説明

車両用経路案内装置

【課題】スリップストリーム効果を考慮して自車両の燃費が比較的良好となる経路を案内する車両用経路案内装置を提供すること。
【解決手段】車両に搭載され、自車両運転者に経路を案内する車両用経路案内装置が、自車両が所定の出発地から所定の目的地へ向かうとき、他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する推定手段と、この推定手段により推定されたスリップストリーム効果の大きさと、追従走行に関するユーザ所望条件とを考慮して、上記所定の出発地から上記所定の目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路を探索する経路探索手段と、この探索された経路と、当該経路を走行する際に自車両が追従走行すべき先行車となる他車両とをユーザに提示する情報提示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両に搭載され、自車両運転者に経路を案内する車両用経路案内装置に係り、特に、スリップストリーム効果を考慮して自車両の燃費が比較的良好となる経路を案内する車両用経路案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載され、自車両運転者に経路を案内する車両用経路案内装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、運転者に経路を案内する際に、燃費を考慮することが開示されている。
【特許文献1】特開2006−78307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の従来装置は、経路ごとの燃費を推定する際にいわゆるスリップストリーム効果を考慮していない。
【0005】
スリップストリーム効果とは、他の車両の後ろを走行するときには空気抵抗が減少するため、速度などの他の走行条件は全く同じ状態で単独走行している場合と比べて燃料消費量が少なくて済む、という効果のことを言う。
【0006】
燃費の推定をより正確に行うためにはスリップストリーム効果が考慮されるべきであるが、上記特許文献1記載の従来装置では、他車両の存在を何ら考慮しておらず、よってスリップストリーム効果が何ら考慮されていないため、他車両の存在状況によっては燃費推定の正確性が低下する可能性がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、スリップストリーム効果を考慮して自車両の燃費が比較的良好となる経路を案内する車両用経路案内装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、車両に搭載され、自車両運転者に経路を案内する車両用経路案内装置であって、自車両が所定の出発地から所定の目的地へ向かうとき、他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する推定手段と、この推定手段により推定されたスリップストリーム効果の大きさを考慮して、上記所定の出発地から上記所定の目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有する車両用経路案内装置である。
【0009】
上記一態様において、上記所定の出発地は、例えば、自車両の位置を検出する検出手段により検出された自車両位置か、或いは、ユーザ入力手段を通じてユーザにより設定された任意の地点である。また、上記所定の目的地は、例えば、ユーザ入力手段を通じてユーザにより設定された任意の地点である。
【0010】
また、上記一態様において、上記推定手段は、効率の観点から、通常は、追従走行したときに自車両が所定レベル以上のスリップストリーム効果を得られると推定される他車両(より具体的には、前方投影面積が一定以上の大型車両)のみを、スリップストリーム効果の大きさを推定する対象とする。
【0011】
また、上記一態様において、上記車両用経路案内装置は、通常、上記経路探索手段により探索された上記経路と、当該経路を走行する際に自車両が追従走行すべき先行車となる他車両と、をユーザに提示する情報提示手段を更に有する。
【0012】
また、上記一態様において、上記推定手段は、例えば、1)上記他車両の位置情報を通信を利用して取得し、この取得した他車両の位置情報に基づいて、自車両が上記所定の出発地から上記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定するように構成されてもよく、或いは、2)上記他車両が定期運行車両の場合には、当該他車両の運行予定情報を通信を利用して取得し、この取得した他車両の運行予定情報に基づいて、自車両が上記所定の出発地から上記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定するように構成されてもよく、或いは、3)上記他車両の通行統計情報(例えば、道路別/曜日別/時間帯別の大型車両の通行頻度/傾向、など)を通信を利用して取得し、この取得した他車両の通行統計情報に基づいて、自車両が上記所定の出発地から上記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定するように構成されてもよい。
【0013】
このような上記一態様によれば、通常の経路探索に加えて、他車両(先行車)の後ろを追従走行した際に得られるスリップストリーム効果(燃費改善効果)も考慮した上で、経路ごとの予想燃料消費量の多少を比較することができるようになるため、低燃費を実現する経路をより精度良く特定することができる。
【0014】
なお、上記一態様において、上記経路探索手段は、典型的には、A)上記所定の出発地から上記目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路を探索するように構成されるが、さらに、時間軸上に選択の幅を持たせる観点から、例えば、B)上記所定の出発地から上記目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路を複数の異なる出発時刻の各々について探索するように構成されてもよく、或いは、C)上記所定の出発地から上記目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路及び所定時間内の出発時刻を探索するように構成されてもよい。
【0015】
また、上記一態様において、上記経路探索手段は、更に、追従走行に関する各ユーザの趣向の違いを尊重する観点から、追従走行に関するユーザ所望条件(例えば、追従走行時の、確保される視界、排気ガスの影響、又は、走行パターン、に関する許容量、など)を考慮して、上記経路を探索することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スリップストリーム効果を考慮して自車両の燃費が比較的良好となる経路を案内する車両用経路案内装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、車両用経路案内装置の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0018】
以下、図1〜3を参照して、本発明の一実施例に係る車両用経路案内装置について説明する。
【0019】
まず、図1を用いて、本実施例に係る経路案内システム100全体の概略を説明する。
【0020】
本実施例に係る経路案内システム100は、サービス契約車両Vに搭載された経路案内装置101と、例えば車両製造業者や自動車小売店や或いは専門業者などのサービス事業体により管理・運営された通信局であるセンタ102とから構成される。
【0021】
経路案内装置101とセンタ102とは、無線通信を利用して、互いに通信できるように構成される。経路案内装置101とセンタ102の間の通信接続は、直接的な無線通信接続に限られず、車車間通信、路車間通信、及び/又は衛星通信を経由した間接的な通信接続であってもよい。
【0022】
なお、図1では、便宜上、契約車両Vを1台のみ図示しているが、当然、本実施例に係るシステムによる経路案内サービスには複数の車両(ユーザ)が加入することが可能であり、センタ102は複数の契約車両Vと通信接続可能であるものとする。
【0023】
センタ102は、走行中の車両の位置情報を取得できるように構成されているものとする。後に詳述するように、本実施例では、主として、後ろを走行する車両がスリップストリーム効果を得られると考えられる、一定以上の前方投影面積を持つ大型車両(例えば、トラックや、バスなど)の位置情報が用いられるため、少なくともこのような大型車両の位置情報が得られる限り、センタ102が車両位置情報を取得する方法は任意でよい。
【0024】
当然、外部から取得する代わりに、センタ102自体が、走行中の大型車両の現在位置を追跡・検出する機能を備えていてもよい。
【0025】
センタ102の内外いずれで行われるのかを問わず、上記のような大型車両の位置を検出する方法としては、例えば、a)いわゆるプローブカー(システム)を利用して検出(収集)する、b)Nシステムからの情報に基づいて検出する、c)ETCからの情報に基づいて検出する、d)路線バス運営会社から得た路線バスの運行情報(時刻表)に基づいて検出する、などの方法が考えられる。
【0026】
図1に概念的に示すように、本実施例において、各車両Vに搭載された経路案内装置101が無線通信を利用してセンタ102へ大型車両の位置情報を要求すると、センタ102は、この要求に応じて、大型車両位置情報を要求元の経路案内装置101へ送信するように構成される。
【0027】
図2は、本実施例に係る経路案内システム100において各サービス契約車両Vに搭載される経路案内装置101の概略構成図である。
【0028】
経路案内装置101は、センタ102(図1)と通信する通信部201を有する。通信部201が備えるアンテナの性能や形状並びに通信に利用する方式や周波数帯域などについては、特段の制限はなく、任意でよい。具体的には、例えば、既存の携帯電話や無線LANなどの通信規格に準拠した無線通信方式を採用することが考えられる。
【0029】
経路案内装置101は、更に、例えば、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を利用して自車両の位置を検出する自車両位置検出部202を有する。自車両位置検出部202の検出精度(分解能)は高い(細かい)ほど好ましく、例えばRTK(Real Time Kinematic)−GPSなどの高精度GPSが利用されることが好ましい。
【0030】
経路案内装置101は、更に、自車両の車速を検出する車速検出部203を有する。車速検出部203は、例えば車輪速センサを利用して、自車両の車速を検出する。代替例として、自車両位置検出部202によって検出された自車両位置の時間変化から自車両の車速を算出してもよい。
【0031】
経路案内装置101は、更に、車両運転者が、目的地や、追従走行に関する所望条件等を入力・設定するためのユーザ入力部204を有する。ユーザ入力部204は、車両運転者が容易に操作できる位置に設けられることが望ましい。
【0032】
ここで、追従走行に関するユーザ所望の条件とは、例えば、ア)先行車により前方視界が遮られることに対する許容量、イ)先行車から及ぼされる排気ガスに対する許容量、ウ)許容する走行パターン、などである。
【0033】
ア)先行車に対して追従走行しているときの視界は、具体的には、例えば、先行車のサイズ、先行車の車速、自車両の車速、車間距離、などのパラメータにより決定されるものと考えられる。本実施例では、ユーザが追従走行時の視界に対して許容量を予め設定した場合、後述するスリップストリーム効果を考慮した低燃費経路探索において、ユーザ指定の許容量を超えて視界が狭まるような追従走行が行われることになってしまう経路は抽出しないようにする。
【0034】
また、イ)追従走行しているときに先行車から及ぼされる排気ガス量は、具体的には、例えば、先行車の車速・排気量、車間距離、などのパラメータにより決定されるものと考えられる。本実施例では、ユーザが追従走行時の排気ガスに対して許容量を予め設定した場合、後述するスリップストリーム効果を考慮した低燃費経路探索において、ユーザ指定の許容量を超えて先行車からの排気ガスが及ぶような追従走行が行われることになってしまう経路は抽出しないようにする。
【0035】
さらに、ウ)追従走行中は先行車の走行パターンをトレースすることになるため、追従走行中にユーザが望まないパターンでの走行(例えば、所望でない車速での走行、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す、急加速する、坂路で急減速する、など)が行われることになってしまうことも考えられる。本実施例では、ユーザが追従走行時の走行パターンに対して許容する走行パターン/許容しない走行パターンを予め設定した場合、後述するスリップストリーム効果を考慮した低燃費経路探索において、ユーザ指定の許容しない走行パターンを伴い追従走行が行われることになってしまう経路は抽出しないようにする。
【0036】
経路案内装置101は、更に、地図情報とスリップストリーム効果テーブル(後述)とを予め記憶保持する記憶部205を有する。記憶部205は、任意の種類・規格の記憶媒体でよい。
【0037】
ここで、スリップストリーム効果テーブルとは、自車両が大型車両を先行車とした追従走行を行ったときに得られると期待される燃費向上量(又は、燃費向上率)を、先行車の車種・車型・形状や、車間距離などのパラメータごとにテーブル形式にまとめたデータである。
【0038】
記憶部205に記憶保持された地図情報及びスリップストリーム効果テーブルは、例えば通信部201による無線通信を利用して、適宜、最新のバージョン/内容に更新されることが好ましい。
【0039】
経路案内装置101は、更に、地図情報上に自車両位置と検索された最適経路とを重畳表示する表示部206を有する。表示部206は、任意の種類のディスプレイ装置でよく、例えば液晶ディスプレイ(LCD)である。他の車載システム(例えば、マルチメディアシステムなど)のディスプレイ装置と兼用であってもよい。
【0040】
当業者には明らかなように、ユーザ入力部204と表示部206とは、一体となったタッチパネル式ディスプレイ装置として実現することが可能である。
【0041】
経路案内装置101は、更に、音声メッセージを出力する音声出力部207を有する。音声出力部207は、車室内に設けられた任意のスピーカでよく、他の車載システム(例えば、オーディオビジュアルシステムなど)のスピーカと兼用であってもよい。
【0042】
経路案内装置101は、更に、経路案内装置101の各構成要素を統括的に制御すると共に、後述するような各種演算を実行する演算・制御部208を有する。演算・制御部208は、例えば、ECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)である。
【0043】
このような構成の経路案内装置101において、演算・制御部208は、運転者がユーザ入力部204を通じて目的地を入力・設定すると、自車両位置検出部202によって検出された自車両位置と、入力された目的地とを記憶部205に記憶保持された地図情報に照らして、自車両現在位置から目的地までの経路を検索するように構成される。
【0044】
ここで、通常モードが選択されている場合、演算・制御部208は、一般的なカーナビゲーションシステムと同様に、距離/時間を優先し、例えば重み付けを利用するダイクストラ法などの任意のアルゴリズムを用いて、自車両現在位置から目的地までの最適な経路を探索するように構成される。
【0045】
当業者には既知のように、ダイクストラ法では、リンク(道路)及びノード(交差点)の各々について経路評価値(コスト、重み)を設定し、検索された複数の経路について経路全体での評価値を比較し、最小評価値の経路が最適経路として選ばれることになる。
【0046】
例えば、リンクの評価値は、道路長、道路種別(自動車専用道路/一般道)、道路幅員、車線数などに応じて設定され、ノードの評価値は、右左折レーンの有無、信号機の有無、横断歩道の有無、交差道路数などに応じて設定される。
【0047】
他方、低燃費経路探索モードが選択されている場合、演算・制御部208は、通信部201を介してセンタ102(図1)から大型車両の位置情報を要求し、それに対する返信を取得、さらに、記憶部205に記憶保持されたスリップストリーム効果テーブルからそれぞれの大型車両を先行車として追従走行したときに自車両において期待される燃費向上量を読み出し、算出して、可能な限り大型車両の後ろを追従走行することによってスリップストリーム効果を最大限得られるようにした場合に、自車両現在位置から目的地まで最も低燃費で(換言すれば、最も少ない燃料消費量で)到達可能な経路を探索するように構成される。
【0048】
また、このようにして探索された最適経路/低燃費経路を、演算・制御部208は、記憶部205に記憶保持された地図情報に重畳させて表示部206に画面表示させ、運転者に提示するように構成される。
【0049】
次いで、図3のフローチャートを参照して、車両用経路案内装置101による低燃費経路探索・提示処理の流れについて説明する。
【0050】
本フローは、例えば、ユーザによって、目的地が設定され、当該目的地までの経路の探索が指示されたときに開始される。
【0051】
まず、演算・制御部208は、その時点で設定されている経路探索のモードが、低燃費経路探索モードであるか否かを判定する(S301)。
【0052】
本実施例において、低燃費経路探索モードは、例えば、所定のユーザ操作(例えば、ユーザ入力部204を通じた所定のボタン操作、など)によって、すなわちユーザが所望したときに、設定されるものとする。この場合、当該所定のユーザ操作が行われていないと判定されたときには(S301の「NO」)、通常モードが設定されていると判断し、従来通りの距離や時間を優先した(逆に言えば、スリップストリーム効果が考慮されない)経路探索が行われ(S304)、ユーザに提示される(S306)。
【0053】
代替例として、デフォルト設定が低燃費経路探索モードであって、所定のユーザ操作が行われたときのみ、従来通りの距離や時間を優先した経路探索が行われるものとしてもよい。
【0054】
低燃費経路探索モードが設定されていると判定された場合(S301の「YES」)、次いで、演算・制御部208は、通信部201を通じて、センタ102から大型車両の位置情報を取得する(S302)。
【0055】
より具体的には、経路案内装置101は、センタ102に追従走行したときに一定レベル以上のスリップストリーム効果が得られると期待される前方投影面積を持つ大型車両の位置情報を要求し、センタ102はこの要求を受信すると、経路案内装置101へ該当する大型車両の位置情報を提供する。
【0056】
また、位置情報と併せて、位置情報が提供される大型車両の各々について、車種(トラック、バス、等)や、車両サイズや、車両重量、車間距離に応じた後続車への視界の妨げ量、車間距離に応じた後続車へ及ぼし得る排気ガス量、などの車両属性情報もセンタ102から経路案内装置101へ情報提供されるものとする。
【0057】
さらには、道路(リンク)ごとの渋滞度、平均車速、平均車速変化量、などの交通情報も併せてセンタ102から取得されるものとしてもよい。
【0058】
このような大型車両の位置情報及び属性情報が取得されると、次いで、演算・制御部208は、自車両位置検出部202によって検出された自車両現在位置から、ユーザ入力部204を通じてユーザにより設定された目的地まで最も低燃費で到達できる経路を、それら大型車両を先行車として後ろから追従走行した際に得られると期待されるスリップストリーム効果による燃費向上量(燃費向上率)と、ユーザがユーザ入力部204を通じて追従走行時の好みの車間距離を入力していれば当該車間距離と、を考慮しながら、探索する(S303)。
【0059】
より具体的には、距離・時間が短い経路であるほど燃料消費量を少なくて済む可能性が高いため、目的地までの距離・時間が考慮されることは当然であるが、ここでは、加えて、取得した大型車両の位置情報及び属性情報に基づいて、いずれの経路を走行すればいずれの大型車両の後ろに追い付いて追従走行が可能となるか、その大型車両を先行車としてユーザ所望の車間距離で追従走行した場合にはどの程度の燃費向上が見込まれるかを、記憶部205に記憶保持されたスリップストリーム効果テーブルを参照して推定する。
【0060】
そして、できる限りこれら大型車両の後ろに付ける経路を選択し、できる限り大型車両に追従走行してスリップストリーム効果を得ながら目的地へ向かうものとした場合、どのような経路を通るのが燃費向上の観点から最も好ましいかを判断する。
【0061】
例えば、スリップストリーム効果は、前方を走行する車両(先行車)の前方投影面積にほぼ比例することが知られているため、他の条件が同等であれば、原則として、より前方投影面積の大きい先行車に追従走行が可能な経路が選択されることになる。
【0062】
また、例えば、先行車となり得る大型車両が路線バスであった場合、停留所ごとにストップ・アンド・ゴー(一時停車&再発進)を繰り返すことが予想されるため、そのような路線バスに継続的に追従走行しようとして自車両もストップ・アンド・ゴーを繰り返すと、例えばトラックなどの他の大型車両に追従走行した場合に比べて、たとえ前方投影面積がほぼ等しくても、燃費改善効果が小さくなるおそれがある。したがって、路線バスについては、得られるスリップストリーム効果をある程度割り引いて考慮する。
【0063】
ただし、既述のように、ユーザにより所望の追従条件が設定されている場合には、それらを考慮するものとする。また、平均車速などの交通情報がセンタ102から取得されている場合には、それらも考慮するものとする。
【0064】
具体的には、例えば、平均車速毎時50キロメートル(50km/h)で流れている道路Rを車両Xに車間距離40メートル(m)で追従走行して走行するという経路を含む経路が低燃費を実現する経路として探索されたとき、そのような車速で車両Xに対して車間距離40mで追従走行すると、視界が60%低下し、排気ガスの影響が30%増加すると推定され、且つ、これら推定量がユーザ指定の許容量を超えて視界及び排気ガスによる影響を悪化させるものであれば、当該経路はユーザの意向を尊重して最も低燃費となる経路として最終的には抽出されないようにする。
【0065】
なお、当業者には明らかなように、上述のようにスリップストリーム効果を考慮したとしても、周辺の大型車両の走行状況によっては、大型車両の後ろを一度も追従走行することのない経路が最も低燃費に目的地まで到達できる経路として選択される可能性や、得られると期待されるスリップストリーム効果が最も高い経路よりも比較的低いスリップストリーム効果しか得られないと考えられる経路の方が距離等の関係から最も低燃費に目的地まで到達できる経路として選択される可能性も、当然、あり得る。
【0066】
このようにして、できる限り、大型車両の後ろを追従走行することができる経路を選択し、よって、スリップストリーム効果を最大限得られるようにした場合に、最も低燃費で目的地に到達できる経路が探索されると、演算・制御部208は、算出された最も低燃費となる経路の少なくとも一部を、記憶部205に記憶保持された地図情報に重畳させて表示部206に画面表示させ、運転者に視覚的に提示する(S305)。
【0067】
この画面表示は、当然、自車両の走行につれて表示される地図範囲も自動的に変更(スクロール)されることが好ましい。また、このとき、追従走行の対象(すなわち、自車両から見て先行車)とすべき大型車両の位置も併せて画面上に重畳表示してもよい。
【0068】
このようにして最も少ない燃料消費量で目的地に到達できる経路がユーザに提示される後も、演算・制御部208は、通信部201を通じて引き続きセンタ102から大型車両の位置情報を取得し、ユーザが目視できるほどの自車両前方近傍に自車両が追従走行の対象とすべき大型車両が存在する位置関係になったか否かを判断する(S307)。
【0069】
自車両が低燃費実現のために追従すべき大型車両が前方に現れたとき(S307の「YES」)、演算・制御部208は音声出力部207に指示してその存在をユーザに案内する(S308)。
【0070】
具体的には、例えば、「前方に見える○○行きの緑色のバスの後ろを走行して下さい。」といった趣旨の音声メッセージを出力する。大型車両の位置が車線レベルまで把握できる場合には、例えば、「左側の車線に車線変更して、前方に見える黄色のトラックの後ろを走行して下さい。」といった趣旨の車線変更案内までも含めた音声メッセージを出力することが可能となる。
【0071】
当業者には明らかなように、上記のような追従すべき大型車両の検出には、自車両に搭載されたカメラやセンサなどを併用してもよい。また、途中で追従対象の先行車を変更させたとき(例えば、先行車である路線バスが停留所で一時停車したときに、車線変更して別のトラックに対する追従走行に切り替えさせる、など)にも、上記同様、音声メッセージで案内するものとする。
【0072】
スリップストリーム効果を最大限に得るためのこのような音声案内を繰り返しながら目的地へと向かっている途中において、必要に応じて、リルート、すなわち別の経路の再探索・案内、が実行される(S309の「YES」でS301へ戻る)。
【0073】
リルートは、例えば、A)演算・制御部208が通信部201を通じてセンタ102から取得した最新の大型車両の位置情報に基づいて常時低燃費経路探索を実行しているものとし、現在案内中の経路よりも低燃費となり得る経路が見つかったときに実行されるものとしてもよく、及び/又は、B)ユーザがユーザ入力部204を通じて指示したときに、演算・制御部208が通信部201を通じてセンタ102から最新の大型車両の位置情報を取得し、これに基づいて低燃費経路探索を再度実行するものとしてもよい。
【0074】
前者A)の場合、例えば、「(ルート変更後の燃費向上分による燃料低減量−ルート変更後の走行距離による燃料消費量)>ルート変更前の燃費向上分による燃料低減量」が成立するときのみルートが変更されるものとし、現実的な効果を高める。また、後者B)の場合、現在案内中の経路よりも低燃費となり得る経路が見つからなかったときには、その旨ユーザに案内する。
【0075】
このようなS305〜S309に係る処理は、自車両が目的地に到着するまで繰り返される(S310の「NO」で、S305へ戻る)。
【0076】
自車両が目的地に到着した場合(S310の「YES」)、本フローの1ルーチンを終了し、スリップストリームをできる限り利用した低燃費経路の案内を終了する。
【0077】
このように、本実施例によれば、目的地まで最も低燃費に目的地まで到達できる経路を選択する際に、追従走行することによってスリップストリーム効果が得られると期待される大型車両の位置情報が考慮される。そして、これら大型車両にできる限り追従走行して目的地に向かうものとしたときに得られると期待される燃費改善効果を考慮した上で、最も低燃費に目的地まで到達できる経路が選択されるため、周辺大型車両の位置情報を考慮しない場合(換言すれば、スリップストリーム効果を考慮しない場合)と比べて、低燃費経路をより精度良く抽出・選択することができる。
【0078】
また、本実施例によれば、大型車両の後ろを追従走行することによって得られると期待されるスリップストリーム効果を考慮に入れて低燃費経路を探索する際に、追従走行に関するユーザの所望条件が考慮され、ユーザの望まない態様での追従走行を必要とする経路は選択されないため、燃費改善を優先するあまりユーザに不快感を与えることがない。
【0079】
なお、上記一実施例において、一例として、低燃費経路探索モードが設定されているときには最も低燃費に目的地まで到達できる一経路が探索・抽出・選択され、ユーザに提示されるものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限られるものではない。スリップストリーム効果が考慮された複数の低燃費経路がユーザに提示され、これら複数の経路の中からユーザがより詳細な案内(例えば、上記一実施例における音声メッセージによる先行車とすべき車両の案内、など)を望む任意の一経路を選択できるようにしてもよい。
【0080】
この場合、より具体的には、例えば、1)得られると期待されるスリップストリーム効果が所定レベルを上回る経路を1以上抽出し、それらの一部又は全部をユーザに提示して選択させるようにしてもよく、或いは、2)算出された予想燃費消費量が所定レベルを下回る経路を1以上抽出し、それらの一部又は全部をユーザに提示して選択させるようにしてもよい。
【0081】
また、このように複数の低燃費経路をユーザに提示する場合、例えば、a)得られると期待されるスリップストリーム効果の大きい順に並べてユーザに提示されてもよく、或いは、b)算出された予想燃費消費量が少ない順に並べてユーザに提示されてもよく、或いは、c)追従走行に関するユーザ所望条件との合致の程度が高い順(例えば、ユーザが視界の確保を重視していると考えられる場合には、経路全体を通じて確保される視界が広い順、など)に並べてユーザに提示されてもよい。
【0082】
さらに、低燃費経路探索モードが設定されているときには、ユーザは多少時間が多く掛かってもより低燃費となる経路の案内を欲しているとの洞察に基づき、上記のように複数の低燃費経路をユーザに提示して任意の経路を選択させる場合に、時間軸上の選択の幅をユーザに与え、大型車両の後ろを追従走行できるように出発時刻を後ろにずらした場合をも考慮に入れるようにしてもよい。
【0083】
すなわち、上記一実施例においては、一例として、自車両が現在位置からすぐに目的地へ向かって出発する場合を暗に前提としていたが、本発明はこのような実施形態に限られるものではなく、大型車両との位置関係に基づいて、より高い燃費改善効果が見込まれる出発時刻をも併せてユーザに案内するものとすることも可能である。
【0084】
例えば、自車両が現在位置から今すぐに目的地に向かうものとすると、周辺の大型車両との位置関係から、いずれの経路を通ってもちょうどよいタイミングでそれら大型車両の後ろに付いて追従走行することができず、よってスリップストリーム効果を利用して燃費の改善を図ることが困難であるが、現在位置を出発する時刻を今から5分後とすれば、換言すれば現在位置で5分間待機してから出発するものとすれば、ちょうど大型車両の後ろに付くことができ、よってスリップストリーム効果を有効に得て、現在位置を今すぐに出発する場合よりも低燃費を実現できる場合、低燃費経路と出発時刻(この場合、今から5分後)とを1つの組み合わせ(セット)として、ユーザに提示するようにしてもよい。
【0085】
より具体的には、低燃費経路探索モードが設定されているときには、例えば、A)経路探索開始時点から所定時間(例えば15分間)内に出発すればよいものとし、目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できる経路及び出発時刻の組み合わせを1つ、ユーザに提示するものとしてもよく、或いは、B)経路探索開始時点から所定時間(例えば15分間)内の異なる複数の時刻(例えば3分ごと)においてそれぞれ出発した場合に最も低燃費で目的地に到達できる経路をユーザに提示し、これら複数の出発時刻と経路の組み合わせの中からユーザがより詳細な案内(例えば、上記一実施例における音声メッセージによる先行車とすべき車両の案内、など)を望む任意の1つの組み合わせを選択できるようにしてもよい。
【0086】
後者B)の場合、それぞれの組み合わせを選択した場合に得られると期待されるスリップストリーム効果の大きさ又は予想燃料消費量も併せてユーザに提示されることが好ましい。
【0087】
また、後者B)の場合、これら複数の出発時刻と経路の組み合わせは、例えば、a)得られると期待されるスリップストリーム効果の大きい順に並べてユーザに提示されてもよく、或いは、b)算出された予想燃費消費量が少ない順に並べてユーザに提示されてもよく、或いは、c)追従走行に関するユーザ所望条件との合致の程度が高い順(例えば、ユーザが視界の確保を重視していると考えられる場合には、経路全体を通じて確保される視界が広い順、など)に並べてユーザに提示されてもよく、或いは、d)出発時刻の早い順(換言すれば、出発待機時間の短い順)に並べてユーザに提示されてもよい。
【0088】
また、上記一実施例においては、一例として、自車両位置検出部202により検出された自車両現在位置を出発地として、目的地までの経路を探索するものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限られるものではなく、出発地についても、目的地と同様に、ユーザ入力部204を通じてユーザが任意の地点を指定・設定できるものとすることも当然可能である。
【0089】
また、上記一実施例においては、一例として、低燃費経路探索モードが設定されているときには、トラックやバスなどの前方投影面積が一定レベル以上の大型車両の位置情報を取得し、これら大型車両に追従走行することによってできる限りスリップストリーム効果が得られる経路を探索することを通じて、最も少ない燃料消費量で目的地に到達できる経路を探索するものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限られるものではない。
【0090】
例えば、これら大型車両の位置情報に代えて又は加えて、大型車両の過去の交通量の統計データを取得し、道路Aよりも道路Bの方が大型車両が通行している可能性が比較的高く、よって、それら大型車両の後ろに付いて追従走行できる可能性が比較的高い、といった統計データに基づく各道路の大型車両の通行傾向を利用して、各道路・各経路を通行した際に得られると期待されるスリップストリーム効果の大きさ(燃費改善効果の程度)を推定するようにしてもよい。当業者には明らかなように、この場合の大型車両の道路別通行統計データは、曜日別や時間帯別など、より詳細な統計データであるほど好ましい。
【0091】
さらに、上記一実施例においては、一例として、ユーザが、ユーザ入力部204を通じて、追従走行に関するユーザ所望の条件を経路案内装置101に入力・設定できるものとし、低燃費経路探索時にはこのユーザ指定条件が尊重されるものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限られるものではない。
【0092】
例えば、先行車との車間距離の自動的に計測して、当該ユーザが通常確保している車間距離の傾向から、追従走行時にユーザが所望しているであろう車間距離(換言すれば、車間距離に関するユーザ特性)を自動的に学習するものとし、ユーザによる入力・設定を不要な構成とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、通信機能を備えたカーナビゲーションシステムに利用できる。搭載される車両の動力源種類、燃料種類、外観デザイン、重量、サイズ、走行性能等はいずれも不問である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施例に係る経路案内システムの全体概略図である。
【図2】本発明の一実施例に係る車両用経路案内装置の概略構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る車両用経路案内装置による低燃費経路探索・提示処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
100 経路案内システム
101 車両用経路案内装置
102 センタ
201 通信部
202 自車両位置検出部
203 車速検出部
204 ユーザ入力部
205 記憶部
206 表示部
207 音声出力部
208 演算・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、自車両運転者に経路を案内する車両用経路案内装置であって、
自車両が所定の出発地から所定の目的地へ向かうとき、他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する推定手段と、
前記推定手段により推定されたスリップストリーム効果の大きさを考慮して、前記所定の出発地から前記所定の目的地までの経路を探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用経路案内装置であって、
前記推定手段は、追従走行したときに自車両が所定レベル以上のスリップストリーム効果を得られると推定される他車両のみを、スリップストリーム効果の大きさを推定する対象とする、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両用経路案内装置であって、
前記推定手段は、前記他車両の位置情報を通信を利用して取得し、この取得した他車両の位置情報に基づいて、自車両が前記所定の出発地から前記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項4】
請求項3記載の車両用経路案内装置であって、
前記推定手段は、前記他車両が定期運行車両の場合、当該他車両の運行予定情報を通信を利用して取得し、この取得した他車両の運行予定情報に基づいて、自車両が前記所定の出発地から前記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の車両用経路案内装置であって、
前記推定手段は、前記他車両の通行統計情報を通信を利用して取得し、この取得した他車両の通行統計情報に基づいて、自車両が前記所定の出発地から前記所定の目的地へ向かうとき、当該他車両に追従走行すると得られるスリップストリーム効果の大きさを推定する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項記載の車両用経路案内装置であって、
前記経路探索手段は、前記所定の出発地から前記所定の目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路を探索する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項7】
請求項6記載の車両用経路案内装置であって、
前記経路探索手段は、前記所定の出発地から前記所定の目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路を複数の異なる出発時刻の各々について探索する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項8】
請求項7記載の車両用経路案内装置であって、
前記経路探索手段は、前記所定の出発地から前記所定の目的地まで最も少ない燃料消費量で到達できると判断される経路及び所定時間内の出発時刻を探索する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項記載の車両用経路案内装置であって、
前記経路探索手段は、追従走行に関するユーザ所望条件を考慮して、前記経路を探索する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項10】
請求項9記載の車両用経路案内装置であって、
前記ユーザ所望条件は、追従走行時の、確保される視界、排気ガスの影響、又は、走行パターン、に関する許容量である、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項記載の車両用経路案内装置であって、
前記経路探索手段により探索された前記経路と、当該経路を走行する際に自車両が追従走行すべき先行車となる他車両と、をユーザに提示する情報提示手段を更に有する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項記載の車両用経路案内装置であって、
自車両の位置を検出する検出手段を更に有し、
前記所定の出発地は、前記検出手段により検出された自車両位置である、ことを特徴とする車両用経路案内装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項記載の車両用経路案内装置であって、
ユーザが当該車両用経路案内装置に前記所定の出発地又は前記所定の目的地を設定するためのユーザ入力手段を更に有する、ことを特徴とする車両用経路案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−275500(P2008−275500A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120840(P2007−120840)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】