耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法
【課題】 外部からの荷重による絶縁膜の耐圧力を短時間かつ正確に評価することができる耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法を提供するものである。
【解決手段】 耐性評価用ウェハ100は、基板1上にlow−k絶縁膜2を介して対向して配設される一対の第1の配線3及び第2の配線4と、一対の配線のうち第1の配線3に第1のビア5を介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッド6と、一対の配線のうち第2の配線4に第2のビア7を介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッド8と、基板1に対して垂直な方向における第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳し、low−k絶縁膜2を介して最上層に電気的に浮遊状態で平面端子として複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッド9と、を備えている。
【解決手段】 耐性評価用ウェハ100は、基板1上にlow−k絶縁膜2を介して対向して配設される一対の第1の配線3及び第2の配線4と、一対の配線のうち第1の配線3に第1のビア5を介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッド6と、一対の配線のうち第2の配線4に第2のビア7を介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッド8と、基板1に対して垂直な方向における第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳し、low−k絶縁膜2を介して最上層に電気的に浮遊状態で平面端子として複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッド9と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁膜として、一般的に比誘電率が3以下の低い誘電率kである低誘電率(low−k)材料を用いた半導体ウェハ又はこの半導体ウェハの各セルをダイシングにより個々に分割して形成される半導体チップにおける、外部からの荷重による絶縁膜の耐圧力を評価するための耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法に関する。特に、ウェハテスト工程における、半導体ウェハの各セルのボンディングパッド上にプローブ針を当てて各セルの電気的試験を行なう時に、プローブ針により加えられる力(以下、プローブ荷重と称す)、又はボンディング工程における、半導体チップのボンディングパッドに対するワイヤの接合時に、ボンディングツールを介して加えられる力(以下、ボンディング荷重と称す)による、絶縁膜の耐圧力を評価するための耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代半導体デバイスの高速化を実現するために、半導体チップ内部の隣接する配線間を絶縁する絶縁膜(層間絶縁膜、配線間絶縁膜)として、低誘電率(low−k)材料を応用する技術が用いられている。
【0003】
この低誘電率(low−k)材料を用いた絶縁膜(以下、low−k絶縁膜と称す)は、多孔質な膜質であるために、機械的な強度が脆弱であり、半導体チップを実装する際に、積層した膜の破断や剥離などを引き起こし、半導体チップ内部の配線が断線する要因となっていた。
【0004】
このため、半導体チップの開発及び製造にあたり、予め、組立工程(後工程)におけるlow−k絶縁膜に加えられる外部からの荷重を想定したlow−k絶縁膜の耐圧力を評価することが重要な要件となっている。
【0005】
これに対し、従来のボンディング耐性評価用素子は、ボンディングパッドの下部構造中における脆弱な配線層が金属膜で置き換えられた形態となっており、評価すべき脆弱な配線層における金属膜の数又は大きさを変数として、パッド下の金属膜層数における剥離発生率に基づき、ボンディング耐性を評価するものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−227815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のボンディング耐性評価用素子を用いたボンディング耐性の評価は、パッド下の金属膜層数における剥離発生率を算出するにあたり、パッド下の各金属膜層における剥離現象の発生部分(個数)を検出する必要があり、顕微鏡で観察するなどによって剥離現象の発生部分(個数)を目視により検出しているものと考えられる。
【0007】
このため、従来のボンディング耐性評価用素子を用いたボンディング耐性の評価は、長時間を要し、必ずしも正確ではなく、剥離現象の発生部分を看過される恐れがあるという課題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、外部からの荷重による絶縁膜の耐圧力を短時間かつ正確に評価することができる耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、を備え、前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されているものである。
【0009】
また、この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、を備え、前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されていることにより、押圧パッドに対して所定の圧力を外部から加えることによる、一の配線及び他の配線間における静電容量の変化に基づき、ボンディング荷重によるlow−k絶縁膜の耐圧力を短時間かつ正確に評価することができる。
【0011】
また、この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されることにより、ウェハ処理工程数を増加させることなく、耐性評価用ウェハの製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
図1(a)は第1の実施形態に係る耐性評価用ウェハの概略構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)に示す耐性評価用ウェハにおける1つのセルを拡大した部分拡大図、図2(a)は図1(b)に示すセルに配設される耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図2(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視A−A線の断面図、図3(a)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視B−B線の端面図、図3(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視C−C線の端面図、図4(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図4(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視D−D線の断面図、図5(a)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視E−E線の端面図、図5(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視F−F線の端面図、図6(a)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図6(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視G−G線の断面図、図7(a)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視H−H線の端面図、図7(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視I−I線の端面図、図8(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図8(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視J−J線の断面図、図9(a)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視K−K線の端面図、図9(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視L−L線の端面図、図10(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図10(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図11(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図11(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【0013】
耐性評価用ウェハ100は、ウェハ製造工程を経て作製されたウェハ上に、ウェハ処理工程(前工程)により、所定の配線、パッド及び回路素子などのテストパターンが各セルに配設されたものであり、図1(b)に示すセル110が、少なくとも一箇所配設される。なお、耐性評価用ウェハ100の各セルは、耐性評価用ウェハ100をダイシングにより個々に分割して形成される1つの半導体チップに相当する領域である。
【0014】
セル110は、図1(b)に示すように、周縁部に沿って複数のパッド111が配設され、後述する耐性評価構造10が、所定の領域に配設される。
なお、本実施形態に係る耐性評価構造10は、図1(b)に示すように、セル110の対向する辺の略中央を横断するように配設させた例を示しているが、後述する押圧パッド9を所定の個数配設させることができるのであれば、この位置に限られるものではない。
【0015】
また、セル110は、TEG(test element group)として、図示しないデイジーチェーン、ビアチェーン、つづら折れパターン及び櫛歯パターンなどの各種の抵抗パターンが配設されてもよい。
【0016】
耐性評価構造10は、図2及び図3に示すように、基板1上にlow−k絶縁膜2を介して対向して配設される一対の配線(ここでは、第1の配線3及び第2の配線4)と、一対の配線のうち一の配線(以下、第1の配線3と称す)にビア(以下、第1のビア5と称す)を介して接続され、最上層に配設される接続パッド(以下、第1の接続パッド6と称す)と、一対の配線のうち他の配線(以下、第2の配線4と称す)にビア(以下、第2のビア7と称す)を介して接続され、最上層に配設される接続パッド(以下、第2の接続パッド8と称す)と、基板1に対して垂直な方向における第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳し、絶縁膜(ここでは、low−k絶縁膜2)を介して最上層に電気的に浮遊状態で平面端子として複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッド9と、を備えている。
【0017】
基板1は、半導体ウェハとして一般的なSi基板(シリコンウェハ)を用いている。
low−k絶縁膜2は、セル110の内部配線に対応して複数の層に配設され、図2(b)においては、第1の配線3の下地膜となる第1のlow−k絶縁膜2a、第2の配線4の下地膜となる第2のlow−k絶縁膜2b、及び第2の配線4の保護膜となる第3のlow−k絶縁膜2cとして配設される。
【0018】
なお、本実施形態に係る耐性評価構造10は、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定するための構造であるために、第1の配線3及び第2の配線4に対して下層に位置する少なくとも1層にlow−k絶縁膜2が使用されていればよく、例えば、第3のlow−k絶縁膜2cの代わりに、絶縁膜として一般的なSiO2膜、SiO膜、SiN膜又はSiCN膜などを用いてもよい。
【0019】
第1の配線3は、図2に示すように、第2の配線4に対して平行かつ直線状に配設されるメタル配線(ここでは、銅配線)である。
また、第1の配線3は、ダマシン法により、下地である第1のlow−k絶縁膜2aに配線用の溝を形成し、配線材(ここでは、銅)を埋め込んだものである。
【0020】
なお、ダマシン法は、予め下地の絶縁膜(ここでは、low−k絶縁膜2)中に配線溝パターンを形成した後、全面に金属薄膜(ここでは、銅薄膜)を形成する。そして、その上から、CMP(chemical mechanical polish:化学的機械的研磨)で研磨して、溝部分に埋め込まれたメタル配線(ここでは、銅配線)を形成する配線形成法である。
【0021】
このダマシン法は、配線の段差がなくなり表面の平坦化を可能にすること、メタル配線が絶縁膜に完全に埋め込まれているので高信頼性配線を実現しやすいこと、という利点がある。また、アルミ配線よりも抵抗値や信頼性に優れた銅配線を実現するうえで、ダマシン法は有効である。
【0022】
第2の配線4は、第1の配線3と同様に、ダマシン法により、下地である第2のlow−k絶縁膜2bに配線用の溝を形成し、配線材(ここでは、銅)を埋め込んだものであり、第1の配線3に対して平行かつ直線状に配設されるメタル配線(ここでは、銅配線)である。
【0023】
なお、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、配線材として、Cu(銅)を使用しているが、銅配線に限られるものではなく、配線材として一般的なAl(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Ag(銀)又はAu(金)などを用いてもよい。また、第1の配線3と第2の配線4とは、異なる配線材を用いて形成してもよい。
【0024】
また、第1の配線3及び第2の配線4の配線形成法は、ダマシン法に限られるものではなく、エッチング法により形成してもよい。
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2及び図3に示すように、別層(第1のメタル層、第2のメタル層)として配設させているが、第1の配線3及び第2の配線4を同層として配設させてもよく、例えば、図4及び図5に示すように、第1の配線3及び第2の配線4を第1のメタル層として配設させることで、ウェハ処理工程数を削減し、耐性評価用ウェハ100の製造コストを削減することができる。
【0025】
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2乃至図5に示すように、互いに平行かつ直線状に配設されているが、例えば、図6及び図7に示すように、第1の配線3及び第2の配線4を櫛歯形状とし、互いに接触せずに間隔を持って噛合させて配設させてもよい。これにより、第1の配線3及び第2の配線4が互いに対向する面積を大きくすることができ、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を稼ぐことができる。
【0026】
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2乃至図7に示すように、基板1に対して垂直な方向において重畳させずにそれぞれ配設させているが、図8及び図9に示すように、基板1に対して垂直な方向において重畳させてそれぞれ配設させてもよい。
【0027】
以上のように、第1の配線3及び第2の配線4は、様々な配線材、配線形成法及び積層構造が考えられるのであるが、半導体チップの実製品に使用される配線材(ここでは、銅)及び積層構造(ここでは、別層)によりダマシン法を用いて形成することが、実製品に近い積層構造におけるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価ができるうえに、既存のウェハ処理工程(前工程)を利用することができるので、好ましい。
【0028】
第1の接続パッド6、第2の接続パッド8及び押圧パッド9は、エッチング法を用い、金属薄膜(ここでは、アルミニウム薄膜)を形成した後に、フォトリソグラフィにより、図2(a)に示すような略矩形状に形成したものである。
【0029】
なお、第1の接続パッド6、第2の接続パッド8及び押圧パッド9は、セル110のパッド111を形成するウェハ処理工程(前工程)により一括して形成することが、ウェハ処理工程数を増加させることなく、耐性評価用ウェハ100の製造コストを削減できるために好ましい。
特に、セル110のパッド111の直下まで、第1の配線3及び第2の配線4をそれぞれ延在させ、パッド111を第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8として代替させてもよい。
【0030】
また、本実施形態に係る耐性評価構造10は、図2乃至図9に示すように、第1の接続パッド6が第1の配線3及ぶ第2の配線4の一端側に配設され、第2の接続パッド8が第1の配線3及ぶ第2の配線4の他端側に配設される構成としているが、図10に示すように、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8が、第1の配線3及ぶ第2の配線4の一端側に配設される構成としてもよい。
【0031】
押圧パッド9は、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定する測定装置の測定分解能(2pF程度)を考慮して、平面寸法及び個数を設定することが好ましい。
すなわち、押圧パッド9は、例えば、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が10pFとなるように、0.108pFである40μm角の矩形形状であれば、93個を並設させ、0.224pFである120μm角の矩形形状であれば、45個を並設させることになる。なお、隣り合う押圧パッド9の間隔は、後述する自動検査装置の多種多様なプローブ針の配置に対応できるように、任意に設定する。
【0032】
また、本実施形態に係る押圧パッド9は、図2乃至図10に示すように、基板1に対して垂直方向に透視投影すると、第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳して配設されているが、第1の配線3及び第2の配線4間に外力を加えることができるのであれば、この位置に限られるものではない。
【0033】
例えば、図11(a)に示すように、第1の配線3又は第2の配線4のいずれか一方に重畳させてもよいし、図11(b)に示すように、第1の配線3及び第2の配線4間に配設させてもよい。特に、図11(a)に示すように、第1の配線3又は第2の配線4のいずれか一方に重畳させる場合には、ボンディング荷重がボンディングパッドの中央部に作用することを考慮して、押圧パッド9の中心が第1の配線3及び第2の配線4間となるように、押圧パッド9を配設させることが好ましい。
【0034】
第1のビア5は、第1の配線3と第1の接続パッド6とを接続するための接続線であり、図2及び図3においては、デュアルダマシン法により第2の配線4を形成するための銅薄膜の銅が埋め込まれることで形成されたビアホール部分5a及び中継部分5bと、エッチング法により第1の接続パッド6を形成するためのアルミニウム薄膜のアルミニウムが埋め込まれることで形成されたビアホール部分5cとで構成される。
【0035】
第2のビア7は、第2の配線4と第2の接続パッド8とを接続するための接続線であり、図2においては、エッチング法により第2の接続パッド8を形成するためのアルミニウム薄膜のアルミニウムが埋め込まれることで形成される。
【0036】
つぎに、low−k絶縁膜2の耐圧力の評価方法について説明する。
まず、耐性評価用ウェハ100は、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8に図示しない測定装置のプローブが当接され、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定される(第1のステップS1)。なお、測定装置としては、Qメータ、LCRメーター又はインピーダンスアナライザなどの既存の測定装置を用いる。
【0037】
そして、耐性評価用ウェハ100は、半導体及び電子部品実装ボードをテストする図示しない自動検査装置(ATE:automatic test equipment)に投入される。
そして、自動検査装置は、耐性評価用ウェハ100のセル110の押圧パッド9上にプローブ針を当ててセル110の電気的試験のための動作を行なうことで、押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる(第2のステップS2)。
【0038】
さらに、耐性評価用ウェハ100は、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8に自動検査装置又は測定装置のプローブが当接され、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定される(第3のステップS3)。
そして、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる前の静電容量の測定値と、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられた後の静電容量の測定値とを比較する(第4のステップS4)。
【0039】
ここで、プローブ荷重が加えられる前後において、静電容量が等しい測定値であれば、耐性評価用ウェハ100のlow−k絶縁膜2は、破壊や剥離などの積層構造の変形が生じておらず、自動検査装置によるプローブ荷重に対して耐久性があると判定する(第5のステップS5a)。
【0040】
これに対し、プローブ荷重が加えられる前後において、静電容量が異なる測定値であれば、耐性評価用ウェハ100のlow−k絶縁膜2は、破壊や剥離などの積層構造の変形が生じており、自動検査装置によるプローブ荷重に対して耐久性がないと判定する(第5のステップS5b)。
【0041】
以上のように、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる前後における、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量の測定値を比較することで、自動検査装置によるプローブ荷重に対してlow−k絶縁膜2の耐久性を、短時間かつ正確に評価することができる。
【0042】
なお、前述した第3のステップS3は、第2のステップS2における耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重を加えた状態で、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定されるステップとし、プローブ荷重を加えた状態のlow−k絶縁膜2の状態(積層構造の変形の有無)を評価してもよい。
【0043】
また、本実施形態に係る評価方法は、前述した第2のステップS2において、自動検査装置に耐性評価用ウェハ100を投入し、この自動検査装置のプローブ針によるプローブ荷重に対するlow−k絶縁膜2の耐久性を評価したが、自動検査装置を用いることなく、押圧パッド9に対して、何等かの加圧ツールを用いて、所定の荷重を加えてもよい。
【0044】
この場合には、押圧パッド9に対する荷重を段階的に変化させ、各段階における第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量をそれぞれ測定する。そして、各段階の静電容量の測定値のうち、一定の静電容量の測定値から変化した段階を検出することで、該当する段階の前段階における荷重の大きさをlow−k絶縁膜2の耐圧力として評価することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る評価方法は、複数の押圧パッド9に対して、同時に、プローブ荷重を加える場合や、複数の押圧パッド9における各押圧パッド9に対して、順次、プローブ荷重を加える場合や、同一の押圧パッド9に対して、複数回、プローブ荷重を加える場合も考えられる。
【0046】
なお、複数の押圧パッド9における各押圧パッド9に対して、順次、プローブ荷重を加える場合には、耐性評価用ウェハ100のセル110内の位置の違いによるlow−k絶縁膜2の影響を評価することができる。
また、同一の押圧パッド9に対して、複数回、プローブ荷重を加える場合には、プローブ針を当接した回数によるlow−k絶縁膜2の影響を評価することができる。
【0047】
なお、以上の説明においては、耐性評価用ウェハ100を対象にして、プローブ荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価する場合について説明したが、耐性評価用ウェハ100をダイシングにより個々に分割して形成される1つの耐性評価用チップ110aを対象にして、ボンディング荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価してもよい。
この場合に、low−k絶縁膜2の耐圧力の評価方法は、耐性評価用ウェハ100及びセル110が耐性評価用チップ110aに読み替えられ、プローブ荷重がボンディング荷重に読み替えられる。
特に、前述した第2のステップS2において、自動検査装置はボンディング装置に読み替えられる。
すなわち、耐性評価用チップ110aは、図示しないボンディング装置に投入される。
【0048】
そして、ボンディング装置は、耐性評価用チップ110aの押圧パッド9とボンディングワイヤとを互いに加圧して、熱及び/又は超音波振動を与えて接合することで、押圧パッド9にボンディング荷重が加えられる(第2のステップS2)。
【0049】
なお、以上の説明においては、プローブ荷重又はボンディング荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価する場合について説明したが、裏面研磨(バックグラインド)による耐性評価用ウェハ100の耐性を評価する場合にも適用することができる。この場合には、押圧パッド9に荷重を加える必要はなく、バックグラインドの処理前後において、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定し、バックグラインドの処理前後における静電容量の測定値を比較することで、耐性評価用ウェハ100の耐性を評価することができる。
【0050】
また、耐性評価用チップ110aをチップマウンターで移載する際、すなわち、ダイシングされた耐性評価用ウェハ100から耐性評価用チップ110aを個々に分離吸着して移送する際に、耐性評価用チップ110aの裏側から針状のピン(ニードル)を突き上げるチップ突上げ(チップピックアップ)による耐性評価用チップ110aの耐性を評価する場合にも適用することができる。
【0051】
また、耐性評価用ウェハ100から耐性評価用チップ110aをパッケージのボンディング位置へ移送する間、又はパッケージのボンディング位置に耐性評価用チップ110aを載置(チップマウント)する際における、耐性評価用チップ110aの吸着保持具である移送コレットによる耐性評価用チップ110aの耐性を評価する場合にも適用することができる。特に、移送コレットの形状などの違いによる耐性評価用チップ110aのダメージの程度を評価することができる。
【0052】
なお、本実施形態に係る耐性評価構造においては、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定することで、耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aの耐性を評価しているが、第1の配線3及び第2の配線4間の絶縁抵抗を測定して耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aの耐性を評価することも考えられる。すなわち、耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aのlow−k絶縁膜2が破壊や剥離などの積層構造の変形が生じた場合には、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量であるキャパシタが破壊されることでもあり、漏れ電流が生じるために、絶縁抵抗を測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)は第1の実施形態に係る耐性評価用ウェハの概略構成を示す平面図、(b)は図1(a)に示す耐性評価用ウェハにおける1つのセルを拡大した部分拡大図である。
【図2】(a)は図1(b)に示すセルに配設される耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視A−A線の断面図である。
【図3】(a)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視B−B線の端面図、(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視C−C線の端面図である。
【図4】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視D−D線の断面図である。
【図5】(a)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視E−E線の端面図、(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視F−F線の端面図である。
【図6】(a)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視G−G線の断面図である。
【図7】(a)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視H−H線の端面図、(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視I−I線の端面図である。
【図8】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視J−J線の断面図である。
【図9】(a)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視K−K線の端面図、(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視L−L線の端面図である。
【図10】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【図11】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 基板
2 low−k絶縁膜
2a 第1のlow−k絶縁膜
2b 第2のlow−k絶縁膜
2c 第3のlow−k絶縁膜
3 第1の配線
4 第2の配線
5 第1のビア
5a ビアホール部分
5b 中継部分
5c ビアホール部分
6 第1の接続パッド
7 第2のビア
8 第2の接続パッド
8 第2の接続パッド
9 押圧パッド
10 耐性評価構造
100 耐性評価用ウェハ
110 セル
110a 耐性評価用チップ
111 パッド
【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁膜として、一般的に比誘電率が3以下の低い誘電率kである低誘電率(low−k)材料を用いた半導体ウェハ又はこの半導体ウェハの各セルをダイシングにより個々に分割して形成される半導体チップにおける、外部からの荷重による絶縁膜の耐圧力を評価するための耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法に関する。特に、ウェハテスト工程における、半導体ウェハの各セルのボンディングパッド上にプローブ針を当てて各セルの電気的試験を行なう時に、プローブ針により加えられる力(以下、プローブ荷重と称す)、又はボンディング工程における、半導体チップのボンディングパッドに対するワイヤの接合時に、ボンディングツールを介して加えられる力(以下、ボンディング荷重と称す)による、絶縁膜の耐圧力を評価するための耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代半導体デバイスの高速化を実現するために、半導体チップ内部の隣接する配線間を絶縁する絶縁膜(層間絶縁膜、配線間絶縁膜)として、低誘電率(low−k)材料を応用する技術が用いられている。
【0003】
この低誘電率(low−k)材料を用いた絶縁膜(以下、low−k絶縁膜と称す)は、多孔質な膜質であるために、機械的な強度が脆弱であり、半導体チップを実装する際に、積層した膜の破断や剥離などを引き起こし、半導体チップ内部の配線が断線する要因となっていた。
【0004】
このため、半導体チップの開発及び製造にあたり、予め、組立工程(後工程)におけるlow−k絶縁膜に加えられる外部からの荷重を想定したlow−k絶縁膜の耐圧力を評価することが重要な要件となっている。
【0005】
これに対し、従来のボンディング耐性評価用素子は、ボンディングパッドの下部構造中における脆弱な配線層が金属膜で置き換えられた形態となっており、評価すべき脆弱な配線層における金属膜の数又は大きさを変数として、パッド下の金属膜層数における剥離発生率に基づき、ボンディング耐性を評価するものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−227815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のボンディング耐性評価用素子を用いたボンディング耐性の評価は、パッド下の金属膜層数における剥離発生率を算出するにあたり、パッド下の各金属膜層における剥離現象の発生部分(個数)を検出する必要があり、顕微鏡で観察するなどによって剥離現象の発生部分(個数)を目視により検出しているものと考えられる。
【0007】
このため、従来のボンディング耐性評価用素子を用いたボンディング耐性の評価は、長時間を要し、必ずしも正確ではなく、剥離現象の発生部分を看過される恐れがあるという課題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、外部からの荷重による絶縁膜の耐圧力を短時間かつ正確に評価することができる耐性評価用ウェハ及び耐性評価方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、を備え、前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されているものである。
【0009】
また、この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、を備え、前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されていることにより、押圧パッドに対して所定の圧力を外部から加えることによる、一の配線及び他の配線間における静電容量の変化に基づき、ボンディング荷重によるlow−k絶縁膜の耐圧力を短時間かつ正確に評価することができる。
【0011】
また、この発明に係る耐性評価用ウェハにおいては、前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されることにより、ウェハ処理工程数を増加させることなく、耐性評価用ウェハの製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
図1(a)は第1の実施形態に係る耐性評価用ウェハの概略構成を示す平面図、図1(b)は図1(a)に示す耐性評価用ウェハにおける1つのセルを拡大した部分拡大図、図2(a)は図1(b)に示すセルに配設される耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図2(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視A−A線の断面図、図3(a)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視B−B線の端面図、図3(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視C−C線の端面図、図4(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図4(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視D−D線の断面図、図5(a)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視E−E線の端面図、図5(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視F−F線の端面図、図6(a)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図6(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視G−G線の断面図、図7(a)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視H−H線の端面図、図7(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視I−I線の端面図、図8(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図8(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視J−J線の断面図、図9(a)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視K−K線の端面図、図9(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視L−L線の端面図、図10(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図10(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図11(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、図11(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【0013】
耐性評価用ウェハ100は、ウェハ製造工程を経て作製されたウェハ上に、ウェハ処理工程(前工程)により、所定の配線、パッド及び回路素子などのテストパターンが各セルに配設されたものであり、図1(b)に示すセル110が、少なくとも一箇所配設される。なお、耐性評価用ウェハ100の各セルは、耐性評価用ウェハ100をダイシングにより個々に分割して形成される1つの半導体チップに相当する領域である。
【0014】
セル110は、図1(b)に示すように、周縁部に沿って複数のパッド111が配設され、後述する耐性評価構造10が、所定の領域に配設される。
なお、本実施形態に係る耐性評価構造10は、図1(b)に示すように、セル110の対向する辺の略中央を横断するように配設させた例を示しているが、後述する押圧パッド9を所定の個数配設させることができるのであれば、この位置に限られるものではない。
【0015】
また、セル110は、TEG(test element group)として、図示しないデイジーチェーン、ビアチェーン、つづら折れパターン及び櫛歯パターンなどの各種の抵抗パターンが配設されてもよい。
【0016】
耐性評価構造10は、図2及び図3に示すように、基板1上にlow−k絶縁膜2を介して対向して配設される一対の配線(ここでは、第1の配線3及び第2の配線4)と、一対の配線のうち一の配線(以下、第1の配線3と称す)にビア(以下、第1のビア5と称す)を介して接続され、最上層に配設される接続パッド(以下、第1の接続パッド6と称す)と、一対の配線のうち他の配線(以下、第2の配線4と称す)にビア(以下、第2のビア7と称す)を介して接続され、最上層に配設される接続パッド(以下、第2の接続パッド8と称す)と、基板1に対して垂直な方向における第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳し、絶縁膜(ここでは、low−k絶縁膜2)を介して最上層に電気的に浮遊状態で平面端子として複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッド9と、を備えている。
【0017】
基板1は、半導体ウェハとして一般的なSi基板(シリコンウェハ)を用いている。
low−k絶縁膜2は、セル110の内部配線に対応して複数の層に配設され、図2(b)においては、第1の配線3の下地膜となる第1のlow−k絶縁膜2a、第2の配線4の下地膜となる第2のlow−k絶縁膜2b、及び第2の配線4の保護膜となる第3のlow−k絶縁膜2cとして配設される。
【0018】
なお、本実施形態に係る耐性評価構造10は、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定するための構造であるために、第1の配線3及び第2の配線4に対して下層に位置する少なくとも1層にlow−k絶縁膜2が使用されていればよく、例えば、第3のlow−k絶縁膜2cの代わりに、絶縁膜として一般的なSiO2膜、SiO膜、SiN膜又はSiCN膜などを用いてもよい。
【0019】
第1の配線3は、図2に示すように、第2の配線4に対して平行かつ直線状に配設されるメタル配線(ここでは、銅配線)である。
また、第1の配線3は、ダマシン法により、下地である第1のlow−k絶縁膜2aに配線用の溝を形成し、配線材(ここでは、銅)を埋め込んだものである。
【0020】
なお、ダマシン法は、予め下地の絶縁膜(ここでは、low−k絶縁膜2)中に配線溝パターンを形成した後、全面に金属薄膜(ここでは、銅薄膜)を形成する。そして、その上から、CMP(chemical mechanical polish:化学的機械的研磨)で研磨して、溝部分に埋め込まれたメタル配線(ここでは、銅配線)を形成する配線形成法である。
【0021】
このダマシン法は、配線の段差がなくなり表面の平坦化を可能にすること、メタル配線が絶縁膜に完全に埋め込まれているので高信頼性配線を実現しやすいこと、という利点がある。また、アルミ配線よりも抵抗値や信頼性に優れた銅配線を実現するうえで、ダマシン法は有効である。
【0022】
第2の配線4は、第1の配線3と同様に、ダマシン法により、下地である第2のlow−k絶縁膜2bに配線用の溝を形成し、配線材(ここでは、銅)を埋め込んだものであり、第1の配線3に対して平行かつ直線状に配設されるメタル配線(ここでは、銅配線)である。
【0023】
なお、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、配線材として、Cu(銅)を使用しているが、銅配線に限られるものではなく、配線材として一般的なAl(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Ag(銀)又はAu(金)などを用いてもよい。また、第1の配線3と第2の配線4とは、異なる配線材を用いて形成してもよい。
【0024】
また、第1の配線3及び第2の配線4の配線形成法は、ダマシン法に限られるものではなく、エッチング法により形成してもよい。
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2及び図3に示すように、別層(第1のメタル層、第2のメタル層)として配設させているが、第1の配線3及び第2の配線4を同層として配設させてもよく、例えば、図4及び図5に示すように、第1の配線3及び第2の配線4を第1のメタル層として配設させることで、ウェハ処理工程数を削減し、耐性評価用ウェハ100の製造コストを削減することができる。
【0025】
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2乃至図5に示すように、互いに平行かつ直線状に配設されているが、例えば、図6及び図7に示すように、第1の配線3及び第2の配線4を櫛歯形状とし、互いに接触せずに間隔を持って噛合させて配設させてもよい。これにより、第1の配線3及び第2の配線4が互いに対向する面積を大きくすることができ、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を稼ぐことができる。
【0026】
また、本実施形態に係る第1の配線3及び第2の配線4は、図2乃至図7に示すように、基板1に対して垂直な方向において重畳させずにそれぞれ配設させているが、図8及び図9に示すように、基板1に対して垂直な方向において重畳させてそれぞれ配設させてもよい。
【0027】
以上のように、第1の配線3及び第2の配線4は、様々な配線材、配線形成法及び積層構造が考えられるのであるが、半導体チップの実製品に使用される配線材(ここでは、銅)及び積層構造(ここでは、別層)によりダマシン法を用いて形成することが、実製品に近い積層構造におけるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価ができるうえに、既存のウェハ処理工程(前工程)を利用することができるので、好ましい。
【0028】
第1の接続パッド6、第2の接続パッド8及び押圧パッド9は、エッチング法を用い、金属薄膜(ここでは、アルミニウム薄膜)を形成した後に、フォトリソグラフィにより、図2(a)に示すような略矩形状に形成したものである。
【0029】
なお、第1の接続パッド6、第2の接続パッド8及び押圧パッド9は、セル110のパッド111を形成するウェハ処理工程(前工程)により一括して形成することが、ウェハ処理工程数を増加させることなく、耐性評価用ウェハ100の製造コストを削減できるために好ましい。
特に、セル110のパッド111の直下まで、第1の配線3及び第2の配線4をそれぞれ延在させ、パッド111を第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8として代替させてもよい。
【0030】
また、本実施形態に係る耐性評価構造10は、図2乃至図9に示すように、第1の接続パッド6が第1の配線3及ぶ第2の配線4の一端側に配設され、第2の接続パッド8が第1の配線3及ぶ第2の配線4の他端側に配設される構成としているが、図10に示すように、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8が、第1の配線3及ぶ第2の配線4の一端側に配設される構成としてもよい。
【0031】
押圧パッド9は、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定する測定装置の測定分解能(2pF程度)を考慮して、平面寸法及び個数を設定することが好ましい。
すなわち、押圧パッド9は、例えば、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が10pFとなるように、0.108pFである40μm角の矩形形状であれば、93個を並設させ、0.224pFである120μm角の矩形形状であれば、45個を並設させることになる。なお、隣り合う押圧パッド9の間隔は、後述する自動検査装置の多種多様なプローブ針の配置に対応できるように、任意に設定する。
【0032】
また、本実施形態に係る押圧パッド9は、図2乃至図10に示すように、基板1に対して垂直方向に透視投影すると、第1の配線3及び第2の配線4の一部に重畳して配設されているが、第1の配線3及び第2の配線4間に外力を加えることができるのであれば、この位置に限られるものではない。
【0033】
例えば、図11(a)に示すように、第1の配線3又は第2の配線4のいずれか一方に重畳させてもよいし、図11(b)に示すように、第1の配線3及び第2の配線4間に配設させてもよい。特に、図11(a)に示すように、第1の配線3又は第2の配線4のいずれか一方に重畳させる場合には、ボンディング荷重がボンディングパッドの中央部に作用することを考慮して、押圧パッド9の中心が第1の配線3及び第2の配線4間となるように、押圧パッド9を配設させることが好ましい。
【0034】
第1のビア5は、第1の配線3と第1の接続パッド6とを接続するための接続線であり、図2及び図3においては、デュアルダマシン法により第2の配線4を形成するための銅薄膜の銅が埋め込まれることで形成されたビアホール部分5a及び中継部分5bと、エッチング法により第1の接続パッド6を形成するためのアルミニウム薄膜のアルミニウムが埋め込まれることで形成されたビアホール部分5cとで構成される。
【0035】
第2のビア7は、第2の配線4と第2の接続パッド8とを接続するための接続線であり、図2においては、エッチング法により第2の接続パッド8を形成するためのアルミニウム薄膜のアルミニウムが埋め込まれることで形成される。
【0036】
つぎに、low−k絶縁膜2の耐圧力の評価方法について説明する。
まず、耐性評価用ウェハ100は、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8に図示しない測定装置のプローブが当接され、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定される(第1のステップS1)。なお、測定装置としては、Qメータ、LCRメーター又はインピーダンスアナライザなどの既存の測定装置を用いる。
【0037】
そして、耐性評価用ウェハ100は、半導体及び電子部品実装ボードをテストする図示しない自動検査装置(ATE:automatic test equipment)に投入される。
そして、自動検査装置は、耐性評価用ウェハ100のセル110の押圧パッド9上にプローブ針を当ててセル110の電気的試験のための動作を行なうことで、押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる(第2のステップS2)。
【0038】
さらに、耐性評価用ウェハ100は、第1の接続パッド6及び第2の接続パッド8に自動検査装置又は測定装置のプローブが当接され、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定される(第3のステップS3)。
そして、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる前の静電容量の測定値と、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられた後の静電容量の測定値とを比較する(第4のステップS4)。
【0039】
ここで、プローブ荷重が加えられる前後において、静電容量が等しい測定値であれば、耐性評価用ウェハ100のlow−k絶縁膜2は、破壊や剥離などの積層構造の変形が生じておらず、自動検査装置によるプローブ荷重に対して耐久性があると判定する(第5のステップS5a)。
【0040】
これに対し、プローブ荷重が加えられる前後において、静電容量が異なる測定値であれば、耐性評価用ウェハ100のlow−k絶縁膜2は、破壊や剥離などの積層構造の変形が生じており、自動検査装置によるプローブ荷重に対して耐久性がないと判定する(第5のステップS5b)。
【0041】
以上のように、耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重が加えられる前後における、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量の測定値を比較することで、自動検査装置によるプローブ荷重に対してlow−k絶縁膜2の耐久性を、短時間かつ正確に評価することができる。
【0042】
なお、前述した第3のステップS3は、第2のステップS2における耐性評価用ウェハ100の押圧パッド9にプローブ荷重を加えた状態で、対をなす第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量が測定されるステップとし、プローブ荷重を加えた状態のlow−k絶縁膜2の状態(積層構造の変形の有無)を評価してもよい。
【0043】
また、本実施形態に係る評価方法は、前述した第2のステップS2において、自動検査装置に耐性評価用ウェハ100を投入し、この自動検査装置のプローブ針によるプローブ荷重に対するlow−k絶縁膜2の耐久性を評価したが、自動検査装置を用いることなく、押圧パッド9に対して、何等かの加圧ツールを用いて、所定の荷重を加えてもよい。
【0044】
この場合には、押圧パッド9に対する荷重を段階的に変化させ、各段階における第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量をそれぞれ測定する。そして、各段階の静電容量の測定値のうち、一定の静電容量の測定値から変化した段階を検出することで、該当する段階の前段階における荷重の大きさをlow−k絶縁膜2の耐圧力として評価することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る評価方法は、複数の押圧パッド9に対して、同時に、プローブ荷重を加える場合や、複数の押圧パッド9における各押圧パッド9に対して、順次、プローブ荷重を加える場合や、同一の押圧パッド9に対して、複数回、プローブ荷重を加える場合も考えられる。
【0046】
なお、複数の押圧パッド9における各押圧パッド9に対して、順次、プローブ荷重を加える場合には、耐性評価用ウェハ100のセル110内の位置の違いによるlow−k絶縁膜2の影響を評価することができる。
また、同一の押圧パッド9に対して、複数回、プローブ荷重を加える場合には、プローブ針を当接した回数によるlow−k絶縁膜2の影響を評価することができる。
【0047】
なお、以上の説明においては、耐性評価用ウェハ100を対象にして、プローブ荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価する場合について説明したが、耐性評価用ウェハ100をダイシングにより個々に分割して形成される1つの耐性評価用チップ110aを対象にして、ボンディング荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価してもよい。
この場合に、low−k絶縁膜2の耐圧力の評価方法は、耐性評価用ウェハ100及びセル110が耐性評価用チップ110aに読み替えられ、プローブ荷重がボンディング荷重に読み替えられる。
特に、前述した第2のステップS2において、自動検査装置はボンディング装置に読み替えられる。
すなわち、耐性評価用チップ110aは、図示しないボンディング装置に投入される。
【0048】
そして、ボンディング装置は、耐性評価用チップ110aの押圧パッド9とボンディングワイヤとを互いに加圧して、熱及び/又は超音波振動を与えて接合することで、押圧パッド9にボンディング荷重が加えられる(第2のステップS2)。
【0049】
なお、以上の説明においては、プローブ荷重又はボンディング荷重によるlow−k絶縁膜2の耐圧力を評価する場合について説明したが、裏面研磨(バックグラインド)による耐性評価用ウェハ100の耐性を評価する場合にも適用することができる。この場合には、押圧パッド9に荷重を加える必要はなく、バックグラインドの処理前後において、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定し、バックグラインドの処理前後における静電容量の測定値を比較することで、耐性評価用ウェハ100の耐性を評価することができる。
【0050】
また、耐性評価用チップ110aをチップマウンターで移載する際、すなわち、ダイシングされた耐性評価用ウェハ100から耐性評価用チップ110aを個々に分離吸着して移送する際に、耐性評価用チップ110aの裏側から針状のピン(ニードル)を突き上げるチップ突上げ(チップピックアップ)による耐性評価用チップ110aの耐性を評価する場合にも適用することができる。
【0051】
また、耐性評価用ウェハ100から耐性評価用チップ110aをパッケージのボンディング位置へ移送する間、又はパッケージのボンディング位置に耐性評価用チップ110aを載置(チップマウント)する際における、耐性評価用チップ110aの吸着保持具である移送コレットによる耐性評価用チップ110aの耐性を評価する場合にも適用することができる。特に、移送コレットの形状などの違いによる耐性評価用チップ110aのダメージの程度を評価することができる。
【0052】
なお、本実施形態に係る耐性評価構造においては、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量を測定することで、耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aの耐性を評価しているが、第1の配線3及び第2の配線4間の絶縁抵抗を測定して耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aの耐性を評価することも考えられる。すなわち、耐性評価用ウェハ100又は耐性評価用チップ110aのlow−k絶縁膜2が破壊や剥離などの積層構造の変形が生じた場合には、第1の配線3及び第2の配線4間の静電容量であるキャパシタが破壊されることでもあり、漏れ電流が生じるために、絶縁抵抗を測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)は第1の実施形態に係る耐性評価用ウェハの概略構成を示す平面図、(b)は図1(a)に示す耐性評価用ウェハにおける1つのセルを拡大した部分拡大図である。
【図2】(a)は図1(b)に示すセルに配設される耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視A−A線の断面図である。
【図3】(a)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視B−B線の端面図、(b)は図2(a)に示す耐性評価構造の矢視C−C線の端面図である。
【図4】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視D−D線の断面図である。
【図5】(a)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視E−E線の端面図、(b)は図4(a)に示す耐性評価構造の矢視F−F線の端面図である。
【図6】(a)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視G−G線の断面図である。
【図7】(a)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視H−H線の端面図、(b)は図6(a)に示す耐性評価構造の矢視I−I線の端面図である。
【図8】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視J−J線の断面図である。
【図9】(a)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視K−K線の端面図、(b)は図8(a)に示す耐性評価構造の矢視L−L線の端面図である。
【図10】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【図11】(a)は図1(b)に示すセルに配設される他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図、(b)は図1(b)に示すセルに配設されるさらに他の耐性評価構造の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 基板
2 low−k絶縁膜
2a 第1のlow−k絶縁膜
2b 第2のlow−k絶縁膜
2c 第3のlow−k絶縁膜
3 第1の配線
4 第2の配線
5 第1のビア
5a ビアホール部分
5b 中継部分
5c ビアホール部分
6 第1の接続パッド
7 第2のビア
8 第2の接続パッド
8 第2の接続パッド
9 押圧パッド
10 耐性評価構造
100 耐性評価用ウェハ
110 セル
110a 耐性評価用チップ
111 パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、
前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、
前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、
最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、
を備え、
前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されていることを特徴とする耐性評価用ウェハ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の耐性評価用ウェハにおいて、
前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されることを特徴とする耐性評価用ウェハ。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の耐性評価用ウェハを用いた耐性評価方法において、
前記第1の接続パッド及び第2の接続パッドに測定装置のプローブをそれぞれ当接させ、前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定する第1のステップと、
前記第1のステップ後に、前記押圧パッドに対して所定の荷重を外部から加える第2のステップと、
前記第2のステップ中又は第2のステップ後に、前記第1の接続パッド及び第2の接続パッドに測定装置のプローブをそれぞれ当接させ、前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定する第3のステップと、
前記第1のステップで得られた静電容量の測定値及び前記第3のステップで得られた静電容量の測定値を比較する第4のステップと、
を具備することを特徴とする耐性評価方法。
【請求項4】
前記請求項3に記載の耐性評価方法において、
前記第3のステップが、前記第2のステップにおける外力を加えた状態で行なうことを特徴とする耐性評価方法。
【請求項5】
前記請求項3又は4に記載の耐性評価方法において、
前記第2のステップが、前記押圧パッドに対する荷重を段階的に変化させて行ない、
前記第3のステップが、前記各段階における前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定することを特徴とする耐性評価方法。
【請求項6】
前記請求項3乃至5のいずれかに記載の耐性評価方法において、
前記複数の押圧パッドにおける各押圧パッドに対して、前記第2のステップ及び第3のステップをそれぞれ行なうことを特徴とする耐性評価方法。
【請求項1】
基板上にlow−k絶縁膜を介して対向して配設される一対の配線と、
前記一対の配線のうち一の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第1の接続パッドと、
前記一対の配線のうち他の配線にビアを介して接続され、最上層に配設される第2の接続パッドと、
最上層に平面端子として一又は複数配設され、所定の荷重で押圧される押圧パッドと、
を備え、
前記押圧パッドと前記一対の配線とは、絶縁膜を介して電気的に浮遊状態にあり、前記基板に対して垂直方向に透視投影すると、前記一の配線及び/若しくは他の配線の一部に重畳され、又は前記一の配線及び他の配線間に配置されるように、前記押圧パッドが配設されていることを特徴とする耐性評価用ウェハ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の耐性評価用ウェハにおいて、
前記第1の接続パッド、第2の接続パッド及び押圧パッドが、同層の導電性薄膜をパターニングすることにより一括して形成されることを特徴とする耐性評価用ウェハ。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の耐性評価用ウェハを用いた耐性評価方法において、
前記第1の接続パッド及び第2の接続パッドに測定装置のプローブをそれぞれ当接させ、前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定する第1のステップと、
前記第1のステップ後に、前記押圧パッドに対して所定の荷重を外部から加える第2のステップと、
前記第2のステップ中又は第2のステップ後に、前記第1の接続パッド及び第2の接続パッドに測定装置のプローブをそれぞれ当接させ、前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定する第3のステップと、
前記第1のステップで得られた静電容量の測定値及び前記第3のステップで得られた静電容量の測定値を比較する第4のステップと、
を具備することを特徴とする耐性評価方法。
【請求項4】
前記請求項3に記載の耐性評価方法において、
前記第3のステップが、前記第2のステップにおける外力を加えた状態で行なうことを特徴とする耐性評価方法。
【請求項5】
前記請求項3又は4に記載の耐性評価方法において、
前記第2のステップが、前記押圧パッドに対する荷重を段階的に変化させて行ない、
前記第3のステップが、前記各段階における前記一の配線及び他の配線間の静電容量を測定することを特徴とする耐性評価方法。
【請求項6】
前記請求項3乃至5のいずれかに記載の耐性評価方法において、
前記複数の押圧パッドにおける各押圧パッドに対して、前記第2のステップ及び第3のステップをそれぞれ行なうことを特徴とする耐性評価方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−56427(P2010−56427A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221947(P2008−221947)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(391043332)財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 (53)
【出願人】(598015084)学校法人福岡大学 (114)
【出願人】(508262836)株式会社ウォルツ (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(391043332)財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 (53)
【出願人】(598015084)学校法人福岡大学 (114)
【出願人】(508262836)株式会社ウォルツ (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]