説明

車両用地図表示装置

【課題】設定された案内経路の出発地からの経過時間によって案内経路上の地点を指定し、その案内経路上の地点周辺の地図を表示する際に、その表示地点の案内経路上における位置関係を容易に把握可能にする。
【解決手段】入力された経過時間に対応する案内経路上の推測到達地点を表示範囲に含む第2の縮尺の道路地図を表示する前に、一旦、出発地と推測到達地点とを表示範囲に含む、第2の縮尺よりも表示範囲の広い第1の縮尺の道路地図を表示する。これにより、ユーザは、推測到達地点と出発地との位置関係や、推測到達地点が案内経路上のどの辺りに位置するのかも容易に把握することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用地図表示装置に関し、特に、案内経路が設定されたときに、その案内経路上の各地点の周辺地図をユーザに分かりやすく表示することが可能な車両用地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図表示装置として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の地図表示装置は、過去または未来における自分の位置を確認できるようにしたものである。具体的には、この地図表示装置は、現在時刻よりも過去の時刻が設定されたとき、メモリに蓄積された過去の位置情報に基づいた地図を表示部に表示させる。一方、現在時刻よりも未来の時刻が設定されたときには、移動の平均速度から求めた予測走行距離だけ、予め設定された経路上を移動した地点の地図を表示部に表示させる。
【0003】
なお、時刻は、BackボタンもしくはForeボタンが操作されることにより、所定時間(10分)単位で過去もしくは未来の時刻へと変更される。そして、ボタン操作が終了した時点で地図表示を行なうことに加え、ボタン操作の間の時刻の変更に対応して、地図をスクロールさせる場合もある。
【特許文献1】特開平11−202759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の地図表示装置において、未来の時刻を設定する際に、その設定時刻と現在時刻との差が大きいと、ボタン操作による時刻設定後に地図表示を行なった場合、地図が、現在地点からかなり遠方の地点の地図へ切り替えられることになる。このように地図に表示される地点が、現在地点からかなり遠方の地点までいっきに地点飛びすると、その切り替え後の地図における表示地点が、設定経路上のどの辺りに位置するのか、また現在地点との距離や方向がどのような関係にあるのかなどが把握し辛くなってしまう。
【0005】
このような問題は、時刻の設定の終了までの時刻の変更に対応して地図をスクロールさせた場合にも同様に発生しうる。つまり、従来の地図表示装置において、かなり遠方地点まで地図をスクロールしたとき、最終的な表示地点である遠方地点までの途中の地点がスクロールによって表示されるといっても、スクロールが継続することにより、それらの地点は直ぐに表示領域外となってしまう。さらに、スクロール表示される領域は、現在地点を表示していた地図の表示領域と同じである。従って、最終的な表示地点である遠方地点が、設定経路上のどの辺りに位置するのか、また現在地点との距離や方向がどのような関係にあるのかなどの把握が困難なことに変わりは無い。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、設定された案内経路の出発地からの経過時間によって案内経路上の地点を指定し、その案内経路上の地点周辺の地図を表示する際に、その表示地点の案内経路上における位置関係を容易に把握することが可能な車両用地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用地図表示装置は、
道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
道路地図データを用いて、道路地図を表示する表示手段と、
道路地図データに基づいて、出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段と、
ユーザの操作に基づいて、任意の経過時間を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された経過時間が経過したときに、出発地から走行を開始した車両が到達すると推測される案内経路における推測到達地点を算出する到達地点算出手段と、
到達地点算出手段によって推測到達地点が算出されたとき、少なくとも出発地と推測到達地点とを表示範囲に含む第1の縮尺の道路地図を表示手段に表示させ、その後、推測到達地点を表示範囲に含む、第1の縮尺よりも狭い表示範囲の第2の縮尺の道路地図を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上述したように、請求項1の車両用地図表示装置では、入力された経過時間に対応する案内経路上の推測到達地点を表示範囲に含む第2の縮尺の道路地図を表示する前に、一旦、出発地と推測到達地点とを表示範囲に含む、第2の縮尺よりも表示範囲の広い第1の縮尺の道路地図を表示する。これにより、ユーザは、推測到達地点と出発地との位置関係を把握できることはもちろんのこと、出発地から推測到達地点までの経路などから、推測到達地点が、案内経路上のどの辺りに位置するのかも容易に把握することができるようになる。
【0009】
請求項2に記載したように、入力手段によって入力された経過時間が、車両が目的地に到達するための所要時間を越えている場合、到達地点算出手段は、その超えた時間で車両が目的地から到達可能な複数の地点を算出し、表示制御手段は、第1の縮尺の道路地図として、出発地及び到達可能な複数の地点の全てを表示範囲に含む道路地図を表示させ、第2の縮尺の道路地図として、複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を表示させるようにしても良い。これにより、ユーザが案内経路上の目的地までの所要時間よりも長い経過時間を入力した場合も、その入力された経過時間で到達可能な地点(複数の地点)を表示することができる。
【0010】
請求項3に記載したように、ユーザの操作に基づいて、表示手段に表示されている案内経路における任意の地点を対象として、その対象地点から車両が到達可能な範囲の探索を指示する指示手段を備え、指示手段による探索指示がなされたとき、到達地点算出手段は、入力手段によって入力された経過時間で車両が対象地点から到達可能な複数の地点を算出し、表示制御手段は、複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を表示手段に表示させるように構成しても良い。上述したような指示手段を設けることにより、案内経路上の地点を基準とし、その地点から所望の経過時間で到達可能な範囲を容易に確認することができる。従って、例えば目的地へ到着しなければならない時刻まで余裕がある場合など、時間を限定して立ち寄り地などを検索することができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0011】
請求項4に記載したように、入力手段は、マイナスの経過時間を入力することが可能なものであり、当該マイナスの経過時間が入力された場合、到達地点算出手段は、その経過時間分で車両が出発地から到達可能な複数の地点を算出し、表示制御手段は、複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を表示手段に表示させるように構成しても良い。本発明では、出発地を基準として経過時間が定められるので、マイナスの経過時間は、ある地点から案内経路上の出発地に到達するための時間とみなすことができる。従って、マイナスの経過時間が入力された場合には、その経過時間分で出発地から到達可能な複数の地点によって定められる到達可能範囲を示す道路地図を表示することにより、その経過時間内で、出発地まで到達可能な地点の集合をユーザに示すことができる。これにより、ユーザは、ある地点で用事を済ませてから出発地を出発しようとする場合などにおいて、ユーザに対してドライブスケジュールを立てる上で有効な情報を提供することができる。
【0012】
請求項5に記載したように、表示制御手段は、到達可能範囲を示す道路地図を表示手段に表示させる場合、その到達可能範囲に応じて、道路地図の縮尺を変化させることが好ましい。到達可能範囲の大きさに応じた縮尺の道路地図を表示することにより、到達可能範囲の視認性を向上することができる。
【0013】
請求項6に記載したように、表示制御手段は、到達可能範囲を示す道路地図を表示手段に表示させるとき、到達可能範囲内に存在する施設を示すマークも合わせて表示するようにしても良い。これにより、ユーザが到達可能範囲内において立寄施設等を探しやすくなるためである。
【0014】
請求項7に記載したように、入力手段は、経過時間を連続的に増加もしくは減少させることにより、所望の経過時間を入力することが可能なものであり、所望の経過時間が入力されるまでの、連続的に増加・減少する経過時間に伴って、到達地点算出手段は、連続的に増加・減少する経過時間に対応する推測到達地点を順次算出し、表示制御手段は、出発地と到達地点算出手段によって順次算出される推測到達地点を含むように、表示する道路地図の縮尺を連続的に変化させることが好ましい。このようにすれば、経過時間の増減に応じた推測到達地点を確認することができるため、最終的に所望の経過時間が入力されたときに、その所望の経過時間に対応する推測到達地点の案内経路における位置や、出発地に対する位置関係などをより明確に把握することができる。
【0015】
請求項8に記載したように、表示制御手段は、表示する道路地図の縮尺の変化速度が所定の上限速度を超える場合、当該上限速度に従って、道路地図の縮尺を連続的に変化させることが好ましい。これにより、表示する道路地図の縮尺を連続的に変化させる場合であっても、その変化速度を所定の上限速度以下に制限することができるため、道路地図の縮尺が過度に速く変化することを防止して、ユーザによる道路地図の視認性を向上することができる。
【0016】
請求項9に記載したように、表示制御手段は、第1の縮尺の道路地図として、出発地と目的地とを結ぶ案内経路全体を表示範囲に含む道路地図を前記表示手段に表示させるようにしても良い。このように案内経路全体を表示しつつ、その案内経路上において、入力された経過時間に対応する推測到達地点を表示することにより、推測到達地点が案内経路においてどの辺りに位置するのか、より明確に認識することができる。
【0017】
請求項10に記載したように、表示制御手段は、第1の縮尺の道路地図から、推測到達地点を表示範囲に含む、第1の縮尺よりも狭い表示範囲の第2の縮尺の道路地図へと表示を切り替える際に、第1の縮尺から第2の縮尺へと連続的に縮尺を変化させた道路地図を表示することが好ましい。このように、第1の縮尺から第2の縮尺へと連続的に縮尺を変化させた道路地図を表示することにより、表示範囲に関しては、推測到達地点のみを含む表示範囲へと滑らかに収束していく。この表示範囲の連続的な収縮に伴って、表示される道路地図の縮尺は連続的に大きくなる。従って、案内経路の様子から、推測到達地点の周辺までを連続的に表示することができるので、ユーザにとって非常に分かりやすい表示を行なうことができる。
【0018】
請求項11に記載したように、入力手段は、経過時間として、現在時刻に対して所望の時間を加えた、もしくは減じた時刻を入力することが好ましい。このようにすると、これから案内経路に従って走行を開始しようとする場合などに、将来の時刻との関係で推測到達地点を認識することが容易となる。すなわち、表示される推測到達地点に何時何分ごろに到着するかを直接的に認識することができる。
【0019】
請求項12に記載したように、案内経路設定手段は、過去に設定した案内経路を記憶する案内経路記憶手段を備えることが好ましい。このようにすると、過去に設定した案内経路を利用して、その経路上において、出発地から所望の経過時間に対応する地点の周辺地図を確認したり、その経路上の任意の地点から所望の経過時間で到達可能な範囲を確認したりすることができる。従って、過去のある時間帯における走行地点を調べることができたり、また、同じ経路を走行する際のドライブスケジュールを立てる際に、有効な情報を得たりすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による車両用地図表示装置としてのナビゲーション装置の構成を示す構成ブロック図である。
【0021】
本実施形態によるナビゲーション装置20は、車両に搭載され、自車両の位置を検出して、その周辺地図とともに表示したり、目的地までの案内経路を検索し、その案内経路に沿って車両が走行可能なように経路案内を行なったりするカーナビゲーション機能や、外部から位置情報や交通情報等を取得するための通信機能も有する。以下、本実施形態のナビゲーション装置20の構成を詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、ナビゲーション装置20は、車両の現在位置を検出する位置検出器101と、地図データや各種の情報を記録した記録媒体を備える地図データ入力装置107と、ユーザからの各種指示を入力するための操作装置108と、各種のデータを記憶するための外部メモリ109と、地図表示画面やTV画面等の各種の画面表示を行う表示装置110と、各種のガイド音声等を出力したり、ユーザの音声を認識するための音声案内/音声認識装置111と、ブルートゥース等近距離無線を行うためのBT通信装置114と、車両情報の授受を行うための車両I/F部116とを備える。さらに、上述した位置検出器101,地図データ入力装置107,操作装置108,外部メモリ109,BT通信装置114,車両I/F部116などからの入力に応じて各種処理を実行し、外部メモリ109,表示装置110,音声案内/音声認識装置111,BT通信装置114を制御する制御回路112を備えている。
【0023】
位置検出器101は、地磁気から車両の進行方位を検出するための地磁気センサ102と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ103と、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ104と、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナ105を介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機106とを備えている。そして、これら各センサ等102〜106は、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、また、車両の進行方向や走行距離を求めるため、ステアリングホイールの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0024】
地図データ入力装置107は、道路地図を表示するための道路地図データ、車両の位置精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ、地図データ上の施設に関する各種の情報(施設の種類、位置、名称、住所など)からなる施設データ、各種施設を表示するための施設マークデータ、案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを、制御回路112に入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、メモリ、メモリカード等を用いることができる。
【0025】
上述した道路地図データは、例えば、1/5千,1/1万,1/2万,1/4万,1/8万…、のように複数段階の縮尺で道路地図を表示可能とすべく、各縮尺毎の道路地図データからなる。例えばユーザが縮尺を指定した場合、その指定された縮尺の道路地図を表示することができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、案内経路が設定され、その設定された案内経路の出発地からの経過時間によって案内経路上の地点を指定し、その案内経路上の地点周辺の地図表示へ移行するタイムスクロールを行なう際に、上述した複数段階の縮尺の道路地図を利用して、表示する道路地図の縮尺を連続的に変化させる。具体的には、例えば1/5千の縮尺の道路地図から1/1万の縮尺の道路地図へと、表示する道路地図の縮尺を変化させる場合、1/1万の縮尺の道路地図の一部の領域を拡大することにより、1/5千と1/1万との間の縮尺の道路地図を表示する。このとき、1/1万の縮尺の道路地図の一部の領域を拡大する拡大率として、複数の拡大率を適宜に設定することにより、見かけ上、道路地図の縮尺が連続的に変化しているように、道路地図を表示することができる。なお、タイムスクロールに関しては、後に詳細に説明する。
【0027】
外部メモリ9は、例えばハードディスク記憶装置などからなり、ユーザ操作によって選択された目的地や、その目的地までの案内経路など各種のデータを記憶するものである。
【0028】
表示装置110は、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRTなどによって構成される。表示装置110の表示画面には、例えば位置検出器101にて検出した車両の現在位置と、地図データ入力装置107より入力された道路地図データとに基づいて、車両の現在地を示すマークとその周辺地図が表示される。その周辺地図には、目的地までの案内経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データを重ねて表示することができる。また、表示装置110には、施設のガイド等も表示できる。
【0029】
音声案内/音声認識装置111は、地図データ入力装置107より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、車両I/F部116を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。
【0030】
BT通信装置114は、狭域通信を行うためのものであり、例えばDSRC、BlueTooth(登録商標)、無線LAN、UWB、などが使用されている。BT通信装置114は、例えば車内に持ち込まれた携帯電話との通信や、他の車両に搭載されたナビゲーション装置との通信に利用可能である。
【0031】
車両I/F部116は、各種の外部情報を入出力するためのものであり、車両状態検出や、図示しないラジオアンテナを介して受信したFM放送信号や、道路近傍に配置されたVICS(道路交通情報システム)サービス用の固定局から受信した電波ビーコン信号及び光ビーコン信号などを入力する。
【0032】
制御回路112は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、上述したナビゲーション機能や通信機能を発揮するために各種制御を実行する。なお、ナビゲーション機能の一つとして、制御回路112は、後述するタイムスクロール処理を実行する。その他にも、操作装置108の操作に従って目的地となる施設や地点を選択し、現在位置からその目的地までの最適な経路を探索する経路探索処理や、設定された案内経路に従って車両の走行案内を行なう経路案内処理なども実行する。
【0033】
図2は、本実施形態における操作装置108の具体例を示す斜視図である。本実施形態では、図2に示すハプティックデバイス(触感提示装置)21が、操作装置108として用いられている。このハプティックデバイス21は、例えば車両のセンターコンソール部に取り付けられる。
【0034】
ハプティックデバイス21は、トラックボール保持部210、トラックボール部220、決定スイッチ230、及び戻りスイッチ240などから構成されている。ユーザはトラックボール部220を回動させることにより、表示画面上のポインタを移動させて、選択すべき表示画面上の位置に移動させる。その位置に表示スイッチがある場合、決定スイッチ230を押すことにより、その表示スイッチに対応付けられた操作の実行を指示することができる。また、戻りスイッチ240を押すことにより、表示画面を前画面に戻すことができる。
【0035】
トラックボール保持部210の内部には、図3に示すように、トラックボール部220の回動による移動方向及び移動量を検出するトラックボール位置検出部320、及びトラックボール部220の操作感を制御するアクチュエータ部330(図3参照)が実装されている。このアクチュエータ部330は、二軸モータからなり、トラックボール部220の回動量に応じて、その回動方向と反対方向に反力を与えるものである
次に、図3を用いて、ハプティックデバイス21をコントロールするための制御部335の構成を説明する。制御部335は、トラックボール位置検出部320で検出した位置情報を入力部365を介して取り込む。演算処理部350は、ユーザによるトラックボール部220の操作に応じて、表示画面に表示されるポインタの位置を移動させるため、取り込んだ位置情報に基づいて、ポインタの位置を移動させるための表示制御信号を外部インターフェース部355を介して表示装置110に出力する。さらに、演算処理部350は、ユーザによるトラックボール部220の操作に応じて、トラックボール部220に付与すべき反力を演算し、その演算した反力を発生させるように、ドライバ回路345及び出力部340を介してアクチュエータ部330に駆動信号を出力する。
【0036】
なお、メモリ部360には、ハプティックデバイス21が操作される前のポインタの表示位置が記憶されており、演算処理部350は、その表示位置に基づいて、上述した表示制御信号を生成する。
【0037】
以上、本実施形態の操作装置108として用いられるパプティックデバイス21について説明したが、操作装置108として、その他の機器を用いても良い。例えば、パプティックデバイス21と同様の機能を発揮しえる操作機器としてジョイスティックを用いても良いし、表示装置110の表示画面上にタッチパネルセンサを設け、画面上に直接触れることによって各種操作を行なうようにしても良い。
【0038】
次に、本実施形態の特徴部分に係るタイムスクロール処理について説明する。図4(a)〜(c)は、タイムスクロール処理による道路地図の表示例を示すものであり、これらの図面に基づいて、タイムスクロール処理の概念を説明する。
【0039】
本実施形態によるタイムスクロール処理は、出発地から目的地までの案内経路が設定されていることが前提となる。案内経路が設定された場合、例えば出発地を出発してから、何時間後に案内経路のどの辺りを走行しているかを確認できると、ユーザにとって利便性が向上する。例えば、休憩を取るべき時間帯や食事時となった頃に走行している地点周辺を確認することで、それらに適した施設があるかどうかを検索したりすることも可能となるためである。
【0040】
ただし、図4(a)に示すような出発地周辺を表示している道路地図から、図4(c)に示すような走行開始後の経過時間に応じた地点周辺の道路地図にいきなり表示が切り換えられると、切り換え後の道路地図が、案内経路のどの部分に対応するのか把握することが困難になる。そこで、本実施形態では、入力された経過時間に対応する案内経路上の地点(推測到達地点)周辺の道路地図を表示する前に、一旦、図4(b)に示すような、出発地と推測到達地点とを表示範囲に含む道路地図を表示する。これにより、ユーザは、推測到達地点と出発地との位置関係を把握できることはもちろんのこと、出発地から推測到達地点までの経路、推測到達地点が案内経路上のどの辺りに位置するのかなども容易に把握することができるようになる。
【0041】
なお、図4(a)と図4(c)とに示す道路地図の縮尺(第2の縮尺)は同一であって、この縮尺はユーザによって指定されたものである。また、図4(b)に示す道路地図の縮尺(第1の縮尺)は、出発地と推測到達地点との両地点を表示範囲に含むように、両地点間の距離に応じて変化するものである。
【0042】
また、図4(b)の第1の縮尺の道路地図から図4(c)の第2の縮尺の道路地図へと表示を切り替える際には、第1の縮尺の道路地図から第2の縮尺の道路地図へと直接的に遷移させるのではなく、第1の縮尺から第2の縮尺へと連続的に縮尺を変化させた道路地図を表示することが好ましい。
【0043】
このように、第1の縮尺から第2の縮尺へと連続的に縮尺を変化させた道路地図を表示すると、表示範囲に関しては、出発地と推測到達地点との両地点を含む表示範囲から推測到達地点のみを(画面中心に)含む表示範囲へと滑らかに収束していく。このとき、表示範囲が連続的により狭い範囲に収縮することに伴って、表示される道路地図の縮尺は連続的に大きくなる。従って、表示装置110には、出発地と推測到達地点とを結ぶ案内経路全体の様子から、推測到達地点の周辺までを連続的に表示されるので、ユーザにとって非常に分かりやすい表示を行なうことができる。
【0044】
なお、図4(d)は、本実施形態におけるタイムスクロール処理により、案内経路上の複数の地点について、順番に、それらの周辺地図を表示することが可能であることを示している。つまり、出発地からの経過時間を入力することにより、第1の推測到達時点が表示されたときに、第1の推測到達時点に対応する経過時間を、所望の経過時間分だけ増加することにより、第1の推測到達地点から増加された経過時間分で到達可能な第2の推測到達地点の周辺地図が表示できる。同様にして、第3の推測到達地点の周辺地図も表示できる。
【0045】
ただし、第2の推測到達地点の周辺地図を表示する前に、第1の推測到達地点と第2の推測到達地点との両地点を表示範囲に含む道路地図を表示しても良いが、出発地と第2の推測到達地点との両地点を表示範囲に含む道路地図を表示することが好ましい。これにより、出発地、第1の推測到達地点、及び第2の推測到達地点の相互の位置関係がまとめて確認できるためである。
【0046】
図5は、タイムスクロール処理の操作画面の一例を示すものである。このような操作画面は、タイムスクロール処理を指示する所定のスイッチ操作を行なうことによって呼び出される。
【0047】
図5に示す操作画面では、出発地を現在時刻に対応させつつ、出発地からの経過時間として、現在時刻に対して所望の時間を加えた将来の時刻、もしくは所望の時間を減じた過去の時刻を入力するようにしている。このようにすると、これから案内経路に従って走行を開始しようとする場合などに、将来の時刻との関係で推測到達地点を認識することが容易となる。すなわち、表示される推測到達地点に何時何分ごろに到着するかを直接的に認識することができる。
【0048】
図5の操作画面には、時刻の入力のために、時刻スクロールバー415と時刻設定バー450とが用意されている。時刻スクロールバー415は、設定バー440上において時刻ポインタ430を設定したい時刻に一致するようにスクロールさせて、所望の時刻を入力するものである。時刻ポインタ430は、前述のハプティックデバイス21により、直接、時刻スクロールバー415上をスクロールさせたり、表示画面においてタッチ位置を時刻スクロールバー415上で移動させることによってスクロールさせたり、また、時刻スクロールバー415の両端部に設けられたポインタ操作キー420を操作することによってスクロールさせたりすることができる。時刻設定バー450は、入力時刻を数値で設定するものである。
【0049】
時刻スクロールバー415を用いて時刻を入力する場合、時刻ポインタ430がスクロールされて、入力時刻が増加もしくは減少されている間は、その入力時刻の連続的な増加・減少に伴って変化する推測到達地点と出発地との両地点を表示範囲に含むように、縮尺を連続的に変化させつつ、道路地図を表示することが好ましい。このようにすれば、入力時刻の増減に応じた推測到達地点を確認することができるため、最終的に所望の入力時刻が決定されたとき、その所望の入力時刻に対応する推測到達地点の案内経路における位置や、出発地に対する位置関係などをより明確に把握することができる。
【0050】
ただし、時刻スクロールバー415上の時刻ポインタ430のスクロール速度が速すぎると、ほんのわずかな時間で、縮尺の変化を伴う地図表示が終了してしまう。そこで、地図変化を確認する時間的余裕を与えるために、道路地図の縮尺の変化に上限速度を定め、時刻ポインタ430の操作による道路地図縮尺の変化速度が上限速度を超える場合には、その上限速度に従って、道路地図の縮尺を連続的に変化させることが好ましい。これにより、表示する道路地図の縮尺を連続的に変化させる場合、その変化速度を必ず上限速度以下に制限することができるため、道路地図の縮尺が過度に速く変化することを防止して、ユーザによる道路地図の視認性を向上することができる。
【0051】
一方、時刻設定バー450による時刻の入力は、連続的に増減されるものではないので、最終的な時刻が入力されたときに、出発地と推測到達地点との両地点を表示範囲に含む縮尺の小さな道路地図が所定時間表示され、その後、推測到達地点を中心とする表示範囲に向かって、道路地図の縮尺が連続的に大きくなっていく。
【0052】
時刻スクロールバー415や時刻設定バー450によって入力された時刻が、車両が目的地に到達する到達時刻を越えている場合、入力時刻と目的地到達時刻との時間差で、車両が目的地から到達可能な複数の地点を算出する。そして、第1の縮尺の道路地図として、出発地及び到達可能な複数の地点の全てを表示範囲に含む道路地図を表示し、その後、複数の地点を含む道路地図を表示する。なお、この場合には、それら複数の地点を全て表示範囲に含むように、適切な縮尺が選択され。その選択された縮尺の道路地図が表示される。
これにより、ユーザが案内経路上の目的地までの到達時刻よりも遅い時刻を入力した場合、その時間差で到達可能な地点(複数の地点)を表示することができる。
【0053】
図6は、目的地から到達可能な複数の地点を表示する道路地図の一例を示すものである。図6では、目的地からの到達可能地点が、二重丸の記号で複数表示されている。なお、この到達可能地点の表示方法としては、複数の到達可能地点から到達可能エリアを定め、この到達可能エリアを併せて表示しても良い。もしくは、個々の到達可能地点の表示を省略しつつ、到達可能エリアのみを表示しても良い。また、複数の到達可能地点から定めされる到達可能エリア内に存在する施設を示すマークも合わせて表示するようにしても良い。これにより、ユーザが到達可能エリア内において立寄施設等を探しやすくなる。
【0054】
また、時刻スクロールバー415や時刻設定バー450は、現在時刻よりも以前の時刻(過去の時刻)も入力可能であり、過去の時刻が入力された場合には、現在時刻との時間差で、車両が出発地から到達可能な複数の地点を算出し、これら複数の地点を表示範囲に含む道路地図を表示する。つまり、本実施形態では、出発地を現在時刻に対応させているので、過去の時刻が入力された場合、その時間差を、ある地点から案内経路上の出発地に到達するための時間とみなすのである。従って、過去の時刻が入力された場合には、現在時刻との時間差分で出発地から到達可能な複数の地点を示す道路地図を表示することにより、その時間差分で、出発地まで到達可能な地点の集合をユーザに示すことができる。これにより、ユーザは、ある地点で用事を済ませてから出発地を出発しようとする場合などにおいて、ユーザに対してドライブスケジュールを立てる上で有効な情報を提供することができる。
【0055】
過去の時刻が入力された場合の複数の地点の表示方法は、上述した目的地への到達時刻よりも遅い時刻が入力された場合の複数の地点の表示方法と同様である。また、このように出発地から到達可能な地点を表示する対象となる案内経路は、過去に設定され、外部メモリ9に記憶されている案内経路も対象とすることができる。
【0056】
また、図5の操作画面に示すように、本実施形態では、経路外検索キー410が設けられている。この経路外検索キー410は、タイムスクロール処理によって案内経路上の任意の位置に車両の現在位置マークがスクロールされたときに、その地点を中心として、所定時間内で到達可能な案内経路外の地点の探索を指示するものである。具体的には、所定の時刻を入力してタイムスクロール処理を行なったとき、経路外検索キー410を操作し、その後、入力時刻を増加させると、その増加した時間分で到達可能な複数の地点が算出され表示される。その表示方法は、上述した例と同様である。
【0057】
従って、ユーザは、案内経路上の地点を基準とし、その地点から所定の時間で到達可能な地点や範囲を容易に確認することができる。このため、例えば目的地へ到着しなければならない時刻まで余裕がある場合など、時間を限定して立ち寄り地などを検索することができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【0058】
次に、図7のフローチャートに基づいて、タイムスクロール処理の制御処理について説明する。まず、ステップS110では、出発地及び目的地が指定されて案内経路が探索されることにより、もしくは記憶された案内経路が読み出されることにより、案内経路が設定されたか否かを判定する。なお、出発地が指定されない場合は、現在地が出発地とみなされる。
【0059】
ステップS110の判定処理において、案内経路が設定されていないと判定されると、案内経路が設定されるまで待機する。一方、案内経路が設定されたと判定されると、ステップS120の処理に進む。ステップS120では、タイムスクロール処理を指示するスイッチ操作がなされたか否かを判定する。このステップS120の判定処理において、スイッチ操作がなされていないと判定されると、スイッチ操作が行なわれるまで待機する。一方、スイッチ操作がなされたと判定すると、ステップS130に進む。なお、タイムスクロール処理を指示するスイッチ操作がなされることに基づいて、表示装置110には、図5に示すような操作画面が表示される。
【0060】
ステップS130では、時刻が入力されたか否かを判定する。時刻が入力されたと判定した場合にはステップS140の処理に進み、時刻が入力されていないと判定した場合にはステップS200の処理に進む。
【0061】
ステップS140では、タイムスクロール処理の終了を指示する所定のスイッチ操作がなされたか否かを判定する。このスイッチ操作がなされたと判定されるとステップS110の処理に戻る。一方、そのようなスイッチ操作はなされていないと判定されると、ステップS150の処理に進む。
【0062】
ステップS150では、入力された時刻が目的地への到着予定時刻を超えるか否かを判定する。なお、目的地への到達予定時刻は、目的地までの距離、及び案内経路における各道路の種類に応じて定められる予想走行速度とに基づいて算出される。この判定処理において、入力時刻が目的地への到着予定時刻を超えると判定された場合には、ステップS230の処理に進み、到着予定時刻以下であると判定された場合には、ステップS160の処理に進む。
【0063】
ステップS160では、入力された時刻が、現在時刻よりも過去の時刻であるか否かを判定する。過去の時刻であると判定すると、ステップS260の処理に進み、将来の時刻であると判定するとステップS170の処理に進む。ステップS170では、入力された時刻に対応する、案内経路上における推測到達地点を算出する。続くステップS180では、出発地と、算出された推測到達地点の両地点を表示範囲に含む第1の縮尺の道路地図を、表示装置110に表示させる。
【0064】
なお、時刻スクロールバー415によって入力時刻が連続的に増減する場合には、ステップS170の処理において、連続的に増減する入力時刻に対応する推測到達地点を順次算出するとともに、」ステップS180の処理において、その順次算出される推測到達地点と出発地とを表示範囲に含むように、縮尺を連続的に変化させた道路地図の表示を行なう。ただし、入力時刻の増減が速すぎて、道路地図の縮尺の変化速度が所定の上限速度を越える場合には、縮尺の変化速度を上限速度に制限した縮尺の道路地図を表示する。そして、ステップS180では、入力時刻が一定となってから所定時間が経過するまで、第1の縮尺の道路地図の表示を継続し、その後、ステップS190の処理に進む。
【0065】
ステップS190では、推測到達地点を中心とする第2の縮尺の道路地図表示を行なう。ただし、この第2の縮尺の道路地図をいきなり表示するのではなく、上述したように、第1の縮尺から第2の縮尺へと、徐々に表示する道路地図の縮尺を変化させる。
【0066】
ステップS200では、経路外検索キー410が操作されたか否かを判定する。この判定処理において、経路外検索キー410は操作されていないと判定されると、第2の推測到達地点に対応する時刻の入力に備えるためステップS130の処理に戻る。一方、経路外検索キー410が操作されたと判定されると、ステップS210の処理に進む。
【0067】
ステップS210では、時刻スクロールバー415や時刻設定バー450によって入力された時刻の増加分に相当する時間で、ステップS170の処理によって算出された推測到達地点から車両が到達可能な地点を算出する。この到達可能地点は、通常、複数算出される。ステップS220では、算出された(複数の)到達可能地点を表示する道路地図を表示する。
【0068】
ステップS150の判定処理において、入力時刻が目的地への到着予定時刻を超えると判定された場合に実行されるステップS230では、入力時刻と到着予定時刻との差に相当する時間で、目的地から車両が到達可能な地点を算出する。ステップS240では、出発地と、算出された(複数の)到達可能地点の全てを表示範囲に含む道路地図を所定時間表示する。次に、ステップS250において、算出された(複数の)到達可能地点を表示範囲とする道路地図を表示する。この時、ステップS240の処理にて表示される道路地図から、徐々に表示尺度を大きくするように、表示する道路地図の縮尺を変化させる。
【0069】
また、ステップS160の判定処理において、過去の時刻が入力されたと判定された場合に実行されるステップS260では、入力された時刻と現在時刻との差に相当する時間で、車両が出発地から到達可能な地点を算出する。そして、ステップS270では、算出された全ての到達可能地点を表示範囲に含む道路地図を表示する。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々変形しつつ実施することが可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態では、入力時刻に対応する推測到達地点の周辺地図を表示する前に、出発地と推測到達地点とを表示範囲に含む第1の縮尺の道路地図を表示するようにした。しかしながら、第1の縮尺の道路地図として、出発地と目的地とを結ぶ案内経路全体を表示範囲に含む道路地図を表示させるようにしても良い。このように案内経路全体を表示しつつ、その案内経路上において、入力された経過時間に対応する推測到達地点を表示することにより、推測到達地点が案内経路においてどの辺りに位置するのか、より明確に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態による車両用地図表示装置としてのナビゲーション装置の構成を示す構成ブロック図である。
【図2】操作装置の具体例を示す斜視図である。
【図3】操作装置としてのハプティックデバイスをコントロールするための制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)〜(c)は、タイムスクロール処理による道路地図の表示例を示す図であり、(d)は、タイムスクロール処理により、案内経路上の複数の地点について、順番に、タイムスクロールして、周辺地図を表示することが可能であることを説明するための図である。
【図5】タイムスクロール処理の操作画面の一例を示す図である。
【図6】目的地から到達可能な複数の地点を表示する道路地図の一例を示す図である。
【図7】タイムスクロール処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
20…ナビゲーション装置(地図表示装置)
101…位置検出器
107…地図データ入力装置
108…操作装置
109…外部メモリ
110…表示装置
112…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記道路地図データを用いて、道路地図を表示する表示手段と、
前記道路地図データに基づいて、出発地から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定手段と、
ユーザの操作に基づいて、任意の経過時間を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された経過時間が経過したときに、前記出発地から走行を開始した車両が到達すると推測される前記案内経路における推測到達地点を算出する到達地点算出手段と、
前記到達地点算出手段によって推測到達地点が算出されたとき、少なくとも前記出発地と前記推測到達地点とを表示範囲に含む第1の縮尺の道路地図を前記表示手段に表示させ、その後、前記推測到達地点を表示範囲に含む、前記第1の縮尺よりも狭い表示範囲の第2の縮尺の道路地図を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする車両用地図表示装置。
【請求項2】
前記入力手段によって入力された経過時間が、前記車両が前記目的地に到達するための所要時間を越えている場合、前記到達地点算出手段は、その超えた時間で車両が前記目的地から到達可能な複数の地点を算出し、前記表示制御手段は、前記第1の縮尺の道路地図として、前記出発地及び到達可能な複数の地点の全てを表示範囲に含む道路地図を表示させ、前記第2の縮尺の道路地図として、前記複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用地図表示装置。
【請求項3】
ユーザの操作に基づいて、前記表示手段に表示されている前記案内経路における任意の地点を対象として、その対象地点から前記車両が到達可能な範囲の探索を指示する指示手段を備え、
前記指示手段による探索指示がなされたとき、前記到達地点算出手段は、前記入力手段によって入力された経過時間で車両が前記対象地点から到達可能な複数の地点を算出し、前記表示制御手段は、前記複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用地図表示装置。
【請求項4】
前記入力手段は、マイナスの経過時間を入力することが可能なものであり、当該マイナスの経過時間が入力された場合、前記到達地点算出手段は、その経過時間分で車両が前記出発地から到達可能な複数の地点を算出し、前記表示制御手段は、前記複数の地点から定められる到達可能範囲を示す道路地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用地図表示装置
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記到達可能範囲を示す道路地図を前記表示手段に表示させる場合、その到達可能範囲に応じて、道路地図の縮尺を変化させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の車両用地図表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記到達可能範囲を示す道路地図を前記表示手段に表示させるとき、前記到達可能範囲内に存在する施設を示すマークも合わせて表示することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の車両用地図表示装置。
【請求項7】
前記入力手段は、前記経過時間を連続的に増加もしくは減少させることにより、所望の経過時間を入力することが可能なものであり、前記所望の経過時間が入力されるまでの、連続的に増加・減少する経過時間に伴って、前記到達地点算出手段は、連続的に増加・減少する経過時間に対応する推測到達地点を順次算出し、前記表示制御手段は、前記出発地と前記到達地点算出手段によって順次算出される推測到達地点を含むように、表示する道路地図の縮尺を連続的に変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の車両用地図表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、表示する前記道路地図の縮尺の変化速度が所定の上限速度を超える場合、当該上限速度に従って、前記道路地図の縮尺を連続的に変化させることを特徴とする請求項7に記載の車両用地図表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記第1の縮尺の道路地図として、前記出発地と前記目的地とを結ぶ案内経路全体を表示範囲に含む道路地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両用地図表示装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第1の縮尺の道路地図から、前記推測到達地点を表示範囲に含む、前記第1の縮尺よりも狭い表示範囲の第2の縮尺の道路地図へと表示を切り替える際に、前記第1の縮尺から前記第2の縮尺へと連続的に縮尺を変化させた道路地図を表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両用地図表示装置。
【請求項11】
前記入力手段は、前記経過時間として、現在時刻に対して所望の時間を加えた、もしくは減じた時刻を入力することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の車両用地図表示装置。
【請求項12】
前記案内経路設定手段は、過去に設定した案内経路を記憶する案内経路記憶手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の車両用地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−196923(P2008−196923A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31416(P2007−31416)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】