説明

立体視投影用の偏光変換システムおよび方法

【課題】
【解決手段】 偏光変換システムは、非偏光画像ソースからの光を、第1の偏光状態(SOP)と、これに直交する第2のSOPとに分割して、この偏光を第1および第2の光路に方向付ける。第1および第2の光路のうち一方の光路のみの光のSOPを直交状態に変換して、両方の光路のSOPが同一になるようにする。偏光変調器は、第1および第2の光路の光を時間的に変調して、第1および第2の偏光出力状態とする。第1および第2の投影レンズは、第1および第2の光路の光を投影スクリーンに向けて方向付けて、互いに実質的に重複する偏光符号化画像を形成する。偏光変調器は、投影レンズの前方または後方に配置されるとしてよい。偏光符号化画像は、適切な偏光フィルタを有するアイウェアを用いて見るとしてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は概して、偏光符号化された画像の投影に関する。特に、偏光符号化画像を投影スクリーンに送信する偏光変換システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、偏光維持表示システム100の一例を示す概略図である。表示システム100は、投影スクリーン102と、偏光フィルタアイウェア104とを備える。単一の偏光維持スクリーン102が逐次左側画像および右側画像を表示して、偏光フィルタアイウェア104を用いることによって、立体視3次元(3D)画像を見る。偏光フィルタアイウェア104は、2つのレンズ106および108を有し、該レンズは偏光が互いに交互に直交する。
【0003】
3D画像は、左側画像および右側画像を符号化するプロジェクタにおける偏光制御と、左側画像および右側画像の復号化する偏光フィルタアイウェアとを用いて、合成され得る(例えば、所有者が共通である米国特許第4,792,850号(発明の名称:「プッシュ・プル型液晶変調器を利用する方法およびシステム」、レニー・リプトン(Lenny Lipton)他)および米国特許出願第11/424,087号(発明の名称:「アクロマティック偏光スイッチ」、出願日:2006年6月14日)を参照されたい。両特許文献の内容はすべて参照により本願に組み込まれる。)
【0004】
投影レンズの後の偏光制御の従来の実施方法を図2に示す。略平行な光が、レンズの出力側から出射され、レンズの内部にある瞳から発せされているように見え、集束して遠く離れたスクリーン上でスポット状の光を形成する。図2の光束A、BおよびCはそれぞれ、投影スクリーンの底部、中央部および上部でスポット状の光を形成する光束である。投影レンズから出射される光は、図2においてS偏光およびP偏光として図示されているように、ランダム偏光である。この光は、直線偏光子を通過して、当該直線偏光子を通過すると単一の偏光状態を取るようになる。直交する偏光状態は吸収(または反射)されており、該偏光子を通過した後の光束は、元々の光束の50%未満となっている(このため、最終的な画像は暗くなってしまう)。偏光スイッチは画像フレームと同期しており、偏光スイッチから出射される光の偏光状態を変更して、スクリーン上において交互に直交する偏光の画像を生成する。偏光選択アイウェア104によって、一方の偏光の画像が左目に行き、これに直交する偏光の画像が右目に行くことになる。それぞれの目に異なる画像を提示することによって、3D画像を合成することができる。
【0005】
このようなシステムは現在、映画館において利用されている。しかし、このようなシステムは通常、光の50%以上が偏光子によって吸収されてしまうという欠点を持つので、結果として得られる画像が、通常の2D画像の映画館に比べて、50%以上暗くなってしまうことが多い。また、時系列立体視3Dの場合はさらに、輝度が50%以上低減されてしまう。このように画像が暗いので、3D目的で利用する映画館の大きさが限られてしまい、および/または、視聴者にとってはあまり望ましくない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述した問題等に対処して、立体視投影用の偏光変換システムおよび方法を提供する。一般的に、偏光変換システムは、非偏光画像ソースからの光を、第1の偏光状態(SOP)と、これに直交する第2のSOPとに分割して、この偏光を第1および第2の光路に方向付ける。第1および第2の光路のうち一方の光路のみの光のSOPを直交状態に変換して、両方の光路のSOPが同一になるようにする。偏光変調器は、第1および第2の光路の光を時間的に変調して、第1および第2の偏光出力状態とする。第1および第2の投影レンズは、第1および第2の光路の光を投影スクリーンに向けて方向付けて、互いに実質的に重複する偏光符号化画像を形成する。この偏光符号化画像は、参照して説明した先行技術に係るシステムに比べると輝度がはるかに高い。偏光符号化画像は、適切な偏光フィルタを有するアイウェアを用いて見るとしてよい。
【0007】
一側面によると、偏光符号化画像を投影スクリーンに送る偏光変換システムは、第1の投影レンズと、第2の投影レンズと、偏光ビームスプリッタ(PBS)と、反射素子と、偏光変調器とを備える。PBSは、第1の偏光状態の光を第1の光路上の第1の投影レンズに対して透過させ、さらに、第2の偏光状態の光を第2の光路に向けて反射する。反射素子は、第2の光路上に配置されており、第2の投影レンズに向けて光を反射する。偏光変調器は、第1の光路および第2の光路に配置されている。第1の投影レンズおよび第2の投影レンズは、偏光符号化画像を投影スクリーンに向けて方向付ける。
【0008】
一部の実施形態によると、偏光変調器は、第1および第2の光路の両方にかかるように配置される単一の素子であってよい。ほかの実施形態によると、偏光変調器は、それぞれ第1および第2の光路に配置される、第1の偏光スイッチと第2の偏光スイッチとを有するとしてよい。偏光スイッチは、投影レンズの前方または後方に配置されるとしてよい。
【0009】
別の側面によると、偏光符号化された立体視画像を投影する方法は、偏光ビームスプリッタが非偏光画像ソース光を受光する段階を備える。当該方法は、偏光ビームスプリッタが第1の光路に配置されている投影レンズに向けて、第1の偏光状態の画像ソース光を透過させる段階を備える。当該方法はさらに、偏光ビームスプリッタが第2の光路に向けて第2の偏光状態の画像ソース光を反射する段階を備える。当該方法はさらに、第2の投影レンズに向けて第2の光路の光を反射する段階を備える。当該方法はさらに、第1の光路および第2の光路のうち一方の光の偏光状態を、直交する偏光状態に回転させる段階を備える。当該方法はさらに、第1の光路および第2の光路の光の偏光状態を、第1の偏光出力状態と第2の偏光出力状態との間で、時間的に変調する段階を備える。
【0010】
その他の特徴は、上述の説明を参照することによって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
実施形態を、以下の添付図面において例として図示する。添付図面において、同様の参照番号は同様の部分を示す。添付図面は以下の通りである。
【0012】
【図1】本開示に係る、偏光維持表示システムの一例を示す概略図である。
【0013】
【図2】映画用3Dシステムにおける、偏光スイッチを用いた偏光制御の公知の実施方法を示す図である。
【0014】
【図3】本開示の第1の実施形態に係る偏光変換システム(PCS)を示す概略図である。
【0015】
【図3B】本開示に係る、偏光変換切替モジュールを示す概略図である。
【0016】
【図4】本開示の第2の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0017】
【図5】本開示の第3の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0018】
【図6】本開示の第4の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0019】
【図7】本開示の第5の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0020】
【図8】本開示の第6の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0021】
【図9】本開示の第7の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0022】
【図10】本開示の第8の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0023】
【図11】本開示の第9の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【0024】
【図12】本開示の第10の実施形態に係るPCSを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
【0026】
図3は、第1の実施形態に係る偏光変換システム(PCS)300を示す概略図である。一般的に、PCS300は、図示されるように配置されている、画像ソース304(例えば、光変調パネルまたは従来の映画)と、初期リレーレンズ302と、偏光ビームスプリッタ(PBS)310と、第1および第2のリレーレンズ306、308と、偏光スイッチ312と、折り曲げミラー318と、偏光変換切替モジュール320と、第1および第2の投影レンズ328、330とを備えるとしてよい。図3Bに示すように、偏光変換切替モジュール320は、図示されているように配置されている、偏光変換器322および偏光スイッチ324を有するとしてよく、コントラストを改善するべく事前偏光子326を任意で有するとしてよい。偏光変換器322は、入力偏光状態を直交する偏光状態に変換することができる光学素子である(例えば、半波長板)。
【0027】
第1および第2のリレーレンズ306および308は、それぞれの開口絞り301、303に対して対称になっていることが好ましく、偏光スイッチ312および偏光変換切替モジュール320の後方に配置されており、画像位置314および316において、実質的に歪みのないパネル304の画像を生成する。別の実施形態によると、開口絞り301、303は、光路305、307上で、偏光スイッチ312および偏光変換切替モジュール320の直前に配置されているとしてよい。さらに別の実施形態によると、図3では、第1の光路306における偏光スイッチ312の別の位置332、および、第2の光路308における偏光変換切替モジュール320の別の位置334を示している。これらの位置は、リレーシステム300のレンズ素子302の複屈折によってシステムのコントラストが悪化する場合に、有益であると思われる。さらに別の位置を挙げると、偏光スイッチ312、324は、投影レンズの前方ではなく後方に配置されるとしてもよい。このような実施形態によると、システムのコントラストについて利点が得られる可能性がある。尚、半波長板322が偏光スイッチ324に直ぐ隣接している必要は必ずしもない。半波長板322は、PBS310と偏光スイッチ324との間の光路であればどこに配置されるとしてもよい。実際、別の実施形態によると、偏光スイッチ312および偏光変換切替モジュール320の位置を逆にして、偏光スイッチ312を第2の光路307上に配置して、偏光変換切替モジュール320を第1の光路305に配置するとしておよい。
【0028】
動作について説明すると、パネル304(例えば、テキサス・インスツルメンツ社製のデジタルライトプロセッシング(DLP)パネルまたは従来の映画)には、光源(不図示)からのランダム偏光が照射されて、非偏光の画像ソース光が得られる。光源は、例えば、従来のUHPランプ、キセノンランプ、発光ダイオード光源であってよく、または、一部の実施形態では、所有者が同じである米国特許出願第11/779,708号(発明の名称:「投影システム用の集光器」、出願日:2007年7月18日、参照により本願に組み込まれる)で教示している光源であってよい。パネル304からの非偏光の画像ソース光は、初期リレーレンズ302によってPBS310に向けて方向付けられる。PBS310は、P偏光を第1の光路305に透過して、S偏光を第2の光路307に向けて反射するとしてよい。第1の光路305において、P偏光は偏光スイッチ312を通過する。偏光スイッチ312は、図2に示す光束A、BおよびCと同様に、交互のフレームにおいて、通過する光を回転させる。
【0029】
第2の光路307では、PBS310によって反射されたS偏光は、折り曲げミラー318(または、偏光状態を変えることなく光を反射する機能を持つ任意の光学素子、例えば、プリズム)に向かう。その後、S偏光は、偏光変換切替モジュール320を通過する。偏光変換器322(半波長板であってよい)は、略全ての可視波長を直交する偏光に変換するのが好ましい(この場合、S偏光からP偏光に変換)。このようにして新たに生成されたP偏光は、偏光スイッチ324を通過する。一部の実施形態によると、コントラストを高めるべく、事前偏光子326をモジュール320の前方または後方に追加するとしてもよい。偏光変換切替モジュール320が有する偏光スイッチ324は、第1の光路305に設けられるスイッチ312と略同一の方法で、交互に直交する状態を形成する。
【0030】
偏光変換システム300は、パネル304について2つの別個の画像314および316を、それぞれ倍率1×で形成するとしてよい(つまり、314および316における出力画像は、パネル304からの入力画像と略同じサイズであってよい)。尚、本実施形態およびほかの実施形態において、倍率は1×以外であってよく、このような倍率は例として挙げたものに過ぎないことを理解されたい。第1および第2の投影レンズ328および330はそれぞれ、中間画像314および316を投影スクリーン102に結像させる。投影レンズ328および330は、好ましくはキーストン歪みを最小限に抑えつつ、スクリーン102上で結像している2つの光路305および307からの画像を互いに重畳、略重複させるように、横方向に移動させることが可能である。パネル304からのランダム偏光は略全てが、単一の偏光状態で、スクリーン102において結像しているので、図3に示すシステムによって得られる画像は、図2に示すシステムにおいてスクリーン102上に結像する画像に比べて輝度が約2倍高い。
【0031】
このようなシステムは、偏光維持スクリーン102が利用されると仮定すると、ホームシアターおよびリアプロジェクションテレビジョン(RPTV)等の映画用、プロ用、および、消費者向けの用途に利用され得る。
【0032】
<第2の実施形態>
【0033】
図4は、第2の実施形態に係る偏光変換システム(PCS)400を示す概略図である。PCS400は、図示されているようにガラスプリズム410が第2の光路407に挿入されていること以外は、図3と同様のリレーシステムを提供し、一連の構成要素も略同様の構造および機能を持つ。ガラスプリズム410は、高屈折率ガラスプリズムであってよい。
【0034】
動作について説明すると、ガラスプリズム410によって、パネル404の2つの画像414および416が略単一の平面内に配置されるので、投影レンズ428および430のパッケージングおよび調整においてより高い利便性が得られる。リレーシステム400は、物体(つまり、パネル404)における単一の視野点からの光線が、開口絞り401および403においてコリメート光束を形成するように(1つの視野点からの全ての光線が同一角度を持つように)、設計するのが好ましい。このような設計によって、レンズ402の性能に影響を及ぼすことなく、開口絞りにおいてガラスプリズム410を挿入することができるようになる。ガラスプリズム410によって、2つの画像414および416を位置合わせすることができるようになる。繰り返しになるが、別の実施形態によると、偏光変換切替モジュール320および偏光スイッチ312は、各光路についてそれぞれ別の位置404および406が与えられているとしてよく、投影レンズの前方または後方のどちらに設けられるとしてもよい。
【0035】
<第3の実施形態>
【0036】
図5は、第3の実施形態に係る偏光変換システム(PCS)500を示す概略図である。図5は、図4と同様のPCS500を図示しているが、図4の偏光スイッチ312に代えて、偏光入力を、時間的に交互に変化して、互いに直交する、一連の偏光出力状態に変換する回転輪550が設けられている点が異なる。一実施形態によると、回転輪550は、非偏光入力のうち、交互に直交する偏光を通過させる部分を含むとしてよい。別の実施形態によると、回転輪550の前方には、固定偏光子が設けられているとしてよい。回転輪550はこの場合、単位毎の偏光変換を行う複数の部分(例えば、位相差板スタック)を含むとしてよい。
【0037】
偏光子(回転輪550)を物理的に回転させることに起因する問題点は、出力がアナログに変化する点にある。この現象を補償するように各部分がパターニングされていない限り、そうなる。機能的には、バイナリ式偏光スイッチング効果が所望されている。本開示によると、バイナリ式偏光スイッチング効果は、固有円偏光状態の素子を用いることで最適に実現される。例えば、本当の円偏光子(これに対するものは、例えば、位相差板または位相差板スタックを後方に設けた直線偏光子)は、輪の配向に関わらず、円偏光状態の特定の片方(例えば、右または左)を透過させる。
【0038】
これに代えて、固定偏光子を設けてその後方に固有円偏光状態の単位毎の偏光変換素子、または純粋な円偏光位相差板を設けるとしてよい。例えば、直線偏光子を設けて、その後方に、等方性部分および純粋なアクロマティック偏光回転素子の組み合わせを含む回転輪550を設けるとしてよい。純粋なアクロマティック回転子は、直線リターデーションがゼロだが(光軸がないが)、互いに直交する円偏光状態間において所望量の位相遅延を持つ。この場合、固有円偏光状態間での位相シフトがπであれば、輪の配向きに関わらず、入力が直交する直線出力に変換される。このため、アナログ形式の輪によって、直交する直線偏光間においてバイナリ式のスイッチングが得られる。
【0039】
純粋なアクロマティック偏光回転子は、直線位相差板のスタックを用いて製造するとしてよい。設計方法の1つに、特定の対称配置で一対のスタックを形成する方法が挙げられる。例えば、特定のリターデーションおよび回転を実現するスタックと、順序を逆にした、または、逆順反射対称になっている同一のスタックとを一対にするとしてよい(例えば、ロビンソン(Robinson)他、「LCD投影用の偏光エンジニアリング」、ワイリー・アンド・サンズ(Wiley&Sons)、2005年、の第5章を参照されたい、該文献の内容は参照により本願に組み込まれる)。逆順のスタックは、回転を除去しつつ実質リターデーションを倍増させ、反射を追加するとリターデーションを除去しつつ回転を倍増させる効果を奏する。0配向の直線入力をπ/4配向の直線出力へと変換する(対象となる波長全てにおいて)スタックは、一般的に、直線リターデーションを含む。しかし、逆順に反射するスタックと組み合わせて対にすると、リターデーションがゼロおよび所望のπ/2配向変換という効果が実質的に得られる。このように透明な素子を、等方性のディスク上に一部分として積層して、回転輪550によってバイナリ式偏光スイッチング効果を奏する。
【0040】
表1に、アクロマティック回転が略π/2で、逆順反射対称である位相差板スタックの設計の一例を示す。尚、このような対称は、所望の偏光変換を実現する上で、十分条件ではあるが、必要条件ではない。第6層後の偏光状態が45度の直線偏光状態であることは容易に検証されるが、当該スタックには後続のスタックによって除去される直線リターデーションがある。本例によると、全ての層は、1/2波長のゼロ次の面内リターデーション(通常は、可視帯域をカバーするには、240nmから270nm)を持つ。本開示によれば、配向およびリターデーションの値が異なる他の位相差板の組み合わせに基づく設計を採用してもよいことは明らかであろう。
【0041】
【表1】

【0042】
さらに図5を参照して、動作について説明する。下側の光路505からの光は、P偏光で、回転輪550の等方性部分504を通過する。この光は、P偏光のまま、画像2 516を通過して、投影レンズ530を通過して、スクリーン102上に結像する。本例によると、上側の光路507の光は、S偏光で、回転輪550の回転子部分506を通過する。このS偏光は、回転輪550によって回転させられてP偏光となり、投影レンズ528を通過してスクリーン102上にP偏光として結像する。回転輪550は、ビデオフレームと同期させられており、スクリーン102上において交互に偏光が変化する画像を生成する。偏光状態を変化させることも可能であり、光路上に4分の1波長板を追加することによって円偏光を各光路が生成するとしてもよいし、または、各光路に回転子を追加することによって直線偏光状態を回転させる(例えば、+/−45度)としてもよい。
【0043】
<第4の実施形態>
【0044】
図6は、第4の実施形態に係る偏光変換システム(PCS)600を示す概略図である。図6は、倍率を2×まで大きくした(これに対して、前述の実施形態では1×)PCS600を示す。この場合、PCS600の前半部分は、PBS610および光路合わせガラスプリズム602を有し、図4に示した構成要素と構造および機能が同一であってよい。一方、PCS600の後半部分は、2倍に拡大され、後半部分の焦点距離を2倍に大きくする。PCS600は、パネル604の2倍のサイズに等しい大きさの画像を生成するが、Fナンバー(または、開口数)は同一のままである。この実施形態例によると、単一のリレーレンズ608を用いて中間画像を生成し、単一の投影レンズ630(例えば、70mmの映画用レンズ)を用いて中間画像をスクリーン102上に結像させるとしてよい。偏光変換切替モジュール620および当該モジュール620の代わりの位置625も図示されている。
【0045】
<第5の実施形態>
【0046】
図7は、第5の実施形態に係るPCS700を示す概略図である。図7に図示するPCS700は、図6に図示したものと同様であるが、図6の偏光変換切替モジュール620に代えて、区分け輪750(図5に示した区分け輪550と同様)が設けられている点が異なる。区分け輪750および区分け輪750の代わりの位置752も図示されている。また、単一の投影レンズ730を用いて中間画像をスクリーン102に結像させるとしてよい。
【0047】
<第6の実施形態>
【0048】
図8は、第6の実施形態に係るPCS800を示す概略図である。PCS800は、パネル804と、初期リレーレンズ802と、PBS810と、第1の光路上の偏光スイッチ812と、反射子(例えば、ミラー状の傾斜面)816を持つガラスプリズム814と、偏光変換切替モジュール818と、第1および第2の投影レンズ820および822とを、図示されているように配置させて、備えるとしてよい。偏光変換切替モジュール818は、図3Bを参照して説明した偏光変換切替モジュール320と同様に、任意の事前偏光子と、偏光回転子と、偏光スイッチとを有するとしてよい。投影レンズシステム800は、パネル804について、2つの別個の画像を大きな倍率で形成するとしてよい。このPCS800もまた、偏光維持スクリーン102が利用可能であると仮定すると、ホームシアターおよびRPTVのようなプロ用、消費者向けの用途に応用可能であるとしてよい。
【0049】
動作について説明すると、パネル804(例えば、テキサス・インスツルメンツ社製のデジタルライトプロセッシング(DLP)パネル)にランダム偏光が照射される。本実施形態によると、パネル804からの光は、第1および第2の投影レンズ820および822によって、スクリーン102に対して投影される。第1および第2の投影レンズ820および822は、逆望遠型であってもよい。PBS810は、P偏光を第1の光路に沿って透過させて、S偏光を第2の光路に沿って反射させる。P偏光は、偏光スイッチ812を通過して、図2の光束A、BおよびCと同様に、交互のフレームにおいて、偏光スイッチ812によって回転させられる。
【0050】
PBS810によって(第2の光路に)反射されたS偏光は、プリズム814へと進む。プリズム814は、折り曲げミラーとして機能する傾斜面816を持つとしてよい。反射は、内部全反射によって実現されるとしてもよいし、または、斜辺にミラー層(例えば、銀)をコーティングすることによって実現されるとしてもよい。最終画像に過剰な収差を引き起こすことなくPCS800の内部にこのようなプリズム814を挿入するためには、物体(パネル804)における視野点からの光線を開口絞り830および832においてコリメートする(つまり、光束に含まれる光線の角度を同一にする)のが好ましい。一部の実施形態によると、開口絞り830は、第1の光路に沿って、偏光スイッチ812の前方に配置されるとしてよく、および/または、第2の光路に沿って、プリズム構造814の前方において同じ位置(つまり、832)に配置されるとしてよい。このため、コリメートされた光線は収差を引き起こすことなくプリズム構造814を通過する。S偏光はそして、プリズム814を通過した後、偏光変換切替モジュール818を通過して、P偏光に回転させられる。偏光変換切替モジュール818内の偏光スイッチは、P偏光に作用して、ミラーを含まない光路の光束の回転と同期して、交互のフレームにおいて、光束の偏光を回転させる。
【0051】
レンズ820および822の2つの略同一の後半部分は、スクリーン102に2つの画像を投影する。この2つの画像をスクリーン102上で重複させるべく、偏光ビームスプリッタ810の傾斜を調整するとしてもよいし、および/または、プリズム808の傾斜を調整するとしてもよい。投影レンズアセンブリは全体として、横方向に移動できるように構成されるとしてもよく、このような構成とすることによって、第1および第2の光路からスクリーン102上に投影されている画像を、さまざまな映画館の構造に応じて、垂直方向にオフセットすることができる。レンズ820の前半部分は、図8に示すように上側の光路において光が問題なく通過するように、下側の光路においてカットされるとしてもよい。
【0052】
パネル804からのランダム偏光のうち略全てが、単一の偏光状態で、スクリーン102上で結像するので、図8に示すシステムにおいて結果として得られる画像は、図2に示すシステムにおいてスクリーン102上に結像する画像よりも輝度がおよそ2倍高くなる。
【0053】
<第7の実施形態>
【0054】
図9は、図8に示したものと同様であるが、偏光スイッチ812に変えて回転輪902が設けられている点が異なる偏光変換システム900を示す図である。回転輪902は、前述したように2つ以上の領域に区分されている。本例によると、下側の光路904からの光は、P偏光であり、(例えば)回転輪902の等方性部分901を通過する。この光は、投影レンズシステム900の残りの部分を通過する間、P偏光状態を維持して、スクリーン102上に結像する。本例によると、上側の光路906における光は、S偏光で、回転輪902の(例えば)回転子部分903を通過する。このS偏光は、回転輪902によってP偏光へと回転させられ、投影レンズシステム900の残りの部分を通過して、P偏光状態でスクリーン102に結像する。回転輪902は、ビデオフレームと同期しており、交互に変化する偏光状態でスクリーン102上に画像を生成する。ほかの偏光状態を利用することも可能で、光路904および906はそれぞれ、4分の1波長板(不図示)を光路に追加することによって円偏光を生成するとしてもよいし、または、各光路に回転子を追加することによって回転させられた直線偏光状態(例えば、+/−45度)を生成するとしてもよい。
【0055】
<第8の実施形態>
【0056】
図10は、図9と同様の偏光変換システム1000を示す図である。本実施形態例によると、PCS1000の構成要素は、PCS900の構成要素と略同一の構造および機能を持つが、1つではなく2つの回転輪1002および1004が実装されている点が異なる。2つの回転輪1002および1004を設ける理由の1つは、プリズム808の近傍におけるパッケージングに関する問題を軽減するためである。回転輪1002および1004は、互いに同期して動作するとしてよい。
【0057】
<第9の実施形態>
【0058】
図11は、ズームレンズが実装されている映画用PCSシステム1100の一例を示す概略図である。映画用PCSシステム1100は、パネル1102と、テレセントリック対物レンズ1104(つまり、初期リレーレンズ)と、偏光ビームスプリッタ(PBS)1106と、第1および第2の開口絞り1108、1110と、第1および第2の機械補償アフォーカルズーム装置1112、1132と、反射素子1130と、回転子1136と、第1および第2のZ−Screen1124および1138とを備えるとしてよい。
【0059】
動作を説明すると、パネル1102からのS偏光およびP偏光は、PBS1106に向かって、テレセントリック対物レンズ1104を通過する。テレセントリック対物レンズ1104は、全てのズーム設定についてPBS1106においてコリメートされた光を維持するために用いられる。PBS1106は、キューブまたはワイヤグリッドプレートであってもよいし、またはその他の任意の公知のPBSであってもよい。本実施形態によると、P偏光はPBS1106を第1の方向に透過される一方、S偏光はPBS1106において第2の方向に反射される。
【0060】
P偏光は、開口絞り1108を通過して、第1の機械補償アフォーカルズーム装置1112に向かう。ズーム装置1112は、正および負の屈折率を持つさまざまな素子を有するとしてよい。アフォーカルズーム装置は、例えば、「最新の光学エンジニアリング」、ウォーレン・スミス(Warren・Smith)、1990年、マグローヒル、(当該文献の内容は参照により本願に組み込まれる)のズームレンズ設計に記載されている技術を用いて、機械的または光学的に補償され得る。本実施形態例に係るズーム装置1112は、光路上に、凹レンズ1114のような固定光学素子、その後方に凸レンズ1116および凹レンズ1118のような可動素子、その後方に凸レンズ1120のような別の固定素子を有するとしてよい。図11では概して、凸レンズは、両端に点を持つ線で表されており、一般的に正の屈折率を持ち、このような正の屈折率を実現するべく1または複数の光学素子を含むとしてよい。一方、凹レンズは(凹状の図形で示す)一般的に、負の屈折率を持ち、そのような負の屈折率を実現するべく1または複数の光学素子を含むとしてよい。可動素子1122は、光軸に沿って移動して、所望されているように画像のズームを調節してよい。そしてズーム装置1112からの光は、第1のZ−Screen1124を通過して、スクリーン1150に向かい、第1の画像を結像する。
【0061】
PBS1106によって第2の方向に向けて反射されたS偏光は、開口絞り1110を通過する。これに続いて、この光は反射素子1130によって約90度だけ反射される。反射素子1130は、ミラーを持つ直角プリズム1130等である。このS偏光は続いて、第2の機械補償アフォーカルズーム装置1132を通過する。ズーム装置1132は、ズーム装置1112と同様の構造を採用するとしてよく、ズーム装置1112と同様に動作するとしてよい。言うまでもなく、可動素子1134は、所望される通りに、調整を変更してズームを変えるとしてよい。ズーム装置1132からのS偏光は、回転子1136を通過するとしてよい。回転子1136は、アクロマティック半波長板であってよい。回転子1136は、S偏光を回転させてP偏光を得る機能を持つ。第2の光路上のこのP偏光はそして、第2のZ−Screen1138を通過して、スクリーン1150に向かい、第2の画像を結像する。第1および第2の画像が、スクリーン1150において重ね合わせられる。
【0062】
以下の記載内容は、その他の実施形態、開示した実施形態において用いられるその他の構成要素、そして、本明細書において開示した実施形態の変形例に関する。
【0063】
偏光ビームスプリッタ:図3から図12において例示したPBSは、PBSプレートとして図示されている。このPBSプレートは、ガラス上のワイヤグリッド層(例えば、Moxtek社(米国ユタ州、オレム)のProflux偏光子)、偏光リサイクル膜(例えば、3M社(米国ミネソタ州、セント・ポール)のダブル・ブライトネス・エンハンシング・フィルム)、ガラス上の偏光リサイクル膜(平坦性実現のため)、または、ガラス上の多誘電層を用いて構成されるとしてよい。PBSはまた、ガラスキューブ(対角面上にワイヤグリッド、偏光リサイクル膜、または、複数の誘電層を設ける)として実装することもできる。
【0064】
画像位置の調整:図3において、各光路の画像位置は主に、投影レンズ328および330を横方向に変位させて調整される。画像位置はさらに、PBS310および/またはミラー318を調整することによって調整されるとしてよい。図4および図5では、各光路の画像位置は主に、投影レンズ428/430および528/530を横方向に変位させて調整される。さらに画像位置を微調整するには、プリズム構造402を横方向に変位および傾斜させるとしてよい。図6および図7では、画像の重ね合わせの調整は、プリズムの位置および傾斜を微調整することによって行うとしてよい。スクリーン上での画像の位置を調整するには、投影レンズ(630または730)を横方向に変位させるとしてよい。図8から図10では、画像の重ね合わせの調整は、偏光ビームスプリッタ(810、910、または1010)を傾斜させること、および/または、プリズム(814、914、または1014)を傾斜させることによって行われるとしてよい。画像位置を制御することを目的として上述した構成要素(PBS、ミラー、および/または投影レンズ)を調整する際には、電気機械アクチュエータを用いるとしてよい。このアクチュエータには、スクリーン102上での第1および第2の画像の位置を決定するべく、処理命令、制御命令、および駆動命令を、フィードバック制御システムおよびセンサから供給するとしてよい。
【0065】
偏光スイッチ:偏光スイッチは、開示された実施形態において説明したように、円偏光スイッチまたは直線偏光スイッチであってよい(例えば、米国特許第4,792,850号(リプトン:Lipton)のZ−Screen、または、米国特許出願第11/424,087号に開示されているアクロマティック偏光スイッチのうち1つ、これらの文献の内容はすべて既に参照により本願に組み込まれている)。本明細書に開示されている別の偏光切替技術は、図5、7、9および10を参照して教示された実施形態において説明したように、偏光用の回転輪を用いることを含む。この点について、偏光スイッチ312は、アイウェア104が、直交する偏光状態を復号化して、それぞれの目に適切な画像を送ることができるように、直交する偏光状態を交互に発生させる任意のスイッチであってよい。偏光スイッチは、(例えば、デバイスの歩留まりを高めるべく)2つの光路間で分割され得る。
【0066】
透過光および迷光の制御:透過素子にはすべて、透過率を高めて反射を低くするべく、反射防止コーティングが施されているとしてよい。透過素子が光を反射すると、システム内に迷光が発生し得る。この結果、コントラストが低下して、および/または、最終画像に目障りなアーチファクトが生じてしまう。非光学面(例えば、プリズム側面)には、コントラストを高めるべく、黒色を塗るとしてよい。偏光漏れを制御しておよび最終画像のコントラストを改善するべく、各光路においてPBS310の後方に吸収偏光子を追加で配置するとしてよい。
【0067】
折り曲げミラーおよび偏光純度:図3から図10において、折り曲げミラーに代えてPBS素子(例えば、ワイヤグリッドプレート)を設けるとしてよい。この場合、折り曲げ素子後においてより純度の高い偏光を維持できる可能性があり、偏光スイッチにおいて入力偏光子が不要になる場合もある。また、プリズムの傾斜面において反射された光は、反射メカニズムとして内部全反射を利用するとしてもよい。プリズムの傾斜面には、反射を改善して偏光の純度を維持するべく、誘電層および金属層を追加するとしてよい。
【0068】
投影レンズ:図3から図10に示した実施形態では、逆望遠型の投影レンズを利用することを説明していたが、本明細書に開示されている偏光変換システムはこのような投影レンズを利用することに限定されない。コンパクトな逆望遠レンズは、米国特許第6,473,242号に記載されている。当該特許文献は、参照により本願に組み込まれる。例えば、図12は、第10の実施形態に係る偏光変換システム1200を示す図である。偏光変換システム1200は、米国特許第6,473,242号に記載の逆望遠レンズの設計とは異なって、投影レンズの内部に偏光ビームスプリッタを提供する。本実施形態によると、偏光ビームスプリッタ1210は、開口絞りにおいてレンズ(1230a、1230b、および1230c)に組み込まれており、2つの光路1212および1214が、プロジェクタの外部において2つの偏光状態を重ね合わせるべく設けられる。本例によると、ミラー1216、回転子1218、ならびに、偏光スイッチ1220および1222は、投影レンズの後半部分(1230bおよび1230c)の後方に、レンズ1230とシルバースクリーンとの間になるように配置されている。レンズの規定を変更して、開口絞りの各視野点からコリメートされた光線を生成する。このような変更によって、米国特許第6,473,242号に記載のレンズに比べると、2つの点で差異が見られる。まず、米国特許第6,473,242号に記載のレンズは「0.18<r4/f<0.45」という条件を満たしているが、本明細書で説明するレンズはr4に対してそのような制限がない(例えば、r4/fはこの例では0.6であってよい)。続いて、米国特許第6,473,242号に記載のレンズは「正の屈折率を持つ第3のレンズ群」を有するが、本明細書で説明するレンズは負の屈折率を持つ第3のレンズを有するとしてよい。このような変更の結果、本明細書で説明するレンズはもはや逆展望型ではない。PBS1210、ミラー1216、および、偏光スイッチ1220、1222は、PCS機能のために含められている。ミラー1216は、2つの画像をスクリーン上で位置合わせするべく、傾斜させられ得る。一部の実施形態によると、ミラー1216の代わりに直角ガラスプリズムを設けるとしてよい。一部の実施形態によると、PBS1210に代えて、PBSキューブを設け得る。図では、偏光の純度を最大限高めるべく、レンズの出力に、偏光スイッチを配置している。出力においては、1つまたは2つの偏光スイッチを用いるとしてよい。1つの光路では、スイッチの前方に、アクロマティック回転子を含むとしてよい。
【0069】
本明細書に開示された原理に係るさまざまな実施形態を上述してきたが、それらの実施形態は例示に過ぎず本発明を限定するものではないと理解されたい。このため、本発明の範囲は、上述した実施形態例のいずれによっても限定されるべきではなく、任意の請求項および本開示から認められる均等物によってのみ定義されるべきである。また、上述した利点および特徴は、説明した実施形態において得られるが、そのような請求項の適用を、上述した利点のうち一部または全てを実現する処理および構造に限定するものではない。
【0070】
また、本明細書のセクションタイトルは、米国特許法施行規則1.77の指摘に従って付けたものか、そうでなければ文書の構成を分かりやすくするためのものである。これらのセクションタイトルは、本開示内容から導き出される任意の請求項に記載される発明を限定または特徴付けるものではない。具体的に一例を挙げて説明すると、「技術分野」というセクションタイトルがあるが、請求項は、このタイトルのセクションで使用されている表現によって、いわゆる技術分野を説明しているものと限定されるべきではない。また、「背景技術」での技術の説明は、特定の技術が本開示内容における任意の発明に対する先行技術であることを認めるものと解されるべきではない。また、「発明の概要」も請求項に記載される本発明を特徴付けるものと解されるべきではない。また、本開示において「発明」に単数形で言及しているが、それを理由に本開示では新規性のポイントが1つのみであると主張すべきではない。本開示から導き出される複数の請求項に記載される限定に従って複数の発明を記載し得る。従って、請求項は本発明を定義して、請求項の均等物が保護される。いかなる場合も、本願請求項の範囲はその利点について本開示内容を鑑みて考慮されるべきであり、本明細書のセクションタイトルによって制限されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光符号化画像を投影スクリーンに送る偏光変換システムであって、
第1の投影レンズと、
第2の投影レンズと、
第1の偏光状態の光を第1の光路上の前記第1の投影レンズに対して透過させ、第2の偏光状態の光を第2の光路に向けて反射する偏光ビームスプリッタと、
前記第2の光路上に配置されており、前記第2の投影レンズに向けて光を反射する反射素子と、
前記第1の光路および前記第2の光路に配置されている偏光変調器と
を備え、
前記第1の投影レンズおよび前記第2の投影レンズは、前記偏光符号化画像を前記投影スクリーンに向けて方向付ける
偏光変換システム。
【請求項2】
前記第1の光路および前記第2の光路のうち一方において、前記偏光変調器の前方に配置されている半波長板
をさらに備える、請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項3】
前記偏光変調器は、
前記第1の光路において、前記第1の投影レンズの後方に配置される第1の偏光スイッチと、
前記第2の光路において、前記第2の投影レンズの後方に配置される第2の偏光スイッチと
を有する
請求項2に記載の偏光変換システム。
【請求項4】
前記第1の偏光スイッチおよび前記第2の偏光スイッチは、互いに同期して、偏光を時間的に変調する
請求項3に記載の偏光変換システム。
【請求項5】
前記偏光変調器は、
前記第1の光路において、前記偏光ビームスプリッタと前記第1の投影レンズとの間に配置される第1の偏光スイッチと、
前記第2の光路において、前記偏光ビームスプリッタと前記第2の投影レンズとの間に配置される第2の偏光スイッチと
を有する
請求項2に記載の偏光変換システム。
【請求項6】
前記偏光変調器は、単一の偏光スイッチを有する
請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項7】
前記偏光変調器は、液晶ベースの変調器を有する
請求項2に記載の偏光変換システム。
【請求項8】
前記偏光変調器は、複数の部分に区分された偏光用の回転輪を有する
請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項9】
前記複数の部分に区分された偏光用の回転輪は、
等方性の部分と、
回転子の部分と
を含み、
前記回転輪は、偏光入力を、時間的に交互に変化して、互いに直交する、一連の偏光出力状態へと変換する
請求項8に記載の偏光変換システム。
【請求項10】
画像ソースからの非偏光を前記偏光ビームスプリッタに向けて方向付ける初期リレーレンズ
をさらに備える、請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項11】
前記第1の光路に配置されており、光を前記第1の投影レンズに向けて方向付ける第1のリレーレンズと、
前記第2の光路に配置されており、光を前記第2の投影レンズに向けて方向付ける第2のリレーレンズと
をさらに備える、請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項12】
前記偏光変調器の前方に配置されている事前偏光子
をさらに備える、請求項2に記載の偏光変換システム。
【請求項13】
前記反射素子は、ガラスプリズム、ミラー、および、別の偏光ビームスプリッタのうち1つを有する
請求項1に記載の偏光変換システム。
【請求項14】
偏光ビームスプリッタが非偏光画像ソース光を受光する段階と、
前記偏光ビームスプリッタが第1の光路に配置されている投影レンズに向けて、第1の偏光状態の画像ソース光を透過させる段階と、
前記偏光ビームスプリッタが第2の光路に向けて第2の偏光状態の画像ソース光を反射する段階と、
第2の投影レンズに向けて前記第2の光路の光を反射する段階と、
前記第1の光路および前記第2の光路のうち一方の光の偏光状態を、直交する偏光状態に回転させる段階と、
前記第1の光路および前記第2の光路の光の偏光状態を、第1の偏光出力状態と第2の偏光出力状態との間で、時間的に変調する段階と
を備える偏光符号化画像投影方法。
【請求項15】
前記第1の偏光出力状態は、円偏光を含み、
前記第2の偏光出力状態は、反対回りの円偏光を含む
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。
【請求項16】
前記第1の偏光出力状態は、直線偏光を含み、
前記第2の偏光出力状態は、直交する直線偏光を含む
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。
【請求項17】
前記第1の光路の光は、時間的に変調される前に、前記第1の投影レンズを通過する
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。
【請求項18】
前記第1の光路の光は、時間的に変調された後に、前記第1の投影レンズを通過する
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。
【請求項19】
前記時間的に変調する段階は、液晶変調器にバイアス電圧を印加する段階を有する
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。
【請求項20】
前記時間的に変調する段階は、複数の部分に分けられた偏光用の輪を回転させる段階を有する
請求項14に記載の偏光符号化画像投影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−528323(P2010−528323A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507714(P2010−507714)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/063340
【国際公開番号】WO2008/141247
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(504156256)リアルディー インコーポレイテッド (29)
【氏名又は名称原語表記】RealD Inc.
【Fターム(参考)】