説明

移動体受信装置

【課題】移動体においてディジタル放送に含まれる緊急情報を受信した場合に、移動体と共に移動するユーザに適切な情報を通知することができる移動体受信装置を提供する。
【解決手段】移動体受信装置10は、放送局から送出されるディジタル放送中に含まれている緊急状態が発生したことを通知する情報、例えば日本国内のディジタル放送におけるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号において、災害情報に代表される緊急情報が通知された場合に、当該緊急情報に含まれる避難場所を示す情報に基づいて、現在位置から避難場所までの誘導経路を探索して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の移動体に搭載されるディジタル放送受信機およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3には、ディジタル放送から災害などの緊急情報を受信した場合に、受信した緊急情報を表示する放送受信装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−336411号公報
【特許文献2】特開2003−288658号公報
【特許文献3】特開2003−209761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1〜3に開示されている技術は、車両のように現在位置が変化する移動体においてディジタル放送を受信することを考慮していない。
【0005】
本発明の目的は、移動体においてディジタル放送に含まれる緊急情報を受信した場合に、移動体と共に移動するユーザに適切な情報を通知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の移動体受信装置は、放送局から送出されるディジタル放送中に含まれている緊急状態が発生したことを通知する情報、例えば日本国内のディジタル放送におけるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号において、災害情報に代表される緊急情報が通知された場合に、当該緊急情報に含まれる避難場所を示す情報に基づいて、現在位置から避難場所までの誘導経路を探索して出力する。
【0007】
例えば、本発明の第1の態様は、車両に搭載され、ディジタル放送受信装置およびナビゲーション装置を備える移動体受信装置であって、ディジタル放送受信装置は、ディジタル放送電波に含まれる信号をデコードしてディジタルデータを出力するデコーダと、デコーダから出力されたディジタルデータ中に緊急警報放送を示すデータが含まれている場合に、当該緊急警報放送を示すデータに対応付けて送信される、避難場所を示す情報である避難場所情報を、デコーダから出力されたディジタルデータから取得してナビゲーション装置へ送信する避難場所情報抽出手段とを有し、ナビゲーション装置は、地図データおよびGPS衛星からの位置情報をもとに自車両の現在位置を算出する現在位置算出手段と、ディジタル放送受信装置から避難場所情報を受信した場合に、現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、当該避難場所情報に含まれる避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を前記出力装置へ出力する避難場所誘導手段とを有することを特徴とする移動体受信装置提供する。
【0008】
また、本発明の第2の態様は、車両に搭載され、ディジタル放送受信装置およびナビゲーション装置を備える移動体受信装置であって、ディジタル放送受信装置は、チャネル毎にディジタルデータを含み、複数のチャネルが多重化された、ディジタル放送電波に含まれる信号をデコードして、チャネル毎のディジタルデータを出力するデコーダと、デコーダから出力されたいずれかのディジタルデータ中に緊急警報放送を示すデータが含まれている場合に、当該緊急警報放送を示すデータに対応付けて送信される、避難場所を示す情報である避難場所情報を、デコーダから出力されたチャネル毎のディジタルデータのそれぞれから取得してナビゲーション装置へ送信する避難場所情報抽出手段とを有し、ナビゲーション装置は、地図データおよびGPS衛星からの位置情報をもとに自車両の現在位置を算出する現在位置算出手段と、ディジタル放送受信装置からチャネル毎の避難場所情報を受信した場合に、現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、当該チャネル毎の避難場所情報のいずれかに含まれる避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を出力装置へ出力する避難場所誘導手段とを有することを特徴とする移動体受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の移動体受信装置によれば、移動体においてディジタル放送に含まれる緊急情報を受信した場合に、移動体と共に移動するユーザに適切な情報を通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態に係る移動体受信装置10を示すシステム構成図である。移動体受信装置10は、IRD(Integrated Receiver and Decoder)20およびナビゲーション装置30を備える。
【0012】
IRD20は、アンテナ21を介してディジタル放送用電波を受信し、受信した電波に含まれるディジタル信号をデコードし、デコードしたデータをナビゲーション装置30へ送る。IRD20によってデコードされたデータは、音声を示すデータ、映像を示すデータ、およびデータ放送において送信されるデータである。
【0013】
ナビゲーション装置30は、車速センサや方位センサからの信号や、GPS受信機からの信号に基づいて、ナビゲーション装置30が搭載されている車両の位置を算出する。また、ナビゲーション装置30は、算出した自車両の現在位置、ユーザから受け付けた目的地点を示す情報、および探索条件等に応じて算出した誘導経路、をLCD(Liquid Crystal Display)等の出力装置に表示する。なお、出力装置は、音声を再生する機能も有している。
【0014】
また、ナビゲーション装置30は、IRD20から受信した音声データや映像データを出力装置で再生する機能を有する。また、ナビゲーション装置30は、IRD20から避難場所を示す情報を受け取った場合に、自車位置から当該避難場所までの経路を探索して出力装置に表示する機能を有する。
【0015】
図2は、IRD20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。IRD20は、チューナ部200、TS処理部201、デスクランブル部202、制御部203、音声・映像デコーダ204、データ放送デコーダ205、表示部206、表示統合部207、外部インターフェイス208、および入力部209を備える。
【0016】
チューナ部200は、アンテナ21を介して受信したディジタル放送用電波を復調し、復調結果をTS処理部201へ出力する。TS処理部201は、デインタリーブおよび誤り検出・訂正等の処理を行って、TS(Transport Stream)パケットを再生する。デスクランブル部202は、TS処理部201による処理の過程でデータのスクランブルを解除する処理を行う。
【0017】
制御部203は、ナビゲーション装置30とのインターフェイス(後述する外部インターフェイス208)ならびにIRD20内のさまざまなデータの流れを制御する。音声・映像デコーダ204は、TS処理部201において再生されたTSパケットの中から、音声と映像に関するデータをデコードする。データ放送デコーダ205は、TS処理部201において再生されたTSパケットの中から、少なくともナビゲーションに関するデータ放送において放送されるデータをデコードする。
【0018】
表示部206は、制御部203によって生成されたチャネル情報に代表されるシステム情報を表示するデータを作成する。表示統合部207は、音声・映像デコーダ204、データ放送デコーダ205、および表示部206によって生成されたデータを統合してナビゲーション装置30へ出力する。外部インターフェイス208は、IRD20とナビゲーション装置30等の外部機器とのデータの送受信を行う。入力部209は、例えばキーパッド等であり、ユーザからの操作をコマンド指令に変換して制御部203へ送る。
【0019】
図3は、チューナ部200の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。本図では、チューナ部200に、最大比合成ダイバシチ受信方式を用いた場合の例を示している。チューナ部200は、RFモジュール2000および復調合成部2002を備える。RFモジュール2000は、複数のアンテナ21のそれぞれに1つずつ設けられる複数の受信モジュール2001を有する。各受信モジュール2001は、それぞれ受信したRF信号を復調合成部2002へ出力する。
【0020】
復調合成部2002は、それぞれの受信モジュール2001から入力されたRF信号のレベルに応じて、最大比合成法により最良の信号状態を確保した後に復調を行い、復調結果をTS処理部201へ送る。
【0021】
ここで、ディジタル放送用電波に含まれる信号には、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)と呼ばれる信号が含まれている。TMCC信号のデータ構造は、日本国内の電波産業会(ARIB)が策定する規格により定義されている。TMCC信号の概要を、図4に示す。TMCC信号中のB26に示した領域に、緊急警報放送用フラグが定義されている。このフラグの値が0の場合は、特に後段にて処理は発生しないものの、このフラグの値が1に設定されている場合には、緊急警報が発令されていることを示し、IRD20に特別な処理を行わせることが可能である。
【0022】
まず、TMCC信号の受信に関して、IRD20が図3に示した最大比合成ダイバシチ受信方式で受信を行っている場合について説明する。ダイバシチ受信方式には、アンテナの使い方によって最大比合成方式と選択方式の2つの受信方法がある。
【0023】
まず、最大比合成方式で受信している場合について説明する。この例では受信の前提として、ある1チャネルの番組を受信しているものとし、そのチャネル中に、緊急警報放送用フラグが記述されているとする。最大比合成方式は、複数のアンテナ21および受信モジュール2001の組み合わせからなるRFモジュール2000からの出力を合成することにより、最良の信号状態を確保する方式である。この場合は、復調合成部2002から出力されるTSパケット中にTMCC信号が入る。
【0024】
TS処理部201は、TMCC信号中のB26の領域(図4参照)に、緊急警報放送用フラグ1が設定されていた場合は、まず該TSパケット中に含まれているDSMCC(Digital Storage Media Command and Control)セクションと呼ばれるデータを抽出する。次に、TS処理部201は、該TSパケットから、緊急警報放送用フラグとタグ付けされたデータを抽出して制御部203へ送る。
【0025】
この場合、DSMCCセクションの中に含まれているprivate_data_byteと呼ばれる領域に、予め緊急警報放送用フラグの記述に定義された値が記述されているか、あるいはTitle記述子に緊急警報放送用フラグに関する特定のモジュール記述子が記述されているかを判定する。そして、該当する記述があれば、その記述を含むTSパケットから抽出したデータを、緊急警報放送用フラグに関するデータと認識して、制御部203は、該データをナビゲーション装置30へ出力する。
【0026】
次に、選択方式で受信している場合について説明する。選択方式は、各受信モジュール2001中で、電界強度等の指標に基づいた電波品質が最も良いモジュールの電波入力を選択し、選択した入力を復調して、TSパケットを出力する方式である。
【0027】
選択ダイバシチ受信方式のチューナ部200について、図5を用いて説明する。図5は、図3の最大比合成方式のチューナ部200と構成はほぼ同じであるものの、復調合成部2002の中身の構造が異なっている。選択ダイバシチ受信方式では、復調部2003−aおよび2003−bは、それぞれ、受信モジュール2001−aおよび2001−bから入力された信号を復調する。選択部2004は、電波品質の優れている復調部2003からの信号を選択して、後段のTS処理部201へ出力する。
【0028】
選択されなかった2003が、所定値以上の電波品質を維持している場合、チューナ部200は、現在選択しているチャネル以外のチャネルを周期的にサーチしている。この自動チャネルサーチに関する設定は、ユーザからリモコン(図示しない)を介して受け付けることにより行うことができる。
【0029】
例えば、制御部203は、表示部206を介して、出力装置に、図6に示すような設定画面を表示する。表示画面には、例えば、「自動設定」、「手動設定」、「自動チャネルサーチを行わない」等の選択肢が表示される。制御部203は、リモコンを介して選択されたいずれかの選択肢に相当するモードにIRD20を設定する(図6の例では手動設定が選択された例が示されている)。
【0030】
このような選択ダイバシチ受信方式において、選択しているチャネルにおいてTMCC信号が入った緊急放送がなされた場合、前述したように、TS処理部201は、TMCC信号中の前記したB26の領域に緊急警報放送用フラグ1が設定されていることを認識する。その後の処理は最大比合成ダイバシチ受信方式の場合と同様である。
【0031】
一方、選択していないチャネルにおいてTMCC信号が入った緊急放送がなされた場合について説明する。なお、このような場合は、言い換えれば、選択ダイバシチ受信方式で、復調部2003の中で最も電波品質が良いモジュールの電波入力を復調してTSパケットを出力しているものの、選択されていない復調部2003において、現在受信しているメインチャネルよりも先に緊急警報放送用フラグを受信した場合である。
【0032】
ここで、図5において、例えば、アンテナ21−a、受信モジュール2001−a、復調部2003−a、および選択部2004によってメインチャネルが受信されており、アンテナ21−b、受信モジュール2001−b、および復調部2003−bによって、緊急警報放送用フラグが含まれるTMCC信号が受信されている場合を想定する。選択部2004は、緊急警報放送用フラグが含まれるTMCC信号が受信されてい方のチャネルの電波品質がその時点で放送を受信するのに必要な一定量(例えば受信電界強度が60dBμV/m)を超えている場合には、メインのチャネルを強制的にアンテナ21−b、受信モジュール2001−b、および復調部2003−bを経由して受信しているチャネルの方に切り替える。
【0033】
画面表示も同様に切り替えられる。その際、切り替わった先のチャネルの情報を表示画面に表示する。ここで、表示統合部207は、アンテナ21−b、受信モジュール2001−b、および復調部2003−bを経由して受信しているチャネルの電波から復調されて生成されたTSパケット中に多重されているNIT(Network Information Table)と呼ばれるシステム情報(ARIB規格にて規定)から抽出され、該当する放送局名またはチャネル番号の少なくともいずれかを含むチャネル情報を、ナビゲーション装置30を介して出力装置に表示する。
【0034】
この表示処理が終了した後は、アンテナ21−b、受信モジュール2001−b、および復調部2003−bを経由して受信しているチャネルをメインチャネルに設定し、アンテナ21−a、受信モジュール2001−a、および復調部2003−aを経由して受信しているモジュールの方で、チャネルスキャンを周期的に実施する。緊急警報放送用フラグを受信した以後の処理はこれまで述べてきた手順と同様である。
【0035】
図2に戻って説明する。デスクランブル部202は、B−CAS(Conditional Access System)と呼ばれるICカード中に設定されているデータに基づいて、TS処理部201による処理の過程でデータのスクランブルを解除する。制御部203は、IRD20とナビゲーション装置30との間の制御信号を送受信する処理や、IRD20において入力部209を介して入力された信号の処理、外部インターフェイス208のデータの送受信等を実行する。
【0036】
音声・映像デコーダ204は、TS処理部201から送られたTSパケットから、映像データや音声データを再生する。音声・映像デコーダ204は、例えば、MPEG−2方式に基づく映像データを再生し、AAC方式に基づく音声データを再生する。データ放送デコーダ205は、TS処理部201から送られたTSパケットを用いて、ナビゲーションに関するデータ放送において放送されるデータをデコードして表示統合部207へ送る。
【0037】
音声・映像デコーダ204は、TMCCに含まれる緊急警報放送用フラグや、当該緊急警報放送用フラグに対応付けて送信される災害情報や避難場所等の情報を、表示統合部207を介してナビゲーション装置30へ送る。表示統合部207は、音声・映像デコーダ204、データ放送デコーダ205、または表示部206からのデータをOSD(On Screen Display)として表示するデータに統合してナビゲーション装置30を介して出力装置に表示する。
【0038】
次に、ナビゲーション装置30について説明する。図7は、ナビゲーション装置30の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。ナビゲーション装置30は、外部インターフェイス300、現在位置算出部301、出力統合部302、地図データ格納部303、および制御部304を備える。
【0039】
外部インターフェイス300は、緊急警報放送用フラグ、画面表示データ等をIRD20から受信して制御部304へ送る。また、外部インターフェイス300は、ナビゲーション装置30のリモコン(図示しない)からの入力情報(リモコン情報)も受信する機能を有する。現在位置算出部301は、一般的によく知られている方法により、車速センサや方位センサからの信号や、GPS衛星からの信号に基づいて、ナビゲーション装置30が搭載されている車両の現在位置(緯度経度)を検出する。
【0040】
制御部304は、経路探索・案内部305および地点算出部306を備える。経路探索・案内部305は、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置を示す情報、および、外部インターフェイス300を介して入力されたユーザが希望する目的地点の設定情報等をもとに、ダイクストラ法等を用いて経路探索を行い、誘導経路を算出する。地点算出部306は、経路探索・案内部305によって算出された目的地点までの誘導経路およびそれぞれの区分位置に基づいて、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置を示す情報の、地図データ上の座標を算出する。出力統合部302は、地点算出部306によって算出された座標を、地図データ格納部303に格納された地図と重畳して、重畳した画像を出力装置に表示する。
【0041】
次に、ナビゲーション装置30が、IRD20から緊急警報放送用フラグを受信した場合の動作について、出力装置に表示される画面の遷移に従って説明する。外部インターフェイス300を介してIRD20から入力されるデータは、例えば図8に示すように、メインフォルダ400を有し、メインフォルダ400内には、テキストデータである起動スクリプト401、画像データ402、映像データ403、および緊急警報放送用フラグに対応する避難場所を示す情報である位置データ404等が含まれる。
【0042】
位置データ404に格納されるデータには、例えば図9に示すように、位置を識別するための名称(<name>)、住所(<address>)、緯度(<lat>)、および経度(<lon>)等の情報が含まれる。また、他の例として、位置データ404に格納されるデータには、例えば図10に示すように、位置を識別するための名称、住所、緯度、および経度等の情報が複数含まれていてもよい。
【0043】
例えば図11(a)に示すように、地図上の自車位置を示すカーマーク501を表示するナビゲーション画面500を出力装置の画面全体に表示している状態で、IRD20が緊急警報放送用フラグを検出した場合、制御部304は、例えば図11(b)に示すように、出力装置に表示する画面を、ナビゲーション画面500から緊急情報画面502に切り替える。
【0044】
なお、受信電波の品質が悪く、緊急警報放送用フラグを検出した後に、当該フラグに対応する緊急情報を即座に受信することができない場合には、制御部304は、画面上に、緊急情報が発生している旨を示すメッセージを表示することにより、ユーザに緊急情報が発生している旨を先に通知するようにしてもよい。
【0045】
画面の切り替え方法は、図11に示した例に限られず、例えば図12に示すように切り替えてもよい。すなわち、図12(a)に示すように、地図上の自車位置を示すカーマーク511を表示するナビゲーション画面510を出力装置の画面全体に表示している状態で、IRD20が緊急警報放送用フラグを検出した場合、制御部304は、例えば図12(b)に示すように、出力装置に表示する画面を左右に2分割して、一方に、地図上に自車位置を示すカーマーク513を表示するナビゲーション画面512を、他方に緊急情報画面514をそれぞれ表示するようにしてもよい。
【0046】
また、図13に示すように出力装置の表示画面を切り替えるようにしてもよい。すなわち、図13(a)に示すように、地図上の自車位置を示すカーマーク521を表示するナビゲーション画面520を出力装置の画面全体に表示している状態で、IRD20が緊急警報放送用フラグを検出した場合、制御部304は、例えば図13(b)に示すように、出力装置に表示する画面を、いわゆるL字型表示と呼ばれる表示方法で画面に表示するようにしてもよい。図13(b)では、地図上の自車位置を示すカーマーク524を表示するナビゲーション画面523を画面の左下に、緊急情報画面522を画面の右および上に、それぞれ表示している例が示されている。
【0047】
また、図14に示すように出力装置の表示画面を切り替えるようにしてもよい。すなわち、図14(a)に示すように、地図上の自車位置を示すカーマーク531を表示するナビゲーション画面530を出力装置の画面全体に表示している状態で、IRD20が緊急警報放送用フラグを検出した場合、制御部304は、例えば図14(b)に示すように、地図上の自車位置を示すカーマーク533を表示する緊急情報画面522を画面の左上に、緊急情報画面534を画面の右および下に、それぞれ表示するようにしてもよい。
【0048】
全画面表示、2画面表示、またはL字型表示のいずれにするかは、予めナビゲーション装置30のリモコンを介してユーザから設定され、ナビゲーション装置30内の出力統合部302は、当該設定情報に従って、緊急警報放送用フラグをIRD20から受信した場合の表示画面の切り替えを実行する。なお、出力統合部302は、緊急警報放送フラグをIRD20から受信したときに、表示方法を選択するメニューを画面に表示して、ユーザに表示方法を選択させるようにしてもよい。また、画面分割により緊急情報画面とナビゲーション画面とを表示する場合は、緊急情報画面に表示される文字数や緊急情報の種類に応じて、ナビゲーション画面の全画面表示からの縮小率を決定するようにしてもよく、予め設定された縮小率にするようにしてもよい。
【0049】
緊急情報のデータ構成は、例えば図15に示すように、緊急事態の発生日時600、その日時に発生した災害の内容(地震、大火、洪水、落雷等)601、発生した緊急事態の詳細(例えば地震の場合、震度、震源地、マグニチュード等)602、緊急事態の発生地点を示す位置情報603、広域の災害発生地域(都道府県、支庁、地方レベル等)604、詳細の災害発生地域(市町村、区、地区レベル等)605、放送エリア内の各地域への情報(例えば、発令された警報、対処情報、交通情報、予想情報、特記事項等)606等が含まれる。
【0050】
それぞれの詳細情報606には、避難場所を示す避難場所情報が含まれている。当該避難場所情報は、図8で説明した位置データ404に格納されて送信される。また、避難場所情報には、避難場所の名称、住所、緯度、および経度等の情報が、例えば図9または10で説明した形式で格納されている。なお、図15に示した例において、符号600〜605で示した情報を概要情報と定義する。
【0051】
また、例えば、図15に示す情報をIRD20から受信した場合、ナビゲーション装置30の出力統合部302は、図13(b)で説明した画面表示例において、横長の領域525に発生時間、地震、事象詳細情報等を表示し、領域526に発令警報、対処、交通情報、予想、特記事項等を表示するようにしてもよい。
【0052】
また、図13に示した例において、例えば概要情報が1行で収まる場合、出力統合部302は、出力装置の画面の座標を計算して、領域525に1行の文章を表示するためのエリアを確保する。また、概要情報が1行で収まらない場合、出力統合部302は、出力装置の画面の座標を計算し、領域525に複数行の文章を表示できるエリアを確保する。このときの矩形エリアの各頂点の座標は、領域525の大きさを計算する際に同時に算出する。これらの座標を計算した後に、出力統合部302は、ナビゲーション画面を、全画面表示から縮小画面表に切り替えて、ナビゲーション画面523として表示する。
【0053】
また、画面分割により緊急情報画面とナビゲーション画面とを表示する場合に、緊急情報を示す文字が緊急情報画面に収まらないときには、出力統合部302は、表示するフォントを縮小させて表示することにより、緊急情報を示す文字を全て緊急情報画面に収めるようにしてもよい。その際は、まず緊急情報を表示する矩形領域の広さを決定し、当該矩形領域の各頂点の座標を決定する。その後、当該矩形領域に表示することが可能な文字数に応じたフォントサイズを選択して、選択したフォントサイズで緊急情報を表示する。
【0054】
また、表示すべき緊急情報を全て受信できていなく、例えば概要情報までしか受信できていない場合、出力統合部302は、例えば図16(b)に示すように、受信した概要情報を緊急情報画面542に表示して、残りの緊急情報を受信した時点で、図13(b)で説明したようなL字型表示に切り替えるようにしてもよい。
【0055】
なお、出力統合部302は、緊急情報に概要情報しか含まれていないか否かの判定を、図15で説明した緊急情報において、発生日時600、内容601、および詳細602の欄に該当するデータが埋め込まれており、それ以外の欄にはデータが空欄のままである、あるいはデータが入っていないことを示すデータが入っているか否かで判定する。
【0056】
また、上記した形態では、ナビゲーション画面と緊急情報画面とを別々の領域に表示したが、他の例として、ナビゲーション画面を出力装置の画面全体に表示している状態で、緊急情報の内容を示す文字を、OSD等の手法により、ナビゲーション画面に重畳して表示するようにしてもよい。
【0057】
また、詳細情報の表示に関しては、地図データ格納部303内の地図データを参照して、図15で説明した緊急情報中の詳細情報606に含まれる中心位置情報と、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置との距離を算出し、最も近い地域の詳細情報を表示する。
【0058】
また、制御部304は、緊急情報中に避難場所を示す避難場所情報が格納されている場合に、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置から、当該避難場所情報に含まれる緯度データおよび経度データで特定される避難場所までの誘導経路を算出し、算出した誘導経路を、避難場所の位置を示す情報と共に出力統合部302へ送る。
【0059】
また、図10で説明したように、避難場所情報内に複数の避難場所を示す情報が格納されている場合には、制御部304は、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置を参照して、自車両の現在位置から最も近い避難場所を特定し、自車両の現在位置から、特定した避難場所までの誘導経路を算出する。
【0060】
出力統合部302は、出力装置に指示して、例えば図17に示すように、画面を2分割して、一方に緊急情報画面556を表示し、他方にカーマーク555、避難場所552、および、カーマーク555から避難場所552までの誘導経路553を表示するナビゲーション画面554を表示する。
【0061】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0062】
上記説明から明らかなように、本発明の移動体受信装置10によれば、移動体においてディジタル放送に含まれる緊急情報を受信した場合に、移動体と共に移動するユーザに適切な情報を通知することができる。
【0063】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0065】
図18は、本発明の第2実施形態におけるナビゲーション装置30の詳細な機能構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置30は、外部インターフェイス300、現在位置算出部301、出力統合部302、地図データ格納部303、制御部304、経路探索・案内部305、地点算出部306、および走行時間算出部307を備える。なお、以下に説明する点を除き、図18において、図7と同じ符号を付した構成は、図7における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0066】
経路探索・案内部305は、図10で説明したように、避難場所情報内に複数の避難場所を示す情報が格納されている場合に、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置を参照して、自車両の現在位置からそれぞれの避難場所までの誘導経路を探索する。走行時間算出部307は、経路探索・案内部305によって探索されたそれぞれの誘導経路の走行時間を算出する。そして、算出した走行時間が最も短い誘導経路を出力統合部302へ出力する。
【0067】
走行時間算出部307は、通常のルートガイダンス機能に用いられる、現在位置から目的地点への所要時間を概算する機能を用い、さらに、災害発生時には発生箇所周辺において渋滞が発生する可能性が高いため、通常の所要時間概算機能により算出された走行時間に、災害発生時の渋滞予測係数を乗ずることにより、災害発生時の走行時間を算出する。
【0068】
ここでの渋滞係数とは、現在位置と目的地点との間の走行時間を計算するときに使われる係数である。走行時間は、道路を制限速度で走行すると仮定したときの走行時間に、渋滞係数を乗じることによって算出する。渋滞係数は、道路混雑などにより制限速度で走行できないことを表現し、0から1の範囲で車両が走行できない状態から渋滞なく走行できる状態までを表現する。
【0069】
この渋滞係数は、現在位置から目的地点まで簡易的に一律の値としてもよい。また、経路探索・案内部305で算出した迂回路の交差点の区間毎に、予め地図データ格納部303に蓄積してある渋滞履歴データを基に、渋滞係数を算出してもよい。また、走行時間算出部307は、予め解析してある災害発生時の道路交通の詳細渋滞発生モデルをもとに、地図データ格納部303に蓄積してある渋滞履歴データを用いて、詳細な走行時間を算出してもよい。
【0070】
詳細渋滞発生モデルとは、主要渋滞ポイントの抽出に用いる情報に、カーナビゲーション装置等で利用されているVICS(Vehicle Information and Communication System)データを拡充して、より統計的・客観的に特徴を抽出する方法で渋滞頻発の様子を簡易に再現するモデルのことをさす。
【0071】
また、渋滞履歴データとしては、例えば、道路交通情報センタが一般的なナビゲーション装置に対して配信を行っている渋滞情報、民間でインターネットを利用して配信している渋滞情報データ、または、その他のメディアから取得することが可能な渋滞情報データを用いることができる。
【0072】
なお、渋滞情報は、渋滞が発生した道路の区間、その区間内でどこから渋滞が始まって、長さがどれくらいかの情報、そのときの渋滞の情報(自然渋滞、事故渋滞、その他)、予想される旅行時間、渋滞発生時刻、のいずれかの組み合わせを少なくとも含むデータから構成される。
【0073】
このように、第2実施形態におけるナビゲーション装置30によれは、所要時間の最も短い、避難場所までの誘導経路をユーザに提示することができる。
【0074】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0075】
図19は、本発明の第3実施形態におけるナビゲーション装置30の詳細な機能構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置30は、外部インターフェイス300、現在位置算出部301、出力統合部302、地図データ格納部303、制御部304、経路探索・案内部305、地点算出部306、およびデータ選択部308を備える。なお、以下に説明する点を除き、図19において、図7と同じ符号を付した構成は、図7における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0076】
本実施形態では、図20に示すように、複数のチャネル(ES:Elementary Stream)が多重化されたデータ放送を想定している。多重化されている複数のチャネルには、それぞれ異なるデータが格納されている。それぞれのチャネルに含まれる位置データには、例えば図21に示すように、当該チャネルを受信すべき範囲の中心位置を示す中心位置情報(<center_position>)の緯度(<lat>)および経度(<lon>)、ならびに、位置を識別するための名称(<name>)、住所(<address>)、緯度(<lat>)、および経度(<lon>)等の情報が含まれる。
【0077】
データ選択部308は、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置、および、それぞれのチャネルに含まれる位置データ内の中心位置情報を参照して、自車両の現在位置から最も近い位置を中心とする位置データを有するチャネルを受信チャネルとして選択する。出力統合部302は、データ選択部308によって選択されたチャネルに含まれる緊急情報を出力装置に表示する。
【0078】
緊急放送を送信する場合、県単位、市町村単位、あるいは他の区分の地域単位毎に、その地域に対して適切な情報を配信することが好ましい。例えば、図22(a)に示すように、海に近い地域560に対しては、地震が発生した場合に、図22(b)に示すように、河川の水位上昇や津波に関する情報を送信することが好ましく、図22(c)に示すように、海から離れた地域563に対しては、津波に関する情報よりも、図22(d)に示すように、土砂崩れ等の情報を送信することが好ましい。
【0079】
これにより、同一のディジタル放送用電波を介して、地域毎に異なる緊急情報を一括して送信することができると共に、それぞれの地域に位置する移動体受信装置10において、適切な緊急情報を取得して表示することができる。
【0080】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0081】
図23は、本発明の第4実施形態に係る安否確認システム70を示すシステム構成図である。安否確認システム70は、移動体受信装置10、管理サーバ703、および通信端末704を備える。移動体受信装置10は、図2において説明したIRD20と、図24において説明するナビゲーション装置30とを有する。
【0082】
ナビゲーション装置30は、図24に示すように、外部インターフェイス300、現在位置算出部301、出力統合部302、地図データ格納部303、制御部304、経路探索・案内部305、地点算出部306、走行時間算出部307、および通信部309を備える。なお、以下に説明する点を除き、図24において、図7または図18と同じ符号を付した構成は、図7または図18における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0083】
経路探索・案内部305は、緊急情報を受信した場合に、図10または図20において説明した複数の避難場所のそれぞれについて、現在位置算出部301によって算出された自車両の現在位置を参照して、自車両の現在位置からそれぞれの避難場所までの誘導経路を探索する。
【0084】
走行時間算出部307は、経路探索・案内部305によって探索されたそれぞれの誘導経路の走行時間を算出し、算出した走行時間が最も短い誘導経路を出力統合部302へ出力する。また、走行時間算出部307は、現在の時刻に基づいて、出力統合部302へ送信した誘導経路において避難場所に到着する到着予定時刻を算出し、算出した到着予定時刻を、目的地点となる避難場所を示す情報と共に通信部309へ送る。
【0085】
通信部309は、例えばPHS等の無線通信方式により、基地局701および通信網702を介して、管理サーバ703と通信する機能を有する。通信部309は、走行時間算出部307から受信した到着予定時刻および避難場所情報を、自車両を識別する情報または自車両の搭乗者を識別する情報と共に、基地局701および通信網702を介して、管理サーバ703へ送信する。
【0086】
管理サーバ703は、移動体受信装置10から受信した到着予定時刻および避難場所情報を、当該到着予定時刻および避難場所情報と共に受信した車両の識別情報または搭乗者情報に対応付けてデータベースに格納する。また、管理サーバ703は、他のユーザの通信端末704からの問い合わせに応じて、問い合わせ対象の車両情報または搭乗者情報に対応する到着予定時刻および避難場所情報をデータベースから抽出して、当該通信端末704へ送信する。
【0087】
これにより、向かっている避難場所および当該避難場所に到着する予定時刻を、通信端末704を介して、関係者に通知することができ、移動体受信装置10を搭載した車両の搭乗者の安否を関係者に確認させることができる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施の形態に記載の範囲には限定されない。また、上記した実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にとって明らかである。さらに、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動体受信装置10を示すシステム構成図である。
【図2】IRD20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】チューナ部200の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】TMCC信号の構成を説明するための概念図である。
【図5】チューナ部200の他の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】表示装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
【図7】ナビゲーション装置30の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】データ放送によって送信されるデータ構造の一例を示す概念図である。
【図9】位置データ404の詳細なデータ構造の一例を示す図である。
【図10】位置データ404のデータ構造の他の例を示す図である。
【図11】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図12】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図13】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図14】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図15】緊急情報のデータ構成を説明するための概念図である。
【図16】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図17】緊急情報を受信した場合の画面遷移の一例を説明するための概念図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係るナビゲーション装置30の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係るナビゲーション装置30の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図20】第3実施形態において想定するデータ放送のデータ構造の一例を示す概念図である。
【図21】位置データのデータ構造の他の例を示す図である。
【図22】地域毎に異なる緊急情報の一例を示す概念図である。
【図23】本発明の第4実施形態に係る安否確認システム70を示すシステム構成図である。
【図24】本発明の第4実施形態に係るナビゲーション装置30の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0090】
10・・・移動体受信装置、20・・・IRD、200・・・チューナ部、201・・・TS処理部、202・・・デスクランブル部、203・・・制御部、204・・・音声・映像デコーダ、205・・・データ放送デコーダ、206・・・表示部、207・・・表示統合部、208・・・外部インターフェイス、209・・・入力部、21・・・アンテナ、30・・・ナビゲーション装置、300・・・外部インターフェイス、301・・・現在位置算出部、302・・・出力統合部、303・・・地図データ格納部、304・・・制御部、305・・・経路探索・案内部、306・・・地点算出部、307・・・走行時間算出部、308・・・データ選択部、309・・・通信部、31・・・アンテナ、400・・・メインフォルダ、401・・・起動スクリプト、402・・・画像データ、403・・・映像データ、404・・・位置データ、500・・・ナビゲーション画面、501・・・カーマーク、502・・・緊急情報画面、600・・・発生日時、601・・・内容、602・・・詳細、603・・・位置情報、604・・・災害発生地域、605・・・災害発生地域、606・・・詳細情報、70・・・安否確認システム、700・・・中継局、701・・・基地局、702・・・通信網、703・・・管理サーバ、704・・・通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、ディジタル放送受信装置およびナビゲーション装置を備える移動体受信装置であって、
前記ディジタル放送受信装置は、
ディジタル放送電波に含まれる信号をデコードしてディジタルデータを出力するデコーダと、
前記デコーダから出力されたディジタルデータ中に緊急警報放送を示すデータが含まれている場合に、当該緊急警報放送を示すデータに対応付けて送信される、避難場所を示す情報である避難場所情報を、前記デコーダから出力されたディジタルデータから取得して前記ナビゲーション装置へ送信する避難場所情報抽出手段と
を有し、
前記ナビゲーション装置は、
地図データおよびGPS衛星からの位置情報をもとに自車両の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記ディジタル放送受信装置から前記避難場所情報を受信した場合に、前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、当該避難場所情報に含まれる避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を前記出力装置へ出力する避難場所誘導手段と
を有することを特徴とする移動体受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体受信装置であって、
前記避難場所情報は、複数の避難場所を示す情報を含んでおり、
前記避難場所誘導手段は、
前記ディジタル放送受信装置から前記避難場所情報を受信した場合に、当該避難場所情報に含まれる複数の避難場所の中で、前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から最も近い避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を前記出力装置へ出力すること
を特徴とする移動体受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の移動体受信装置であって、
前記避難場所情報は、複数の避難場所を示す情報を含んでおり、
前記ナビゲーション装置は、
指定された経路について、出発地点から目的地点までの走行時間を推定する走行時間推定手段をさらに有し、
前記避難場所誘導手段は、
前記ディジタル放送受信装置から前記避難場所情報を受信した場合に、前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、当該避難場所情報に含まれるそれぞれの避難場所までの誘導経路を探索し、探索した誘導経路の走行時間を前記走行時間推定手段に推定させ、推定された走行時間が最も短い避難場所までの誘導経路を前記出力装置へ出力すること
を特徴とする移動体受信装置。
【請求項4】
車両に搭載され、ディジタル放送受信装置およびナビゲーション装置を備える移動体受信装置であって、
前記ディジタル放送受信装置は、
チャネル毎にディジタルデータを含み、複数のチャネルが多重化された、ディジタル放送電波に含まれる信号をデコードして、チャネル毎のディジタルデータを出力するデコーダと、
前記デコーダから出力されたいずれかのディジタルデータ中に緊急警報放送を示すデータが含まれている場合に、当該緊急警報放送を示すデータに対応付けて送信される、避難場所を示す情報である避難場所情報を、前記デコーダから出力されたチャネル毎のディジタルデータのそれぞれから取得して前記ナビゲーション装置へ送信する避難場所情報抽出手段と
を有し、
前記ナビゲーション装置は、
地図データおよびGPS衛星からの位置情報をもとに自車両の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記ディジタル放送受信装置からチャネル毎の避難場所情報を受信した場合に、前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、当該チャネル毎の避難場所情報のいずれかに含まれる避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を前記出力装置へ出力する避難場所誘導手段と
を有することを特徴とする移動体受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の移動体受信装置であって、
前記避難場所誘導手段は、
チャネル毎の避難場所情報に含まれる避難場所の中で、前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から最も近い避難場所までの誘導経路を探索し、探索結果を前記出力装置へ出力すること
を特徴とする移動体受信装置。
【請求項6】
請求項4に記載の移動体受信装置であって、
前記ナビゲーション装置は、
指定された経路について、出発地点から目的地点までの走行時間を推定する走行時間推定手段をさらに有し、
前記避難場所誘導手段は、
前記現在位置算出手段によって算出された自車両の現在位置から、チャネル毎の避難場所情報に含まれる避難場所のそれぞれまでの誘導経路を探索し、探索した誘導経路の走行時間を前記走行時間推定手段に推定させ、推定された走行時間が最も短い避難場所までの誘導経路を前記出力装置へ出力すること
を特徴とする移動体受信装置。
【請求項7】
請求項3または6に記載の移動体受信装置であって、
前記ナビゲーション装置は、
前記避難場所誘導手段によって前記出力装置へ出力された誘導経路における目的地点の避難場所、および、当該誘導経路について推定された走行時間から求めた到着予想時刻を、自車両を識別する情報と共に管理センタへ送信する通信手段をさらに有すること
を特徴とする移動体受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−111707(P2008−111707A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293999(P2006−293999)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【Fターム(参考)】