説明

走行機における作業具のリフト及びチルト機構用制御及び調整システム

本発明は、少なくとも第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)、少なくとも第1及び第2リフトシリンダ(61,62)、及び吐出量を調整可能な第1及び第2油圧ポンプ(15,75)からなる走行機におけるローディングショベル(6)のリフト機構(100)用油圧制御及び調整システムに関する。前記第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)において、調整ピストン(3,5)はそれぞれ移動可能であり、第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)を2つの調圧室(7及び8,9及び10)にそれぞれ分割する。同様に調整ピストン(63,65)も移動可能であり、2つのリフトシリンダ(61,62)を2つの調圧室(67及び68,69及び70)にそれぞれ分割する。第1油圧閉回路において、第1油圧ポンプ(15)の第1及び第2接続部(14,17)はショベルシリンダ(1,2)のピストン側調圧室(7,9)、及びショベルシリンダ(1,2)のピストンロッド側調圧室(10,8)にそれぞれ接続する。第2油圧閉回路において、第2油圧ポンプ(75)の第1及び第2接続部(74,77)はリフトシリンダ(62,61)のピストン側調圧室(70,67)、及びリフトシリンダ(62,61)のピストンロッド側調圧室(68,69)にそれぞれ接続する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機における作業具のリフト及びチルト機構用制御及び調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショベル形状の作業具を備える走行機、例えば、ホイールローダ、掘削機、及びフォークリフトトラックにおける油圧作動装置は、リフト機構及びチルト機構からなる。リフト機構は、2つのリフトシリンダで油圧駆動し、車体に対する旋回運動により旋回方向に応じて作業具を昇降する車体と作業具の間に位置するブームからなる。チルト機構は、車体とショベル形状の作業具の間に搭載する1、又は2つのショベルシリンダを有し、ショベルを傾斜方向に応じて内側傾斜又は外側傾斜運動に駆動する。
【0003】
この種の油圧作動装置用油圧制御装置は、特許文献1に詳述される。2つのリフト及びショベルシリンダは、その都度並列に切替えられる。リフトシリンダ内の調整ピストンの位置及び運動方向は、車体に対するローディングショベルのリフト高、及び垂直方向運動を決定する。同じように、ショベルシリンダ内の調整ピストンの位置及び運動方向はローディングショベルの傾斜角、及び傾斜方向を決定する。リフト又はショベルシリンダ内の調整ピストンの位置及び運動方向は、ピストン側調圧室とピストンロッド側調圧室の間の圧力差により決定される。特定の調整圧の油圧油は、圧力及び吐出流を調節する一般的な油圧ポンプにより個別のリフト及びショベルシリンダ内のピストン側調圧室及びピストンロッド側調圧室へ供給される。
【0004】
これは、第1象限運転で運転する油圧ポンプであるので、リフト及びショベルシリンダのピストン側調圧室とピストンロッド側調圧室の間の調整圧の差の切替えは、油圧ポンプと、リフトシリンダ及びショベルシリンダとの間の油圧負荷回路内の制御ブロック内の制御弁を介して行われる。これらの各制御弁、リフト機構、及びチルト機構に対して各1つの制御弁は、リフト高、傾斜角、垂直方向運動、及び傾斜方向の所望の基準値の機能としてステアリング機器、例えば、ステアリングホイール、又はジョイスティックが取り付けられるパイロット方式装置を介して作動する。
【0005】
油圧ポンプから各リフト及びショベルシリンダへの油圧油の荷重に応じた流れは、制御弁(プライオリティ弁)の中間切替えを介して測定される。
【0006】
このリフト及びショベルシリンダの油圧作動には、いくつか不都合がある。
油圧リフト機構の調整エネルギー準位は、油圧チルト機構の調整エネルギー準位とは完全に桁違いである(リフト機構:約150から180バール、チルト機構:約20から50バール)。単独の油圧ポンプとして、最大吐出量はリフト機構が必要とする油圧量に設定され、リフト及びチルト機構に対して使用されるため、チルト機構の油圧作動の場合、結果的に重要な油圧エネルギーロスが起こる。この油圧エネルギーロスは、油圧作動装置の油圧効率を不必要に低下させることに加えて、除去しなければならない熱を発生する。
【0007】
油圧作動装置の所望の理論値−リフト高、傾斜角、垂直方向運動、及び傾斜方向−に従って油圧ポンプからリフト及びショベルシリンダの的確な調圧室へ油圧油を流す回路は、制御ブロック内の高額な制御弁を介すことでのみ油圧ポンプの第1象限運転に基づいて製造可能となる。制御工学の観点から制御弁の構造(例えば、制御弁における繊細な制御溝のパラメーター表示)は、構成が非常に難しい。更に、制御ブロックを用いると、油漏れ部位が発生する付加的な危険性を意味する配管及びねじ込み継手に相当な費用が掛かる。更に配管及び、ねじ込み継手を含む制御ブロックは、追加的な空間を必要とする。システムがより複雑になるため、組立て、維持、及びサービスに対する経費が増加する。制御弁は、油圧ポンプと油圧シリンダの間の通常の油圧負荷パイプと比較して流積が調整可能であるため、より高い通過抵抗を油圧負荷回路に生じさせる。負荷回路での流積は、この種の作動油圧の効率を不必要に低減させる不要な油圧ロスを生じる。
【0008】
【特許文献1】欧州特許第0564939号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、油圧作動装置の所望の理論値−リフト高、傾斜角、垂直方向運動、及び傾斜方向−に必要とされる調整圧を、可変油圧ポンプからリフト及びショベルシリンダの2つの調圧室へ、追加的な制御及び調整装置、例えば、制御ブロック内の制御弁等の中間切替え無しで該各調圧室へ直接導く方法で、請求項1及び6の前文による走行機における作業具のリフト機構及びチルト機構用油圧制御及び調整システムを更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、請求項1又は6の特徴を用いる走行機における作業具のリフト機構又はチルト機構用油圧制御及び調整システムにより達成される。
【0011】
請求項1及び6による油圧制御及び調整システムを、油圧開回路を使用する特許文献1の装置と区別する本質的な特徴は、油圧ポンプと各油圧消費機器(リフト機構のリフトシリンダ、及びチルト機構のショベルシリンダ)の間で閉回路を使用する点である。これは、油圧ポンプから油圧消費機器へ移送する吐出量が、油圧消費機器から油圧ポンプへ戻る吐出量に相当することを前提とする。
【0012】
油圧閉回路において、油圧開回路と対照すると、膨張から圧縮へ移行する際、油圧ポンプの低圧側接続部に接続する調圧室内で真空が発生する可能性がない。シリンダ内が真空である場合に起こるキャビテーションは、シリンダに損傷を生じ得るが、油圧閉回路の場合には起こらない。
【0013】
油圧閉回路において、第2象限運転で運転する油圧ポンプの使用が可能である。このように、流れ方向、及び2つの接続部において印加する調整圧レベルについては油圧ポンプを調整して、リフト又はショベルシリンダの2つの調圧室に対して所定の調整圧の差を形成することが可能である。従って、油圧ポンプの2つの接続部における一方向の調整圧の差からリフト又はショベルシリンダの2つの調圧室内で所定の調整圧の差を形成するために高額な制御弁を用いる制御ブロックの中間切替は必要無い。油圧ポンプの2つの接続部間の調整圧の差は、油圧ポンプを実装可能な調整範囲内であれば調整装置のどこにでも極性及びレベルに関して設定可能である。従って、必須である調整圧の差の調整は、この設備において油圧ポンプの負荷回路から制御回路へ移動する。
【0014】
結果として、走行機における作業具のリフト及びチルト機構のための本発明による油圧制御及び調整装置には、配管及び、ねじ込み継手への付加的な支出、追加的な空間の必要性、付加的な油漏れ部位の発生、追加的な組立て、維持、及びサービスに対する支出、負荷回路におけるより小さな流路抵抗、及び中でもより高いシステム費用という上記欠点がもはやない。
特に詳細な本発明の有利な構成は従属項に言及される。
【0015】
調整ピストンを移動させる際に、ピストン側調圧室及びピストンロッド側調圧室において圧縮又は膨張容積が異なることにより、特許文献1に記載の2つのリフト及び/又はショベルシリンダの並列回路は不要となる。
【0016】
従って、2つのリフト又はショベルシリンダそれぞれを逆並行に接続して調整ピストンを移動させる場合に、リフト及びショベルシリンダのどちらも均等に膨張及び圧縮容積を導入するのが有効である。調整ピストンが移動する際にリフト又はショベルシリンダの調圧室内の膨張及び圧縮容積を均一にすることで、油圧閉回路を実施するための、送りパイプ及び戻りパイプの均等な吐出量が保証される。
【0017】
油圧ポンプをそれぞれ別個にすることが、リフト機構及びチルト機構用油圧閉回路を実施するのに有利である。これにより、リフト又はショベルシリンダの調圧室に必要とされる調整圧の差が2つの油圧ポンプの各調整装置により互いに個別に設定可能である。油圧開回路による実施と同様のリフト及びチルト機能の相互の悪影響はもはやない。また、各油圧ポンプは、吐出容量に関してリフト又はチルト機構の要求容量に適合可能である。油圧開回路を用いる油圧ポンプの吐出容量は、最大に負担のかかる消費機器の要件に順応しなければならない。油圧開回路において、チルト機構は過度に多い油圧容量が供給され、チルト機構の効率を不必要に低下させる可能性がある。
【0018】
2つの油圧ポンプの調整装置用調整弁は、電気又は油圧で作動可能である。
油圧で実施する場合、各油圧ポンプ、つまり各油圧機能であるリフト機構、チルト機構のためのステアリング機器の各偏向寸法に、ステアリング機器、例えば、ジョイスティックを介して作動するパイロット方式装置が使用される。パイロット方式装置は、調整弁ピストンの振れに必要とされる調整圧対をステアリング機器の偏向に対応する出力部に形成する。
【0019】
電気作動の場合、ステアリング機器の機械的偏向は、変圧器を介して調整弁ピストンを振れさせるために調整電磁石に供給される電気信号に変換される。油圧作動に対して、電気作動の利点は、配管、ねじ込み継手、及び油圧調整弁が無く、特に運転手のキャブに必要とされる空間が小さいので技術的な経費が低いことである。走行機の現存する制御システムへの電気作動の単純なシステム統合、例えば、油圧駆動用制御は、電気作動の更なる利点を表す。
【0020】
ローディングショベルが調整圧無しで単にローディングショベル自身の重量に基づいて、平面を平らにする走行機の操作状態「浮動位置」におけるショベルシリンダのピストン側調圧室とピストンロッド側調圧室との接続は、油圧閉回路では比較的容易に実施される。油圧開回路では、この操作状態とするためには制御ブロック内に更なる調整弁を用意しなければならないが、本発明による油圧制御及び調整システムでは、2本の油圧パイプは、電気又は油圧で作動可能な容易に実行される2/2ポート方向制御弁を介して短絡されている。
【0021】
一方又は両方の油圧ポンプが故障した際の作業具の降下、又は後傾を防ぐために、リフト及びショベルシリンダに対する2つの油圧負荷パイプの1つに電気又は油圧で作動可能な(切替可能な)逆止め弁、いわゆる「低漏れ」弁が使用される。
【0022】
走行機移動中における作業具の好ましくない縦ゆれを防ぐために、例えば、独国特許発明第4129509号明細書に記載されるように、ブームを減衰するための油圧制御装置が使用される。この油圧制御装置は、油圧バッファメモリを厳密に期待載荷圧力に切替えてショベルシリンダを荷重するため、作業具の縦揺れ振動は著しく減衰する。
【0023】
もし、片側ピストンロッドの代わりに両側ピストンロッドを備える調整ピストンをシリンダに使用すれば、並列回路をとり、2つのリフト又はショベルシリンダを逆並列回路とせずに済ますことが可能である。シリンダ内でこの種の調整ピストンが移動する際、調整ピストンで分割される2つの調圧室内の膨張及び圧縮容積は均等である。従って、油圧ポンプから油圧消費機器、すなわちリフト又はショベルシリンダに移送される油圧油量は、油圧消費機器から油圧ポンプに戻る油圧油量に相当するため、油圧閉回路の実施が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムは、図1Aから図3Bを参照して2つの実施形態により下記に示す。
図1Aは、第1ショベルシリンダ1及び第2ショベルシリンダ2からなる走行機における作業具のチルト機構100用油圧制御及び調整システムの回路図を示す。第1ショベルシリンダ1内の調整ピストン3は、車体4に移動可能に導入され、機械的に連結する。第1ショベルシリンダ1は、ローディングショベル6に機械的に接続し、傾斜角及び傾斜方向について車体4に対して偏向可能である。第2ショベルシリンダ2内の調整ピストン5は、ローディングショベル6に移動可能に導入されて接続する。第2ショベルシリンダ2は、車体4に機械的に接続する。
【0025】
第1ショベルシリンダ1は、ピストン側調圧室7及びピストンロッド側調圧室8を有する。同様に、第2ショベルシリンダ2は、ピストン側調圧室9及びピストンロッド側調圧室10を有する。第1ショベルシリンダ1のピストン側調圧室7は、油圧パイプ11を介して第2ショベルシリンダ2のピストンロッド側調圧室10に接続する。同様に、第1ショベルシリンダ1のピストンロッド側調圧室8は、油圧パイプ12を介して第2ショベルシリンダ2のピストン側調圧室9に接続する。
【0026】
第2ショベルシリンダ2のピストンロッド側調圧室10、又は第1ショベルシリンダ1のピストン側調圧室7は、第1油圧負荷パイプ13を介して可変第1油圧ポンプ15の第1接続部14に接続する。第2ショベルシリンダ2のピストン側調圧室9、又は第1ショベルシリンダ1のピストンロッド側調圧室8は、第2油圧負荷パイプ16を介して可変第1油圧ポンプ15の第2接続部17に接続する。可変第1油圧ポンプ15は、駆動モータ(図1Aに不図示)の駆動軸18、例えば、ディーゼルの集合体を介して作動する。
【0027】
第1調圧室68,69は、それぞれ対応するシリンダピストン63,65と加圧面A1で隣接し、加圧面A1は、第2調圧室67,70がそれぞれ対応するシリンダピストン63,65と隣接する加圧面A2よりも小さい。油圧ポンプ75の各接続部74,77は、より小さい加圧面A1を含む第1調圧室68,69と、より大きい加圧面A2を含む第2調圧室67,70とに接続する。
【0028】
同様に、第1給油ポンプ19は、駆動モータにより駆動軸18を介して始動する。第1給油ポンプ19は、第1象限運転で運転する油圧ポンプであり、第1給油ポンプ19の低圧側接続部20は、フィルタ22の中間切替を備える油圧パイプ21を介して油圧タンク23に接続する。
【0029】
第1給油ポンプ19の高圧側接続部24は、圧力制限のために油圧パイプ26を介して圧制限弁25に接続する。圧制限弁25の2つの制御接続の一方は、油圧パイプ26に接続する。圧制限弁25の他方の制御入力部については、ばね27を介して特定の圧力上限値を設定可能である。油圧パイプ26内の圧力がばね27で設定する圧力上限値を超えると、圧制限弁25が開いて、油圧パイプ26を油圧タンク28に接続する。その結果、油圧パイプ26内で圧力上限値に相当する圧力に調節されて、圧制限弁25が閉鎖状態に戻るまで油圧パイプ26内で圧力が減圧する。
【0030】
第1給油ポンプ19の高圧側接続部24は、油圧パイプ26を介して第1逆止め弁29及び第2逆止め弁30に接続する。第1逆止め弁29は、第2接続部で第1油圧負荷パイプ13に接続し、一方で逆止め弁30は、第2接続部で第2油圧負荷パイプ16に接続する。第1油圧負荷パイプ13内の圧力は、圧制限弁25を介して油圧パイプ26内で調整され圧力レベル未満に下がると、逆止め弁29が開いて、第1油圧負荷パイプ13内の圧力が油圧パイプ26内を支配する圧力に適応する。完全に同じように、第2油圧負荷パイプ16内の圧力は、油圧パイプ26内を支配する圧力レベル未満に下がると、逆止め弁30が開いて、第2油圧負荷パイプ16内の圧力が油圧パイプ26内を支配する圧力に適応する。
【0031】
圧制限弁31は、逆止め弁29に並列で切替える。この圧制限弁31は、制御入力部の一方に印加した第1油圧負荷パイプ13内の圧力値を、ばね32を介して他方の制御入力部に設定した理論的な圧力値と比較して、第1油圧負荷パイプ13内の圧力がばね32で設定される理論的な圧力値を超える場合に開く。この場合、第1油圧負荷パイプ13内の圧力は、圧制限弁31でばね32により設定される理論的な圧力値に相当し圧制限弁31が閉鎖状態に戻るまで、圧制限弁31を介して油圧パイプ26へと減圧する。
【0032】
同じように、第2圧制限弁33は、逆止め弁30に並列で切替える。これは、制御入力部の一方に印加した第2油圧負荷パイプ16内を支配する圧力を、ばね34により他方の制御入力部で設定した理論的な圧力値と比較して、第2油圧負荷パイプ16内の圧力がばね34に設定される理論的な圧力値を超える場合に開く。この場合、第2油圧負荷パイプ16内の圧力は、ばね34により設定される理論的な圧力値に相当し圧制限弁33が閉鎖状態に戻るまで、第2圧制限弁33を介して油圧パイプ26へと減圧する。
【0033】
可変第1油圧ポンプ15は、第1調整装置35を介して作動し、第1調整装置35の調整ピストン36は、油圧ポンプ15のCワッシャー(図1に不図示)に機械的に接続する。調整ピストン36は、第1調整装置35を第1調圧室37と第2調圧室38に分割する。第1調圧室37は、油圧パイプ39を介して4/3ポート方向制御弁として構成される調整弁41の第1出力部40に接続する。第2調圧室38は、油圧パイプ42を介して調整弁41の第2出力部43に接続する。調整弁41の第1入力部44は、油圧パイプ45及び油圧パイプ26を介して給油ポンプ19の高圧側接続部24に取り付けられる。第2入力部46は、油圧パイプ47を介して油圧タンク48に接続する。
【0034】
調整弁41は、どちらも調整電磁石として設計される第1制御入力部49及び第2制御入力部50を介して作動する。第1制御入力部49の調整電磁石は電線路51を介して変圧器(図1Aに不図示)の第1出力部51に接続し、変圧器は、ジョイスティックとして構成されるステアリング機器52におけるチルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法で「外側傾斜」方向への機械的偏向を、対応する第1電気信号に変換する。第2制御入力部50の調整電磁石は、電線路53を介して変圧器(図1Aに不図示)の第2出力部54に接続し、変圧器は、ステアリング機器52において、チルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法で「外側傾斜」方向への機械的偏向を、対応する第2電気信号に変換する。
【0035】
車両運転手がローディングショベル6を外側に傾けるつもりならば、「外側傾斜」方向への偏向は、チルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法で車両運転手がステアリング機器52において実行する。ローディングショベル6の外側傾斜に対応するこのステアリング機器52の偏向は、電線路53を介して第1調整弁41の第2制御入力部50で調整電磁石に供給される第2電気信号に変圧器を介して変換される。
【0036】
第2制御入力部50で作動した調整電磁石は調整弁41を変位させ、第1調整装置35の第2調圧室38は油圧パイプ42,45及び26を介して第1給油ポンプ19の高圧側接続部24に接続し、第1調整装置35の第1調圧室37は油圧パイプ39及び47を介して油圧タンク48に接続する。その結果、第1調整装置35の調整ピストン36は、可変第1油圧ポンプ15を第1接続部14で吐出させる方向に調整される。
【0037】
この可変第1油圧ポンプ15の第1接続部14における吐出は、第1油圧負荷パイプ13を介して第2ショベルシリンダ2のピストンロッド側調圧室5に供給されるため、ピストン側調圧室9の方向に調整ピストン5を移動させる。第1油圧負荷パイプ13内のより高い調整圧は、油圧パイプ11を介して第1ショベルシリンダ1のピストン側調圧室7に供給されるため、ピストンロッド側調圧室8の方向に調整ピストン3を移動させる。第1ショベルシリンダ1の調整ピストン3の振れと第2ショベルシリンダ2の調整ピストン5の振れのどちらもローディングショベル6の外側傾斜運動となる。
【0038】
車両運転手がローディングショベル6を内側へ傾けるつもりならば、ステアリング機器52は、チルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法で「内側傾斜」方向へ偏向される。ステアリング機器52の変圧器により出力部51で第1電気信号が生成され、電線路59を介して第1調整弁41の第1制御入力部49で調整電磁石に供給される。第1調整弁41は、第1調整装置35の第1調圧室37が油圧パイプ39,45及び26を介して第1給油ポンプ19の高圧側接続部24に接続し、かつ第1調整装置35の第2調圧室38が油圧パイプ42及び47を介して油圧タンク48に接続するように、第1制御入力部49における調整電磁石で作動する。第1調整装置35の調整ピストン36は、可変第1油圧ポンプ15を第2接続部17において吐出するように、すなわちより高い調整圧となるように調整される。
【0039】
この可変第1油圧ポンプ15の第2接続部17における吐出は、第2油圧負荷パイプ16を介して第2ショベルシリンダ2のピストン側調圧室9に供給され、調整ピストン5がピストンロッド側調圧室10の方向に振れる。第2油圧負荷パイプ16内のより高い調整圧は、油圧パイプ12を介して第1ショベルシリンダ1のピストンロッド側調圧室8に供給され、調整ピストン3がピストン側調圧室7の方向に振れる。第1ショベルシリンダ1の調整ピストン3の振れと第2ショベルシリンダ2の調整ピストン5の振れは、ローディングショベル6の内側傾斜運動となる。
【0040】
可変第1油圧ポンプ15が故障し、第1及び第2ショベルシリンダ1及び2の調圧室7及び10から油圧油が漏れてローディングショベル6が意図せずに内側へ傾斜するのを防ぐために、切替可能な逆止め弁55が第1油圧負荷パイプ13で切替わる。切替可能な逆止め弁55のオープナ58は、変圧器57及び電線路56を介して、ステアリング機器52の変圧器の出力部54に接続する。これは、チルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法で「内側傾斜」方向へステアリング機器52が偏向する際、第1及び第2ショベルシリンダ1及び2へ第2油圧負荷パイプ16を介して特定の調整圧の油圧油の流れが供給されれば、逆止め弁55が開き、第1油圧負荷パイプ13を介する閉回路のフレーム内で油圧油が再度取り除かれることを保証する。
【0041】
図1Bにおいて、第1リフトシリンダ61及び第2リフトシリンダ62からなる走行機における作業具のリフト機構200用油圧制御及び調整システムの回路図を図示する。第1リフトシリンダ61において、調整ピストン63が車体4に移動可能に導入され、及び機械的に連結する。第1リフトシリンダ61は、ブーム64に機械的に連結し、車体4に対するブーム64の旋回角は他端に配置されたローディングショベル6のリフト高を決定し、また、車体4に対する旋回方向はローディングショベル6の垂直方向運動を決定する。第2リフトシリンダ62における調整ピストン65は移動可能に導入され、ローディングショベル6に連結する。第2リフトシリンダ62は車体4に機械的に連結する。
【0042】
第1リフトシリンダ1は、ピストン側調圧室67及びピストンロッド側調圧室68を有する。同様に、第2リフトシリンダ62もピストン側調圧室69及びピストンロッド側調圧室70を有する。第1リフトシリンダ61のピストン側調圧室67は、油圧パイプ71を介して第2リフトシリンダ62のピストンロッド側調圧室69に接続する。同様に、第1リフトシリンダ61のピストンロッド側調圧室68は、油圧パイプ72を介して第2リフトシリンダ62のピストン側調圧室70に接続する。
【0043】
第2リフトシリンダ62のピストンロッド側調圧室69、又は第1リフトシリンダ61のピストン側調圧室67は、第3油圧負荷パイプ73を介して可変第2油圧ポンプ75の第1接続部74に接続する。第2リフトシリンダ62のピストン側調圧室70又は第1リフトシリンダ61のピストンロッド側調圧室68は、第4油圧負荷パイプ76を介して可変第2油圧ポンプ75の第2接続部77に接続する。可変第2油圧ポンプ75は、走行モータ(図1Bに不図示)の駆動軸78、例えば、第1油圧ポンプ15の駆動軸16用駆動モータに対応するディーゼルの集合体を介して駆動する。
【0044】
第1調圧室8,10は、それぞれ対応するシリンダピストン3,5と加圧面A1で隣接し、加圧面A1は、他の各第2調圧室7,9がそれぞれ対応するシリンダピストン3,5と隣接する加圧面A2よりも小さい。油圧ポンプ15の各接続部14,17は、より小さい加圧面A1を含む第1調圧室8又は10と、及びより大きい加圧面A2を含む第2調圧室7又は10とに接続する。
【0045】
第2給油ポンプ79は、同様に走行モータにより駆動軸78を介して駆動する。第2給油ポンプ79は、第1象限運転で運転する油圧ポンプであり、第2給油ポンプ79の低圧側接続部80は、フィルタ82の中間切替を備える油圧パイプ81を介して油圧タンク83に接続する。
【0046】
第2給油ポンプ79の高圧側接続部84は、圧力制限のため油圧パイプ86を介して圧制限弁85に接続する。圧制限弁85の2つの制御接続の一方は、油圧パイプ86に接続する。圧制限弁85の他方の制御入力部については、ばね87を介して特定の圧力上限値を設定可能である。油圧パイプ86内の圧力がばね87で設定する圧力上限値を超えると、圧制限弁85が開き、油圧パイプ86を油圧タンク88に接続する。その結果、油圧パイプ86内で圧力上限値に相当する圧力に設定されて、圧制限弁85が閉鎖状態に戻るまで、油圧パイプ86内の圧力が減圧する。
【0047】
第2給油ポンプ79の高圧側接続部84は、油圧パイプ86を介して第3逆止め弁89及び第4逆止め弁90に接続する。第3逆止め弁89は、第2接続部で第1油圧負荷パイプ73に接続し、一方で第4逆止め弁90は、第2接続部で第2油圧負荷パイプ76に接続する。第1油圧負荷パイプ73内の圧力が圧制限弁85を介して油圧パイプ86内で調整された圧力レベル未満に下がると、第3逆止め弁89が開いて、第1油圧負荷パイプ73内の圧力が油圧パイプ86内を支配する圧力に適応する。完全に同じように、第2油圧負荷パイプ76内の圧力は、油圧パイプ86内を支配する圧力レベル未満に下がると、第4逆止め弁90が開いて、油圧パイプ86内を支配する圧力に適応する。
【0048】
圧制限弁91は、第3逆止め弁89に並列で切替える。この圧制限弁91は、制御入力部の一方に印加した第3油圧負荷パイプ73内の圧力値を、ばね92を介して他方の制御入力部に設定した理論的な圧力値と比較して、第3油圧負荷パイプ73内の圧力がばね92で設定される理論的な圧力値を超える場合に開く。この場合、第3油圧負荷パイプ73内の圧力は、圧制限弁でばね92により設定される理論的な圧力値に相当し圧制限弁91が閉鎖状態に戻るまで、圧制限弁91を介して油圧パイプ86へと減圧する。
【0049】
同じように、圧制限弁93は、第4逆止め弁90に並列で切替える。これは、制御入力部の一方に印加した第4油圧負荷パイプ76内を支配する圧力を、ばね94により他方の制御入力部に設定した理論的な圧力値と比較して、第4油圧負荷パイプ76内の圧力がばね94に設定される理論的な圧力値を超える場合に開く。この場合、第4油圧負荷パイプ76内の圧力がばね94により設定される理論的な圧力値に相当し、圧制限弁93が閉鎖状態に戻るまで、第4油圧負荷パイプ76内の圧力は、制限弁93を介して油圧パイプ86へと減圧する。
【0050】
可変第2油圧ポンプ75は、第2調整装置95を介して作動し、第2調整装置95の調整ピストン96は、油圧ポンプ75のCワッシャー(図1に不図示)に機械的に接続する。調整ピストン96は、第2調整装置95を第1調圧室97と第2調圧室98に分割する。第1調圧室97は、油圧パイプ99を介して4/3ポート方向制御弁として構成される調整弁102の第1出力部101に接続する。第2調圧室98は、油圧パイプ103を介して調整弁102の第2出力部104に接続する。調整弁102の第1入力部105は、油圧パイプ106及び油圧パイプ86を介して給油ポンプ79の高圧側接続部84に取り付けられる。第2入力部107は、油圧パイプ108を介して油圧タンク109に接続する。
【0051】
第2調整弁102は、どちらも調整電磁石として設計される第1制御入力部110及び第2制御入力部111を介して作動する。第1制御入力部110の調整電磁石は電線路112を介して変圧器(図1A又は1Bに不図示)の第3出力部113に接続し、変圧器は、ジョイスティックとして構成されるステアリング機器52(図1に図示)における、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法の「上昇」方向への機械的偏向を、対応する第3電気信号に変換する。第2制御入力部111の調整電磁石は、電線路114を介して変圧器(図1A又は図1Bに不図示)の第4出力部115に接続し、変圧器は、ステアリング機器52における、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法の「下降」方向への機械的偏向を、対応する第4電気信号に変換する。
【0052】
車両運転手がローディングショベル6を下降するつもりならば、「下降」方向への偏向は、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法で車両運転手がステアリング機器52において実行する。ローディングショベル6の下降に対応するこのステアリング機器52の偏向は、電線路114を介して調整弁102の第2制御入力部111で調整電磁石に供給される第4電気信号に変圧器を介して変換される。
【0053】
第2制御入力部111で作動した調整電磁石は調整弁102を作動し、第2調整装置95の第1調圧室97は油圧パイプ99及び106を介して油圧タンク109に接続し、第2調整装置95の第2調圧室98は油圧パイプ103,106及び86を介して第2給油ポンプ79の高圧側接続部84に接続する。その結果、調整装置95の調整ピストン96は、可変第2油圧ポンプ75を第1接続部74において吐出する方向に、すなわちより高い調整圧となるように調整される。
【0054】
この可変第2油圧ポンプ75の第1接続部74における吐出は、第3油圧負荷パイプ73を介して第2リフトシリンダ62のピストンロッド側調圧室69に供給されるため、ピストン側調圧室70の方向に調整ピストン65を移動させる。第3油圧負荷パイプ73内のより高い調整圧は、油圧パイプ71を介して第1リフトシリンダ61のピストン側調圧室67に供給されるため、ピストンロッド側調圧室68の方向に調整ピストン63が移動する。第1リフトシリンダ61の調整ピストン63の振れと第2リフトシリンダ62の調整ピストン65の振れは、車体4に対してブーム64を下方に回転させるため、車体4に対してローディングショベル6が下降する。
【0055】
車両運転手がローディングショベル6を上昇するつもりならば、ステアリング機器52は、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法で「上昇」方向へ偏向される。ステアリング機器52(図1Aに図示)の変圧器により出力部113で第3電気信号が生成され、電線路112を介して調整弁102の第1制御入力部110で調整電磁石に供給される。調整弁102は、第2調整装置95の第1調圧室97が油圧パイプ99,106,及び86を介して第2給油ポンプ79の高圧側接続部84に接続し、かつ第2調整装置95の第2調圧室98が油圧パイプ103及び108を介して油圧タンク109に接続するように、第1制御入力部110における調整電磁石で変位する。第2調整装置95の調整ピストン96は、可変第1油圧ポンプ75を第2接続部77において吐出する方向に、すなわちより高い調整圧となるように調整される。
【0056】
可変第2油圧ポンプ75の第2接続部77におけるこの吐出、すなわちより高い調整圧は、第4油圧負荷パイプ76を介して第2リフトシリンダ62のピストン側調圧室70に供給され、調整ピストン65がピストンロッド側調圧室69の方向に振れる。第4油圧負荷パイプ76内のより高い調整圧は、油圧パイプ72を介して第1リフトシリンダ61のピストンロッド側調圧室68に供給され、調整ピストン63がピストン側調圧室67の方向に振れる。第1リフトシリンダ61の調整ピストン63の振れと第2リフトシリンダ62の調整ピストン65の振れは、車体4に対してブーム64を上方に回転させるため、車体4に対してローディングショベル6が上昇する。
【0057】
可変第2油圧ポンプ75が故障し、第1及び第2リフトシリンダ61及び62の調圧室68及び70から油圧油が漏れてブーム64、つまりローディングショベル6が意図せずに下降するのを防ぐために、逆止め弁116が第4油圧負荷パイプ73で切替わる。切替可能な逆止め弁116のオープナ129は、変圧器117及び電線路118を介して、ステアリング機器52の変圧器出力部115に接続する。これは、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法で「下降」方向へのステアリング機器52を偏向する際、第1及び第2リフトシリンダ61及び62が第3油圧負荷パイプ73を介して特定の調整圧の油圧油の流れが供給されれば、逆止め弁116が開き、第4油圧負荷パイプ76を介する閉回路のフレーム内で油圧油が再度取り除かれることを保証する。
【0058】
車両運転手が、油圧作動装置により意図して発生させた調整圧を適用せずに、単に平面上にあるローディングショベルの重量力で該平面を平らにするつもりならば(ローディングショベル6の「浮動位置」)、第3油圧負荷パイプ73と第4油圧負荷パイプ76の間に位置する2/2ポート方向制御弁119が、第2制御入力部121で電気又は油圧制御信号を介して開く。平面を平らにしたい場合に、車両運転手がスイッチ120を閉じた後で、スイッチ120に配置される電気変圧器(図1Bに不図示)又は油圧調整弁(図1Bに不図示)によりこの電気又は油圧制御信号が生成され、電線路又は油圧パイプ122を介して第2制御入力部121に供給される。スイッチ120が開くと、2/2ポート方向制御弁119は、第1制御入力部123に取り付けられるばね124により閉鎖状態に切替えられ、第3油圧負荷パイプ73と第4油圧負荷パイプ76の間に油圧接続が無い状態になる。
【0059】
走行機がより早い速度で走行する間に、縦揺れ振動が、特にローディングショベル6全体に起こると、油圧制御装置125で減衰される。このため、走行機の走行速度に対応する車両のタコゼネレータ126からの信号が油圧制御装置125の入力部127に伝導する。走行速度が特定値を超え、車両運転手が入力ボタンを介して油圧制御装置125内の停止弁を開けると、油圧負荷パイプ73、油圧パイプ128及び油圧制御装置125内の油圧貯蔵部に開いた停止弁を介してローディングショベル6を上昇するためにリフトシリンダ61及び62内を調圧室68及び70が占領する。油圧貯蔵部は、第2油圧ポンプ75により油圧制御装置125内の減圧弁を介してリフトシリンダ61及び62内の期待載荷圧力が荷重される。従って、ローディングショベル6の縦揺れ振動を減衰するために油圧制御装置125の動力源を断つ場合は、ローディングショベル6の降下が最小となる。走行機が走行する場合に、ローディングショベル6の縦揺れ振動を減衰するために油圧制御装置125の機能上の構造又は運転モードのより明確な詳細は、独国特許発明第4129509号明細書で理解可能であり、この内容は本発明に援用される。
【0060】
図2A及び図2Bのチルト機構100及びリフト機構200のための本発明による油圧制御及び調整システムの第2の実施形態を図1Aのチルト機構100及び図1Bのリフト機構200のための本発明による油圧制御及び調整システムの第1の実施形態と対照すると、第1の実施形態では第1及び第2調整弁41及び102の電気作動が実行され、第2の実施形態では、第1及び第2調整弁41及び102の油圧作動が用いられる。統一性のために、図2A及び図2Bにおいて、図1A及び図1Bと同一の構成部品には同一の参照符号を使用する。
【0061】
調整電磁石の代わりに、第1調整弁41の第1制御入力部49及び第2制御入力部50、並びに第2調整弁102の第1制御入力部110及び第2制御入力部111は、それぞれ第1及び第2調整弁41及び102の油圧作動のための調圧室を有する。第1調整弁41の第1制御入力部49の調圧室には、パイロット方式装置130の第1出力部129での圧力が油圧パイプ51を介して供給される。第1調整弁41の第2制御入力部50の調圧室には、パイロット方式装置130の第2出力部131での圧力が油圧パイプ53を介して供給される。第2調整弁102の第1制御入力部110の調圧室には、パイロット方式装置130の第3出力部132での圧力が油圧パイプ112を介して供給される。第2調整弁102の第2制御入力部111の調圧室には、パイロット方式装置130の第4出力部133での圧力が油圧パイプ114を介して供給される。
【0062】
パイロット方式装置130の第1入力部134は、油圧パイプ135を介して第1給油ポンプ19の高圧側接続部24に取り付けられる。パイロット方式装置130の第2入力部136は、油圧パイプ137を介して油圧タンク138に接続する。
【0063】
第1調整弁41を作動するために第1及び第2出力部129及び131に印加される第1及び第2調整圧は、2つの入力部がパイロット方式装置130の第1及び第2入力部134及び136にそれぞれ接続する2つの減圧弁139及び140からなる第1減圧弁対143を介して、チルト機構100に対して割り出した第1偏向寸法でジョイスティックとして構成されるステアリング機器52の偏向により設定可能である。このため、ステアリング機器52の機械的偏向は、2つの減圧弁139及び140の2つの制御入力部の一方に第1偏向寸法で伝導する。
【0064】
パイロット方式装置130の第1出力部129において、減圧弁139の2つの制御入力部の一方にステアリング機器52の偏向により第1偏向寸法に形成される制御圧と減圧弁139の他方の制御入力部に伝導する第1調整圧の圧力差の比率について、パイロット方式装置130の第1入力部134と第2入力部136で印加される圧力間の比例圧力は、パイロット方式装置130の第1出力部129に減圧弁139によってつながれる。
【0065】
同じように、パイロット方式装置130の第2出力部131において、減圧弁140の2つの制御入力部の一方にステアリング機器52の偏向により第1偏向寸法に形成される制御圧と減圧弁140の他方の制御入力部に減圧弁140で伝導する第2調整圧の圧力差の比率について、パイロット方式装置130の第1入力部134と第2入力部136で印加される圧力間の比例圧力は、パイロット方式装置130の第2出力部131につながれる。
【0066】
第2調整弁102を作動するために第3及び第4出力部132及び133に印加される第3及び第4調整圧は、2つの入力部がパイロット方式装置130の第1及び第2入力部134及び136にそれぞれ接続する2つの減圧弁141及び142からなる第2減圧弁対144を介して、リフト機構200に対して割り出した第2偏向寸法でジョイスティックとして構成されるステアリング機器52の偏向により設定される。このため、ステアリング機器52の機械的偏向は、2つの減圧弁141及び142の2つの制御入力部の一方に第2偏向寸法で伝導する。
【0067】
パイロット方式装置130の第3出力部132において、減圧弁141の2つの制御入力部の一方にステアリング機器52の偏向により第2偏向寸法に形成される制御圧と減圧弁141の他方の制御入力部に実行する第3調整圧の圧力差の比率について、パイロット方式装置130の第1入力部134と第2入力部136で印加される圧力間の比例圧力は、パイロット方式装置130の第3出力部132に減圧弁141よってつながれる。
【0068】
同じように、パイロット方式装置130の第4出力部133において、減圧弁142の2つの制御入力部の一方にステアリング機器52の偏向により第2偏向寸法に形成される制御圧と減圧弁142の他方の制御入力部に伝導する第4調整圧の圧力差の比率について、パイロット方式装置130の第1入力部134と第2入力部136で印加される圧力間の比例圧力は、パイロット方式装置130の第4出力部133に減圧弁142によってつながれる。
【0069】
可変第1及び第2油圧ポンプ15及び75を調整する運転モードは、第1及び第2調整弁41又は102で作動する第1及び第2調整装置35又は95を介して作動し、チルト機構100及びリフト機構200のための本発明の油圧制御及び調整システムの第2の実施形態において、ショベル作業及びリフトシリンダ設備の運転モードは、チルト機構100及びリフト機構200のための本発明の制御及び調整システムの第1の実施形態において対応する構成部品の運転モードに相当するので、この点に関するこの運転モードの重複する記載を省略する。
【0070】
図1A及び1Bに図示する実施形態と比較される図2A及び2Bに図示する実施形態の特別な特徴として、圧力遮断163も挙げられる。圧力遮断163は、シャトル弁160及び圧制限弁161からなる。シャトル弁160は、負荷パイプ13及び16又は73及び76に接続し、2つの負荷パイプ13及び16又は73及び76それぞれにより高い載荷圧力を選択する。これは、圧制限弁161用制御圧として作用する。より高い載荷圧力が荷重される負荷パイプ13若しくは16又は73若しくは76内の圧力が、ばね164により事前設定可能なしきい値を超えれば、圧制限弁161が開き、油圧パイプ45又は106内の圧力が減圧する。この様に、油圧ポンプ15又は75はより小さい吐出量に戻る。
【0071】
調整ピストン3,5又は63,65が限界停止位置を超えて移動されようとする場合、この機能は圧制限弁31,33又は91,93の永久駆動の回避に効果的である。この場合、限界に達すると載荷圧力は著しく増加するため、発熱しながら、圧制限弁31,33又は91,93を駆動し、かつ載荷圧力をタンクに吐出する。これは、油圧油が不必要に加熱され、油圧ポンプ15又は75が不必要に作動するため有効でない。従って、油圧ポンプ15又は75を戻すためには、限界位置とすることがより実用的である。
【0072】
図3Aに、走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第3の実施形態のショベルシリンダ油圧装置を図示し、第1及び第2ショベルシリンダ1及び2では、両側ピストンロッドを用いる調整ピストン130及び131がそれぞれ移動可能である。
【0073】
調整ピストン130は、ローディングショベル側ピストンロッドが第1ショベルシリンダ1及びローディングショベル138における溝138を通り、及び車体側ピストンロッドが第1ショベルシリンダ1における溝139を通って移動可能に導入され、車体側端で車体4に機械的に接続する。
【0074】
他の構造に係わる調整ピストン131は、ローディングショベル側ピストンロッドが第2ショベルシリンダ2における溝140を通って移動可能に導入されてローディングショベル側端でローディングショベル6に機械的に接続し、及び車体側ピストンロッドが第2ショベルシリンダ2における溝141を通って移動可能に導入される。
【0075】
調整ピストン130のローディングショベル側ピストンロッドの長さは、調整ピストン130が第1油圧負荷パイプ13内の所定の調整圧レベルで溝138に接触する寸法とされる。同じように、調整ピストン131の車体側ピストンロッドの長さは、調整ピストン131が第2油圧負荷パイプ16内の所定の調整圧レベルで溝141に接触する寸法とされる。
【0076】
第1ショベルシリンダ1は、ローディングショベル側端でローディングショベル6に機械的に接続する。第2ショベルシリンダ2は、調整ピストン131の所定の振れの間に第2ショベルシリンダ2に車体4が接触しないように車体側端で車体4に機械的に接続する。
【0077】
移動可能な調整ピストン130は、第1ショベルシリンダ1をローディングショベル側調圧室132及び車体側調圧室133に分割する。同じように、移動可能な調整ピストン131は、第2ショベルシリンダ2をローディングショベル側調圧室134及び車体側調圧室135に分割する。2つのローディングショベル側調圧室132及び134は、油圧パイプ136を介して互いに接続し、車体側調圧室133及び135は、油圧パイプ137を介して互いに接続する。2つのローディングショベル側調整室132及び134は、第1油圧負荷パイプ13を介して第1油圧ポンプ15の第1接続部14に接続する。2つの車体側調圧室133及び135は、第2油圧負荷パイプ16を介して第1油圧ポンプ15の第2接続部17に接続する。
【0078】
図3Aにおけるショベルシリンダ油圧装置の更なる実施形態の運転モードは、図1Aにおけるショベルシリンダ油圧装置の第1の実施形態の運転モードに相当するので、この詳細な記載は省略可能である。図3Aにおけるショベルシリンダ油圧装置は、2つの調圧室132及び133又は134及び135内で同一の膨張及び圧縮容積に基づいてショベルシリンダ1及び2が並列回路となる可能性がある点だけが図1Aにおけるショベルシリンダ油圧装置とは異なる。
【0079】
図3Bに、走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第3の実施形態のリフトシリンダ油圧装置を図示し、第1及び第2リフトシリンダ61及び62では、両側ピストンロッドを用いた調整ピストン142及び143がそれぞれ移動可能である。
【0080】
調整ピストン142は、ブーム側ピストンロッドが第1リフトシリンダ61及びブーム64における溝148を通り、及び車体側ピストンロッドが第1リフトシリンダ61における溝149を通って移動可能に導入され、車体側端で車体4に機械的に接続する。
【0081】
他の構造に係わる調整ピストン143は、ブーム側ピストンロッドが第2リフトシリンダ62における溝150を通って移動可能に導入されてブーム側端でブーム64に機械的に接続し、かつ車体側ピストンロッドが第2リフトシリンダ62における溝151を通って移動可能に導入される。
【0082】
調整ピストン142のローディングショベル側ピストンロッドの長さは、調整ピストン142が第3油圧負荷パイプ73内の所定の調整圧レベルで溝148に接触する寸法とされる。同じように、調整ピストン143の車体側ピストンロッドの長さは、調整ピストン143が第4油圧負荷パイプ76内の所定の調整圧レベルで溝151に接触する寸法とされる。第4リフトシリンダ62において溝151の長さは、調整ピストン143が第3及び第4油圧負荷パイプ73及び76内の所定の調整圧状態で車体4に接触しない寸法とされる。
【0083】
第1リフトシリンダ61は、ブーム側端でブーム64に機械的に接続する。第2リフトシリンダ62は、調整ピストン143が第2リフトシリンダ62において任意の振れで車体4に接触しないように車体側端で車体4に機械的に接続する。
【0084】
移動可能な調整ピストン142は、第1リフトシリンダ61をブーム側調圧室144及び車体側調圧室145に分割する。同じように、移動可能な調整ピストン143は、第2リフトシリンダ62をブーム側調圧室146及び車体側調圧室147に分割する。2つのブーム側調圧室144及び146は、油圧パイプ151を介して互いに接続し、車体側調圧室145及び147は、油圧パイプ152を介して互いに接続する。2つのブーム側調圧室145及び146は、第3油圧負荷パイプ73を介して第2油圧ポンプ75の第1接続部74に接続する。2つの車体側調圧室145及び146は、第4油圧負荷パイプ76を介して第2油圧ポンプ75の第2接続部77に接続する。
【0085】
図3Bにおけるリフトシリンダ油圧装置の更なる実施形態の運転モードは、図1Bにおけるリフトシリンダ油圧装置の第1の実施形態の運転モードに相当するので、この詳細な記載は省略される。図3Bにおけるリフトシリンダ油圧装置は、2つの調圧室144及び145又は146及び147内の同一の膨張及び圧縮容積に基づいてリフトシリンダ61及び62が並列回路となる可能性がある点だけが図1Bにおけるリフトシリンダ油圧装置とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
本発明の3つの実施形態を図面に示し、下記により詳細を示す。
【図1A】図1Aは、調整弁の電気作動を用いる走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第1の実施形態の回路図を示す(チルト機構の作動)。
【図1B】図1Bは、調整弁の電気作動を用いる走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第1の実施形態の回路図を示す(リフト機構の作動)。
【図2A】図2Aは、調整弁の油圧作動を用いる走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第2の実施形態の回路図を示す(チルト機構の作動)。
【図2B】図2Bは、調整弁の油圧作動を用いる走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第2の実施形態の回路図を示す(リフト機構の作動)。
【図3A】図3Aは、走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第3の実施形態であるショベルシリンダ油圧装置の回路図を示す。
【図3B】図3Bは、走行機における作業具のための本発明による油圧制御及び調整システムの第3の実施形態であるリフトシリンダ油圧装置の回路図を示す。
【符号の説明】
【0087】
4 車体
6 作業具
61 第1リフトシリンダ
62 第2リフトシリンダ
63,65 シリンダピストン
67,68,69,70 調圧室
74 第1接続部
75 第2油圧ポンプ
77 第2接続部
100 チルト機構
200 リフト機構






【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2リフトシリンダ(61,62)と、
第2油圧ポンプ(75)と
を含み、前記第1及び第2リフトシリンダ(61,62)では、シリンダピストン(63,65)は移動可能であり、位置又は運動方向が走行機の車体(4)に対する作業具(6)のリフト高、又は垂直方向運動を決定し、それぞれ対応するリフトシリンダ(61,62)を2つの調圧室(67及び68,69及び70)に分割し、
前記第2油圧ポンプ(75)は吐出量を調整可能であり、第1接続部(74)は、前記第1リフトシリンダ(61)の前記調圧室の一方(67)及び前記第2リフトシリンダ(62)の前記調圧室の一方(69)に作業具(6)の垂直方向運動に応じて接続する、走行機における作業具(6)のリフト機構(100)用油圧制御及び調整システムであって、
前記可変第2油圧ポンプ(75)の第2接続部(77)は、前記第1リフトシリンダ(61)の他方の前記調圧室(68)及び前記第2リフトシリンダ(62)の他方の前記調圧室(70)に閉回路で接続することを特徴とする走行機における作業具(6)のリフト機構(100)用油圧制御及び調整システム。
【請求項2】
前記第1調圧室(68,69)は、それぞれ対応するシリンダピストン(63,65)と加圧面A1で隣接し、加圧面A1は、他方の各前記第2調圧室(67,70)がそれぞれ対応するシリンダピストン(63,65)と隣接する加圧面A2よりも小さく、前記油圧ポンプ(75)の各接続部(74,77)は、より小さい加圧面A1を含む前記第1調圧室(68,69)と、より大きい加圧面A2を含む前記第2調圧室(70,67)とに接続する請求項1に記載のリフト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項3】
前記第1リフトシリンダ(61)の前記ピストン側調圧室(67)は第1油圧パイプ(71)を介して前記第2リフトシリンダ(62)の前記ピストンロッド側調圧室(69)に接続し、及び前記第1リフトシリンダ(61)の前記ピストンロッド側調圧室(68)は第2油圧パイプ(72)を介して前記第2リフトシリンダ(62)の前記ピストン側調圧室(70)に接続する請求項1又は2に記載のリフト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項4】
前記第1及び第2リフトシリンダ(61,62)の2つのブーム側調圧室(144,146)は、第1油圧パイプ(151)を介して接続し、また、前記第1及び第2リフトシリンダ(61,62)の2つの車体側調圧室(145,147)は、第2油圧パイプ(152)を介して接続する請求項1又は2に記載のリフト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項5】
前記第1リフトシリンダ(61)及び前記第2リフトシリンダ(62)の調整ピストン(65,143)は、走行機の前記車体(4)に前記作業具(6)を接続するブーム(64)に接続し、前記第2リフトシリンダ(62)及び前記第1リフトシリンダ(61)の調整ピストン(63,142)は、走行機の前記車体(4)に接続する請求項3又は4に記載のリフト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項6】
少なくとも第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)と、
第1油圧ポンプ(15)と
を含み、前記第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)では、シリンダピストン(3,5)は移動可能であり、位置又は運動方向が車体(4)に対するローディングショベル(6)の傾斜角、又は傾斜方向を決定し、それぞれ対応する前記ショベルシリンダ(1,2)を2つの調圧室(7及び8,9及び10)に分割し、
前記第1油圧ポンプ(15)は吐出量を調整可能であり、第1接続部(14)は、前記第1ショベルシリンダ(1)の前記調圧室の一方(7)及び前記第2ショベルシリンダ(2)の前記調圧室の一方(10)に前記ローディングショベル(6)の傾斜方向に応じて接続する、走行機における作業具(6)であるローディングショベル(6)のチルト機構(200)用油圧制御及び調整システムであって、
前記可変第1油圧ポンプ(15)の第2接続部(17)は、前記第1ショベルシリンダ(1)の他方の前記調圧室(8)及び前記第2ショベルシリンダ(2)の他方の前記調圧室(9)に閉回路で接続することを特徴とする走行機における作業具(6)であるローディングショベル(6)のチルト機構(200)用油圧制御及び調整システム。
【請求項7】
前記第1調圧室(8,10)はそれぞれ対応する前記シリンダピストン(3,5)と加圧面A1で隣接し、加圧面A1は、各前記第2調圧室(7,9)がそれぞれ対応する前記シリンダピストン(3,5)と隣接する加圧面A2よりも小さく、前記油圧ポンプ(15)の各接続部(14,17)は、より小さい加圧面A1を含む前記第1調圧室(10,8)と、より大きい加圧面A2を含む前記第2調圧室(9,7)とに接続する請求項1に記載のリフト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項8】
前記第1ショベルシリンダ(1)の前記ピストン側調圧室(7)は第1油圧パイプ(11)を介して前記第2ショベルシリンダ(2)の前記ピストンロッド側調圧室(10)に接続し、及び前記第1ショベルシリンダ(1)の前記ピストンロッド側調圧室(8)は、第2油圧パイプ(12)を介して前記第2ショベルシリンダ(2)の前記ピストン側調圧室(9)に接続する請求項6又は7に記載のチルト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項9】
前記第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)の2つのローディングショベル側調圧室(132,134)は、第1油圧パイプ(136)を介して接続し、また、前記第1及び第2ショベルシリンダ(1,2)の2つの車体側調圧室(133,135)は第2油圧パイプ(137)を介して接続する請求項6又は7に記載のチルト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項10】
前記第1ショベルシリンダ(1)及び前記第2ショベルシリンダ(2)の調整ピストン(5,131)は、前記ローディングショベル(6)に接続し、前記第2ショベルシリンダ(2)及び前記第1ショベルシリンダ(1)の調整ピストン(3,130)は、走行機の前記車体(4)に接続する請求項8又は9に記載のチルト機構用油圧制御及び調整システム。
【請求項11】
第2象限運転で運転する前記第2油圧ポンプ(75)の吐出方向は、前記作業具(6)の垂直方向運動を決定し、又は同様に第2象限運転で運転する前記第1油圧ポンプ(15)の吐出方向は、前記ローディングショベル(6)の傾斜方向を決定する請求項1及び6のいずれかに記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項12】
前記第2油圧ポンプ(75)の前記第1及び第2接続部(74,77)での吐出量は、前記作業具(6)のリフト高を決定し、又は前記第1油圧ポンプ(15)の前記第1及び第2接続部(14,17)での吐出量は、前記ローディングショベル(6)の傾斜角を決定する請求項1及び6のいずれかに記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項13】
前記第1油圧ポンプ(15)の前記第1及び第2接続部(14,17)での前記第1油圧ポンプ(15)の吐出方向、及び吐出量は、第1偏向寸法にジョイスティック様式で構成されるステアリング機器(52)が設定する偏向機能として調整され、前記第2油圧ポンプ(75)の回転方向、及び前記第2油圧ポンプ(75)の前記第1及び第2接続部(74,77)において形成される調整圧は、第2偏向寸法にジョイスティック様式で構成されるステアリング機器(52)が設定する偏向機能として設定される請求項12に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項14】
第1調整弁(41)は、第1偏向寸法に前記ステアリング機器(52)を偏向する機能として作動し、第2調整弁(102)は、第2偏向寸法に前記ステアリング機器(52)を偏向する機能として作動する請求項13に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項15】
前記第1調整弁(41)は、前記第1調整弁(41)の制御接続部(49,50)における調整電磁石によって変位し、一方の制御接続部(49)は、内側傾斜運動に相当する第1偏向寸法の方向への前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する第1電気信号を、他方の制御接続部(50)は、外側傾斜運動に相当する第1偏向寸法の方向への前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する第2電気信号を前記ステアリング機器(52)の変圧器から受信し、前記第2調整弁(102)は、前記第2調整弁(102)の制御接続部(110,111)における調整電磁石によって変位し、一方の制御接続部(110)は、上昇運動に相当する第2偏向寸法の方向への前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する第3電気信号を、他方の制御接続部(111)は、下降運動に相当する第2偏向寸法の方向への前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する第4電気信号を前記ステアリング機器(52)の変圧器から受信する請求項14に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項16】
前記第1調整弁(41)は、第1偏向寸法の前記ステアリング機器(52)の偏向からパイロット方式装置(130)により調整圧が形成されて、前記第1調整弁(42)の2つの前記制御接続部(49,50)に位置する制御室に供給されることで変位し、前記第2調整弁(102)は、第2偏向寸法の前記ステアリング機器(52)の偏向から前記パイロット方式装置(130)により調整圧が形成されて、前記第2調整弁(102)の2つの前記制御接続部(110,111)に位置する制御室に供給されることで変位する請求項14に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項17】
前記パイロット方式装置(130)において、前記第1調整弁(42)を作動するために、入力部が第1給油ポンプ(19)の高圧側接続部(24)、及び油圧タンク(138)にそれぞれ接続する2つの減圧弁(139,140)からなる第1減圧弁対(143)を介して、第1偏向寸法の2方向に前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する調整圧を形成し、及び前記第2調整弁(102)を作動するために、入力部が前記第1給油ポンプ(19)の前記高圧側接続部(24)、及び前記第1油圧タンク(138)にそれぞれ接続する2つの減圧弁(141,142)からなる第2減圧弁対(144)を介して、第2偏向寸法の2方向の前記ステアリング機器(52)の偏向に対応する調整圧を形成する請求項16に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項18】
前記第1及び第2調整弁(41,102)は、それぞれ4/3ポート方向制御弁であり、前記第1調整弁(41)の第1入力接続部(44,105)は、前記第1給油ポンプ(19)の前記高圧側接続部(24)に接続し、前記第2調整弁(102)の前記第1入力接続部(105)は、第2給油ポンプ(79)の高圧側接続部(84)に接続し、前記第1及び第2調整弁(41,102)の第2入力接続部(46,107)は、それぞれ油圧タンク(48,109)に接続し、前記第1調整弁(41)の第1出力接続部(40)は、第1調整装置(35)の第1調圧室(37)に接続し、前記第2調整弁(102)の第1出力接続部(101)は、第2調整装置(95)の第1調圧室(97)に接続し、前記第1調整弁(41)の第2出力接続部(43)は、前記第1調整装置(35)の第2調圧室(38)に接続し、前記第2調整弁(102)の第2出力接続部(104)は、前記第2調整装置(95)の第2調圧室(98)に接続する請求項14から17のいずれかに記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項19】
前記第1油圧ポンプ(15)は、前記第1及び第2接続部(14,17)での吐出方向及び吐出量に関して前記第1調整装置(35)で調整され、前記第2油圧ポンプ(75)は、前記第1及び第2接続部(74,77)での吐出方向及び吐出量に関して前記第2調整装置(95)で調整される請求項18に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項20】
前記第1油圧ポンプ(15)及び前記第1給油ポンプ(19)又は前記第2油圧ポンプ(75)及び前記第2給油ポンプ(79)は、それぞれ共通、又は個別の機械における共通軸(18,78)、特にディーゼルの集合体で駆動する請求項17から19のいずれかに記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項21】
前記第1給油ポンプ(19)の低圧側接続部(20)は、フィルタ(22)を介して油圧タンク(23)に接続し、前記第2給油ポンプ(79)の低圧側接続部(80)は、フィルタ(82)を介して油圧タンク(83)に接続し、前記第1給油ポンプ(19)の前記高圧側接続部(24)は、逆止め弁(29,30)をそれぞれ介して前記第1油圧ポンプ(15)の前記第1接続部(14)に連結する第1油圧負荷パイプ(13)と、前記第1油圧ポンプ(15)の前記第2接続部(17)に連結する第2油圧負荷パイプ(16)とに接続し、前記第2給油ポンプ(79)の前記高圧側接続部(84)は、逆止め弁(89,90)をそれぞれ介して前記第2油圧ポンプ(75)の前記第1接続部(74)に連結する第3油圧負荷パイプ(73)と、前記第2油圧ポンプ(75)の前記第2接続部(77)に連結する第4油圧負荷パイプ(76)とに接続する請求項17から20のいずれかに記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項22】
オープナ(58,129)を備える逆止め弁(55,116)は、それぞれ第1及び第3油圧負荷パイプ(13,73)に設けられる請求項21に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項23】
第2電気調整信号は、対応する圧力に変換された後で、前記第1油圧負荷パイプ(13)に一体化している前記逆止め弁(55)の前記オープナ(58)を作動し、また、第4電気調整信号は、対応する圧力に変換された後で、前記第3油圧負荷パイプ(73)に一体化している前記逆止め弁(116)の前記オープナ(129)を作動する請求項22に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項24】
前記パイロット方式装置(130)に形成される第2調整圧は、前記第1油圧負荷パイプ(13)に一体化している前記逆止め弁(55)の前記オープナ(58)を作動し、前記パイロット方式装置(130)に形成される第4調整圧は、前記第3油圧負荷パイプ(73)に一体化している前記逆止め弁(116)の前記オープナ(129)を作動する請求項21に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項25】
2/2ポート方向制御弁(119)は、前記第3及び第4油圧負荷パイプ(73,76)の間に位置し、前記2/2ポート方向制御弁(119)の制御入力部(121)に位置する調整電磁石に電気信号を印加して、又は前記2/2ポート方向制御弁(119)の前記制御入力部(121)に位置する制御室内の調整圧を印加して開き、前記ブーム(64)を操作状態「浮動位置」にする請求項21に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項26】
前記第3油圧負荷パイプ(73)は、油圧パイプ(128)を介して油圧制御装置(125)に接続して、走行機走行中の前記作業具(6)の縦揺れを減衰する請求項21に記載の油圧制御及び調整システム。
【請求項27】
走行機の速度に対応する電気信号は、走行機のタコゼネレータ(126)から前記油圧制御装置(125)の入力部(127)に伝導して、走行機走行中の前記作業具(6)の縦揺れを減衰する請求項26に記載の油圧制御及び調整システム。

【公表番号】特表2007−506916(P2007−506916A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517986(P2006−517986)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005437
【国際公開番号】WO2005/008075
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(506010219)ブリューニングハウス ハイドロマティック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (13)
【Fターム(参考)】