説明

膜形状取得装置および膜形状取得方法

【課題】テクスチャ構造を有する対象物上に形成された薄膜の形状を容易かつ高精度に取得する。
【解決手段】膜形状取得装置1では、上面に複数のテクスチャ凸部を有する基板9上に形成されたシリコン膜の光学モデルにおいて、複数のテクスチャ凸部に一致する薄膜凹部およびその上方に位置する薄膜凸部が設定される。そして、薄膜凸部、薄膜凹部、および、薄膜凸部と薄膜凹部との間の中間部の形状を表すパラメータ群に含まれる各パラメータを有効膜厚にて表現し、有効膜厚を変更することにより各パラメータの値を変更して理論スペクトルの測定スペクトルに対するフィッティングが行われる。これにより、シリコン膜の形状を容易かつ高精度に取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成された薄膜の形状を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題への注目の高まりにより、クリーンな太陽光を利用する太陽電池の開発が行われており、特に、大面積化および低コスト化が可能な薄膜シリコン太陽電池が次世代の太陽電池として注目されている。薄膜シリコン太陽電池の製造では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によりガラス基板上にシリコン膜が形成される。
【0003】
薄膜シリコン太陽電池では、光が入射する側の電極として利用される透明導電膜の表面をテクスチャ構造(凹凸を有する構造)とすることにより、入射光を太陽電池内に閉じ込めて変換効率の向上を図る技術が知られている。このような透明導電膜上に形成されたシリコン膜の表面は、透明導電膜の表面形状の影響により、テクスチャ構造を有することになる。
【0004】
特許文献1では、多層薄膜積層体において、隣接する2つの薄膜の界面の凹凸や界面近傍における材料的なミキシングに起因する界面状態の変化を測定する技術が提案されている。特許文献1の測定方法では、測定対象の界面に対してフィッティング法による構造解析を行う際に、界面にて分割された複数層のモデル、および、界面を無視した単層のモデルについてフィッティングが行われる。そして、両モデルのフィッティング精度の差が小さい場合には、界面における乱れが大きい(すなわち、界面の凹凸が大きい、あるいは、界面近傍における材料的なミキシングが大きい)と判断され、フィッティング精度の差が大きい場合には、界面における乱れが小さいと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−157060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、テクスチャ構造を有する透明導電膜上に形成されたシリコン膜のエリプソメトリー解析を行おうとすると、シリコン膜の上面および下面の形状を表すために多数のパラメータが必要になる。また、シリコン膜の上面の形状は、下面の形状と異なる上に、シリコン膜の膜厚によっても変化する。このため、シリコン膜のエリプソメトリー解析を行う際に、シリコン膜の上面および下面の形状を精度良く求めつつ解析を行おうとすると、解析すべきパラメータ数が非常に多くなってしまい、シリコン膜の光学特性を精度良く求めることができない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、テクスチャ構造を有する対象物上に形成された薄膜の形状を容易かつ高精度に取得することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成された薄膜の形状を取得する膜形状取得装置であって、分光エリプソメータと、前記分光エリプソメータにて前記薄膜に対して測定を行うことにより取得された測定スペクトルに対し、前記薄膜の光学モデルから求められる理論スペクトルのフィッティングを、前記薄膜の形状を表すパラメータ群の値を変更することにより行って、前記薄膜の平均膜厚である有効膜厚および前記パラメータ群の値を求める演算部とを備え、前記薄膜の前記光学モデルにおいて、前記薄膜の上面である膜上面に、前記対象物の前記上面の複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凸部が設定され、前記薄膜の下面である膜下面に、前記複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凹部が設定され、前記複数のテクスチャ凸部が、所定の割合で分布する複数種類の凸部を備え、前記対象物の前記上面を、前記複数のテクスチャ凸部をそれぞれ含む複数の単位領域に分割した場合の各単位領域における前記薄膜の形状が、前記複数種類の凸部に対応して複数種類の形状を有し、前記パラメータ群が、前記各単位領域における、前記薄膜凸部の上下方向の高さと、前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、前記薄膜凹部の上下方向の高さと、前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凹部の上端部の体積分率と、前記薄膜凸部の下端と前記薄膜凹部の上端との間の上下方向の距離と、のうち少なくとも2つのパラメータを含み、前記少なくとも2つのパラメータが、前記有効膜厚にて表現され、前記フィッティングの際に、前記有効膜厚が変更されることにより、前記少なくとも2つのパラメータが変更される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の膜形状取得装置であって、前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、前記薄膜凸部の上下方向の高さと、前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凸部の上端部の体積分率とを含む。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の膜形状取得装置であって、前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、前記薄膜凹部の上下方向の高さと、前記薄膜凹部の曲率に対応する係数とを含む。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の膜形状取得装置であって、前記演算部が、前記薄膜凸部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論、および、前記薄膜凹部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論を用いつつ前記フィッティングを行う。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の膜形状取得装置であって、前記対象物が、太陽電池用の基板である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成された薄膜の形状を取得する膜形状取得方法であって、a)分光エリプソメータにて前記薄膜に対して測定を行うことにより測定スペクトルを取得する工程と、b)前記薄膜の光学モデルから求められる理論スペクトルの前記測定スペクトルに対するフィッティングを、前記薄膜の形状を表すパラメータ群の値を変更することにより行って、前記薄膜の平均膜厚である有効膜厚および前記パラメータ群の値を求める工程とを備え、前記薄膜の前記光学モデルにおいて、前記薄膜の上面である膜上面に、前記対象物の前記上面の複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凸部が設定され、前記薄膜の下面である膜下面に、前記複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凹部が設定され、前記複数のテクスチャ凸部が、所定の割合で分布する複数種類の凸部を備え、前記対象物の前記上面を、前記複数のテクスチャ凸部をそれぞれ含む複数の単位領域に分割した場合の各単位領域における前記薄膜の形状が、前記複数種類の凸部に対応して複数種類の形状を有し、前記パラメータ群が、前記各単位領域における、前記薄膜凸部の上下方向の高さと、前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、前記薄膜凹部の上下方向の高さと、前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凹部の上端部の体積分率と、前記薄膜凸部の下端と前記薄膜凹部の上端との間の上下方向の距離と、のうち少なくとも2つのパラメータを含み、前記少なくとも2つのパラメータが、前記有効膜厚にて表現され、前記フィッティングの際に、前記有効膜厚が変更されることにより、前記少なくとも2つのパラメータが変更される。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の膜形状取得方法であって、前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、前記薄膜凸部の上下方向の高さと、前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、前記薄膜凸部の上端部の体積分率とを含む。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の膜形状取得方法であって、前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、前記薄膜凹部の上下方向の高さと、前記薄膜凹部の曲率に対応する係数とを含む。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の膜形状取得方法であって、前記b)工程において、前記薄膜凸部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論、および、前記薄膜凹部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論を用いつつ前記フィッティングを行う。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項6ないし9のいずれかに記載の膜形状取得方法であって、前記対象物が、太陽電池用の基板である。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、テクスチャ構造を有する対象物上に形成された薄膜の形状を容易かつ高精度に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】膜形状取得装置を示す斜視図である。
【図2】コンピュータの構成を示す図である。
【図3】コンピュータが実現する機能構成を示すブロック図である。
【図4.A】光学モデルを示す図である。
【図4.B】光学モデルを示す図である。
【図5】第1薄膜凸部を拡大して示す図である。
【図6】光学モデルを示す図である。
【図7.A】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.B】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.C】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.D】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.E】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.F】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.G】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図7.H】パラメータと有効膜厚との関係を示す図である。
【図8】シリコン膜の形状を取得する処理の流れを示す図である。
【図9】シリコン膜のスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る膜形状取得装置1を示す斜視図である。膜形状取得装置1は、対象物の上面上に形成された薄膜の形状を取得する装置である。本実施の形態では、ガラス基板上に透明導電膜が形成された薄膜シリコン太陽電池用の基板9が対象物であり、基板9の上面上には薄膜であるアモルファスシリコン膜(以下、単に「シリコン膜」という。)が形成される。基板9の透明導電膜の上面はテクスチャ構造を有し(すなわち、複数の凸部を有し)、透明導電膜上に形成されるシリコン膜の上面および下面もテクスチャ構造を有する。膜形状取得装置1では、当該シリコン膜の上面の形状、下面の形状、および、膜厚等が、シリコン膜の形状として取得される。基板9のサイズは、例えば1〜2m(メートル)角である。
【0021】
膜形状取得装置1は、基板9上を撮像する撮像部2、後述の測定スペクトルを取得するための分光エリプソメータ3、図1中のY方向に移動可能なY方向移動部41、図1中のX方向に移動可能なX方向移動部42、並びに、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ6を備え、コンピュータ6は膜形状取得装置1の各構成を制御する制御部としての役割を果たす。X方向移動部42はY方向移動部41上に設けられ、X方向移動部42には、撮像部2および分光エリプソメータ3が固定される。膜形状取得装置1では、分光エリプソメータ3による光の照射位置を基板9上の各位置に自在に配置することが可能となっている。
【0022】
分光エリプソメータ3は、基板9の上方(図1中の(+Z)側)に配置される照明部31および受光部32を備え、照明部31から基板9に向けて偏光した白色光が照射され、受光部32にて基板9からの反射光が受光される。受光部32は、反射光が入射する検光子および反射光の分光強度を取得する分光器を有し、検光子の回転位置、および、分光器により取得された反射光の分光強度がコンピュータ6へと出力される。コンピュータ6では、複数の振動数(または、波長)の光のそれぞれの偏光状態として、p偏光成分とs偏光成分との位相差および反射振幅比角が求められる。すなわち、位相差および反射振幅比角の振動数スペクトル(以下、「測定スペクトル」と総称する。)が取得される。
【0023】
図2は、コンピュータ6の構成を示す図である。コンピュータ6は、各種演算処理を行うCPU61、基本プログラムを記憶するROM62および各種情報を記憶するRAM63をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク65、各種情報の表示を行うディスプレイ66、操作者からの入力を受け付けるキーボード67aおよびマウス67b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体60から情報の読み取りを行ったり記録媒体60に情報の書き込みを行う読取/書込装置68、並びに、外部との通信を行う通信部69が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
【0024】
コンピュータ6には、事前に読取/書込装置68を介して記録媒体60からプログラム600が読み出され、固定ディスク65に記憶される。そして、プログラム600がRAM63にコピーされるとともにCPU61がRAM63内のプログラム600に従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ6が、後述の演算部としての処理を行う。
【0025】
図3は、CPU61がプログラム600に従って動作することにより、CPU61、ROM62、RAM63、固定ディスク65等が実現する機能構成を示すブロック図である。図3において、演算部7のスペクトル取得部71および形状演算部73がCPU61等により実現される機能であり、記憶部72が固定ディスク65等により実現される機能である。なお、演算部7の機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に電気的回路が用いられてもよい。
【0026】
次に、膜形状取得装置1におけるシリコン膜の形状の測定原理について述べる。図4.Aは、膜形状取得装置1によるシリコン膜のエリプソメトリー解析において使用される光学モデル8を示す。光学モデル8は、ガラス基板89上に形成された透光層88、透明導電膜87およびシリコン膜86を備える。透明導電膜87は、フッ素添加酸化スズ(SnO:F)の層としてモデル化され、シリコン膜86は、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)の層としてモデル化される。
【0027】
透明導電膜87の上面871は、テクスチャ構造を有し、複数のテクスチャ凸部870が設定される。実際のテクスチャ型透明導電膜では、上面の各位置においてテクスチャサイズが不均一である。そこで、光学モデル8では、透明導電膜87のテクスチャサイズの不均一性を表現するために、複数の第1テクスチャ凸部872が分布する第1領域、および、第1テクスチャ凸部872よりも低い複数の第2テクスチャ凸部874が分布する第2領域が、透明導電膜87の上面871に設定される。上面871全体の面積に対する第1領域および第2領域の面積の割合は、それぞれ50%である。換言すれば、透明導電膜87の上面871に設定された複数のテクスチャ凸部870は、所定の面積割合(50%ずつ)で分布する複数種類の凸部(第1テクスチャ凸部872および第2テクスチャ凸部874)を備える。
【0028】
透明導電膜87の上面871を、複数のテクスチャ凸部870をそれぞれ含む複数の単位領域876に分割した場合、第1領域は、複数の第1テクスチャ凸部872に対応する複数の単位領域876の集合であり、第2領域は、複数の第2テクスチャ凸部874に対応する複数の単位領域876の集合である。
【0029】
シリコン膜86の上面である膜上面861には、透明導電膜87の複数のテクスチャ凸部870に対応する複数の薄膜凸部860が、それぞれ単位領域876上に設定される。また、シリコン膜86の下面である膜下面866には、透明導電膜87の複数のテクスチャ凸部870に対応する(一致する)複数の薄膜凹部865が、それぞれ単位領域876上に設定される。薄膜凹部865の形状は、薄膜凹部865と接するテクスチャ凸部870の形状に等しい。
【0030】
実際のテクスチャ型透明導電膜上に形成されるシリコン膜では、透明導電膜のテクスチャ凸部の形状が異なると、テクスチャ凸部上に形成される部位の形状も異なる。そこで、光学モデル8では、各単位領域876上におけるシリコン膜86の形状、すなわち、各単位領域876にて対向する薄膜凸部860と薄膜凹部865との間の部位の形状が、テクスチャ凸部870の複数種類の凸部に対応して複数種類の形状を有するように設定される。以下の説明では、第1テクスチャ凸部872上のシリコン膜86の部位を「第1部位81」と呼び、第1部位81の上面の薄膜凸部860、および、下面の薄膜凹部865をそれぞれ、「第1薄膜凸部811」および「第1薄膜凹部812」と呼ぶ。また、第2テクスチャ凸部874上のシリコン膜86の部位を「第2部位82」と呼び、第2部位82の上面の薄膜凸部860、および、下面の薄膜凹部865をそれぞれ、「第2薄膜凸部821」および「第2薄膜凹部822」と呼ぶ。
【0031】
図5は、第1薄膜凸部811を拡大して示す図である。光学モデル8では、第1薄膜凸部811の上下方向の高さ(厚さ)をdとし、最大半幅は1とし、曲率に対応する係数(第1薄膜凸部811の上端から離れる方向の傾きを示す係数であり、以下、「曲率係数」という。)をαとした場合、半幅がrの位置における第1薄膜凸部811の高さd(r)を数1にて表現する。
【0032】
【数1】

【0033】
曲率係数αは、図5中に二点鎖線にて示すように、第1薄膜凸部811を上下方向に複数層に分割した場合の、各層における水素化アモルファスシリコン(以下、単に「シリコン」という。)の体積分率の変化を表現していると捉えることもできる。また、第1薄膜凸部811の形状を表現するパラメータとして、上述の高さdおよび曲率係数αに加えて、第1薄膜凸部811を上下方向に10層に分割した場合の最上層(すなわち、上端部)における空気の体積分率βが設定される。体積分率βは、第1薄膜凸部811の上端部におけるシリコンの体積分率を表現するパラメータと捉えることもできる。
【0034】
図4.Aに示す光学モデル8では、第2薄膜凸部821、第1テクスチャ凸部872および第2テクスチャ凸部874の形状についても、第1薄膜凸部811と同様に表現される。本実施の形態では、第2薄膜凸部821の形状は、上述の高さd、曲率係数αおよび体積分率βをパラメータとして表現される。換言すれば、第2薄膜凸部821の形状は、第1薄膜凸部811の形状に等しいと仮定する。
【0035】
また、第1テクスチャ凸部872の形状(すなわち、第1薄膜凹部812の形状)は、図4.Bに示すように、第1薄膜凹部812の上下方向の高さdi1、および、第1薄膜凹部812の曲率係数αをパラメータとして表現される。第2テクスチャ凸部874の形状(すなわち、第2薄膜凹部822の形状)は、第2薄膜凹部822の上下方向の高さdi2、および、上述の曲率係数αをパラメータとして表現される。すなわち、第1薄膜凹部812と第2薄膜凹部822とでは、上下方向の高さが異なり、曲率係数が等しいと仮定している。
【0036】
さらに、光学モデル8では、シリコン膜86の第1部位81の形状を表現するパラメータとして、第1部位81における第1薄膜凸部811の下端と第1薄膜凹部812の上端との間の上下方向の距離、すなわち、上下方向の各位置において、シリコン膜86のみが存在しており、透明導電膜87や空気が実質的に存在していない中間部863の高さdb1が使用される。シリコン膜86の第2部位82についても同様に、第2部位82の形状を表現するパラメータとして、第2部位82の中間部864の高さdb2が使用される。
【0037】
上述のように、光学モデル8では、シリコン膜86の形状を表すパラメータ群として、各単位領域876における薄膜凸部860(すなわち、第1薄膜凸部811および第2薄膜凸部821)の上下方向の高さd、薄膜凸部860の曲率係数α、薄膜凸部860の上端部における空気の体積分率β、薄膜凹部865の上下方向の高さ(すなわち、第1薄膜凹部812の高さdi1、および、第2薄膜凹部822の高さdi2)、薄膜凹部865の曲率係数α、並びに、薄膜凸部860の下端と薄膜凹部865の上端との間の上下方向の距離(すなわち、第1部位81の中間部863の高さdb1、および、第2部位82の中間部864の高さdb2)が使用される。また、透明導電膜87の第1テクスチャ凸部872および第2テクスチャ凸部874を除く下部877の上下方向の高さdSnO、および、透光層88の上下方向の高さdも、パラメータとして使用される。
【0038】
光学モデル8では、図6に示すように、単位領域876上において第1薄膜凸部811が存在する高さdの空間を上下方向に10層に分割し、各層を、シリコンと空気とが混合している混合層とみなして有効媒質理論(例えば、有効媒質近似)が適用される。単位領域876上において第2薄膜凸部821が存在する高さdの空間についても同様に、シリコンと空気との混合層とみなされ、有効媒質理論が適用されてモデル化される。第1薄膜凸部811および第2薄膜凸部821が存在する空間は、下側に向かうに従ってシリコンの体積分率が大きくなり、空気の体積分率が小さくなるモデルとして表現される。
【0039】
単位領域876上において第1薄膜凹部812が存在する高さdi1の空間は、上下方向に9分割され、各層が、シリコンとフッ素添加酸化スズ(以下、単に「酸化スズ」という。)との混合層とみなされ、有効媒質理論が適用されてモデル化される。単位領域876上において第2薄膜凹部822が存在する高さdi2の空間も、上下方向に9分割され、各層が、シリコンと酸化スズとの混合層とみなされ、有効媒質理論が適用されてモデル化される。第1薄膜凹部812および第2薄膜凹部822が存在する空間は、下側に向かうに従ってシリコンの体積分率が小さくなり、酸化スズの体積分率が大きくなるモデルとして表現される。
【0040】
また、シリコン膜86の第1部位81の中間部863、および、第2部位82の中間部864は、それぞれシリコンの1つの層としてモデル化される。このように、光学モデル8では、シリコン膜86が、各単位領域876において上下方向に20分割されたモデルとして表現される。
【0041】
膜形状取得装置1では、測定対象となるシリコン膜の測定の事前処理として、テクスチャ型透明導電膜上にシリコン膜が形成された複数の試料が準備され、複数の試料に対して分光エリプソメータ3による測定が行われて測定スペクトルが取得される。複数の試料の透明導電膜は、上面の形状が互いに等しくなるように形成され、シリコン膜は、厚さ(すなわち、堆積量)が互いに異なるように形成される。続いて、光学モデル8において、上述のシリコン膜86の形状を表すパラメータ群、透明導電膜87の下部877の上下方向の高さdSnO、および、透光層88の上下方向の高さdを変更しつつ、光学モデル8の理論スペクトルと分光エリプソメータ3による測定スペクトルとのフィッティングが行われる。
【0042】
図7.Aないし図7.Hは、複数の試料について行われたフィッティングにより求められたシリコン膜86の形状を表すパラメータ群の各パラメータの値を示す図である。図7.Aないし図7.H中の横軸は、各試料におけるシリコン膜86の有効膜厚deffを示す。有効膜厚deffとは、シリコン膜86の全体における平均膜厚であり、数2および数3により求められる。
【0043】
【数2】

【0044】
【数3】

【0045】
数2中のA(k=1〜2)は、シリコン膜86の膜上面861における第1薄膜凸部811および第2薄膜凸部821のそれぞれの分布割合を示し、透明導電膜87の上面871における第1領域および第2領域のそれぞれの面積割合に等しい。数3中のd(j=1〜20)は、第1領域および第2領域上のそれぞれにおいて、上下方向に20分割されたシリコン膜86の各層の上下方向の高さを示し、fa−Si:Hjは、各層におけるシリコンの体積分率を示す。
【0046】
図7.Aないし図7.Hの縦軸はそれぞれ、各単位領域876における薄膜凸部860の高さd、薄膜凸部860の曲率係数α、薄膜凸部860の上端部における空気の体積分率β、第1薄膜凹部812の高さdi1、第2薄膜凹部822の高さdi2の第1薄膜凹部812の高さdi1に対する割合di2/di1、薄膜凹部865の曲率係数α、第1部位81の中間部863の高さdb1、および、第2部位82の中間部864の高さdb2の第1部位81の中間部863の高さdb1に対する割合db2/db1を示す。膜形状取得装置1では、図7.Aないし図7.Hに示される関係に基づいて、シリコン膜86の形状を表す各パラメータが、有効膜厚deffの関数として表現されて記憶部72に記憶される。図7.Aないし図7.Hでは、記憶部72に記憶される関数を実線にて示す。シリコン膜86の形状を表す各パラメータと有効膜厚deffとの関係は、例えば、表形式にて記憶部72に記憶されてもよい。なお、図7.Eに示す割合di2/di1は、実際には一定になるはずであるが、一定にはなっていない。これは、複数の試料の上面形状の僅かな違い等による誤差に起因するものと考えられる。
【0047】
図8は、基板9上のシリコン膜の形状を取得する処理の流れを示す図である。膜形状取得装置1では、形状が未知のシリコン膜が設けられた基板9が搬入されると、分光エリプソメータ3にて基板9上のシリコン膜の所定位置に対して測定を行うことにより測定スペクトルが取得される(ステップS11)。
【0048】
次に、形状演算部73(図3参照)により、光学モデル8においてシリコン膜86の形状を表すパラメータ群(すなわち、図7.Aないし図7.Hに示すパラメータ)の値、透明導電膜87の下部877の上下方向の高さdSnO、および、透光層88の上下方向の高さdを変更して、光学モデル8から求められる理論スペクトルの測定スペクトルに対するフィッティングが行われる。膜形状取得装置1では、当該フィッティングの際に、シリコン膜86の有効膜厚deffが変更されることにより、有効膜厚deffにより表現される(本実施の形態では、有効膜厚deffの関数として表現される)上記パラメータ群の各パラメータの値が変更される。そして、理論スペクトルが測定スペクトルに最も近くなる有効膜厚deffの値、透明導電膜87の下部877の高さdSnOの値、および、透光層88の上下方向の高さdの値が求められる(ステップS12)。また、同時に、シリコン膜86の形状を表すパラメータ群の各パラメータの値が求められる(ステップS13)。
【0049】
図9は、膜形状取得装置1において、一の基板9上のシリコン膜についてエリプソメトリー解析を行った結果を示すものである。図9中の複数の丸印は、分光エリプソメータ3により測定されたΨおよびΔ(すなわち、測定スペクトル)を示し、線51,52はそれぞれ、上述のフィッティングにより求められたΨおよびΔの理論スペクトルを示す。図9に示すように、形状演算部73により求められたシリコン膜の偏光状態に関する理論スペクトルは、分光エリプソメータ3による測定スペクトルに精度良く一致しており、高精度なエリプソメトリー解析が実現される。また、当該エリプソメトリー解析により求められたシリコン膜の形状を表すパラメータ群の各パラメータの値は、表1の通りである。
【0050】
【表1】

【0051】
このように、膜形状取得装置1では、光学モデル8においてシリコン膜86の形状を表すパラメータ群の各パラメータを有効膜厚deffにより表現し、有効膜厚deffを変更することにより各パラメータの値を変更して理論スペクトルの測定スペクトルに対するフィッティングが行われる。これにより、シリコン膜86の形状を表すパラメータ群の各パラメータを個別に変更してフィッティングを行う場合に比べて、シリコン膜の形状を容易かつ迅速に取得することができる。また、上記各パラメータを個別に変更する場合、局所解を求めてしまうおそれがあるが、各パラメータを有効膜厚deffにより表現することにより、パラメータが局所解を取ることを防止することができ、シリコン膜の形状を高精度に取得することができる。
【0052】
膜形状取得装置1では、必ずしも、シリコン膜86の形状を表すパラメータ群の上述の全てのパラメータが有効膜厚deffにて表現される必要はなく、パラメータ群に含まれる複数のパラメータのうち少なくとも2つのパラメータが有効膜厚deffにて表現され、ステップS12のフィッティングの際に、有効膜厚deffが変更されることにより、当該少なくとも2つのパラメータが変更されていればよい。これにより、シリコン膜の形状を容易かつ迅速に、さらには、高精度に取得することができる。
【0053】
ただし、パラメータ群が、薄膜凸部860の上下方向の高さ、薄膜凸部860の曲率係数、および、薄膜凸部860の上端部の体積分率(実質的に、当該体積分率を示すパラメータであればよい。)を、有効膜厚deffにて表現されるパラメータとして含み、これらのパラメータが、ステップS12のフィッティングの際に、有効膜厚deffが変更されることにより変更されることにより、薄膜凸部の形状をより高精度に取得することができる。また、パラメータ群が、薄膜凹部865の上下方向の高さ、および、薄膜凹部865の曲率係数を、有効膜厚deffにて表現されるパラメータとして含み、これらのパラメータが、ステップS12のフィッティングの際に、有効膜厚deffが変更されることにより変更される場合には、薄膜凹部の形状をより高精度に取得することができる。
【0054】
膜形状取得装置1では、上述のように、薄膜凸部860が存在する空間をシリコンと空気との混合層とみなし、シリコンの体積分率(すなわち、薄膜凸部860内のシリコンの体積分率)をパラメータとして含む有効媒質理論を用いてステップS12のフィッティングが行われる。これにより、薄膜凸部の形状をさらに高精度に取得することができる。また、薄膜凸部860が存在する空間を上下方向に複数層に分割し、各層をシリコンと空気との混合層とみなして有効媒質理論を適用することにより、薄膜凸部の形状をより一層高精度に取得することができる。
【0055】
膜形状取得装置1では、薄膜凹部865が存在する空間をシリコンと酸化スズとの混合層とみなし、シリコンの体積分率(すなわち、薄膜凹部865内のシリコンの体積分率)をパラメータとして含む有効媒質理論を用いてステップS12のフィッティングが行われる。これにより、薄膜凹部の形状をさらに高精度に取得することができる。また、薄膜凹部865が存在する空間を上下方向に複数層に分割し、各層をシリコンと空気との混合層とみなして有効媒質理論を適用することにより、薄膜凹部の形状をより一層高精度に取得することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0057】
光学モデル8において薄膜凸部860および薄膜凹部865を上下方向にて分割する場合、その分割数は、必ずしも上述の数には限定されず、適宜変更されてよい。光学モデル8では、テクスチャ凸部870は、互いに形状が異なる3種類以上の凸部を含んでいてもよい。これにより、各単位領域876におけるシリコン膜86の形状も、3種類以上の形状を有する。
【0058】
シリコン膜86は、第1薄膜凸部811の下端が、第1薄膜凹部812の上端よりも下側に位置し、第2薄膜凸部821の下端が、第2薄膜凹部822の上端よりも下側に位置するように設定されてもよい。この場合、中間部863および中間部864は存在せず、第1薄膜凹部812の上部と第1薄膜凸部811の下部との間の空間、および、第2薄膜凹部822の上部と第2薄膜凸部821の下部との間の空間は、ステップS12のフィッティングにおいて、空気、シリコンおよび酸化スズが混合する混合層とみなされて有効媒質理論が適用される。
【0059】
膜形状取得装置1では、上述の基板9以外の太陽電池用の基板や、プラスチックフィルム等、様々な対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成されたシリコン膜の形状を取得することが可能である。また、膜形状取得装置1では、対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成されたシリコン膜以外の薄膜の形状が取得されてもよい。
【0060】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせられてよい。
【符号の説明】
【0061】
1 膜形状取得装置
3 分光エリプソメータ
7 演算部
8 光学モデル
9 基板
86 シリコン膜
87 透明導電膜
811 第1薄膜凸部
812 第1薄膜凹部
821 第2薄膜凸部
822 第2薄膜凹部
860 薄膜凸部
861 膜上面
865 薄膜凹部
866 膜下面
870 テクスチャ凸部
871 上面
872 第1テクスチャ凸部
874 第2テクスチャ凸部
876 単位領域
S11〜S13 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成された薄膜の形状を取得する膜形状取得装置であって、
分光エリプソメータと、
前記分光エリプソメータにて前記薄膜に対して測定を行うことにより取得された測定スペクトルに対し、前記薄膜の光学モデルから求められる理論スペクトルのフィッティングを、前記薄膜の形状を表すパラメータ群の値を変更することにより行って、前記薄膜の平均膜厚である有効膜厚および前記パラメータ群の値を求める演算部と、
を備え、
前記薄膜の前記光学モデルにおいて、
前記薄膜の上面である膜上面に、前記対象物の前記上面の複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凸部が設定され、前記薄膜の下面である膜下面に、前記複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凹部が設定され、
前記複数のテクスチャ凸部が、所定の割合で分布する複数種類の凸部を備え、
前記対象物の前記上面を、前記複数のテクスチャ凸部をそれぞれ含む複数の単位領域に分割した場合の各単位領域における前記薄膜の形状が、前記複数種類の凸部に対応して複数種類の形状を有し、
前記パラメータ群が、前記各単位領域における、
前記薄膜凸部の上下方向の高さと、
前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、
前記薄膜凹部の上下方向の高さと、
前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凹部の上端部の体積分率と、
前記薄膜凸部の下端と前記薄膜凹部の上端との間の上下方向の距離と、
のうち少なくとも2つのパラメータを含み、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記有効膜厚にて表現され、
前記フィッティングの際に、前記有効膜厚が変更されることにより、前記少なくとも2つのパラメータが変更されることを特徴とする膜形状取得装置。
【請求項2】
請求項1に記載の膜形状取得装置であって、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、
前記薄膜凸部の上下方向の高さと、
前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、
を含むことを特徴とする膜形状取得装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の膜形状取得装置であって、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、
前記薄膜凹部の上下方向の高さと、
前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、
を含むことを特徴とする膜形状取得装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の膜形状取得装置であって、
前記演算部が、前記薄膜凸部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論、および、前記薄膜凹部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論を用いつつ前記フィッティングを行うことを特徴とする膜形状取得装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の膜形状取得装置であって、
前記対象物が、太陽電池用の基板であることを特徴とする膜形状取得装置。
【請求項6】
対象物のテクスチャ構造を有する上面上に形成された薄膜の形状を取得する膜形状取得方法であって、
a)分光エリプソメータにて前記薄膜に対して測定を行うことにより測定スペクトルを取得する工程と、
b)前記薄膜の光学モデルから求められる理論スペクトルの前記測定スペクトルに対するフィッティングを、前記薄膜の形状を表すパラメータ群の値を変更することにより行って、前記薄膜の平均膜厚である有効膜厚および前記パラメータ群の値を求める工程と、
を備え、
前記薄膜の前記光学モデルにおいて、
前記薄膜の上面である膜上面に、前記対象物の前記上面の複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凸部が設定され、前記薄膜の下面である膜下面に、前記複数のテクスチャ凸部に対応する複数の薄膜凹部が設定され、
前記複数のテクスチャ凸部が、所定の割合で分布する複数種類の凸部を備え、
前記対象物の前記上面を、前記複数のテクスチャ凸部をそれぞれ含む複数の単位領域に分割した場合の各単位領域における前記薄膜の形状が、前記複数種類の凸部に対応して複数種類の形状を有し、
前記パラメータ群が、前記各単位領域における、
前記薄膜凸部の上下方向の高さと、
前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、
前記薄膜凹部の上下方向の高さと、
前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凹部の上端部の体積分率と、
前記薄膜凸部の下端と前記薄膜凹部の上端との間の上下方向の距離と、
のうち少なくとも2つのパラメータを含み、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記有効膜厚にて表現され、
前記フィッティングの際に、前記有効膜厚が変更されることにより、前記少なくとも2つのパラメータが変更されることを特徴とする膜形状取得方法。
【請求項7】
請求項6に記載の膜形状取得方法であって、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、
前記薄膜凸部の上下方向の高さと、
前記薄膜凸部の曲率に対応する係数と、
前記薄膜凸部の上端部の体積分率と、
を含むことを特徴とする膜形状取得方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の膜形状取得方法であって、
前記少なくとも2つのパラメータが、前記各単位領域における、
前記薄膜凹部の上下方向の高さと、
前記薄膜凹部の曲率に対応する係数と、
を含むことを特徴とする膜形状取得方法。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載の膜形状取得方法であって、
前記b)工程において、前記薄膜凸部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論、および、前記薄膜凹部の体積分率をパラメータとして含む有効媒質理論を用いつつ前記フィッティングを行うことを特徴とする膜形状取得方法。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の膜形状取得方法であって、
前記対象物が、太陽電池用の基板であることを特徴とする膜形状取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4.A】
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【図4.B】
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【図5】
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【図6】
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【図7.A】
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【図7.B】
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【図7.C】
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【図7.D】
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【図7.E】
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【図7.F】
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【図7.G】
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【図7.H】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181166(P2012−181166A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45941(P2011−45941)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【出願人】(304019399)国立大学法人岐阜大学 (289)
【Fターム(参考)】