構82は、図3に示すように、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う支軸821と、この支軸821の上端に一端が連結された洗浄アーム822と、この洗浄アーム822の他端側に噴射口が上を向くようにして設けられた例えば二流体洗浄ノズルで構成される中央研磨面洗浄ノズル823とを備え、この他に、洗浄液供給源やエアー供給源、洗浄液供給源からの洗浄液およびエアー供給源からのエアーを各々中央研磨面洗浄ノズル823に導くパイプ等を含む。この中央研磨面洗浄機構82は、中央研磨面の洗浄時において支軸821の回転によって洗浄アーム822が回動し、研磨面洗浄位置に位置した研磨工具43の中央研磨面の下方に中央研磨面洗浄ノズル823が移動するようになっており、これによって、中央研磨面洗浄ノズル823からの洗浄液を研磨面洗浄位置の研磨工具43の中央研磨面に向けて供給可能な構成となっている。なお、洗浄アーム822は、中央研磨面の洗浄時を除いてチャックテーブル32の水平移動および研磨加工ユニット40の昇降移動と干渉しない位置に位置付けられる。
【0036】
また、被研磨面洗浄機構83も同様に、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う支軸831と、この支軸831の上端に一端が連結された洗浄アーム832と、この洗浄アーム832の他端側に噴射口が下を向くようにして設けられた例えば二流体洗浄ノズルで構成される被研磨面洗浄ノズル833とを備え、この他に、洗浄液供給源やエアー供給源、洗浄液供給源からの洗浄液およびエアー供給源からのエアーを各々被研磨面洗浄ノズル833に導くパイプ等を含む。この被研磨面洗浄機構83は、被研磨面の洗浄時において支軸831の回転によって洗浄アーム832が回動し、ワーク搬入出域E1とワーク研磨加工域E2との間の後述する被研磨面洗浄位置に位置したチャックテーブル32の上方に被研磨面洗浄ノズル833が移動するようになっており、これによって、被研磨面洗浄ノズル833からの洗浄液を被研磨面洗浄位置のチャックテーブル32上に供給可能な構成となっている。なお、洗浄アーム832は、被研磨面の洗浄時を除いてチャックテーブル32の水平移動と干渉しない位置に位置付けられる。
【0037】
また、研磨装置10は、図2に示すように、搬入手段91と、搬出手段92と、カセット101,102と、搬出入手段110と、位置決め手段120と、洗浄手段130と、制御手段140とを備えている。
【0038】
搬入手段91は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う搬送アーム911を備え、この搬送アーム911に、ワーク1を吸着保持する吸着パッド912が取り付けられて構成されている。この搬入手段91は、位置決め手段120で位置決めされた研磨加工前のワーク1の被研磨面を吸着保持してワーク搬入出域E1に位置するチャックテーブル32上に搬入する。一方、搬出手段92は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う搬送アーム921を備え、この搬送アーム921に、ワーク1を吸着保持する吸着パッド922が取り付けられて構成されている。この搬出手段92は、搬入搬出位置に位置するチャックテーブル32上の研磨加工後のワーク1を吸着保持し、洗浄手段130に搬出する。
【0039】
カセット101,102は、複数のスロットを有するワーク1用の収容器である。一方のカセット101は、研磨加工前のワーク1を収容し、他方のカセット102は、研磨加工後のワーク1を収容する。
【0040】
搬出入手段110は、例えばU字型ハンドを備えるロボットアーム111を具備しており、このロボットアーム111によってワーク1の被研磨面を吸着保持して搬送する。具体的には、搬出入手段110は、研磨加工前のワーク1をカセット101から位置決め手段120へ搬出するとともに、研磨加工後のワーク1を洗浄手段130からカセット102へ搬入する。
【0041】
位置決め手段120は、カセット101から取り出されたワーク1を仮置きし、その中心位置の位置決めを行うためのテーブルである。洗浄手段130は、研磨加工後(詳細には仕上げ研磨後)のワーク1を洗浄し、ワーク1の表面に付着している研磨屑等のコンタミネーションを除去する。
【0042】
制御手段140は、研磨装置10の動作に必要な各種データを保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、研磨装置10を構成する各部の動作を制御して研磨装置10を統括的に制御する。具体的には、研磨装置10は、本実施の形態の研磨加工方法を実現するため、チャックテーブル32上で裏面である被研磨面を上にしてワーク1を吸引保持するワーク保持工程と、このようにチャックテーブル32上に保持されたワーク1の被研磨面の粗研磨を第1の研磨工程として行う粗研磨工程と、この粗研磨工程の後、ワーク1の被研磨面の仕上げ研磨を第2の研磨工程として行う仕上げ研磨工程とを制御する。また、本実施の形態では、制御手段140は、粗研磨工程と仕上げ研磨工程との間に洗浄工程を制御するようになっている。具体的には、制御手段140は、洗浄工程として、研磨工具43の研磨面を洗浄する研磨面洗浄工程およびワーク1の被研磨面を洗浄する被研磨面洗浄工程を制御する。
【0043】
つぎに、研磨装置10が行うワーク保持工程、粗研磨工程、研磨面洗浄工程、被研磨面洗浄工程および仕上げ研磨工程について説明する。図6は、粗研磨工程を説明する説明図であり、図7は、研磨面洗浄工程を説明する説明図であり、図8は、被研磨面洗浄工程を説明する説明図であり、図9は、仕上げ研磨工程を説明する説明図である。なお、図6および図9では、下段において研磨工具43およびチャックテーブル32の側面を示し、上段において下段に示す研磨パッド44とチャックテーブル32上のワーク1との位置関係を示している。
【0044】
まず、研磨装置10は、ワーク保持工程を行う。ここで、ワーク保持工程に先立ち、チャックテーブル32がワーク搬入出域E1に移動し、搬入手段91が、チャックテーブル32上に被研磨面を上にしてワーク1を搬入する。そして、ワーク保持工程では、制御手段140がチャックテーブル機構30の吸引機構(不図示)を駆動し、チャックテーブル32上にワーク2の被保持面を吸引保持させる。
【0045】
このワーク保持工程の後、制御手段140は、テーブル水平移動機構211を駆動してチャックテーブル32をワーク搬入出域E1からワーク研磨加工域E2へと水平移動させる。詳細には、図6に示すように、チャックテーブル32上のワーク1の被研磨面全域が研磨工具43の中央研磨面とオーバーラップする位置までチャックテーブル32を移動させる。
【0046】
つぎに、研磨装置10は、粗研磨工程を行う。具体的には、制御手段140は、サーボモータ423を駆動し、回転スピンドル422を回転駆動させて研磨工具43の研磨面を水平面内で回転させるとともに、加工ユニット送り機構50のパルスモータ54を駆動し、研磨加工ユニット40を下降移動させる。この研磨加工ユニット40の下降移動によって研磨工具43(詳細には第1の研磨パッド45によって形成される中央研磨面)が予めワーク1の厚み等をもとに設定される粗研磨位置に移動し、この粗研磨位置において、ワーク1の被研磨面の全域が中央研磨面を形成する第1の研磨パッド45と接触する。また、制御手段140は、これらの制御と並行して不図示のテーブル回転機構を駆動し、チャックテーブル32を回転駆動させてワーク1の被研磨面を水平面内で回転させる。さらに、制御手段140は、スラリー供給源60を駆動し、スラリー供給口451から格子状の溝452を介して中央研磨面とワーク1の被研磨面との間にスラリーを供給する。
【0047】
この研磨工程では、以上のように各部が動作することで、中央研磨面とワーク1の被研磨面とを相対的に回転させながらワーク1の被研磨面全域に中央研磨面を押し付け、スラリー供給源60から中央研磨面全域に供給されるスラリーによってワーク1の被研磨面全域をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)加工して粗研磨する。
【0048】
以上の粗研磨工程を終えたならば、研磨装置10は、洗浄工程として、研磨面洗浄工程および被研磨面洗浄工程を行う。まず、制御手段140は、加工ユニット送り機構50のパルスモータ54を駆動し、研磨加工ユニット40を上昇移動させる。そして、この研磨加工ユニット40の上昇移動によって、研磨工具43の研磨面を予め設定される研磨面洗浄位置に移動させる。
【0049】
その後、研磨面洗浄工程として、制御手段140は、回転スピンドル422の回転によって研磨工具43の研磨面を水平面内で回転させた状態で、外周研磨面洗浄機構81および中央研磨面洗浄機構82を駆動する。そして、制御手段140は、図7に示すように、外周研磨面洗浄ノズル811から外周研磨面に向けて洗浄液を噴射するとともに、支軸821を回転させることによって洗浄アーム822を回動させながら中央研磨面洗浄ノズル823から中央研磨面に向けて洗浄液を噴射する。
【0050】
この研磨面洗浄工程では、以上のように各部が動作することで、研磨面洗浄位置に位置して回転する研磨工具43の研磨面に対し、外周研磨面(第2の研磨パッド46の表面)および中央研磨面(第1の研磨パッド45の表面)の各々に洗浄液を供給する。これによって、中央研磨面に付着したスラリーや研磨屑、あるいは粗研磨時の飛散等によって外周研磨面に付着したスラリー等のコンタミネーションが除去される。
【0051】
また、被研磨面洗浄工程として、制御手段140は、テーブル水平移動機構211を駆動し、チャックテーブル32をワーク研磨加工域E2からワーク搬入出域E1側へと水平移動させ、ワーク搬入出域E1とワーク研磨加工域E2との間の位置として予め設定される被研磨面洗浄位置にチャックテーブル32を移動させる。ここで、被研磨面洗浄位置は、チャックテーブル32上のワーク1の被研磨面の全域が研磨工具43の研磨面の全域とオーバーラップしない位置として設定される。そして、制御手段140は、これと並行して不図示のテーブル回転機構を駆動し、チャックテーブル32を回転駆動させてワーク1の被研磨面を水平面内で回転させるとともに、被研磨面洗浄機構83を駆動し、図8に示すように、支軸831を回転させることによって洗浄アーム832を回動させながらワーク1の被研磨面洗浄ノズル833から被研磨面に洗浄液を噴射する。
【0052】
この被研磨面洗浄工程では、以上のように各部が動作することで、ワーク研磨加工域E2から被研磨面洗浄位置へと移動してくるチャックテーブル32上のワーク1の被研磨面に向けて洗浄液を供給する。これによって、ワーク1の被研磨面に付着したスラリーや研磨屑等のコンタミネーションが除去される。
【0053】
以上の洗浄工程の後、制御手段140は、テーブル水平移動機構211を駆動してチャックテーブル32を被研磨面洗浄位置からワーク研磨加工域E2へと水平移動させる。詳細には、図9に示すように、研磨工具43の外周研磨面の鉛直下方にワーク1の被研磨面の中心Woが位置するようにチャックテーブル32を移動させる。
【0054】
つぎに、研磨装置10は、仕上げ研磨工程を行う。具体的には、制御手段140は、サーボモータ423を駆動して回転スピンドル422を回転駆動させて研磨工具43の研磨面を水平面内で回転させるとともに、加工ユニット送り機構50のパルスモータ54を駆動し、研磨加工ユニット40を下降移動させる。この研磨加工ユニット40の下降移動によって研磨工具43(詳細には第2の研磨パッド46によって形成される外周研磨面)が予めワーク1の厚み等をもとに設定される仕上げ研磨位置に移動し、この仕上げ研磨位置において、ワーク1の被研磨面の中心Woを含む領域が外周研磨面を形成する第2の研磨パッド46と接触する。また、制御手段140は、これらの制御と並行して不図示のテーブル回転機構を駆動し、チャックテーブル32を回転駆動させてワーク1の被研磨面を水平面内で回転させる。さらに、制御手段140は、薬液供給機構70を駆動し、図9に示すように、薬液供給ノズル71から外周研磨面に薬液を供給する。
【0055】
この仕上げ研磨では、以上のように各部が動作することで、ワーク1の被研磨面に外周研磨面を部分的に押し付け、薬液供給ノズル71から外周研磨面に供給される薬液によってワーク1の被研磨面をCMP加工する。そして、このCMP加工を外周研磨面とワーク1の被研磨面とを相対的に回転させながら行うことで、被研磨面の全域をCMP加工して仕上げ研磨する。
【0056】
なお、ここでは、研磨工具43の外周研磨面の鉛直下方にワーク1の被研磨面の中心Woが位置するようにチャックテーブル32を移動させ、この位置で外周研磨面とワーク1の被研磨面とを接触させてこれらを相対的に回転させることにより、被研磨面の全域を仕上げ研磨することとした。これに対し、チャックテーブル32上のワーク1の被研磨面の一部(例えば、ワーク1の被研磨面の研磨工具43下方への侵入側の端部部分)が研磨工具43の外周研磨面とオーバーラップする位置を初期位置として外周研磨面とワーク1の被研磨面とを接触させてCMP加工を開始し、その後チャックテーブル32を水平移動させて研磨工具43の下方に進入させながらCMP加工を行い、被研磨面の全域を仕上げ研磨するようにしてもよい。
【0057】
なお、仕上げ研磨を終えたならば、制御手段140の制御のもと、チャックテーブル32がワーク搬入出域E1に移動し、搬出手段92の吸着パッド922により吸着保持されて洗浄手段130に搬出される。洗浄手段130に搬出されたワーク1は、洗浄手段130にて被研磨面が洗浄された後、搬出入手段110のロボットアーム111によって把持されてカセット102に搬出され、カセット102内に収容される。また、上記の研磨加工後のワーク1の搬出の後、チャックテーブル32上には、搬入手段91によって次のワーク1が搬入保持される。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、研磨工具43の研磨面を、ワーク1の被研磨面の外形以上の大きさを有する第1の研磨パッド45で形成された中央研磨面と、中央研磨面の外周を囲繞する第2の研磨パッド46で形成された外周研磨面とで構成することができる。そして、中央研磨面と外周研磨面とが段差を形成して外周研磨面が中央研磨面から突出するように研磨工具43の研磨面を構成することができる。これによれば、中央研磨面と外周研磨面とを個別に用い、ワークの被研磨面に対し、第1の研磨パッド45による粗研磨と第2の研磨パッド46による仕上げ研磨とを行うことができる。具体的には、ワーク1の被研磨面の全域が中央研磨面とオーバーラップする態様でワーク1の被研磨面に中央研磨面を接触させて被研磨面の全域をCMP加工して粗研磨することができる。そして、ワーク1の被研磨面の中心Woを含む領域が外周研磨面とオーバーラップする態様でワーク1の被研磨面に外周研磨面を部分的に接触させながら、これらを相対的に回転させることによって被研磨面の全域をCMP加工して仕上げ研磨することができる。ここで、このように中央研磨面によって粗研磨を行い、その後外周研磨面によって仕上げ研磨を行うことにより、仕上げ研磨後の被研磨面のヘイズを示す値(10nm以下、数nm〜数十nmの周期の極めて微細な凹凸を示す値)の改善が実現でき、高い研磨品質が達成できる。したがって、本実施の形態によれば、装置の大型化を伴わずに異なる種類の研磨(本実施の形態では粗研磨と仕上げ研磨)の実現が可能となる。これによれば、コストの増大を防止できるとともに、装置構成の複雑化を防止できる。
【0059】
また、スラリーを使用する粗研磨の後に、外周研磨面(第2の研磨パッド46の表面)および中央研磨面(第1の研磨パッド45の表面)の各々に洗浄液を供給して洗浄を行い、中央研磨面および外周研磨面に付着したスラリー等を除去することができる。また、ワーク1の被研磨面に洗浄液を供給して洗浄を行い、ワーク1の被研磨面に付着したスラリー等を除去することができる。これによれば、仕上げ研磨の際に外周研磨面および中央研磨面やワーク1の被研磨面にスラリー等のパーティクルが残留しないため、仕上げ研磨時におけるスクラッチの発生を防止でき、研磨品質をさらに向上させることが可能となる。
【0060】
なお、上記した実施の形態では、研磨面洗浄工程として外周研磨面および中央研磨面の双方を洗浄する構成について説明したが、外周研磨面のみを洗浄する構成としてもよい。この場合には、中央研磨面洗浄機構82は不要であるのでこれを除いて研磨装置10を構成してもよい。
【0061】
また、上記した実施の形態では、中央研磨面によってワーク1の被研磨面の粗研磨を行い、外周研磨面によってワーク1の被研磨面の仕上げ研磨を行う構成としたが、中央研磨面および外周研磨面を用いた研磨の種類は一例であって、適宜選択できる。そして、例えば、選択した研磨の種類に応じた材質の研磨部材で中央研磨面および外周研磨面のそれぞれを形成することによって、ワーク1の被研磨面に対して異なる研磨が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明の研磨工具、研磨装置および研磨加工方法は、装置の大型化を伴わずに異なる種類の研磨加工を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0063】
1 ワーク
10 研磨装置
20 装置ハウジング
211 テーブル水平移動機構
30 チャックテーブル機構
32 チャックテーブル
40 研磨加工ユニット
42 スピンドルユニット
422 回転スピンドル
423 サーボモータ
43 研磨工具
44 研磨パッド
45 第1の研磨パッド
46 第2の研磨パッド
50 加工ユニット送り機構
54 パルスモータ
60 スラリー供給源
61 スラリー供給路
70 薬液供給機構
81 外周研磨面洗浄機構
82 中央研磨面洗浄機構
83 被研磨面洗浄機構
91 搬入手段
92 搬出手段
101,102 カセット
110 搬出入手段
120 位置決め手段
130 洗浄手段
140 制御手段
E1 ワーク搬入出域
E2 ワーク研磨加工域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨面を有し、該研磨面によって研磨対象のワークの被研磨面を研磨加工する研磨工具であって、
前記研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出していることを特徴とする研磨工具。
【請求項2】
前記中央研磨面と前記外周研磨面とが異なる研磨部材で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
【請求項3】
ワークを保持する保持面を有する保持手段と、
研磨面を有し、前記保持手段の保持面に保持された前記ワークの被研磨面を研磨加工する研磨工具および該研磨工具を回転可能に支持するスピンドルを有する研磨手段と、
前記研磨工具の研磨面と前記保持手段の保持面とを互いに平行な面内で相対的に移動させる平行移動手段と、
前記研磨工具の研磨面と前記保持手段の保持面とを該保持手段の保持面の直交方向に相対的に移動させる直交移動手段と、
を備え、
前記研磨工具の研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と、該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出していることを特徴とする研磨装置。
【請求項4】
少なくとも前記外周研磨面を洗浄する研磨面洗浄手段と、
前記ワークの被研磨面を洗浄する被研磨面洗浄手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
【請求項5】
研磨面を有する研磨工具を用い、前記研磨面によって研磨対象のワークの被研磨面を研磨加工する研磨加工方法であって、
前記研磨面は、前記ワークの被研磨面の外形以上の大きさを有する中央研磨面と該中央研磨面の外周を囲繞する外周研磨面とで構成され、前記中央研磨面と前記外周研磨面とが段差を形成して前記外周研磨面が前記中央研磨面から突出しており、
前記被研磨面を露出させた状態で前記ワークを保持する保持工程と、
前記ワークの被研磨面に前記中央研磨面を接触させて前記ワークの被研磨面を研磨加工する第1の研磨工程と、
前記ワークの被研磨面に前記外周研磨面を接触させて前記ワークの被研磨面を研磨加工する第2の研磨工程と、
を含むことを特徴とする研磨加工方法。
【請求項6】
前記第1の研磨工程の後、前記第2の研磨工程の前に少なくとも前記外周研磨面および前記ワークの被研磨面を洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の研磨加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−31359(P2011−31359A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181892(P2009−181892)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】