説明

自動車

【課題】 運転者のシフト操作の煩わしさを軽減する。
【解決手段】 運転者が同じシフト操作を所定の回数以上行なった位置を制動要求位置や制動解除位置として予め記憶しておき、自動シフト信号SWがオンで且つシフトポジションSPがDポジションのときには(ステップS102,S116)、現在位置が制動要求位置に到達した場合に自動的にBポジションを用いて駆動制御し(ステップS118)、この自動変更された状態で現在位置が制動解除位置に到達した場合に自動的にDポジションを用いて駆動制御する(ステップS124)。これにより、運転者のシフト操作の煩わしさを軽減することができる。自動シフト信号SWがオフのときにはこうした自動変更を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動車としては、エンジンとモータとを搭載し、降坂路でモータを回生制御することにより、その運動エネルギを回収するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、降坂路終点でバッテリの蓄電量が最大となるよう降坂路で回収するエネルギ量を決定し、そのエネルギ量に応じて降坂路におけるモータの制動力を制御すると共に不足する分の制動力を発生させるようエンジンを制御している。
【特許文献1】特開2001−54202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の自動車では、降坂路で回収されるエネルギ量を多くすることができるものの降坂路に対して運転者が意図する制動力を発生させることができない場合が生じる。通常、制動力は、アクセルオフ時に車速に応じたものを発生させるか、ブレーキオン時にブレーキペダルの踏み込み量に応じたものとなる。したがって、アクセルオフ時に降坂路から回収するエネルギ量が多くなるようモータを制御すれば、必要以上の制動力を発生させる場合が生じる。一方、通常、運転者は、降坂路を走行しているときには、アクセルオフ時の制動力を自分のフィーリングにあった大きさとするためにシフト操作を行なうが、通勤路を運転する場合などのように、同じ道を何度も走行する際にはそのシフト操作が煩わしいと感じる場合も生じる。
【0004】
本発明の自動車は、運転者の意図する制動力を自動的に発生させることを目的の一つとする。また、本発明の自動車は、運転者のシフト操作の煩わしさを軽減することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の第1の自動車は、
地図上における車両の走行位置を検出する走行位置検出手段と、
運転者による制動要求を検出する制動要求検出手段と、
前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動要求位置を記憶する制動要求位置記憶手段と、
前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づいて走行用の駆動力を出力する駆動力出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の第1の自動車では、運転者による制動要求が検出されたときに地図上における車両の走行位置に基づいて制動要求位置を記憶し、車両の走行位置と記憶した制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づいて走行用の駆動力を出力する。これにより、車両の走行位置と記憶した制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づく駆動力により走行することができる。即ち、運転者の意図する制動力を伴った走行を行なうことができる。ここで、「駆動力」には、加速用の駆動力(正の駆動力)が含まれる他、減速用の駆動力(負の駆動力、制動力)も含まれる。
【0008】
こうした本発明の第1の自動車において、前記制動要求位置記憶手段は、前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出された走行位置が複数回に亘って所定範囲内となったときに該所定範囲内の位置を前記制動要求位置として記憶する手段であるものとすることもできる。こうすれば、運転者の複数回に亘る略同一走行位置における制動要求に係るその位置を制動要求位置として記憶することができる。したがって、複数回に亘る略同一走行位置における制動要求に基づいて走行用の駆動力を出力することができる。
【0009】
また、本発明の第1の自動車において、アクセルオフ時に第1の制動力を作用させる走行用ポジションとアクセルオフ時に前記第1の制動力より大きな第2の制動力を作用させるブレーキポジションとを含む複数のポジションから運転者の操作に基づいていずれかのポジションに切り替え可能なポジション切替手段を備え、前記制動要求検出手段は前記ポジション切替手段により運転者の操作に基づいて走行ポジションからブレーキポジションに切り替えられたのを前記制動要求として検出する手段であり、前記駆動力出力手段は前記ポジション切替手段により切り替えられたポジションに応じて走行用の駆動力を出力する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ポジションの切り替えにより制動要求を検出することができる。この場合、前記駆動力出力手段は、前記ポジション切替手段により走行用ポジションに切り替えられて走行している最中に前記走行位置検出手段により検出された走行位置が前記制動要求位置記憶手段に記憶された制動要求位置に至ったときには運転者の操作なしにブレーキポジションに切り替えられるよう前記ポジション切替手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、運転者によるポジションの切り替えなしに自動的にブレーキポジションに切り替えることができる。この結果、運転者のポジションの切り替え操作の煩わしさを軽減することができる。
【0010】
さらに、本発明の第1の自動車において、前記制動要求検出手段は運転者の制動要求の解除をも検出する手段であり、前記制動要求位置記憶手段は前記制動要求検出手段により制動要求の解除が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動解除位置をも記憶する手段であり、前記駆動力出力手段は前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動解除位置に基づいて走行用の駆動力を出力する手段であるものとすることもできる。こうすれば、制動解除位置にも基づく駆動力により走行することができる。即ち、運転者の意図する制動力を伴った走行を行なうことができる。
【0011】
この制動解除位置を記憶する態様の本発明の第1の自動車において、前記制動要求位置記憶手段は、前記制動要求検出手段により制動要求の解除が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出された走行位置が複数回に亘って所定範囲内となったときに該所定範囲内の位置を前記制動解除位置として記憶する手段であるものとすることもできる。こうすれば、運転者の複数回に亘る略同一走行位置における制動解除要求に係るその位置を制動要求解除位置として記憶することができる。したがって、複数回に亘る略同一走行位置における制動解除要求に基づいて走行用の駆動力を出力することができる。
【0012】
ポジション切替手段を備えると共に制動解除位置を記憶する態様の本発明の第1の自動車において、前記制動要求検出手段は、前記ポジション切替手段により運転者の操作に基づいてブレーキポジションから走行ポジションに切り替えられたのを前記制動要求の解除として検出する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ポジションの切り替えにより制動解除要求を検出することができる。この場合であって、運転者の操作なしにブレーキポジションに切り替える態様とする場合、前記駆動力出力手段は、前記ポジション切替手段により運転者の操作なしにブレーキポジションに切り替えられた後に前記走行位置検出手段により検出された走行位置が前記制動要求位置記憶手段に記憶された制動解除位置に至ったときには運転者の操作なしに走行ポジションに切り替えられるよう前記ポジション切替手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、運転者によるポジションの切り替えなしに自動的にブレーキポジションから走行ポジションに切り替えることができる。この結果、運転者のポジションの切り替え操作の煩わしさを軽減することができる。
【0013】
本発明の第1の自動車において、運転者の操作に基づいて前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なうか否かを指示する指示手段を備え、前記駆動力出力手段は前記指示手段により前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なうと指示されたときには前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づいて走行用の駆動力を出力し前記指示手段により前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なわないと指示されたときには運転者のアクセル操作と前記制動要求とに基づいて走行用の駆動力を出力する手段であるものとすることもできる。こうすれば、運転者の意図に基づいた駆動力の出力を行なうことができる。
【0014】
また、本発明の第1の自動車において、前記駆動力出力手段は、内燃機関と電動機とを備え、該内燃機関からの動力と該電動機からの動力とを用いて走行用の駆動力を出力可能な手段であるものとすることもできる。
【0015】
本発明の第2の自動車は、
地図上における車両の走行位置を検出する走行位置検出手段と、
運転者による制動要求を検出する制動要求検出手段と、
前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動要求地点を記憶する制動要求地点記憶手段と、
前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求地点記憶手段により記憶された制動要求地点と運転者の駆動力要求とに基づいて走行用の駆動力を出力する駆動力出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0016】
この本発明の第2の自動車では、運転者による制動要求が検出されたときに地図上における車両の走行位置に基づいて制動要求地点を記憶し、車両の走行位置と記憶した制動要求地点と運転者の駆動力要求とに基づいて走行用の駆動力を出力する。これにより、車両の走行位置と記憶した制動要求地点と運転者の駆動力要求とに基づく駆動力により走行することができる。即ち、運転者の意図する制動力を伴った走行を行なうことができる。前述したように、「駆動力」には、加速用の駆動力(正の駆動力)が含まれる他、減速用の駆動力(負の駆動力、制動力)も含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されるエンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両の現在位置の情報を検出すると共に走行をナビゲーションするナビゲーションシステム60と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。
【0019】
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
【0020】
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、回転数センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置などのモータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、電子制御ユニット70と通信しており、電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータを通信により電子制御ユニット70に出力する。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号が入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを電子制御ユニット70に出力する。
【0021】
ナビゲーションシステム60は、図示しない地磁気センサおよびジャイロスコープからなる方位センサ61と、衛星からの電波に基づいて車両の現在位置に関する情報などのデータを受信するGPSアンテナ62と、車両の現在位置に関する情報を表示すると共に操作者によって各種指示を入力可能なタッチパネルセンサ63と、地図情報が記憶されたハードディスク64と、通信ポートを内蔵する本体65とを備える。ナビゲーションシステム60は、通常はGPSアンテナ62によって受信されたデータによって車両の現在位置(緯度および経度)を測定し、衛星からの電波の受信が困難な場合には前回測定された車両の現在位置と方位センサ61からの車両の進行方向および車速センサ88からの車速Vに基づいて計算された走行距離とを考慮して車両の現在位置を演算し、タッチパネルセンサ63に地図情報と共に測定または演算された車両の現在位置を表示する。また、ナビゲーションシステム60は、必要に応じて車両の現在位置などの情報を通信により電子制御ユニット70に出力する。
【0022】
電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,シフトポジションの自動変更を指示する自動変更スイッチ89からの自動シフト信号SWなどが入力ポートを介して入力されている。ここで、シフトレバー81の操作位置としては、前進方向に走行する通常のドライブポジション(Dポジション)や後進する際のリバースポジション(Rポジション),アクセルオフ時にDポジションより大きな制動力を発生させるブレーキポジション(Bポジション),駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション),中立のニュートラルポジション(Nポジション)などがある。電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ナビゲーションシステム60と通信ポートを介して接続されており、これらと各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0023】
次に、実施例のハイブリッド自動車20が走行に用いる駆動力を決定する際の動作について説明する。図2は、電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPが前進用のポジション、すなわちDポジション又はBポジションである間、所定時間(例えば数msec)毎に繰り返し実行される。
【0024】
駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,自動変更スイッチ89からの自動シフト信号SW,モータ回転数Nm1,Nm2,車両の現在位置,Dポジションで走行中に自動的にBポジションに変更したりDポジションに戻したりする位置としての制動要求位置および制動解除位置などのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転数センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、車両の現在位置は、ナビゲーションシステム60で測定または演算されたものをナビゲーションシステム60から通信により入力するものとした。制動要求位置や制動解除位置は、後述する位置設定ルーチンによってナビゲーションシステム60のハードディスク64に記憶されたもののうち現在位置から所定範囲内(例えば、直径50〜100mの円内など)にあるものをナビゲーションシステム60から通信により入力するものとした。
【0025】
こうしてデータを入力すると、自動シフト信号SWがオンであるか否かについて判定を行なう(ステップS102)。自動シフト信号SWがオフであるときは、エンジン22やモータMG1,MG2の制御に用いる制御用ポジションSPsetにシフトポジションSPを設定する(ステップS104)。制御用ポジションSPsetを設定すると、アクセル開度Accと車速Vと制御用ポジションSPsetとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS106)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと制御用ポジションSPsetと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vと制御用ポジションSPsetとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。このマップでは、アクセルペダル83が踏み込まれていないアクセルオフ時には、制御用ポジションSPsetがDポジションのときには図中Acc=0%のラインのうち上側のものを用いて要求トルクTr*を設定し、制御用ポジションSPsetがBポジションのときには図中Acc=0%のラインのうち下側のものを用いて要求トルクTr*を設定する。要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。設定した要求パワーPe*とエンジン22を効率よく動作させる動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS108)。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図4に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
【0026】
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS110)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いて式(3)によりモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を設定する(ステップS112)。なお、式(3)は、前述した図5の共線図から容易に導き出すことができる。
【0027】
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
Tm2*=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(3)
【0028】
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS114)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22の燃料噴射制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0029】
一方、ステップS102において自動変更スイッチ89からの自動シフト信号SWがオンであると判定されたときは、シフトポジションSPがBポジションであるか否かを判定する(ステップS116)。シフトポジションSPがBポジションであるときは、制御用ポジションSPsetにBポジションを設定して(ステップS118)、これに基づいて目標トルクTe*や目標回転数Ne*,トルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を設定し(ステップS106〜S114)、本ルーチンを終了する。ここで、自動シフト信号SWがオンであってもシフトポジションSPがBポジションであれば制御用ポジションSPsetにBポジションを設定するのは、操作者によりなされたBポジションへのシフト操作を優先するためである。
【0030】
ステップS116においてシフトポジションSPがDポジションであると判定されたときは、現在使用されている制御用ポジションSPsetがDポジションであるか否かを判定する(ステップS120)。制御用ポジションSPsetがDポジションであるときは、入力された制動要求位置に車両が到達したか否かを判定する(ステップS122)。この判定は、前回このルーチンが実行されたときに入力された現在位置から今回入力された現在位置までの経路に制動要求位置が存在するか否かを判定することにより行うことができる。車両が制動要求位置に到達していないと判定されたときは、制御用ポジションSPsetにDポジションを設定し(ステップS124)、これに基づいて目標トルクTe*や目標回転数Ne*,トルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を設定して(ステップS106〜S114)、本ルーチンを終了する。一方、車両が制動要求位置に到達したと判定されたときは、制御用ポジションSPsetにBポジションを設定し(ステップS118)、これに基づいて目標トルクTe*や目標回転数Ne*,トルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を設定し(ステップS106〜S114)、本ルーチンを終了する。このように、Dポジションで走行中に車両が制動要求位置に到達したときには自動的にBポジションで走行するように変更されるから、運転者のシフト操作の煩わしさを軽減することができる。
【0031】
ステップS120において制御用ポジションSPsetがBポジションであると判定されたときは、入力された制動解除位置に車両が到達したか否かを判定する(ステップS126)。この判定も、前回このルーチンが実行されたときに入力された現在位置から今回入力された現在位置までの経路に制動解除位置が存在するか否かを判定することにより行うことができる。車両が制動解除位置に到達していないと判定されたときは、制御用ポジションSPsetにBポジションを設定し(ステップS118)、これに基づいて目標トルクTe*や目標回転数Ne*,トルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を設定して(ステップS106〜S114)、本ルーチンを終了する。一方、車両が制動解除位置に到達したと判定されたときは、制御用ポジションSPsetにDポジションを設定し(ステップS124)、これに基づいて目標トルクTe*や目標回転数Ne*,トルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を設定し(ステップS106〜S114)、本ルーチンを終了する。このように、Bポジションに自動変更された状態で走行中に車両が制動解除位置に到達したときには自動的にDポジションで走行するように変更されるから、運転者のシフト操作の煩わしさを軽減することができる。
【0032】
次に、実施例のハイブリッド自動車20が制動要求位置や制動解除位置を設定する際の動作について説明する。図6は、電子制御ユニット70により実行される位置設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPが変更される毎に実行される。
【0033】
位置設定ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、車両の現在位置やこの現在位置から所定範囲内(例えば、直径50〜100mの円内など)にある過去にこのルーチンが実行された際にDポジションからBポジションへのシフト変更が行なわれた位置として記憶された位置である仮制動要求位置,同じく現在位置から所定範囲内にあるBポジションからDポジションへのシフト変更が行なわれた位置として記憶された位置である仮制動解除位置などのデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、仮制動要求位置や仮制動解除位置は、過去にこのルーチンが実行された際にナビゲーションシステム60のハードディスク64に記憶されたもののうち現在位置から所定範囲内にあるものを、ナビゲーションシステム60から通信により入力するものとした。データを入力すると、シフトポジションSPの操作についての判別を行なう(ステップS202)。シフト操作がDポジションからBポジションへの変更でもBポジションからDポジションへの変更でもないときは、何も処理を行なわずに本ルーチンを終了する。シフト操作がDポジションからBポジションへの変更であるときは、仮制動要求位置が所定数(例えば、3〜4個など)以上存在するか否かを判定する(ステップS204)。仮制動要求位置が所定数以上存在するときは、現在位置を制動要求位置の一つとしてハードディスク64に記憶すると共に所定範囲内の仮制動要求位置をハードディスク64から消去するようナビゲーションシステム60に指示して(ステップS206)、本ルーチンを終了する。仮制動要求位置が所定数以上存在しないときは、現在位置を仮制動要求位置の一つとしてハードディスク64に記憶するようナビゲーションシステム60に指示して(ステップS208)、本ルーチンを終了する。
【0034】
一方、ステップS202において判別されたシフト操作がBポジションからDポジションへの変更であるときは、仮制動解除位置が所定数以上存在するか否かを判定する(ステップS210)。仮制動解除位置が所定数以上存在するときは、現在位置を制動解除位置の一つとしてハードディスク64に記憶すると共に所定範囲内の仮制動解除位置をハードディスク64から消去するようナビゲーションシステム60に指示して(ステップS212)、本ルーチンを終了する。仮制動解除位置が所定数以上存在しないときは、現在位置を仮制動解除位置の一つとしてハードディスク64に記憶するようナビゲーションシステム60に指示して(ステップS214)、本ルーチンを終了する。このように、DポジションからBポジションへのシフト操作やBポジションからDポジションへのシフト操作が所定の回数以上行なわれた位置が制動要求位置や制動解除位置として記憶される。すなわち、運転者が同じ場所で繰り返し同じシフト操作をしたことを学習して、後にシフトポジションの自動変更を行なう際に用いることができる。
【0035】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、過去にDポジションからBポジションへのシフト操作やBポジションからDポジションへのシフト操作が所定の回数以上行なわれた位置を制動要求位置や制動解除位置として予め記憶しておき、自動シフト信号SWがオンのときには、Dポジションで走行中に車両が制動要求位置に到達した場合には自動的にBポジションで走行するように変更され、このBポジションに自動変更された状態で走行中に車両が制動解除位置に到達した場合には自動的にDポジションに戻って走行するように変更されるから、同じ道を何度も走行するような場合の運転者のシフト操作の煩わしさを軽減することができる。また、自動シフト信号SWがオフのときには、こうした自動変更をしないから、運転者の意に反した制動力の出力は行なわれない。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、位置設定ルーチンにおいて、DポジションからBポジションへのシフト操作が行なわれたときに現在位置から所定範囲内の仮制動要求位置が所定数以上存在する場合に現在位置を制動要求位置の一つとして記憶するものとしたが、所定範囲内の仮制動要求位置のうちいずれかを制動要求位置として記憶するものとしてもよく、現在位置と仮制動要求位置との平均の位置を制動要求位置として記憶するものとしてもよい。また、制動解除位置についても、制動要求位置の設定についての変形例と同様に行なうものとしてもよい。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、制動要求位置や制動解除位置をハードディスク64に記憶するようナビゲーションシステム60に指示するものとしたが、電子制御ユニット70が備える記憶媒体に制動要求位置や制動解除位置を記憶するものとしてもよい。
【0038】
実施例のハイブリッド自動車20では、自動変更スイッチ89によってシフトポジションの自動変更を指示するものとしたが、自動変更スイッチ89を備えずシフトポジションSPがDポジションである間は自動変更を行なうものとしてもよい。
【0039】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪94a,94bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0040】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
【0041】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22と動力分配統合機構30と二つのモータMG1,MG2とを備える構成としたが、シフトレバーの位置に拘わらず任意に走行ポジションを設定できる構成であれば如何なる構成としてもよい。例えば、エンジンと無段変速機(例えば、CVTなど)とを備える構成としてもよく、無段変速機の替わりに有段変速機を用いるものとしてもよい。
【0042】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、自動車産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例の電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。
【図4】エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。
【図5】動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。
【図6】実施例の電子制御ユニット70により実行される位置設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図8】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
【0045】
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジンECU、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37ギヤ機構、38 ディファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリECU、60 ナビゲーションシステム、61 方位センサ、62 GPSアンテナ、63 タッチパネルセンサ、64 ハードディスク、65 本体、70 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 自動変更スイッチ、94a,94b 車輪、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上における車両の走行位置を検出する走行位置検出手段と、
運転者による制動要求を検出する制動要求検出手段と、
前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動要求位置を記憶する制動要求位置記憶手段と、
前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づいて走行用の駆動力を出力する駆動力出力手段と、
を備える自動車。
【請求項2】
前記制動要求位置記憶手段は、前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出された走行位置が複数回に亘って所定範囲内となったときに該所定範囲内の位置を前記制動要求位置として記憶する手段である請求項1記載の自動車。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動車であって、
アクセルオフ時に第1の制動力を作用させる走行用ポジションとアクセルオフ時に前記第1の制動力より大きな第2の制動力を作用させるブレーキポジションとを含む複数のポジションから運転者の操作に基づいていずれかのポジションに切り替え可能なポジション切替手段を備え、
前記制動要求検出手段は、前記ポジション切替手段により運転者の操作に基づいて走行ポジションからブレーキポジションに切り替えられたのを前記制動要求として検出する手段であり、
前記駆動力出力手段は、前記ポジション切替手段により切り替えられたポジションに応じて走行用の駆動力を出力する手段である
自動車。
【請求項4】
前記駆動力出力手段は、前記ポジション切替手段により走行用ポジションに切り替えられて走行している最中に前記走行位置検出手段により検出された走行位置が前記制動要求位置記憶手段に記憶された制動要求位置に至ったときには運転者の操作なしにブレーキポジションに切り替えられるよう前記ポジション切替手段を制御する手段である請求項3記載の自動車。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか記載の自動車であって、
前記制動要求検出手段は、運転者の制動要求の解除をも検出する手段であり、
前記制動要求位置記憶手段は、前記制動要求検出手段により制動要求の解除が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動解除位置をも記憶する手段であり、
前記駆動力出力手段は、前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動解除位置に基づいて走行用の駆動力を出力する手段である
自動車。
【請求項6】
前記制動要求位置記憶手段は、前記制動要求検出手段により制動要求の解除が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出された走行位置が複数回に亘って所定範囲内となったときに該所定範囲内の位置を前記制動解除位置として記憶する手段である請求項5記載の自動車。
【請求項7】
前記制動要求検出手段は、前記ポジション切替手段により運転者の操作に基づいてブレーキポジションから走行ポジションに切り替えられたのを前記制動要求の解除として検出する手段である請求項3または4に係る請求項5または6記載の自動車。
【請求項8】
前記駆動力出力手段は、前記ポジション切替手段により運転者の操作なしにブレーキポジションに切り替えられた後に前記走行位置検出手段により検出された走行位置が前記制動要求位置記憶手段に記憶された制動解除位置に至ったときには運転者の操作なしに走行ポジションに切り替えられるよう前記ポジション切替手段を制御する手段である請求項4に係る請求項7記載の自動車。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか記載の自動車であって、
運転者の操作に基づいて、前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なうか否かを指示する指示手段を備え、
前記駆動力出力手段は、前記指示手段により前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なうと指示されたときには前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求位置記憶手段により記憶された制動要求位置と運転者のアクセル操作とに基づいて走行用の駆動力を出力し、前記指示手段により前記制動要求位置に基づく走行用の駆動力を出力する制御を行なわないと指示されたときには運転者のアクセル操作と前記制動要求とに基づいて走行用の駆動力を出力する手段である
自動車。
【請求項10】
前記駆動力出力手段は、内燃機関と電動機とを備え、該内燃機関からの動力と該電動機からの動力とを用いて走行用の駆動力を出力可能な手段である請求項1ないし9いずれか記載の自動車。
【請求項11】
地図上における車両の走行位置を検出する走行位置検出手段と、
運転者による制動要求を検出する制動要求検出手段と、
前記制動要求検出手段により制動要求が検出されたときに前記走行位置検出手段により検出される走行位置に基づいて制動要求地点を記憶する制動要求地点記憶手段と、
前記走行位置検出手段により検出された走行位置と前記制動要求地点記憶手段により記憶された制動要求地点と運転者の駆動力要求とに基づいて走行用の駆動力を出力する駆動力出力手段と、
を備える自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−157990(P2006−157990A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340302(P2004−340302)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】