薄膜トランジスタバックプレーンを用いた超音波撮像
【課題】撮像に必要な高分解能を提供するために、コヒーレント超音波二次元(2D)アレイの開口寸法が大きくなってきている。焦点調節のために個々の画素間で複雑な時間的調節を必要で、高速かつ高精度なエレクトロニクスを必要とするため、この技術を大面積アレイに拡張するのは困難であったが、TFT技術により受信回路を含んだ大口径アレイを提供する。
【解決手段】受信器アレイが、送信信号に対応する受信信号の同相成分および直交成分を検出するために基板上に複数の受信器要素を有している。受信器要素のそれぞれは受信器トランスデューサと薄膜トランジスタ(TFT)受信回路とを含んでいる。TFT受信回路は受信信号と複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号内の基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいる。送信器は複数の受信器要素に音響的に接続され、撮像媒体を通じて送信信号を生成する。
【解決手段】受信器アレイが、送信信号に対応する受信信号の同相成分および直交成分を検出するために基板上に複数の受信器要素を有している。受信器要素のそれぞれは受信器トランスデューサと薄膜トランジスタ(TFT)受信回路とを含んでいる。TFT受信回路は受信信号と複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号内の基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいる。送信器は複数の受信器要素に音響的に接続され、撮像媒体を通じて送信信号を生成する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像収集の操作者依存性を取り除くために、およびある距離を置いての撮像に必要な高分解能を提供するために、コヒーレント超音波二次元(2D)アレイの開口寸法が大きくなってきている。しかしながら、開口寸法が増加するにつれて、収集されるデータとともに要素個数が増加する。
【0002】
Cモードシステムは直感的な本人の画像を提供するとともに、収集されるデータを減少させる。Cモード超音波装置のための既存技術の大部分は、より大型で、より低コストの装置に拡張しようとするときに多くの欠点を有する。より大型の装置はより大きな開口寸法から恩恵を受けており、より大きな開口寸法は分解能を直接向上させる。しかしながら、現在の特定用途向け集積回路(ASIC)技術は反対の方向へ、すなわち、より低い分解能をもたらすより小さいダイスへと向かっている。したがって、大面積に拡張可能な薄膜トランジスタ(TFT)技術を利用することは有利である。米国特許第5,456,256号は、送信器および受信器内に焦点を合わせた2D固体アレイについて記述している。焦点調節は時間遅延および合計アルゴリズムを用いて実行される。各要素に対する正しい時間遅延を選択するために時間遅延は高速マルチプレクサにより実行される。この技術は焦点調節のために個々の画素間で複雑な時間的調節を必要とするため、および特に医用超音波周波数では高速かつ高精度なエレクトロニクスを必要とするため、この技術を大面積アレイに拡張するのは困難である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】一実施形態のシステムを示す図である。
【図2】一実施形態の、基準信号を生成する受信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図3】一実施形態の、基板の裏面上に送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図4】一実施形態の、基準信号を生成する送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図5】一実施形態の、撮像媒体の対向する両側上に受信器および送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図6】一実施形態の、同相成分および直交成分のレンジゲート信号を示す図である。
【図7】一実施形態の受信回路を示す図である。
【図8】一実施形態の、超音波撮像ユニットを構成するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図9】一実施形態の、撮像ユニットを用いて超音波撮像を実行するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図10】一実施形態の、受信信号を処理するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図11】一実施形態の処理システムを示す図である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の1つの開示された特徴は、コヒーレント超音波撮像のための技術である。送信器を複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体を通じて送信信号を生成する。それぞれが薄膜トランジスタ(TFT)回路および超音波受信トランスデューサ(ポリマ、圧電材料、MEM、または他の材料)で構成された受信要素のアレイを大面積基板上に構成する。受信器TFT回路はレンジゲート信号を利用して、アレイ内のすべての要素からの超音波データの収集を同時に始動させる。レンジゲート信号は、通常の直流(DC)バイアス信号に加えて、基準信号(正弦波信号、または他の信号)をさらに含んでいる。受信器回路のダイオード/トランジスタ内の非直線性を使用して、基準信号および収集された超音波信号を混合する。基準信号を変更することにより、同相信号および直交信号を超音波アレイ内のすべての要素全体で同時に収集してもよく、コヒーレント撮像に使用してもよい。
【0005】
実施形態の1つの開示された特徴は、TFT技術の大面積で安価な長所を活用するコヒーレントCモード超音波システム用の方法および装置である。
【0006】
技術は新規な音響スタック構造と、TFT画素エレクトロニクスと、搬送波周波数の周期よりも長くてもよいサンプリング/積分時間周期を用いた直交検出の特有のプロセスと、を使用する。装置は基板上に構築されたTFTアレイと、TFTアレイに接続された受信器超音波トランスデューサと、を含んでいてもよい新規な構造を有している。受信器トランスデューサは、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)のようなポリマで作られた複数の受信器要素を含んでいてもよい。別個の超音波送信器は多くの方法により受信器に音響的に接続してもよい。送信器は受信器の表面上に、基板の裏面上に、または受信器の反対側の撮像媒体上に、蒸着されてもよい。
【0007】
実施形態の1つの開示された特徴は、大面積超音波装置の多くの難問を解決する可能性がある技術である。Cモードシステムはレンジゲート信号が基準波形または基準信号を含んでいる点で特有である。これにより、バイアス接点が非常に大きな面積と低い電気インピーダンスとを有しているため、基準信号を画素アレイ全体にわたって容易に分散できるようにしてもよい。すべての受信器画素に接触させるこの方法は、大面積にも極めて拡張性がある。
【0008】
また、この構造により、バイアス信号接点が非常に大きな面積と低い電気インピーダンスとを有しているため、基準信号を画素アレイ全体にわたって容易に分散できるようになる。長いトレースに関する基準信号を各画素に提供する他の直交撮像装置と比較して、実施形態の1つの開示された特徴で使用される技術は、大面積にもさらに拡張性がある。エレクトロニクスは、エレクトロニクスの速度および雑音要件を緩和する直交検出の積分法を使用する。この装置では、積分時間は搬送波周波数の周期の多くの倍数であってもよい。これはポリシリコンTFTのような、より低速のエレクトロニクスを直交検出に使用することを可能にする。さらに、より大きな周期にわたって積分することにより、距離分解能を犠牲にして、信号強度を増加させることができる。これは、より低い信号を有するエレクトロニクスを使用できるようにする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態のシステム100を示す図である。システム100は、超音波撮像ユニット110と、処理回路120と、像平面130と、を含んでいる。システム100は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。例えば、超音波撮像ユニット110および処理回路ユニット120は単一ユニットに組み込まれてもよい。
【0010】
超音波撮像ユニット110は、大面積TFTバックプレーンを有する大開口超音波撮像システムの一部分であってもよい。超音波撮像ユニット110は、コヒーレント超音波撮像用の安価なTFTを提供してもよい。超音波撮像ユニット110は、撮像媒体140と、撮像構造150と、を含んでいる。撮像媒体140は、撮像される予定の媒体であってもよい。撮像媒体140は、1枚の平面をコヒーレントに撮像するのに十分な同相および直交情報を収集するためにn枚の所望の平面1451〜145nを含んでいてもよい。平面1451〜145nは、時間t1〜tnにおけるn個のレンジゲートに対応してもよい。撮像構造150は、撮像媒体140上のコヒーレント検出を用いて超音波撮像を実行する。撮像構造150は、画像の画素に対応する直交検出信号を生成してもよい。
【0011】
処理回路120を超音波撮像ユニット110に接続し、直交検出信号を処理して像平面130上にピントの合った画像を形成する。処理回路120は、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、または上記の任意の組み合わせにより実現してもよい。処理回路120は、複数の遅延および位相シフト要素1601〜160Mと、積分器170と、を含んでいてもよい。遅延および位相シフト要素1601〜160Mは、撮像媒体140内の所望の平面位置1451〜145nそれぞれに対する時間t1〜tnにおける複数のレンジゲートに対応する直交検出信号の振幅および位相A1(t1)、Φ1(t1) . . . A1(tn)、Φ1(tn)、...、AM(t1)、ΦM(t1) . . . AM(tn)、ΦM(tn)を取得してもよい。積分器170は直交検出信号の振幅および位相を積分し、ピントの合った画像の個々の画素を提供して像平面130上に画素を投影してもよい。一実施形態では、積分器170は加算器であってもよい。
【0012】
図2は、一実施形態の、基準信号を生成する受信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。超音波撮像ユニット110は、撮像媒体140と、撮像構造150と、を含んでいる。撮像構造150は、基板210と、受信器アレイ220と、誘電体230と、送信器240と、エンカプスレータ250と、を含んでいる。撮像構造150は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。音響スタックは別々の受信器および送信器を有している。別々の送信および受信トランスデューサを有することは、各画素内の高電圧送信/受信スイッチのような複雑なエレクトロニクスの必要性を取り除くために有利である可能性がある。送信に必要な高電圧は、受信器から物理的にも電気的にも分離されてもよい。これにより、ほとんどの超音波システムに共通の高電圧送信/受信スイッチを取り除くことで、画素エレクトロニクスの複雑さを軽減する可能性がある。これは画素エレクトロニクスを大幅に単純化するとともに、TFTの使用を可能にする。
【0013】
基板210は、ガラス、ステンレス鋼、または弾力的なポリイミド類のような任意の好適な基板であってもよい。
【0014】
受信器アレイ220は基板210上に蒸着されており、同相信号および直交信号を検出するために複数の受信器要素を有していてもよい。受信器要素のそれぞれは、受信器トランスデューサと、TFTアレイ225内の薄膜トランジスタ(TFT)受信回路と、を含んでいてもよい。TFTアレイ225は基板210上に蒸着してもよい。TFTアレイ225はアモルファスまたはポリシリコンであってもよい。受信器トランスデューサは、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)で作られてもよい。PVDF−trFEを使用すると、種々の理由で有利である。まず第1に、個々の受信器要素は材料内の高損失のせいでほとんどクロスカップリングを示さないため、それらを機械的に分離する必要がない。第2に、PVDF−trFEは下部電極が接触している状態でTFT表面上に容易に紡ぎ出されたり、または積層されたりするとともに、TFTプロセスと非常に相性が良い。第3に、PVDF−trFEは非常に損失が多く、このことはクロストークがほとんどなく、要素をダイシングする必要がないことを意味している。これは、ダイシングして費用対効果に優れた方法で相互接続を製作するにはあまりに多くの要素を有する小さい画素サイズを有する大面積アレイにおいて有利である。
【0015】
受信器アレイ220上には、複数の受信器要素全体にわたって分散される合成バイアス信号を含んでいてもよい導電層235がある。合成バイアス信号はレンジゲート信号および基準信号の組み合わせであってもよい。したがって、合成バイアス信号、またはRバイアス信号は、アレイ225全体を含んでもよく、すべての受信器要素に共通であり、結果的に回路製作を簡単にする。受信器要素のそれぞれ内の受信回路は、受信信号と合成バイアス信号内に含まれる基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいてもよい。したがって、構造は、アレイ領域全体を含み、すべての受信器要素に共通である低インピーダンスのバイアス電極を介して基準信号の容易な電気的分散を可能にしてもよい。
【0016】
誘電体230は、任意の好適な誘電体または電気絶縁物であってもよい。誘電体230は、受信器220上に送信器240を積み重ねるときに必要である可能性がある。
【0017】
送信器240を受信器220内の複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体140を通じて送信信号を生成する。その後、受信器220がパルス反射法を用いて送信信号を受信してもよい。送信器240は、接地層245と、高温電極層255と、を有していてもよい。
【0018】
エンカプスレータ250は基板210上の音響スタック全体を閉じ込める。エンカプスレータ250は撮像媒体140と結合している。
【0019】
単一のトランスデューサが受信器、送信器、または基準センサとして1つ以上の機能を実行できるように音響スタックを変更してもよい。また、エレクトレット、PZT、または静電容量型超音波振動子(CMUT)のような他のトランスデューサ材料を使用してもよい。高いクロストークレベルを有するトランスデューサ材料では、要素の間のダイシングおよびフィリングが必要である可能性がある。さらに、異なるセンサの間の分離層を使用できる。Rバイアス電極および送信器電極の短絡を防止するために、分離構成要素が必要である可能性がある。また、送信器に印加された高電圧がTFTの動作に対して懸念となっている場合には、分離構成要素が必要である可能性がある。
【0020】
アレイの裏面上のスプリアス反射信号を減衰させるために、タングステン粒子で満たされたエポキシ樹脂またはEccosorb CR−124のような後部吸収層を使用してもよい。
【0021】
図3は、一実施形態の、基板の裏面上に送信器を有する図1に示す超音波撮像ユニット110を示す図である。
【0022】
送信器240は、受信器220の表面上に設置する代わりに基板210の底面上に設置してもよい。基板210の厚さが正確に制御される場合には、基板210およびPVDFが送信器240と水とを実質的に一致させてもよい。この構成では、送信器および受信器電極を分離するための絶縁体は必要ではない。これは、高電圧電極を患者の皮膚に接触して取り付けないであろうという理由から、特に、医療画像処理において好ましい構成である可能性がある。
【0023】
図4は、一実施形態の、基準信号を生成する送信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。この構成は図2と同様のスタック構造を有していてもよい。違いは、送信器440の方は合成バイアス信号内に組み込まれる基準信号を生成するための回路を含んでいることである。受信器420は、この基準信号を生成する必要はない。
【0024】
図5は、一実施形態の、撮像媒体の対向する両側上に受信器および送信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。この構成では、受信器220および送信器240は同一平面上にある必要はない。送信器240は受信器220の反対側の撮像媒体140上に蒸着してもよい。これはエンカプスレータ250の寸法を減少させる可能性がある。
【0025】
図6は、一実施形態の、同相成分および直交成分の合成バイアス信号600を示す図である。合成バイアス信号はレンジゲート信号と、基準信号と、を有している。同相(I)成分では、基準信号610は正弦波信号である。直交(Q)成分では、基準信号620は90度ずれた正弦波信号610である。
【0026】
図7は、一実施形態の受信回路700を示す図である。受信回路700は、制御回路710と、受信器トランスデューサ720と、混合器730と、3個のスイッチM1 740、M2 750、およびM3 760と、を含んでいる。受信回路700は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。受信回路700は送信器240により生成されるような送信信号から受信信号を受信し、Dnにおいて検出信号を生成する。
【0027】
制御回路710は、レンジゲート信号のようなタイミングおよび制御信号と、積分信号と、スイッチM1 740、M2 750、およびM3 760への制御信号と、を生成する。制御回路710は、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成する。レンジゲート信号は、搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる。基準信号は送信信号と同期してもよく、送信信号と同じ周波数を有している。スイッチM1 740、M2 750、およびM3 760は、トランジスタのような任意の好適なスイッチング装置であってもよい。
【0028】
受信器要素720は上述のようにポリマであってもよい。混合器730はダイオードにより実現してもよい。トランジスタ、バラクタなどのような任意の非線形回路素子を混合器730として使用してもよい。他の変形は、その変位/圧力がプレート間電圧の二乗に比例するCMUTまたはフェロエレクトレットのような静電型トランスデューサを使用することである。これらのトランスデューサは非線形素子であり、特定の時間にプレートのうちの一方に基準電圧信号が印加されると、トランスデューサ特性の結果として直接に混合が行われるであろう。また、生体組織の非線形性または撮像中の物体を混合器730として使用してもよい。
【0029】
受信回路700は、低速のポリシリコンエレクトロニクスの使用を可能にする直交検出の積分法を使用する。さらに、各画素内に複雑な混合器、高速サンプリング、およびアナログデジタル変換器(ADC)を有する他のCモードシステムと比較して、受信回路700のエレクトロニクス設計は非常に簡単である。これは、画素の間に忠実度の高い基準信号を分布させること、および画素全体でアナログ混合器をぴったり合わせることなどの問題を解決する。データ収集前に、受信回路700上の帯電および画素内の寄生電荷はスイッチM2 750を作動させることにより取り除かれる。その後、ダイオード730の非線形性が混合器として機能する場合、特定のレンジゲートにおいてRバイアス波形の直流成分がダイオード730にバイアスをかける。これは、図6に示すように同相成分および直交成分内のRバイアス正弦波基準信号または90度ずれた基準信号を用いて、受信された超音波信号を混合する。混合した後に、結果として得られた電流を、搬送波周波数の周期の例えば整数倍よりも長い時間にわたって受信器静電容量上で積分する。この積分された信号は、ある特定のレンジゲートにおける環境の反射率に関する情報を含むベースバンド受信信号の実数成分および虚数成分に比例している。これらの同相(I)および直交(Q)値は制御信号GnおよびGn+1を用いて読み取られ、図1に示す処理回路120を用いてデジタル化される。その後、振幅Aおよび位相Φは、それぞれ(I2+Q2)/2およびatan(Q/I)を用いてオフチップで計算してもよい。搬送波周波数の多くのサイクルの周期に等しい長い積分時間の利点は、低速エレクトロニクスを使用できることである。さらに、積分することにより信号を収集するため、信号強度を距離分解能および描画速度と交換してもよく、このことはポリシリコンTFTなどの低SN比を有する回路では重要である可能性がある。
【0030】
特定の平面においてピントの合った画像を形成するために、多数のC走査平面からの位相および振幅情報を図1に示すように収集してもよい。振幅および位相を収集しなければならない合計時間は、アレイ内のすべてのトランスデューサから、平面内のあらゆる点までの時間遅延の最大値により与えられる。最低レンジ・ゲート・サンプリング・レートはBf0であり、ここで、Bは送信信号の帯域幅であり、f0は信号の中心周波数である。このサンプリングレートは、特定の平面においてピントの合った画像を形成するために位相シフトおよび合計ビーム形成アルゴリズムを必要とする可能性があるC走査の最小間隔を決定し、システムの描画速度を制限する。
【0031】
上述の回路に対して多くの変更を行ってもよい。
【0032】
1つの変更は、データを読み取るまでIおよびQ成分を保存するための2つ以上のコンデンサが存在してもよいという点である。この変更は画素内にいくつかの追加のスイッチの組を必要とするであろう。
【0033】
上述の議論はパルス反射撮像に対するものである。しかしながら、位相および直交情報を収集する方法は透過撮像に対して採用してもよい。これは、送信器240および受信器220の相対位置を変化させることにより達成される。透過撮像では、位相および振幅情報は撮像中の物体のホログラムを再現するために使用してもよい。さらに、この情報は減衰、音速、または他の材料特性を抽出するために使用してもよい。この意味で、回路はトモグラフィアルゴリズムまたはホログラフィアルゴリズムによりその後処理できる位相および振幅データを収集するために使用してもよい。IおよびQ生成のこの方法は、周波数がTFTで使用するほど十分に低ければ、IR、電磁放射、およびコヒーレント撮像を要求する他の形態の放射などの超音波以外の他の様態に対して使用してもよい。
【0034】
図8は、一実施形態の、超音波撮像ユニットを構成するためのプロセス800を示すフローチャートである。
【0035】
開始時に、プロセス800は基板上に複数の受信器要素を有する受信器アレイを形成する(ブロック810)。受信器要素のそれぞれは、受信器トランスデューサと、薄膜トランジスタ(TFT)受信回路と、を含んでいてもよい。TFT受信回路は、受信信号と複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいてもよい。受信器アレイを形成することは、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成するための制御回路を形成することを含み、レンジゲート信号は搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる。
【0036】
次に、プロセス800は送信器を複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体を通じて送信信号を生成する(ブロック820)。送信器は受信器の表面上に、基板の裏面上に、または受信器の反対側の撮像媒体上に、蒸着されてもよい。その後、プロセス800は終了する。
【0037】
図9は、一実施形態の、プロセス800で形成したような撮像ユニットを用いて超音波撮像を実行するためのプロセス900を示すフローチャートである。
【0038】
開始時に、プロセスは多重周期を有する送信信号を送信器により物体に送信する(ブロック910)。送信信号は物体に衝突すると、受信信号として受信器アレイの方向に向かって跳ね返る。次に、プロセス900は受信信号をメモリ内に保存される電圧要素に変換するために、複数の受信器要素を有する受信器アレイにより受信信号を処理する(ブロック920)。
【0039】
その後、プロセス900は十分な平面枚数に達しているかどうかを判断する(ブロック930)。まだ十分な平面枚数に達していないとき、プロセス900はブロック950に進み、次の平面に進んで、その後、ブロック910に戻る。すでに十分な平面枚数に達しているとき、プロセス900は後処理を実行して、ピントの合った画像を像平面上に生成する(ブロック940)。後処理を実行することは、ピントが合っている各画素に対して要素から撮像平面までの時間遅延または位相遅延を計算することと、物体に対応するピントの合った画像の個々の画素を提供するために時間シフトした信号または位相シフトした信号を合計することと、を含んでいてもよい。これは、図1に示すように複数の所望の平面位置1451〜145nに対応する検出信号の振幅および位相を取得することと、振幅および位相を積分することと、を含んでいてもよい。その後、プロセス900は終了する。
【0040】
図10は、一実施形態の、図9に示す受信信号を処理するためのプロセス920を示すフローチャートである。
【0041】
開始時に、プロセス920はレンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成する(ブロック1010)。レンジゲート信号は、搬送波周波数よりも長い周期を有していてもよい。合成バイアス信号は、受信器要素全体にわたって分散してもよい。次に、プロセス920は、レンジゲート信号の幅に等しい時間周期の間、受信信号と合成バイアス信号内の基準信号とを混合する(ブロック1020)。その後、プロセス920は電圧要素の中に混合された受信信号を積分する(ブロック1030)。電圧要素は同相成分および直交成分に対応してもよい。次に、プロセス920は電圧要素をメモリ内に保存する(ブロック1040)。その後、プロセス920は回路をリセットして帯電を取り除く(ブロック1050)。その後、プロセス920は終了する。
【0042】
図11は、一実施形態の、集中型マルチメディアアクセスを実行するための処理システム1100を示す図である。処理システム1100は、コンピュータシステムまたはモバイル機器の一部分であってもよい。処理システム1100は、プロセッサ1110と、チップセット1120と、メモリ1130と、相互接続1140と、大容量記憶媒体1150と、入出力(I/O)インタフェース1160と、を含んでいてもよい。処理システム1100は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。
【0043】
プロセッサ1110は、ハイパースレッディング、セキュリティ、ネットワーク、デジタルメディア技術、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、組み込みプロセッサ、モバイルプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ、スーパースケーラコンピュータ、ベクトルプロセッサ、単一命令複数データ(SIMD)コンピュータ、複合命令セットコンピュータ(CISC)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、超長命令語(VLIW)、またはハイブリッドアーキテクチャを用いるプロセッサなどの任意の種類のアーキテクチャの中央処理装置であってもよい。
【0044】
チップセット1120は、メモリ1130、大容量記憶媒体1150、およびネットワーク・インタフェース・カード1160のようなメモリおよび入出力(I/O)装置の制御およびコンフィギュレーションを提供する。チップセット1120は、I/O制御、グラフィックス、媒体、ホスト周辺機器間バスインタフェース、メモリ制御、パワーマネージメントなどのような複数の機能を統合してもよい。
【0045】
メモリ1130はシステムコードおよびデータを保存する。メモリ1130は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、または読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含むリフレッシュする必要がないメモリを含む他の任意の種類のメモリを用いて通常実現してもよい。一実施形態では、メモリ1130は処理モジュール1135を含んでいてもよい。処理モジュール1135、またはそれの構成要素のうちのいずれかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを用いて実現してもよいことを想定する。処理モジュール1135は、撮像媒体内の所望の平面位置に対する複数のレンジゲートに対応する直交検出信号の振幅および位相を取得すること、および/またはピントの合った画像の個々の画素を提供するために直交検出信号の振幅および位相を積分することなどの、上述の機能または動作のうちのいずれかを実行してもよい。
【0046】
相互接続1140は、チップセット1120が大容量記憶媒体1150およびI/Oインタフェース1160のような周辺機器と通信するためのインタフェースを提供する。相互接続1140はポイント・ツー・ポイント接続であってもよく、または複数の装置に接続されてもよい。明確にするために、すべての相互接続を図示してはいない。相互接続1140は、周辺構成要素相互接続(PCI)、PCIエクスプレス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、およびダイレクト・メディア・インタフェース(DMI)などのような任意の相互接続またはバスを含んでいてもよいことを想定する。大容量記憶媒体1150は、コンパクトディスク(CD)と、読み出し専用メモリ(ROM)と、メモリスティックと、メモリカードと、スマートカードと、デジタルビデオ/汎用ディスク(DVD)と、フロッピーディスク・ドライブと、ハードドライブと、テープドライブと、他の任意の電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または光学記憶デバイスと、を含んでいてもよい。大容量記憶デバイスは、機械アクセス可能媒体を読み取るための機構を提供する。入出力インタフェース1160は、撮像構造150のようなI/Oデバイスへのインタフェースを提供する。
【背景技術】
【0001】
画像収集の操作者依存性を取り除くために、およびある距離を置いての撮像に必要な高分解能を提供するために、コヒーレント超音波二次元(2D)アレイの開口寸法が大きくなってきている。しかしながら、開口寸法が増加するにつれて、収集されるデータとともに要素個数が増加する。
【0002】
Cモードシステムは直感的な本人の画像を提供するとともに、収集されるデータを減少させる。Cモード超音波装置のための既存技術の大部分は、より大型で、より低コストの装置に拡張しようとするときに多くの欠点を有する。より大型の装置はより大きな開口寸法から恩恵を受けており、より大きな開口寸法は分解能を直接向上させる。しかしながら、現在の特定用途向け集積回路(ASIC)技術は反対の方向へ、すなわち、より低い分解能をもたらすより小さいダイスへと向かっている。したがって、大面積に拡張可能な薄膜トランジスタ(TFT)技術を利用することは有利である。米国特許第5,456,256号は、送信器および受信器内に焦点を合わせた2D固体アレイについて記述している。焦点調節は時間遅延および合計アルゴリズムを用いて実行される。各要素に対する正しい時間遅延を選択するために時間遅延は高速マルチプレクサにより実行される。この技術は焦点調節のために個々の画素間で複雑な時間的調節を必要とするため、および特に医用超音波周波数では高速かつ高精度なエレクトロニクスを必要とするため、この技術を大面積アレイに拡張するのは困難である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】一実施形態のシステムを示す図である。
【図2】一実施形態の、基準信号を生成する受信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図3】一実施形態の、基板の裏面上に送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図4】一実施形態の、基準信号を生成する送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図5】一実施形態の、撮像媒体の対向する両側上に受信器および送信器を有する超音波撮像ユニットを示す図である。
【図6】一実施形態の、同相成分および直交成分のレンジゲート信号を示す図である。
【図7】一実施形態の受信回路を示す図である。
【図8】一実施形態の、超音波撮像ユニットを構成するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図9】一実施形態の、撮像ユニットを用いて超音波撮像を実行するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図10】一実施形態の、受信信号を処理するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図11】一実施形態の処理システムを示す図である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の1つの開示された特徴は、コヒーレント超音波撮像のための技術である。送信器を複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体を通じて送信信号を生成する。それぞれが薄膜トランジスタ(TFT)回路および超音波受信トランスデューサ(ポリマ、圧電材料、MEM、または他の材料)で構成された受信要素のアレイを大面積基板上に構成する。受信器TFT回路はレンジゲート信号を利用して、アレイ内のすべての要素からの超音波データの収集を同時に始動させる。レンジゲート信号は、通常の直流(DC)バイアス信号に加えて、基準信号(正弦波信号、または他の信号)をさらに含んでいる。受信器回路のダイオード/トランジスタ内の非直線性を使用して、基準信号および収集された超音波信号を混合する。基準信号を変更することにより、同相信号および直交信号を超音波アレイ内のすべての要素全体で同時に収集してもよく、コヒーレント撮像に使用してもよい。
【0005】
実施形態の1つの開示された特徴は、TFT技術の大面積で安価な長所を活用するコヒーレントCモード超音波システム用の方法および装置である。
【0006】
技術は新規な音響スタック構造と、TFT画素エレクトロニクスと、搬送波周波数の周期よりも長くてもよいサンプリング/積分時間周期を用いた直交検出の特有のプロセスと、を使用する。装置は基板上に構築されたTFTアレイと、TFTアレイに接続された受信器超音波トランスデューサと、を含んでいてもよい新規な構造を有している。受信器トランスデューサは、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)のようなポリマで作られた複数の受信器要素を含んでいてもよい。別個の超音波送信器は多くの方法により受信器に音響的に接続してもよい。送信器は受信器の表面上に、基板の裏面上に、または受信器の反対側の撮像媒体上に、蒸着されてもよい。
【0007】
実施形態の1つの開示された特徴は、大面積超音波装置の多くの難問を解決する可能性がある技術である。Cモードシステムはレンジゲート信号が基準波形または基準信号を含んでいる点で特有である。これにより、バイアス接点が非常に大きな面積と低い電気インピーダンスとを有しているため、基準信号を画素アレイ全体にわたって容易に分散できるようにしてもよい。すべての受信器画素に接触させるこの方法は、大面積にも極めて拡張性がある。
【0008】
また、この構造により、バイアス信号接点が非常に大きな面積と低い電気インピーダンスとを有しているため、基準信号を画素アレイ全体にわたって容易に分散できるようになる。長いトレースに関する基準信号を各画素に提供する他の直交撮像装置と比較して、実施形態の1つの開示された特徴で使用される技術は、大面積にもさらに拡張性がある。エレクトロニクスは、エレクトロニクスの速度および雑音要件を緩和する直交検出の積分法を使用する。この装置では、積分時間は搬送波周波数の周期の多くの倍数であってもよい。これはポリシリコンTFTのような、より低速のエレクトロニクスを直交検出に使用することを可能にする。さらに、より大きな周期にわたって積分することにより、距離分解能を犠牲にして、信号強度を増加させることができる。これは、より低い信号を有するエレクトロニクスを使用できるようにする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態のシステム100を示す図である。システム100は、超音波撮像ユニット110と、処理回路120と、像平面130と、を含んでいる。システム100は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。例えば、超音波撮像ユニット110および処理回路ユニット120は単一ユニットに組み込まれてもよい。
【0010】
超音波撮像ユニット110は、大面積TFTバックプレーンを有する大開口超音波撮像システムの一部分であってもよい。超音波撮像ユニット110は、コヒーレント超音波撮像用の安価なTFTを提供してもよい。超音波撮像ユニット110は、撮像媒体140と、撮像構造150と、を含んでいる。撮像媒体140は、撮像される予定の媒体であってもよい。撮像媒体140は、1枚の平面をコヒーレントに撮像するのに十分な同相および直交情報を収集するためにn枚の所望の平面1451〜145nを含んでいてもよい。平面1451〜145nは、時間t1〜tnにおけるn個のレンジゲートに対応してもよい。撮像構造150は、撮像媒体140上のコヒーレント検出を用いて超音波撮像を実行する。撮像構造150は、画像の画素に対応する直交検出信号を生成してもよい。
【0011】
処理回路120を超音波撮像ユニット110に接続し、直交検出信号を処理して像平面130上にピントの合った画像を形成する。処理回路120は、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、または上記の任意の組み合わせにより実現してもよい。処理回路120は、複数の遅延および位相シフト要素1601〜160Mと、積分器170と、を含んでいてもよい。遅延および位相シフト要素1601〜160Mは、撮像媒体140内の所望の平面位置1451〜145nそれぞれに対する時間t1〜tnにおける複数のレンジゲートに対応する直交検出信号の振幅および位相A1(t1)、Φ1(t1) . . . A1(tn)、Φ1(tn)、...、AM(t1)、ΦM(t1) . . . AM(tn)、ΦM(tn)を取得してもよい。積分器170は直交検出信号の振幅および位相を積分し、ピントの合った画像の個々の画素を提供して像平面130上に画素を投影してもよい。一実施形態では、積分器170は加算器であってもよい。
【0012】
図2は、一実施形態の、基準信号を生成する受信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。超音波撮像ユニット110は、撮像媒体140と、撮像構造150と、を含んでいる。撮像構造150は、基板210と、受信器アレイ220と、誘電体230と、送信器240と、エンカプスレータ250と、を含んでいる。撮像構造150は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。音響スタックは別々の受信器および送信器を有している。別々の送信および受信トランスデューサを有することは、各画素内の高電圧送信/受信スイッチのような複雑なエレクトロニクスの必要性を取り除くために有利である可能性がある。送信に必要な高電圧は、受信器から物理的にも電気的にも分離されてもよい。これにより、ほとんどの超音波システムに共通の高電圧送信/受信スイッチを取り除くことで、画素エレクトロニクスの複雑さを軽減する可能性がある。これは画素エレクトロニクスを大幅に単純化するとともに、TFTの使用を可能にする。
【0013】
基板210は、ガラス、ステンレス鋼、または弾力的なポリイミド類のような任意の好適な基板であってもよい。
【0014】
受信器アレイ220は基板210上に蒸着されており、同相信号および直交信号を検出するために複数の受信器要素を有していてもよい。受信器要素のそれぞれは、受信器トランスデューサと、TFTアレイ225内の薄膜トランジスタ(TFT)受信回路と、を含んでいてもよい。TFTアレイ225は基板210上に蒸着してもよい。TFTアレイ225はアモルファスまたはポリシリコンであってもよい。受信器トランスデューサは、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン(PVDF−TrFE)で作られてもよい。PVDF−trFEを使用すると、種々の理由で有利である。まず第1に、個々の受信器要素は材料内の高損失のせいでほとんどクロスカップリングを示さないため、それらを機械的に分離する必要がない。第2に、PVDF−trFEは下部電極が接触している状態でTFT表面上に容易に紡ぎ出されたり、または積層されたりするとともに、TFTプロセスと非常に相性が良い。第3に、PVDF−trFEは非常に損失が多く、このことはクロストークがほとんどなく、要素をダイシングする必要がないことを意味している。これは、ダイシングして費用対効果に優れた方法で相互接続を製作するにはあまりに多くの要素を有する小さい画素サイズを有する大面積アレイにおいて有利である。
【0015】
受信器アレイ220上には、複数の受信器要素全体にわたって分散される合成バイアス信号を含んでいてもよい導電層235がある。合成バイアス信号はレンジゲート信号および基準信号の組み合わせであってもよい。したがって、合成バイアス信号、またはRバイアス信号は、アレイ225全体を含んでもよく、すべての受信器要素に共通であり、結果的に回路製作を簡単にする。受信器要素のそれぞれ内の受信回路は、受信信号と合成バイアス信号内に含まれる基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいてもよい。したがって、構造は、アレイ領域全体を含み、すべての受信器要素に共通である低インピーダンスのバイアス電極を介して基準信号の容易な電気的分散を可能にしてもよい。
【0016】
誘電体230は、任意の好適な誘電体または電気絶縁物であってもよい。誘電体230は、受信器220上に送信器240を積み重ねるときに必要である可能性がある。
【0017】
送信器240を受信器220内の複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体140を通じて送信信号を生成する。その後、受信器220がパルス反射法を用いて送信信号を受信してもよい。送信器240は、接地層245と、高温電極層255と、を有していてもよい。
【0018】
エンカプスレータ250は基板210上の音響スタック全体を閉じ込める。エンカプスレータ250は撮像媒体140と結合している。
【0019】
単一のトランスデューサが受信器、送信器、または基準センサとして1つ以上の機能を実行できるように音響スタックを変更してもよい。また、エレクトレット、PZT、または静電容量型超音波振動子(CMUT)のような他のトランスデューサ材料を使用してもよい。高いクロストークレベルを有するトランスデューサ材料では、要素の間のダイシングおよびフィリングが必要である可能性がある。さらに、異なるセンサの間の分離層を使用できる。Rバイアス電極および送信器電極の短絡を防止するために、分離構成要素が必要である可能性がある。また、送信器に印加された高電圧がTFTの動作に対して懸念となっている場合には、分離構成要素が必要である可能性がある。
【0020】
アレイの裏面上のスプリアス反射信号を減衰させるために、タングステン粒子で満たされたエポキシ樹脂またはEccosorb CR−124のような後部吸収層を使用してもよい。
【0021】
図3は、一実施形態の、基板の裏面上に送信器を有する図1に示す超音波撮像ユニット110を示す図である。
【0022】
送信器240は、受信器220の表面上に設置する代わりに基板210の底面上に設置してもよい。基板210の厚さが正確に制御される場合には、基板210およびPVDFが送信器240と水とを実質的に一致させてもよい。この構成では、送信器および受信器電極を分離するための絶縁体は必要ではない。これは、高電圧電極を患者の皮膚に接触して取り付けないであろうという理由から、特に、医療画像処理において好ましい構成である可能性がある。
【0023】
図4は、一実施形態の、基準信号を生成する送信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。この構成は図2と同様のスタック構造を有していてもよい。違いは、送信器440の方は合成バイアス信号内に組み込まれる基準信号を生成するための回路を含んでいることである。受信器420は、この基準信号を生成する必要はない。
【0024】
図5は、一実施形態の、撮像媒体の対向する両側上に受信器および送信器を有する超音波撮像ユニット110を示す図である。この構成では、受信器220および送信器240は同一平面上にある必要はない。送信器240は受信器220の反対側の撮像媒体140上に蒸着してもよい。これはエンカプスレータ250の寸法を減少させる可能性がある。
【0025】
図6は、一実施形態の、同相成分および直交成分の合成バイアス信号600を示す図である。合成バイアス信号はレンジゲート信号と、基準信号と、を有している。同相(I)成分では、基準信号610は正弦波信号である。直交(Q)成分では、基準信号620は90度ずれた正弦波信号610である。
【0026】
図7は、一実施形態の受信回路700を示す図である。受信回路700は、制御回路710と、受信器トランスデューサ720と、混合器730と、3個のスイッチM1 740、M2 750、およびM3 760と、を含んでいる。受信回路700は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。受信回路700は送信器240により生成されるような送信信号から受信信号を受信し、Dnにおいて検出信号を生成する。
【0027】
制御回路710は、レンジゲート信号のようなタイミングおよび制御信号と、積分信号と、スイッチM1 740、M2 750、およびM3 760への制御信号と、を生成する。制御回路710は、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成する。レンジゲート信号は、搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる。基準信号は送信信号と同期してもよく、送信信号と同じ周波数を有している。スイッチM1 740、M2 750、およびM3 760は、トランジスタのような任意の好適なスイッチング装置であってもよい。
【0028】
受信器要素720は上述のようにポリマであってもよい。混合器730はダイオードにより実現してもよい。トランジスタ、バラクタなどのような任意の非線形回路素子を混合器730として使用してもよい。他の変形は、その変位/圧力がプレート間電圧の二乗に比例するCMUTまたはフェロエレクトレットのような静電型トランスデューサを使用することである。これらのトランスデューサは非線形素子であり、特定の時間にプレートのうちの一方に基準電圧信号が印加されると、トランスデューサ特性の結果として直接に混合が行われるであろう。また、生体組織の非線形性または撮像中の物体を混合器730として使用してもよい。
【0029】
受信回路700は、低速のポリシリコンエレクトロニクスの使用を可能にする直交検出の積分法を使用する。さらに、各画素内に複雑な混合器、高速サンプリング、およびアナログデジタル変換器(ADC)を有する他のCモードシステムと比較して、受信回路700のエレクトロニクス設計は非常に簡単である。これは、画素の間に忠実度の高い基準信号を分布させること、および画素全体でアナログ混合器をぴったり合わせることなどの問題を解決する。データ収集前に、受信回路700上の帯電および画素内の寄生電荷はスイッチM2 750を作動させることにより取り除かれる。その後、ダイオード730の非線形性が混合器として機能する場合、特定のレンジゲートにおいてRバイアス波形の直流成分がダイオード730にバイアスをかける。これは、図6に示すように同相成分および直交成分内のRバイアス正弦波基準信号または90度ずれた基準信号を用いて、受信された超音波信号を混合する。混合した後に、結果として得られた電流を、搬送波周波数の周期の例えば整数倍よりも長い時間にわたって受信器静電容量上で積分する。この積分された信号は、ある特定のレンジゲートにおける環境の反射率に関する情報を含むベースバンド受信信号の実数成分および虚数成分に比例している。これらの同相(I)および直交(Q)値は制御信号GnおよびGn+1を用いて読み取られ、図1に示す処理回路120を用いてデジタル化される。その後、振幅Aおよび位相Φは、それぞれ(I2+Q2)/2およびatan(Q/I)を用いてオフチップで計算してもよい。搬送波周波数の多くのサイクルの周期に等しい長い積分時間の利点は、低速エレクトロニクスを使用できることである。さらに、積分することにより信号を収集するため、信号強度を距離分解能および描画速度と交換してもよく、このことはポリシリコンTFTなどの低SN比を有する回路では重要である可能性がある。
【0030】
特定の平面においてピントの合った画像を形成するために、多数のC走査平面からの位相および振幅情報を図1に示すように収集してもよい。振幅および位相を収集しなければならない合計時間は、アレイ内のすべてのトランスデューサから、平面内のあらゆる点までの時間遅延の最大値により与えられる。最低レンジ・ゲート・サンプリング・レートはBf0であり、ここで、Bは送信信号の帯域幅であり、f0は信号の中心周波数である。このサンプリングレートは、特定の平面においてピントの合った画像を形成するために位相シフトおよび合計ビーム形成アルゴリズムを必要とする可能性があるC走査の最小間隔を決定し、システムの描画速度を制限する。
【0031】
上述の回路に対して多くの変更を行ってもよい。
【0032】
1つの変更は、データを読み取るまでIおよびQ成分を保存するための2つ以上のコンデンサが存在してもよいという点である。この変更は画素内にいくつかの追加のスイッチの組を必要とするであろう。
【0033】
上述の議論はパルス反射撮像に対するものである。しかしながら、位相および直交情報を収集する方法は透過撮像に対して採用してもよい。これは、送信器240および受信器220の相対位置を変化させることにより達成される。透過撮像では、位相および振幅情報は撮像中の物体のホログラムを再現するために使用してもよい。さらに、この情報は減衰、音速、または他の材料特性を抽出するために使用してもよい。この意味で、回路はトモグラフィアルゴリズムまたはホログラフィアルゴリズムによりその後処理できる位相および振幅データを収集するために使用してもよい。IおよびQ生成のこの方法は、周波数がTFTで使用するほど十分に低ければ、IR、電磁放射、およびコヒーレント撮像を要求する他の形態の放射などの超音波以外の他の様態に対して使用してもよい。
【0034】
図8は、一実施形態の、超音波撮像ユニットを構成するためのプロセス800を示すフローチャートである。
【0035】
開始時に、プロセス800は基板上に複数の受信器要素を有する受信器アレイを形成する(ブロック810)。受信器要素のそれぞれは、受信器トランスデューサと、薄膜トランジスタ(TFT)受信回路と、を含んでいてもよい。TFT受信回路は、受信信号と複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含んでいてもよい。受信器アレイを形成することは、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成するための制御回路を形成することを含み、レンジゲート信号は搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる。
【0036】
次に、プロセス800は送信器を複数の受信器要素に音響的に接続して、撮像媒体を通じて送信信号を生成する(ブロック820)。送信器は受信器の表面上に、基板の裏面上に、または受信器の反対側の撮像媒体上に、蒸着されてもよい。その後、プロセス800は終了する。
【0037】
図9は、一実施形態の、プロセス800で形成したような撮像ユニットを用いて超音波撮像を実行するためのプロセス900を示すフローチャートである。
【0038】
開始時に、プロセスは多重周期を有する送信信号を送信器により物体に送信する(ブロック910)。送信信号は物体に衝突すると、受信信号として受信器アレイの方向に向かって跳ね返る。次に、プロセス900は受信信号をメモリ内に保存される電圧要素に変換するために、複数の受信器要素を有する受信器アレイにより受信信号を処理する(ブロック920)。
【0039】
その後、プロセス900は十分な平面枚数に達しているかどうかを判断する(ブロック930)。まだ十分な平面枚数に達していないとき、プロセス900はブロック950に進み、次の平面に進んで、その後、ブロック910に戻る。すでに十分な平面枚数に達しているとき、プロセス900は後処理を実行して、ピントの合った画像を像平面上に生成する(ブロック940)。後処理を実行することは、ピントが合っている各画素に対して要素から撮像平面までの時間遅延または位相遅延を計算することと、物体に対応するピントの合った画像の個々の画素を提供するために時間シフトした信号または位相シフトした信号を合計することと、を含んでいてもよい。これは、図1に示すように複数の所望の平面位置1451〜145nに対応する検出信号の振幅および位相を取得することと、振幅および位相を積分することと、を含んでいてもよい。その後、プロセス900は終了する。
【0040】
図10は、一実施形態の、図9に示す受信信号を処理するためのプロセス920を示すフローチャートである。
【0041】
開始時に、プロセス920はレンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成する(ブロック1010)。レンジゲート信号は、搬送波周波数よりも長い周期を有していてもよい。合成バイアス信号は、受信器要素全体にわたって分散してもよい。次に、プロセス920は、レンジゲート信号の幅に等しい時間周期の間、受信信号と合成バイアス信号内の基準信号とを混合する(ブロック1020)。その後、プロセス920は電圧要素の中に混合された受信信号を積分する(ブロック1030)。電圧要素は同相成分および直交成分に対応してもよい。次に、プロセス920は電圧要素をメモリ内に保存する(ブロック1040)。その後、プロセス920は回路をリセットして帯電を取り除く(ブロック1050)。その後、プロセス920は終了する。
【0042】
図11は、一実施形態の、集中型マルチメディアアクセスを実行するための処理システム1100を示す図である。処理システム1100は、コンピュータシステムまたはモバイル機器の一部分であってもよい。処理システム1100は、プロセッサ1110と、チップセット1120と、メモリ1130と、相互接続1140と、大容量記憶媒体1150と、入出力(I/O)インタフェース1160と、を含んでいてもよい。処理システム1100は、上述の構成要素よりも多く含んでいてもよく、または少なく含んでいてもよい。
【0043】
プロセッサ1110は、ハイパースレッディング、セキュリティ、ネットワーク、デジタルメディア技術、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、組み込みプロセッサ、モバイルプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ、スーパースケーラコンピュータ、ベクトルプロセッサ、単一命令複数データ(SIMD)コンピュータ、複合命令セットコンピュータ(CISC)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、超長命令語(VLIW)、またはハイブリッドアーキテクチャを用いるプロセッサなどの任意の種類のアーキテクチャの中央処理装置であってもよい。
【0044】
チップセット1120は、メモリ1130、大容量記憶媒体1150、およびネットワーク・インタフェース・カード1160のようなメモリおよび入出力(I/O)装置の制御およびコンフィギュレーションを提供する。チップセット1120は、I/O制御、グラフィックス、媒体、ホスト周辺機器間バスインタフェース、メモリ制御、パワーマネージメントなどのような複数の機能を統合してもよい。
【0045】
メモリ1130はシステムコードおよびデータを保存する。メモリ1130は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、または読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリを含むリフレッシュする必要がないメモリを含む他の任意の種類のメモリを用いて通常実現してもよい。一実施形態では、メモリ1130は処理モジュール1135を含んでいてもよい。処理モジュール1135、またはそれの構成要素のうちのいずれかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを用いて実現してもよいことを想定する。処理モジュール1135は、撮像媒体内の所望の平面位置に対する複数のレンジゲートに対応する直交検出信号の振幅および位相を取得すること、および/またはピントの合った画像の個々の画素を提供するために直交検出信号の振幅および位相を積分することなどの、上述の機能または動作のうちのいずれかを実行してもよい。
【0046】
相互接続1140は、チップセット1120が大容量記憶媒体1150およびI/Oインタフェース1160のような周辺機器と通信するためのインタフェースを提供する。相互接続1140はポイント・ツー・ポイント接続であってもよく、または複数の装置に接続されてもよい。明確にするために、すべての相互接続を図示してはいない。相互接続1140は、周辺構成要素相互接続(PCI)、PCIエクスプレス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、およびダイレクト・メディア・インタフェース(DMI)などのような任意の相互接続またはバスを含んでいてもよいことを想定する。大容量記憶媒体1150は、コンパクトディスク(CD)と、読み出し専用メモリ(ROM)と、メモリスティックと、メモリカードと、スマートカードと、デジタルビデオ/汎用ディスク(DVD)と、フロッピーディスク・ドライブと、ハードドライブと、テープドライブと、他の任意の電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または光学記憶デバイスと、を含んでいてもよい。大容量記憶デバイスは、機械アクセス可能媒体を読み取るための機構を提供する。入出力インタフェース1160は、撮像構造150のようなI/Oデバイスへのインタフェースを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号に対応する受信信号の同相成分および直交成分を検出するために基板上に複数の受信器要素を有する受信器アレイを含み、前記受信器要素のそれぞれは受信器トランスデューサと薄膜トランジスタ(TFT)受信回路とを含み、前記TFT受信回路は前記受信信号と前記複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号内の基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含み、
前記複数の受信器要素に音響的に接続され、撮像媒体を通じて前記送信信号を生成するための送信器を含む、
装置。
【請求項2】
前記合成バイアス信号が導電層を介して前記複数の受信器要素全体にわたって分散される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記受信回路が、
前記直交検出器に接続され、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである前記合成バイアス信号を生成するための制御回路をさらに含み、前記レンジゲート信号は搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
多重周期を有する送信信号を送信器により物体に送信することを含み、前記送信信号は受信信号として受信器アレイの方向に向かって跳ね返り、
前記受信信号をメモリ内に保存される電圧に変換するために、複数の受信器要素を有する前記受信器アレイにより前記受信信号を処理することを含む、方法であって、前記受信信号を処理することは、
レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成することを含み、前記レンジゲート信号は搬送波周波数よりも長い周期を有し、前記合成バイアス信号は前記受信器要素全体にわたって分散され、
前記レンジゲート信号の幅に等しい時間周期の間、前記受信信号と前記基準信号とを混合することを含む、
方法。
【請求項5】
十分な平面枚数に達しているかどうかを判断することと、
後処理を実行することと、をさらに含み、後処理を実行することは、
ピントが合っている各画素に対して要素から平面までの時間遅延または位相遅延を計算することと、
前記物体に対応するピントの合った画像の個々の画素を提供するために時間シフトした信号または位相シフトした信号を合計することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記受信信号を処理することが、
前記電圧の中に前記混合された受信信号を積分することと、
前記電圧を前記メモリの記憶素子内に保存することと、
リセットして帯電を取り除くことと、をさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項1】
送信信号に対応する受信信号の同相成分および直交成分を検出するために基板上に複数の受信器要素を有する受信器アレイを含み、前記受信器要素のそれぞれは受信器トランスデューサと薄膜トランジスタ(TFT)受信回路とを含み、前記TFT受信回路は前記受信信号と前記複数の受信器要素全体にわたって分散された合成バイアス信号内の基準信号とを混合するための混合器を有する直交検出器を含み、
前記複数の受信器要素に音響的に接続され、撮像媒体を通じて前記送信信号を生成するための送信器を含む、
装置。
【請求項2】
前記合成バイアス信号が導電層を介して前記複数の受信器要素全体にわたって分散される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記受信回路が、
前記直交検出器に接続され、レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである前記合成バイアス信号を生成するための制御回路をさらに含み、前記レンジゲート信号は搬送波周波数周期よりも長い積分時間周期を開始させる、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
多重周期を有する送信信号を送信器により物体に送信することを含み、前記送信信号は受信信号として受信器アレイの方向に向かって跳ね返り、
前記受信信号をメモリ内に保存される電圧に変換するために、複数の受信器要素を有する前記受信器アレイにより前記受信信号を処理することを含む、方法であって、前記受信信号を処理することは、
レンジゲート信号および基準信号の組み合わせである合成バイアス信号を生成することを含み、前記レンジゲート信号は搬送波周波数よりも長い周期を有し、前記合成バイアス信号は前記受信器要素全体にわたって分散され、
前記レンジゲート信号の幅に等しい時間周期の間、前記受信信号と前記基準信号とを混合することを含む、
方法。
【請求項5】
十分な平面枚数に達しているかどうかを判断することと、
後処理を実行することと、をさらに含み、後処理を実行することは、
ピントが合っている各画素に対して要素から平面までの時間遅延または位相遅延を計算することと、
前記物体に対応するピントの合った画像の個々の画素を提供するために時間シフトした信号または位相シフトした信号を合計することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記受信信号を処理することが、
前記電圧の中に前記混合された受信信号を積分することと、
前記電圧を前記メモリの記憶素子内に保存することと、
リセットして帯電を取り除くことと、をさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−125560(P2012−125560A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258238(P2011−258238)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
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