説明

表面処理方法及び装置

【課題】熱光線の波長にかかわらず、確実に吸光して局所加熱可能な表面処理方法を提供する。
【解決手段】黒系色の吸光膜93を被処理物90の外周部(処理すべき部位)に被膜する。照射手段33からの熱光線35を被処理物90の吸光膜被膜部位の一箇所P1に局所照射するとともに、噴出部43からオゾン(処理ガス)を局所照射箇所P1に噴き付け、吸引部54にて局所照射箇所P1の近傍のガスを局所的に吸引する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物を局所的に輻射加熱して表面処理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1では、被処理物の外周部をレーザ(熱光線)で局所的に輻射加熱し、そこに処理ガスを噴き付けて、外周部の不要物をアッシングして除去している。被処理物を非接触で加熱できるためパーティクルの発生を防止することができる。
【特許文献1】特開2006−49869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被処理物はその組成に応じた光吸収帯を有している。一方、加熱源のレーザは、その種類に応じて波長が決まっている。レーザの波長が被処理物の光吸収帯から大きくずれていると、被処理物を十分に加熱することができず、処理効率を高めることができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたものであり、被処理物を熱光線で輻射加熱して表面処理する方法であって、黒系色の吸光膜を前記被処理物の処理すべき部位に被膜し、この被膜された部位に局所的に前記熱光線を照射することを特徴とする。
黒系色吸光膜は、熱光線(レーザ)をその波長に拘わらず確実に吸収することができる。したがって、被処理物の処理すべき部位を確実に局所加熱することができる。この結果、処理効率を高めることができる。また、熱光線(レーザ)の波長に制限が無いため、半導体レーザ(波長:800nm程度)、炭酸レーザ(波長:10.6μm)、ヘリウムネオンレーザ(波長:632.8nm)、アルゴンレーザ(波長:488〜514.5nm)、YAGレーザ(波長:1.06μm)等、種々の熱光線源(レーザ源)を適用することができ、熱光線源(レーザ源)の選定が容易になる。例えば、被処理物の基板が石英ガラス(吸収波長:2.6μm)である場合でも、炭酸レーザに限られず、半導体レーザをも使用可能になる。
ここで、黒系色とは、黒色の他、黒色に近い色彩を含む。
【0005】
前記吸光膜を前記被処理物の外周に沿って設け、前記熱光線の局所照射箇所を前記被処理物に対し被処理物の外周に沿って相対移動させることにしてもよい。そうすると、被処理物の外周部を前記処理すべき部位として表面処理することができる。
前記吸光膜は、前記被処理物の処理すべき部位の全体にあらかじめ設け、そのうえで前記熱光線を局所照射することにしてもよい。
【0006】
前記被処理物を前記熱光線の局所照射箇所に対し相対移動させ、前記被処理物における前記局所照射箇所の相対移動方向の上流側に前記吸光膜となるべき黒系色の吸光剤を局所的に塗布することにしてもよい。
また、本発明は、被処理物を輻射加熱して表面処理する装置であって、
前記被処理物に局所的に熱光線を照射する照射手段と、
前記照射手段に対し前記被処理物を相対移動させる移動手段と、
前記照射手段に対し位置固定され、前記被処理物における前記熱光線の局所照射箇所より前記相対移動方向の上流側に黒系色の吸光剤を局所的に塗布する吸光剤塗布手段と、
を備えたことを特徴とする。
これによって、熱光線を確実に吸収でき、被処理物の処理すべき部位を確実に局所加熱できるとともに、熱光線源の選定を容易化できる。また、被処理物の同一箇所を繰り返し処理する場合、処理の度に当該箇所に吸光剤を塗布したうえで局所照射することができ、処理効率を確実に向上させることができる。
前記吸光剤塗布手段は、滴下など、被処理物と非接触で吸光剤を塗布するようになっているのが好ましい。
【0007】
前記局所照射箇所に向けて処理ガスを局所的に噴き付けるとともに、前記局所照射箇所の近傍のガスを局所的に吸引することにしてもよい。
前記表面処理装置が、前記照射手段に対し位置固定され、前記被処理物における前記熱光線の局所照射箇所に処理ガスを局所的に噴出する噴出部と、前記照射手段に対し位置固定され、前記局所照射箇所の近傍のガスを局所的に吸引する吸引部と、を更に備えていてもよい。
このような加熱と処理ガスを用いた表面処理として、例えば樹脂等の有機化合物のアッシングが挙げられる。この場合、前記吸光膜(又は前記吸光剤)は、有機系であることが好ましい。また、処理ガスとして、オゾン等の酸素性反応種を用いるのが好ましい。これによって、局所加熱された吸光膜をオゾン等の処理ガスでアッシングするとともに、その下層の有機化合物層をアッシングすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱光線を被処理物の処理すべき部位に確実に吸収させることができ、処理すべき部位を確実に局所加熱することができる。この結果、処理効率を高めることができる。さらには、熱光線源の選定を容易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示したものである。この実施形態の被処理物は、液晶パネル90である。液晶パネル90は、四角形の平板状の石英ガラスを基板91とし、その上面に電極となる導電層(図示せず)やポリイミド等の樹脂層92(有機物層)が形成されている。石英ガラスの吸収波長は、2.6μmであり、ポリイミドの吸収波長は、248nmである。図示は省略するが、液晶パネル90の端部には、異方性導電膜を介してTABやTCP等の駆動用回路基板が接続される。本実施形態の表面処理装置10は、駆動用回路基板の接続工程に先立ち、液晶パネル90の端部の樹脂層92をアッシングして除去するのに用いられる。
【0010】
図1に示すように、表面処理装置10は、ハウジング11と、輻射加熱系30と、ガス供給系40と、吸引排気系50とを備えている。ハウジング11の内部は、処理室12になっている。ハウジング11の天井部にはファンフィルタユニット13が設けられている。ファンフィルタユニット13によってフィルタリングされたクリーンエアが処理室12内に送り込まれるようになっている。処理室12の床部には排気口14が設けられ、この排気口14から排気ダクト15が延びている。
【0011】
処理室12内にステージ16が設置され、その上方に架台(図示省略)に支持された処理ヘッド17が配置されている。図2に示すように、ステージ16は、平面視四角形のプレート状になっている。ステージ16の上面に、処理すべき液晶パネル90が設置されている。ステージ16の外周部には、液晶パネル90を位置決めするための位置決め凸部16aが設けられている。
【0012】
ステージ16は、移動手段20に連結されている。移動手段20は、ステージ16をX(左右)及びy(前後)方向に移動させるXY駆動部21と、ステージ16を中心軸線のまわりに回転させる回転駆動部22とを含んでいる。これにより、ステージ16ひいては処理対象の液晶パネル90が、固定系の処理ヘッド17に対し移動されるようになっている。
ステージ16が固定される一方、処理ヘッド17が移動手段20に接続されて移動されるようになっていてもよい。
【0013】
上記輻射加熱系30について説明する。
ハウジング11の外部にレーザ発振器31が配置されている。レーザ発振器31からレーザ(熱光線)が発振される。レーザの種類には特に限定が無く、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、YAGレーザ等の種々のレーザを用いることができる。ここでは、レーザ発振器31として例えば半導体レーザ源が用いられている。半導体レーザの波長は、800nm程度である。ちなみに、炭酸ガスレーザの波長は、10.6μmであり、ヘリウムネオンレーザの波長は、632.8nmであり、アルゴンレーザの波長は、488〜514.5nmであり、YAGレーザの波長は、1.06μmである。
レーザ発振器31には冷却用のチラー34が接続されている。
【0014】
処理ヘッド17の内部には照射ユニット33(照射手段)が配置されている。照射ユニット33は、光ファイバー32(光伝送手段)を介してレーザ発振器31に光学的に接続されている。レーザ発振器31からのレーザが光ファイバー32を経て照射ユニット33に送られる。半導体レーザであるため、光ファイバー32による伝送が容易であり、光伝送手段をコンパクト化できる。
なお、光伝送手段としてレンズアレイ等を用いてもよい。
【0015】
照射ユニット33にはレンズ等の光学部材(図示省略)が内蔵されており、これら光学部材によってレーザ35を収束させて垂直下方へ出射するようになっている。図2に示すように、このレーザ35が、ステージ16上の液晶パネル90の上面外周部の一箇所P1(被処理位置)に局所的に照射されるようになっている。局所照射箇所P1は、例えば直径2mm程度のスポット状(点状)になっている。
【0016】
照射ユニット33には焦点調節機構36が接続されている。この焦点調節機構36によって照射ユニット33を昇降させるなどして焦点を調節できるようになっている。
【0017】
次に、上記ガス供給系40について説明する。
図1に示すように、ハウジング11の外部には処理ガス源41が設けられている。処理ガス源41は、処理対象に応じた反応成分を含む処理ガスを生成し、ないしは貯留している。例えば、ポリイミド等の樹脂層92のアッシングの場合、処理ガス源41としてオゾナイザーが用いられる。オゾナイザーは、酸素(O)を原料にしてオゾン(O)を生成する。処理ガス源41としてプラズマ生成装置を用いてもよい。プラズマ生成装置は、少なくとも一対の電極を有し、これら電極間でプラズマを生成し、酸素(O)等の原料ガスをプラズマ化して酸素ラジカル等の反応成分を生成する。プラズマは大気圧近傍下で生成するのが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい。
【0018】
図1及び図2に示すように、処理ヘッド17の内部には、噴出ノズル43(噴出部)が設けられている。処理ガス源41からガス供給路42が延び、噴出ノズル43の基端部に連なっている。図5にも示すように、噴出ノズル43は、細い管状をなし、平面視でx軸(左右方向)に沿って延びるとともに、先端の噴出口45に向かうにしたがって下に傾けられている。噴出ノズル43の延長線上であって噴出口45の近傍に被処理位置P1がほぼ位置されるようになっている。噴出ノズル43は、照射ユニット33に対し位置固定されている。
【0019】
次に、上記吸引排気系50について説明する。
図1及び図2に示すように、処理ヘッド17の内部には、吸引ノズル54(吸引部)が設けられている。図5にも示すように、吸引ノズル54は、噴出ノズル43より大径の管にて構成され、平面視でx軸(左右方向)に沿って噴出ノズル43と一直線に対峙するとともに、先端の吸引口56に向かうにしたがって下に傾けられている。吸引ノズル54の先端部分55の延長線上であって吸引口56の近傍に被処理位置P1がほぼ位置されるようになっている。吸引ノズル54は、照射ユニット33に対し位置固定されている。
【0020】
図1に示すように、吸引ノズル54の基端部は、ステージ16の外側に延び出るとともに、そこから吸引排気路53が延び、この吸引排気路53がスクラバ等の無害化手段52を介して吸引ポンプ51に接続されている。
【0021】
本発明の最も特徴的な部分について説明する。
図3及び図4に示すように、液晶パネル90の上面の外周部(処理すべき部位)には、吸光膜93が被膜されている。吸光膜93は、四角形の枠形状の黒系色の樹脂(有機化合物)フィルムで構成されている。フィルム93の外周縁は、液晶パネル90の外周縁にちょうど沿っている。フィルム93の幅は、樹脂膜92のアッシングすべき幅とほぼ等しく、例えば2mm程度になっている。
【0022】
吸光膜93は、黒色系であるからほぼ全ての光を吸収可能であり、その光吸収帯は、本実施形態で使用する半導体レーザの波長を含むだけでなく、それ以外の種々のレーザ(例えば炭酸ガスレーザ、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、YAGレーザ等)の波長をも含み、さらには、液晶パネル90を構成する石英ガラス91の吸収波長、及びポリイミド樹脂92の吸収波長をも含む。
【0023】
上記構成の表面処理装置10を用いて液晶パネル90の外周部の樹脂層92をアッシングする方法を説明する。
図3(a)に示すように、処理すべき液晶パネル90の外周部に吸光膜93を貼り付ける。図2に示すように、この液晶パネル90をステージ16にセットし、その外周部が処理ヘッド17の直下に位置するよう位置決めする。そして、図2及び図5に示すように、レーザ発振器31からのレーザを、光ファイバー32を介して照射ユニット33から出射する。このレーザ35は、照射ユニット33の真下の黒系色の吸光膜93に局所的に照射され、ほぼ完全に吸収される。これにより、局所照射箇所P1の吸光膜93が瞬間的に加熱されて高温になる。この局所照射箇所P1における吸光膜93の熱が、下側の樹脂層92に伝達され、局所照射箇所P1における樹脂層92も高温化される。
【0024】
併行して、処理ガス源41からの処理ガス(オゾン含有ガス)を、ガス供給路42を介して噴出ノズル43から噴出する。この噴出ガスが、上記局所加熱された被処理位置P1の吸光膜93に局所的に接触し、この被処理位置P1の吸光膜93をアッシングして除去し、さらに、その下側に現れた樹脂層92の加熱箇所に局所的に接触する。これにより、被処理位置P1の樹脂層92を局所的にアッシングして除去することができる。
【0025】
更に、吸引ポンプ51を駆動し、吸引ノズル54によって被処理位置P1の近傍の局所吸引を行なう。これにより、反応副生成物を含む処理済みのガスを吸引できる。吸引されたガスは、吸引排気路53を経て無害化手段52で無害化され、吸引ポンプ51から排出される。
【0026】
更に、図5の白抜き矢印に示すように、移動手段20のXY駆動部21によってステージ16を右方向に移動させる。これにより、被処理位置P1が液晶パネル90の後端側(図2において上側)の縁に沿って移動し、後端側の樹脂層92をアッシングすることができる。被処理位置P1が液晶パネル90の角に達したときは、移動手段20の回転駆動部22でステージ16を90度回転させるとともに、XY駆動部21によって回転によるずれを修正した後、液晶パネル90のもう1つの縁の樹脂層92をアッシングする。このようにして、液晶パネル90の4つの縁の樹脂層92をアッシングし除去する。
【0027】
このアッシング方法によれば、被処理物90の被処理部位にあらかじめ吸光膜93を設けているので、被処理部位におけるレーザの吸収効率ひいては輻射加熱効率を十分に高めることができる。これによって、良好なアッシングを行なうことができる。吸光膜92は、極めて広域の吸光帯を有しているため、レーザの波長に制限が無く、半導体レーザだけに限られず、炭酸ガスレーザ、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、YAGレーザ等、ほぼ全ての種類のレーザ源に対応することができる。したがって、レーザ源の選択の容易化を図ることができる。
【0028】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。この実施形態では、被処理物の液晶パネル90に黒系色フィルムからなる吸光膜93を設けるのに代えて、表面処理装置10に吸光剤塗布手段70が設けられている。
【0029】
吸光剤塗布手段70は、吸光剤供給源71と、この供給源71に供給ライン72を介して接続された吸光剤滴下ノズル73とを有している。吸光剤供給源71には、黒系色の水性又は油性インクからなる吸光剤94が蓄えられている。黒系色の吸光剤94は、第1実施形態のフィルム93と同様に、ほぼ全ての光を吸収可能である。この吸光剤が供給ライン72を経て滴下ノズル73に供給されるようになっている。
吸光剤94は有機性の顔料であることが望ましい。
【0030】
滴下ノズル73は、先端のノズル口73aを下に向け、処理ヘッド17(図1参照)内の照射ユニット33の左側に少し離れた位置に固定されている。この滴下ノズル73の取り付け位置は、液晶パネル90における局所照射箇所P1より移動方向(図6の白抜き矢印)の上流側の位置に対応している。
【0031】
処理の際は、液晶パネル90を移動手段20(図2参照)にて右方向へ移動させながら、吸光剤94が、滴下ノズル73のノズル口73aから連続的に滴下され、真下の液晶パネル90の外周部上に局所的に塗布される。したがって、液晶パネル90における滴下ノズル73より下流側の上面外周部には、吸光剤94の膜94Aが線状に形成される。この膜94Aが、やがて照射ユニット33の真下の局所照射位置P1に位置するようになる。この局所照射位置P1の膜94Aにレーザ35が照射される。これによって、局所照射位置P1の膜94Aが、瞬間的に加熱されて高温になり、その熱が下側の樹脂層92に伝達され、局所照射箇所P1における樹脂層92も高温化される。この高温化された部分に噴出ノズル43からの処理ガスが噴き付けられ、局所照射位置P1の吸光膜94A及び樹脂層92がアッシングされて除去される。処理済みガスは、吸引ノズル54に吸引される。
【0032】
この実施形態においても、レーザの吸収効率ひいては輻射加熱効率を十分に高めることができ、良好なアッシングを行なうことができる。また、レーザの波長に制限が無く、半導体レーザに限られず、種々のレーザに対応できるため、レーザ源の選択の容易化を図ることができる。
また、液晶パネル90を一周させるだけでは外周の樹脂層92を除去しきれないときは、周回を繰り返し、同じ箇所を複数回アッシングすることになるが、その箇所が滴下ノズル73の真下に位置する度に吸光剤94を塗布したうえで局所照射箇所P1へ送ることができる。したがって、同一箇所の複数回の処理にも対応することができる。
【0033】
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、当業者に自明の範囲で種々の改変をなすことができる。
例えば、アッシング(又はエッチング)の対象物は、液晶パネル90の樹脂層92に限られず、例えばFEDや有機ELパネルの絶縁層であってもよく、レチクルのペリクル除去時に残った接着層であってもよく、ウェハにフォトレジストをスピンコートにて被膜する際にウェハ外周部に形成される不要膜であってもよく、樹脂(有機物)に限られず、SiOやSiN等の無機物であってもよい。
さらには、輻射加熱による表面処理であればアッシングやエッチングに限られず、その他の表面処理にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えば画像表示装置用等の半導体装置の製造工程におけるアッシングやエッチング等の表面処理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、表面処理装置の全体構成の解説側面図である。
【図2】上記表面処理装置の処理室内の概略構成を示す斜視図である。
【図3】(a)は、被処理物の液晶パネルに吸光膜を貼り付ける前の分解斜視図であり、(b)は、吸光膜を貼り付けた液晶パネルの斜視図である。
【図4】図3(b)のIV-IV線に沿う上記液晶パネルの外周部の側面断面図である。
【図5】上記表面処理装置の処理ヘッドの主要構成部を処理時の状態で示す、図1のV-V線に沿う正面断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示し、表面処理装置の処理ヘッドの主要構成部の処理時における正面断面図である。
【符号の説明】
【0036】
P1 局所照射箇所
10 表面処理装置
11 ハウジング
12 処理室
13 ファンフィルタユニット
14 排気口
15 排気ダクト
16 ステージ
16a 凸部
17 処理ヘッド
20 移動手段
21 XY駆動部
22 回転駆動部
30 輻射加熱系
31 レーザ発振器(熱光線源)
32 光ファイバー(熱光線伝送手段)
33 照射ユニット(照射手段)
34 チラー
35 レーザ(熱光線)
36 焦点調節機構
40 ガス供給系
41 処理ガス源
42 ガス供給路
43 噴出ノズル(噴出部)
45 噴出口
50 吸引排気系
51 吸引ポンプ
52 無害化手段
53 吸引排気路
54 吸引ノズル(吸引部)
56 吸引口
70 吸光剤塗布手段
71 吸光剤供給源
72 供給ライン
73 吸光剤滴下ノズル(塗布ノズル)
73a ノズル口
90 液晶パネル(被処理物)
91 ガラス基板
92 樹脂層
93 黒系色フィルム(吸光膜)
94 黒系色吸光剤
94A 吸光膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を熱光線で輻射加熱して表面処理する方法であって、
黒系色の吸光膜を前記被処理物の処理すべき部位に被膜し、この被膜された部位に局所的に前記熱光線を照射することを特徴とする表面処理方法。
【請求項2】
前記吸光膜を前記被処理物の外周に沿って設け、前記熱光線の局所照射箇所を前記被処理物に対し被処理物の外周に沿って相対移動させることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項3】
前記被処理物を前記熱光線の局所照射箇所に対し相対移動させ、前記被処理物における前記局所照射箇所の相対移動方向の上流側に前記吸光膜となるべき黒系色の吸光剤を局所的に塗布することを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
【請求項4】
前記局所照射箇所に向けて処理ガスを局所的に噴き付けるとともに、前記局所照射箇所の近傍のガスを局所的に吸引することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表面処理方法。
【請求項5】
被処理物を輻射加熱して表面処理する装置であって、
前記被処理物に局所的に熱光線を照射する照射手段と、
前記照射手段に対し前記被処理物を相対移動させる移動手段と、
前記照射手段に対し位置固定され、前記被処理物における前記熱光線の局所照射箇所より前記相対移動方向の上流側に黒系色の吸光剤を局所的に塗布する吸光剤塗布手段と、
を備えたことを特徴とする表面処理装置。
【請求項6】
前記照射手段に対し位置固定され、前記被処理物における前記熱光線の局所照射箇所に処理ガスを局所的に噴出する噴出部と、
前記照射手段に対し位置固定され、前記局所照射箇所の近傍のガスを局所的に吸引する吸引部と、
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の表面処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−130000(P2009−130000A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300941(P2007−300941)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】